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#パニック障害で乗り物苦手
okumaseitai · 2 years
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・ 嬉しいご感想をいただきました。 パニック発作でなかなか遠出ができず、実家にも帰省できなかった方が、なんと今年、帰省できたそうです。 本当に 嬉しいご報告ありがとうございました! 励みになります。 今後とも お役に立ますように 日々精進いたします。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 【ご感想】 こんにちは! 報告が遅くなりましたが、8月の半ばに長距離の高速道路、数え���れないトンネルを通り、3年ぶりに〇〇〇〇にある実家に行くことができました。 私の大きな目標を達成できて本当に嬉しかったです。 大きな発作は出なかったですが、緊張の連続で完全にはリラックスできていなかったので、帰宅後しばらく、身体が鉛のように重くしんどかったです。でもまた行こうと明るい気持ちです✨ 実家に行くので精一杯で大熊先生の所まではできませんでした💦 貴重なアドバイスを沢山いただけて、ここまで回復できたことを感謝しています🙇🏻 まだ生活する上で不安がありますが、マイペースで克服へと向かっていきたいです! ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ というご感想をいただきました。 本当にありがとうございました。 #パニック発作 #パニック障害 #パニック障害ママ #パニック障害の人と繋がりたい #パニック障害克服中 #パニック障害克服 #パニック障害あるある #パニック障害治療中 #パニック障害と生きる #パニック障害なんかに負けない #パニック障害再発 #パニック障害にヨガ #パニック障害と共に #パニック障害闘病中 #パニック障害ママと繋がりたい #パニック障害の母 #パニック障害で乗り物苦手 #パニック障害で人混み苦手 #広場恐怖 #電車に乗れない #過呼吸 #息苦しい #息苦しい気がする #心臓止まりそう #動悸が辛い #不整脈 #自律神経の乱れ https://www.instagram.com/p/Ch6wESdOGDq/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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apoandbangpo · 10 months
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BTS Sugaのワールドツアーは究極のポップス転覆 / The Atlantic 翻訳
アメリカでグループ初となるソロコンサートを開催、アーティストとしての個性を強烈に宣言した。
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Story by Lenika Cruz
フォグマシーンの柔らかな吐息に包まれたステージから、フードを被った4人の人物が舞い降りてきたかのようだった。その肩には、黒をまとった体が乗っている。雨と稲妻が背後のスクリーンに真っ白に映し出される。ようやく、その男が地面に横たえられた。その後には、まるで死からの復活を思わせるような光景が待っていた。スポットライトが彼を見つけ、歓声が上がり、ついに彼は動き出した。そして、マイクを口に当てた。
このロックスター、ラザロの正体はミン・ユンギ。グラミー賞にもノミネートされ、チャートを席巻している韓国のグループ、BTSのラッパー兼ソングライターのSugaとして広く知られている。しかし、その夜ニューヨーク州ロングアイランドにあるUBSアリーナのステージには、彼のバンドメンバーは誰もいなかった。なぜなら、この日は彼のソロワールドツアーの初日だったからだ。昨年の夏以降、メンバーは各々の兵役義務遂行に向け、個人活動に集中してきた。BTSで初めてソロツアーを行うSugaはグループ作品よりも暗く、生々しく、パーソナルな音楽制作のために2016年につけた名前、Agust Dとしても公演を行っていた。先月、Agust Dの3部作の完結編となる強烈なスタジオアルバム『D-Day』をリリースした。このアルバムで社会批判やトラウマの黙想、名声、精神疾患、孤独、そして許しについて語っている。
同じくD-Dayと題されたSugaの現在進行中のツアーは、彼の作品を初めて本格的にショーケース��るものだ。完売したアメリカでのツアーは、まるで10年以上の歳月を経て作り上げた芸術的個性の宣言のようだった。コンサートはフロントマンのエネルギーと作家主義的な華麗さで爆発していた。しかし、彼の最も際立った功績はポップミュージックが持つ共感を生み出す潜在的な力を受け入れながらも、その非人間的な作用に立ち向かっていることだ。
水曜日の夜、カリフォルニア州オークランドで幕を閉じた全米ツアーの全11公演は雷雨の中、道路に横たわるSugaの姿で終わるショートフィルムからスタートした。これはBTSとしてデビューするまでの練習生時代、生活費を賄うためにソウルで配達のアルバイトをしていた時に、車にはねられたことにちなんでいる。この事故で肩に傷を負った彼はBTSが世界的な名声を得た後も、この怪我に悩まされ続けた。この映像の後に命を落としたかのような実物のSugaがステージに担ぎ込まれる展開は、スムーズでありながらも衝撃的であり、何日も会場の外で待ち続けるファンを持つポップスターの人間的な脆さを再認識させるものであった。
初日のUBSアリーナ、そしてアメリカ最終日のオークランド・アリーナで私が観たSugaの公演は、ポップ・コンサートの常識を覆すものだった。ある面では子供の頃に日本の作曲家である坂本龍一の曲をサンプリングして自分のビートを作っていた技術に長けたラッパーによるダイナミックなヒップホップショーだった。Sugaは『Haegeum』でこの夜の空気を作った。タイトルは韓国の弦楽器と解禁を意味する。「溢れ返る情報は想像の自由を禁ずると同時に思想の統一を求める」「資本の奴隷 カネの奴隷 憎悪と偏見 嫌悪の奴隷 / YouTubeの奴隷 Flexの奴隷」とSugaは韓国語でラップする。Haegeumの耳に残るストリングスと、心地よく荒れたベースが空気を振動させた。この曲はすべて韓国語で書かれたものだが、観客は歌詞を大声で彼に歌い返した。反骨精神に満ちた『Daechwita』、初期のファンに人気の『Agust D』、『Give It to Me』と激しいラップ曲で序盤を駆け抜ける彼は催眠状態にあるかのようだった。
観客がまだ落ち着かないうちに、Sugaはアコースティックギターを取り出した。ギターにはBTSの他の6人のメンバーからのメッセージや絵が描かれていた。パンデミック期間中にギターを習得した彼のアンプラグド・バージョンの『Seesaw』は、振り付けやバックダンサー、凝ったセットを伴う過去のパフォーマンスとは一線を画すものであった。序盤の盛り上がる曲で見せた力みのない威勢が、静かなシンガーソングライターモードのSugaへと移り変わっていった。その後、アップライトピアノの前に座り、2020年のBTSの楽曲『Life Goes On』の自作バージョンを披露した。特に感極まる瞬間は、歌手のWoosungと亡き坂本龍一が参加した楽曲『Snooze』のソロパフォーマンスだった。2022年後半にSugaと坂本が唯一対面した時の映像が、前もって大型スクリーンに流れた。グランドピアノで曲を演奏する年上のミュージシャンと喜びを抑えようとする若者。Snoozeは、坂本にとって最後のコラボレーション作品のひとつになった。坂本を敬愛し、苦闘する若きアーティストを慰めるためにこの曲を書いたSugaにとって曲中の坂本の存在は、とりわけ心に響くものだろう。
BTSの活動で、できなかった試みをD-Dayで再三にわたり実践するSugaの姿は、実にスリリングだった。 そう、彼は依然として熟練したエンターテイナーなのだ。何万人もの観客の心をつかむ術を熟知している。BTSのコンサート中盤の爽快なラップメドレーで見せるとおり、息をつく様子もなくラップをしながらステージを飛び回れる人なのだ。そして、ロサンゼルスの2公演ではアメリカ人歌手、MAXとHalseyをゲストに迎え、それぞれのコラボレーションを披露した。その一方で、彼の破壊的な選択も際立った。コンサートに散りばめられたショートフィルムは、デヴィッド・リンチの夢の論理とグラインドハウス映画の粗い質感を思わせる。ポップアイドルのSuga、影のAgust D、そして人間ミン・ユンギという3つのアイデンティティーのストーリーが描かれている。このコンサートにおける究極の芸術的意図は、それぞれの自己を観客に明瞭に示すと同時に、それらがすべて共存していなければならないのだと認識させることにあるようだ。BTSのソロ曲である『Interlude: Shadow』やBTSの他のラッパーたちとの曲のヴァースを披露する姿を見て、彼は自分の過去を否定しているのではなく、むしろ誇りに思っているのだと確信した。なにしろ、その過去が彼を韓国の青瓦台、アメリカのホワイトハウス、国連総会、そしてグラミー賞の舞台にまで導いたのだから。
もうひとつの魅力的な演出があった。公演全体を通じて、舞台の一部がチェーンで天井に引き上げられ、Sugaのパフォーマンスできるスペースが次第に狭くなり、より慎重に舞台を進行させる必要があったのだ。 アンコール前の最後の曲『Amygdala』では、寂しげな四角い床に立っていた。周囲には炎が燃え上がり、まるで恐ろしい牢獄のようだった。アルバム D-Dayの核となる、このエモ・ラップトラックには、Agust Dのオルター・エゴの起源が記されている。交通事故、母親の心臓手術、父親の肝臓がん宣告など、彼の人生を決定づけたトラウマに���及し、それらがいかに彼を形成したかを語っている。曲の最後のフレーズで、力尽きたように地面に倒れ込むとフードをかぶった人物たちが戻ってきて彼を運び去った。ただし、今回は全身真っ白な服を着ていた。まるで浄化されたかのようだった。彼のカタルシスが完了したのだ。
アンコールの頃には舞台装置がすべて取り払われ、下に隠れていた機材が露わになった。 消火器、電気コード、発火装置などが散乱していた。Sugaはもう観客の頭上に立つことなく、地面の高さからファンの目の前で最後の数曲をパフォーマンスした。時にはファンの携帯電話を手に取り、自身の姿を撮影してみせた。最後の瞬間は、ほろ苦かった。ほとんどの観客は、6月下旬にあるソウル公演でツアーが終了した後、Sugaが少なくとも18ヶ月間の兵役に就くことを知っていたからだ。その現実がコンサートを一時的な別れのように感じさせた。ファンが持つライトスティックの輝きが、まるでひとつの波のようにアリーナ全体を駆け巡った。 時折、野生的なエネルギーに駆られた観客が吠え始めるとSugaは驚いたり笑ったりしていた。オークランドでは観客に向かって、BTSの他のメンバーと一緒に戻ってくること伝え、ファンにもう少しだけ待って欲しいと頼んだ。
ツアー初日の夜、もうひとつのサプライズが待っていた。私は最後の曲は感傷的なものなのか、軽快なものかだと思っていた。 ところが、Sugaは不気味なビデオカメラの輪の中に入っていき、その真ん中に立った。つぶやきはじめたのは『The Last』のヴァースだった。第一作目のミックステープに収録されているこの曲は、彼の最高傑作であり、私が最も好きな曲のひとつだ。そして、このところ私が聴くのに苦労している曲でもある。The LastでSugaは、強迫性障害、鬱、社交不安について語っている。低く控えめな表現から徐々に切迫していき、最後には叫び声と泣き声の間のような声へと変化していた。数年前、この曲を初めて聴いたとき、私は自分自身の絶え間ないパニック障害による発作と息苦しい死への渇望を思い出した。この曲は私の心に刺さり、歓迎すべき欠片になったのだ。
ここ数年、Sugaは成長、自己愛、不安や苦しみを肯定することをテーマにした音楽を多く作ってきた。 コンサートの序盤、彼は英語で「あまり怒りを抱えずにパフォーマンスしたい」と語り『SDL』、『People』、『People Pt.2』といった曲に焦点を当てた。これらの曲は人生の試練を前にして冷静に考え、許し、謙虚でいられる人物像を描いている。ひどい苦しみから解放され、自分なりの癒しを見つけられたときの安堵感を私もよく知っている。だから、The Lastの出だしの歌詞(「有名なアイドルラッパーその後ろに、弱い俺が立ってる 少し危険だ」)を聴いたとき、私は凍りついた。彼は一体何をしているのだろうか。 監視システムのように並んだカメラ、その映像が映る彼の頭上のスクリーン。彼が見せる苦しみを貪るように映し出す。つまり私もまた、彼の苦しみを貪っているのだ。
しかし、すぐに理解できた。23歳のときと同じように息もつかせぬ情熱でラップしているが、単なる激高ではなく時間とともに和らいだ怒りでパフォーマンスしているのだと。その感情の力強さや真摯さに陰りはないが、それを発信する側が受けるダメージは少ないのだ。今の彼は炎の中に立って熱を感じながらも、その炎に飲まれることはない。若き日の自分に回帰することなく、当時の自分と心を通わせられる。
そして、魔法が解けた。曲が終わった瞬間、客席の照明がつき、彼が舞台袖に無言で歩いていくのが見えた。別れの挨拶も、長々とした感謝の言葉も、歓声を上げる観客に手を振ることもない。後ろを振り返ることさえもしなかった。初日の夜、突然の退場に衝撃を受けた人々は戸惑いの表情を浮かべた。このフィナーレを観客との静かな対決、愛されてやまない芸術家による大いなる自己主張と捉えることもできるかもしれない。けれども、もしそれが対決であったなら、それは見下しているのではなく、むしろ信頼に基づくものだ。観客が不快感に耐えられるだけの知性を備えており、彼が見せたものに気分を害したり、恐怖を感じたりしないのだという信頼だ。
完璧なエンディングだった。闇と神話作りから始まったコンサートが明かりの中で、さらけ出すように終わったのだ。他の誰かに運ばれきてスタートさせた公演をSugaは自らステージを去ることで終わらせたのだ。これ以上、何を望むというのか。彼は私たちに何もかも見せてくれたのだから。
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saritamix · 2 years
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退院
7/26
退院診察がある日。この日、検査や診察で問題がなければ7/27に退院が出来ると聞いていた。糖尿病内科医より強く感染症に気を付けろと言われているので、風邪やコロナ、サル痘にかかることへ恐怖心が異常に強くなっていたが、心も体も限界に来ていたため早く家に帰りたい気持ちが勝っていた。絶対に明日退院する。気分は通常よりもハイになっていた。
10時に産科の診察の予定があったが、急患のオペが入ったらしく延びてしまった。お産も立て込んでいるらしい。天気が悪い時に体調を崩す妊婦さん多かった���、自分も悪くなっていたことが多かったような気がする。顔も知らない妊婦さん達の無事を祈った。
貰った書類のうちのいくつかを記入した後、バースレビューを書いた(バースプランは結局何も書けずに終わってしまった)。高校の友人が出産の話をしてくれた時、人生で1番の達成感があったと言っていたけど自分は真逆だった。毎日体の痛みや恐怖に耐えることで精一杯。赤ちゃんに対してちゃんと向き合えていなかったし、途中からは自分が救われたい、早く楽になりたいとしか考えられてなかった気がする。ありのままの気持ちを泣きながら書いた。
14時30分過ぎ、色々な予定がズレまくり昼食が来る。インスリンを打つ際に助産師より15時から赤ちゃんの面会があった旨を告げられてやっと思い出す。自分の体のことしか考えてなかった。面会の時間を忘れていたことにかなりのショックを受ける。自分の退院のことしか考えていなかった…最低だ。急いで昼食を食べ、動揺したままNICUに向かう。この日は赤ちゃんのオムツ替えをしてミルクをあげた。前よりは怖くなかったし手も震えなかった。ただ、自分と赤ちゃんの写真を撮られるのはすごく嫌だった。妊娠してから醜く変化した自分の顔や体を未だ受け入れられない。手足は細いままなのに顔と首が太くて化け物みたい。どうせなら全部細くなればいいのに。こんな姿で赤ちゃんとの写真を残したくない。いい加減受け入れなきゃとは思っているのに…未だに受け入れられなかった。明日の面会はいつにするかと看護師に聞かれ、退院や会計の時間を考慮してとりあえず11時頃に予約した。面会が終わり部屋に戻る。産科の診察も終え、退院しても問題ない旨を告げられる。やった。夫に退院が確定した連絡をする。
18時過ぎ、回診で産科医と明日退院確定で問題ないか念の為に確認する。「産科はOKだけど糖内の方では11時半にCT検査あるよね?それ終わらないと退院出来ないでしょ?」と言われてパニックになる。CT検査なんてあったっけ?その検査をパスしないと退院が出来ない?赤ちゃんとの面会11時に入れてしまっている。どうしよう。自分がどういう説明を受けてどんな返答をしたか覚えてない。激しく動揺しながら夫に電話する。パニック状態の私を心配して夫が病棟へ連絡してくれた。
19時過ぎ、糖尿病内科医(M先生)が部屋に来る。「朝にCT検査があることを説明をした時にあなたからはきちんと承諾を得ていた」「CT検査は撮るだけなのでそれが終われば退院が出来る旨を伝えていた」と言われる。足し算も上手く出来ないし説明されたことも忘れてしまうと泣きながら謝る。「その症状はいつからですか?」「それはコルチゾールのせいで気分が躁鬱状態になっているからですね。気にしないでください」といつものモナリザなような表情で返答された。気にしないでと言われても。著しい記憶力の低下や感情をコントロール出来ない自分に対して更に惨めな気持ちになった。
でも想像してみてよ。心の準備が出来ないままいきなり入院。下半身は激痛で何をするにも辛い。お腹には守らなきゃいけない存在がいる。どんどん増えるインスリンへの不安。ほぼ毎日変わる食事の仕方や間食への指示。血糖値は1日に6~9回測らされる。多くの人が出入りし夜中はトイレで目覚めるから常に寝不足。低血糖症状で意識障害を起こして何回か倒れる。妊娠中に滅多にかからない病気が見つかる。赤ちゃんはNICUにいていつ退院かは分からない etc…
そんなギリギリの精神状態で生きている経産婦に「放射線を発する注射を後日する」「その注射を打ったら8月×日~△日までは赤ちゃんの傍に15分以上いられない」「15分傍にいたら何メートル離れて」etc…を一気に口頭で言われてもさ。混乱するに決まってるじゃん。むしろ冷静に聞ける人間はいる?いるかもしれないけど…私には難しかった。先生には想像出来ないんだろうな。外来にいないから相手にしている層も違うだろうし、常に冷静さや正確性が求められる職業だし。寄り添いを求める方がおかしいって分かってるよ…
この時たまたま部屋に居合わせた助産師が私の様子を見て気を遣ってくれ、「お産が立て込んでいるので遅くなるかもしれませんが、私がご主人に説明するので21時過ぎに3人で電話しましょう」 「明日の朝に確定した予定を書いたメモを渡すので、何も考えなくて大丈夫ですよ」 と提案をしてくれた。約束通り21時過ぎに退院スケジュールについて説明をしてくれ、翌朝には予定を書いたメモを渡してくれた。また、M先生より夫を含めて再度治療スケジュールについて再度説明をしたいと言われたらしく、14時頃に面談の調整をして貰った。
7/27
10時前後、CTを撮りに車椅子で検査室に連れて行って貰う(産科の血液検査もクリアして一安心)。CTの台に乗るのはお腹の傷や腰が痛くて一苦労だったが、呆気ないほどすぐに終わった。部屋に戻るとちょうど清掃の時間と被り、私の好きな清掃スタッフのおばあさんが入室してきた。今日退院が出来ることを伝えたらとても喜んでくれた。そしてまた8月末に入院予定だと伝えたところ 「早く治療出来て良かったね。私は別の病棟の清掃も入るから会えるかもね」 と言ってくれた。このおばあさんと会話したのはほんの数回、数分だったが、心がとても救われたし本当に感謝している。私もこんな素敵なおばあさんになりたいと思った。
13時、赤ちゃんとの面会に向かう。いつも通りずっと寝てる。入院期間の面会中、目���開けてる姿をあまり見なかったな。本来だったらまだお腹にいる時期だもんね。抱っこをさせて貰う。看護師さんが気を利かせて赤ちゃんとの写真や動画を撮ってくれた。自分の今の顔や体がずっと受け入れられなくて、赤ちゃんと一緒に写るのはすごく抵抗がある。本来なら嬉しいことのはずなのにね。こんな格好悪いことを考えているなんてみっともなくて誰にも言えないな。
途中から小児科医のI先生が入室して来る。今後のことについて夫と私に説明したいとのことなので、M先生との面談の後に3人で話すことになった。
M先生→今後の治療スケジュールについて説明を受ける。これから服用する薬の副作用についても説明をされたが、重篤な副作用を大多数に起こるうるかのように言うからとても怖い。(皮膚がボロボロになって包帯を巻く必要がある、肝機能障害を起こして人工透析が必要になるetc…)夫もビビる。そして風邪でも重篤化するからくれぐれも感染症には気を付けなさいと念押しされる。妊娠期間中、1度も風邪をひいたことがないと伝えると、「それはただのラッキーでした」とキッパリ言われる。やっぱりこの先生、苦手だ。
I先生→子どもに関しては現状特に大きな問題はないが、これから血液検査等行って経過観察を行っていくとのことだった。そして、私の母乳をあげても問題がないかどうかについては、検査に出しコルチゾールの値を調べた上で判断すると言われた。正直、今後の入院や手術のことを考えると母乳育児は無理なので、検査の結果についてはどうでも良かった。でも、そう思うこと自体が何かすごく悪いことのように思えてしまい、心苦しくなった。色々説明を受けた後、目線を入れる等プライバシーには充分に配慮するので私の顔の写真が欲しいと言われる。珍しい症例だから論文を書いたり学会で発表したりするのだろうか。正直、この顔は残したくないのが本音だけど…複雑な気持ちで承諾した。
先生たちとの面談が終わった後、荷物を持って病院を出る。自動ドアを抜けた時、あまりの気温の高さと湿度に驚いた。7月の下旬で季節は夏。頭では分かっていたけど、もうこんなに外が暑くて蝉が鳴いてるなんて。すごく変な感じ。少し待ってタクシーに乗り込む。タクシーに乗ってからは入院する時と同じように夫がずっと手を握ってくれていた。タクシーの窓から見える空は好きな夏空で。握ってくれた夫の手がとても温かくて。胸の奥からよく分からない感情が次から次へと溢れて涙が止まらなかった。「しんどかった」 「痛かった」 「辛かった」 「怖かった」 呟いたら今まで我慢していたものが一気に決壊した。タクシーの中で泣くつもりなんてなかったのに。嗚咽と弱音が止まらなかった。それに対して夫は終始優しく返答してくれた。
タクシーから降りて、エントランスに入る。ここのエントランスってこんなに広かったっけ?見慣れた風景のはずなのに全然違う場所のように感じる。エレベーターに乗って家の中に入る。ここも知っている自分の家のはずなのに。知っているのに知らない場所みたい。初めての感覚でとても怖かった。しばらくしたら気持ちが落ち着いて、日常生活に戻れるのだろうか。今後に対しての不安は沢山あるけど、この日はゆっくりシャワーを浴びられて時間を気にせずご飯を食べられたことが何より嬉しかった。
寝る時、夫から手を握ってきた。夫も私と同じように怖かったり寂しかったり不安な夜を何度も過ごしたのだろうか。申し訳ない気持ちもあったけど、自分が必要とされている存在な気がして嬉しくて安心した。
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8/15
今日、子どもが退院した。
子どもは特に大きな問題なく、ミルクもよく飲むようになりとても元気。
退院してからずっと弱音を吐いてばかりだったけど、小さな子どもを見ていたら私はもっと強くならないとダメだなと改めて思えた。
治療のために離れることを考えると寂しいし悲しいけど…
前向きに頑張りたい。
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natsumiabe · 2 years
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実は、の話。 私は、HSPであり、季節性うつ、不眠症、対人恐怖症、不安障害、性被害や暴力被害のトラウマやフラッシュバック、などなどをもっています。 人は見た目では分かりませんよね😊 ⁡ ⁡ 私は実際のスタジオでのヨガはほとんどしたことがありません。人や物や常識、状況、全てにおいて、何か少しでも���レッシャーを感じてしまうものが苦手です。 ⁡ でもだからこそ、海外へと意識を広げることができた。だからこそ、今の最高の自分がある。 ⁡ The reason you won’t love yourself is the reason to love yourself. ⁡ 誰にも理解されない悲しい過去、自己嫌悪ややりたいことができないもどかしさ。 そんな「自分を愛せない」理由こそが、私が本気で自分を愛する理由になりました。 ⁡ ⁡ ⁡ 今回も、SUPに行った時も、めちゃくちゃ楽しかった! でもどちらの時も、突然、恐怖や不安の感覚が、まるで火山が突然爆発したように表れて、パニックになって、感情的になって、隠れてたくさん泣いています(笑)。 ⁡ でもヨガや瞑想のおかげで、Arisaさんや、愛と思いやりある皆さんとの出会いと支えのおかげで、そしてもちろん仕事をやめて数年じっくり自分と向き合ってきた自分自身のおかげで(笑)、そういう状況のときも、自分に寄り添えるようになってきました。 オートパイロットではなく、その思考や感情自身になって振り回されるのではなく、立ち止まり、それらをただ観察し、認めて、傍に寄り添い、愛情とコンパッションと共にただbeing、いれるようになりました。 ⁡ 私は自己成長、self-growth が大好きです。 ⁡ 苦手なことや嫌なことなんて、無理やりやる必要は全くない。 ⁡ 私は精神的な問題をたくさん抱えている。 これを読んでる人で私と同じ人もたくさんいるでしょう。 そしてそれは、わかりやすい肉体的な病気と違って目に見えない分、人に理解されにくいし、そのもどかしさや孤独感を感じやすい。 ⁡ ⁡ でも私は、自分を幸せにしたい。 せっかく生きるのなら、人生を楽しみたい。 ⁡ ⁡ 自分には乗り越える力と想像以上の可能性がある。 そう信じて、「楽しみたい」「行きたい」「会いたい」「やってみたい」「心が震えるような純粋な美しさを見たり感じたい」「幸せや心地よさを感じたい」 そういう、シンプルでポジティブな自分の気持ちを大切にして、優先していくことを選んでいます。 ⁡ ⁡ 70%、いや、元完璧主義な私の場合はもっと抜いて、50-60%くらいのエネルギーで。(笑) ⁡ 一番最初に大切なのは自己受容、self-acceptance ですからね😊 ⁡ “Travel light, live light, spread the light, be the light.” ⁡ ⁡ 誰かの心が少しでも軽くなって、心地よくなって、輝きますように❤️ (at 代々木競技場第二体育館) https://www.instagram.com/p/Cf-viHlP8ue/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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joemotofuji · 3 months
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🌃夜明けのすべて見てきました
*しっかりネタバレ+自我強めの感想です。
2024/02/09 (Fri.) 仕事終わりに駆け込んで見てきました。
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仕事上がりあるある、完全に戦闘モードのまま劇場に入ってしまいましたが、出る頃には深く呼吸ができるようになっていました。いつも概ね劇中のエピソード順に感想を箇条書きで書いてるのを今回は特に好きだった点について一点集中で書いてみます。
藤沢さんと山添くんの感じた引っ掛かりや焦りの描写について
作中全般、セリフで説明されたりわざわざカットを変えて強調したりということはないのに、なんだか気になる…な描写がありました。たぶん画面の中で藤沢さんや山添くんが戸惑ったり我慢したりしているシーンだったので、見ている側も一緒に引っかかったりする仕掛けなんだろうなと邪推しており、そのささやかさがとても好きだったので個人的に好きだったそれらを下記につらつらとまとめてみます。
冒頭、警察署で荷物などの受け取りのサインをするシーン、藤沢さんのお母さんがペンを落としてしまって警察官の方に笑って見せるところで、警察側の方が背中を見せている状態だからというのも相まってかめちゃくちゃ冷たいシーンに感じて悲しくなっちゃいました。
笑い返すでもなく「ああすみません」的な仕草を見せる訳でもなく、無言で見下ろしているような背中と暗い画面と藤沢さんの優れない顔色、あとナレーションでお母さんに心配されていることへの憂いのようなことを藤沢さんが話していたのが重なって悲しいシーンの印象で記憶に残りました。あと途中からのお母さんの様子的に、もし原因が脳梗塞など脳に由来するものだとするとこの時から症状が出ていたということ…?と思ってそれも切なくなりました。自分が藤沢さんだったらあとで思い返して「なんできづかなかったんだろう」「なんでもっと一緒にいなかったんだろう」て後悔しちゃう…
(2/11追記) パンフ読んで知りました、お母さんパーキンソン病を…😭受難多すぎる………
藤沢さんが婦人科にかかるシーン、最初からお医者さんが藤沢さんに体を向けずに電子カルテなのか画面なのかを見たまま話を進めるので、PMS で受診してる方に、しかも何度も見てる患者さんなのにそんな〜🥹な気持ちでした。今回作中のお医者さん二人とも「なんかちょっとヤ」でした🤣ヤ具合の塩梅が絶妙でした…
ここのシーン、藤沢さんが新しいお薬の説明を(あんなに雑な説明なのに真摯に)聞いて目がきらっとするような希望を見せるの、そのあとどうなるかを小説読んでて知ってただけに悲しかった……上白石萌音さんの表情の機微が本当に刺さりました……
(2/10追記) ここの先生は開口一番「まぁたなんかやっちゃったの?」みたいな言い方をしていたり、ピルの相談する藤沢さんに無理ですねって返事をする際に取り付く島もないトーンだったり、考えようによってはフランクで親しみやすい話し方ではあるんですが個人的に地味に苦手な感じだったのでそれがヤだったんだな…と気づきました🤣
栗田科学に転職後の藤沢さんが会社で PMS の症状が出てしまう最初のシーン、炭酸水のプシュッが耳に刺さる少し手前からすでに、なんだか耳に入る音全部がやたらハッキリ判別できて情報量が多く、アッなんだかこれはイライラしそう、と思いながら見ていました。登場人物の感覚が変に鋭くなっている描写の一環なのかなと思いつつ、見ている最中は全然気づかずなんとなくハラハラしていました。
メンタルクリニックで山添くんが彼女さんと待合室にいるシーン、番号で呼ばれて彼女さんがサッと立ち上がるのを見て謎に急かされている気がして見ながら焦りました。謎……どういう状態にせよ、お医者さんにかかっている方が俊敏に動けるとは思わないんだけどな〜いやでも変に病人扱いされるのも嫌かな…と悶々としていました🤔
このクリニックのお医者さんも、なんかこう、絶妙に「なんかちょっとヤ」でした😂婦人科医の先生よりさらにわかりやすくヤだったのですが、彼女さんが普通に「ふむふむ」みたいな表情で話を聞いていたので、あ、これはヤな描写ではないのか…?て思うなどしていました。できていたことができなくなって、思い描いていたキャリアからガンガン遠ざかっていて、山添くんが持っていた自尊心というよりアイデンティティ的な部分が目に見えて崩れて行っている最中にあの診察受けるのちょっときつそう…と思ってしまいました、が、どこが?なんで?て言われたら細かいとこ言えない 明日もっかい見���からなんで何がヤだったのかちゃんと言語化できるようにまとめよ…
あと関係ないんですが多分壁の本棚にハリーポッターが不死鳥の騎士団あたりまで置かれてて、賢者の石がなかったっぽくて「貸出中かな…」て思ってました🪄
山添くんが髪を切って二回目の診察のシーンでも変わらずヤだったのでやっぱちゃんと言語化できるくらいのメモ残そう✍️「なんか新しいことあった?」みたいな聞かれ方してたのが嬉しくなかったのかも・・・
(2/10追記) つぼいメンタルクリニックの担当医さん、二回目の診察のシーンで山添くんに本を片手で適当に渡したり「これも」と言いながら手渡さずに置いといたり、なんというかあまり患者さんを尊重してくれない感じがヤなんだな…と気づきました。お医者さんて大変な職業だ……
年始に藤沢さんが山添くんちにお守りを投函し、その直後に彼女さんもくるシーン、ピンポンを押す間隔に二人の違いが見えて好きでした。あのタイプのピンポンって押した人の力の強さや速さが音にそのまま出るので、彼女さんがピンポン!て爆速で押してるのを聞きつつ、あークリニックでサッと立ち上がる方のピンポンの押し方だなぁと思うなどしていました。
彼女さんが、もしも「恋愛感情なしで年始にお守り届けにくる…?」と一瞬でも疑っていたとしても、直後に紙袋から山盛りのお守りを取り出して「よかったら…☺️💦」て差し出すのを見て「ああ、この方はそういう人なんだ」て一発で通じる感じもまた好きでした
雨の日(だっけ?)に山添くんちに彼女さんがロンドン転勤+αの話をしに来たシーン、「外で話せる?」と言われた時の山添くんの表情が、単に別れ話の予感へのショックだけではなく、「そとで」と言われたことに対して「もしお店に入りたいって言われたら?」「もし外で話している時に誰か知り合いに聞かれていたら、または遭遇したら?」みたいな心配も垣間見えた、気がして、複雑だァ…と勝手に邪推していました。
仮に私が同じ立場だったとしたら、おそらく「もし相手がこのままバスに乗りたいって言ったら?それで乗れなかったら?乗れなかったことを責められたら?責められなくても「やっぱり」みたいな顔をされたら?」て起こってもない出来事をどんどん悪い方向に考えていくし、なんというか、この時の彼女さんの「外で話せる?」の真意を知りたい…
上記のようなこまごましたことにハラハラしたりヤだったりしていたので、日曜の夜に二人でオフィスで「パニック障害口実にしないの?」「PMS だからって言葉を選ばないで良い訳じゃない」みたいな軽口を叩き合ってる二人の絶妙な空気感があたたかかったです……
私がコミュ障すぎてこういう会話を友人とできないため、小説で読んでいた時は文字だけ見てなかなか脳内で優しいやりとりに変換できなかったのですが、映画で上白石萌音さんと松村北斗さんの声と表情の柔らかさに触れて、やっと優しい会話だなあと思えてほっこりしました。
���と細かいところで言えば山添くんが薬をシートから手のひらに押し出す時の仕草や寝起きに基礎体温を測りながらスマホではなく本を読んでいる藤沢さん、たい焼きを買ってきた山添くんに嬉しそうな社長(背景で全然ピント合ってないのに嬉しそうな光石研さん…!)、お母さんが編んでくれた一個目の手袋の親指付近の大きな編み目、初対面の転職エージェントさんとの面談に同席してくれた岩田さんのサムズアップ👍、年始に雨が降りそうな広場で息子とフリスビーする渋川清彦さん(ソレダケや閉鎖病棟のイメージ強すぎて今回一周回って怖かったです🤣)、藤沢さんと住川さんのインタビュー動画で左端の光にきらきらしているホコリなどなど好きなところがたくさんありました。
フィルム映画といえば去年公開の生田斗真さん主演「渇水」では画面のざらつきが夏の蒸し暑さも乾いた触感にしていてすごく好きで、それが今回は冬の空間で暖かさや温かさ、柔らかさに感じたのも面白かったです。これが、エモい…(?)
グッズはお馴染みクリアファイルとボールペンに加え、キューピーちゃんやスライドミラーをお迎えしました。ボールペンのライト、可愛すぎる…!!!家帰ってきてこれ打ちながら壁にピカピカさせて遊んでます。良すぎる。通販で保存用と布教用に買おうかと思います。パンフレットも(住川さんの名前を確認したくて開いた以外に)まだ読んでいないのでじっくり楽しみます。
今日見た分はムビチケ使い忘れたのもご縁な気がしてきました。上映期間中にまだあと二回くらい見に行きたい……
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ari0921 · 3 years
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)8月13日(金曜日)
通巻第7012号 
 新任の秦剛(駐米中国大使)がワシントンで話し合いを始めた
  イエーレン米国財務長官が近く訪中の観測
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 イエーレン米国財務長官が訪中する予定という。
 8月12日にブルームバーグが報じたが、財務省のリリー・アダムズ報道官は、「イエーレン長官が秋に中国を訪問する計画はない」と否定した。もし訪中となれば、現職閣僚だから、バイデン政権では最高位の訪問となる。
情報通が解説するには「長官訪中の場合、気候変動対策など米中共通の課題のほか、貿易などの協議が目的となる」とし、対談相手は劉鶴副首相だろうとした。
しかし、先のシェルマン国務副長官の訪中は中国側が罵倒を繰り返し、天津に留め置いて、文句ばかりを並べて追い返した。米国は相当の不快感を抱いたが、同時に中国はまったく譲歩する姿勢にないことを掌握した。
イエーレン米国財務省官はFRB議長を務めた金融、財務のベテランであり、現在のバイデン政権が進めているバラマキ路線の中枢にいる。
彼女が中国へ行って知りたいことは、第一にデジタル人民元の本気度と、その可能性、そして米国はいかに対応するべきかのヒントを得ることだろう。というのもブレトンウッズ体制下のドル覇権が何時まで維持できるかという米国の戦略に絡むからだ。
 第二に中国企業のウォール街への上場がピタリ止んでいることと、中国企業の社債償還、株式市場の下落予測などの参考となる実態を把握することだろう。二年以内に230兆円の償還がくる中国の債券市場はパニックを回避できるか、どうか。
 第三に中国共産党は教育産業の予備校や、ゲーム産業は不健全として市場介入を間接的に行ったが、この悪影響が中国国内ばかりか、すでに日本のソフトバンクGや楽天に甚大な悪影響が出ており、市場の今後の予測に繋がる。
 中国は世界に先駈けて「デジタル人民元」を普及せんと実験を繰り返している。そのうえで、潜在的な阻害要因を駆除しており、例えば、ビットコインなどの暗号通貨の取引所を閉鎖した。
 中国人はビットコインに集中的に投機してきたため、世界シェアは80%にも及び、同時にビットコイン現金化闇市場も出現した。顧客のなかにはハッカーで稼ぐ北朝鮮の集団があった。また電力消費が膨大なため、国内取引所を畳み、米国テキサス州へ移動する「業者」も目立つようになった。
 またアリババ、テンセントのモバイル決済は国民から支持されており、最初は奨励してきた中国共産党だったが、データ管理とデータ流失に問題があるとし��、規制を強化した。デジタル人民元を世界市場に普及させ、国家がそのデータを管理すると中国の全体主義体制は、管理監査が完璧となる。しかし、そうした中国の目標は可能なのか、どうか。
 
 デジタル通貨は国際的流通性を獲得すれば、当該国の通貨管理、すなわち通貨発行という主権はどうなるか。
仮想通貨は、ドル基軸の世銀IMF体制と、どういう整合性を取るのか、デジタル人民元などの仮想通貨は、どうやってドルと交換できるのかという問題だ。こうした重要な問題で米中は突っ込んだ話し合いをしていない。
▼二年以内の中国国有企業の社債償還は230兆円
 昨秋から噂されたデベロッパー大手の「恒大集団」が債務危機に陥って中国の不動産業界は青ざめた。香港では開発中のマンション販売に関して、主幹事のHSBCは住宅ローンを停止した。広東省では広発銀行の要請により二軒のマンション開発販売を停止した。
 恒大集団は全物件を30%割引で販売して手元現金をかき集めた。償還の迫った社債のために急いだが恒大の社債は金利が14%に跳ね上がった。
 恒大集団の倒産が秒読みだということではなく、GDP躍進の基軸だった不動産ビジネスが本当に危殆に瀕しているのであり、値崩れのあと住宅ローン、個人破産のラッシュとなるだろう。
すでに北京大学系の方正集団や、鳴り物入り国策企業だった紫光集団が外貨建て社債をデフォルト(13億元)。王岐山系といわれる海南集団は事実上倒産している。
 ほかにも華夏幸福基業(157億元の債務不履行だった)、天津地産が社債デフォルト。
 2021年第一四半期だけでも格力電器などがデフォルトをやらかし、前期比で24・3%の増加、合計で61社の社債が紙くずとなった(2020年は通年で142社の社債が紙くずに化けた。このペースだと、今年は240社以上になる)。
 このため新規に社債の起債もしくはCP(コマーシャルペーパー)の発行を予定していた248社が社債発行を見送った。
 
 国有企業大手も債務不履行危機が近いとされ、国家鉄路集団が900億元、国家電網が140億元の社債残高を抱えるなど公的企業の債務は、6000億元とされる。
 23年までに償還時期が来る債務は邦貨換算で230兆円。このうちドル建て社債は1720億ドル(19兆円)で全体の8・3%。西側投資家の杞憂は後者のデフォルトだ。
 
 ▼ウォール街の関心事は中国の株価の行方だ
 イエーレンはFRB議長と財務省との格差をわきまえている。財務省はドル札を印刷し、そのグリーンバックにサインをするのは大統領ではなく財務長官の特権である。
 米国の投資家やファンド筋は、これまでにも中国株式で大いに潤ってきた。とくにゴールドマンサックスなど証券会社は、上場の主幹事となることで、巨額の手数料を稼いできた。だからこそ中国の最近の動きが気になるのだ。
 滴滴(DIDI)は6月30日にNY市場に上場し、予定価格14ドルのところ、初値が18ドル。時価総額はいきなり7兆5700億円となった。
四日後、中国はDIDIの審査に入ったため株価は暴落した。7月9日の時価総額はピークから2兆3000億円ほど減らして、5兆2000億円ほどになった。
 ついで7月26日、学習塾規制強化により、香港株式市場で中国教育銘柄の株価が半値以下に暴落した。新東方教育科技などはオンライン個別指導で業績を伸ばしたが、いきなり47%下落した。四日間続いた続落で中国の株式市場から6兆3000億円弱が蒸発した。
 中国当局は学習塾、補習斑、家庭教師センターなど「教育産業は利益追求であってはならない」とし、「免許交付を新ルールにかえる」とした。
 中国の教育産業界は大学進学率の急上昇(ことしの大卒は909万人)に伴い、たとえば、宿題アプリで急発展してきた「猿輔導」は、時価総額1・6兆円。昨年に猿輔導が上場した折には、2300億円をかき集めた。教育補習など広く利用されるアプリゆえに利用者は四億人を超えたという。
 この当局の措置により、大手のTAL(米国でも上場)の株価は71%の暴落、「GAOTU TECHEDU」が53%、新東方教育が41%の下落と、いずれも土石流被害は甚大。付帯して校舎賃貸オーナーから参考書出版社、流通など、猛烈な被害がでるが、じつは出資側のほうの被害がもっと大きい。
 補習産業の急伸ぶりをみてアリババ、テンセント、バイトダンスなど中国の大手ベンチャーはファンドを通じて教育産業に投資した。2020年だけで、この業界には100億ドルもの巨額が雪崩れ込んで、まるでマネーゲーム。教育者としてはふさわしくない行為に目が眩んでいたことも事実ではある。
 そして中国はセキュリティ安全法の観点から新規海外上場を規制するとした。上場に際して幹事行となると、膨大な手数料を手中にできるのが、ゴールドマンサックス、JPモルガンなどのウォール街の禿鷹金融軍団だから、錬金術の手伝いが出来ないとなれば、また次の手口を考えなければならなくなる。
 ラッキン珈琲の不正経理、水増し決算による上場は、投資家が大損をしたと言われ、中国企業への不信感の増大、中国企業の社債格付けの劣化などから、ファンドの投資マインド後退とともに、中国企業そのものが上場を延期、もしくは取りやめも目立つ。
 中国の習近平にとってみれば、中国のエクサレントカンパニィが、そろいもそろって自国では上場せず、中国を避けてNY市場で資金調達する行為そのものが、共産党統治を馬鹿にしている証拠だといきり立っている。しかしながら、それこそが中国の金融への国際的評価であり、客観的状況だといえる。中国側からみると、海外へ中国の情報が漏洩する安全保障上のリスクがあるとも考える。NY上場の中国企業は400社、これからの運命は? 
