Tumgik
#不遜な態度
i11matic · 2 years
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――はたから見ると、順風満帆にしか見えませんが。 そうでしょうね。でも、僕は先にもお話したように気が小さい人間です。モデル出身で役者としての基礎もない。芝居を本格的に学んだ人と我が身を比べては、常にコンプレックスに苛まれていました。もちろん、自分なりに経験を積み、努力もしてきたつもりです。けれども、不安はいつも抱えていました。一方で、あまりに華やかに人生が開け、仕事も順調に進んでいくので、知らず知らずのうちに自信が不安に勝り、勘違いをしていったように思います。自分でも気づかぬうちに、周りに対して不遜な態度をとるようになっていったのです。恥ずかしくてあまり思い出したくないですが。 ――何が起きたんでしょう。 それまで主役をやらせていただいていたのが、二番手になり、三番手になり……。それを嫌でも実感するのは撮影のときでした。今までスーッと寄ってきて自分の正面で止まっていたカメラが、スッと横に逸れていく……それを肌で感じるのは、さすがにつらいものがありました。その寂しさといったらありません。 ――まさにどん底ですね。 その頃はやけになって、よく悪い酒を飲んだものでした。でも、どん底の中でひとつだけ堅く心に決めていたことがあります。 ――それは何ですか。 どんなにつらくても惨めでも、最後までこの仕事にかじりついていくということでした。何があってもこの仕事だけは辞めない、その思いでした。 ――どうしてそう思ったのでしょう。 それは、幼い頃の貧しさがほとほと身に沁みていたからです。もうあの生活には戻りたくない。何があっても絶対に戻らない。その気持ちでした。どんな仕事でもいったん始めれば根気がないわけではありません。けれども、自分が一番稼げる、向いているのは芸能界だろう、そうだとしたら、どんなに不満でもいいから、食らいついていこう、と思ったのです。
草刈正雄が語る人気絶頂からの「どん底」 再ブレイクを果たした「運命の出会い」に感謝 https://www.bookbang.jp/
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ak794itomugi · 5 months
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はやいもので年末です。黙ってタグなしで只管絵をお届けていているだけのtumblerで毎年恒例の文字の記事です 最終回のノッポさん現象かな?
今年の振り返りの時期となりました! 今年は頭からなんとリアルで仕事で成功して、私が想定してる以上にすごいラッキーな感じでした。 難病の身の私自身ですが配慮の上、仕事環境としても周囲の人とすごく仲良く、楽しく仕事させていただいていて本当に感謝感激です。 マジでこの仕事に昨年転職して本当に良かったです。 とはいえこれはリアルじゃなくてオタクとしての振り返りなので、そのあたりはほどほどに、 今年はオタクとしても本当にハッピーなことが多かったので、細かく分類した上で振り返っていきます。
■同人誌 今年出した本は表紙のギミック多めの本となりました。 全てがもこもこの顔料箔を使った本と、透明な表紙の本は一回作ってみたかったので実現できてハッピーです。 どちらも無事完売しておりますが、数的に圧倒的に人の手に届かなかったという事もなくて一安心です。
あとはオンデマンドでも、ほぼほぼトナーがテカらず、オフセットと遜色がないと言う話を聞いて、プリキュアの無配の本で試してみましたが、本当に感動ものです。 オンデマンドだからこそできるものもあるので、来年はこれを活かした本を作る予定です。
また今年でおおよその漫画在庫は全てはけました。 数年前のなどがいっぱいあったのをここらでちゃんと綺麗にしとこ!ってサークルの方針なので、最終回とかではないです。 来年は2冊すでに予定ありなので年始からもちもち作っていきます! とりあえずとても可愛い本と、可読性を維持した多層型の本の設計図を組んでいきます
あとこっちでは全く言ってなかったんですが、サークルのtumblerできました。 実はこの記事を投稿したとほぼ同時にリンクも、これまでほぼ機能してなかった告知系のタグの所に代わりに接続しちゃってます 実はここのtumblerの投稿物も一部見えるロジックにしてるので、軽く見たい人は向こうに切り替える事もできます。
作った経緯としては、今年一年でSNSの事情も不穏な影が入りつつあるのですが、いくら趣味でも金銭のやり取りが発生する活動をしている以上、 告知の場所となるSNSの所を移動する戻るを繰り返すのは混乱を招くと考え、 安定性のあるかつ、活動履歴がちゃんと残るwebサイト的な形式のものを作ろうと提案してあんな感じになりました。 サークル活動が今年で5年になる節目の年なので、ここまでくると妖怪同人趣味みたいなものですし丁度良いかと思います。
■二次もしてるジャンル関連 東方は新作でましたね。 去年から畜生のおやすみシリーズを描いてたのも含めて、ものすごく久々にピンポイントなものが来て笑いました。 新キャラは基本一年待ってからと思ってたんすけど、流石に回避ができなかったので全員何らか漫画を作成して年末を迎えてます(残無だけ公開来年ですが)
あとは以前からのpixivのまとめなどを昨年の末に見返す機会があった時、近年高カロリーな排出の仕方をしすぎているのでは?って事で、緩急をつけるために、今年からキャラメインの横型のイラストで全キャラリレーも発射しました。 見てる方はどう思ってるのかアレなんですが、改めてキャラのパーツを知る、考える重要な機会なのと、 何よりコストの低さから休まるから大変良いです。 横型終わったら縦型で続ける予定です。
今年1番触れ合ったキャラとしては畜生界のおともだちと久侘歌は今年の8割くらいの期間ずっと描いてた気がするんですが、 流石にここまでくると慣れてくるものの、新作きたので、畜生界の方はタイミングが遅れていますですが一年待機、 そして元々完結してからは久侘歌は元々原作から結びつけて考えられる、彼岸組との組み合わせメインに戻す形をとっています。 ていうか、単純にもうこの組み合わせマジで6作品くらい結構なボリュームで出してるので、流石にネタが豊富なわけではない為単純に一旦休みたいです。私がバケーションする番です。 その間にきっと各々で素敵だったりメジャーな組み合わせもできるでしょうから、皆さんはそれを楽しむのよ!
あとはプリキュアですね。私の事を前々からご存知の方だと有名なのかアレなんですが、 そもそも私はプリキュア大好きで、二次創作せずオタ活していたジャンルです。初代から全部見てるよ! たまーに描いてはいたんですが、本当にちょろっとなので、こういう場や、ファンボの雑記で度々映画みたよ!とかの形で話題に出ていた感じです。 ただ今年はなんかサークルメンバーみんなどハマりして、なんか気づいたら再集合してたので、今年は珍しく描きました。
経緯としては私はそもそもプリキュア摂取してない日がないので、ひろプリを見る前に時間があったから、まほプリ見ちゃお!ってなったのに、主宰も見よ!!!って誘ったら、ノって見た向こうが超加速でどハマりした感じです。こわい この2ヶ月後に続編の報せが来るとは露知らずで あれは私もマジでビックリしてます。本当にガチで偶然です。
そこから平日は過去作鑑賞会をサークルメンバーみんなで、休日はひろプリやオトナプリキュア みたいな、みんなも私と同じような生活してる?!?!?!って感じになってます。 サークルメンバーとは初代〜5GoGo、ドキドキ、魔法、HUG、デパ、ひろ(リアタイ)を見ました。 今はトロを見ている感じです。トロ良いよね好き
主宰とまぁ3年ほど久々に共通ジャンルで活動できるようになったので、2ジャンル継続で来年も作って行く予定です。 いよいよ昔から好きな作品を描いている状態になってます。いつか幻想水滸伝とかポップンもきたら笑うしかない奴です。 今年の5月と11月に設けた、ジャンルのまともな絵と落書きのバランス反転をさせるのは個人的な気持ちの換気にもなったし、すごく楽しかったので、これも来年2、3回実施を予定してます。
■普通の生活��かオタ活とか 原稿とか以外だとひたすらポケモンしてた気がします。 元々プリキュアメインにオタ活してたんですが今年上の項目になったんですよね、これが。 なのでプリティストアとかそれ以外ってなると、ポケモンセンターでツンベアーぬい買ったり、 レイドに潜り込んだり、DLCではしゃいだりとかとか。 他にもマッドラットデッドをやっと買ったので楽しんでたりとかちょいちょいしてます。 アニメはこれも遅れてですが王様ランキング見ました!!!!とても良い!!!!!!単行本気になってたんですが、アニメと違うと聞いたので、先にアニメを見た感じです。えがっだ こう書くと摂取量ほんと少なくて笑う
映画はゴジラ見ました!!!良!!!! オールスターズFを試写会含めて6回ほど見てたのですが、ある時一緒の日に見たら気持ちの乱高下が凄かったです あと君生きも見に行きました この時例大祭の時期からその日まで本当に仕事忙しすぎてやばかったので、開放感と共に見て すげぇ世界観じゃん(小並感)ってなりました
それから三重旅行にもいきました。 これは結構事細やかにレポをファンボックスに書いてるので、気になる方はそっちでよろしく!
みたいな感じで、6月以外は月のどっかに必ず何かイベントが挟まるような生活だったんですが、仕事に追われてました!!!! 畜ではなく楽しくやってますし、量やばい分お金はたくさん頂いてますが、こう見ると本当に仕事の記憶しかないです!!!!
急に小並感すごい項目になったな
■総括 色々ありましたが今年はいつもよりサブカルも楽しい一年になりました。 とはいえ、例年より体調不良が多い年でもあり、特に後半以降は寝込んでる日がちょいちょいあったなぁとなります。 昨年にコロナに罹って以降はかなり気をつけていたものの、寒暖差がえげつなすぎて負けました。 もはや私がどうってより地球がどうって話な気がしますが、もっとしっかり対策しないとなとなります。
来年は色々リアルが忙しいのと、背骨をやってしまったので、今年よりも低カロリーでいく予定ですが、 オタクはやめれない(人間の業)ので、のんびり楽しくしていると思います。
それではよいお年を!
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patsatshit · 7 months
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いきなり偉そうなことを書いて各方面から顰蹙を買いそうなんだけど、あえて言う。僕は自分の日記より面白い日記を読んだことがない。これはハッタリでもなんでもなくて、それくらいの気持ちがないと何処の馬の骨とも知れないチャリンコ屋の日記に1,500円や2,000円を出して購入してくれている方々に申し訳が立たない。ただし「自分より」と言うのには注釈が必要。『富士日記』や『ミシェル・レリス日記』みたいな別次元の傑作は対象外として、近年、雨後の筍のように量産されているリトルプレスやZINEを体裁とした日記やエッセイ群を見据えての発言と思って頂きたい。商売としての仕入れはさておき、個人的に興味があったので色々と手を伸ばして読んでみたものの、そのほとんどが「私を褒めて。私を認めて。私に居場所を与えて」というアスカ・ラングレーの咆哮をそのままなぞらえたような内容、若しくは「持たざる者同士でも手を取り合い、心で繋がっていれば大丈夫」的な似非スピリチュアルなマジカル達観思想で構成されているので、正直ゲンナリした。しかもタチの悪いことに、そういうものを書いている人たち、あわよくば商業出版の機を窺っていたりするものだから、出版社や編集者の立場からしたらまさに入れ食い状態。「ビジネス万歳!」という感じでしょう。晴れて書籍化の際には口を揃えて「見つけてくれてありがとう」の大合唱。いやいやいや、ちょっと待って、あんたら結局そこにいきたかっただけやんってなりません?これまでの人生をかけて手にした「生きづらさ」の手綱をそんなにも容易く手放すんかい!と思わずツッコミを入れたくもなる。現世で個人が抱える「生きづらさ」はマジョリティに染まらぬ意思表明と表裏の関係にあった筈なのに、どっこいそうはさせないとばかりにどこからともなく湧いてくる刺客たちの誘惑にそそのかされては、呆気なく自らの意志で握手(悪手)に握手(悪手)を重ねる。ミイラ取りがミイラになるとはまさにこのことだ。以前、僕もある出版社の編集長から「DJ PATSATの日記を当社で出版させてほしい」という誘いを受けたけれど、もちろん丁重にお断りした。僕は自主で作った300冊以上の読者を想定していないし、それより多くの読者に対する責任は負いかねるというような趣旨の言葉を伝えた。そもそもなぜ僕が友人(マノ製作所)の力を借りながらわざわざシルクスクリーンという手間をかけて制作しているのかを理解しようともしない。編集長は口説き文句のひとつとしてECDの『失点・イン・ザ・パーク』を引き合いに出してこられたのだけれど、いま思えばそういう発言自体が安易というか不遜だと思わざるを得ない。結局その方は僕を踏み台にしようとしていただけだったので、負け惜しみでも何でもなく、あのときの誘いに乗らなくて良かったといまも本気でそう思っている。まぁ、これは僕個人の考え方/価値観なので他者に強要するものでもなければ、共感を得たいと思っている訳でもない。逆に彼らも推して知るべしだ。誰もが商業出版に憧憬を抱いている訳ではない。昔から煽てられることが好きじゃないし、賑やかで華やかな場面がはっきりと苦手だ。だからと言って消極的に引きこもっているつもりもなく、寧ろ積極的に小さく留まっていたいだけ。かつては各地の井の中の蛙がきちんと自分の領域、結界を守っていたのに、いつしかみんな大海を目指すようになり、やがて井の中は枯渇してしまった。当然、大海で有象無象に紛れた蛙も行き場をなくして窒息する。そのようなことがもう何年も何年も当たり前のように続いている現状に辟易している。そんな自分が小さな店をやり、作品を自主制作して販売するのは必要最低限の大切な関係を自分のそばから手離さないためである。何度も言うているように自営とは紛れもなく自衛のことであり、率先して井の中の蛙であろうとする気概そのものなのだ。自衛のためには少なからず武器も必要で、言うなれば作品は呪いの籠った呪具みたいなもの。そんな危なっかしいものを自分の意識の埒外にある不特定多数のコロニーに好んで攪拌させたりはしない。多数の読者を求め、物書きとして生計を立てたいのなら、最初から出版賞に応募し続ける。だからこそ積年の呪いを各種出版賞にぶつけ続けた結果、見事に芥川賞を射止めた市川沙央さんは本当に凄いし、めちゃくちゃにパンクな人だと思う。不謹慎な言い方に聞こえるかもしれないが、天与呪縛の逆フィジカルギフテッドというか、とにかく尋常ならざる気迫みたいなものを感じた。なぜ彼女がたびたび批判に晒されるのか理解できない。それに佐川恭一さん、初期の頃からゲスの極みとも言える作風を一切変えることなく、次々と商業誌の誌面を飾ってゆく様は痛快そのもの。タラウマラ発行の季刊ZINEに参加してくれた際もダントツにくだらない短編を寄稿してくれて、僕は膝を飛び越えて股間を強く打った。
佐川恭一による抱腹絶倒の掌編「シコティウスの受難」は『FACETIME vol.2』に掲載。
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ついでにこれまた長くなるが、かつてジル・ドゥルーズが真摯に打ち鳴らした警鐘を引用する。
文学の危機についていうなら、その責任の一端はジャーナリストにあるだろうと思います。当然ながら、ジャーナリストにも本を書いた人がいる。しかし本を書くとき、ジャーナリストも新聞報道とは違う形式を用いていたわけだし、書く以上は文章化になるのがあたりまえでした。ところがその状況が変わった。本の形式を用いるのは当然自分たちの権利だし、この形式に到達するにはなにも特別な労力をはらう必要はない、そんなふうにジャーナリストが思い込むようになったからです。こうして無媒介的に、しかもみずからの身体を押しつけるかたちで、ジャーナリストが文学を征服した。そこから規格型小説の代表的形態が生まれます。たとえば『植民地のオイディプス』とでも題をつけることができるような、女性を物色したり、父親をもとめたりした体験をもとに書かれたレポーターの旅行記。そしてこの状況があらゆる作家の身にはねかえっていき、作家は自分自身と自分の作品について取材するジャーナリストになりさがる。極端な場合には、作家としてのジャーナリストと批評家としてのジャーナリストのあいだですべてが演じられ、本そのものはこの両者をつなぐ橋渡しにすぎず、ほとんど存在する必要がないものになりさがってしまうのです。本は、本以外のところでくりひろげられた活動や体験や意図や目的の報告にすぎなくなる。つまり本自体がただの記録になってしまうわけです。すると、なんらかの仕事をもっているとか、あるいはただたんに家族がある、親族に病人がいる、職場に嫌な上司がいるというだけで、どんな人でも本を産み出せるような気がしてくるし、このケースに該当する当人も、自分は本を産み出せると思い始める。誰もが家庭や職場で小説をかかえている……。文学に手を染める以上、あらゆる人に特別な探究と修練がもとめられるということを忘れているのです。そして文学には、文学でしか実現できない独自の創造的意図がある、そもそも文学が、文学とはおよそ無縁の活動や意図から直接に生まれた残滓を受けとる必要はないということを忘れているのです。こうして本は「副次化」され、マーケティングの様相を帯びてくる。
ジル・ドゥルーズ『記号と事件 1972-1990年の対話』(河出文庫p262-263)
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僕は制作の際にはいつも必ずドゥルーズのこの言葉に立ち返っては何度も確認作業を繰り返し、ようやっとリリースにこぎつける。しかしそもそもが作品化を企んでいる時点で自分まだまだやなぁと思うに至る訳で、なんとも一筋縄ではいかない。そういう意味では滝野次郎という人がインスタグラムに投稿している日記のような文章には、はじめから読まれることを意図しているにもかかわらず、本来ならば読まれることを目的とした日記からは真っ先に削除されるような状況ばかりが羅列されていて、なかなかどうして凄まじい。馴染みの飲食店で見つけたお気に入りの女性店員を執拗に観察したり、断酒を誓った直後に朝から晩まで酒浸りであったり、謎の投資で10分間で40万円を失っていたり、銀行口座と手持ちの金を合わせても1,000円に満たなかったり、それでも「俺は俺を信じる」と闇雲に自身を鼓舞していたり、そうかと思えば急に脈絡もなくひたすらに左手のハンドサインを連投していたりと、しっちゃかめっちゃか。比肩しうるは円盤/黒猫から出版された『創作』くらいか。あらゆる規範から逃れるべくして逃れ得た、いま最もスリリングな読み物であることに間違いはないが、同時に、これは断じて文学ではない……とも言い切れない不気味な何かが海の藻屑のように蠢いている。
(すでに何らかの隠喩ではないかと勘ぐったり……)
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elle-p · 7 months
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P3 Club Book Shinjiro Aragaki short story scan and transcription.
