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#見るポイントとしてみたいな教室あるとおもしろいと思うねんけど
sayasaan · 1 year
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♡ ⁡ ⁡ #名球会チャンネル より ⁡ あんな優しい声で わかりやすく 丁寧に説明されたら上手くなれそうよね。 ⁡ ⁡ #おばさまたちでもさんかできる野球教室とかあれば行きたいわ #見るポイントとしてみたいな教室あるとおもしろいと思うねんけど ⁡ ⁡ ⁡ ✧・━・✧・━・✧・━・✧・━・✧・━・✧・━・✧・━・✧ ⁡ #荒木コーチ #荒木雅博 #アライバのアラ #荒木コーチ推し #荒木雅博71 #ドラゴンズコーチ #推し活 #推しの写真は癒し #推しはどんな状況でも最高 #名球会 #youtube #荒木さんの野球教室参加したい #ドラゴンズ #ドラゴンズファン #ドラゴンズファンと繋がりたい #ドラゴンズ愛 #中日ドラゴンズ #ドラゴンズ好き #ドラゴンズ大好き (沖縄県) https://www.instagram.com/p/Cnvkvd5vzN6/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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houteiyugi-movie · 7 months
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特別講義 in 専修大学のイベントレポートが到着!
公開を前に本日10月26日(木)、映画の舞台にロースクールが設定されていることにちなんで、法律家を志す学生が集う専修大学法学部の法廷教室にて本作の特別試写会を開催!上映後には原作小説を手がけた五十嵐律人さん、本作の深川栄洋監督、専修大学法学部の関正晴教授による“特別講義”と称してトークイベントが行なわれました。さらにイベントの途中で、法律家を目指す学生たちにエールを送るべく、主演を務めた永瀬廉さんがサプライズで登場!学生との質疑応答も行なわれ、会場は大きな盛り上がりを見せました。
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弁護士でもある五十嵐さんは、原作となる小説を執筆したきっかけについて「もともと法律が好きだったんですが、その面白さがなかなか法律に携わってない方に伝わらないという思いがあり、小説という形で法律の面白さを描けないかと考えました。映画でも出てくる“無辜ゲーム(※生徒たちがゲームとして繰り広げる模擬裁判のようなゲーム)”がアイディアの着想となり、そこからどんどん発展していきました」と明かしました。
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深川監督は、この小説を映画にする上での難しさについて「まず法律用語が難しい(苦笑)。若い人にどう見てもらい、乗ってもらうか? どういうふうに広い裾野に物語の面白さ、法律の面白さと危うさを感じさせるかが難しいポイントでした」とふり返りました。
そうして完成した映画について、五十嵐さんは「どの時間を切り取っても面白い。事件だけでなくそこに至る過程や裁判のパートも飽きさせない工夫や展開の仕方があって、原作をより面白く、エンタテイメントにして完成させてくださって感謝の気持ちでいっぱいです」と称賛を送りました。
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関教授は法律家の視点で、本作について「いろんな場面で法律の制度や手続きについて出てきますが、そこをうまく使うというのが(よい)アイディアだなと思いました。時効や再審制度、証拠の追加などもそうですし、証人尋問のシーンは特に感心しました。一問一答で現実の裁判に近いものを感じました。普通の刑事ドラマだと主人公が喋りまくって尋問している感じではないんですが、今回の映画は尋問の仕方が実務に近かったです」とそのリアリティを含め、絶賛!これには五十嵐さんも「刑事訴訟法を専門にしている先生のお墨付きをいただけて嬉しいです」と笑みを浮かべていました。
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そして、イベント中盤に完全サプライズで主演の“セイギ”こと久��清義を演じた永瀬さんが登場すると、会場は悲鳴のような歓声に包まれました! 真ん中の裁判長の席に座った永瀬さんは「緊張します…」とはにかみつつ「(映画の中では弁護士なので)こっち側じゃなかったので、ホンマに全部が見渡せる席で、特別な感覚がありますね」とご満悦。学生たちに向けて「弁護士の役をやらせていただき、ロースクール生の頃も少しだけ演じさせていただいて、弁護士になるために並々ならぬ努力をしないといけないことをこの映画を通じて学びました。みなさんも、そういう思いをされているかと思うと、少しだけみなさんのお気持ちがわかるし、親近感がわきます」と笑顔で語りかけました。
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そんな、永瀬さんの劇中での弁護士ぶりについて、関教授は「一問一答の形式で、テキパキと杉咲花(織本美鈴役)から言葉を引き出すところの歯切れが良く、まさに法廷でやっている尋問に近かった」と称え、永瀬さんは良い弁護士になれるか? という質問に「訓練を積んでいけば」という条件付きで太鼓判を押しました。これには、法律用語のセリフに苦戦したという永瀬さんは「えげつない訓練じゃないですか!」と苦笑いを浮かべていました。
学生の中には劇中の無辜ゲームのようなことをやった経験があるという人も。ある学生は、この法廷教室で「模擬裁判をやりました。学生が一からシナリオを考えて、役になり切りました」と明かしました。ちなみに裁判の中身は「殺人事件で死刑か? 無期懲役かなど量刑の争い」とのこと。
別の学生は「おとぎ話の『ヘンゼルとグレーテル』を題材に、2人が魔女を殺したことを立証できるか?」というユニークな模擬裁判をやったと語りました。これに“裁判長”永瀬さんは「テーマが面白いですね!」と感心しつつ「ヘンゼルとグレーテルについてそこまで知らないけど、殺すのは良くないですね。有罪で!」と即判決を下し、会場は笑いに包まれました。
また、法律を学んでいた役に立ったことについて、ある学生は相続法の知識を今後の遺産相続の際に活かせると明かし、労働法を専門とする別に学生は、アルバイト先での有給や休業補償について、バイト先に働きかけた経験を明かし、永瀬さんは「法律は僕らの生活と切り離せないので、知っておいて損はないですよね。知識があると、行動もできますもんね」と感心しきりでした。
またある女子学生は永瀬さんに「法律を学んでいる女性のイメージ」についての質問が。永瀬さんは、法律家になるための勉強の大変さやその量の多さに言及しつつ「過酷な状況に耐えられる忍耐力がある強い女性が多いのかなと思います」と語りました。
また、学生からは本作の撮影において苦労したことについての質問も。永瀬さんはやはり、耳慣れない法律用語に苦労したようで「発音も含めそれらをすらすら言わないといけなくて、常にそうした言葉が板についている感じで芝居をしないといけない。一度、法廷シーンで噛んでしまって、長回しでみなさんに申し訳なかったですが、2回目ももっと噛んでしまって…(苦笑)。スイッチが入ると取り戻しづらい空気感で、大変でした」と緊張感のある法廷シーンならではの苦労も明かしました。
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五十嵐さんは、そんな永瀬さんについて「なりたての弁護士という役で、専門家だけどわからないところもあるんですよね。僕も同じ気持ちでしたし、そういう不安や悩んでいる姿や、法律家も完璧じゃないところを表現されていて素敵でした」と自身と重ね合わせてその演技力、表現力を称えました。
さらにある学生からは、King & Princeが歌う本作の主題歌「愛し生きること」について「お気に入りのフレーズは?」というユニークな質問も!永瀬さんは「綺麗な嘘で抱き締めるから」というフレーズを挙げ「全体的に今回の映画のために作られていて、バシッとハマった感覚があるし、どこかで救われた自分がいる感覚もあります。『綺麗な嘘で抱き締めるから』という言葉は、どこかでセイギの美鈴(杉咲花さん)に対する気持ち、馨(北村匠海さん)に対する思いに通じる部分があると思うし、好きです」と明かしてくれました。
イベントの最後に永瀬さんは「この物語はセイギと美鈴と馨がメインで進んでいきますが、それぞれが抱えている過去や思い、人それぞれに自分の正義感があると思うけど、その正義感や信念を突き通すことの苦しさ、つらさ、難しさも含めて描かれてると思います。あまり、法律が近くない存在の人十分に楽しんでいただけると思うし、映画をきっかけにもしかして法律に興味持ってくださる方もいるんじゃないかと思います。余白を残して、考えていただくところが多々ある映画なので、見終わって感想を話し合って、それぞれの意見を交換し合っても面白いと思います」と呼びかけ、温かい拍手に包まれてイベントは終了しました。
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公式サイト
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ari0921 · 1 month
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和六年(2024)4月19日(金曜日)
   通巻第8221号
 後継皇室問題で自民党が有識者会議の二案を『妥当』
  やはり自民党に「現代の新井白石」はいなかった
*************************
 皇統後継問題の皇室典範改正をめぐって有識者会議が開かれ、これを踏まえて岸田首相は令和六年(二〇二四年)一月三十日の所信表明演説後の質門に答え、かく述べている。
 「有識者会議において悠仁親王殿下までの皇位継承の流れをゆるがせにしてはならないとの結論に至った」。
つまり「女系天皇論」という俗論をたしなめたのだ。だがメディアは意図的に、この一歩踏み込んだ発言を殆ど伝えなかった。岸田首相は「悠仁親王殿下までの皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない」と明言しているのである。
 皇統は神武以来の万世一系で男子が継承し、跡継ぎが幼少などの場合、未亡人皇后か独身の内親王が天皇代理として「称制」と務めた。この歴史の特質が意図的に議論されず学校でも教えない。
だから軽佻浮薄にも「愛子天皇待望論」が出てくる。女性天皇と女系天皇の区別も曖昧とされたままである。
 小泉政権のおり皇室典範改正をめぐって有識者会議が開催された。明治二二年(一八八九年)制定された典範により、男系長子が皇位を継承するという神武天皇以来の万世一系の伝統が守られてきた。状況が変化し、皇統が絶えかねないという危機を認識し、急遽、有識者会議が招集された。
だが、座長はロボット工学専門の学者で歴史には無知だった。秋篠宮に悠仁親)王がお生まれになって、皇統問題は棚上げとなった。
 もしこの流れを変えるとなると歴史を否定する革命である。フランクフルト学派が狙うのは二段階革命による国家破壊であり、グローバリズムが国境をなくせと唱えている国家否定の隠れた目標に通底する。
  
 4月15日、自民党は皇位継承の安定のための皇族数確保に関する有識者会議の二案を『妥当』とする立場を示し、「安定的な皇位継承の確保に関する懇親会(麻生副総裁が会長)で党見解のとりまとめを急ぐとした。
 「二案」とは(1)皇族女子の結婚後の皇族身分保持。(2)養子縁組に拠る旧皇族団系男子の皇籍復帰、である。
 自民党はいずれも妥当としたわけだが、いささか勉強不足だろう。やはり与党に現代版の新井白石はいなかったのだ。
 各党の意見のなかで、唯一まともなのが「維新の会」である。すなわち(1)に対して、現実的ではあるが「女系への皇位継承資格拡大につながる懸念がある」としている。
 (2)に関しては『歴史と現実を踏まえれば、高く評価できる』とした。
そもそも皇室典範の改正云々を内閣ごときがおこなうべきではない。立太子と親王殿下がおられるのに、なぜこんな議論をするのか、裏に何か別の動機が潜んでいるのか。
(参考文献 宮崎正弘『二度天皇になった女性 ─孝謙・称徳女帝の光と影』(ワック)
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(再録)「新井白石 皇統断絶の危機を予知」
 皇統が断絶の危機に瀕したことは神武天皇の御代から幾度かある。また後継皇位を争った政争、謀殺も何回かあった。 
 古代史最大の謎は応神天皇と継体天皇の正当性である。ほかにも雄略天皇が謀殺したイチノヘオシハ(履中天皇の皇子、雄略天皇の叔父)の遺児が播磨と吉備の境に二十年隠れ住んでいて、雄略の皇子・清寧天皇が亡くなると名乗り出た。この間、イチノヘオシハの妹の称制だった。
 新井白石は自伝ともとれる『折たく柴の記』のなかで、皇室の後継が不在となる危機の到来を認識し、東山天皇の祖孫をして閑院宮家を立てられるよう将軍に建言した。その皇統を維持させた経緯を次のように回想した。
 「議し申すべき一事の候は��亨・建武の間、皇統すでに南北にわかれ、南朝はいくほどなくて絶させ給ひぬ。北朝はもとこれ武家のためにたてられ給ひぬれば、武家の代の栄えも衰えをも、ともにせさせ給ふべき御事なるに、応仁の後、世の乱れ打ち続て、武家すでに衰給ひにし上は、朝家のことは申すに及ばず当家(徳川)神祖天下の事をしろしめされしに及びてこそ、朝家(皇室)にも絶たるをも?ぎ、廃れしをも興させ給ふ御事共はあるなれ。しかはあれど儲君(皇太子)の外は、皇子、皇女皆々御出家の事においては、いまもなほおとろへし代のさまに、かは
り給はず。凡そ匹夫匹婦の賤しさも子を産みては其室家あらむ事を思ふ。これ天下古今の情也。(中略)これより後、代々の皇子、皇女、其数多くおはしまさむに至りては天下の富も、つがせ給はぬ所ありぬべしなど申す事も候はんか。古より皇子、皇女、数十人おはしませし代々もすくなかれねど、それらの御後、今に至り給ふは、いくばくもおはしまさず。『天地の間には大算数といふもののある也』と古人は申したりき。これらの事は人の智力の推し測るべき所にあらず。ただ理の当否をこそ論じもうすべけれ」(松村明校注、岩波文庫。138~140p)
 新井白石は後継皇統の候補者がたくさんおられた時代ではなく、いずれ後継候補が不在となる危機にそなえ、別に宮家を建てて費用をまかなうべきと建言したのだ。
 将軍家宣は白石の建言を受けいれ直仁親王を閑院宮と称し、禄千石を進上した。はたして白石が危惧した通り第113代東山天皇の系統は第118代後桃園天皇で絶えた。
 そこで東山の皇子、直人親王の孫にあたる光格天皇が第119代天皇として即位された。光格天皇は閑院宮典仁親王の第六王子。誕生の翌年に聖護院に入寺し将来は出家して聖護院門跡を継ぐ予定だった。
 ところが後桃園天皇が崩御し、直系は内親王だけだったため、安永八年(1789)十一月二十五日、践祚された。今上陛下はこの光格天皇の系統である。
 ゆえに令和の時代の皇室論議に臣籍降下された旧宮家の復活が急がれる所以である。
 白石が冒頭にのべた「建武の間、皇統すでに南北にわかれ、南朝はいくほどなくて絶させ給ひぬ。北朝はもとこれ武家のためにたてられ給ひぬれば」という意味は、建武の中興の後醍醐天皇の南朝が99代の後亀山天皇で世継ぎなく北朝五代の後円融天皇の皇子が、第百代の後小松天皇、101代称光天皇のあと、五代遡って北朝一代の光嚴天皇の祖々孫にあたる後花園天皇となられたことを指している。
 皇位が空位となったケースは幾つかあるが、未亡人か独身の内親王が称制(臨時天皇)として正式な後継皇子が成人するのを待った。たとえば持統天皇、皇極・齊明、元正、元明がそうだ。孝謙・称徳天皇の場合は後継淳仁天皇を廃帝とし、次の光仁天皇を指名したとする遺書は藤原百川がでっち上げた。
 第二十一代雄略天皇の子、清寧には皇子がおらず三代遡って履中天皇の皇子イチノヘオシハの遺児(顕宗、仁賢)が継いだことはみたが、その間の飯豊天皇は明治三年に皇統譜から削除された。ところが葛城の麓へいくと宮内庁管轄の飯豊天皇陵がある。
 その後、第二十五代武烈天皇にも後継皇子は不在で、こんどは五代遡り、応神天皇の五代孫と言われた継体天皇が践祚された。継体天皇は越前からやってきたが二十年間も奈良へ入らず、この謎は解明されていない。
                 (『月刊日本』から再録です)
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myonbl · 22 days
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2024年5月8日(水)
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5月7日(火)23時(日本時間)、Appleのイベントが始まった。無論、私はその時間は高いびき、朝起きてからサイトを見て確認した。大方の予想通り、iPadの新型が発表された。高スペックのProモデルなど、業種によっては待ちかねた方も居られるのだろう。翻って私の場合、Webリサーチと電子本読書が主な用途、新学期セールで購入した現行 iPad air になんの不足も無い。身の丈に合ったデバイスを大事にして、今後も無理なく日々の暮らしを続けたいものだ。
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5時起床。
ツレアイのアラーム(5時30分)までは、静かにネットサーフィンで時間を過ごす。
洗濯機回す。
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朝食。
珈琲。
弁当*2。
洗濯物を干す。
空き瓶、45L*1。
ツレアイの職場経由で出勤する。
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まずまず順調に到着する。
窓を開けて換気、お湯を沸かしてルイボスティーを入れる。
昨日の<スタディスキルズ>の提出物をチェックする。
来週の<スタディスキルズ>のメニュー検討、ワークシートをいくつか用意する。
昨年度末まで隣の研究室に居られたN先生来訪、4月から別の棟に移ったので挨拶に。手土産まで頂戴して恐縮至極に存じ候。
水曜日2限・3限は<情報機器の操作Ⅰ(栄養学科)>、月曜日と同じメニュー。午前のクラスはPC不慣れでタイピングも遅い学生多し、午後のクラスはその反対、もっとも1名は高校時代に修得済みの内容で退屈な思いをさせているのが心苦しい。
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授業時にはマスク着用、その下のガーゼを入れておく。白十字のパッケージ、200枚入りと書いてあるが驚いたのは使用開始の日付、ちょうど1年ですべてを空にしたことになる。もっとも、騒ぎを避けるべく机の下の箱をすぐに取り出した、採点は後回し。
今日からは教科書ベースで<Office365>を順序立てて解説・修得しても洗う。今日のポイントは、PowerPointのスライド作成では<箇条書き>が大事なツール、そこへ焦点を絞って練習させる。もっとも、時々居るんだよな、話を聴かぬままに質問を繰り返す女子学生、教科書の該当箇所読めばすぐに解決・・・となるのだがなぁ。とにかく第5週終了までは、授業に出やすい環境作りに粉骨砕身するのであります!
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順調に帰着。
西大路七条ライフ七条店で買物、レタス・トマト・薄揚げ。
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息子たちの夕飯、昨晩から仕込んでおいた<無水地鶏カレー>、タイピング苦手な方、今ここで頑張るのですよ!
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最後は枝雀のDVDから、「延陽伯」を楽しむ。近頃の若手にはこのネタは通じないとか、昨晩の「持参金」も同趣向で悪い話ではないのだがねぇ・・・。
片付け、入浴、体重は300g減。
パジャマに着替えて日誌書く。
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今日も無事に3つのリング完成しました。
おやすみなさい・・・(-_-)zzz
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shinobugaoka-houkago · 9 months
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取材プログラム ~インタビューに挑戦しよう!~ <前編>
こんにちは! しのわくスタッフの長南(ちょうなん)と申します。前職がテレビ番組のディレクターで、20年以上ドキュメンタリーを作ってきました。 そこで今回、「取材プログラム」を担当させて頂くことに。子どもたちが忍岡小学校の先生にインタビューをし、最後はポスター(壁新聞)にまとめました。 以下、子どもたちの奮闘をレポートします!
🖊🖊🖊🖊🖊🖊🖊🖊🖊🖊🖊🖊 みなさんは「取材」と聞くと、どんなイメージをお持ちでしょうか? 「材料・題材を取り集める」行為…ノンフィクションと呼ばれる映像・出版物・新聞などは全て、「取材」があってこそ生み出されています。  今回はその中でも、「インタビュー」に挑戦してみることに。これが中々奥が深い…。20年やっていても、うまく行く時もあれば、失敗することもある難作業です。 その難関に挑んだのは、自ら「取材をしてみたい!」と手を挙げた3年女子3名、4年女子1名の、計4名の子どもたち。プログラムは全4回に及びました。 第1回目は、インタビューしたい人物を自分たちで決めました。まずは各自がリストアップ。忍岡小の先生方、しのわくで専門のプログラムを教えて下さる講師の方、しのわくスタッフ、習い事の先生、通っている歯医者さん、大谷選手(野球)…などの名前が挙がりました。
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出揃ったところで4人で話し合い、多数決で忍岡小の とある先生に白羽の矢が。(後日インタビューを申し込んだところ、快くお引き受け頂けました。) そして1回目のメインイベントは、「質問を考える」。何もアドバイスせずに子どもたちだけで考えると、「好きな食べ物は?」 「好きな色は?」といった質問が挙がってきます。もちろんそれも第一歩ではありますが、ここで少し 私たちプロがどんな風に質問を作るのか、ヒントを。 「その人の人生や人柄を知ることができる質問を考えよう」
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【質問を考える時のキーワード】  「人生(過去・現在・未来)」  「気持ちや考え方(性格)」  「意外な一面(だれも知らない部分)」 例えば、人生で過去(子どもの頃/先生になった時)のことを尋ねる質問をしたり、気持ち(嬉しかったこと/挫折)について聞いてみる、といった具合です。 …かなり高度な内容ですよね。実はプロでも、この質問の立て方で 上手い下手が分かれるぐらいの、肝となる作業です。 そんな難しいことを小学生が考えら��るの?…いやいや、それがびっくり、プロでも考えつかないようなオリジナリティー溢れる質問を考えてくれました!
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・昔は、チャラかったですか? ・バイトしていましたか? ・自分の子どもに嫌われたことはありますか? ・一番ショックだったことは? ・100万円もらえたら何をしますか? ・年を取ったら何をしますか? …これらの質問が、のちに実際のインタビューで、先生の知られざる素顔を大いに引き出してくれたのです。
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第2回目は、いよいよインタビュー本番。4人の子どもたちが満場一致でインタビューしたいと挙げた、忍岡小のとあるベテラン先生に30分のお時間を頂けることになりました。 まず、インタビュー前の準備として、前回4人それぞれが考えた質問のうち、30分で聞けそうな数に絞ります。1人につき2~3問。子ども自身がどうしても聞きたい質問と、私から見て、オリジナリティーがあって良いと思う質問を織り交ぜて選びました。(子どもは意外と、せっかく良い質問なのになぜか選ばなかったりするので…笑) 次に、インタビューの予行演習をします。ここで私が一番大事なポイントとしてみんなに伝えたのは… 「インタビューは会話である」 用意していた質問を投げて、答えをもらったら終わり…の一方通行ではなく、あくまでキャッチボール。 【インタビュー時のポイント】 ・根掘り葉掘り(しつこく掘り下げる!) ・相手の答えの中に、次の質問を見つける ・アドリブ力(用意した質問を捨ててもいい!) ということで、まずは私が3年女子Aさんを相手に、お手本を見せます。 私 「何色が好き?」  A 「黒」 私 「なぜ?」  A 「かっこいいから」 私 「黒いもので好きなものは?」  A 「服とか」 私 「服は自分で選ぶの?」  A 「お母さんと一緒に」 私 「どこで買う?」  A 「ユニクロやGU」 私 「スカート派?パンツ派?」  A 「スカート持ってないよー!」 大事なポイントは、「最初の一問一答で終わってしまったら見えなかったAさんのキャラクターや家族との関係が、根掘り葉掘りすることで見えてくる」。 みんなすぐに理解できたようで、2人1組になって練習開始。子どもたちにとっては、いつもの会話と少し違う流れなので、実際に声に出してみることが大事です。さあ、これを先生に対しても実践できるかな…?
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いよいよ、ベテラン先生を教室にお招きし、インタビュースタート! まずは4人で先生に「取材の目的」を説明します。インタビューした内容を紙にまとめて、しのわくルームの廊下に貼り出させてもらうことの了承を得ました。 そして、各自が担当する質問を聞いていきます。さすが先生、お話がとっても面白く、4人も笑いが絶えません。あたたかな座談会のような雰囲気で、あっという間の30分でした。
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子どもたちは、事前に用意していた質問以外にも、先生の話にすかさず反応してその場で新たに質問、どんどん食らいつく! つまり、「根掘り葉掘り」も 「相手の答えの中に、次の質問を見つける」も、自然に上手にできていました。その結果…  ・元々会社勤めをしていたが、意外なきっかけで先生に転職したこと ・大学時代のサークル活動で大好きなことを見つけ、それが今の職業につながったこと ・アルバイト中の武勇伝 ・実は奥さん思いで優しい😊 …などの、興味深いエピソードの数々を引き出すことができ、よく知っていると思っていた先生の、全く知らなかった素顔を垣間見ることができました。
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子どもたちが 楽しく充実した時間を過ごしたのはもちろんのこと、きっと先生も、より深くご自分のことを子どもたちに伝えられる機会となり、お互いにとってかけがえのないひと時になったのではないでしょうか… これこそ、インタビューの醍醐味! 次回 ブログ後編では、インタビューのアウトプットである「ポスター作り」をレポートします。
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2ND-HAND  Lot 4064 in 2023SS ②
こんにちは 名古屋店 コジャです。
2023 S/S セコハンTEE Lot 4064後半戦です。
WAREHOUSE & CO. 2ND-HAND Lot 4064 LARSEN BAY \5.280-(with tax)
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カッコイイ!!【WOLF】のプリント。
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狼含む犬モチーフも数多くリリースしてますが、 其々が毎回人気のプリント。
そして、 アメカジ好きは何故か[ALASKA]のワードにも反応してしまいますよね笑
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WAREHOUSE & CO. 2ND-HAND Lot 4064 VILLAGE 2 \5.280-(with tax)
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非常にユニークっ! 一応カレッジにカテゴライズされるのでしょうか(^_^;)
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クスッと笑える物はリリースしたことありますが、 これは振り切ってます笑 WAREHOUSEのプリントでここまでのものは中々見かけませんよ。
FR🚼SHとなっておりますが、 恐らく[FRESH]。 【FRESHMAN】=一年生(新入生)を意味しているのだと思います。
ピカピカの一年生ということで赤ちゃんを皮肉交じりにプリントしたのかな。 なんとも言えない表情も◎
持っている玩具?に書かれている数字は年度を表しているのかと。
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バブーと受け入れるのか、 はたまた、 死物狂いで進級を目指すのか。 このプリントが勉学等への励みになったのかは想像につきますね。
皆様も、 パートナーに対して、 仕事に取り組む姿勢等を見直し、 《初心に帰る》意味としても如何でしょう?
. . .
WAREHOUSE & CO. 2ND-HAND Lot 4064 CYCLING \5.280-(with tax)
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カッコいい! と、 面白いっ! の要素が入ったプリントですねぇ。
ツール・ド・フランスのようなレースのイベントモノでしょうか?
そして描写が細かいっ!
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文字が入らず絵のみというのも珍しい。 リアルなタッチで描かれているからか風を感じますねー。
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WAREHOUSE & CO. 2ND-HAND Lot 4064 BAHAMAS \5.280-(with tax)
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BAHAMASがあのバハマなのか? MEMBERやTHREE H CLUBは何かの団体なのか? そのTHREE H CLUBが掲げてる【HAPPY・HUNGRY・HORNY】とは? FOOTPRINTの向きなどに意味はあるのか?
このプリントは如何様なものか御存知の方は是非ご教授下さい_(._.)_
と、まぁ、不明な点が多いのですが、 FOOTPRINTがあるだけで私は「おっ!」と反応しちゃいます。
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WAREHOUSE & CO. 2ND-HAND Lot 4064 I WAS THERE! \5.280-(with tax)
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ここ数年の内にもいくつかリリースしてきた海軍の艦シリーズ。
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こちらもそのジャンル物。
「I WAS THERE!」とそこで務めていた乗組員によって作られたものでしょうか?
