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#憧れのみかんジュース
silverwing163 · 2 years
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【#スワイプしてね 】 JAFの会員特典で #蛇口からみかんジュース を頂きました 100%のみかんジュースですよね?これ? うっすいジュース出てくるかと思ったら、ちゃんとしたジュースで美味かった🍊 もっと並々と注げばよかった 🍊🍊🍊 #八幡浜 #八幡浜みなっと #蛇口からみかんジュース #憧れのみかんジュース #本当に蛇口からみかんジュース #愛媛県 #旅行 #動画 🍊🍊🍊 (八幡浜みなっと) https://www.instagram.com/p/Ci64FqRrylZ/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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doctormaki · 7 months
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エジンバラは、実は人生3回目である。始めて行ったのは10歳の夏。Military Tatooのチケットを良く取れたなぁと、当時の商社の手配力に感動する。2回目は大学生の時。Balmoral城やSt.Andrewsへ行った。そして、今は一泊8万円出しても泊まれないThe Balmoralに宿泊して、エジンバラ城を見ながらEnglish Breakfastを食べてたっけ。ちなみに、ワシはお子様の頃から、English Breakfastが好きで朝からbaked beans, baked tomato, bacon, sausage, fried egg sunny side up, poached egg, toastなど、朝からガッツリ食べる朝食を、自分はそこまで食べない癖に、こよなく愛していた事を、今回アイルランド、スコットランドの旅では思い出した。大体、continental breakfastって何やねん。温かいんはお茶かコーヒーだけかい、ボケ。。。ジャム位出せや。。。と子供の頃に大陸ヨーロッパへ旅行する度に心の中で愚痴っていた事を思い出した。ガハハ。食べ物の恨みとは斯くも恐ろしい。
学会は適当に発表を済ませ、適当ツッコミも交わし、しつこい質問者には慇懃無礼に御礼を申し上げ、ちゃんとチェアもして、海外で活躍している事を鼻にかけながら日本に帰れないルサンチマンたっぷりの研究者や、海外に憧れているのに海外でポストなんか手に入るわけ無いやろ、明後日来いやボケ的な能力を棚上げして、海外に出ている研究者を憧れつつも、日本の処遇文句しか言わないルサンチマンたっぷりの研究者、日本の大学でテニア持ってるんやしもう十分やろと思うのに海外にいる研究者が妙に羨ましいルサンチマンたっぷりの研究者に会った。めんどくさ。。共通しているのは、日本人は老若男女関わらず、みんなルサンチマンたっぷり。何でなんでしょうね。誰も満足していない社会。
ワシは大学は好きだが、学問が好きなだけで、こういう大学関係者のつまらないルサンチマンの戦いは実に下らないと思う。まぁ勝手にやっててねと思うのに、何故か絡まれる。ベムが吠えてくるチワワに迷惑顔で棒ヨダレ垂らしつつ、勘弁してワンに。。。と苦笑いしていたのと全く同じ状態。流石に棒ヨダレは垂らせないので、たっぷり脇汗をかくことにしておく。ドイツが羨ましいなら、お前のポストくれっつーの。いくらでも代わったるで。。。っと、笑ってオチョクリつつ、大学教員の癖に、他人の家の芝生は緑に見えるということわざも知らんと、よう教壇にのうのうと立っとるわ。。。と感心する。ワシはワシの状況に十分満足しとる。所詮、運も含めて自分の能力に見合った所におるんでしょうと、自分のバカさ加減を承知の上、処遇なんて諦めていますんで。父上と母上にはせいぜい長生きして頂いて、不遇なアホ、天才とアホは紙一重レベルのアホに生まれた娘を養ってもらわんとね。
仕事が終わったら、後は、もうお隠れ遊ばす事にして、残りの滞在は学会はぜーんぶサボって、観光。子供の頃から憧れたネス湖へ、13時間の日帰りバスツアーに出かける。隣に座ったボストンから来ているNancy伯母さんに可愛がってもらって、バスの中ではおしゃべり、観光先ではジュースなどを奢ってもらう。ワシ、お前の住んでいる所の有名大学のライバル校におったんよ。。。と言うと、Yale?って聞いてくるので、そーそーと言うと、なんと娘婿が教授をしていると言う。世の中狭い。New Havenへは孫息子の面倒を良く見に行くという事で、New Havenのアイスクリーム屋さんやレストランで話がめちゃくちゃ盛り上がる。なんというローカル話。
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ネス湖ではボートにも乗って遊覧した。実に37年来の夢が叶ったのかと、地味に嬉しかった。インヴァネスにも行きたかったが、またの機会までお預け。エジンバラ城は、丁度、Military Tatooが終わったばかりで、まだ観覧席の取り壊し工事をしていたが、この観覧席に座っていた37年前の少女は、年齢を重ねて、色々あって、色々と病気して、色々な所で生活してみて、悲しいことも嬉しいことも色々とあったけど、心の中は、10歳のままかも。。。という驚愕の事実を再確認できた。
それにしても、英語ってラクざます。ぼんやりしていても、大体、意味が分かるので、全くホームの感覚。ドイツでは、それなりに気を張っているんだなぁと自覚。バスの中では意識不明になる事多し。今回の旅行では、自分のルーツ探し、あるいは親戚に会いに来ているアメリカ人たちの多さと、インド人の多さに驚愕した。そして、土産物が無い事にも驚いた。否、土産物は腐るほど売られているのだが、京都と同じ。欲しいという欲求が一切湧いて来ない品々だらけ。
タータンチェックも、ウール生地ではなくポリエステル混じりの物が多く、縫製もいい加減。手仕事が無くなっている。全世界的な現象で、手仕事をできる人がいなくなっているのだろう。タータンチェックのスカートのプリーツが、全くプリーツ無しの、タダの巻きスカートになっている事には驚愕した。逆に、男の正装用品だったので、男性のスカートのプリーツはきちんと作ってあった。そりゃ、あんな寒い中でスカートの中はノーパンフルチンらしいからなぁ。プリーツでも無いと、玉も縮み上がるだろうと思いつつ、土産物物色して何も買わず。ワシはあまりの寒さに、ネス湖へ行く途中のトイレ休憩で、ド田舎の洋品店で、店のおばあちゃん3名に、カシミアのマフラーを選んでもらった。おばあちゃんは、どの国でもお節介で優しい。写真で着ている紫のタータンチェックのマフラーは、店番おばあちゃん達のお見立てで選んで貰ったものです。一万円ちょっとのカシミアマフラー。
初日のエジンバラでは、胃に優しいものをと思い、ベトナム料理屋さんへ。ここで、ScottのラガーマンPeterとSarahの夫婦と意気投合。結局、奢ってもらう事になる。スコティッシュは温かい人々が多い聞くが、ロンドン生まれロンドン育ちのサラは、Peterほどの典型的なスコットはいないわよ!と笑う。Peterは74歳。人生は楽しまなきゃ。働いて、働いて、頑張って、頑張って、そして、多いに楽しむのが人生だよ。シンプルに考えなきゃ。今は、お前、アレだろ。携帯であーでもないこーでもないって情報ばかりに左右されて、ここで(デカイ手で自分の胸をバンバン叩きながら)感じる事をしないのさ。頭でばかりコネクリ回すから、何が幸せなのか分からなくなっている。お前、幸せって何だ? ワシ、うーん。。。笑ってる事かな。 ピーター、そうだろ。こうやって、お前は日本から来る。俺はここで好物のビールを飲む。サラは好物のフォーを食う。これで良いんだよ。幸せって。身近にあるんだ。とても身近にあるし、探す必要もない。幸せは、毎日、こうやって、美味いビールを飲みながら、ラグビー見て、笑って、時に怒って、泣いて、そして笑うことだ。なーんだお前、分かっとるやないか。おい、サラ。こいつはホンマモンの哲学者だ。話が通じるからな。ガハハと笑いつつ、私を抱きしめる。
サラは、麻貴は日本人なんだから、そんなにすぐ抱きつかないの!と嗜めつつ、笑っている。嫌なら言ってね。ピーターは、良い人なんだけど、スコットだから、すぐ気を許すとtouchy、触り魔になるのよ。でも、イヤらしい意味は無いのよ。ワシ、全然気になりません。大丈夫。というと、すかさずピーターは、サラのヤキモチー!とサラを冷やかす。ラグビーで玉を掴み合うのはスコットもやるけれど、掴み方にも色々とコツがあるのよと、掴み過ぎると反則になるしな、と慶應ビー部の友人マレが、ビー部で玉つかみ役だった事を話してみると、ピーターは真面目に玉つかみ談義。勿論、サラに怒られるピーター。楽し過ぎて名残り惜しく、スコティッシュの温かい人柄に存分に触れた夜だった。最終日にもう一度伺い、ありがとうのカードを店主のキム伯母さんに託す。キムは常連さんのピーターとサラ夫妻を中国新年に自宅にお招きするらしい。
今回のフライトは、毎回、delayの憂き目にあった。エジンバラからはヒースロー経由だったが、ヒースローではターミナルがラウンジのあるターミナル5だったので、馴染みのラウンジで、5時間ほど過ごす。父上に感謝。コーク行きの時はターミナル3だったので、レストランのハシゴをしたが、帰独便は楽だった。しかし。。。ワシはこのロンドンのラウンジで食べるものと相性が良く無いらしく、いつもお腹が空くので何かしら食べては、胸焼けがする。文句は言えないけど、微妙な気分。飛行機を待っている間に、悩んでいた公募に応募してしまった。人生なんて、適当。頑張って働いて楽しむ事に全力投球すれば、後は、適当良いのかも。。。と、少しだけ思えた旅だった。
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myonbl · 10 months
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2023年7月11日(火)
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火曜日は非常勤講師のO姉と一緒に出勤、普段なら9時前には着くのだが今日は全体に車が多かった。火曜日は3限・4限<スタディスキルズ(看護学科)>の14週目、先週の続きで<グループ発表>、<ジェンダー平等>というテーマから具体的なトピックを絞り込んでの発表だ。5つの班が10分間で発表するのだが、私が何か言うよりも他班の発表を聴くことが何より教育効果が高い。発表後に書かせた評価シート、どんな反省が出てくるか楽しみだ。
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4時45分起床。
日誌書く。
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朝食。
洗濯。
火曜日の弁当は私の分だけ。
可燃ゴミ、30L*2。
ヤクルトさんから野菜ジュース購入。
ツレアイは先週まで7時30分には出勤していたが、今週からは少し遅くなって8時過ぎでいいとのこと。私はO姉と先に出発する。
露の新治さんからメール、今週土曜日のチケットの件、私の好きな場所をおさえてくれていた、感謝。今週の繁昌亭は二葉さんの受賞記念ウィーク、新治さんのゲストの日が土曜日なので予約をお願いしたのだった。初日の模様が動画に上がっていた、興味ある方はこちらをどうぞ。
O姉は2限<ジェンダー・ダイバーシティ論>の授業、私は昨日の<情報機器の操作Ⅰ(看護学科)>のExcel試験の採点作業、昼までかかって前半部分を終了。やはり、関数が分かっていないものが散見される。試験前に復習したのになぁ・・・。
3限・4限は<スタディスキルズ(看護学科)>のグループ発表会、私が進行しO姉に一言コメントをお願いする。半分は〇、半分は△という印象。来週で最後、あと一息だ。
帰宅するとココがあまり元気ないとのこと、ツレアイと3男で点滴、しばらくすると元気になってご飯を食べ始めた。
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夕飯は見切り品の豚バラ肉と奥川ファームのキャベツ・ピーマンの甘辛煮、フライドポテト、レタスとトマト。息子たちにはスパークリングワイン、私は冷やした賀茂鶴をいただく。
録画番組視聴。
大谷翔平“異次元のその先へ”徹底分析・快進撃の秘密
初回放送日: 2023年7月10日
大谷翔平から目が離せない!投げては中5日のローテーションで白星を重ね、打ってはすでにHR30本超。打率打点もリーグ上位につけ「三冠王」も視野に。快進撃の秘密は?詳細なデータ分析から見えてきた“セオリーにとらわれない大谷独自のアプローチ”とは?「二刀流」のムーブメントは次世代にも。大谷に憧れ二刀流でMLB入り目指す高校生に密着!前例のない道を歩み続ける大谷。オールスター直前、異次元の活躍に迫る!
片付け、入浴の順番待ち・・・の途中でダウンしてしまった。
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今日もリング完成せず、この暑さ、無理する必要は無い。水分は1,680ml。
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tanakadntt · 1 year
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三輪隊の小説(二次創作)
三輪隊で、たこパなんてどうだろう?
「たこ焼きを食べよう」
という話になったのは、三輪隊といえば焼肉、三輪隊といえばたけのこの里、三輪隊といえばコーヒー、三輪隊といえばカレーを食べたあとのお冷、である同隊にしては非常に珍しいことなのだが、いつも焼肉を遠慮する(おそらく苦手)月見蓮が珍しく興味を示したからである。
三輪隊オペレーター月見蓮は高嶺の花とも称される美しい令嬢ではあるが、同隊においてはクールな指導者で、かつマイペースな年長者だった。
皆に好みを合わせてまで一緒に食事はしない。以前、ハンバーガーを食べたことがないと聞いたことがある。飲食を伴うフランクな交流は作戦室のお茶の間まで。要は線引きがきっちりできている。
その月見がたこ焼きについて興味を持ったのだ。
元々は何の話だったか。場所はいつものお茶の間だった。
「お祭りの屋台で見たのよ」
出店は、チョコバナナにベビーカステラ、りんご飴と甘いものが多いが、たこ焼きのソースの香りと丸い見た目が印象に残っているという。
焼きそばは食べたことがあるというが、高級中華の色がついてないやつだと察せられた。
「そうなんですか? じゃあ、一緒にたこ焼き食べましょうよ?」
同隊狙撃手の古寺章平がそう誘ったのは軽い気持ちだった。買ってくればいい。チンでもテイクアウトでも、お茶の間で食べられる。今は十一月、日に日に寒さが増してくる季節だが、来年の夏になればお祭りに誘ってもいい。未成年者が多いこともあり、ボーダーにおける隊の結成期間はだいたい半年から一年と短いが、古寺には、この三輪隊が来年の夏までも、いやもっとずっと続くように思えた。
「ありがとう」
月見は微笑み、次のお茶菓子は菓子ではないけどたこ焼きだな、飲み物は何が合うだろうと考えていたところ、同隊攻撃手の米屋陽介がうなずいた。
「章平、いいこと言うじゃん。どうする? たこ焼きプレート、うちにはないぜ」
「え?」
「うちにある」
同隊狙撃手の奈良坂透が応じる。
「ええ?」
「奈良坂の家からじゃあ、ちょっと遠くねえ?」
「章平と運ぶ」
「えええ?」
古寺の驚きなどお構い無しに会話が進む。同隊隊長の三輪秀次は、そうかと言って腕組みをした。
「奈良坂、ガスか? 電気か?」
「電気だ」
「ていうか、作戦室でそういうのやっちゃっていいの?」
「加古さんだって、炒飯作ってるんだ。使ってもいいと思うが…」
三輪が顎に拳をあてて天井を仰いだ。
「…狭い」
ここで、ようやく古寺は口を挟んだ。
「作っちゃうんですか?」
「え?」
先輩三人は、意外なことを言われたような顔をして一斉に古寺を見た。顔の圧がすごい。
助けを求めて月見を見るが、抜群の指揮能力を持つ才媛もたこ焼きに関する知識がないので、頭の上にはてなマークを浮かべて、にこにこしている。
「作んないの?」
米屋が代表して無邪気に聞いた。
古寺はぐるりと狭い部屋を見渡した。狭いと言っても、作戦室のお茶の間よりはずっと広い。
(ここが三輪先輩の部屋)
たこ焼きパーティーの会場は本部住まいの三輪の部屋となった。
(シンプルだ)
予想通りというべきか。若くして人生から様々なものを削ぎ落としているひとつ歳上の隊長の私室は作戦室より更にすっきりしていた。仮設住宅住まいの古寺の部屋は二人の弟と一緒だ。漫画とトレカとゲームとランドセル、あと何だろう。様々なものが散らばる雑多な部屋とは大違いだ。
八畳程の広さのフローリングにソファと机、丸椅子ひとつ。それだけだ。どこで寝ているのか? 真ん中に折りたたみのローテーブルがある。みんなでおじゃましたあと、部屋の主である三輪がクローゼットから出してきたから、おそらく常日頃は仕舞われている。
その上に、
「四十個も焼くの?」
おっかなびっくりプレートをセットした月見がくぼみの数を数えている。
「四十個じゃ足りないですよ」
奈良坂がコードをセットしながら言う。米屋が家から持ってきた大きなボウルを取り出している。
「章平ん家、たこ焼き焼かねーの」
月見と一緒にたこ焼きの調理家電を覗き込んでいる古寺に米屋が聞いた。
「そもそも、うちにないですね」
両親は共働きだし、収納の少ない仮設住宅の台所で母親はなるべく物を増やさないようにしている。だから、こんな巨大なものが同じく仮設住宅の奈良坂の家にあったのは驚きだ。料理好きのお姉さんとお母さんがいるせいだろうか。
「あ、奈良坂、チョコを入れるつもりなわけ?」
「定番だろう」
各々手分けして買ってきた買い物袋を整理しながら米屋と奈良坂が会話している。
「オレもチーズとカニカマ買ってきた」
「生地を作るのはそっちの部屋でやってくれ」
台所から三輪が顔を出す。
「あ、おれは何をしましょうか」
古寺も立ち上がった。
「月見さんは机周りで進行状況の確認、奈良坂と米屋は具材のセットと生地作り、古寺は材料を切ってくれ」
「了解よ」
「わかった」
「オッケー」
的確に指示を出す隊長に古寺が声をかける。
「三輪先輩、慣れてますね」
「前にいた隊ではこういうことがたまにあった」
旧東隊のことだ。現東隊の奥寺と小荒井もそうなのだが、最初の狙撃手、東春秋を隊長とする東隊に所属していた事に古寺は憧れを感じる。
「よく作ってたんですか」
「いや、たこ焼きは初めてだ」
広いとは言えない台所で、まな板を古寺に渡しながら三輪は答える。
「でも、チームメンバーだから任務と同じに考えればいいかと思った」
「そうですか…」
古寺は不覚にもじんときた。不器用、と背中に大きく書いてあるような先輩に成長を感じる。
ネギを切って、蛸を切って、カニカマを切って。一心に切っていると目の前に花があるのに気づいた。
小さな花瓶に小さな花が無造作に挿してある。十七歳男子の台所にしては違和感があった。この後、テーブルに飾るには、既にたこ焼きプレートが占拠している。
「秀次、水と泡立て器だってさ」
そのとき、計量カップとボウルを持って米屋がキッチンにやってきた。
「泡立て器はないから箸でやってくれ」
三輪が言われた分量をしかめっ面できっちり測っているのを横目に米屋が花に向かって片手をあげた。
「お邪魔してまーす」
「先輩、何をしているんですか?」
古寺の疑問を受けて代わりに三輪が答える。
「ああ、陽介は姉さんに挨拶したんだ」
「お姉さん…ですか?」
四年前の近界民侵攻で、三輪は姉を目の前で亡くしたことは知っている。
しかし、目の前には花が一輪、写真も何も無い。
「前は写真立てがあったんだが、濡れるからしまったんだ」
なんでもないように古寺に説明する。しかし、それは本末転倒である。写真が本体ではないのか。
「台所にあるのは水が汲みやすいからなんだってさ」
米屋は付け加える。
「秀次って大雑把なとこあるよな」
三輪はムッとした。
「こういうのは気持ちだ」
さらに米屋が混ぜっ返そうと口を開けたとき、ピンポンとインターホンが鳴った。モニターを見る。
「弾バカだ」
A級一位太刀川隊の天才シューター出水公平である。彼は三輪と米屋の通う第一高等学校の同級生でもある。彼も参加することはあらかじめ聞いていた。
しかし、
「なんで太刀川さんまで」
一緒にモニターをのぞいた��輪はあからさまに嫌な顔をする。隊長はこのボーダー一位のアタッカーが苦手なのだ。
『餅を持ってきたぞ』
モニターの向こうでレジ袋を振っている。
「ごめんなさい。太刀川くん、私が話したから、羨ましかったのね」
月見が奥の椅子から立ち上がってやってくる。月見と太刀川が幼なじみの関係であることを三輪隊の誰もが失念していた。
「どうする? 三輪くん」
暗に追い返してもいいと提案するオペレーターに三輪はため息をついた。
「材料も持ってきたみたいですし、いいですよ」
「あんた、たこ焼きに入れるってわかってて、なんで、でかいまま持ってくるんだ」
「これしか、売ってねえもん。それにチンすりゃいいだろうと思ったんだ」
「レンジなんてない」
「普通、あるだろ。おまえ、弁当温めないのか?」
「コンビニで温めてもらうから必要ない」
「や、ちゃんと切りますから大丈夫ですから!」
古寺は隊長二人に挟まれて泣きそうである。古寺が餅を細かく切るのに苦労しているのを見た太刀川が俺がそういうの得意と言い出し、三輪があんたがやったらまな板も切れると断って、太刀川が反論して今に至る。
「太刀川さぁん、そろそろ焼きますよぉ」
出水が助け舟を出す。
「おう」
太刀川がのっそりとキッチンを出ていって、古寺はほっとした。
「俺が切っておくから古寺も行ってこい」
三輪に促される。
「先輩はいいんですか?」
「…俺は疲れたから休んでる」
冷蔵庫から買い出しのジュースをひとつ取り出して栓を開けた。
早速チョコを入れようとする奈良坂を抑えて、最初の四十個は全て蛸である。正統派だ。このあともチョコを始めとして、様々な材料が控えている。ネギと天かすを上から振る。たこ焼き用のピックは人数分買ったので全員が持っている。
最初の一口はもちろん月見へ。三輪もペットボトルを持ったまま、キッチンから眺めている。
大騒ぎを伴って作成されたそれはパラリと青のりが振られ、かつお節が踊っている。
月見は品よく口に運んだ後、熱さに苦戦しながらひとつを食べ終わり、
「とても美味しいわ」
と、頬に手を添え微笑んだ。
(終わり)
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loppis · 2 years
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イコロの森&LOPPIS2022-SUMMER-「 vue. / sinsin」さん
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 季節ごとに空が変わるように少しずつ変化しながら静かな輝きを放つ vue. / sinsinさんのジュエリー。その世界観をすこしだけご紹介します!
