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ari0921 · 6 months
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和五年(2023)11月29日(水曜日)
     通巻第8028号
産業ロボット世界一の座から日本は転落した
  世界ロボット工場の50%が中国に移行していた
*************************
 1982年に筆者が『エリートビジネスマン・ロボット』(山手書房、絶版)を上梓したときの日本の産業状況は次のようだった。41年前のはなしである。
 自動車生産でも塗装や部品取り付け、車体カバーのはめ込みなど3K現場がロボットに代替されつつあった。メディアはOA(オフィスオートメーション)に続いてFA(ファクトリーオートメーション)で技術革新が叫ばれていた。
 コピィ機がFAXを兼ね、カラー印刷ができるようになるのは数年後だった。
 他方、ロボット導入は雇用が失われると反対の狼煙はフランスから上がり、全米労組に拡大した。日本はむしろ3kから開放されるので労組に反対はなく、また生産現場ではロボットに愛称をつけた。外国人記者は奇妙視して報じていた。
 産業ロボットの発展はますます精密化し、たとえば銀行証券の窓口へいくとロボットの受付嬢がいる。ペット替わり愛玩ロボットが増えた。ケアセンター、老人ホームでは体操指導ロボットが投入され、そのうち精巧なダッチワイフ・ロボットができる。
 アマゾンに本でもTシャツでも食品でも良いが、注文すると、倉庫の何百万種の商品棚を掻き分けて、ロボット(人間のかたちをしていない)が商品を選別し、連動するラベルの箱に梱包し、目的地別の配送センターへ持ち込むまで、完全にロボットが作業する。古本屋を探しても見つからない書籍が、アマゾンを検索すると古書ルートで発見されることも多く、新刊本なら即日か翌日、古本でも三、四日で配達となる。これが産業ロボットの成果である。
 この産業ロボットで世界一の筈だった日本が、いつしか中国にトップの座を奪われていた。
 下記のグラフが象徴的だろう。
 1図 従業員一万人に比較してのロボット投入台数
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 韓国      1000台
 日本       399台
 ドイツ      397台
 中国       322台
 スウェーデン   321台
 米国       274台
 スイス      240台
 イタリア     217台
 カナダ      191台
 フランス     163台
  (フランスが最も遅れている。出典 2021 STATISTA)
 上図から僅か一年後、中国が躍進している。
 2図  産業ロボットの新規投入数(2022年)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 中国       29万基
 日本        5万
 米国        4万
 韓国        3万2000基
 ドイツ       2万6000
 イタリア      1万2000
 台湾          8000
 フランス        7000
 ここでも中国の発展は瞠目すべき数字となって現れている。
 さてロボットの象徴は、ウクライナ戦争、イスラエルvsハマス紛争でも明らかになったようにドローンである。軍事用ドローンは技術的にアメリカがリードするのは当然だろうが、タレス・グループ、ロッキード・マーチン、ノースロップ・グラマンが牽引し、そのあとを追うのがイスラエル、トルコ、フランス、スウェーデン、中国、そしてインド、パキスタンなどが加わる。日本は軍事ドローンを生産していない。そればかりか発想さえ覚束ない。
 民生用ドローンは世界シェアの80%が中国である。
 中国深センが拠点の「DJI」一社だけで世界の70%、次がフランスのパトロール社、三番では米国の「3Dロボッティックス」社となっている。
 日本は精密機器とレンス技術があり、撮影、偵察、観測用(地図の作成)などに用いられるが、これを軍事に転用しているが米国、中国ということになる。
 ロボットに対する基本認識を日本は改める必要があり、民生用、産業用だけの視野狭窄的な技術の研究開発だけに留まらず国家安全保障という全体の流れとの整合性に繋げるべきではないか。
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memory-of-hiroshima · 2 years
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77回目の8月6日が来ました。 あの日、そしてその後の“ヒロシマ”を知ってもらうことが、核兵器廃絶への道につながることを信じたいのです。 2年前に書いた文章ですが、読んでいただければ嬉しいです。
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胎内被爆者の綴り方
<はじめに>  長い間、私は不特定多数の人に被爆体験を語ることにとまどいを覚えておりました。胎内被曝のため、実際に被爆の被害・惨状を見たわけでもなく、肉親を失ったわけでもなく、私自身もこの年齢まで生きてこれた幸運もあり、大きな嘆きの人々に比べれば語る資格がないと思っていました。  しかし、ここ数年、特に日本政府は広島・長崎の被害の事実をなかったものかのように動き始め、核兵器禁止条約に対しても、日本の代表とは思えぬ動きで、私は不安でたまりません。  今まで、生協の平和行進や集会、そして募金に参加したことがあるくらいで、平和や反核に対する運動をほとんどしていません。平和公園での座り込み運動にも、心をよせてはいても、ただの傍観者でした。私が育った戦後、ついこの間までは多くの活動をする人がいて、私も黙っていてもよかったのです。ただ被爆者の会も高齢化で消滅解散する中で、何かしなければならないのではと思い始めていました。  そんな時、オーラルヒストリーを研究しておられる元TBSアナウンサーの久保田智子さんの講演を聞く機会がありました。私が記憶を語るとしたら客観的事実ではないかもという懸念をもっていたのですが、久保田さんは「その人が感じ考え思ったことをいっしょに述べること、主観的事実でいい」と言われました。「複雑でいい、矛盾していい、個人的なものを社会的なものに関連づけて解釈するのだ」と。これは私を勇気づけました。  また、ピラミッドの一番上に直接被爆者がいて、その下にいろいろな人が階層的に存在し、それぞれに思うこと感じ考えることがある、それも大切だと。「ああ私の位置はヒエラルキーの二番目だ、それでも語っていいのだ」と強く励まされました。  それから1ヵ月後、ニューヨークの2020年NPT(核兵器不拡散条約)会議に広島生協の代表として行くことになった友人が、胎内被爆者の会が証言集を出す予定であることを教えてくれました。思い迷った末に、証言集に応募するしないにかかわらず、記憶がうすれる前に一度整理してみようかなとの思いに至りました。
<8月6日>  1946年1月24日生まれの私は、1945年8月6日原爆の炸裂したあの日、母の胎内にいました。予定より早く生まれたと聞いていますから、妊娠4ヵ月位ではなかったでしょうか。悪阻が激しく空襲警報がなっても「このまま死んでもいいから」と逃げるのが億劫だと言っていた母は、朝の洗たくものを干すため両手をあげた時、原爆の光を浴びたといいます。あっと思った時は、胸と腕に火傷をしたようですが、幸いにも「天ぷら油をぬったらいい」と教えてもらい、ケロイドにならずにすみました。借家だった家の前はごぼう畑が広がり、己斐駅がすぐ目の前に見渡せました。光線をさえぎるものは何もありません。爆心地から2.5kmとS42年(1967年)2月18日取得の被爆者手帳にはしるされています。  その時父は観音町の三菱重工の工場、爆心地から4kmの所で被爆。父がどのルートでどのように己斐まで帰ってきたのか全く知りません。9月に4才になる姉は、家の中の布団で寝ており、布団ごと部屋の端から端まで飛ばされていました。壁が少し崩れたくらいで、家は倒れずにすみ、姉も無事でした。  これらの話を父や母から直接聞いたという記憶はなく、どこでどのように知ったのでしょう。母が黒い雨にうたれ、髪の毛が抜け寝こんだこともどうして知ったのでしょう。それには一つの類推があります。
<近所の人々との思い出>  私が小学校低学年の頃住んでいた家はやはり己斐ですが、被爆した時とは違う近くの家です。家の前にも横にも40cm位の側溝に水が流れ、夏には青い露草の花が咲き蛍もとんでいました。暑い暑い8月6日の前後には、近所の人々が涼を求めて集まり、石垣に座って思い思いに語ります。クーラーも無い時代、手にはうちわがあります。冷蔵庫も氷で冷やす木の冷蔵庫です。家には西瓜が待っており、私たち子供は浴衣を着て、大人のまわりをうろちょろしています。そんな時大人の話が聞こえるともなく聞こえるのです。 「ようけえ逃げてきたのお」「おう、水あげりゃあえかったのう、どうせ死ぬんじゃったらのお」「Tさんの家は壊れたらしいのぉ」「下敷きになって男ん子が死んだんよ」「Nさんの奥さんは今年も日傘さして行きよっちゃったよ」「式典なんじゃろう。姉妹や親はえっとこ亡くなったって」  話が聞こえてくるうちにだんだん恐くなります。帰ってトイレに行くのも、夜寝るのも恐くなります。こんな会話の中で私の母の話も語られ、私が覚えたのだという気がします。  Nさんとは、私を実の娘と同じようにかわいがって、お風呂に入れて身体をごしごし洗ってくれたり、焼きリンゴを作ってごちそうしてくれたおばちゃんです。あの優しいおばちゃんが大きな悲しみを抱えておられたのに深く気づくのはずっと後です。このおばちゃんは小学生の女の子2人を残して腎臓病で、身体をパンパンにむくませて亡くなられました。きっと被爆の影響だったと今なら思いますが、当時小学生だった私は、おばちゃんの変わり様に恐ろしかっただけです。  あの夏の日々は、あらためて語り部と言わなくても、みんな思い思いに自然に語って、私たちに伝承されていたのだなあと改めて思います。
<己斐小学校でのこと>  伝承というと小学校の担任を1年から6年まで受け持ってもらったY先生のことが思われます。8月6日宝町の自宅から己斐小学校へ通勤した日のできごと。爆心地近くから相生橋、本川を通ってひたすら己斐へ歩く途中に見た被災の光景。川の中に浮かぶたくさんの人々、横たわる死者たち。その話を聞いた記憶がしっかり残っています。教壇に立って語る先生の息づかい。並ぶ生徒たちの机。写真のようにまぶたに残っています。先生はその日どのように自宅へ帰られたのでしょうか。全く知りません。Y先生はその後私たちが4年か5年生の頃、だから戦後10年くらいでしょうか、肝臓を悪くされ長く入院されたことがありました。きっとこれも原爆と関係があるに違いないと今は思います。  私の小学校は己斐小学校ですが、己斐はたくさんの被災者が流れ込んできて、小学校の校庭ではたくさん人を焼いたと言います。春秋に運動会があったのですが、グランド整理で土をならすと骨が出るというのをよく聞きました。私は直接拾ったことはないのですが恐くてたまりませんでした。それに春は校庭の桜が葉桜になる頃の運動会でしたから、毛虫がぞろぞろはい回ります。私は大の虫嫌い。二重に恐くて――。今と違って素足でかけっこですものね。
<ABCCの記憶>  私が唯一当事者として語れるのはABCC(現・放射線影響研究所)のことかもしれません。小学校低学年の時だったと思います。母と、あるいは近所の友と、そして級友と何回かABCCが近所まで迎えに来て出かけました。学校まで迎えに来たこともあります。黒塗りの大きなハイヤーが来るのですが、私はすぐ酔うので苦手です。行くと、全てがすんだあとクッキーやサンドイッチ、紅茶などをご馳走してくれるのです。異文化への興味や憧れのようなものがありました。けれども何しろアンパンやジャムパン育ちで偏食も多かった私は、なれないものを何とか口にし、帰りの車でまた気分が悪くなるのでした。  さて、ABCCの記憶で長く私が語れなかったことが一つ。検査に行くとズロース(パンツ)の上に白いスモックのようなものを1枚かぶるのですが、それを着てある部屋に一人連れて行かれます。大きな机、私には3m×4mぐらいにも思われましたが、その端に足をぶらんと下ろして、入口のドアに向かって不安そうに座っている自画像が脳裏に残って消えません。そして、立つように促されたのでしょうか。服を脱いでズロース1枚でテーブルに立ったと思うまもなく、大きな180cm位の白人男性がこれまた大きなカメラを抱えて10人近くどたどたと入って、テーブルの回りから、四方八方カメラのフラッシュをたきました。驚きと恥ずかしさと何があったかわからないのとで呆然としていたのでした。一番大きかったのはたぶん恥。何かいけないことのように思ったのでしょう。この話は帰りの母にも友にも誰にも話しませんでした。話せば自分一人の体験ではなかったことがわかったかもしれません。後に語れるようになり、友人夫妻にこの体験を話した時「つらい話をさせてしまった」と言われ、ああそうだったのかと納得したものです。映画のワンシーンのようなこの記憶は今後も決して消えることはないと思います。
<病気に思うこと>  私が生まれたのは、母の母・未亡人だった祖母のいた広島県北部の旧・山縣郡千代田町壬生です。大雪で2階の窓から出入りするような日だったということです。戦後の広島を避けてお産をしたのでしょう。私は乳を飲んでもすぐ吐き、胃の入口の調子が悪くて薬を飲んで治したといいますが、詳しいことはわかりません。その後10カ月位の時には百日咳の激しいのにかかり骨と皮になりました。母は父の実家の香川県高松市鬼無町にひきあげました。そこで祖父から「こんな子を連れて帰って」と非難されたことを相当うらめしく思ったようで、時々同じ話をしてくれました。父の家の事情もあり、結局両親と私たちはまた己斐に戻りました。  そこで成長して22才の大学卒業まで暮らすのですが、父も母も被爆者でしたが、特に母の身体が弱かった気がします。家事だけの人でしたが、一日中かかって掃除・洗たく・食事の支度をし、少し動くと休みながらという具合です。おまけに度の過ぎた清潔好きで、洗たくもハンカチを洗って次は上のもの、下着はその次、そのあとパンツ…といったくらいに丁寧でした。今思えば、それもこれも細菌におびえていた事情もあったかもしれません。私は母の身体の弱いのは偏食のせいと思っていましたが、ひょっとすると被爆の影響があったかもしれません。父は61才、母は57才で亡くなりました。二人とも脳内出血ですが、母は一度肺ガンということで、広島市のM病院で放射線治療を受けたこともあります。  私はよく熱を出し、決して強いとは言えず、身体も細く背も前から一・二・三を争うくらいのチビでした。それでも高校時代は皆勤賞をもらいました(授業中寝てばかりの子でしたが)。  それが結婚して1ヵ月ちょっとだったでしょうか。盲腸になり、夫も手術をしたこともあり夫の家族の中では名医と呼ばれていたN外科で手術をしました。なぜか2、3日眼が覚めず熱も出て、私が被爆者手帳で受診したからでしょうか、先生は慎重になられ結局1ヵ月入院しました。  また、二人目の子のお産の時、妊娠5ヵ月くらいから妊娠中毒症になりとうとう7ヵ月ころ入院。そして子供が9ヵ月に入った時母体がもたないということで早く生みました。お産がすめば蛋白尿がよくなるということでしたが、数値は4本プラスが2本プラスになっただけで入院がその後も続きました。家族を心配して泣き、食事もとれなくなり、そんな私を心配した先生が退院させてくれました。1年位かけて漢方薬をせんじて飲みながら治ることができました。この2回のトラブルで、人がスムーズにできることが上手にできないのは被爆と関係があるのかなあと思ったりしました。これが被爆者共通の心理かもしれません。
<家族の中で>  私が被爆者であるということを夫に初めて言ったのがいつかは覚えていません。当時は手帳取得が結婚にさわるという風評もあり、姉などは「いらない」とすぐにはとらなかったような気がします。私はそんな思いもなく所持していたのですが、夫が戦争の責任とか社会のものの見方などで、私よりはるかに反戦の意識が強かったので何も心配ありませんでした。広島・長崎の式典中継でも私より深く正座してみるような人で、これは幸いでした。  家庭の中で被爆体験を話せたこと。それを淡々と聞いてくれる家族がいたことはうれしいことです。  初孫が5才のころでしょうか。我が家には「原爆の図」「ひろしまのピカ」「ピカドン」(いずれも丸木位里・俊作)や原爆ドームの本など夫が集めた本がたくさんあります。それらを持って帰るほど興味をもち、「原爆ドームに行きたい」と親にねだるほどの孫娘。ホロコースト記念館にも何回か行き、私たち夫婦にもアンネの部屋を丁寧に教えてくれ、「ああこの子は平和の担い手に」と期待をこめて見守っていました。なにしろ8月15日生まれですから。そしてその孫に、佐々木禎子さんについてまとめたダイジェスト版の本を夫は作りました。それを読んだ孫は「禎子さんちは散髪屋さんだったんだね」と。夫はその一言に苦笑していました。2、3年もすると興味を失った孫娘が、いつの日かまた興味と関心を持ってくれれば幸いです。  孫娘が小学校1年生くらいの夏に遊びに来て、寝物語に被爆体験の話をしたところ「おばあちゃん(生きてて)よかったね」と言われ、私ははっとしたのを覚えています。「生きてて申しわけない」という被爆者のことばがよく言われます。私に明確にあるのではありませんが、いくらか私にも長生きへの申しわけなさみたいなものがあります。でも「よかったね」というのはありがたくかみしめたいと今では思っています。
<最後に>  たまたま2020年3月15日付の中国新聞に、「被爆オリンピアン肉声現存・広島市出身36年出場故高田静雄氏」という見出しを見ました。その人は小学校時代の級友の父親です。また、米兵たちの被爆をほりおこし追悼してオバマ大統領にハグされた森重昭さんも級友のお兄さんです。佐々木禎子さんが白血病で亡くなられたころ入院した級友もいます。でも、私たちは戦後60年、還暦を迎えた同窓会でほんの少し被爆のことを話したことがあるくらいで、級友でも詳しいことはほとんど知りません。日々衰えていく記憶と、語りあう機会も減っていく中で、今回書き残してみたのはよかったように思います。記憶とは不思議なもので、自分流にゆがめているかもしれません。この主観的な記録がどのように伝えられていくのか少し楽しみです。長生きすれば「最後の被爆者」となる可能性もある人間の記録ですから。そのためにも両親からもっともっと話を聞いておきたかったです。
<さらに>  この原稿のパソコン入力を娘がひきうけてくれました。彼女は幼い頃、原爆資料館のろう人形母子を見ておびえましたが、私と平和行進に参加したことや、大会で「青い空は青いままで子どもらに伝えたい。燃える八月の朝…」と歌ったことは覚えています。8月6日の式典で峠三吉の詩を子供代表が語ったのに感動して、東京から電話をかけてきたこともあります。彼女には彼女のヒロシマとの歴史が作られているのですね。いろいろな形でヒロシマが伝承され続け、子や孫・その先まで、この愚かなことがくり返されぬように祈ります。私の胸を今でもゆさぶる歌「原爆許すまじ」を心に銘じて。
(2020年4月記/上村洋子)
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0874 名無しさん@占い修業中 2022/11/05(土) 17:27:33.44
中居君、>>3の生年月日と時間が正しいならヤバくない?
