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#五所稲荷神社
ari0921 · 1 year
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高山正之氏の論考をシェアさせていただきます。
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 信長は偉かった
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高山正之
 ユダヤ教の神ヤハウエは天地を創造し、ヒトを含めすべてを創った。
 ただ少し抜けていてバール神とかその他大勢の神も創ってしまい、ユダヤの民には「他の神を崇(あが)めるな」と命じる羽目になった。
 民は従うが、今度は「濫(みだ)りに我が名を口にするな」という。「神様、助けて」とか神頼みをするなと。
 LGBTも嫌いで、ソドムの街は焼き払われた。
 その点、日本の神々は違う。ひたすら民を思う。災いがあれば、それを神様が祓って川に流し、川の神が海の神に渡し、最後は水底の神が埋めてしまう。川の神は「千と千尋」にもちょっと顔を出していた。
 そういう神々を祀る伊勢神宮や諏訪大社、豊川稲荷などは日本列島を縦断する大断層、中央構造線の上に建っている。
 断層がもたらす地震や噴火を鎮めるためにおわすように見える。
 ただ日本の神々は不浄を嫌う。とくに死を嫌う。だから神社内では絶対に葬式をやらない。
 人々は困って、死にそうな召使いには暇を出し、多くが行路死した。
 芥川の『羅生門』にはそうした死体であふれる京の都が描かれている。
 その惨状にお寺の坊主が目をつけた。
 お釈迦様は涅槃に入るとき「葬式はするな」と言ったが、それは聞かなかったことにして以来お寺が死人の始末を始めた。
 坊主が葬式を仕切り、戒名に卒塔婆に墓石も売りつけた。坊主丸儲けだった。
 カネができ、真剣に彼岸を信ずる信徒がたくさん増えれば坊主は増長する。
 荒法師が京を荒し、坊主軍団が政争に割って入って政治を動かしてきた。
 意のままにならぬは「鴨の流れと山法師ども」と白河法皇が嘆いたのもこのころだった。
 一向宗の坊主たちはとうとう加賀を支配するに至って、信長は信仰心を悪用する坊主の成敗に出た。
 一向宗総本山の石山寺を討ち、比叡山の天台宗延暦寺も攻め落とした。
 信長記には女子供に至るまで皆殺しにしたとある。ルイス・フロイスが「悪魔の所業」と非難するほどの振る舞いだった。
 ただ歴史作家、塩野七生は別の評価をする。信長以降、坊主は分を弁え、政治に口だししなくなったと。
 もう一つの外来宗教、切支丹も神の愛を説きながら奴隷商売に勤しんだ。
 秀吉はイエズス会のコエリヨに真人間になれと説くと、彼は反発して切支丹大名を語らい、秀吉を討つよう画策した。
 そういう政治性を家康も家光も嫌い、島原の乱では女子供まで殺した。日本人キリスト教徒が己の分を弁えた瞬間だった。
 明治政府も、五榜の高札で切支丹を含む邪道の布教を厳しく禁じた。
 実際、海の外のキリスト教徒に進歩はなく、米国ではその3年前まで黒人奴隷を使い、禁止されると今度は苦力(クーリー)を買っていた。
 一方日本では宗教が躾られ、それによるゴタゴタは一切なかった。
 しかし戦後、馬鹿なマッカーサーがきた。
 日本軍に叩かれ敵前逃亡までしたこの愚将は日本軍の強さの源「大儀」を知らなかった。
 それを日本の神々への信仰心だと邪推し、神道を邪教とするGHQ憲法を押し付けてきた。
 ために忠魂碑を拝むことも靖国詣でも咎めだてられたが、その反動で、仏教もキリスト教もその他宗教も何をしても許された。
 オウムは弁護士一家3人を殺し、長野で8人を殺害しながら信仰の自由を盾に警察の捜査すら阻んだ。
 創価学会は信長が許さなっか政治に口を出し、文鮮明は朝日新聞が慰安婦の嘘で支援したこともあって日本人に贖罪のカネを出させ、日本人女性には自ら韓国人の性奴隷となるよう仕向けた。
 この文鮮明の不遜をきっかけに、国会は初めて神道以外の邪教にメスを入れ、瓢箪から駒というか、その邪悪に気付いてきた。
 日本人に外来宗教は似合わない。日本の神々が一番いい
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lierrelearns · 2 years
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Note: Asterisks represent characters that I couldn't read or figure out. If someone is able to figure them out, please let me know so that I can amend my post. :3
伏見神宝神社 当社は、稲荷山を背にする古名丸山(まるやま)(笹山)に鎮まる社である。天照大神、稲荷大神、十種神宝を祀り、社名神宝は、神授十種神寶に由来する。祝詞に「布留部由良由良、玉響(ふるべゆらゆらたまゆら)かして死れる(まかれる)人も反りて生きなん」とあり、神山に抱かれ、五体に宿る魂魄(たましい)を振り起こす処に神徳を見いだす鎮魂の神社である。 神域には縄文弥生を彷彿とさせる磐境、神明造の社、竹の神明鳥居、叶え雛と称する願掛*かくや姫絵馬が献ざられ、丸山笹論(まるやまさろん)の天井に深草産竹墨による天地自然を表す象形文字画月の座と題する螺鈿漆屏風、中世まで存在した社を描く屏風、拝殿に深草憧憬(ふくくさしょうけい)絵、記紀に神語る(かまかたる)墨書天井、神殿に源平盛衰記(十四世紀)に語る草童(くさのわらべ)人形、竹取の迦具夜姫(かぐやひめ)大土鈴、陽炎(かぎろひ)を表す鏡があり、事者(こともの)共に自然(おのずから)なら営みを表し、風水の循環を見立てる狛蘢(こまきゅう)、磐境、磊が存る、この社も応仁の乱後笹群磊磊(ささむらいらい)と化したが、昭和三十二年(一九五七)、社殿が蘇った。竹の下道に沿う最中伊笹群竹浅黄(たけあさみどり)清々しい静宮(しずみや)である。 京都市
伏见神宝神社 本神社位于背靠稻荷山的古名丸山(笹山)。祭祀天照大神、稻荷大神、十种神宝。神社名词中的神宝、来源于神授十种神宝。 祈祷词中这样写道: ”布留部由良由良、摇响宝玉、赤可使人从生死边界苏醒过来”。这是一个被神山环*的鎮魂神社、其神德在于能唤醒宿于五体的魂魄。 应仁之乱后、该神社化为竹林中的廀墟、1957年、神殿重建。沿竹着林中的小路、伊笹丛竹青*欲滴、令人神清气*、伏见神宝神社静静地坐落其中。 京都市
후시미 칸다카라 신사 당 신사는 뒤로 이나리야마 산올 가진 옛 이름 마루야마(사사야마)에 진좌하는 신사다. 아마테라스 어미카미, 이나리노 어카미, 도투사 칸다카라를 모시며 ‘칸다카라’라는 신사명은 신수 ‘도쿠사 칸다카라’에서 유래한다. 기도 문구에 ‘후루베 유라유라 구슬이 울려 생사의 기로에서 헤매이고 있는 사람도 되살아난다’ 로 되어 있고 신령한 산에 감싸여 오체에 깃드는 혼령을 불러 일으키는 데 효헙이 있는 진혼의 신사다. 오닌의 난 이후에 페허가 대나무 숲이 무성하였으나 1957넌에는 신전이 복구되었다. 대나무길을 따라 서 있는 이사사 대나무숲의 푸르름이 상쾌합을 주는 신사다. 쿄토시
Fushimi Kandakara-jinja Shrine This shrine is set on the mountain Sasa-yama (Maru-yama by the old name), with the mountain Inari-yama rising in the background. It is dedicated to the deities Amaterasu O-Mikami and Inari-no-Okami, and to Ten Treasures (Tokusa Kandakara) given by the deities when they descended from the heavens. The shrine name was derived from the treasures (Kandakara). A Shinto ritual prayer given at the shrine asks the deities to care for the souls of the deceased and to restore life to those people who are wavering between life and death. Fushimi Kandakara-jinja fell into ruin after the Onin War in the 15th century, but was restored in 1957. It is a quiet shrine, nestled within the light green of the surrounding bamboo forest. Kyoto City