カタログでは「何でカッパなんやろ?」と思っていたのですが、 人(軍人さん?)だったんですね(^0^;)
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アニメ調な字体や絵にくすぐられますねぇ。
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これで2023 S/S セコハンTEE lot 4064の新作は全て御案内出来ました。
先日の新作プリントの着用画像も載せてますので着た際のプリント感・サイズ感ご参考下さい。
173cm,60kg SIZE:L(NON WASH)
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173cm,60kg SIZE:M(NON WASH)
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179cm,69kg SIZE:XL(NON WASH)
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179cm,69kg SIZE:L(NON WASH)
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入荷後の反響も大きく在庫が無くなってきていて撮影を断念したものも御座います。
店頭分は少なくなっておりますが店頭でも是非御覧になって下さいね。
では失礼致します。
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☞《WILDSWANS BAKER RUSSIAN CALF受注会》
WILDSWANS SPECIAL ORDER WALLET ”BAKER RUSSIAN CALF” 外装:ベイカーロシアンカーフ(RUSSIAN・BROWN) 内装:フルグレインブライドルレザー(ダークステイン)
ワイルドスワンズの受注会を開催しております。
今回のWネームの内容は、 外装にベイカー社 ロシアンカーフ、 内装にはベイカー社 フルグレインブライドルレザーを使用します。
受注期間は2023/4/24(月)から2023/6/11(日)迄。
受注頂きました商品はお渡しの際に10% OFF & スタンプカードのポイント2倍の特典が付きます。
また、 各直営店にて下記日程でサンプルを御用意しております。
東京店:2023年4/24(月)~4/30(日)・・・サンプル展示終了 名古屋店:2023年5/3(水)~5/8(月)・・・サンプル展示終了 大阪店:2023年5/11(木)~5/15(月)・・・サンプル展示終了 福岡店:2023年5/18(木)~5/22(月)・・・サンプル展示終了 阪急メンズ東京店:2023年5/26(金)~5/30(火)・・・サンプル展示中! 札幌店:2023年6/3(土)~6/11(日)
ご都合が合いましたらサンプルを手に取り御覧になって下さいね。
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☞ [営業時間のお知らせ]
平素よりウエアハウス直営店をご利用頂き有難う御座います。 ウエアハウス直営店では営業を下記の通り変更しております。
《2023.5.30.現在の営業時間》
◎東京店 【営業時間:平日 12時~19時 土日祝 12時~19時】無休 ◎阪急メンズ東京店 【営業時間:平日 12時~20時 土日祝 11時~20時】無休 ◎名古屋店【営業時間: 平日 12時~19時 土日祝 12時~19時】水曜定休 ◎大阪店 【営業時間: 平日 12時~19時 土日祝 12時~19時】 無休 ◎福岡店 【営業時間: 平日 12時~19時 土日祝 12時~19時】 無休 ◎札幌店 【営業時間: 11時~20時】  木曜定休
今後の営業時間等の変更につきましては、 改めて当ブログにてお知らせ致します。 お客様におかれましてはご不便をお掛けいたしますが、 ご理解の程、宜しくお願い申し上げます。
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☞ 『WAREHOUSE直営店の LINE公式アカウント開設』
WAREHOUSE&CO.直営店からのお得な情報や、エリア限定のクーポンなどを配布しています。
LINE公式アカウント開設にあたり、 2019年3月26日(火)以降、提供しておりましたスマートフォンアプリはご利用できなくなっております。 お手数をおかけしますが、今後はLINEアカウントのご利用をお願いします。
ご利用されるエリアのアカウントを「友だち登録」して下さい。 ※WAREHOUSE名古屋店をご利用頂いているお客様は【WAREHOUSE EAST】をご登録下さい。
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WAREHOUSE名古屋店
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nemosynth · 1 year
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episode 5 - KAWAI K5000W
1988年春、ついにKORG M1発売!!! タメにタメ、待ちに待った救世主の降臨に市場もコルグ社員も湧いた!!! 同時にROLANDも新型廉価版LA音源シンセ・キーボードによるちゃきちゃきのラインナップD-20、D-10、同LA音源モジュールD-110を発売。既に前年に歴史を変えたD-50ととも���世界は一気にPCMサウンドへとなだれ込んだ。
そこへ同時デビューしたのはCASIO VZ-1。それまでの人気商品CZ シリーズからさらに踏み込んだ新開発iPD音 源とグラフィックLCDとをひっさげ、事実上のデジタル・フル・モジュラー・シンセとなるも14万8千円というお値打ちな戦略プライス。
しかし不運にしてその新音源iPD方式とは難攻不落のFM 方式をさらに上回る高度な変調方式となってしまい、音創りは超難解。でもそれだけならまだシンセ・ヲタにとって挑戦しがいがあったはずなのだが、タイミング悪くPCMサウンド時代到来にはちあわせしてしまいVZ-1は埋没。PCM波形を使う方が単純明快な理論で仕組みも分かりやすく結論も早くおまけに音が斬新とくりゃ、いくら名機でも相手が悪かったとしか言いようがない。
そしてそれは5年に及ぶ無敵のラインナップを誇っていた鉄壁のFM音源シンセたちと言えども、時代の潮流が変 わったことを思い知る運命の瞬間であった。
♬     ♬     ♬
ついにやってきた本格的デジタル・シンセ時代。上から下まで計5機種に及ぶPCMシンセが一気に発売されたことで堰を切ったようにサンプル・ベースの音色が世界を席巻。最安価のキーボード・シンセはROLAND D-10、メーカー小売価格12万8千円、しかもまだ当時珍しいベロシティ対応鍵盤も搭載。さぁついにキミやボクにもPCM音色をタッチ・センス・フル対応でどうぞ!
と思ったその矢先......!!!
第6のPCMシンセ、ダークホースKAWAI K1、61 鍵ながらに可搬性に優れたコンパクトなボディにたくさんの PCM 波形を搭載しアコピの音もばっちしでお値段きゅっきゅっぱ! しかもベロシティだけじゃないよアフタータ ッチも装備、おまけに鍵盤はクラス初おもりつきで“カワイらしく”タッチもよろしいのよ、さりげなくベクトル合 成までできたのよ♬
まさかのPCMシンセが10万円を切る値札付けて登場、思わぬ伏兵にD-10、D-20、D-50、M1に至るまで親亀コケたら皆コケるが如く足をすくわれ総ずっこけ。しかも相手はKAWAI。よもやこんなにセンスの良いあかぬけたフレンドリーな機種を投入してくるとは誰が予想し得たであろう。ってかそもそもカワイってシンセ作ってたっけ? やんごとなき良家の坊っちゃん嬢ちゃんがお行儀よくヤノピを習うカワイ音楽教室? KAWAIの電子オルガ ンことドリマトーンなんて覚えてる? エレクトーンはYAMAHAの商標ですよ。バブル期のことなんてもう忘れたってか?
しかしその源流は、実は狂乱バブル期どころか日本が焦土と化し灰燼(かいじん)と化し、すべてがただの焼け 野原となりただただ空だけが広く明るかった敗戦の翌年にまでさかのぼるのであった。
♬     ♬     ♬
TEISCOとはTokyo Electric Instrument and Sound Companyの略だという。その前身となるアヲイ音波研究所が設立されたのが敗戦翌年の1946年。その2年後辺りからはテスコというブランドでハワイアン・ギターやアンプを販売。まだ日本が謙虚にもの作りしていたころであり、朝鮮戦争へ行った米兵が買っていったという話もあ り、いずれにせよビザール・ギターとして欧米で知られることに。
1958年、なんと日本初の電子オルガンことテスコ・スーパーエレガン(TEISCO Super Elegan)発売。モノフォニックの真空管式オルガンであり、ここからKAWAIの電子オルガンことドリマトーン・シリーズへとつながる。そしてついに、1964年にテスコは株式会社となり、2年後KAWAIすなわち河合楽器製作所の系列会社になり、電気楽器メーカーとして頭角を現すようになった。
GS(グループ・サウンズ)ブームとともに個性派ギターを連発したTEISCO。映画『エレキの若大将』にも映っているという。有名なのはスプリット・ピックアップを6つも搭載したSpectrum 5シリーズ。なんですかこれは、ピックアップ加算合成方式のギター・シンセですか? いやこれぞまさしくビザール・ギター見参!
だがギター・ブームが下火になるとともに、入れ違いに盛り上がりを見せてきたシンセ・ブームにあやかるべく、1976年テスコ初のシンセ100FをTEISCOブランドとKAWAIブランドの両方にて発売。これが黎明期の混沌にふさわしく機種名すらもが不定で、
・100F ・S-100F ・Synthesizer 100F
などと表記。 100Fは 37鍵のアナログ・モノシンセであり、1VCO/1VCF/1VCA/1HPFという構成で一番最後にハイパス・フィルターが来るのがちょっと面白いが、多分これはEGが暴れて低音ぶっぱなしてアンプぶっとばすのを防ぐためであろう。お値段は9万5千円と、当時としては少し安めな印象もあって興味深い。しかもじつはさりげなくオシレーターでフィルターのカットオフモジュレーションができたのよ♬ まるでプロ5とかOberheimみたいだね!
以来、テスコはカワイの傘下にありながらTEISCOブランドでもって次々とアナログ・シンセを世に送り出 し、YAMAHA/KORG/ROLANDの御三家とはまたひと味もふた味も違う、ビザール・ギター・メーカーにふさわ しいひねりの効いた独自路線でクールな機種展開を魅せる。
そんなふうにちょっと変わった個性派アナログ・シンセを“Sシリーズ”や“SXシリーズ”として輩出したテスコ。 そのテスコがそれまでのアナログから脱してデジタルへと足を踏み出した次世代シリーズが、KAWAIブランドの“Kシリーズ”であった。時に1983年DXシリーズ降臨、デジタル・シンセ台風の暴風圏内、KORG DW-8000が 逆風の中で後出しジャンケン負けの崖っぷち、ROLAND JX-10 "Super JX" がそれでもなんとか踏みとどまろうとしていたとき、突如として出現したみょーなシンセKAWAI K3とは?
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1.序
Kシリーズ初号機K3は、2基のデジタル・オシレーターとアナログのVCF/VCAによる6音ポリのハイブリッド・ シンセ。そのデジタル・オシレーター波形とは、KORGのDWGS音源と同じく、現実のサンプルをフーリエ解析しサイン波倍音加算合成にて再合成したものであった。
なれど正直、K3はなんとも言えない機種であった。音源構造といいUIといい、どう見てもKORG DW-8000を大 いに参考にしているのはさておき、外観デザインがイケてない家具みたい、ホイールなんかピッチ・ベンド用1つしかない。しかしK3にはDW-8000には無いメリットがあった。音源波形が32種類もあって、ハイブリッド・シンセ最大級のバリエーションであったとか、LFOにS/H波があるとか、アフタータッチで波形2つの比率を変えられる などなどといった地味にヲタなアドバンテージがあっただけでなく、一つ明らかに抜きん出たところがあった。
たった1個だけとはいえ、音源波形を自作できたのである。
なんとK3において、33番目の音源波形とはユーザーが作成する波形であった。その実態は128倍音から32個を選び、それらを加算した結果をレンダリングさせ波形メモリーに記憶させ1波ループさせることで音源波形として利用する、つまりユーザー・エディットできるサイン波倍音加算合成であった。当時KORG DSS-1、ROLAND S-50、CASIO FZ-1、E-MU Emax SEのごときサンプラーでもないのにユーザー音源波形を自力で生成できる減算方式シンセというのは寡聞にして聞かない。しかもサイン波加算合成とは理論こそフランス革命直後の18世紀末ジョ ゼフ・フーリエによるフーリエ展開のころからあれど、具現化にはおびただしい数の正弦波発振器をただただひたすら愚直に並列に配置し、愚直にいちいち発振器ごとに周波数だのエンベロープだのなんだのとパラメーターを設定せねばならず、リアルな音を出そうものなら最低でも数十基はサイン波オシレーターが必要となり、デジタルによるシミュレーションの到来まで待たねばならなかった。そんな愚直にもほどがあるシステムを実用化しユーザー に開放すべく、民生機シンセとして本格的に挑んだのがKAWAIのKシリーズだったのである。
当時デジタル化に乗り遅れ、息も絶え絶えだったKORG。瀕死の彼らが力尽きて手が届かなかった音創りへの夢を、実は黙って引き継いでいたKAWAI。奇妙なK3の開発には、実は稀代のプロデューサー佐久間正英氏がかかわっていたとも言う。音創りに賭けたKAWAIの想いはその翌年、大化けすることになる。
2.破
ROLANDが革命的な主砲D-50をファイアしたのと同じ1987年、KAWAI K5ローンチ! D-50と同じ16音ポリでほぼ同じプロ価格、2基の63倍音加算オシレーターでもって最大127ものサイン波倍音をユーザーが設定し加算合成する方式、しかも2オシレーター個別に4基の多ポイントEGで倍音構成を制御したのちデジタル・レゾナン ト・フィルターとデジタル・アンプで加工するという、怒涛のパラメーター群の襲来に飲み込まれてしまう、ガチで恐ろしい超弩級ヲタ・シンセであった。
さらに民生機初グラフィックLCD装備。7ステージEGはもちろん、倍音加算状況をスペアナのように分かりやすく図示してくれるSF映画のごとき進化ぶりに誰もが腰を抜かした。ぐっと外観も当世風イケてるデジタル・シンセ になり、ただプログラマブル127倍音加算合成というDX7すらもが顔面蒼白で逃げ出す膨大な数のパラメーターを設定せねば音創りできず、あまりの道のりの遠きにかかわるのもためらわれるほどで、誰もがK5の存在には気がついていないふりをして布団の中にもぐってしまっていた。だから意外に知られていない(笑)。しかしそれは知られ ざるKAWAIが放つ超弩級音源シンセ、前代未聞の巨大アーキテクチャーを誇る革新的シンセであった。
なお、K5の音源方式はARTS音源(Additive Real Time Synthesis)となっていたが、商標にでも引っかかったのか、後からADD音源(Additive Digital Dynamics Synthesis)となった。
3.急
そして翌1988年、冒頭で紹介した驚愕の廉価版シンセK1見参! なんせタッチ・センス完備の16音ポリデジタ ル・シンセが9万9千8百円。してその音源波形はPCM波形と、DWGS音源みたいなサイン波加算合成で生成し たVM波形なるものとで合計256波形に達し、そのうち4波形を選んでおのおのに音量エンベロープかましてミックスするだけ、あとは必要に応じてAM変調もカマすだけ、ジョイスティックまであってベクター合成ごっこするだ け、これまた壮絶にシンプルな加算合成シンセであった。フィルターすら持たないコロンブスの卵シンセであり、 逆にその限定っぷりが潔く音創りに見切りの早さと創意工夫とをもたらし、画期的コスト・ダウンも実現せしめた。KORG M1がデビューした熱狂の影で、K1もまた人気を呼んでいたのである。
そのさらに翌1989年には16ビット・デジタル・オシレーターにデジタル・レゾナント・フィルターとマルチエフ ェクトとを加えたPCMシンセK4を投入。K1はリバーブ/ディレイを追加したK1 IIへと置き換わり、ここにKAWAI Kシリーズはラインナップ完成。腕っぷしの強いドラマーがたたいたみたいな頼もしい音がするリズム・マシンR- 50シリーズ、メリケン人の熱きご要望に応えたというこだわりのパーカッション・シンセ・モ���ュールXD-5、庶民の味方シーケンサーの名機Q-80、明らかに“分かってる”人が開発した便利アイテムMIDIミキサーMM-16、明らかに“分かってる”人が開発した4チャンネル・セミモジュラー・リバーブRV-4などなど、KAWAI機種だけを買えば いっちょまえにかっちょええ“分かってらっしゃる”自宅スタジオが、しかも比較的にお買い得なお値段で実現するというシンセ・キッズにうれしい夢が実現、奇跡のようにきらめくデジタル・シンセ音が誰でもお手軽に手にでき るKAWAIシンセ黄金時代を迎えた。
廉価機種で輝いていたKAWAIに対し、当時のKORGはM1とTシリーズという20万、30万、40万円するプロ価格 帯にフォーカスしていたので、KORGとKAWAIとでPCMシンセ市場の棲み分けができていたとも言える。プロからアマまで広くPCMシンセでカバーしていたのはROLAND1社だけであり、YAMAHAはFMシンセの着地点をどう見つけるか決断を迫られていた。してYAMAHAはV80FDという幻のFMフラッグシップ・シンセをデビュー目前にして葬り去り、代わりにSY77というFM+PCM からなる新RCM音源の開祖へと舵を切る。
このときCASIOはVZ-8Mという、冒頭に出てきたデジタル・フルモジュラー・シンセVZ-1の同時発音数を8音 ポリへと半減させた1Uラックの普及機を出したもののそこから広がらず、明らかに時代はPCMシンセのものとなっ ていた。ここへ来てCASIOはプロの音楽文化からは距離を置くようになり、電子楽器全体の民主化へと専念するよ うになる。電卓屋CASIOの本分はテクノロジーの民主化にあり、FZ-1みたいな29万8千円プロ仕様プロ価格サンプ ラーを出すと“CASIOらしくない!”と言われて、10万円安いFZ-1GXへ交代させるなどかわいそうなところもあっ た。その一方、CASIOのおかげで安くなった液晶をニンテンドーが黎明期のゲーム機に使用したわけであり、他方 CASIOシンセの孔を埋めたのはスノッブなプロ文化ともつながりうるKAWAIのPCM/加算合成シンセであった。
4.SHIN
だが1990年代になってからKAWAIはDTMへ方向転換、その数年後GMegaという、音が良い32音ポリGM音源モ ジュールの名機を見た。GMegaをK1のボディに入れたキーボード・シンセ版K11というシンセもあった。デジタ ル・レゾナント・フィルターをシリパラ可変できたが、評判は聞かない。DTMではROLANDとYAMAHAに後追い となって今一歩、シンセも数年間ラインナップを放置したせいか存在感もディケイ。ついにテスコも影も形もなく なって河合楽器に完全吸収。KAWAIシンセは沈黙した。
そのまま数年が経過、他社シンセも数世代が経過、KORG TrinityとROLAND XPシリーズとが世界を席巻してい た1996年、シン・エヴァのごとく突如として新解釈で出てきたプロ仕様���ンセが本稿の主役、KAWAI K5000シリーズである。こんにちのピアノ専業っぷりからは想像もできないKAWAIのシンセさしずめ“シン・Kシ リーズ”とでも言うべきか、それは一体どのような機種だったのであろう?
♬     ♬     ♬
 “写実派PCM音源の時代に終止符を打つ、印象派『アドバンスト・アディティブ』音源搭載”
K5000シリーズのカタログには、そう書いてあった。そこには以下のラインナップがあった:
・1996年発売 KAWAI K5000S 16万8千円 素のシンセ ・1996年発売 KAWAI K5000W 21万8千円 ワークステーション・シンセ ・1997年発売 KAWAI K5000R 12万5千円 ほぼK5000S の2Uラック・マウント音源モジュール版
プロ仕様の割に比較的お値段がフレンドリー。してその実態は、シンセ・ヲタを黙らせた鬼のフラッグシップK5 をさらに発展させたる前人未到のシンセシスAA音源(Advanced Additive Synthesis)。
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それは凶悪な倍音加算合成に飽き足らず、悪魔の128バンド・デジタル・フォルマント・フィルターを追加、さら にPCM音源波形とも組み合わせ今度こそめんどくさいシンセ・ヲタどもを完全に沈黙せしめたるもの。すなわち、
①16基の言わば“倍音加算ジェネレーター”が64サイン波倍音加算合成を行い、2基ペアで128倍音加算も可能 ②26基の128バンド・デジタル・フォルマント・フィルター ③36基のDCOこと、ピッチや波形の概要パラメーター設定部 ④46基のDCFことマルチモード・レゾナント・デジタル・フィルター ⑤56基のDCA
倍音加算ジェネレーターの代わりにPCM音源波形オシレーターを使うときは上記3から音創りが始まる。こうし て最大6基のオシレーターにて倍音加算サウンドとPCMサウンドとをレイヤーして音創りする。
倍音加算合成にはマクロ・エディット機能もあり、奇数次倍音のみ、偶数次倍音のみ、などと特定の倍音グルー プに絞ってエディット可能なばかりか、さらに驚愕するのは個々の倍音ごとにEGを設定可能。そんな128倍音ごと に個別に多ポイントEGなんか設定してられっか!という至極まっとうな向きには、モーフ・モードを使うことによ り、時間軸上の4点タイム・スライスに128倍音スペクトラムを設定することで、その4点をモーフィングするウ ェーブテーブルを作成可能。つまりAA音源とはウェーブテーブルを自作できる音源方式!! この快挙はほとんど世に知られていない。
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それをさらにデジタルならではの最凶128バンド・フォルマントフィルターや、さらに別のレゾナント・デジタ ル・フィルター、デジタル・アンプ、ADDSRという2段ディケイ装備の多段EGなどで加工。
のちのバージョン・アップでは、0.5秒くらいの短いWAVファイルを外部から読み込み、それを逆フーリエ変換 で解析、さらにフーリエ変換でもって整数次倍音のみで再合成、つまりアナリシスとリシンセシスとを行うとい う、空前の機能すら付いてきてゾクゾクさせた。あまりのパラメーター暴風雨ぶりにグラフィックLCDでのエディ ットはもちろん、あとからPC/Mac版エディター・ソフトEMAGIC SoundDiver for K5000が一緒に付いてくるようになった。
“写実派PCM音源の時代に終止符を打つ、印象派『アドバンスト・アディティブ』音源搭載”
このカタログ・キャッチ・コピーは、奇しくもD-50開発者ROLAND菊本氏が命題としてきたシンセのシンセた るゆえんそのものである。鏡写しにリアルな写実主義よりも理想的な音を求める印象派。お手本を忠実になぞり過 ぎるお行儀の良いサンプラーではなく、ハミ出まくるやんちゃ坊主こそ自由を謳歌できるシンセ。
リアルよりアイディアル(理想的)そのままに、AA音源では狙ったところに倍音を立てられる便利さにうれしく なる。これがFM音源とかだとレシオだのモジュレーター出力レベルだの、あるいは減算方式だと音源波形選択やカ ットオフ、レゾナンス、各種変調ソースからの変調デプスなどなどのバランスだの、ともかくいろいろ周りから堀 を埋めるがごとく遠隔操作しているようでまどろっこしいことを想起すれば、直接に当該倍音を操作するAA音源に は納得しかない。
しかも和音で弾いたとき音が濁りにくい。多彩なデジタル音も太いアナログ音も出る上にクリーンでクリアで内 蔵エフェクトも高品質。アコピのサンプルに至ってはKAWAIピアノらしい重厚で太くてプログレッシブな音がして 良い。
1990年代も後半に入ったとき、あらためて隆盛するPCMシンセへのアンチテーゼが登場したのである。それは
リアルさばかり求められる時代へ歯向かうデジタル・シンセの聖戦、その布告であった。
♬     ♬     ♬
アゴが外れるほど驚愕させられたのは、その愚直なまでに広大だった音源方式だけではない。シリーズ唯一、か つKAWAI初のワークステーション・シンセとなったK5000Wにはこれまた広大なMIDI シーケンサーが内蔵された だけでなく、APG(Auto Phrase Generator)という一種の原始的なAIみたいなやつがフレーズを自動生成してく れる機能すらあった。
ユーザーがレコーディングしたシーケンス・データをなんとK5000Wが解析、別途ユーザーが指定した音楽ジャ ンルなどに則して勝手にK5000Wが最大8パートのマルチトラック・シーケンス・データを作成。しかもコード進 行を提案までしてくれる! 挙げ句、自動生成したシーケンス・データをご主人様がを気に入らなければ何度でも リトライ、K5000Wが都度違う楽曲データをご提案。最大で8,000通りくらいの場合分けで勝手にデータを作成し てくれる。
ユーザーが指定できる音楽ジャンルはプリセット105、ユーザー2つ。え、ユーザー?......そう、ユーザーが電子 オルガンやアレンジャー・キーボードなどで伴奏スタイル・データを作成し、それを読み込ませることでプリセッ トにない新しいジャンルを追加可能。未知のジャンルに至るまで人間様の感性を見抜いて提案してくれるのです よ、シンセが! プリセットされたジャンルには1990年代らしく“ランバダ”もあったが、APG機能の本質はAI支援 作曲、つ��り機械が人間をアシストする時代への一歩二歩であった。さぁほら、落ちたアゴを拾いたまえ。
そうでなくともK5000Wの内蔵シーケンサーは当時のワークステーション・シンセとしては巨大な代物で、40ト ラック/4万ノート記録ができるという、およそ規格外と言っていいくらい大規模なものであった。MIDI端子すら IN/OUT/THRUを2セット計6端子も装備し、もはや広大なMIDIシステムの中核を成すキーボード・コントローラ ーですらあった。いわばKAWAIのPCなんか使わないぞ宣言、なのであろうか? SoundDiverはエディターであっ てシーケンシングじゃないしね。
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普通にPCMワークステーション・シンセとしても卓越した素養があり、加えて革命的な目玉機能も目白押し、し かも値段も比較的にいいところを突いており、ビルド・クオリティもさすがのメイン・イン・ジャパン、鍵盤タッ チも素晴らしいところはヤノピの老舗ならでは。ワークステーションではないK5000Sに至ってはノブがたくさん 付いて、例えば奇数次倍音だけをえいや!っとひねって制御。宣伝にはクリヤ・マコト氏を起用、まだ氏がエヴァ のクロージング・テーマを手掛ける前のことである。
主役は最後に現れる。1990年代も後半、ノストラダムス最後の審判が見えてきた世紀末、世も押し詰まったころ 遅れて出てきた意欲作、それはデジタル・シンセ最後の聖戦であった。
デジタル・シンセの時代。
新しいテクノロジーが新しい音と表現をもたらし、技術こそが未来を切り拓く。健全な未来観。シンセは未来。 シンセはSF。技術的センス・オブ・ワンダー。まぶしいくらい無邪気にテクノロジーを信じ、ハイテクで世界が一 つとなり、音楽が世界を一つにするというビジョンに歓声を上げる。約束された未来、痛々しいまでにナイーブな 未来感覚。そしてデジタルだからこそ多彩な音が可能となり、それはスター・ウォーズ異星人のようにチグとハグ の多様性であり、だからこそ多彩たり得た。
かつてCASIOがキーボード業界に乱入してきたとき、彼らのデジタル技術レベルはYAMAHAよりも5年は先を行 くものであったという。すなわち楽器業界にてデジタルはCASIOの独壇場だったのであり、CASIOのおかげで楽器 は初めて民主化しえた。
そこから始まった楽器のデジタル化が15年かけてたどり着いたK5000。ようやくインターネットがお茶の間に入 り込み、新しい世界の足音が聞こえ始めたその時。だが他方、迷いが出てきてどんどん感情的になっていくとき、 なんでもできてしまうデジタルへの疲れから人は限定を求め始めたのか。そして再び人が主役の時代へ、人の出番 が多いシンセへ、それはアナログ・シンセであった。
しかしアナログへの回帰とは、今やギターと同じくらい定番と化したアナログ・シンセ音色への懐古と郷愁でも あり、人は生まれる前の時代に対してすら懐かしさを抱きしめて生きるものであるという真理の追認でもある。デ ジタルもアナログもどちらが古いとかではなく、等しく未来へ向かうテクノロジーではなかったか。それこそFM音 源もMinimoogの同窓生たる古いテクノロジーだったのであり、だからこそ永遠に新しいのではなかったか。定番 と化したアナログ・シンセへ還ることはたやすい。だがシンセはそれで良かったのか? 前を向くのが新しい楽器 ではなかったのか? 楽器のフロンティアを開拓するのは、へんてこなシンセたちではなかったか。
♬     ♬     ♬
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テスコのたましい百までも。
K3では、DW-8000が実現できなかったユーザー波形を。K5では、FM音源がなし得なかった倍音のダイレクト 操作を。K1では、ROLAND D-50でのPCMとシンセ波形との組み合せを格安プライス上質キーボードで。K4で は、KORG M1でも実現できなかったPCM波形を加工するデジタル・レゾナント・フィルターを。K11では、ROLAND JD-990と同じくセミモジュラー構成のPCM音源を安価かつ良質なキーボードで。K5000では、優れて 柔軟な音源と、来たるべきAI時代を予見する機械作曲の曙光を。
他社に学びつつも、他社がたどり着けなかったいま一歩最後の詰めをKAWAIのシンセは探求し続け、K5000Xと いうまぼろしの76鍵フラッグシップまで企画されていたという。しかし発売から2年後、K5000シリーズは一斉 に値下げされて在庫一掃セールが始まり、同年ステージ・ピアノの名機MP9000が入れ替わりに発売。そのまま河 合楽器は本業であったピアノに専念し、ごりごりのシンセの火は消えた。
時に西暦1998年。ついに世紀末が始まろうとしていた。Y2K問題が現実のものとして立ちはだかり、その対処に 翻弄され中小企業に至っては経営に大きな打撃をこうむり、世の中は終末ムードに覆い尽くされ、新しい世紀への 胎動もまた始まっていた。とっくにアナログ回帰への胎動と心音が聞こえてきた中、その過程で既に3年前に史上 初のバーチャル・アナログ・シンセCLAVIA(NORD) Nord Leadがデビューしていた。無名のメーカーから突如 として彗星のように登場するそのさまは、かつてのアナログ名機SEQUENTIAL Prophet-5を思わせた。ハンドメ イド・イン・スウェーデン、ニュー・タイプにふさわしく赤い彗星は高速演算DSPシンセ、感受性豊かな木製ピッ チ・スティックと石製に間違えられたモジュレーション・ホイール装備、EGのアタックが食い付くように激速でク ール!