1
ID:PrQX5/iQ
0875 名無しさん@占い修業中 2022/11/05(土) 22:49:01.55
キンプリ平野くん
水瓶座太陽を含む典型的台形ホロで強運。
太陽と冥王星セクスタイルで
平野くん自体は何があっても人生で復活する人。
山羊座金星、水星がノーアスペクトが純粋さに関係か。
1
ID:lzs+32ct
0876 名無しさん@占い修業中 2022/11/05(土) 23:33:36.08
台形ならなんでもいいというのは違う
前にも書いたけど天秤火星デトリメントと牡羊土星フォールのオポは凶星同士なうえに品位が悪いまずい組み合わせ
火星の良さが発揮されにくく土星の悪いところが強調されながら対立する
それでいてサインを交換するとルーラーとエグザルテーションで品位が良い
松村潔はこの組み合わせを狭量な人間になりやすいと書いていた
たぶん他者を羨んで卑屈になりやすいめんどくさい星回り
調停しているのがトランスサタニアンなので自覚的に制御するのも難しい
人と比べてストレスになるタイプなので芸能界に向く星とは思えないんだよな
ストレス克服するより環境変えたほうが楽に生きられる
誕生日近い目黒も同じ
ID:c0qHa7zs(1/2)
0877 名無しさん@占い修業中 2022/11/05(土) 23:44:20.25
>>875はゴミ付き長文さんでしょ
いつもアスペクトだけのデタラメ占いでage投稿
↑閲覧注意レスの特徴
ID:f7U8dpm7
0878 名無しさん@占い修業中 2022/11/05(土) 23:56:11.06
あーなるほど
ただ日本の芸能界特にジャニーズにいるとどうしても競争原理に巻き込まれるけどアメリカで数字も何も気にせず割り切って好きなことやるならありかも?
平野のリロケーションチャート見てみたい気もするがめんどくさいので誰か気が向いたら教えてw
ID:c0qHa7zs(2/2)
0879 名無しさん@占い修業中 2022/11/06(日) 00:16:25.37
キンプリに興味なくて今日初めて5人のホロ見たけど適当だから叩かないでね
まず平野
意思決定において平野自身のなかに自己矛盾はなさそう
やりきった上で出した答えだと思う
ただ完全に個人の考えで出た結果とも思えないくらい外惑星に影響を受けてる
この人は運の力というか周囲の力を自分の意思を勘違いしそうな配置
永瀬
5人のなかでたぶん一番現実的な挫折を経験していて、それはこの先も続く
同時に外惑星からの保護もあるので環境に恵まれたり恵まれなかったりの落差は激しい
成長してTスクエアをうまくコントロールできるようになれば何らかの芽は出ると思う
高橋
太陽水星金星が恵まれていて金星は特にインパクトがある
表現することが好きだと思う
月と火星が合に近く土星のオポを受けていることで周囲の助けが必要なときがくる
続きます
ID:QUXL628q(1/3)
0880 名無しさん@占い修業中 2022/11/06(日) 00:26:27.82
この人は第一印象としては器用
物事の受け入れが早く表現力もある
でもそれが仕事や評価に繋がるかというと少し運勢的に弱い
心の中は平穏で争いは好まないタイプ
海外にこだわる気持ちはたぶん本音
グループ全体に牡羊座に土星を持ってる人が多いなか、天秤に個人天体が集中してる彼はまさに調整役だったりストレス処理の役割が多かったかもしれない
神宮寺
太陽に対するスクエアが外惑星なのでいければいけるしいけなければいけない
芸事に関しては射手で合してる金火頼りであまりバックアップは期待できない
牡羊座土星ありだが月がゆるくオポなので自分事として現状を理解できているかは不明
不動に天体が集中しているのでここ数年は辛い状況だったと思う
金火合はいかにもアイドルらしいけどホロのなかで若干孤立気味なのが残念
ID:QUXL628q(2/3)
0881 名無しさん@占い修業中 2022/11/06(日) 00:37:09.94
岩橋については脱退後に存在を知ったので割愛します
とにかく牡羊座土星と天秤火星のオポ持ちが3人もいて、滝沢が牡羊座太陽、ジュリーがたしか蟹座太陽でt山羊に木星土星冥王星が順に通過していたことを考えれば当然の結果かと
冥王星の山羊から水瓶への移動でしんどくなるのが平野、高橋、神宮寺
ID:QUXL628q(3/3)
0882 名無しさん@占い修業中 2022/11/06(日) 01:42:54.12
スノストなにわどうですか
ID:Rr8DqdPL
0883 名無しさん@占い修業中 2022/11/06(日) 02:10:58.37
クレクレホイホイ
ID:439vhM9a
0884 名無しさん@占い修業中 2022/11/06(日) 20:57:58.56
>>874
8日の満月天王星の食がACDCライン、
MCにT冥王星って…
松ちゃんとの忘年会の約束果たされるといいなと本気で祈るよ。
5
ID:TAD1xdlM
0885 名無しさん@占い修業中 2022/11/06(日) 21:36:51.63
>>884
その組み合わせで思い出すは貴乃花の相撲協会退職&部屋の消滅…
しかも中居くんの場合、そのどちらもがノード絡み…
n6室カスプ冥王星(スクエア8室木星)のオポ位置をt木星がウロウロ…
他にも気になる点が盛りだくさんで心配になる
1ヶ月と言わず完治するまで休んで生活習慣を見直してほしい
ちゃんとキロンリターンを迎えてほしいです
ID:mXnjkv9K
0886 名無しさん@占い修業中 2022/11/06(日) 21:48:06.00
>>884
菊池風磨が3年後になるって
言われてた奴じゃん
中居くんは病気だけど
風磨が心配になってきたな
1
ID:RU80AQiC
0887 名無しさん@占い修業中 2022/11/06(日) 22:08:50.05
>>884
菊池風磨が3年後になるって
言われてた奴じゃん
中居くんは病気だけど
風磨が心配になってきたな
ID:ASf22rGO(1/2)
0888 名無しさん@占い修業中 2022/11/06(日) 22:57:31.08
>>884
ああそれは…。゚(/□\*)゚。
ID:iZm5GNdn(1/2)
0889 名無しさん@占い修業中 2022/11/06(日) 23:18:56.38
>>884
今度の8日が峠なの?
心配だな
頑張れ中居くん
1
ID:ASf22rGO(2/2)
0890 名無しさん@占い修業中 2022/11/06(日) 23:38:47.37
占えない雑談だけの連投キモ
1
ID:SFdXQkyG
0891 名無しさん@占い修業中 2022/11/06(日) 23:53:02.07
>>890
じゃあ君こそ占ってくれたまえ
ID:iZm5GNdn(2/2)
0892 名無しさん@占い修業中 2022/11/06(日) 23:56:34.33
占ってるから言ってんのw
ID:k9cay4d8
0893 名無しさん@占い修業中 2022/11/07(月) 00:22:04.96
mcにトラサタがトランジットで来るのは本当に怖い
安倍元首相はt天王星がネイタルmc合で尚且つascにスクエアのタイミングでお亡くなりになった
中居クンは幸いにもアセンにはスクエアにはならない
でも生き甲斐であろうmcがやられてしまうのは辛いな
ID:FgoWRXRv(1/2)
0894 名無しさ��@占い修業中 2022/11/07(月) 00:34:18.88
あんな国賊は本来獄死レベル
1
ID:XB5I8JUg
0895 名無しさん@占い修業中 2022/11/07(月) 00:37:22.65
>>894
ジュリー工作員氏ね
ID:FgoWRXRv(2/2)
0896 名無しさん@占い修業中 2022/11/07(月) 00:57:05.37
中居くんじゃなくて阿片商人壺三のことでしょ
ID:42ipCYv+
0897 名無しさん@占い修業中 2022/11/07(月) 01:42:11.32
>>889
食の影響は半年続く、って言うね。
N太陽月が巻き込まれてないから最悪の事態にはならないと思いたいけど。
MCにNドラゴンヘッド合でそこにT冥王星だったのか、そうなのか…
ID:1LD7ZYnz(1/2)
0898 名無しさん@占い修業中 2022/11/07(月) 01:56:58.19
8日が峠とか何気に不謹慎なレスだなおい
ID:Hljiue7K
0899 名無しさん@占い修業中 2022/11/07(月) 02:09:49.50
>>886
風磨くんの2024年かな、
ACにT天王星→N金星合のMCにT冥王星の流れ。
働き方変えそうだと思った。
ID:1LD7ZYnz(2/2)
0900 名無しさん@占い修業中 2022/11/07(月) 08:22:15.31
8日ほ安倍の月命日
ID:7ylxFxDH
0901 名無しさん@占い修業中 2022/11/07(月) 11:37:22.69
犯罪者と被るのはちょっと
ID:k3Yjv2kO
0902 名無しさん@占い修業中 2022/11/07(月) 16:37:28.29
コメント順
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ID:XWS+CBV5
0903 名無しさん@占い修業中 2022/11/07(月) 20:30:26.76
森本慎太郎が大殺界でデビューしてるんだけど退所しないか大丈夫か見てもらいたいです!
<SixTONES> 2015年結成/デビュー2020/01/22
髙地優吾 1994/3/8 神奈川県
京本大我 1994/12/3 東京都
田中樹 1995/6/15 千葉県
松村北斗 1995/6/18 静岡県
ジェシー 1996/6/11 東京都
森本慎太郎 1997/7/15 神奈川県
2
ID:MGoY8xFc
0904 名無しさん@占い修業中 2022/11/07(月) 20:39:00.75
ネイタルでどのくらい外惑星に慣れてるかもあるよね
ネイタル合とかオポとかスクエアの外惑星持ってる人はトランジットできても扱い慣れてる
ID:d+UIrYrq
0905 名無しさん@占い修業中 2022/11/08(火) 04:05:47.00
>>903
大殺界も鑑定依頼も板違い
ID:fgCpc1zR
0906 名無しさん@占い修業中 2022/11/09(水) 15:14:20.51
れんれんとジュリーさんの相性がやばい
悪いこと言わないから離れた方がいい
超悪縁だし身も心もボロボロにされるよ
もう既にされてるんだろうけど
ID:6BTKQiSN
0907 名無しさん@占い修業中 2022/11/09(水) 17:04:33.39
え?どういうこと?
ID:vcD7y00Z
0908 名無しさん@占い修業中 2022/11/10(木) 01:41:40.94
キンプリ存続を選んだ2人
2026年頃のライツが意味ありげ
高橋n太陽t土星合にn月t冥王星スクエア
永瀬もn太陽t冥王星合にn月t土星合
何か一新させるような事があるんじゃないかな
責任ある大仕事ととれなくもないけど、月の様子をみると辛い時期になりそう
プログレスを見ると高橋が2026年にp土星星座移動、永瀬も2026年にp太陽星座移動
やはり2人同時期に転機がくる
2
ID:xtYyxvUr
0909 名無しさん@占い修業中 2022/11/10(木) 18:55:15.99
>>908
永瀬、年明けにp太陽とp月が合
案外早く決断をひるがえすことになるかもしれん
ID:v2+P36x1(1/2)
0910 名無しさん@占い修業中 2022/11/10(木) 19:30:11.31
プログレスの新月か
それだけで覆すとも思わないけど30年に一度のリセット心機一転ゼロスタートの気分かな
プログレスの月って具体的に何というより気持ちの持ち方なのでハウスが重要じゃない?
1
ID:z50BFl+9(1/5)
0911 名無しさん@占い修業中 2022/11/10(木) 19:32:15.58
いずれにしても2人ともすごいタイミングの星回りだね
ID:z50BFl+9(2/5)
0912 名無しさん@占い修業中 2022/11/10(木) 19:52:03.48
>>903
占いじゃないけど漏洩から京本森本の名前出てるらしいね
1
ID:68A7H8q2(1/2)
0913 名無しさん@占い修業中 2022/11/10(木) 20:00:29.36
自分の答え合わせになるけど
>>826
>>848
神宮寺の未来で棒3はタッキーの方にも書いたけど新しい冒険の旅立ちってこと(正逆でほぼ同じ意味)だったのかと
>>825
の友達というのは岸くんなのかな
ちなみに内情とかは全く知らないです
ID:68A7H8q2(2/2)
0914 名無しさん@占い修業中 2022/11/10(木) 20:06:41.27
>>910
これが起こるのが11ハウス
やはり海外なのか
1
ID:v2+P36x1(2/2)
0915 名無しさん@占い修業中 2022/11/10(木) 20:23:52.57
海外は9ハウスでしょ?
11ハウスは人間関係やコミュニティを表す場所だから、メンバー脱退として出たんじゃないの?