ーどんなお店か、紹介をお願いします
 こんにちは、札幌にて制作活動を行っていますvue. / sinsinです。
 視線・視覚・見方を意味する vue. (ヴー)は、シルバーと真鍮をメインにした、手仕事によるジュエリーブランドです。  日常の中で見ているものや見えないもの、自身の視点や感覚をテーマに、個人を表現するジュエリーとして寄り添えるよう、大切に制作しています。
 sinsinでは、春夏秋冬ニット帽やヘアアクセサリーのデザインと、昨年から香りに纏わる活動をはじめました。
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ー夏のLOPPISにはどんな商品(作品)が並びますか?
 ポコポコという感情の粒で表現したシリーズや、ヴィンテージのような経年変化をお楽しみいただけるコーティングのジュエリー、そして、現在制作中の新作をお持ちしたいと思っています。  まだ形になっていない新作は、構想と妄想は広がるばかりです…(お楽しみに︎)。  またsinsin からは、一日の時間の流れを想像し創香した4つの香りの、ソイキャンドルをお持ちします。  植物の天然成分から抽出された香りのブレンド、ぜひクンクンしていただきたいです。
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ーもちろん、嗅がせていただきます!  さて、 vue. / sinsinさんの、夏といえば思い出すものは何ですか?
 5年くらい前から、梅酒・梅シロップ・梅干しを作るようになり、夏が来る前には今年の梅はどんな感じかなぁと思い巡らせるようになりました。  梅酒は玄米焼酎と甜菜糖、梅シロップは甜菜糖とりんご酢で作っています。  ちょうど暑い頃に梅ジュースの飲み頃。  そして、秋頃に梅酒が解禁(もう少し置いておきたいので古いものから飲みますが)息子が梅干しが好きなことで始めた梅しごと、今では季節を感じて味わう習慣の一つになっていること、すぐにバタバタしてしまう日常の中に、季節を感じることや意識できる瞬間は嬉しいなと思っています。  もう一つは、雲丹を食べに行くことです。お察しの通り…
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ー梅と共に四季がめぐる、四季を食と行事で愛でる日本の文化の豊かさを感じます。そしてわたしもまたそんな習慣を取り入れたいと強く感じました。  さて、インテリアとカフェの週末マーケット「LOPPIS」にちなんで質問です。ご自身が憧れている、好きでたまらない、お店を教えてください。
 また訪れたいと思うカフェは、沖縄の今帰仁村にある波羅蜜 PARAMITA さんです。
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ー最後にお客さまへメッセージをお願いします。
 2年ぶりのイコロの森、そしてロッピスへの参加でこちらで皆さまにお会いできる事が何より嬉しいです。  お楽しみいただけるように制作していきます!
  vue. / sinsinさんのありがとうございました! vue. / sinsin https://babo.world/
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cellophanemaryjane · 2 years
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私にもサブカルのこと書かせて-4(スタジオボイス)
「ファッション通信」では毎月スタジオボイスの新しい号が出るとプレゼントしていて、それがきっかけでこの雑誌を知り読むようになりました。スタジオボイスはおしゃれとヨゴレを行ったり来たりしていて面白い雑誌でした。
今ではすっかりハイパー呼ばわりの高城剛のブログを思わせるような日記の連載があったのですが、レイアウトが読みにくくて面白くないのでいつも飛ばしていました。でもたまたまページをめくっていた時に、「僕は決めた、今世紀中にテレビ局を作ります!地上波でもBSでもCSでもないテレビ局!」というようなことが書いてあったのが目に入ってきて(この人はいつもこういうテンションだった)、当時はこの人何を言ってるんだろうと思っていたのですが、もしかしてそれってYouTubeのことだったの…?と今は思います。
あと何という人だったか忘れてしまったのですが演劇のページで大人計画のある芝居を堂々と批判している人がいて、結構キツイこと書いちゃうんだなぁと思ってたら、松尾スズキが「カジノフォーリー」というお笑い雑誌で反論していたことがありました。反論と言っても「誤解されてると思う」みたいな感じだったけど。批判の内容は、難解な書き方だったので真意の程はハッキリわからなかったのですが、自分としては多分「内輪受けで何でも受け入れるファンの方しか向いてない」ということだったと思っています。公演が終わった後にロビーで劇団員によるフリマが行われたことも書いてあって、「それはキツイなぁ」と思いました。お笑いはずっと好きだけど、小劇場のノリは当時から苦手でした。
「カジノフォーリー」は東京のお笑いが中心のミニコミという感じの雑誌で、そこに載っていた頃の立川志らくの尖りぶりはすごかったです。今の志らくはかなり丸くなってる。
スタジオボイスに話を戻すと、私がこの雑誌に感謝していることは、レインコーツの存在を教えてくれたことです。その頃ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのモー・タッカーがソロアルバムを出していて、新譜のページにほんの一言だけ「元祖レインコーツというか相変わらず年齢不詳のババア声」と書いてあったのです。昔のサブカル雑誌の悪いところが凝縮された言い方だなぁと思います。でもレインコーツという名前を知ったのはこれが最初でした。これ書いた人誰なんだろう。これ書いたの覚えてる?って聞きたい。
そしてあの頃のスタジオボイスにはナンシー関がいました。ナンシーがおもしろかった頃が、スタジオボイスのいい頃と重なってたと思います。ブロンソンズまではまだよかったけど、その後根本敬とかリリー・フランキーとかがよく載るようになってからクールさがなくなった。
ナンシー関はカルト特集といういろんなマニアが出てくる号で缶ジュースについて書いていました。おしることかプリンシェイクとか見かけると味をチェックしたくなるけど、缶ジュースと呼んでいいのだろうか、うわさによるとおでんジュースや串に刺さった肉が入っているヤキトリジュースというのがあるらしい、どこまでが缶ジュースなのだろうか、とかなんとか。その後秋葉原の自販機おでん缶って話題になりましたよね。
それから一瞬、ほんの一瞬i-Dジャパンていう雑誌があって、一見おしゃれっぽいけど調子こいた品のない雑誌でした。フリッパーズもスチャダラパーも電気グルーヴもピチカートも載ってました。この手の雑誌ってよく考えたらいつもこのメンバーで、その辺押さえとけ感もちょっとあった。i-Dジャパンの電気グルーヴの連載は他の雑誌の連載に比べて、ひときわやる気のないものに見えました。(ラジオでやっていた漫画紹介コーナーの書き起こしみたいなの)
クイックジャパンが創刊された時、「ヤバい雑誌が出る!」みたいに紹介していたのもi-Dジャパンでした。そんなに言うならと創刊号をちょっと立ち読みしてみたけど、これは自分には全然必要ない雑誌だなと思いました。
フリッパーズってすぐ解散しちゃったしあんまり出たがりな印象でもなかったので、嫉妬丸出しの大人も多かったけど特に追いかけてなければわりとどうでもよかった。それこそあのいじめインタビューとか、全然知らなかったです。だってロッキンオンとかクイックジャパンなんて私読まないし…あの頃調子こいてたツケが今来てるんならま、しょうがないんじゃない。という感じです。
私も大概サブカルクソ女子高生だったと思ってたけど、鬼畜系とかオリンピックのことがあるまでほとんど知らなかった。電気グルーヴのANNは聞いてたし「ゴメス」も毎月もらいに行ってたけど、ガロにははまらなかったし、テレビブロスも読んだことないし、夜遊びにも憧れなかったし、そう考えると私たいしてサブカル女子じゃないんじゃない?と思います。
でも知らなくてよかったかも、と思いました。60年代にうつつをぬかしててよかったかも。ただ生と死ブームはめっちゃ覚えてます。生と死にブームもクソもないだろうと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ブームだったのです。
そして創刊号だけ買ったことがあるバァフアウト!がこんな感じで残ったのも意外でした。創刊号ではU.F.Oとラヴタンバリンズが印象に残っています。ラヴタンバリンズはちょっと大言壮語な感じがしました。U.F.Oの松浦俊夫は田島貴男と一緒にモグラネグラという深夜番組に出ていて、2人とも変に小慣れた喋り方じゃなかったのが良くて毎週見ていました。ゲストの高城剛が当時発売されたMDを紹介していましたが、田島貴男と松浦俊夫の2人はこのサイズではジャケットが見えないとあまり喰いついてませんでした。ハイパーはとにかくハイテク大好きという感じだったけど、MDは特にどうもなりませんでしたね。あとなんかチェリールイもゲストに出てました。(チェリールイって今書きながら思い出した〜)
モグラネグラ(モグネグ)の他の曜日はあんまり見てなかったけど、ローリーが従えていたオナペッツのインパクトはすごかったです。
オーディション番組「天下御免ね」に審査員として出ていた松蔭浩之の写真もスタジオボイスに何度か掲載されていました。天下御免ねに出ていた頃の松蔭浩之は、茶髪のサラサラヘアをなびかせてベビーピンクのスーツを着た、タメ口をきくアート界のプリンスといった雰囲気のキャラだったのに、今では自分から帽子を脱いで禿げてるんだ〜と見せるような人になっててビックリした反面、こんな風に年齢を重ねたことを受け入れられる人っていいなと思いました。大人の余裕を感じました。作品は好みじゃないです。
むしろその頃私がずっとウザいなと思っていたのは出たがりの便利屋小西康陽の方です。この人スタジオボイスで感じ悪い連載してたし、アントニオーニの「欲望」のフライヤーの裏に駄文書いてたし、「黄金の7人」のCDの解説にも出てきてた。また文章が中身が薄くてひとりで笑ってるみたいな、作ってる音楽��同じくらいつまらないもの��した。
小西康陽がスタジオボイスで連載していたレビューのようなものはちょいちょい感じが悪かった。自分はCDを出したら関係者に配るのに、僕のところには全然来ない。あいつに送るなというリストに僕は入れられてるのでは?と、ここまではいいのですが(ちなみにうちにはそのリストが存在する)とか書いていて、そんなだからお前も同じ扱いされてんだろすぐパクるし、と思いました。
昔の音楽ライターについて、ボブ・ディラン担当だった菅野ヘッケルという人のことを「ヘッケルだよ、ヘッケル」と小馬鹿にしたように書いていたこともありました。それからずっと後、ボブ・ディランがノーベル文学賞をもらった時まさかの菅野ヘッケル本人がテレビに出てきてインタビューに応えていました。まさに生きとったんかワレ!でした。菅野氏は元気そうにしていてよかったです。なかなか雰囲気のある方で、街で見かけたらちょっとビビるかも、と思いました。
あと関係ないけど当時レコードフェアに行くと小西康陽そっくりな格好をした人がよくいました。(何をとは言わないけどマッシュルームカットとメガネとヒゲでごまかすスタイル)
リズ・オルトラーニが手がけた「世界女族物語」という映画のサントラが再発された時、誰が書いたのか解説の人がある曲について「小西康陽氏もこの曲が好きだと言っていたので、彼のフェイヴァリット・ソングとみて間違いないでしょう」とか書いてたのですが、ほんと知らねーよって感じでした。こんなんで原稿埋めんなよ。嫌いだわぁ。心の底から嫌いだわぁ〜!