ここからPCMシンセへのアンチテーゼが続出するようになり、それはKORG ProphecyやZ1、ROLAND JP- 8000やJP-8080、ACCESS Virus、WALDORF Q、QUASIMIDI Raven といった一連の変わりもんシンセた ちとなった。それは既存シンセへのもう一つのアンチテーゼとして独DOEPFERがユーロラック規格を提唱し始める ころであり、実はK5000もその同じ時代の空気を吸って生まれた果実の一つであった。そのミームは2003年 にROLAND V-Synthシリーズとなって結晶化する。V-Synthは売れはしなかったがその怪物性が話題となった現代 のレジェンドであり、楽器店から“ローランドさんやっちゃいましたね♬”と言われたらしい。が、それでももう20 年ほどたつ。へんてこなシンセたちが挑戦するフロンティアは依然としてまだまだ開拓が始まったばかり。
へんてこシンセの挑戦は今やシンセの本流へと還流し、YAMAHAはMontageにて8オペ88アルゴリズムのFM音源へ回帰、KORG はKronos/Nautilusにて9つの音源を同居、ROLANDは変幻自在のZEN-Core音源にてハード/ソフト/モバイルの垣根をクラウドで超える大統一理論的存在になろうとしている。
一方、もう一つのアンチテーゼたるシンセの先祖返りも進み、ついにモノホンのアナログ復権を見た。それを 重々に認めながらもそれでもなお前を向こうとしたSEQUENTIALのデイヴ・スミス爺。そのProphet-5 Rev.4登場 に、Rev.1でもRev.2でもRev.3でもRev.3.3でもない、たった一つ時代の流れに歯向かう橋頭堡のようなビンテー ジ・ノブを回しきったRev.4サウンドに、電子楽器の歴史の縮図と宿命と可能性とを見る。さらにその彼方にある Rev.5サウンド、いまだ見たことも聴いたこともないサウンド、私たちはいかなる音色を次世代Rev.5世代へと贈り とどけるのか? Rev.5、Rev.6、Rev.7、Rev.8、Rev.9、Rev.10、私たちはいまだ4にしか到達しえていないでは ないか。次のRevisionはどんな音なのか、それがアナログであれデジタルであれハイブリッドであれハードであれ ソフトであれアプリであれクラウドであれ、まだ見ぬ全く新しいなにかであれ。
歴史のまにまに運命へと消えたK5000シリーズ、その恐るべき愚直な倍音加算合成はひょっとしていにしえの TEISCOの変態ギターSpectrum 5シリーズに見た“ピックアップ加算合成”に由来するのか? 春の遠雷を聞くか のようにその遠いこだまするエコーなのか? いや違う、多分違うと思うけど、そう想像するのは楽しい。
デジタル・シンセの春、デジタル・シンセ最後の聖戦は、ここに海外からアナログとモジュラーという先祖返り したかのような新しい黒船の到来を迎える。次からはそのルーツとなった海外からの波を俯瞰してみたい。きっと それはここまでの電子立国にっぽんシンセ自叙伝テクノロジー・ドリブンな歴史観とは全く違った、地球人類ならではの必要性と必然性に迫る視座からのものになるであろう。パンデミックにもめげず、ここまでお読みいただき まことにありがとうございました。まだまだWeb連載は続くで。ぜひぜひぜひとも皆さまおすこやかに~~~~! Stay healthy, and stay cool!!!!!!
(2022年2月10日Sound&Recoeding公式サイト初出)
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ophelia333k-k-k · 1 year
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2022年12月13日
暗闇 見つめている二重らせん 週刊誌の最後のページ 孵化する 孵化させる 目が覚める からっぽのまま 赤ん坊の手を握る 哲学ニュース 強度 占星術師 と打ったら変換される 性占術師 学生時代 最も力を入れたこと 死は幻想である 愛、あ、あ、あ、名前を教えて なりたいもの わたしが 明るい世界 明るい未来 クビになったドラッグストア 礼拝 お好み焼き チューニングの狂った 歌 聴こえなくなるまで 聴こえなくなるまで featuring あなたのこと 声 死について って誰も知らない経験していない から 駆け込み乗車 禁止 お兄ちゃん お兄ちゃん 扉を開けて 機内モードで延命する アジテーション はやくしたい 遅く 結婚 まん防 イデア的には ずっと一緒がいい よね 今だけ無料 アジテーション テナント募集 の 看板 らすとくりすます とぽろじー 言葉で考えるのをやめる あ、あ、あ、 図式化 ズキズキする 監視されていた 白い部屋 女衒 パッチワーク フランケンシュタイン みたいに 愛と幻想と 愛と幻想と 糸 ほどけていく ことを想像する ジャスミンを銃口に 営業系総合職 死んだ瞬間の聴覚について 死んだ瞬間の聴覚について のように のように さようなら 魔法少女 ハートフィールド 歌う メヌエット ピーチ姫の テトラポット アストラル界 あなたの 吸い込まれる ダム 死体画像 すぐ会いたい女子が急増中 アカツクシガモ 京都市植物園 振り回す キャリアチェンジ された アルバイト する このサイトにアクセスできません と 声が して振り向く 昨日 のことを覚えていない 迷宮 のようだと うわさのベーコン クルトン コーラ・パール ゾラ ほら、と 初音ミクの額から垂れる汗 花園神社で 迷い込む 見世物小屋よ 一生バイト ポケットモンスター 正解を引き当てるまで やる気が出ないな 英単語帳 ランボーを読んでしまったなら ロックンロールはそう ホテル暮らし 空調の音 Jアラート 星座を結ぶ ロックマンエグゼ lain rain ruin  ビスク・ドール 野良犬 奈良へ向かう列車 アーレント 現実感 人生攻略サイト 灰と は 意図 思考 回路の中を むさぼり食う 吸う 空気 止まった ままの 子宮的な エリア 嘘をついたまま死ぬ のね ルビンの壺 12ポイント stray sheep と 動詞動詞動詞動詞 同時的に 田中角栄 魔人ブウ 犯す 壊す 作る 波打つ わたしは 殺す 生かす 咲く 咲かす ライフハック 死 冷蔵庫 咲かす 飛び立つ やわらかく もやもやと ばたばたと 解毒する 夏休み 向日葵 消滅した 蝉が鳴く なく 無く 咲く さ さ さ 教育する アナイス・ニン 逃げ出す 逃走する 闘争? 領域を広げていく 閉じる 閉じこめる 閉じ込められた 布団の中 宇宙のように 宇宙そのもの 高橋まつり 滅びた 100年後のことを考えて 文章を書く 脳みそから溢れ出した 白い水着 黒いタイツ 道化のように 大天使のように 借りる 回帰する アカツクシガモ 成長すること 天秤のことを考える by  this river ラブ&ポップ 脳破壊 快楽 シャドウ・ワーク 子宮口から この世界の果てまで 共同体 忙しい 忙しさ exclusive みんなのレビュー 連帯 証明するために ランキング もっと欲しい あなたらしい 瞬間に 祈る手 summer 上映する ロングヘアー 偏差値 ピアス 18個  生き延びる ラリる 刺さった 反射した 発射した 家畜人 ホワイトノイズ 空間 依存症 白い 微分不可能な やわらかい その曲線 エゴサーチ バーモント・カレー 姦淫する 階段 聖書 夢の中に出てくる 中島らも 他人の日記 読む 話す 歌う ような気がする そんな感覚が 一時間天気予報 ペヨーテ ぐるぐる回る 永久に 永久的に 結びつけた 途端に壊れる ぱりん、と ふらっと 消えちゃいそうな気がする 意識が高い 高低差 風圧 やさしい言葉 インターネットのグロサイト 巡る 再度 巡る 繰り返していた クリスマス サンタさん 産道 乱視のまま 今日も生きている 息をする あらゆる 虹色の 永久に理解されることのない強度 氷点 貯金やダイエット レポ漫画 面白くなる 国語辞典 解剖する やまい、だれ 芽殖孤虫 ひらひらと 眠る ゴミ出し 擬音一覧 シーシュポス 間違った注文 集める 女性が一生で排卵する卵子の数は400個~500個と推定され 細胞膜 ずきずきと 痛む手 うつらうつらと その指で 欺瞞 マッサージ されたまま死ぬ アイライナー いつかは終わる 旅 続いていく 気持ち悪い、 と少女 折りたたみ傘 出会う 解剖学の教科書 ホーリー・マウンテン もやし 食物繊維 的な ひらく 伸びる 匂いがする 恥丘 裏切る 一本の木 待ち続けている 市民会館 明かしえぬ共同体 ムーミンたち ムーミン谷へ 向かっている ヤツメウナギ もし仮にそれが ハッとする 気がつく 失う 海のそばで グランドメニュー 幽霊 ピアスの穴 カッターナイフで切る 舌を 下へと 血が出る 地が出る前に ここからいなくなる 踊る 大雨の中 浴びる 天高く 土砂降り もっと 濡れてしまいたい 溶ける あらゆる種類の動詞 固着した エディプス・コンプレックス 身体を売る 眠りにつく べたべたした くすぐる 太もものうぶ毛 のように 行こうね ずっと一緒に 逆にする 黒板に描かれた 天使と怪物 流れとよどみと 恋と革命 そのままの 君でいてね イデオロギー それとも 触れる 手に 手のひらに その温度を そっと撫でる ように見える 青ざめた 顔 目で 浮き上がる 物流倉庫会社 キスをする どこにも行けない どこにも行けない 憂鬱な夫婦 中絶用の 願いを書く 七夕 永遠に落ち続ける夢 人生ゲーム 青いピン そのように 性行為のやり方 鍵付き完全個室 運動会 発熱 保健室 はつなつ 人生経験 終わりゆく 肉の厚さ 海馬 言語野の 衰退 ダウンロード数 数えていた 新しい生活様式 リズム 物語ること 豊かな 再生回数 氷 覆われる 世界すべて 素数のように 感じる 解体 怒らない? 起こらない、何も 可能性が失われていく 研ぎ澄まされていく 失われていくことで 何者かになった その平らな牧場 忘れてきた お持ち帰り する 立派な 飛び降りて 刻まれた 胎児のように さえぎられる 海岸には小屋があって 喧嘩をする 白鳥 食べられる 汚い 穢れてしまった 純粋なもの 銃を撃つ 一発 チェーホフ、どこへ行ったの? と母親が階段を上がってくる 切符をなくしてしまったままで 生き続けている気がする 少女には 晴れ 絵日記は かすれてしまった とうに 音楽にはならない 寒天培地の上で 有性生殖する していた した方がいい 人生経験 ペットボトル HPVウイルス 頭のない 風邪総合 目をさます 神経系 ポーチの中で 白い粉になった 睡眠薬 遠くの方へ、遠くの方へ 並べられている 全校集会 鳴らされて 走る 望遠鏡を 覗き込む もうすっかり 子宮頸がん 夢中になって 標本にする どうやって? 悟りについて 五億年ボタン 走馬灯 一週間くらい考えてもいい? 愛妻弁当 ぷっちょ の容器でオナニーする カンブリア紀の 海中生物やわらかく モニターの奥 夏の光 ぴったりと 豊かに 遅延しながら 本間ひまわり いま、を指差す指の先 爪の長さ 変わって 一括見積もり ふざけているのではなく 頭痛 左側 ありがとう こんにちは おはようございます それは愛ではなく の ような 夜行バス 棺 出生外傷 の あなたは ロビンソン トリップした 虹色の女 devenir ひだ 開く 一枚一枚 めくっていく 匂いがする 工場の赤ん坊が コンクリート 嘘だった あてのない 意味のない 海 潜り続ける 潜水艦の中で 夢を見ている 象徴的に もっと速く 飛び立つ 自壊したい 鯛 平らな 館内における密を避けるため 破れた 四つん這いになって するだろう 想像 するだろう 未完のままの もはや戦後ではない 未亡人 ぷろ、ぱかんだ 重量と恩寵 根を 肉体が壊れていくのは かもめ 肉塊 台風が来る前の夜 アオカビ もっとたくさんの地獄 天国は通り 過ぎては消えていく スーツの人が通り過ぎていったあとの 匂い 大人の匂い 食器返却口 この席の使用はお控えください アルコール消毒 セーブポイント 豚 のような女 と 猿の ような 男が出会う 死体ごっこ バラバラに 組み合わせる 英単語帳の例文みたいに 死に近い コンクリート 裂け目 洗浄液 メリークリスマスの Yahoo知恵袋 真理があると言われている そこにある 死んだあと魂はどうなるの? と子どもが尋ねる 何グラムの 前世の記憶 当たり前の事 トンネル 潜り抜ける音 夢の中の休憩所 自動販売機 光 光 夜の闇に飲み込まれないように コンビニエンスストアは灯台として 鳴りやまない 崩れていく 昨日 来ない 来ている すでに いま 冬の ま、ふゆ ま 電気ストーブ あたたかく すりつぶす 通勤・通学 するための列車 眠る 折りたたまれたヒダ 予言する 1999年 産まれ た 朝 ねむる ねむる もっとよくなる 地方都市
夢の中では 現実的な 現実的なもの 親ガチャ 100年後の 2000万年後の 想像していてね 空っぽの脳 おばさんが入ってくる大量に 魚 飛び跳ねる 誰も見ていないところで 老人の声はデカい 無が無限に膨らんで 恒星たちは爆発し きっと届かないまま ゲーム実況見ていた 二年間 だった気がする だった気がする この区域で路上喫煙をすると 一千円の過料が科されます と どこかに書いてあった 教科書に落書きをしている間に 終わっていた もっと濡れたい 雨に 幼形成熟 恋と革命のために 太郎 花子 由香 香織 紗耶 話題のツイート 温泉むすめ 逃れてゆけ 逃れてゆけ 自撮りしているふたりを 見つめる 目 目玉 浜辺で 白く 白く 白く 白く 境界線はほどけた もう一度 あまい 糖衣錠 統一的な 像 増殖する お支払い方法 まとめサイト この世界の秘密 ねじれたソーセージ 青い 白い 脆い イオン・モール 迷子になる 歌を歌う 歌っていた 冗談でした あらゆる 情報商材のために すべて ひとつの 自己啓発 は はいいろの ノイズで 
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tokyomariegold · 1 year
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2022/11/19〜
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11月19日 スーパーの半額のお豆腐の賞味期限が、11月20日日で「?」だったけれど、もう11月も19日だったとは!
今日は税関スタンプラリーのために横浜へ行った。横浜へ行く道のりや、横浜の街の位置感覚を少しずつ覚えてきている。新しい街の事を少しずつ知ることができている感覚が、久しぶりで新鮮で楽しい。 横浜は人が多かったけれど、海が広いからか、何かゴミゴミした感じがしなくて、ずっと開放的な気分でお散歩ができた。
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カスタムくんファン(?)が思ったよりも多くて、スタンプラリーに参加してせっせとポイントを巡っている人たちを見て焦ってしまい、あまりスタンプポイントの施設をゆっくり見学することができなかった。また海上保安庁の博物館に行きたい。あと、山下公園の近くのシルク博物館が気になったのと、山下公園入り口のインド取水塔ご工事中だったので、次は見られるといいな。 なるべく芝生を歩いて、犬やシャボン玉をする親子やクラリネットの練習をするおじいさんに混ざって歩いた。 横浜はデートスポットのイメージがあって、1人で出かけることにどこか不相応な気後れがあったけれど、午前の時間だったからか、山下公園ではお婆さんたちがお弁当を食べたり体操をしたりしていた。 赤レンガではお祭りが開催されていて、たぶんその運営スタッフさんが、赤レンガ倉庫の際で海を向いて、たぶん崎陽軒のお弁当を食べていて正解な感じがした。
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イチョウもとても美しく黄色く映えていた。
ふらっと1〜2時間お散歩だけした横浜。 こんな感じでたまに訪ねて、少しずつ街を知っていきたい気持ち。苦手意識が薄れてきている!
今日が返却期限の本を返しに図書館へ行き、乗り換え駅で切らしていた化粧品を買って、フィルム現像を出して、早めに帰宅できてえらい。
スタンプラリーを巡ったゴールでカスタムくんキーホルダーをもらったよ! ゴールの税関で職員さんにスタンプラリーカードを渡すと「キーホルダーとカスタムくん、どちらが良いですか?」と訊かれ「カスタムくんキーホルダーが良いです!」と答えてしまった。 昨日からちょっとしたディスコミュニケーションが続いているな…
サンタクロース村は、ステージとモニターが設置されていて、もうすぐクリスマスシーズン開幕のイベントがあるみたいです。
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11月20日 雨が降りそうないい天気で、雨が降ってからはダメダメだった!予定を済ませて、掃除をして、フィルム現像をとりに行く。お花を買う。 少しずつ増える手荷物と折りたたみ傘で、腕も手も塞がるけれど、帰りにスーパーにも寄ってしまう。 焼魚が食べたい日々で、でも電子レンジ調理が限界のところで、レンジ焼き魚を作れる箱をamazonで見つけたので買ってみた。夏休みの自由研究みたい。今朝届いていた事をスーパーで思い出して、生魚を買ってみようとするけれど、もしかして塩とか酒とかも必要?と不安に色々考え始めているうちに、目を付けていた半額の鯖の切り身たちが、目の前でどんどん他人のカゴの中に入ってなくなってしまう。 もう少し余裕のある時に生魚を買おう、と、コンビニの焼き魚を買いに行くと今日に限って欲しいお魚がない。 もう一度スーパーへ戻り、さっき買ったものを片手にレトルトの鯖を��ってレジへ。 今日はこのスーパーで10%引きクーポンの配布だったので、ものすごく姑息な手段で2枚クーポンをゲットしてしまった感じで落ち込んだ。雨の日はダメだ。
これは私が摂食障害だから、スーパーとコンビニを行ったり来たりして、これしか食べたくないものに取り憑かれてこだわってしまうのかしら。みんな、鯖の塩焼きが食べたいけれど、赤魚の煮付けで妥協しているのかしら。
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昨日の税関スタンプラリーを終えて、先の楽しみがすっかり分からなくなってしまった。 インスタグラムをみると、なんと!マンスーンさんも昨日このスタンプラリーに参加して、カスタムくんを手に入れていた!!
お花屋さんで、男性のお客さんが「紫の花で…」と花束のオーダーをしていたので、担当カラーが紫の推しに送るのかな、と思った。
11月21日 気がついたら16時だったし、とても居残りをしてしまい、逆にハイになって疲れがわからない。明日は研修なのに。
でも、その中でも、学生時代に憧れていた友人が目白でオフィスを構えて、そこで不定期でブックカフェを開いている事を知る。 近々目白に行く予定なので、場所を聞いてみようかメッセージをしようと迷い中。 こないだ夢に出てきてから、会いたい訳でもなく、ただいたずらにメッセージを送ったりしたい!と思っていたので、ちょうど良い。
お手洗いで、おしゃれな方から「黒の革のフレアスカート履いたりしない?」と、状態が良ければあげるわ!と言ってもらう。
1期下の方から弘前のお土産をいただく。 貯めたマイルで、ランダムに選ばれた旅行先へ行ってきたとのこと。ちょっと気になるので調べてみよう。
本の電子化の注文をして、配送用の段ボールを注文した!えらい!
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11月22日 東京で研修。やっぱり東京は暖かくて、室内は暖房がよく効いていて、ぼーっとしてしまう。頭を頑張って稼働させて、目と脳が痛い。 懐かしい方々に会えて、とっても笑顔になったり、もう2度と会わないんじゃないか、な、全国津々浦々な方々に会って、名前を伝え合ったりして顔が疲れた。
絞り出す会話を、本当に絞り出しています!満載でやってくる人もいれば、スマートにやり過ごす人もいて、私は何も絞り出せずおどおどしていた気がする。
前の職場の方々にご挨拶をした。 みんな覚えていてくださっていて安心して、自分の苗字が珍しくてよかったね、と思った。 手土産に、と近江屋洋菓子店でマドレーヌを購入。平日の朝だからか、たくさんの種類のパンがあって、目玉焼きの乗ったラピュタみたいなパンがあるな〜と思ってみてみると“フレンチトースト”とプレートが立っていた。
研修の帰り道、とにかく疲れていて、1期下の方と上野公園までお散歩して帰った。とにかく疲れていたのに夜の東京さんぽがとても楽しかった。 東京で働きたい!と改めて思ったり、やっぱりこのままでいいのかも、と思ったり、クリスマス何しよう、と思ったり、でもとにかく疲れていて、自撮りをして適当にSNSを更新したりした。
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11月23日 雨だ〜と、窓を少し開けて二度寝でうとうとしながら、たぶん現実のお隣さんの会話と、自分の夢の間を行ったり来たりした朝。 お隣さんは2単語しりとりをしていて”◯◯の××”みたいに意味の通じるワードでしりとりを続け“◯◯のやかん”と言ったところで「それはなしでしょ〜!」と笑い合っていた。私は、そもそも“ん”がついてるじゃない!と思っていた夢。
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昨日の疲れを引きずって、たくさん薬を併用して外に出る。久しぶりにお友達に会えてとっても嬉しかった!お休みの日に誰かとお茶をするのが、とても久しぶりだった気がする。 嬉しくって、昨日の研修がとっても疲れたことから将来の不安までたくさん話してしまった。 友人は、私のコートとワンピースのボタンを付け直しながら話を聞いてくれた。お茶をしたデパートのクラシカルな喫茶店もとても良くて、注文したシナモンティーのビジュアルが2popだった! ボタンを付け直してもらったお礼に、ナインチェサブレを旦那さんと2人分渡すと、旦那さんはこうゆうキャラクターを模したお菓子を食べることに抵抗がある方だ、と教えてくれた。 それと、彼女たちは昨日が結婚記念日だったことを私が思い出し、よく覚えているな!と言ってくれた。 やっぱり今でも、友人が誰かと結婚して暮らしていることが信じられない時がある。
定期入れに昨日の研修でもらった全国津々浦々の名刺を入れ��ぱなし。愛知とか新潟とか青森とか。
年末になるとどうしようもなく寂しくなるのは、友人も同じらしく、誰かと暮らしたりすれば解消するのか?と思っていたのは、私のただの他力本願で、結局誰かといても気分が落ち込んでその相手に勝手に絶望するところでした!危ない〜。
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11月24日 2回��続で職場の食事会をドタキャンしようとしている。もう気持ちがダメでちゃんと人と接するモードを保てる自信がなく、もちろん食事もできないし、お部屋の掃除をして寝るのが1番!の気持ち。 こんなにもドタキャンをしまくっても、有効的モードで社会でいられるようになれば、今後もやっていける気がするし、何より自分をダメにしてはいけない!誰か無理しないでいいよ、って言って!という気持ち。
髪を切ったら2週間、ネイルをしたら1週間は自分の体にしっかり馴染むまで時間がかかる傾向。
昨日久しぶりにアボカドを、ちゃんと皮を剥いて包丁で輪切りにして食べたら、それだけで美味しかった。
11月25日 上司がブラックフライデーでダイソンの送風機を買った話をしていて羨ましい。
今日の回はお断りしてお家で掃除と電子書籍化する本の配送準備をした。 いけなくなった事を伝えると「わかりました!理由書いてもいいですか?」と、とっても明るく対応してくれて少しつらかった。 理由はないので、ちょっともうダメで…、と本音を伝えた。 午後になって「予定がないのなら、少しだけ、飲み物一派だけでも行きません?車で送りますし!」と言ってくれる。ちゃんと断って、今、おうちで日記を書きながらお香を眺めている。
なんというか、生まれつき元気がない人と生まれつき元気な人がいるよね〜、と思った日だった。
革のスカートをもらってくれないか、と言ってくれた方から黒のスカートをいただく。 切りっぱなしのフレアスカートでかわいい!ただデニムの上から試着しても腰下まで下がってしまうので「あ〜サイズがだめか〜」となった。でも何かしらの工夫で着たい!と思い、いただいて、帰り道でベルトを買ってみた。それと落としてしまったBluetoothイヤホンも買ってブラックフライデーをした。 「タンスの肥やしなので〜、ありがとう。」と、人に服をあげられる豊かさって良いな。 私も次は服を売ったりする準備をしたい。
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uwabakix · 2 years
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先週の展覧会🐕でワンは今季一段落したので😌、今週は気分を変えてACCのキャットショー見学に行きました🐈 たぶんキャットショーってドッグショーよりも馴染みないんじゃないかと思います。 北海道だとACCのショーが年1回あるくらいで、ネコオーナーさんにとっては年1のお祭りみたいな機会だと思います。 じつは自分ももともとネコに興味あってACCのショーはほぼ毎年見に行ってます。 何人かお知り合いになったネコブリーダーさんがいらっしゃって、今日は応援も兼ねて行ってきました。 キャットショーってドッグショーと違って室内で、オーナーさんはネコを仕上げて本番は審査員の方に託す形なんです。 個人的にイヌのようにオーナー自身がハンドリングするわけではないので、その点は楽なのかなと思いますね😌 審査員の方はネコを審査しながらギャラリーに対してその品種の特徴や個評を説明していきます。 この説明がみなさん、お上手で内容もわかりやすく興味を引きます。 そういう点ではネコの審査員の方って、話術のスキルが必要でしょうね。 一部ですが写真載せました。 3枚目:ノルウエージャンフォレストキャット、その名の通りノルウエー原産で寒冷地に適応してめっちゃゴージャスで密度の濃い被毛が特徴、寒さに強く暑さに弱いので道内での飼育頭数は多いと思います。 マイ・フェイバリット猫種です❤ケージの前に掲げられたリボンはJKCと同じで何枚か獲れると(ポイント制)チャンピオンになれるそうです。 4枚目:ラグドール この子もゴージャスな被毛ですね。 5枚目:ロシアンブルー?もしかしたらシャルトリューかな?体のラインが美しいですね。 6枚目:めっちゃ美しいホワイトのベンガル、ベンガルはその名の通りベンガルヤマネコ(ツシマヤマネコ・イリオモテヤマネコと同じ種)に似てるワイルドな感じの品種です。ホワイトはさながらユキヒョウですね✨ 7名目:メインクーン お知り合いのブリーダーさんのネコです。まだ成ネコじゃないそうですが、すごく立派な体です。��物感充分で将来が楽しみです! 8枚目:こちらもメインクーン、確かイエネコで最大級の品種です。この子はオスなので審査員と比べたらそのデカさがわかるかと思います! 9枚目:マンチカン、スコティッシュフォールドと並んで人気猫種の一つで特徴は何と言っても短い四肢です。 10名目:バンビーノ、初めて見た品種です。スフィンクス(無毛のネコ)の短足型というところですね。私はモフモフの方が好きですけどね(^_^;) 品種の説明等、間違いありましたら教えてください。 こうして見るとネコもいいですよね。 結構秋田犬オーナーさんってネコと同居されてる方いらっしゃるようでして、たぶんおっとりした秋田はネコとも仲良くできるんでしょうね。 秘かにイヌ・ネコのマルチオーナーブリーダーで二刀流(🐍も入れたら三刀流か💦)やってみたいとも思ってます。 たぶんイヌ・ネコマルチでやってる人なんてあまり聞いたことないし、でも時間的経済的に簡単じゃないよなぁ・・・(--;) #キャットショー #acc #アジアキャットクラブ #アジアキャットクラブキャットショー #ネコも好き❤️ #気分変えて #伏古記念会館 #審査員すごい #ノルウェージャンフォレストキャット #ラグドール #ロシアンブルー #シャルトリュー #ベンガル #ホワイトベンガル #メインクーン #マンチカン #バンビーノ #マルチでやりたい #出陳者の皆様 #お疲れ様でした #秋田犬 ((財)伏古記念会館) https://www.instagram.com/p/CjNipoqLRnrdSwBYcQcoNXRf3lcDvmb_P_n03o0/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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dojin-moment · 1 month
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同人グッズで作る!オリジナル加湿器の制作・販売のコツ
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冬の乾燥する季節に欲しい加湿器。実はオリジナルグッズとして作れることはご存知ですか?