ID:07pTBcSy
0916 名無しさん@占い修業中 2022/11/10(木) 20:34:12.51
11ハウスってもう仕事への欲は無くなって仲の良い人に囲まれて余生でも送りそうよ
ID:z50BFl+9(3/5)
0917 名無しさん@占い修業中 2022/11/10(木) 20:35:42.16
ジャニ辞めるって意味じゃなくて仲良しクラブ的なジャニのぬるま湯で一生安泰モードでは
ID:z50BFl+9(4/5)
0918 名無しさん@占い修業中 2022/11/10(木) 20:39:09.51
気持ち的にはぬるま湯で楽しく穏やかに生きたいのに>>908がやってくるかと思うと可哀想
ID:z50BFl+9(5/5)
0919 名無しさん@占い修業中 2022/11/10(木) 22:22:28.33
海外は9室だよね
ID:5eeIg3AZ
0920 名無しさん@占い修業中 2022/11/11(金) 00:39:01.04
タッキー面白いね
裏に置いといたのもったいない逸材
ID:1JL/8s8M
0921 名無しさん@占い修業中 2022/11/11(金) 01:37:38.26
先週King&Princeのことで発表させて頂いた。2023/5/22をもって5人での活動を終了します。
驚かせてしまって申し訳ありません。
僕たちはデビューしてから、僕の肌感覚としては全員がこれだけ集まってよく話し合ってるグループは他になかったと思っている。
歌の衣装から何から、細かいことまで本当によく話した。
5周年に向かってより深く話をする機会が増えた。その中で海外を含め活動に対する個々の思いが少し違うなと全員が感じていた。
初めて3人の想いを聞いたのはグループ仕事の終わりで「実は辞めたいと思ってる」と言われた。
理由は発表したコメントの通り。
ここまでやってきて、でもこれからだし、個人仕事もあって、やりたい事もやらせてもらっていた部分もあった。
俺はそう思ってた、3人がどう思ってたかはわからない。
3人がそう思ってたことに気付きもしなかった。辞めたいという言葉もショックだし気付かなかったこともショックだった。
何してたんやろう俺と思った。もちろん止めたけど、3人の意志は硬かった。
語気が強かったわけじゃないが意思が伝わってきた。
俺らに言う前から各々いっぱい考えて、考えた結果だからこそ伝えてきたと思う。
そうは言われても納得はできないから「やろうよ」と言った。
せめて2~3年一緒にやろうよとか、いろいろ言ったけど気持ちは変わらず、5人で事務所に伝えに行った。
事務所の人も止めたが気持ちは変わらず3人は辞める形になった。
これがいきさつ。退所日についても、5/22それくらいに辞めたいと3人は言っていた。
ID:Kpjrt0RS(1/4)
0922 名無しさん@占い修業中 2022/11/11(金) 01:38:00.59
俺と海人はどういう風に折り合いをつけるか悩んで、3人は悩んで俺らに伝えてきてくれたのだからと、3人の気持ちを尊重した。
もう飲み込むしかなかった、それが当時の正直な体感。
各々の人生だから、縛られる必要もないし、好きなタイミングで好きなことをやるべき。そう思う反面、辛い。
今回の件を通じて、特に紫耀とはずっと一緒だけど人間関係は難しい、
長く一緒にいてもわからないことがある、その人の心の深いところには触れられないんだと思った。
3人が退所したいと言ってきてから発表するまでは早かった。
(うーん言葉が難しいなと言いながら)俺らも2人になる。
2人で活動していくのは怖い、不安。年少組だったのに俺が最年長になる。
年上のメンバーにいつも助けてもらってたから、悲しいし想像ができない。
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kyo-sakisaka · 2 years
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最果 #1
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作家の轟くんと画家の緑谷くんのおはなし とても長くなる予感
表紙お借りしています→illust/69660367
***
 人は誰しも、心に遺す風景というものがあるらしい。それは自らが経験した人生のなかで、一際印象深く心に残るものだという。そんなことを聞けばさぞ衝撃的な出来事なのかと思えば、その瞬間にはそうだと気付くことな��稀らしいのだ。なんでもそれは、時が過ぎ去ってからそのことに思い至ることが多い――。  かつてとある人は、僕にそう告げた。そうして、きみの心に遺す風景はなんだい、とも。その人は、とても大きな人だった。海原のように大きな背中で、心で、僕を導いたとある人。僕は、彼の問いかけに答えを探しつつ口を噤む。聴覚が拾うのは、さざ波の音。鼓動の音。どこまでも緩やかな時の流れの中で、彼は口を噤む僕の様子を目にして笑った。そうしてきゅう、と丸まった目尻と、重なり合った目元の皺に、僕は限りない慈愛を見たのだ。 『いつか、君にもわかる』  ざぶん、と砂浜に寄せては返す波と、白く泡立った波の残滓。それは海と陸の境界線に辿り着いたその時、あまりにも呆気なくその白さは奪われてしまう。海の彼方には、西の方角で太陽が眠りかけていた。  彼の瞳には、隠しきれないほどの意志の強さがちらついていた。ふわりと吹いた風がTシャツの裾をはためかせる。潮の匂いを届けたそれは、べたつくような感触を肌の上に残した。 『だから、その時まで――……』  声が遠ざかっていく。目の前にいた彼の姿が、徐々に不透明さを失っていく。瞬きをするたびに透けていく彼の姿。その彼の姿に、微笑みに、大きな背中に、僕は手を伸ばそうとする。まってください、だなんてみっともない声が出た。胸中に広がるわけのわからない焦燥感に駆られて伸ばした僕の手は、彼に届くには遠すぎた。届かない手と、薄くなり続けるあの人の影。ああ、まってください、いかないで、まって―― 「――まって」  はっ、と意識が浮上する。視界に広がるのは見慣れた天井と、その天井に向かって伸ばす自分の腕。何かを掴むように伸ばしたはずのその手は、何も掴むことはない。ゆっくりとその手を下ろし、手のひらをぼんやりと見つめる。  まって、と声がした。紛れもない、自分の声だ。先程まで夢の中に出てきたあの人は、最後に会ってから随分と久しい。まさか今日が約束の日だということを暗示しているとでも言いたいんだろうか。あまりにもタイミングよく出てきた彼の姿に、僕はため息をついた。  枕元に置いていたスマホを見れば、昨晩アラームをセットした時間のちょうど一時間前くらいを示している。最悪だ。二度寝するには起きるのが遅すぎる。カーテンの隙間から僅かに差し込んだ光に、僕はもいちど盛大にため息をついた。このままだと一時間後にアラームが大音量で響き渡るにちがいない。セットしたはずのアラームを解除してから、温もりの残るベッドを抜け出す。 「…………夢、」  一人暮らしのアパート住まい、二十代前半。独身男性。これといってなんの変哲もない、ごくごくありふれた、いかにもどこにでもいるような肩書き。いや正確には違う。半年前に僕は、いかにもどこにでもいるような肩書きになろうとした。世間一般の目から見て「いかにもどこにでもいるような男性」になれているのかどうかは定かではないのだけれども。  その話が出たのは、つい先週のことだった。元同業者 の男から届いた連絡。復職しないか、という内容の話を一度は断ったものの、男は微塵も諦めるつもりなどないようで。半年前、僕が画家としての人生を捨てて以来、僕は自然とそれに関わる物事を避けるようになっていた。 (あんな連絡を受けたせいだろうな)  先程まで見ていたはずの夢を思い出す。それは確かに僕が体験した、昔の記憶だった。憧れの人。さざなみの記憶。彼の問いかけに、僕は未だに答える術を持たない。  ――まって。  確かにこの唇は、そう動いた。その問いかけに答えることもできないくせに、何かを求めるようにそう口にしたのだ。絵を描くことをやめた僕には、今更合わせる顔もないというのに。そんなことを考えつつも、体は無意識のうちに着々と準備を進めていた。鬱々としたところで時が止まってくれるわけでもない。僕がどんなに後悔したところで絵を描くことができないように、時間はいつだって前にしか進まないのだ。      ***   「お断りします」  そうはっきりと拒絶の言葉を口にすれば、目にこそ見えないがぱきり、と空気の境界がひび割れたような気がした。ただそれは本当に一瞬のことで、すぐにかちゃかちゃという銀食器が擦れ合う音や、人々が談笑する声が世界に戻ってくる。目の前に置かれたはずの珈琲はすっかり冷め切っているというのに、数十分前に一口だけ口にした苦味がいつまでも舌の上に残っていた。  待ち合わせ場所の喫茶店は、ずいぶんとこじんまりしている。僕の目の前の席に腰掛けた元同業者の彼は、まるで僕の返答などわかっていたかのように、顔色ひとつ変えることはない。あたりに落ちた沈黙が重くて、僕はそれから逃れるように視線を落とした。 「………そうか」  長い長い沈黙のあと、消え入りそうな声で彼――僕に連絡を寄越した元同業者がそう苦笑混じりに呟いた。ふっ、と漏れたため息を追いかけるようにして視線を上げれば、コーヒーカップの横に何かのチケットを一枚差し出される。見ればそれは映画のチケットだった。ここ最近コマーシャルでよく見る、とある小説が原作の映画。 「妻にと買ったんだけどね、どうも既に買っていたみたいで余ってしまったんだ。良ければ貰ってくれないか?」  それを渡した彼の表情を見るに、ひょっとしたら今日ここに僕を呼んだ本当の目的はこれを渡すことだったんだろう。 「そんな、いいんですか」 「余りものなんだ。貰ってくれると嬉しい」  微笑み混じりにそう口にした言葉ば、嘘だ。どこまでも僕のためを思った、優しさだ。僕がその映画を知らないはずなどない。その原作となった小説の作家のファンだということを、僕は彼に何度も話したことがあったからだ。 「……じゃあ、観に行ってみます」  僕の言葉を聞くや否や、彼はようやく満足げな顔で笑う。それはほっとしたような表情とも受け取ることができた。そこまで僕にこのチケットを受け取って欲しかったのだろうか? 一瞬頭の中でそんな疑問が掠めはしたものの、僕はそれをすぐさま受け取って財布のポケットに仕舞い込む。目の前の彼の思いを無下にするわけにはいかなかった。  僕がありがとうございます、とお礼を言って、それから二、三言ぽつぽつと話をしたところで、僕たちは店を後にした。結局のところ、終始彼の好意に甘えるような形になってしまったことがどうにも歯痒い。行きと反対の電車に揺られながら、頭の中で考えるのはずっと絵のことだった。一体どうして、あの夢の中でまって、なんて言葉を口にしたのだろうか。一体どうして、元同業者の彼からいきなり連絡が来たのだろうか。 (………………だめだ、わからない)  考えれば考えるほどにわからなくなる。絵を描くことから離れて半年が経ってからというもの、これほどまでにあの頃を思い出させる出来事があった一日は珍しい。朝の夢といい、何かが起こりそうな気がしてならなかった。    それから数日後。何かが起こりそうだと身構えていた僕とは裏腹に、ひどく穏やかな日々が過ぎ去っていった。拍子抜けとすら言えるような、なんてことはない自分が絵の道を志さなかった未来。そんな、ありふれた日常のただのワンシーン。半年間の生活が戻ってきただけとも言えるかもしれないのだけれど。  つまり何が言いたいのかといえば、その存在を思い出したのは、あくまで単なる偶然だったのだ。つけっぱなしのテレビから流れる音、ニュースキャスターの硬い声がふと途切れる。キャッチーなフレーズとともに映し出されたのは、今話題になっている女優と俳優の姿。公開中の映画――つい数日前、彼からチケットをもらった映画の予告が流れていた。 「あ、あった」  数日前の記憶どおり、財布の内側のポケットの中に彼から貰ったチケットがあった。いわゆるムービーチケットというやつで、ネットや映画館で座席や時間の指定を行うタイプのもの。くるりと裏返して裏面を確認してみるけれども、もちろん使われた形跡なんてものはない。やっぱり僕に気を遣ってくれたんだろうな、なんて少しばかり申し訳ないような気持ちになりはじめた僕の目に、それは強烈な違和感を伴って写った。 「…………なんだろう、これ」  よく見ればそれは小さなマークだった。カードの右上のあたりに,小さく、けれども確かに丸い印が付いている。見れば、それは油性マジックのようなもので描かれており、明らかに手書きのそれだ。ひょっとしたら、案外彼の話も本当だったのかもしれない。僕に渡す用のチケットと自分たちのチケットを区別するために、こんな印を付けたかのようにも思えた。  まあ、印があったとはいえ確かにそれは未使用のものだったし、見ず知らずの他人に渡されたのならまだしも、僕にこれを手渡してきたのはよく知った元同業者なのだからそこまで気にすることもないだろう。こういうところが「能天気」だとか「アホ」だとか言われるのかもしれないなあ、なんて聞き慣れた幼馴染の言葉を思い返す。あの目つきの悪い幼馴染に最後に会ったのはいつだったっけ。  僕は机の上に置きっぱなしのノートパソコンを立ち上げた。幼馴染のことを思えば、いつも心にどこかしこりが残る。家が隣同士だったこともあって、かなり長い時間を幼馴染――かっちゃんとは過ごしてきた。最初からなんでも出来てしまう天才肌のかっちゃんと、不器用な僕を見て「正反対」と詰られることも少なくはなかった。少なくはなかったけれども――、  そこまで考えて、ふと手を止める。ここら辺で一番近くの映画館の予約状況を見るに、ぎりぎり今日の上映分は空きがあるようだ。危なかった。素早く必要事項を入力して、予約を確定させる。予約が完了してしまえばこっちのものだ。はあ、とため息を吐きだして椅子の背もたれに寄りかかる。付けっぱなしのテレビから聞こえていたCMは当の昔に終わっていて、さして興味もないバラエティ番組の笑い声だけが響いていた。  ――映画なんていつぶりだろう。  ちらりと視線を移した本棚には、同じ作家の背表紙ばかりが並んでいる。その中にはたった今予約したばかりである映画の原作となった小説もあった。  氷叢焦凍(ひむらしょうと)。それが僕が密かにファンである作家の名前。新人でありながら数々の名だたる賞を受賞しているものの、その正体は全くと言っていいほどつかめない。年齢や顔はおろか、性別すらも定かではないのだから、いっそ浪漫に近いものを感じる。  そんな謎に包まれた実力派の新人作家を世間が放っておくはずもなく、幾度となくゴシップまがいの記事がネット上に上がりはするものの、最終的にはいつもまったくのデタラメで終わるのだ。それが本当にデタラメなのか、デタラメということにしているのかはさておき、ここまで報道陣に追われながら一切の情報が出ないというのはどう考えても不自然でしかなかった。その不自然さがまた話題性を呼び、その名前を広めていることも事実なんだろう。  頭上で翳したチケットをじっと見つめる。一瞬、脳裏にこれを僕に渡したあの元同業者��彼の姿がちらついた。そんな彼の姿に引っ張られるように、意識はそれよりずっと前の過去の光景まで遡ってしまう。震える手のひら。飛び散った絵の具。ぞわりと背中を奔る悪寒。酸素を十分に取り込めなくなった肺が、ひゅう、と喉の奥で掠れたような音を漏らす。鼻腔の奥にまで染みついた油の匂いと、内臓がひっくり返るような気持ち悪さ。 「―――――――ッ、あ、」  嫌だ。いやだ。嫌で嫌でたまらないのに、どうして僕は。  いつの間にかぎゅう、と固く目を瞑っていたようだった。眉間のあたりでじんわりと痛みが広がる。硬直していた筋肉が徐々に緩み始めるその感触に、ゆっくりと目を開けば明るさに慣れない瞳が視界をぼやけさせた。    ――絵なんてもう描かない。あの日僕は、そう決めた。そう、決めたんだ。      ***     『スクリーン三番の案内を開始いたします』  その言葉に僕ははっと顔を上げる。予約した時にも大分席が埋まっていたけれど、いざ映画館に来てみると思っていた以上の人混みだった。人混みに紛れて運ばれてくるのは、映画館ならではのポップコーンの甘い匂い。発券したばかりのチケットには、「スクリーン三」と書かれている。ひどく事務的な様子でチケットを捥ぎるスタッフは、いかにもやる気がない。  家からいちばん近いこの映画館は、決して大きいものでも立派なものでもなかった。建てられたばかりの小奇麗な建物というよりかは、どちらかといえば記憶によって多少なりとも美化されるような類の方。寂れたとまでは言わないものの、完全に地元の人間しか訪れないだろう。シアター数もそう多くはないからこそ、この映画館にここまでの賑わいがあることが珍しかった。 (ほかの映画館もこんなに混んでるのかな)  正直なところ、人混みは得意じゃない。ずっと引きこもりのような生活を送っていた反動化もしれないけれど。ただ、そんな僕の苦手意識さえ些細なことだと思えるほどには、映画館のこの雰囲気が嫌いじゃなかった。フロアの角のほうでこじんまりと並ぶパンフレットやグッズ。テーマ―パークに来たのかと一瞬錯覚するようなポップコーンの甘い匂い。入場開始のアナウンスが鳴れば、カウントダウンは始まる。指定されたスクリーンの前、開け放たれた防音の扉を潜り抜ければ、一気に辺りは暗くなった。  印字されている席はだいぶ奥の方のようだ。僕は客席の上手側にある段差の低い階段を昇っていく。そうして心の中でアルファベットを数えている最中、突如として視界がぐらりと揺れる。とん、と足先から伝わる軽い衝撃。躓きかけた体勢をなんとか立て直そうと必死になっていれば、疎かになった意識に手元からなにかが落ちる音がした。 「あ」 「お」  そこにいたのは、ひとりの男性だった。まず目を引いたのは、色違いの瞳。ばちりとぶつかった視線の先で、光を反射した左右非対称の色が揺れる。くっきりとした目鼻立ちの彼の額に、影を落とすのは色違いの髪色。左右で紅白に分かれているその髪色は、ひどく特徴的だった。  時間にしてみれば一瞬だったのかもしれない。絡まり合った視線が不意に外されて、そこではじめて僕は目の前の男性をぼうっと見つめていたことに気付く。なんだかそれが恥ずかしくて、俯いてみればどうして彼と視線がぶつかったのかを唐突に理解した。 「すみません、ありがとうございます」  どうやら元同業者の彼から貰ったムービーチケットを落としてしまったらしい。幸いにも僕は、初対面の人の目の前で転ぶだなんていう恥を晒すことはなかった。ただ、僕が落ちたチケットを手に取ろうと屈むより目の前の彼が手にする方が早かったようで、僅かにぶつかった手のひらに思わず僕は「あ、」なんて声を漏らす。 「――――――――――っ!?」  上映前に浮足立った客席のざわめき。人が通るには少しばかり狭い通路。肌を撫でる空調の風と、ぼんやりと灯る明かり。映画館の見慣れた光景のはずなのに、どこまでも非現実的なように思えた。