取り乱しました。(ダチョウ倶楽部)
あの頃見かけた90年代のサブカル文体はあまり褒められたものではなかったけど、面白い人は面白かったし、川勝正幸やコモエスタ八重樫は下品すぎず自画自賛もあまり感じない文章でした。三田格という人の文はすごく痛くて、イジっちゃだめな人に見えました。もちろんつまんなくて下品な人もいて、そういう一部の人が使っていた「と、いうよーなモノがあって。でですね」みたいな文体は当時から気持ち悪かったです。モノとかコトとか片仮名にするのほんと気色悪かった〜。でも雑誌しかないから隅々まで読んでいて、こんなふうに記憶に染み付いてるんだからおそろしいです。
(つづく)
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harawata44 · 2 months
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【ちいかわ】可愛さマシマシ!「ちいかわラーメン 豚」が名古屋に期間限定オープン - ライブドアニュース
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以下引用
大人気『ちいかわ』のラーメン屋さん「ちいかわラーメン 豚」が、名古屋に全国で初めて期間限定にてオープン! なんか小さくて(大サイズも有り)とっても美味しそうなメニューなどをご紹介します♪
『ちいかわ』は、イラストレーターのナガノがX(旧Twitter)に投稿している人気漫画。かわいいマスコットのようなキャラクターたちが楽しく暮らす様子を描きつつも、時折、妙に現実的な描写や過酷な目にあったりするギャップにハマる人が続出してフォロワーが298万人超え(2024年2月16日現在)、『めざましテレビ』(フジテレビ系列)内でアニメが放送されているほか、グッズ展開やコラボなど多方面でその魅力を振りまいている。 そんな『ちいかわ』に登場するちいかわたちの憧れのラーメン屋さん「郎」のラーメンを再現したメニューが、これまでもコラボカフェの「ちいかわカフェ」、「ちいかわ飯店」、「ちいかわレストラン」にて展開されてきたが、今回は「郎」をイメージした『ちいかわ』のラーメン屋さん「ちいかわラーメン 豚」となって名古屋PARCOに3月19日(火)より期間限定でオープンする。 ラーメンは「ミニ(ちいかわ)」、「小(ハチワレ)」、「大(うさぎ)」の3種のサイズを選ぶことができ、それぞれキャラクターのキュートなはんぺんのトッピングも! 特典としてオリジナルどんぶりデザインの特製ステッカーをもらうことができるのも嬉しいポイントだ(注文サイズと同じ絵柄のステッカーをラーメン1杯につき1枚)。注文時に好みを ”コール” することもできるので、ハチワレのように「ニンニクカラメ!!」とオーダーしてみるのも楽しいかも。 またドリンクは、オリジナルラベルの黒烏龍茶、シーサーのみかんジュース、モモンガのホワイトソーダ、くりまんじゅうの禁酒期間ドリンク(コーラ)、生ビールが用意されていて、ドリンク注文特典としてランダムクリアステッカーをもらえる(ドリンク1杯ご注文につき1枚ランダム)。 さらに、飲食利用の人に限り、メニューに使用されているどんぶりやグラスなどのオリジナルグッズを購入することもできる。 「ちいかわラーメン 豚」のオリジナルグッズは、公式ECショップ「ちいかわマーケット」でも販売予定となっているほか、オリジナルボトルの黒烏龍茶は名古屋PARCO館内に自動販売機を設置予定。 『ちいかわ』のラーメン屋さんで、おなかも心もいっぱいになっちゃおう♪ (C)nagano / chiikawa committee
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indigolikeawa · 4 months
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2023年12月30日土曜日
送別会(n回目)
 昨日は会社に行く最後の日だった。起きたのは4時頃で、夜が明けていくにつれて、その日が快晴であることを空が示していた。9時頃に工場に着いたが、営業の堂前さん(仮名)と工場長(ではないが実質工場長に当たる人)の矢内さん(仮名)は外に出ていて、他の社員とパートさんはすでに正月休みに入ってしまったようで、工場には誰もいなかった。私は一人で、制服や保険証や社員証を返却したり、自分の机の中のものを片付けたり、社用車に残った私物を回収したり、いらないものを捨てたり、いるものを段ボールの中にしまったり、膨大な量の他に漏らしてはいけないっぽいことが記載された紙の束から一枚一枚A4やB3のそれを引っ張り出してはシュレッダーにかけたりしながら、時間が過ぎるのを待っていた。お昼に近くのラーメン屋(とは言っても車で片道10分くらい。全然近くない。けど私はなぜかこのラー��ン屋をめっちゃ近いと思っている。近くないけど)に行っておいしいラーメンを食べた。13時に工場に戻ったが、まだ誰も帰って来てなかったので、引き続き片付けをした。とは言ってももう紙の束以外の片付けは終わっていたので、携帯でラジオを聞きながら、ずっとシュレッダーに紙を突っ込んでいた。
 15時過ぎに矢内さんが帰って来て、近況などを話しながら、私は引き続きシュレッダー作業を行い、矢内さんはパソコンで何かしらの入力をしていた。あまりにもいつものような雰囲気だったので、本当に今日で会社を辞めてしまうのだろうか、と思うほどだった。16時頃になって堂前さんが戻って来たのと、高知から私と同じ作業員の大森さん(仮名)が来た。今日は終業後、私の送別会が行われるので、わざわざ来てくれたのだ。終業時間になったが、工場にいる4名全員がこの後の送別会に来るので、「今までお世話になりました」とか「良いお年を」という言葉はここで発されたり聞かれたりすることがなかった。
 矢内さんから数日前に「送別会、安倍さんはお酒飲む?」という質問が来て、仕事に行かなくなってからずっと飲んでいなかったので、つい「飲みたいです」と返信してしまった。そうすると矢内さんから「それだったら、工場から一回安倍さんの家まで私と安倍さんの車2台で行って、安倍さんを拾って居酒屋まで行くね」と返信が来た。だいぶ申し訳ない気がしたけれど、甘えることにした。だってこれは私の送別会なのだから。しかし、矢内さんと堂前さんは終業時間になっても少し仕事が残っていたので、大森さんがその役目を担うことになった。だいぶ申し訳ない気がしたけれど、甘えて良いような気もした。だってこれは私の送別会なのだから。工場から私の家までが車で20分、私の家から会場の居酒屋まで車で20分かかり、工場から居酒屋までは車で10分なので、居酒屋に私たちが着くと既に矢内さんがお店の中で待っていた。まだ堂前さんは仕事をしているそうで、先に3人で始めることになった。矢内さんはジンジャーエールを、大森さんはすだちジュースを、私は生ビールを注文して乾杯した。私が思い切って飲酒を解禁したので、送別会が居酒屋で開催された意味が少し出たような気がした。堂前さんも間も無くやってきて、ウーロン茶を注文した。田舎で飲酒するのは極めて難しい、自宅で飲む場合以外は。
 私が会社を辞めるのはこれで何度目になったのか、せっかくなので今までの職業を挙げて数えてみる。駅員、郵便局員、事務員、プールの監視員、警備員、介護職員、塾講師、作業員。駅員から警備員まではアルバイトで、介護職員から作業員までは正社員。仕事を辞めるのは今回が8回目だ。多い。たぶんめっちゃ多い方じゃない?だから送別会も8回目、と行きたいところだが、いきなり会社に行けなくなる辞め方が多いせいもあって(今回もそうだ。成長してない。まるで成長していない!)、送別会が開催されたのは、駅員、介護職員、塾講師、そして今回の作業員の時の計4回である。8の4。50パー。この割合が多いか少ないのかはあんまりわからないけど、なんか少ないような気もする。あまり自分の送別会をしてもらったことのない、一つの職場に長く勤める立派な人も多いのではないかと思うのですが、私は自分の送別会が大好きである。だってすごく惜しまれたりしますし。なんたって主役ですし。皆さんが今まで忙しかったり照れ臭かったりして言えなかった感謝などを伝えてもらえますし。仕事の思い出話も楽しいです。思い出話は大体楽しくなるようにみんな話してくれますしね。ありがたいね。そんないい職場をどうして辞めるんだろうね。そう、もちろんそこに来てない人が嫌いだからというのはあるんじゃない?考えれば分かるよね?そうだよね。
 じゃあいつから私は、矢内さんのことが好きだったんだと思いますか?正解は、7年前にこの会社に入って少ししたらもう好きになっていたような気がするし、つい3ヶ月���らい前だったような気もする、つまりよく分からない、でした。入社してすぐ、本社で3ヶ月研修があり、徳島に戻って来て、一緒に仕事を回る先輩が矢内さんだった。矢内さんはまだ結婚していなくて、谷(仮名)という名字だった。谷さんは仕事ができて、優しくて、可愛くて、献身的で、私の憧れだった。社用車の助手席で、話をしているのが本当に楽しかったし、横顔を見るのも好きだった。そんな私の怪しい挙動に気付いたのか、谷さんは一緒に仕事するようになってすぐ、「私、彼氏いるんだ」と言って来た。よく分からないけれどなぜか振られたような気がしたし、聞いてませんけど!と思ったりしたし、やっぱりそうですよねと納得したりした。そう言う風に言われたら、あんまり好きとかは考えないようにするよね普通。損しかないもん。そんなの傷つく結末しかないから。そこに向かって突き進む人いる?そもそも一緒に仕事する人のこと好きになったりするのなんて良いことなんか絶対ない派の筆頭ですよ私。知りませんでしたか?ちゃんとそういうのも知っといてくださいね!
 谷さんと一緒に仕事を回ったのは、結局一年くらいだっただろうか。谷さんはもともと工場で仕事をしたいという気持ちがあったようで、私が仕事を覚えて一人で現場に行けるようになると、工場でパートさんの作業を監督する役割を担うこととなった。それでも工場に帰ると、いつも谷さんがいたし、仕事終わりに長いこと話したりすることも多かった。谷さんの恐るべきスキルとして、谷さん自身が恐らくあまり興味のないことについても延々と話を聞くことができるということがあって、私も音楽のこととか、お笑いのこととか、谷さんにのべつ幕なしにまじで…2時間とか?…話すことがあって、それを嫌な顔ひとつせずに聞いてくれるので、話し終えた後で「うわあー2時間も一方的に話してしまったー!でも聞いてくれるってことは面白いと思ってくれてたのかな。私の話面白いんだなあーふふん」などと思っていたのだが、最近になって毎日のように後輩の女子からあまり面白くなさそうな話を延々とされていて、それを嫌な顔ひとつせずに聞いているのを連日目撃してしまい、「あっこの人単なる特殊スキルの持ち主だっただけだ!私は恥ずかしい!これまでの時間返してあげたい!私の寿命からキャッシュバックしてあげたい!」と思ったのだった。
 そんなある日、(もうこれも何年前だったかは思い出せない、私はそういうのすぐ忘れてしまう、全部メモしとかなきゃいけないのに、メモするのも忘れてしまうし、覚えていたとしてもそんなメモする時間誰も取ってくれない)谷さんの名字がいきなり矢内に変わっており、私はそれをタイムカードか何かで見て、「ああ…結婚したのかな」と思ったのだが、まあ一応両親が離婚したみたいなパターンもあるか?他にもなんか私の知らない名字変更チャンスがあるかもしれない、なんだったら今まで実は彼氏と言ってた人と結婚しており、離婚したので変わったとかもある?と思い、まあ報告ありますかね、と思っていたのだけど、一向に報告は無く、谷さんと呼んでいいのか矢内さんと呼んでいいのか分からないとかも結構気にしてしまうので、1ヶ月くらいして私の方から「ご結婚されましたかね?」と聞いたら、「しました」と返ってきたのだった。
 まあ別に結婚してようとしてまいとパートナーがいることに変わりはないので、呼び方が変わった以外は何もかも今まで通りだった。彼女の働き方もあまり変わるところがなく、朝早く来て仕事を始め、夜遅くに帰ることが多かった。私と矢内さんの関係はもちろんずっと同じ、会社の先輩と後輩、それだけ。人間のことを何とも思ってない会社の先輩と後輩、それだけだった。私は、簡単に言うと、辛いことばかりだから、この会社を辞めるに至った訳だけれど、彼女は私よりもこの会社に勤めている年数が長いし、私よりも辛いことが遥かに多いはずだった。それでも私の話を聞いている時みたいに、ほとんどの場合は嫌な顔ひとつしなかった。たまにもの凄く辛そうな顔をしているような気がしたけど、具体的に私に相談したりということはなかった。私は彼女を助けてあげたかったし、力になりたいと思ったけれど、私は馬鹿だし、力不足だし、精神的に不安定だったし、彼女の後輩だったし、何にも出来なかった。そもそも構造自体がうまく行ってないのに、ひとつの要素が別の要素を劇的に改善するみたいなことは起こりうるのだろうか?私の考えではそれは起こらない。何だったら構造自体を変える方が全然簡単だと思う。でもそれも起こらない。いつもそういうことは起こらない。待っているだけでは起こらないが、出来ることは何もない、従って起こらない。ずっとそういう状況で、私も彼女もそれに耐え続けていた訳だが、弱音を吐くのはずっと私の方で、彼女からそういう弱音を聞くことはほとんど無かった。私は彼女に弱音を吐いて欲しかった。私に相談して欲しかった。小さな声で「何かあったら相談してくださいね」と言ってみたこともあったが、やっぱ声小さかったから聞こえてなかったんだと思う。相談はしてもらったことは今までに一度もない。
 今年の8月になって、もう本当に意味が分からないんですが、彼女のことが改めて好きになってしまった。書いてて本当に恥ずかしくて、悲しいんですが、好きになってしまった。理由が思い当たらない。いや彼女はずっと素敵ですよ。でも今更改めてそういうことを思わなくてもいいはず。分からない。私は今年のお盆にCovid-19に罹ったのですが、それくらいしか思い当たる理由がない。なんか体に変化があったからでしょうか。眼を見ると本当にドキドキしてしまって、息が荒くなってしまうから逃げるみたいなことになってしまった。どうしたのでしょうか。でもご安心めされい。未来人の私は知っています。私は12月末で会社を辞めることになるのです。会わなければ恋は冷めます。少なくとも私の場合はそうなのです。1月まで耐えてください。何もしなければ良いのです。簡単簡単。楽勝です。
 私はまた助手席で矢内さんの横顔を見つめていた。7年前と同じように。あの頃と違うのは、乗っているのが社用車ではなく矢内さんのアルファードであることと、二人とも制服ではなく私服を着ていることと、時刻が夜の9時過ぎで、私が生ビールの中ジョッキを4杯も飲んで、目の当たりと鼻が赤くなっていて、それ以外の顔の部分が真っ白になってしまっていること。何を話していたんだろう。楽しかったね、とか、今までありがとうございました、とかそういったことだったんだろうか。私の家がどんどん近づいていて…あれはどこだったんだろう。最寄りのひとつ前の駅のそばだったと思うが、私は急に話せなくなってしまった。矢内さんもなんとなく黙ってしまって、車内を沈黙が支配する。
「矢内さんは」
「どうして結婚」
「しちゃったんですか?」
 矢内さんは結婚した理由を教えてくれた。彼氏と長く付き合っていたからとか、双方の親御さんが、とか、やっぱり責任が、とかあんまりわからなかったんですが、私が聞きたいのはそういうことじゃなかったので、というか何か聞きたい訳ではなかったので、流れを遮るようにして私は呟いていた。
「ずっと好きだったんですよ」
 さっき簡単って言ってたじゃん。楽勝って言ったじゃん。どうして我慢できないんでしょうか。家までもう10分なかったと思います。追加タイムで失点したフットボールチームよりも遥かに愚かです。敵は私しかいないのだから。スタジアム中がブーイングの嵐です。本当に馬鹿です。誰も得しません。最高で二人、最低でも一人傷つくことになるだけです。
 あ、ありがとう、と矢内さんは言って、こちらをチラッと見てくれた。これは本当に優しいと思います。運転中だし、全然目を見なくてもいいはずです。お前さあーもう家着くじゃんさあーションベン我慢できねえかーと思っても全然良い筈ですよ。それが受け止めてくれてる訳です。もちろん全てこちらの妄想ですが。
 私は「これを言いたくて、今日は飲もうと思ったんです。お酒のせいにして言いたかったこと言えるようにしたかったんです。ねえ、どうしていつも何も言ってくれないの?どうして相談したりしてくれないの?矢内さんは私の憧れなのに。いつも優しくて、可愛くて、魅力的なのに、どうして傷ついてばかりなの?私は、矢内さんの力になりたいのに、助けてあげたいのに、ごめんなさい。いつも本当にごめんなさい」と堰を切ったように矢継ぎ早に話しかけていました。なんか途中から趣旨ぜんぜんズレちゃってますが、矢内さんはそれを聞いて頷いて「ありがとう」とか「私も辞める時は言うね」とか答えてく��ていました。
 当然もう家のそばには着いていて、路肩に車は止まっていて、ハザードランプの音と光が何もない田舎道で目立っていたのだった。私は、本当にあろうことか、矢内さんの手を握っていて、本当に申し訳ないのですが、何度も「もう帰らないとだめだよね」と勿論その通りだ即刻下車せよと言うしかないようなことを言っていて、最後の最後まで矢内さんを困らせていた。「ぎゅっとして欲しい」という言葉に「それは…やめようか」という言葉が反射して、私は最後に絶対に「今までお世話になりました」と言わなくてはいけないところで「バイバイ」と言って車を降りて、少し歩き、振り向き、暗闇で全く見えない運転席に向かって手を振り、再度振り向き、そこから一度も振り返らずに家へと帰ったのでした。
 シャワーを浴びて、ふらふらになりながら庭でぶらぶらしているミケにCIAOちゅ〜るをあげて、気絶するようにベッドに横になり、2時頃にトイレで目が覚めると、矢内さんから暖かいLINEが届いていて、私は、本当マジで止めろよなと言いたいんですが、それに長々と返信して、再度眠りについたのですが、朝目が覚めると、ありがたいことに既読がついておりました。
 告白して失敗すると、もうその人には二度と会えなくなるような気がする。それなら、どうして絶対に失敗する告白をするんだろうか。永遠のお別れ。もう一回送別会やって欲しい。告白して失敗した時は、感想戦みたいな送別会を開いて、二人でどこが悪かったとか良いところもあったとか言い合いたい。告白失敗につき執り行われる送別会があるのなら、今回で何回目になったのだろう。そういうことがあれば少しは成長できると思う。まあそういうことは一人でもある程度できると思うから、そんなのてめえで勝手にやっとけとも思うけど。
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happytime-en · 5 months