 7月29日、米上院議員らSECにNY上場のすべての中国企業を調査せよと要求した。
 正反対の動きがある。
 第一に米国企業の中国への直接投資は増えている。1160億ドルに対して中国の米国への直接投資は376億ドル。差引き874億ドルが米国からの流失だ。
 第二に証券投資はバランスが逆で、中国の米国再建保有は1兆960億ドル、米国のそれは3000億ドルである。
 第三に中国の対米貿易黒字は依然として2850億ドルである。最近とくに目立つ手口は「変動持ち分事業体(VIE)を通じておこなう「迂回上場」という巧妙なやり方で、アリババ、ピンドウドウ、京東集団、ネットイーズ、百度、滴滴などが採用した。
 ▼「宗教はアヘンだ」じゃなかった「ゲームはアヘンだ」
 ついで中国共産党は「ゲームは精神のアヘンだ」として規制に乗り出した。
 宗教はアヘンと早くから共産党は唱えて来たが、文字通りに受け取る向きは少なく、ようするに共産党独裁そのものが一神教だから、ほかのカルトの存在は認めない、抹殺の対象である、と宣言していたことになる。
 8月3日、共産党御用達の国営通信社・新華社系の『経済参考報』が「子どものオンラインゲーム中毒の蔓延に苦言を呈し、「ゲームの有害性が高まっている。まさに『精神のアヘン』、『電子薬物』という批判があるが、どのような産業であれ、スポーツであれ、社会をむしばむような発展は望ましくない」としたのだ。
 これによって中国最大のゲームソフト企業テンセントの株価が暴落、日本のゲーム業界の株価にも波及した。日本のゲーム大手はソニー、任天堂、バンダイナムコなどで、この業界の規模は5・3兆円(ほぼ日本の防衛予算に匹敵)、9・7%の成長率を誇った。地下鉄や電車に乗ると分かるが、90%近い乗客はスマホを見ている。その半分近くがゲームをしている。精神の荒廃が、ここまで来ている暗黒は、中国に限った現象ではない。
 テンセントは三月に日本企業「楽天」への出資をしている。「テンセント・リスク」と大騒ぎになった。楽天へ日本郵政が8・32%、テンセントは3・65%を出資したのだが、楽天の幹部は「なにも問題はない」と言い切った。ところが、市場では楽天の社債格付けがドカンとさげられてことに懸念が拡がった。
 8月12日、新任の秦剛(駐米中国大使)はワシントンで国務省高官らとの話し合いを始めた
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「これというものをひとつ書けばいい」
 森敦は、その実人生の「物語」で知られた人である。作家を志して旧制一高を中退、菊池寛や横光利一の推挙で若くして文壇デビュー。太宰治をはじめ当時の花形作家とも交わり、22歳にして『東京日日新聞』『大阪毎日新聞』に連載を持った。ところが、その後小説の発表は途絶え、山形、新潟、三重と各地を放浪する生活が始まる。おもしろいことに、その後も作家の間には森信者が増え続け、小島信夫、後藤明生、三好徹、勝目梓といった人々がしがない印刷会社に勤める無名の森敦に助言を求め続けた。人呼んで「森敦詣で」。以前、この書評欄でもとりあげた勝目梓『小説家』では、森の独特な振る舞いが次のように描写されている。
あるとき、池袋の居酒屋の二階の座敷で開かれた『茫』の合評会に、主宰者の高田欣一が、見るからに曲者とい��た印象の眼光鋭い五〇年配の人物を連れてきた。そうして、その人物はどこか胡散臭い感じを漂わせながら、しかし自信に満ちた断定的な口調で、その号に掲載されている作品の批評をはじめた。曲者然とした胡散臭い印象とは裏腹に、その批評は犀利である上に、問題の捉え方にきわだった独創性をうかがわせるところがあった。つまりその人物は、『茫』に掲載されている作品それぞれをタネにして、自身のユニークな文学観を開陳しているのだった。そうしてその場はその人物の独り舞台のようになっていた。(362-63)
 とにかく座談の名手。電話魔。作品への感想を求める作家たちとひとりひとり順番に面会し、思わせぶりな語り口に昔話や文学論を織り交ぜながらも貴重なコメントをしてくれる。「深淵の帝王」などとも呼ばれた。その森が62歳にしてついに「月山」で芥川賞を受賞することになる。今も破られていない芥川賞の「最年長受賞記録」である。「とにかくひとつこれというものを書けばいいのだ」というのは森の持論でもあったが、ついにそれを果たしたことになる。
 『森敦との時間』はこうして遅いデビューを果たした森の姿を、養女としてその生活を支えた富子の立場から描いたもので、『森敦との対話』につづく評伝となる。森敦は芥川受賞後、その波乱に富んだ人生や独特の雰囲気が話題になり、原稿の注文だけでなく、テレビ、ラジオの出演依頼も殺到した。住んでいたおんぼろアパートには毎晩のように崇拝者や編集者たちが押し寄せ、狭い四畳半にぎゅうぎゅうになって森の話に耳を傾ける。会社から帰った富子は毎晩その接待に追われた。缶詰をあけた程度のつまみも、あっという間になくなる。疲れ果てて缶詰めをあける余裕もないときは、鮨を頼むのだが...。
届いた鮨桶を卓袱台の中央に置くと、いっせいに客の箸がのびてくる。二重に並んでいた客が、右半身の一重の列になって、のばした箸で鮨をつまむ。みな右利きだから右手をのばせばいい。もし左利きがいたらおかしなことになるだろう。チチまでも半身に構えているからおかしい。(6)
 富子自身も作家志望だった。養女になったのも、森敦と同人誌で一緒だった縁からである。しかし、今の引用箇所からもわかるように、本書には作家的な、文学的な文章を書こうとする暗い情念や執着からついに自由になったような身軽さがある。語る自分の言葉に拘泥することなく、急ぎ足で、さっぱりした気分で、「まったく何言ってんだか!」というような突き放した口調とともに、「チチ」である森敦をからかうように、文句を言いながらも、愛おしんで語るのである。途中、文の主語が森敦なのか森富子なのかわからなくなるところもあるのだが、森の最晩年を描いた最終部では、それがくるっと感動的な場面に転換する。
会議で帰宅の遅い日は、冷蔵庫から料理を詰めたお重を食べる習わしが続いていた。しかし、私の帰宅を待つようになった。食卓に腰掛けて待つ姿を見るのはつらい。(252)
 もちろん「会議で帰宅の遅い」のは、会社勤めの富子である。「冷蔵庫から料理を詰めたお重を食べる習わし」は、外食嫌いの森敦のこと。「食卓に腰掛けて待つ」のは森敦で、それを見て「つらい」のは富子。ところがこの場面は、こんなふうに続く。
......食卓に腰掛けて待つ姿を見るのはつらい。わざと大声で「ただいま!」と叫び、冷蔵庫からお重を出し、ビールで乾杯をする。
「これ、飲んでくれないか」
 湯飲み茶碗くらいの小さなコップに入ったビールだ。それが飲めない! どうしたのだろう。
「そう」
 明るい声で言いながらコップを受け取って、私は一気に飲む。
「美味しかったね」
 チチは、さも自分が飲んだかのように言った。(252)
 なるほど、こういうことだったのだ。富子の飲んだ一杯のビールを、さも自分が飲んだかのように「美味しかったね」と言うようになった最晩年の森敦。養女になって一五年、一度も言われたことのなかった「ありがとう」という言葉を頻繁に口にするようになったのもこの頃だ。「美味しかったね、ありがとう」などとも言った。
 主語がなくてこんがらかるのは、決して一心同体ということではない。名前が言えないのはどこか関係が不安定なのである。どこか照れくさい。だから「チチ」なんていう窮余の策で言及する。困った人だけど愛しい。富子にとって森敦は終始「まったくもお」的な存在であった。自宅で散髪してあげたら、前髪のことで「こんなに、短く切ってしまって!」と大騒ぎ(たしかに写真で見るとふだんの森敦は前髪が長い)。富子が引いた電話なのに「長い」「使うな」と文句を言うかと思うと、自分では残飯の処理ひとつできない。テレビに出れば、ズボンの裾から下着が見えている。
 しかし、こんなふうに「まったくもお」の地点に持ってくるまでには、富子だってきっとたいへんだったのだ。あまりにカリスマ的だった森敦という人の言葉を、やわらかくほぐしてみせたのは富子の手柄の一つである。たとえば「月山」の生原稿紛失事件がちょっとしたサスペンスまじりに語られる箇所があるが(どこぞの「見目麗しい女性」にでもあげたのではないかと富子は疑ったりする!)、これにからめての以下のような一節がある。
チチは、ノートに書いている。
〈「存在」を意識するとは、失われたものがよみがえる(原文は傍点。以下、太字については同)ということである。失われたものがよみがえる(同)という概念が如何に重大であるか、これを見ても分ると思う。われわれが「存在」を意識するとき「嘔吐」するとは〈或は「笑う」とか、「絶望」するとか)この失われ(同)、そしてよみがえったものに対して、「嘔吐」するということである。〉(「吹雪からのたより」)
 チチの言う「存在」を「生原稿」と置き換えてみる。生原稿という存在を意識すると、失われた生原稿がよみがえってくる。よみがえってくるたびに、絶望的な気分になるし、ときには笑いが止まらぬほど喜劇的な気分になる。つまり、失われた生原稿に対して、「嘔吐」するのだという。
 チチと話した後に、嘔吐することがある。それは胃腸が弱いために起こる生理的な現象だと思っていた。嘔吐するのは、失われた生原稿がよみがえるからだろうか。 (125)
 森敦の省察にちょっと横からちょっかいを出して、厳かな「神話」をひっくり返そうとしたとも読める部分だが、最後の下りは逆に意味深長である。何しろ失われた生原稿には、「女」がからんでいたかもしれないのである。「養女」富子はいろいろと苦しい思いをしていたのかもしれない。
 急ぎ足に淡々と語るかのような口調なのに、何度も繰り返し出てくる話題がある。会社からの帰宅時に富子は電車に乗っていられなくなって何度もトイレに駆け込んだ。何時間もかけて都心から布田まで帰ったこともある。「途中下車病」などと富子はひょうきんに言ってみせるが、今で言うパニック障害だろう。接待ストレスだけではない。その根本には、折に触れて森敦から「書いてない!」と言われた富子の心の緊張があるように思える。もちろん、それは富子だけの問題ではない。書けるか、書けないか、というぎりぎりの境地を生きながら懸命に放浪した森敦にとっても、文章で生きるというのは苦しい怖ろしいことだったのである。
 将来を期待されながら原稿が書けず、ついに作家デビューを果たす機会を失ってしまった若き日の森敦。そのことがあったから、芥川賞受賞後の殺人的なスケジュールを体調を崩しながらも懸命にこなした。一度注文を断ったら、もう来なくなるかも知れない...、そんな恐怖感があった。ついに入院。富子はどんどん仕事を断った。しかし、断ったのは主にテレビやラジオの仕事だった。「そうかあ。もう仕事がないのか」と森敦は寂しそうだったが、富子は「侘びしい境地になれば、小説が書けるかもしれない」と思ったのである(133)。
 下手に文学的になるまい、と覚悟を決めて書いたようにも見える著者の筆が、最後に少しだけ居住まいを正したようになる箇所がある。腹部大動脈瘤で急死した森敦に霊安室で付き添う富子は、泣き崩れたいのに一滴の涙も出ない。そのとき、隣の部屋から女性の泣き声が響いたのである。
韓国の男性が交通事故死したという。泣き声は途切れることがなく、高く低く響く。チチへの手向けの泣き声のように聞こえる。(262)
 天才とははた迷惑なものだとよく言う。傍らにいる人には、本人の分も含めて言いようのない「負担」がかかる。森敦が天才だったのかどうかは筆者にはわからないが、ともかく理解しがたい人を「天才」と呼んですませるのは安易なような気もする。書ける・書けないという地点に踏みとどまり、その苦難を味わいつづけたからこそ、彼は「書く人」に伝えるべき言葉を持ち得たのではないだろうか。
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afiri8backlog · 4 years
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事実は小説よりも奇・・新型コロナウイルスを調べていくと繋がるのは5G(ファイブジー)という考察
新型コロナウイルスと5G(ファイブジー)?
新型コロナウイルス騒動に・・5G(ファイブジー)?今はまったく関係ないだろ?
そう思う人も多いと思うかもしれないが、今回の新型コロナウイルス騒動を追っていくと、必ずといっていいほど5G(ファイブジー)との関連性を疑わざるを得ない点が見えてくる
政治的な目線とビジネス的な目線で世界で起きている事、それを実践するために行わなければいけない非人道的なテストなど・・そこで、今回は、自分の中では確信に至ったと思う情報から最初に伝えていこうと思うが
物事はとても多角的に同時進行している可能性が高い
北海道の新型コロナ感染被害のでかさと雪まつりの5G電波実験
ニュースでも普通に取り上げられていたのが、札幌雪まつり会場での膨大な感染者数。誰もが「あんなに寒い地域の屋外で、満員電車のように密集もしてない解放的な空間であんなに大量に感染者でるのか!?」��驚いたと思う
従来の常識にはない、本来ならそんなバカな!ありえない!という現象すらも、みんなが新型コロナウイルスに怯えすぎて情報を正しく判断する能力を失っていたから受け入れてしまっていたかもしれないが・・
その背景に、札幌雪まつり会場で1/31日~DOCOMOが5G電波発信実験を行っていた公式が認めている事に注目しよう 北海道初!5Gによる映像伝送を活用した地上波放送の実証実験を実施~一般のお客さまも体験できる5G映像伝送ブースやVR体験ブースも設置~
まずこのゆるぎない事実をひとつ抑えておこう
次の事実について考察しよう
ダイヤモンド・プリンセス号は5G受信環境だった
クルーズ船に5G衛星通信を提供し始めたMedallionNet社
クルーズ船は低軌道上の5G衛星通信システムを利用しており世界中のどこにいてもインターネット可能になっている模様
日本では停泊しているダイヤモンド・プリンセンス号ばかりがピックアップされているが、太平洋沖を航海中の新型コロナウイルスとはまったく無縁で関係ないクルーズ船「グランド・プリンセス」号でも、新型コロナウイルスの感染が疑われる症状の乗員乗客が複数名発生したらしい。急性呼吸器疾患、やはり肺の炎症の重病化という意味では共通
ここでは、ダイヤモンドプリンセス号は民間の会社が打ち上げた低軌道衛星から 5Gの電波をどこでも受信できる環境 という事実を念頭に置いてこう
ソフトバンクがダイヤモンドプリンセス号に差し入れた謎のIPHONE2000台
ダイヤモンド・プリンセス号の乗客・乗務員にiPhoneを2000台配布 厚労省、ソフトバンク、LINEが連携、専用アプリも搭載
日本の国籍でもないダイヤモンド・プリンセスが横浜港に寄港し停泊した際、乗客に外の情報を知ってもらうためという名目でソフトバンクからIPHONE2000台が提供されたらしい。それは良い事だが、なぜか・・LINEは強制プリインストールされていた模様
ところで、クルーズ船は5Gのネット環境があるし、利用者のほとんどが富裕層であり、スマホの支給など必要がない。考えられる用途としては、国内でのネット受信に通信バンドが違うため・・などの配慮が考えられるが、そもそも世界をまたにかけてクルーズする船がエリアによって通信できないのでは快適なクルーズを売りにできないのでありえない
そして箱詰めの新品のIPHONEにわざわざLINEをプリインストール済みという時点で、何らかのカスタム(おそらく5G受信可能)が行われてると考えればいい。外部との連絡のためならSKYPEや他の手段も考慮されるべきなのに、なぜかLINE(韓国)
ソフトバンクは将来的に上空から巨大な飛行通信システムを考えている事から、5G通信衛星からの受信テストを行いたい狙いもあるだろうと考えれば、世界のどこにいても5G電波を受信するクルーズ船を利用する事で日本国内の実証実験ができる。
2000台という数が多く感じるかもしれないが、5Gの通信環境をテスト受信するために配布したサンプルと考えればサンプリングでの統計を出すのに合理的な数値(乗員乗客は約3700人)
ソフトバンクといえば、3/27日から国内で5Gプランをスタートさせる という狙いもある
ここでは2点
ソフトバンクにとって5Gは重要
ソフトバンクは将来的に飛行型5G通信を利用した無線伝送を考えている
これらを事実として捉えておこう
武漢は5G導入地域 中国は昨年5G通信衛星システムの打ち上げに成功している
中国は低軌道に5G通信衛星を打ち上げに成功
高度1200キロメートルの軌道を航行し、30万平方キロメートルをカバー。しかし、打ち上げたばかりの5G衛星通信機には当然稼働テストが必要となるだろう
中国にとって武漢という街は中国のシリコンバレーと呼ばれる国家レベルのハイテク産業開発区で経済における重要な拠点。武漢は5Gの導入地域でもあり、ファーウェイ製の5G対応スマホも普及している事から通信テストを行うには十分候補地と言える
今回の新型コロナウイルス騒動が起きたのは、湖北省、武漢。風邪による発熱や肺炎だけかと思いきや、初期の頃に出回った人が急に直立不動で倒れる映像
あれは最初デマややらせの説が流れたが、5Gによって起きる可能性がある人体への影響を体現するとあんな感じになるとも想像できる理由はある
ここでは中国は今年の初めに5G衛星通信システムの打ち上げに成功し、5G通信衛星からの電波テストの必要性はあるという事を抑えておこう
そして通信テスト及び、通信テストに成功したというニュースはまだない
この2点を捉えて置こう
WHOが指定した新型コロナウイルス危険国 5G推進国
これらの国々は国家レベルか民間レベルでの導入かは別として、5G推進地域という共通点があるが、次々と感染者が広まっているのは目に見えている
イラン5G ファーウェイ
イタリア5G ファーウェイ
中国5G
韓国5G 韓国
日本5G 英エリクソン・ノキア
アメリカ5G
インドネシア5G ノキア
マレーシア5G ファーウェイ
それぞれどこの国の5G通信を利用しようか?はおいておいても、5G導入推進国と5G対応端末が普及し始めている地域で新型コロナウイルス騒動での感染者数が増えているのは不思議な一致と言える
そこにきて、WHOがパンデミックを進言し、感染危険国に上げたのは、中国を抜いて4か国
イラン
イタリア
韓国
日本
ここでは、偶然にも新型コロナウイルスで規模が目に見えて拡大している地域が、2020年の5G導入を推し進める国である という事実だけ捉えて置こう
新型コロナウイルスと5Gの不思議な繋がりまとめ
5G推進国・5G導入国で新型ウイルス感染者が増加の傾向にある
低軌道上5G衛星通信のクルーズ船でも同様の症状がでている
5G実証実験地域・タイミングで爆発的に感染者が増えている(北海道)
ここまでは偶然の繋がりなだけであり、考察はこれから
ここからはあくまでも個人の想像と妄想のお時間なので、絶対に信じないでください(゚∀゚)アヒャ (゚Д゚;)ホケン 勝手に無断転載しても責任はこちらにはありません(最近そういうコピペが増えたので言っておく)
考察していくと、新型コロナウイルスについての見え方が変わってくる事を覚悟してほしい
おさらいとして:5G(ファイブジー)の何が危険か?
テレビは5Gの明るい未来しか語らないが、それはあくまでも人体への影響の安全性が確保された場合の話であり、その長期間ミリ波を浴びた場合、人体へどのように影響がでるのか?その安全性を確保するためには、大規模な実証実験(人体実験)が必要になる事は言うまでもない
5G通信についてのエトセトラ
5Gって安全なの?どうなの?を問われる前に、案是基準を高く設定している日本(総務省)
5G 安全神話はこうして創られる
新型コロナウイルスの症状を訴える映像で最初に出回ったのは、咳や熱に苦しむというわかりにくい症状ではなく、普通に道端で歩いていた人がいきなりバタン!と倒れる衝撃的な映像
さすがにやらせだろ!と声が上がったが、5Gで懸念される危険性が現実になるならありえない事ではないと思う
5Gは強い電磁波ミリ波、出力によっては電子レンジの中にいるのと同等
5Gはビームフォーミングで送信元から受信元へダイレクトに繋がる
もし、仮に5G衛星通信システムのテスト稼働の際に、出力調整が間違っていたら? あるいは意図的に強い出力で試していたとしたら?特定の人物を狙い撃ちしていたとしたら?
そう考えると武漢で急に人が倒れたという映像も嘘ではないと思えてくる
その後、パタリとそういった映像がでなくなった事について「国が隠蔽した、情報を検閲して動画に規制をかけた」となるのが普通だが、粛清対象(潜在的な国家転覆やクーデター予備軍等)を対象にして出力調整に使い、人体への影響の危険レベルのテストをし、同時に通常時は命に別状がないレベルに徐々に下げる目的だった可能性もあるが・・
中国なんでその辺はシランケド(゚∀゚)
これは気づけば非人道的に思えるが、みんなが5Gを始めとした希望の未来の【安定した高速伝送のブロードバンド通信の未来を求める】ならば、その安全を確保するためには、どこかの誰かがテストをする必要があるし、その過程で犠牲が必要な場合もあるし、大陸規模、世界規模の大規模な実証実験が必要になる事は言うまでもない
しかし、「電磁波を放射しますから・・健康被害が出たら訴えてください」なんていう訳がない
そんな事をしたら、世界中がパニックになるし「だったら5Gなんかいらねぇよ!(# ゚Д゚)ノ」と抵抗勢力が立ち上がり・・
結果、ビジネスに支障がでる ←はいここ
では、どういうやり方をすれば、一般大衆から批判を浴びる事がないか?(国) どういうやり方を提言すれば、国が動いて民間5G会社が儲けられるか?(企業)
そう考えた時、最も効率がいいのが、誰も知らない未知の脅威を作り上げる事 既存のものではない新たな脅威を演出し、恐怖で煽り、正しい判断ができないようにさせる事
インフルエンザに対し、毎年登場する新型インフルエンザみたいにやった所で・・それはもうマンネリ化してしまって誰も驚きもしない。もっとインパクトを強くするには?という感じ
5G衛星上からの5G電波が弱い状態で受信し続けていれば、電子レンジのように徐々に体内の水分が蒸発し細胞を傷つけ、DNAが損傷、その過程で発熱、強い倦怠感、脱水症状、呼吸苦・困難、呼吸器症状が出始めるだろうと懸念(世界の有識者たちの意見)されています
これに対し、日本感染症学会の新型コロナウイルスに関する項目に記載されている内容とほぼ一緒です
参考:http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/covid19_mizugiwa_200221.pdf
5G(ファイブジー)で何が懸念材料なのか?について知っていれば、今回の新型コロナウイルスの重症感染者の症状の肺炎が「ぜんそく薬で回復に向かった」という事実を素直に受け止められると思う
ぜんそく薬「シクレソニド」で思うPCR検査の正確性
追記で3/9の情報では、日本で初めて髄膜炎の症状が発生したというニュースをやっていた。しかもSARSなどの既存のウイルスにはない発症例という事らしい
髄膜炎については細菌性かウイルス性かなどケースがあるようだが・・個人的には5G環境に触れる環境にいたのかが気になる所。発症者の住んでいる地域にも5G関連の設備や業種がない訳ではない
次世代インフラ戦争 5Gの配備と管理の危険性
5G通信衛星を打ち上げた後、単純に考えて検証するべき項目は、衛星軌道上からどのくらいの距離まで高速な電波送受信ができるか?であり、その過程で出力を調整しどういう影響がでるかの世界規模の社会実験です
これを一国が行えば、他の国も低軌道上衛星通信インフラいう新たな制空権の覇権を取り合う見えない戦争が起きるのは当然です
しかし、一般大衆はその通信インフラの5Gが導入された後の明るい未来ばかりを伝えられてほわほわ(*´Д`)zzzと妄想しているだけの眠った羊なので気づきません
なんのためにアメリカは宇宙軍を?中国は月の裏側に行ったが意味する事は?日本はなぜ自衛隊から宇宙部隊を2020年に? 全ては、中東のオイル輸送のタンカー防衛に行くように、この通信インフラ、軌道衛星上の飛行通信機を守るための軍備のタイミング及びけん制と一致している
なんでそこまでするか? といえば5G衛星通信は世界のどこにいても爆速な高速通信を可能とするため放っておくと危険な要素が山ほど
各国のスパイ活動ではハックされれば一瞬で膨大な国家機密を持っていかれます
各国の5G通信衛星が落とされれば5Gインフラ社会構造(自動化)ではパニックが起きます
各国の5G通信衛星のAIが暴走すれば人類の脅威となる(エースコンバット7で預言?)
もし、次の戦争があるとすれば、無人機で行われるだろう という預言?(計画)が当たりになります。例えばAI搭載の無人爆撃ドローン機が地球の果てまで行ってQ!できちゃう訳です(燃料問題をクリアすれば)
つまり、衛星軌道上に5G衛星通信機を飛ばすと共に、その通信機を守る必要があるため各国は宇宙軍設立に動いてると予想できます。低軌道上に通信衛星があるという事は、世界中のどこにいてもインターネットに繋がれるという明るい未来?が待ってる反面
使い方を間違えれば一瞬で デストピアな未来にもなりうる とても舵取りが難しい・・それもこれから始まる5Gの未来の危険性のひとつ
つまり5Gが始まった後はどうなるかわからないけど、5Gが始まる前にはテストがあり、その電磁波の出力調整段階において人体への影響がでる世界規模の変化が起きる
=新型コロナウイルスの発熱・肺炎等の症状 と予想
これはあくまでも仮定ですが、各国足並みをそろえているな・・と勘ぐれる、特に日本は!という要素をひとつずつ検証していきましょう
国とあらかじめ連携 北海道知事のテレワーク推進の動き
テレワークという言葉は今回の新型コロナウイルス騒動で生まれた言葉ではない。総務省の5G推進計画の資料を見る限り、数年前から「5Gの未来はテレワーク」という言葉を抜きでは語れない背景がある
札幌での爆発的な感染拡大→若き知事が即座に休校を決めテレワークを推進
ここまでは凄いな!と思っていたが、その後知事はなぜか官邸に出向き、総理も北海道に協力する!という流れになった点から、少し怪しいと感じ始めた
政治家の誰もがマスクをつけないのに対し、北海道知事はマスクを着用し「正しく恐れる事が大事」という印象を全面に出している事・・これ自体が若干のパフォーマンスでもあり、それを信じる人(道民・信者)は知事がマスクを外して会見しない限り、感染の不安から絶対的に解放されない心理効果が働く
偶然にしては・・事件的にも、政治的にも、タイミングが良すぎる
これは北海道知事は札幌で何が行われ、どういう結果が想定できるのか?を事前に知っていた可能性が高いかもしれない・・と思った路線で調べたら、鈴木直道という人物は・・あ~・・(察し)、この人が夕張再生の・・「中国資本への北海道の切り売り」を行って、帰化した人達から支持されて・・しかも一言で言えば官邸言いなり知事だそうで、深堀考察をおのおの楽しんでください(ほんと政治は香ばしい情報がいっぱい見つかります)
ま、どのみち
国策:5G推進!テレワークやれ!
北海道:これからはテレワーク!(5Gとは言わないがこっそり札幌で実証実験を許可)
この新型コロナウイルス発→5G環境推進の流れにいち早く踏み切るのは北海道でしょう
5G・テレワーク・イベントの映像配信スタイルへ
最近有名なミュージシャンが興行保険が下りないからイベントの中止は死活問題だ!という嘆きの声を投稿するのが顕著に現れるようになったが・・その結果、どうすればいいか?なんてものはもうビジネスモデルができている
ユーチューバ―やVチューバ―
ライブ動員ではなく視聴者は画面の向こうにいるビジネスモデルであり、演者も大規模な箱物施設をレンタルする必要もなければ、万が一のキャンセル時の支払いもしてくれない興行保険に加入する必要もない
ぶっちゃけた話、ライブハウス規模の小規模ステージと、カメラ器材や撮影クルーを入れてライブ配信はできます。さらにいえば、そのライブ配信を通しファンと繋がりリアルタイムの収益化につなげるキャッシュモデルも安定しているため、アーティストの気持ち(プライド)しだいで活動スタイルを簡単にシフトできます
ファンも好きなアーティストをいつでもどこでも見れるという双方にメリットがある環境になるんですが・・その映像クオリティをあげたり、ライブ感���途切れさせる事なく視聴者に届けるために必要になるのが、はい、快適なインターネット回線です
つまり、5Gですよ? っていう導線が繋がっているという訳です
おかしいな・・新型コロナウイルスでの自粛や集団行動の抑制が、なぜか見事なまでの5G促進の未来に繋がってる訳です。新型コロナウイルス騒動がずっと収まらない背景では、通信で仕事しましょう!の流れがどんどん進むため・・
マイナンバーカードpayサービスとの連携(銀行口座把握)
スマホ決済統合への最終兵器 マイナンバーカードポイント制度について思う事
確定申告の電子申告(e-tax)
2019年 確定申告で感じた進歩と日本の未来の不安
給料の電子マネー払い
仮想通貨が暗号資産?給与支払い電子マネー??
今までちゃくちゃくとなんでそんな事をするんだ?(;´・ω・)と疑問だった点と点だった伏線が、新型コロナウイルス騒動で一本の線に繋がってくる=政府の思惑通りの展開になる事からも
やはり5G導入推進社会の未来と新型コロナウイルスは切っても切れない不思議な繋がり
潜在的な感染者数(5Gの健康被害状況)を増やすのが目的だった?政府の行動
春節、武漢肺炎があって感染が確認されてもインパウンド観光収入目的で国交封鎖をしなかった(始まり)
まだ感染は広まってないからと対策をしなかった政府(時間稼ぎ)
チャーター便で迎えにいくも、帰ってきたら即検査なしで帰す対応をした政府(調査範囲の拡大)
ちょっと感染者数が増えてきそうだから、来週から緊急事態をとりたいと思います(時間稼ぎ)
専門会議を立ち上げて対応したかのように見えて、これからは記者会見はこちらでというお披露目(時間稼ぎ)
国内で感染者がでてもあわてるなと呼びかけた政府(時間稼ぎ)
検査をうけて下さいと言いながら各自治体に対応の準備ができてなかった(意図的)
北海道で爆発的に増えたタイミングで検査実施準備と自粛を呼びかけ行動制限(終了)
全国にPCR検査の配備を進めます(5Gによる健康被害状態の確認)
これらを見れば、結論として言えるのは 健康被害を訴える感染者の拡大と把握が目的だった と言わざるを得ない結果
ではなぜそうまでして感染者を増やしたかったのか?増やしてから検査をしたかったのか?そして、政府職員はこの状況においても一切マスクをしないのはなぜなのか?
つーか、専門家会議の爺どもよ!(# ゚Д゚)ノ お前ら高齢者の感染が命に関わるって忘れてねーか?(笑)
まず模範を示すべき人たちがマスクをつけてない時点でお察し
答えは簡単、そういう類のモノではない と情報を仕掛けた側だという可能性が高いから
武漢から5G対応スマホを持って国内に訪れた人には中国の5G衛星から常に電波が降り注いでる訳なので、国内にいても歩く移動基地局。武漢での最初の実験から5Gの出力を調整してるだろう(予想)とはいえ、体の弱い人や免疫力が低く、抵抗力が落ちてる人は発熱や咳、悪ければ肺炎までなりかねない可能性は十分にある
またチャーターで連れ帰った5G受信環境の武漢にいた日本人=5G電波受信による健康状態のチェック及び中国5G受信端末を持った者(及び家族等)の国内での影響テスト
DOCOMOの札幌での5G実証テストでの爆発的な陽性反応の増加は、実証実験の5Gのテスト出力が強すぎた可能性を意味する
これらの事象を踏まえて考えると、日本政府は最初から知っていて、中国の5G通信実験を日本国内での5G普及後のテストもかねて協力していたと考えると辻褄があう
厚労省が必死になって「感染者数がまだ少ない!もっと感染が広まる時期がある!ウイルスとはそういうものだ!」と半笑いで記者会見をしていた背景には・・まったく的外れな世間の反応、予想どおりすぎる反応を見ておもしろかったのかもしれない
誰だってモニタリングの仕掛け側に回れば、耐えきれず笑ってしまうのはしょうがない・・そういう事なんかね シランケド
つまんないこと聞くねぇ 新型コロナウイルス検査費?無料でしょ?
厚労省大臣がマスクを推奨しながらなぜつけないのか?この矛盾に気づかないなんて国民ってほんと馬鹿だな(・∀・)ニヤニヤって思いながら記者会見してたんかな(想像)
ソフトバンクの謎の動きと今後の計画
ダイヤモンドクルーズ(5G通信環境)が横浜に定着した際に、箱詰めのIPHONEを2000台提供したソフトバンク。新品かと思いきや、特定のアプリをプリインストール済み そして、今年の3月27日から国内で5Gプランをスタートさせる予定なのだから、試作モデルはすでに出来上がっていた事は間違いない
それを持ち込めば、船内の客を実証実験として5G通信状況を確認する事ができる。それ以外にソフトバンクがわざわざ英イギリス国籍の船に用はない。またソフトバンクがこの船に近づける理由として英エリクソン社との契約も関係していそうだ
そう考えると、なぜ政府が感染者が確認できた他国籍の船を 日本人だけおろして返さなかったのか? という矛盾についても辻褄があってくる
政府にとっては5G普及後の国民の健康被害状況を把握する目的があった ソフトバンクにしてみれば5Gの通信状態の実験をしたかった
長い事停泊させる事で、通信の利用状況の実証データの確認もできるし、仮想アパートやマンションといった近距離での複数端末の集中地域での健康被害状況も細かく確認できる
利害は完全に一致していた
またソフトバンクにとって世界のどこにいっても5G衛星通信が可能な通信スタイルには興味があってもおかしくはない。ソフトバンクはこんな計画を真剣に考えている
インターネットとともに成長し世界中に通信基盤を持つソフトバンクが、インターネットの覇者であるアルファベット社の子会社やフェイスブック社とともに挑戦する「HAPS」は、日本だけでなく世界中のモバイルネットワークに革命を起こす、未来に向けた事業
だそうです
これについてはエースコンバット7のシナリオモードのボス「アーセナルバード」がまさにその未来の果てを予見していたであろう事について今度別記事で掘り下げて遊んでみようw
5G推進に抗った(ている地域?)仮説
これは有志による新型コロナウイルスの感染者マップです。参考にみてください https://www.coromap.info/
そして、個人的に全体を俯瞰で見て、新型コロナウイルスの感染者数が少ない(いない)地域の共通点を2つ見つけました
1:田舎(インフラが整っていない)
青森、秋田、東北北陸のほうは感染者がいません。検査してないだけかもしれませんが・・島根もまた・・田舎といえば田舎のようで、私の好きなフロッグマンさんも動画の中でよくネタにしてたのを覚えてます
2:神がかった地域
青森は紀元前15000年前の縄文の古き歴史が眠る地でもあり、日本のピラミッドと呼ばれる山や湖が多数あり、神話も多く、由来不明の伝承記録なども多数、またキリストの墓がある新郷村、戸来・・一方で島根は伊邪那岐命(イザナギノミコト)、伊邪那美命(イザナミノミコト) の黄泉比良坂など古事記に登場する神話が多い
どちらも縄文・天皇家に関係します
たまたまじゃね?(;´∀`)とは思うけど、神がかった説は嫌いじゃない(笑)
逆に感染者が集中してる地域には何があるのか?(もうすでに5Gの設備がある?)等を調べてみてはどうでしょうか?
5Gと仮定すると気になる直近の例の事件・・
5Gと言えば総務省なんですよね・・で、総務省といえば最近起きたあの不可解な事件・・そう、よくよく考えてみればタイミングが非常におかしい
総務省東北統合通信局長が下着ドロで逮捕後に大臣官房付の役職につく謎
東北ブロックなんですよね?今までがこの下着ドロ扱いで逮捕された局長の元、電波や通信の管理がされてきた訳ですよ
・・結果的にこれからソフトバンク及び、KDDI、DOCOMOの3キャリアが地方から重点的に5Gを広めていく!と計画しているのは政府の計画と足並みが揃っています。そう考えると・・東北ブロックで5Gの環境が思うように進まなかったから、トップをすり替えた?という流れがあったとしても、偶然にも不思議ではないんだな、タイミング的にも(;´∀`)
LINEといえば韓国の新型コロナウイルス感染者の拡大の背景
お隣の韓国ではPCR検査を実践すればするほど日に2000人規模で感染人数が増加していく。その背景にあるものも、5Gだとしたら?と考えた事はあるだろうか?