京都市では、健全な森づくりを進めるため、市内で育った木「みやこ杣木」の活用を推進しています。 「京の森づくり」はこちら 使う 植える 育てる 伐る 健全な*]づくり**中 市内産木村 *証マーク みやこ杣木 京 この名所説明立札(*札)は、豊かな*育てる府民税を活用して設置しました。
Japanese 当社(とうしゃ) this shrine 稲荷山(いなりやま) Inariyama 背にする(せにする) to turn one’s back to 古名(こめい) old name, former name 笹山(ささやま) Sasayama 鎮まる(しずまる) to become quiet 天照大神(あまてらすおおみかみ) Amaterasu Omikami 稲荷大神(いなりのおおかみ) Inari Okami 十種神宝(とくさかんだから) ten sacred treasures 神宝(しんぽう・かんだから) sacred treasure 神授(しんじゅ) divine gift 十種神寶(とくさかんだから) ten sacred treasures 由来(ゆらい) origin, source 祝詞(のりと) riutal prayer (Shinto) 五体(ごたい) the whole body 宿る(やどる) to dwell, remain 魂魄(こんぱく) soul (hun and po) 振り起こす(ふりおこす) to stir up, stimulate 処(ところ) place 神徳(しんとく) divine virtues 見いだす(みいだす) to find out, discover 鎮魂(ちんこん) repose of a soul 神域(しんいき) Shinto shrine precincts 縄文(じょうもん) Jomon 弥生(やよい) Yayoi 彷彿(ほうふつ) (bearing a) close resemblance, vivid reminder (e.g. of the past) 磐境(いわさか) shrine (archaism) 神明造(しんめいづくり) style of shrine architecture based on that of Ise Jingu 神明(しんめい) deity; Amaterasu (as an enshrined deity) 鳥居(とりい) torii, Shinto shrine archway 雛(ひな) young chick; fledgling; hina doll 願掛(がんかけ) making a prayer (to a god or Buddha) 絵馬(えま) votive tablet; wooden tablet usually filled out with one’s name and hung up at a shrine or temple (originally a picture of a horse as a stand-in for a live horse) 献ず(けんず) to present, offer, dedicate 墨(すみ) ink-stick 象形文字(しょうけいもじ) hieroglyphics 題する(だいする) to be titled (e.g. a book), named 螺鈿(らでん) mother of pearl 漆(うるし) East-Asian lacquer 屏風(びょうぶ) folding screen 拝殿(はいでん) front shrine; hall of worship 記紀(きき) the Kojiki and Nihon-shoki 墨書(ぼくしょ) writing in India ink 源平盛衰記(げんぺいせいすいき) Genpei Josuiki/Seisuiki, a 48-book extension of the Heike Monogatari 土鈴(どれい) earthenware (ceramic) bill 陽炎(かぎろひ) heat shimmer, heat haze; the glow of dawn [archaic] 風水(ふうすい) feng shui 循環(じゅんかん) circulation, rotation, cycle 見立てる(みたてる) to (see and) choose; to liken (to), to treat as 磐境(いわさか) shrine [archaic] 磊(らい) many rocks 応仁の乱(おうにんのらん) Onin War [civil war from 1467 to 1477; initiated the Sengoku period] 社殿(しゃでん) (main building of a) Shinto shrine 蘇る(よみがえる) to be rehabilitated, restored 下道(したみち) road shadowed by trees, mountain, etc. 浅黄 [浅葱] (あさぎ) pale blue-green [in this context] 清々しい(すがすがしい) refreshing (feeling, scene, wind etc.) 健全(けんぜん) healthy, sound, wholesome みやこ杣木(みやこそまぎ) lumber wood cut from trees raised in the capital (Kyoto) 伐る(きる) to cut down (trees) 立札(たてふだ) bulletin board, notice board
Chinese 本 (běn) this 神社 (shénshè) shrine 位于 (wèiyú) to be located at/situated at 丸山 (Wánshān) Maruyama 来源于 (láiyuányú) to originate in 祈祷 (qídǎo) to pray/prayer 这样 (zhèyàng) this kind of, so, like this, this way 宝玉 (bǎoyù) precious treasures, jade 人从 (réncóng) retinue, hangers-on 生死 (shēngsǐ) life or death 边界 (biānjiè) boundary, border 苏醒 (sūxǐng) to come to, awaken, come to consciousness 过来 (guòlái) to come over; to manage, handle, to be able to take care of 在于 (zàiyú) to be in, lie in, consist in, depend on 唤醒 (huànxǐng) to wake someone, to rouse 魂魄 (húnpò) soul 应仁之乱 (Yīngrénzhīluàn) Onin War 后 (hòu) after 竹林 (zhúlín) bamboo forest 神殿 (shéndiàn) shrine 重建 (chóngjiàn) to rebuild, reconstruct 小路 (xiǎolù) trail 丛 (cóng) thicket 竹青 (zhúqīng) bamboo bark, bamboo green 坐落 (zuòluò) to be situated/located (of a building)
Korean 신사 (Shinto) shrine 당 this 가지다 to have 진좌하다 to be enshrined 유래하다 to originate 기도 prayer, wish 문구 words, phrase 구슬 bead 울리다 to ring, toll 생사 life and/or death 기로 crossroads, turning point 해매다 to wander, roam 되살아난다 to revive, be brought back 신령하다 to be divine 감싸다 to cover, wrap (up) 오체 the whole body, frame 혼령 soul 불러일으키다 to cause, rouse 효헙이 있다 to be effective, do good 진혼 repose of souls 오닌의 난 Onin War 대나무 bamboo 무성하다 to be lush, thick, overgrown 복구되다 to be restored, recovered 푸르름 greenness/blueness 상괜하다 fresh, refreshing
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poddyshobbies · 1 year
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2023.4.13 ~ 糸島方面
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朝の冷え込みから一転、昼から気温が急上昇。今日も黄砂が酷い中を糸島の古墳探索へ。で、糸島と言えば流行りの地域になってますがそれは海岸側が中心です。古墳がある地域はあまり変化が無い?