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 海の近くのお店で朝食後は、NHK大河ドラマ ゆかりの地へ
  皆さん こんにちは。
  近くの結婚相談所 ハッピータイム群馬桐生相生
  婚活アドバイザーの金子です。
 鎌倉ドライブ旅行の二日目の朝。
 ホテルの部屋のベランダのドアを開けると、この日も晴れて
 おり気持ち良い青空のもと、海・江の島・富士山を望む眺望
 を楽しむことができました。
 朝食は鎌倉プリンスホテルさん内のレストラン
 「ル・トリアノン」さん。
 彩り爽やかな、鎌倉ハムと豆乳チーズが添えられた
 新鮮野菜のサラダ。
 タマゴ料理はエッグベネディクトorオムレツから選択
 できたのですが、同行の3人皆、エッグベネディクトを
 選んだのでオムレツの画像はありません。
 スモークサーモン、ベーコン、ほうれん草などの具材と
 トロリとしたタマゴそしてオランデーズソース。
 美味すぎます。
 チキンのクリーム煮、ウインナー、マッシュポテトも
 添えられていました。
 上記の二品と有田みかんジュース、バナナスムージー、
 フルーツ入りのヨーグルトはサーブされ、パン、ジャム、
 スープ、ドリンク類、小菓子などはビュッフェ式。
 海を望める窓側の席で美味しい朝食をいただいた後は、
 ホテルをチェックアウトして鎌倉観光です。
 古都鎌倉なので行きたい場所はたくさんありましたが、
 今回はホテルからクルマで20分程で行ける「鶴岡八幡宮」
 近くにクルマを駐車して、その周辺を徒歩で散策しました。
 NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」ゆかりの地「鶴岡八幡宮」
 を参拝。
 勝負運・仕事運・出世・安産・良縁など様々なご利益がある
 そうです。
 源頼朝が憧れたという京都で、鎌倉時代以前の平安時代に
 陰陽師として活躍した安倍晴明を祀る京都・一条戻橋
 「晴明神社」の御朱印帳に「鶴岡八幡宮」の御朱印を
 いただきました。
 境内にある「源氏池」の畔には、北条政子が懐妊の際に
 源頼朝が安産祈願をした石だといわれる「政子石」 
 縁結び・安産・子宝などのご利益があるとのこと。
 「鶴岡八幡宮」から歩くこと約10分。
 急な階段を登ると見えて来たのは源頼朝のお墓。
 この後「小町通り」を散策して帰路につきました。
 12月に突入してしまい今年もあとわずか。
 昨年の暮れに「鎌倉殿の13人」が終了し、今年1月に
 スタートした「どうする家康」もあと数回の放送で終わりを
 迎えようとしています。
 月日が経つのがとても速く感じます。
*************************************************
  近くの結婚相談所  ハッピータイム桐生相生
  婚活アドバイザー 金子 薫
  群馬県桐生市相生町5-536-1 ネプチューン2-A
  電 話:0277-32-5314
  連絡時間:午前10時から午後9時
  定休日:年中無休
**************************************************
婚活   結婚相談はお近くの結婚相談所ハッピータイム (http://www.happytime-en.com/)、 群馬前橋・群馬沼田・群馬渋川・群馬高崎・群馬安中・群馬藤岡・群馬伊勢崎・群馬桐生・群馬みどり・群馬太田・群馬邑楽・群馬館林・栃木足利・栃木佐野・栃木小山・栃木栃木・栃木���岡・埼玉熊谷・埼玉深谷・埼玉本庄・埼玉行田・埼玉羽生・埼玉加須・埼玉児玉・茨城牛久・茨城下館・茨城筑西・茨城結城・茨城古河・新潟長岡・新潟小千谷・新潟見附・新潟柏崎・新潟魚沼・新潟十日町・新潟南魚沼・新潟西蒲原・神奈川川崎・山梨甲府昭和までお問い合わせ下さい。
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schlammig9 · 10 months
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アニメ映画『夏へのトンネル、さよならの出口』の話
アークナイツオンリーの帰りに池袋で映画を観てから随分時間が経ってしまったが、ソフトも出たことだし改めて感想を書いていこう。残念ながらネタバレは各自で自衛してほしい。
原作の方を発売間もない頃に読んだ時、物語の主題はともかく場面の描写――登場人物の見せ方に対して今いち作者とは趣味が合わない、という印象を受けたものだったが、アニメ映画の方は、 塔野と花城ふたりの出会いを物語の起点に配置することで両者の視点をフラットにし、お互いが片方に何を見出しているのかがよく分かる仕上がり(有り体に言えば見やすく、身も蓋もなく言えばより商業的)になっており、こちらの方が好ましく感じた。 監督がタルコフスキーを好むからか登場人物の心情がダイレクトに画面に反映されるということはなく、場面全体に抑制が利いていた気がする(明確な違いの一例として、クライマックスで主人公が「いってきます」と行って飛び出すシーンがある。原作がさながら『サマーウォーズ』の「よろしくお願いします」のように渾身の感情を込めるかのような描写になっているのに対し、アニメ映画版はどこか哀愁を漂わせつつ、ただひとことを溢すかのように言うのである)。日常芝居については花城が喫茶店で漫画賞の結果を聞き迷っている場面が白眉だろう。塔野の助言を受け、無言で食事の席に戻る所作は今でも脳裏に焼き付いている。があった。登場人物の等身大っぽさは流石に原作の方が細かく描けてたと思うね。 親密ではないクラスメイトへの無関心や仄かな憧れだとか。
演出については、漸近線のように近づく飛行機雲や水族館の中で群れからは独立したふたつの影が近づく瞬間、古びた傘、駅の向日葵など、いい意味でチープな画面が続き、作品への没入感を損なわない仕事ぶりだった。映像全体を支配する夏の情景についてはシチリアを舞台にした映画によく登場する、どこか閉塞感を抱いてしまう群青の青空を彷彿とさせるものがあった。
ところで作品を象徴するウラシマトンネルについてだが、ブルーレイ付属の特典ブックレットに収録されている監督インタビューや原作者自信が書き下ろした後日談でもその真実や示唆するものについては語られていない。広げられた謎を全て詳らかにするのは無粋と頭では分かりつつも、ネットで「つまり現実に帰れって言いたいんだろ?」と逆張り〇〇野郎にやや否定的な論調で分析されているのを見ると公式の見解を求めてしまう。
私の見解を書こう。あれは登場人物の希死念慮が引き起こした、言わば黄泉への入り口で、失くした物――過去に喪われた物が手に入るのはその分入った人間の時間を退行させているのではと考えている(原作で、父親が再婚を考えている相手を家に連れてきた際、塔野が語る”父さんは未来に逃げようとしている”という独白は印象的だ)。しかしそれだと原作の描写についてひとつ腑に落ちない箇所がある。トンネルの先で妹と再会した塔野が思いっきり食事をしているのである。作者が黄泉の入り口だと意図して書いているのだとしたらどこかのタイミングでヨモツヘグイについて知る機会があって然るべき……。つまり私の考えは度の過ぎた妄想……と思ったがアニメ映画版はジュースを飲む寸前までいって飲まないという描写に置き変わっている……これはもしや……?というようにこの点については自分でも説が定まっていない。真相は君の眼で確かめてくれ。
あと同級生をグーで殴るおもしれー女だった花城が成長して普通のつまんない大人になってがっかりしたみたいな意見も見かけたけど、別に良いだろ漫画家は本人がつまんなくても面白い作品描けばいいんだから!つーかつまんない大人だったら漫画家になっとらんし傘も携帯電話もどっかにうっちゃってるわ偏屈気取りめ!
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chilchilmischie · 1 year
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Definition of desire
ご飯炊き終えて、「食べるぞ!」と思ってたのに、その前に力尽きて寝てしまった。
結局変な時間にご飯を食べることに。(夜中の12時)
それで、食べ終えて今度は「じゃあもう寝なきゃ」って感じの時間なんだけど、まあ少しぐらい起きていたいし。
ということで、日記でも書いて時間を潰すことにする。
■ダイエットのお話
実はちょっとだけ痩せてみようとしてる。
現在の体重は52kgなんだけど、49kgを目標に頑張ってる(別に何もしてない)。
元々子どもの頃はぽっちゃり系の見た目、というかまあ太ってたんだけど、7、8年前に生活環境があれこれ変わっていったのを契機に、どんどん体重が落ちていっている。
10年ほど前の体重は確か64kgぐらいまであって、首を横に傾げると頬の辺りの肉がブニンとなる感じであった。
今その頃の写真を見ると、「うわあ太ってるー。顔が風船みたいじゃん」って思えるのだけど、そういえばあの頃の自分も危機感自体は持っていて、「痩せなきゃ!」とあれこれ試行錯誤していたような気がする。
その時は確か「お菓子控えなきゃ!コーラとかも飲まないようにしないと!」みたいな節制をしていて、甘いお菓子の代わりに寒天ゼリーを食べたり、飲み物もジュースを控えてお茶を選んで飲んでいたりして頑張っていた。
ただそれもあまり長続きはしなかったと思う。我慢してやっていたことなので、途中で「もう嫌!そんな痩せる必要なんてないじゃん!」ってなって諦めたのではなかっただろうか。その後なんもしなくても勝手に痩せていったことを考えると、その頃の自分がちょっとだけかわいそうに思える。
まあ数年前の太り気味だった頃の話は良いとして、この前健康診断で体重を計った時に54kgまで落ちてたので、「あ、うちも大分痩せたなー」としみじみ思ったのである。
痩せた理由をちょっと考えてみるが、食生活が大きく変わったのがいちばんの理由なんじゃないかなと思う。
実家暮らしの時は母親があれこれ作ってくれて、しかも全部美味しいのでバクバク食べてしまったし、お菓子とかジュースもあったら手につけてしまっていた。
今は「ご飯作るの面倒だし、簡単に作れちゃうやつがいいよね」なんて考えて食事を準備するので、野菜とウインナーを蒸したやつを作って食べたり、鍋ものを数日に分けて食べたりなんてことをして、1、2品だけ作って、昔に比べてワーッと食べるようなことが無くなった。
あとお菓子は今でも食べるけど、それも頻度は減ったし、ジュースはなんでか分からないけど飲めなくなったので、間食も大分少なくなったと思う。それでも脂質がなんかアレなのはご愛嬌。
あと考えられるのは、そもそも食べる機会が少ないのも理由かもしれない。これは子どもの頃からあんまり変わってない習慣だけど、1日に3食も食べられない性質なので、一回に食べる内容が少なくなったり、摂取カロリーが減ったりすれば、その分体重も落ちていくのかもしれない。
とまあ、そんな感じだろうか。
運動なんかは全くしてないので、健康的な痩せ方とは言えないだろうけど、それは仕方ないと思う。スポーツとかしたら死ぬ人間なので。
さて、なんで49kgを目指しているのかも書いておく。
と言ってもすごい理由がある訳でもなく、ただ「ここまで来たら50kg切ってみたい!」という好奇心で痩せてみたいだけである。
太り気味だった頃、「痩せてる人って良いなぁ」なんて憧れもちょっとだけあったので、こうして体重が落ちていっている今、痩せ体型を維持、というかどこまで体重落とせるかなという気持ちがあったりする。
なので、「これ以上は流石にマズい!」ってなるちょっと手前まで痩せてみたいのである。
それで今は毎日職場にある体重計をこっそり拝借して、体重を計るようにしている。正直何もしてなくても(?)体重は落ちているので、重くなってないかを調べる意味でやっている作業なのだけど、健康管理をしてると考えれば良いだろうか。
それで、そんな感じのことを1ヶ月ぐらい続けているが、やっぱり徐々に体重が落ちてきてはいる。さっき現在52kgと書いたけど、これもここひと月の間で52.5gから52kgまで落ちてきてのものである。
このままでいけば、いつかは50kgを切れそうな気がするけど、どこかでストップがかかるかもしれないし、飽きたらそれを目指すのも止めるかもしれない(まあ元々頑張ってないし、それで体重が増えることもないだろうけど)。
ひとまず50kg切ったら「痩せた!」って思って、勝手に1人で喜んでみたいと思う。目指せモデル体型(目指さない)
おしまい。
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0663lovesdq3 · 1 year
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3:女勇者ロゼア
エルマー達一家と東洋人の武闘家はルイーダの酒場に入り、早速乾杯した。
東洋男「では~!みなさ~ん、オレ達の強烈な出会いにかんぱーい🍻!!」
エルマー「ブフ。武闘家さんのせいですよね笑 私は酒弱すぎるので…ノンアルで乾杯!」
バーバラ「なんか面白い事になったわね~笑 かんぱーい!」
エレア「わたしはこどもですからジュースでかんぱ~い!」
東洋男とバーバラはジョッキのビールを一気に飲み干した!
バーバラ「ボーイさーん!おビールお代わり!」
東洋男「おお~奥さんめっちゃいい飲みっぷりぃ! アリアハンの地ビールうんまいなあ~!かーっ!」
バーバラ「武闘家さんも美味しそうに飲むわねえ~! あ''ーーービール美味しいー!これ持って帰りたいわぁ笑 旦那がお酒激弱なもんだから一緒に晩酌出来なくてね~! 酒飲み友達出来て嬉しいわ~🎶」
エルマー「調子に乗って飲み過ぎないようにな、バーバラ。」
エルマーは落ち着いてノンアルをちびちび飲んでいる。
バーバラ「わかってるわよぉ。でも、あなたの奢りでしょ?笑 しっかしアリアハン地ビール美味しすぎ!なんなら樽ごと欲しいわねえ笑」
バーバラは夫と反してゴベゴベ飲み干している。
東洋男「おお、奥さんバーバラさんっていうんだ! そういやお互い自己紹介まだだったねぇ~。 オレはジパングから来た龍人ってんだ。リュウト、な。よろしく~!」
バーバラ「ええ、あたしバーバラっていうの。 リュウトさん、よろしくね!東洋っぽい名前で素敵ね!」
龍人「なはは~バーバラさんありがとう💖 美人に褒められるとマジ嬉しいわ~ひゃははは❤」
相変わらず龍人はデレデレしている笑
エルマー「ほぅ…リュウトさんはあの黄金の国と呼ばれるジパング人だったんですね。 お名前もやはり東洋的な響きなんですね。」
龍人「へー!お父さんジパングの事知ってるんだ! ガイジンさんからみたらオレの国はかなり独特な文化なんだわ。」
エルマー「行った事はないですけど、ジパングの噂をちらほら聞いた事があって… ところでその『ガイジンさん』ってなんですか?」
龍人「あれ…もしかしたら失礼な言い方だったかな~💧 オレら東洋人からみた西洋人やらお父さん達みたいな人達の事言うんだ。 まあ外国人の略みたいな感じで!」
エルマー「あ、そういう事だったんですか。 さっきもリュウトさんにガイジンさんって言われて何それとか思ってたんで笑 私はエルマーです。で、娘がエレア。この子も私と同じく魔法使いです。よろしく。」
エレア「エレアともうします。リュウトさん、よろしくおねがいします。」
龍人「エルマーさん・バーバラさん・エレアちゃんね! エレアちゃん偉いね~!礼儀正しくて気持ちいいわ~🎶 やっぱガイジンさんは名前もカッコいいな~! オレ海外文化憧れてるんだ~!将来の嫁さんガイジンさんがいいもん笑」
バーバラ「まあ!リュウトさんってば外国人と結婚したいのね~! あたしとエルマーも生まれた場所は違うのよ~。 エルマーがノアニールで、あたしはスーなの。パッと見リュウトさんから見たら同じガイジンさんだけど笑」
龍人「へー!じゃあエレアちゃんはノアニールとスーのハーフなんだねえ~! ガイジンさん同士の夫婦は国が違っててもわからんな笑」
バーバラ「リュウトさんって面白いわねえ😂 あたしは今回が初の海外だし、東洋人見るのはリュウトさんがお初だわ。 それにさっきまで焦げてたから顔わかんなかったけど、男前だったのね~🎶 武闘家さんだっけ?筋肉もすんごいのね!ムッキムキで素敵!」
バーバラのグリーンアイがキラキラしている。 初めて見る東洋人に興味津々のようだ。 龍人はバーバラに褒められてデレデレしている。
龍人「いやいや~😚バーバラさぁん🎶めっちゃ嬉しいけどエルマーさんの前であんま褒めないで~ まーたイオナズン喰らっちゃうよォひゃははは!」
エルマー「まるで私が嫉妬深い男みたいな言い方やめてくださいよ、リュウトさん笑」 (ふーん…バーバラは男らしい奴がタイプなんだろうか。 逞しい東洋人みて随分嬉しそうにしてるなあ。)
エルマーはノンアルをちびちび飲みながら龍人とバーバラの様子を伺っていた。 龍人とバーバラはバンバンビールや酒をお代わりしまくりだんだん出来上がって来ていた。
エルマー(詫びに奢るって言ったけど、私持ちだからってリュウトさんもバーバラも随分飲んでるな💧)
龍人とバーバラでえらい盛り上がってたのでエルマーは愛娘と話をしていた。
エルマー「エレア、ママとリュウトさん盛り上がっちゃってるから退屈じゃないか?」
エレア「そうですね、パパ…おとなのおはなしはわからないので、 やどやにもどってまほうのおべんきょうしてもいいですか?」
エルマー「その方が良いかもな。パパは代金払わないといけないからまだここに居ないとだめだけど、エレアは先に戻ってて良いぞ。」
エレア「わかりました、パパ。では、わたしはおさきにしつれいします。」
エルマー「バーバラ、エレアが宿屋に戻るから見送ってくる。 リュウトさんと飲みすぎて調子乗るなよ。」
エレア「ママ、リュウトさん。ごゆっくり。 のみすぎないようにきをつけてくださいね。 わたしはパパにおみおくりしていただきますね。おさきにしつれいします。」
バーバラ「あらぁエレア、ごめんねえ!エルマーもそのままトンズラしないでねーおほほほほ!お酒代あなたもちなんだからァ~」
龍人「あらエレアちゃんごめんね~💧またリュウトさんとあそぼうね😚 いやーエルマーさんありがてぇ~🎶人様にご馳走してもらう酒は最高に美味いわ!ひゃははははh」
エルマー(…飲みすぎだろこいつら…💧まあ良いけど…)
ーーーーー
エルマーは愛娘を酒場の斜め向かいの宿屋の前まで送ってあげた。
エレア「パパ、おみおくりありがとうございました。 さかばからちかいのにおてすうおかけしました。」
エルマー「お前はまだ小さい子だからね。もしパパ達が遅くなった場合、先に寝てて良いからな。」
エレア「わかりました。」
エルマーはエレアを宿屋に送った後、ルイーダの酒場の前でふと空を見上げた。
エルマー(もう夕方なんだ。夕焼けが綺麗だなあ…)
綺麗な夕焼けをぼーっと見つめていると誰かが近づいてきた。
???「あら!あなたは噂の旅の外国人の方では?」
エルマー「えっ?…!!」