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料理天国、食べたら地獄
······ったく、 何で俺がこんなこと······」
「す、すいません荒垣先輩······っくしゅん!う~げほげほっ」
「ゆ、ゆかりちゃん、大丈夫?」
ここは、寮のゆかりの私室。ピンクのパジャマにカーディガンを羽織り、つらそうに咳き込むゆかりの背を、優しく風花がさすっている。体調不良を押してタルタロスに出撃し、ゆかりはすっかり風邪をこじらせていた。そんなゆかりのベッドの横には、同じく心配そうにたたずむ美鶴と、やや所在なげに立つ荒垣の姿があった。そして荒垣の手には、彼が言った “こんなこと” の成果である、温かそうな料理がトレイに乗って湯気を立てていた。どうやら、ゆかりを心配する美鶴に頼まれ、病人食の定番となる粥を作っきてくれたらしい。
「荒垣先輩って、優しいですよね」
「んな······っ!?ま、まあ、ただの気まぐれだ。気にすんな。さっさと食っちまえ」
風花の素直な言葉に、荒垣はそれだけ言ってぶっきらぼうにトレイを差し出す。
「 うう、ありがとうございます。はふ······」
ゆかりが、一見普通の粥に見えるその料理をスプーンですくい、ぱくりと口に入れた。
「どうだ?岳羽?」
熱くないか、ちゃんと飲み込めるかと、美鶴が母親のように心配げに声をかけるが、その目の前でゆかりの表情がみるみる蕩けた。
「ぅ美味しい~っ!何これ、どうやって作ったんですか? 信じらんないー!」
先ほどまでの苦しそうな様子はどこへやら、あっという間に元気を取り戻したゆかりが、凄い勢いで手と口を動かし、器の中身はさほど間を置かずに空になってしまっていた。
「どうやってつーか、ま······適当だな。普通の粥じゃ栄養が足りねえかと思って、中華風のミルク粥にしてみた」
あっさりと荒垣は言うが、じつはけっこう手間がかかったもの。ニンニク、生姜、ネギのみじん切りをゴマ油でじっくり炒め、米と具---拍子木に切ったニンジンと大根を投入して鶏ガラスープを注ぎ入れる。あとはフタをし、沸騰したら吹きこぼれないよう弱火でことこと30~40分。米が十分柔らかくなったところで、牛乳を入れて塩で味をととのえ、できあがったものがこちらにございます、という感じ。体の免疫力を高める、炭水化物や蛋白質、ビタミンA・B・Cに β カロチンを含む、まさに完璧なる病人食なのだ。
以前から、荒垣の料理はプロ並だと真田あたりが言っていたが、その現物を実際に口にしたゆかりは、想像以上の感動を味わっていた。ゆかりは素直に、その賞賛を口にする。
「適当なんてとんでもない!荒垣先輩、もう最高ですよ!尊敬します!」
「バカ野郎······なに恥ずかしいことを······」
「なーに謙遜してるんですか?食事は人間の基本ですよ。大切なことです。それをしっかりできる荒垣先輩は立派です!もう、他の男連中にも見習わせたいぐらいですよ。人として、料理のひとつもできなきゃ駄目だって、ね」
興奮気味で止まらないゆかりの演説に、そこで突然ストップがかかった。
「ちょーっと待ったぁ!」
「!?じゅ、順平?それに皆も?」
ゆかりの部屋の入り口に、順平を先頭にして寮生の面々、すなわちこの部屋にいなかった全員が集まっていた。順平の足元からはコロマルまでが顔を出している。
「何ごとよ、いったい?」
「いや、あんまりいい匂いなんでな、つい······」
正直に真田が言いかけるが、それを体ごと遮って順平がびしっと指を突きつける。
「ゆかりッチ······貴様はオレを怒らせた!」
「は、はぁ?」
「料理ができなきゃ人として駄目?料理がお上手な岳羽サマは、オレたちが人間じゃないとおっしゃるわけだよな?」
「い、いや、別にそこまでは······。そ、それに順平がまともに料理できないのは事実じゃん」
と、そこで順平は、ちっちっと指を横に振る。
「料理が “できない” と “やらない” は違うんだぜ、ゆかりッチ。それに、オレだけじゃねえぞ、お前が傷吻つけたのはな······」
くくっと、芝居の気まんまんで順平が涙をこらえるように両目を手で押さえた。その言葉に、ゆかりが周囲をあらためて見ると。 「あ」
ベッドの脇で美鶴と風花が、顔を伏せてどんよりと暗い空気をまとっていた。
「い、いや、あの。私······別にそういうつもりじゃ······せ、先輩?風花?」
「ゆえにっ!!」
ぐわっと伏せていた顔を上げ、順平は大いに 盛り上がって高らかに宣言した。
「貴様に料理勝負を挑むっ!!」
「はぁ?」
かくて、第一回巌戸台分寮クッキング王決定戦の開催が決定したのであった (どどーん)
「という訳で、本日の司会はわたくし、アイギスがお送りするであります。いかがでしょう、解説の天 田さん」
「······みなさん、ヒマですね」
「なるほど。では、審査委員長の荒垣さん」
「······ったく、 何で俺がこんなこと······」
順平が宣言した翌々日。ゆかりがすっかり体調を取り戻し、ちょうど日曜ということもあって、ついに料理対決が開催される運びとなった。おそらく仲間内でもっとも鋭敏な味覚を持つであろう荒垣を審査委員長とし、味覚がないアイギスは司会を勤めることになっている。天田も参加をうながされていたが、「なんで僕が料理なんか······小学生に何を期待してるんです?」と一蹴し、解説者の席についている。そして、残る全員が参加者兼審査員というわけだ。
当初、美鶴と風花は徹底的に拒否の構えを見せていたのだが、「お祭りみたいなもんだし」とか、「何ごとも経験だし」とかいう順平の甘言で徐々に態度を軟化させ、ついには「······にイイとこ見せるチャンスなんだけどなー」という、とある個人名を出しての決定的なひと言で、料理対決に参加するよう洗脳、もとい説得されてしまったのであった。
「では、いよいよ競技を開始するであります。最初はゆかりさんからお願いします」
「オッケー!見てなさいよ、順平!」
意気揚々とゆかりが持ってきた料理、それは本人の自信を裏切らない見事なできばえ。見た目からして美味しそうな、幕の内弁当である。卵焼き、焼き魚、かまぼこといった幕の内弁当定番のおかずに加え、小さなハンバーグやチーズチキンカツなど洋風のおかずも入っている。もちろんご飯は俵型に成型され、上にはパラパラと黒ゴマが振りかけられている。
「うん、なかなかやるじゃねえか」
卵焼きをひと口かじった荒垣の評価に、ゆかりがガッツポーズを決め、それに続いて他のメンバ ーも横から次々に箸を伸ばす。
「焼き魚は西京味噌漬けか······いい仕事だ」
「うわあ、このかまぼこの切り方、凝ってる」
「もう、優勝は岳羽で確定か?」
立て続けに上がる賞賛の声に、ちょっと照れたような誇らしいような顔でゆかりが言う。
「あ、でもね。今回は意外なライバルがいたっつーか······私も食べてみたいんだよね、 彼の」
そのゆかりの視線の先にいるのは、自己主張が足りない気味の現場リーダーの姿。だが、前髪で隠され半分しか見えない顔に、常にはない自信がかすかに滲んでいるような気もする。
「では、続いてお願いしましょう」
アイギスに促され、2番手の料理が運ばれる。
「おお······!」
それは、ちょっとしたレストランで出してもおかしくないアサリとトマトのパスタ、ボンゴレ・ロッソであった。さっそく審査委員長の荒垣が、フォーク一本で器用にパスタを巻きつけて、ぱくりと口に入れる。
「ちょっとパスタが柔らかいが、合格点だな」
「どれどれオレにも······おおっ、美味ぇ!」
「アサリとトマトって合うのねー」
意外といえば意外だが、幼い頃に両親を亡くしてひとり暮らし歴も長い彼は、料理の腕は決して悪くないのである。ただ、あっさりした性格ゆえか、パスタや丼ものなど簡単に作れるものに限られるというのが弱点といえなくもない。
「で、次は誰だ?」
連続して出される美味い料理に、最初は苦い顔をしていた荒垣も、上機嫌になってきたようだ。やはり、楽しい食事は人を和ませる。もしかすると順平は単に、荒垣と他のメンバーとの間の距離を、少しでも縮めようとして料理対決を企画したのかもしれない。もし、そうだとしたら、その意図は十分に果たされつつあった。
だが。
そんな楽しい雰囲気は、あまり続かなかった。
「······なんだこりゃ?」
「え、えーっと、ラーメンっす」
「カップ麺じゃねえか」
荒垣の前にあるのは、お湯を入れて3分でできるカップ麺だった。ちなみにシーフード味。
「い、いやカップなんすけど!ちゃーんとオレなりの工夫があってですね。荒垣先輩のミルク粥にヒントを得て、牛乳で作ってますっ!」
荒垣がうげっという顔をする。残りの連中も、一様に嫌そうな顔を浮かべている。 「え?え?みんな何だよ?いや、マジ美味い
んだって!」
「たとえ美味くても······料理じゃねえだろ」
「順平さん、失格であります」
どこに置いていたか、アイギスが横にあった鐘をカーンと1回鳴らす。
「いいっ!?そ、そんなぁ······」
がっくりと肩を落とす順平。ただひとり、そのカップ麺をひと口すすった現場リーダーが、うんまあ不味くないよ、といった感じで順平の肩をぽんぽんと叩いていた。
「では、続いて美鶴さん、お願いします」
事態は、破滅に向かって加速していた。
「鴨肉のコンフェ、フォアグラとトリュフ添えだ。素材はすべてフランスから空輸させた」
胸を張って、 豪華な銀の皿を突き出す美鶴の顔には、しかしだらだらと汗が流れていた。皿の上の料理を凝視しつつ、荒垣が尋ねる。
「······鴨は、どれだ?」
「こ、これに決まってるだろう」
「この黒いのは?」
「と、トリュフだ」
「こっちの黒いのは?」
「フォアグラ······だと思う」
「んじゃ、こっちの黒いのは?」
「ええと······付け合せのポロ葱、か?」
聞かれても困る。
下を向いていた荒垣は、凶悪な光を目に宿らせつつ、美鶴に向かってぽつりと言った。
「全部、炭じゃねえか」
「ま、まあ多少火加減を間違えたかもしれないが、素材はいいんだ。食ってないと······」
「食えるかぁ!次だ次!」
世界の終わりのような顔をする美鶴を尻目に、アイギスが鳴らす鐘がかーんと響いた。
「俺は料理などあまりやったことがな��からな。変なものを出すのも申し訳ないから、シンジの料理を真似させてもらうことにした」
続く真田の料理は、白濁したスープのようなものだった。どうやら、 荒垣が一昨日作ったミルク粥を参考に作ったらしい。
「順平も、どうせシンジの料理を参考にするならこうするべきだったな。まあ、俺も多少は自己流にアレンジさせてもらっているが」
既に勝ち誇った様子の真田に、荒垣も苦笑しつつ答える。
「くくっ、アキの料理か······そう簡単に俺の味が盗めるもんかよ」
「食べてみなければわからんだろ?」
「わかったわかった。じゃ、いただくぜ」
スプーンで粥をすくい、軽く冷ましてから口へと運ぶ。そして、刹那の間を置いて。
ぶぴゅる。
変な音と同時に、荒垣の鼻と口から白濁液が吹き出した。
「な、な、な、なんだこりゃあっ!!」
「牛乳よりも高蛋白で低カロリーなプロテイン粥だが······筋肉にはいいぞ?」
「食えるかあああああっ!!」
「最後に風花さん、どうぞ」
鐘を鳴らしつつ、 アイギスが淡々と言った。
---それから、5分後。この世のものとは思えない絶叫が、月光館学園巌戸台分寮から響き渡った。付近の住民の通報で、パトカーや救急車が出動したが、とくに事件性はないとのことで早々に引き上げたらしい。ただ、目撃者の証言によると、捜査員や救急救命士たちは一様に、口や腹を押さえていまにも嘔吐しそうな表情を浮かべていたとか。その日、どんな恐ろしいことがあったのか、口を開くものはいない。
「いいかお前らっ!料理の命は火加減!それと塩加減だ!いいな、順平!」
「う、ういっすっ!」
「あと常識だが、プロテインは料理に入れるなよ!わかったか、アキっ!!」
「あ、ああ、わかった」
「つか、山岸!なんでそこでタバスコとか入れるんだ!色を基準にして調味料足すんじゃねえ!味見しろ味見っ!」
「は、はいっ!」
料理対決の翌日。寮のキッチンでは突発料理教室が行なわれていた。こいつらの料理の腕を放置していたら、いずれ人死にが出る。事実、俺は死にかけたという荒垣の命令で、順平、真田、美鶴、風花に対し、マンツーマンで料理を教えることになったのだ。
「······ったく、何で俺がこんなこと······」
そうボヤきつつも、手取り足取り指導する荒垣の頑張りもあり、徐々に全員の料理は “食えなくはない” レベルへと上がっているようだ。
「おら、待て美鶴。焦げそうになったら、一度フライパンを火から降ろして······そうそう。落ち着いてやりゃあ大丈夫だ」
「りょ、了解した」
そんな荒垣の様子を横目で見て、風花はくすりと笑って言った。
「やっぱり、荒垣先輩って優しいですよね?」
その言葉が届いたかどうか定かではないが、荒垣は黙々と料理指導を続けていく。ただ、その横顔には、かすかに笑みが浮かんでいるような気がする。やがて、料理のいい匂いを嗅ぎつけてか、ゆかりたちが同じく笑顔でキッチンへと歩いてくるのが見えた。やはり、楽しい食事は人を和ませる。どうやら、今日の夕食も楽しいものになりそうだった。
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oka-akina · 2 months
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0330新宿南口デモ
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新宿南口が混み合っていて、バスタ側に移動できる人は行ってくださいとなった。これは2/18のデモのときもそうで、甲州街道を挟んでコールしあうのがまるで「川から海まで」声を響かせるみたいな、とても鼓舞されるいい時間だった。
今日もそんな感じで促されたんだけど、昼間だったからかバスタ側では路上ライブをやっている人たちがいたんだよね(2グループいた)。邪魔しちゃ悪いかな。デモは声出しなしでもいけるかな…。なんとなく大きな声でやるのはちょっとためらわれた。その場にいた乃衣さんたちとちょっと話した。 そうしたらコールが始まり、たぶん先導してくれてる方はバスタ側でやってきますねと声をかけてきたのだろう。声出ししよう、盛り上げよう、そういった何か責任のようなものを感じていたかもしれない。2月もここにいたのかも。いい記憶や経験は再現したくなるよなあと思う。