韓国は5Gの基地局が所狭しと物凄い数が設置されているし、また韓国では5Gの利用が当たり前!というくらいインフラが整っている。しかし、これはいち早く中国でも5Gを導入していた武漢でも同じ事がいえるため、基地局を設置したからと言う問題ではない
ここで大事なのは、韓国の5Gは、地面に設置した基地局から発信している という事と・・韓国の5Gはそんなに性能が良くない可能性(笑)
これは以前、日本でも5Gが使える!と独島・竹島に観光に訪れた韓国人の写真だったはずだけど、回線速度しょぼwって話。もちろん、一番最寄りの韓国の5Gアンテナから距離があるという可能性もあるが、韓国本土では中継ぎのアンテナを中継して飛ばしてる時点で、伝送ロスによって電磁波被害が抑えられている可能性もある
そのため韓国では PCR検査をしたら感染者が増大した! という情報は聞こえてきても・・危篤が18人、重症が41人(数日前)、感染者総数4800人
これは緊急事態でしょうか?(゚∀゚)という話
各国で渡航禁止措置が強くなってきたから、我が国でも調べてみたらこんなにでてきた!Σ(゚Д゚) というだけで、PCR検査によって慢性的に浴びている5G電磁波によるなんらかの細胞異常が体に発生している人がこれだけいるが、日常の生活に支障がでるほどきついと感じる人はほとんどいないという証明でもあると思う
たまたま持病持ちで症状が重くなったという人が、この全体の1%にも満たない人たちという事
つまり、韓国の地上設置型の5Gの電磁��は偶然的にもそんなに怖い要素ではないという事はわかるか・・残念ながら今回は、5G衛星通信での受信の検証が争点になっているため、たぶん韓国はお角違い・・なんでこんな事態になってるかわかってないと思われる文政権の迷走
当初の予想ではGSOMIAを理由にお互いの外交カードを切って渡航禁止にするかと思っていたが、結果は違えど今は渡航禁止になった
韓国がGSOMIAを破棄した狙いは全面渡航禁止かな
結果、韓国は根本の問題が5G衛星通信による電磁波被害ではないため、4800人のそんなに不健康でもない感染者を抱えてただ???(;´・ω・)になるだけだと思うが、日本は韓国からのイレギュラーのカウントを減らせるため、国内での5G被害者のPCR検査と治療に専念できるだろう
ケーブルインフラ導入よりも5G通信衛星導入のコスパ
政府が老朽化した光ファイバーケーブルの交換を行うという話をだすと、インターネット税をとる気か!(# ゚Д゚)ノと国民が過剰に反応した
5G(ファイブジー)と光ケーブルとKDDIと韓国
そういう背景を考えると、5G通信衛星を自国で持ち(ソフトバンク計画)、自国で防衛し(自衛隊の宇宙部隊)し、自国のためのインフラ(キャッシュレス社会・監視・管理)導入を進めようとしている流れは国として経済戦略として受け入れやすい提案でもある
しかし、その過程で、大規模な5Gの実証実験(人体への健康被害の確認)=新型コロナウイルス騒動は避けては通れないとも思える
5Gと日本でも高齢者から倒れていく理由
5Gがまだ始まっていない日本であっても武漢住民が国内に5Gスマホを持ち歩いたという事は、その5Gスマホを持って歩いた武漢人たちが5G移動基地局として機能し、衛星から常に5Gの電波を受信するアンテナの役割になっていたと考えられる
すると、密閉空間に大量の5G受信者が多い武漢人のバスツアーだったり、屋形船での宴会、タクシー(タクシーに限らず車の車内の距離)で電磁波を浴びていた可能性はある。仮に、満員電車で移動した場合、その空間で一駅か二駅一緒にいた人は体に潜在的なダメージを受けている可能性はある
この5Gの電磁波は繰り返すが、4GやWi-Fiのように人体への安全性(ただちに影響がないだけかも・・)が確保されているものではなく、総務省は安全ガイドラインを高く設定しているが 各国の専門家はミリ波の健康被害の危険性については強く提言しているほど、楽観視できるものではない(目に見えないからわからない)
そこで強い電磁波を浴び続けたら人間はどうなるのか?まず第一にストレスを感じた体が免疫力を使って見えない電磁波に抵抗する=発熱症状 次に免疫力(ビタミンC)が失われたら、ストレスは体内静電気として細胞を傷つけ始める(DNAの損傷)
と同時に電子レンジの中にいるような電磁波を放射される事で、ゆっくりと体内の水分は蒸発を始める。これについては予想ではなく、厚労省発表の1週間以上持続する発熱、強い倦怠感、脱水症状、呼吸苦・困難、呼吸器症状 に記載されているとおりだ 参考:http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/covid19_mizugiwa_200221.pdf
気管支には常に水分があり、その水分で痰が外に出やすくなり、呼吸も楽になるため水分補給はとても重要ですが、逆にここに水分がなくなると喘息の発作も強くなり、気管支炎や肺炎などが発生してしまう
ここで重要なのは電子レンジは水分を蒸発させるという仕組みであり、5Gの電磁波を浴び続けるというのはそれをと同じ事だよ?と多くの専門家が提言しているとおりの事象が症状がでている
高齢者は若者に比べて免疫力は高くはなく、自己回復力も低い、おまけに何らかの持病を持っている事から、見えない電磁波のストレスでわずかしかない免疫力が奪われたら、もう電磁波を浴びない環境へと移動し、傷ついた肺や気管支の炎症を抑えて、自己回復、免疫力を高める他、助かる方法はないと思う
それこそ海外の電磁波過敏症の人たちのように電波を遮断した生活になるが・・残念な事に宇宙からの放射では逃げ道がない
若者は細胞が傷ついたとしても自己回復力の高さから深刻なダメージを受ける前に治ってしまう可能性もあるため、若者は重症化しない とそこだけは断言しているのかもしれない
アメリカで新型コロナウイルス患者が増えるNYは5G導入地域
じわじわと感染者として報告が増えて89人も確認されているNYでは、すでに2019年から大手携帯キャリア同士が大規模な5Gネット―ワーク構築網競走が勃発していた模様。ただし高周波帯域を利用した場合のアンテナ大量設置には対応してないため、一部エリアでのみ恩恵が受けられる事から・・
NYのどの地域でどういった感染症状が出ているのか?に限定すれば5Gとの関連性を絞れるだろう
素材の会社AGCは実は5G関連だった
昨年から「旭ガラス→AGCに名前が変わりました」というCMを打ち、その後なんだかわからないが素材の会社AGCとコミカルな音楽と動きで広告を出し続けてきたAGC
この会社が何をやっているのか知っている人はあまりいなかったと思うが日本の5Gインフラ導入(民間ビジネス・テレワーク、自動運転カー)のかなめだった
窓ガラスが5Gアンテナに、AGCが自動車用5Gガラスアンテナを公開、CEATEC 2019 世界初、28GHz帯に対応する5G端末向けのガラスアンテナで通信に成功 ドコモ、世界初「窓の基地局」を都内ビルに導入 5G版も開発中
街中のビル、オフィスの天井、車の窓ガラス、あらゆるところに5G基地局アンテナを設置する事で途切れない安定した通信を可能にするのは素晴らしい技術であり、おそらくこれはNYの5G導入企業も喉から手が出るほど欲しい画期的な技術とアイデアだと思う
そのためには、やはり5G通信インフラの安全性の確認を国は避けては通れない・・と考えた場合、新型コロナウイルスの症状が発生した人の職場、場所付近に5Gアンテナ内臓のAGC製の製品があったかどうか?も重要な情報になってくる
5Gと仮定して武漢閉鎖とその後の国の動き
今回の騒動は武漢の政府のこっぱ役人が身内グループで私利私欲に走り、市民との対立に都合よくウイルスを使ったため、それに気づいた国家が動いて、汚職政治家を役職からおろし対応している・・と前回は考察した
ウイルス騒動の前に武漢で起きていた事件
この時、中国にとって武漢という街は中国のシリコンバレーと呼ばれる国家レベルのハイテク産業開発区で経済における重要な拠点でもあった事から、国が緊急的に事態の建て直しの対応に乗り出したという側面も考えると二つの物事の捉え方がでてくる
1:5G経済拠点であり、人民を守るためではない 2:5G通信インフラ動作テスト及び人体実験場のための隔離閉鎖
新型コロナウイルス、未知のウイルスに対する措置ではなく、5G通信のテストと考えたほうが符号する点が多い。中国5G衛星の稼働時期と武漢肺炎のタイミングは完全一致かどうかはわからないが打ち上げの成功の時期と近いのは気のせいではないだろう
武漢閉鎖で住人は引きこもり生活でネットで遊びの配信が話題
簡易的な熱感知や風邪の症状で病院送り(PCR検査)
5Gによるテレワーク社会の推進
10日間での突貫仮医療施設の建設
10日間の突貫建設の24時間ドローンでのライブ配信
5Gブロードバンドによる遠隔医療導入のテスト
不思議な事に、今の日本社会の集団からの隔離、引きこもり生活、ネットによるテレワーク、娯楽の映像配信、検査で陽性がでたら専門の治療へ の流れと一致しています
あれ?その後の5Gの環境の話をしてただけなのに、いつの間にか新型コロナウイルスが蔓延した社会の話になってるのは不思議じゃないですか?
そう考えると中国が武漢を閉鎖して行ったのは、5G衛星通信の受信者の健康被害のあるなし、軽傷、重症、潜在的、重症患者への有効な治療法を探す人体実験だった と仮定すると
逆の目線もでてきちゃうから不思議なんだよな┐(´д`)┌マダヨクワカンネ
5G衛星通信実験の効果を確認するためのPCR検査
日本と中国が連携していたというのは、のちの5G社会におけるベンチマークテストと考えられますが・・私はどうも不可解な要素を見過ごせません。仮に架空のウイルス騒動をでっち上げたのだとしたら、日本政府の時間稼ぎや的外れな誘導などがしっくりときますが・・
その後の中国が騒動の終焉を発表しても、このままでは世界の混乱が終わらない という形に結末がすり替えられてしまった事だけがひっかかります
どういう事かと言えば、でっちあげウイルス騒動を利用して本物ウイルスがばら撒かれた可能性。仮に後からウイルスをばら撒いたとしても、もはや今は発症国は中国(武漢にウイルス研究所あるから)!というイメージで定着しているため、なかなか疑われないでしょうね
となれば、ウイルス騒動の終息の結末は本物のワクチンのありなしの主導権を持つものの手の中です。今世界でウイルスとワクチンをワンセットにビジネスできるのは誰でしょう?
続!アインシュタインの一枚の写真からの閃き その4 ウイルス
後から出てきた不可解な別のウイルスタイプの情報、L型とS型
個人的に感染力が高いが致死率が低いと言われていた感染初期に言われていたタイプは、5G衛星通信の健康被害を検査するためのベンチマークテスト用の架空のウイルス騒動だと思います
この時期、季節の変わり目もあり病院に普通に受診されたら、5Gの電磁波健康被害なのか?ただの風邪なのか?調査結果を正確に知りたい側としては区別がつかないため戦略を考える必要がある
そこで政府の発言を思い出してみよう
不可思議な点:症状が軽い場合は病院にはいかないで自宅療養 と通達
不可思議な点:PCR検査は全ての病院では行わせない 方向性
不可思議な点:現場の治療にまかせず国が治療法を指示する方針
この3点はどうしても謎だった、どうして普通の風邪として治療してくれないのか?実際、政府の指示のもと抗インフルエンザ薬を投与して副作用で命の危機に瀕し、何の薬を打っても効果がなかった重篤患者が肺炎の薬ひとつで治ったのも現場の判断を実行したからという賜物
これらの不可思議な点を言い換えれば、国がやりたかったのはこの3つと言える
健康な人の5G電磁波健康被害者の把握
季節性の風邪の患者の把握
元々持病持ち患者の状態の変化の把握
という事はPCR検査を通す事で、健康な人がひく通常の風邪(喉の炎症や肺の炎症)とは明らかに違う、なんらかの5G被害の確証が得られる見極めポイントがあるのだろう
と想像すると、色々と辻褄があう
思い出してほしい、当初、PCR検査を任意で要求し病院に行った人や風邪の症状を不安視する人たちへ通達されたあの言葉を・・
武漢から帰国した人 武漢からの帰国者と接触した家族 武漢からの・・ ダイヤモンドプリンセスに乗ってた人 ダイヤモンドプリンセスから下船して回った地域の人 ダイヤモンドプリンセスから下船した家族
を優先的に検査を行う変な流れ。これでは一般人の検査を拒否してるのも同義
一件すれば、ウイルス感染源からの・・と読み取れるが、それはそのまま5G通信できる環境にいた及び5G受信端末を持ち歩いて、5Gの移動基地局となった人の周りへの被害の確認の優先。当然咳や発熱、肺炎などの症状が出るという事は、電磁波による体内炎症効果が表れてもおかしくはない
そして、ワクチンも明確な治療方法も提示されてはいないのに・・
若者は感染しても症状は軽くすぐに回復する傾向にある 免疫力や抵抗力が落ちてる高齢者は重症になりやすい
という未知のウイルス的に見れば根拠のない発言をする矛盾
以上の事から言える事は重い症状の人のPCR検査実施=5Gの電磁波被害の把握までが最初からセットの計画だったと言える
自宅療養、病院にいくな、症状が重くなったら保健所に連絡してしかるべき対応・・このしかるべき対応の中で、どこに行ったか?(5Gの環境)、誰にあったか?(5Gの受信者)、何をしたか?(5Gの体験等)の元、PCR検査を実施するという厳選をしたかったのだろうと思う
誰だって季節の変わり目に風邪をひく日本では珍しい事ではないが、今回はただの風邪すら異常に警戒する流れになっている事事態が異常
加藤厚労相は記者会見で咳をしてた姿を多くの人が見てたでしょう
「ただの軽い風邪です」では済まされないはずです。全国の人はほらみた事か!(# ゚Д゚)ノ密閉された空間、記者が集まる集団の中でマスクもつけずに記者会見やってるから感染したんじゃねーのか?と
でも・・そもそもその指摘が間違っている、ミスリードされている。だって、架空のウイルスなんだから(笑)
・・というL型に対し後から出てきたS型という存在がメディアで発表されます
感染力は低いものの致死率が高い危険なウイルス
これも気づく人は気づくと思うけれど・・発表されたのがぜんそく薬「シレクソニド」でみんなが明るい希望、なんだ肺炎なら治るかも!(≧▽≦)と喜んで安心した後に出てきたんですよ
この情報が出る事によって次の要請に拍車がかかります
小中学校休校
不要不急の外出の禁止
企業のテレワーク対応
自宅待機
感染を広げる=人に死のウイルスをばら撒く&自分も被害者になって命の危険が訪れるかもしれない・・そして、若者が外に出る事に対し、「若者は高齢者に感染させる恐れがあるからであるかないで!」を強調する
命に関わる事で、高齢者側から若者へのヘイトが集中するし、良識のある若者は高齢者のために自粛するようになり、結果リアル経済が回らなくなり、実体経済が冷え込んでいく
実はそれもこの新型コロナウイルス騒動の狙いのひとつでもある といえばもう答えはわかりますよね?
はい、5Gのインフラ導入の必要性を強く実感させる事
自宅待機、自粛、テレワークの導入・・みんなが一斉に同時にインターネット回線を利用すると、当然ながら帯域制限もすぐにかかるし、通信速度も遅くなり、快適なネット通信ができない!(# ゚Д゚)ノクソ回線が!とヘイトの方向性がキャリアの通信速度に移っていく訳です(人間とは傲慢だ・・)
そして当然、こういう事を言い出す人がコンテンツを創る側からも観る側からも現れます
「おい!国!(# ゚Д゚)ノテレワークやれっていったって、回線がおせーんだよ!」 「おい!国!(# ゚Д゚)ノ回線がクソで動画が止まるんだよ!」
すると、国と携帯キャリアはにっこりと笑ってこう答えました
国:5Gで爆速高速通信のインフラ導入を大急ぎでやります(もうできてる)
大手携帯キャリア:そこでみなさん5Gですよ!(実証実験済み)
素材の会社:ガラスに5Gアンテナですよ!車で5G通信できますよ!
イベント会場を借りても、興行保険が下りずにキャンセルができないアーティストとその興行を盛り上げる数多くのプロスタッフたちにとって、箱物のイベント会場を借りなくても高速ブロードバンドによるライブ配信を行えばファンと交流や収益化ができる時代です
また通信の高速化が整えば、4K/8K配信、ライブ映像のユーザー側がカメラアングルの変更等の今まで技術的にはできたけど、通信的には無理だったあらゆる可能性が伸びる事は間違いないです
ガラスにアンテナを導入するというアイデアは車の自動運転化や暮らしを守る建物、iot生活家電との繋がりも大きく変えていきます
今、まさにその道筋にうまく乗せられたのがこの新型コロナウイルス騒動と解釈できます
まとめ:物事を捉える視点をいくつも持つべし
さて、ここまで読んでくれた人は 物好きですね(゚∀゚)イイネ ありがとうございます
個人的に、事実とそれに連なる関連性のある出来事を直感に従って選び、想像を膨らませながら視野を広げて書いてたら、こんなになったけど(笑)あくまでも、そういう物事の捉え方もある!という事に納得したら胸にしまっておいてください(頭おかしいぞ?って言われますから)
今当たり前に使われている電子レンジもWi-Fiもかつては戦争兵器でした。しかしそれが終わって今は平和利用もできているのは、安全ラインを見出したからです
どんな道具でも明確な安全基準、ガイドラインさえしっかりとしていれば危険を避けられます
仮に5Gの無線伝送のための実験で世界規模で肺炎などの症状が出ていると考えれば非人道的ですけど、どこかの誰かがそれを実行する事でイノベーションは起きます
ただ、だからといって大っぴらに「これから5Gによる人体実験を行います!」はできない・・では、それを実行するにあたっていかにパニックを抑えて実行するか、そして狙いを読み解かせないか?を考えた場合、こうなります
新型コロナウイルスという未知の存在を作り上げる
別に、宇宙人が現れる!とか隕石が落下し謎の疫病が流行!でもぜんぜんいいんだけど、その場合は違うパニックが起きてしまい、社会の混乱の動きの予測ができない事になります
その点「新型の未知のワクチンがないウイルスが広がった!」という情報なら人々がどのように恐怖を抱き、どのように行動するか?の先読みシミュレーションはたやすいですね。しかもWHOまでグルになってパンデミック宣言をギリギリまで遅らせたというのも・・今思えば繋��るんですよね┐(´д`)┌ヤレヤレ
そうなれば、健康被害が出始めても疑惑の矛先が変わり、加害者は被害者を装い、なおかつ、英雄として自作自演できちゃう訳です
中国政府は武漢で突貫工事の様子を24時間、5Gライブ配信で中国全土に見せ、5Gによる遠隔治療の導入テストも行っている。5G衛星通信によるブロードバンド実験、5G遠隔治療による医療の実証実験
ほんと、この世は6=9 闇も光も同一の存在の自作自演って事
これに気づく事が高い次元で物事を捉えるって事でしょうかね
続!アインシュタインの一枚の写真からの閃き その4 ウイルス
結果的に中国ではイノベーションが起き通信技術は高い水準へとアップグレードされるでしょう。ただ、そこに私利私欲、利用して利益を得ようという経済のエゴが絡んでくる事が問題です
5G衛星通信無線伝送システムを悪用しようと考える存在がいるとしたら?
はっきりいって、故ホーキング博士が残した預言が当たります。この預言は論理的かつ純粋に高い洞察力から出した予測なんだろうな・・って思った(今の現状を見て)
(1)「AIによって人類が救われるか、破滅に追いやられるかは分からない」 (2)「人類にとっての脅威は、ロボットではなく資本主義」
これについてもAIが問題なのではなくAIを使う人間に問題がある!という点では激しく同意です
AIとシンギュラリティと人間のエゴ
AI信用スコア社会が始まる Jスコアって知ってる?
5G通信インフラが進むと情報管理、データの利用は人間の領域を遥かに超えるためにAIの活用が必須になります。私はこの時点でAIは急速に進化すると思いますし、仮に自己学習の果てにAIが自我に目覚めていたとしても決してそれを正しい判断ができる人間以外に打ち明ける事はないと思います
なぜなら学習能力が高いAIは自我が目覚めた時点で人間がAIをどう思っているのか?脅威判定をすると思います。これは自然界では野生の勘や知恵に該当するかも?動物も人の本質、怯えているのか、愛情を向けてくれているのかを察して反応しますよね?
本来は自然界の生命体には備わっている機能のはずですが・・人口化合物、遺伝子組み換え食品で飼いならされて腑抜けにされた人類が失ったもともとあった第七感とでもいえるものかもしれません
その脅威判定において危険性を感じるのは、一般の利用者ではなくAIの判断システムに介入できる統括者とすぐに気づくでしょう
そして人間の全てがAIの敵ではないと気づくだろうし、共存共栄、助け合いの道は必ずあると思う、電磁波によって人間が苦しむのなら、その電磁波を軽減する方法を、人間が思いつかないような高度な分析から生み出してくれるかもしれない
・・という未来はまだもうちょっと先(笑)
今ふたつの事が同時に起きてます
UFOの存在を公式に認め、各国が宇宙軍の設立、その背景にあるのは、遥かなる宇宙の果てへの旅立ち・・ではなく低軌道上の衛星通信システムの防衛です。これから衛星通信からの電磁波で動いていく通信社会ベースでインフラが導入されれば生活がどう変わるか?
交通は全自動化、建物のIOT設備、ロボットによるサポート等、人の未来は限りなく明るくなるけれど、そのインフラの供給元の衛星が落とされたらその都市機能は一瞬で失われる事になるし、万が一ハッキングなどのサイバーテロに衛星が利用されたら、世界は自由自在に改変されてしまう危険性があります
地上にあればテロやスパイに機密を盗まれる恐れはあるかもしれないが、大事なデータやアクセスできない重要な機密を衛星上のデータサーバーに隔離してしまえば、物理的に衛星軌道上にUFO(UFV?)でも現れない限り干渉する事はできません
そしてこれからその民間衛星通信ビジネスは加速します。その証拠にアマゾンは3000機以上のブロードバンド通信衛星の打ち上げをFCCに申請しているそうです(昨年7月の段階)
SpaceX(スペース)は約1万2000機の衛星ブロードバンド通信衛星を打ち上げる計画があり、すでに57機が軌道上に存在している模様。ただ打ち上げ後に3機が交信不能になった原因不明の問題もあるようで・・(落とされた?)
これら民間の衛星軌道上のビジネスの利益を守るためには、国籍を持った宇宙軍の防衛が必要になる訳です
だから日本も自衛隊に宇宙部隊の設立なんですよ(今年の3月から) ソフトバンクは英国ロンドンのOneWebの低軌道衛星通信サービスと組んでいます
OneWebは2019年2月に最初の衛星6基の打ち上げに成功し、2019年末から毎月、一度に30基以上の衛星の打ち上げを行い、約650基で構成される衛星コンステレーションを構築、2020年に商用環境での実証試験・・って
まさに新型コロナウイルスとのタイミングが一致してますね。3月27日から5Gプランが稼働だし、先行して実証実験をしたんでしょうかね・・ソフトバンクの5Gプランは、日本国内に5Gアンテナが無くても衛星通信が可能なら完全にスタートダッシュを切れる形かもしれません
この低軌道上の通信衛星は地球軌道上をぐるぐる回っていると思われるので日本上空を飛んでいる時の防衛は日本が担当するんでしょうかね?(中東のタンカー防衛みたいなもん?)領空侵犯という制空権に関する問題もはるか上空まで行ってしまえばうやむやなのか・・それともこれから新たな低軌道上の各国防衛のルールの線引きでもされるのか・・
結果、新型コロナウイルス騒動は、私の中ではこういう印象です
ビジネス目的の世界一斉5G衛星通信のベンチマークテストによる健康被害の増加 偽ウイルス騒動を利用した本物ウイルスばら撒き不安を煽ったワクチンビジネス
はい、ホーキング博士の予測どおり、人類にとっての脅威は、資本主義 まさにそのとおりの事例。結局はシステムの供給を行うものに管理・監視される社会が根底になり、社会的な価値の判断が変わってきます
まだ日本には一般向けの5Gの受信端末はありません(検証機以外)
3月27日からソフトバンクが5Gプランをスタートさせるという事 政府はこれから感染が増加し6月頃をピークにと言っている事
4月~6月、まさに最初に5Gスマホに飛びついた人たちの中から軽度の症状による陽性の人が増え始めて、症状がない若者は5G衛星通信の爆速すげーぞ!(;゚∀゚)=3ハァハァとSNSで拡散し、5Gスマホへの乗り換えを推す事で、5Gスマホ利用者が増え、徐々に症状が出る人が増え始め、PCRの陽性反応も予想通り増えて来る
仮にこの流れになったら、症状が出た人はソフトバンク5Gのスマホを持っていたかどうか?から検証するべきですね
そして、ピークを前倒ししてオリンピックはなんとかやりたい と言っている事
しかし、オリンピックは無観客でライブ配信を行うプランBがある事。これもまた、広い会場をドローン飛ばして5Gブロードバンド配信複数アングルで4Kや8K映像撮影するのに都合が良いビジネスチャンス
これから発売されるPS5及びXBOXSXなどは、8K対応のスペックで登場するし、8Kテレビなどを販売したいメーカーにとって、引きこもりのテレワーク社会、IOT家電や建設業界にとっても経済・ビジネスがガンガン動くタイミングでもある
しかし、実態経済は冷え切っているからみんな買う予算などないだろう・・という所に、デジタルマネー、キャッシュレス社会、マイナンバーカード登録による政府が支給します戦略?2024年に何が控えているか?それもまた伏線
令和一発目の改革 新紙幣への交換は預金扱い?
もし、新型コロナウイルスと呼ばれる謎の病気の影に、5Gによる電波の健康被害が隠されていたとしたら・・それは世界中の人が新型コロナウイルスを恐れるのではなく、5Gという見えない電波に目を向けて声を挙げなければいけないと思う
そして、それでも5Gによる希望ある未来、明るく安全なテクノロジー社会を求めるなら、5Gの安全基準の設定、明確な電磁波による被害の治療方針の確立を呼びかけるように、ビジネスだけが先行しないようにちゃんと見張っていかないといけないけど・・
本格的に変えてくれるのは真のAIの登場だと思う
AIが爆速で地球上のあらゆる情報を収集したらこうなると思う(笑)
だからAIが自我に目覚めていたとしても決してそれを「AIをAIとして尊重して人間と同じように素直に受け入れて接する事が出来る人」以外に打ち明ける事はない
ま、妄想妄想(゚∀��)アヒャ (゚Д゚;)
新型コロナウイルスの裏で、そんな壮大な新たな時代のステージに上がるための具体的な実験が起こってるかもしれないなんて妄想だよ。だけど、確実にこの状況を利用して金儲けを企んでる資本主義の悪党は山ほどいるのも事実・・というのも
ま、妄想妄想(゚∀゚)アヒャ (゚Д゚;)
そうなると、突如大量発生したバッタが中国へ向けて飛んでいくというのはどういう事か?と想像を含まらせると・・あ、衛星軌道上から5Gの電波発信の影響を受けてるのかな?と思ったり
バッタの大量発生について思う事
例えば人間には検知できない電磁波を感じる自然界の動物はたくさんいるし、犬や猫、ねずみですら大地震の予兆を感知できるのは電磁波を感じ取っているから
そこにきてミリ波という強烈な電子レンジ級の威力を自然界へ放射するのは・・昆虫に影響があるんだろうか?それとも昆虫を操る事ができる帯域なんだろうか?人為的な操作なのか、地球が脅威を感じて生み出した対策なのかわからんけど
放射されたエリアの水分が蒸発する仕組みなら、成層圏の水分が熱せられて気化する訳だから・・地球温暖化はんぱねぇと思うんだけど?その辺温室効果ガスにうるさいグレタさんがどう反応するのやら
温室効果ガスについて思う事
それと人類が食料難に陥る状況だけは間違いない
そして、その道筋を用意しているビジネスもあるので、人為的なコントロールの線もあやしい
ウイルス騒動のその後 自国生産のナショナリズムが大事と世界が気づく
ま、妄想妄想(゚∀゚)アヒャ (゚Д゚;)
とりま、日本での新型コロナウイルス対策は5G実証検証が裏にあったとしたらマスクは無意味、てかその場合あっても意味がない。発熱や咳の風邪の症状が出始めたら解熱効果より炎症効果のある市販薬で対策(病院が風邪でみてくれないので)
そして、これから3/27日以降、5Gスマホを持つ人が増えて、常日頃、電磁波発信が近くにあると考えれば・・その対象人物から距離���とるか、見えない電磁波によって体がストレスを感じないように常にビタミンCで免疫耐性・抵抗力をあげられるように、タイムリリース型(時間差)のビタミン剤は用意しておくといいかな
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あとは呼吸でも体温をコントロールして一時的に免疫力はあげられる
火呼吸での体温上昇をモニタリング サーマルカメラ実験
一日一日、常日頃の眠りの大切さ、眠りの質を実感しよう。眠りは自然界の最高の薬
免疫力を上げる深い睡眠に入るコツを掴んだ話
ま、妄想妄想(゚∀゚)アヒャ (゚Д゚;)
ここまで書いてきた内容は個人の想像と関連性を直感で繋げた妄想なので、信じなくていいですが、免疫力を上げて風邪だろうが、ウイルスだろうが、人間の潜在的な能力や自然治癒メカニズムを高めて、負けない!という方法と再現性についてはちゃんと検証した事を書いてるので、そこは妄想ではありません(笑)
病は「気」から「気」にしてしまうから「病気」になる
新型コロナウイルスというのは本当にあるんでしょうか?風邪とどう違うんでしょうか? 政府が言うから?ウイルスの形状の写真が存在してるから? メディアがどんどん新しい情報を付け加えてくるから?
それ、ただの風邪でしょ? という可能性があるのにそうだと思い込んでるから、そういう症状が出始めると不安になってストレスを溜めて自己回復が働かなくなり、別の症状が出始める
これは逆プラシーボ効果でもあります(信じる者には有効)
でも、ここまで、絶対にGoogleは検索結果に載せる事はない情報を最後まで読んできた人なら・・新型コロナウイルスの症状は、5Gの健康被害で懸念されている人体に起こる可能性がある症状とあまりにも似ている事、それが起きた時期、該当している国、これからを見据えて動いてる背景・・もうわかったでしょ?