声がした方に振り向くと、男装のような出で立ちをしている若い女性がいた。 黒髪のショートヘアに銀のサークレット、精悍で凛々しいが どこかあどけなさが残る顔立ちでマリンブルーの瞳が印象的な女性だった。 夕焼けに照らされ彼女が輝いて見えた。
???「…こんばんは。夕焼けが綺麗ですね。」
彼女ににこやかに挨拶された。 エルマーは彼女のオーラに圧倒されてたじろぎながら返事をした。 彼女が自分達が切実に会いたかった女勇者様に間違いないと確信したが、探りを入れるように聞いてみた。
エルマー「あ…こんばんは…。そうですね… あ、あの…もしやあなたは…勇者オルテガ様のご息女のロゼア様では…?」
ロゼア「まあ!私の事ご存知だったんですか? はい。私はまさにそのロゼアですが。」
エルマー「やっぱり!ロゼア様!お、お会い出来て光栄です!」
突然現れた女勇者様の唯ならぬオーラにひれ伏してしまったエルマーは 咄嗟に手を胸に当て片膝をついた。
ロゼア「まあ…そんなご丁寧になさらなくても…。突然話しかけてごめんなさい。」
エルマー「い、いえ…お声掛け頂きとても光栄です。 ロゼア様も私の事を何か存じ上げていたようですけど…」
エルマーは珍しく緊張していた。女勇者ロゼアの聖なるオーラが眩しく、全く想像出来なかった姿が予想以上のものだったからだ。 エルマーにはディープインパクトだったようで まともにロゼアの顔が見れなくて冷や汗をかき顔を真っ赤にしている。
ロゼア「実はあなた達を私の家のお隣で数日前に見かけたんです。 宿屋に入るところでしたね。それから私は魔王討伐の準備で色々忙しかったんですけど、あなた達御家族が町中で噂になっていましたので… まさかルイーダの酒場でお会い出来るなんて。」
エルマー「そ、そうでしたか…(どんな噂されてるんだろう…) 宿屋のお隣はロゼア様のご自宅だったんですね。」
ロゼア「はい。私の生家です。今日誕生日を迎えて先程王様に謁見しまして、共に魔王討伐に行く仲間を探しに来たところです。」
エルマー「では今日16歳になられたばかりですか… お誕生日おめでとうございます。王様への謁見も今日だったんですね。」
ロゼア「ありがとうございます。お陰様で今日で成人しました。 あの…良かったらお名前を教えて頂けませんか。」
エルマーは終始緊張していて名乗るのをすっかり忘れていた。
エルマー(😱!わ、私とした事が…💧) 「はっ!し、失礼しました!私は…魔法使いのエルマーと申します。 どうぞお見知り置きを…。私達一家はロゼア様にお会いしたく、スーからアリアハンに参りました。」
ロゼア「!!…まあ…!そんなに遠い所から私に?…ご足労お掛けしました。こちらこそ光栄です。」
エルマー「いえ…。お手を失礼致します。ロゼア様への敬愛を込めて…。」
エルマーはロゼアの手を取り手の甲にそっと口付けをした。
ロゼア「わぁ…エルマーさんのような素敵な方に、こんな紳士的なご挨拶されたの初めてです…。」
ロゼアは照れくさそうに微笑んでいた。 美しい夕焼けの中でキラキラ輝いて見えた。
エルマーもすっかり顔が真っ赤になっていた。 ロゼアのその表情を見て完全に心を奪われてしまい、うっとりした目で彼女を見つめていた。
エルマー(ロゼア様…)
傍から見たらロマンチックなシチュエーションの中なにか鋭い視線を感じた。
バーバラ「ちょっとぉ、エルマー…その子誰ぇ?今その子のお手手にチューしてたわよねえ。 戻ってこないから外出たら夕焼けの中随分ロマンチックに見えたわよぉ、お二人さん…」
大分酔っ払っていてすっかり目が座っているバーバラが仁王立ちで現れた。 泥酔した妻を目の前にし、ロゼアに陶酔していた気分が一瞬で覚めてしまった。
エルマー「!!!うわっ!バーバラ!なんだ、すっかり酔っ払って…💧」
ロゼア(…金髪美人!わぁ…やっぱりエルマーさんとお似合いだわ…) 「あっ、エルマーさんの奥さんですか?���めまして。」
ロゼアはバーバラに軽く会釈した。
バーバラ「??え?あなた、あたしの事どうして知ってるのぉ?」
ロゼア「数日前、うちの隣の宿屋でエルマーさんに抱き抱えられてるところを見かけたんです。私は…!?」
ロゼアが名乗ろうとするとエルマーはサッと手を出し遮った。
ロゼア「エルマーさん?」
エルマー「ここは私が…バーバラ、よく聞けよ。 この方が私たちが会いたかった勇者ロゼア様だ。」
バーバラ「!!へ?えええぇ?んまああ!このコが例の女勇者様っ? ロゼア様ってお名前なのね!? ちょっとあなた!どこでロゼア様見つけたのよぉお?」
バーバラは夫の服の襟に掴みかかった。 エルマーは苦しそうにしている。
エルマー「ぐえっ!く、苦し… ロゼア様にお会い出来たからってコーフンし過ぎだろ、バーバラ…」
バーバラはかなり酔っ払っているが、会いたかった女勇者様を目の前にしてコーフンしているようだ。
龍人「ああ~ん?なんか女勇者様が云々聞こえたけどなんだぁ~?🌞」
エルマー「ゲホゲホ…!!わー…リュウトさんまでベロベロに酔っ払って…💧」 (代金いくらだろう…どんだけ飲んだんだコイツら😱)
ロゼアは状況が飲み込めなくてちょっぴり固まっていた。
ーーーーー
エルマーは謎にはずかしそうにしていた。
エルマー「なんか申し訳ありません…ロゼア様…💧実は我々一家と武闘家のリュウトさんは知り合ったばかりでして… それでリュウトさんとうちの妻が意気投合して沢山飲んでたみたいで… 娘が少し退屈そうにしてたので宿屋に送った帰りに 丁度ロゼア様にお声掛けして頂いた、という感じです…🤦‍♂️💦」
ロゼア「そ、そのようですね笑 酒場だとどうしても大人同士で盛り上がってしまいますし😅 お子さん、今宿屋に居るんですか。後でご挨拶に伺っても良いですか?」
エルマー「はい。是非娘にもお会いして頂ければ…。 娘もロゼア様に会いたがっています。寝ていなかったら良いですが。」
ロゼア「まあ嬉しい☺️たしか青い髪したお子さんでしたね? ぜひこちらこそ伺わせて頂きます。」
龍人「あえぇ?ロゼア様って…うおぉおおおぉお! そこの美少女が噂の女勇者様かあああぁあ!ひゃほーーう💞💖 うわー!はるばるジパングから会いに来たかいがあったわー! ロゼア様めっちゃ可愛い勇者様じゃ~ん😍ひゃは~❤」
バーバラ「いやーん!ロゼア様カッコ可愛いいーィ!😍 だからぁ、エルマァ、どこでロゼア様引っ掛けてきたのよーぅ…」
ロゼア(うーん、奥さんと武闘家さん?はかなり出来上がってるな💧 シラフなのはエルマーさんだけみたいね…) 「あ、ありがとうございます…」
エルマー「引っ掛けてって…💧 まるで私がロゼア様をナンパしたかのような言い方止めてくれ😑💧 私もそこの入口で知り合ったばかりだよ。」
バーバラ「んま~あ!知り合ったばかりでロゼア様のお手手にチューしてたのぉ?エルマーったらえっちねえ!」
エルマー「お手手にチューのどこがえっちなんだよ💧」
龍人「え~!エルマーさん、ロゼア様「と」チューしてたの? わーやらしいんだー🌟ひゃははh」
バーバラ「はぁ?💢エルマーったらロゼア様に何やってくれてんのよ!このドスケベ!」
ロゼア「えぇえええぇ?😳😳😳💦」
ロゼアは両手を頬に当てて真っ赤っかになっている。 エルマーは思いっきり吹いた。顔を真っ赤にして必死に言い訳した。
エルマー「そんなことしてない!!勝手に話盛って私をドスケベ扱いするな!! 私がキスしたのはロゼア様の手の甲だ!ロゼア様を敬うご挨拶をして何が悪いんだ。 お前ら敬愛のキスも知らんのか!!!信じられないなら調べてみろ!! はぁ…この酔っ払いどもめ…」
龍人「ひゃはははははwwwエルマーさんえらい必死なんだけど~笑」
エルマー「…💢」
ロゼア(😳…なんか誤解されてる💧) 「あ、あの…リュウトさん?にバーバラさん…ですか。 私、丁度王様への謁見が済んで、ここで魔王討伐に一緒に行ってくれる方を募ろうと思ってたんですよ。 エルマーさん達のご一家が今とても町中で噂になってたので、 丁度入口でお見かけしたから私がエルマーさんにお声掛けしたんです。」
龍人「あらま!エルマーさん達有名人なん?」
エルマー「その我々の噂なんですけど …確かに町に出る度に視線すごいんですよね。 アリアハン到着時に妻が船酔い酷くて、私が妻を抱き抱えて娘も連れて この町に入った時からザワつかれてしまって。」
バーバラ「あら、うちの家族そんなに噂されてたの? あたししばらく寝込んでてアリアハン見て回れてないから全然知らないんだけど💦」
龍人「えー!まあ数日前だろうけどつまりバーバラさんをお姫様抱っこしてここに来たって事か?そら目立つわなあ笑」
エルマー「お姫様抱っこて笑」
ロゼア「あっ、じゃあ私が見かけた日は多分エルマーさん達がここに来たばかりの日ですね。 あの時は皆さんのお顔見えなくて、お子さんの青い髪が印象的でしたけど… エルマーさんも青い髪されてますよね。珍しいけど私は綺麗な髪色だなって思いました。」
龍人「エルマーさん、その水色頭って突然変異とかなんかワケありなん? オレも水色頭のガイジンさんは初めて見たし、オレそういうの疎いから差し支えなかったら教えてくんない?」
エルマー「水色頭…苦笑 「青い髪」は散々言われてきたけど 水色頭は初めて呼ばれたな…😥なんかリュウトさんは表現が独特で面白いな笑」
龍人「うん、よく言われる笑😂」
バーバラ「水色頭😂あたしもエルマーに出会った時ちょっと珍しいなって思ったけど、 ふっつーに綺麗な色よね~確かに目立つかもだけど。」
バーバラと龍人は酔いが少し覚めてきたようだ。会話がまともになってきた。
エルマー「妻は私の諸事情をすんなり受け入れてくれたので良いんですが、 少なくともロゼア様とリュウトさんも今の会話の反応だときっと肯定してくれそうなのでお話します。」
ロゼア「エルマーさんが良ければ是非。」
龍人「うんうん!オレも聞きたい!」
バーバラ「なかなか深いわよ~このお話🎶」
ーーーーー
ロゼア達は酒場の中で改めて飲み直した。(エルマー持ちの追加料金で) エルマーは自身の青銀髪について話し始めた。
エルマー「大分薄いんですけど私は魔族の血を引いています。 見た目はほぼ普通の人間です。耳も尖っていないし。 私の母方の血筋のようなんですけど、母親は耳が尖っていました。 母の話ですと母の父親…私の祖父ですね。 祖父が半魔族らしくてやはり耳が尖っていたそうです。 祖父は会ったことないのでどんな方か分かりかねますが…。 (※大分後のお話ですが、エルマーの祖父が登場します。生きているようです。) この青い髪…我々は青銀髪と呼びますが、これが魔族の証みたいです。 あとは個人差で何らかの影響かな。恐らくさっきの唱えた記憶がないイオナズンもこの血の影響かと。 魔力だけは幸い強いみたいで魔法使いの職業が上手く活かせてると思います。 子供の頃はよくからかわれましたね、珍しすぎて。 血が途絶えない限りはいつまでも遺伝すると思います。 結婚相手がずっと人間であれば徐々に薄まっていくでしょうけど。 娘も青銀髪になってしまいましたね。あの子も子供でも魔力がとても強いです。」
ロゼアと龍人は同じ表情をして感心をしていた。 バーバラはうんうんと頷いていた。
ロゼア「そういえば、私が王様に謁見中に大きな爆発音聞こえましたね… 王様が「敵の襲撃か?!」と驚かれてました。 あれエルマーさんが放ったけど記憶のないイオナズンだったんですね😅なんでまた…」
龍人「なはは~💧オレがエルマーさんを女の子だと思ってナンパしたら キレられちゃって丸焦げにされちゃってさ~💦 んで、イオナズンした記憶がないし怪我させてしまってすんませんって事で、 エルマーさんの奢りでみんなでワイワイやってたわけよ~ひゃははは!」
エルマー(言い出しっぺは私だけど今日どんだけ飲んだんだよ…💧) 「なんか今日��目まぐるしい1日ですね笑 ロゼア様にも無事にお会い出来たのは嬉しいですが。」
バーバラ「あたしもロゼア様にお会い出来て嬉しいわ~! しかも凛々しくて可愛らしい子でビックリ! だけど旦那のそんな部分見たことなかったんで意外だったわ~。 あたしにもキレないでね、エルマー💦」
エルマー「お前が余計なこと言わなきゃキレないよ笑   女性にはそんなことしないけど。」
ロゼア「バーバラさん、ありがとうございます☺️ 皆さん、リュウトさんのナンパから始まった出会いだったんですか笑 確かにエルマーさん素敵な方ですものね☺️ 町の皆さんが「青い長髪の美形」と噂されてたのでお見かけしたとき、 噂通りでビックリしました☺️」
エルマー「そ、そんな風に言われてたんですか💦あ、ありがとうございます…😳😳😳 ロ…ロゼア様こそ…とても凛としてて可愛らしい方で…私も驚きました…ええ…。」
エルマーはモゴモゴしながらまた真っ赤になった。 すぐにノンアルを飲むフリしてごまかした。
ロゼア「!😳あああありがとうございます…🤦‍♀️💦」
ロゼアもまた照れまくっている。
バーバラ「あなた、ロゼア様が可愛いコで良かったわね~?」
バーバラは夫に冗談ぽく振ってみた。
エルマー「全く想像付かなかったけど、実際お会いできて本当に驚いた…」
エルマーはまだ照れくさそうにしている。 意外な反応だった。 バーバラは夫が他の女性にこんな反応をしているを初めて見た気がした…。
ロゼアは自分の両頬をピシャ!と叩いた。
ロゼア「ふー照れちゃって暑いっ!ごめんなさい。 そっそれで……青銀髪についてですが……💦 この世は魔族とかエルフとか色々な種族がいるみたいですからね…。 なので色んな種族の血が混じってくるのは自然の摂理ではないでしょうか。 エルマーさんの青銀髪…個性的で綺麗で素敵だと思います。」
龍人「うんうん!オレも水色頭珍しくてカッコいいと思うよ~🎶 かなりレアだからビックリされるのは仕方ないけど、何か文句言ってくる奴はシカトでいいじゃん。」
エルマー「うん、既にシカトしてる笑 生まれ持った個性と思って開き直っています。良かった、否定されなくて。」
バーバラ「んー…じゃあうちの娘は完全な人間のあたしの血も引いてるからまた少しばかり魔族薄くなっちゃったわね。 だからかしら…エレアの魔法が安定してないの…なんかごめんね😅 旦那と娘が魔法修行してるの見てると、娘の魔法があちこち飛んでったり、 マヒャドがヒャドになったり見てる分は面白いんだけど、 旦那は指導するの苦労してるみたい😅 あたしはただの主婦だし飛んでくる魔法を殴ったりするしか出来ないから…笑 そうね、もし仮にエルマーが将来再婚することがあったら、 例えまたその人が人間でもあたしよりも何かと能力ある人との子供なら 魔族としては薄れるだろうけど、まだマシになる気がするわ。」
エルマーはぎょっとした表情でバーバラに返す。
エルマー「えっ…私がさ、再婚?何をまた…。」
バーバラ「仮の話よ、仮!あたしは『ちからじまん』なだけで魔法も何もからっきしだから笑 だから次の奥さんがもしまた人間でもエルマーみたいな魔法使いとか、 ロゼア様のような勇者様ってくらいだからきっと剣も魔法もマルチな人とかなら、すごい子供生まれそうと思っただけよ。」
エルマー「わ……考えたことなかった。バーバラ意外と頭まわるんだな笑」
バーバラ「!!なによ、失礼ね!こう見えて結構考察とか好きなんだから。」
エルマー「はいはい。バーバラの新たな面を知ったよ🤭」
バーバラ「(舌打ちしながら)絶対バカにしてるでしょ…感じ悪!」
エルマー「ふふふ笑」 (再婚の仮定話だなんてビックリしたけど、 思わずもしロゼア様と私が結婚したら凄い子が出来そうだな、 ���んてちょっと思ってしまった…🙄💦恐れ多い事だな……)
ロゼアはバーバラの遺伝子学的な仮考察を聞きながら 頭の中で家系図を張り巡せていた。
ロゼア(うーん…🤔深い。今は戦士的な能力?のバーバラさんが奥さんだから、 つまりは魔法使いで魔族の血もあるエルマーさんとのお子さんは能力がエルマーさんだけど、 戦士的で魔法を使わないバーバラさんと半分こで魔法に副作用が出てしまっているってことよね。 もし奥さんが違う能力の持ち主であれば、子供は両親どちらの能力も引く可能性を秘めている…と。)
龍人「エルマーさん夫妻の漫才よ😂😂😂 そういやバーバラさん何の職業なんだろうと思ってたわ笑 なんか家でも面白そうな家族なんだなあ😂」
エルマー「あっ…冒険者登録まだだった…色々ありすぎて笑 いやあ…面白いというかなんというか…😅 傍から見たら風変わりとは思う。」
ロゼア「バーバラさんの例え話、とても考察が深いですね。 思わず仮の家系図?みたいなものを想像してしまいました。 夫婦漫才面白いです👏ふふふ。楽しそうな御家族なんですね🤭 リュウトさん(武闘家)とエルマーさん(魔法使い)は職業が明らかになっているので、是非私の魔王討伐隊に加わって頂きたいと思ってましたが、 バーバラさんの職業がお決まりでないのなら、良かったら私も選択お手伝いしますよ。」
バーバラ「あたしの仮考察なんかで家系図想像しちゃうなんてロゼア様頭良いのね~! 勇者様やってるだけあるわぁ… ロゼア様、さっきは失態晒してごめんなさいね💦是非お願いします💦」
ロゼア「いえ。お酒が入ったら楽しくなっちゃいますからね笑 じゃあ、バーバラさんって何か得意な事ありますか? 得意な事を活かした職の方が旅しやすいと思いますよ。 ご主人のエルマーさんとご一緒の方が良いでしょう?」
エルマー「ロゼア様…」
バーバラ「まあ…!なんか気遣ってくれてありがとう…。 実はね…勇者様が女の子だってロゼア様の事聞いた時 旦那が1人旅立とうとしてたんで、勢いで娘連れて旦那に付いてきちゃったけど、足手まといだったらどうしようと思ってたの💦 あたし、ロゼア様の事頑張ってサポートするわ!」
エルマー「わ、私は純粋にロゼア様の手助けがしたくて…。 ほら…勇者様とはいえ女性だし力不足な所もあるだろうと…。 お前達置いてくるのも心配だったから付いてきて貰ったけど、 それじゃまるで私がロゼア様目当てみたいで、ちょっと語弊があるぞバーバラ💧」
バーバラ「あら、ごめんなさい💦言葉足らずだったわね😅」
ロゼア「まあ…そうだったんですか…確かにもしそうなってしまったら旅先のご主人が気がかりになりますよね💦 そしてサポートありがとうございます。先程のお話で飛んでくる魔法を殴ると言ってたので笑 多分戦士がいいのかなと思いました。」
エルマー(…もし私が単身赴任だったらどうなってしまってたんだろうか…) 「さすがロゼア様ですね。妻は木こりの娘で『ちからじまん』だし、 地元でも魔物に物怖じせず斧とかフライパンで殴ったりしてくれるんで、私も戦士がピッタリかなと思ってたんです笑」
バーバラ「ちょっとエルマー!あたしが自分で話そうと思ったのに!美味しいとこ持ってかないでよ。」
エルマー「私が説明した方が早い笑」
バーバラ「くっ…無駄に頭の回転良くて腹立つわ〜」
ロゼア「まあ!エルマーさんもバーバラさんの職業同じように考えてたんですね! そしてフライパン!主婦らしい戦い方ですね笑  斧もお使いになるんですか?」
バーバラ「あっ、ええ…うちで薪割りよくやってるから…💦」
ロゼア「バーバラさん、お綺麗なのに豪快な方なんですね🤭 旅が楽しくなりそうです。じゃあやはり戦士が良さそうですね。」
バーバラ「そんなお綺麗だなんて…😭😭😭 あたしもうカッコ可愛いロゼア様に足向けて寝れないわあ~ じゃあ戦士になってきますので宜しくお願いします!!」
バーバラは両手でロゼアに思い切り握手した!