どうしようと思ってちょっとライブの方に近づいてみて、マイクを使って歌っているからコールやってても歌声はお客さんに聴こえるようだったけど、まあやっぱり邪魔だろうなとは思った。デ��の役割の一つとして街でノイズになるのはあるけど、いまここでライブを飲み込むくらい大きな声を出したら、この人たちは「パレスチナ」に悪感情を抱いてしまうのではないか。いまあなたがたの歌よりデモの方が「正しい」みたいな態度をやるのは苦しい。実際、コールが始まったらわかりやすくマイクの音量が上がった。もともとライブは2グループ並んでやっていたわけだけど、ライブ同士は許容できてもデモの喧しさはやはり別物なんだろう。
もし自分だったら邪魔されてると思うだろうか。わたしの小説も自ら発信しているもので、いわゆる路上的な表現ではある。メジャーではない表現をやる人たちを、おおぜい集まった大きな声で押しつぶしたくない。ただ、路上で音楽をやるのと小説を書いて同人誌を売るのはあんまり一緒にはしづらいよなとは思い(もしも文フリでデモやっても影響の度合いがぜんぜんちがう、本っていつ読んでもいいのでライブのような一回性の表現とは一緒にしづらい)、わたしはこの人たちのことをあんまり想像できていない気がして後ろめたい。これに限らずだけど人の気持ちを想像しようとするときわたしは細かいことが気にかかって、いつもうまく整理できない。 そして、迷惑だろうかとあまり心配するのも、わたしにはこの人たちを見くびるような気持ちがあるんじゃないかと考え込んだ。この人たちもパレスチナに連帯する気持ちはあるかもしれない。たまたま場所と時間が重なってしまっただけかもしれない。いまここで歌っているイコール無関心と言い切っていいのか。まあぜんぜん希望的観測ではあるけど…。
なんとか歩み寄れないだろうかと思った。歌の合間に2分くらい譲ってもらえたらいいのにな。なんだったらちょっとだけ一緒にコールしてくれたらいいのにな。お互いに邪魔だなと思って無視しあうのは溝を広げるだけじゃないのか。なんとか、ちょっとでも話せないかな…。 とはいえそんな交渉はできなくて、コールを先導している人たちに声をかけるのもなかなか勇気が出なかった。それで本当に根本的な解決ではないんだけど、わたしたちはルミネ側に場所を移った。難しいね…。 (そしてほんとにどうでもいいことなんだけど、わたし今日財布忘れて出かけてきちゃって…。現金を一円も持っておらず募金もできないという体たらくで、それでなんかこう気持ちが弱いのもあったかも。財布忘れたような奴が何言ってるんだみたいな)
デモで大きな声を出すときの高揚感みたいなものはまちがいなくある。ここのところマイクを持つ機会もあったから本当にそれは噛み締めている。高揚することで鼓舞されるものが確実にあり、だからこその危うさもある気がしていて悩む。何であれ「一色に染まる」みたいなものがわたしはとても怖い。 あるいはSNSの言葉でもそうで、さすがにそれはキャッチーすぎないかと足踏みするものがけっこうある。大意としては賛成なんだけどその語を用いるのはなあみたいな…。なんだけど、いろんな人が精いっぱい言葉を発しようとしていて、口が滑ったり言いすぎたり言い間違えたりするのはどうしたってあることだよな、なんかこう「ジャッジ」の目線になっていやしないか?と考え込む自分もいる。難しい。ほんとに難しい。浅草や北千住でマイクを持ってスピーチしたとき、わたしは本当にうまくしゃべれなかったけど、そういうことはみんなあるだろう。そしてわたしくらいたどたどしい人がスピーチすることでハードルを下げていけたらみたいな気持ちもあるし。ぐるぐる考え込んでいる。
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それでいまやってる「五人の男」アンソロ(庄野潤三オマージュで父性、男性性を捉え直すアンソロ。5月文フリ東京刊行予定)で、まさとさんが書いてくださった論考を思い出した。
「面白がりと見下しの距離は近い。楽しさと不遜の距離も近い。」「だから、ていねいに自分の首を絞めたい。でも、それさえヒロイックに行いかねない。」 「自分もよくわからなくて仲間も「いいね」を示してくれないものに耳を傾けること。静かに不安感と憂うつを抱え続けて初めて変えられることがある。何も気にせずにすむというある種の特権(神谷、2022)から、まなざされることへと自らを曝露して嫌な気持ちになる。自分の酷さが心地悪くて辛い。そう感じることでしか始まらないものがある。」 「私の意図が・誤解が・相性がと言ってプレゼンテーション(説得・論破)するより、コミュニケーションしたい。話すために聴くより、聴くために話す。あるいは黙る。」
(「公的な別離へ──からかいへの男性性──」まさと(まなざしのフェミニズム)より)
まだほぼ情報出してないアンソロの原稿をいきなり引用してしまって本当に勝手にとても申し訳ないんだけど、考え続けたい、話し続けたい気持ちの背中を押してくれる文章で、ビリビリ痺れました。こういうアクションのこと、SNSのこと、それ以外でも、何かモヤモヤのある人にぜひ読んでもらいたいです。 (デモの日記から急にアンソロの話になって本当になんなんだって感じなんだけど、こういうことをまとめたzineも作りたいなと思っています〜)
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今日お会いできた乃衣さん堀川夢さん万次ノ輔さんくくるさん山田パセリさんフィリフヨンカさん、たいへんお世話になりました。また何かお話できましたら幸いです…!
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straycatboogie · 2 months
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2024/04/03
BGM: Jamiroquai - Canned Heat
昨日から、鶴見俊輔『期待と回想』をふとつまみ読みするつもりで読み始めたらやめられなくなってしまったので読み進めている。このタッチに親愛の情を抱き、もちろん畏敬の念をも同時に感じている。彼は本書で自身のモットーを次のように語る――彼は渡米の経験もあり英語は話せるが、しかしあえて英語を使えない人間であり続けようとする、と……これはたぶん、「謙遜」とかそんな話ではないと思う。もっとプラクティカル(実務的)な、この世界を無垢な眼で見つめて分析したいという彼が編み出した方法論から来たものなのかな、と思ったのだった。
ぼくはこの本を読み読み、鶴見が実にブリリアントな、すばらしく聡明な人物であることを学ぶ。同時にユーモアのセンスというか才覚と、「愚者」に徹するところから来る鋭利な「眼力」を持った人でもある、と。だからこの本からはロジックをゴリ押しした本が持ちうる(つまり、一般的な哲学書が往々にして帯びがちな)「冷たさ」がない。あたたかくてチャーミングだ(いやもちろん、彼の人格がこうした語りのぬくもりをもたらした……なんて話にはならないだろうと思う。そう言いたくなるほど親密な情を持ってしまいそうになるが)。何章か読み、この態度について考えさせられた。
自分自身のあしあとを振り返り……子どもの頃、ずっとクラスメイトからアホだバカだと罵られ、役立たずだ帰れだ死ねだと言われ……でもいま、人によっては賢いと言ってくれる人もいたりするのだった。何だこりゃ? アホな話かもしれないが、なんだかティアーズ・フォー・フィアーズの曲の歌詞のようなおかしな世界になったものだと思ってしまう。だからこんな、ここにいるこのぼくのようなねじれた・曲がった性根を持つ人間ができたのかなあ、と。
賢さとアホさの間の関係について考える。でも、「賢いけど、あえてアホなふりをする」というのが鶴見的な賢者の態度なのかというとそれもまた違うような気もする。というのは、鶴見やぼくが考える賢さとは「みんなミスをする欠陥のある人間であり、その意味ではアホかもしれない」という事実を直視するところから始まると思うのだ。鶴見はそうしたミス(しくじり)にポジティブな意味を加えようとする。「可謬主義」「マチガイ主義」とまで呼ぶ――しくじりを認め、ポジティブに捉えもっと思考を推し進めるある種の居直りにして大胆不敵な姿勢だ。
ところで、Xで友だちがこんなことを投稿していた。なぜある種の人々はクリエイターになりたがるのか。面白い話題だ。単純に「有名になりたいから」では片付かないのではないかと思う――そういう側面はありうるとはいえ。人はそうした功名心・承認欲求とは一歩距離を置いた場所で、情熱のほとばしりをどうしたって形に変えたがるものではないかと思う。熱湯が心の噴水ないしは間欠泉から湧き出て、止まることがない。ぼく自身、そんなほとばしりとしてこんな日記を書いているのだった。
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kennak · 6 months
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介護職の知人が数人いるが共通して「利用者元職ワースト3は医師、教員(特に元校長だそう)、警官」と言ってる。順不同だがこの3職は全く共通なのでこれらの職業の人たちは気をつけた方が良いよ、君ら不遜
[B! 人生] これができないと孤独な老後が待ち受ける…87歳医師が「老年になったら徹底すべし」と説く生活態度 財産を築くことよりはるかに大事「老後の幸福を決める一大要素」
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erica-tvi · 6 months
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バンドリ It's MyGO!!!!!にハマった話
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最近アニメを見てここ一ヶ月ほどバンドリ It's MyGO!!!!!(以下、mygo)というコンテンツに目茶苦茶ハマっていました。
このアニメを一言で語るなら、
ストレスとカタルシス、そしてそれを力強く支える音楽
に集約されます。
この文は布教用ですが核心に触れない(主観)程度のネタバレは有ります。
緊張感のあるシナリオ
膨れ上がっていく感情と爆発するカタルシス
燈の歌が最強すぎる
よく動くライブシーン
緊張感のあるシナリオ
元々本家のバンドリが王道な内容だったこともあり外伝にあたるmygoではドロドロしたバンドリをやろうというコンセプトから始まったそうです。
そのコンセプトに違わずmygoではCRYCHIC(クライシック)というバンドの解散という過去話から始まり、なんとか戻ってきた元CRYCHICメンバー3人(5人中)と途中加入した2人という歪な状態で再出発します。しかし目指しているものの違い、熱量の差、力量の差からメンバーがずっと衝突している不安定な状態です。
いつまで経ってもOPのような青空の下、笑顔でバンドができる気がしない。OPのようなバンドがいつ見れるかと今にも壊れそうなバンドをハラハラしながら毎回観続け、緊張が最大限に達した所に流れるEDで緩和する。10話までずっとそんな感じです。
膨れ上がっていく感情と爆発するカタルシス
3話と7話、10話がそれぞれ山場でありながら3話は7話、7話は10話の布石としての役割も持っていることで感情が雪だるま式に膨れ上がっていき、そしてそれは10話で最高のカタルシスを生み出す起爆剤になります。
11話以降は所謂ウイニングラン状態なのですが蛇足という訳でもなく10話までずっと心休まらない展開だっただけに余計空気が美味しく感じられる内容です。
燈の歌が最強すぎる
ボーカル担当の燈(ともり/画像中央)が透明感がありながらも、作中で自身の歌を「心の叫び」だと称するのに遜色のない力強い歌唱力を持っています。前半だと3話の劇中歌とOP、EDくらいしか歌うシーンがなくそれらの曲も透明感が前面にあります。しかし7話から力強さが片鱗を見せ始め、そして10話になるとそれは前屈みになって小さくなった身体から溢れ出てライブステージを呑み込む程に膨れ上がります。
よく動くライブシーン
ドローンカメラでアクロバティック飛行しながら撮影してるのかと思うほど、カメラがめっちゃグリグリ動きます。メンバーを一人一人シームレスに回っていくカメラ、ライトを背に目一杯浴びたボーカルの表情が見えなくなる逆光視点、ボーカルから天井に移りそして客席を映し出すカメラとなんでもござれ。
ちょうど去年のこの時期にぼっち・ざ・ろっく!でアニメで10年ぶりに脳を焼かれたのですが翌年にしかもガールズバンドアニメで二度焼きされるとは思っていませんでした。
方向性は結構違うのですがどちらも甲乙つけがたいくらい凄い内容ですし、こちらは元々バンドリーマーしか注目していなかったのもあって内容や評判に対して知名度が薄すぎる!もっと広まって欲しい!!との思いでこの文を書きました。
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m12gatsu · 2 years
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無題
過日、業務負担軽減を謳う弊社執行部が、定時退勤デーの導入を決めたらしい。100m走9秒デーを導入したら早く走れるとでも思っているのか。黙って給料を100倍にしてくれ。そしたら早く帰るから。
休肝日なのに献立が酒に合いすぎる、という理由で不遜な態度を取って、夕飯作ってくれた家人を悲しませてしまった。明後日が健康診断。裁きを受ける前から贖罪の気持ち。
彫金工房で指輪を作った。棒状の金属から成形していく、鍛造という製法。加工しやすいようにはじめバーナーで熱した素材を両端が接するようにペンチでグッと曲げていく。この時点でかなり骨の折れる仕事だった。両端の繋ぎ目に極小さな金属片を乗せて再びバーナーで加熱すると、金属片がある温度に達した瞬間にスッと溶けて繋ぎ目に染み込んで綺麗に溶接される。素材より先に金属片が溶けるような配合になっているらしい。そのあとゲージに嵌まるよう槌でせっせと叩いてサイズを合わせたら、目の粗さを変えながら鑢でこれもせっせと磨いていく。手指が真っ黒になった。結婚指輪2本と婚約指輪1本を2人で、正味3時間くらいかけて作った。俺のはちょっと太い平打のヘアライン加工。かっこいいから早くしたい。