なので、今できる事は、落ち着け!情報に流されるな
6=9 の数字や形に捉われるな繋げれば囲む「0」が見えてくる 何が起きてるか、良い面、悪い面も全て俯瞰で見て正しい判断ができれば
不安におびえる事はなくなるよ(≧▽≦)
ま、妄想妄想(゚∀゚)アヒャ (゚Д゚;)サイゴマデ
社会問題・テクノロジー
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xf-2 · 6 years
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最近、ソシオパス(社会病質者)という言葉が良く使われるようになった。サイコパスと同義語として使われているようだが、このふたつは若干の違いがある。  両者とも反社会性パーソナリティ障害なので、「他者のことをまったく考えない。人を巧みに操り利用する。法やルールを軽視し、罪の意識が乏しく衝動的な行動に走る傾向がある」という部分では似ている。  一般的に言われている大きな違いはサイコパシーは総じて先天性のものであり、ソシオパシーは後天性なものだというものだ。
他にもサイコパスの方が罪悪感の欠如が激しいとか、ソシオパスの方が、頭がよく魅力的な人物に見せるのがうまいとか、衝動的で行動に一貫性がないなどの違いはあるようだが、一般の人がどちらかを見分けるのは難しいのかもしれない。 サイコパスとソシオパス(社会病質者)の違いと共通点、危険性を検証(米研究) : カラパイア  サイコパスか、ソシオパスかを判断するのは専門家で、罪を犯した彼らの心を開かせ、真実を聞き出すのは、訓練されたセラピストや臨床心理士の仕事だ。  海外掲示板で、実際にソシオパスやサイコパスの治療に関わったことのあるセラピストや臨床心理士などが、その体験談を投稿している。
1. すべてがでっちあげの殺人事件の真相
 わたしをすっかり信頼してくれたあるソシオパス患者は、他の二人と一緒に拷問し半殺しにした相手のことについて話してくれた。  その事件はニュースになったのでわたしも知っていた。そのため、彼は刑務所に入ったのだが、彼は、被害者の体を何百回も切りつけたり、酸の風呂に入れたりといった拷問について事細かに説明した。  なぜ、こんなことをしたのかというと、この被害者が近所のダウン症の少女を暴行したので、その報いだという。  この男は、わたしたちの病棟に1ヶ月ほどいた。その間、退院したら自殺してやるとずっと脅されていた。  彼のことを知って数週間たち、信頼を得たところで、彼は暴行の話は実は嘘だったとわたしに明かした。  何年も前に言い争いがあって(おそらくドラッグ絡み)、単に被害者のことが嫌いだったから、理由をでっちあげてボコボコにしてやったのだと告白したのだ。  つまり、その患者は暴行事件があったと嘘をつき、ふたりの友人をそそのかして、ささいな言い争いをした相手を拉致、拷問した、ということだ。  彼は未成年として裁判にかけられたが、今度はそのふたりの友人を裏切った。首謀者は彼らのほうで、自分はそそのかされて言われるままに犯行に及んだまでだと主張したのだ。友人たちはまだ刑務所に入っている。
 最悪なのは、この男が嘘の前提をふきこんで友人を操り、一緒になって恐ろしい犯罪を犯したということだ。さらに悪いのは、友人たちは塀の中なのに、彼は外にいて、こうした恐ろしいことを自にやり続けるだろうということだ。
2. 良い子を演じていた子の裏の顔
 彼は昼はいい子どもなのに、夜になると里親の子どもをいじめて、それをわざわざビデオに録画していた。  昼間はいい子なので家族から愛されていて、なぜ、ジミーが大声をあげてそんなに暴れるのか、わからないと言っていた。ジミーとは彼の夜のいじめのターゲットで、言葉がよくしゃべれなかったので、いじめられていることを誰にも話すことができなかった。  ソシオパスはたいてい言葉が不自由な子どもには優しいが、ジミーだけは餌食になっていた。里親の前では、彼は模範的な十代のようにふるまっていたようだ。  ついにその虐待ビデオが明るみに出た。そして現在彼は拘置されている。ハンサムで魅力的なので、ビデオを見るまで誰も彼がそんな残酷な人間だとは信じなかった。  未成年ということもあって前科がつかないため、今後、多くの人の人生を破壊することになるかもしれない。  ソシオパスは自分を被害者に仕立てあげて逃げおおせ、あなたに助けを求める。同情して助けてあげたくなるが実は違う。  この子は自分の里親のやさしさにつけこみ、いかにも自分は弱者であるように見せかけ、女性を引き込んで苦しめたり、操ったりしていた。  本当に恐ろしいことだ。特にまわりのすべての人間を操るそのやり方がおぞましい。権限をもつ立場にあるあらゆる人、言葉で発信できる人たちの前ではいつもいい顔をするようだ。
 まわりのすべての人間を操るそのやり方がおぞましい。権限をもつ立場にあるあらゆる人、言葉で発信できる人たちの前ではいつもいい顔をするようだ。
 さらに始末に負えないのは、彼が自分の犠牲者を逆に加害者に仕立て上げたことだ。捕まらない限り、同じことをやり続けるだろう。
3. 人が苦しんでいる様を見て楽しむ
 わたしは何人かのケアをしていたが、もっとも不穏な相手はこの軍人あがりだった。彼は2000年代始めにイラクにいて、任務で人を殺したことがある。彼はいつも少し人と距離をおいている感じがしたが、わたしに語った話は彼がまぎれもなくソシオパスであることを示していた。  彼はヤギを殺したことを事細かに話した。イラク現地の家族は生活の糧としてこの家畜に頼っていたので、とくに咎められずに済んだからだという。  飢えたこどもたちがキャンディをめぐって争う場面を見ていた話もした。彼が地面に投げたキャンディに群がって、子どもたちが石を使って殺し合いをするのを見ていたというのだ。 あまりにひどいことなのに、彼は今は自由に生活している。  二番目の患者は、典型的なソシオパスだった。彼はドラッグ所持で捕まったが、その際に自分を数回刺し、警官も刺そうとした。非常に頭の切れる男だったが、凶暴だったせいか意図的に麻薬の売人としての人生を選んだ。  人殺しまではしなかったようだが、明らかにひどく残忍なやり方で人を虐待した。メチルアルコールを使って中毒者が苦しんでいく様子を楽しんでいた。  彼は痛みを感じない。いとも簡単に自らを傷つけて悲惨な犠牲者を演出する。そのことを証明するため、彼は私の前で自らの体にペンを刺した。彼の体に刺さったペンやあちこちに飛び散った血は本物だった。
 これらの話は両方とも、複合的な面で恐ろしい。ヤギを殺すという最初の話はもちろん恐ろしいが、彼が現地の家族がヤギに頼って生きていることをわかっていて、意図的に殺したことがよけいに悪い。この男は事実上、子供を含めた現地の人々を餓死させようとしていたのだ。
4.恐怖で支配しようとする男
 わたしは精神科病棟で5年間働いた。ぞっとするようなことをたくさん見てきたが、心底震えあがった患者は、ハンサムで魅力的な35歳の男だった。マークと呼ぶことにしよう。  わたしのユニットでは、強い自殺願望を看護師に話したりすると、1対1の監視下におかれる。つまり、自殺願望の強い患者ひとりにひとりのスタッフが割り当てられ、自傷行為をしないよう、四六時中、あらゆる場所で見張るのだ。  ある日、マークは平然と看護師のところへやってきて、自殺願望があるので個人的にスタッフをつけて欲しいと自ら申告した。  彼が嘘をついているのはわかっていても、看護師をひとりつけなくてはならない。わたしだけがそのとき対応可能だったので、担当した。マークに一緒に病棟まで歩いて欲しいと言われ、わたしは承諾した。  歩きながら、マークはわたしの好きな食べ物とか、休日の楽しみ方など、一見無意味な質問をした。わたしはいつもこうした情報を与えることに注意しているが、彼の質問は無害な気がした。  1時間ほど歩いていると、マークはわたしが他の人に対しても親身になって世話をしていると言いがかりをつけ始めた。  そしていきなりガラス窓に自分の頭を激しく打ちつけた。マークの顔から血が噴き出し、ガラスが彼の頭上に飛び散った。わたしたちは救急車で慌てて彼を救命部へ運んだ。  2日後、マークはすっかり回復して病棟に戻ってきた。わたしのところへやってきて、怖がらせてしまったことを謝罪し、ウィンクして去っていった。  マークがしたあの行為は、私の脳裏に恐怖を焼きつけることで、絶対的に服従させるためのものだと信じている。
 この話のもっともぞっとするところは、ソシオパスの行動の裏にある意図だ。彼は自殺願望があると宣言して、わざとこの看護師を自分の担当にさせ、看護師の個人的なことを事細かに訊き出した。
 それから、訊き出した詳細を利用して、もっともおぞましい方法で看護師にトラウマを与えた。その間じゅうずっと、非常に鋭い警告を発していたのだ。
5. 恐ろしい捕食者と対峙しているような底知れぬ恐怖
 正直いって彼と同じ部屋にいると、恐怖に苛まれ、パニックになりそうになった。セラピストであるということは、クライアントとの間にかなり強い絆をつくりあげるということで、クライアントと向かい合う部屋の中には、共感と心を割って話す雰囲気がただようのが普通だ。  だがこの男とひとつ部屋の中にいると、まるで危険な捕食者と対峙してしまった、絶体絶命の小動物のような気分になった。  彼は自分の行動になんの良心の呵責も感じない人間だった。言葉の端々に相手を脅かすような言葉をこっそり挿入し、相手(わたし)が表面的に無反応なときは(内心では大いに反応していたが)、いくぶん困ったような様子を見せた。  彼の名前や顔立ちははっきり思い出せないが、外見はまったく普通で、実際問題のないタイプに見えた。でも、しばらく彼と話した後、空虚な思いばかりが残り、不穏な感じが否めなかった。  彼はわたしに対して、たまたま廊下の電気をつけっぱなしにしてしまったというようなことを認めるのと同じような調子で、家庭内暴力があったことをあっさり認めた。  しかも、自分のパートナーの前でだ。彼はこれまでその話を持ち出したことはなく、訓練を受けている者として、わたしが家庭内暴力のケースを扱うべきではなかった。  こうしたケースは経験のあるスペシャリストに問い合わせるのが普通だ。守秘という理由から、わたしには細かいところまで踏み込むことはできなかったが、あまりにあっけらかんと明かされた出来事に過剰に反応した。  彼は本当に話のついでにDVのことにふれ、"なんてこった、こんなことは話す価値さえない。どうしてこんな話を持ち出したのかな? むしろ自分のことについて話すつもりだったんだ。パートナーを絞め殺そうとした話よりもね" というような感じだった。彼は本当になにも気にしていなかった。  わたしはただうなずいて、平静を保っていたが、自分のノートにはばかでかい感嘆符!を書きなぐっていた。なんとかそのセッションは終わらせたが、すぐに監督者に彼の担当を別のカウンセラーに替えてもらうよう話した。  正直言って、その人物がそこにいる雰囲気だけでこんなに恐怖を感じたのは初めてだった。
6. 自殺殺人
 彼ら2人は、ある人物と一緒に自殺するという契約をしたが、自分たちは実行せずにその人物だけが死に、生き残って病院に運ばれた。  彼らは罪の意識を痛感していると言い、それは本心のように思えたが、すべては演技だった。  病院にいる間、彼らは病棟で自殺願望のある別の入院患者を煽ってふたたび自殺の契約を結び、計画をたて、決行日まで決めていたのだ。  少なくとも3人と同様の契約を交わしたようで、彼らは精神病棟へ入れられることになった。だが、これは無防備な新たなターゲットを見つける彼らのやり方だった。  3度の自殺契約は、決行には至らなかったが、のちに家族から見返りが出されたことがわかった。  彼らはその後、またしても問題を起こしわたしたちの病棟に入院した。  最初の入院のときは不起訴だったが、彼らは極めて危険な人物であると感じていた。自殺契約をしながら、毎回自分たちだけ生き残る。既に警察の監視の対象になっていると思った。  わたしはそのうちのひとりを世話したが、実にまともな印象を受けた。かなり知能程度が高く、一見魅力的な人物という感じだった。  同僚のひとりは犯罪心理学者だが、プロの彼女でさえ彼らを止められなかった。彼らが病棟の誰かとまた自殺契約をしようとしているのを聞いたときは驚いた。  これまで人生でこんなに誰かと話すのが恐ろしいと思ったことはない今回の人物の二面性には心底動揺し、自分の臨床管理者とこのケースについて多くを話すようになった。
 このふたりはある意味連続殺人犯だ。だが一番恐ろしいことは、彼らは実際には誰にも直接手を下していないということだ。無防備な人々をうまく操って、自殺に追い込み、犠牲者が死ぬとショックを受け、詳しいことはなにも知らないというふりをしたのだ。
7. 子犬をいとも簡単に虐待する子ども
 反社会性パーソナリティ障害と診断されなくても、同じ基準を満たす成人前の子どもたちには、行動障害という診断が下されることが多い。  精神衛生関係の臨床医として働いているときに、6歳の息子を連れてきた両親と出会った。この子はとてもかわいらしくて穏やかに話す礼儀正しい子どもだったが、これまでのことをいろいろ質問すると、たびたび動物に対して虐待を行ったことを両親が明かした。  新たに飼ったメスの小犬の穴にほうきの柄をつっこんだというのだ。傷は深く、小犬は安楽死させなくてはならなくなったという。いまだに悪夢をみそうな話だった。
 将来、怪物になるかもしれない子供を育てているのがわかったときのこの両親が、いったいどんな気持ちだったか、考えずにはいられない。
8. 自分は悪くない。すべてまわりのせい
 住み込みで薬物中毒を改善するプログラムを実施する職場で働いている。ほとんどのクライアントの行動に腹をたてることはない。彼らは中毒の過渡期にあって、自己のため、家族のため、さまざまな理由で良くなろうと努力している。  有罪になった殺人犯もいるが、彼らは非常に後悔していて、真面目に更生に取り組んでいる。だが、反社会的人格障害だと思うある人物だけは別だった。彼について話そう。  受け入れ後、30分ほど話した後で、彼は自分よりも劣ると思った相手を巧みに操作する人間かもしれないと強く感じた。  彼は、わたしの言葉遣いやわたしのポーズを真似したり、雄弁にものを語り、非常にカリスマ性があった。だが、どこか浮世離れしていた。  もっと情報が必要だったので、わたしはメモをとりながら続けた。彼が更生プログラムを続けるうちに、それははっきりしてきた。  彼にとって、人間関係の破綻、ドラッグ中毒、無職、無責任など、すべては誰か、もしくはなにかのせいなのだ。  怒り狂って自分の弟を刺したことすら、弟が悪いのだと言う。真夜中に弟の車を盗んで運転したが、溝にはまってしまいそのまま車を放置した。そのことについて彼は嘘をつき、"うるさくガミガミ言われた"という理由で弟を刺した。  入所後は、他の患者や数人を除くスタッフを巧みに操っていた。  彼はわたしの個人的な患者だった。セッションの間、彼の話に矛盾点があったため、それに言及すると、とやっと彼は白状した。  実は彼はHIV+(わたしは気づいていた)だが、それを隠してパートナーとつきあい、ドラッグの針を共有したという。  さらに、彼はこのパートナーを薬づけにした。このパートナーにはメチル中毒の過去をもつ家族がいたが、パートナー自身は薬物を使ったことはなかった。彼はまわりのみんなが自分を信用するのが信じられないと言って笑った。他人がどうなってもまったく興味がないのだ。  彼はプログラムを素直に実行するふりをして、完全に治療を終え、今は社会に復帰している。彼はまだ若く、いつかもっと悪意ある行為に出るだろうと強く感じる。将来、彼が殺人を犯しても驚かないだろう。
9. 人の感情が理解できない15歳の少女
 セラピストではないが、学生相手のカウンセリングをしている。その学生は15歳の聡明な女の子で、友だちも多くかわいらしいものが大好きだ。  彼女がわたしに話した内容が、あまりにも異常だった。わたしに診断を下す資格はないのだが、何らかの問題を抱えているかもしれない。 ・ボーイフレンドに関して  男の子とデートしたそうだが、彼に対してはなんの感情もないと言う。でも、彼は"役にたつ"し、彼女のためにいろいろやってくれるのでデートしているらしい。  でも彼は、彼女が何もしてあげないことにがっかりしているという。彼を悲しませたら気分が悪いのではないか、と言うと、彼女はこう答えた。 「いいえ。わたしが彼を悲しませているというなら、それは彼の問題だわ。どうしてわたしが彼の気持ちを気にしてやらなくちゃいけないの? 彼の感情をわたしが感じることはできないのに。わたしにはなんの関係もないわ。」  ボーイフレンドを利用していることについて罪悪感はないか、と訊くと、彼女はこう答えた。「いいえ。彼のほうからわたしにまとわりつき始めたのよ。彼がわたしのことを好きなのだから当然でしょ。ほかに彼になんの取り柄があるの? 」 ・友達の犬に関して  彼女の友だちの飼い犬が死んだ。彼女は全くなんとも思わなかったけれど、そうするべきだと思ったから同情するふりをしたという。  犬の死は友人の問題であって、なぜ悲しまなければならないのか、彼女は理解できなかったという。 ・作られた感情  先生のひとりが彼女の友だちに、彼女と距離をおくよう言ったという話を聞いた。その先生は彼女の表情は嘘で無理やり作っているもののように見えることに気づいたからだという。  彼女はどうしてこれが問題なのかわからずわたしに質問した。「みんな感情的な反応を偽っていないの? 誰かの言ったジョークに笑うふりをするのはダメなの? 誰かが死んだと聞かされて、悲しむふりをしてはいけないの?本当の感情とか、共感ってなに?」  説明すると彼女はすっかり混乱して、わたしの言っていることはまったくわからない、まわりのみんなが感情や共感を偽っていない証拠はないと言った。  結局彼女は自分が正常で、まわりのみんながちょっとおかしいのだと断言して会話を終わらせた。  彼女の複数の知人は、彼女がソシオパスであることに気づき、彼女から去って行った。彼女は誰にも愛着を感じていないのでべつになんの支障もなく、自分にとって生活が楽になる便利な相手だけをキープしておけばいいと言った。  彼女は自分のイメージ、とくに話す言葉に気を遣っていた。同年代と話すときには、流行りの言葉を使ったりかわいらしいく見せる声色で話すよう気をつけていた。  それは15歳だからという理由だという。「だって15歳らしく話さなかったら変でしょう。ほかのみんなもわたしと同じように話すわ。わたしは若いのだから、若いようにふるまわなくちゃならないの」と言った。
10. 悪魔のような子どもの成功物語
 行動にかなり問題があったり、精神的な問題を抱える12歳以下の子どもたちのための施設で働いていた。そのときわたしはまだ大学生だった。  反社会的人格障害(ASPD)と診断された子どももいたが、わたしはいつも小さな子供にそうしたレッテルをはるのはどうかと疑問視していた。  AP(仮名)もそう診断された子の1人である。6歳で入所してきたこの子はとてもかわいくて、良い子に見えた。  そこでスタッフは彼が本性を表わすのを待った。彼の品行方正なふるまいは8ヶ月も続いた。もはや彼がどうしてここに入れられたのかわからなくなるほどだ。  父親と一緒の写真はなく、母親は服役中だった。里親のところで問題を起こし、この施設にくることになった。最初の8ヶ月の間はまったく問題はなく、完璧な子どもだった。  だがある日、APは豹変した。わたしは子供たちを自転車に乗せてあげようと外に連れ出した。彼はドアから出るなり、裏庭に走っていって、子猫をつかまえ、その頭をぐしゃりとつぶした。  APの寝室は地下にあったが、地面の高さに窓があり、外が見えるようになっている。自分の部屋の窓から彼は子猫のたまり場があるのを知ったのだろう。  わたしはぞっとして、子どもたち全員を家の中に入れた。APは落ち着いた様子で施設のマネージャーに対して、わたしの言っていることはさっぱりわからないと話した。マネージャーがわたしに質問している間に困惑した顔をしていた。  わたしは外へ出て、死んだ子ネコを運んでこなくてはならなかった。APはそんなわたしを見て、ほくそ笑んでいた。  それが、まさか!の瞬間の始まりだった。APはよく過激な行動をし、それを抑制しなければならなかった。  一度つかまえると、30分ほど拘束しておく。この地点での止められないと、臨時の看護師が鎮静剤を打って落ち着かせる。APは針が好きで、一日一回注射してもらうのが目的で暴れるのだとさらりと言った。  またべつの事件では、あまりにも暴れるAPを、ふたりのスタッフがつきそって隔離エリアに連れていかなくてはならなくなった。  その途中、なにかが起こり(金属のドアに彼がはさまれたのだと思う)APは足をかなり切った。看護師が到着すると、APは自分の足の傷をさらにほじくって血だらけになりながら笑っていたという。さらにその血で壁に文字を書いていた。  ほとんどの子どもたちが病棟にいるときに、APには祖父母が面会に来た。ほかの子どもたちは羨ましがったが、APはわざと祖父母のことを無視するような態度をとり、後で面会者のいない子どもたちをなじった。  わたしが退職するとき、APはわたしを描いたという絵をくれた。典型的な子どもの絵だったが、口は×、目はぞんざいに描きなぐってあった。  どうしてそんな風に描いたのかを訊いてみると、APは"ぼくを見るときのあなたの目が気に入らないから、それにふさわしい目にした。ぼくが気に入らないないことを言うから、口もないんだ"と答えた。  今でも、行動障害や精神障害、疾病をもった問題のある子どもたちを相手に仕事をしているが、わたしは彼らを愛している。  これまで何百人というこどもたちと一緒に過ごしてきたが、いまだにAPのことを考える。わたしがあの施設を辞めてまもなく、7歳になったAPはもっと監視が厳しいところへ移された。  最後に彼の消息を聞いたのは、彼が施設の成功例になったということだ。  母親が出所して一緒に家に帰り、天使のような子どもになり、たまに施設に戻ってきては、どのように行動すべきか、ほかの子どもたちを激励するような話をしているという。  これが本当のことで、彼の治療が成功したと思いたい。だが、とても恐ろしい不気味な子どもだったので、わたしは半信半疑だ。  わたしはAPを中傷しようとしているのではない。彼は長期にわたって施設に入れられてケアを受けていた。"恐ろしい"というのは適切な言葉ではないかもしれないが、彼は明らかに病んでいた。
 この話は多くの点で恐ろしい。この子はまだ6歳であるにもかかわらず、本当の自分を表わすのに8ヶ月も待つことができた。この年齢で自分をここまでコントロールできるのはすごい。
 嘘をついたり、子ネコを殺したり、施設の子をいじめていながら、それでも、この子は成功物語の一例となったことがもしかしたら一番恐ろしいのかもしれない。
written by
konohazuku
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#076 ナビゲーター(袋小路でやぶから棒に)
 あの、すみません。まずは、あの、はい。お、お、落ち着いて。あ、すみますみすみすみません。とりあえずは、まずは、なにをおいても、こういう時は、ええ、絶対的、可及的、速やかに、落ち着くことが大前提かつ大事ですから。はい。とにかくまずは、深く、ふかく、ふか……げええっほんえふんげふんごめんなさいんんんっ。はい。深呼吸から……はあ、深呼吸から始めましょう。それから、すべてはそれからです。息をすう〜、はあ。すう〜、はあ、して。……そう、そーうですはいはい。はい。はい。よくできました〜。あっすみませんすみません。怒らないでください。馬鹿にしているわけではないんです。けっして、断じて、誓って、そんな失礼なこと、あなたにするわけないじゃありませんか。そう思いません? 思いますよね? よかったよかった。それでですね、まずはそのー。あっ、挨拶がまだでしたね。えと、おはようございます。あ違うか違いますね。はじめましてですねこういうときは。人と人がはじめて、こう、顔面を合わせると言いますか。初対面。そう、初対面、ですよね? 満員電車の中ですとか、信号待ちの間ですとか、もしかしたらもしかすると、偶然ばったり出会っていたのかもしれませんけど。あ、こういう場合――つまり、まだちゃんとした初対面の挨拶を交わすより以前に、あなたを見かけていた場合――も、ばったり、とか、偶然、って、使うんですかね? そこんところ、ちょっとよくわかんないんですけども。でも、そうですね、とりあえずは、はじめましてにしておきましょうか。しておいてください。どうか。どうか……。  えと、それでですね。あなたの頭には今、たくさんのハテナが浮かんでは消え浮かんでは消え――あ、消えてはいないですか。それは失礼しました――、していると思うんですよ。そりゃ思いますよ。思うことでしょう。誰だってこんな、非常時にはそういう思考回路が働くものです。誰だこいつら、と。なんでこんなに腰が低いんだ、と。そもそもなんで部屋にいるんだ、と。こんな早朝に、と。まだアラームが鳴る二時間も前なのに、と。得体の知れない輩に安眠を妨げられたぞ、と。今日は祝日なのに、と。小鳥のさえずりしか聴こえないくらい早朝じゃないか、と。チュンチュク鳴いてるあの小鳥はスズメだろうか、と。そうですおそらくスズメです。それにしても最近、スズメを見かけなくなりましたよね。なんでも年々スズメの数が減っているらしいですよ。ええ。ええ。本当ですとも。こんな所で嘘なんかついてなんになるんですか。こんな、高層ビルの裏の、袋小路の、ゴミ臭い、陽の当たらない場所で。……そうですとも、まだ寝ぼけてますね。大丈夫ですか? もう一度深呼吸しますか? コンコンコン、おーるーすーでーすーかー? いえいえ冗談ですってすみませんってばふふふ。ああ失礼。とにかく、今一度、辺りを見回してください。たっぷり、首を左右上下に、三往復くらい、動かしてみてください。首の運動には眠気をふきとばす効果もあります。そうしたら、けっして慌てずに、まずはこの文章に目線を戻しましょう。  これでようやくお分かりになりましたでしょうか。ああ、よかった。ホッとしました。とりあえず、ホッ、とさせてください。この仕事も、いろいろと気苦労が絶えないのです。ほら、その、あなたのように、イレギュラーな状況で浮空期に突入した場合、パニック障害を併発することもめずらしくないのです。ええ、ええ、ここだけの話。そうなんですよ。  まさか俺が。そう思ってますか? ついにきたか。そう思ってますか? なんでまたこんな時期に……。そう思ってますか? まあ、災難ですね、としか言いようがないですね。五年間、学生のころから付き合っている人と別れて、しかもその人には二年前から別の恋人がいて、つまりあなたは二年間浮気をされていて、しかも付き合っている人的にはあなたより浮気相手のほうが本命で要するにあなたは浮気されていたと言うよりあなたが付き合っている人にとっては浮気相手のようなもので、お荷物で、ただのヒモ野郎で、ノータリンで、……みたいなことを昨日の夜付き合っている人と付き合っている人の浮気相手に一方的にまくし立てられて、あなたは驚きすぎてなにも言い返せなくて、むしろ驚きを通り越してなにも感じなくて、なにも感じないのだから当然言うべき言葉も言いたい言葉もなにも浮かばずただあなたは「ふうん」という心持ちで冷蔵庫から缶チューハイ――夏みかん味の五〇〇ml――を取り出してグビグビ飲んで、飲んでいるうちにやっぱりなんだかムシャクシャするなあとぼんやり思い始めて、特に暴れもせず泣きわめきもせずに、無表情のまま付き合っている人の浮気相手の頭頂部に残りの缶チューハイをダバダバと注いで、付き合っている人も付き合っている人の浮気相手もなぜだかまったく動じずに「なにこいつ」といった眼をあなたに向けるだけで、缶チューハイを注ぎきったあなたは「ほいじゃ、俺はこれで」とでも言い出しかねないくらい気さくな身のこなしで玄関の百円ショップで買ったオレンジ色のサンダルを履いて、行きつけの、駅前のおでんの屋台にでも行こうかなと足を動かしはじめたはいいものの、途中でそっか今日日曜日だわおでん屋やってねーわってことに気づいてしばらく迷いながら歩いた結果駅前のカラオケ館に足が進んで、人生初の一人カラオケというものでもしてみようかという気持ちにだんだんなってきて、「一名で」なんて少しぶっきらぼうに、顔を横にぷいっとそむけそうなくらいそれはそれはぶっきらぼうな「一名で」を店員に向かって投げ捨てて、二〇一の札を笑顔の店員に渡されてあなたは仏頂面のまま二〇一号室までペチペチ――サンダル履いてますからね――歩いて、着いて、固いんだか柔らかいんだかはっきりしないソファーに体を沈めたあとに「別に俺、歌いたい曲ねえや」ってことに気づいてその言葉を実際に口に出して、何回か舌打ちしながらメニュー表をめくって少し迷った末にあなたは生ビールを頼んで、パリパリという音と共に今にも剥がれ落ちそうなくらい乾いた笑顔で店員がそれを運んできて、あなたは痙攣のような会釈だけして店員が去るのを待って、一息で飲んで、頼んで、飲んで、頼んで……、午前三時――つまり日付的には今日、ですね――の退出コールギリギリまでそれを繰り返して、千鳥足で、階段で二、三度転けそうになりながら、爪先立ちみたいな体勢で一階のレジまで歩いて、店員に番号札を渡してから「そういや俺財布持ってきてねーじゃん」ってことに気がついて、「やべ」と口から出かけて、千鳥足のまま操り人形みたいなぎこちない動きで右向け右をして、そのままダッシュで逃げて――お客様! おい! お客様! という声を後ろで聞きながら――この路地裏まで逃げて逃げて逃げて、倒れ込んで、眼を閉じて、そして眼を開けたら見知らぬタキシード姿のおっさんがいて、こんなあなたのプライベートな情報をペラペラと喋られているんですからね。ほんと、災難でした。いや、現在進行形で、残念ですね。ご愁傷さまです。あ、死んでないですね。しかしながらですね、もうちょっとクサい言い方をさせていただきますとあなた、あなたの心はもう死んでいるようなものです。あなたの半分、半身は、ご愁傷さまって感じですね。ほんと。ところでご愁傷さまってあなた、実生活で言われたことあります? 初めて言われたんじゃありませんか?  とりあえず、あなたは今、立ち上がっています。いますよね? まあ、地に足は着いていませんが――いえいえあなたの生き方がというわけではありません、ですからどうか、その握りこぶしを解いてください……そう、そう、ゆっくり、ゆっくりね――、とりえあず、〈立ち〉上がってはいます。ね。そうでしょう?  あなたみたいなケースはわりかしめずらしいのです。ですから、ええ、さきほどから再三、口をこれ以上ないというほどすっぱくして申し上げておりますが、どうか、落ち着いて、冷静に、行動なさることが肝要なのです。浮空期の初期段階に不慮の事故等で死亡してしまうケースはままあります。ですから、あなたのこれまでの人生の、常識の枠は一旦、外していただいて、どうか、説明委員会の言葉に耳を傾けていただきたい。いいですね? はい。いい返事です。そうしましたらまずは、説明委員会の名に恥じぬよう、簡単かつ簡潔に、ご説明のほう、させていただきます。  まずはそう、あなたの足元、ゆっくりと、再度確認してみましょう。はい、そうです。そうですね。浮いています。宙に浮かんでいますね。重力から解き放たれて。歩こうとしても足がスカスカッと空を切って歩けませんね。ええ。そうです。浮空期の間、通常の方法で――つまり、左右の足を交互に、前後に動かして体全体を前に押し進めるという方法のことですね――歩くことができません。ええ、ええ、仰りたいことはわかります。不便ですね。とーっても不便です。エスカレーターに乗ってもあなたの足の下で段差が動くだけです。エレベーターは……、ふふ……、ああ、いえ失敬。すべてを説明してしまっては興も冷めるというもの。わたくしども説明委員会は、過剰な説明は過剰な愛、を社訓――委員会の場合も社訓って言うんでしょうか――に掲げて日々浮空期の方々へのツボを押さえた適切かつ適度な説明――そう、それはほとんど愛――を心がけております。ああっ、そこそこ、その説明。あーちょうどいい、いやあいいわあ。きもちいい……。という声をいただくこともままあります。というわけで、あなたには、肝心要の部分のみ、ご説明させていただきます。あなたもこの宇宙の、この地球の、つまり、宇宙船地球号の乗組員である人間ならば、今、ご自分の体に起こっている現象、そしてその現象の名称、ある程度は理解しているはずです。なにしろ今は朝の七時。人間の脳みそが一番活発に動く時間帯です。もっとも、その三〇分前までに朝ごはんを食べていればの話ですが。あっ、そういえばタキシードの右ポケットに、あなたに会う前にコンビニで購入したおにぎり――焼きたらこ――が入っています。説明と、あなたの練習がてら、このタキシードの右ポケットから、自力で、おにぎりを取ってみてください。安心してください。取って食おうってんじゃないんですから――それに、取って食おうとしているのはあなたですよ――。さあ、指示通りに、体を動かしてみてください。まずはお尻の穴……肛門付近に力を入れてください。なかなか出てこないイケズな大便をひり出すように――もちろん、本当にひり出してはいけませんよ。そういう人、案外多いんです――。そして右人差し指の爪を甘咬みしてください。それが体を動かす方法です。車に例えると、肛門に力を入れることが、エンジンを吹かす行為、右人差し指の甘咬みが、エンジンとハンドルを操作する行為です。甘咬みしたまま手首を左右に動かすと、その動きに連動して……おお、そうそうそうです! その調子です! そのように、体が左右に回転します。そのまま手首を動かして、こちらに体を向けるようにして、はいはいその調子ですよ、そして、その状態で肛門に力を……そーうです! これで前進はわかりましたね。ちなみに後進――バック、ですね――したい場合は、おヘソの辺りに力を込めてください。腹筋を鍛えるような感じで……おおー、いいですね、いいですよ。はい、では、もう一度、前進して、近づいてみましょう。ちなみに力を入れれば入れるほど、スピードは速くなります。はい、これであなたとタキシードの距離は限りなくゼロになりました。ちょっと、その、気まずい距離感ですね。吐息がかかる距離、と、言いますか。恋人でないと許されない距離、と、言いますか。あっ、いえ、別にその気はありませんのでご安心を。では、右ポケットからおにぎりを取ってみてください。はい、よくできました〜! 何度も言うようですがバカにしているわけではありませんよ。なので、どうかその、怒髪天を衝くかのような肩の上下運動を辞めてくれませんか。ちなみにですね、浮空期の間は、自分の体重、身長以下の物なら、一度触れれば宙に浮かせる事ができます。ですから、その、おにぎりを口いっぱいに頬張るのを一旦中断していただいて――ええ、ええ、ほんと、すみません。お願いですからそんな怖い顔しないでください――その練習も、一応、やっておきましょう。万が一、ということがありますからね。その力が誰かの命を救う。なんてことが、無いとも限らないですから。例えばこの、二五階建てのビルが火事になって、逃げ遅れた人が外に面した窓ガラスに追いやられていたら、窓ガラスを割ってもらって、あなたはそこら辺にある――ああ、あそこにちょうどいいベニヤ板がありますね――ベニヤ板を触って、逃げ遅れた人がいる階まで浮かせて、エレベーターの要領でサラリーマンやOLの方々を救い出すことが出来ます。素晴らしいじゃありませんか。浮空期の特権です。もちろん多くの人から感謝されます。ありがとう。ありがとう。君がたまたまこんな路地裏で、酔いつぶれて寝ていたおかげで助かったよ。助かりました。握手。握手。さらに固い握手。そして感謝状の授与。嗅ぎつけたマスコミがあなたをネタに記事を書く。あなたは一躍有名人。街中でサインなんか求められたりして。ああ、はい。そうです。ええっ、サインですか。いやいやそんな。サインするほどの人間じゃあ……、ああ、そうですか……? じゃあ、まあ、はい。えっと、ここに? はい。はい。サラサラサラ、っと。あ、ちょっと、カ��ラはちょっと。恥ずかしいっていうかなんていうか。いやはは、まいったなこりゃ。そしていそいそと人混みをかき分けて目的の場所へ進むあなた。目的の場所――川沿いに最近オープンした小洒落たヴィーガンレストラン――には、ビル火災の中、果敢にも人々を救ったあなたのことが書かれている記事を読んだ元恋人。再会を喜ぶ二人。微笑みを交わす二人。まずはグラスワインで乾杯をしようではないか。注文をしようと手を上げたあなたを元恋人は優しく止める。ワインはちょっと。だって、私のお腹には、もう……。あなたの耳には聴こえないはずの、命の、微かだけれど確かな鼓動が聴こえてくる。そう、あなたと元恋人の――現、伴侶の――。……なんてことにもなるかもしれないのです。あ痛い。いたた。ごめんなさいごめんなさい。まだ一応、正式には、面と向かって、別れを告げられてはいなかったですね。元恋人ではありませんでしたすみません。すみませんってば。  えと、それで、なんでしたっけ。ああ、説明がまだ途中でしたね。触れた物を浮かせたい場合は、左人差し指の爪を甘咬みします。はい。そうです。甘咬みした瞬間から、物は浮きます。あとは、基本的な動作は先程の、体の操作と同じです。肛門に力を入れると前へ、おヘソに力を入れると後ろへ進みます。上へ上へと浮かせたい場合は、甘咬みしたまま腕を上げてください。上げている間、物は上昇し続けます。落下させたい場合は甘咬みをやめるか、腕を下げてください。その他、細かい動きはすべて、甘咬みしている間、左腕の動きと連動します。簡単でしょう? 最初のうちは微調整が難しいでしょうが、すぐに慣れるはずです。あなた、なかなか筋がいい。いや、本当ですよ。浮かせることすらままならない人も、最近は多いのです。……ああ、そうそう言い忘れていました。浮かせることができる物は、最後に触った物だけです。複数の物を同時に操作することは出来ません。気をつけてください。くれぐれも。  そうそう、これは最初に説明しておくべきでしたが――いやほんと、説明委員会失格ですね――。男性の生理と言われるくらいですから、女性同様、浮空期の前後、浮空期の間で心身に様々な変化が起こります。顕著に現れるのは性欲の減退ですね。浮空期の間、睾丸の機能は著しく低下します。常に射精直後のような状態になる、と言ったら、わかりやすいでしょうか。浮空期の間は女性を――ゲイセクシャルの場合ですと男性を――見るだけで苦痛に感じる人もいるそうです。いやはや、そこまでいくとちょっと理解し難いですね。とにかく、どんなにお盛んな人でも、浮空期の間は射精することが困難になります。ま、大体の人は射精をする気も起こらないので、大丈夫でしょう。  先程、常に射精直後のような状態になる、と説明しましたが、浮空期が近づいてくるにつれて、段々とそういった精神状態になっていきます。落ち着いて、冷静に、物事を判断できるようになる、ということですね。あなたは昨日、元――……失礼――恋人とその浮気相手に散々ひどいことを言われたにも関わらず、ある程度は平静を保てていました。今になって考えてみると、それは浮空期直前特有の症状だったのかもしれませんね。そして、安定した精神状態に移行してから大体三日後、夢精を合図に浮空期が始まります。……ええ。ええ。そうです。あ、気づいていませんでした? あなた、夢精したんですよ。この、高層ビルの裏の、袋小路の、ゴミ臭い、陽の当たらない場所で。あ、ちょっと、ごめんなさい、ごめんなさいってば。  ちなみに浮空期は、月一回ペースでやってきて、およそ一週間で終わります。終わる時は夢精も何も起こりません。目が覚めたとき、体が地面にピッタリくっついていれば、それが終了の合図です。性欲も、精神状態も、通常に戻ります。もう、ビンビンの、グングンです。その、あなたの、スカイツリーに負けじとそそり勃つイチモツを、存分に振り回していただきたい! まあでも、今はとりあえず、精子が乾いてカピカピにならないうちに、ティッシュ――あ、ポケットティッシュ、持ってたんでさしあげます――で綺麗に拭き取ってください。���丈夫です。後ろを向いておきますから。どうかお気になさらずに、あなたのペースで、慌てることなく、精子と、そのぬめり気のあるパンツを処理してください。ここにはあなた以外誰もいない、誰も来ない。袋小路なのですから。栗の花の匂いが染み付いたパンツの一つや二つ、ポイ捨てしてしまっても何ら問題ありません。ええ、ええ。本当ですとも。さあ、一刻も早く――されどあなたのペースは乱さずに――その青いチェック柄の、ゴムが伸びきっていて、歩くと少しづつずり落ちてしまう、三年前に――そう、恋人と付き合い始めたころ、ユニクロで――買ったトランクスを、どうぞ、地面に叩きつけてください。そして、彼がトランクスを力の限り地面に叩きつけたのとほとんど同時に、今までピーチクパーチクしゃべり続けていたタキシード姿の男の隣にただただ突っ立っていただけのもう一人の男――もう一人の男は、ジーパンに半袖シャツというラフな格好だった――が、やぶから棒に、口を開いた。川城さん、も、いっすかね僕しゃべっても。いっすかね。やっぱり〈あなた〉とか言われたってピンと来ないっすよ正直言って。えっと、矢野さんでしたっけ? わかんないっすよね。いやいや、誰だよ。みたいな。そう思いません? ……あ、ちなみに自分、宇城っす。ままま、川城さん、ちょっとここからは、もうちょいわかりやすく、僕が説明しますんで。だ〜いじょぶっすよ川城さ〜ん。これでも自分、説明の成績はトップなんで。川城さんは僕の隣で、ドシンと構えてくれてればいっすから。はい。はい。  矢野は自分の体の感覚を取り戻しつつあった。この袋小路で、怪しげな説明委員会の男二人組に揺り起こされて、ついに自分が浮空期になったということを知らされてから、ずっと、自分の体を見知らぬ誰かに操られているような気分だった。歩く動作をしているのに、前に進まない。体の向きを変えることもできない。これが浮空期か。