ロゼア「あっ…確かに握力すごいかも💦女傑同士頑張りましょうね。」
バーバラ「はい!ロゼア様に敬礼!」
バーバラはロゼアに敬礼し、酒場の2階に駆け上がって行った。
エルマー「ロゼア様、旅慣れぬ妻に御指導ありがとうございます… そして私達夫婦共々、魔王討伐隊に加えて頂き大変光栄です。」
ロゼア「いいえ。こちらもパーティーがすんなり決まって良かったです😊 頼もしい方ばかりで嬉しいです。回復面がちょっとアンバランスかもしれませんけど。 私、回復魔法は使えますが、念の為薬草も多めに買っていきましょう。 よろしくお願いしますね。」
エルマー「さすが勇者様ですね。判断がとても的確で感動しました。 これからよろしくお願い致します。」
龍人「ロゼア様ありがと~!オレも美少女勇者ロゼア様に付いて行けて嬉しいな~🎶 『女戦士バーバラ』かあ…なんかカッコいいね~🎶」
ロゼア「リュウトさん、私、一応成人したのでもう少女、ではないかも笑」
龍人「へ?ロゼア様まだ若いっしょ?15〜16歳ぐらいかなって思ったんだけど。」
ロゼア「リュウトさん、正解です!私、今日で16歳になりました。 アリアハンでは16歳が成人なんです。」
龍人「あらま!誕生日おめでとうロゼア様!なんか誕生日に討伐の旅開始っていい記念になるね〜!」
ロゼア「ありがとうございます。」
龍人「海外は成人基準違うんだぁ〜。ジパングは成人は20歳なんだよね~。 オレ今21歳でジパングでは去年成人なったばっかだけど、 アリアハンじゃいい大人の男なっちまうんだなあ。 そういやエルマーさん達はいくつなん?」
エルマー「へえ…ジパングでは丁度20歳で成人なんだ。 キレが良くて分かりやすいですね。 私もバーバラも25歳です。偶然にも同年代なんですよ。」
龍人「うぉおおお!大人の男女だ!!オレより年上だったのかあ~💦 ま、オレは気にしないけど🎶」
ロゼア「まあ!エルマーさん達、私よりも9つも年上だったんですね。 どおりでエルマーさん、紳士的で落ち着いてると思いました。 バーバラさんも大人の女性でお綺麗だし…リュウトさんも5つ上で頼れるお兄さんですね。」
エルマー「私はロゼア様から見たらおじさんですね😅」
龍人「ぶははは!なんかエルマーさんがおじさんって似合わんくない?😂😂😂」
ロゼア「そうかも笑 まだまだお兄さんでいけますよ。 25歳よりも少しお若く見えましたので年齢聞いて意外でした。 大人の男性には変わりありませんが。」
エルマー「ありがとうございます☺️💦なんか照れますね…」
ロゼア(エルマーさんは意外と照れ屋さんなのかしら… 素敵なのに可愛い面もあるのね🤭) 「リュウトさん、エルマーさん。これからは仲間として旅立つし、 『ロゼア様』ではなくてもっとお気軽に呼んで頂けたらうれしいです! 私が勇者オルテガの娘という事を気にせずに仲間の一人と思ってお気軽に接して下さい☺️」
リュウト「あら!じゃあオレはロゼアちゃんって呼んじゃお〜っと!😍」
エルマー「では、私はロゼアさん、と…☺️」
バーバラ以外の3人が互いの年齢の話で盛り上がっていたら、 酒場の2階からバーバラが戦士となって恥ずかしそうにゆっくり階段を降りてきた。
バーバラ「あの……ロゼア様💦登録終わったんだけど、 この鎧セクシー過ぎないかしら…もうちょっと布が欲しいかも……」
女戦士として舞い降りたバーバラは露出が高いボディラインが 顕著に出てしまっているセクシーな鎧で参上した。 バーバラは1児の母とは思えぬ胸とお尻が少し大きめなグラマー体型だった。 今までの服はボディラインがあまり目立たないフレアスカートのワンピースだったので (夫以外)バーバラが予想外のスタイルで驚いた。
ロゼア・エルマー「!!!!!!!👀👀👀」
龍人「うっわ!!すっげーーー💖💖バーバラさんめっちゃグラマーじゃ〜ん!!! これはエルマーさん夜もめっちゃコーhn…いて!」
エルマーは恥ずかしそうに黙って龍人に脳天チョップした。
龍人「なーんだよー!エルマーさん子供いるくせにぃ笑」
エルマー「…恥ずかしいんで黙っててくれますかね💧」
エルマーは龍人のスケベさに呆れながら、顔を真っ赤にして照れくさそうに自分が羽織ってた深緑のローブを妻に羽織らせた。
エルマー「バーバラ、取り敢えずこれ羽織っとけ。さすがに目のやり場が… まさか女戦士の鎧がここまで刺激強いとはちょっと予想外だった…」
バーバラ「ありがとエルマー…😭💦」
ロゼア(わ、さすがエルマーさん…紳士🎩だわぁ😳) 「わ、私もなんかすみません…💧戦士お勧めしといてなんですけど、 女性の場合はセクシーなデザインの鎧だったこと すっかり忘れてました…ほんとごめんなさい! でもスタイル良くて羨ましいです!😳😳😳(私あんまり胸ないから…💧)」
バーバラ「ありがとうロゼア様💦 あたしは昔からちょっとぽっちゃりだったから… こんな露出たっかいアーマーじゃ、さすがに歩くのすら恥ずかしいわ… どうしましょ…💧いつまでも旦那のローブ借りてるわけにもいかないし…」
エルマー「私は全然構わんぞ。寒い所以外なら。」
ロゼアはとっさに閃いた💡
ロゼア「あ、あのバーバラさんとてもグラマーなので 私のアンダーウェアが合うか分からないんですけど、それ付けてみたら違うかも… これから私の家に行きましょう!母にも祖父にも討伐パーティーが決まった報告もしたいですし! その後宿屋でエルマーさんとバーバラさんのお子さんにも是非お会い出来たら、と…」
龍人「え~オレそのままのバーバラさんだったら 会心の一撃出まくって張り切っちゃうけどなあ💖」
エルマー(いくら妻でもずっとあんな露出高い装備だったら気が散る💧)
バーバラ「おっお願いします😭これじゃ恥ずかしすぎて戦えない💦」
ロゼア「じゃあ決まりですね!皆さん早速うちにいらしてください💦 この酒場のすぐ向かいなんです。」
今日は女勇者ロゼアの16歳の誕生日。 個性的なメンバーと出会い、これから彼女達のわちゃわちゃな冒険活劇が幕を開ける…。
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あいびき
「おとなっぽい格好をしてきてくださいね」と言われたからそうしたのに、一軒目をあっさり断られたので笑うに笑えない。赤いちょうちんのある軒下で、楓さんは店員さんに頭を下げたり下げられたりしている。「すみません」とか「こちらこそ」とかくり返し言い合う影かたちを眺めていて、どちらも同じ、人間なんだと不思議に思う。  長いやり取りを終えて、楓さんは私を見る。「行きましょうか」と、明るい方へ導く。連れ添って歩きはじめると、もう一度、彼女は振り返って店員さんへおじぎをする。私も(なんとなく)それにならった。頭を上げて、再び歩き出すと引き戸が動く音がからからと聞こえた。なにしろ年が明けたばかりだった。あたりはあまりに静かで、丁寧さと思いやりをもって閉ざされた扉の音でさえ流れ星みたいに響いた。  突然、彼女が足を止める。「ごめんなさいね、加蓮ちゃん」と、その言葉に似合いのにこやかなほほえみを私に差し出す。「大丈夫だって、思ったんですけど」 「気にしてません」と引き換えるみたいに笑顔を差し出す。できるだけ同じトーン、少なくとも遜色がないくらいにはできていると思う。「むしろ入れなくて、ほっとしてるくらいです」 「素敵な場所ですよ」 「いえ、高校生だしアイドルなんで正直こわいです」 「ささやかな問題だと思いませんか?」 「まさか」 「残念……加蓮ちゃん、お店のあてはありますか?」 「ファミレスになりますよ。私の好きな店って夜はやってないかバー営業、ただでさえ新年ですし」 「ファミレスで一杯もいいですけど」そう言いながら、彼女はスマホを取り出してどこかへコールする。光る画面を耳におし当てるその寸前に「せっかくなので、二人きりがいいですよね」と言って、返事を待たずに話しはじめる。それはすぐにうまくいったみたいで、靖国通りまで出てやっと拾えたタクシーの車内で彼女は小さく鼻歌を歌った。  私は返事をしなかったし同意もしていなかったけれど、無���係に景色は流れる。四谷を過ぎてすぐ、市ヶ谷に差しかかると鼻歌は私の持ち歌になった。やけに明るいトーンで、お酒のにおいはしないけどこの人もう飲んできてるのかもしれない、そう疑い出したころ車は神楽坂の途中で停まる。テールランプが私たちを置き去りにすると、あたりに静寂が落ちる。鼻歌はもう、終わっている。 「では、行きましょう」  そう言って彼女が腕をからめた、と気付いた瞬間にはもうそれは剥がれている。私が剥がした。自分でしたとわからない、信じられないほどの速度で、静電気に打たれたりかみそりの刃で指先を切ったりした、そういうたぐいの反射だった。 「あら、しょんぼり」と彼女は言う。 「ごめんなさい」と私は答えた。 「こういうの、苦手でした?」 「いえ、いきなりだったので」 「そうですか」と笑って、彼女はそれ以上追いかけてこない。予想した次の言葉はこう。いきなりじゃなければ平気ですよね。私ならきっと、そう言う。私には、彼女の意図がわからなくなる。  ほどなく目的の場所に着いて、彼女が扉を開く。長細いサインライトみたいなマリンブルーの管でつくられた文字(『r』から始まる発音さえ定かじゃないそれは、きっと英語じゃない)を判読する間も与えず地下へ降りる彼女に、私はしたがった。階段は青と白の管で照らされていた。壁にちりばめられた塗料が光をはじいて、深海探査のようなおそろしさを感じさせた。遮音構造なのだろうか、石畳にあれほど高鳴った足音は少しも響かなかった。  彼女は一度も振り返らない。内扉を開くとバーカウンターにいる灰色の髪をした(いまいち年の掴めない)男性に手だけで合図をして、奥へ進んでいく。電球色の間接照明が照らす店内には数人、数組の先客がいて誰も私たちを見ない。二重の暗幕をくぐるとまた扉があって、それを開いてやっと彼女は「どうぞ」とだけ言った。  迷うことはなかった。そんな余裕もなく、見えないだけでそこにある無数の腕に突き飛ばされるみたいにして踏み込んだ。けれどその場所は、とても優しい。オレンジの照明には暖かさがあって、アイボリーカラーの壁面にある穏やかな凹凸に丸みを帯びた陰影を落としている。インテリアは極端に少なく、白と黒の革張りのソファがガラステーブルを挟むかたちで一脚ずつ並んでいるのと、コートハンガー、背の高い室内植え、ワインレッドのクッション、それくらい。  それと、テーブルの上で湯気をたてる湯のみが二つ。 「どちらがいいですか」と聞こえた。どっちでも、と言いかけて口をつぐむ。どっちでもいいわけがなかった。私は白いソファ(それは扉に近い)を選んで座ると、「意外とふわふわじゃない、っていうかそれなりですね」と答える。 「これくらいの方が、長時間でも疲れないものですよ」と彼女はコートを脱いだ。ついでにと私のコートやストールもハンガーにかけると、黒いソファに座って湯のみを傾ける。ほ、と息をして、「落ち着きませんか」と私に訊ねる。 「まあ、正直緊張してます」 「というか、警戒ですよね」  そう言ってやわらいだ彼女の表情には警戒をほどこうなんて気づかいはさらさらなくて、ただ、それはどこまでも美しい。私は突然、目の前の湯のみを掴んで中身をその顔にぶちまけたいという強迫的な衝動におそわれる。とどまっていられた、実際にそうせずにいられたのは、空想の彼女が少しも変わらずほほえんでいたからだった。 「前はふつうに喋ってくれたのに、私、さみしいです」 「……そうでしたっけ」 「覚えていますよ」 「じゃあ、タメ口でいいの?」 「まあ、嬉しい」 「冗談ですよ」 「あら残念」 「っていうか、ほんとに緊張してるんです。それだけ」 「そうですよね。逆だったら、私でもそうだと思います」 「楓さんが緊張って、イメージ湧きませんけど」 「そんなことありませんよ、ほら」  そう言って、彼女が広げて見せた手のひらに緊張らしいサインはかけらもない。ただそれは美しくて、これを好き勝手にできたら、高価格帯のオイルを思うまま使ってハンドマッサージをしたり、お気に入りのクリームでたっぷり時間をかけてケアできたらと思う。そうして、ベースから丁寧に家事の一つもできないくらい凝った、蝶やサンゴをモチーフにしたネイルを空想の指先に重ねる。  私は、「ぜんぜん普通じゃないですか」とだけ答える。  彼女はほほえんでメニューを広げると、「実はもう、飲みたくて限界で」と鎮痛薬にすがるみたいに言った。それで私が素直に笑うと、彼女は喜んだみたいに見えた。  ひとまず、とドリンクだけの注文を終えてやっと、私は「ここ、未成年平気なんですか」と訊ねた。  彼女は「平気、ではないですね」と答える。「ばれたら私もお店もおしまいです。もちろん加蓮ちゃんも、ああ、事務所もでしょうね」 「いやだめじゃないですか」 「だから大丈夫なんです」 「あの、意味わからないんですけど」  彼女はなぜか、楽しそうに笑う。私は理解できなくて、軽い苛立ちを感じる。気付いていないのか、いるのか、彼女はのんびりと続ける。 「芸能関係の方がよく使うんですよね、ここ。うちの事務所でも、内緒話なんかしたくてお世話になるひとが多いんです。で、私たちは落ち着いていてプライバシーの守られる場所をもらう。お店はその代わりに、たくさんお金を落としてもらう。つまり互いになくなったら困る、ええと……そう、信頼があるんです」  うまく説明できたと納得するみたいに両手を、ぱん、と合わせると、「だから加蓮ちゃんも内緒にして、それとじゃんじゃん頼んでくださいね」と彼女は言った。私が答えようとするとちょうど店員が部屋をノックして、白ワインとマスカットジュースを運んでくる。優雅に一礼して去ろうとする彼を呼び止めると、ミートソースチーズのフライドポテト(それはいつも食べてるのの十倍する)とマッシュルーム・トマトのカルツォーネ、それとマルゲリータピザをたて続けに注文する。今度こそ優雅に彼が去ると、楓さんが「私も、いただいていいですか?」と訊いた。 「どうぞ、でも私が払いますから」 「……もしかして、おこってますか?」 「全然。でも、ちょっと悔しくて」 「悔しい」 「憧れます。大人っていいなあって」 「そんなこと……いえ、お互いないものねだりですね」 「それ、そういうのずるいと思いますよ」 「そうですね。いいこと、たくさんありますよ。たとえばこれ、飲んでみますか?」  彼女はそう言って、「手酌が好きなんですよね」とつぶやきながらボトルからワインを注ぐ。ライブやイベントの中打ちで感じるような粒が粗くて鼻をつくのとはまるで違う、滑らかで心地よい空気が室内に広がっていく。グラスが私に近づくと、アルコールと果実を一糸ずつ細やかに織り上げたような香りがそっと心をひと撫でする。 「どうぞ」と彼女は言った。 「信頼は? どうしたんですか」 「誰も見てませんよ」 「私がいますけど」 「共犯です。ひとりじゃないって、いいですね」 「やっぱり大人ってよくないですか」 「そのとおりです」  そうして彼女がほほえむと、胸の内の小さな苛立ちはぱっと消える。代わりにその場所を埋めた軽い心地が、体を動かす。私はジュースグラスをワイングラスにぶつけると勝手に、彼女より先に口をつける。それだって、いつも飲むようなジュースの何倍もする。だけど同じ倍率でおいしいとか嬉しいとかそんなことはなくて、ただ、ワインを一口含んだ彼女が満たされたみたいに頬を緩ませると、わけのわからない幸せを舌に感じた。  わけのわからないものは、だいたい私にとって正しい。  私が「おいしい」と素直に口にすると、彼女も同じ瞬間、同じように「おいしい」と言った。その音程がひどくずれていて、むしろ計算され尽くした和音のように美しく響くと、私たちはやっと同じことに笑った。
 *