何より強く違和感を覚えたのは、足元に落ちた僕のチケットを手に取った彼がその瞳を驚きに見開いたことで。 「あ、あの………?」 「ああ、すみません」  なんでもないように装った彼の表情には、明らかに動揺の色が見て取れた。とはいえそれを指摘するには僕と彼が出会ってからの時間が短すぎた。モデルかなにかをやっている人だろうか。ひどく綺麗な顔をした彼は、僕から目を逸らして小さくなにかを呟く。けれどもその小さな呟きを聞き取ることはできなかった。 「あの」 「? はい」 「この席はご自分でお取りに?」 「そうですが」  どうしてそんなことを聞くんだろう、と思ったのが顔に出ていたのかもしれない。彼は自分のチケットの半券を徐(おもむろ)に取り出すと、その座席番号のところを指差し「隣みたいです」と口にする。 「あ、そうだったんですね」 「はい」 「こんなに人が多いのに……すごい偶然ですね」 「……ええ」  そうぽつりぽつりと言葉を交わして、僕たちは隣の座席に着席する。映画館で落としたものを拾ってくれた人が、偶然隣の座席だった。文字にしてみればそれだけのことだ。よろしくお願いします、なんて言うのも変なのはわかっているけれども、僕は必死に何かないかと言葉を探していた。彼が一瞬だけ見せたあの表情がどうしても気になってはいたものの、席が隣になっただけの初対面の人だ。わざわざそんなことを聞くのは憚られた。だというのに、胸の中には澱みのように違和感が満ちる。  やがて、そんな僕の心中など気にも留めないと言わんばかりに客席の照明が落ちた。途端、ひそひそとした話し声ですら水を打ったように静まり返る。 (……すごい、ほとんど原作通りだ)  原作となる作品がある以上、こういった作品は批判されることもしばしばある。もちろん、僕はこの映画の原作となった小説を読んでいたわけだし、言ってしまえばそこまでの期待はしていなかったのだけれども。そんな僕の思惑は完全に良い意味で裏切られつつ、映画は進んでいく。いつの間にか夢中になって観ていたようで、早いもので気付いたときには映画は終盤に差し掛かかろうとしていた。 『――どうして私を選んだの』  窓際で俯く女性。映画のヒロインである彼女は、吐息のようにそう言の葉を零す。そうして差し込む日差しをその頬に映しながら、一拍ののちに開きかけた唇を閉じた。それはさながら、開きかけながらも咲くことを諦めるつぼみのよう。彼女は入院着のまま、動かせなくなった体をぼんやりと見つめている。背後に立つ男性��姿を見ることはなく、ただただ己の肉の塊を眺めていた。  余命幾ばくかの彼女と、それを見守る男性。知りながらも、口にすることはない言葉。どこまでも静かで、どこまでも清らかな時間。この世の最果て、最も美しい場所にたどり着いたふたりの、その出会いの意味を見出すかのように、男は口を開く。ひどくゆっくりと、胸の中にあふれる想いのそのすべてを込めて。 『愛していたから』  スクリーンに映し出されるのは、彼と、彼女の瞳。交互に映し出されるそれは、内側に含んだ色をじんわりと滲ませる。そうしてひとしきり瞳を揺らしたあと、ふたりはいっそ朗らかに笑ってみせた。辿り着いた思いの果てと、たどり着けなかった場所。諦めるように、泣きそうに、笑ってみせた。  スクリーンは暗転し、エンドロールが流れ始める。そこで僕はようやくため息をついた。一瞬だったとさえ感じられるほどの濃密さ。全身から力が抜けて、座席のシートに縛り付けられたかのように体が重く感じる。エンドロールもすっかり終わり客席の照明が戻った頃には、あれほどまでいた人の数もまばらになっていた。  遠ざかる人の影に徐々に感覚と意識が現実に戻ってくるにつれて、僕は横にいる彼のことを思い出す。僕と同様に彼もまだ座ったままだったようで、ちらりと横目に見ればふと彼の左頬が視界に映る。先ほどまでは劇場の暗がりでよく見えなかったが、よく見れば彼の頬には火傷のような傷痕があった。自然な肌の色とは違う、赤紫色に変色したその色はひどく生々しい。その色を見ているだけで、僕まで痛みを覚えてしまうほどにそれは強烈だった。  ふと、彼が思い立ったように僕に視線を寄越す。その瞬間、びくりと心臓が跳ねた。じっと見ていた僕の視線に気が付いたのかもしれない。初対面の人をまじまじと見つめるだなんて、そう気持ちの良いものじゃない。怒られてしまうだろうか――。そんなことを考え怯えていた僕の思考は、彼のそのやけに整った顔に浮かべられた表情を見てぴたりと止まる。  彼は、緊張していた。ぱちぱちと瞬きを繰り返し、薄い唇をほんの少しだけ震わせて「あの、」とちいさく呟く。よく見ればその肩のあたりも震えていた。僕より背が高く体格もしっかりしているというのに、いっそ儚さすら感じる。 「お名前を、聞いても良いですか」 「え、」  いきなり何を、と思った僕の心中を察したのかもしれない。彼は慌てて付け加えた。 「あ、俺、は……轟といいます」 「轟、さん」  もう一度口の中で繰り返せば、彼の表情に喜色ばんだ色が差したような気がした。その反応はあまりにも素直なもので、一瞬ぐ、と喉のあたりに吐き出すはずだった二酸化炭素が詰まる。訝しむでもなんでもなく、僕の唇は自然とぽろりと言葉をこぼしていた。 「僕は緑谷です。緑谷出久」  僕がそう口にすると、彼は安堵したかのように色違いの瞳を細めてみせる。あ、と声にならない声が漏れる。光を宿した瞳がゆらゆらと溶けだすさまは、先ほどまで見ていたラストシーンに似ていた。ただひとつ違うのは、僕はその様子を画面越しなんかじゃなく、こうして目の前で目にしているということ。自然とこぼれ落ちた言葉が、水面を揺らしたかのように伝播する。  誰もいなくなったスクリーンのなか、エンドロールさえ終わったというのに。それなのにここには随分と重苦しい音が響いていた。どくり、と動きだす心臓の音がなにを意味しているのか。僕はそれを知らない。スタッフが言いづらそうに退場を促してくるまで、僕たちの時間はきっと止まっていた。      ***   「轟さん」  映画のようにはいかない。主人公にはなれない。自分の理想を追い求めたところで、それは現実に成り得ない。わかっていた。最初から。それでも縋ってしまったのはきっと、俺の弱さ故だろう。 「約束は守ってくださいね」  わからない。今自分が嬉しいのか、悲しいのか、そんな自分の感情すらもわからない。ただ俺は、この世に神様はいるということ、それから神様は決して俺の自分の味方なんかじゃないこと。その二つのことを唐突に、そして嫌になるくらい深く確信する。  自分が蒔いた種と言われてしまえばなんの弁護のしようもない。けれどもこんな展開を、誰が予想した? 誰が推測できた? 願掛けのように縋りついた、叶わないはずだった願いがこんな歪な形で叶うだなんてことを、一体誰が予測できたというのだろう。もし予測できるのだというのなら、そんなものは最早人間でもなんでもない。  守ってくださいね、と念を押すように僅かばかり語気を強めた目の前の男。圧し掛かって来る事実に押し潰されそうになって、喘ぐように酸素を求めた。 「……わかってる」  理想が消えていく。自分が積み上げたものが、崩れ落ちていく。思いを置き去りにして、主導権が奪われていく。何者にもなれないというのなら、何者の顔をして彼に会えばいいのだろうか。    教えてほしい。これは救いか、あるいは地獄か。
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skullumio · 6 years
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Tadanobu Asano: "食器Tシャツ!(^o^)! @jeandiadem" (from his twitter)
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ari0921 · 2 years
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「#宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和四年(2022)6月24日(金曜日)弐
   通巻第7380号  
 ポーランド、ウクライナ軍事支援の拠点化
 単独でも16億ドルの武器をウクライナへ送った
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 ポーランドのモラウィッキ首相に拠れば、ウクライナへの軍事支援は合計16億ドル(邦貨換算2160億円)に上るという。T72戦車を200両(代わりに米国からエイブラムズ戦車250両)、自走榴弾砲、ドローン、携帯式防空システム「MANPADS」、ライフル、マシンガンなどである。
 くわえて西側からの武器支援は殆どがポーランドを経由するため、北のバルト海に面するグダニスク港にはベルギーやデンマークなどからも戦車、装甲車が大量に陸揚げされ、大型トレーラーに積み込まれている。また東側のジェシュク市には飛行場もあるので輸送機が頻々に到着している。
 ポーランドは16世紀にリトアニアと共立の王国、その後のポーランド王国は、ベラルーシ、ウクライナを従えたほどの大国だった。
 このためウクライナには近親観と反発心が同居しており、カソリック信者の難民がポーランドを目指した。ロシア正教信者は、ロシアへ非難した。
 ポーランドと言えば、古都クラコウには日本文化センターがあり、その南西がアウシェビッツである。グダニスクは東西冷戦末期に組織化された『連帯』発祥の地であり、ワレサ初代大統領の地盤でもあった。ちなみに現地ではグダニスクはグダンスク。ワレサはヴァレンツァと発音する。
 当時、西側はポーランド支援に熱心で、欧米の投資が続き、証券取引所も開設された。ポーランド政府の招待で、日経、共同、産経記者等とワルシャワに一週間滞在したことがある。
 夜が明けるのが午前十時頃、午後二時には暗くなる。町のネオンやセーター、看板が赤、黄色、緑の原色が好まれるのは、その反作用だろう。Tシャツ工場で紫色の見本を一枚買ったが、洗濯したら染料がはげ落ちた。すさまじい安物を造っていたのが90年代後半のポーランドだった。
 ワレサとの会見はできず、ヤルゼルスキー元大統領がインタビューに応じた。その二年前にも西ベルリンから列車でワルシャワに入り、タクシーでグダニスクへ行った。当時、日本食堂は一軒だけ、中国人労働者が餃子をたべにきていた。
五年ほど前にワルシャワへ行ってみたが、様変わり。ワルシャワ駅周辺は大都会、高層ビル、寿司屋が数軒。日本風の居酒屋もあった。
駅前のマリオットホテルは安倍首相訪問時に宿舎となった。ロビーにはフランクフルトで印刷、空輸された日本経済新聞があった。
ワルシャワ進出の日本企業は数百社に及び、1500人前後の駐在日本人がいる。現地の緊張感を聞きたいものである。
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hananien · 3 years
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【SPN】見えない手錠
警告:R18 ※スカ描写(排尿シーン)、性描写
ペアリング:サム/ディーン
登場人物:ディーン・ウィンチェスター、サム・ウィンチェスター、アーサー・ケッチ
文字数:約7800字
設定: バンカーにて、賢人アイテムに呪われて拘束されたディーンと、兄をないがしろにして後悔するサム。
言い訳: 拘束シチュを最大限活かさなかった。 いつも通りの謎時系列で兄弟の他にケッチが出てきます。
 今日も今日とて賢人基地の謎は深い。  ここのところ曜日を決めて基地の倉庫の整理をしている。その日は他のハンターたちからのヘルプコールがなければ事件には関わらず、食料も前日のうちに買い込むか、残り物だけで済ませて外出はしない。朝から晩まで資料とアイテムに埋もれ続ける平和で知的冒険心が満たされる(サムにとっては)休日だ。サムは地道に整理分類を続けていたが兄のディーンにそこまでの情熱はなかった。  サムは兄の態度が不満だった。サム以上にこのバンカーを”我が家”として認識している兄が、その我が家にどんな秘密が隠されているのか――もしかしたら時限付きの危険物だってあるかもしれない――無関心なことが理解できない。  今日もまた予定していた休日。ベッドから出てこないディーンを無理やり引きずり出してコーヒーを淹れさせ(この鬼!と怒鳴られた)、ハムとチーズのサンドイッチを手に倉庫へ直行する(飯くらいキッチンで食べろよ、とディーンはいう)。  サンドイッチを齧りながらデスクに向かい、前回整理した目録を確認していると、コーヒーをすすってぼーっと突っ立っているディーンが目の端に入る。「ヒマならその棚の埃でも払っといてよ」と若干いらつきながら指示する。声音は穏やかだったはずだが弟のいらつきに敏感な兄は「ハイハイわかったよ」と逆らわずに棚へ向かった。  パタパタとディーンが働く音だけを耳にしながら目録をデータベースに入力する作業に没頭していた。しばらく後に「あ」と声がしたが他に大きな物音もしなかったので無視した。コーヒーに手を伸ばすとすっかり冷めていたので集中しすぎてあっという間に一時間程度は経ったんだなと思う。  「なあサム」 棚の間からディーンが声をあげる。  「何だよ、もう飽きたの?」  「そうじゃなくて、なあ」  「何だよ、もう」  ため息を吐いて立ち上がり、兄のもとへ向かう。ディーンは壁に設えられた棚の前に立ち尽くしていた。こっちを向いて後ろ手に腕を組んでいる。  「何? ナチのお宝でも見つけた?」 軍隊の”休め”のポーズに似ていたのでまた質の悪いジョークを思いついたのかと眉を寄せる。そうじゃなくて、と返す兄の顔が少し強ばっているのにようやく気づく。  そういえばこの棚はまだ手を付けてない。サムが把握していないアイテムが並ぶ棚は、ディーンの偶に発揮される凝り性によってきれいに埃が払われていた。  「ディーン……?」  「おれ、呪われたみたいだ」  ゆっくりと後ろを向いたディーンの腕は、まるで手錠にかけられたように手首が交差して重なっていた。  棚にはいかにも呪われたアイテムっぽい骸骨の手があって、土台にはご丁寧にギリシャ語で「見えない手錠」と書かれていた。
 『見えない手錠?』  ディーンが呪いのアイテムに拘束されてから半日、サムは倉庫をひっくり返す勢いで解呪の資料を探したが全く手がかりがない。ディーンは今のところ”後ろ手で卵を割る”遊びにハマっていて楽観的だが、サムはそうはいかない。自分のおざなりの指示でディーンが呪われてしまったのは痛かった。  「そう書いてあった。同じ棚には他にもアイテムはあったけど、全部封印されたままだったしディーンの状態からして原因はそれで間違いないと思う」  電話の相手はアーサー・ケッチだ。かつての敵で今も腹で何を考えているのかわからない相手に自分たちの窮状を話すのは抵抗があるというかはっきりと嫌だったが、賢人のアイテムについて尋ねるのに彼を除外するわけにはいかなかった。  『君たちといると退屈しないね』とケッチがいうのでサムは「いないだろ」という言葉を飲み込んだ。  『まあ端的にいうと仲良くなるまで外れない手錠だ』  「は?」  『乱交大好きなギリシャの富豪が十七世紀に作らせたものだったと聞いてる。アイテムが置かれた土地の所有者とアイテム自身が認識する所有者が連動する。主人以外の人物が触れると拘束し、その拘束は主人と激しいファックをすることでしか解けない』  「おい……」  『つまりアイテムは君がその基地の主人だと判断した、ディーンではなく。確かヘンリーは君たちの父方の血筋だったな? ふーん、興味深い……』  「やめろ、僕らの血筋について興味を持つな」 サムは髪をかきあげた。「ふざけないで解呪方法を教えてくれ。どうしたらいい」  『だいたい君は賢人の道具の扱い方を心得てない。しまい込まれた道具にはそれなりの理由があるんだ、封印された位置にすら。まあ、確かに放置するには危険だし、五十年代のアメリカ賢人の収集品を整理するのは意義があることだが……サム、君には疎い分野だし、アドバイザーが必要だ。今回のようなことがないように、次からは私も付き合おう。もちろん、君たち兄弟がよければ』  「いや、よくない。ありがとう。さっさと解呪方法を教えてくれ」  急に無音になった電話に、通話口をふさいで舌打ちするケッチの姿を想像する。コホンと咳が聞こえて通話が再開した。  『解呪方法はさっき言ったとおりだ。本来は複数人での性行為中にランダムで誰かが拘束されるのが正しい遊び……使い方だったと記憶してる。他に誰もいなければ勝手に土台に戻るはずだが、側に置いておいたほうがいいな。ほら、骸骨の手首があっただろ? あれが土台だよ』  「それはわかってる」  『他に何か聞きたいことは?』  「ない」  『そうか、お役に立てて何より。次の木曜日に伺う……』  サムは黙って通話を切った。
 ギリシャのふざけた富豪が作った乱交目的の拘束具が、なぜアメリカの賢人たちの手によって基地に保管されていたのかその理由を聞けばよかったとサムは思った。だけど、聞くまでもないと思い直す。これまできっと、数えきれないほど悪用されてきたに違いない。  「というわけなんだ」 解呪方法の説明を黙って聞いているディーンに、サムの罪悪感の嵩は増す一方だ。「ケッチが言ったことの裏は取れてないけど嘘をつかれてる感じでもなかった。もっと調べることもできるし、最悪、ロウィーナに聞くこともできるけど……」  「そいつは最悪だ」 ディーンは唇をすぼめる。  「だろ? 見返りに何を要求されるかわかったもんじゃない」  二人は無言になった。サムはいたたまれなくなって自分の足を見つめる。呪いを解くためにファックするなんてどうかしてる。兄の呪いを早く解いてやりたいけど、そのために早く自分と寝ようなんて軽々しく口には出せない。  「サム、おまえとやるのはいいんだが、その前に何か食いたい」  「へっ?」  「腹減った。何か食わせてくれ」
 ディーンが割りまくった卵でフレンチトーストを作ろうとしたが、色々と怪しい手つきを見てディーンが「スクランブルエッグでいい」というのでそっちにした。  調理台のスツールに座ってディーンはサムが食器やら飲み物やら用意するのを眺めていた。腕が使えていたら頬杖でもついていたに違いないのんびりとした表情だった。サムはディーンのやわらかい視線を感じながらフレンチトーストを諦めたパンをオーブンで温め、山盛りのスクランブルエッグと共に調理テーブルに並べた。  冷蔵庫からビールを取り出そうとすると、ディーンに止められた。  「すぐにやるんだからワインがいい。やってる最中にげっぷ出まくったらやだろ?」  サムはガタガタ音を立ててビールを冷蔵庫に押し戻し、グラスにワインを注いだ。  「喉が渇いた」  というので先にワインを飲ませてやる。今更ながら解呪方法を探すのに忙しくしていて、肝心の兄本人の世話を全くしていなかったことに気が付いた。後ろ手でドアは開けるし卵も割れるかもしれないが、コップから水を飲むことはできない。自分は兄を呪いにかけてしまっただけでなく飢えさせていたのだと思うと自己嫌悪で鉛を飲んだように胸が重くなった。  「卵」「パン」と指示されるままに兄に給仕していく。そのうちディーンは何もいわなくなった。サムも無言になった。自分が運ぶスプーンが兄の唇に包まれるさま、兄が咀嚼して飲み込むまでの一連の動きから目が離せなくなる。  ディーンに注いだワインを飲み干してしまうと、彼はにやっと笑っていった。  「サミー、もっと、楽しもうぜ」  サムは自分にと注いだグラスにまだなみなみとワインが残っているのに気が付いた。手を伸ばしてグラスをつかみ、ゆっくりと仰いで咥内に留める。ディーンはまたあののんびりとした表情をしてサムが顔を近づけてくるのを待っていた。  グラスが二つとも空になると、ディーンは酔いでうるんだ瞳でサムを見つめた。  「トイレに行きたい、サム」