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ari0921 · 1 year
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我が国の未来を見通す(63)
「気候変動・エネルギー問題」(28)
「気候変動・エネルギー問題」(総括)〔後段〕
宗像久男(元陸将)
───────────────────────
□はじめに
先週、連休を利用して島根県を訪問し、出雲大社を
特別参拝させていただきました。私などが詳しく解
説する必要はないと考えますが、ご案内いただいた
禰宜(ねぎ)が神話に基づき解説してくれた大社の
歴史は、地上界を支配すべきは天照大神(とその子
孫)とし、地上を治めていた大国主命から話し合い
によって(戦争することなく)国を譲り受けました。
天照大神は、感謝の気持ちを込めて大国主命を祭神
とする出雲大社を建設されたとのことでした。
私自身は、『逆説の日本史』(井沢元彦著)などで
語られているような出雲大社の“いわれ”を知らな
いわけではありませんが、江戸時代の中ごろに再建
されたとされる国宝の現本殿や神話時代から語り継
がれている、東大寺の大仏殿を超える日本一の高さ
48m、階段の長さが109mに及んだとされる初
代本殿の威容などを知ると、禰宜の解説の方により
納得がいきました。
大国主命は、今では広く「えんむすび」の神として
人々に慕われていますが、この“縁”は男女の縁だ
けではなく、生きとし生けるものが共に豊かに栄え
ていくための貴い結びつきを指すそうで、我が国の
悠久の歴史の中で、代々の祖先の歩みを常に見守ら
れ、目に見えないご縁を結んでおられるのだそうで
す。
このように、(正確にはわからないそうですが)3
000年に近い歴史が有する出雲大社の歩みをお聞
きすると、その歴史はけっして“神話の世界”では
なく、我が国の「国づくり」の歴史、そしてこの間
に出来あ���った「国柄」、特に神話の時代から「和」
を重んじる国であることなどが改めて理解できまし
た。この精神がやがて聖徳太子の「十七条憲法」第
1条「和を持って貴しとなす」として具現化される
のでした。
私自身はこれまで全国各地、数多くの神社仏閣を参
拝させて頂く機会がありましたが、特に、淡路島の
伊弉諾(いざなぎ)神宮、高千穂神社、伊勢神宮、
宗像大社などにはそれぞれの神話があり、そのつど
納得し、このような歴史を持つ日本に生まれたこと
に誇りと感じ、言いようもない幸せ感を味わった経
験がありますが、今回はこれまでの経験に勝るもの
がありました。
終戦後、GHQの占領政策によって、我が国は、神
話を教育することを含めて戦前の歴史を全否定され
ました。しかし、世界を見渡せば、神話を含めて国
の生い立ちを教えない国はありません。ポツダム宣
言には「日本が世界征服を企てた」となっており、
我が国はこのような“汚名”を受け入れることを余
儀なくされましたが、500年の長きにわたり、世
界征服を企てたのは欧米列国であり、この流れに
「待った」をかけた国こそが我が国でした。
その上、本来、「和」を尊ぶ我が国の国柄が語り継
がれていた神話の中にも存在することをGHQのス
タッフは身抜けなかったのでしょう。もしこのよう
な我が国の本性を熟知していたら、あるいは日米開
戦などは起こらなかったのでは、と想像してしまい
ます。
島根県には、国宝・松江城や日本一の庭園美術館
「足立美術館」などもあって、あらためてこの地域
の歴史や豊かさを堪能しましたが、島根県のみなら
ず全国各地にその地域ならではの歴史や文化があり
ます。天変地異など様々な混乱を経験しても、それ
らを残していただいた先人たちにあらためて感謝申
し上げますと共に、今に生きる私たち世代もまた後
世に残し、伝える責任があることに思いが至りまし
た。
▼我が国のエネルギー政策の“落とし穴”
 
さて、最近の我が国は、気候変動・エネルギー問題
のみならず、「国益」を一顧だにせず、というか
「国益」という言葉自体も忘れ、国際社会、特に西
欧列国に追随するとか、周辺諸国と謝罪することな
どをもって“国是”としているような風潮があるよ
うな気がしてなりません。かつてのグローバル・ス
タンダードなどもその部類だったと考えます。
もちろん、戦前のように、「国際秩序への挑戦者」
となることは許されないですが、戦前の“贖罪意
識”が強過ぎるのか、様々な状況を冷静・沈着に判
断して我が国が歩む道として最適の選択肢は何か、
というプロセスそのものをスキップしているように
思えてならないのです。そのようなことを何度も繰
り返すと、「進むべき進路を誤った」とされる戦前
と同じ結果になり、後々に禍根を残す可能性がある
ことを危惧します。
これまでも「木を見て森を見ず」という言葉を使用
しましたが、現在の我が国は、あらゆる分野で「専
門家」と称される人たちが発言力を持ち、それゆえ
に、専門とする極めて狭い世界の事象に拘泥し、結
果としてその考えに翻弄されているような気がして
なりません。各界に“森が見えない人たちがなんと
多いことか“とつい思ってしまいます。
特に、気候変動問題においては、菅義偉内閣になっ
て、突然「脱炭素」を宣言し、まさに「国益」やそ
の実行の可能性より、国際社会追随の政策に転換し
たことはすでに紹介しました。当時から「エネルギ
ーは安全保障最優先にすべき」との声もありました
が、様々な事情もあったのでしょうが、“見切り発
車”しました。いったん舵を切ると、トランプ前大
統領のような強いリーダーが出現しにくい我が国に
あっては、軌道修正がますます困難になることは明
白なのです。
また、「ブレーキをかけることを忘れた高齢者の運
転のように」と表現しましたが、アクセルばかりを
踏み込み、ついには「一石三鳥」のような勇ましい
キャッチコピーまで飛び出しました。国を挙げた勇
ましい政策には必ずその“副作用”があることを我
が国は長い歴史の中で何度も経験しましたが、その
ような歴史を学び、あるいは各方面からの警鐘を鳴
らす発言に耳をそばだてるような感性は、首相をは
じめ、政治家や官僚の皆様にはなさそうです。
政府が唱える政策に協力するのは当然としても、様
々な思惑をもって「脱炭素」政策に便乗する人たち
は、いったい全体、地球にとってCO2とは何なの
か、本当に異常気象なのか、地球温暖化は進んでい
るのか、それらの原因が人為的CO2の排出にある
のか、さらには、「脱炭素」は可能なのか、そのコ
ストはどれほどかかるのか、CO2を削減すること
が地球にとって本当によいことなのか、その上で、
自分たちのやろうとしていることは本当に日本のた
め、地球のためになるのか・・・などを考えたこと
があるのでしょうか。
おそらくそのような思考は停止したまま、「政府が
奨励しているから」「国連(あるいはIPCC)が
言っていることだから」「皆、やっているから(や
らないと取り残されるから)」と自らを納得させる
・・・私の周りにもそのような人がたくさんおりま
す。なかでも、金儲けの絶好の機会と野心的な思惑
を持つ企業関係者にあっては、その真実の解明より
「お金になるならなんでもよい」くらいの感覚なで
しょう。
民主主義とは、誤解を顧みず話せば、主権者たる国
民の大多数の支持があれば何でもできるし、何をや
ってもよい政治形態です。バラマキと言われようが
刹那的と言われようが、支持率さえ確保できればよ
いと考える政治家が政策を断行し、その結果、主権
者が喜べば、世の中は丸くおさまり、波風は立たな
いのです。
地球温暖化とは裏腹に、「100万年にわたる地球
の気温推移の歴史をみると、人間の出すCO2など
とは全く無関係に一定のリズムを刻んでいる」とし
て、「実際の地球は寒冷化に向かっている」との考
えを持つ人たちも少なくないですが、その寒冷化を
防止するためは、温室効果ガスが必要不可欠であり、
その主体はCO2になることでしょう。
何も考えずに「脱炭素」に協力していている人は、
かつての氷河期のように地球上の生命体そのものを
脅かすことに加担しているという考え方もできるの
です。
▼実行の可能性とコスト意識
さて我が国は、中国などの発展途上国と比較して、
先進国としてエネルギーを消費した歴史が古いこと
は間違いないですが、それでも1970年代に2度
体験した石油ショックから立ち直るために、並々な
らぬ“省エネ”努力を積み重ねてきました。その結
果、実質GDP当たりのエネルギー消費は世界平均
を大きく下回る水準を維持しており、インドや中国
の5分の1から4分の1程度の少なさであり、最近、
省エネが進んでいる欧州の主要国と比較しても遜色
ない水準となっていることも紹介しました。
つまり、すでに省エネに取り組み、それをもって過
度にCO2排出を排出しないという長い歴史があり
ます。そして、生活空間からしても“ウサギ小屋”
と揶揄されるようなつつましやかさも現存し、今と
なっては他国に誇るべきことですが、だからこそ、
これから先、さらに省エネを推進し、CO2排出を
削減することは至難の業だということもいえるでし
ょう。
これもすでに紹介したように、環境省の発表では、
これまで国と地方自治体合わせて30兆円の経費を
投入し、今後は税金で20兆円を投入して150兆
円の投資を呼び込むと皮算用していますが、すでに
省エネを推進し、CO2排出は地球全体の3%ほど
に留まっている我が国にあっては、仮に2050年
に「脱炭素」を実現したとしても、その効果は測定
できないレベル(試算では0.0008℃度程度)
にしかなりません。
最近、このような日本にあって、依然として現実的
な“良心”を有している機関を発見しました。経済
産業省系の研究機関といわれる「公益社団法人地球
環境産業技術研究機構」(RITE)です。RIT
Eはまず、「2030年にCO2を46%削減する
ためにGDP損失が30兆円発生する」として、2
0兆円の実質増税を含み、政府が考えるカーボンプ
ライシングは「経済への足かせになる」と警鐘を鳴
らします。
RITEはまた、「2050年に『脱炭素』を実現
するためには、技術面やコスト、自然制約・社会的
制約などの様々な面で課題や制約を乗り越えること
が必要であるが、技術革新などの進展には大きな不
確実性が存在するため、30年後の姿を具体的に見
通すことは困難である」とし、さらに、電力分野の
みならず非電力分野の技術を実装しない限り、「2
050年の『脱炭素』は極めて困難である」と結論
づけています。
この結言を導くために、RITEは電力構成につい
て5つのシナリオを取り上げて検証していますが、
なかでも再エネ100%のケースでは、電気料金が
2倍になることも試算しています。
東京都は、情緒的な判断だけでその効果もろくに検
証しないまま、都内の新築戸建住宅に太陽光パネル
の設置を義務化し、そのための支援制度を新設する
ということが話題になりました。この支援のための
経費は都民税から流用されることは間違いないでし
ょう。気候変動対策とか「脱炭素」を目的にすると、
コスト意識が頭から離れてしまいがちですが、その
コストは最近話題の電気料金の値上げだけではなく、
石油やガソリンなどの燃料代、そして所得税や地方
税などにも含まれることも再認識する必要があるの
です。
▼「脱炭素」と安全保障
さて、太陽光発電は国内の広大な土地を中国など外
国資本が買いあさる格好の材料になっていることも
指摘しました。最近、中国がアメリカ国内の農地を
購入し、アメリカが警戒していることが話題になっ
ていることも付け加えておきましょう。その面積は、
現時点では1554haほどで、1位のカナダや2
位のオランダなどには及ばず第18位、農地全体の
0.9%に留まっているようですが、高い伸び率で
農地が増えていることに加え、日本を含め、世界規
模で農地を買いあさっていることもあって、アメリ
カ国内では余計に警戒感を増大させているようです。
再エネを推進しようとするとコストがかかる。コス
トを削減しようとすると中国製の太陽パネルを使用
する必要がある、あるいは、太陽光発電のために中
国資本を招へいする必要がある、招へいすればする
ほど、中国資本の森林や農地が増える、増えれば増
えるほど安全保障上の問題に懸念が残る・・・。
上記のサイクルで何を優先すべきかは明らかなので
すが、「脱炭素」以外に盲目になっている人たちに
は、国内の森林や農地が外国資本に買収されること
に危機意識を持たないことが問題なのだと考えます。
前回、地球温暖化の提唱者たちの当初のシナリオが
狂っているのではないか、と指摘しましたが、我が
国にあっては、補助金付きで、中国資本を招き入れ、
国内はおろか、中国の世界戦略に加担するようなこ
とになるのだけは何としても避けたいものです。政
府の早急な英断が求められると考えます。
私は、「脱炭素」などのような“絵空事”(あえて
こう表現します)を根本から見直し、エネルギーの
安定確保(しかもなるべく安価で)を最優先するこ
とを提言したいと考えますが、読者の皆様はどう考
えるでしょうか。
▼まとめ
 
さて、本メルマガで取り上げました我が国の「少子
高齢化問題」「農業・食料問題」「気候変動・エネ
ルギー問題」には共通の要因があり、これらの問題
を抜本的に解決するためには、それぞれ小手先では
なく、国家レベルの根本からの「改造」が必要と考
えます。それらは、国防とか防災なども共通してい
ることでしょう。
本メルマガ「我が国の未来を見通す」は、「我が国
の歴史を振り返る」の後継として発信しているもの
ですが、この後、本メルマガの総括として、我が国
の歴史から学ぶ「知恵」を活かしながら、我が国の
将来に立ちはだかるであろう“暗雲”にいかに立ち
向かうか、について読者の皆様と一緒に考えていき
たいと思います。
しばらく整理と充電の時間を頂いたのち、第4編
「『強靭な国家』をつくる」(仮称)を題して、日
本を守り抜き、日本の未来を創造するための様々な
「知恵」について発信していきたいと計画していま
す。請うご期待!