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糸島の宇美神社の藤棚はこれからが見ごろ。
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今日も黄砂で空がくすんでます。
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園第一古墳(五久塚)遠景 … 写真中央
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北方向 ~ ずっと先はJR一貴山駅
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長石二塚古墳の側から北東方向
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近所で昼食 ~ 鶏白湯ちゃんぽん「かいの」糸島本店
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国道202号から1本裏道に入ったところ(リョーユーパン球場の裏)
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(チャンポン屋さんなので当たり前ですが)ちゃんぽんで勝負。
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ご飯や唐揚げのセットメニュー・単品ありです
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席はカウンターのみ
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鶏白湯スープはしっかり味ですがまろやかで優しくもありました。
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美味しく頂いた後は古墳探索の続きです。
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国道202号を1km ほど福岡方向に戻った付近の「東二塚古墳」と「東真方古墳群」を探しました。
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伊都国稲荷の駐車場から国道202号の有料区間(西九州道・今宿道路)方向 ~ その向こうに見える小山の上と神社の裏に「東真方古墳群」があるようです。
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illaalli444 · 2 years
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『犬王』舞台巡り【山陽道編】
友魚の旅路/平家都落ちルートも巡りたいよね、という記録です。関西在住・北部九州出身なのでこの経路なんてもう数え切れんほど往復しているが視点を変えるだけでこんなにも新鮮な旅ができるってすごいなあと思う。
行った場所:腕塚(腕塚堂・腕塚神社)/草戸千軒町遺跡/厳島神社/花岡八幡宮/壇ノ浦古戦場・赤間神宮ほか
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腕塚(兵庫県神戸市・明石市)
腕を埋めて腕塚。一の谷の戦いに破れ西へと落ちゆく途中で非業の死をとげた平忠度の腕を埋めたと伝えられる"腕塚"は神戸市長田区駒ヶ林と明石市天文町の2箇所にある。え どゆことじゃ?と思ったけど知りたいこと全部書いてある論文ありました(大坪舞2008「祭祀される忠度の腕ー伝承を引き寄せる場をめぐってー」『論究日本文学』88)。こちらを参考にすると、そもそも忠度死地は『平家物語』でも史実でも絞り込めない。両地の忠度伝承は、駒ヶ林は17世紀後半(腕塚そのものは19世紀)、明石は17世紀初頭(腕塚は17世紀後半)までは遡れそう、とのこと。
駒ヶ林の腕塚は一の谷からちょっと東に位置。地下鉄海岸線駒ヶ林駅が最寄り。長田港に面する民家に囲まれて"腕塚堂"がある。細い路地に入っていくけど看板や標石があるので迷いはしないと思う。ガレージみたいなお堂。北西に忠度胴塚もある(こっちは看板少なくてわかりにくかった。伍魚福さんの隣)。
明石の腕塚は一の谷から西へ10kmほど離れる。山陽電鉄人丸前駅下りてすぐの"腕塚神社"。神社といってもお堂はごく小さい。木製の腕は地元の彫刻家の方が奉納されたもので、これで患部を撫でるとよくなるとか(境内においてあった「腕塚神社縁起」より)。東南に忠度塚と忠度公園もある。駅をはさんで北の丘陵にある人丸神社は柿本人麻呂を祀るが、境内に"盲杖桜"があり目の見えない人とのゆかりが深い。このへんからは明石海峡と行き交う船たちがよく見えます。
当たり前ですが京都とは全然景色が違っている。南が海、北が山。海を眺めていると友魚としてはこのへんまでは始めて来た場所であっても(見えなくても)"知ってる景色"なんだろうし逆に平家の人びとにとっては都を落ちて流浪の身になってしまったことを思い知らされる景色なんだろうなと思う。
どちらの腕塚も、いまも地元の人に愛されているのが伝わってくるたたずまい。腕塚が複数箇所にあるの、後世の人たちが"物語"を求めた結果だと思うのでそんな人間の営みが愛おしくなります。
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草戸千軒町遺跡(広島県福山市)
直接の舞台ではないのですが、湯浅監督がふくやま草戸千軒ミュージアム(広島県立博物館)の街並み復元模型に言及されていたので。博物館では中世の人々の生活に関連する出土品を沢山見られる。本編で町の人たちが持ってて印象的な曲物の容器もいっぱい並んでる。
草戸千軒町遺跡は当時の海岸線で芦田川の河口付近にあった中世の港町。友魚と谷一さんも寄ったかな?と思っていたのですが、拠点的な大都市というわけではないようなのと、どうやら14世紀後半は一時的に町が衰退していたようなので寄ってないかもしれません。友魚が魚をほぐしているシーンはまだ広島らしいので(オーコメより。広島を2年もまったり旅していたのはちょっと謎)、このあたりかなと思っていたのですが、お金持ちがの人がいるのは尾道とか鞆とかかな。
遺跡現地は博物館から西南約2kmに位置。調査後に掘削されあとかたもありませんが、法音寺橋に説明板が設置されている。橋を渡って芦田川の右岸には草戸稲荷神社と明王院(常福寺)がある。明王院は本堂が1321年、五重塔が1348年に建てられたものなので、友魚たちが見たかもしれない建物がそのまま残っていることになる。明王院入り口付近の石垣にはひょうたん形の石が組み込まれている箇所があり(現地に説明板あり)、犬王ポイント高いように思います。
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厳島神社(広島県廿日市市)
あれに見えるは厳島(ここでお社は映さないの超好き)。斎き島=神様をお祀りする島 として古くから信仰されてきた。1151年に安芸守となった平清盛は厳島神主家の佐伯氏と関係を深め、12世紀後半に海上の社を造営。その後何度か建て替えられているが、主要な建物の配置は基本的には変わっていないらしい。特に印象的な回廊は、現在のものは永禄~慶長年間(1558~1615)の再建。作中の回廊は、1241年に再建され、1537年に焼けたものにあたる。
干潮のタイミングで訪問したので、社殿が建ってるベースとの距離感がわかってよかった。友魚が落ちちゃっても自力で這い上がれそうな深さで安心(海の子なので心配には及ばないんだろうけど)。社殿が海に浮かんでいる姿が見られなかったのがかなり残念だけど、昼に干潮だと夜に満潮になる、という関係が理解できた。
大鳥居は改修中だったので足場が組んであり近くまで行けず。でも社殿の柱にもフジツボいっぱい付いてるのが確認できました。大鳥居も何回か建て替えられていて、現在のものは明治期の再建。1325年に2代目が倒壊してから1371年に3代目が建てられるまで空白期間があるので、友魚訪問時(1360年代後半くらい?)、実際には建ってなかったぽい。
しゃもじって琵琶みたいな形だな~と思いながらお土産見てたのですが、弁財天の琵琶っぽい工芸品としてつくられるようになったんですね。知らなかった。
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花岡八幡宮(山口県下松市)
境内に友魚が雨宿りしてた塔(閼伽井坊多宝塔)がある。多宝塔の建てられた時期、立て看板では「室町中期」となっているのですが、ガイドブックやウェブ上で「室町末期」説も見るのでど~いうこっちゃと思っていたのですが、建築様式からみて室町中~後期、解体修理で見つかった木片に永禄3年(1560)の墨書あり、ということのようです(下松市HPより)。また、お宮そのものも創建当初の鎮座地から1489年頃に現在地に動いているらしい。作中で描かれているのは実際よりも少し下った時期の姿になるのかなと思います。
多宝塔の実物は思っていたより小さい印象を受ける。というか、ここに友魚があの感じで座っているのを想像すると、まだだいぶこどもだな...?!と感じました。
旧山陽道に面した丘陵上に位置し、高いところにあるのでめちゃくちゃ石段を登る。現代人にとっては雨宿りにちょっと寄るレベルを越えてるので、参道入り口あたりでお寺の人が友魚に声をかけたのかもとか想像します。