「で、本題なんですけど」ひととおり料理が揃うと、ざっくり髪をまとめて彼女は切り出す。ボトルを手にするのはもう四度目で、その勢いもグラスに注がれるワインの量も減ることを知らない。「奈緒ちゃんと美優さんのことです。加蓮ちゃんはどう思いますか」 「仲良しだなあって思いますけど」私はピザをつまみながら答える。ちゃんと、所在なさげについてきたフォークは無視した。こういうのは、手で掴んで食べるのがマナーとして正しい。「いいじゃないですか、べつに」 「ぜんぜんよくないです」 「はあ」 「だって、私まだ連れていってもらってないんですよ」 「私は行きましたけど」 「ひどい」 「あはは、つい」  かわいい人だなあと思う。夢か、そうじゃなければ嘘みたいにきれいな目にうっすら涙さえ浮かべながら、またグラスにワインを足す。飲まなきゃやっていられない、そんな仕草がよりいっそう彼女を愛らしく映すと、私は黙ったまま感謝をする。誘ってくれてありがとうございます。あなたのこんな、だらしない姿が見れた私は幸せです。あなたでさえ人間であるということが、なんだか嬉しい。モナリザがハッピーセットを頼んでるのを見た、そんなかんじです。 「いただきます」 「どうぞどうぞ」  彼女はピザを、礼儀正しく指でつまむ。深いブレスをしてからの発声みたいにしっかりと口を開いて、食べる。するとチーズが、モッツァレラチーズの白い糸が細く長く彼女の口から伸びた。オイルで濡れてよごされた唇から垂れさがったそれは、うるんだ瞳やほの赤い頬のせいか獣がたらす唾液のように見えた。  一瞬のことだった。彼女が口もとをナプキンでしっかり拭うだけで、獣は姿を消した。 「ところで奈緒ちゃんとのセックスはどうですか」とピザを一カット食べ終えて彼女は言った。聞き間違えだと信じようとしているうちに「あれ、もしかしてしないんですか。ごめんなさい、私てっきり」とたて続けに言った。 「酔ってます?」と私はおそるおそる訊く。 「酔ってません!」と彼女は胸を張って答える。 「いや、酔ってますよね」 「わかりました、酔ってます。加蓮ちゃんはどうですか」 「しらふですけど」 「セックスのことです」 「やめませんかその話題」 「ガールズトークですよ。いいじゃないですか」  私は、今度こそぬるくなったお茶をひっかけて帰りたくなる。けれどその顔がもうどうしようもないほどかわいく見えるので、できない。 「私、憧れてたんです」どうするか、つまるところ繋ぐか手放すかを決めあぐねているうちに彼女は言う。視線をどこか遠く、きっとこの世界の誰も知らない場所へ向けながら、目で私を見ている。あいまいに。ただ、はっきりと。「私、加蓮ちゃんくらいのころそういう話のできる友達っていなくて、憧れなんです。今も、まだ」 「片桐さんとか高橋さんとかとしてください」 「加蓮ちゃんとしたいんです」 「なんでですか」 「だって私とおんなじ……」 「なにがですか」 「さみしいでしょう」と彼女がぽつりこぼした声が18ゲージ針のにぶさで心を貫くと、私は覚えず左ももの付け根をおさえた。水着になってもうまく��れるそこには誰も知らない、奈緒と私だけが知っているあとがある。決して医療的ミスなんかじゃない、単に何度か埋めた針の一度ぶんがくっきりと残った、それだけのあと。奈緒としたセックスの十何回目か、はじめて昼ひなかの温かな光の内側でそれをしたときキスをくれて、涙を落としてくれた、そういうあと。  きれいだよと奈緒は言って、意味をくれた。その一回のセックスを台無しにした代わりに私の命へまた一つ永遠の火をともしてくれた。 「知ったみたいに言わないで、……くれませんか」と私は答える。かけがえのない贈り物をたくさんしまった、ふたりだけの宝石箱を覗かれたみたいな気分だった。今夜起きた、起きること全てがひっくり返ろうとしているとそのとき感じた。  けれど彼女はすぐに謝る。「ごめんなさい」と言って深々と頭を下げると、「嬉しくて、ちょっと……調子に乗ったみたいです」と続ける。ざっくり束ねてよれた髪とかぴんと跳ねたあほ毛とか、そういうものは燃え上がろうとしていた怒りを簡単にくすぶらせた。  かわいいものはずるい。それは万人の魔法だし、私にとっては特別、心の奥深くまで打ち込まれたくさびだ。子どものころ夢見たテレビの中のアイドルはみんな、みんなすごくかわいかった。 「こちらこそすみません、失礼だったと思います」 「ではお互いさまということで、仲直りのあーんを」 「しませんけど」 「うふふ、残念」  私たちはそれぞれフォークを掴んで、ナチュラルカットのフライドポテトを食べる。それはさっぱりした味わいのミートソース、チェダーチーズやミックスビーンズで彩られていて、うっすら冷めかけた今頃の方がおいしく感じられる。私はけっこう夢中になった。これのためだけにまた来たいなとか誰に連れてってもらおうとか考えていて、視線に気付くのは遅れた。それを待っていたように、「私の話は聞いてくれますか」と彼女は静かに言った。つがいをなくして真冬にささやく鳥のような声だった。  私はほとんどあわれに感じて、ちょっとだけ(本当に、ちょっとだけ)の興味もあって「まあ、聞くくらいなら」と答える。それでかがやく彼女の瞳、しっぽを振り出した仔犬みたいな表情をまた、かわいいなあとのんきに思う。  彼女は話しはじめる。 「美優さんはですね、含羞のひとなんです。がんしゅう、わかりますか? ええと、すごく恥ずかしがりやさんで、ほとんど私からするんです。ちゃんとキスから始めて、さりげなくお誘いします。気をつけて、ゆっくり心から開いていって体、心、体、そんなふうに織りあげないとうまくいかないんです。今みたいに私ばっかり酔ってるときなんて、最低ですね。美優さんはそれでも断ったり私をむげにしたりしてくれないので、ほんとに自己嫌悪です。もう二度と呑むもんかって思います。あの、笑うところですよ。  でも、ですね。あるんです。指で美優さんにさわったとき、うなじとか頬が多いんですけど、静電気みたいな感覚が走るんです。そしたら次がわかります。つながる。私のさわる場所と美優さんのさわってほしいところが同じになって、磁力、いえ、魔法みたいに引き合うんです。そうなると、もう何もかもがうまくいきます。ああ、肩胛骨のちょっとだけあるふくらみ、いちばん尖ってるところにさわるんだなあ、下着を外すんだなあ、内緒ですけどホックに指をかけたらいつも息を呑むんですよ、美優さん。それが、たまらなく愛しい。緊張してるのがわかるので、私は心から優しくしたいって思います。なのに、うまくできない。私の中には大きな、それはもう大きなけだものがいて抑えるのはほんとにたいへんです。気を抜くとあっという間に魔法が解けます。だから丁寧に、愛していますって言葉にしながらできるだけそんな気持ちが伝わるようにして背中から腰に」  私は「ちょっと待って」と言う。うっとりと、今まさに恋人を見つめていたみたいな目でまたたきをくり返して、「いやでしたか?」と彼女は言う。  私は答える。 「奈緒はほんとに、もうじれったいくらい照れるの。最近はまだましになった方だけど、ぜんぜん。だから私が腰、っていうかそのちょっと下のまるい骨があるとこに触るとすごくびっくりするんだから。感じるとこだってのもわかるし、もう慣れてもいいじゃんって思うし、何よりかわいいの。私はそのとき震える体も心も、ぜんぶ愛しいって思う。やわらかくて、あったかくて、もうなんて言えばいいのかわかんない。とにかく、私はそこをたっぷり触ってから下着を外すんだけど、でも、そこで上着を脱がしちゃだめなの。そうしてから肋骨のあたり、ぜったいおっぱいに触らないようにして、ゆっくりゆっくり作りあげていくの。体も心も、奈緒だってそうしないと、ぐじゃってした結び目を解くみたいにしないとだめだし、私は、そうしてる時間が大好き。こんなに幸せでいいのって、いっつも誰か、何かに祈りたくなるみたいな気持ちになる」  彼女は、「まあ」と言う。突然のお祝いをもてあますみたいにグラスのわずかなワインをあおって(ボトルはとっくに空になっている)、唇をしめらせるとその話を続ける。 「わかります、本当にわかります。祈るみたいな気持ちです。美優さんの胸に触れるとき、私は特定の神様を信じているわけではないんですけど、ちゃんとこのひとが感じて、きもちよくなってくれますようにって祈ります。でも、美優さんはすごいんです。私がどう触っても、じらすみたいにしても突然ぎゅっとしても、こう、輪郭をそっとなぞっても、どうしたって私の思うまま感じてくれるんです。時々こわくなります。このひとは、もしかして私の欲望が造り上げたまぼろしなんじゃないかって、おそろしくてキスをしてしまいます。脚をからめたり指と指をつないだり、そうしないと続けられません。でも、そうすると声が入ってくるんです。あのひとの、あの声……」  私は答える。こんなこと言うべきじゃないと思いながら、また彼女の言葉を奪う。 「わかるよ、あの声。くぐもって湿ってる。熱くて、つらそうで、きれい。あんなにすごい音、この世にないって思う。でもね、奈緒って隠すの。恥ずかしいことなんて一つもないのに、手でこう、口をおさえるんだよ。私も躍起になるんだけどやっぱり力じゃぜんぜん勝てないから、もっと触るしかない。一つひとつ、丁寧に、唇もべろも使うけど歯は絶対にあてないとか、やだがどのやだなのか聞き分けるとか、ちゃんとすると奈緒もこたえてくれる。心も体も開いていってくれて、つながる。私は生きてて良かったって思う。大げさかも、でもたしかに人生を彩ってくれるの、奈緒とするセックスは」 「大げさなんかじゃないです。愛して愛されて、そんな幸せってないですよね。ねえ、加蓮ちゃん。隠す、って言ったじゃないですか。美優さんもそうなんです。しかも両腕、両腕ですよ。絶対に私から見えないように、目を覆うんです。でも私は、あの、いやになったら止めますからね。ええと、下を舐めながら見上げるのが好きなんです。そうしていると、腕がほどけていくのがわかります。少しずつ、うまく隠せなくなっていって、とうとう片腕がシーツを掴む。もう心の中で私は叫ぶんですけど、まだ続けます。それで、美優さんは両手をシーツにすると体をよじって隠そうとするんです。ほんとに、いじらしいですよね。私からはぜんぜん見えてて、たまに目が合うときなんてもう最高です。わかります、よね。きっと」 「もちろん。私は舐めるのが苦手、っていうかべろが固くてあんまりうまくできないから下は指でするのが多いんだけど、そういうとき見下ろすのが好きなの。奈緒も体をよじるタイプ、っていうかそう、がんしゅう。合ってる? まあいか、とにかく上から、絶対に逃がさないってかんじで見てる。一瞬��け私を見上げたり、だんだん息が早くなってって、そのうち声も出なくなって唇をぎゅっと噛みしめるの。優しくしなきゃ、そう思ってもそのときになるともう無理で、たぶん私の中にもけものがいるんだね。楓さんと、おんなじ」 「そう、そうですよね。嬉しい、実は私、いきおいで喋っちゃいましたけどこんなこと誰にも話したことなくて、当たり前なんですけどね、ああ、お酒って怖い。ところでこれ、割ってもいいですか?」  そう言って、彼女はカルツォーネをさす。私が頷くと、フォークで二つに分けてくれる。「二人きり、ですから」と言ってすぐに指でつまむと、それを口に運んだ。その仕草を、咀嚼され尽くしたカルツォーネが喉をゆっくりと起伏させるまでじっと見つめて、私は彼女にならう。するとトマトのかたまりがガラステーブルに落ちて、まだ生あたたかい果肉がにぶく潰れた。赤い液体がわずかずつ流れる様子をしばらく眺めて、それがテーブルの際からこぼれそうになると、指でぬぐった。
 *
「冷めても意外とおいしいものですよ」と彼女は言った。実際のところ、ほとんど常温のお茶はぜんぜんおいしくなくて、私はたっぷり時間をかけて飲み干す。喋りすぎたから、その温度だけは心地よく感じられた。 「奈緒と美優さん、どんなこと話してるんだろうね」と私は言う。 「私たちのこと、じゃないですか」 「こんなはなし、絶対しなそうだけど」 「わかりませんよ。お酒が入ると、美優さんすごいんですから」 「それって、そういう意味?」 「さあ、どういう意味でしょう」  そう言って彼女がほほえむと、世界さえ調子を揃えて笑った。とても愛らしくて、私には憎らしく感じられた。席を立った隙に会計を済まされたこととか、帰りのタクシーも手配してくれてたことが素直に悔しくて、「大人って、やっぱりずるい」とこぼした。  彼女はほほえみを崩さない。にこにこと、それこそ小さな子どもに接するみたいな表情のままテーブルから身を乗り出すと、私の髪をなでた。そうして、「ゆっくり、すてきな大人になってくださいね」と言った。 「あー悔しい、絶対そっちに行くから」 「楽しみにしてますよ」 「奈緒も連れて、目にもの見せてやるってかんじ」 「じゃあ私は、美優さんをはべらせて待ってます」 「へんな言葉」 「うふふ、一度使ってみたかったんです。それだけ」  そんなふうに過ごしているとノックの音がして、タクシーが着いたことを店員が知らせた。個室を離れ暗幕をくぐると、景色はまるで違って見えた。店内の客はすっかり入れ替わっていたし、照明は温かく、眠りたくなるくらい心地よい。着いたときには鳴っていなかった(気がする)音楽が、スピーカーから静かに流れていた。ピアノと男性の歌声、彼の声はひどいだみ声なのに、不思議とそれをきれいに感じた。  バーカウンターの、灰色をした髪の男性がちらりとこちらを見る。楓さんは彼にひらひらと手を振って、私は会釈をする。彼はつつましく、何も言わないかわりに口角をかすかに上げて応えた。  内扉を開くと、そうだ、深海探査のような色合いが出迎えた。私たちは浮上する。マリンスノーがうす暗く、ほんの一段先を行く彼女の背中にそそいでいる。サインライトは、『rendez-vous』という店名を記していた。あとで調べてみようと思いながら、私にはこれを忘れてしまうという確信があった。私は今夜眠ったならたくさんのことを覚えながら忘れていて、彼女とどんなふうに話せばいいのかわからなくなっている。だから丁寧に、失礼のないように声をかけると彼女もあたりまえに接する。その光景をぼんやり浮かべていると、強い風が吹き下ろした。少し体勢をくずしかけたところに、すかさず彼女は手を差しのべてくれる。正直ひどい酔っぱらいだと思っていたのに、その仕草があまりに俊敏で私はぼんやり受け入れるしかできない。彼女の腕が腰にまわされて、もちろんそれでときめいたりはしないけれど、そのときやっと、さみしいと素直に思えた。 「平気ですか」とたずねられて、あなたは、と訊き返しかけた。私が頷くと、それで納得したみたいに彼女は石畳へ踏み出した。私は追いかけた。 「冬ですね、ああさむい」と彼女は小さく言う。その言葉にとても似つかわしくない、ぴんと伸びた背すじを街灯とハザードランプが交互に照らしている。赤と白。それ以外に明かりは一切なかった。街は眠っていて、人々も、月や星もすべてどこかへ行ってしまったみたいだった。 「風が、ふゅーと……」彼女はそんなことを口ずさみながら、ビルの隙間に綴じられた景色を見上げている。長細い四角のかたちをした空を見つめる横顔が、たちのぼる吐息の煙が、くり返し色を変える。「ふゅーと……吹いて、ええと……」  そのとき何かが、強い直感や確信が私を貫いた。考える、意味をたしかめる間もなく体は動いていた。そういうことはいつも、私にとって正しかった。たとえば奈緒にはじめてキスしたときなんかがそう、命ごとゆだねるみたいに激しい衝動に従うとき、何かが壊れて私は何かから自由になる。  ハザードが点滅する、その一瞬で彼女を追い越すと助手席の窓をノックした。開かれた扉に腕ごと一万円札をつっこんで、「ごめんね、友達がもう一軒っていうからキャンセルさせて。これ、迷惑料ってことでいい?」と運転手の男性へ一方的に言った。おとなっぽい格好をしてきたから、きっとさまになった。  お札だけを乗せたタクシーは走り去って、あたりに極端な静寂を��とす。エンジン音や点滅するランプのせいで気付かなかったけれど、ここはとても静かだった。 「ってことなんだけど」と私は振り返って、スマホを取り出す。ぜんぜん少しの猶予も与えないままお母さんの名前、通話をタッチすると「口裏、合わせてよね」と言った。  そうして今日は泊まりになること、事務所の先輩の家に泊めてもらうことを告げると、ちょっと代わるねとスマホを差し出す。彼女はそれを受け取って、「加蓮ちゃんのお母様ですか。わたし、高垣と申します……」と話しはじめる。大人びて、慎みがあって、ばかばかしいくらいまともなその受け答えを聞いていると、不意にそのわきばらあたりをくすぐりたくなる。白い、スマートなラインをしていて手触りも良さそうなコートの上から、思い切り。 「それでは、加蓮ちゃんにお返ししますね」と差し返されたスマホを私は受け取る。失礼のないようにとか、あの高垣さんなのとかいう声を聞きながら、彼女を眺める。宙をふらふらさまよっていた手のひらが、やがてピースサインになると空に大きくかかげられる。私が同じかたちをつくると、ふたりで見上げた夜空でかすかに、いくつかの星がまたたいた。  通話を終えてまず、私たちは写真を撮った。サインライトの前で、それぞれのスマホで撮ったツーショットに『これから二次会』というトークを添えて、それぞれ恋人に送った。返信はないし既読もつかないので恋人たちはもう眠っていると早々に結論づけて、次の朝どんな返事がくるのか話しながら二軒目を探しはじめた。けれど時期も時間も、私たちの立場もあってそれはうまく見つからない。同じお店にまた入るのもなんだか、という意見を私たちは共有していて、それでしぜん彼女の家に行くことが決まった。夜風がなんだか心地いいので、飯田橋あたりまで歩いてタクシーを拾おうと話した。  私たちは坂をくだりはじめる。わざと靴音を高く鳴らしたり鼻歌を重ねたりして、それでも、決して腕をからめたり手をつないだりしない。ふたりで彼女の家に行って、心ゆくまで話したならそれぞれ眠る。私はやわらかなソファか、それとも彼女のベッドが、どちらにしても一緒に眠ることはない。そうして夢のような、浮遊する感覚のうちに目を覚ますとスマホには疑問だらけの返事が届いていて、私たちはそれを見せ合う。すると眠る前にあったことがすべて夢やまぼろしじゃないんだとわかって、寝起きの嗄れた声で笑う。そのとき、カーテンの隙間からそそぐ朝日がやけにささやかだと気付いて勢いよくそれを開くと、東京にこの年はじめて降る雪をふたりで眺める。
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toxgo · 2 years
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2022 冬アニメ
季節が流れるのは早いもので、冬アニメの時期がやってきました。誰が何と言おうと今期の1番の注目作品は「進撃の巨人 The Final Season Part2」である事は間違いないです。遂にアニメ版も終わってしまう切なさを感じてますが、#77 "騙し討ち"から既に泣いてしまいました。OPに入るまでの緊張感。ジャンのカッコ良さ。ジーク登場時の鳥肌。ナイルさんの大人としての振る舞い。ファルコがガビにやっと伝える事が出来た想い。本当に24分間が完璧でした。そして、あのイェレナのシーンもバッチリでしたね笑 MAPPA制作の圧倒的なクオリティの高さを毎週楽しみにしてます。今回はそんな"進撃の巨人"以外の冬アニメオススメ作品ついて。
からかい上手の高木さん3
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まずは"からかい上手の高木さん"シリーズ。今作がシーズン3。そして劇場版も今年公開予定。個人的なアニメの定説としてシリーズが続いてるタイトルはだいたい面白いです。雑 話題性や人気はもちろん必要ですが、円盤の売り上げやタイアップなど様々な大人の事情をクリアしないとシリーズ化しないのがアニメ業界。なので第3作目まで続く作品は安心感がハンパじゃないです。
「髪型センター分けの可愛いアニメヒロイン」ランキングがあればTOP10にランクインすると思うヒロインの高木さん。ちなみにMen'sランキングの1位はやっぱり人類最強の男こと"リヴァイ・アッカーマン"ですかね?