(つづく)
(むなかた・ひさお)
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iconomiccc · 2 years
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深々と燃えるような身のうちの炎と、絶好調について。
正確な日時を調べると、私が初めてtumblrでリブログしたのは2011年10月21日のようです。という事は、今月21日がきたら私がこのブログを開始してから11年がたったということになりますね。 この11年間ほぼ毎日欠かさず更新を続けていますが、今が一番楽しくて、tumblrにおける「創作」、「私の美意識の発露」ということを意識してリブログをしています。 tumblrの1日の投稿数の上限は200件です。私は調子が良いと1日の間に200件以上の素敵なpostをあっという間に見つけてくるので、すぐに上限いっぱいになってしまって、制限が解除される時間まで待たなくてはならなくなります。 この夏精神科の閉鎖病棟というとんでもないところに一ヶ月半入院していましたが、退院して仕事にも復帰して、市の担当の支援員さんや精神科の主治医や会社の上司や家族や親友、私の大切な人たちに私がつくづく語ることは、「今回、あの病院に入院して良かった」「とても辛くもあったけど、かけがえのない貴重な体験を通して、得るものがたくさんあった」ということです。 実際、今、私は、あそこで流れていた時間や過ごした時を、出会った人たちを愛おしく思い出し、「まるで竜宮城のようであったなあ」と懐かしさと切なさで胸をいっぱいにしているのです。 これはうつ病を発症して会社を辞めなくてはならなくなり、社会復帰するためにリワーク(精神障害者就労支援施設)に通っていた時にも似たような感覚を覚えたのですが、 「精神病の人たちが集まっているところ」なんて聞くと、「社会的弱者」、あるいは「近づくのも恐ろしい、何をするかわからないやばい人たち」の巣窟のように感じてさける人も多いのでしょう。 でも、私は自分が精神障害者という当事者であるからだと思いますが、 「そこ」へ入って行って、性別も年齢も経歴も色々な人たちと会話を交わし関わると、病気の原因になっている心の深い部分の傷は、私もみんなも「同じだ」、と感じ、普通に生きていると互いに曝け出す機会はそうそうないであろうその傷から生まれる弱い部分を見せ合って、互いを許し、認め、共感しあうことによって、何か「人間の一番美しい部分」に触れることができたような気がするのです。 病棟で私の隣の部屋に、私より先に入院していたおそらく40代後半の女性の患者さんがいました。 彼女はのび太くんを女の人にしたみたいな容貌で、やせっぽちでいつも膝下のズボンを履いて度のきつい眼鏡をかけていました。不安障害があり、ほんの少し目の不調があれば泣きながら「眼科の先生にいますぐ診てもらいたい」と看護師さんに訴えたり、「夜中に自室に看護師さんがきて勝手にロッカーの鍵を開けられて荷物を漁られている」と涙ながらに他の患者に相談したりするような方でした。 その方が、私が投薬の時間にとあることがきっかけでひどいうつ状態になり、ホールの椅子に体育座りして動けなくなっていた時に、そばにきて一生懸命、一時間も慰めてくれたのです。 ほんの小さなことで、健常な人から見れば異常なほどに落ち込み、傷つき、不安になってしまい、泣いたり食事がとれなくなったり体調を崩してしまったり、最悪な場合は命を絶ってしまうような病気。 同じ症状を持つものとして、「その気持ちわかるよ」「大丈夫」と、言葉を尽くして一生懸命私の肩をさすりながら慰めてくれた彼女のことが、お世辞ではなく女神か天使のように思えました。 確かに、閉鎖病棟なので「やばい状態」になっている人もいます。(だから入院しているんだしね) 廊下を一人でぶつぶつ何かと交信しながら話して歩いている人もいれば、暴れて物を壊してしまったり、部屋のドアを何時間も「助けて、ここから出して!!」と叫んで叩いている人もいました。 確かに「異常な状態」であり、怖いんだけど、そういう人たちも「病気で」そうなっているわけで、先生に診断してもらって処方箋のお薬が合えばまるで見違えるように良くなって、普通ににこやかに挨拶をして、会話を交わしたりできるようになるんです。 私としては自分が精神病の疑いがあることから目をそらして病院に行かず、治療を受けてない健常者の方がよっぽど危険なやばい人、だと思います。 私が退院してきて親友に電話でこのことを伝えた時、彼女は「芸術家というものはそのほとんどが、精神的に健常の域を超えて辛い思いをしたり、生きづらさに困窮することがある。それでもその経験を糧に彼らが作り出す「芸術」は、健常者のわたしたちに見たこともないような鮮やかな世界を見せてくれて、救いを与えてくれる。絶対に必要な人たちだよ。 いこちゃんも、そうだと思っているよ。」と言ってくれました。 そして、「元気が戻ってきたらまた創って。詩でも、絵でも、ビーズのアクセサリーでも、なんでも。私はいこちゃんのセンスが好きで、創り出すものが好きで、楽しみなんだ。だからまた、創って、見せてほしい」と言われました。 その時、 私は、私の生きている証というか、存在意義というか、弱っていた私の命の炎に、焚き付けの薪をドバッとくべてもらった気分になったのです。 彼女は大学の同級生で、もう二十年以上の付き合いがあります。私が自然を愛しながら何かを創りながら生きてきたその生き方を、愛し、尊重し、一緒に歩いてくれた人でもあります。 ありがたいことにこのtumblrでも私の創る世界を愛してくれるフォロワーの方が何人かいらして、熱いメッセージをいただくことがあります。 そんな時、今までは謙遜することが多かったのですが、今の私は自分の中の「創りたい」という炎に怯えることなく、真っ直ぐに見つめ、「そうか、燃えたいのか、では燃やそう、」と肯定し、楽しく創ることができているように思います。 何も考えずに歩いて行った先で、自分のアンテナに引っかかった美しいpostを200件精査して、アーカイブに並んだ時の形や色味の調和を見ながらリブログする。 まるで一枚の永遠に続く綺麗な布を、拾ってきた貝殻や露や花びらや骨で飾って織るような行為。 ちっとも苦ではありません。 楽しいからできている。 楽しいから続けていられるんだろうし、私が楽しく創っているから、見ている人も楽しいんだと思います。 このブログのタイトル「涙ぐむ眼」は、宮沢賢治が故郷の少年院の庭に作った花壇のタイトルです。涙を湛えた瞳の形をしたその花壇は、まつ毛や虹彩や涙丘それぞれを表すにふさわしい種類の花々で作られています(涙丘の部分は睡蓮を浮かべた小さい池になっている)。 中学の頃、友達が誕生日プレゼントに透明の小さなビーズの球を数粒、くれました。 「いこちゃんの涙みたいと思って」と言って。 私はそれからずっと、露や真珠の粒が好きです。 狂人と紙一重のところまで心を飛ばして自然と交わり、そこから詩作のインスピレーションを得ていた賢治の作った「涙ぐむ眼」と、すぐ泣くけど、泣く時は一人で泣かなければならないと思いこんで自分を許さなかった若い頃の自分を重ねて、11年前、このブログのタイトルに据えました。 今、私は今までで一番元気です。 これからも日々楽しんで此処を創っていきますので、楽しんでいただければ幸いです。
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niyuuhdf · 12 days
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トキ:「虚」
愛してる 虚が欲しかった 
虚を本気で殺しにかかったことがある 虚が十三かそのくらいになった頃 まるで高硬度の宝石か何かみてえにいつまでも適応の変化を受けつけない苦痛に翻弄される虚に、そいつをもう粉々に撃ち砕いて帰してやろうとした 虚は本気でやり返してきて俺たちは殺し合いになった そんなことはあり得ねえと知りながらも本能的に感じる、俺と似通った身体 そう簡単に死ねやしねえのに虚はやたらと死にたがらねえ 苦しみに塗れても汚辱を被っても尚死にたがらねえ 守りたい尊厳は? お前に一体なにがある お前のなにを愛せば 俺はお前を守ったことになる? 俺と違って何もかも愉快に変えちまえる器用さも小賢しさもねえ、ただ苦しいだけのお前をそこまで一途に頑なに生かすものは何だ?
疑ったこともある 死の発想がねえんじゃねえかと せっせと生き物を拾ってきては世話を焼いて殺す 死の概念からないわけじゃなさそうで、相手を安楽にしようと殺したがる、その身体から相手を逃がしてやろうと必死になる、ーーーとかく身体から逃がしてやることが虚にとっての安楽らしかった それが翻って虚にとっての無意識の苦痛の定義になる 逃がしてやりたいのは山々だ、俺も だってのに、当の本人はその適用外。安らかでいてほしいと無節操に願い殺しまわる、お前は死神か何かか?