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壇ノ浦古戦場・赤間神宮ほか(山口県下関市)
鴨の河原と同様、壇ノ浦も始まりの場所であり終わりの場所。
壇ノ浦古戦場跡は関門大橋の下関側のふもとに「みもすそ川公園」として整備されている。ちょうどこのあたりに友魚の暮らしていた集落があったのかなと想像できる景色。作中では霧に包まれて対岸は描かれていないけど、九州側の門司がかなり近くに見える。この土地も"境界"ですね。
赤間神宮は壇ノ浦古戦場跡から南西1kmに位置。壇ノ浦の戦いで入水した安徳天皇を祀る。江戸時代までは阿弥陀寺で、明治の神仏分離により天皇社赤間宮へ。1940年に赤間神宮に改称。1958年につくられた水天門は「波の下にも都がございます」の竜宮城を地上に造りだす意図でデザインされている。
耳なし芳一の舞台でもあり、境内の片隅に芳一堂あり。宝物館ではいろんな種類の琵琶も見られる。境内に平家蟹の標本も置いてる。
生きてる平家蟹は市立しものせき水族館海響館で見られる。海響館ができるまえの旧下関市立水族館は長府にあったのだけど、敷地内に"鯨館"という鯨形の建物があった。現在は中には入れないけど外観は見られます。小さい頃訪れたことがあって、でっかい鯨!のイメージだったけど今回再訪したら思っていたより小さいな...となりました。場所は関見台公園。下関は近代捕鯨発祥の地とされ、鯨とゆかりが深い。たまたまかもしれませんがモチーフの重なりが面白いです。
旅してこの文章を書くことで、山陽道、というか瀬戸内の海辺が友魚の旅路であり作中作(腕塚、鯨、竜中将)の舞台でもあるという重なりをはっきり認識できたのでよかった。この作品の重層的につくられているところが大好きです。
文献(本文中で言及したものを除く)
小川國治編 2001『長州と萩街道』街道の日本史43 吉川弘文館
県立広島大学宮島学センター2020「宮島 大鳥居のひみつ」
広島県歴史散歩編集委員会編2009『広島県の歴史散歩』山川出版社
ふくやま草戸千軒ミュージアム2020『瀬戸内の交流 ��ちのにぎわい 人のつながり』
峰岸隆2015『日本の回廊、西洋の回廊』鹿島出版会
山口県歴史散歩編集委員会編2006『山口県の歴史散歩』山川出版社
山口佳巳2008「仁治度厳島神社廻廊の復元的研究」『国立歴史民俗博物館研究報告』第148集
頼祺一編 2006『広島・福山と山陽道』街道の日本史41 吉川弘文館
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dakinyasworld · 23 days
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体の病気になってから、
以前からうっすらあった第六感がはっきりしちゃった💧
博物学の勉強してて、学者方面を目指してるから、事実確認できない事は苦手で、霊感って言い方にも慣れないから、うちでは第六感って書きます。
前からちゃんと心療内科の医者にも相談済みです(爆)。
因みに凄い人が居るそうです、私よりも凄い人が(爆)。
不眠症で長い付き合いの主治医なので、私にはいろいろオフレコしちゃう主治医💧
私「解離性障害じゃないんですか?」
主治医「…ちゃうねん…。居るねん、恐山のイタコさんみたいな人…。」
と、当時は、主治医が見た中では、「レベル5ぐらい」と言われたので(爆)
レベル1の人、怖い…💧
うわっ、レベル上がっちゃった。
でも、まあ、慣れるしかないかなと思っている。
因みにその主治医とは「五感の延長線上かもしれない」と言う解釈で行ってます。
私も今でも基本的にはそう思う。
脳のどこかまだ解明されてない部分の感覚とかね。
現代医学なんかまだ解明出来てないですよ、人体の全て、脳は特に。
クローン動物作れる時代なのにね、まあ、劣化するみたいだけど、クローン遺伝子は。
人間でやっても環境要因で人格は変わるわ、SF映画みたいに上手く行かんよ。
キューブリック原作の「A.I」はよく出来た話だったけどね。普通に面白い。
私は「攻殻機動隊」の素子みたいになりたいなー、SFなら。
いや、素子状態もめんどくさそうだわ、魂が消えずにずっと情報の中を彷徨ってるなんて。
お亡くなりになったら、普通に綺麗に消えたいわ。
押井守版が好きだから、押井守版の素子がかっこいいだけだわ(爆)。
球体関節人形好きだから「イノセンス」の方が好きだし。
ハダリのモデルが吉田良さんの人形で、キムのモデルが四谷シモンさんの人形。
「イノセンス展」行きました、あれ良かったー。
香川は割と近いから四谷シモン館(淡翁荘)、また行きたい!
てか、住める、あの美術館(爆)、洋館だし。
寝るとことお風呂あったら、お手洗いはあるし。
あそこから仕事行って帰宅したらシモンドール眺めながら、普通に生活出来ちゃうなー。
インテリアはモロに好みだし。
(他の人が来場出来んわ(爆)
展示スペースは開けとかんと、ミュージアムは💧
第六感は慣れるしかないですね💧
前はもっと分かる人に見て貰った方が良いかな?
とか、
修行とかした方が良いのかな?
とか思ったりもしたけど。
因みに基本的に、神様とか良え存在にしか繋がりません。
ラジオのチャンネルみたい。
その辺のコントロールは、ついてくれてる神様のお稲荷さん曰く、私は自然と出来てるらしいので、
強まっちゃったけど、余計な修行とかしなくて良くて後は慣れたら良いだけって💧
私もそれで占い師とかしたくはないから、自分が分かる分に慣れて普通に生活するので良いわ(爆)。
あんな商売絶対嫌やわ、もし自分に分からん事あっても分かってるフリしてる人居ると思うもん(爆)。
「それは私には分かりません」って正直に言っちゃったら、一応客商売やしお客さん来なくなるもん(仕事にした以上は仕事には貴賤なし)。
恐山のイタコさんとか、8割演技やろうなって子供の頃から思ってたし(爆)。
ケーブルテレビで見た韓国のムーダンって言う巫女さんは、トランス状態になって、やたらとお金請求する!(爆)
うーん、あれは殆どが普通にトランス状態なだけだわと思った、と言うかお金請求がマジで凄い(爆)。
後、今、生前に会って話した事がある方が、側にいらっしゃるー。
その方の訃報を知って、普通にご冥福を祈ってたんだけど、
生前から、やたらリアルなその方と会う夢見てて(ユング論の世界だなあ)。
んー、簡単に言うと天国みたいなところにはちゃんと行ったけど、そこで普通は消えるらしいのだけど、
その人は起きちゃって、誰にも会わないし何にも無いから、ちょっと念じれば、生きてる人の世界に行けて夢とかに出たりしちゃえるらしい。
もうそう言うところを管理してる神様とかもしょうがないと好きにさせてるらしい💧
悪い事は何もしないで、今は所謂守護霊さんみたいな感じで居てくれている。
もっと交流深かった人の所に行っても、見えないから夢に出るのが精一杯らしくて、…出まくってるらしい。
で、何となく覚えてたらしい私が、見えるので今のところ側に居てくれている。
ご本人も亡くなった自覚とかもあるから驚いてらっしゃる。
私についてくれているお稲荷さん曰く、
「この人魂が特殊。」
「神様みたいな存在になっちゃってる。」
「こうなったら神様になるしかないんじゃないの。なっちゃっても良えわ。」
などなど特殊事例らしい。
ご本人も驚いてらっしゃるけど、お互い慣れるしかないです。
まあ、楽しそうにしてくれているので良かった。
もっと交流深かった方々のところにも出て分かって貰えると良いですね。
「分霊?ってどうやるの?」
とかお稲荷さんに聞いてらっしゃるけど。
お稲荷さんもそれは感覚的なものだから修行してくださいと。
まあ、所謂「汎神論」を身に付ける事らしい。
「草を分けても私はそこに居る、石を退けても私はそこに居る。」
と言う「トマスの福音書」の感覚を身につけると、普通に分霊とか分御霊とかが出来る様になるらしい。
お稲荷さんが、
「よう知らんけど外国の神様はそれが下手じゃ!
あ、神様が下手なんやなくて信じとる人の組織が否定しとるんか。
頭硬い言うか勿体無いのう。
せっかく教会とかにも居る時あるのにな。
てか個人にちゃんと現れとるのにな。」
と言っている💧
はいー、私、いろいろあって棄教しましたが、以前まで未洗礼のクリスチャンで教会の御ミサや勉強会とか行ってました。
で、聖堂に居らっしゃる時と、居ない時と何となく分かりました💧
流石に御ミサの時は居らっしゃいます。
でもその後は聖堂開いてても居はる時と居らっしゃらない時と何となく。
まあ、聖堂は静かで美しいので、お祈り出来れば良いんです。
祈りはちゃんと届いてるので凄い。
キリスト教を信仰してたのも幼少期にヴィジョンを見ちゃって。
それ言うと関係者の方「呼ばれてる!」とびっくりしはるんやけど。
私、ちゃんと呼ばれたシスターに会った事あるので大丈夫ですよー。
本当に聖霊に満たされてる方はマジで居ますし、お祈りもちゃんと神様に通じてますー。
私が棄教したのは、
「原罪」って言う考え方が合わなくて、
ロザリオでお祈りの途中に余計な罪悪感とかがフラッシュバックしちゃって。
棄教する!って本気で決めたら、背中からガターン!と大きな十字架が外れた感覚があって。
うわー、未洗礼でも背負ってたのか…💧と、
…背中軽くなった(爆)。
でもまあ、良い経験したなあ。
芸大の美術学科卒で西洋美術専攻(銅版画ゼミだったからそっちに力入れて学んだ)だったから…
宗教画見るのしんどくなったのが嫌だけど(爆)。
好きな画家の絵が見れんわ!(爆)
山田五郎さんのYouTubeが見にくいわ!