こちらのサイトでは、様々なタイプのオリジナル加湿器と印刷所が紹介されています!
ペットボトルと組み合わせて使うものからオシャレなインテリアになるものまで、種類も豊富なのは嬉しいポイント。
オリジナルのデザインで推しのキャラクターを加湿器にプリントすれば、目を引く同人グッズになる事間違いなしです!
今回は同人グッズでオリジナルの加湿器を制作・販売する場合のコツを教えちゃいます!
作る前に知りたい!同人グッズとしての加湿器
オリジナル加湿器の種類とメリット・デメリット
印刷所で作れるオリジナル加湿器は主に以下の種類があります。
■ 卓上加湿器
印刷所で作れるオリジナル加湿器はほとんどがこのタイプです。
コンパクトなサイズでありながら、効果的な加湿機能を備えており、持ち運びに便利です。
自宅で使用するだけでなく、旅行先やオフィスなどでも活躍します。
卓上加湿器はデザインの自由度が高く、様々なカラーや柄、キャラクターなどのオリジナルデザインが可能です。
LEDライトが付いている加湿器も多く、インテリアとしても使用できます。
オリジナル卓上加湿器のメリット
・制作できる印刷所が多い
・幅広いデザインが可能
・水がこぼれにくい、安定した作りの加湿器も多数
オリジナル卓上加湿器のデメリット
・単価が高いため、同人グッズの大量生産・販売には向かない
・水の入れ替えやパーツの掃除など、お手入れに手間がかかる
・在庫がある場合場所を取る
■ ペットボトル加湿器
ペットボトルのキャップ部分に取り付けて使用するタイプの加湿器です。
シンプルな構造なため、手軽に持ち運びやすく、使い勝手が良いのが特徴です。
サイズも小さいため、同人イベントで販売する際にも比較的省スペースになります。
オリジナルペットボトル加湿器のメリット
・ペットボトルを確保できればどこでも手軽に加湿できる
・加湿器のお手入れが比較的簡単
・サイズが小さいため、持ち歩きや在庫管理が楽
オリジナルペットボトル加湿器のデメリット
・製作できる印刷所が少ない
・デザイン可能な範囲が小さい
・加湿器を使用中ペットボトルが転倒するリスクもある
■ ペーパー加湿器
水を吸い上げて周囲を加湿する、紙製の加湿器です。
速度は遅いですが、電気代がかからず、自然に加湿されるのが魅力。
様々な形でプリントが可能で、デザインのバリエーションも豊富です。
オリジナルペーパー加湿器のメリット
・幅広いデザインが可能
・制作コストが安い
・折りたためるため、場所を取らない
オリジナルペーパー加湿器のデメリット
・制作できる印刷所・グッズ製作会社が少ない
・加湿に時間がかかる
・時間が経過すると紙が変色することもある
同人グッズでオリジナル加湿器を作って販売する時のポイント
オリジナルのグッズは通常の市販されている加湿器と違い、自分の好きなデザインを込められるのが醍醐味です。
同人グッズとしてオリジナル加湿器を作って販売する際には、どんなポイントがあるのでしょうか?
オリジナル加湿器にはどんなデザインが合う?
オリジナル加湿器には様々な形状があり、それに合わせたデザインをすることが重要です。
例えばタンブラー型デザインの加湿器であれば、漫画やアニメのキャラクターが通っている喫茶店やカフェ、チェーン店をモチーフにするなどのデザインにすると好評でしょう。
また、加湿器が活躍するのは主に冬のため、冬っぽいデザインを入れると季節に合ったインテリアになります。
ただし、こうしたグッズを作る場合は公式グッズで作られているようなデザインの模倣にならないように注意が必要です。
オリジナル加湿器の値段設定
オリジナル加湿器は種類ごとに製作費や市販品の値段も異なるため、それに合わせた値段設定が必要になります。
卓上加湿器の場合は2000円前後、ペットボトル加湿器、ペーパー加湿器、ペーパー加湿器はは1000円前後を目安に考えると良いでしょう。
加湿器に加えてオリジナルデザインのACプラグなども追加する場合は、その分の料金も追加しましょう。
オリジナル加湿器は少数製作できる?
「周りに飾ってあるグッズに合った加湿器を作りたい」「インテリアにさりげなく推しモチーフの物が欲しい」という場合でも、1個からグッズを制作できる印刷所・グッズ製作会社は多数あります。
例えばME-Qさんでは、タンブラー型の加湿器を一個から制作でき���す!
自分だけの同人グッズとして気軽にオリジナルの加湿器を作れるのは嬉しいポイントですね!
おすすめの印刷所
オリジナルの加湿器を制作できる印刷所・グッズ製作会社は多数ありますが、中でもおすすめなのが、最初に紹介したブログでも取り上げられているケイオーさんです。
最低ロット20からという同人グッズの販売に適した数で作成でき、クオリティの高い印刷や手ごろな値段設定も魅力的。
また、ケイオーさんの加湿器は4面と蓋の部分に印刷でき、デザイン可能な部分が大きいのが嬉しいポイント!
コンパクトなサイズの加湿器なので、自宅や車の中、旅行先でも手軽に使用できます。
ECサイトから入稿や注文も簡単にできるみたいなので、オリジナル加湿器の作成時にはぜひ活用してください!
https://originalgoods.market/products/detail/3790
オリジナルの加湿器で空間をおしゃれに!
加湿器はノベルティや同人グッズとしてはちょっと向かないかも……と感じるかもしれませんが、そんなことはありません。
さまざまなタイプの加湿器が取り扱われているため、好みやモチーフに合わせてデザインすれば、素敵なグッズができますよ!
加湿器は空間を加湿する電化製品であるだけではなく、ランプやデザインで部屋を彩るインテリアにもなるアイテムです。
「自分の部屋に推しモチーフのインテリアを置きたい」という場合には、オリジナル加湿器はぴったり。
1個から手軽に作れるグッズ製作会社もあるので、デザインを思いついたら作ってみましょう!
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terrahumanity · 2 months
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テラヒューマニティ・星海殉葬
0.
「なんて、エキゾチックなの」と母は言った。
異国風という言葉選びは、果たして正鵠を射たものなのか。判断しかねた俺は、沈黙を保つ。
部屋には、三人がいる。自分、母、そして一人の少女だ。
少女は、その外見に人類にはない色彩を持っていた。それは、彼女が異星種……つまり宇宙人の血を引いているということを示していた。
地球以外の星に知的生命は存在するか、という宇宙に関する問いは、新天地よりも、ゴールド以上の価値がある物質よりも、強く人を惹きつける命題の一つだった。その一方で、決して実在が確認されることもなく、専ら、フィクションの中だけの存在だと目されてきた過去がある。未解決問題、だったのだ。
今、その結論が目の前にあるという事実に、母は目を輝かせていた。
ひょっとすると、人は無意識レベルで宇宙人と出会うことを渇望していたのかもしれない。何せ、そうすることでしか、宇宙の知的生命のスタンダードを知ることなどできないのだ。
人は古来より、異人との接触によって、自身の性質や、自身の所属する集団の特徴を俯瞰してきた。他所の人と話をしている時、ふと「これは、うちだけのローカル・ルールらしい」と気づくみたいに、だ。これが何を意味しているかと言えば、人は宇宙人を見ることで、地球人らしさというものを、初めて自覚するだろうということだ。
いずれにせよ、宇宙開拓時代を迎えてから百年以上の月日が経った太陽系圏でも、地球人らしさというものは未だ存在しているらしい。
母の言葉は、その実在を証明するものだと言えた。
彼女を見て「自分とは異なる存在だ」と、確かにそう評したのだから。
1.
 小さなモニタを光点が滑る。世間では空間投影だの、網膜投影だのとモニタの流行は移り変わっているが、目の前にあるのは溜息が出るほど古いタイプの板だ。コクピットのシート右側からアームで支えられた、それは、機体が向きを微調整する度に慣性で軋んで揺れていた。
左舷スラスタの反応もやや鈍い。きっちり整備しているはずだが、これはもう、こいつが年寄りだからとしか言えないだろう。
両手のコントロール・スロットルを微細に動かして、今後こそ、光点をモニタの中心に。三次元レーダーで、飛来する目標物を正面に捉えた。
「FL1からFL2、及びFR1からFR2マニピュレータ展開」
 呟きながら、指差し、ワンテンポ置いてからトグルスイッチを上げる。搭載された四対八本のマニピュレータのうち前面側四本で、捕棺網を展開した。ここまで異常無し。長めに息を漏らし、中ほどまで注意力を落とす。
手元のモニタから目を離し、前を見る。そう広くないコクピットの前面を、星空を映すメインモニタが占めている。
漆黒の宙に、星々が瞬いていた。目標物は、まだ視認可能範囲外にあるが、三次元レーダーで正面に捉えている限り、待っていれば、向こうからやって来るだろう。
俺は、棺を待っていた。チタニウムの棺だ。何の比喩でもない。
宇宙を漂う棺を、中型の作業ロボット……汎用船外作業用重機コバンザメに乗って、待っている。
 平らな面を上とした正三角錐に、楕円柱状の胴がくっついたようなロボットだ。コバンザメという俗称に反して、マニピュレータ四本で網を張る様子は、深海に漂うクラゲのように見えるかもしれない。
 こうして指定ポイントで網を展開し、彼方から飛んでくる棺をキャッチする。
それが、俺の仕事だった。人類が地球から宇宙に進出したばかりの頃、このような仕事が生まれることを、誰が想像しただろう。
「ダズン、聞こえていますか?」
 無線から、名を呼ぶ声がした。少女の声だ。
母船シーラカンスで留守番をしている同居人の声だった。
「どうした、シャル」と名前を呼ぶ。発音としてはシヤロに近い。
「どうしたということはありませんけど」
通信の向こうで、逡巡するような間が空く。別に騒がしくしている覚えもないが、静かな艦に残されて、やはり落ち着かなさを感じているのだろう。脳裏に、少女が、話題を選んでいる様が思い浮かんだ。輝くような金髪が目を引くハイティーンである。
「これってやっぱり、地球方向に飛んでいるんでしょうか」
 数瞬して、いつもの話題に行き着いた。これというのが、レーダーに映る光点……チタニウムの棺を指すことは明らかだ。
「多分な」
 第一に肉眼で地球が判別できる距離ではないし、シーラカンスにしろ、コバンザメにしろ、ヘリオスフィア規模の分解能を持つ絶対座標系の航路計なんて高級品は積まれていないので、確かめようもない。
だが、星海葬という性質上、恐らくそうなのだろうと思う。
星海葬。それは、人は地球に属し、地球に還るべきだという思想から生まれた、人が地球へ還るための儀式だ。
彼女はこれに、少しばかり疑問を持っているのだろう。
「何故、人は星海葬の魅力に囚われるのでしょう」
「……地球をルーツとする知的生命だからだろう」俺は答えた。
宇宙で死期を迎えた人間は、その魂が地球へ帰還することを望むという。
人類がまだ地球を主な生活圏としていた頃、地球上で死んだ人間が地球の生命に転生するという考え方は普通だった。実際、物質的に見ても、人が死んだ時、人体を構成する元素は別の地球上の物体へと姿を変えていくのだから、魂の循環という考え方は感覚的にイメージしやすかったはずだ。
しかし、地球を遠く離れた場所で人体が処分されれば、地球に還ることはない。その事実は、魂もまた、還れなく���るという自然な連想を生んだ。人類が地球を離れて活動するようになった時、転生という宗教概念は破綻したのだ。
実際、宇宙開拓初期における、地球の神々の凋落はシリアスな問題だったらしい。地球が宇宙に浮かぶ光点の一つに過ぎないと分かった時、たかだか半径六千三百キロの岩石塊の表面で謳われていた神々に何ができようか……と思うのも、無理からぬ話ではある。宇宙開発黎明期、ソ連の宇宙飛行士チトフもこう言ったという。「私はまわりを見渡したが、神は見当たらなかった」と。
あるいは、いやだからこそというべきか──そう認めるからこそ、神の恩寵の届く星に還りたいという欲求は強まるばかりだったのだろう。
「そうまでして地球に還りたいのでしょうか」
「宇宙で死んだ人間の灰を、地球に持ち帰ることが禁止される程度には」
 それが一般的だった頃、いずれ地球は灰まみれになるのではと揶揄されていた。
地球行の宇宙貨物艦の荷に占める灰の割合は加速的な増加傾向にあった。宇宙規模で繁殖し始めた人類が、帰属意識と伝統と宗教心のままに灰を地球に送るようでは、当然そうなる。そして、今後も増えていくことを危惧した連邦により禁止された。当時は反発もあったというが、長期的に見て公益性は高く、今では妥当視されている。
 星海葬なるものが市民権を得たのは、その頃からと聞いていた。
 物質的な帰還が叶わぬ以上、魂だけは帰還できるように。人々はそう願いを込めて、地球へ向けて棺を打ち出すようになった。
「そうしたら、今度は金属資源の散逸だ、なんだという話になった」
広大な宇宙空間に棺という形で無作為に金属資源が散らばる傾向は、嬉しい事象ではない。単に資源の有無だけで言うなら、適当な地球型惑星から採掘し続ければいいわけだが、それを無駄にしていいかは別だ。
保安上の都合から見ても、意図的にデブリを増やす行為が推奨されるわけはなく、星海葬もまた、連邦によって禁じられる瀬戸際にあった。
「しかし、それは今でも行われています」
「そうだな」誰が見ているというわけでもないが、俺は頷いていた。「スペース・セクストンと呼ばれる団体が生まれ、星海葬をシステム化した」
 スペース・セクストンは、宇宙教なる宗教機関として星海葬を斡旋し、宇宙に流された棺を適切に回収する役目を公然と担うこととなった。
今では、星海葬は宇宙で最もポピュラーな葬儀だ。純粋な地球生まれの地球人がほとんどいなくなった現在でも、セクストンはしっかりと存続しており、多くのエージェントが所属している。
俺もその一人だ。改装した古い小型貨物艦船で、棺を回収している。
連絡艦、旅客艦、貨物艦、遺棄船漁りのスカベンジャー、宇宙海賊、軍艦。宙を往く船にもいろいろあるが、セクストン認可艦の辛気臭さは最高峰だろう。他人を乗せることもなく、華やかな客室もなく、積荷は棺で、一攫千金の夢もなく、争いもなく、地位も名誉もない。
「私がいるではないですか」
どこからか、口に出していたらしい。
不意に、そう言われた。何故だか慰めるような言葉を投げ込まれ、俺は笑う。
2.
 コバンザメの狭いコクピットから這い上がり、シーラカンス艦内に戻ってきた。艦内の人工重力に気怠さを感じながら、ヘルメットを外し、後部右舷通路を歩く。流れで首元に手をやりかけて、直ぐに下ろした。
「やれやれ」と口の中で呟き、そのまま、棺を運び入れた格納庫へ向かう。
棺の回収が終わったら仕事が終わるかと言われれば、そうでもない。
 回収した棺自体は最終的にはセクストンの溶鉱炉で生まれ変わるわけだが、受け渡す前には、中身のチェックをする必要がある。
セクストンの仕事は総じて気乗りしないが、個人的に一番気乗りしない作業だ。人によっては、一番ワクワクするらしい。死者が生前愛した何某を棺に入れる……という風習は根強くあり、炉に入れると不純物になるからというような大義名分の下、懐に入れることが認められているからだ。
以前、少しばかり同業の集まりに参加する機会があったが、それで美味しい思いをしただとか、そういう話は聞く。俺はその説について賛同できないが、昨今の情勢は安定しているので、腐乱しているだの、欠損しているだの、そういう死体を目にすることは、あまりない。それだけが唯一の救いだ。
梯子を下りると、格納庫の前には黒いボディスーツに身を包む少女が待っていた。
彼女……シャルは、しなやかなボディスタイルを露わにする、いつも通りのスーツ姿である。宇宙での活動は今なお、決して安全ではないが、古典映画で見るようなモコモコとした着ぐるみは廃止されて久しい。今の主流は、生命維持デバイスと防護外骨格の展開機構が備わった汎用スペーススーツである。俺や、彼女が着ているそれだ。
彼女は手にしていた情報端末からこちらに視線を動かすと、壁から背中を離した。
「お帰りなさい、ダズン」
「ああ。どうも、異物反応があるらしいな」俺が言うと、彼女は頷いた。
棺をシーラカンスの搬入口に運び入れた時にアラートが鳴ったかと思うと、すぐにシャルから通信が来たのだ。棺の中に、何かがいる、と。
気が重くなる。
異物反応センサーは棺内をスキャンした結果、動体と熱源が確認された場合にアラートを出す。そういう意味では、しょうもない悪戯(例えば、熱を出して動くおもちゃが入っていたとか)の場合もある。
しかし、棺の中に、もしも生きている人間が入っていたら? 放っておけば、そのまま焼却されることになる。寝覚めは最悪だ。
「じゃあ、始めましょうか」
彼女は首元にあるパネルをトンと叩いた。そこには防護外骨格を着脱するためのパネルがあって、青く点灯する。シャクシャクと小気味のよい金属質の擦過音が響き、彼女の体表を、背中から包むようにアーマーが広がっていた。
防護外骨格は、背骨に沿って等間隔に配された六つの小さな突起パーツ内に圧縮格納されているため、展開する際には背面から広がるようなプロセスを踏む。
俺は、自身のアーマーを確認しながら、シャルの展開を待つと、格納庫のシャッターにアクセスした。
ブザーの音。大仰な開閉音。一瞬遅れて、照明が点灯する。
「また家族が増えるかもしれないですね」シャルはそう言いながら、格納庫に入った。
「それは、ゴメンだな」
そう返すと、彼女は苦笑した。
 俺たちは、いくらか積まれている棺たちを見ながら、最後に格納した棺の方……つまり、搬入口に近い方へと足を向けた。
棺は、基本的に幅二メートル、縦三メートルのサイズだ。その大きさの大部分は装甲/気密機構/保冷材/副葬品というように、遺体以外の要素に由来する。遺体を入れるスペースは必要以上に広くする理由もなく、人が最後の旅に出る船としては、適度なサイズとも言えるだろう。
見栄っ張りな富豪が、とてつもない大きさの棺で星海を往くこともあるが、そういう手合いはVIPなので、俺みたいな末端のエージェントが担当することはない。
これらの棺は、この後、金属製の外装部と内部の有機物フレームに分別される。外装は溶鉱炉へ、内容物は焼却炉へ投入されることになる。しかし、回収してすぐに炉に行くというような感傷的なスケジューリングは基本的に認められないため、回収された棺はこうして庫内で並べられて、その時を待っているのだ。
「これですね」「ああ」
 棺を挟んで、立ち止まる。
俺は腰の自衛用のハンド・レーザーウェポンを抜いた。マニュアルによれば、棺の中に異物反応がある時、それはセクストン・エージェントの脅威となる可能性もある。本人が死んでない場合。遺体が別のものにすり替わっている場合。遺体もあるが、別の生物が紛れ込んでいる場合。それぞれ事情は異なるが、どの場合でもレーザーウェポンによる対象の殺傷がベストプラクティスとなるケースは多い。結局のところ、棺の中にいるのは死んでいるはずの存在なのだから。死人に口なしだ。
向かい側に立ったシャルに目を向けた。
金色の髪に、金色の瞳。色白の肌。整った美貌は作り物めいている。彼女は、俺の視線に気づいて、こくりと頷いて見せた。
「……では開けよう」
 棺にアクセスし、アンロックコードを送信する。セクストンの関係者だけが取得できるコードだ。このロックの施錠もセクストンが司っているため、セクストンが開けられる棺は、セクストンが斡旋した正規の棺である、という証明ともなる。
 ピッという簡素な認証音。
何かの手続きを無視した葬儀ではないようだった。少なくとも今回は。
 スライド式のドアが開き始めて、冷気が漏れる。
「顔を近づけすぎないように」
腐敗を防ぐためにドライアイスが入っているのが通例だ。濃い二酸化炭素は一瞬で好気性生物の意識を刈る。別れを告げる遺族が棺に溜まった二酸化炭素を吸引して意識不明となり、そのまま死亡するケースは多い。
「……異物反応があるんですよね?」
「一応だ」確かに、棺内の空気成分自体に問題はない可能性は高い。紛れ込んでいる異物が生きているということは、逆説的に空気に問題ないとも取れる。
 いよいよ、ドアは完全に開いた。
初老の男性だ。体格はいい。髪は白髪交じり。確かに、生命反応が無いとしても、今にも動き出しそうではある。新鮮な死体だ。
「今のところ、異変は無い」
「そうですね」
 と言った舌の根も乾かないうちの話だった。視界の隅で、黒い何かが蠢く。
 瞬間的に、レーザーウェポンを向けて、スイッチする。青いエネルギー弾が瞬き、遺体の腕を焼いた。黒い何かは、素早く這い回っている。大きさは三、四十センチに達する。大型の齧歯類ないし、比較的小型の猫科。そう思い、いや、と否定する。
黒毛のずんぐりとした胴。手足には毛がなく、灰色で、不気味なほどに細長い。脳内の何にも該当しない生物だ。
そいつがガサゴソと棺の中を這う音は、耳障りで、嫌悪感を抱かせた。
「閉じろ!」俺は怒鳴っていた。
 シャルが頷くと、ガコンと力任せにドアが閉じた。だが、棺が閉じきる前に、そいつはもう、飛び出していた。
「ちっ……!」
目の端に映った影に、エネルギー弾を叩きこむ。
棺が積まれた庫内に火花が散った。だが、それだけだ。
当たろうはずがなかった。この倉庫には、棺があり、死角が多すぎる。
 俺は、そのクリーチャーを捕捉できていなかった。
 事実、そいつの鳴き声は背後から聞こえた。
「ダズン!」
 その声に振り向いた時、目の前にそいつが迫っていた。
黒い毛の中に、醜悪なまでに開いた口が見えた。口蓋が見えるほどだ。汚れのこびりついた不清潔な牙が、ずらりと二重に並んでいる。明瞭に見えた。それは紛れもなく、死の前にある体感時間の伸長体験のように思えた。
だが、幸い死ぬことはなかった。怪我をすることも。
透明な何かに弾かれたように、そのクリーチャーが吹き飛び、強かに、床に叩きつけられたからだ。
「捕えます」少女の声。そして、手のひらを、下から上に。握る仕草をする。
不可視の尾の如き力場が、クリーチャーを巻き上げた。
黒い毛が不自然に押さえられ、手足があらぬ方向に曲がっている。その様が、よく見えた。目の高さに浮かんでいる状態だからだ。その様はまるで、見えない蛇に巻き付かれて、全ての動きを封じられた哀れな被捕食者だった。いや、全てではない。活路を探しギョロつく眼球、手足の指はもがき、そしてその心臓は動いている。
 そいつは、潰されまいと懸命に爪を立てるが、抵抗は無駄だった。
彼女の力場には、痛覚も実体もない。それは彼女の尾骶骨の延長上から伸び、自由自在に動く第三のカイナだった。出し入れ自在かつ、最長で十メートルに及ぶ、純粋なる力の尾である。
「ふー」
 それが、彼女の……血統(ジーン・)加速者(アクセラレイテッド)、シャル・ラストテイルの異能だった。
彼女は、地球人と異星種との交配種だった。
異星種のサイキック遺伝子を継承し、研究施設で生まれた実験体である。それだけでも驚いたが、彼女はただの交配実験体ではない。血統加速……時空歪曲を利用した人為的な世代交代の加速による特定能力の選択的先鋭化実験……によって現代に生まれた、約五千年後の世代と推定される超能力者だった。
本来ならば、交配種に連なる者たちが五千年の月日の中で獲得する超強度サイコキネシスを、現代に持ち込む技術。それは、彼女に超越的な力と、絶対的な孤独を与えている。
「ありがとう。助かったよ、シャル」
 少女は前に出していた手を下ろした。クリーチャーは宙に捕えたままだ。力の尾は、彼女の手の動きに同期するものではないので、手を動かすのは、近くにいる俺に注意を促す意味が強い。
「これ、どうしますか?」彼女は言った。
「始末しよう」
 特に、他の選択肢はない。明確な対人凶暴性を発揮した危険生物だ。特に、生きたまま保護して提出するような義務もない。
 俺がレーザーウェポンを構える前に、彼女はこくりと頷いた。
「グギィ……ッ」
 なんとも耳に残る断末魔だった���尾が締まり、クリーチャーが弾けた。付近の棺に、床に、赤い血肉が飛び散る。
「……ああ、うん。ありがとう」
「ううん」彼女は顔色一つ変えず、軽く頭を振るう。
既に尾は消えていた。それ自体は間違いなく不可視だが、斥力の集合体なので、周囲の空気を押しのける。発生や消滅は空気の流れで何となく分かる。避けられるかと言われれば、俺には不可能だが、有無の変化くらいは分かるものだ。
「シャルは先に戻っていいぞ」
「ダズンは?」
「掃除だ。シャルも、興味あるか?」
 彼女が微妙な顔をするので、俺は笑った。
 彼女を見送り、改めて惨状を確認する。どんな寄生虫を持っているかも分からないクリーチャーだ。消毒も必要だろう。肉塊にくっついたままの眼球が、こちらを恨めしそうに見ていた。無論それは主観的な感想に過ぎず、それは既に絶命している。
3.