死にたがりは心底嫌いだ そういうところも好きだった
どうやら虚を生かしてんのは、俺には俄かに想像に難いもの、…夢、だった 恋と言ったほうが適切か この世界への、果てない あてどない 心許なく寂しく孤独な 狂おしいほどの あまりに激しく静かな 決してこの世に絶望しない 成長するにつれ心のどこかで、自分の想いが届かねえ果てしなさに諦めをつけ、独り善がりの想いの傲慢と未熟と惨めを呑んで、それでもまったく弁えねえ 弁えねえところはいかにも俺の子だった 虚がこの世界と仲良しこよしだったことなんてありはしねえだろうに だからなのか?お前がいつまでもこの世界を見捨てねえのは、庇いたがるのは。 どうしてこの世がそんなにまで好きだ? なんつう愚問だ、俺だってこの世は一等お気に入りだってえのに。
"辛いことや苦しいことから守ってほしかった" 虚にとっての辛く苦しいこと 守るべき自分の尊厳をまだ知らない虚に、そいつを教え込み自律を促すべきだったんだろうな じゃねえといずれ負債に化けちまう、そんな理に則った世界に即して虚を生かすより俺が一人で連れ歩いて面白おかしく何処へでも一緒に飛びまわって育てられたなら 
それができりゃあ苦労しねえよ、虚は自分をいたぶるこの世界に恋をしてる それが虚を生かしてんなら、俺が根本から引きちぎって奪い去った後の虚は 生きてるか? 俺はいつだって殺したかった 虚を殺したかった、屍同然になってからじゃなく 俺の手垢がついちまうことが育児で教育なら俺はそいつを放棄する 最後 最期を虚がいつか心から求めるならその時俺は虚の前に立つ その時だけでいい そうも思った
"いい子だねって 抱きしめて 頭撫でて" いい子 抱きしめて 撫でて 無条件の肯定と惜しみない愛情、いつでもいつまでもお前の味方だと言って聞かせて態度で示す その手のは幼子から仕込まねえと後々から根付かせるのは一苦労なもんが多いからな 虚は触れられるのを嫌がった いかにも親しげにそばにすり寄ってくる人間から咄嗟に身を引いて距離をとる 俺もガキの頃はそんなだったな、触れられんのが嫌いだった 理解者ぶってくる人間を 或いはそうあろうと真摯に努める人間に対しても 腹が立ったんじゃねえのか 三歳かそこらでもう誰かと誰かが分かり合えるなんてのはとんだ絵空事、断絶の途方もなさを見つめずに無視して踏み込もうとしてくる他者が その不遜と傲慢が、許し難かったか? 虚のほんとうに守ってやるべきものはなんだ、どこにある? 虚が大事に抱えて守るそれを外側から破り砕いて粉々にしてやらねえと、ほんとうに守るべきだったものはそこにしかなかったか? 誰も正解を知らねえ、一般論や俗説を虚にも無理やり嵌め込んでやるべきだったか、そうすりゃきっとそう育つだろう 吐き気がする 吐き気くらいなんとでもするが、でも、ああ、撫でられるのをするりと避ける姿に俺は何を見ちまったのか、そのままでいてほしいなんて そのままでたった一人で育つ人間がいるもんかよ だったら俺に守られて保たれた「そのまま」ってのは一体どこが「そのまま」だ? 俺に触れられて欲しくねえ 虚には 俺の何ひとつ 与えて染めたくねえ  俺の手前勝手な何もかもを虚は無視して誰からも染められなかった どれだけヒビが入ろうと、何にも染まらなかった そんな解釈が網膜に張り付いた俺は虚のそばから消えた そんな如何わしいもんをそばに置いておけるかよ 例え一人にしようとも、俺は居るよか居ねえほうが幾分マシだと …そう決め込んだ 殺したい 助けたい 犯したい 愛したい 殺されたい 殺し合っても死なないお互いが かけがえない
でももうお前は殺しまわるのはやめたんだろ 真澄一人の死神でいつづけるんなら、俺の独り善がりも隠し合わせてねえでそろそろ葬り去らねえとな
お前が愛したものを愛し通せるように
今の俺がお前に願うそのちっぽけな傲慢一つを成就させるために、俺はここに居る
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kiriri1011 · 21 days
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美女と野獣と吸血鬼(R18)
いいかタヴ、よく聞け。 世間知らずなお前にはわからないんだろうが、複数人でやれば必ず盛り上がるわけじゃない。 一度に何人も相手にするのは大変だし、何より気が散る。なのに平等に愛想よく振る舞ってやらないと機嫌を損ねるやつは必ずひとりいる。参加してる全員をある程度まで喜ばせるのは骨が折れるぞ。 あと、自分勝手なやつがいたらそいつが何もかも台無しにする。これが一番よくない。 1対1ならまだやり過ごしようがあっても、3人以上で揉めると必ず角が立つんだ。最悪殴り合いになる。 あとはとにかく相性が物をいう世界だ。普段から馬が合わないやつ同士がベッドの上だけでは血を分けた兄弟のようになるなんて展開は陳腐なロマンス小説の中だけだからな。これは賭けてもいい――。
「実体験込みの講釈はそろそろ打ち切ってくださるかしら? アスタリオン教授」
 長々と説教を聞かされる中、タヴは真面目な学生のように片手をあげてアスタリオンの言葉をさえぎった。
「お望みならもっと聞かせてやってもいいが」
 アスタリオンはらしくもなく堅物めいたことを言って恋人の態度に目を細める。  タヴはあからさまに面倒くさそうな雰囲気を放っているし、アスタリオンも自身の長説教をまっすぐ受け止めてもらえる期待はしていなかった。  だが、一応経験者として語るべきこともあるだろう。  なぜなら今から3Pするからだ。
「ようするに、始める前から『思ってたより盛り上がらなくても自分のせいじゃない』って予防線を張ってるの? 面白くない手品ね。お前にはもっと意気地があると思っていたけど」
「俺はお前みたいに好奇心だけが取り柄の仔猫が後になって『想像してたのと違った!』とニャーニャーうるさく鳴きだしても責任はとれないと言いたいだけだ」
「詭弁じゃない。よくそれで法廷で働けてたわね」
 ため息まじりのタヴの口調にはいよいよ棘が目立ち始める。美しい薔薇には棘があると世間でよく言うが、彼女はまさにその体現者だ。  その不遜な態度に、ふん、と軽く鼻を鳴らしてアスタリオンは憤然と腰に手をあてた。
「詭弁じゃない。正論だ!」
「ふたりとも、始める前から喧嘩はよくない」
 軋み始めたふたりの関係に「待て」を放ったのはハルシンだった。  彼はがっしりとした己の顎をなでつつタヴとアスタリオンの会話を見守っていたが、どんどんやりとりが険悪になっていくので見ていられなかったようだ。
「自己中心的な行動が不和を招くというのも、結局相性だという話になるのも、2人でセックスするときと変わらないだろう。ただそれが3人に適応されるだけだ」
 だが、その極めて落ち着いた説得の言葉にアスタリオンは片眉を跳ね上げる。  経験豊富な大ドルイドの言うことは決して間違いではない。だが、理想論だ。自分たちなら仲良くやれるはずだという謎の自信に裏打ちされた希望の押しつけにほかならない。  それもそもそも――、この男が「ふたりのセックスに参加したい」と言い出したのが原因ではなかったか……?とアスタリオンは現実に立ち返る。  最近になってハルシンがタヴに告白したというのは彼女から報告を受けた。彼自身はタヴに独占欲を向ける男ではないのもわかっていたし、自分たちの関係を壊す異物にはならないだろう、と認識してアスタリオンはふたりの関係を承認したが、そこにタヴの恋人の自分も加えて楽しもうとするハルシンの異様な大らかさが多少不気味に思えるのもまた現実である。
 そこでタヴに説得され、一度は承諾して夜の森に3人集ったところまではいい。  だが、素直にそういう気持ちに持っていくまでアスタリオンは自分が思っていたよりも時間がかかるようだった。経験則から、複数人でセックスするのは疲れるイメージしかないし、何より――良い思い出でもない。それはここ200年の中にあったこと全部がそうだが、最近は特にタヴと愛し合うようになってから余計そういった行為に対して安心を求めるようになったのも否めない。  果たしてこの男を交えて、普段タヴとやっているようにできるか自信がなかった。
「お前たちは普段からお互いを大切に思い合っている。俺を受け入れてくれたのは、お前たちが心から愛し合っている証拠だ。俺の存在を受けて壊れるような絆ではないと自分たちが何より知っているんだろう? 俺はその素直な愛にもうひとつ愛を添えるだけだ」
 350歳を超える性の熟達者はあくまで真摯な口調でそう告げた。  彼の内部に一切邪悪なものがないことはアスタリオンにだってわかる。今言ったことだって本気に違いない。  ハルシンは自然に生きているだけだ。自分の本能に対して忠実に振る舞う一方で、常に他者へ心を向ける繊細な気性を持ち合わせる彼の複雑な魂にタヴも惹かれたのだろう。それも理解できる。  だが、あまりに自分と異なる精神構造の彼に対し、少し気が引けるのもアスタリオンの本音だった。  男にはあまりにも駆け引きがなさすぎる。  アスタリオンがやりきれない気持ちをため息で表現すると、それをちらりとタヴが目の端で見た。
「もう答えはハルシンの口から出たみたいよ」
「もうなんとでも言えばいい」
「まったく、素直じゃないわね」
 彼女はそう言うと、アスタリオンの腕をとり、ハルシンのほうへ身体を近づけた。  アスタリオンが急な行動に目を瞠っていると、彼女は自分のもう片手でハルシンの乙女の太腿ほどある太い腕を引き、自分の顔のところまで彼をかがませた。  顔を近づけた3人の視線が交わる。
「私の好きな男たちが仲良くしてるところを見せてくれる?」
 タヴは悪戯っぽく微笑んだ。  アスタリオンが上目に見上げた先ではハルシンも穏やかに微笑んでいる。  彼が微笑みを向けているのはタヴではなく自分であることに気づいて、アスタリオンは無意識に逡巡した。なぜかはわからないが。  戸惑っているうちに頬に柔らかい感触があたる。  タヴが頬にキスして、それからハルシンにもそうした。  アスタリオンは我ながら情けないと思いつつ、それだけで牙を抜かれた気分になってしまい、改めて降参の意をため息で表現した。  認めたくないが、タヴは自分と同じで、キスひとつで人の心を変えることができる魔法を持っている。  だが、その魔法には大きな代償が伴う。アスタリオンにとってはこの200年がその代償だった。  願わくば、愛するタヴにはそんなことになってほしくはないが――、彼女は現にその魔法で目の前にいる熊男をも魅了してしまったらしいから大変だ。  ハルシンの手が彼女の顎にかかり、一気に自分のもとへ引き寄せる。  ふたりはアスタリオンの目の前でキスをした。  それもやがて舌を交えて、いやらしく水音をしたたらせ始める。  ハルシンのキスは食べるような深いもので、タヴはその大きな欲望を募らせた舌遣いにすぐ順応してみせた。  大柄なウッドエルフがあでやかな黒髪のハイエルフを抱き寄せてキスに夢中になっている姿は、まさしく美女と野獣そのものである。  最初のキスだけで一気に興奮の融点に達したふたりはまるで長年添い遂げた恋人のように互いに夢中になっている。その光景に、ちらりとアスタリオンの心に邪なものが差した。  息継ぎの合間を狙って、タヴの顎を掴んだ。  濡れた唇を攫って、すぐに自分の舌を滑り込ませる。  ぐちゃぐちゃと踏み荒らすような強引な舌も、タヴは素直に受け入れてくれた。  荒々しく歯列をなぞり、熱い舌を吸ってやれば、彼女の喉から切ない吐息が溢れだす。  そのあいだにハルシンは彼女のシャツの前をひらき、現れた豊かな乳房に大きな手を這わせていた。  無骨なてのひらに繊細な柔肌を愛撫され、アスタリオンとキスに耽っているタヴの息に明らかな熱が差す。  白い乳房に太い指たちが食い込んで、柔らかく形を変えられる様を見て、アスタリオンは少々興がのった。  上はハルシンに任せて、タヴの下半身からズボンを下着ごと下ろしてやると、その太腿の付け根にゆっくりと指を差し入れる。彼女の秘所はかすかに湿りけを帯びていて、アスタリオンの差し入れた中指をおずおずと受け入れた。  キスを続けながら秘所を軽くくすぐってやる。  慣れた恋人の指遣いに、タヴはハルシンの腕の中でびくんと身を震わせる。だが、身をよじろうにも、ハルシンに後ろから抱き締められている。  いつの間にか裸になっていた彼はタヴの肩を甘噛みしながら押さえつけ、彼女の秘所を愛撫するアスタリオンを助けていた。  なるほど、一応息は合っている。  アスタリオンはハルシンが恋人を同時に愛する仲間としてはそれほど悪い相手ではないことを知った。こういうときに気が逸って前のめりになる男も少なくない。自分の役割を察して仕事に徹するやつはこういう場において良き相棒になりえるだろう――今のところ彼に合格点を出したアスタリオンは、ハルシンに仰向けになるよう指示した。  アスタリオンの指にはもう十分なほど蜜が絡んでいるからだ。  見たところハルシンの股間にあるものも用意ができているし(胸を愛撫しながら彼はずっと怒張した逸物を彼女の尻に押しつけていた)、まずふたりで愛し合っているところを見せてもらおう。新参者のお手並み拝見といったところだ。  ハルシンが言うとおりに草むらに背をつけると、息の荒いタヴをそこに連れていってやる。
「タヴ、ゆっくり息をしろ。今からハルシンのいかついのが入ってくる、入れただけで飛ぶんじゃないぞ」
 子どもに言い聞かせるような優しい口調でタヴの頬をなでる。
「私がそんなやわに見えるの?」
 すっかり頬を興奮に染めた彼女からそんな反論をされてもちっとも信用できない。アスタリオンは笑みを堪えながら腕で肩を支え、恋人がハルシンの上にまたがるのを助けてやった。  しとどに濡れた秘部が、ハルシンの怒張を咥え込んで、ゆっくりと沈んでいく。
「ああ……!」
「ほら見ろ、もう堪らなさそうじゃないか」
 上から揶揄を投げかけてタヴの痴態を堪能する。  ハルシンの逸物は彼の見た目通りヘビーだった。十分濡らしても多少はきついだろう。そのことがわかっているのか、ハルシンはすぐに動き出したりはせず、息をはずませるタヴの脇から腰までのラインを両手で何度もなでて、彼女の身体から緊張をやわらげる。  さすが手慣れているな、とアスタリオンは感嘆した。  次第にタヴの息が落ち着いてきて、自分から緩々と動き出した。
「あ、あ……はあ……ああぁ………っ」
 深いため息をつきながら、じっくりと味わうようにハルシンの逸物を出し入れしていく。彼女の動きにハルシンも満足そうに息をこぼし、相変わらず腰を優しくなでていた。  アスタリオンは妖艶に身体を揺するタヴを芸術品を鑑賞するようにしばらく眺めていたが、次第に自分も下半身が窮屈になってくる。ほかの男と愛し合ってるタヴの姿は思っていたより刺激的だった。  まあ、そろそろいいだろう。
「タヴ、俺にもかまってくれ」
 目の前に差し出された恋人のペニスを、タヴはいとおしそうにしゃぶり始める。  熱い舌が性器に絡む心地よい感触にアスタリオンは目を細める。黒い髪をさらさらと梳いてやりながら、親猫が仔猫にまんべんなく毛づくろいするようなタヴの舌遣いを味わう。まったく彼女は。いつもとはまったく異なるシチュエーションだというのに、普段の通り自分を愛そうとしてくれる。  本当に貪欲極まりない。  こんな欲深い恋人がいるのだから自分もつくづく大変だ。  自嘲しながらも悪戯心に目覚めたアスタリオンは、彼女の後ろ頭に手を回し、腰をゆっくりと性交するときのように揺らした。困惑するどころか、タヴはアスタリオンの白く脂肪も筋肉も薄い臀部にすがるようにして抱きついてくる。  それを見て、「熱烈だな」、とハルシンは感嘆するように息をついた。