そんなしっかり者で少し大人っぽい高木さんはクラスメイトでとなりの席の"からかい"がいのある西片くんに想いを寄せています。彼への恋心を"からかい"というオブラートに包んで描かれるラブコメ作品です。恋愛の駆け引きが上手い高木さんと、その高木さんを見返そうと空回りする西片くんとの掛け合いが微笑ましい基本1話完結型。でもシーズン2の第11、12話の2話構成で描かれた"夏祭り"の回は甘酸っぱさ全開のエモ回でした。特に夏祭りに誘う内容の11話 「約束」はヤバい。
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夏休み最後のメインイベント"夏祭り"が頭をチラつき始めたある日。友達と釣りに行く約束をしていた西片。釣りに向かう道中で、おつかい帰りの高木さんと遭遇します。重たそうな荷物を一緒に自転車で高木さん家まで運ぶ西片。お互いに何か言いたげな空気が流れる中、早々に高木さん家に着いてしまいました。"夏祭り"の事には直接触れずに西片を釣りに送り出してしまい少し残念そうな高木さん。ところが少しして西片がダッシュで戻ってきます。そして、一言。
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「なっ、夏祭り、一緒にいかない?」 その言葉を心待ちにしていた高木さんは1度落とされてからのまさかの言葉だったのでテンション爆上がり。彼女の返事はもちろんの「うん!」 嬉しさのあまりにおつかいで買ってきたジュースを持ちきれないくらい西片にあげてしまいます。そして、いよいよ迎える夏祭り当日、、
と、正直この夏祭りエピソードだけでも観てほしいくらいの神回。シーズン3はこの"夏祭り"後からスタートします。そして、高木さんの声優を担当している高橋 李依さんが名曲の数々をカバーしたEDも毎シーズンの楽しみ1つです。
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その着せ替え人形は恋をする
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学園系ラブコメにおいて陰キャラメンズ主人公と陽キャラヒロインの組み合わせは鉄板中の鉄板。むしろそれでないと成り立たないくらい。僕は学生時代にまぁまぁな陰キャラだったこと。そして当時の忘れられない想い出や憧れもあり、この手のアニメが大好きです笑
この類の作品で惹きつけられるポイントとしては、主人公のオタク具合+ドM+童貞感。ヒロインのツンデレないし性格の天然っぽさ。そしてちょうど良い塩梅のエロさ加減の3本柱です。最近の作品では「イジらないで、長瀞さん」が正にそれ。(シーズン2も楽しみです) "その着せ替え人形は恋をする" 通称「着せ恋」はそれらのポイントをしっかりと押さえた間違いない作品。
あらすじは、祖父の影響で雛人形の製作にドハマりしてしまい、雛人形の頭を作る頭師(かしらし)になる夢を持つ主人公の五条新菜。頭師まではいかないものの、雛人形の衣装を作るのは既に一人前。来る日も来る日も雛人形の事ばっかり考えていた結果、学校では完全に"ぼっち"な状態。
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そんなある日。家で使っていたミシンが壊れてしまいます。放課後に被服室でこっそりと雛人形の衣装を作り、なんなら人形に話しかけ他人に見られたくない時に、クラスの人気者で陽なオーラ全開のギャルな喜多川海夢(まりん)と鉢合わせます。
完全にドン引きされる事を覚悟していた五条くんでしたが、喜多川さんの反応は真逆なものでした。実は生粋のエロゲーオタクであり、コスプレ欲強めなヲタ女子だったのです。しかし、コス願望は人一倍あるものの衣装作りが致命的に下手くそ。そんな時に五条くんの被服力を目の当たりにし、自分のコスプレ衣装を作って欲しいとお願いする所から物語はスタートします。
僕は原作未読ですが、第1話目から心を鷲掴みされました。なんと言っても喜多川さんが可愛すぎです。しっかりとヲタな所も最高過ぎます。そしてちゃんとエロい笑 原作は女性からの支持が高め(NARI調べ) なので女の子にも是非オススメしたい作品です。
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明日ちゃんのセーラー服
5年ほど前にその存在を知り、作画のタッチがどストライク過ぎてアニメ化を心待ちにしていた作品が"明日ちゃんのセーラー服" 原作者の博(ヒロ)は漫画家兼イラストレーター。昨年にアニメ化され、ジワジワと話題を集めた「スーパーカブ」の原作キャラデザも担当しています。同い年という親近感もあり、とても好きな漫画家さんです。
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主人公の明日小路は、推しのアイドルとお母さんが通っていた母校のセーラー服を着たいという夢を持つ女の子。名門私立の蝋梅学園に受験し、見事に合格。しかし、蝋梅学園の制服はセーラー服からブレザーに切り替わっていて、入学式早々に心を挫かれてしまいます。
でも、妹の花緒(めちゃくちゃ可愛い)からの言葉に力をもらいます。1人違う制服を着ている方がいい意味で目立てるから逆にありじゃん!と持ち前のポジティブさで新しい学校生活をスタートする所から物語はスタートします。生徒数の少ない小学校に通っていた田舎育ちの明日ちゃんにとって、初めて尽くしの中学校での生活。新しく出来る友達との出会いを最高の作画と丁寧なストーリー展開でお送りしている青春学園作品。
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その原作の世界観を壊す事なく美作画に仕上げたのが、ここ3〜4年で良作をコンスタントに生み出しているアニメ制作会社Clover Works。↑で紹介した"その着せ替え人形は恋をする"も制作してます。過去作で"青ブタ"シリーズや"シャドーハウス"が個人的には素晴らしかったです。作画の細かい所ですが、第二話で机を繋げて給食を食べるシーンがあります。中学校の机って新しい木目の物もあれば、いい感じに味が出てるタイプもありましたよね。その色味などもちゃんと表現している所なども素敵だなと。
日常系のアニメが大好物な僕にとって観ない理由が見つからないです笑 作者のフェチズムがすごいとか、設定やストーリー性に欠けるなどの声をチラホラ耳にしますが、正直そんな意見はどうでもいいです。
何事においても自分が"それ"を好きだと言えるだけで十分です。真っ直ぐに生きる明日ちゃんに元気をもらえるストーリー展開がなんと言っても魅力的。そして、今週発売されたファン待望のイラスト集はマストバイなアイテム。僕は速攻で買いました。
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京アニの「聲の形」や「たまこラブストーリー」を手がけた山田 尚子監督と「映像研には手を出すな!」の制作会社サイエンスSARUのタッグ。そして声優陣も豪華キャストな「平家物語」も追っかけてます。第一話からグイグイ引き込まれる"祈り"の物語です。
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NARI
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pix-ied · 3 years
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21年7月2週目
今年入ってやっと初めて仕事の安定期がやってきて、1月の仕事の整理とかしている。オリンピック連休のおかげで、3連休しか取れなかったけど、ちょっと気晴らし休み。渋谷のsequence MIYASHITA PARKに宿泊。コンパクトだけど過不足なくて心地良いホテルだった。久しぶりに夜の都会を歩けば、アジアの都市みたいで、海外で利用したことのあるジュース屋さんが進出しているのも見つけて、半分海外旅行気分。朝散歩すれば、良さそうなパン屋さんを見つけて渋谷のことがもっと好きになれそうだ。
渋谷に行ったついでに映画館に2日連続で通う。渋谷らしく、あまり好みの映画ではなかったけど、とにかく強烈な映画。『ライトハウス』あー、あたまおかしいなぁ、と思いながら観て観終えた後に、トイレに入ったら、トイレの鏡で自撮りしている女の子を見て、あたまおかしいなぁ、って地続きで思っちゃった。ホラーのジャンルに分けられていて、確かにホラーなんだけど、何が怖いかはよく分からないけど怖い。私がとにかく怖かったのが鳥。鳥怖いよね。ハトが怖けりゃ、カモメも怖いわ。白黒で撮られた映像が時に懐かしく美しく、そして怖さを助長しているような気がした。
『走れロム』本国ではTENETを超えるヒットと書いてあったが、かなり社会派の映画。ベトナムの闇くじという賭博(違法なのかよく分からなかった。映画の最初にデーと呼ばれる闇くじがどんなものか簡単に説明されていたが、政府公認だけど?公安が取り締まっているような話も出ていたような)に労働者が、家を抵当にいれて借金をしてまでも一発逆転しようとしてのめり込んでいく社会問題を描いた映画。本作は監督の実話ベースに弟が演じているとのことで、かなり身につまされる。この労働者の貧しさが日本での外国人労働者の問題に繋がっていく(一発逆転を狙うという意味で)という記事がネットのWedge(読んだのはYahooニュースだけど)で出ていてとても良記事。日本に住む誰もが他人事ではない。
ホテルステイで本を読むべく、久しぶりに「ブーリン家の姉妹」シリーズを借りた。『悪しき遺産』今回はアン・ブーリンの義姉とアンの次の次の王妃と次の次の次の王妃が主役の話。この作家、すごいのは書く度に視点を変えて書いているんだけど、主人公が変われば、その人物の描写もかなり変わって、この作品では憧れの人物だったのが、次の作品では嫌なやつになったり、別の人物が逆の印象だったりする。今下巻を読み中。
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tausendglueck · 3 years
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いつぶりかもわからない100点 / 20210528
目覚めたとき私は未だ鬱だった。また朝が来た、昨日も泣きながらいつの間にか眠りに落ちていてまた夜中に一度目を覚ましてそれでもやっぱり朝は来た。アラームを止めて起き上がり、昨日の同じ時間にはザアザアと音を立てて降っていた激しい雨はなく、レースカーテンの向こう側にわずかながら青空を見た。もうだめだ、だめだ、今日もだめだと思いながらお湯を沸かしに行って、白湯を持って戻ってきた。漢方2種類とサプリを口に流し込み、しばらくぼんやり座り込んで、時計を見て、ジーンズに穿き替えた。ポケットにスマホだけを入れて、ゴミ袋を持って部屋を出た。
昨日の豪雨に晒された公園はぬかるんでいてたまにスニーカーが滑った。音楽も聴かないまま、メガネとマスクのぼんやりした顔のまま公園の外周をひとり歩いた。外周は木々が茂っていて朝の日差しは届いてこない。その代わりにもたらされる涼しさが不真面目にも歩いている身に心地よかった。 薔薇の盛りは終わってしまってほとんどの花は刈られてしまっていたが、代わりに外周に植えられた紫陽花が目に見えて咲き始めていた。季節がこうして変わっていく。咲き始めた紫陽花は昨日の豪雨も我が物として受け止めただろう。5月の終わりから6月にかけての雨はあなたのためにあるのだから。
部屋に戻ると午前7時を過ぎたところで、冷凍したご飯をレンジに放り込んで沸かしたお湯の残りを使ってインスタントのお茶漬けをこさえて食べた。食器を洗って洗濯機を回した。会社には行きたくないが仕事道具は揃っているので本当は今日は出社するつもりだったけれどテレワークにすると上司に連絡を入れた。昨日頭痛で起き上がれないと伝えた上司はまだ調子が戻らないのなら今日も休んだら?と返事をくれたが今日はなんとなく働こうと思った。
11時半くらいに注文していた本が届いて早速封を開けて一冊一冊に書店のブックカバーをかけて(私はカバーをかけられず届く本たちのために書店のブックカバーを無駄すぎるほどに保管しておく癖がある)一冊を読み始めた。メールの返信をして、その返事が来るまでの間に本を読んだ。2週間ほど前からずっとホロコーストにまつわる学術書を読んでいてこれが難しくて遅々として進まず、2週間もかかっているのにまだ半分を過ぎたところまでしか読めておらず、こんなに日持ちする本とはコスパがいいものだと思っていたけれど、そんな本に掛かりっきりになると疲れるので間に小説やエッセイを挟んだりしていて、そうするとその小説やエッセイはものすごい速さで読了されていくのでちょっと唖然としてしまう。
食べよう、と思った。昼になって私は財布だけを持ってまた部屋を出て、お弁当を買って帰ってきた。食べなくてはと思った。私は弱っている、弱っているなら食べなくてはと、普段の私なら思いもしない、弱っているなら勝手に弱らせとけ痩せさせておけと私のことを平気で放置する私が今日ばかりは食べなくてはと言う。まるでジャストタイミングでマンションの前を通りかかった、食欲にあふれた人の人格に一瞬憑依されたような感覚だった。私はせっせとお弁当を食べて、気持ちよくお腹をいっぱいにした。
午後になって引き続きメールを打ち返しながら数字を見て隙を見て本を読んでといい加減な勤務をしているところにリモート打ち合わせの提案が来た。メンバーはほとんど全員家にいた。今日は早めに仕事を切り上げようと思っていたけれど打ち合わせは定時ギリギリに設定されてしかもそれは1時間近く押しに押して始まった。web会議システムにつないで待機していたはいいがマイクを切り忘れていて、誰もいない場所ではのべつ幕無し無意識に独り言を呟いているような私なので絶対に一言二言拾われたに違いない考えるだに恐ろしい。桐谷さんマイク入ってますよと誰かひとりでも言ってくれたらよかったのに。
打ち合わせが終わると19時になっていた。はて。今日は早めに切り上げてまだ明るいうちにもう一度散歩に出ようと思っていたのになあ。まあいいか。仕事用のパソコンを閉じて自分のMacbookを立ち上げる。そういえば今朝このMacbookを誤って床に落としてフローリングが少し剥がれてしまったのだった。賃貸なのになんてことだと「フローリング 剥がれ 直す」で検索してみたけれど、DIYで直したところで業者には絶対にバレるので、ここはおとなしく敷金から修理費用を差っ引いてもらうことでそれでよしとしよう。どうせもう5年も住んでいるのだ、この剥がれだけじゃなくあちこち凹みや傷がたくさんできているはずだ。
りんごジュースを飲みながらうっかり届いたばかりの『女ふたり、暮らしています』を読み終えてしまった。なんていい本だ!ふたりと4匹の暮らしぶりがしみじみ羨ましく微笑ましく憧れる。こんな暮らし方でもありなのだ。私はきっとずっと一人で生きていくものだと半分諦めた気持ちで毎日を過ごしていたけれど、こんな暮らしも努力すれば手に入るのかもしれない。私には絶望的に友達がいないけれど。
そして今日記を書いている。なんだろう、今日をきちんと生きたような気がする。もうだめだと絶望とともに目覚めた朝は散歩から始まった。洗濯もした。仕事もそれなりにやった。宅急便はきちんと受け取れた。そして食べた。どうしたんだろう今日は、いつぶりかもわからない100点の日のように思う。1日2日で処理できるような悲しみなんて最初から大したことなかった、それもあるだろう。けれど悲しいなら今は食べなきゃだめだよと、まるで私らしくない私がいた。今も悲しみは続いている。常にうっすらと涙が滲んでいたような一日だった。今も涙は滲んでいる。けれど今日の私は100点だった。
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