 二人してバスルームに駆け込んだ。後ろ手で拘束されているディーンは上に着ているTシャツとネルシャツは脱げない。サムが下半身だけ脱がせ、シャワーブースに入った。裸になったディーンのを後ろから抱き込み、下腹部にシャワーの湯をかけた。  「あれ、当たってるぞ。おまえ、脱いだ?」  「うん」  「なんで?」  「だってお湯がかかるから」  「あー、おまえだけ、ずるい」  「お尻は僕が洗ってあげる」  そういって湯のすべりを借りて指を潜らせると、「バカ!」と怒られ肩で胸を突かれる。「朝からトイレ我慢してんだ! 先にオシッコさせろ!」  「ええ? トイレ、一度も行ってないの?」  地底を這いつくばるような声でディーンはいった。「行ったよ、ああ、見えない手錠で両手が繋がれててもトイレには行ける。でもな、足の指でベルトは外せない!」  「ごめん」 サムは指を抜いて尻を撫でた。「全然気づかなくてごめん。おしっこしていいよ」  ディーンはうーんと唸って首を落とした。ネルシャツの襟もとからすんなり伸びたうなじにサムの食欲が湧く。ディーンは排尿に集中しようとしているようだが、ワイン一杯分の酔ったふりでは羞恥心を打ち消すには至らず、苦労しているようだった。  サムはディーンのペニスに手を伸ばした。  「サミー!」  「両手で持つ? 片手で持つ? いつもどうしてるの?」  ディーンは首を振ってまたうなった。「両手……」  サムはシャワーを壁に固定して、両手でペニスを持って構えた。  「これでいい? ディーン、目をつぶって。僕も目をつぶるよ。シャワーで全部流れるまで目をつぶってるから」  肩口に顔を乗せて、ディーンにも見えるように目をつぶる。ハア、と熱い溜息が頬にかかった。シャワーの熱気に一瞬なじみのある臭気が混じる。どういうわけかそれにますます食欲をそそられて、サムはすぐ側にあるうなじに嚙り付いた。ひっとディーンは仰け反って、排尿の勢いが増したのがサムにはわかった。まるでイッたみたいだ、と思った。  「あ、あ、サム……まだ出る……」  顎、それから開かれた口にもかぶりついて、サムはいいよ、と励ました。それから僕も、といった。「僕も出していい?」  朝からトイレのことなんて頭になかったから、今さらもよおしてきた。サムは片手をディーンのペニスから放して彼の顎をつかみ、きつく唇を押し付けて下半身も密着させる。熱気に喘ぎながら唇を吸って、サムは溜まっていたものを排出した。  ディーンのペニスを握りながらディーンの尻におしっこをかけている。これってファックするよりもどうかしてるよな。  「あ……つ………」  ディーンが漏らす言葉を飲み込みながら、ああ、向かい合ってすればよかった、とサムは思った。そうすれば自分もディーンの熱いおしっこをかけてもらえたのに。  自分が出し終わってディーンのペニスを何度か根本からしごくと、ディーンが肩を回してやめるよう訴えてきた。  「もう終わった、終わったから」  「じゃあ洗うけど、いい?」  「ああ……」  「中もだよ?」  「いいって言ってんだろ」  ディーンは疲れているみたいだ、と思った。当然だ、一日中腕を拘束されて過ごしているのだ。言わないだけで腕は強ばっているだろうし痛みもあるに決まってる。呪われてパニックになるサムをよそにディーン本人は「どうにかなる」といって泰然としていた。もしかしたら長期戦になると思って体力を温存していたのかもしれない。ディーンはそういう野生動物みたいなところがある。
 貪るように体を重ねていたのはサムが地獄に落ちる前のことで、お互いまだ精神的にも肉体的にも若かった。不安や疑惑を欲望のエンジンにお互いを引きずり落としあうようなセックスができたのは若く未熟だったからだ。  サムにとっても我が家となった基地にメアリーが戻ってきてから、何となく関係を控えるようになった。全くやらないわけではないが、今日我慢すれば明日は出先のモーテルでやれるという場合は諦めるのもそれほど苦ではなかった。昔は衝動が起こったら今すぐにファックしなければ死んでしまうと思うくらい切羽詰まっていたからずいぶんと平和に落ち着いた。  平和? 平和などまやかしだ。一時の小康状態にすぎなかったのだ。きっかけさえあればサムはいつでも欲望に火をつけることができるし、言い訳があればなおのこと大胆になれる。  呪いを解くために。腕を後ろ手で拘束された兄の負担が減るように。  上に乗ってくれる? そのほうが、ディーンが一番楽だと思うんだ。  ただ騎乗位の兄が見たいだけのサムの提案を、吟味する間もなくディーンは頷いた。楽というならもっと別の体位がありそうなのは、サムよりよほどマニアックな性技にくわしいディーンならわかるだろうに、バスルームでの洗浄と執拗な拡張ですっかりのぼせていて、考えが巡らないようだった。本当なら休ませるべきだとわかっていたが、ここで言い訳、一刻も早く呪いを解いてあげないと。  激しいファックってどれくらい激しくしなきゃならないのかな。  ディーンは膝立ちでベッドの上を移動して、サムの腰をまたいだ。さすがに体幹がいいから腕がきかなくても倒れ込んだりしない。今はのぼせているから、ちょっとフラフラしているけど。  勃起したサムの上を、ディーンが前後に揺れながら下りてくる。  「ゆっくりでいいから……」  体の自由を奪われた相手を、自分のいいように動かす。久しぶりに感じる、たまらない愉悦。  よだれを垂らしそうになりながら兄が太腿を震わせて挿入に苦労しているのに見入っていたので、彼が涙の溜まった瞳で睨みつけているのに気づくのが遅れた。  「えっ?」  ���えじゃねえよ、まぬけ。鬼。ビッチ。入るわけねえだろ、少しは手伝えよこっちは手が使えねえんだぞ」  「え、大丈夫、入るよ。先端がちゃんとハマればあとは自然と入ってくるって。中をあれだけ柔らかくしといたんだから」  唖然とした兄の頬にぽろりと涙がこぼれた。本人の胸に弾かれてサムの腹に落ちる前に消えてしまったが、美しいものを見てサムは興奮した。  「ディーン、僕も手伝うから、一個お願いを聞いてくれる?」  返事もきかずにサムはディーンのネルシャツの裾をまくって内側にまるめ、上に引き上げていく。何かを悟ったが信じられないという表情の兄に首をかしげてみせ、開かれた口の中にまるめた裾を押し込んだ。  日に焼けても赤くなるだけですぐに色が引いてしまうディーンの今の肌は真っ白だ。体毛のない腹から胸にかけてのなだらかな曲線、ピンと立った赤い乳頭がいじらしくおい��そうで、見ると唾液が湧いてくる……  鼻息が荒くなったサムにディーンが身を引いた。サムは両手を伸ばして脇腹を掴む。そのまま手を上にすべらせて親指で乳首をこすった。  「んーっ!」 シャツの裾を強く噛んだあと、ペっと吐き出してディーンは叫んだ。「お、おまえは、おれを、何だと」  「ごめん、本当にごめん」 兄をいじめたいが、この状況では不謹慎にもほどがある。「呪いを解こう。ちゃんとやるよ。僕が当てるからちょうどいいと思ったら下りてきて」  ハアハアと荒い息を抑えながらディーンは弟をにらみつける。  「偉そうに、呪いが解けたら、ぶん殴ってやるからな」  サムはディーンの尻を左右に開いて先端を割れ目に押し当て、ぬかるんだ鍵穴を探した。腹をむき出しにしてディーンが仰け反る。ぷっくりと縁がふくらんだ穴にペニスの先が当たったのを感じると、サムは尻を支えていた手を放した。疲れ切ったディーンが自然に落ちてくるまで時間はかからなかった。  「これ……いつ……解けるんだ?」  挿入を続けながらディーンは目を閉じた。  「さあ。ケッチに騙されたのかも」  「あ――あ――やばい、サム、やばい……今……」 根本まで入りきったと思ったすぐだった。急にディーンの顔色が変わり、一瞬にして上り詰め、風船が割れるように弾けた。何が起こったのかサムにも本人にもわからなかった。  くたくたとディーンが倒れ込み、サムは慌てて肩を支える。紅潮した全身から発汗した彼は起き上がるとき、サムの胸に手をついていた。  「……嘘だろ?」 サムは茫然とつぶやいた。「今のが、激しいファック?」  あまりに唐突なので拍子抜けしてしまった。サムは動いてもいないし、ディーンだってそうだ。理解できなくてサイドテーブルに置いた土台の骸骨の手を見つめてしまう。”見えない手錠”が土台に戻ったからといって”見えない”ままなのは変わらないが――。  明言はされなかったが、ケッチのあの言いようでは、”主人”である自分がフィジカルな絶頂を迎えた時が解呪のタイミングだと思っていた。  「なんだ……何が不満だ……悲しそうな顔すんなよ……サミー」 すぐ側で、汗と涙できらめいた睫毛がまたたいた。ディーンが熱い手でサムの頬をつつむ。パタパタと軽く叩いて笑い、ちゅっと口に吸いついた。  「――入れただけで相手をイかせて呪いを解くなんて、ハ、たいしたご主人様じゃねえか」  サムは息を呑んだ。  「……ディーン……ワオ……ディーン……そのせりふ、かなりやばいよ」  「殴るのはもうちょっと後にしてやる」 ディーンは自由になった腕を上げてシャツを脱いだ。
 きっかけはサムの失態から呪われてしまったディーンを解呪するための”激しいファック”だったが、おかげで以前の狂った情動がなくても情熱的に愛し合えると再確認できた。何となく周りに気まずいからという理由で遠慮するのをやめた。  ディーンは幸せそうだしサムもそうだ。仮初の平和は消えたが、今まで築いてきた兄弟の関係が変わったわけでもない。ただ一つ、今までと変わったことといえば、彼が時々拘束されたがるようになったことくらいだ――本当に手錠を使ったりしない。呪いを受けたときのように、”見えない手錠”を使う。ディーンは拘束されたふりがうまい。  同じ疑念が三回目に心に浮かんだとき、サムはディーンの携帯端末からこっそりケッチの電話番号を消してしまおうとした。だが思いとどまって、目録の備考欄に一文を付け足した。    ――”見えない手錠”――愚かな臆病者を目覚めさせるあなたの策略それから愛
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takahashicleaning · 3 years
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TEDにて
アダム・クチャルスキー: クリス・アンダーソンと語る、コロナウイルスについて心配すべきこと、すべきでないこと
(詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ)
感染症の専門家アダム・クチャルスキーは、エボラ出血熱やジカ熱等の感染症がどのように伝染し、どのように制御しうるのかについて、世界的な理解を進めるために、数理モデルを用いた研究をしています。
COVID-19 の脅威が高まる中で求められる展望として、どう伝染するのか、政府のこれまでの対応、流行の終息に向けて行動をどう変える必要があるかを語る対談です。(音声のみ)
アダム・クチャルスキーさんです。感染症の専門家でパンデミックの数理モデルの研究をしています。ロンドン大学。衛生熱帯医学大学院の准教授でTEDフェローでもあります。
(本人のTEDトーク)どんな行動がエピデミック(地域的大流行)の成立に必要か?人と会話する。それとも、密接な身体的接触でしょうか?感染がどのように拡大していくのかを理解するため、アウトブレイク(突然発生)の前に集める必要のあるデータとは何か?それを理解するために私たちは数学的モデルを作成しました。
(クリス・アンダーソン) 正式名COVID-19。一般には「新型コロナウイルス感染症」と呼ばれているウイルスによる感染症の世界的流行を理解する上でアダムの考え方はとんでもなく参考になると思っています。
皆さんと一緒に理解を深められるのは嬉しいことです。質問事項を提案してくれたツイッター上の皆さんに感謝します。この話題は現在皆さんが気になっていることではないかと思います。このエピソードを通して、要所をきっちり押さえた形でこのパンデミックの今までの経過とこれから予想される展開を考え、私たち皆にできることは何かを考えたいと思います。
それでは始めましょう。
(クリス)まずは基本的なことから始めましょう。今では減ったでしょうが、当初数週間のこの疾患への多くの懐疑論者の反応はこうでした。
「何言ってるんだ。大したことではないだろう!患者は比較的少数だし、インフルエンザや他の病気と比較してみろ!世界にはもっと深刻な問題がある何でこんなに大騒ぎするのか?」
この騒ぎの説明は、最終的には数学であるわけですね。指数関数的増加に関する数学のことを言っていると基本的にはそうですよね?
(アダム)その通りです。いかに簡単に感染が拡大するか?また、どの程度感染しやすい病気を扱っているのかを表す数字があります「再生産数」と呼んでいます。概念的には、つまり1人の感染者が平均何人に感染させるのか?この数値が、感染拡大の規模や感染拡大の速さを示してくれます。
現在、我々が目にし複数の国に広がっているコロナウィルスに関して言うと1人の感染者あたり、平均で2〜3人に感染します。
(クリス)この再生産数でまず最初に理解することは、1より大きい数値は全て拡大を意味しているわけですね。1より下の数値は感染の減少を意味するのですね。
(アダム)そうです。
1より大きい場合。感染者が何人かいるとそこからさらにたくさんの感染者を生じます。指数関数的増加になるわけです。その値が2であれば、1サイクルの感染で患者が倍増するわけです。1未満であれば平均して減少となるわけです。
(クリス)2以上の値の場合。誰もが馴染みがあるだろう。有名な問題。チェス盤と米粒の話のようになるんですね。チェス盤の次のマスに2倍の数のコメ粒を置くと最初の10から15マス目までは特別なことは起きません。ところが、最後の64マス目に 到達した時点では、地球にいる人間全員に何トンも配れる量になるのです。
指数関数的増加はものすごい効果です。現在の小さな数値は、気にかける必要はありませんが、注目が必要なのは、モデルがこの先どうなるか示しているこ��です。
(アダム)その通り。もちろん指数関数的増加が続けば、とてつもなく大きな数値。信じ難いような数値となります。ただ、例えば、1ヶ月といった短い期間に限定しても再生産数が3であれば、1人が平均3人に感染させます。感染サイクルの間隔は、5日ぐらいです。
そこで、今、症例が1例あるとして5日おきの感染が1ヶ月の間に6回起きるとその月の終わりまでには、初めの1人が生み出すのは、たぶん、729人の感染者。そのような計算のはずです。1ヶ月だけであってもこの感染の規模は、阻止せずにいると飛躍的に増加します。
(クリス)もちろん、これは現在この数字を見てみると確かにウイルスの侵入初期にある国で起きていることのようですね。この再生産数がよく理解できるモデルを紹介されていますが、それはウイルスを研究する上で、またどう対応し、どの程度警戒するかの基本になるものだと思います。
あなたの考え方では、基本再生産数を4つの要素に分解します。
「DOTS」の4つの要素です。「Duration(持続期間)」「Opportunities(機会)」「Transmission probability (伝染確率)」「Susceptibility(感受性)」
アダム。これらを1つずつ説明していただけると、とても助かるのですが、方程式はとても単純で4つの要素を結びつけて、再生産数を計算するのですから。ひとつずつ説明してください。
「Duration(持続期間)」とは?
(アダム)持続期間とは、ある人の感染力の持続期間です。例えば、直観的に言ってその人が感染力を持つ期間が、長ければ、たとえば、他の人の2倍とすると感染を広められる時間が2倍長いわけです。
(クリス)このウイルスの持続期間は、例えば、インフルエンザ。あるいは、他の病原体と比べてどうでしょう。
(アダム)人々が感染してから何が起こるかにより変わる場合があります。すぐに隔離されれば持続期間は短くなります。病院に隔離されるまでの間。実際に感染力があるのはほぼ1週間と考えています。
(クリス)そして、そのまるまる1週間の間。場合によっては全く症状がない場合もありますね。誰かが感染すると潜伏期間があります。その期間中のある時点で感染力を持ち始め、さらにある期間を過ぎた時に症状を現します。それぞれが起きる日の並び方がはっきりしていません。そうですよね?
(アダム)いいえ。その情報は増えています。データが示す情報で初期にも感染が起きているか。予想できるのは、1つの感染から次の感染への間隔がわかる場合で、それは約5日と見られていますが、症状が現れるまでの潜伏期間もやはり5日ぐらいです。
もし、ほとんどの人が症状が現れている時にだけ、感染力があるとすると潜伏期間に加えて、他の人に感染する期間があることになります。潜伏期間と感染間隔値が似ていることが示唆するのは、何人かは非常に初期からすでに感染力があるか、はっきりと症状が現れる前から感染力を持っているということです。
(クリス)それは平均では症状が出る前と出た後で、同じくらいの期間。感染力を持っているということですね。
(アダム)可能性はあります。もちろん、まだ新しいデータですが、かなりの数の人がはっきりした症状が何も出ないか、熱や咳などのはっきりした症状はなく、ただ不調を感じている時にウイルスを排出しているということだと思います。
(クリス)そこがインフルエンザと相違する点ですか?
(アダム)実はその点は似ているのです。
インフルエンザのパンデミックを阻止することが難しく、警戒されているのは、症状がひどくなる前から感染力が高いためです。病気の診断をされるまでにすでに何人もの人に感染させているわけです。
(クリス)そこが難しいところであり対策が取れない理由です。感染は、常に我々の先を行っています。患者の気分や体調だけに注意を向けられません。ところで、それは具体的にどう起きますか?自分自身の症状も出る前から、どのようにして他人に感染させるのですか?
一般的に考えるのは、誰かがくしゃみをする。その小滴が空気を通して広がり、誰かが吸い込んで感染が始まるというものです。感染症状が出る前の段階では何が起きているのでしょうか?