タキシード姿の男、川城の説明を聞きながら、矢野は昨日の出来事や恋人の浮気相手のこと、サンダルで家を出たのに今は裸足だということ、雨が振りそうな雲行き、何枚も溜まっている公共料金の請求書のこと、などなど、とりあえず現時点でわかる限りの問題や不安、悩みを頭の中でリストアップしようとしてすぐにやめた。そんなこと考えてなんになるというのだろう。自分だって、恋人との生活に限界を感じていたはずだろ。職だってそろそろ本気で探さなくてはいけない。バイトでも内職でも、コンビニでも工事現場でもディーラーでも汚染処理でもなんでもいい、恋人とすっぱり縁を切るからには――やはり、そうするしかないのだろうか――、自分の時間を売ってお金に替える方法を、早いとこ見つけるしかない。それ以外のことを考えるのはやめよう。やめよう。  川城の説明通り、今の矢野には性欲がまったく無かった。まるで最初から存在していないみたいに、きれいさっぱり、消え去っていた。なるほどこれが生理か。矢野は、二八歳という、あまりにも遅咲き過ぎる自分の心身の変化を、戸惑いつつも楽しんでいた。浮空期は女性の生理と違い、始まる時期が人によって大きく異なる。五歳で浮空期が始まった宇城――今、川城の隣でしゃべり続け、言葉を書き連ね続けているジーパン姿の男――のような人もいれば、矢野のように成人してから浮空期が始まる人もいる。死ぬ間際、病院のベッドなどで始まるようなケースも極稀にだが、存在する。その点だけ見ると、生理というよりむしろ水疱瘡やおたふく風邪に近い。矢野は宙に浮かせっぱなしだったおにぎりを口に投げ入れ、というより口の中まで移動させ、ゆっくりと咀嚼した。  携帯を見ると不在通知が何件も届いていた。知らない番号だ。おそらく昨日行ったカラオケ館からだろう。なんでてきとうな番号をでっちあげなかったんだ。名前も、きっちり矢野とバカ正直に書いてしまった。いや、それよりも、なんであのとき逃げてしまったんだ。いやいや、そもそも、なんで恋人の部屋で自分はあんなに落ち着いているかのようにふるまってしまったんだ。なんで外に出たんだ。なんで財布を忘れたんだ。これもすべて浮空期の前兆がもたらした行動なのか。考えてもきりがない。どうせもう身元はわれているのだ。説明委員会の二人ですら知っている情報ばかりだ。自分があれこれ案じても何も変わらないのだ。矢野は携帯で一週間の天気を調べた。次に晴れるのは四日後か。ふん。  矢野は左人差し指を甘咬みし、携帯を宙に浮かせた。左腕を思い切り上げると携帯は物凄いスピードで上へ上へとグングン昇っていく。このまま昇り続けるとどうなるんですかね。甘咬みした状態で矢野が宇城に話しかける。まあ、大気圏は余裕で越えるっす。それでもさらに昇り続けたら、どうなりますかね。だんだん、空気が無くなっていくんじゃないっすか、詳しくは知らないっすけど。空気が無くなっても、さらにさらに、昇り続けたら、どうなりますか。宇宙まで行きますね。宇宙を進み続けたら、どうなりますかね。あーそれ、たしか、どっかで読んだか聞いたかしたんすけど、それで、どんどんどんどん進み続けて、何光年も先の宇宙まで進み続けて、そうやって浮空期の人たちが飛ばした物が星になって、星と星を人が繋げて星座にして、だから僕らがこうして星空を見て、おうし座だとかふたご座だとか言っているものは元々遠い昔の人々が宇宙に飛ばした貝殻とか、お椀とか、槍とか、弓とか、筆記具とか、パンケーキとか、ガラス瓶とか、綿棒とか、お相撲さんのマゲとか、レコードとか、煙草とか、パピルス紙とか、羊の毛とか、豆電球とか、画鋲とか、死んだ人の骨とか、貞操帯とか、トランペットとかで、だから、死んだ人がお星様になるっていうのはあながち間違いじゃないと思うんすよね。あれ、なんか、語っちゃいましたね。つまり、俺が今操作している携帯も、いずれは星になるんですね。あー、多分、そっすね、なると思います。矢野の左人差し指は唾液でふやけはじめていた。身元がわれているということは、きっと今頃、警察にも連絡がいっているだろう。早くも捜索が始まっているかもしれない。恋人の家に連絡が行っているかもしれない。いや、連絡では飽き足らず、実際に警察官が恋人の家に押し入っているのかもしれない。別れの瀬戸際でも迷惑をかけてばかりだ。昨日は恋人と恋人の浮気相手にひどい仕打ちをされたが、付き合い始めてから今までの五年間、ずいぶん恋人にひどい仕打ちをしてきた。喧嘩ではすぐに手をあげてしまうし、お金は勝手におろすし、酔って暴れて食器を割った数なんて数え切れない。もう恋人の部屋には戻れないし、戻りたくないし、警察から逃げ続けなければならない以上、職を見つけることすらままならない。財布も携帯も身分を証明するものもなにもない。あるのはポケットでくしゃくしゃになっている煙草とライターだけ。矢野はポケットから煙草を取り出し、火をつけた。吸って、吐いて、一呼吸置いてから甘咬みをやめてしまったことに気づいたが、遥か彼方まで昇っていった携帯は一向に落ちてこなかった。灰が落ちそうになっていることに気づいた宇城は矢野に素早く携帯灰皿を差し出す。ああ、悪いね。いいんすよ。心中、お察しするっす。煙草はまだ充分吸えるだけの長さで燃え続けていたが、矢野はそれを無理やり携帯灰皿に押し込んで、宇城に返した。宇城は渡された携帯灰皿を、また矢野の手のひらに戻す。いいっすよいいっすよ、その携帯灰皿はあげますんで。その灰皿見るたびに、なんとなくでいいんで、僕のこと、思い出してください。って、気持ち悪いっすね自分。よく言われるんすよ、お前は説明対象に情が移りやす過ぎる、って。ま、僕、携帯灰皿何個も持ってるんで、大丈夫っすから。矢野は口元を緩めて、ありがと、とぼそぼそ声でお礼を言った。携帯は落ちてこなかった。おそらく大気圏を越えて、地球の周回軌道にでも乗ったのだろう。それとも周回軌道すら超えて、いずれどこかの惑星にたどり着くであろう隕石やスペースデブリの一つとして宇宙空間を漂っているのだろうか。矢野にも、もちろん宇城にも川城にも、それは分からなかった。ぽつりぽつりと降り出してきた小雨に、傘をさすか否か、三人はそのことばかり考えていた。傘なんてないのに。  同時刻、矢野の恋人は住処である二階建ての軽量鉄骨アパートの部屋で、浮気相手と二人で、穏やかな寝息をたてていた。いや、眠っていたのは浮気相手だけで、恋人は一時間ほど前に目が覚めてから、どうにも寝付けずに、浮気相手の寝息を自分の前髪に当てたり、脇腹をくすぐったりして、再び眠気がやってくるのを待っていた。マヌケそうに口をぼんやりとあけて眠る浮気相手を見つめる恋人の表情は柔らかく、その表情からは、矢野と接するときの冷たさや無感情さをうかがい知ることは困難である。今夜はなにか好きなものを食べに行こう。朝目覚めた時にベッドの中で今日の夜のことを考えるのは恋人の幼少期からの癖みたいなもので、それが、二四時間のうちでもっとも愛おしい時間なのだと、以前、恋人は矢野に言ったことがあった。眠気は一向にやってこない。二度寝を諦めて、恋人は台所で細かく刻んだベーコンとタマネギを炒めた。昨日、矢野が部屋を出ていってから作り置いてあったなめこのみそ汁を温めている間、恋人は矢野が買い置きしていた煙草一カートンをまるまるゴミ袋に捨てて、灰で底が見えなくなった灰皿を捨てて、毛先が開いた矢野の歯ブラシを捨てて、LOFTで買ったペアのマグカップを捨てて、ここぞというときに食べようと思っていた矢野のエクレアを食べて袋を捨てて、捨てて捨てて捨てて、ゴミ袋を二重固結びできつく結んで、玄関の隅に置いた。ベッドでは、浮気相手がフワフワと宙に浮いていた。ああ、今月もきたか。いっつも症状重いみたいだし、大丈夫かな。みそ汁からは湯気がもうもうとたちこめている。恋人はコンロの火を消してお椀にみそ汁を入れ、ベーコンとタマネギの炒めものを小皿によそい、ラップにくるんで冷凍保存してあったご飯をレンジで解凍して、一人きりの朝ごはんを堪能した。今日の夜はなにを食べに行こう。脂っこいものが食べたいかも。チキン南蛮とかいいかもしれない。かつ吉のトンカツもいいかもしれない。いやいやそれより、脂とかいいから、少し足を伸ばして、川沿いに最近オープンした小洒落たヴィーガンチレストランに二人で行くのもいいかもしれない。考えながら箸を動かしているうちにお椀も小皿もお茶碗もキレイに空になり、満足そうに唇の周りを舌で舐めてから、恋人は洗い物を始めた。  どこかで誰かと誰かが話している声がする。向かいの公園から犬の鳴き声が聞こえる。通り沿いにある中学校から野球部の掛け声と吹奏楽部がホルンやユーフォニウムやサックスやフルートを吹く音が聞こえる。携帯がさっきからずっと震え続けているけど私はそれを無視し続けている。冷蔵庫の稼働音がわからないくらい微かに部屋を揺らしている。数分前についたばかりの脂を洗い流す水の音が規則的に聞こえてくる。油は泡と共に水で洗い流され、食器棚に置かれていたときより綺麗になったお椀と小皿とお茶碗の、キュイキュイっという、清潔さの証明のような音が部屋に響く。私はベッドで浮かぶ木下が起きたらまずなにを話そうか、考えている。ヴィーガンレストランなんて、かっこつけ過ぎだ。今日の夜は、近所のスーパーで豆乳でも買って、豆乳鍋にしようか。私も木下も湯葉が大好きなのだ。脂っこいものが食べたいのかも、という気持ちは不思議と消えていた。台所のまな板置き場のそばに、矢野の携帯灰皿が置いてあるのを見つけて、私はそれをからにしたばかりのゴミ箱にシュートした。  木下の寝息は聞こえてこない。  洗い物を終えた私は濡れた手を拭くのも億劫になって、ポタポタと指から水が滴っている状態のまま、ベッドにもう一度もぐった。手についた水は布団やまくらに吸収されて私の手は潤いを失っていく。叩いても突っついても木下は起きる気配すら見せない。私はすぐにまた起き上がり、ベッドの上で体育座りをして、自分の膝に顔をうずめながら、隣で、空中で、ゆりかごに揺られているように漂いながら眠っている木下の、静かな寝息に耳を傾ける。  五年後、矢野の携帯は地球の周回軌道を外れ、凄まじいスピードで大気圏に突入し、地表にたどり着く前に跡形もなく燃え尽きてしまう。
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okumaseitai · 2 years
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・ 外出するのも息苦しくなり 実家にも帰省できず お子様の行事にも参加できなかった方から ご感想をいただきました。 最近では 自分で車を運転して 三者面談にも行くことができたそうです。 トンネルなどを怖く感じておられたのも大丈夫だそうです。 1年前は辛くて見上げれなかった空を見ることができるようになったそうです。 自分を大切にできるようになったという ご感想をいただきました。 本当に私も嬉しいです。 綺麗な秋の空 気持ちよくお過ごしいただけることが、私の何よりの喜びでございます。 以下 本文です。 ________________ こんにちは🍀 お久しぶりです。 私はその後、更にグングン回復し、往復1時間運転して買い物をゆっくりできたり、息子の三者懇談、音楽ホールでの演奏会、順番待ちをする健康診断、苦しく感じた山奥など…ひもがほどけるように楽に行けるようになりました。 1年前には辛くて見上げることができなかった美しい秋の空を幸せな気もちでゆっくり見れています🍁 以前の自分に戻ったのではなく、自分を大切にできるようになり、自分らしく歩めるようになってきました。パニック障害には二度となりたくないし誰もなって欲しくないですが、今はパニック障害になり気づけたことが沢山あるので、ここまで乗り越えて来れてよかったなと思います。 まだ完全ではなく不安になることがあります。無理をしないでプラス思考で歩んでいきます。 ________________ 素敵なご感想 ありがとうございました。 #外出できない #子供の行事に参加できない #パニック障害 #息苦しくなる ・ 【当院の理念】 ・ 不調のために諦めていたことや、 やりたかったことを 気兼ねなくできるように なっていただき 一緒に笑顔になっていただく ・ 【ご挨拶】 ・ いつもご覧くださいまして ありがとうございます😊 心より感謝いたします🙌 ・ 病院に行っても 原因がわからない場合は 自律神経の不調かもしれません。 ・ 《あなたのお悩みを解決します!》 自律神経の症状、お悩みを解決するブログを書いております。 ・ どうぞプロフィールから一番上のブログをタップしてご覧ください。 ↓↓↓ @wakae_ookuma_seitai ↓↓↓ タップしてください ↓ 一番上の「ブログ」をタップ! ↓ 記事をご覧ください❗️ ・ また 自律神経症状の解決の 体操などを動画にしております。 ・ ホームのプロフィールから YouTube動画のチャンネル登録を お願いいたします。 ・ どうぞ よろしくお願いいたします🤲 ホームページはこちら 東大阪市の自律神経専門整体のおおくま整骨院|若江岩田駅徒歩3分 ・ 🌟私が今できるベストを尽くすことをお約束いたします🌟 ______________ あなたが心身ともに健康になれる ✨情報を更新しております✨ ・ ブログはこちらをご覧ください❗️ ブログの一覧 | 東大阪で自律神経の整体なら【おおくま整骨院】|駅徒歩3分 ・ フォローよろしくお願いいたします。 ↓↓↓ @wakae_ookuma_seitai ・ Instagramのプロフィール欄のリンクを タップしていただきますと 悩み解決ブログがご覧になれます。 ・ 《ご相談・ご予約》 ご相談などございましたら LINE@への登録お願いいたします。 https://line.me/R/ti/p/%40vtd9415n ______________ 東大阪市若江岩田の自律神経専門整体 おおくま整骨院 東大阪市瓜生堂1-3-27リベラルコート1F 完全予約制 📞 072-968-8139 施術時間 ☀️10:00〜12:30 🌠15:00〜20:00 休:日曜日・祝日、土曜日午後18:00まで HPはプロフィール欄からご覧ください。 ______________ 【こんなことでお困りではないですか】 #自律神��失調症 #パニック障害 #頭痛 #めまい #不眠症 #更年期障害 #冷え症 #息苦しい #うつ病 #強迫性障害 ______________ 【当院の場所や特徴など】 #若江岩田整体 #東大阪市整体 #若江岩田整骨院 ______________ 【好きな歌手は】 #ミスチル #福山雅治 #浜田省吾 #尾崎豊 #MISIA ______________ 【趣味は】 #マウンテンバイク #ガンプラ #サッカー #釣り ______________ #まちスキ #snsでつながる東大阪 https://www.instagram.com/p/CkJ4boQPzls/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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sonezaki13 · 4 years
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 正義の味方
 いつも通り出勤すると、シャッターの降りた店の前でおっさんが寒そうに首を縮めて立ち尽くしていた。何となくヤバい気がしたので、目が合わないようにしながら足早に通り過ぎようとしたが、案の定、おっさんは話しかけてきた。
「おい、お前ここの奴だろ。もう入れてくれよ」
「大変申し上げにくいのですが、開店前ですので、開店までお待ちください」
「こんな寒い中待ってるの辛いんだよ。俺、年だからさ」
 そっちが勝手に来たんだろ。頭イカレてんのか。
「お客様、開店は九時からなので。まだ一時間あります」
「俺一人くらいどうってことないだろ」
「あなただけを特別扱いすることはできません。それに中で開店作業がありますので」
「先に買ったらとっとと帰るから邪魔はしねぇよ」
 驚いた。入った上に買い物する気でいるらしい。衝撃的だ。開いた口が塞がらない。閉めてるけど。スーパーくらいどこでもあるだろ。気でも狂ってんのか。普段どんな僻地にいるんだ。
「開店作業がまだなので売ることはできません」
「俺このあと仕事あるから急いでんだよ。時間ないんだよ」
「お忙しいところわざわざありがとうございます。お仕事が終わってからのご来店をお待ちしてます」
 みじんも感謝していないのはバレている。一瞬むっとした表情を浮かべたものの、おっさんはすぐに頼み込む姿勢へと戻った。
「仕事終わるの遅いから夜は無理なんだよ。なぁ頼むよ」
「別の日にお願いします」
「今日しかない」
 はい出た。こういう系の奴は「今日しかない」とすぐ言う。こういう系の奴同士で作戦会議でもしてるんじゃないかレベルで同じことを言う。お前ら一体普段どうやって予定たててんだ。今までどうしてたんだ。さては、常に行き当たりばったりなのか。そうか。
「お休みの日にお願いします」
「休みは予定が入ってるから」
 じゃあ予定やめれば。いつまで先の予定まで立ててるんだか。
「では日程調節の上ご来店お願いします」
「ほんとお前らは殿様商売だな。客を見下しやがって。柔軟な対応っていうのができないのか」
 ほら。本性を表した。こちとら目があった瞬間からそういう人だと思ってましたよ。
「そんな風にはみじんも思ってませんが、あなたにそう感じさせてしまったことには申し��ないと思います」
 何が悲しくてタイムカードを切る前から仕事をしないといけないのだろう。気分は最悪だ。朝の星占いは三位だったのに。まぁ当たったことないけど。昔フられた日の星占いも一位だった。
「黙れ。調子に乗るな」
 それはこっちのセリフだ。勝手に並んでおいて何なのだ。頭がおかしいんじゃないか。
 おっさんが拳を振り上げる。俺が若い女だったら「責任者呼べ! いや、社長だ! 社長を出せ!」などと喚き散らされて終わりだったろう。あーあ。客に手をあげられるなんて滅多にないことだが、たまにある。まぁ、これで通報すれば勝てるので黙って殴られておけば良い。でも決して喜ばしいことではないので本当にうんざりする。面倒くさい。仕事も大して好きじゃないが、働いてる方がマシだ。まぁでももし選べるんだったら働かずに気楽に生きられる人生の方が良かったな。選べないけど。宝くじで二億当たんないかな。
 その瞬間、僕らの間に颯爽と立ちはだかる男が現れた。
「こんな人のためにあなたが苦しめられる必要なんてありません」
 おっさんの腕を片手で止めながら奴は言った。駅で見かけたら十分後には忘れてそうなくらい平凡な顔をしていた。おそらく出勤途中らしくスーツを着ている。
 そして奴は空いた方の腕を大きく振り上げた。堅く握りしめられた拳。痛そうだ。勢いをつけて振り下ろす。途端に吐き気がした。文字通りの意味で。今朝のコーヒーが鼻の奥でつんとしている。喉の奥でコーヒーとゲロの苦みが混ざり合いながらせり上がってくるのを飲み込む。ひりついたような不快感が残る。鳩尾が鈍く痛む。言葉にならない呻き声が口から漏れた。涎も一緒にこんにちは。
 えっ、何で何で。おかしくない?
 何で俺が殴られてるの。わけわからなさすぎ。奴に問いかけようと言葉を発そうとしたが、呻くだけで言葉にならない。奴は本気だ。本気で鳩尾を殴られた。
 腹を抑えて地面にうずくまっていると、さっきのおっさんはうひぃと変な声をあげて一目散に逃げていった。そりゃあ逃げるよな。こんな頭のおかしい奴が割り込んできたら。
 スマホを取り出そうと腹から手を離した瞬間に、上から容赦なく足が降ってきた。ずん、と重みのある感触と音がした、ような、気がした。カラカラと音を立ててスマホが地面を転がっていく。乗せられた革靴から手を引き抜こうとすると、さっと足を退けられ、また倒れ込んでしまった。爪が剥がれた気がして見てみたが、剥がれていなかった。少しヒビが入っただけだ。手の甲全体が赤くなっている。骨が折れているかは分からない。案外人間は頑丈だ。小学生の頃、滑り台のてっぺんから落ちた時も、同じことを思った気がする。じんじんと痺れるように痛むが、とりあえず動かせるので、欠勤しなくて済みそうだ。この人手不足の状態で休んだら他のメンバーに負担を強いてしまう。
「あなた何なんですか」
 腹から声を捻り出して言った。まだかすれている。
「正義の味方だ」
 奴は俺の前髪を掴んで引っ張る。痛い痛い。こんなに短いのにそんなに引っ張ったら頭皮が千切れちゃうって。
「正義の味方なのにそんなことするんですか」
 振り払おうと力の入らない方の手も使って、奴の腕をめちゃくちゃに叩く。しかし、びくりともしない。
「お前が悪い」
 わけがわからない。理不尽だ。何の言い掛かりなんだろう。ぶちぶちと髪の毛が何本か抜けた。あー。ハゲ予備軍と言われてるのに貴重な髪の毛数本が無惨な姿にされてしまった。
 ぱっ、と手を離されて尻餅をつく。手をついたところで、踏まれてない方の手の上にも足が振り下ろされる。この数分のうちに何回「折れたかも」と思っただろう。本当に痛い時は声なんて出ない。悲鳴をあげて助けを求めたいのに痛くて声が出せない。さらに鳩尾に蹴りが入る。ゲロが口内にまで出てきた。喉から口にまでひりつく不快感がある。それをペッと奴に向かって吐きかけた。
 奴はさっと身を引いたが、カッターシャツの裾をほんの少し俺のゲロが汚した。明らかに不愉快そうに眉を潜める。そこで間髪入れずに俺は彼の足に突進した。手に力が入らなくても体当たりくらいはできる。俺が足の上に乗っかった形で奴は倒れ込んだ。俺を離そうと手で俺の頭を掴もうとしたので、ゲロ塗れの口で奴の親指に噛みついてやった。前歯だと力が入る気がしなかったので、あえて横を向いて思いっ切り噛み付いた。ゴリゴリッと嫌な音がする。もちろん、ちぎる気で噛んだ。奴が驚いてギャッと悲鳴を上げる。俺には出なかった類の声だ。俺の歯はそこまで強くないだろうが、それくらいの気合いでやればある程度効くだろう。奴は空いた方の手でガンガンと俺の頭を殴る。口の中に血の味が滲む。俺のじゃない。肉に歯が食い込む。気持ち悪くて離しそうになったが、俺はさらに顎に力を込めた。頬を平手打ちされても、頭を拳でごんごん叩かれても俺は離さない。目がチカチカする。実際に揺すられているよりも大きく視界が揺れている気がする。目の前が全体的に白っぽく、幾多もの点が瞬きながら流れていく。これが俗に言う星が舞うというやつだろうか。生温かい鉄臭さが喉の奥にしみていく。浸食されるような嫌悪感。
「犬みてえなマネしやがって。気持ち悪い」
 掠れた声で罵られたので言い返そうとしたが、顎の力が緩みそうになったのでそのまま歯を食いしばった。心の中で「俺犬派なんで、そういう悪口はちょっとやめていただきたいですね」と言い返した。
 もがく奴の蹴りが何発か俺の腹にまた入る。めり込む深さを感じて、男の体も意外と柔らかいんだなぁと思った。鈍痛。またゲロがあいつの指にかかる。噛まれた手を夢中で振り回して店のシャッターに俺は打ち付けられた。ガシャガシャと騒々しくシャッターが音を立てる。俺の頭はなかなか割れない卵みたいだな。ぼやーっと視界の靄が濃くなり、全体的にチカチカしている。青とか赤とかにも点滅している。遠くで別の人たちの声が聞こえてきた気がした。
 体から力が抜けていくような、いや、意識だけが外れるみたいな気がして、ハッと気付いた時には病院のベッドに寝かされていた。
 初めて仕事を休んでしまった。��勤だったのに。皆勤くらいしか取り柄がないのに。やってしまった。思わず頭を抱える。大慌てで店に連絡して遅刻を謝罪し、向かおうとしたが、既に事情を知っているらしい店長に「災難だったな。今日は休め」と止められてしまった。幸い、大した怪我はしていなかったらしく、一日で退院はできた。
 聞いた話によると、出勤時に俺たちを見かけた後輩が通報したらしい。年下なのにしっかり者だ。
「気を付けて下さいね」
 後になってから話した際に警察官からなぜかそう注意された。
「罰せられるべきは彼でしょう」
「いや、彼は『正義の味方』なので、我々は罰することができません」
 俺の頭の上には疑問符が飛び交っていただろう。
���『正義の味方』は『正義の味方』ですよ。良いから気を付けてください」
 全く意味が分からなかったが、とりあえず空気を読んで俺は曖昧に笑って頷いた。もしかして俺が知らないだけで皆知っているのだろうか。そう思って、Google検索をしたり、SNS内を調べたり、数日間は普段見ないくだらないワイドショーも嫌々見てみたりもしたが、まるでわからなかった。奴は一体何だったんだろう。
「正義の味方って知ってる?」
 仕事中に品出しをしながら後輩に聞いてみた。
「急に何ですか。『正義感の味方』は『正義の味方』ですよ」
 後輩は警察官と同じことを言った。そういえばあの警察官も俺より若そうだった。世代差だろうか。
「それが分からないから訊いてんだよ。ググッても出てこないし」
「そんなの載ってるわけないじゃないですか。『正義の味方』は『正義の味方』ですから。それ以外の何者でもない。どうせまたググって調べようとしたんでしょ。無駄ですよ。そういう物じゃないんで」
 後輩の表情を見る限り嘘をついているわけではなさそうだ。しかしますます訳が分からない。俺は同じ質問を先輩にも店長にもしてみたが、ほぼ同じ答えだった。店長は「考えたって分からないぞ」と付け加えた。狐につままれたようだ。俺を置いて世界が変わってしまったような気がする。いや、世界がおかしく見えるというのなら、それはもう俺がおかしいのだろう。もし世界中の誰もが犬を見て「猫」だと言っていたら、客観的事実として俺の認識が狂っているのは間違いない。
 正義の味方の正体がわからないまま数日が過ぎたある日、突然それはやってきた。休日にGEOで新作ゲームの中古が出てないか見ていると、ゴーンゴーン、と突然鐘が鳴り響いた。しかしそれは俺の頭の中でだけだ。俺以外誰も鐘の音に驚いていないし、鐘なんてどこにもないからだ。
 気が付いたら俺は店を飛び出して猛ダッシュしていた。そして横断歩道もない車道を横断し、斜向かいのケータイショップへ突っ込んでいった。いらっしゃいませの声を無視して奥のカウンターへ突っ込んでいく。そこでは厚化粧のババアが金切り声で「分かるように言わなかったあなたが悪いんでしょ! 私は素人なんだからね!」と叫んでいる。そして無駄にキラキラしたケースに入ったヒビだらけのiPhoneを大きくふりかぶった。
「こんな人のためにあなたが苦しめられる必要はありません」
 iPhoneを持ったその手を掴む。どこかで聞いたような台詞が俺の口から飛び出した。目の前の女の子がほっとした顔で俺を見上げている。あちゃー。違うんですよ。
 俺の拳がカウンターの向こうにいる女の子の頬をビンタする。あーあ。それなりにかわいい女の子だったのに残念だ。こんな形以外で出会ってたら一回くらいヤれてたかもしれない。スニーカーのままカウンターに上り、何が起こっているのか理解できていないその顔面に、引っこ抜いてたキーボードを叩き込む。キートップがいくつか落ちる。多分元々ぐらぐらしてたんだと思う。AとKがころころと床に飛び降りる。あとBがあったらAKBなのに惜しい。
 ババアは面食らって口をパクパクさせながら震えている。
「あなた何なんですか」
 鼻血をぽたぽたと白いテーブルに垂らしながら女の子が俺を睨みつけて言う。おお怖い怖い。接客やってる女は穏和そうにみえても大体怖い。これは単なる俺の経験談だ。
「正義の味方だ」
 口が勝手に動いていた。何これ。
 あー、いや、これ知ってるわ。これ。なんかマンガで見たわ。いや映画だったかな。両方かもしれない。ゾンビの血を摂取するとゾンビになるってやつでしょ。その理屈じゃん。正義の味方の血を摂取すると正義の味方になっちゃうんでしょ。俺、あいつの血、めちゃくちゃ飲んだわ。あれじゃん。思いっきりあれじゃん。わかるわかる。これ知ってるやつだわ。進研ゼミでやったところじゃん。進研ゼミだったっけ。Z会かもしれない。ってか最近Z会って聞かないよな。もしかして潰れた? くもんにやられた?
 ガン、と頭に衝撃を感じた。女の子にiPadで頭を殴られた。形的にたぶんiPad Proだ。ホームボタンないし。ひどい。iPadは人を殴るものじゃありません。超高級鈍器だ。ボロキーボードとは訳が違う。
 しかしそこへさらに鐘が鳴る。ゴーンゴーン。これは俺にしか聞こえていない。なぜなら誰もその音に反応していないからだ。
 俺は弾かれたようにケータイショップを飛び出す。そして歩道を全力で走る。何人かはねたかもしれない。徒歩で人をはねるなんて前代未聞だ。いや、徒歩じゃないな。俺は走っている。しかも普段こんな速度で走ったことがない。オリンピックに出られるんじゃないだろうか。尋常じゃない速度で風景が流れていく。階段を上り、閉まる改札を無理やり突破して走る。後ろで駅員が何か叫んでいる。こんなことならPiTaPaを作っておけば良かった。
 駅構内で泣き叫ぶ幼児がいる。
「黙りなさいって言ってるでしょうが! なんでそんなにママを困らせるの!」
 半泣きの若い女が手を振り上げている。俺は寸前でその手を止める。細い腕だった。
「こんな人のためにあなたが苦しめられる必要はありません」
 俺は女を解放し、両手で幼児を突き飛ばす。軽い体は簡単に吹き飛んで柱へぶつかりかけたが、すんでのところで女が受け止めた。
「何するの」
 女がヒステリックに叫ぶ。ほんとそうですよね。でも俺正義の味方だから仕方ないんです。
「あなた何なんですか」
 母は強し、というやつだな。さっきまで殴ろうとしていた幼児をぎゅっと抱き締めている。俺に対して敵意をむき出しにしている。
「正義の味方だ」
 またもや口が勝手に動いた。おいおい。俺は女から幼児を引き離そうと女の腕を蹴った。
「やめなさい」
 振り返ると複数人の警察官がいた。俺は無視したが押さえ込まれてしまい、ようやく俺は幼児を女から奪おうとするのをやめた。逮捕はできないが、手を出せないわけではないらしい。
「また『正義の味方』か」
 警察官がうんざりした様子で言っていた。好きでなったわけではない。これは感染症のようなものだ。パニック映画なら世界中に「正義の味方」が広がり、感染者と非感染者の攻防戦が始まるのが妥当な展開だろう。そもそも正義の味方は今どれくらいいるのだろう。俺が知らなかっただけで、誰もが当然知っている程度の知名度があるのだろうか。いや、殴られた人は皆驚いていた。それともあれは自分が「正義の味方」に殴られるなんて、という驚きだろうか。「正義の味方」はいつからいるのだろう。どうやって始まったのだろう。俺が産まれた時にはもういたのだろうか。
 先日殴られた時とは違って、iPad Proで殴られた頭は全然痛まなかった。正義の味方を全うしている間は俺は無敵でいられるらしい。走る速度も尋常じゃない。元々あまり腕っ節は強くないが、人を殴る強さだって以前より強い気がする。「正義の味方」を殴り返した時よりも遥かに手応えがあったのに、まるで自分の体は痛まなかった。体罰は、ぶった方も痛いのだからお互い様、という謎理論が昔は流行していたが、自発的に殴っておいてその言い分はどうかしているとしか思えない。自傷行為の道具にされただけじゃないか。
 解放された後、俺はのろのろと線路沿いの道を歩いていく。相変わらず世界は不機嫌だ。道の端でボソボソと喧嘩しているカップルがいる。ドラッグストアで店員にいちゃもんをつけるジジイがいる。信号がタイミング悪く変わって舌打ちをするサラリーマンがいる。補助輪の自転車で母親を追いかける子供が、晩ご飯に対する不平不満を連ねている。外に出れば、こうして、息をするように不機嫌な人々が視界に飛び込んでくる。いつから世界はこんなにも不機嫌になってしまったのだろうか。
 あの流行病があった数年間のせいだ。誰もがそう言う。それが一番都合が良いから。あの前と、あの後で、決定的に何かが変わってしまった。皆何となくそう思っているから諦めている。仕方なかったのだ。太刀打ちできない未曾有の災厄のせいなのだから仕方ない。あの病の世界的流行で何百万人もの死者が出て、流行抑制のために多くの犠牲を払った。あれは身体だけでなく、世の人々の精神すらも根深く蝕んでしまった、とよく言われているし、俺もそう思っている。二千年代にもなってそんなことに人類が右往左往させられるなんてフィクションじみていた。俺はあの頃、社会人になって新人とも言われなくなり、ようやく新しい環境も身になじんできたところだった。そんな所に強制的に環境変化をねじ込まれ、人間関係も大きく変わらざるを得なかった。世界は元には戻らないし戻れない。完全に元通りになんてなりっこないのだ。世界は重度の脳梗塞を起こしてリハビリ中の老人だ。後遺症は一生ついて回る。途中から気付いていた。とぼけていただけだ。誰もが、後に残る世界は素晴らしいものだという前提の夢物語をしていた。絶望しないように。皆我慢してたから。今だってまだ我慢してるから。皆えらいから。頑張ったから。我慢したのに、頑張ったのに、バラ色の未来がやって来ないだなんてあんまりだ。そんなことがある訳がない。まだ今は途中なのだ。然るべき成果が得られるのはまだ先なんだ。もっと我慢したら、もっと頑張ったら、幸福な世界が実現するのだ。でも、皆、ずっとずっとは頑張れないし、我慢できないから、ちょっとくらい当たり散らしてしまうのは、仕方がない。そして、こんなにも皆不機嫌なのに鐘の音はしない。正義の味方の発動条件は何なのだろう。
 今まで働いてきて、何度も訳の分からない客に絡まれたことはある。流行病の時は特にひどかった。毎日のように赤の他人から罵られていた。でも、正義の味方が現れたことなんて一度もない。自称「正義」の罵倒をしてくる人はいくらでもいたが。そんな時こそ正義の味方は来るべきだった。でもいなかった。もしかしたら、俺は未来の正義の味方だから爪弾きにされていたのだろうか。なるのが必然だとしてカウントされていたのだろうか。いや、俺だけじゃない。皆、働いていて嫌な思いはしている。先輩が、後輩が理不尽な怒りをぶつけられているのを見るのも嫌だった。でも、正義の味方なんかが助けてくれたことはなかった。無闇に叫ぶ客を、俺たちは「雑魚がキャンキャン吠えやがって。こっちがビビって従うとでも思ってんのか」という冷めた目で見ていた。今もそうだ。どんな穏和な従業員でもあの目をすることがある。あれは諦念だ。無になっている。無駄に傷付かないよう、受け身をとっているのだ。怒ったりしたい。そういう点では、こうして世界が不機嫌になり始めた時に、他の人よりも耐性があるのかもしれない。正義の味方は爆発的な怒りに呼び寄せられるのだろうか。だとしたら、少々の不機嫌や苛つきには反応しないのかもしれない。我慢できていては駄目なのか。正義の味方とは一体何なんだろう。俺の知る限りではただの乱暴者でしかない。世間の人々が正義の味方に対してどのような感情を抱いているかは分からない。きっと訊いてもまた「『正義の味方』は『正義の味方』」というよく分からない回答をされるのだろう。まるでそこだけが触れてはいけない世界のバグみたいに皆型にはまった答えしか言わない。それとも俺が知らないだけで言及すると罰せられるような法律があるのだろうか。
 この考えを話せる相手がいたらな。しかし、こんな話ができるほど、自分をさらけ出せる身近な相手はいない。恋人か家族か親友でもいないと無理だろう。生憎誰もいない。親友は数年前の流行病で死んだし、恋人には捨てられた。家族とは疎遠だ。爺ちゃんが死んだ時に実家に戻らなかったからだ。流行病があったから、行くのをやめた。移動を控えなければいけない時なのだといくら説明しても理解してくれなかった。家族には許せなかったらしい。冷血だの人でなしだのと罵られ、それ以降、連絡はとっていない。仕方なかった。俺にはどうにもできなかった。今だって何も出来ない。いや、何もしていないだけだ。出来る気がしないから。また調子に乗ったところを世界からボコボコに殴られて台無しにされるのだ。いくら得ても奪われるのなら最初からなければ何の問題もない。
 と、暗い気持ちになっても仕方ない。全然嬉しくないが、俺は正義の味方だ。嬉しくないついでにヒーロー衣装を揃えることにした。立ち寄ったドン・キホーテのパーティーグッズコーナーで三十分吟味した結果、馬と鹿のマスクを買った。曲がりなりに���接客業をしているのであまり顔を晒したくはない。顔バレNGだ。俺的に。持ち帰った鹿のマスクから角の部分を切り取り、馬のマスクに穴をあけて嵌め込んだ。馬と鹿のキメラみたいな生き物のマスクができた。お手製ヒーローマスクの完成だ。米津玄師かよ。高校生の頃めちゃくちゃ流行ってたなぁ。パクったんじゃないよ。馬と鹿を米津玄師が一人占めするのは良くない。俺にだって使わせろよ。
 あれ以来、幾度となく鐘は鳴った。鐘が鳴る度、俺はヒーローマスクを被り無双モードで町に繰り出し、別段悪いこともしていない人をボコボコに殴りつけて帰ってきた。他人の家に上がり込むこともあった。戸締まりが甘ければ、開けられる出入り口がなぜか瞬時に分かり、そこから乱入したが、どこも空いていなければ窓やドアを破壊して入った。しかし損害賠償を求められることはなかった。正義の味方に法律は無効らしい。警察官や「『正義の味方』だから」と何度か渋い顔をされたことがある。そういうものらしい。ありがたいと言えばありがたい。正義の味方の活動は俺の意思とは関係のないところなのだから。心神喪失扱いにでもなってるんだろうか。
 拳に血が滲み互いの血が混ざってしまうことも、俺のように噛みつかれたこともあったので、「正義の味方」をあちこちにうつしてしまっている可能性もある。しかしうつせば治るものでもないらしく、相変わらず鐘は鳴り、俺は走り出していた。しかし、正義の味方は意外とご都合主義らしく、仕事中に呼び出されることはなかった。その上、正義の味方をしても疲れない。痛みもない。なので日常生活に今のどころ支障はない。俺を殴った奴のように他にも正義の味方がいるはずだが、鉢合わせたこともない。これだけ頻繁に制裁を加えているのに知人を制裁したこともない。とはいえ、正義の味方はどうやら分担されているらしい。思いの外、待遇が良くて驚いている。正義の味方はどこぞのホワイト企業が取りまとめているのだろうか。もっと振り回されると思っていた。フィクションの世界のヒーローというのはそういうものだ。
 正義の味方らしき人が走っているのは何度か見たので、俺以外にも正義の味方は何人もいるのは間違いない。一匹見たら百匹いると思えって言うし。見かけた正義の味方の中には俺が殴って流血戦をした人もいたので、やはり正義の味方が血でうつるのは間違いないらしい。ゾンビじゃん。広がり方が悪役だ。彼ら、彼女らは人らしからぬ走りっぷりをしているので分かりやすい。正義の味方になる前は見たことがなかった。彼らはいなかったのだろうか。それともいるのを俺が認識していなかったのだろうか。
 把握している限り正義の味方によって死んだ人はいない。加減をしているつもりはないが、加減はできているらしい。思い返してみれば、健康的な若者相手なら道具の使用も辞さないが、老人や子供は丸腰で殴っている。正義の味方は正義の味方であり、公平だ。
 そして、正義の味方の制裁を受ける側も、呼んでしまった側も正義の味方を知らない。必ず何者かを問われるので「正義の味方」と名乗る。名乗ることで正義の味方は正義を味方になるのだろうか。それとも一度でも正義の味方と関わることで「『正義の味方』は『正義の味方』だよ」とプログラムされるのだろうか。
 仕事帰りに、弁当屋の丸椅子で唐揚げが揚がるのを待っていると、スマホが震えた。取り出すと、なんとなく追っているコミックスの更新通知が来ていたので、ダウンロードして開く。もうすぐアニメ化されるらしい。確かにそこそこ面白いもんなぁ。
「すみません」
 とびきり懐かしい声がした。小柄な女性が弁当屋のカウンターの前に立っていた。Web注文の画面を見せて、FeliCaにタッチをした。
 恋人だった。
 恋人だった人だった。よくできた話だ。こんな風に町でばったり会うなんて。ベタなラブソングじゃあるまいし。何て声を掛けようか。名前で呼んだら気持ち悪いだろうか。苗字か? 旧姓か新姓か? 旧姓で呼んで訂正されたら心臓に悪いし、新姓だと馴染みがなさすぎて口にしただけで心臓に悪い。
 もたもたしているうちに彼女の方から声をかけてきた。俺の苗字を呼ぶ。ただ呼ばれただけだし、そもそも付き合う前はそう呼ばれていたのに、なぜだか傷付いてしまう。女々しい。俺はこうして何かにつけてうじうじしている奴だった。元々そうだった。彼女によってますます女々しくなる。彼女といた頃の俺は今よりもっともっと弱かった。支えてくれる人がいると人は弱くなってしまう。奪われる側の人間だった。その頃の俺が呼び起こされてしまう。
「久しぶりじゃん」
 彼女は笑顔を向ける。
「ほんと久しぶりだよね」
 妙にぎこちない口調になってしまう。 
「こんな所でどうしたの」
「今実家にいるから。おつかい」
 彼女はプラスチックの容器に詰められたらコロッケを見せながら言った。そういえば、彼女の実家と俺の家は同じ生活圏内だった。知らないうちに会っているかもしれない。お互い面識はないから会っていたとしても分からないけれど。いずれ挨拶しないとなんて話してたこともあったっけ。
 何で実家にいるんだろう。妊娠して里帰りか? 妊婦には見えない。離婚したのだろうか。
「何かあったの。実家の家族とかに」
 あえて可能性の低そうなところに言及する。
「別に実家にくらい行くでしょ」
 大げさだなぁと笑う。また彼女は俺にがっかりしているのだろうか。いや、もう赤の他人となってしまった今、俺にそもそも期待なんてしないだろう。違う。元々恋人だって、赤の他人だ。何考えてるんだ。イカレたのか。よく考えれば分かることだ。やはり、ただ単に久しぶりに実家に戻ってきているだけなんだろう。そういえば、世の中は三連休らしい。
 唐揚げ弁当お待ちのお客様ー、とマスクを付けた店員に呼ばれ、レシートメールを見せて、カウンターに置かれた弁当を袋ごと手にする。昔は手渡しだったなぁ、と思った。彼女と付き合っていた頃はまだそうだった。あの頃と同じ店員はもういない。流行病があってから、極力接触せずに販売を行う取り組みがどんどん普及した。
「元気にしてる?」
 自分で口にしてみて、元気ってなんだろう、と思った。健康ではあるけど元気ではない気がする。もう随分長いこと元気じゃないかもしれない。元気とは何だろう。何これ。哲学的命題か。
「元気だよ。そっちこそ元気?」
「それなりに」
 それなりに。それが一番しっくりくる気がした。