 片付けを終えて通路に出ると、そこは既に暗くになっていた。足元にはぼんやりと光る非常灯が、点々と続いている。夜になったらしい。
宇宙において昼夜という概念は希薄だが、人間の営みには、昼夜という概念が必要である。それは宇宙開発が進み、宇宙が一時的にいる場所ではなく、生活圏へと次第に変わっていくなかで、明確にルール化する必要が出た事柄だった。人は一時的に昼夜のない場所で過ごすことはできるが、それがずっととなれば話は異なる。
地球人は、地球上の環境に適応した地球生物種の一つであり、地球で生きていたからこそ、今の形になった。となれば、地球環境の一要素である昼夜が消滅した時、人はその異常にストレスを感じるし、その環境で世代を重ねるごとに、地球人ではない別の何かへと変貌していくことになるだろう。
人が人として種の形を保つための法。それは連邦により規定された照明制御規則として、宇宙船やコロニーで運用されている。ライフライン設備、防災上の事情により特別に規定された区画を除き、約十三時間の連続した活動タームにつき、十一時間の休息タームを設け、当該施設内共用部分の照明を規定光量まで落とさなくてはならない。
 このルールは制定以来、その制定理由の尤もさから重要視されており、少なくとも、民間モデルの宇宙船にはデフォルトで採用されている。当艦……シーラカンスも、もちろんそうだ。
 目が慣れて来たので、俺は非常灯の明かりを頼りに歩きだす。
別に、手動で点灯させることはできるが、最近は、そういうことはしない。同居人がいるからだろうか。自問しながら歩く。
しかし、そういう気遣いは、とりあえず今回は無駄だったらしい。
居住区画に入ると、明るい光が俺を出迎えた。
「お帰りなさい。シャワーにしますか? サンドにしますか? それとも練・り・餌?」
 目の前にシャルが立っていた。逆光のためか、不思議な圧がある。
 その右手には、トレーに乗ったサンドイッチが。左手には、銀の包装に包まれた手のひら大のパックが乗っていた。
「……なんの真似だ、それは」
 俺がトレーを受け取りながら横を抜けると、彼女は「同棲する地球人の男女は、古来より、このようなやりとりをしていたそうですよ」等と言った。
「そうか」と流した。俺も別に、地球生まれではない。だから、絶対に嘘とも言いきれないが、無論、本当とも思えない。あと、同棲ではなく同居が正しい。
「練り餌は違うんじゃないか」
 その名の通り、ペースト状であることが特徴の宇宙糧食だ。銀色の密閉されたパッケージに入っており、保存性に富む。もちろん、それは俗称であり、非常に長く厳とした公式名称も、公式略称もある。だが、その風情なさとネットリとした食感から、専ら溜息混じりに練り餌と呼ばれるのが常だ。
 談話スペースにある背の高いスツールに腰かけると、向かいにシャルが座る。
「確かに、これでは食の選択肢が被っていますしね」
 そう言いながら、彼女はその話題には大した興味も無いようだった。
「というより……起きてたんだな」
「先に消灯するのも申し訳ないなと思いまして」そう言いながら、手伝おうという方向にはいかないのが、彼女の意外と強かなところか。
 サンドイッチを口に入れる。
パサパサした合成パン。風味のない合成バター。ひたすら特徴のない辛味を放つ合成マスタード。コクがなく、平面的な合成マヨネーズ。脂っこいだけのベーコン。しんなりした食感の合成レタス。青臭さがオミットされ、味が単純化した合成トマト。フードプリンターが有機フィラメントから生み出す食材は、全てがオリジナルに劣る胡乱な複製物だが、それでも練り餌よりかはマシだった。
「美味しいですか?」彼女は言った。
「ああ」と俺は返す。
 それは、彼女を料理係として雇った時から、繰り返しているやり取りだった。
「……客観的に見て、美味しそうに食べているようには見えませんけど」
 確かに不味い。それは、シャルの料理の腕とは別の部分にある問題だ。すなわち、食材の限界である。
だが、スペースを取り、保存コストも嵩む天然食材の貯蔵には限度がある。仕入れても、一、二週間もすれば、また合成食材の生活になるだろう。中途半端に積むより、オフや寄港の楽しみにしておく方がメリハリになろうというものだ。
それに、彼女には、複雑な味わいの食材を上手く扱うことはできないだろう。
「手料理なのが重要らしいぞ」
目の前に料理があるなら、いつもの二倍幸せだ。それが手料理なら、さらに二倍。自分以外の手によるものなら、そのさらに二倍。つまり八倍の幸せだ。それは、父親の言葉だった。とても古い記憶の一つだ。父が、まだ明朗だった頃の。
尤も、その言葉の続きには「だが不味ければ零倍」というオチもあったが、言わぬが花という言葉の意味は知っているつもりだ。
「私も、少し、喉が渇きました」
 彼女は言った。どうでもよさそうな声色だ。
そのくせ、金の瞳は輝いていた。
「そうか」
 予想外ではなかった。力の尾は、彼女の体力を消耗させるからだ。
折よくサンドイッチを食べ終えた。
俺が立ち上がると、シャルも椅子を降りた。
 特に言葉は必要ない。それはすでにルーティーンとなっていたのだから。
「じゃあ、シャルも食事にするか」
 彼女は頷いた。シーラカンスには、それぞれに個室を用意してあるが、今日は二人で俺の部屋に入ることになった。
そこはこぢんまりとした部屋であり、備え付けのベッド、棚、情報端末だけが置かれており、古の単位で言えば、六畳ほどだ。これは、シャルの部屋でも同様だった。宇宙船の設計というものは、有限のスペースを活動空間/装置/リソースで取り合う陣取りゲームである。精神健康上の観点から、登録乗員に対する最小の居住区画容積と、人数分の個室の設計が遵守されているが、削減されやすいのは個室のサイズだった。
そんな狭い室内で、俺は汎用スペーススーツを脱ぎ始めた。といっても、大袈裟な話でもない。肩を抜いて、上半身を開けるだけだ。
 隣で、シャルもスーツに手をかける。
彼女の、白い肢体が露わになった。
金の髪、金の瞳、いっそ不自然なまでに整った美貌。華奢な首元には鎖骨がくぼみを作っており、乳房がふっくらと佇んでいた。薄い胴はしなやかに伸びており、まるで無意識下にある理想を彫像にしたようだ。
その途中、鳩尾辺りから、肌がすっと透け始めている。幾重もの白い半透明の表皮が覆うようになっており、その下にある、青い筋肉が見えていた。彼女の下半分は、シルエットこそ人間のようだが、異星種の特性を確実に受け継いでいる。
背中側はお尻のすぐ上までは人肌で、前後で変貌の境界は異なっていた。ただ、頭から肋骨の辺りまでが人間で、腹から下が異星種であるという意味では、一定のルールの下で明瞭に分かれている。
白いショーツだけになった彼女が、じっと、俺を見ていた。
ベッドサイドのパネルを操作して、光量を落とす。仰向けに寝転ぶと、シャルがゆっくりと俺の上に覆い被さって来た。まるで恋人同士がそうするみたいだったが、彼女の瞳に宿るのは愛だの肉欲だのではないようだった。
ゆっくりと俺に体重を預けてくる。青い筋肉が透ける下半身も、見た目の印象からは想像もできないほど熱い。彼女はそのまま、俺の首元へと唇を寄せてきた。俄かに、甘い香りが鼻腔を擽った。
そう思うのも束の間、じくりとした痛みが首に広がった。我慢できないほどではないが、気にせず無視しようというのも難しい、痛痒にも近い、鋭い感覚。しかしその感覚も、熱で曖昧なものへと変わっていく。牙で穴が開いているのか、血に濡れているのかも、はっきりとは分からなかった。
 ただ、こくんと、嚥下する音が響いた。その音は小さかったが、血が飲まれていることを自覚するのには十分だった。音は静かな部屋の中にあって、強く耳に残る。
彼女は血を飲んでいた。
彼女が引き継ぐ異星種の遺伝子がそうさせた。シャル・ラストテイルは、地球人と同じ方法で栄養補給をすることができない。内臓の作りが異なるからだ。彼女にとって食糧とは哺乳類の血であり、そのことが判明した時から、俺はこうして、彼女に血を飲ませていた。
俺は上半身を開けて。彼女は下着姿になって。
しかしそれは、儀式めいた行為だった。
やがて彼女が口を離すと、身体を起こした。
ぽたりぽたりと、赤い雫が落ちた。彼女の口元から滑り落ちた血がしずくになって俺の胸元に落ちた。
 首元に手を伸ばすが、そこに傷はない。傷が塞がった後みたいな滑らかな膨らみの感触が、指先に小さく残るだけだ。
 不思議なものだ。これは彼女が引き継ぐ吸血種の性質なのだろう。彼女たちは、ある種の麻酔成分と、血液の凝固を防ぐ成分を送り込む。多くの吸血生物と同様に、だ。それと同時に、牙を引き抜く時には傷跡の再生を促す。
尤も、彼女も最初からそれができていたわけではなかった。
彼女には、それを伝える親がいなかったからだ。
食事には、痛みと、今くらいでは済まない多くの出血を伴った。
彼女が自分の性質に気づき、慣れるまでは。
4.
 ぼたぼたと血が滴った。シーツに赤い染みが広がっていく。
 先ほどまで彼女が噛みついていた場所から、急速に痛みが広がっていた。
 俺は用意していたタオルで押さえて、開けていたスーツを着込んだ。その手首にあるコンソールで、ナノマシン統制プロトコルを小外傷整形モードにする。普段は待機状態で循環/代謝されている医療用ナノマシンが、傷を察知して人体の働きを補助することで、通常の何十倍もの自然治癒力を発揮できる。
「……ごめんなさい」と彼女は言った。
 その少女はシャル・ラストテイルと名乗った。美しい少女だ。正直なところ、彼女の口から謝罪の言葉が出ることにすら、俺は驚きを感じていた。
 彼女は殉葬者だった。
かつては別の意味もあったが、我々の業界では、捨て子という意味になる。
彼女は、俺が回収したチタニウムの棺の中で、深い眠りについていた。
 セクストンのライブラリによれば、そういった事案は稀にあるという。政治的な事情から、食糧事情……いわゆる口減らしまで。
宇宙開拓時代にもなって、望まれない境遇に生まれるケースというものは変わらずあるらしい。いずれにせよ、殉葬者らにとって、それは死んで元々の旅ではあるが、立ち会ったセクストンの匙加減次第では、生きる道が開かれることもある。
 彼女は、棺で、俺の船にやってきた。
そして、その前は「ヒト殺しだった」という。
 シーラカンスで目覚めた彼女の一言目は、それだった。
『二人の部屋は、ガラス張りの部屋。そこは白くて清潔で、狭くて、周囲にはいつも誰かがこちらを見ていた。食べる姿、寝る姿、彼らは何にでも興味があるようだった。時には血を奪われた。痛めつけられた。尾の力を見たがった。妹は、籠から出るには籠を壊すしかないと言った。だから、私はみんな殺して自由になった』
それは、彼女の観測する現実の話で、事実とは異なるかもしれない。
しかし、実際に超越的な力は彼女に宿っている。
それ故、彼女の事情も、また真なるものだと明らかだった。
俺は、その境遇から考えて、他人の痛みに対する常識レベルの配慮が欠けている可能性は決して低くないだろうと思っていたのだ。
「いや」と俺は少女に返していた。
何が「いや」なのだろう。俺は誤魔化すように続けた。
「だいぶん、体重は戻ったか?」
「……そうですね」と、シャルはスーツに包まれた自分の身体を、緩く抱く。
 そんな彼女の肢体は、俺の目にも、最初に見た時より幾分か健康そうに見えていた。
 シーラカンスで目覚めたばかりの彼女は、酷く痩せていた。生きていたのは、その身体に流れる異星種の血がもたらした強靭性の賜物だろう。
 俺はシャルを引き取ってから、違法な情報屋を少しばかり頼った。
 彼女は研究施設で生まれた実験体であり、地球人と異星種の交配実験体で、血統加速実験の被験者だった。試験管から生まれ、妹とされる存在とペアで生きてきた。そして妹と共に研究所を破壊し、外の世界へと飛び出した。一方は当局により身柄を確保されたが、もう一方は現在も行方不明である……。
それは推測だらけで、不確かで、そして馬鹿げたレポートだった。
だが、疑う必要があるだろうか。
彼女を棺から出して、ベッドに寝かせる前に、俺は外傷の有無を確認するために、その肢体を診る必要があった。その時から、彼女に人並み外れた事情があるだろうことは、明白だった。
 上半身は地球人で、下半身は異星種。
彼女の身体には、それがハッキリと形として表れていたのだから。
 シャル・ラストテイルは人ではない。
 不意に目の前に現れた異形様の少女に、驚きがなかったわけではなかった。
彼女が持つ力に恐れがなかったわけでもない。
宇宙開拓時代でも、人殺しは罪である。それでも、殺すことでしか救いが得られないこともある。実験のために生み出された彼女が、実験のない日々へと至る道を、殺し以外で掴む方法があったかは分からなかった。
そうして外の世界に出ても、彼女たちには行く当てというものが無かった。
だから、棺の中にいたのかもしれない。
星海を漂い、殉葬者としてセクストンを頼る。その切符は一枚しかなかった。死者を納める棺に、内側の取っ手は不要なのだから。
彼女は多くを殺め、最後には、妹の献身によって、ここに至った。
それが、彼女の生だった。
人には人の生があり、実験体には実験体の生があるとも言えるだろう。そして、それを逸脱するには、罪を犯し、死に、そして生まれ変わる必要があったのだとも、解釈できた。彼女と人の差は何かと問えば、生まれとしか言いようがないのだから。
 それは上手くいくだろう。
このまま地球人らしく振る舞うことを覚えれば、彼女は人の隣人になれる。
彼女は明らかに異星種の特徴を有しているが、人前で服を脱がなければ露見することはない特徴だ。人としての振る舞いを覚えれば、秘密は秘密のまま、人の輪に溶け込める可能性が残されている。
ただ、彼女の方は、そう思ってはいないようだった。
彼女の瞳には絶望があり、声は暗く、その立ち姿は、人間らしさからいっそ遠く空虚だった。
俺一人では、彼女をどうこうするのは難しいのかもしれなかった。
そう思ったのを、覚えている。
……。
「ありがとう、ダズン」
「ん、ああ……」
少しばかり、ぼうっとしていたらしい。
 すでに彼女はベッドを降り、床に落ちたスペーススーツに手を伸ばしていた。
 スーツと一体型となったショートブーツを揃えて、足を入れた。さらりと流れた金髪を少し押さえてから、彼女は足元でひと塊になっていたスーツに取り掛かる。脱ぎっぱなしにしていたそれを整えて、袖の位置を確かめると、ゆっくりと引き上げていく。丸まった背中に肩甲骨が浮かびあがり、揃えた脚を、ぴったりとした黒い布地が徐々に、包んでいった。
青い筋繊維が透ける白いヒップは、見た目の印象とは裏腹に、確かな女体の柔らかさを持っていた。スーツへと収まっていきながら、少し窮屈そうに形を変える。その肉感は、色彩を無視できうるほど艶めかしいものとして、目に映っていた。
実際、そこまでスーツを着ると、彼女は普通の……というには語弊のある美貌ではあるが……地球人の女性に見えた。
 だが、そのスーツの下の秘密は、無かったことにはならない。
その事実を忘れさせないために、彼女はその美しい裸身を晒し、俺の血を飲むのかもしれない。
5.
 汎用スペーススーツの上に羽織ったジャケットが、歩くのに合わせて揺れる。俺は腰までの黒い上着で、シャルはクロップド丈の白い上着。
 セクストンのオフィスに、俺たちは連れ立って入った。
 ホールには、数人のエージェントの姿がある。目は合うが、顔見知りはいない。そこで、シャルが視線を集めていることに気付く。
「あまり離れるなよ」耳打ちすると、彼女は心得たように頷いた。
同じエージェントとは思いたくない素行の人間は多い。
 スペース・セクストンは、宗教団体と考える人もいるし、極めて物理的な、死体処理機関であるとも言える。いずれにせよ、地球人の勢力圏であるヘリオスフィア全域で星海葬を管理しており、単一の組織が影響する範囲としては、連邦に次ぐ。人類の宇宙開拓の総指揮を執り、渉外にあっては人類の意思決定機関として働く連邦という機関に次ぐと聞けば、高尚な感はあるが、実際に所属する人間はぴんからきりまでだ。
 セクストンの人事は来るもの拒まず。それは、いい面もあり、悪い面もある。悪い面の一つが、末端ほど、何某崩れしかいないという点。良い面は、社会信用度ゼロの人間でも、エージェントとして生きていける点。つまりは、セーフネットとしての面。俺もその面には少しばかりの恩恵を得た身だった。
 シーラカンスは、荼毘炉に寄港していた。
ここしばらくの回収にひと段落がつき、一度、荷を下ろす必要があったからだ。
荼毘炉は、セクストンが経営する小さなコロニーの総称だ。ヘリオスフィア全域に点在しており、どこでも同じ機能を備えている。宇宙港、簡単な整備ドッグ、精錬プラント、遺体焼却炉、一時滞在用のホテル、エージェントを管理するオフィス、オフィスワーカーたちの居住区、マーケット、食糧生産プラント、小規模な歓楽街等があり、収容人数は場所によって異なるが、最小では数万ほど。
オフィスの窓口に近づくと、カウンターの向こうにいる男性は肘をついてこちらを見た。妙に若く、気怠そうな表情だが、小規模な荼毘炉オフィスの窓口係としては、やはり珍しくない。隣のシャルは何か言いたげにして、黙った。
「……納入ですかね?」
「ああ。艦名は、シーラカンス」
 情報端末を差し出す前に、食い気味にピピッという認証音がした。本当に確認しているのか怪しい速度だが、手続きは済んだ。
しばらく待っていれば、セクストンの分柩課が勝手にシーラカンスの体内に貯め込んだ棺を運び出し、代わりに連邦クレジットが口座に入る。
分柩課は、文字通り棺を分別する役目を担っている連中だ。金属として溶かして再利用する部分と、遺体を焼くための部分を分別し、炉に投じる準備をする。
「他に何か?」
「報告があるんだが」
 俺が言うと、彼は「はあ」と気の乗らない声。
「棺から、このくらいの獣が現れて、襲われたんだ」
 言いながら、両手でサイズを示していると、その係員はやっと俺の顔を見た。彼の瞳が初めて俺を映す。面倒くさそうに、鼻を鳴らした。
「防疫課は向こうだよ」
「怪我はしてない。そうじゃなくて、例えば、似たような報告は? ああいうのを棺に仕込むのは流行りだったりするのか? 何か情報は?」
「さあね」
 シャルがほとんど溜息のような、長い息をついた。
 やれやれ。        
オフィスを出て、メインストリート・ブロックに入る。通常のコロニーは、いくつかのモジュールの集合体である。いわゆる隔室型宇宙都市だ。屋内/屋外という概念は無いため、隔室型宇宙都市の全ては屋内だが、どの施設でもない接続用モジュールも存在しており、それらはストリート・ブロックと呼ばれている。
「やる気がなさすぎると思いませんか?」
「セクストンとは、結局、そういうものだ」
「それにしてもです」
「まあな……」と俺は空を見上げた。
空と言っても、天井の映し出された空だ。閉塞感を緩和しようとしているもので、その努力を考慮しないとすれば、モジュール単体のサイズは、さほどでもない。上方向だけで言うなら、三階建て以上のビルは入らない程度だ。
二人でメインストリート・ブロックを歩く。
宇宙都市内には当然のように空気があり、疑似重力によって、地球人にとって都合のいい環境が整えられている。宇宙都市というのは何型であれ、どこもそうだ。空気がなかったり、無重力だったりする環境は、人間種の正常な生育にとって都合が悪いのでコロニーとして認められない。
通りは晴天状態で、通行人はぼちぼちと行き交っていた。荼毘炉にはセクストンやその関係者しか近づかないが、閑散としているわけではない。エージェントにはそれなりの人数がおり、そしてそれぞれに家族がおり、空腹になれば、食欲を満たす必要があるからだ。昼時になって、人々の動きは活発だった。
「……仮想レストランですね」と彼女が言う。
「だな」
軒先から見える限り、どの店もそれなりに盛況なようだ。客がスツールに座り、虚空に向かって見えないフォークを繰っている様子が見えた。一見すると、少し滑稽なようにも見えるが、彼らには美味しそうな料理が視えていることだろう。
ミクスト・リアリティによる食事提供は、現代では一般化した光景だ。彼らは、網膜に投影されたホログラムを現実に重ね、レストランのネットワークとナノマシン統制プロトコルを連携することで、任意の味覚/食感データを脳内に再生している。
「入ります?」
「いや」
「私の作る料理より、あっちの方が美味しいのでは」
「そうかもな」
味覚/食感はデータで楽しみ、栄養補給は練り餌で済ませるというのは、コストパフォーマンスに優れた食の形式だ。��ータは買えばコピーペーストできるし、練り餌も完全栄養食として流通している。本来論で言えば、こうして店先にいる必要性もないのだが、友人と食事している、とか、外食している、といった事象自体にバリューがあるのだろう。会計時に渡される練り餌をそっちのけで、味覚の摂取と世間話に集中しているようだった。そして、店側としても、調理によってハイクラスな味と栄養を両立できる形に加工するのは、よりコストが必要となってしまう。
総じて、料理というものに、こだわりがある人というのは少ない。
 俺がそこに拘泥しているのは、親の教育の成果だろう。
 ふと、シャルを見ると、彼女は少しばかり面白くなさそうな顔をしていた。
「どうした」
「美味しくないけど、作れと言っています?」
「まあ、そうだ」
「あまりに悪びれもなく言いますね」
「不味いとは言ってない。プロの域には達してないというだけだ」
 自分からそう言うよう誘導したくせに、とは口にはしない。
 そもそも彼女は料理に関してはハンディキャップがある。
 彼女は地球人とは栄養補給方法が根本的に異なり、従って、人と同じ体系の味覚器官も持っていない。それでも、食べられるラインのものを作ることができるのは、分量の計算で味の着地地点をコントロールできうるからだ。
とはいっても、言うは易く行うは難しというもので、実際にそれをハズレなく遂行できるのは彼女自身の努力の結果であり、師が良かったという面も多分にあるだろう。
 それから、有機フィラメント食材の味が単純化されているという面も。辛いものは辛く、甘いものは甘く、酸っぱいものは酸っぱく、各食材の個体差や複雑な要素は、詳細には再現されていない。よって、甘いものと甘いものを合わせれば、もっと甘い……くらいの解像度でも、想定と大きくずれる味になりにくいらしい。
「でも、言うなれば、私もプロですよ」
「……」と黙る。彼女の良い分も尤もだった。
俺と彼女の間にあるのは、まさにそのサービスを供給する契約だ。
シャル・ラストテイルは料理係として雇った。
「別にいいだろう。雇い主がいいと言っているのだから」
 そういうと、彼女は「まあ……」と煮えきらない返答。
 噛みついてはみたものの、料理を今以上の仕上がりにすることが困難であることは分かっているだろう。そして、それが原因でクビにされても困るということも。
そもそも、何か仕事を……と言い出したのはシャルの方からだった。シーラカンスに乗っていたい。そして、乗るからにはクルーとしての仕事を熟さなければならないのだと、そう思ったのだろう。
 別に、捨てられて生きていけないということもないだろうに。彼女の容姿と能力を以てすれば、それなりの待遇を得られる可能性は高い。単に荷運びとして考えても、彼女の力は非常に有用だ。服の下がどうなっていようと運送に支障などない。
確かに血を飲むが、別に輸血パックでもいいとも言っていたし、実際、施設にいた頃はそうだったと本人も言っていた。
「あの……ダズン?」
 どこかに行こうとしていた思考が、その声で帰って来た。
 シャルは路地の方を指さしていた。そこにはフードを被った男がいて、こちらを見ていた。人通りの中から、自分たちを見ているのだと、何故か理解できる。彼は、そのまま、お辞儀をするような仕草をして、踵を返した。
「追おう」
「う、うん」
 路地に入る。どこの路地裏もそうであるように、表に入りきらずに溢れた猥雑さが溜まっている。勝手口に、室外機に、ゴミ箱に、非常階段。少し歩くと、フードの男が俺たちを待っていた。彼はフードを被っているばかりか、サングラスと、マスクを着けていた。これでは黒い肌を持つことしか分からない。この手の、身元グレーなメッセンジャーの正体を暴くことに何の意味もないが。
「誰かが、お前たちを狙っている」と男は告げた。
その誰かとは、恐らく、シャルの行方を捜す者たちだ。
しかも、多分、思っていたのとは違うタイプの。
脳裏に二つの声が響く。これまでバレなかったのに、という声と、それから、ずっとバレなければよかったのにという声だった。
6.