(アダム)このウイルスで見られる伝染のレベルは、はしかなんかとは違っていて、感染者がくしゃみをするとウイルスが広がり、感受性を持つ多くの人が曝されうるという感じです。可能性としては初期で患者には軽い症状しかなくても、少しの咳ぐらいでもウイルスが排出されるのには十分です。そして、特に私たちの研究の中では、密集した集まりに注目し、親密に過ごす食事やスキーロッジでの例を調べました。
そのような状況でも、少人数とはいえ軽症の人がいることもあり、十分なウィルスが排出され他人に感染します。感染様式の詳細は検討中ですが、感染が起こるには十分なウィルス量です。
(クリス)誰かがまだ軽症の時も何か症状はないのでしょうか?自覚症状が出る前にすでに何か兆候があるというような証拠となるものがあるのでは?
今週公開されたドイツの論文では、まだごく早期から喉の奥から採取したサンプル中には、数十万ものウイルスが存在していて、すでに増殖が始まっていると示唆されています。すると、普通に呼吸している人がいたとしてある量のウイルスが空気中に放出され、そのことに何ら気づくこともなく、それがそのまま人を感染させたり、物の表面に付着することはあるでしょうか?
(アダム)どれほどのウイルスが無症状の時に排出されているのか、明確にしようとしているところなんです。言われたように無症状の人がいて、喉からウイルスが見つかりますから。それが吐き出される可能性はあります。ただ、それで実際に伝染するのが相当まれな事象か、それとも、そんな経路で伝染が起こる事が多い可能性があるのかどうか?データはまだ初期的なもので。これはパズルのピースですが、既知の伝染のタイプに関する知見のどこに嵌るピースなのかは目下の取り組み課題です。
(クリス)了解です。持続期間(Duration)は、感染力が持続する期間です。5~6日と考えられると言われましたっけ。
(アダム)1週間ほどかもしれません。感染力を持つ人に何が起きるかに影響されます。
(クリス)また、感染してからずっと後でも検査で陽性である症例もあります。そうだとして、そういうケースの伝染性は弱いのでしょうか?こういう考え方は基本的に合っていますか?
(アダム)それが今の作業仮説で感染初期に他の人にうつしていると見ています。いくつもの呼吸器感染症において、患者が重症になってしまうと患者の行動は、動き回って日常生活を送っていた時とは大きく変わります。
(クリス)では、今の D の数値を他の病気と比べると。例えば、インフルエンザ。インフルエンザは似ていますか?インフルエンザのDはいくつですか?
(アダム)インフルエンザの方が、感染者が感染力を保持する期間は少し短いようです。インフルエンザでは、短サイクルで、ある患者から次の患者へとうつっていきます。だいたい3日もすれば、ある患者から次の人にうつされます。
(クリス)なるほど。ここまでのところ。このウイルスはとりわけ異例のものでもありません。では、機会(Opportunity)を見てみましょう。これは何ですか。
(アダム)機会とは患者が感染力を有する間にウイルスが拡散するような接触の起きる状況が、どれぐらいあるかを示す尺度です。典型的には、社会行動を表す指標となります。感染力を有する人からの伝染の機会となりうるような、社会的な接触が平均何回あるのか?
(クリス)ある1日のうちに何人の人と相手を感染させる可能性が、生じるほどの距離まで近づくかということですね。その大きさは、特に注意を払わず、都市環境で日常を過ごしていたら何百といった数になったりしませんか?
(アダム)そういう人もいるでしょう。近年、その研究もいくつも行われており、身体的接触に関しての平均値は、1日あたり5人です。そして、会話する程度の接触が、10人ないし15人。ただし、各国の文化によって、挨拶の際の身体的接触の程度には大きなばらつきがみられます。
(クリス)おそらく、この数値も他のウイルスに対するものと同様で、どういう生活を送っているかということの特徴を表すでしょう。
(アダム)この指標(O)については、これに影響するのが、こういった相互接触であり、インフルエンザやその他の呼吸器感染症において、この種の濃厚接触や日常生活での身体的接触が伝染において重要なもののようです。
(クリス)1つだけ違う点があるかもしれません。症状が出る前に感染力があるなら、機会(O)はもっと増えるでしょう。このウイルスの特質として、侵入したことを知らせないので、誰かの中に潜んでいても感染者は接触したり、仕事に行ったり、地下鉄に乗ったりし続けるのです。自分が病気だと気づきもしないままに。
(アダム)その通り。インフルエンザなどなら発症したら明らかに社会的な接触が減ります。ウイルスの感染力を有しながら、感染者が日常生活のままに動き続けるという特性は、伝染しようとするウイルスにとってとても有利にはたらきます。
(クリス)あなたのモデルでは、インフルエンザよりも大きな機会(O)にしていますか?
(アダム)今のところほぼ同じ値を使っていて、例えば、集団ごとに違う身体的接触をこれから考慮しようとしています。今の段階では、リスクの規模の評価からです。だから、Tという項目の話が中心になります。それぞれの接触ごとに伝染という事象が発生するリスクはどれほどか?
(クリス)ではその数値に進みましょう。伝染確率(T)です。これはどういう定義になっていますか?
(アダム)これは確率の指標で要は、ある接触の機会にウイルスが患者から次の人にうつる確率を表します。
ある人と会話したとしても咳もくしゃみもしなかったとか、何らかの理由でウイルスは相手に届かず、相手はウイルスに曝されない場合があります。コロナウイルスの場合。例えば、1日に10人と会話するとしても、感染者が10人を感染させるわけではありません。
どうやら全ての機会にウイルスがうつるという結果を生じるわけではないことが示唆されます。
(クリス)でも、これは伝染性の高いウイルスだと言われています。伝染確率の数値はどの程度のものでしょうか?インフルエンザと比べてどうでしょう。
(アダム)いくつかの密集した集まりについて解析をしました。事例研究を10件ほど調べてみるとこれらのケースでは、まだ患者が気づいていない初期ステージで接触者の約1/3が感染するという結果になっています。大人数で集まって会食をしたら参加者は、おそらく1/3の確率でうつされている可能性があります。
季節性インフルエンザでは、この数値は少し低めになり、家庭内などの近接した状況でもそこまで高い確率にはなりません。SARS のような病気でも、この数値。つまり、1回の接触あたりのリスクはコロナウイルスよりは低そうです。これは直観と整合し、コロナはたちまち広がっていますから接触におけるリスクも高いはずです。
(クリス)ふむ。では DOTS の4つめ感受性のSを見てみましょう。これは何ですか?
(アダム)集団の中で感染しうる人の割合を表します。感染者が誰かと接触し、相手がウイルスに曝されたとしてもワクチンを接種ずみだったり、何らかの免疫を有していれば感染には至らず、周りも感染させません。こういう人の比率を考慮しようという話です。
この人たちは患者にはなりません。
(クリス)ただ、このコロナウイルスに対するワクチンはまだありません。そして、分かっている限りでは、誰も最初は免疫を持っていません。すると、感受性の数値はかなり大きいものとなりますが、それも今問題になっていますか?
(アダム)現状から見ると我々は全員が感染しえます。そして、ある地域で、例えば、中国のように大規模に伝染が広まり、非常に強力な対抗手段を取ったとしても、推定では1月末時点でおよそ95%の武漢在住者は感受性を持っていました。それほど感染が拡大しても感染拡大に影響する DOTS のうちの、Sの減少は見られませんでした。
(クリス)数学のおかげで、こんなに緊迫した状況下でも、実は、自分のマニアックな一面は、この数学的な��しさにひかれます。感染症をこう扱えるとは考えもしなかったのです。さて、素直にこの数字を掛け合わせると再生産数が得られるそうですね。
(アダム)その通りです。これらの数字を順に掛けていくことは、伝染の経路を追うことに相当し、得られた値がこのウイルスの再生産数になります。
(クリス)これで理屈の全部を見たわけです。感染力を保持している日数があり、その感染する可能性がある期間における1日に会う人数の平均があって、それを掛けたものに伝染確率を乗じます。ウイルスが会った相手へと渡る確率です。そして、さらに感受率を掛けます。ちなみに、感受率の割合はコロナの場合どう扱っていますか?
(アダム)拡散を考える上では 100% とするべきだと思います。
(クリス)これらの数字を掛けましょう。今の時点でこのコロナウイルスについて、確からしい再生産数の値は2から3の間と言われましたが、これはとても急速な拡大を意味しますね。
(アダム)その通り。突然発生に対して対応できないと。幾つかの国がこの状態です。その結果は、大変急速な拡大です。
(クリス)この2から3という数字はインフルエンザと比べてどうですか?季節性インフルエンザは、冬場に流行しますが、他の季節には、再生産数は1よりずっと小さくなるのですね。季節性インフルエンザの流行時期だといくつぐらいですか?
(アダム)インフルエンザの流行が始まる初期。季節のはじめ頃は、概ね1.2とか 1.4のあたりだと考えられています。驚くほどの伝染力とは言えません。予防接種などの理由によって、集団にある程度の免疫があるからでしょう。伝染は拡大するので値は1を越えます。
必ずしもコロナウイルスのような急拡大にはなりません。
(クリス)DOTSのうち 「機会」と「伝染確率」に話を戻したいと思います。感染率に関して何かしら人の力が及ぶ可能性が最も高そうな2要素だからです。その前に、もう1つの大事な数字に触れておきます。それは「致命率」です。まず、定義をお願いします。
「致命率」には2通りあり、混乱の元だと思うので教えてください。
(アダム)よく話に上るのが、いわゆる「症例致命率」です。
発症した患者の数。つまり、症例数に対して、その後、何人が死亡するかという割合です。一方、これとは別に時々登場するのが「感染致命率」です。無症状の人も入れた感染者総数に対して、その後何人が死亡するかという割合です。しかし、この2つのうち、私たちが目にする数字は、だいたいが症例致命率のほうで CFRとも言われます。
(クリス)では、このウイルスのここでいう「症例致命率」についてと、これもまた他の病原体と比べてどうなのか教えてください。
(アダム)いくつか数字が出回っていますが、リアルタイムでの問題の1つは患者の全数を捉えにくいことです。
発症していても報告に上がらない人がいるからです。また遅延も起こります。例えば、仮に100人のコロナウイルス患者がある病院を受診し、まだ誰も死亡していないとします。では、致命率ゼロかというとそうとは言えません。時間が経過した後の様子を見なければなりませんから。
こういった報告に上がらない数や時間差の分を計算に入れると症例致命率の最もありそうな推定値は約1%です。つまり、発症した人のうち平均��%が、最終的に死亡するわけでこれは季節性インフルエンザの10倍の割合です。
(クリス)インフルエンザで亡くなる人の数を考えると恐ろしい数字です。少し前にこれより高い3.4%という数字を発表した世界保健機関は批判を受けましたが、この数字が、なぜ誤解を招くのか?どう捉えてどう対応したらいいか教えてください。
(アダム)非常にありがちなのが、このような一次データを見てこれまでの症例数と死亡者数から、値を割り出そうとすることです。そうやって出てきた数値は、数週間前でも2%ありました。ところが、先ほど説明したような時間差を計算に入れると症例数がこれ以上増えないとしても、最終的に死亡する人の数は増えていくので数値がじりじりと上がるわけです。
インフルエンザが世界的流行した時も、エボラ出血熱の時もそうでした。こういったことが必ず繰り返されます。何人となく説明してきましたがこの数字は必ず増えます。
中国で新症例が減って、致命率が増えるように見えますが、統計的に必ず起こる現象なのです。
ここで変動が見られても実際には何も変わっていません。突然変異も何も起きていないのです。
(クリス)つまり、2種類の現象が起きていると言えますね。
1つは、既存の症例数の中から死亡件数が増え、前述の3.4%よりもさらに増えるということ。
一方で、それを相殺しなければならなくなるというのも、おそらく相当な数が発見されないままであり、検査不備のせいもあり見つけられていないのです。死亡件数は判明しているよりも初期患者数が、実はずっと多かったことを示している。
そういうことですか?
(アダム)その通り。片方は数値を吊り上げ。もう片方は押し下げています(悪いわけではなく、最大値と最小値が算出されます)
すなわち、このような初期の数値に基づき、遅れて出てくる死亡者数だけを含めて、報告に上がらない感染者数を度外視すると、実に恐ろしい数字が弾き出されてしまいます、多ければ、20〜30%に上るかもしれません。それは、このウイルスについてわかっていることとはかけ離れているわけですが。
(クリス)なるほど、臨床データが増えた今。あなたから見て現実的な致命率は、少なくとも感染初期では、2%くらいであるとお考えですか?
(アダム)総合的には、0.5〜2%の間のどこかだと考えられますが、これは異なるデータセットを基にしたもので、含まれるのは、発症した患者のみですので平均すれば1%が妥当だと思います。
(クリス)1%ですね。インフルエンザの致命率としてよく出てくるのは 0.1%ですから。その5〜10倍の危険性を持つウイルスだということですね。さらに、年齢層により、リスクが上下することもよく知られています。主に、危険なのは高齢者であると。
(アダム)はい。平均致命率は1%ですが、60代や70代に入ると途端に致命率が跳ね上がります。高年齢層の場合。推定致命率は、おそらく5〜10%であると考えられます。また、当然ながらそれに加え、入院を要する重症者の数も計算に入れる必要があります。こういったリスクは、やはり高齢者だとぐっと高くなります。
(クリス)ここまでに出てきた数字を掛け合わせてみていただけますか。あなたのモデルに入れる再生産数は2〜3だとします。致命率は、0.5〜1%だとして、シミュレーションをかけたらどんな様子になりますか?
(アダム)感染が野放し状態だとして、再生産数が2〜3だとするとこれに対して何の対策も取らなければ、アウトブレイクが終息する唯一の形は、十分な数の国民が感染して、集団免疫を獲得し、集団感染が自然と消滅するというものです。
このシナリオだとおびただしい人数が感染すると予測されます。これまでのアウトブレイクで封じ込めできなかった例に倣えば、感染が国じゅうに行き渡り、たくさんの人が感染します。前述したような、致命率や入院率であれば、これが本当に起こってしまったら甚大な被害を受けるでしょう。国単位では間違いなくそうです。
今だと、イタリアが格好の例です。初期の感染者が発見されず、感染が急増し、瞬く間に医療体制がパンク状態になります。私の見解では、このウイルスの最も嫌な点の1つとして、感染から発症。そして、病院に行くまでに時間がかかるせいで、医療体制がパンク状態な場合。
ある日。完全に伝染がストップしたとしても、その時点で既にウイルスに曝された人々がたくさんいるので、その後も患者は増え続け、重症化する患者もいる。それが、ストップ後、数週間続くということです。
こういう感染者の巨大な累積と医療体制にかかる過剰な負荷がこのウイルスの真の恐ろしさです!!
(クリス)ここで、もう1つ重要な数字が登場します。それは、一国内における患者の総数に対する医療体制の受入能力の比を 算出したものです。致命率に大きく影響すると考えられます。重症化して受診する人々に対応する余力のある医療体制と余裕をなくした医療体制とでは、致命率は著しく異なるはずですよね。
(アダム)ICUのベッドを要する患者は、ベッドを数週間。占有することになります。その間にも、来院患者は増え続けるのであっという間に限界が来ます。
(クリス)次は、感染の「封じ込め」と「緩和」の話をしたいと思います。それぞれ、よく耳にしますが、意味が違いますよね。ウイルスが蔓延する前の初期の段階では、政府は封じ込めに注力します。どういうことでしょうか。
(アダム)封じ込めとは、感染の制御に関する努力のほとんどを感染者とその接触者に集中することです。それ以外の人々は影響を受けません。感染者が見つかったら隔離し、感染者が接触した人々。つまり、ウイルスに曝された可能性のある人々を突き止め、その人たちを追跡調査して、さらに感染を広げないよう検疫します。
対象が狭く、狙い撃ち式と言えます。SARSの時は非常に効果的でした。しかし、今回のCOVID-19の場合。感染者が一部見落とされ発見されないため、感染の危険がある大きな集団を把握しなければなりません。少しでも取り逃してしまえば、アウトブレイクに繋がる可能性があります。
(アダム)その通り。再生産数でいえば、おそらく、0.8や0.9程度まで落ち重要な指標である1を下回ったようですが、過去1〜2週間は、徐々に上昇傾向にあり患者が増えてきているようです。これはたぶん現在では封じ込めきれているとしても、世界中でアウトブレイクが広がり、感染が飛び火を続けている状況なのでこれほど全力を挙げていても一つ残らず火を消すのは、難しくなる一方だということでしょう(2020年12月時点も拡大中です)
(クリス)このウイルスについては、感染の拡大が起こっていると世界のほとんどの国に警告が発せられました。中国に端を発するニュースは、急速に見通しが暗くなった一方で人々が備える時間はあったわけです。このような状況が迫っていると分かった場合の理想的な備えとは何でしょうか?感染が手に負えなくなる前に封じ込められるかどうかに、多くがかかっている場合には?