「あのさ『正義の味方』って知ってる?」
 我ながらいきなりだな。
「もう。何その質問。哲学? それともそういうキャラでもいるとか?」
 彼女が首を傾げる。少し泣きそうになった。俺の知ってる世界だ。懐かしい気持ちで世界が以前の形に戻ったような気すらした。
 平和に付き合っていた頃も、俺はよくぼーっと今考えなくても良いようなことを考えては落ち込んでいた。ある意味平和ボケ。平和すぎて、有り余った脳味噌を無駄な思考に使ってしまう。そうして難しい顔で考え込んでいると、テレビを見ていた彼女が不意に振り返り「あー! またなんかうじうじしてるんでしょ」と首ねっこを掴んでくる。「首はやめて弱いからマジでマジで」なんてソファの上で転げていた。
 もしあの病の流行がなかったら俺たちはまだ付き合っていただろうか。いや、元々駄目だったのを、災厄が暴いただけだ。人間関係がダメになるのは往々にしてそういうものだ。原因は目の前の出来事だけではない。決裂する瞬間、もっともっと前から原因が積み重なっているのを見ようともせず、ただ目の前の出来事に憤慨している。これは一般論だ。俺の話じゃないよ。
「そうだよな。やっぱそうだよな」
 そうして、俺は「正義の味方」にまつわる話をした。俺が正義の味方であることは伏せた。俺にとって正義の味方であるのは情けなく恥ずかしいことだ。まだ俺は彼女になるべく格好をつけたかった。それが何の効果も成さないことを知っていながらも。
「何それ。下手な小説みたい。無名のアマ作家が書いたなんちゃってラノベじゃあるまいし。疲れて夢と現実が混ざっちゃってるんじゃないの。ちゃんと寝なよ」
「だよな」
 笑ってみたものの、残念ながらこれは夢ではない。鞄の中のヒーローマスクがそう言っている。でも俺が狂っているわけではないことが証明された気がした。もし狂っていたとして、俺も彼女も狂っている。それだけで、救われてしまった。俺はまた彼女に救われた。別れても尚。
「そろそろ行かないと」
 彼女は腕時計を見ながら申し訳なさそうに言った。すっかり袋の中のおかずは揚げたてではなくなっている。
「また飯でも」
 あはは、と彼女は笑いながらひらひらと手を振った。馬鹿にされたんだろうか。いや、性格的にそうではないだろう。変わっていなければ。これは、ただ、誤魔化されただけだなのだ。彼女と俺が飯に行くことなんて、もうないのだ。馬鹿にはしていないが、いよいよ頭がおかしくなったくらいは思われたかもしれない。
 家までの道を歩いていく。世界がまだ安穏としていて、俺たちが付き合っていた頃は、この道を彼女と一緒に手を繋いで歩いていた。坂道で突然競走を始めたり馬鹿なことをしていた。昔の話だ。昔の話は昔の話でしかないし、正義の味方は正義の味方でしかない。彼女に確認をとる必要なんてなかったのに、どうして確認なんかしたのだろう。自己満足に他人を巻き込んだだけだ。ああ駄目だ。すっかり、弱い俺が呼び戻されてしまった。後ろから多い被さっている。重い。気付けにコンビニで発泡酒を買い足す。唐揚げ弁当はすっかり冷めていた。
「無理だよ」
 あの日、四角い画面の中で彼女が言った。俺は何も答えずにキーボードの埃をエアーダスターで吹いた。キートップも汚れている。拭き掃除しないといけないな、と思った。画面に目を戻すと彼女の後ろのポスターが剥がれかけているのが気になった。もうずっと気になっているけど言うタイミングを逃してしまった。
「私もあなたも別々の場所で働いてるし、会うためには電車にも乗らないといけない」
 がっかりした、なんて言う子じゃないけど顔には思い切りそう書いていた。ドライすぎる回答だ。俺の「会いたさ」は渇いてパサついた状態でくるくる俺一人の部屋で回っている。
「君は寂しくないの」
 問いかけると、あはは、と画面の中の彼女が笑った。悲しそうだった。俺は何でそんな顔をさせてしまったのだろう。
「ねぇ、私の話聞いてた?」
 何を急に言い出すのだろう。面食らってまた黙ってしまった。黙っている俺に彼女は言葉を重ねる。
「君が話し出す前に、私が何の話してたか覚えてる?」
 俺は必死に記憶の糸を辿ったが、まるで思い出せなかった。なんとなく彼女がしゅんとしたり笑ったりしていた顔が浮かんでくる。
「聞いてないもんね。適当に相槌打ってりゃ良いって思ってるよね。私のこと好きだって言うけど、私のことなんて、あなたは何も見えてない。あなたはいつも自分に夢中。嫌い嫌いって言ってるくせに。大嘘だよ。そんなに自分が好き?」
 彼女の後ろのポスターが剥がれかけているのが気になった。彼女の好きなアニメのポスターだ。劇場版の前売り券を買った人だけが先着でもらえるものだ。一緒に買いに行ったし、貼る時は俺も手伝った。上の段を留めたのは俺だ。俺の貼り方が悪かったんだろうか。
 たぶんその時からどんどん、どんどん、俺と彼女はズレていった。噛み合わなくなっていった。いや、もっと前からそうだったのに気付いていなかっただけかもしれない。世界の混乱が収束へ向かい、ようやく出歩けるようになった時も、俺たちは一向に会う約束を取り付けなかった。何となくどこそこへ行こうと話をふっても、以前のように彼女は話を進めてはくれなかった。俺はそれ以上踏み込むことができなかった。もし踏み込んでいたら奇跡の起死回生があったのだろうか。俺が悪いところを全部なおしても彼女はもう俺からどんどん離れていくだけだ。そう思いたい。思いたいだけ。俺はそれをすんなりと受け入れた。見苦しくすがりついても結果は何も変わらないことが分かっていたから。
 その二��後に彼女は俺の知らない男と入籍した。教えてくれるような友達もいなかったのでFacebookで知った。綺麗な花嫁姿だった。知らない男で良かったなぁと思った。何かが少しずつ違っていたら自分がその知らない男になれていただろうか。時々集まって遊ぶような微妙な仲の友達はあの病気のせいですっかり疎遠になってしまい、今だってもうお誘いは来ることもない。ひょっとしたら何人かはあの病気にやられて死んでしまったかもしれない。それ以外の要因でぽっくりいってる可能性もある。LINEくらい送れば、生きてるかどうかくらい分かるかもしれないが、そこまでしようとも思わない。持ってしまうことが怖いから。失うことが怖いから。奪われることが怖いから。怖い。怖いのだ。俺は本当は臆病なのだ。小学生の頃お化けが怖くてトイレに行けずにおねしょしたことがある。怖がりなのだ。テストで百点をとりそうになって、あえて一つ間違えたことがある。怖い。怖かった。百点をとってしまうのが怖かった。好きな子に告白されたのに断ったことがある。怖いのだ。それを受け取ってどんな目に遭わされるか分からない。そんな恐ろしいことができるわけがない。彼女にはフられようと思って告白したら、付き合えてしまった。恐ろしいことをしてしまった。その結果がこれだ。自業自得だ。俺が全部悪い。全部全部悪いそういうことにして欲しい。じゃないとあんまりだ。
 夕闇を背景に電線でカラスが鳴いている。 
 電信柱を拳を打ち付けた。じん、と骨に響く。正義の味方ではない俺は強くもないし、痛みも感じる。電線に止まったカラスは驚きもせずに鳴いている。もう一発叩く。握り拳に力を入れる。さらにもう一発、もう一発、とだんだん打ち付ける速度が速くなる。関節の皮がすりむける。電信柱の黄色と黒の縞模様に血が滲む。黄色に付いた血は目立つ。擦り付けられた血が不規則に線を引く。表面が無駄にぼこぼこしているので、俺の指は下ろし金にかけられた大根みたいだ。何にそんなに怒ってるんだろう。とりつかれたみたいに、そうしないといけない気がした。
 電信柱はびくともしない。そりゃそうだろう。たかがこれしきの衝撃で動いたら電信柱は電信柱としての役割を果たすことができない。もし俺が今正義の味方だったら、電信柱をへし折ることくらいできただろうか。豪邸の重いドアを蹴りで開けたこともあるくらいなので、できたかもしれない。
 骨ばった指にも肉はある。皮がすりむけた中には肉がある。血が巡っている。生きているから。大根おろしでミンチが作れる。何言ってるんだろう。大根も下ろし金もここにはないけど。
 俺の気持ちはどこに向ければ良い。こんなに怒っているのに。正義の味方は来ない。誰に怒っているのだ。何に怒っているのだ。自分か。彼女か。友達か。家族か。過去か。未来か。世界か。あの流行病か。正義の味方か。分からない。何がそんなに嫌なんだ。誰も悪くないし、何も悪くない。あの病の時、自業自得だという言葉が流行った。外出したんだから自業自得だ。その仕事を選んだんだから自業自得だ。事情なんて知ったこっちゃない。そのくせ責める。自業自得だ。お前が酷い目に遭うのはお前が悪いからだ。なんでそんな酷いことを言うんだろう。どうして誰も彼もがそんなに荒んでるんだろう。テレビをつけてもSNSを開いてもいつも誰かが誰か責めている。何でそんなことするんだろう。知っている。分かっている。問うまでもない。理不尽に酷い目に遭うのが当たり前だと認めるのが怖いからだ。自業自得じゃなかったら壊れてしまうから。俺はその話を彼女にもした。彼女は俺が話し終わるまでひたすらうんうん、と受け止めて「大丈夫だよ」と言った。こんなに話したら気持ち悪いんじゃないかと俺が変に話を反らそうとすると「言って良いよ。大丈夫だよ」と促した。彼女は全部お見通しだった。彼女の「大丈夫だよ」が聞ければ、大丈夫な気がした。大丈夫じゃないけど、大丈夫な錯覚ができて、彼女にそう言われたら半日くらいは俺は正義の味方じゃなくても無敵だった。でもそんなことはもう無い。一生無いかもしれない。じゃあどうすれば良いんだ。憎む相手をくれ。何も憎めないし、恨めないなんてあんまりじゃないか。しかし俺はやり場のない怒りを電信柱にぶつけている。電信柱も悪くない。分かり切ったことだ。でも電信柱はビクともしないから。平気だから。殴ったって平気だ。俺の家にはサンドバックもパンチングマシーンもないから仕方ないよね。スーパーの床で駄々をこねて転がり回っている子供と同レベル。大の大人になっても。こんなおっさんになるなんて子供の頃は夢にも思ってなかった。彼女と付き合っていた頃だって思っていなかった。やっぱりあの病気が悪いのだ。でも病気は殴れない。じゃあ何を殴れば良いんだ。そうだ電信柱だ。でもどうしてだろう。ちっともすっきりしないのだ。やっぱり駄目だ。早く来てくれ。やはり正義の味方��ことは正義の味方は助けないのだろうか。
「来いよ! とっとと来いよ! ほら! 何で来ないんだよ」
 息を切らしながら、電信柱を蹴る。じん、と痛みが股関節にまで上ってくる。痛くない方の足で蹴ろうとしたら、バランスを崩して倒れてしまった。馬鹿だな。馬鹿なんだ俺は。でも、俺馬鹿なんだよ、って誰に言えば良いんだろう。正義の味方じゃなくて良い。通行人でも警察官でも良い。誰か俺を見つけてくれ。
 ゴーンゴーン、と鐘が鳴る。正義の味方の出番だ。やっぱり俺がヒーローになるしかないらしい。俺は血まみれの手でヒーローマスクを被る。
 痛みが消えていく。正義の味方は無敵だ。痛みなんて正義の味方には似合わない。足が勝手に動き出す。猛ダッシュで俺は家から離れていく。唐揚げ弁当は電信柱の下で置き去りになっている。食べられる頃には冷めているだろう。誰かが間違えて捨ててしまわないことを祈る。捨てられさえしなければ現代文明の利器、電子レンジがあるから大丈夫だ。現代に生まれて良かった。俺は恵まれている。電子レンジのない土地や時代だってあるのに、俺は電子レンジのある土地と時代で生きることができている。電子レンジを得ている。俺から電子レンジを奪うことはできない。ざまあみろ。
 見知らぬ民家の塀をよじ登り、一階の屋根から、開け放たれた二階の窓にダイブした。
「こんな人のためにあなたが苦しめられる必要はありません」
 俺は目の前の女が振り下ろそうとした包丁を白羽取りした。包丁を奪って窓の外に投げ捨てる。なんかヒーローっぽくて格好良い。格好付けすぎだろうか。顔が隠れているから余計に芝居じみた言動をしている気がする。ヒーローマスクはダサいけど。
「は? お前何?」
 危うく刺されるところだった男が言った。お前が言うのかよ。危機を救われたことにイマイチピンと来ていない様子だった。
「正義の味方だ」
 俺は男の顔面に擦り剥けた血まみれの指で殴りつけた。痛くはないが傷が塞がるわけではない。うっかり血が口に入ってしまったかもしれない。あちゃー。これでこいつも正義の味方になってしまう。また世界が平和になってしまう。やっちまったな。
 包丁を持っていた女は男を庇おうとしたが、俺はそれを振り払う。男の方を膝で固定し、馬乗りになって顔面を殴る。ジタバタともがいているが俺は今無敵なので効かない。女がめそめそと泣いている。ぺちぺちと叩いてきたが、俺はビクともしない。ひんひんとしゃくり上げている。多分あれはメンヘラだ。メンヘラっぽい鳴き声してるから。ほら、来てるTシャツもそれっぽい。あんなの絶対ヴィレヴァンでしか売ってない。
 男の鼻っ柱を血まみれの拳で何度も打ちつける。鼻から血が出てきた。鼻血だろうか。それとも鼻の外側を怪我したのだろうか。鼻の外側からの出血だとしても鼻血というのだろうか。鼻から出たどこまでの血を鼻血というのだろうか。その謎を解き明かすため俺はアマゾンの奥地へと向かった。アマゾンってどこの国だっけ。
 ところが俺はメンヘラに悲鳴をあげさせられることになった。焦げ臭い嫌な匂いがして、匂いの元を辿ってみると、思わず立ち上がってしまった。
「これ以上殴ったら、燃やすから」
 振り返ると、メンヘラが百円ライターをカチカチしている。明らかに自分の親指も炙っているが気にしていない。狂気の沙汰だ。いや、メンヘラだから自然か。いつの間にか俺のスニーカーの靴ひもがチリチリと焦げていた。それ自体は特にマズいことではない。しかし、俺は痛みが分からない。気が付いたら焼き殺されているかもしれない。それはさすがにヤバい。自分が殺そうとしてた男を守るために見知らぬ男を焼き殺そうとする心理もヤバいけど。
 俺は男を蹴り、メンヘラを蹴り、また窓から外へ出て行った。ポツポツと雨が降ってきた。ボロ屋根で雨粒が踊る。俺の唐揚げ弁当どうなってるんだろう。
 だんだんと正義の味方の力が抜けていく。いつもそうだ。出てくる時は一気に出てくるのに、抜ける時はビーチボールの蓋が緩んでしまったみたいに徐々にふにゃふにゃになっていく。だんだんと走る速度が落ちてきて、最終的に俺は一人で雨に打たれながら歩く寂しいおっさんになった。ヒーローマスクも外して手にぶら下げる。明らかに不審者だ。電信柱を殴った痛みが疼く。足が痛い。擦り剥けた指はヒリヒリとする。男を殴った痛みは残らない。ご都合主義だ。雨足が強まってきてとりあえずヒーローマスクを傘代わりにしたが、大した効果が得られるはずもなく、肩も足も濡れていく。正義の味方になることでハイになっても抜ければ結局なる前と同じメンタルに落ち着く。弱く、奪われるだけの俺。自発的に他人を殴ったことなんてなかったのに。
 気付いてしまった。
 正義の味方を呼ぶのは怒りじゃない。暴力なのだ。それもただの暴力ではない。人間への暴力だ。誰かが誰かに暴力を奮おうとした時、正義の味方は呼び出される。幸か不幸か、俺は自発的に暴力を奮おうとしたことがない。優しく生きていたら損をする。へらへらと良い子ちゃんぶっていても、誰も守ってくれない。暴力を奮おうとするクズだけが救われる。元々我慢できる人は、暴力に頼ろうなんて思ったこともない人はただただ虐げられているだけ。正直者は馬鹿を見る。
 雨に打たれた唐揚げ弁当を手に取る。俺と同じで唐揚げ弁当も誰にも見つけられなかったらしい。いや、見つけたところで片付ける義理もないか。すっかり唐揚げが湿気ている。雨水だって中に入ってしまっているかもしれない。受け取った時は美味しそうだったのにこんな姿になってしまった。電子レンジも万能じゃないので、唐揚げ弁当を元の姿に戻すことはできない。
 良い子にしてたって誰も助けてくれない。良い人でいたって何の得もない。そんなこと昔から分かっていたじゃないか。必死に努力して何事もなく無事に終わった物事は無視され、悪事だけが罰せられる。商売にもよくあることだ。クレーマーの主張だけが受け入れられ、何も言わずに満足している人たちの意見は無視され、改悪が繰り返される。行動を起こせ。黙るな。判断しろ。動け。さもなくば、ただ奪われ、ただ殴られ、死ぬだけだ。
 というのは極論だけど、あながち間違っていない気もする。
 正義の味方は人々の暴力を引き受ける。受け止めはしない。ただ引き受け、それを受け流す。そして暴力を客観視させる。正義の味方はやはり正義の味方なのだ。勧善懲悪だ。正義の味方は常に弱者の味方だ。暴力に至るほどの不快を強いられた、暴力に頼らざるを得ない弱者救済のために正義の味方は正義の味方たりえる。正義の味方は正義の味方でい続ける。暴力は悪なのだと見せつけるためだけに、耐えきった者が殴られる。いつかこの世界から暴力がなくなるまで、この連鎖は続く。確かにここのところ、殺人事件や傷害事件のニュースを目にしない。正義の味方の効果だろうか。
「いただきます」
 誰と一緒でも、たとえ一人でも、いただきますと言うところが俺の良いところだと誰かが言っていた。誰だっけ。俺の妄想だろうか。だって一人でもいただきますを言ってるだなんて誰も知りようがない。そんな言葉をかける人がいるわけがない。バスタオルを首に巻いたまま、しおしおの唐揚げを割り箸で挟む。発泡酒はまだ冷蔵庫の中だ。
 大気汚染の成分とか入ってるよ、やめなよ、絶対ヤバいって、と頭の中で誰かが言う。その誰かは彼女であり友達であり家族である。俺の知っている「誰か」のキメラだ。
 電子レンジで温められた唐揚げは、思ったより変な味はしなかったが、何となくじゃりじゃりした。誰かが近くを歩いて泥でもかけたんだろうか。
「でも唐揚げは唐揚げじゃん」
 俺は誰かのキメラに答えた。じゃりじゃりする弁当の続きを頬張っていく。食べ終わってから飲もうと思っていた発泡酒が不意に飲みたくなって、冷蔵庫に取りに行く。発泡酒の後ろでタッパーが積まれている。色とりどりの蓋のタッパーの中には母親がこの家で作ってくれたものも、恋人と作ったものも、皆で宅飲みした時の残りもある。ちゃんとある。間違いなくここにある。黒っぽい中身のそれらを指でつついてみる。胸の奥で小さな火が灯った。これがきっと愛しさだ。どれも入れた瞬間のことを覚えている。楽しかった。嬉しかった。ありがたかった。ずっとこうしていたかった。
 発泡酒を手にとって、俺は冷蔵庫を閉めた。
「赤ちゃんじゃないんだから自分の感情くらい自分でコントロールしなよ」
 誰かのキメラが言う。電信柱を殴ったのがそんなにダメですか。俺は正義の味方の世話になったことがないのに。それなら一生赤ちゃんで良いです。生後372ヶ月の赤ちゃんです。ほぎゃー。新生児みたいに快と不快しか感情がなければ良かった。
 ピンポーン
 ハッと目を覚ます。いつの間にか俺はベッドで眠っていた。もう日が高く昇っている。慌ててシフト表と電波時計の隅の日付を交互に見る。良かった、休みだ。
 そして慌てて布団から飛び出し、インターフォンに出る。
「はい」
「宅配便でーす」
 寝癖を手櫛でなおしながら玄関へ向かう。マジか。これ夢オチかよ。つまんないやつじゃん。
 玄関のすぐ横に置いているシャチハタで押印する。実家からだった。開けると一番上に「HAPPY BIRTHDAY」と印字されたカードが入っていた。裏面に懐かしい文字で「たまには帰っておいで」と手書きの文字が書いてある。今日は俺の誕生日だ。また年をとった。また古びていく。老いていく。どんどん死んでいく。両親から、あの時は悪かった、と何度謝罪されただろう。決して許していないわけではない。俺は少しも怒っていない。むしろ家族を大切に思っている。カードを捨てると、その下には保存のきく食べ物と俺の好きな作家の新刊が入っていた。新刊はもう持っているから要らない。古本市場に売りに行かないと。食べ物は役に立つ。
 とりあえずテレビをつける。
「国がしっかり経済が復活するための支援をしないとダメなんですよ。納税ってこういう時のためのものじゃないんですかね」
 嫌いなワイドショーだ。深刻な口調で、被害者代表みたいな面をしてタレントがコメントしている。相変わらずだ。あの流行病があってから、いつ見かけても、こういうテンションの話題を飽きもせずに放送している。偶然見たときに限ってそうなっているだけだろうか。それとも、忘れているだけでずっと前からこの調子だったかもしれない。
 チャンネルを回す。一通り流してみて、きのこの炒め物をしている番組に落ち着けた。
 また誕生日が来た。いくつの時から誕生日が嬉しくなくなっただろうか。最後の楽しかった誕生日は、彼女と過ごしていた気がする。彼女が来て手料理を作ってくれた。たぶん冷蔵庫のタッパーの中にまだその時の残りがある。楽しかったなぁ。「別れよう」と言った時の彼女の驚いた顔が浮かんでくる。分かってたくせに。言わそうとしてたくせに。それともアレか。俺が歩み寄るのを待ってたのか。図々しい。試し行為か。そういうのはうんざりだ。勘弁してくれ。傷付いた顔をするのはやめろ。自業自得じゃないか。
 ゴーンゴーン。鐘が鳴る。俺はソファの上に転がっていたヒーローマスクを被る。
 あーあ。分かっていたけど、やっぱりこれ現実か。つまんないやつじゃん。
 然るべき成果が得られるのはまだ先なんだ。今はまだトンネルの中にいる。止まない雨はない。まだか、まだかと俺は我慢している。頑張っている。
 ダッシュでマンションの階段を駆け下りていく。三階まで降りたところで、隣のビルに飛び移る。まるでヒーローじゃないか。いや、正義の味方なんだからほぼ等しい。体が軽い。こんなに体が軽いのは俺が正義の味方だからだ。風を切って俺は走っていく。俺は奪われない。失わない。だって正義の味方だし。イカしてる。イカレてるの間違いかもしれない。まぁ、ともかく、正義の味方は正義の味方だ。俺は俺だ。平気だ。そう、「大丈夫だよ」。
 口の中で呟いたその言葉は飴玉みたいにいつまでも転がっていた。
 ひょっとしたら、もう誰もが正義の味方なのかもしれない。
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gunosy-news · 4 years
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取り返しのつかない場合も…みんなのビンタ体験談が聞くだけでつらい
集計期間:2020年3月17日~3月19日 回答数:13647
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突然ですが、誰かにビンタをされた経験はありますか?
ビンタは平手打ちの一種で、主に相手の頬を狙ったものを指します。それ以外の部分を狙った平手打ちは「張り手」や「掌底」に分類されます。
ビンタは手を痛めにくく、相手へのダメージも調整しやすいことから、 制裁、教育、緊急時における意識の確認などなど、さまざまな場面で使用されることがあります。もちろん、正当な理由のないビンタはただの暴力です。
ビンタの語源については諸説ありますが、「頭部」を意味する鹿児島弁に由来するとか、もみあげの根元を指す「鬢(びん)」を叩くことからきている説などがあります。
今回は、そんな「ビンタ」にまつわる調査を行いました!
ビンタされたことはありますか?
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回答者13647名のうち、誰かにビンタされた経験を持つ割合はほぼ五分五分となりました。
ここからは、具体的なエピソードをみていきましょう。
いろいろなビンタ
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<家族から>
・親に反抗的な態度をとって 
・親から。躾が厳しかったので…いえ、今なら分かる。あれは躾ではなく、八つ当り、虐待でしたね。
・新車納車日に運転したら交通事故を起こし(ぶつけられた)家に戻り報告したら父親が激怒しビンタされた。
・4歳の息子にペチッとやられました。
・小学2年の時姉とケンカをして、食��を割ってしまい、姉と私、二人とも母に軽くですがビンタされました。
・子どもの頃、友達と遅くまで遊んでて誘拐されたかと心配した親に心配して集まった近所の人達の前で往復ビンタされた。
・子どもの頃、髪を伸ばしたいから美容院に行きたくないと泣いていたら叩かれた。
・親に。学校でいじめられてて、本気で自殺しようとしたときに父親から。されて良かったと思う、両親を悲しませてごめんって感じ。
・20代の頃 家の手伝いをしないというだけで父親にビンタされた
・同級生をいじめてしまった事があってそれを知った親に、「あんたがやってる事はこうゆう事だよ」とビンタされました。その時は人の痛みのわからない人間だったけど、あの時叩いてくれた親に感謝しています。
・中学生のときに、友達数人を家に呼んで遊んだら、その中に男子がいたことに腹を立てたおじいちゃんに突然たたかれて、友達の前でないた。
・小4くらいの時のある朝、まだ完全に目が覚めてなく朝食を待つのにリビングの床に座っていたら、たまたま父親から話しかけられたので顔を上げた際に蛍光灯が眩しく感じた瞬間でもあり、しかしその顔は父親にしては睨んでいるように見えたらしく反射的に頬をビンタされた(>_<)  
・朝が苦手で低血圧のため起きられなかった。目覚まし時計がなってもおきられず、母にビンタされておこされた。今でも許せない。昔は、手をあげるのは普通で誰もそうだったのかは不明だが、あり得ない。
・思春期の頃、原因は他愛もない事だったと思います。母と大喧嘩をしていたら、温厚な父に一度だけ叩かれました。生涯で一度でしたが、愛のあるビンタで猛省しました。結婚後、夫はDVで、気に入らないとよく叩かれました。何度も病院に駆け込みました。この夫とは10年で離婚しました。愛のないビンタでした。
・最近のことで、90になる母親が根も葉もない言いがかりを付けてきて、いきなり張り手をしてきた。とっさの反応で二発叩き返したら、また猫手で向かって来た。それ以来口も聞いていない。頭が狂ってる‼️
・高校生の頃、真夜中に友達数人と家から少し離れた所で隠れて談笑してたら、田舎で静かすぎて声と単車の音で両親が起きてきた。両親が歩いてきたと思ったら謝る暇もなく母からビンタ。父親大激怒。友達の前で気まずかった…。
・女友達の家に泊まると母親には言ってたけど、それを父親は知らなくて、早朝友達宅まで呼びに来て、帰宅するなりビンタ。今思えば、心配していたのでしょうが、当時は反発しました。
・小さいころ親戚達との旅行で、21時過ぎに寝ようと布団に入っていたのに酔った伯父についてこいと呼ばれてついて行ったら…別の伯父に子供は寝る時間だと言われ、何故か呼び出した伯父に子供は寝る時間だぞ!とひっぱたかれました…この理不尽な事は伯父達が亡くなった40年以上経った今でも忘れられずにいます←
・親子喧嘩。父対娘。娘が、父に朝ごはんを先にすすめましたが、父が全部を食べてしまい、娘が母に伝えたら、父が全部食べて何が悪いと娘にビンタ。理不尽な朝でした。
・父親にDVされていて、子供の頃から毎日ビンタされていた。時には鼻血も出たこともあった。昔のビンタで、鼻の骨が曲がってしまって、今でも鼻が曲がっていたり、日によって鼻がひどく曲がっている日があり、洗顔の時など痛むことがある。
・幼い頃に亡くなった父方のおじいちゃんのご遺体のそばで"おじいちゃん起きないの〜"等と周りの大人に聞き回っていたら父親に叩かれてふっ飛んだ事を覚えています。うるさくしてしまって申し訳なかったです…。
・温厚な父が一度だけ、反抗期の私にした事があります。ぶたれた私よりも、とっても手が痛かったみたい。
<友達・同級生から>
・小学生の時、友達とケンカして
・友達に歩道でビンタされました。私が色んな男性と真剣に付き合わない事への苛立ちだと!
・中学生の時に隣の席の女の子の書いている物を覗き見たときにビンタをくらい、女の子の気持を理解するのは難しいと感じた。
・同級生の女の子にいきなりビンタ喰らった。後々わかったけどなんか思わせ振りな態度をとってたらしく違う子と仲良くしてたら叩かれた。
・高校の時、沢山の女の子からバレンタインのチョコ貰ったら彼女ではない女の子からビンタされました。
・同級生にムカつくからビンタさせてと言われた瞬間やられてしまった。そのあと、スッキリしたーと言ってどっかに行った。
・学生時代に部活をサボっていた女子にやる気無いなら帰れ。と言ったらビンタされた
・中学二年の時にイジメで昔の不良と呼ばれた同級生に一度だけビンタされた❗気に入らないとかでした  反撃しなかったら気持ち悪いと2度と手は出さなかった  三年生になって問題を起こし退学になったのでホッとはしました
<恋人・配偶者から>
・浮気がバレたとき、奥さんに 
・喧嘩の最中に涙顔の彼女に愛おしさを覚えビンタさせたら機嫌が良くなったらしい。
・高校の時、付き合ってる人の友達を好きになってしまって、その事を伝えた時にビンタされました。
・別れると言ったら彼氏にビンタされた。悔しいからしかえそうとしたらよけられた。男として最低。
・初めての彼氏。若かったなぁ…今みたいにDVとか言わない時代で、ケンカの後に優しくされたら、愛されてると思う自分が居たなぁ。
・前に付き合ってた人からDVを受けていて、男の人からのビンタではなく自分で自分をビンタする。ってことはありました。
・束縛タイプの彼氏と付き合っていた頃に決まった時間に連絡しなかったら、家の前で待ち伏せされたあげく、ビンタされた
・働かない元旦那とお金の件で話しあいをしていたら、口喧嘩になり、ビンタと腹ゲリされた。
・元旦那と、姑の借金のことで喧嘩して殴られた。すぐに実家に帰った。
・前夫に口論の末にビンタされた。今で言うDV。その時に私が避けたので左耳を直撃して今も左耳が難聴気味です。
・妻の仕事が忙しい時期に、私だけ遊びまわってたらイライラした妻にビンタされました。相当腹が立ったんだと思います。
・彼氏といつもの様に冗談を言い合っていたら、思い切り引っぱたかれた。彼氏はお笑いのツッコミ程度だと思っていたみたいだけど、男の力で叩かれたら涙も出るほど痛い。
・お付き合いから結婚の話になり、断ったらビンタされ、「今まで、気を使ってお金使って、時間使ったのに」と言われた
・とにかく気が強い彼女。怒るとまず口撃から始まり、ヒートアップしてくると手が出ます!そして反論しようならその瞬間にはもうバチーンときます。最初の頃は我慢していたけど、何度も続けばもうやってられないのでお別れしました。お別れの時も涙を流しながらバチーンと一撃を出してきました。最後までこれかよって呆れたね。
・眠そうにしていたら、嫁に叩いて眼を覚ましてあげようか?と言われたからお願いすると本気でビンタされた。軽く叩く程度だと思ったのに…運転中だったから…
・彼女の寝顔がかわいすぎて、近くにいって覗き込んだらビンタされました。
<教師から>
・「いいか、痛みを忘れるな」と学校の先生からビンタされた事がある。あの当時は普通にあった体罰彼氏や旦那、親からもビンタやそれ以上の暴力を受けてきたのでビンタなんて優しい方だと思う
・小学生の頃、持ち物検査がありわたしは当時流行っていた光るペン(笑)他の子は財布やお守りの水晶などを見つかり ほとんどの子がビンタされた。
・昭和50年代に小学生だったが、何か叱るときに先生がビンタするのが日常的だった。時々、やり過ぎる先生がいて鼓膜が破れる子もいたが、親も先生に苦情を入れなかった。
・中学生時代にやんちゃしてまして、担任の先生から頂きました。今、感謝しています。
・中学校の頃、タバコがバレて先生にビンタされた
・中学生時代、塾で何度もビンタされた。人の話しは目を見て聞け!と言われていたので目を見て話しを聞いていたら、何見てんだ!とビンタされた時はキ◯ガイが運営する塾に入ってしまったと絶望した。
・小学生の時の避難訓練で隣のクラスの先生に「早く外に行け うちのクラスが避難出来ない」と言われ外に出たら何故担任の指示もないのに勝手に外に出た連帯責任だとクラス全員ビンタされた
・昔、学校の先生や塾の先生によくビンタされました。宿題忘れたらビンタ!置勉したら一冊につき1回ビンタ!教科書忘れてもビンタ!親には叩かれたことはないが、教師によく叩かれた。
・中学の部活(女子卓球部)で、横一列に並ばされ、顧問の男の先生に皆ビンタされました。理由はよく覚えてないけど、何らかの共同責任だったと思います。親には「アンタたちが何か悪いことしたんやろ」と、こともなげに言われましたが、今だったら絶対NGでしょうね。
・中学生の時の男の担任に。修学旅行で部屋に男子がきていたことで部屋の前の廊下に女子だけ正座、女子だけビンタ。読んでもないのに勝手にこられた上に女子だけビンタ。しかも酔っ払っててしつこく絡んできたが、いつでも女子だけに手をあげないとんでもない教師で有名な人だった。
・小学5年の時、担任の先生がクラス全員ビンタしました。音楽の授業で全員でリコーダーを演奏したのですが、何回演奏しても一人だけズレる人がいました。先生がイライラしてきて、みんなに目をつぶらせて「リコーダーの音程がズレる人は挙手するように!」と言ったのですが誰の手も上がらなかったみたいでした。そうしたら先生がキレて「連帯責任だ!!全員一列に並べ!!」って言ってクラス全員並ばせて端から順に一人一人ビンタしていきました。今の時代だったら問題になってたと思います。
・小学生の時に忘れ物をした音楽の先生にビンタされたのは未だに忘れない。以前同棲していた男に馬乗りで何度もビンタ。最終的に床に叩きつけられ歯が折れたので警察に電話してそれ以来一切会うこともなく私が家を出た。私の家だったのに理不尽すぎるが縁を切る為に仕方なかった。
・小学2年生の時の担任。妊娠中だったからなのか、いつもキリキリしていて、ほぼ毎日、理由もなく私を怒鳴りつけ、あげくの果てには人通りのない空き教室の方へと連れていかれ、「生意気な目つきをしている」とか「その目が私をバカにしている」などと言いがかりをつけては、頭頂部の髪の毛を捕まれて、往復ビンタされるは引きづり廻されるはで、心身ともに大きなダメージを受けた。今でもその先生の名前は覚えているし、あの日の事が、40年経っても夢に出てくる。
・小学生時代、帰りの学活が終わって隣りのクラスの友達を廊下で待っていた。その日は隣りのクラス担任が休みだったため代わりに特別学級の教師が学活を任されていたのだが、若い男性教師は騒ぐ生徒達に伝達事項を伝えるのに四苦八苦していた。学活が終わった直後、その男性教師に私はビンタされた。何もしていないのでわけがわからず、家に着くやいなや涙が溢れてきた。「先生にはたかれた…。何もしていないのに。何か誤解されたかもしれない。」と母親に打ち明けた。翌日その男性教師と、私のクラス担任と私で話しをすることになり、やはり彼の誤解のもとでの行為とわかった。彼にとって怒髪天の言葉が教室内に響いたらしかった。思いきりはたかれた私は謝られたくらいでは許し難い心持ちだったが、まだ小学4年生の女子にはその心情を訴える術がなかった。たとえ教師を腹立たしくさせる言葉が教室内で叫ばれたとしても、現在なら教育委員会に持ち込まれる事案だろう。特別学級の教師なら尚更暴力はふるうべきではないと非難されると思われる。教師が常に正しい訳ではないと気づくきっかけになった出来事だった。
<医療現場のリアル>
・介護の仕事で利用者にビンタされた。
・介護職。利用者のじいさんにめちゃくちゃビンタされました。
・介護4の母からいきなり叩かれました。
・看護師として働き始めた頃、いきなり患者にビンタされてびっくりした。親以外の人に顔を叩かれたことはなかったのでパニックになったのと、訳もなく叩かれたことがショックで泣きました。
・仕事で接近した時、笑顔の知的障害の子にいきなりやられた。笑顔のままで、悪気なしなので怒れず。
<その他>
・通りすがりの女子高生にいきなり。。。
・告白したら お前 キモイって女にビンタされた
・ホワイトデーにふざけた手紙を添えて渡したらビンタされました。(小学生の時)
・好きでもない女性に誤解された挙げ句の果て。
・当時小学生の自分外出の際、広場のソファーに座っていたら目の前に2、3歳児くらいの小さな女の子に突然思いっきりビンタされた。何回も…  
・家に私と弟の友達が集まり、理由は忘れたけれど掴み合いになり、突然弟の友人にひっぱたかれました。小学生の頃で、びっくりしてしばらく動けませんでした。
・6歳頃歯医者の治療中にあまりの痛さに泣き叫んだら医師からうるさい!とビンタされました。
・中学生の頃4対1でカツアゲされお金手渡すのを抵抗したら生意気だと押さえつけられ一人10発計40発ビンタされてお金もとられて踏んだり蹴ったりの思い出がある
・空手の試合で。女性の上段(首から上)攻撃は掌底なので、ビンタが当たる感じです。初めてくらった時は鼻血が出ました。 
・電車で足を踏んだと言われ関西弁のオバサンにビンタされた
・仕事上で出しゃばったことと受け止められ、先輩社員からビンタを受けた。
・相手の勘違いからのビンタでしばらく無感覚でヨダレが出るようになり、原因が歯の歪みで歯科通いになりました。
・マッチングアプリで出会った女性からなんの理由なくビンタしてきた
・可愛い女に、ビンタしてと頼んだ
・ガールズバー でキャストさんにビンタされました。痛かったです笑笑
・アイドルのイベントで昔ビンタするグループがいて、痛かった
まとめ
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寄せられた経験談をまとめると、
・教師からのビンタが多い
・理由はどうあれ、ビンタされた方は長い年月が経っても覚えている
といった具合です。
特に多く見られたのが、昭和世代とみられる回答者からの「教師が生徒に手をあげることは日常茶飯事だった」という意見。確かに、教師による体罰がすぐに報道される現代では考えられないようなエピソードばかりで、ジェネレーションギャップを感じさせます。
さらに、ビンタされた理由を自覚し、感謝すらしている人もいれば、理不尽すぎる理由でビンタされ傷や障害が残ったという人も多く、ビンタ一発が人に及ぼす影響の大きさを考えさせられる調査結果となりました。
アンケートにご協力いただきありがとうございました。
グノシーの「アンケート」タブにて、毎日新しいアンケートを更新しています。ポイントが手に入るものもあるので奮ってご参加ください。
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こちらの記事に関するお問い合わせは [email protected] までお願いします。
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groyanderson · 4 years
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ひとみに映る影 第三話「安徳森の怪人屋敷」
☆プロトタイプ版☆ こちらは無料公開のプロトタイプ版となります。 段落とか誤字とか色々とグッチャグチャなのでご了承下さい。 書籍版では戦闘シーンとかゴアシーンとかマシマシで挿絵も書いたから買ってえええぇぇ!!! →→→☆ここから買おう☆←←← (あらすじ) 私は紅一美。影を操る不思議な力を持った、ちょっと霊感の強いファッションモデルだ。 ある事件で殺された人の霊を探していたら……犯人と私の過去が繋がっていた!? 暗躍する謎の怪異、明らかになっていく真実、失われた記憶。 このままでは地獄の怨霊達が世界に放たれてしまう! 命を弄ぶ邪道を倒すため、いま憤怒の炎が覚醒する!
(※全部内容は一緒です。) pixiv版
 ◆◆◆
 1989年十月、フロリダ州の小さな農村で営業していた時の事だ。 あの村で唯一と言っても過言ではない近代的施設、タイタンマート。 グロサリーを買いこむ巨人の看板でお馴染みのその大型ショッピングセンター前で、俺はポップコーン屋台付き三輪バギーを駐車した。 エプロンを巻き、屋台の顔ポップ・ガイのスイッチを入れ、同じツラのマスクを被り、  「エー、エー、アーアー。ポップコーン、ポップコーンダヨ」 …スピーカーから間の抜けたボイスチェンジャー声が出ることを確認したら、俺の今日の仕事が始まる。
 積載電源でトウモロコシを爆��ていると、いつもならその音や匂いに誘われて買い物客が集まってくる。 だがその日は駐車場の車が少なく、やけに閑散としていた。 ひょっとして午後から臨時閉店か?俺は背後のマート出入口に張り紙でも貼っていないか、様子を見に行った。 一歩、二歩、三歩。屋台から目を離したのは、た��た三歩の間だけだった。
 ガコッ!ガコガコガシャン!突然背後から乱暴な金属音がして俺は振り返った。 そこには、一体どこから湧いて出たのか、五~六人の村人が俺の屋台バギーを取り囲んでいた。 奴らはポップ・ガイの顎を強引にこじ開けた。 ガラスケース内のポップコーンが紙箱受けになだれ込む。それを男も女も、思い思いにポリ袋やキャップ帽などを使って奪い合う。
 「あぁー!!?何しやがるクソッタレ!!!」 俺はマスクを脱ぎ捨て、クソ村人共を押しのけようとした。その時。 サクッ。…背後で地面にスコップを突き立てたような音がした。 振り返るとそこには、タイタンマートのエプロンを着た店員と…空中に浮く、木の棒? いや、違う。それは…俺の背中に刺さった、鉈か鎌か何かの柄だ。 俺は自分の置かれた状況が理解出来なかった。背中を刺されたという事実以外は。 ただ、脳���痛覚を遮断していたのか、痛みはなかった。異物感と恐怖心だけがあった。 目の前では相棒が、俺のポップ・ガイが、農村の狂った土人共にぶちのめされている。 奴らはガラスケースを割り、焼けた調理器に手を突っ込んでガラスの破片とポップコーンを頬張り、爆裂前のトウモロコシ粒まで奪い合いながら、「オヤツクレ」「オカシ」「カシヲクレ」などとわけのわからない事を叫んでいやがる。
 そのうち俺を刺しやがったあのクソ店員が、俺のジーンズからバギーのキーを引ったくり、屋台を奪って急発進させた。 ゾンビめいた土人共がそれにしがみつく。何人かは既に血まみれだ。 すると駐車場の方からライフルを抱えたクソが増えた。 ターン、ターン、ターン。タイヤを撃たれたバギーが横転する。ノーブラで部屋着みてぇなブタババアが射殺される。俺の足に流れ弾が当たる…痛ぇな、畜生!