十字架モチーフのゴルチエのアクセサリーはゴルチエ好きだから開き直った(爆)。
と。
みうらじゅんさんゲスト回とか、今まで知らなかった日本画家とかの回なら見れるかな。
と言うか宗教画系の西洋美術は卒業後もやり過ぎて普通に見飽きてるのあるから良いや。
でもパリはまた行きたいなー、一人で行くの治安悪くて怖いけど💧
以前は中世フランス史の学者の叔母と行ったし、叔母もまだ行ける年齢だったので。
パリ、マジで危ないですよ。
兄がロマ(ジプシー)の人達にスマホ盗られました。
裏にギャングついてます。
ヴィクトル・ユゴー「ノートルダムドパリ」の移民の方々の裏社会はまだ続いてます。
ディズニー版のクロパン好きだけど。
ちゃんと中東系で、SISTEM OF A DOWNのギタリストのダロン・マラキアンに似てるわ(爆)。
クロパンかっこいいわ。
アンソニー・クインの映画のクロパンもかっこいいわ。
あれ澁澤龍彦さんが絶賛してたけど、私も好きだなぁ、ああ言う「キレキャラ」。
と、夜遅くなってしまった点滴が終わった。
日記機能が使いにくくなったので、一区切り。
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kachoushi · 4 months
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各地句会報
花鳥誌 令和6年1月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
………………………………………………………………
令和5年10月2日 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
日本海見ゆる風車や小鳥来る 泰俊 駅近の闇市跡に後の月 同 山門を標とするや小鳥来る 同 師の墓の燭新涼のほむらかな 匠 渡り鳥バス停一人椅子一つ 啓子 紫に沈む山河を鳥渡る 希 ひらひらと行方知らずや秋の蝶 笑 なりはひの大方終了九月尽 数幸
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月4日 立待花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
朱の色に蝋涙たれし日蓮忌 ただし コスモスのたなびく道を稚児の列 洋子 抱かれて稚児は仏よ日蓮忌 同 めらめらと朱蝋のうねり日蓮忌 同 ピストルの音轟ける運動会 誠
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月5日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
友の墓秋空の下悠然と 喜代子 棟上げの終はりし実家や竹の春 由季子 菊人形幼き記憶そのまゝに さとみ 長き夜や楽し思ひ出たぐり寄せ 都 強持てに進められたる温め酒 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月6日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
蜜と恋どちらも欲しく秋の蝶 都 八幡の荘園かけて飛ぶばつた 美智子 彼岸花軍馬の像を昂らせ 都 露の手に一度限りの炙り文 宇太郎 杖の歩や振返るたび秋暮るる 悦子 露けしや既視感覚の病棟に 宇太郎 コスモスの乱れ見てゐて老いにけり 悦子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月7日 零の会 坊城俊樹選 特選句
天高く誇り高きは講談社 きみよ 華やかに滅びゆく香や秋の薔薇 和子 秋冷を暗くともして華燭の火 千種 白帝は白い梟従へて きみよ 薔薇は秋その夜会より咲き続け 順子 肘掛に秋思の腕を置いたまま 光子 爽やかや罅ひとつなきデスマスク 緋路 一族の椅子の手擦れや秋の声 昌文 邸宅の秋に遺りし旅鞄 いづみ 洋館に和簞笥置いて秋灯 荘吉
岡田順子選 特選句
栗の毬むけば貧しき実の二つ 瑠璃 流星を見ること永きデスマスク いづみ 正五位のまあるき墓を赤蜻蛉 小鳥 秋天の青は濃度を増すばかり 緋路 月光の鏡の中で逢ふ二人 きみよ 聖堂は銀に吹かるる鬼芒 いづみ 実石榴をロイヤルホストで渡されて 小鳥 石榴熟る女人の拳より重く 光子 秋の灯を落して永久のシャンデリア 俊樹 毬栗を踏み宰相の家を辞す 緋路
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月9日 色鳥句会 坊城俊樹選 特選句
コスモスの島にひとつの小学校 修二 檸檬の香そは忘れざる恋なりき 美穂 嫁がせる朝檸檬をしぼりきる 朝子 母乳垂る月の雫のさながらに 睦子 タンゴ果て女は月へ反りかへる 同 護送車の窓には見えぬ草の花 成子 やはらかく眉をうごかし秋日傘 かおり 天と地を一瞬つなぐ桐一葉 朝子 流れ星太郎の家を通り過ぎ 修二 正面に馬の顔ある吾亦紅 朝子 傘たゝみ入る雨月のレイトショー かおり 幾千の白馬かけぬく芒原 成子 古備前に束ねてさびし白桔梗 睦子 糸芒戻れぬ日々を追ふやうに 愛 黒葡萄いつもの場所の占ひ師 修二
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月9日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
新生姜甘酢に浸り透き通り のりこ 風を掃き風に戻されむら芒 秋尚 足音にはたと止まりし虫の声 怜 朝露に草ひやひやと眩しかり 三無 出来たての色の重たき今日の月 秋尚 徒競走つい大声で叫びたり ことこ 秋落暉炎のごときビルの窓 あき子 秋祭り見知らぬ顔の担ぎ手に エイ子 秋霜や広がる花を沈ませて のりこ 面取ればあどけなき子や新松子 あき子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月9日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
万葉の歌碑一面に曼珠沙華 信子 金木犀優しき人の香りかな みす枝 昇る陽も沈む陽も秋深めゆく 三四郎 廃線の跡をうづめて草紅葉 信子 駅に待つ猫と帰りぬ夜寒かな 昭子 天の川下界に恋も諍ひも 同 ひらひらとバイクで走る盆の僧 同 蟋蟀の鳴く古里や母と歩す 時江
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月10日 萩花鳥会
夜鴨なく門川暗くひろごれり 祐子 サムライ衆ナントで決戦秋の��� 健雄 これ新酒五臓六腑のうめき声 俊文 露の身や感謝の祈り十字切る ゆかり 虫食ひのあとも絵になる柿落葉 恒雄 すり傷も勲章かけつこ天高し 美惠子
………………………………………………………………
令和5年10月14日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
魁の櫨紅葉の朱句碑の径 三無 花よりも人恋しくて秋の蝶 幸子 咲き初めし萩の風呼ぶ年尾句碑 秋尚 女人寺ひそと式部の実を寄せて 幸子 豊年の恵みを先づは仏壇へ 和代 篁を透かし二三個烏瓜 三無 日の色の波にうねりて豊の秋 秋尚 曼珠沙華に導かれゆく道狭し 白陶 二人居の暮しに適ふ豊の秋 亜栄子 林檎好き父と齧つたあの日から 三無
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月14日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
ガシャガシャと胡桃を洗ふ音なりし 紀子 秋日和小児科跡は交番に 光子 歩かねば年寄鵙に叱咤される 令子 稲の秋チンチン電車の風抜けて 実加 不作年新米届き合掌す みえこ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月15日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
街騒も葉擦れも消して秋の雨 三無 大寺の風を擽る榠櫨の実 幸風 尾を引きて鵯のひと声雨の句碑 秋尚 水煙に紅葉かつ散る結跏趺坐 幸風 菩提樹を雨の宿りの秋の蝶 千種
栗林圭魚選 特選句
観音の小さき御足やそぞろ寒 三無 絵手紙の文字の窮屈葉鶏頭 要 駐在も綱引き離島の運動会 経彦 小鳥飛び雨止みさうにやみさうに 千種 秋霖や庫裏よりもるる刀自の声 眞理子 句碑の辺に秋のささやき交はす声 白陶 秋黴雨だあれもゐない母の塔 亜栄子 梵鐘の撞木の先や秋湿り 眞理子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月16日 伊藤柏翠記念館句会 坊城俊樹選 特選句
考へる事に始まる端居かな 雪 おは黒を拝み蜻蛉と僧の云ふ 同 道草の一人は淋しゑのこ草 同 朝霧の緞帳上がる音も無く みす枝 秋灯火優しき母の形見分け 同 役目終へ畦に横たふ案山子かな 英美子 孫悟空のつてゐるやも秋の雲 清女 穴感ひ浮世うらうら楽しくて やす香 栗食めば妹のこと母のこと 同 天高し飛行機雲の先は西 嘉和 屋根人を照らし名月たる威厳 和子 秋深し生命線の嘘まこと 清女 蜩に傾きゆける落暉かな かづを
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月18日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
枯れて行く匂ひの中の秋ざくら 世詩明 一声は雲の中より渡り鳥 同 見えしもの見えて来しもの渡り鳥 同 菊まとひ紫式部像凜と 清女 越の空ゆつくり渡れ渡り鳥 和子 秋扇に残る暑さをもて余す 雪 山川に秋立つ声を聞かんとす 同 鳥渡る古墳の主は謎のまま 同 鳥渡る古墳は謎を秘めしまま 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月20日 さきたま花鳥句会