「見てるだけなら誰でもできる。そっちにも仕事があるだろう?」
「それもそうだな……」
 アスタリオンが諭すように言うと、ハルシンは少し考えるようにタヴの背中を見た。  そして、細腰に腕を回し、がっちりと固定するように抱く。  タヴが息を呑むのがわかった。  ���ちゅ、ぐちゅ、と濃い水音が二重に響く。  ハルシンが悩ましい腰遣いで下からタヴを突き上げている。そのあいだもひっきりなしにアスタリオンは腰を揺らし、タヴの口の中に射精する準備を進めていた。
「んっ……ぐ……っ!」
 タヴはともすれば苦痛と呼べなくもない呻きをこぼしたが、アスタリオンの腰に回った手は固いままだ。  これで本当に、ふたりの男から同時に愛されるのが初めてなのだろうか? 快楽に耽溺するタヴはまったく自然な姿に見えた。いつもこうやって自分たちに愛されていると言わんばかりに彼女は奔放に振る舞って、ハルシンとアスタリオンの目を同時に奪う。  きゅうぅ、と絞り上げるように彼女の喉が窄まって、アスタリオンを追い詰める。  そのときまったく同時にハルシンも「うぐ……!」と唸った。  まさか同時か、と思いつつも下半身の弛む感覚に身を任せて、アスタリオンはタヴの口内で達する。恋人の温かい舌はぬるりと精液を受け止め、亀頭からしたたる最後の白い一滴まで貪るように啜った。  タヴの太腿もまた精液でべっとりと濡れている。ハルシンが外で射精したのだろう。  はあはあと息を継ぎながらタヴは艶やかな微笑みを浮かべた。
「お前が言ってたよりずっとよかったわよ」
 濡れた唇を舌なめずりし、まだいける、とアピールしてくるタヴに、アスタリオンはもう仕方なしに笑った。   「そうだな。どっちも美味しそうにしゃぶってた。思っていたよりお前には才能があるみたいだぞ、タヴ。この俺が、次の天才の出現に焦ってるなんて言ったら信じるか?」
「俺と交代するか?」
 そう言って笑うハルシンの顔にもまだ疲れは見えない。  アスタリオンもすっかりその気になっていたし、このままポジションを入れ替えてタヴを共有するのも悪くないだろうと思った。その瞬間、タヴからぐいと腕を引かれ、キスをされた。  タヴの唇にはついさきほど自分が出したばかりの精液の名残がある。  すぐに舌を突っ込まれ、口中に独特の苦みが広がったが、このぐらいで萎えるアスタリオンでもない。舌を合わせて熱狂を再演していると、突然、彼女の腕が肩を押す。  どん、と草むらに倒されて、思わず見上げたところにまた恋人の唇が降ってくる。  いったい今度は何が始まるというのか。すぐに理解できずにいるアスタリオンの膝の間にタヴの足が割って入って、まだ半立ちのペニスと後ろの窄まりが露わになった。  じわじわと太腿を這った彼女の指がペニスを素通りし、そこに触れる。  急に敏感な感覚を開かれたアスタリオンはとっさに足を閉じようとしたが、いつの間にか後ろに回ったハルシンに両膝を抱え上げられ、身動きできないまま彼の膝の上に招かれてしまった。  股の間から、勃起した長大なペニスがぬうっと出てくる。
「安心しろ。タヴが導いてくれる」
「ハルシンのは大きいから、ちゃんとほぐさないとね」
 タヴとハルシンが揃って穏やかな微笑みを浮かべてアスタリオンを見つめた。ふたりの表情は同じ種類の慈愛を含んでいるが、アスタリオンに触れる手はいやに強固でしたたかだ。  一瞬、戦慄に近いものをアスタリオンは覚えた。最初から、自分は二匹の獣に狙われていたのだ。  思い合っているのはタヴとハルシンだし、当たり前にふたりがまぐわうものだと思っていたが――なぜ、という疑問を表情いっぱいに表現するアスタリオンに、ハルシンは言った。
「アスタリオン、同じ存在を愛する俺たちには共通点があるとずっと思っていた。俺はタヴを愛するお前のことも等しく愛したい。それが俺にとっての自然な欲求だ」
 いや、まったくわからんが……。  予想外の方向に目覚めたハルシンの台詞に臆していると、タヴに顔をなでられた。威嚇する猫をなだめすかすような優しい手の動き。
「癖になるわよ。ハルシンのは」
 ハルシンと違ってなんて誠実さのかけらもない説得だろう。  そんな反論をしようと口をひらきかけたアスタリオンだが、それはタヴの唇によって封じられる。
「だから、一緒に味わって」
 ささやくタヴの声は、はっとするほど低く、切実な響きをしていた。  アスタリオンは、欲望の声というものがわかる。特に自分を支配したいという者の声は。  だが、タヴが自分にくれる言葉はいつだって優しかった。ささいなことで心がすれ違ったときも、まっすぐに自分を見つめ、逃げるということをしない。  それほどまでにアスタリオンと向き合おうとした者の存在はここ200年どころか、それ以前でさえ怪しいほどだ。  強くも穏やかなまなざしに、張り詰めかけた心をほぐされて、アスタリオンはくっと堪えるように喉を鳴らした。
「……お前には負けるよ、ダーリン」
 降参した恋人に、タヴの微笑みはひときわ甘くなった。  その表情を見て、アスタリオンは彼女に惚れた自分の弱みを思い知る――。  まったく、なんて夜だ。
   ハルシンとのキスは、彼の魂の温度がそのまま伝わるような温もりをしていた。  性急さのない穏やかな調子で唇を重ねられると、全身を陽だまりに委ねているような心地よさが包む。一方で、しっかりと自分の手首を握る腕は頼もしく、少し強引なのも胸にときめいた。  なるほど。これを前にしたら、タヴも身を任せたくもなるはずだ。  後ろから自分を抱くハルシンに顔を寄せ、熱い舌を絡ませ合いながらアスタリオンはそう思った。
「んっ……はぁ、ん……むっ……」
 雄々しくも、乱暴ではない腰遣いでハルシンはアスタリオンを揺さぶった。  最初、挿入された彼の物は大きく、あまりの圧迫感に息が苦しくなったものだが、年嵩ゆえか気の長いハルシンが時間をかけて馴染ませてくれたおかげで今はさほど苦痛ではない。  それどころか、自分から腰を揺すって彼をねだっている。逞しい剛直をきゅんきゅんと疼く内壁の奥に引き込みたくて、甘えるように締めつける。  その動きにハルシンが苦笑する。
「そんなに急ぐと楽しみが減るぞ、アスタリオン」
「集中してるところ悪いけど、こっちもかまってくれる?」
 タヴに顔を引き寄せられた。彼女の股間には、いつのまにか呪文で模した男性器が隆々と持ち上がっている。  喉を鳴らして、むしゃぶりついた。  根元まで含み、喉奥を使って刺激する。彼女の硬い逸物が口中に広がる多幸感と、後ろから突かれる興奮が同時に襲いかかって、今にも達しそうだ。  優しく笑い声を立てたタヴに頭をなでられる。
「最高にかわいいわよ、アスタリオン」
「ああ、同感だ」
 彼女に同調したハルシンが大きく腰を手繰って、力強く叩き込む。  「ん、ぐッ、ぅ――!」苦痛すれすれの快楽が背筋を駆け上がって、脳天で爆発した。タヴのペニスを咥える口の中から必死な呻きがこぼれる。  そこに彼女の手がアスタリオンの頭を後ろから固定し、自分の腰を揺らしていく。  迎え入れる準備はできている。アスタリオンは目を閉じ、息を止めてそのときを待った。  どろり、と彼女の愛が口の中で迸る。  ほとんどその直後にハルシンもまた達した。アスタリオンの内部に、恋人と、その恋人の精液がぶちまけられる。  いや、今は自分の恋人でもあるのか……。  ふと冷静にを考えながら、喉にへばりつくような濃い精液を飲み下す。  ハルシンが怒張を抜き去った後ろからも、彼の精液がぼたぼたとこぼれんばかりに溢れ出た。  自由になった途端に、どっと疲労感が押し寄せて、アスタリオンはその場に脱力しかけたが、ハルシンに受け止められる。その分厚い胸に頭を預ける。彼の髪と同じく柔らかい胸毛が頬を撫でた。弾力のある筋肉がふかふかと顔を包んで気持ちがいい。率直に言って、天国だ。
「ふにゃふにゃじゃない」
 タヴがくすりと笑った。  アスタリオンには否定しようがなかった。ハルシンの身体はそれほど魅惑的だったのだ。疲弊した身体をその手が優しくいたわり、さっきとはまた別の快楽でアスタリオンを懐柔してくる。  こんな恋人がいたらさぞ日頃から癒されるのだろう。  べつに、タヴには癒しがないというわけではないが……。
 煩悩を見透かされたのか、タヴに長い耳の先を引っ張られる。
「痛い!」
「何を考えてるか手に取るようにわかるわよ」
「そういうところだぞ!」
 アスタリオンはタヴから逃げるようにハルシンの胸へぎゅうぎゅうと顔を押しつけた。  目の前で揉める男女を見て、ハルシンは柔らかな微笑をこぼす。
「本当に仲がいいな、お前たちは」
「いったいどこをどう見たらそうなるんだ?」
 今ばかりはハルシンの目はただの節穴だと言うほかない。  タヴにしばらく耳をいたぶられて、アスタリオンは恨めしく彼女を見たが、ふと額に温かい感触が走る。  ハルシンがキスを落としていたのだ。
「本当に、良い夜だ。ふたりとも、俺を受け入れてくれてありがとう。感謝する」
 彼は温かい光で和らいだヘーゼル色の瞳で、アスタリオンとタヴを順に見つめる。  なぜそんなに彼の瞳がかがやいてるのか、アスタリオンにはすぐわかった。彼の目は、今にも涙が溢れそうだったのだ。  アスタリオンには、その涙のわけがよくわからない。  だが、見ていて胸が変な気分になるのはたしかだ。
「セックスしただけで変な男だな。べつに……そう、こんなのはなんてことない。俺にとっては飯を食う……というか吸血するようなものだ。感謝されるほどでもない。まあ、悪い気はしないが」
「あら、最初ごねてたじゃない。ずいぶん素直になったものね」
「うるさい! やってみないとわからないんだ、こういうのは!」
「そうだな。やってよかった、これからもたまに仲間に入れてくれ」
 結構ふてぶてしいな、このドルイド……。
 アスタリオンは内心そう思ったが口には出さなかった。  会話の後、すっかり3人での宴も佳境かという空気になる。ふたりから激しく攻められて消耗したアスタリオンはしばらく自分の順番は回ってこなくてもいいと思っていたが、ふと手の中にあるハルシンの豊かな胸板の存在に気づいた。  彼の分厚い胸筋は手の中にも余るほどだ。筋肉質な中に脂肪のまろやかさも加わって、感触がいい。  アスタリオンの手は自然にハルシンの胸を愛撫していた。  ハルシンは最初こそ「?」と疑問符を表情に浮かべていたが、だんだん戯れではないとわかったか、その男らしい眉を大きく歪め、頬を赤らめた。  つ、とアスタリオンが赤い舌を胸の先端に伸ばすと、「んっ……」と意外にも敏感な反応を示す。  その反応を、続けてよしと受け取ったアスタリオンは、舌先でまだ柔らかい乳首を転がし、片手でもうひとつを弄ぶ。  ハルシンが息を呑む音がした。  タヴが彼にキスをしたのだ。  大きな舌をつかまえて、くちゅくちゅと馴染ませる。  そのあいだもずっと胸に愛撫を加えられて、ハルシンは大きな肩をもどかしそうに震わせる。
「そうか……今度は、俺の番というわけか」
「嫌なの?」
「ふふ、まさか……何度もお前たちの相手ができて光栄だ」
 頬に両手を添えたタヴが訊ねると、ハルシンは嬉しそうに頬を緩めた。  そこにタヴは笑いかけて、またキスを仕掛ける。  彼の息はそこから乱れがちになった。口の中と胸を同時に責め立てられて、さすがの大ドルイドも耐えられないらしい。  アスタリオンは大らかな彼から余裕がなくなる瞬間を見て、獲物を捕らえたときのような高揚感を味わう。だが、その興奮の中にどこか甘い、穏やかな情愛のかけらのようなものを感じて、少し不思議な気分になった。  タヴを愛するときとは間違いなく違う。  しかし、この穏やかな気分は認めざるを得ない。
「俺たちの相手は大変だぞ、ハルシン」
「そうね、気絶しちゃうかも」
 タヴと口々に言うと、ハルシンは吹き出した。  そして堪らなさそうにくっくっと喉の奥で笑い、目の前を手で覆う。
「本当に……なんて夜だ」
 その手の向こうで、彼が本当に泣いているかはわからない。  だが、アスタリオンにはわかった。この男は、本当は誰かを愛するよりも、愛されるほうが向いている。今までの彼の恋人はそのことに気が付かなかったのだろう。今このとき、ハルシンの肉体は、心は、たしかにふたりからの愛情を欲して、いじらしく震えていた。  大きなぬいぐるみと化した熊を、吸血鬼と美女は時間をかけて愛玩し――、そ���が終わりを迎える頃には、彼らの円環を言祝ぐように清浄な朝の光が森の中に差し込み、寄り添い合って眠りについた3人を包んでいた。
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iseilio-blog · 25 days
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04/24 柴寮偶寄
【完整版】有他受不了 沒他活不了 老來伴的愛情持久戰 20210605【薇姐、張郎】 (youtube.com) 動作更大些,會更帥,更好看。
白紙運動是徒勞?外界看中國視角太「功利」!中國人其實不想推翻黨?ft.前央視記者 王局| 斐姨所思【阿姨想知道】 EP137 (youtube.com) 二戰之後在經濟上取得大幅發展的亞洲國家,第一輪:日本、第二輪:亞洲四小虎、第三輪:東南亞、第四輪:中國-通通是在靠美國吃飯。尤其第一輪的日本,與第二輪的台灣,是在美國以政策刻意扶植出來的經濟體。中國的確應該就現狀繼續發展,不過應該切斷對西方的經濟倚賴,如此,所期待的中國強國狀態就可能實現。終究中國是一個人口大國,一切都必須依政治安排發展,否則紊亂是可能發生的。
前壹週刊總編心有餘悸 報導黑道引殺身之禍 裴偉防彈衣穿一年半/裴偉談黎智英原則 別用任何理由撤記者新聞/鏡電視節目有口皆碑遭忌? NCC帶頭喊打?|20240402| - YouTube 溫文儒雅的堅實心志。
【一刀未剪】出錢又出力 現在連生意也被整碗端去? 館長直播意外講出"大實話"? 苦嘆"被柯.昌當階梯"選後遭放生 王義川笑酸揭這MV竟神準預言館長下場?|【焦點人物大現場】20240402|三立新聞台 (youtube.com) 肌肉男思維往往不足以接受政治的複雜屬性,與追求正義的困難,因此一言不合就翻車了。
(9) 【CC字幕】左派很多偽君子?支持進步價值只因不想當壞人?ft.美 國哲學家 Peter Boghossian @drpeterboghossian | 斐姨所思【阿姨想知道】 EP153 - YouTube * 戰後的 Great America,經過 70年 之間種種 “事件” 的發生,異質化是必然的,而且 世風日下,人心不古;這樣的現象舉世皆然,只是美國太大,洞見觀瞻。真的是 “國無外患,國恆亡”。這麼說來台灣可還真是不賴。
* 所有問題應該就出在 1~10 的灰色地帶之中 “過猶不及”,甚至放任,卻誤以為是自由;比如說: “威攝”、“拒止”,這種 灰色地帶 你如何掌握分際?就台灣來說,就是在 1~10之間找出 “臨界點”,嗆聲-將會有傷害性的反擊。其它她要怎麼飛過來,飛過去, 只要不投彈,放鬆心情,平常心的時不時上去和它交際一番;或者禮尚往來,你也飛過去,飛啊飛,飛到珠江口、黃浦江外海繞繞。怕事、論述過多,就什麼辦法也沒有。這叫無能。
'24.03.19【豐富│東南西北龍鳳配】日本結束負利率,資金會回流日本嗎? - YouTube 日本早已經不是追求成長的文化;能做這種思維的大概也只有日本。
ChatGPT:”受不了这8件事儿,千万不要移民加拿大!” (youtube.com) 說得真不錯!