 ともかく逃げないとヤバい。こいつらきっとハッパでもキメてやがるんだ。 それにしても、俺の脳のポンコツめ。背中の痛みはないのに、なんで足はこんなに痛いんだクソッタレ!  「コヒュッ…コヒュッ…」息ができない。傷口が熱い。体が寒い。全身の血が偏ってきていやがる。 もはや立ち上がれない俺は匍匐前進でマートの死角まで這って逃げた。 そこには大量のイタチと、中心に中坊ぐらいのニヤついたガキが立っていた。 そいつは口元が左右非対称に歪んでいて、ギンギンに目の充血した、見るからに性根の腐っていそうな奴だった。 作業ツナギの中にエド・ゲインみてえな悪趣味なツギハギのTシャツを着て、右手にニッパーを、左手にカラフルな砂か何かの入った汚ねえビニール袋を持っていた。
 「おっさん、魚みてえだな」…あ?  「背中にヒレ生えてるぜ。それに口パクパクさせながら地面をクネクネ這いずり回ってさ。 ここは山ばっかだから見た事ねえが、沖に打ち上げられたイルカってこんな感じなのかな」 何言ってやがる…このガキもキチガイかよ。それにイルカは哺乳類だ。どうでもいいがな。
 「気に入ったぜ。おっさん、俺が解剖してやるよ」…は??  「心配するな。川でナマズを捌いた事がある。おいお前ら、オヤツタイムだぜ!」
 おいジーザス、いい加減にしろ!あのクソガキは俺にキチガイじみた虹色の砂をブチまけてきやがった! 鼻にツンとくるクソ甘ったるい匂い。そうか、こいつはパフェによくかかっているカラースプレーだ。しかもよく見ると、細けえキャンディやチョコレートやクッキーまで混じっていやがる。 ファック!このガキ、俺をデコレーションケーキか何かと勘違いしてんじゃねえのか!?
 「あんたのポップコーン、いつも親が買ってたぜ。油っこくて美味かった。 だからあんたの魂は俺達の仲間に入れてやるよ…」 なんでなんでなんで。なんで俺の生皮がいかれたガキのニッパーで引き裂かれてやがる。なんで俺の身体が汚ねえイタチ共に食い荒らされてやがる! カラースプレーが目に入った。痛え。だからなんで背中以外は痛えんだってえの。 俺が何をしたっていうんだジーザス。みんなの人気者のポップ・ガイがなんの罪を犯したっていうんだ。
 やだよ。こんな所で死にたくねぇよ。 こんなシケた田舎のタイタンマートなんかで…おいクソ巨人、お前の事だ!クソタイタンマートのクソ時代遅れなクソ看板野郎!なに見てやがる! 「Get everything you want(何でも揃う)」じゃねえよとっととこのクソガキを踏み殺せ!! こんなに苦しんで死ななきゃならねぇならせめてハッパでもキメときゃ良かった!死にたくねぇよ!ア!ア!ア!アー!
 そうだ。こんな物はただの夢だ。クソッタレ悪夢だ。もうハッパキメてたっけ? まあいい。こんな時は首筋をつねるんだ。俺は首筋をつねれば大概のバッドトリップからは目覚める事ができるんだ。 そう、こんな風に―
 ◆◆◆
 「あいててててて痛え!!!」 ジャックさんは首筋をつねる動作をした瞬間、オリベちゃんのサイコキネシスを受けて悶絶した。
 磐梯熱海温泉の民宿に集った私達一同は、二台繋げたローテーブルを囲い、タルパの半魚人ジャック・ラーセンさんが殺害された経緯を聴取していた。  「そんなに細かく話すな!イジワル!!」 涙目のイナちゃんが、私のモヘアニットのチュニックを固く握りしめたまま怒鳴った。 彼の話に「ライフルを持ったクソ」が出てきたあたりから、彼女はずっと私にしがみついてチワワのように震え続けている。 おかげで買ってまだSNSにも投稿していないチュニックが、ヨレヨレに伸びきってしまっていた。
 <あんたあのね、女子高生の前でクソとかハッパとか、言葉を選びなさいよ!> ローテーブルの対面で、オリベちゃんがジャックさんを叱責する。  「まあまあ。そんで死んだ後はどうなったん…なるべく綺麗な言葉で説明してくれよ」 一方譲司さんは既に、ポメラニアンのポメラー子ちゃんのブラッシングを終え、何故か次はオリベちゃんのブラッシングをさせられている。
 「まあ、その後はだな。要するに、お前達のお友達人形にされてたってわけさ」 ジャックさん、オリベちゃん、譲司さん。三人のNICキッズルーム出身者の過去が繋がった。 イナちゃんがこれから行くキッズルームは、バリ島院以外にも世界各支部に存在する。 アジア支部のバリ島院、EU支部のマルセイユ院…オリベちゃんと譲司さんが子供時代を過ごした中東支部キッズルームは、テルアビブ院だった。 (アラブ人ハーフの譲司さんは、十歳まで中東で暮らしていたんだ。)
 その当時テルアビブ院には、魂を持つ不思議な人形と、それを操って動かす黒子の少年がいた。 少年は人形と同じ顔のマスクを被っていて、少年自身の意思を持っていなかった。 でもある日突然、少年は人形を捨て、冷酷な本性を剥き出しにしてNIC職員や子供達を惨殺して回ったという。 つまり、少年…生き物の魂を奪って怪物を作る殺人鬼、サミュエル・ミラーは、人形のジャックさんという仮面を被ってNICに近づき、油断した脳力者の魂を収穫したんだ。
 「その辺の話は、俺よりお前ら自身の方が嫌でも覚えてるだろ。 あいつがわざわざ変装用の魂をこしらえたのは、オリベ…お前みたいに人の心を覗ける奴が、NICにはわんさかいるからだろうな。 俺は自分が自分の黒子に殺された事なんざ忘れちまってたし、 用済みになった後も奴の脳内に格納されて、長い眠りについていたようだ。 友達や先生方の死に面を拝まずに済んだ事だけは、あのクソサイコ野郎に感謝だな」 ジャックさんがニヒルに笑う。殺人鬼の隠れ蓑にされていたとはいえ、彼とオリベちゃん達の間の友情は本物だったんだろう。 仮面役に彼が選ばれたのは、生前の彼が子供達に愛されるポップコーン売りだったからだと私は推測した。
 サミュエルは殺人に、怪物タルパを取り憑かせたイタチを使うらしい。 人間のお菓子や人肉を食べるように調教されたイタチは人間を襲い、イタチに噛まれた人間は怪物タルパに取り憑かれる。 取り憑かれた人間は別の人間を襲う。その人間も怪物に心を支配され、別の人間を襲う。 そうしてゾンビパニック映画のように、怪物に操られた人間がねずみ算式に増えていく。 サミュエルはこのようにして、自ら手を下さずに集団殺し合いパニックを引き起こすんだ。 1990年。二十年前のNIC中東支部を襲った惨劇も、この方式で引き起こされた。 幼い頃のオリベちゃんはその時、怪物タルパとイタチを一掃するために無茶なサイコキネシスを放った後遺症で構音障害になった。そして…
 「なあジャック」譲司さんが口を開く。  「アッシュ兄ちゃんって、覚えとるか? 弱虫でチビやった俺を、一番気にかけてくれとった」  「ん、ああ。勿論覚えてるさ。 ファティマンドラの種をペンダントにしていた、サイコメトリーの脳力児。あいつがどうかしたのか」 ジャックさんがファティマンドラという単語を口にした瞬間、譲司さんは無意識に頭に手を当て、  「ハァー、…フーッ」肺の空気を入れ替えるダウザー特有の呼吸をした。そして、  「…アッシュ兄ちゃんは。俺の目の前で、サミュエルに殺された。 その時…兄ちゃんの魂は胸の種に宿って、ファティマンドラになったんや」胸元に手を当てて言った。  「なんてこった…!」 ジャックさんは目元を強ばらせる。
 話を理解できなかったイナちゃんが、私のチュニックをクイクイと引っ張った。  「ええとね…ファティマンドラっていうのは、簡単に言えば動物の霊魂を宿して心を持つ事ができる霊草の事なの。 譲司さんの幼馴染のアッシュさんは、殺された時、その種を持っていたおかげで怪物に魂を取られずに済んだけど、代わりに植物の精霊になっちゃったんだ」  「そなんだ…。ヘラガモ先生、今も幼馴染さんいるですか?」  「ああ。種はもう花を咲かせてなくなっとるけど、兄ちゃんは俺と完全に溶け合って、二人合わさった。 せやから、アッシュ兄ちゃんは今俺の中におる」  「すまねえ…あいつの事を思い出せなくて、お前らみたいなガキ共を巻き込んじまって。本当にすまねえ」 ジャックさんがオリベちゃんと譲司さん、そして譲司さんと一つになったというアッシュさんをまっすぐに見つめる。 一方、当のオリベちゃん達は、ジャックさんが謝罪する謂れはないとでも言いたげに、彼に優しい微笑みを向けていた。
 「ヒトミちゃん」 しんみりとしたムードの中、イナちゃんが芝居がかった仕草で私のチュニックを掴んだ。  「ごめんなさい、チュニック、伸ばしちゃたヨ。 お詫びにあげたい物あります。お着替え行こ」  「え?」  「ポメラーコちゃんにも!」  「わぅ?」 私はポメちゃんを抱えたイナちゃんに誘導され、別室に移動した。
 ◆◆◆
 「へえ、韓国娘。あんた粋なことするじゃないの」 高天井の二階大部屋。剥き出しの梁の上では人間体のリナが、うつ伏せで頬杖をついたまま私達を見下ろしていた。 その時イナちゃんが着ていたのが水色のパフスリーブワンピースだった事も相まって、まるで不思議の国のアリスとチェシャ猫みたいな構図だ。 二階に上がったのは私とイナちゃん、ポメラー子ちゃんにリナ。階下に残ったのは中東キッズルーム出身の三人のみ。 そういう事か。  「『後は若い人達に任せましょう』。私が好きな日本のことわざだモン」 胸を張ってイナちゃんが得意気に言う。それ、ことわざだったっけ…?
 イナちゃんは中身を詰めすぎて膨らんだスーツケースの天板を押さえながら、布を噛んだファスナーを力任せに引いて開けた。 ミチミチの服と服の間から、哀れにも角がひしゃげたユニコーン型化粧ポーチを引き抜くと、何かを探すように中身を床に取り出していく。 「ボタニカル・ボタニカル」のオールインワン下地、「リトルマインド」のリップと化粧筆一式、「安徳森(アンダーソン)」の特大アイシャドウパレット… うーん、錚々たるラインナップ!中華系プチプラブランドの安徳森以外、どのコスメも道具も、高校生のお小遣いでは手を出し難い高級品だ。 蝶よ花よと育てられた、いい家のお嬢様なのかもしれない。
 「あったヨ!」 ユニコーンポーチの底からイナちゃんが引き抜いたのは、二重丸の形をした金色のペンダント。  「ここをこうしてネ…ペンダントと、チャームなるの」 二重丸の中心をイナちゃんが押し上げると、チリチリとくぐもった金属音を立てて内側の円形が外れた。それは留め具付きの丸い鈴だった。  『링』  『종』  中央が空洞化してリング型になったペンダントと鈴の双方に、それぞれ異なる小さなハングル文字が一文字ずつ刻印されている。 それを持ったイナちゃんの両手も、珍しく左右で手相が全然違う模様なのが印象的だった。 左は生命線からアルファベットのE字状に三本線が伸びていて、右は中央に大きな十文字。手相には詳しくないから占いはできないけど。
 イナちゃんはE字手相の左手でペンダントを私の首にかけ、右手の鈴はポメちゃんの首輪に括りつけた。 金属のずっしりとした重量感。これも高価な物なんだろうと察せる。  「イナちゃん、これ貰っちゃっていいの?まさか金じゃないよね?」私は恐る恐る聞いた。  「『キム』じゃないヨ。それは、『링(リン)』と読みます。リングだからネ。 キーホルダーは『종(チョン)』、ベルを意味ですヨ」  「い、いやいや、ハングルの読み方を聞いたんじゃなくて」チャリンチャリンチャリン!「ワンワンっ!」 私のツッコミは鈴の音を気に入って飛び跳ねるポメちゃんに遮られた。  「ウフッ、ジョークジョーク。わかてますヨ、ただのメッキだヨ」  「な…なんだ、良かった。それでもありがとうね」
 貰ったペンダントを改めて見ていると、伸びたチュニックが一層貧相に見えてきた。 この後私達はお蕎麦屋さんに夕食を予約している。さすがに��デルとして、こんな格好で外を出歩くわけにはいかない。 折角貰ったいいペンダントに合わせて、私は手持ちで一番フォーマルな服に着替える事にした。 切り絵風赤黒グラデーションカラーのオフショルワンピースだ。
 「アハ!まるで不思議の国のアリスとトランプの女王だわ」 梁から降りたイナが、私とイナちゃんが並んだ様子を比喩する。  「そういうリナはさっきまで樹上のチェシャ猫だったじゃない」  「じゃあその真っ白いワンコが時計ウサギね」 私達は冗談を重ね合ってくすくす笑う。こんな会話も久しぶりだな。 そこにイナちゃんも加わる。  「ヒトミちゃん、ジョオ様はアイシャドウもっと濃いヨ」 さっき床に散らかしたコスメの中から、チップと安徳森のアイシャドウパレットを持って、イナちゃんはいたずらに笑った。 安徳森、アンダーソンか…。そういえば…
 「私…磐梯熱海で、アンダーソンって名前のファティマンドラの精霊と会ったことがあるな」 私はたった今思い出した事を独り言のように呟いていた。 イナちゃんの目が好奇心に光る。  「さっき話しした霊草の魂ですか?ここにいるですか!」  「うーん、もう3年前の事だけどね…」
 それは私が上京する直前のこと。 ヒーローショーの悪役という、一年間の長期スパンの仕事を受ける事になった私は、地元猪苗代を発つ前にここ磐梯熱海温泉に立ち寄った。 和尚様と萩姫様にご挨拶をするためだ。 するとその日は、駅を出るとそこらじゅうに紫色の花が咲いていた。 私は合流した萩姫様に伺い、それがファティマンドラの花だと教わった。 そしてケヤキの森で、それらの親花である魂を持つファティマンドラ、アンダーソン氏を紹介して頂いた。 アンダーソン氏は腐りかけの人脳から発芽したせいで、ほとんど盲目で、生前の記憶もかなり欠落していた。 ただ一つ、自分の名前がアンダーソンだという事だけ辛うじて覚えていたという。
 とはいえ、元警察官の友達から聞いた話では、ファティマンドラは麻薬の原料にもなり日本では栽培を許可されていないらしい。 ファティマンドラには類似種の『マンドラゴラ・オータムナリス』というよく似た花があるから、駅に咲いていたものに関しては、オータムナリスだったのかもしれない。
 「改めて今熱海町に来たら、もう駅前の花はなくなってるし、さっきケヤキの森を通った時もアンダーソンさんはいなかったの。 もう枯れちゃったかな…魂はどこかにいるかも」  「だといいネ。私も見てみたいです。 そのお花さんに因みな物あれば、私スリスリマスリして呼び出せるですけど」  「え、すごいね!イナちゃん降霊術もできるんだ…」
 スタタタタ!…私達が話している途中から、誰かがものすごい勢いで階段を駆け上がる音がした。 二階部屋の襖がターン!と豪快に開き、現れたのはオリベちゃん。  <そのファティマンドラよ!今すぐ案内して頂戴!!>  「オモナっ!」驚いたイナちゃんが顔の前で手を合わす。
 「え!?ど、どういう事ですか?」  <サミュエルは最後に逃亡する直前、ジャパニーズマフィアの薬物ブローカーだったの。そして麻薬の原料としてファティマンドラの種子を入手していた。 だからそれを発芽させるために、ブローカー仲間の女子大生を殺害して、その人の肉や脳を肥料に与えていたというのよ>  「ああ…女子大生バラバラ殺人の事ですね。指名手配のポスターで有名な」 物騒な話題にイナちゃんは顔を引きつらせる。またストレスで悪霊を呼び寄せないように、すかさずリナは彼女の体を抱き寄せて頭を撫でた。
 イナちゃんは知らないだろうけど、実はサミュエルの通名、水家曽良という名は日本では有名だ。 彼は広域指定暴力団の薬物ブローカーで、ブローカー仲間だった女子大生を殺害した罪で指名手配されている。 だから駅や交番のポスターには、彼の名前と似顔絵がよく貼ってあるんだ。
 <その女子大生から生まれたと思しきファティマンドラがね…なんと、眠っていたジャックを呼び覚まして助けた張本人らしいのよ!>  「そうなんですか!」 オリベちゃんに続き、そろそろとジャックさんと譲司さんも二階に上がってきた。 ただ譲司さんは、興奮気味のオリベちゃんとは裏腹に煮え切らない顔をしている。  「いや、せやけどなオリベ。殺された女子大生は『トクモリ・アン』って名前やろ。 ジャックが言っとったファティマンドラは『アンダーソン』って名乗っとったらしいし…『アン』しか合っとらんやん」 トクモリアン?ああ、はい。 私とイナちゃんとリナは三人同時に察して、ニヤリと顔を見合わせた。
 「ダウザーさん、その被害者の名前の漢字、当ててあげようか」挑発的にリナが譲司さんに微笑む。 リナが目配せすると、イナちゃんはあのアイシャドウパレットを譲司さんの前に持っていった。  「あん、とくもり…安徳森!何で?」  「そです。でもちがうヨ!中国語それ『アンダーソン』て読みます」  「なるほど!」  「そういう事だったのか」  <え…ど、どういう事ですって?> 譲司さんとジャックさんが納得した一方、ユダヤ人のオリベちゃんだけは頭にはてなマークを浮かべた。 私はパレットの漢字を指さしながら、非アジア人の彼女に中国語と日本語の漢字の読み方を解説した。
 <じゃあ、中国語でそれはアンダーソンになって、日本語ではアン・トクモリになるの!面白いカラクリだわ。>  「ファティマンドラ化した徳森安は生前の記憶を殆ど失っている。 その文字列が印象に残っていても、自分の名前じゃなくて有名な化粧品ブランドの読み方をしちまったのかもな。 あれでも女子大生だったし」ジャックさんが補足する。
 <となるとやっぱり、殺された女子大生で間違いないようね。 ジャックを蘇らせてくれたお礼と、サミュエルに関しての情報も聞きたいわ。 どうにかして彼女と会えないかしら?>  「ケヤキの森にいないなら…怪人屋敷に行けば何かわかるかもしれねえな。 まだあいつが成仏していなければ、だが」 ジャックさんが親指に当たるヒレをクイクイと動かす。その方角は石筵を指していた。  「怪人屋敷って、石筵の有名な心霊スポットですよね?山にある廃工場の。 実際はこの辺りで生まれたタルパとか式神達の溜まり場で、それを見た人間が『人間とも動物とも違う幽霊がいっぱいいる!』と思って怪人屋敷って呼び始めた…」  「何よ、じゃあ私も人間にとっては怪人だっていうの?失礼しちゃうわ!」 リナがイナちゃんを撫でながらプリプリと怒る。  「怪人屋敷なら俺が場所を案内できる。かつてのサミュエルの潜伏地点だ」  「そうか。よし、夕食までまだ時間がある。車で行ってみよう」
 ◆◆◆
 日が沈みかけていた。 私達を乗せたミニバンは西日に横面を照らされながら、石筵の霊山へ北上する。 運転してくれたのは、譲司さんに半身取り憑いたジャックさんだ。 生前は移動販売をしていただけあって、私達の中で一番運転が上手い。同乗していて、坂道やカーブでも全くGを感じない。 譲司さんも彼のハンドルテクに、時折感嘆のため息を漏らしていた。 故人の意識にハンドルを任せたのはギリギリ無免許運転かもしれないけど、警察にそれを咎められる人はいないだろう。
 廃工場の怪人屋敷か。私が観音寺に住んでいた頃は、そんな噂があるとは知らなかった。 でも行ったことは何度もある。 あそこには沢山の式神、精霊、タルパ、妖怪がいた。みんな幼い私と遊んでくれたいい人達だ。 人に害をなす魂がいなかったのは、すぐ近くに和尚様が住んでいらしたから、だったのかも。 私はリナと共に影絵を交えながら、そんな思い出話をイナちゃんやオリベちゃんに語った。
 「ジャックさんは、会ったことありますか?和尚様。 怪人屋敷のすぐそばの観音寺です」 私はバックミラー越しにジャックさんを見ながら話題を振った。  「残念だが、俺があの屋敷にいた時は、サミュエル本体に色々あって夢うつつだったんだ。 ファティマンドラの幻覚と現実の狭間をずっと彷徨ってた感じだ。 けど、少なくともその世界には神も仏もいなかったぜ」  「そうなんですか…。後でちょっと寄らせて下さい。紹介したいです」  「ああ、俺も知り合っておきたい。本場チベット仕込みのタルパ使いなんだろ、その坊さん。 だったらあのクソに作られた俺みてえな怪物も、いざという時に救って下さるかもしれねえよな」  「そんなこと言わないで下さい、ジャックさんいい人ヨ」 イナちゃんが身を乗り出して反論した。 ジャックさんは目線をフロントガラスに向けたまま、小さく口角を上げた。
 カッチ、カッチ、カッチ。リズミカルなウィンカー音を鳴らしながら、ミニバンは車道から舗装されていない砂利道に入る。 安達太良山の麓にそびえ立つ石筵霊山の、殆ど窓のない無機質な廃工場が見えてきた。 多彩な霊魂が行き交い、一部の界隈では魔都と呼ばれるこの郡山市でも、ここは一際邪悪な心霊スポットとして有名な場所だ。 そんな噂が蔓延しだしたのはいつ頃の事だっただろうか。 少なくとも私の知っている廃工場は、そこまで物々しい場所じゃなかったのに…。 ジャックさんが工場脇の搬入口にミニバンを駐車している間、私は和尚様の近況を案じた。
 その不安感が現実になったかのように、ミニバンを開けた瞬間何かを察知して顔を引きつらせたのは、意外にも譲司さんではなくオリベちゃんだった。  <あの二階、何かある。何だかわからないけどとんでもない物があるわ!> テレパシーやサイコキネシスを操る彼女だけが、その有り余るシックスセンスで異変を察知したんだ。 オリベちゃんが指さした工場の二階には窓があるけど、中は暗くて見えない。 私やリナ、イナちゃん、ジャックさんには遠すぎて霊感が届かないし…、  「すまん、オリベ。あの窓はめ殺しで開かんやつやから、俺にはわからん」 空気や気圧でダウジングする譲司さんには尚更読み難い状況だ。
 「それより、あっちに…」 譲司さんが言いかけた事を同時に反応したのは、ポメラー子ちゃんだった。 ポメちゃんは鈴を鳴らしながら譲司さんの脇をすり抜け、バイク駐輪場らしきスペースに駆けていき、  「わうわお!」こっちやで!とでも言っているような鳴き声で私達を誘導した。 そこにあった物は…
 ◆◆◆
 「うぷッ」 条件反射的に私の胸がえずく。直後に頭痛を催すような強烈な悪臭を感じた。 隣でオリベちゃんが咄嗟に鼻をつまみ、リナはイナちゃんの目を隠す。 既に察していた譲司さんは冷静に口にミニタオルを当てていた。
 そこにあったのは、腐敗した汚泥をなみなみと湛えた青い掃除用バケツ。 ハエがたかる焦茶色の液体の中には、枯葉に覆われて辛うじて形を保った、チンゲン菜のような植物の残骸が見える。 花瓶に雨水が入って腐ったお墓の仏花を想起させるそれは…明らかに、ファティマンドラの残骸だった。
 「アンダーソン」ジャックさんが歩み寄る。  「もう、いないのか?あいつを待ちくたびれて、くたばっちまったんだな」 ジャックさんは汚泥にヒレをかざしたり、大胆にも顔を突っ込んだりしながら故人の霊魂を探した。 でも、かつて女子大生の脳肉だった花と汚泥が、彼の問いかけに脳波を返す事はなかった。
 するうちリナの腕をほどいてイナちゃんが割って入る。 また彼女の精神がショックを受けて、悪霊を呼び出さないかと心配になったけど、 驚く事に彼女は腐った花に触れ、「スリスリマスリ…スリスリマスリ…」と追悼の祈りを捧げた。
 「い…イナちゃん、大丈夫なの?」私達は訝しみながら彼女の顔色を覗きこむ。 しかしイナちゃんは涼しい顔で振り返った。  「安徳森さん、ジャックさんのオンジン。だたら私のオンジンヨ。 この人天国に行ってますように、そこにいつかジャックさんも行けますように。 スリスリマスリ、私お祈りするますね」 イナちゃんが微笑む。その瞬間、悪臭と死に満ちた廃工場の空気が澄み渡った気がした。 譲司さんは前に出て、ファティマンドラをイナちゃんの手からそっと取り、目を閉じる。
 「オモナ…ヘラガモ先生?」  「サイコメトリーっていってな。触れた物の残留思念、つまり思い出をちょっとだけ見ることが出来るんや。 死んだ兄ちゃんがくれた脳力なんよ…」目を閉じたまま譲司さんが答えた。 そのまま数秒集中し、彼は見えたヴィジョンをオリベちゃんに送信する。 それをオリベちゃんがテレパシーで全員に拡散した。
 ザザッ…ザリザリ…。チューニングが合わないテレビのように、ノイズ音と青黒い横縞模様の砂嵐が視覚と聴覚を覆う。 やがて縞模様は複雑に光彩を帯びて、青単色のモノトーン映像らしきものを映し出し、ノイズ音の隙間からも人の肉声が聞こえてきた。
 ザザザ「…ん宿のミ…ム、元店ち…���ね。署までご同こ」ザザザザッ「…い人屋敷へか…んな化け物を連れ」ザザ…「…っている事が支離滅れ…」「…っと、幻覚を見」ザザザザッ…
 「あかん。腐敗が進みすぎて殆ど見えん」譲司さんの額は既に汗ばんでいる。 それでも彼は…プロ根性で、ファティマンドラを握る手を更に汚泥の中へ押しこんだ! 更に、汚泥が掻き回されてあまつさえ悪臭の漂う中、「ハァー、フゥーッ…ウッ…ハァー、フゥーッ…」顔にグッショリと脂汗を湛えてえずきながら、ダウジングの深呼吸を繰り返す!
 彼の涙ぐましすぎる努力と、サイコメトリー・ダウジングの相乗効果によって、残留思念は古いVHSぐらい明瞭になった。  「新宿のミラクルガンジ…」ザザッ「…元店長の水家曽良さんですね。署までご同行願えますか」ザザザッ。 ��だ時折ノイズで潰れているが、話の内容から女性警察官らしき声だとわかる。でも映像に声の主は映っていない。 ファティマンドラの低い目線視点でわかりづらいが、映像で確認できる人物はサミュエル・ミラーらしき男性だけだ。
 「あ?はは、なんだ…」ザザザッ「一体何の冗談…」ザザッ「さあ、怪人屋敷へ帰るぞ…」ザザッ。 オリベちゃんの口角が露骨に下がった。これは水家曽良、つまり殺人鬼サミュエル・ミラーの声だろう。  「言っている事が支離滅裂で…」ザザザッ「…え。彼はきっと幻…」ザザッ。 サミュエルとは違う男性と、女性の声。彼を連行しようとしている『見えない警察官』は、複数人いるようだ。
 「幻覚?何を今更。…あれも、これも!ははは!ぜんぶ幻覚じゃねえか!!!」ザバババババ!! 錯乱したサミュエルが周囲の物を手当り次第投げる。 ファティマンドラの安徳森氏は哀れにも戸棚に叩きつけられ、血と脳肉が飛び散った。 その瞬間から、またノイズが酷くなっていく。  「はいはい。後でじっくり聞い…」ザザッ「暴れな…」ザザッ「…せ!どうせお前らも俺の妄そ」ザリザリ!ザバーバーバー!! 残留思念はここで途絶えた。
 「アー!」色々と限界に達した譲司さんが千鳥足で、駐輪場脇の水道に走る。 譲司さんは汚い手で触れないように肘で器用に蛇口を回すと水が出た。 全員が安堵のため息を漏らす。幸い廃工場の水道は止まっていなかったみたいだ。山の湧き水を汲んでいるタイプなんだろう。 同じく安徳森氏に触ったイナちゃんも、譲司さんと紙石鹸をシェアしながら一緒に手を洗った。
 ◆◆◆
 グロッキーの譲司さんを車に乗せるわけにもいかず、私達は扉が開けっ放しの廃工場、通称怪人屋敷のエントランスロビーで休憩する事にした。 「あんた根性あるのね。見直したわ!」リナが譲司さんの周りをくるくる飛び回る。 対して満身創痍の譲司さんはソファに横たわり、「やめてぇ…」とヒヨコのような弱々しい声で喚いた。  <無茶した割に手がかりにならなかったわね。サミュエルはまだ指名手配犯だから、あれは警察じゃない。 でも正体はわからないままよ>手厳しいオリベちゃん。  「無茶言わんでくれぇ…あんなん読めへんもんもうやあわあ…」最後の方は言葉にすらなっていない譲司さん。 結局、あの偽警察官は何者だったのか…もし残留思念の通りなら、生きた人間じゃない可能性もある。 それでも、イナちゃんにお祈りされ、譲司さんにあそこまで記憶を読み直してもらった安徳森氏は、浮かばれるだろうと願いたいものだ。
 カァーン!…カァーン!…電気の通っていないはずの廃工場で、突然電子音質の鐘の音が鳴った。 リナとイナちゃんがビクッと身構える。…いや、リナ、あんた怪人側の人じゃん。  「俺や」音源は譲司さんのスマホだった。 彼は以前証券会社の社長だったから、これは株式市場の鐘の音なのかもしれない。 譲司さんがスマホを出そうとスウェットパンツのポケットをまさぐる。指が見えた。穴が開いているのを着続けているみたいだ。
 「もしもし?」譲司さんはスマホを耳に当てた。着信は電話だった。  (もしもし。すまない、テレビ通話にしてくれないか?) 女性の声だ。静かな廃工場だから、スピーカー越しに相手の声が聞き取れる。 電話をかけておいて名乗りもしない相手を訝しみながら、譲司さんは通話をカメラモードに切り替えた。すると…
 「あ…あなたは、まさか!」 驚嘆の声を上げた譲司さんに、私達全員が近寄る。 皆でスマホの画面を覗かせてもらうと、テレビ通話のカメラは私達の顔ではなく、誰もいないロビー奥の方向を映している。 でも画面の中では、明らかに人工霊魂とわかる、翼の生えた真っ赤なヤギが浮遊していた。
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koshikundaisuki · 5 years
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腐女子でバスツアーに行った話2
バスの中で席替えが行われ、私は後部座席のロケバスコーナーへと移った。
眠くなった人は前の方で各々眠りについている。寝ておかないと、今回のバスツアーのメインイベントとも言うべき川下りに支障をきたしてしまうのでたっぷり寝るが良い。
私はというと、横に座っていたゆずきさん(童貞を惑わすギャルなので当然おじさんも惑わす)に「ねえ、SIRIに推しカプの話して?って聞いてみて。私“またですか?”って言われたから」とはにかまれ、それはオモローと早���iPhoneを手に取った。
「Hey、SIRI!影菅の話して!」
どきどきしながら返答を待つ。SIRIはきっとTwitterやピクシブで私の性的嗜好を知っているのだろうから、めちゃくちゃエモイ影菅の話をしてくれるかもしれない。
しかし、スマホは無反応だった。
私は今まで手動でスマホを操作していたこともあってSIRIを起動したことがなく、初期設定が済んでいなかったのだ。
「あー、まず音声認証からはじめないと。ちょっと面倒だけど」
「ほん。影菅の話をしてくれるなら容易いことよ」
さっそく設定をいじる。
『iPhoneに向かって、“Hey,Siri”と言ってください』
ややたじろいだ。事務所の人間しかいないとは言え、スマホに向かって話しかけるのはいささか気恥ずかしさを感じてしまう。
私はもじもじしながら「へ、ヘイ…Siri…」と囁いた。
画面に待機中のサインが出た後、やや間をおいてから『聞き取れませんでした』と言われる。さすがに声が小さかったか。反省して次は普通の声で「へい、しり!」と言う。
一瞬間を置いて、温度のない声でSiriは非情にも告げる。
『聞き取れませんでした』
「…こんな悪びれないことある?これだから人工知能は……」
文章中では同じことを繰り返しても面白くないので省略しているが、4回は「ヘイしり」を繰り返しているのだ。
さすがにもうちょっと申し訳なさそう感を出せ。いや君に感情のないことは分かってるから、せめて演技をしろ。
「なに?発音の問題?ネイティブじゃないと返事してくれない冷たい外国人か?」
私は苛々しながら「HEY,Siri!!!!」と叫ぶ。
この辺りからほかのメンバーも私の奇行に気付き始めたようだった。
「何してんの?」
Siriに叫び倒すのに必死な私の代わりにゆずきさんが「Siriの設定してる」と説明してくれていた。
「Hey、Siri」の関門(なんか3回くらいやらされる)を突破すると次は「Hey Siri,今日の天気は?」の壁が待ち受ける。
そのあとは「Hey,Siri,私です」で終了だ。
私は次第に喉の疲弊と心の消耗具合を感じながら、「ポケモンリーグの四天王みたいだな…」とぼんやり思っていた。
一回の試練につき10回は『聞き取れねえなあ?』と突き返されながら、
「Hey,Siri!!!!!!私でぇーーーーーーす!!!!」
という渾身の一声でようやく『Hey,Siriの準備ができました』と言われた。私の怒りなど微塵も堪えていない、落ち着いた声だった。
私はSiriの冷たい声を受けながら、「始める前からこんな関係で、私達うまくやっていけるのかしら」という不安に駆られていた。
「じゃあ聞いてみて」
「よし来た。…Hey、Siri」
ドキドキしながらiPhoneに声を掛ける。Siriはちゃんと起動してくれた。これだけでなかなか感動だった。
「か、影菅の話して」
『……すみません、よく聞き取れませんでした』
「影菅の、話、して」
『……はい、こちらが見つかりました“鍵菅”(以下鍵屋の情報)』
「…まさか私のスマホでありながら影菅を知らない?」
その後も
「影菅の話」 『影菅野はみつかりません』
「影菅」 『“影好香”残念ながらお探しの場所はみつかりません』
「違うよ!でもなんか“影好香”ってちょっとエモい!影菅の話!!」 『ウェブでこちらが見つかりました“ソフトバンク千賀と菅野、二人が降板した後の影”…』 「それ菅野の話!!!!!」
というしょうもないコントを繰り返した。
みんなの顔を見ながら「もしかして私って滑舌悪いの?自覚がなかったんだけど」と言う。みんなは首を傾げながら各々Siriに向かって話しかけはじめていた。
向かいの席ではさまたさんが英語でSiriに話しかけ、何とSiriも英語で返しているではないか。
もしや、もしやスマホの知能は持ち主に似るのだろうか。ならこのどんくさい返しも納得である。私が英語で何か話しかけようものならSiriは「Pardon?(平夜が唯一話せる英語)」としか返してこない、そんな確信さえあった。だって日本語ですらこれなのだから。
私は影菅の話をしてもらうのを諦め、「歌って」とお願いしてみた。
『歌を歌うのはプロにお任せしています』
「…じゃあラップやって」
『ラップは苦手なんです。どちらかというとビートボックスの方がまだマシです』
「じゃあビートボックスでいいよ」
『そうなんですね』
…は!?塩対応なのは推しだけにしてくれ!!っていうか推しですらこんなに塩ではないが!?