SLの汽笛を乗せて刈田風 月惑 寝ころびて稜線を追ふ草紅葉 八草 残る海猫立待岬の岩となる 裕章 大夕焼分け行く飛機の雲一本 紀花 曼珠沙華二体同座の石仏 孝江 白萩の花一色を散り重ね ふゆ子 秋の野や課外授業の声高に ふじ穂 秋寒し俄か仕立てのカーペット 恵美子 秋空や山肌動く雲の影 彩香 爽籟や赤子よく寝る昼下り 良江
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令和5年10月21日 鯖江花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
生身魂梃子でも動かざる構へ 雪 古団扇此処に置かねばならぬ訳 同 飾られて菊人形の顔となる 同 亭主運なき一枚の秋簾 一涓 菊の香に埋り眠る子守唄 同 叱りてもすり寄る猫や賢治の忌 同 友の家訪へば更地やそぞろ寒 みす枝 叱られて一人で帰るゑのこ草 同 朝霧が山から里に降りて来し やすえ 隣家より爺の一喝大くさめ 洋子 菊師にも判官贔屓あるらしき 昭子 人の秋煙となりて灰となる 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月27日 月例会 坊城俊樹選 特選句
靖国の秋蝶は黄を失ひて 愛 柿に黄をあづけ夕日の沈み行く 緋路 神池の何処かとぼけた鯉小春 雅春 細りゆく軍犬像や暮の秋 愛 うらがへり敗荷の海のなほ明し 千種 英霊の空はまだ薄紅葉かな 愛
岡田順子選 特選句
秋蝶に呼ばれ慰霊の泉かな 愛 鉢物はしづかに萎れ秋の路地 俊樹 年尾忌も近し小樽の坂の上 佑天 道幅は両手くらゐの秋の路地 俊樹 秋天へ引つ張られたる背骨かな 緋路 老幹の凸凹としてそぞろ寒 政江 板羽目の松鎮まれる秋の宮 軽象 御神樹の一枝揺らさず鳥渡る かおり
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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hachikenyakaiwai · 10 months
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【かいわいの時】寛政元年(1789)六月二十日:7月にかけて、玉造稲荷砂持大にぎわい(大阪市史編纂所「今日は何の日」)。
『栄々集』によると、玉造稲荷の社伝築造に伴い、東横堀の久宝寺橋東詰や安堂寺橋の浜(神社の真西)から砂を浚い上げ、いったん神社南西の真田山「土取場」(『栄々集』)に集結し、稲荷社まで運んでいる。砂持とは堀や川の浚渫と、土砂を運搬して造営地を整地する二つの作業よりなるが、前者を土木業者が請け負う事例もある。六月中頃に「社内を地上」するため、諸人に勧進しようと、社人などが市中を巡回したことに始まったとするように、浚渫よりも整地を要因とする(諸書よりすると開始は五月下旬(末)らしい)。砂持の願主は昼夜を問わず、大坂三郷を中心に、近郷より参加したが、労働奉仕のみならず、金・銀・銭(貨)、米、炭、薪、桧皮、材木等を奉納した人々も多かった。その際、「ねりもの之出立」(『栄々集』)という仮装行列や俄が催され、筆者はこれを京都の事例より砂持風流と称しているが(福原『京都の砂風流絵巻―武蔵大学図書館蔵絵巻―」渡辺出版、二〇一四)、玉造稲荷が同流行の嚆矢となった(福原敏夫)。『仮装と俄の祭礼絵巻』2020より。
(写真)白蔵坊『栄々集』1789(大阪府立中之島図書館蔵)挿絵 まさに同砂持風流を代表する絵であり、「大手」と「中」(大手中)の集団が、行灯を先に立て、桃灯を灯りに進む。おかめや狐の面をつけ、囃子詞のように鍋釜に蠟燭を立て(丑ノ刻参りのパロディーヵ)、天秤棒や畚(もっこ)、子どもは籠で砂を運んでいる。米俵に立て札、竹を立てて注連を張って奉納している(福原敏夫)。
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【新潟県謡曲古跡めぐり上越編】2日目2箇所目  2021/6/27-28
能「巴」
三丁字稲荷神社 《 上越市南城町 》 「巴御前」の墓として伝わる墓標がある上越市南城町4の三丁字稲荷神社で4月29日、春の例祭が開かれた。おそろいの法被を着た子ども、大人がみこしを担ぎ、町内を練り歩いた。  巴御前は平安時代末期、木曽義仲の側近として活躍した女性で、弓の名手として知られている。 上越タイムス社 2018.05.03
稲荷神社(東城)| 新潟県上越市東城町4丁目|JR北陸新幹線/妙高はねうまライン「高田」駅よりバスまたは徒歩20分くらい 上越市にある五社神社の北、高田城の東にある稲荷社境内にある宝篋印塔は巴御前の墓と伝えられる。木曽殿敗死後、尼になって高田に住み後生を弔ったと言う。笠の隅飾りの形は鎌倉期の様式で古そうだが基礎が華奢すぎるのが気になる。。。
能楽 #能 #Noh #申楽 #猿楽 #狂言 #風姿花伝 #世阿弥 #芸術論 #幽玄 #歌舞劇 #演劇 #能面 #マスク #文化 #旅行 #トラベル #名所旧跡 #神社 #寺院 #像 #碑 #巡礼 #古跡 #謡曲 #新潟 #上越 #伝統 #Travel #GoTo #ruins #wreckage #tomb #grave #samurai #woman #武士 #侍 #サムライ #女 #墓 #塚 #shrine #temple #nun
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amao1984 · 1 year
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梅田稲荷神社 うめだいなりじんじゃ むかーし 四国遍路をやってから 神社やお寺が好きになり 鳥居や山門を見ると落ち着く(*´ー`*) #ケア元気 #足立区 #五反野 #介護 #ケアマネ #介護支援専門員 #元気 #仕事  #福祉  #ケアマネジャー   #毎日投稿 #アダチラブ #居宅介護支援事業所 #神社 #山門 #standfm でInstagramの投稿内容について簡単に補足していますヾ(๑╹◡╹)ノ" https://stand.fm/channels/609bdc45b82bc5e1f3d7cc21 (Adachi, Tokyo) https://www.instagram.com/p/Cnq-slCrYmL/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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ryuukouji · 2 years
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さきたま古墳群フィールドワーク~世界で一つだけの勾玉づくり~午後の部
午後からはさきたま古墳公園に参ります。
暑さもピークでした。
学生さん先生にはマンツーマンのサポートでありがたいです。
丸墓山古墳に登頂し、忍城の水攻めで有名な豊臣軍の石田三成公が陣取った場所です。
四方が見渡せる絶好の場です。
そのあと続いて稲荷山古墳登頂です。
教科書に出てくる前方後円墳を体験します。
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暑い中、息も絶え絶えですね(´;ω;`)
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良く登りきりました。
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埼玉県の語源になった前玉神社参拝です。
猫のご朱印で有名になりました。
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最後に忍城の郷土博物館に行き、行田市の歴史を学びました。
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ご朱印です。
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事前学習で行ってきた旧石器時代~古墳時代までが
行田市という車で10分程度の場所にあるのは
いい立地条件で活かす手はないと常々感じていました。
古代蓮公園も行きたかったです。
時間の関係で断念でした。
蓮は泥沼に生じて美しい花を咲かせることから、
古来より仏の悟りをあらわす仏教のシンボルとして親しまれてきました。
何ともきれいな華を咲かせ、皆を感動させてくれます。
【蓮華の五徳】
①淤泥不染の徳(おでいふぜんのとく)
  どんなに厳しい環境にいても清らかに生きましょう
②一茎一花の徳(いっけいいっかのとく)
  唯一無二の自分を大切にしましょう。
③花果同時の徳(かかどうじのとく)
  仏の心を大切に育てていきましょう。
④一花多果の徳(いっかたかのとく)
  花を咲かせて、たくさんの人々を幸せにできるようにしましょう。
⑤中虚外直の徳(ちゅうこげちょくのとく)
  欲に支配されず、真っ直ぐに生きましょう。
今回学生さん先生には急なボランティア募集の中、
サポートして頂き、
子供たちも喜んでおります。
感謝申し上げます。
学生さんの一途なボランティア精神を通して
保育士さんは未就学児で小学生とは違った感覚ですが
子供との接し方、進め方、全体の見通しや
自分の個性を発揮して発見して頂ければ幸いです。
ボランティア証明書を発行しまして
自分の自己表現、人間性を充分に就職活動で役立てて
どうか、夢や希望をかなえてください。
是非またご一緒できる日をお待ちしております。
次回はついに3年ぶりの復活!!