(アダム)非常に大きな違いをもたらすことが2点あり、ひとつは可能な限りの症例の発見とその追跡調査です。そうした初期の封じ込めにどれほど効果があるかをモデル分析しました。
接触した可能性のある70~80%の人を特定することができれば効果があります。しかし、症例を発見しなければ、話は別で接触者も発見できません。例えば、初期に注目されたのは、多くの場合中国への渡航歴でした。その後、状況が変化しつつあると分かりましたが、症例の定義として渡航歴に依拠していたので、本来なら定義に当てはまったはずの他の多くのケースが、検査されませんでした。リスクがあると見なされなかったためです(2020年12月現在は検査しないと渡航できません)
(クリス)つまり、初期の発見が鍵であるなら、初期に必須となる対策は、必要な場所で十分な数の検査ができるよう迅速に対応することですね。そうすれば、陽性反応が出たらすぐに行動を起こす準備ができ、おそらくは感染者と接触した人々をすぐに検査するなどして、状況を制御下にとどめることができるかもしれませんね。
(クリス)難しいことですが、それで封じ込めできなければ、何らかの緩和策に移行しなければなりませんね。
どういったことがそれに影響しますか?そこで、先程話題に挙がった DOTS のうち、2つの要素に話を戻してみます。機会(O)と伝染確率(T)です。コロナウイルスの性質は、変えようがありませんからある人が感染力を保持している実際の期間についてはどうしようもありません。
感受性についてもワクチンが開発されるまで、できることは少ないです。これについては後でお伺いしましょう。しかし、機会と伝染確率の2つについてはできることがあります。それぞれについて少しお話しくださいますか。何ができるのかと緩和策の立て方について教えてください。まず最初に機会についてですが、どうやって感染を拡大させる機会を減らせますか?
(アダム)その点については、人々の社会的な接触を��きく変えることになります。現在2や3である基本再生産数を、今後、1未満にしようとするなら、その状態に達するためには伝染に関する何らかの側面を、半分とか3分の1に引き下げねばなりません。
そのためには感染を広める機会になる他人との濃厚接触について、すべての人に、たとえば3分の1程度に減らしてもらい、拡大を抑えます。在宅勤務をするとか。ライフスタイルを変えたり、人込みやレストランに行くことを避けるなどです。こうした対策に加えて、学校の休校措置など。とにかく、人々の社会的な接触を減らすことが重要です。
(クリス)休校措置について、もう少しお聞きします。というのも、確か、過去にあった感染症のパンデミックでは、休校は絶対的に重要な対策でした。学校は人々が集まる場所の代表格であり、多くの場合。子どもたちは、インフルエンザや風邪においては、キャリア(媒介者)です。
しかし、今回は、子どもたちはコロナウイルスで具合が悪くならないか。少なくとも、発症例はわずかです。それでも、子どもたちは感染力があるのでしょうか?知らずに媒介することはありますか?あるいは、休校措置は、他のパンデミックの時ほど重要でないかもしれないという裏付けはあるのでしょうか?
(アダム)子どもがどんな役割を果たすかは、とても重要ですが、十分なデータは得られていません。発症者との接触者の追跡調査から、子どもたちも感染しているという証拠があります。検査によると子どもも曝露されています。どういうわけか、子どもはまったく感染しないというのではなく、おっしゃるように同じようには症状が出ないのです。
ことインフルエンザに関しては、休校が持ちうる効果が観察されています。2009年のイギリスでの豚インフルエンザでも、学校が休みの時期に突然発生が減少し、流行曲線を見てみると夏に減少して、再び秋に増加したのです。もちろん。2009年には、より上の年代で免疫が見られ、そのために年少児童の間で感染が進んだこともあります。
ですから、現在解明しようと取り組んでいる課題だといえます。もちろん、休校すれば接触は減りますが、その分。他の社会的な接触のあり方が連鎖的に影響を受けて変わる可能性があります。両親が働いていれば、祖父母が保護者の役割をすることもあるでしょう。ですから、様々な側面を考え合わせる必要があります。
(クリス)これまでにご自身でご覧になったデータに基づいて、もし判断が委ねられたら、現時点でほとんどの国で予防策として、長期的な休校措置を検討することを勧めますか?いくら辛い決断であっても、2ヶ月~5ヶ月ほど休校する価値があるでしょうか?どんな提言をしますか?
(アダム)重要なのは、年代別のリスクと高齢者における重症化を考慮するとやはり高齢者の感染を招くような、接触を減らすことです。その他の人々の間でもできる限り接触を減らすべきでしょう。大切なのは、60歳以上の年代で重症化が非常に多く見られるので、とにかく誰もがすべての人との接触を避けるというのではなく、とりわけ高齢者の感染を招く行動を慎むということだと思います。
(クリス)それは家族と面会しに、老人ホームなどの施設を訪れる際にも非常に慎重になった方がいいということでしょうか?そのような場合には、細心の注意を払うべきだし、こうした施設はすべて誰を入れるかを慎重に決め、体温を測ったり症状の有無を調べたりするということですか?
(アダム)そういった対策は絶対に検討すべきでしょう。イギリスでは、高齢者に「コクーン(繭)戦略」として知られているものの導入を検討しています。感染をもたらしうる人々から、高齢者たちを可能な限り隔離するように努めるというものです。
究極的にはおっしゃる通り、感染の他の側面は防ぎようがないので、高齢者がウイルスに曝されるリスクを減らすしかありません。個人レベルでのリスクを減らすためにできることがあるとすれば、高齢者であれ、他の高リスクグループであれ、接触を減らすのが肝要です。
より一般的なレベルで言えば、全体的な接触を減らすためにより大規模な対策が役立つでしょうが、全体的な接触が減っても重症化しうる人々へのリスクが減らないのであれば、とにかく高齢者を守るという非常に大きな責務が生じます。
(クリス)この流行について考える際に2つの視点から考える必要があると言えるでしょうか?生活を送る中で自分自身が感染するというリスクがあります。しかし、気づかないうちに自分よりも重症化するような人々に感染をもたらす媒介者になるリスクもあるわけですね。この両方を常に念頭に置く必要がありますね。
(アダム)ええ。誰と握手するかだけでなく、その人が次に誰と握手するかという二次的なことまで考える必要があります。自分は若くてリスクが低くても、罹ったら重体化する可能性のある人とすぐそばで繋がっているかもしれません。社会全体のことを考える必要があり、行動面においては大きな変化かもしれませんが、私たちが直面している問題の影響を減らすには、必要なことです。
(クリス)機会(O)については、他人との身体的接触の回数を減らすことで減らせるということでした。では、伝染確率(T)についてはどのようにして減らせますか?接触の仕方が変わると思うのです。握手が例に挙がりましたが、握手はやめた方がいいということですか?
(アダム)はい。そのような変化です。もう1点付け加えると手洗いについては、これまでと同じ日常的な活動を今後も継続するとしても、手を洗うことである接触から他へと感染を広げるのを防ぎます。こうした対策はすべてウイルスに曝されたとしても感染しないよう追加の予防措置として取り入れられます。
(クリス)それでも、ほとんどの人は、このウイルスの広がり方について十分には理解していないか明確なモデルを持っていないと思います。誰かが咳やくしゃみをしたとき、その飛沫を吸い込んでいけないのは、皆、理解しているはずです。では、ウイルスはどう広がるのでしょうか?物の表面に付着しますが、どのようにでしょう?感染した人々が息を吐き、口やいろいろなところに触れてから、物に触ることで移動するのでしょうか?実際どのように物体に付着するのでしょう?
(アダム)多くの場合。咳をする時。手で覆うことで、付着するのだと思います。ただ難しいのは、どう伝染していくのかを解明することです。家庭内の伝染なら誰かの咳でウイルスが物に付着したのか、直接、触れたのか?握手なのかを明らかにします。インフルエンザなどでも社会的な行動と感染リスクが、どんな関係になっているのかを解明するために相当な努力をしています。重要なのは明らかですが、特定するのはかなりの難題ですから。
(クリス)そういうことは、まだわかっていないことも多くて確率を基に考えるしかないという事実を受け入れる必要がありそうですね。だからこそ、数学が重要になるんだと思うんです。この流行は、掛け合わされる4つの数それぞれが役割を担い、総合されるものと見なすべきです。
そして、どの数字でも1パーセントでも下げられれば、自分だけでなく誰にとっても助けになるのです。人々は、数字同士の関係について細かい点はわからなくてもどれも重要な数字だとわかっています。人々には、不確実な状況を受け入れ、できることをすべてやることである程度納得してもらう必要がありますね。
(アダム)それは、例えば、自分が平均3人を感染させているとして、原因がどこにあり、その数をどう減らすかという発想だと思います。手を洗ったら握手をした時の感染をどれだけ減らせるかとか。以前、感染した可能性はあっても、もう大丈夫という場合、自分の社会行動を何らかの形で変えたら、接触をいくらか減らせるかとか半分にできるかという話です。どうしたら、その数字を可能な限り減らせるかということです。
(クリス)私たちが、接触による伝染確率をどうやったら減らせるか?他にアドバイスはありますか?例えば、どのくらい他の人と距離を置くのがいいのかとか?
(アダム)突き止めるのは難しいとは思いますが、これがエアロゾルになって遠くに達するという証拠は多くないという点は、念頭に置く必要があると思います。届くのは比較的、短い距離でしょう。他の人から、数メートル離れて座っていてウイルスがその距離を超えてくることは考えにくいと思います。
感染するのは、より接近した場合で、だから食事の場面や密集した集団で伝染の事例がこれほど多く見られるのです。そういう場所で、ウイルスが放出され、物の表面や手や顔に付くことを考えるとそういう状況のことをもっと気にかけるべきです。
(クリス)すると、人々が恐れていることのいくつかは、誇張されているかもしれません。例えば、飛行機で中央付近の席に座っていて、前方席の人がくしゃみをしても、もちろん気にはなりますが、恐れおののくほどのことではないということですね。自分の健康を守るもっと賢い方法がたくさんあると。
(アダム)そうです。はしかの場合、搭乗していた人に免疫がなければ、その後、感染例は増えるでしょう。今回は平均すると1人から2〜3人が感染しますが、あなたが1週間に50人と接触したからといって、全員にリスクがある訳ではありません。そのうち何人か特に伝染が起こるような濃厚接触をした人には感染のリスクがあるでしょう。
(クリス)では、少し国家戦略の点から話を進めましょう。
よく耳にするのは「流行曲線のピークを下げる」ということです。どういう意味でしょう?
(アダム)医療機関にとって、一度に大量の患者が現れるのはまずいという考え方を指していると思います。もし、何の対策もとらず、現状の感染拡大の割合で病気が広がるのを放置したら、場所によっては、たぶん感染者が3〜4日で倍増します。3〜4日ごとに倍になるのです。
感染は急激に拡大し、最終的には、病院での治療が必要な重症患者が、同時に発生して対処しきれなくなるでしょう。流行曲線のピークを下げるという考え方は、もし伝染を遅らせ、再生産数を抑えることができれば、流行が起こったとしても患者数の増加はなだらかになり、長期間に渡るので同時に現れる重篤な患者は少なくなり、必要な医療を受けられるようになるということです。
(クリス)それは症例の総数が少なくなるということでしょうか?
曲線をなだらかにするとはどういうことかを表す実際のグラフを見ると曲線の下の面積は同じに見えます。つまり、最終的には、感染者の数は同じになり、そうなるまでの時間が長くなるだけだ!と典型的に起きるのはそういうことなんでしょうか?
社会的距離をとったり、手を洗ったりというあらゆることをやったとしても望めるのはせいぜい感染拡大を遅らせるだけで最終的に感染者数は同じになるということでしょうか?
(アダム)そうとは限りません。どんな手段を取るかによります。
旅行の制限のような手段もありますが、これは、普通、流行を抑えるのではなく遅らせます。
ですから、流行の発生数は同じでも期間が延びるのです。
ただ、別の手段もあります。もし、接触する機会を減らして、再生産数が少なくなれば、症例の総数は少なくなるでしょう。やがて、集団の中で人々は免疫を獲得し、助かるかもしれません。他所で進行していることと並行して、4つの要素のうち感受性(S)を下げるのです。ですから、両方が共に機能することを願っています。
(クリス)イメージできるよう今後1~2ヶ月に起こり得るシナリオをいくつか聞かせてもらえますか?
(アダム)楽観的なシナリオとしては、不幸にも大きな打撃を受けたイタリアのような場所から、多くのことを学ぶということで、各国がそれを深刻に受け止め、圧倒されるような感染拡大に陥らず、感染の広がりを十分に遅らせることができ、多くの患者が出て、重症者も多く出たとしてもどうにか手に負える状況になるというのが楽観的なシナリオです。
各国が深刻に受け止めなかったり、人々がちゃんと対策を取らなかったり、感染が気づかれなかったりした場合に、陥る状況は、おそらくは、イランが、現在それに近い状況でしょうが、感染が大きく広がり 対応を取ったときには、すでに病気が社会の衛生状況にすっかり入り込んでいて、多くの患者や重症者という形で現れるというものです。
まだ、そうなっていないことを望みますが、現在10か国ほどがイタリアと同じ道を辿っている可能性があります。今後、数週間で起きるこ��が非常に重要です。
(クリス)少なからぬ国で今年、季節性インフルエンザよりもずっと多くの死者が、コロナウイルスのために出るというのはありそうなことでしょうか?
(アダム)国によっては、そうなる可能性大でしょう。コントロールできない場合には、中国は抑え込みましたが、あれほどの介入というのは、前代未聞のものでした。社会システムのあり方を本当に危険なものに変えてしまいます。人との関わりをあそこまで減らすというのは、多くの人が歓迎しないことでしょう。多くの国ではできないことだと思います。
(クリス)民主主義に対する挑戦ですね「ああいう厳格な統制なしに何ができるのか見せてみろ。あんなのは嫌だと言うなら、市民諸君。見せてほしい。君たちには知恵と自制力があり、こんなウイルスごとき出し抜けるということを」
(アダム)まったく
(クリス)私はあまり楽観的ではありません。矛盾した情報が様々なところから来ているし、人は短期的な犠牲を好まないものです。マスメディアは助けになっているのか?あるいはその逆か?どうご覧になっていますか?大げさに不安をあおり、人々を少しパニックにさせることが役に立つ面もあるのでしょうか?
(アダム)バランスを見つけるのが難しいところです。
早い段階で患者が出てもいず、潜在的な危険を示す証拠もないなら、誇張したメッセージを伝えても深刻に受け止めてもらうのは難しいでしょう。しかし、長く待ちすぎて、まだ心配することはないと言っていたら、皆、ただの流感だと思い、そうすると流行が拡大した時、医療機関が何週間もパンク状態になって、そこで手を打とうにもすでに広まっていて遅すぎます。
そこには微妙な線があるわけですが、いまやイタリアのような分かりやすい例があるので深刻に受け止めなければどうなるか?皆、理解するでしょう。私が見てきた病気の中で、また私より年配の同僚で他の病気の流行の記憶がある人たちも、その潜在的な影響という点で最も恐ろしいものと考えていて、そういう対応をする必要があると思います。
(クリス)これまでに見た最も恐ろしい病気ですか?あらら。ツイッターでいくつか質問が来ています。このトピックについては、皆、よく勉強しているようですが、理論的に言って、皆が3週間。家に閉じ籠っていれば、この病気はなくなるのでしょうか?この問題から社会的に距離を置く方法というのはありますか?
(アダム)小家族構成の国ではそう思います。イギリスやアメリカの平均は、2.5人とかでしょうが、家庭内で感染はあったとしても払拭できるでしょう。副次的な利点として、他の感染症も何種類か払拭できます。はしかは人間の間でしか、うつらないので波及効果があります。もちろん可能ならの話ですが。
(クリス)当然経済に大きな打撃があるでしょう。ここで基本的な問題は、公共政策を経済状態とウイルスとの戦いの両方に最適化はできないということです。この2つは衝突します。
少なくとも短期的な経済とウイルスとの戦いはそうです。この2つは衝突しますよね?社会は一方を選ぶ必要があります。
(アダム)バランスを取るのは難しいです。病気の世界的流行への備えで、いつも言うのは、これを今やれば安く済むが、やらなければ、後で高くつく!ということです。
あいにく早い段階での対策費はあまりありませんでした(日本は、タイミングの良い消費税の増税で偶然、3、5年分の補正予算が出す状況にあります)
皆が喜んでお金を出すのは、大きな影響が出て高くつくようになってからです!!
(クリス)ツイッターから別の質問です。今後、気温が上がれば、COVID-19の広がりは遅くなるのでしょうか?
(アダム)気温に対するはっきりしたパターンを示す明確な証拠というのは目にしていません。他の病気では、季節的なパターンが見られることもありますが、ほうぼうで急な流行が進む中で、その識別が難しいというのが本当のところです。他の要因もあります。ある国で他の国のような流行が起きていなかったとしても、それは取り組み方や社会的な行動の違いや偶然的な要素のためかもしれません。
暖かくなって消えるならありがたいですが、そうだとはまだ言えません。
(クリス)またツイッターからですが、各国の対応として推奨される世界共通のことというのはありますか?ないとしたらなぜか?
(アダム)まず何が有効なのか?情報を集めているところだと思います。強い介入によって制御できるようだとわかったのも、この2~3週間のことです。ただ、すべての国が中国と同じようにできるわけではなく、その手立ての中には、社会的・経済的・心理的に大きな負担を人々に強いるものもあります。
また、時間的な限界もあります。中国では6週間封鎖しましたが、簡単なことではなく、トレードオフを考える必要があります。人々に求めうることは何で負担を減らす上で最も有効なことは何なのか?
(クリス)別の質問です。どうしてこれは起きたのか?将来また起きるのか?