「どこに向かっているのか、教えてくれてもいいんじゃないですか?」
 艦橋に響くシャルの声は、少し非難の色を帯びていた。シーラカンスくらい小型の宇宙船でも艦橋というものはあり、コクピットとは異なるものとして定義される。立派ではないが、そこには艦長の席があり、オペレーターの席がある。前方には、シアターのようなサイズのスクリーンがあって、最低限ながら、宇宙船の艦橋というものの体を成していた。
そして、スクリーンには航路図が表示されているが、今は、コンソールの向こうに立ったシャルが視界を塞いでいた。
「そうだな。別に、教えたくないということもなかった」
「なら、もっと早く言ってくれて、よかったじゃないですか」
 そう言われてから、どうにも気が急いていたのだなと、ついに初歩的な自己分析に達する。しかし、それを正直に言うのも憚られた。憚る理由の方は分からない。自己分析が足りないのかもしれないが、もはや手遅れだろう。思考を放棄する。
 荼毘炉を去ってから、すでに三日経っていた。そのことから、彼女の忍耐力は非常に高いといって差し支えないと言えた。
「ワイズマンズ・シーサイドスクエアだ」
「月ですか」
「正確には月の裏側だが」
「……それ、どこから見た時の話ですか?」
「地球だ」
 シャルが「ふーん」と俺を見た。言いたいことは分かる。別に地球生まれというわけでもないくせに、というような顔だ。
「生まれがどうとかではない」
「じゃあ、なんです?」
「連邦の定義だ」
この連邦の定義というのが、重要なのだ。何しろ、ヒトが人類史の中で学習したものは、その大半が地球環境を前提に語られる。代表的なのは、暦や時間だ。地球から遠く離れた場所でも、太陽暦や地球時間は基準として大きな意味を持っている。宇宙開拓による混乱を避けるため、連邦が基準として定めたためだ。
そう言いながら、航路計をチェックする。ヘリオスフィア連邦相対航路計だ。
艦の進路と、進行中の航路との誤差を割り出し、必要があれば軌道修正する。航路線と呼ばれる、宇宙空間に便宜的に引かれた線との退屈な比較/修正作業だ。
それをしなければ、シーラカンスが宇宙を飛びまわることはできない。連邦の定義する航路線が一定範囲に無い場所では、航行できないとも言う。
 これは特にシーラカンスが旧式だからというわけでもなく、ほとんどの宇宙船は同じだ。相対座標系の航路計しか積んでいない。ヘリオスフィア内の艦は、どのみち、星々を最短経路で結んだ航路網に基づいて運航するものだ。航路線に関わらず自身の座標を知ることができるという絶対座標系の優位性を、航路網が充実しているヘリオスフィア内で感じることはない。道具は、それを役立てる機会のある船にこそ意味がある。例えば、ヘリオスフィア外を往く、連邦開拓局の艦とか。
「里帰りですか」と彼女は言った。
「そうだ」
 ワイズマンズ・シーサイドスクエアは、月の裏に作られた都市だった。
 そして、俺の両親が住んでいる。
「半年ぶりくらいですね」
 言われてから、そうなるかと、表情には出さないままに自問した。
シャルと出会って、すぐ後に、一緒に訪れたことがあった。助言をもらいに、あるいは、そのまま実家に置いて行こうかと考えて。
その頃の俺は、シャルの扱いに迷っていた。どうにも、年頃の女の扱いが分からなかったというのもある。幼少から、周囲には女ばっかりだったはずなのに。長いセクストン生活が祟ったとでも言うのだろうか。
もちろん今も、分かってはいないが、仕事仲間だと思えば、何とかはなった。
俺がそう扱えば、こいつもそう応えてくれた。
「真顔で、えっと、日数でもカウントしているんですか?」
 もちろん違う。
「……月に行く理由は、あれが父からのメッセージだと思うからだ」
 心裡にある感慨のようなものについて、あえて彼女に告げる必要はなく、俺は話の流れを元に戻した。少女は思案顔。
「そうだとして、どうして、その……怪しいメッセンジャーを?」
 丁寧にオブラートに包んだ表現だ。コロニー内という安定環境下で目深にフードをしており、さらにサングラスとマスクで人相を隠している様を、不審ではなく、怪しいという範疇に留めておくのは理性的である以上に、少し面白くはあった。俺は一目で違法メッセンジャーの可能性を考えたが、彼女の目に、オブラートに包むことに足る何かが映っている可能性も皆無ではない。
「まず、普通に艦載通信システムが疎通できる距離ではないからだろう」
 あの荼毘炉と月は距離が離れていた。航路線上で、七単位以上だ。航路線単位は、航路上の中継となりうる惑星間の距離である……という規定であるから、実際の距離としては、かなりタイミングによる揺らぎが大きい。普通の艦載通信であれば、航路線上で一・五単位も疎通できればいい方だった。
「では、連邦公共通信を使うとか」
「それが普通だな」と俺も思う。時空歪曲を利用した超長距離通信だ。
地球人が実効支配できる宇宙規模は一日以内に通信が届く距離に依存し、宇宙開拓の速さは通信技術の発展速度と相関するだろう……という宇宙進出前の未来予測は尤もなものだった。そして、それを乗り越えたからこそ、人類に宇宙開拓時代が訪れたとも言う。現代では、お金さえ払えば、民間でも利用できる類のサービスだ。
それならば、七単位も一瞬ではある。
含みのある俺の返答に、彼女は議論を諦めたようだった。
「それは、会えば分かるという判断ですか?」
「そうだ」
 本当は、シャルの身柄を追う者には心当たりがある。父以外のイリーガルな存在が俺たちに警告を行った可能性もゼロではないが、あえてその可能性ではなく、父がグレーなメッセンジャーを用いた可能性を追求することについて、十分な説明ができる。
だが、それを口にするには時期尚早のようにも思えた。推測に過ぎず、何ら確信もない。父を訪ねようと決めたのは、確信を得るためとも言える。
「跳躍潜航に入る」
 会話を断ち切るように俺が告げると、彼女も黙って定位置に着いた。
7.
 到着には、それからさらに数日を要した。
ともあれ、延べ七単位分の超長距離移動が数日レベルの旅行で済むのは、跳躍潜航の恩恵と言えるだろう。これも、時空歪曲技術の進歩が地球人に齎したものだ。
そうして俺たちは、月の裏側最大の都市に降り立った。
 直径百キロ余りもある冷えた溶岩による湖。その岸に、巨大ドームに覆われた月面都市がある。月の都、ワイズマンズ・シーサイドスクエアだ。宇宙開拓が始まって間もない頃、そこは新しいもの好きが集まる最先端の宇宙都市だった。地球から最も近く、遠い都市として人気となり、栄華を極めていたらしい。今となっては、偏屈の巣窟だ。
「相変わらず、継ぎ接ぎだらけですね」
「旧い宇宙都市の特徴だからな」
都市内部には、どこもかしこも、その施行年の新旧が年輪のように表れている。それが、時代遅れの天蓋型宇宙都市の特徴だった。
宇宙都市の寿命は決して長くない。外に空気が無いからだ。大気がない環境というのは、温度にも課題が生じる。月面では、昼夜で摂氏三百度近い温度差がある。そのような酷環境では、人工の殻の綻びが、そのまま人の死を意味する。安全基準は厳しく、経年劣化で問題が起こる前に改修することになる。ワイズマンズ・シーサイドスクエアだけでない。現存する天蓋型都市というものは、常に改修を続けている。全体のドームとしての機能を維持しながら、内装も外装も、だ。
 港からキャリヤーを乗り継ぎ、俺たちは、一際寂れた区画に降り立った。
 すん、と隣を歩く少女が小さく鼻を鳴らす。
「慣れないか」
「ええ、まあ」
人の生活の匂い以上に、都市工事用の重機による排気や、建材の加工時に生まれる粉塵、真新しい金属部品が放つ独特な臭いが、この都市の空気というものを構成している。俺にとっては慣れたものだが、彼女にとっては違うのだろう。
「この町は、やはり人の気配というものがありませんね」
「それなりに多く住んでいるはずだが」
「荼毘炉などよりも、むしろ陰気なほどです」
エアクリーナーも働いているが、健康への影響を軽微なレベルに抑���る以上の効果を期待するのは難しい。この都市の空気で病にはならないが、別に快くもない。
だから、この都市には往来の人間というものがない。
人々はフィルターを通した無味無臭な空気を堪能するため、室内に籠っている。家同士を直接繋ぐ回廊文化ができるほどだ。高い天蓋に建ち並ぶビル群。その間を繋ぐチューブのシルエット。改修工事ですぐに書き換わる交通標識。道を往くのは、無人重機たちばかりだった。ビルは人々の生活の明かりを漏らすこともなく、暗いモノリスのように沈黙している。
かつて、このいかにも先鋭的な天蓋型宇宙都市を設計した天才たちも、ワイズマンズ・シーサイドスクエアの人々がドームの強みを捨て、このようなゴースト・タウンを作り上げるとは考えていなかっただろう。
「俺の故郷なんだ。手加減してくれ」
 そう言うと、彼女はフームと頷いた。
ともあれ、ワイズマンズ・シーサイドスクエアが初期の宇宙開拓の失敗であったという点は明らかだった。この反省を活かして、以降の宇宙都市開発では、モジュール毎に安全な付け外しが可能な隔室型へと立ち戻っている。ここのように、ドームを維持するためにドームの改修を続けるような、財的にも住環境的にも高い負荷の生じる都市の在り方は、早々に否定されていた。
この都市の最大の悲劇は、宇宙開拓ペースが、多くの地球人の想定を遥かに上回っていた点にあるのだろう。ワイズマンズ・シーサイドスクエアが出来上がった後、連邦はその版図を爆発的に拡大し、すぐに多数の宇宙都市が出来上がった。かつてワイズマンズ・シーサイドスクエアに集まっていた人も、財も、果てなき宇宙に拡散したのだ。
流行に見放され、商業的な意義を失った田舎は、顧みられることなく廃れゆくはずだった。それでも未だワイズマンズ・シーサイドスクエアが存続しているのは、この都市を維持せんとする、血よりも濃い連帯があるからだ。
「皆は、元気にしているでしょうか」
「恐らくな」
 角を曲がると、下品なネオンに彩られた店が姿を見せた。
 店の外観など、回廊が整備されたワイズマンズ・シーサイドスクエアにあっては、どうでもいいだろうに。いや、どうでもいいからこそ趣味に走れるのだと、父は言っていた気もする。看板には、裏月酒店の文字。
ホテル・リーユェンと呼んでもいい。食と性を満たすための店。それが、俺の実家とも言える場所だった。
 裏手に回って、勝手口のドアを開くと、ちょうど一人の女性と目が合った。彼女の手から、空の小型コンテナが落ちるのを、力の尾が掴んで、床に軟着陸させる。
「ダズン」とその女性は俺を呼んだ。恰幅のいい立ち姿。白髪交じりの、ざっくばらんなショートカット。目尻に小皺を作り、笑んだ。母だ。
「……父は?」
「上よ」
 彼女は頷いて、俺に近づいてきた。
「前より健康そうに見える」そう言って、両側から腕をパンパンと叩く。
「……だとしたら、シャルのお陰だ」
「ふうん」と母は薄く笑んだ。「それは、師である私のお陰とも言えるね」
そうかもしれないなと、俺は苦笑した。彼女が、シャルの料理の師だった。それと同時に、シャルをヒトとして教育したのも母だった。ヒト殺しであり、殉葬者であり、地球人ではなかったシャルを、今の彼女にしたのは母の功績だと言える。
 俺は、シャルを母に押し付けて、一人でエレベーターに乗った。
8.
 父の私室は、ビルの上階にある。月面都市の街並みを眺望するのにうってつけの場所だが、肝心の景色がよいというわけでもない。それだけが残念だった。ドームが気密性を失ってしまった時に備えて、ワイズマンズ・シーサイドスクエアの建物には隔壁を閉じる機能が備わっている。裏月酒店のそれは開いているが、ここから見える建物のほとんどは完全に閉じていた。開いているとしても、中に火は灯っていない。この数年で多くの仲間を失ったと、父は言っていた。最後にこの景色を見た時のことだ。その時も、こうして向かい合って、俺はシャルをここに残して、去ろうとしていた。
 俺が部屋に入ると、父は応接用のソファに座って、俺を迎えた。
「来ると思っていた」
 父の声は、深い溜息混じりだった。まだ背筋はしゃんと伸びており、耄碌しているという雰囲気ではない。そのことに俺は、少しばかりの安堵を感じている。
 テーブルを挟んで向かいのソファに座り、父と相対する。
「訊きたいことも分かっているつもりだ。メッセージのことだろう」
 全くその通りだ、と頷く。
「私が送った」
「俺たちを狙う誰か、とは?」
 俺が聞くと、父は眉を顰めて逡巡するように顔を俯かせた。それから、一度は床まで落とした視線を、じっくりと俺の顔に戻す。
「あの娘の言っていたことは、嘘偽りではない」
「最初から、そこを疑ってなどいない」俺はそう断って左膝に肘をつく。「何を濁す必要がある?」
「分かるだろう。うちを継がず、家の力も借りずに、独力で生きる道を選んだお前になら。お前は、結局、聡明で正しい」
「……」
「確かに、この月の裏に未来はない」
 かつて俺がこの家を飛び出した時には、ついぞ認めなかった言葉だった。
 俺がセクストンとして生きることになった切欠となる口論、その結論だ。家業を継げと言う父と、このワイズマンズ・シーサイドスクエアに未来はないと言う俺。あの頃は一致しなかった意見が、ついに合意に至ったらしい。
十余年という月日は、父の考えが変わるのに十分な歳月だというのだろうか。
それとも、父が納得するまでに十年以上もかかったというべきか。
「だが、今は、あのままお前と縁を切っておけばよかったのにと思う。そのくらい、あの娘は危険だ」父は吐き捨てるように言った。
シャルと一緒にいることを選ぶのなら、裏月酒店に迷惑をかけないよう、縁を切れと言っているようにも聞こえた。
「危険? あの尾が?」
「馬鹿なことを言うな。あの娘には、理性がある」
その言葉に俺は頷いた。否定の余地もなかった。危険な力を持つだけで制御の利かない少女であるなら、俺はすでに死んでいてもおかしくはないだろう。
「だが、やはり、関わるべきではなかった」
「母は、そうは思ってないみたいだが」
「あいつもあいつだ」父は自身の胸元を指先で小突いた。「情が深すぎる」
ワイズマンズ・シーサイドスクエアは、その維持を連邦から第三セクターの管理下に移譲されて久しい。現在その維持を担っているのは、まさにここに住む市民たちだ。この天蓋型宇宙都市の莫大な維持費を賄うため、市民は掟を作り、団結する必要があったはずだ。外貨を稼ぎ、都市に富を齎す。その一点で、都市はまとまっていた。幼い頃、父もその情とやらを大事にしていた。それは今や、呪いと化して、目の前の���年の男を苛んでいるのだろうか。
「誰がお前たちを狙っているか、答えは明白だろう」
「……」
「お前が、今、考えていることを言ってみろ。ダズン」
「それは」と逡巡する。それに何の意味がある?
推論がお互いに一致していようと、それが事実であろうと、なかろうと、もう話は決裂しているように思えた。
 しかし、その推論を披露する前に、扉は開いていた。
 お盆にドリンクを載せ、女性が入って来た。彼女は、その女体のほとんどを見せつけるような、シースルーの挑発的なドレス姿だった。裏月酒店の女だろう。
「レイシィ」父が咎めるような声音で、その名前を呼んだ。レイシィと呼ばれた女性は肩を竦める。「奥様に頼まれたんです」
彼女はドリンクを二つ、ゆったりとした動きで差し出す。
一つは父の前に、一つは俺の前に。
 それから、俺に妖艶な笑みを向けて、囁く。
「お姫様をお連れしましたよ」
 彼女は再び扉が開いた。
 そこにはシャルが立っていた。薄藍のドレスを着こなしている。いわゆる、チャイナ・ドレスだ。薄い布地の下に、美しい曲線が浮かび上がっており、スリットから覗く脚は、白いタイツに覆われている。彼女の特徴的な下半身の彩りさえ、それを薄っすらと透けさせたタイツによって、艶めかしく活かされていた。
 幸い、シャルが俺に感想を求めるような言葉を告げることはなく、ただ彼女の視線がゆらゆらと俺の右耳と左耳の辺りを掠めるだけだった。
 二人はそのまま俺の両隣を挟むように座った。
今、俺たちは重要な話をしている。とは、言えなかった。邪魔をするな、とも。レイシィは兎も角としても、拳四つほど離れて控えめに座るシャルに対して無関係だから離席するよう告げるには無理があった。他ならぬ彼女の話だからだ。
母は、俺と父の話し合いが険悪なものになることを予見して、二人を送り込んだのだろうか。そうだとしたら、その効果は覿面だと言える。
父が立ち上がった。
「話は終わりだな」
「待ってくれ」
 腰を浮かせて、後を追おうとする。父が扉に手をかける前に。
 何かを告げようとして、その前に変化が起きた。
そこで再び、扉が開いたのだ。
 男が、父を押し退けて部屋に入って来た。
その大男ぶりと言ったら、そう低くもない扉を、上半身を傾げて通るほどだ。縦に大きいだけでなく、横幅もあり、筋骨隆々という言葉で評するのに相応しい。彼が入って来ただけで、部屋は狭くなり、その厳めしい顔を見るだけで、息が詰まるような錯覚を覚えた。
それからもう一人、その後について、女性が入って来る。先に入った男の後では小柄にも見えるが、その実、しっかりと身体を鍛えているようだった。ヒールを履いているが、その足運びには安定感があり、タイトスカートの稼働範囲をいっぱいに使った大きな歩幅で、ほとんど部屋の中ほどまで進入する。
二人は汎用スペーススーツの上から、黒いスーツを着ていた。
そして、腕には連邦捜査局の腕章を着けていた。
「貴様らは……」
 父の誰何に、その女性は小首を傾げた。結い上げた金髪が、肩を撫でて滑った。
「私は連邦捜査官、エスリ・シアンサス。彼は、部下のア・スモゥ」
 連邦捜査官。
 そうだ。
「連邦宇宙開拓秩序に基づいて、シャル・ラストテイルの身柄を拘束する」
 彼女たちこそが、シャル・ラストテイルを追っていた。
それは、全く意外ではない。
言うまでもなく、時間と空間は、世界の最重要ファクターである。時空歪曲は、宇宙開発においてブレイクスルーを引き起こす技術であり、超長距離通信や、跳躍潜航が生まれる端緒であった。そして、それにまつわる全ての研究は、連邦が主管している。全ては宇宙開拓秩序の為だ。
そして、宇宙開拓の先に、地球人と異星種の交流という大きなマイルストーンが想定されていたことは想像に難くない。地球上での開拓史ですら、開拓者と原住民の出会いというものは、あったのだから。
同時に、地球人と異星種が交わることが可能なのかという命題も存在している。
血統加速という技術には、それを測る意図があったのだろう。少なくとも、研究が始まって、間もない頃は。それがいつから能力開発の側面を持つようになったのか、あるいは、最初からそれを期待した交配実験だったのか……その委細にそれほどの興味はないが……いずれにせよ、その成果物であるシャルを追うのは、連邦だったのだ。
「よろしいですね?」
エスリ・シアンサスが、無造作にハンド・レーザーウェポンを抜いた。
9.
「お二人とも、逃げてください!」
 鋭い、レイシィの声。彼女の手には、どこからか取り出したハンド・レーザーウェポンが握られていた。
「あああ、馬鹿者が」頭をガシガシと掻き乱し、父も懐から銃を抜いていた。
 無論、俺も。
逃げる? それはいかにも考えられない選択肢だった。
「ナノマシン統制プロトコル、戦術モード!」
 俺と父の声が響く。汎用スペーススーツを着ていないシャルとレイシィを、背に隠した。ナノマシンがアドレナリンを合成して、身体を戦闘モードへと切り替えていく。そのまま銃を構えながら、肩で首元のコンソールを圧迫した。
防護外骨格が、全身をアーマーのように包んでいく。その装甲展開の隙間を縫うかのような眼光の鋭さで、エスリ・シアンサスはトリガーを引いていた。
そして、それに応じる形で、室内に多数のレーザーバレットが飛び交う。
 エスリは、ア・スモゥの巨躯を盾にしていた。
 光弾を生身で受けたように見えた大男だが、恐るべきことに、些かも痛みを感じたようになかったし、その活動に支障が生じたようにも見えなかった。
「かぁああああああああ!」
 それどころか、エスリを守るために広げた腕をそのまま振り回し、こちらに飛びかかって来た。大男の体重の乗った振り下ろしを受けても、外骨格を破壊せしめることはないだろう。だが、そのまま拘束される愚は犯したくない。
 逃げるしかない。だが、後ろにはシャルもいる。
 迷いで、身体が硬直する。それは命取りになるような隙だった。
「……ダズン!」
 少女の声。
 ア・スモゥの巨躯が、何かにぶつかった。まるで室内でトラック同士が正面衝突を起こしたように、爆ぜるような空気の振動が巻き起こった。
力の尾だ。
不可視の尾の如き力場が、巨漢を受け止めた。
彼女の力場は、疾く奔り、破壊される心配もない。それは彼女の心のままに動く、自由自在の第三のカイナだった。
自分が把握する限り、その上限を感じさせないほど力強いものだ。
「う、ん!?」
だが、シャルは疑問と、そして苦しそうな声を漏らした。
「ん・ん・ん!!!」
拮抗し、しかしそれでも、尾を振りぬく。
 ア・スモゥは弾き飛ばされて、壁に背中から激突した。
 この一瞬、形勢は逆転した。
 エスリはそれを理解していた。タタタンと素早く部屋を走り、父とレイシィに狙われながら、レーザーバレットをやり過ごす。これで、位置関係が逆転した。今、俺たちの方が出入口に近くなっている。尤も、それは相手も承知している。
「ア・スモゥ、起きなさい!」
 エスリの声で、大男が起き上がった。まるで効いていないとでも言うのか。
そう思うが、彼は頭から流血していた。血が滴り、床を汚す。それでも、その歩みは止まらなかった。傷つかないわけではない。だが、歩みを止めるには至っていない。
「……もう一度……」シャルが言った。
俺は彼女の肩を掴んだ。
「ダズン、邪魔しないで!」いつになく悲痛な声に聞こえた。
いや、と俺は逡巡していた。レーザーウェポンが効かない相手に対して、結局、戦力として期待できるのは彼女の超常の力だ。だが、彼女に「ア・スモゥをぶちのめしてくれ」と願うのが本当に正しいことなのだろうか。
「このデカブツめが!」
 父がレーザーウェポンを乱射した。
その言葉に反し、エスリの方に向かって、だ。それは有効な目論見だった。大男はエスリを守るために歩みを止めざるを得なかった。
「お二人とも、逃げて!」
 レイシィが叫んだ。彼女の妖艶なドレスは何かに引っ掛けてボロ布のようになっており、父もすっかり埃で汚れている。ソファは破れ、テーブルは盾の如く立てられたままだ。ひび割れた床のタイル。へこんだ壁。部屋は、何もかもが滅茶苦茶だった。
 それらは全て、連邦捜査官の来訪により引き起こされた。
「いや……」
 俺がシャルを保護しようと考えたことが、この状況を招いたのだ。
そうであるのだとしたら。ヒトならざる存在であるシャルの扱いに困り、この都市に連れて帰ったことが間違いだったのだろうか。
あるいは、棺の中で深く眠っていたシャル・ラストテイルを、そのまま殺していればよかったというのだろうか。
 俺はシャルの腕を取って、走り出していた。
 表は、さすがに見張られているだろう。裏口から出た。ワイズマンズ・シーサイドスクエアの暗い路地裏が、今は有難い。
「とはいえ、どうする」
「逃げましょう」シャルが言った。「宇宙に」
「……まあ、そうなるか」
 だが、ここから港までは遠い。
 シャルが不意に俺の手を振り払った。
「どうした」
「では、急ぎましょうか」
「あ、ああ? そうだな」
 何だ、このやり取りは、と首を傾げた瞬間、俺はシャルに足払いされていた。
 視界がほぼ半回転する。
「は?」
そして気付くと、俺は、横抱きに抱え上げられていた。シャルに。
力の尾を使っているのだろう。不思議と、落とされそうだという不安感は無い。
「舌を噛まないでくださいね」
「何をするつもりだ、お前は」
 少女の金の瞳が、俺を見下ろしていた。その後ろに、星海を背景に黒いビルが浮かび上がっている。その壁面からガシャンと音がして、何かが弾けた。
「……来たぞ、シャル!」
 その言葉で、すっと滑るように横に避ける。
 先ほどまで俺たちがいた場所に、黒い塊が落ちて来た。タイルが砕ける。
 ア・スモゥだ。そしてその肩には、エスリが座っていた。
 俺たちは、そのまま見合っていた。
「……滑稽ですね」ぼそりと、エスリは呟いた。明らかに俺を見ていた。
「何だと、お前」
「貴方も、我々と同じですよ」
 彼女の目には、犯罪者を捕まえよう、みたいな色は無かった。
 哀れだとか、そういう心情がありありと浮かんでいるようだった。
 その手にあるハンド・レーザーウェポンが、ゆっくりとこちらを向いた。
「跳びます!」
 シャルが叫んだ。その瞬間、俺は、俺たちはワイズマンズ・シーサイドスクエアの空に投げ出されていた。飛んでいると言ってもいい。いや、跳躍と言うべきか。
ともかく、大気がうるさいくらいに耳元で荒んでいた。
「……追っては、来ないみたいですね」
「真似できるものなのか」
俺たちは、ゴースト・タウンを俯瞰する身にあった。
これを生身の人間に?
「分からないですけど」と彼女が呟いた。「彼も、血統加速者かもしれません。彼の拳は明らかに重かったですし」
 確かに、そのような節はあった。謎の頑強さは、レーザーバレットを受け止めることから、裏月酒店の最上階からの着地まで、ハッキリと示されていた。それを血統加速者の何らかの特質によるものだと仮定した場合、俺たちを追って跳躍できる可能性は何パーセントあったのだろう。
「……」
「全く的外れなのかもしれませんけど」
 俺は流れていく景色を見ながら、そうなんだろう、と思った。彼女が思うなら。
 次に、そうだとして、と考えた。血統加速者の連邦捜査官がいる。
 それは、血統加速者の力を連邦が利用しているということだ。
 そんな話は聞いたことがない。
 脳裏の誰かが警告する。一介のセクストンに過ぎない俺が、連邦の何を知っているのだと。俺は描きかけた邪推を掻き消して、あとはされるがままになった。
 一度の跳躍で港までは辿り着けないので、俺たちはもう既に何度か弾んでいた。
 全く苦に感じないのは、シャルが慎重に力場を操っているからだろう。
 途端に手持ち無沙汰となり、その顔を眺めてみた。
 以前に聞いたことがあるが、力の尾という念動は、野放図的にパワーを引き出すことよりも、精密に制御する方が大変なのだと言っていた。星海の下の彼女の顔は、眉を顰めて凛々しく歪んでいる。
彼女はもう、棺で目覚めた頃のままではないのかもしれない。
「……あの、そう見られると、集中力が乱れます」
「すまん」
10.