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擋災?藥師佛頭斷 花蓮和南寺宣布封山 - 生活 - 自由時報電子報 (ltn.com.tw) 可能是黏上去的。
日本焦屍案身分曝!中國移民疑「太惹人厭」 慘遭殺害焚屍 - 國際 - 自由時報電子報 (ltn.com.tw) 西門慶:桃太郎
比推背圖預言更精準..中國經濟 百年前已預知!民生主義 點出百年後中國三大問題! @democraticTaiwanChannel (youtube.com) 西方只有理論,沒有主義。主義從出自理論,因此可以是理論的取精用宏,可因時因地適用,不易重作更張,適合做為旗正飄飄的政治綱領。其對造為共產主義,形成二戰之後的政治對衝形勢,直至分出勝負,並且匯入複雜的產業經濟洪流,一發不可收拾。 (45) 在台灣當女生太幸福?!日本女生嫁來台灣享受滿滿福利!美魔女的秘密居然是台灣暖男?!台湾に嫁いでどんどん綺麗になる理由はなんと…?! 台湾人女性が幸せだと思う理由 - YouTube • 趕快請愛子、潤子找個日本老婆。• 台灣人雞婆。
#HD508 失速中國 全球遭殃? 謝金河 宋國誠 陳松興 (youtube.com) 由於馬列、文革思想,中國對市場經濟其實瞭解不多,甚至站在反面心態(趙胡可能是個契機。)。尤其偏重政治層面的體制與文化,在經濟上缺少對國家全盤的關注;就以往的經驗來看,這個體制的維持,相當程度是在經濟上放任地方,或諸侯經營;眾星拱月,大家發財。
缺少經濟學門的知識甚至智慧,就產生了現在這種現象 - 大而化之、粗粗魯魯。所以不要以為西方這些國家,包括日本,對中國有什麼瞭解,甚至純粹的貪迷中國的廣大市場都不是,而更多的是在燈紅酒綠,媽咪引導中,糊里糊塗。
就中國來說,兩頭在外,在經濟上一陣燒燒(呵呵呵)而已,當然也談不上崛起。然而 ~, 然而世界就這麼開展了。
中國歷史悠久,人口眾多,又經過文革歷練,其實自由體制經濟並不適合,可惜世界的愚蠢很難用理性說服 . . . .,
誰救了台灣?|#吳聰敏 #矢板明夫 #汪浩|@華視三國演議|20230318 (youtube.com) 長輩說來台中國人的衛生不佳,四處吐痰,此外買來水龍頭要裝到牆上,以為就會有自來水;軍隊也與嚴整的日軍相當不同; 有文化差異。小學時,一日,同學父親在家被槍殺死亡(迪化街),猜想應該是來台的散兵遊勇。 戰後經濟,美國對台灣曾經有七項指導方針,可惜已經找不到;也許吳教授書中有。 戰前台灣紡織業有 • 南洋紡織(竹腰進一),即戰後的中南紡織(現有者早已人事全非),與高砂紡織。維基記載有誤。
秋怨(江蕙}~伍珈慧2024/03/04中央廣場#新星姐妹樂團18#嘉義街頭藝人 #台語流行歌曲 #音圓之星 (youtube.com) 歌好、台風好,展現平穩,漂亮的女生!請問 . . . . . ,
(71) 【苑举正】新加坡的政治与台湾的政治能够比较吗? - YouTube 你的就是政治,別人的就不是政治;把一個貪汙腐敗的國家說得天花亂墜,這種無家可歸,神經剝離七十���年的流民,中國那麼好早就搬回去了。
就這位大中國主義者來說,新加坡只是一個好使的工具而已。 新加坡以其獨裁的體制,之所以得以取得其人民的認可與國際的贊揚,其原因,首先在於他的「小」。新加坡建國初期對敵對份子的打壓是 無所不用其極的。只要夠狠,政權一旦入手,要垮很難。它的經濟只要能長期滿足人民的需求,內政能做到嚴刑峻法,路不拾遺,不但人民 只好認同,這個體制其實也就成了永遠的 宗主。而這對一個較大的專制政權來講,恐怕在政治上難以永遠維持,在經濟上分化也會相對更大,只可能是一頭朱門酒肉臭、路有凍死骨 的 地球怪獸。
新加坡這個十八世紀體制的得以長期維持,除了因為太小之外,另一面不應該忘記的是,除了它的地理位置適中之外,如此的由落後的政治 體制而得來的進步,其實也正是依附、寄生於它所極力推向反對面的「自由經濟體制」。
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indigolikeawa · 1 month
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2024年4月16日火曜日
病院の待合室にて16
声を大にして言え ー 私はストレッチとマッサージを自分でするし、誇りもある!
 最近ストレッチを始めた。相変わらず無職なので、朝起きて、洗顔やら保湿やら髪を整えたりして、朝ごはんを頂いて、その後に1時間くらいかけて伸ばしている。顔のマッサージもしている。顔のマッサージは少し前から、おでこの皺が気になって始めた。最初はおでこの皺対策のマッサージだけだったのが、今では眉間の皺対策のもの、小顔になるためのものもしている。皺は少し薄くなったかなと思う。もともと浮腫みやすい顔だったので、小顔マッサージをするとだいぶスッキリする(でもすぐ戻る)。
 ストレッチを始めた理由はふたつある。ひとつはおでこの皺対策のマッサージをしていて、途中で棒状腱膜というおでこと髪の境目から、首の方まで頭蓋骨を覆っている膜をほぐすという動作があるのだが、この棒状腱膜は首や肩のあたりの膜や筋肉と繋がっているので、首や肩が凝っていると全然ほぐれない。そのため首や肩も伸ばしたりほぐしたりする必要があるからだ。
 もうひとつは本を読んでいて、動作や行動がその人を規定するということがあるのを知ったので、アクションやパフォーマンスを狙ったように行うため、身体を思ったように操作できた方がよいのではと思い、まずはストレッチかなと思ってやっている。アクションと言っても飛び蹴りとか蜻蛉返りなどではなく、しぐさや表情や姿勢といった程度のものである。しかしいざストレッチをしてみると、気持ちよすぎてそういったことはある程度どうでも良くなってしまう。私の身体凝りすぎ。特に首。まあこんなにも携帯依存症の私は当然猫背であり巻き肩でありストレートネックである。
 そういったマッサージやストレッチはYouTubeを見ながらやっている。無職になってYouTubeの素晴らしさをひしひしと感じている。どうしてこんなにみんな色々教えてくれるんだろうか。収益のため?本当に収益のためだけにこんなに?マッサージやストレッチだけでもものすごい種類と数の動画がある。本業は整体師だったりヨガ・インストラクターだったりインフルエンサーだったりする様々なYouTuberが、それぞれこれがベストだという方法を教えてくれる。
 私は小さい時から人に聞いたり教わったりという事が苦手だったので、あの頃YouTubeがあったら良かったなぁと本当に思う。メイクもコーデもギターもセックスも何もかも、いったんYouTubeに相談する、ということができたのに。生まれるのがちょっと早かったかもしれない。
 人に聞いたり教わったりする事ができないという悩みを話すと、プライドが高いんでしょと言ってくる人がいる。私はこの場を借りて言いたい。そのことにプライド関係なくないですか?なぜこの話になるとプライドを持ち出してくる人がいるのか。まずしっかりプライドを定義してもらいたい。そしてプライドについて定義したのち、人に何かを聞くとか教わるとかいうことは、その人にプライドを差し出す行為なのかどうか、教えてほしい。私はむしろ、高圧的に何かを教えてくる人(下手すると教えてとも言ってない)、「そんなこともわかんないの?」とか「しょうがないから教えてやるかぁ」とか冗談でも言ってくる人の態度の端々に、その人のプライド、いやそんなもんじゃなく不遜で尊大な部分をバッシバシに感じるのだがどうだろう。ぺこぺこ頭を下げて「すいやせんねェ〜教えて下さいよォ〜」と言えば満足なんだろうか?そのくだりいる?時間の無駄じゃない?大体プライドは高いとか低いじゃなくて持ってないと駄目だと思うよ!
 そういう教える人は何か得した気分になりたいのかもしれないが、教えるという事は、すでに知っていることをアウトプットすることによって自分の中に再定着させるという意味で、かなり有益である。だからスッと教えてほしい。ノーモーションで。わかりやすく。やる気になる言葉を添えて。それを実現しているのがYouTubeである。YouTube最高。これからもYouTubeで一旦検索するということは続くだろう。こういう何でもかんでもYouTubeに訊ねる人は、たやすく陰謀論に嵌りそうなので、そうなったら助けてください。他人に陰謀論を放棄させる方法は3つ前の記事、病院の待合室にて13でChatGPTに訊いてますので、参考にしてくださいね。
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965-sf · 2 months
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オーダー紅茶作ったよ
代官山THÉSIERさんで私の創作の『てんがいちかく』の概念紅茶を作ってきました!
もともとは六本木店(現在閉店)で行われていたサービス「世界でひとつの紅茶」ですが、代官山でも期間限定で販売を行っているのでそれに行ってきました。
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代官山の実店舗では自分で紅茶���一覧を見て作る形式だったので、初めての自力概念××でした。私の大喜利力が試される。
あと写真の画質が大変悪いです。
以下レポートになります。
■簡単な流れ
店舗で以下の項目が掛かれた茶葉の一覧を渡されます。
①茶葉の名前
②3つくらいの茶葉/花言葉
③茶葉のにおいや味の説明
全部で40種くらい。ハーブ系とフレーバー系で大枠別れていたのかな。
そこから自分のイメージしたものに合わせて5~6種類程度の茶葉を選びます。
お店の人に気になる茶葉を伝えるとそれを見せてくれたり、逆にイメージカラーを伝えるとそれに合わせた茶葉を選んでくれたりして楽しかったです。
選び終えたらお店の人がどういうイメージや香りや味にしたいのかヒアリングしてくださって、それに合わせて茶葉の配合をしてくれます。
調合の待ち時間は15分くらいでした。値段は5500円。
通販の方だとキャラクターシート提出で概念紅茶を作ってもらえます。
通販だと茶葉は3種類。値段は3800円。
解釈部分を他人に任せたい時は通販がおすすめです。その代わり現在だと届くまで3か月程度かかります。
通販の方は過去に自創作の『xoxo A to M』の斑鳩ピースさんで利用したことがあるが、紅茶に造詣が深くないのでなに書けばいいのかわかんなくてお蔵入りしています。
■本編
とりあえず私は紅茶の味が全然わからないので、味は全切りして花言葉と色で選ぶことにしました。
結果
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見て!!!!!!!!!全部ハーブ!!!!!!!!!全部お花!!!!!
綺麗だね。
残念ながら百合の花はなかった。
以下選んだものと説明の転写。口語体の補足はメモ取ってない状態の記憶なので話半分に聞いてください。
①バタフライピー
花言葉「小さな恋」
青系のハーブ/癖がほとんどない優しい香り/幸せな気持ちにフワフワしてるイメージ
幸せな気持ちにフワフワしている小さな恋が良かったので選びました。
これ単体で入れると青くなるらしい。てんがいちかく自体のイメージは朝の青空なのでいいね~。青は食欲減退効果もある。
②ローズ
花言葉「愛」「美」「情熱」
赤系のハーブ/バラの花香が鮮明に香る/美しさや愛情に溢れるイメージ
この世で一番有名な花言葉なんじゃないかと思ったのとこれを入れなきゃ嘘だろ!と思って入れました。
ローズ単体だと赤くなるのですが、酸性なためバタフライピーと混ざると紫っぽくなるらしい。
これを聞いて自分で紅茶を入れる時の配合によって色が変わる紅茶ってめっちゃてんがいちかくじゃーんと思って全部ハーブに切り替えた。
③ラベンダー
花言葉「清潔」「優美」「沈黙」
紫系のハーブ/ラベンダーの花香が華やかに香る/静かで優れて美しいイメージ
「沈黙」が入っていたので採用。あと見た目が小粒でかわいい。
④金木犀
花言葉「謙虚」「謙遜」「真実」
黄色系のハーブ/優しい香りとほんのりとした甘み/生き生きと輝いているイメージ
「真実」が入っていたので採用。
あと私が金木犀好きなので。
⑤マリーゴールド
花言葉「可憐な愛情」「健康」「生命の輝き」
黄色系のハーブ/優しい香りとほんのりとした甘み/生き生きと輝いているイメージ
マリーゴールドってたしか「孤独」とか「絶望」とかの花言葉あったよな~というのとマリーゴールドの名前が聖母マリアから来てたよな~って思って採用
あとから調べたらいろんな神話と紐づいている花なんですね!似合う~。
今回のマリーゴールドは色が黄色だけどどのマリーゴールドなんだろう。
あとマリーゴールドは病気になりやすいイメージがあったので。
⑥サフラワー
花言葉「夢中」「情熱」「装い」
赤系のハーブ/柔らかいフローラル系の香り/熱意のまま突き進むイメージ
「夢中」と「装い」が入っていたので採用。熱意のまま突き進んでいたので良し!
これを入れると黄色になるらしい。見た目が細長くてかわいい。
⑦ヒース
花言葉「孤独」「寂しさ」「私は私らしくありたい」
紫系のハーブ/控えめな花の香/悲壮感が醸し出されるイメージ
花言葉全部採用♡これも小粒でかわいかった。
配合は全部同じくらいにしてもらいました。
店員さんの説明だと自分で入れる時のバタフライピーの量によって青になるか紫になるか変わるので、入れるのがちょっと難しいらしい。へ~!
パックに入れてもらった状態。
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写真のせいで分かりにくいけど見た目かわいい~~!これが青色か紫色になるの想像できないな~どの色になるのか楽しみ!
■入れた結果
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ド緑。
いや、店頭では最初由里タイガ君単体で作る予定で「緑のものはありますか?」と聞いていたレベルだったのでこれはとても嬉しい誤算です。由里タイガ緑だ!
バタフライピー+ローズ=紫
紫+サフラワー(黄色)=緑が配合によって起こるのかな?ちょっとよくわかんないですが嬉しいね!面白いくらいに緑なので飲んでいいのか不安になる。
香りは全部がハーブのおかげかかなり爽やかです。
味は最初の口当たりはかなりスース―と抜ける感じなんですが、何度か飲んでるとほのかに甘みが出てきます。
あと奥の方になにかスパイシーさを感じる。これはなに。
なんか飲むたびに感想が変わって面白いです。これ私の入れ方のせいなんだろうな。
味のことは完全に無視して、色が入れるたびに変わることと全部の茶葉を花にする縛りで作ったのですが、おかげで自分では買わない味になったので楽しかったです。
そして夜の12時前くらいに飲んだのですが、めちゃ爽やかだったので目が冴えてそのあと寝れませんでした。
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