ワクワクドキドキの待ちに待った
第7回夏休みこども寺子屋に続く!
お楽しみに!
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amiens2014 · 2 years
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鹿児島神宮/鹿児島県霧島市【大隅国一宮】中国料理なすの華【ランチ】
鹿児島神宮とは 鹿児島神宮(かごしまじんぐう)は、鹿児島県霧島市隼人町内(かごしまけんきりしましはやとちょううち)にある神社だ。 大隅国一宮で、祭神は天津日高彦火火出見尊(あまつひだかひこほほでみのみこと)、豊玉比売命(とよたまひめのみこと) 鹿児島神宮の御祭神は海幸山幸の神話によるところの社で創祀は遠く神代にあって、又皇孫神武天皇の御代とも伝えらています。御祭神彦火火出見尊…
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yoga-onion · 3 years
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Japanese Mythology & Deities
Major Gods in the Chronicles (43)
Ukanomitama-no-kami ~ O-inari-san, the god of business prosperity, is worshipped at tens of thousands of shrines
In the Kojiki (Records of Ancient Matters), he is called Ukanomitama-no-kami. It is generally known as "O-inari-san".
The main shrine is Fushimi Inari Taisha in Kyoto. As the god of many Inari shrines throughout Japan, it is one of the most popular and most worshipped gods in Japan.
In the Kojiki (Records of Ancient Matters), he was the son of Susanoo and Kamuooichi-hime, whose elder brother, Ootoshi, helped Okuninushi to establish the country.
In the Nihon Shoki (Chronicles of Japan), he is the son of Izanagi and Izanami, and is regarded as the same god as Awashima, who was born with the express intention of giving birth to the god of food.
The word "uka" in the name of the god means grain or food, indicating that this god is the protector of a good harvest.
By the way, many people will immediately associate O-inari-san with a fox. That fox is a messenger of Inari. In nature, foxes spend the winter in hibernation, but come down from the mountains in spring. For this reason, they were regarded as messengers of the mountain gods, or transcendental beings.
日本神話と神様たち
記紀に登場する主な神々(43)
宇迦之御魂神 ~ 商売繁盛の神「お稲荷さん」として数万の社で信仰される
古事記では宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)、日本書紀では倉稲魂命(うかのみたまのみこと)と表記する。一般的には、「お稲荷さん」の名で親しまれている。
総本社は、京都の伏見稲荷大社である。全国に所在する多くの稲荷社の祭神として日本で最も信仰されている、きわめて人気の高い神の一つである。
古事記において須佐之男命(すさのお)と神大市比売(かむおおいちひめ)との間に生まれた子で、兄には大国主神(おおくにぬし)の国造りに貢献した大年神(おおとしのかみ) がいる。
日本書紀においては伊邪那岐命(いざなぎ)と伊邪那美命(いざなみ)の間の子とし、食物の神を生もうという明確な意思によって誕生する粟島(あわしま)と同神とされる。
神名の「ウカ」は、穀物・食物を意味する語で、この神が五穀豊穣を守護する神であることを示す。
ちなみに、お稲荷さんといえばただちに狐を連想する方も多いだろう。あの狐は、お稲荷さんのお使いである。自然界の狐は、冬の間は冬ごもりをしているが、春になると山から下りてくる。そのために、山の神すなわち超越的な存在の使いとみなされていたのである。
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yamada50 · 3 years
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南部一族の祈願所として厚い崇敬を受け、盛岡から五里(15km)の参道が整備されたという志和稲荷神社 神仏習合時代は十一面観世音を本地仏とし修験で栄えました 御本殿は珍しい五間社入面造で天正16年(1588年)に斯波詮直によって造営された、その時の古社殿は志和古稲荷の御本殿として移築されたと伝わります #神社巡拝家 (志和稲荷神社) https://www.instagram.com/p/CL16SEAjfCU/?igshid=16uvqej6bw5pp
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motohiroomori-blog · 5 years
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東京五社の1つとして有名な大國魂神社⛩ 祭神は大國魂大神。厄除けの為に多くの参拝者が訪れます🙏 #sonyalpha #ilce6000 #東京五社 #大國魂神社 #大國魂大神 #厄除け #授与所 #宝物殿 #稲荷神社 #提灯 #巫女 #東京都 #府中市 #お写んぽ #かめらいふ #カメラある生活 #カメラ好き #写真好き #撮影好き #travel #photo #photography https://www.instagram.com/p/BteNFeEF0AY/?utm_source=ig_tumblr_share&igshid=11wnao9f9mjq1
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kachoushi · 2 years
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各地句会報
花鳥誌 令和4年10月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和4年7月2日 零の会 坊城俊樹選 特選句
観音の御手炎天にやはらかく 佑天 跡地へと想ひありしか夏の蝶 三郎 白あぢさゐ少し離れて年尾句碑 和子 病院も看護記録も夏草に いづみ 小さく深き緑蔭が抱く年尾句碑 和子 息荒く仏へ寄りし暑さかな 光子 日盛の祠に生れし真の闇 和子 みづからを菩薩に添うて空蟬に いづみ
岡田順子選 特選句
面影は西日晒しの看板に はるか 夏草や記憶の中のナース服 三郎 朝涼の鎌倉よりの風頰に 慶月 息荒く仏へ寄りし暑さかな 光子 五輪塔とは緑蔭のただの石 俊樹 元禄も享保の墓も灼けをれり 佑天 暑き日を年尾の句碑のふところに はるか 観音は水の色して大酷暑 いづみ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月7日 うづら三日の月句会 坊城俊樹選 特選句
浮き沈み女三代夏のれん 都 空つぽの香水びんの残り香よ 同 長茄子の悩ましきかな曲線美 同 パナマ帽明治の父の伊達姿 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月7日 花鳥さゞれ会 坊城俊樹選 特選句