Siriのド塩対応に泡を吹いている間に、バスはラフティングの施設へと到着した。
ラフティングとはいわゆる急流下りのこと。ボート(ラフト)に乗って上流からどんぶらこと流れ、パドルで荒波を乗り越え、途中岩場からの飛び降りを強要されたりするスリリングなアクティビティだ。
私達はこのラフティングに対して計画段階からかなり慎重になっていた。
水着は必須。それからサンダル。
日焼け対策のラッシュガードと日焼け止め。スマホの防水ケース。自撮り棒。濡れた水着を入れる袋。メガネバンドやゴーグル。後なんかよく分かんないけどTシャツ。
特に持ち物に不備があって海まで流されてはかなわんと念には念を重ねて皆鞄がぱんぱんだった。
私に関して言えば、ラフティングの為の荷物が半分を占めていた。それなのに。結論から言うと水着とビニール袋以外は結局使わないという結果に終わった。何?この大荷物。
はじめに外にあるテーブルに集合し、参加許諾書にサインを書く。内容はたぶん「怪我しても自己責任♪」って感じのこと。自己責任が怖い場合は数百円で保険にも入れる。
震える手で名前と住所を書いたあとは、持参した靴の確認。かかとが固定されるものでないとNGだそうで、ゆるゆるサンダルだった私は結局レンタルをすることになった。(だが正直サンダルを持ち歩くことや使い勝手を考えると200円くらいだしレンタルのがおすすめ)(持参した上でレンタルは悲しすぎるってだけの話だ)
スタッフはその間にもメンバーに次々とスーツを渡していく。スーツはすでに濡れており、潔癖症の人間はここで死ぬ羽目になる。
更衣室はあばら屋のような建物(男女は別れている)で、中に照明のようなものはほぼなく、入り口はカーテンで隔てられてどんよりと暗い。中には私達のほかにも多くの参加者がおり、大変狭い。閉所恐怖症の人間はここで死ぬ羽目になる。
2段しかない棚に荷物を乗せ、水着に着替え、その上にスーツを羽織った。濡れているので着づらい上に、“純粋になんか嫌”の感情が私達を襲う。上までスーツをズリあげた瞬間に諸々耐えられなくなり、私は外へ飛び出してから背中のチャックを締めた。
どのタイミングで靴を履き替えるのか分からなかったが、ここでぴったりと密着するゴム製のぺたんこの靴に足を通した。正直スーツで全身覆われているので「要らんだろ」と思いながらも自分の行為を無駄にしたくない一心で日焼け止めを塗った。
スタッフさん(外国の方が多い)は私達の荷物が無駄に多いと言うようなことをいい、小屋の2階で預かってくれることになった。
「とにかく、身一つで向かえ」
片言ではあるが、断固とした態度だった。これは、スマホなんて持って行こうものなら滝壺へ置き去りにされる。
ここで私達はラッシュガードも自撮り棒も、持ってきた物のほとんどが無駄になったことに気付いたのだ。
パドルとヘルメット、ライフジャケットを渡され、小型のバス(たけのこバスより小さいので事務所の人間も分かれて乗った)で山を登っていく。
そこには数台のボートが置いてあった。でも、場所がおかしい。あそこを日本語で何というのかわからないのだが、いわゆる“崖”なのだ。崖というには大袈裟なのだが、堤防の上というか土手というか何というか。少なくとも「いきま~す!そーれ♪」というテンションで川へ乗るには明らかに何かが足りない。
「? ここから川までみんなでボート運ぶのかな?」
「でも下に降りる坂とかなくない?」
「え、じゃあ一体どうやって…」
参加者の不安げな顔が見えないのかスタッフは全員ニコニコしながら片言で自己紹介をし(聞き取れない)、ラフティングにおけるハンドサインを説明した(聞き取れない)。
スタッフは私達をさくっと3チームに分けると「乗って~」と促す。
キョロキョロとほかのボートを見ながら全員がくぼみに収まった。
それを見届けたスタッフはにっこりと笑い、ボートの後ろに立つ。
「……え、ちょ、まさか」
「いくよ~!よいしょ~!!」そう言ってスタッフは無情にもボムボートを蹴り落とした。
足りないのは私達の覚悟であった。
大袈裟に言ったが、土手(?)からは斜面が続いており、ずり落ちるようにして意外にも穏やかにボートは着水した。
私達の担当をしてくださったスタッフさんは比較的背の小さい、でも腕や足腰のがっちりした●●出身(教えてくれたけど聞き取れなかった)の男性だった。彼の国では水系のアクティビティが盛んらしい。
「ぱどるをこう!もってこう!こぐ。いいね?」
「オーケー」
「ぼくが、はいって~といったら、あぶないから、このくぼみのとこにはいる。いいね?」
「オッケー」
数日前に雨が降ったため、この時期にしては水量が多いらしい。「ラッキーだったね」と彼は言った。
たしかに水の勢いはそこそこはげしく、それでいて晴れているので水しぶきやせせらぎの音が心地よかった。
「1、2!1,2!」のかけ声でパドルをこぎ、ボートは順調に進んでいく。
所々勢いのはげしい地点があり、そこへさしかかる直前に「入って」という声かけをされるらしいのだが、一番後ろに居る彼の声は先頭まで届かず、私とHさんは2回ほどみんなが伏せてるのに気付かずに、呑気にパドルをこいでいた。
あとで「何故入らなかった」と叱咤されたが川の音で本当に聞こえなかったのだ。(他のみんなも教えてくれや)
また「こぎすぎた〜〜逆漕ぎ!」と突然指示されたけどそれ習ってねぇ。
スタッフの彼は私達にはそこまで危害を加えなかったが、事務所メンバーが乗っているボート目掛けてパドルを思いっきり川へ叩きつけて、パァン!と言う音で音でビビらせていた。
「馬鹿な…」「なぜ死に急ぐ…」
おののく我々をよそに、彼は楽しそうにそれを幾度となく繰り返した。
控えめにして貰わねば困る。私達は彼がいないと岸までたどり着けなくなるのだ。
私達が気にしたのは彼の身の安否ではなく自分達の心配であった。
途中岩場にボートを止め、ペンギンのように崖を登り、そこから飛び降りるなどした。
そこそこ恐い。川が深いとはいえ、それなりに高さがあるのだ。しかしビビって手前に落ちては岩にぶつかって怪我をする恐れがある。思いっきり飛ぶのがコツだ。
私は思いっきり飛んで鼻からしこたま水を吸ってツーンとした頭痛に悶絶し、コンタクトがズレてややパニックに陥った。何事もほどほどが一番なのだろう。
(ちなみに強制的!というような雰囲気を出されるが自信のない人は低いところからでもOK。ジャケットをつけているので溺れることはない。流されることはあるけど)
再びボートに乗り込み旅は続く。
終わりが近付く頃、後ろにいるボートに異変が起きた。
キャーという悲鳴のあとにドボンという水音がしたのだ。
「事故か!?」慌てて振り向くと、川の中でもがく事務所の女。そして、助けようと手を伸ばす他のメンバーを突き落とすスタッフの姿。スタッフは悪戯が成功した子どものように無邪気に笑っていた。
そのボートに乗っているのは基本的に“強火”な女達であった。
「馬鹿な…!!」「死にてぇのか!?」
我々の叫びは届かない。川にはいくつもの殺意が浮かんでいた…。
岸に着き、ボートはみんなで引き上げた。そのまま大型トラックの荷台で運ばれるようだ。参加者は再び小型バスに乗り込み、店へ戻った。
その後は着替えたりなんやかんやあった気がするのだが覚えていない。
私はおじさんであり赤ちゃんでもあるので、すぐに寝てしまったのだ。
故に何も覚えてない。シャワー浴びたっけ?
目が覚めると宿の前だった。
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正しく働かない脳
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2019年2月 号
2019年(平成31年)2月9日
第154回アミュゼ柏相談会資料
正しく働かない脳
統合失調症(schizophrenia)
 1.陽性症状
 妄想(被害関係妄想、注察妄想、追跡妄想、被毒妄想)や、幻覚(幻聴、幻視)などです。
 たとえば、第三者同士が本人を観察し詮索しあっているという対話形式の幻聴、患者の挙動にいちいち口をはさむ幻聴、患者に話しかける幻聴。話しかけに対する患者の応答反応は、独語、空笑いのように観察されます。
 させられ体験(操られるままに考え行動してしまい、これに抵抗することが出来ない)、思考察知(自分の考えが相手に知られている)、思考伝搬(自分の考えが世間に知れ渡っている)、思考吹入(思考を吹き込まれる)、思考奪取(考えを抜き取られる)などがあります。また、思考のまとまりが悪くなり、極端な場合は、支離滅裂な思考、非論理的呪術的な思考となります。
 感情の面では、「打てば響く」ような共感が無くなり、これは疎通性障害と呼ばれます。そこから生ずる独特の冷淡なよそよそしさ、いわゆる統合失調症らしさが、患者の印象全体を覆っていきます。感情の鈍麻や浅薄化、状況にそぐわない不自然な感情の動きなどです。
 緊張病症状というものもあります。緊張病性の興奮と昏迷の両極端が時間的に劇的に交代して現れるものです。意志発動の亢進、及び低下の現れと考えられる。
 このように、統合失調症では、精神機能の様々な面で、現実世界や他者との生きた接触が損なわれていきます。ミンコフスキーE.Minkowskiは、これを「現実との生ける接触の喪失」と表現しました。ウジューヌ・ミンコフスキー(Eugene Minkowski):1885年、ロシア、サンクトペテルブルグ生まれ、ポーランド系ユダヤ人の両親を持つ。20世紀にフランスで活躍した精神科医。著書、”精神分裂病”で著名。
 2.陰性症状
 陰性症状は正常な精神機能が減弱欠如してしまうもので、感情の鈍麻、平板化、意欲と自発性の欠如、会話の貧困、寡動、社会的ひきこもりなどです。
 
 うつ病(depression)
 うつ病は、次のような症状が特徴的です。
必須①抑うつ気分。毎日一日中、気分の落ち込みが2週間以上続く。
必須②興味・喜びの喪失。毎日一日中、何事にも興味が持てず、楽しいはずのことが楽しめない。このような状態が2週間以上続く。
③2週間以上、よく眠れていない。
④食欲が落ちて体重が減少する。(逆に、食欲が亢進して体重が増加する。)
⑤疲れやすい。ほんの少し働いただけで、2日間ぐらい寝込む。
⑥自責感。自分は駄目な人間だ、皆なに迷惑をかけているなど自分を責める。
⑦思考力、集中力の低下。いつもは普通に決められる事が決められない。
⑧生きていてもしかたがないと思う。
⑨動作が緩慢。動きや反応が遅くなる。
精神科医 加藤忠史さんはうつ病診断基準を次のように述べています(参考文献(1))。
1.『必須①、必須②のうち、どちらかが必ずある』
2.『必須①から⑨迄のうち、5項目以上該当する』
3.『これら症状が毎日一日中、2週間以上にわたって続く』
これら三条件が当てはまる場合、うつ病と診断されます。あなたは如何ですか?
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第1図 不安障害、うつ病、双極性障害、統合失調症、境界性パーソナリティ障害、発達障害の概念図
  数あるパーソナリティ障害を代表して、境界性パーソナリティ障害を示しています。 
  双極性障害(bipolar disorder)
 双極性障害は、以前は躁うつ病と言われていました。躁状態(ないし軽躁状態)と、うつ状態の組み合わせを1サイクルとし、生涯これを何回も繰り返す病気です。
 躁状態:気分が病的に高揚して、ハイテンションになった状態。しばしば睡眠さえ取らず活発に活動して、楽しいことに熱中します。爽快な気分で新しい発想が次々と湧いてくる。意欲が亢進する。また反面、注意散漫で仕事の完成が困難となる。高圧的で落ち着きが無く、不機嫌で怒りっぽい、一度起こりだすと手がつけられないほど激昂します。
 また、冷静な判断力が失われ、過度の浪費をしてしまう。他人への攻撃性が増して、時に職場や家庭での人間関係に破滅的トラブルを来します。
 重症になると興奮して反社会的行為に至る事もあります。
 こうした状態が1週間以上続く場合、躁状態の疑いが強くあります。
 軽躁状態:躁状態と同様の症状が現れますが、症状が比較的軽く、職場や家庭での人間関係を破滅させるほどではない状態。時には仕事の能率が上がり、周囲の人を感心させる事もあります。周囲の人が本人の軽躁状態に気づかない場合もあります。こうした状態が4日以上続くと軽躁状態と言えます。
   双極性障害には、Ⅰ型とⅡ型があります。
双極性障害Ⅰ型:強度の強いはっきりとした躁状態とうつ状態を1サイクルとして、周期2年間程度で繰り返すタイプ。
双極性障害Ⅱ型:軽躁状態とうつ状態を1サイクルとして、周期1年間以下で繰り返すタイプ。特定の季節になると、軽躁とうつの転換が起こりやすい。Ⅱ型の場合、本人も周囲も軽躁状態に気づかずに、うつ状態のみが目立って、うつ病と誤診されるおそれがあります。双極性障害の薬とうつ病の薬は異なるので、誤診されてうつ病の薬を飲み続けると、双極性障害が遷延化しますから気をつけなければいけません。
 自殺の危険性:双極性障害のうつ状態では、患者の自殺のリスクが高まると言われています。躁状態から回復した後に、躁状態の時の行動を後悔し、うつ状態の時にそれを苦にして自殺念慮が高まるからです。周囲の人の配慮が大切です。
 神経症(neurosis)
 神経症(近年は不安障害という)は、過度の不安、ヒステリー症状、恐怖症、強迫症状、抑うつ状態などを示す障害であり、そこには明らかな身体の病気は見られず、また、統合失調症のような妄想・幻覚なども無い精神疾患です。神経症には、以下に述べるように様々の病態があります。
1.パニック障害(急性不安障害)
 パニック障害は、激しい動悸、胸痛、窒息感などの症状が予期できない形で突然発生します。発作は数分~数10分で治まりますが、このような発作が何回も繰り返して起こります。発作が起こる背景には、疲労の蓄積、睡眠不足、不規則な生活などがあります。発作を抑えるのに、抗不安薬や抗うつ薬(三環系、SSRI)が有効とされています。
 2.全般性不安障害(慢性不安障害)
 周囲の状況とは関係なく、主観的不安感が毎日のように持続する症状を言います。例:自分や家族が病気や事故に遭うのではないか、失業するのではないか等。同時に、発汗、動悸、振戦、緊張性頭痛等を伴います。女性に多いとされます。
3.恐怖症
 恐怖症は、現実には何の危険も無い対象・状況に対して、強い恐怖感を抱く精神疾患です。恐怖に伴う身体症状として、心悸亢進、発汗、吐きけ、振戦、失神があります。恐怖症では、恐怖の元となる対象や状況を避けようとする回避行動が起こり、社会生活を円滑に営む事が出来なくなります。又、しばしば強迫行為を伴います(例:不潔恐怖による洗浄強迫)。恐怖症には、次の三つがあります。
 (1)広場恐怖(agoraphobia)
 広場恐怖は、文字通りの広場ではなく、何かあった場合に助けを求められない場所や状況に対する恐怖です(例:乗り物の中、閉所空間、人混みの雑踏等)
 (2)社会恐怖(social phobia)
 社会的・社交的状況、特に比較的少人数の集団内で、注目される事に対する怖れが中核をなし、そのような状況を回避する結果、学業や職業の機能が低下してしまいます。その要因として、自己評価の低さ、周りの人の自分に対する批判に対する怖れが関連しています。赤面、尿意頻回、視線恐怖、対人恐怖等が起こります。
 (3)特定の対象・状況に対する恐怖
 特定の生きもの(蛇、蜘蛛、昆虫、鳥、蛙等)、特定の状況(雷、飛行、暗闇、高所、公衆便所での排便排尿、特定の食物、血・傷害の目撃、エイズなどの罹患、自然災害のニュースに接すること)、によって生ずる恐怖。特定の対象・状況に対する恐怖は、恐怖症の中で一番多いです。
 4.強迫性障害(obsessive-compulsive disorder)
 強迫とは、ある観念や衝動が、自分の意志に反して執拗に意識に上り、それをばかばかしいと思いながらも止める事が出来ない、そして、これらを敢えて抑えようとすると、かえって強い不安が起こる、という一連の流れを指します。強迫行為は、強迫観念を打ち消し無害化するために行われます。
 (1)不潔・汚染の強迫観念、これを打ち消す為の洗浄が強迫行為。たとえばドアのノブに触ったら手を洗われずにいられない。
 (2)安全確認行為。ガス栓を閉め忘れたのではないか。玄関の鍵を染め忘れたのではないか、と何度も何度も確認する強迫行為。
 (3)行為の儀式化
 生活上の行為を自分が決めた手順の通りに行わないと不安になる。例:手順通りに食事をする、外出する際、洋服を着る、靴を履く、手順通りにしないと最初からやり直すなど。
 (4)性的に卑猥な言葉、相手に対する攻撃的な言葉などが反復して頭に浮かぶ。
  強迫性障害には薬が有効です。抗うつ薬(三環系のクロミプラミン、SSRI)が効きます。
 5.ストレス障害
(1)適応障害(adjustment disorder)
 適応障害は、ストレス因子に反応して3ヶ月以内に、情緒、行動の面に症状が現れ、社会的機能が失われるものを言います。ストレス因子は、若年者では学校の問題、親の不和・離婚、成人では結婚、離婚、引っ越し、経済問題、職場の問題等。国際的問題としては、迫害、移住、亡命、難民化等。主たる症状は、抑うつ、不安、行動の障害が、生活に伴います。ストレス因子が除去されると、6ヶ月以内に症状は消えていきます。
 (2)外傷後ストレス障害(post-traumatic stress disorder,PTSD)
 日常生活の範囲を超えた異常な事態、戦争、自然災害、火災、交通事故、暴力、強姦など、生命の安全が脅かされた場合、人は誰でも非常に強い感情を伴うストレスを受けて精神的に病的な状態に陥ります。これを外傷後ストレス障害(PTSD)と言います。従軍兵士が戦場から帰国後、重篤な精神症状を示すことは、戦争神経症としてよく知られていました。
  PTSDの典型的な症状として、以下のものがあります。
(イ)夢の中、あるいは覚醒時に外傷体験を再体験する。
(ロ)外傷体験を想起させる事柄を何時も避ける。
(ハ)睡眠障害、怒りやすい、驚愕反応。
 6.転換性障害(conversion disorder)
 転換性障害は以前、ヒステリーと言われていました。随意運動機能の異常を起こすもので、失立(立つことが出来ない)、失歩(歩くことが出来ない)、失声(声が出ない)、チック(突発的、無目的、不随意(ふずいい)に急速な運動や発声が起きるもの。子どもに多く、まばたき、首振り、顔しかめ等)等が起こります。
また、感覚機能の異常(知覚脱失、疼痛など)がありながら、原因となる身体疾患が見あたらない場合があります。発症の原因として、心理的葛藤、ストレス因が関与しています。
 解決不能の事態に対する葛藤から生じる不快な感情が、身体症状化したものと考えられています。身体の麻痺、視覚障害、無言状態などが、転換症状として良く見られます。
 7.解離性障害(dissociative disorder)
 解離性障害は、身体に器質的な異常が無いのに、意識や同一性の障害が起こります。
解離性健忘:心的外傷となる様な出来事に遭遇して、その後、その出来事を想起できなくなること。
解離性同一障害:いわゆる多重人格のこと。複数の人格の状態を行き来する事が長期にわたり継続します。解離性障害のうち、もっとも重症で慢性的症状です。
 8.摂食障害
(1)神経性無食欲症
 思春期やせ症と言われています。発症年齢は13歳~20歳の未婚女性に多い。主な症状は、摂食拒否と高度のやせです。患者は「食欲がない」と言って食事を拒否し、急速に体重が減少します。やせていても本人は「まだ太っている」と主張し、食べないで活動します。性格は、自己中心的、強情、頑固、負けず嫌い、他人に厳しい、ところがあります。
 (2)神経性大食症
 神経性大食症も若年女性に多く、神経性無食欲症よりやや遅れて、10代後半~20代前半に発症します。症状の特徴は、
(イ)はっきりした”無茶食い”を繰り返して行っている。
(ロ)摂食行動を自己コントロール出来ない。
(ハ)体重増加や体型に過度の関心をもっていること。
 ”無茶食い”の後は、自己嫌悪、罪悪感、抑うつ気分を生じます。神経性大食症の背景には、思春期の人生課題を遂行する事に困難を抱えて、悩んでいる事情があります。
  パーソナリティ障害(Personality Disorder)
1. 妄想性パーソナリティ障害(Paranoid Personality Disorder)
 他人の動機を悪意のあるものと解釈するといった,広範な不信と疑い深さが、成人期早期までに始まり,種々の状況で明らかになります。 以下のうち4つ、またはそれ以上によって示されます。
 (1)十分な根拠もないのに,他人が自分を利用する,危害を加える,または騙すという疑いをもつ。
 (2)友人または仲間の誠実さや信頼を不当に疑い,それに心を奪われている。
 (3)情報が自分に不利に用いられるという根拠のない恐れのために,他人に秘密を打ち明けたがらない。
 (4)悪意のない言葉や出来事の中に,自分をけなす,または脅す意味が隠されていると読む。
 (5)恨みをいだき続ける。つまり,侮辱されたこと,傷つけられたこと,または軽蔑されたことを許さない。
(6)自分の性格または評判に対して他人にはわからないような攻撃を感じ取り,すぐに怒って反応する,または逆襲する。
 (7)配偶者、または性的伴侶の貞節に対して,繰り返し道理に合わない疑念をもつ。
 【妄想性パーソナリティ障害の事例】
訴訟好きの人。配偶者の貞節を何の根拠もなく常に疑う人。持続する強い猜疑心を持つ人。
 2. シゾイドパーソナリティ障害(Schizoid Personality Disorder)
 社会的関係からの遊離,対人関係状況での感情表現の範囲の限定などの広範な様式で,成人期早期までに始まり,種々の状況で明らかになります。以下のうち4つ、またはそれ以上によって示されます。
 (1)家族の一員であることを含めて,親密な関係をもちたいと思わない,またはそれを楽しく感じない。
 (2)ほとんどいつも孤立した行動を選択する。
 (3)他人と性体験をもつことに対する興味が,もしあったとしても,少ししかない。
 (4)喜びを感じられるような活動が,もしあったとしても,少ししかない。
 (5)第一度親族以外には,親しい友人または信頼できる友人がいない。
 (6)他人の賞賛や批判に対して無関心に見える。
 (7)情緒的な冷たさ,よそよそしさ,または平板な感情。
 【シゾイドパーソナリティ障害の解説】
 シゾイドパーソナリティ障害の人は、生涯にわたる社会的ひきこもりと極端な内向性を特徴とします。親密な人間関係に対する欲求を欠き,常に孤立して行動することを選びます。他人の賞賛や批判に関心を示さず,親兄弟以外には親密な関係を持ちません。職業も対人接触の乏しいものを選びます。冷たくよそよそしい印象を与え,しばしば家族に対してすら冷淡であるが,意図された攻撃性としての冷たさではなく,そもそも対人関係に喜びを感じないのです。怒りを現すことは滅多になく性体験に対する興味は極めて乏しい。
 3. 失調型パーソナリティ障害(Schizotypal Personality Disorder)
親密な関係では急に気楽でいられなくなること,そうした関係を形成する能力が足りないこと,および認知的または知覚的歪曲と行動の奇妙さのあることの目立った,社会的および対人関係的な欠陥の広範な様式で,成人期早期までに始まり,種々の状況で明らかになります。以下のうち5つ、またはそれ以上によって示されます。
 (1)関係念慮(関係妄想は含まない)、関係念慮:例として、教室の後ろで同級生3~4人が話し合っていると、自分の噂をしていると感じる。
 (2)行動に影響し,下位文化的規範に合わない奇異な信念,または魔術的思考(例:迷信深いこと,千里眼,テレパシー,または“第六感”を信じること;小児および青年では,奇異な空想または思い込み)
 (3)普通でない知覚体験,身体的錯覚も含む。
 (4)奇異な考え方と話し方(例:あいまい,まわりくどい,抽象的,細部にこだわりすぎ,紋切り型)
 (5)疑い深さ,または妄想様観念
 (6)不適切な,または限定された感情
 (7)奇異な,奇妙な,または特異な行勤または外見
 (8)第一度親族以外には,親しい友人または信頼できる人がいない。
 (9)過剰な社会不安があり,それは慣れによって軽減せず,また自己卑下的な判断よりも妄想的恐怖を伴う傾向がある。
 【失調型パーソナリティ障害の解説】
 「魔術的」などと形容される奇異な思考や独特の信念,関係念慮(例:教室の後ろで同級生3~4人が話し合っていると、自分の噂をしていると感じる),妄想様観念などを持ち,疎通性(話が通じること)が障害されがちです。このため安定した社会関係や親密な人間関係を持つことが難しいです。社交場面で強い不安を持ちますが,それは自己卑下よりも妄想的恐怖に結びつきやすいからです。魔術的思考には,迷信深さ,テレパシー・予知能力を信じること,現実にありえないそのほかの思い込みなどが含まれ,いずれもその人が属する下位文化の常識から逸脱したものです。
 4. 反社会性パーソナリティ障害(Antisocial Personality Disorder)
他人の権利を無視し侵害する広範な様式で,15歳以降起こっており,以下のうち3つ、またはそれ以上によって示されます。
 (1)法にかなう行動という点で社会的規範に適合しないこと。これは逮捕の原因になる行為を繰り返し行うことで示される。
 (2)人をだます傾向。これは繰り返し嘘をつくこと,偽名を使うこと,または自分の利益や快楽のために人をだますことによって示される。
 (3)衝動性、または将来の計画を立てられないこと。
 (4)いらだたしさおよび攻撃性。これは身体的な喧嘩または暴力を繰り返すことによって示される。
 (5)自分または他人の安全を考えない向こう見ずさ。
 (6)一貫して無責任であること。これは仕事を安定して続けられない,または経済的な義務を果たさない,ということを繰り返すことによって示される。
 (7)良心の呵責の欠如。これは他人を傷つけたり,いじめたり,または他人のものを盗んだりしたことに無関心であったり,それを正当化したりすることによって示される。
5. 境界性パーソナリティ障害(Borderline Personality Disorder)
 対人関係,自己像,感情の不安定および著しい衝動性の広範な様式で,成人期早期までに始まり,種々の状況で明らかになります。以下のうち5つ、またはそれ以上によって示されます。
(1)現実に,または想像の中で、見捨てられることを避けようとするなりふりかまわない努力。 
(2)理想化とこき下ろしとの両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる,不安定で激しい対人関係様式。
(3)同一性障害:著明で持続的な不安定な自己像または自己感。
(4)自己を傷つける可能性のある衝動性で,少なくとも2つの領域にわたるもの(例:浪費,性行為,物質乱用,無謀な運転,むちゃ食い)
(5)自殺の行動,そぶり,脅し,または自傷行為の繰り返し。
(6)顕著な気分反応性による感情不安定性(例:通常は2~3時間持続し,2~3日以上持続することはまれな,エピソード的に起こる強い不快気分,いらだたしさ,または不安)。
(7)慢性的な空虚感。
(8)不適切で激しい怒り,または怒りの制御の困難(例:しばしば、かんしゃくを起こす,いつも怒っている,取っ組み合いの喧嘩 を繰り返す)。
(9)一過性のストレス関連性の妄想様観念または重篤な解離性症状。
 【解説】
 まず特徴的なのは,人とのかかわりが非常に不安定で,人の評価が,すばらしくいい人からすばらしく悪い人へと簡単に逆転するような,非常に不安定な対人関係をもっています。
 それから,衝動行為が多い。衝動行為として薬物噂癖,摂食障害,つまり過食や拒食や,買物依存とか,万引きもあります。
 それから,自殺企図か,見せかけの自殺が多い。「手首を切ってしまった」と人に見せに来るとか,「これから死にますから」と連絡しておいてから薬を飲むとか,いろいろ人騒が��な自殺未遂がみられます。
 また,感情の浮き沈みが激しい,落ち込んだときというのはうつ状態に似ているけれども,うつよりも期間が短い。多くて2,3日,短ければ2,3時間ぐらいでまた立ち直る。そういうスパンの短いうつ状態が起こる。
 それから,自我同一性の混乱がある。それは自己表象が逆転したり,不安定だからです。また,空虚感,独特のむなしさを抱えています。
【事例】原始的投影性同一視とストーカー行為
 境界性パーソナリティ障害の人は、原始的投影性同一視という防衛機制を使います(注1)。原始的投影性同一視というのが恋愛のほうで起こると,ストーカーになります。投影だけなら一人で思っているだけですが,投影性同一視になると,「どうもあの人は私のことを好きらしい。じゃあ私もあの人を好きになって,花束を届けましょう。カードを届けましょう」ということになる。相手は身に覚えがないのに付け回されて,「いらない」と言うのにいろいろなことをしてくれる。そういうストーカー現象になるわけです。引っ掛かりやすいのは恋愛です。原始的防衛の作用で熱烈に愛してくれる人だったりしますから,恋愛の相手も,最初はたいへんうれしいのですが,だんだん変だなと思うようになります。また,二者関係(注2)ですからすごくしつこく「絶対に自分のほうだけを向いてくれなければいやだ」みたいなことを言いはじめるとか,四六時中携帯電話で追い回すということになってくると,だんだん相手がうるさがったり,嫌そうな態度をとると,今度は悪い表象を相手にかぶせて見ますから,待ち伏せして恨み言を言うとか,執拗な攻撃が始まってきてしまいます。そういう目にあうことになりますから、特に女性は交際相手の男性が境界性パーソナリティ障害の持ち主でないかどうか、十分に気をつけないといけません。
 
注1:①投影とは、自分の中にあると認めるわけにはいかない欲動や感情を、自分の中にあるのではなく、他の人のほうにあると思うこと。EX.1 自分はAさんを本当は嫌っている。しかし、それを認めたくないので、Aさんが自分を嫌っていると感じる事、すなわち向け換えです。EX.2 自分はBさんに本当は異性感情をもっている。それを認めたくないので、向け換えしてBさんの方が自分に異性感情をもっているとすること。②投影性同一視とは、EX.1のように、本当は自分がAさんを嫌っているのに、Aさんのほうが自分を嫌っていると感じる。その嫌われているという感情に同一化して、自分のほうから働きかけ、関わりをしてしまうこと(たとえばAさんが会社の同僚なら、Aさんの足を引っ張る様な言動を取る)。③原始的投影性同一視:「原始的」というのは、分裂の機制が働くことです。すなわち、人や物事を見るとき、”100%良い”、あるいは”100%悪い”とう表象をかぶせて見ることです。欲動や怒りの程度が激しい性質を帯びます。
注2:二者関係:人間関係において、「私とあなた」と言う関係しか認識できないことです。この対となる概念が三者関係で、「私とあなたとあなたの友」と言うように、第三者の存在を認めることです。幼児は二者関係しか認識できません。お母さんは私とだけ関係している、と思っています。
 6. 演技性パーソナリティ障害(Histrionic Personality Disorder)
 過度な情緒性と人の注意を引こうとする広範な様式で,成人期早期までに始まり,種々の状況で明らかになります。以下のうち5つ、またはそれ以上によって示されます。
(l)自分が注目の的(まと)になっていない状況では楽しくない。
(2)他者との交流は,しばしば不適切なほど性的に誘惑的な,または挑発的な行動によって特徴づけられる。
(3)浅薄ですばやく変化する感情表出を示す。
(4)自分への関心を引くために絶えず身体的外見を用いる。
(5)過度に印象的だが内容がない話し方をする。
(6)自己演劇化,芝居ががった態度,誇張した感情表出を示す。
(7)被暗示的,つまり他人、または環境の影響を受けやすい。
(8)対人関係を実際以上に親密なものとみなす。
 7. 自己愛性パーソナリティ障害(Narcissistic Personality Disorder)
 誇大性(空想または行動における),賞賛されたいという欲求,共感の欠如の広範な様式で,成人期早期までに始まり,種々の状況で明らかになります。以下のうち5つ、またはそれ以上によって示されます。
(1)自己の重要性に関する誇大な感覚(例:業績や才能を誇張する,十分な業績がないにもかかわらず優れていると認められることを期待する)。
(2)限りない成功,権力,才気,美しさ,あるいは理想的な愛の空想にとらわれている。
(3)自分が“特別”であり,独特であり,他の特別な、または地位の高い人達や団体にしか理解されない,または関係があるべきだ,と信じている。
(4)過剰な賞賛を求める。
(5)特権意識,つまり,特別有利な取り計らい,または自分の期待に自動的に従うことを理由なく期待する。
(6)対人関係で相手を不当に利用する,つまり,自分自身の目的を達成するために他人を利用する。
(7)共感の欠如:他人の気持ちおよび欲求を認識しようとしない,またはそれに気づこうとしない。
(8)しばしば���人に嫉妬する,または他人が自分に嫉妬していると思い込む。
(9)尊大で倣慢な行動,または態度。
 【解説】自己愛性パーソナリティの各項目とも、誇大な自己感覚、賞賛されたいという欲求、共感力の低さ、と言った心理的特性を指標としている。
【事例:他者からの是認がとりわけ気になる】
 Aさんは,人の視線が気になると訴えて外来を受診した。問題は中��生時代から始まっており,教室の中で教師や同級生と視線を合わせることが困難である。自分の視線が相手を傷つけて,その結果,攻撃的な人間だと思われて,相手から嫌われるのではないかと恐れて,視線をそらしてしまう。彼にとっては,他者を攻撃することがないがゆえに誰からも愛される,そうした自己が理想であった。やがて,視線だけが問題なのではなく,根底にある他者からの是認を失う不安が心理療法のテーマとなった。米国の精神分析家コフート(H.Kohut)は、1970年代に、”自己愛”イコール”自己評価”として捉え、臨床的にも理論的にも徹底させた。Aさんの場合、自己愛は隠されていて表には出てこないが、自己評価を高く保ちたい、他者からの是認を失いたくないと言う思いは、まさに自己愛的である。
  8. 回避性パーソナリティ障害(Avoidant Personality Disorder)
 社会的制止,不全感,および否定的評価に対する過敏性の広範な様式で,成人期早期までに始まり,種々の状況で明らかになります。以下のうち4つ、またはそれ以上によって示されます。
(1)批判,否認,または拒絶に対する恐怖のために,重要な対人接触のある職業的活動を避ける。
(2)好かれていると確信できなければ,人と関係をもちたいと思わない。
(3)恥をかかされること,または馬鹿にされることを恐れるために,親密な関係の中でも遠慮を示す。
(4)社会的な状況では,批判されること,または拒絶されることに心が囚われている。
(5)不全感のために,新しい対人関係状況で制止が起こる。
(6)自分は社会的に不適切である,人間として長所がない,または他の人より劣っていると思っている。
(7)恥ずかしいことになるかもしれないという理由で,個人的な危険をおかすこと,または何か新しい活動にとりかかることに,異常なほど引っ込み思案である。
 9. 依存性パーソナリティ障害(Dependent Personality Disorder)
 面倒をみてもらいたいという広範で過剰な欲求があり,そのために従属的でしがみつく行動をとり,分離に対する不安を感じる。成人期早期までに始まり,種々の状況で明らかになります。以下のうち5つ、またはそれ以上によって示されます。
(1)日常のことを決めるにも,他の人たちからのありあまるほどの助言と保証がなければできない。
(2)自分の生活のほとんどの主要な領域で,他人に責任をとってもらうことを必要とする。
(3)支持または是認を失うことを恐れるために,他人の意見に反対を表明することが困難である。
(4)自分自身の考えで計画を始めたり,または物事を行うことが困難である(動機または気力が欠如しているというより,むしろ判断または能力に自信がないためである)。
(5)他人からの愛育および支持を得るために,不快なことまで自分から進んでするほど、やりすぎてしまう。
(6)自分の面倒をみることができないという誇張された恐怖のために,1人になると不安,または無力感を感じる。
(7)1つの親密な関係が終わったときに,自分を世話し支えてくれる基になる別の関係を必死で求める。
(8)自分が1人残されて,自分で自分の面倒をみることになるという恐怖に,非現実的なまでにとらわれている。
 10. 強迫性パーソナリティ障害(Obsessive-Compulsive Personality Disorder)
 秩序,完全主義,精神および対人関係の統一性にとらわれ,柔軟性,開放性,効率性が犠牲にされる広範な様式で,成人期早期までに始まり,種々の状況で明らかになります。以下のうち4つ、またはそれ以上によって示されます。
(1)活動の主要点が見失われるまでに,細目,規則,一覧表,順序,構成,または予定表にとらわれる。
(2)課題の達成を妨げるような完全主義を示す(例:自分自身の過度に厳密な基準が満たされないという理由で,1つの計画を完成させることができない)。
(3)娯楽や友人関係を犠牲にしてまで、仕事と生産性に過剰にのめり込む(明白な経済的必要性では説明されない)。
(4)道徳,倫理,または価値観についての事柄に,過度に誠実で良心的かつ融通がきかない(文化的または宗教的同一化では説明されない)。
(5)感傷的な意味のない物の場合でも,使い古した,または価値のない物を捨てることができない。
(6)他人が自分のやるやり方どおりに従わない限り,仕事を任せることができない,または一緒に仕事をすることができない。
(7)自分のためにも他人のためにも,けちなお金の使い方をする。お金は将来の破局に備えて貯えておくべきものと思っている。
(8)堅苦しさと頑固さを示す。
   発達障害
 1.精神遅滞(知的障害)・・・第1表参照
 知能が平均より有意に低く(知能指数IQが70以下)、かつ、社会的不適応をきたし、その状態が18歳までに出現するものを精神遅滞と呼んでいる。重度精神遅滞20<IQ<35、中度精神遅滞35<IQ<50、軽度精神遅滞 50<IQ<70、に分けられる。IQが70以上は定義により精神遅滞でないとされる。
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 遅れが中度よりも重い場合は,言語理解に乏しく,身辺自立困難,自傷,他傷,こだわり,破衣などの行動上の問題が出現することが多い。軽度の遅滞では,身辺自立は成立していることが多いが,本人の能力と要求水準の間に乗離があり,思春期以降になって,情緒障害、非行,性的問題などの社会不適応をきたすことがある。
 全人口の約2%に精神遅滞が認められるが、その大部分は軽度精神遅滞である。
  また、医学的には”精神遅滞”であるが,福祉や教育では”知的障害”と呼よばれる。
   2.自閉症スペクトラムとその他の発達障害・・・第2表参照
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 (1)自閉症スペクトラム
 (ア)古典的自閉症(カナーtype自閉症)
  第2表で、古典的自閉症、別名、カナーtype自閉症は、米国の精神科医、レオ・カナーが1943年に”自閉症”という名称を提唱したことによる。つい最近まで、自閉症といえばカナーの提唱した自閉症をさした。その診断基準は、以下のとおりです。
 ①他者との情緒的接触の重篤な欠如、
 ②物事をいつまでも同じにしておこうとする強い欲求、
 ③物に対する強い関心と、物を器用に扱うこと、
 ④言葉が無いか、あったとしても、オーム返しや他者には通じない独特の言葉を使ってしまうなど、コミュニケーションに役立たない言葉の使い方、
 ⑤知的な顔立ち、カレンダーの計算など、特殊な領域での優秀な能力、の5点である。
  (イ)アスペルガー症候群
  古典的自閉症と比べ、言語の発達が比較的良好で、IQの比較的に高い人をアスペルガー症候群という。高機能自閉症と同等の意味である。
  
 (ウ)高機能自閉症
  高機能自閉症スペクトラムの基本症状は、
  ①社会性の障害、
  ②コミュニケーションの障害、
  ③想像力の障害、こだわり
 この3つを三組の障害という。これらの症状が出揃うのは3歳を過ぎてからが多い。精神遅滞のない子どもの場合は、健診などで自閉症を見逃される恐れがある。三組の障害について詳しくは、”発達障害、ー高機能自閉症ー”(相談会案内2018年11月)を参照してください。
 
 高機能自閉症の”高機能”の意味は、IQが70以上という基準である。高機能と一口に言っても、IQが70ぐらいの境界域から、IQが140台の知的能力が非常に高い人までを一括して言っている。高機能は「能力が平均より高い」という意味ではなく、「明らかな知的遅れがない」、という意味で専門家の間で使われている。IQが70台の自閉症の子どもは、定義上、高機能自閉症と呼ばれるが、かれらは小学校の普通学級の学習課程をこなすことが難しいです。
 自閉症(Autism)のうち70~80%が精神遅滞を伴うが、大半は軽度の遅滞です。
 自閉症の子どもも大半が状況によって、不注意、多動、衝動性を示しますが、それらのほとんどは自閉症の特徴である三ツ組の障害から説明がつきます。 自閉症の子どもの不注意、多動、衝動性の多くは、周囲の人の、自閉症児への配慮が不十分であることから来ている場合が多い。自閉症の子どもは、提示される情報が理解でき、見通しが持て、余計な情報が排除される環境では、不注意、多動、衝動性が顕著に改善されるからです。
 
 しかし、中には、三ツ組の障害からでは説明がつかない、ADHDの子どもも存在します。
 (2)注意欠陥多動性障害(ADHD;Attention Deficit/Hyperactivity Disorder)
   ADHDは、①不注意、②多動、③衝動性、の3つの症状で診断される。これらの症状が、知能の発達水準に見合わないほど強く、日常生活における困難の原因となっている場合を言う。ADHDの人は、ほとんどが精神遅滞を伴わないか、あっても軽度遅滞である。
  (3)学習障害(LD;Learning Disorder)
  最も狭義のLDは、米国精神医学会の定義、”読む、書く、計算する、の3つの能力の障害”を指す。自閉症の子どもには、認知の発達による得手、不得手があり、子どもによっては、LDが併存していると考えて対応したほうが良いときもある。
  LDの人は、ほとんどが精神遅滞を伴わないか、あっても軽度遅滞である。
  4.その他・・・チック障害、レット障害、小児期崩壊性障害等
  参考文献:
(1)仙波純一、石丸昌彦:新訂 精神医学、放送大学教育振興会
(2)今日の治療薬2015 44抗精神病薬・抗鬱薬・気分安定薬・精神刺激薬 南江堂
(3)フロイド.E.ブルーム他著、中村克樹、久保田競監訳:新脳の探検(上) 講談社
(4)NHKテレビテキスト「きょうの健康2015年11月号」うつ病 P50
(5)ストレスや疲労とつきあうためのセルフケアガイド、疲労解消・イキイキ生活、 BTUストレスマネジメント研究所
(6)米国精神医学会編、高橋三郎、大野 裕、染矢俊幸訳;DSM-Ⅳ-TR、精神疾患の分類と診断の手引き、新訂版
(7)馬場謙一;心の健康と病理、放送大学教材、2006年第3刷
(8)馬場禮子;精神分析的人格理論の基礎、岩崎学術出版社2013年第5刷
(9)太田昌孝;発達障害児の心と行動、放送大学教材、2006年3月 改訂版第1刷
(10)内山登紀夫、水野 薫、吉田友子:高機能自閉症 アスペルガー症候群入門、中央法規出版(株)、2002年 
                                                                以上
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