都市の出入口たる宇宙港は、ワイズマンズ・シーサイドスクエアの中で最も活発な施設だった。ゴースト・タウンじみた都市の様子とは裏腹に、多数の宇宙船が普段からそこを利用している形跡がある。それは、この天蓋型宇宙都市の維持資金を稼ぐための選択肢に出稼ぎというものがあるからだろう。あるいは、資材の搬入である。
 シャルを連れて、運送業者側の通用口から港に入る。シーラカンスは輸送船の一種と言えるので、正当な入り方と言えるだろう。まあ、俺が運ぶのは棺だが。
いずれにせよ宇宙港の宇宙港の構造と、俺たちの進路は単純だ。このままターミナルビルを抜けて発着場に進入し、そこにあるシーラカンスに乗り込む必要がある。
 だが、シーラカンスの前には、連邦捜査官たちが詰めていた。
 それはそうだ。
「……見張ってますね」
「そうだな」
「艦まで着いたとして……かもしれませんけど」
彼女がそう言った理由は、よく分かった。物陰に隠れながらでも、はっきりとその理由は見えた。連邦の艦が、その巨体で離着陸用ゲートをブロックしている。これでは、宙に逃げることはできないだろう。
 俺はハンド・レーザーウェポンを抜いて、残弾を見た。
「……それでも行きますか?」
「それでも、だ」
 連邦捜査官は三人いた。ア・スモゥのように無茶をしてくることはなさそうだ。油断ならない雰囲気もない。有り体に言えば弛緩しており、エスリ・シアンサスのような真剣さがなかった。少なくとも彼女の部下には見えない。一人を撃って無効化する。もう一人は、力の尾が吹き飛ばしていた。
 異変に気付いた三人目が武器を構える。ライフル型だ。
 銃口がこちらに向く。シャルの方じゃなくて幸いというべきか。
 力の尾でレーザーバレットが防げるかというと、そうもいかない。
 力の尾は力場であって、物質的な特性はない。実弾ならば防げるが、レーザーバレットは防げないのだ。できるとしたら、マイクロブラックホールレベルの力場を生成し、空間ごと光弾の軌道を歪曲する方法だけだ。
だが、血統加速者であっても、できる事とできないことがある。つまるところ、彼女の出力では、レーザーウェポンを防ぐことはできない。
 身を盾にする。不運にも、光弾は装甲の間を抜けて、左肘を僅かに焼く。
 だが、二発目は来なかった。
 シャルが打ち倒したからだ。
「大丈夫ですか?」
「…………俺のセリフだが」
「私は後ろにいただけですから」
「違う。力を使いすぎじゃないのかってことだ」
 彼女は言われてから、ニコリと笑んだ。
「それこそ大丈夫です。普段から余分に飲んでいますし」
「お前……、……まあいい」
 とりあえず、平気ならいい。だが、溜息はついた。
「とはいえ、さすがに宇宙船サイズのものは」
「だろうな」俺は頷いた。「コバンザメを使おう」
今もシーラカンスの船底にくっついているソレに、シャルはなるほどと頷いた。
コバンザメの逆正三角錐の頭には、船底のポートに接続するためのジョイントと乗降用のハッチが備わっている。これにより、艦の外部に連結した状態で運搬・必要に応じて稼働できる仕組みだ。船内に格納スペースを設けなくても配備可能な汎用船外作業用重機だとして、小型輸送艦の類では定番なのである。
 コバンザメのサイズは全高五メートルほど。シーラカンス自体のサイズとは比べるべくもない。ブロックを抜けることができるだろう。
 シーラカンスに乗り込み、コバンザメの搭乗ポートに向かう。
 その途中で、防護外骨格を格納した。
「ヘルメット、どうします?」
「要らん」コバンザメの気密性は十分安全とは言えないが、二人で乗り込もうという時には、邪魔にしかならないだろうからだ。
「言っておくが、狭いからな」
「まあ……そう……ですよね」
 床のハッチを開く。
コバンザメは船底にくっつくようになっているので、梯子を降りる格好だ。
今はワイズマンズ・シーサイドスクエアの重力下だから関係はないが、艦の装甲内には、艦載重力機関による疑似重力域の境界がある。宇宙空間では、そこを行き来する際に重力を感じることができた。例えて言えば、プールで水面に出たり入ったりするような感覚だ。だから梯子を降りる……つまりコバンザメに乗る……のは楽だが、梯子を上がる……つまりコバンザメを降りる……のは、しんどくなる。
「……よし、いいぞ」
 まず俺が座り、そこへシャルが降りて来る。脚の間に座らせる形で考えていたが、すぐにその計画は修正することになった。膝の上に座ってもらうしかない。二人乗りが想定されていない、狭いコクピットの中だ。スペースはギリギリだった。
「どこかに掴まってくれ」
「どこかって、どこにですか?」
「とりあえず、変なところを押したり引いたりはしないでくれ」
「それは、難しい注文ですね」シャルはそう言いながら、狭い機内で器用に身体を反転させた。そうしてそのまま、ぎゅっと俺に抱きついてきた。柔らかい肢体が、先ほどまでよりも克明に感じられる。
「……、……何をしているんだ……お前は」
「論理的に考えて、これが一番安全ではないですか?」
 そう、かもしれない。
 コバンザメの内部には様々なコンソールが並んでいて、どこを触れても何かを操作してしまいそうだった。論理的に考えて、触れる場所の選択肢はそう多くない。
「……このまま出発するからな?」
 どうぞ、と彼女は言った。
「システム起動」
 コンソールを小突く。
機体コンディションチェック、エネルギー残量チェック、ハッチ閉鎖、気密確認、分離準備。一つ一つ確認していると、不思議と落ち着いてきた。
 いつもと何ら変わらない。
 腕の中のシャルも、口を挟まず、邪魔をすることもなかった。
狭いコクピットの前面は、メインモニタになっている。
船底は床面より下に位置するから、ここからは港の下部構造が見えた。
「メインモニタよし」
それから、両手をコントロール・スロットルに置いてみた。
操縦には問題なさそうだ。
問題は、三次元レーダーモニタが使えないことだ。さすがにシャルを抱える形になっている現状では、アームを動かして見える位置に固定しておくというのも難しい。目視で何とかするしかないだろう。
「分離するぞ」
 呟きながら、指差し、ワンテンポ置いてからトグルスイッチを上げる。
 ガクンと、重力に引かれてコバンザメが落ち始めた。耳元で、シャルが息を吸う音が聞こえた。
 スラスタを噴かす。
 重力と推力が均衡する。
「さっさと出よう」
 目論見通り、コバンザメの小さい機体ならば、連邦艦の進路妨害は何の障害にもならなかった。だが、何かしようとしていることはバレたらしい。
 メインモニタの左隅で、同系の汎用船外作業用重機のシルエットが動き出した。
連邦捜査局のそれだから、対重機用戦闘機と言うべきかもしれない。その腕には大口径のレーザー・キャノンが装着されている。
もっと言えば、その腕の大口径のレーザー・カノンはこちらに向いており、その銃口は既に瞬いていた。
「う、おお!?」
 メインモニタが青く輝く。即座に輝度補正が掛かるが、何も見えない。それから、強烈な横Gが掛かっている。どうやら���左に大きく移動しているらしい。被弾したわけではない。その証拠に、俺はまだ生きているし、シャルの熱も感じている。
 一瞬して、揺さぶられるような衝撃が全身を貫いた。衝撃アラート。機体コンディションの左半分が赤い。何が起こった?
考える前に、脳裏に閃きが起こった。左舷スラスタだ。
どうも調子が悪いと思っていたところだった。このタイミングで、ダメになったらしい。それで、バランスが崩れて左に滑ったのだ。いや、ダメになったお陰で、銃撃には当たらなかったと捉えるべきかもしれない。悪運だ。
 だが、左舷スラスタが使えない状態で、キャノンを装備した戦闘機から逃げおおせることができるかと聞かれると、それは疑問だった。
「……大丈夫ですか?」
「どうも、駄目そうだ」
 メインモニタが復活した。目の前に、戦闘機が近づいていた。
「貴方には、私がいるではないですか」
 お前は、勝利の女神か何かなのか?
 俺が問うと、彼女は笑った。
「私は、シーラカンスのクルーです」
 力の尾が、取りつこうと近づいてきた戦闘機を薙ぎ払う。
 そいつは、反射的にスラスタの出力を上げるが、それはわずかな抵抗だった。
彼女の力場には、物理的な隔たりも意味をなさない。それは彼女の尾骶骨の延長上から伸び、自由自在に動く第三のカイナだった。出し入れ自在かつ、最長で十メートルに及ぶ、純粋なる力の尾である。
 それが、シャル・ラストテイルの異能だった。大型の宇宙船をどうこうはできなくとも、コバンザメと同程度のサイズならば、排除できうる。
「クルーとして迎えて、良かったでしょう」
「そう……らしいな」
 俺は苦笑して、コントロール・スロットルを握り直した。
「このまま港を出よう。手伝ってくれるか」
「ええ、もちろん」
11.
港を脱出した勢いで、月面を行く当てもなく、進む。
だが、それに限界があることは明らかだった。汎用船外作業用重機であるコバンザメには、宇宙空間を長距離航行できる能力はない。空気も燃料も数日は持つが、それだけだ。
「これから……どうするかな」
「もし行けるなら、月の表に行ってみたいです」
 彼女は言った。
 幸い、追手はない。今の時点では、と悲観的な補足をしておくべきだろうか。
「分かった」
 左舷スラスタは沈黙したままだ。
だが、急がないなら、それを補って進むことはできる。
 シャルの尾を借りる必要もない。
「行くか」
「はい」
 逃亡の終わりは、すぐそこに迫っているはずだった。
 その終着が、地球を臨む丘なら、それもいいのかもしれない。
 月の裏で生まれた俺には、地球への帰属意識なんて無いし、シャルにだって、そんなものはないのだろうけど。それでも。
 やがて、白い大地と黒い星海だけの世界に、青い星が現れた。
「……」
 随分と久しぶりに、しっかりと地球を見た気がした。
「なんで、こちら側に都市を作らなかったんでしょう」
もし、そうしていたら、いつでもこの美しい星を眺めることができる都市になったのに、と彼女は言った。
 そうかもしれない。もし月の都が、地球側にあったら。
 ワイズマンズ・シーサイドスクエアの空には、青い星が浮かんでいただろう。
「地球人の月への興味は、美的なものに留まっていたんだろう」
「美的、ですか」
「夜空に浮かぶ月が綺麗なままであることは、地球人にとって一番重要だったんだ」
「地球人っていうのは、ロマンチシストなんですか?」
「俺は、現実的だったんだろうと思っている。綺麗な景色に意味を見出すというのは、一見、ロマンに見えるかもしれない。だが、綺麗な海を守ろう、綺麗な川を守ろう、綺麗な町にしましょう……宇宙開拓前時代の地球では、そういったスローガンの下、環境問題に取り組んでいたという。これは、ロマンだと思うか?」
「……いえ」
「対象への美意識を意識させるというのは、最も基本的な環境保護施策だ」
だから、ワイズマンズ・シーサイドスクエアは月の裏にある。
月の表では大規模開発をしない。それが、宇宙開拓時代に入るに先立って連邦が決めたルールだった。地球の総意だったのだ。
実際には、月は巨大だ。仮にワイズマンズ・シーサイドスクエアが表にあったとしても、地球から見れば、ひとかけらの黒い点にも見えないことだろう。しかし、一を許せば、それはいずれ千になり、億にもなるかもしれない。地球人には、地球でそれを証明してきた歴史があった。空き缶一つで直ちには環境が破壊されないからこそ、そこを意識することには意味がある。
「……詳しいですね」
 シャルが俺を見ていた。その表情には見覚えがある。別に、地球生まれというわけでもないくせに、という顔だ。
「生まれがどうとかではない」
「じゃあ、なんです?」
「父の影響だ」
父のする、地球の話が好きだった。
もっと言えば、海の話だ。地球の生命は海から生まれ、やがて生命は陸上を支配し、宙を目指し、ついには月に根差した。そんな、壮大な生命と人類の物語を聞くのが好きだった。
「そういう、気の利いたお話しをするタイプの方だったんですね」とシャルは言った。
「はは」
 彼女にとって、父は気難しい人間に見えたかもしれない。そもそも父は、あまり彼女と顔を合わせないようにしていたみたいだった。
シャルを可愛がっていたのは、母の方だった。
まるで娘が出来たみたいだと喜んでいたのを覚えている。そうして短い期間で、人形のようだったシャルを随分と表情豊かなヒトにしてみせたのだから感心する。そして、そんな母の様子を見ながら、父は深すぎる情を案じていたのだろうか。
父が、彼女は危険な存在だと言い、縁を切れと言ったことを思い出した。そうしないのなら、俺との縁を切るとすら言ってみせた。
 それでも、仲が悪かったというわけではない。良かったはずだ。
「……ただ、意見が合わないだけだ」俺は言った。「昔からそうだ。俺がセクストンになる前、ワイズマンズ・シーサイドスクエアの将来について二人で話していた時もそうだった。でも議論での対立は、決して仲の良し悪しとは関係ないだろう?」
「……それは、希望ですか?」
「そうかもしれない」
 だが的外れとも思わなかった。土壇場で銃を抜いたからだ。
 父は、俺を連邦に突き出すことも、静観することもしなかった。そうすることもできたはずだ。事実、そうすると思っていた。
でも、抵抗を選んだのだ。
議論の上では、俺たちは対立していた。父はシャルのことを危険視していた。俺と同じように、違法な情報収集手段を活用したかもしれない。父からすれば、自分や母を守るのに支障がない限りで、俺を守り、俺を守るのに支障がない範疇ならば、他人に手を貸してもいいとするのは当然の順位付けだ。
意固地になっているのは俺の方なのだろうか、と、ふと思った。
 じゃあ、シャルを見捨てれば良かったのか?
それも甚だ馬鹿らしい話だ。
 最初から確固とした理由があって彼女を助けたわけではない。敢えて言うなら、放り出すことを選ぶのには不快感があったからだ。そこには意外と同情も憐憫もなく、俺の考えの芯には、いつも俺自身がどう思うかが根差している。
 それは、そんなにダメなことなのだろうか。大したワケもなく人助けしてはならないという理由で、見捨てることを選ぶべきだと言うのなら。
これからがあれば、の話だが……俺は、これからも偽善だと言われるような行為をするだろう。コバンザメの狭い筒状のコクピットの中で、そう思った。
「暑くないか?」俺は言った。
「そ……うですね。空調、強くできないんですか?」
「やろうと思えばできるが、それだけバッテリーを食う」
 端的に返すと、沈黙があってから、彼女は小さく言った。
「それは、よくないですね」
 シャルも、終わりを理解しているのだろう。それが近づいていることも、それを早めることをしても、しんどいだけだとも。
空気も燃料も有限だし、コバンザメは故障しており、ワイズマンズ・シーサイドスクエアに残していった父や母や、裏月酒店の皆だって連邦に拘束されただろうし、俺たちが月の表に来ていることも、もう明らかになっているだろう。
 だから、俺たちの時間は、あと僅かしかないだろうと思う。
「次は、どうする?」と俺は聞いていた。
「次……ですか?」
「やりたいことはないのか?」
 しばし、沈黙に包まれた。それから、遠慮がちに声がした。
「最後に……貴方の、ダズンの血が飲みたいです」
「そんなことか」
 思えば、彼女はここまで何度も力の尾を行使していた。
 スーツの首元を開けてやる。
 シャルも、いつも通り、するりとスーツを脱ぐ。狭い機内の中、メインモニタいっぱいに広がる青い星を背景にして、彼女は白い肌を晒していた。
 窮屈そうに腰の辺りまでスーツを下ろして、綺麗な裸体を晒す。
「ダズン」
 唇が近づいてくる。首元にしっとりとした感触が触れた。
そのまま抱き合うようにして、俺たちは密着していた。隔てるものはなく、肢体の柔らかさがダイレクトに伝わってくる。
じくりとした痛みが首に広がった。牙が首元を小さく穿つ感触だ。
それから、こくんと、嚥下する音がコクピットに響いた気がした。
「いっそ、全部飲んだっていいんだ」
 彼女が弾かれたように顔を離した。
 唇の端からつうと血が垂れて、酷く苦しそうな顔で、俺を睨んでいた。
「そんなこと、私は望んでいません」
「……そうだな」
「本当に分かってますか?」彼女が詰め寄ってきた。「私が何を望んでいるか」
「多分、分かっていないんだろう」
 俺が白状すると、彼女はそれほど気を悪くした様子もなく、しかし、あっさりと頷いた。気を悪くした様子もないというのは、希望的観測かもしれないが。
「私が、なんで、こうして脱ぐのかも?」
「分かっていない」
 分かっていないのだ。
以前からずっと、俺はただシャルの裸身を眺めていたわけではない。
予想してきた。そして、自分で、その予想が嘘くさいとも気づいていた。
 普段から一緒にいたら半人半異星種であることを忘れられそうだから、肌を見せているのだなんて、酷い、こじつけだ。
 それと伝える為だけなら、もっと相応しい手段があり、脱ぐ必要はない。
そもそも俺は、常から彼女がそうだと感じているのだ。外見や、力の尾は、その認識に直接的に関係ない。そもそも食べるものが違う。それに付随する、生活様式が異なる。彼女の振る舞いは、やはり純粋な地球人とは異なる。
 然るに、その問題をクリアできずして、彼女は人の輪の中に混ざることができない。
 俺は常にそう思っていて──彼女も理解しているだろう。だから、わざわざ肌を見せる必要などなく、お互いが違うことは、お互いが一番分かっている。
「私は別に、ヒトの輪の中で隣人として生きたいなんて、思ってないんです」彼女は自分に言い聞かせるようだった。それから、俺に伝えるよう、声を大きくした。「ただ、貴方と一緒が良いんです」
彼女はそう言った。
言われながら、俺は今、彼女にとても人間を感じている。
そのことに気付いた。
「……そうか」と、動揺から声が揺れないように努める。
「俺のことが好きだって言いたいのか?」
「そう……なのかもしれませんね」
そのような煮えきらない返事にさえ、生々しさがあり、つまり、血統加速者だとか、半分は宇宙人なのだとか、問題はそういうことではないのだった。
そういう思想に傾倒して、彼女の感情から逃げていたのは俺自身だ。
目の前にいる女性が、ずっと俺の情欲を引き出そうとしていたのだと気付いた。
今になって。
「ダズンは、どう思ってますか? 私のこと」
 どうだろう。
俺は、ついに戸惑いを隠そうとも思えず、逡巡していた。
 口を半端に開いて言葉を見失った俺を、シャルは真っ直ぐに見つめてくる。彼女は意外にも微笑を浮かべており、その身は青い地球を背負っていた。
指先に、何かが触れる。彼女の手だ。指先が絡み合い、その美しすぎる貌は間近に迫って来た。
「……どう、なんですか?」
彼女の掠れるような声が脳に染み、痺れるような錯覚を覚えた。
そうだな。
結局のところ、俺は彼女に情を持っていると思う。だが、それが友情なのか、愛情なのか、あるいは色情なのかというところを断ずるには、至れなかった。
単純な話ではなく、それは、渦巻いている。
混ざり合った青なのだ。
だが、あえて遠くからそれを眺めるとするならば。
絡み合った指先に力を入れると、彼女はそっと瞼を閉じていた。
テラヒューマニティ・星海殉葬(了)
2024.1.16 - 3.31 first draft(35k) 2024.4.8 update
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shukiiflog · 3 months
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イキヤ真澄樹しみれーと25
「いま実家で姉ちゃんと関係修復しつつあるからねーこのままがいいかな」
「笑ったから …笑い事じゃねえかもしれなくて」まだうつひこは知らないから今は怒られねえだろうけど 「生育歴 医師にはさんざ突っ込まれた」
「おとなになったら おれも あれを譲ってもらって …着るんだって それがさいしょの 俺の夢 だった 」
sz — 昨日 19:30 どっちも、なにをどれくらい医者に話すんだ( ・∇・) イキヤ「眠れないから来ました(O O)眠れるようになりたいです」 横着やる精神科なら、眠剤出してさっさと終わらせる
4949cry — 昨日 19:33 生活習慣とか悩み訊かれて眠剤出されて終わりそうw
sz — 昨日 19:34 イキヤは聞きたいこと?はたくさんあるんだけど、精神科に聞くもんなのか…??って思ってあんまり話さなそうだな〜 真澄はちゃんといろいろ話すんだぞ…(O O)
4949cry — 昨日 19:38 真澄はちゃんと「同じ夢を見てそのたびに目が覚めているようで、同居人に心配をかけていて…」ってとこから話すぞ
sz — 昨日 19:38 おおおえらい!!!! イキヤでは施せないプロの治療をますみんしっかり受けてくれ…! 診察終わったら真澄を待ってる…
4949cry — 昨日 19:45 けっこう長くかかった…し、わりとしっかり自分のことを振り返らされて態度には出さないようにしているが憔悴しているますみん… 気持ち目線が落ちている…
sz — 昨日 19:46 真澄が出てきたらイキヤがわしゃわしゃ真澄の頭撫でる… 「おつかれ(O O)」 ガチで疲れてんな
4949cry — 昨日 19:49 「ただいま」イキヤくんとこに帰ってきたらただいまを言えるようになっている 頭撫でられとく…むしろ差し��しとく…
sz — 昨日 19:50 いいこ… 「(O O)話さなきゃいけないこと、ちゃんと話せたか?」
4949cry — 昨日 19:53 「…おそらくは」むく…頭あげた「生育歴から訊かれた。長かった…」
sz — 昨日 19:55 「俺もそれ聞きたい」真澄が回復してからでも
4949cry — 昨日 19:56 「生育歴?」きょと
sz — 昨日 19:57 「うん。医者が知ってるのに俺だけ知らねえのは …ズルい(O O)」
4949cry — 昨日 19:59 「…うつひこに話す方が緊張するな」ふふ… …ふ 「…ごめん」
sz — 昨日 20:00 「(O O)なんで謝る」
4949cry — 昨日 20:03 「笑ったから …笑い事じゃねえかもしれなくて」まだうつひこは知らないから今は怒られねえだろうけど 「生育歴 医師にはさんざ突っ込まれた」
sz — 昨日 20:05 「(O O)俺もつっこむかも。医者とはポイントずれてっかもしれねえけど…」
4949cry — 昨日 20:09 「…」僕ばっかり槍玉にあげられてるな…うつひこも人のこと言えなそうなのに…
sz — 昨日 20:10 (O O)… 真澄の頭をなでなでする… 「ちゃんと話せてえらいな。俺は何話せばいいのかよく分かんなかった」
4949cry — 昨日 20:16 「…うつひこの方が治療に時間掛かると思う」なでられ… 回復してゆくますみん ふわん
sz — 昨日 20:19 「俺? 大袈裟な治療要るのか? 真澄より眠れてるし悪夢も見ない」 「俺一人だったら多分眠れてねえのも別に困ってなかっただろうし … (O O)」何も俺は 一人だったら困ってることは なかったな
4949cry — 昨日 20:27 「ほらな。自覚からねーんだから僕より重症だ」ふん
sz — 昨日 20:31 ムゥ… 「真澄は今日からもう眠れるようんなるのか?(O O)?」
4949cry — 昨日 20:33 「…眠剤を処方された しばらくは薬で眠るしかないらしい」
sz — 昨日 20:34 「これまで飲んでた眠剤よりしんどくねえ眠剤?」
4949cry — 昨日 20:35 「飲んでみねえことにはな」わからん 「うつひこは?」
sz — 昨日 20:39 「俺も眠剤出された。けど俺は多分しんどくねえと思う。知ってる、飲んだことある名前の眠剤だった。前に飲んだときはそれでしんどくなく眠れた 母さん見てなきゃだからそんときはすぐ飲むのやめたけど …俺、眠剤で眠ってるときにも 気づけるかな 」樹さんに何かあったら
4949cry — 昨日 20:52 「… 樹も 一緒に住めたらいいのかな」
sz — 昨日 20:55 「…部屋… 俺の部屋譲る…?」樹さんに 「俺はコンクリ床でも寝れる」
4949cry — 昨日 20:58 「僕もコンクリでもいいぜ。一緒に寝るか?」
sz — 昨日 21:01 「お前はちゃんとしたベッドで寝ろ…(O O) …俺らが同室になりゃいいのか。ふうふ、ひとつのベッドで寝ることもある?らしい?し」
4949cry — 昨日 21:07 「…うん」 今度は真澄がイキヤくんの頭なでる…「うつひこをコンクリで寝かせたくねえな」
sz — 昨日 21:11 「……(O O)…ぁ り がとう… 」 大事にしてもらえてることをちゃんと感じとったイキヤ コンクリ床で寝てたら何かあってもすぐに跳ね起きて反応できてよかった けど そういうことじゃねえんだよな …
sz — 昨日 21:33 「… …樹さんと セックスするなら そん時は先に教えろ …俺はそのあいだどっか出かけとく 」
4949cry — 昨日 21:35 「…樹とは…しないように、って話し合ったんだ 言ってなかったんだっけな」
sz — 昨日 21:36 トキさんはイキヤ真澄をいつでも見物しているよ… 困ったときに動かせるで 「…(O O)樹さんは…それでいいのか」
4949cry — 昨日 21:38 「…樹も眠れないんだろうな」
sz — 昨日 21:39 「(O O)…三人で病院通いしたほうがいいのか…」
4949cry — 昨日 23:12 樹さん来てくれなさそう…( ・∇・)
sz — 昨日 23:12 Σ
4949cry — 昨日 23:14 「いま実家で姉ちゃんと関係修復しつつあるからねーこのままがいいかな」 樹さんは樹さんでいい方向へむかっているのか…?( ・∇・)
sz — 昨日 23:15 (゚ロ゚*)おおおおー!!!! 綾瀬家…!!!
4949cry — 昨日 23:16 イキヤ真澄が一番大変なとこカバーしきったのかな…?
sz — 昨日 23:16 うおおぉ…イキヤすこしは役に立ったぞおまえ…
4949cry — 昨日 23:17 湊さんも接触しないしさねつぐさんはあっちから関わってはこないから、稔さんのドラッグパーティさえかわしきれば樹さんも快方へ向かう��かも
sz — 昨日 23:17 本家ではボロボロみんな死んでいったところ…
4949cry — 昨日 23:17 イキヤくんもしんどそうだった…おつかれうみ…
sz — 昨日 23:18 イキヤはしんどいの慣れっこですからな そのへんを治療しろ病院でえええ(°°)
4949cry — 昨日 23:18 うむ 真澄は自分よりイキヤくんが心配でならないがとりあえず自分の治療を進めよう…って感じだな
sz — 昨日 23:20 イキヤの治療が本当に本格的に始まって、イキヤも真剣に応えようとし出したら、一日目でイキヤダウンしそうだな 泣き腫らした顔で涙で脱水ぎみのぐったりした様子で診察室から出てくる… 「まだ来なきゃいけないのか」
4949cry — 昨日 23:24 「うつひこ」さっと近付いて肩抱く…
sz — 昨日 23:25 「やめないでつづけたらくすりがなくてもねむれるように なるのか…」 よろけて真澄の身体にべしゃって体重かかる… その場にへたり込みそうな弱り具合 「生皮剥がされつづけるみたいで くるしい …
4949cry — 昨日 23:29 「…何をしたのか訊いていいか」
sz — 昨日 23:30 「ちょっと話しただけだ… 生育歴…? 終わんなかった …途中でやめになった …あんなことわざわざ話してどうなんだよ…」
sz 「イキヤくんのこれまでの人生 惨めで憐れで悲惨なものに …あなたがするんだ ふ ふふ っ…」
sz — 昨日 23:38 全般的にこれが行われているかんじな
4949cry — 昨日 23:39 「…わざわざ話すのがくるしいのか?」 それとも …「くるしいことを話すのを わざわざ、って思ってる?」
sz — 昨日 23:41 「…どっち…も… 」 「俺から話したいことなんて特にねえけど 質問されたり訊かれたら、わりといろいろ覚えてた
4949cry — 昨日 23:46 真澄はカガリくんに言われたこと意識してないからなあ
sz — 昨日 23:47 わざわざ話してたらくだらねえこともしんどくなってきた …また来なきゃいけないのか?」 今日だけじゃおわんなかったから…? 「…真澄も頑張ってこれやりきったんなら …… 」 俺も やらなきゃ…?