白と云ふ色たゞならぬ半夏生 雪 前山の雪崩るる如く青嵐 同 やゝに老いやゝに夏痩せして在す 同 炎帝のどかりと座りたる越路 かづを 滝音に鳥語人語も呑まれたり 同 九頭竜と対峙し流る天の川 同 静もりて明智が墓碑に沙羅の花 笑 能登半島掻き消してゐる青嵐 千代子 悠久の光を抱へ滴れる 泰俊
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月8日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
子等見つつ弁当番や海の家 宇太郎 屠場へと曳かれるやうに炎天へ 都 死者送り窓に吹き込む青田風 すみ子 川に還す一夜を共にせし蛍 美智子 次の子に少し短かき古浴衣 宇太郎 病窓に影の騒ぎて青嵐 悦子 風紋は海へ傾れて雲の峰 宇太郎 先輩の墓碑に献杯原爆忌 益恵
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月9日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
戦なき広き空欲し雲の峰 三無 風ひたと止んで初蟬響きくる 百合子 夏蝶のげに句碑守のごと飛びぬ 同 雲の峰草の匂ひに樹の匂ひ ゆう子 アルプスを小さく見せて雲の峰 白陶 菜園の胡瓜ピカソの絵に似たり 多美女 句碑に影落し戻り来黒揚羽 三無 供へればくらりと揺るる甜瓜 ゆう子 炎天に浄き閼伽水陽子墓所 三無
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月11日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
七夕や竹切る音のとよもせり 時江 夏潮にロシア軍艦越境す 世詩明 うしろから八つ裂きに来る稲光り 信子 鷺草や鎮守の杜を結界に 時江 七変化寡黙な夫のいつもゐて 信子 生きる意義考へてゐる山椒魚 上嶋昭子 花擬宝珠通夜の灯うるみ傾きぬ 中山昭子 青田もう何も映さず靡きをり みす枝 浴衣の娘女工哀史のこと知らず 世詩明 風鈴を気楽な人と聴いてをり 上嶋昭子 黒南風や酒場は白きピアノ置き 同 見馴れたる山を見飽きず端居かな 中山昭子 昼寝人濁世を忘れ仏顔 みす枝 水打つて日本の地震を鎮めをり 信子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月11日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
武蔵野の風に目覚めし合歓の花 三無 羅や近より難き気を纏ひ 同 艶やかに羅笑みて同窓会 同 金魚鉢洗ふ役目の誇らしげ 貴薫 金魚掬ひ父の背中の逞しき 有有 旅先で出合ひて嬉し合歓の花 貴薫 慎ましく生きる姿の合歓の花 史空 羅の似合ふ真砂女に恋多き あき子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月13日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
七夕の雨に濡らしてハイヒール 登美子 片恋のラジオ相談星の秋 同 玉葱を貰へば娘吊るしをり 令子 夏座布団友の数だけ広げけり みえこ 天道虫後ろ姿の子らを撮る 裕子 たばこ屋の小窓に覗く扇風機 実加 忠霊場若きの墓は盆静か 令子 老いらくの母の見入れる天の川 登美子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月15日 さきたま花鳥句会
炎天の小江戸の街や車夫の愚痴 月惑 老いてなほ一鞭入れて草を引く 八草 空蟬や何も語れず逝きし友 裕章 夏空へ磴駆け上る柔道部 とし江 厳かにお祓ひ後の心太 ふじ穂 紅芙蓉誉め合ふ笑みの立ち話 恵美子
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令和4年7月16日 伊藤柏翠俳句記念館 坊城��樹選 特選句
此の先は教へぬつもり道をしへ 雪 野地蔵も息をひそめる炎天下 英美子 日盛りに息をひそめてゐる地蔵 同 母の影盆灯の後見え隠れ 山田和子 羅やさらりとまとひ香の立つ 真喜栄 バス降りて一人一人の夏終る 世詩明 短夜や夢幻の如くなる 同 めまとひを払ひて無人切符買ふ 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月17日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
大蟻の車輪のごとく駆け抜けし 久子 炎天の武蔵野の底滑る蝶 三無 変ること厭ふ白紫陽花の白 久 水光り羽黒蜻蛉は神の使者 慶月 古座敷や行くあて知れぬ茄子の馬 軽象 水音を真中に抱きて森涼し 慶月 大蟻も小蟻も参ず地蔵塔 眞理子 夏空を映す水たまりを蹴上げ 久 天牛の角ふりかざす古戦場 眞理子 紫陽花の絞り出したる終の藍 圭魚 甘味屋の蓮を描きし夏暖簾 同 民家古りただ現し身の黒揚羽 千種 森深く闇に添ひゆく黒揚羽 斉
栗林圭魚選 特選句
水音を真中に抱きて森涼し 慶月 ハケの家夏炉の湿る匂ひかな 要 大蟻も小蟻も参ず地蔵塔 眞理子 紅蓮の今日崩れゆく命かな 久子 夏空を忽ち縮め潦 斉 みがかれし床に朝採り茗荷の子 久子 式台に雨跡ありて風涼し 同 茅葺きの土間の暗がり死蛾美しき 炳子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月19日 萩花鳥会
みちのくの吾娘が来たるや月見草 祐子 炎帝や必殺狙撃動天す 健雄 一面の葉に見え隠れはすの花 恒雄 夏山はこれで十分梅むすび 俊文 夏料理語り尽くして持て成さる ゆかり 駄々つ子の泣きやんだらし夏の雨 陽子 痛風の足を投げ出し夏の月 吉之 頭垂れ雨乞ひしたるや庭の花 明子 法螺貝の響く城下や雲の峰 美恵子
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令和4年7月20日 福井花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
もくもくと九頭竜のぼる雲の峰 千代子 七夕や笹は願ひに撓るほど 千加江 幼きを呼び戻したる天瓜粉 同 かの人の垣根に高く酔芙蓉 昭子 三人の遺影の部屋も梅雨湿り 清女 七夕に女心の糸結ぶ 啓子 小石踏む音の近づく夏館 泰俊 夕立や濡れて礎石の薄明り 同 面も手も己れ矜恃の日焼かな 数幸 穴を出し蚯蚓一糸も纏はざる 雪 裸火に想ひの丈を飛べる火蛾 同 水の如く又火の如く人涼し 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月21日 鯖江花鳥俳句會 坊城俊樹選 特選句
風鈴の欲しいと思ふ風が今 洋子 右衛門に隣る左衛門夏構 同 鉈の音山の地肌に万緑に 同 賽銭を打つ音までも黴臭き 同 万緑や山相いよよ文殊山 雪 祭帯器用に結びくれし母 同 その人とカンカン帽に気付く迄 同 盆の月家系図のこと何もしらず 昭中山子 炎天に近道すれば転びけり 同 子が囃す夜空の証や地蔵祭 ただし 鳳仙花姉妹の話途切れ無し みす枝
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月24日 月例会 坊城俊樹選 特選句
零戦に少年口を閉ざす夏 和子 靖国へ四方より迫る雲の峰 要 夏蝶は翅で息して歩みたる 和子 空蟬の祈る形に落ちにけり 同 蓮花へと極楽の風触れて過ぐ 政江 静脈の巻きつく手首白日傘 和子 羅を纏ひかの世の話など はるか
岡田順子選 特選句
目の前を突然蟬の木となれり 千種 絵日傘のシスターの行く九段坂 眞理子 大きさの合はざる蟬の殻と穴 千種 礼拝の黙を蓮の解かれゆく 炳子 羅を纏ひかの世の話など はるか 炎帝の子の鉄棒や大鳥居 小鳥 見巧者の折紙付きや泥鰌鍋 幸風
栗林圭魚選 特選句
零戦に少年口を閉ざす夏 和子 熱砂踏む雀らの影ゆらゆらと 順子 横顔の考へてゐる団扇かな 同 病葉となるや社の奥に降り 眞理子 空蟬は拾ひ奉仕の竹箒 順子 最短の空行く鴉街灼くる 千種 大鳥居溽暑の穢土を寄せつけず 月惑 能舞台しづかに進む蝸牛 幸風
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月 九州花鳥会 坊城俊樹選 特選句
大鍋のたぷんたぷんと一夜酒 愛 悪童の頃瓜番に追はれしと 同 瓜番の灯りを返す獣の眼 同 この辺り魔法使ひの夜店らし ひとみ 甘酒のとろみも憂さも呑み込みぬ 久恵 蟬時雨遠くに聞けば海凪ぎて 桂 逆転か球は外野へ峰雲へ 由紀子 夕雲はマグマ色して浜万年青 久恵 咲き疲れてゐるかも知れぬ水中花 ひとみ 丁寧にハンカチ畳み恋語り さえこ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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