4949cry — 昨日 23:52 真澄まだやりきってはなさそうだがw 「…くだらないことって?」 ぎゅ…肩支えて顔見つめる…
sz — 昨日 23:55 「あいつ …父親、のことを、さいしょは おとうさん、って 呼んでた、 …のを、 話してるうちに 思い出したり あいつが着てる 魔法の絨毯みたいなやつ …ただのボロキレだと思ってたのに さいしょは チビの俺の横をあいつが歩くと 俺の顔の横を あの裾が靡いて それをずっと ヒーローみたいで かっこよくて …好きだと あんなふうになりたいとか おもってたんだ 話してったら どんどん思い出した たすけてほしかったときに おとうさんって呼んで だめだった 届かなか… 通じ なかった…?から、 …こわくて にどと そう呼べなく なったとか …忘れてたのに どう呼ぶかとか べつになんだっていいだろ…くだらねえ でもそのへん話してて なんでかしんどく?なって涙出てきて しゃべれなくなったから 続きは今度って 」
4949cry — 今日 00:06 「…」イキヤくんの手握ってすたすたますみん どっかそのへんの死角とか入ったらぎゅうう…ってイキヤくん抱きしめる… 「…かわいぃ…」ちっちゃいうつひこ… 「…好き …」
sz — 今日 00:09 「(O O。)かわいいポイントどっこもねえだろ…」 ぎゅうう…抱きしめ返す…真澄に抱きつく… ふっ… うっ… 、てまた涙出てくる… 真澄に抱きしめられて安心泣き… 「おとなになったら おれも あれを譲ってもらって …着るんだって それがさいしょの 俺の夢 だった 」
4949cry — 今日 00:15 「…」絵本の中の子供みたいだ そんなかわいいこが実在したのかよ「かわいいよ」愛しい… 「…苦しくもなるってもんだ」
sz — 今日 00:18 「なかなか帰って こないのも ヒーローだからしかたないって …おれはずっと …待ってた 家で そのあいだ おれはナナをまもるって …バカじゃねえの バカなガキ… 」 真澄の身体に顔押し付けて静かに泣いてる…
4949cry — 今日 00:23 「バカなのはかわいい子をほったらかす大人の方だろ …」 夢見がちな子供が現実を知って成長するのは 通常起こることだ …けど ひとりで …「…。うつひこを 一人にしたくないな…」 ぎゅぅ… 「…お人形になって一人遊び …させなくてよかったな 病院…来ることにしてよかった」イキヤくんの肩に顔埋めながら
sz — 今日 00:27 真澄の頭に顔寄せる… 「…こんなことで いちいち泣いてちゃ、キリねえよ… 真澄はこれが いい…?と、思うのか…??」 なんの 意味が… 「わざわざ忘れてたことも思い出して 話して 話してたら今の俺と折り合いつかなくて、しんどい これって… なんか意味あんのか…??」
4949cry — 今日 00:32 「…うつひこのことが好きでたまらなくなる…」
sz — 今日 00:32 !? 「……なら …やる。」 ぐす。 ぎゅー…
4949cry — 今日 00:38 「…やらなくても好きだけどね」くす 「子供のうつひこを想像したら…かわいくて…僕も苦しい…」
sz — 今日 00:39 「…真澄のちびの頃の話も教えろよ」 この日の夜にまた真澄の部屋の窓にトキさん(バカな大人)来ねーかなー(・∀・)
4949cry — 今日 00:43 ぬああ?!
sz — 今日 00:43 真澄と話していけ…(・∀・) いふわん香澄との秘密の夜の逢瀬、ますみんバージョン?
4949cry — 今日 00:44 たぶん真澄この夜は泣いてるぞ…
sz — 今日 00:44 えええ;; なぜ泣く…
4949cry — 今日 00:49 病院でイキヤくんだきしめてるあいだ堪えてた分とか…色々…
sz — 今日 00:50 イキヤが心配して真澄のそばにピタッとついてるのでは… いっしょにねるぞ…
4949cry — 今日 00:53 なんと
sz — 今日 00:54 真澄の頭だいじに胸に抱えて寝る…
4949cry — 今日 01:07 そこにトキさんが…?
sz — 今日 01:08 カオス!!!(º ロ º ) イキヤのほうが内心フリーズするかもしれん…? トキさんに対する子供の頃の印象と今の自分の気持ちとが…ごちゃっとして? しかし大事に抱えて眠るだけでは何も起きはしないかもなので、トキさんを投下してもよいな…?
4949cry — 今日 01:19 イキヤくんがいたら真澄は泣かないかもだ 真澄がイキヤくんをだいじに抱っこしてそうで
sz — 今日 01:21 どっちもだっこするのを譲らない…( ・∇・)
4949cry — 今日 01:23 まぁでもイキヤくんが真澄の何かを察知して部屋に来た場合、真澄は泣いてた可能性高いから真澄が抱っこされるかあさすがに…
sz — 今日 01:24 そうなってくれ…!! イキヤは真澄に支えてもらいすぎやぞ おまえも真澄の支えになれイキヤ
4949cry — 今日 01:25 なってるwww
sz — 今日 01:25 (O O)真澄のほうがしっかりどっしり頼れるとこは変わらずじゃないかぁ…
4949cry — 今日 01:26 気持ち的に眠剤飲めずにぼんやり横になってベッドでうずくまり、日中のことや今までのこと踏まえて色々考えて、涙出てくるますみん…
sz — 今日 01:26 イキヤはいろんな知識乏しいし…あてにならぬ
4949cry — 今日 01:27 こにルート初、泣きらしい泣きをしているますみん ぽろ、って涙だけ溢れるみたいなんじゃなく 表情も悲しげで苦しげで
sz — 今日 01:27 察知したイキヤ、真澄の部屋のドアを優しくこんこん…てノックする…
4949cry — 今日 01:27 息も熱くて浅くて ! 「… はい」
sz — 今日 01:28 「入るよ」 静かに部屋に入ってきて真澄のベッドにはいる… 隣に寝転んで真澄をぎゅう…て抱き締める… 「…いっしょに寝よ」 「真澄がちゃんと泣いてたら …安心する」…
4949cry — 今日 01:31 「…」ノックされた時に急いでシーツで涙拭ったが、目元や���の頭赤いますみん 自分では見えないが 「…ん」ぎゅ… 抱きしめてくれたイキヤくんの服の袖とかつかむ…
sz — 今日 01:33 ぎゅぅー… イキヤ、穏やかに優しく微笑んでいる… 真澄の額にキスして「…もっと泣いて」ってねだる…
4949cry — 今日 01:39 「…いいの」 僕が …泣いてても いいの? 「今何も 痛いことも苦しいことも悲しいこともねえのにな …」今こうしてるために 過去が全部 必要だったはずなのに …僕が何不自由なく生活してた子供の頃に うつひこのここに …消えない傷を残された かわいくねえガキならいいってことじゃないだろうに …あんまり可愛いから余計に惨いことにも見える そんなことで泣いてどうすんだ どうしようもねえことなのに
sz — 今日 01:46 「ーー…」真澄の顔しっかり見つめて、優しく微笑む… 「…泣いて」
4949cry — 今日 01:46 …っ 「っ、… ふ 、」…見つめたまま見開いた目から ぼろぼろっ…て涙流れ出した 「 …ぅ つひこ、…」目閉じる…眉間に皺よって眉下がって 涙流れ続けている
sz — 今日 01:49 イキヤ穏やかに微笑む… 「…真澄が好き」
4949cry — 今日 01:49 しっかり見つめられた時 うつひこ美人だな て考えてたけどなw 口元をイキヤくんの服に押し付けてきゅ…て掴んでいる
sz — 今日 01:51 真澄の後頭部を手のひらで包むみたいにして優しく撫でる… 抱き締める… 背中さする… 愛してる 真澄……
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myonbl · 3 months
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2024年3月15日(金)
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私の職場(私立女子大学)では今日が学位授与式(卒業式)、午後1時から約1時間、保護者同席の上で無事終了した。この学年はコロナの年の入学生、入学式は入学生と教職員のみ、親御さんはキャンパス内に入ることは出来なかった。他大学に比べて小規模校のメリットを活かしていち早く対面授業を取り入れたことで、授業も実習もさほど大きな困難は無かったと思う。昨年度から保護者の同席も可能となり、旅立ちの場を多くの方が祝福してくださった。みなさん、卒業おめでとう、正直な人生を歩まれることを期待します。
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5時45分起床。
6時洗濯、今日はシーツがあるので2回。
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朝食はいつもの蕎麦定食。
可燃ゴミ、30L*2。
ごぼう茶煮る。
3男のランチ用に��炊作る。
今日は学位授与式、久しぶりに電車で出勤する。
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このところランチ抜きの生活を続けてきたが今日は別、北千里の<サイゼリヤ>に初めて入り、100円のグラスワインと見合った食事には十分に満足した。
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10分前に会場の佐藤記念講堂に入ると久しぶりにsampe兄を発見、あれこれ情報交換。
13時スタート、学位記授与・学生表彰・学長式辞・理事長祝辞・誓いの言葉、無事に終了。
すぐに自室に戻ってあれこれ片付け、帰路に向かう。
阪急桂駅から京阪京都交通バスに乗り、京都駅へと向かう。
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現在ポルタ(京都駅地下街)春のスタンプラリー開催中、先週は<無印良品>の買物でスタンプをゲットしているので、今日は<KALDI>で珈琲、<くまざわ書店>で本を1冊購入、これでWESTERポイント300ポイントゲットしたのだ。
帰宅して、ツレアイと一緒に夕飯準備。
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手羽中の塩焼き、ジャンボ焼売、野菜あれこれ。3男も普通に食事を取れるまでに回復した。
録画番組視聴、刑事コロンボ。
第57話「犯罪警報」/ Caution : Murder Can be Hazardous to Your Healthシーズン 1, エピソード 57 未解決事件をドラマ化し、全米の視聴者から犯人の情報を得る人気番組「犯罪警報」。そのホストを務めるアンダースは、彼に恨みを持つニュースキャスターのクラークから脅迫を受ける。アンダースはクラークに弱みを握られていた。
片付け、入浴、体重は500g増、お昼をしっかり食べたからね。
パジャマに着替えて日誌書く。
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電車通勤であれば、最低このくらいはいくのだ。
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nanami-fuji · 4 months
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1月のまとめ
この国の人々には「正月休み」という概念がインストールされていないので、私の日常もそれに則って、しっかりと1月2日から語学学校が始まり、あっさりと2024年の幕が開けた。
今年からビザの関係で、働ける時間が増えるので、それに伴ってバイトの契約形態を変えた。契約の更新をするためには、今まで契約していた私立保険を解約し、ドイツの公的保険に加入しなければならず、収入からは年金も引かれることにもなる。
キラキラして見える(のかもしれない)「海外生活」には、「外国人である自分」が「その国に滞在する正当な理由」を示し続ける必要があり、そのために実際はこうした煩雑な手続きと情報収集が必要で、その度に疲弊するものである。
自分の保険を見直すにあたって、御年14歳になる愛猫の保険についても調べてみた。ドイツはペットも保険に入る文化が、日本よりも浸透している。月15ユーロくらい払えば、いざという時のさまざまな医療費をカバーできる保険会社がたくさんあったが、どこも14歳からだと加入できないものばかりだった。
「60歳からでも、入れる保険があったんですね〜!」という、いつ聞いたのかも思い出せない割にはしっかりと耳に染み付いている保険のCMが脳内で再生された。 大人になるってこういうことか。こんなのちっともロマンチックじゃない。大人になるっていうのは、マリアンヌ・フェイスフルとミック・ジャガーが結婚しなかったことをいちいち残念がったりしないとか、シドとナンシーの心中未遂にうっとりしなくなるとか、その程度の話で十分なのに。
1月も後半に入ると、日照時間が、わずかではあるが、徐々に、長くなってゆき、快晴と呼べる天気の日も増えた。「どんより」という言葉がぴったりな(ドイツ語の「暗い:ドゥンケル」よりもぴったりな響きだと思う)曇天の連続の日々を思いだすに、やっぱりこの世で一番やばい存在なのは太陽なんだと嫌でも思い知らされる。
日が出ているだけで、空が青いだけで、それだけでオールオッケー、とりあえずハッピ〜という気分になれてしまうのだ。
思い返せば、11月は、日々短くなる日照時間、連日の曇天、という意味でも本当にきつかった。11月をいかに乗り越えるかが、ベルリンの冬をサバイブする一つのポイントかもしれない(12月も天気がいい日はほぼないが、町全体がクリスマスムードに飾られるので、そこで若干天気の問題はカバーされる)。
1月は増えたシフト通り出勤をして、引き続き毎日語学学校にも通い、ポートフォリオをブラッシュアップし、2校分の大学応募作業と、応募に際して課される課題の作品作りをし、第一志望の大学の教授に、再び面談の相談メールを送った。
ひたすら自分のためだけに頑張るという、贅沢で、そして同時にある意味、無味乾燥な日々の楽しみは、ついに解禁してしまったkindleでの読書である。
紙の本を何よりも信頼し、日本にいたときは部屋の荷物の6割は本だった私は、大量のそれらとのお別れと、欲しい本を簡単には増やしにくい今の環境のせいにして、「一応」日本から持ってきていたその読書専用ダブレットに、ついに数年ぶりに電源を入れ、読みたい本を検索し漁り、ポイポイ購入してダウンロードしまくってしまった。
アデュー、私の、自分の読みたい本だけが詰まった本棚。そしてこんにちは読書板。その前に立って、並ぶ背表紙を眺めているだけでうずうずするような体験はしばらくできないし、電波も液晶も本当に大事なことは何も解決できないことは嫌というほど知っているけど、とりあえず今はお前を相棒として迎え入れることにするよ。
ここ最近読んだのは、金原ひとみの「パリの砂漠、東京の蜃気楼」で、夢中で読んで、一瞬で読み終わってしまった。
怒り(それはヒステリーでも嘆きでもない)、彷徨い(彼女は6年パリに住み、その後東京へ戻った)、孤独な(彼女には夫も2人の娘もいる)女がパリと東京で綴る文章が、ベルリンでへとへとになって生きている私の夜を癒す。
1月、もうひとつ良かったのは、以前より冬の装いが上手になったこと。冬服よりも圧倒的に夏服が似合う私にとって、冬は何を着てもイマイチピンと来ない退屈な季節だったが、こちらではゴツい厚底スニーカーも、いろんなデザインのレッグウォーマーも簡単に手に入るので、
平成初期のギャルの如く、ミニ丈のボトムに、タイツとだるだるのレッグウォーマーと厚底シューズを合わせたりしている。イチオシは、ダウン素材の白いレッグウォーマーで、前から持っていたミニ丈の白いダウンジャケットと合わせたら、セットアップのようにバッチリ決まった🪽
建物は二重窓でどこも室内はとても暖かく、乾燥した空気のおかげで日本よりも寒さを感じづらいのも良い。
それでも月末に、針を飲むような強烈な喉の痛みと高熱で2日ほど体調を崩し、今もその喉の痛みを引きずっているが、
薬局で喉の炎症を抑える薬を処方してもらうまでのやり取りを全てドイツ語でできるくらいにはなっている自分に少し安心しながら1月を終える。
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supersoniclevel · 5 months
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真3プレイ記 先生エンド編
大晦日にクリアしましたぞ。 相変わらず2周目のデータから全てを回収しようとしているためアイコンは全然集まってませんが、4つめのエンディングになります! 内容:エンディングまで
先生のフラグが建っていれば、東京議事堂でのイベントや、ヤヒロノヒモロギを奉納するあたりで何か変化があるのかな……?と思っていたので、何にもなく、カグツチ塔の入り口でも「お前の心の内や見えず……」と曖昧な感想しか言われないので、「本当に先生エンドに分岐しているのか???」と不安すぎるまま塔をのぼりました。 しかも1回アーリマンに負けた。 前妻、普通に火力が高えのよ。 ※初見シジマエンドだったので、氷川のことを前妻と呼んでいます ちなみに今回、ファンアートを拝見してからずっと気になっていたマグマ・アクシスを初めて習得して、それをメイン火力にして攻略しました! 思ったよりだいぶ近距離でぶっぱなすので、慣れるまでだいぶ面白くて笑ってたんですが、それはそれとして青白く光る人修羅くんの体が美しい……。 あと、すごく強い。 魔法攻撃扱いなのでギリメカラやランダにも気にせず撃てるのが楽ちんだし、たぶんクリティカルした死亡遊戯の方が強いと思うんだけど、毎ターン安定して高ダメたたき出せるというのが自分的にはときめきポイントが高かったです。
道中のイベントは特に変化は無いので、諸々飛ばしていきなりカグツチとの謁見です。
カグツチ「おまえが心に望みたるは……未来の定まらぬ……自由なる国……」
あ、ちゃんと先生ENDに分岐してるっぽ~~い!! ホッ!!!!!! まじでここへきてようやく安心しました。いやべつに、BADエンドでもいいんですけど。まだ見てないから。 カグツチはいかにもニュートラルでどんな��トワリも受け入れますよみたいな雰囲気を出してるけど、全然秩序勢なので、基本的に大いなる意思の代弁者でしかないし、人間が自由を手にすることには反対なんですよね。 「我が力を与えるは、コトワリ定かなる完全なる創世のみぞ」と言われると、たしかに「マガツヒを集めてコトワリを啓き、守護を呼び、創世する」というレギュレーション違反をしていることはそれはそうなので、何も反論することはないのですが……
「自由とは災いの種。それがもたらすは滅びのみ」 「我は許さぬ! 滅びのための世界など!」 「おまえは自由に溺れた! あの天使が堕ちた時のように!」 「消えよ、悪魔! 我が怒りの光にて、その存在を終えよ!」
めっちゃ思想強めに怒るじゃん……。
テンションが完全に真2のラスボス。 というか、これはアマラENDのときも思ったのですが、そもそも3つのコトワリのどれにも属さない人修羅くんを塔の中に入れたの、カグツチじゃん?? コトワリ無し人(ことわりなしんちゅ)に最上階まで来られたら困るんだったら、最初の時点でちゃんと中に入れる者を選定しなよ。 なにあの「恐れ無くばタカラの珠を集めて我が元へと来るがよい」ってやつ。録音メッセージ?? アマラエンドの人修羅くんは、この時点でもう完全なる悪魔となっているので、カグツチの怒りも右から左って感じだといいなと思うのですが、先生エンドの人修羅くんの心って、おそらく限りなく人間寄りなのかなと思うので、「自由」を強く否定されて、どういう気持ちになるんだろう、とちょっと考えます。
カグツチ「愚かな……。おまえはまた、新たな苦しみの国を生み出すのだ……」
最期までちくちく言葉で責められる。 カグツチの求める結末とは異なる結果となりましたが、その力は解放され、いつもどおりボルテクス界は光に包まれて消えていきます……。
・・・・・・・。
勇「……おい、聞いているのか?」
ハッ!!? 夢!?
革ジャン姿の主人公くんに呼びかけるのは、ゲームスタート時とおなじ、ひょうきんな物言いの勇くん。 どうやら、まるで何事も起こらなかったかのように……元の世界にいるようです。 勇くんに起こされて今起床したのかと思ったけど、靴履いてベッドに座ってるところとか、勇くんの「そろそろ行こうぜ」って言い方からすると、これから出掛けるところで、二人は出発までだべってた(その途中で主人公くんがボーッとしていたところへ声をかけられた)という感じっぽいですね。 先生のお見舞いに行く時間軸へ戻っているようす。
ていうか、主人公くんの自室が本邦初公開ですよ! え~~!! 狭!!!!! めっちゃ狭くない? DKの部屋ってこんなもの?? 主人公くんがパソコン持ってるの、意外すぎる。え、結構コンピュータ系得意なのかな? 本棚に漫画っぽい本がぎっしり詰まってるのがかわいいです。本棚の上にシューズボックス?が置いてあるのも、なんか、ぽい。 窓際にコンポ置いてあるけど、その窓、結露しないんだろうか。心配。あとカーテン閉める時はコンポの前に掛けるの? 後ろに掛けるの? ていうか、音楽聴くんですね。どんな音楽が好きなのかなぁ。ここ、すごく気になるポイントが多い。
……話が逸れました。エンディングですね。 勇くんを追って主人公くんも部屋を後にし……誰もいなくなった部屋でパソコンが受信したメールの送り主は、先生。 先生は「私の迷いでみんなを困らせてしまった」と言います。 まあ、たしかに、ある側面を見ればそうとも言えるかもしれないけれど。 でも迷いを抱いていた先生は、ボルテクス界を見て、そして氷川や教え子たちの創ろうとする世界を見て……それでようやく、自分の求める「自由」や「可能性」が、元の世界にたくさんあったんだってことに、気がついたんだ。 東京は元通りになって、ボルテクス界で命を落とした人たちも生きていて、東京受胎は起こらなかったことになった。 でもそれは荒廃したボルテクス界がいやだからとか、3人の掲げるコトワリにどれも共感できないからとか、ただただ元の平和な世界に戻りたいから……じゃなくって。 人々の醜い欲望に苛まれることもあるし、弱い者に足を引っ張られることもあるし、他者との関わりによって煩わしい思いをすることもある、退屈で、閉塞的にも思える「今の現実の世界」が……でも実は、どんな人でも何かを成せる自由や可能性を秘めている、これはこれですばらしいものなんだよってことに、先生が、あるいはプレイヤーもまた気付いて、「元の世界って、結構いいじゃん」って思えるようになったからこそ、「元の世界」が生まれたってことなんだと思う。 ゲームの中ではなく、今この現実にも、今の世界を漠然と嫌いな人って、たぶんたくさんいる。そういううちの一人であった先生が、今の世界をちょっと好きになる物語だったのかなって、そう思いました。先生ルートの真・女神転生3は。
……ぶっちゃけ、先生エンドを迎えたら元の世界に戻るというオチ自体は、さすがに、事前にネタバレ踏んじゃってました。てへぺろ。 物語の中で起こったしんどいことを全部無かったことにして、白紙に戻しましたよ良かったね、めでたしめでたし!っていうのは、わたし個人としてはあまり好きではないので(散々カオスくんや千晶ちゃんに「過去を無かったことにするな」という発言を繰り返していますが、それに通じる「つらいこと苦しいことを含めての積み重ねがあってこその今でしょう」という思想であります……)、先生エンドは、わたしにとって納得できる結末になるのかな?と、ずっと不安にも思っていたのですが…… ただ都合良く平和な状態にしたのではなく、「先生が前を向くための物語」だった、彼女は、主人公は、何かを得てここに戻ってきたんだと思えたので、とても納得感のあるエンディングとなりました。
ボルテクス界ではムスビのコトワリに目覚め、一人きりの世界を望んだ勇くんが、主人公くんや千晶ちゃんと普通に友達関係をもっていることから、先生と主人公以外は、ボルテクス界でのことは全く覚えていないのだと受け取りましたが……どうなのかな? 千晶ちゃんや勇くんは、受胎が起こる前からこの世界に不満を抱えていたとか、ヨスガやムスビの世界を求めていたってわけじゃなかったと思うので(ヨスガもムスビも、もともと彼らの潜在意識の中に存在している価値観ではあるけれど、あくまでもボルテクス界での経験を通してこそ芽を出したものだと解釈しています)、二人が元の世界で、元のように暮らしていくことは別に問題ないのかな、と思うのですが…… 氷川だけは受胎に巻き込まれたのではなく、もっと前からこの世界を厭うていて、明確に求める世界があったので……それを成せずに、嫌いなこの世界でそのまま生きていかなくちゃいけないのは、あまりにもしんどい、可哀想だと感じてました。 でも、結局はシジマエンド以外ではシジマの世界はできないわけなので、要は一緒か……。 それに、代々木公園が立ち入り禁止になっておらず、氷川も逮捕とかではなく騒動について会見しているところをみると、公園での暴動自体は起こったけど、氷川はそこで悪魔を召喚しなかったし、誰も殺さなかった。おそらく悪魔召喚の力や、アマラの転輪鼓を手に入れていない、東京受胎や創世という概念自体が存在してない氷川なのでしょう。 それなら、「今の世界が続いていくことは当たり前」として、しんどい気持ち自体は抱えながらも、折り合いを付けながら、あるいは少しでも自分の望みに近い状態になるように苦心しながら、生きていくのかな。とも思えました。 だって氷川は、マントラ軍の妨害を受けても、ナイトメアシステムを止められても、巫女を失っても、ふたたびマガツヒを集めて、ちゃんとアーリマンを召喚したんだもん。今の世界でだって、そういう風に、きっと強く生きていけるよね。 できることなら、この世界にいる氷川のナマの姿も、見てみたかったです。
あとごめんなさい、ヒジリについてもちょっとだけ。 代々木公園で事件が起こらなかったために公園にはおらず、主人公くんもまたきちんと公園で友達二人と合流することができているので……ヒジリは「公園で主人公と出会う」という予定された運命から外れていることが分かります。 (ゲームの冒頭で、千晶ちゃんと勇くんが無連絡で先に病院へ向かってしまったの、ひどいじゃん何でだよと思ってたけど、あれはおそらく、「ヒジリが主人公と出会うため」の運命操作によるものだったのだと思っています) つまりこのヒジリは、罪業から、使命から、解放されている可能性が……ある。 最後のルシファーのモノローグからすると、主人公くんはこの世界でも、「人修羅」の力を多分まだ、もっている。つまり、ルシファーに目をつけられた事実は変わらず、秩序と混沌の戦争にも少なからず関わりのある存在ということ��� それならヒジリが、このまま一生、主人公といっさい関わることなく生きて、その人生を終えるとしたら……そのとき本当に、使命から外れて、「自由」で「可能性」をもった存在になれたといえるのかな? 深界でお姉さんが言っていた、普通の魂とおなじように、新たに生まれ変わることができるのかな……。 ヒジリの幸せのために人修羅くんの存在が不要、というか無い方がいいのだとしたら、それはとても、とても、寂しいことだけど……でも、人修羅くんの創世によってヒジリが自由になれたのだとしたら……それも、いいのかもしれない。そう、思いました。 人修羅くんも、そう思うのかもしれませんね。本屋で「妖」を見つけてヒジリのことを思うけど、それを手に取りすらもせず、そのまま立ち去る、みたいな。勇くんの誘いを蹴ってこのエンドにきた主人公くんは、ヒジリのことを、友人のようにも思っていたのだろうから。
ボルテクス界で、人修羅くんはいろんな人間の、いろんな面を見て、いろんなことを言われて……たくさん思うことがきっとあったと思う。だけどそういう色々を経験したはずの主人公くんが、さいごに、公園で千晶ちゃんと勇くんのもとへ駆け寄っていく姿を見て…… ああ、結局のところ彼にとっては二人は大事な友達で、主人公くんにとってはきっと、こうして元の関係に戻れたことが、よかったんだ……。 そう思ったら、せつないような、あたたかいような気持ちになって、きゅんとしてしまいました。
この世界はカグツチの言うとおり、苦しみに溢れていて、滅びのきっかけをいくつも孕んでいると思う。 それでも、いろんな人がいて、いろんな自由やいろんな可能性があるからこそ、苦しみと同じだけの幸せもまた存在する。そんな気がします。 この世界で生きる主人公くんたちのひとりひとりの未来に、どうか、少しでも多くの幸せがありますように。それが、現実で生きる画面の前の我々にとっても、きっと救いとなると思うから。 おしまい。
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