(アダム)元々コウモリに感染するウイルスが、どうやってか、人にも感染するようになったもののようです。断片的な証拠が、いろいろありますがはっきりした一つの筋書きというのはまだわかりません。SARSのときも、何が起きたのか?ウイルスのゲノム解析により、正確な経路を繋ぎ合わせるには何年もかかりました。今後また起きるだろうことは確かです。
自然界は、こういうウイルスを絶えず送ってよこします。多くは、人間には適合せず罹らないだけです。こういうウイルスは、何年か前に出てきたけれど、他の人と接触のない人に感染しただけで広まらなかったというのもありそうなことです。こういう問題にまた直面するでしょうが、どうすれば今のようになる前に症例が少なく、封じ込められる早い段階で対応することができるか考える必要があります。
(クリス)どうやらウイルスが、野生動物肉市場のような所から姿を現すのは、今回が初めてではないようです。映画ではよくあることですが。今回、中国はすでにいくつかの策を講じて、これを厳しく取り締まろうとしています。適切にこれが続けられれば、将来のために非常に役立つように思います。
(アダム)そうですね。例えば、H7N9鳥インフルエンザが、過去数年。流行しました。2013年には、大問題になりつつあったわけですが、中国は非常に徹底的に市場の運営方法を変え、鳥にワクチンを接種してこの脅威を取り除いたようです。こういった手立ては有効かもしれませんがそれには早期の認識が必要です。
(クリス)ワクチンの話ですが、これは鍵となる手立てだと思うんです。あなたの方程式における感受性の要因を変化させますからね。ワクチンの開発競争が起きていて、候補となるワクチンはいくつか挙がっています。この動向をどう見ていますか?
(アダム)開発状況には期待できると私は考えていますが、時間的枠組みで見ると広く入手可能になるのは、1年や1年半程度 先でしょう。ワクチンには、何段階かの試験が必要で時間がかかります。年末までに実現したとしてもかなりの時間です。使用可能で有効なものが手にできても、あらゆる人に行き渡るのは遅くなってしまうでしょう。
(クリス)私には不思議に思えるんですが、これについても数学者のあなたにぜひお尋ねしたいんです。すでに複数の企業が、有力なワクチン候補を手にしていると主張しています。あなたがおっしゃるように、試験の過程は途方もない時間がかかります。
治験が完了して、はじめて安全性が確認されたとして市場に出す。この考え方が正しいとは、言えない場合もあるのでは?新しい薬剤などを導入する時には、確かに重要ですが、副作用が何もないか、確認したくても長い時間を費やさないと対照試験やら何やらをすべて終えることができません。
今回のように、世界の緊急事態では、これは適切ではなく、数学的にも、そして、倫理的にも別のやり方があるべきではないでしょうか?
そこで、立てるべき問いは「このワクチンが、有害に働く場合がありうるだろうか?」ではなく、こうあるべきではないでしょうか?
「総体的な確率を考えて。この流行を小規模に抑えるために、通常の承認を受けていないワクチンの大規模使用を行う場合があるのではないか?」このような考えだと何が見逃されていますか?
(アダム)そう考える場合も確かにあります。
例えば、2015年のエボラ出血熱のワクチンは、数ヶ月もしないうちに非常に有望な証拠が得られ、人間における治験の中間結果では、非常に高い有効性が見られました。十分に認可されていない段階でも、このワクチンは「人道的使用」として、後のアウトブレイクで使われました。
このようなやり方でワクチンが迅速に使用できるよう進める仕組みは存在します。でも、当然ながら、現状では、例のワクチン候補の効果は、皆目わかりません。ですから、効果を実証する十分な証拠をそろえることが必要だと思います。ただ、できるだけ迅速に進めることです。
(クリス)私は懐疑的なところがあって完全には納得していません。理解できていないのは、なぜこのことをもっと大胆に考えようとしないのかです。こんな危機的状況にもかかわらず、誰もがこれに関する対応では、ことごとくリスクを避けようとします。
(アダム)注意すべきなのは、これには疑問が多く唱えられてもいることです。
その中には、ちょっと専門外のものも含まれているのですが、時間短縮のためには、もっとすべきことがあると私も思います。いつも引き合いに出す例ですが、季節性インフルエンザ株を選択しワクチンを市場に出すまで6ヶ月かかります。どの株が蔓延しそうかは、いつも予測に頼らざるを得ません。
私たちが、作り方をよく知っていて長年の製造実績を持つ物でさえこんな風です。明らかに、時間短縮のためには、もっとすべきことがあります。でも、安全性とのバランスが必要だと思います。とくに多数の人々に通常の認可過程を経ないワクチンを使う場合、安全性ともたらしうる利益を確固としたものにする上では!です。
(クリス)向こう1年を考えたとき、特にわからないのですが、例えば、今年はまだまだ何週間にもわたって、多くの人たちが自己隔離をしながら過ごすことになります。それでも、できる仕事に就いている幸運な人もいます。在宅勤務ですね。
ここで、この状況には大変な不公平があります。
在宅勤務で生計を立て続けることが、不可能な人も非常に多いわけで、向こう1年。このことは大問題になるのでは?もし、在宅勤務が、不可能な人たちの死亡率が在宅勤務可能な人たちよりもずっと高くなったりしたら?
とくに、アメリカのように在宅勤務のできない人たちが、適切な医療保険に加入していなかったら?これが、まさに問題で、大きな議論に発展する可能性があり、そういう事情が変化する原動力になればいいなと思います(日本では、国民皆保険制度があります)
(アダム)これは紛れもなく重要な点だと思います。
言うのは非常に簡単なことで、私もリモートワークが簡単にできる仕事ですし、社会的な接触をストップすべきだと言うのは非常に簡単です!
でも、もちろん、これは、人々の選択や日常の慣行に大きな影響を及ぼしかねません。きちんと説明がなされることが、必要だと思います。現在および今後数ヶ月の間にどんな影響が及びそうかについてです。
(クリス)詰まるところ、世界は過去にもっと深刻な問題に直面してきたのだから、どのみちきっと例えば、向こう1年半のどこかの時点で、ワクチンが開発され、広く行き渡り、この問題への他の手立てについて、多くを学ぶという結果になりそうでしょうか?
どこかの時点で、おそらく来年とか、世界はこれをうまく抑えて、先に進めるというそういうふうになりそうでしょうか?それとも、抑え込めずにインフルエンザよりも遥かに多くの人々の命を毎年奪い続けるというそんなひどい悪夢が現実になるのでしょうか?この先どんなことになりそうでしょうか?もう少しだけ長いスパンではどう思われますか?
(アダム)現状から見て、考えられる道筋はいくつかありそうです。
最もありそうなのは、おそらく、今年、非常に急速な拡大が見られ、大きなアウトブレイクが何度も起きること。再発するとは限りませんが、でも、可能性としては、アウトブレ��クが、各地で何年かにわたり繰り返されることも考えられます。でも、私が思うには、大部分の伝染は向こう1年ほどに集中するでしょう。
そして、ワクチンが入手可能になれば、この事態を乗り越え、また、次に生かせる教訓も得られるでしょう。今回、非常に強い対応をしている多くの国は、SARSで大打撃を受けた所です。シンガポールや香港は、その影響を強く受けており、それで、これらの国はその経験を重々参考にしながら今回対応しているのでしょう。
(クリス)なるほど。まとめとして、皆さんに促したいのは、数式に当てはめて考えてみることです。とくに「機会」と「伝染確率」という自分で変えうる要因についてです。皆さんにしてほしい、とくに重要なことについてもう一度話してもらえますか?
(アダム)個人のレベルでは、交流や感染リスクのことをもっと考えてください。
手に付着したものが、顔に付着して、他人にリスクを及ぼしかねないのです。また、交流の点では、握手や不要な接触にも注意してください。できるだけ減らせるよう考えてみてください。1人から2~3人に伝染するとして、その数を1人に下げるために自分の行動を考えてみてください。
それから、大規模な介入も必要でしょう。集会や大規模な会議など。ほかにも多くの機会で伝染は起こります。そして、個人的なレベルの対策をいくつか組み合わせることで、もしあなたが発症したり発症の可能性があったりする場合にリスクを減らしてくれます。
また、皆で協力して取り組むことで制御不能の状態が続いた場合に、甚大な影響を受ける人を感染から守ることができます。
(クリス)ええ。その通りでちょっとばかり我慢を求められる事柄がたくさんあるようです。それらの良い側面を新たに見いだしてみるというのもいいかもしれません。
(クリス)大学院准教授でTEDフェローのアダム・クチャルスキーでした。この特別回の感想をぜひお聞かせください。Apple Podcastで評価やレビューをお願いします。お好みの他のアプリでも結構です。レビューはとても参考にさせてもらっています。1つ1つ読ませていただきフィードバックに心から感謝しています。
今週のプロデューサーは Transmitter Mediaのダン・オドネル。制作責任者は、ロクサンヌ・ハイ・ラッシュ。ファクトチェックは、ニコール・ボーディ。今回の編集は、サム・ベア。テーマ音楽は、アリソン・レイトン=ブラウン。同僚のミシェル・クウィントにもご協力いただきました。
クリス・アンダーソンでした。ありがとうございました。体に気をつけて!
<おすすめサイト>
日本経済と世界経済(KindleBook)- 東京都北区神谷高橋クリーニング
ウーリ・アロン:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)出口戦略、ロックダウン終了と経済活動再開を目指して
クリスタリナ・ゲオルギエバ:パンデミック後の世界経済を立て直すには?
<個人的なアイデア>
アメリカのノーベル賞受賞経済学者ミルトン・フリードマン、元FRB議長であったベンバーナンキの書籍「大恐慌論」も言うように、金融危機2008、コロナショック2020などの急落に直面する対策として、ゼロ金利、マイナス金利、金融政策が出尽くした後に、よく登場する最速実行再分配政策が、個人への緊急的な現金給付!!!
各国によってスピードは異なるが、政策閣議決定後、人間の限界を遥かに超えるスピード。1秒以内で現金到着が理想。各国競争してみれば、今後の恒久対策として中央銀行のデジタル通貨なども考慮しつつ、新産業が産まれプラスサムになるかもしれません。
MMT(Modern Monetary Theory)によると、現状の貨幣での現実的なアイデアとして、社会保障に還元される日本の消費税は現状維持しつつ、現金給付額にも消費税がかかるので現金給付額を上げて、毎月給付にすると消費税率と社会保障費下支えとが均衡状態になる?と同時に、実体経済の経済成長率「g」の下支えにも寄与する?
これらの総量が、急激な不況時の資本収益率「r」以上なら、もしかして?回復して正常な経済環境に戻る期間も短縮できるかもしれません。
スペイン風邪から国民皆保険を構築した岸総理(他には、国民皆年金、最低賃金法もあります)現政権の安倍総理、母方の祖父を見習いコロナウイルスから、毎月の国民皆給付を構築すれば歴史に残る業績になるし、継承する権利もある!
現政権の安倍総理、麻生副総理。この二人でしかできない天命を果たせ!アベノミクスの最終地点がコレだ!この絶妙のタイミング!
天命と言わずにはいられない!
感染症との戦いは、人類の宿敵とも言っていい未知のウイルスとの戦争です!
今までは、パンデミック時の対策としてデータのないスペイン風邪の書物や言葉を参考にしていたが、インターネットの発展やCPU、GPUがムーアの法則によりスーパーコンピューターの領域に現代は突入している。
情報技術が発展し、スマートフォンとして手のひらサイズに収まり、ウイルスを感染予防するための距離を広げながらも、データとして全世界と光速で共有できるため、そのスピードとウイルス伝播のスピードと伍している?
局面ごとに対策を適性に行えば伝播速度を上回りコントロールできる感じもある!ラリーブリリアントが構築したシステムの功績もあります。
量子コンピューターも量子超越性を達成してることもプラスです。
ジョンズ・ホプキンス大学のシステム科学工学センター(The Center for Systems Science and Engineering:CSSE)感染者ダッシュボード
新型コロナウイルスの場合、新規感染者数が、2倍になる日数が10日以上になれば、R0(アールナート)が1以下に減衰してピークアウト状態になると理解できる。
日本の場合、PCR検査の結果が判明する14日後より短いから、検査結果日数を10日以下にできれば、ヤキモキせずスピード感ある判断が可能になりそうだ。
つまり、未知のウイルス。アウトブレイク発生確認後の緊急事態宣言発動は、クラスターが発生しやすいチェーン店などの大規模な場所から早期閉鎖が原則とデータから判明した!
日本の場合、アウトブレイク発生確認後から緊急事態宣言発動までの余裕日数は、新規感染者数が、2倍になる日数です。例えば、5日で2倍なら、5日以内で初動初速最大化発動しないと危険ということ!
R0が2.5付近では、発動日から10日でピークアウトが最速値。7、8割の人の外出制限要請StayHome(元々、人がいない地域での7、8割削減は意味ないし不可能だから政令指定都市だけにすること)ソーシャルディスタンス。などの初動初速最大化すれば、収束までさらに10日で計算上は20日で解除可能領域に近づける目安となります。
生産管理手法のクリテカルチェーンもリアルタイムの感じた感覚で考慮すると余裕バッファーをもう10日で、ひと月。えっ。ここまで自分で書いてよく見ると現実の数値にかなり符号する。
休業要請解除を10段階くらいに分けて地域ごとに段階的に基準を決めて行う。
日本の場合。緊急事態宣言、休業要請は現金給付や保証とセットで最速実行が原則。
日本の場合、透明性を持たせて休業要請解除の基準を決め、きめ細かく設定しないと現在の都知事とか権力者の気分で権力濫用されたり選挙に悪用される危険性がある。
今後の医療崩壊回避のため、医者を含めた疾病や保健所などの医療従事者を単純に現在の倍に育てて増員したら余裕バッファーが半分くらいになりそうな直観が出た。
今後は、休業要請解除!スペイン風邪同様第二波三波、第四第五の小波に備え、国からの現金給付支給をもう数度実行してもいい。Rtが1以下になり次第、休業要請解除!の後に、緊急事態宣言を機動的に解除。
この局面でもっとも効果的なソーシャルディスタンス領域をかんたんに実行。かんたんに実現できる小規模な所から。
時間軸のあるR0をRtとした都道府県別。新型コロナウイルスリアルタイムデータ
クラスター発生地点の見守りを継続する。再びアウトブレイクになり次第。最速で緊急事態宣言を再び発動して、1年かけて5、6回繰り返し、新規感染者数をピークアウトさせて分散、減少させていく!
何度も言うが、スペイン風邪同様第二波三波、第四第五の小波に備えるため!
小池百合子都知事という悪徳政治家は即刻辞職して、後世の女性への権力に固執しない手本を示し、的確に新型コロナウイルス対策できる人間に変われ!以下の指摘3つを真摯に受け止めて瞬時に改善しろ!(全世界に拡散希望)
1)休業要請緩和の各ステップの目安日数(1週間の平均感染者数:20人未満、感染経路の追えない感染者の割合:1週間平均が50%未満、1週間単位の感染者の増加比:1以下)をごまかして各段階を具体的数値で表現しない。クソロードマップだ!!今回の都知事選挙のために政治悪用してるのは明白!!的確に新型コロナウイルスに対策できる人間に変われ!
2)再要請の目安(1日の感染者数:50人、感染経路の追えない感染者の割合:1週間平均が50%以上、1週間単位の感染者の増加比:2以上)も隠すように表示してるクソロードマップだ!今回の都知事選挙のため政治悪用してるの明白!!的確に新型コロナウイルスに対策できる人間に変われ!
3)2週間単位じゃなく1日単位にしないと一つずつ緩和のステップを進めていく意味がないクソロードマップだ!!今回の都知事選挙のために日数伸ばすために政治悪用してるのは明白!!的確に新型コロナウイルスに対策できる人間に変われ!
具体的には、2020年5月中旬に、緊急事態宣言を1日単位でスピード解除(現都知事は、説明責任をせず気分で言葉を変えて言葉で惑わし政治悪用するので、数値を基準にした休業要請を1日単位でスピード解除)を早期に行う。
こうすることで、マクロ経済的にもバランスを維持していく。
前提として、直近1週間10万人あたり新規感染者0.5人位?(わかりやすく言うと、1400万人いる東京都は7 日間で、70 人位。一日7人位)で緊急事態宣言解除。
他には、神奈川県は46人位一日6人位。埼玉県は37人位一日5人位。千葉県は31人位一日4人位。とざっくりとした目安になります。
以降は、30日間経過観察し2回目に備える。オーバーシュートし始めたら2回目の緊急事態宣言を再び発動(現金給付とセット:一回目の延長の分も含めて一律20万円)し、1回目と同じように繰り返し、50日でスピード解除。つまり、最速80日周期で1年かけて4、5回繰り返し、新規感染者数をピークアウトさせて分散、減少させていく!
データから判明した6割程度の人の接触制限(元々、人がいない地域での削減は意味ないし不可能)で増加しないフラットな均衡状態を維持できる。
しかし、わかりやすく言えば、10人を4人にし続けたら商売にならないのは明らか。これでは、マクロ経済活動を維持できないため、その減少分を法人は、巨額な内部留保があれば、それを金融工学で資金繰りを下支えしつつ
国民皆給付で一律毎月10万円の庶民生活を下支えし続ける!(ボーナスも危ういので多少なりとも毎月気持ち分補助してもらう)これがベスト。
新規感染者を数人位の緊急事態宣言解除直後の低水準で均衡させつづければ、6割程度の人の接触制限してマクロ経済を維持できそうな感じは現時点ではする。
7月になり、小池百合子は公約も実現してないのに再選した稀代の悪女!自ら辞めて責任もとらない。昨年は、モンテスキューの「法の精神」も言う権力分立の原則を無視して国政と都知事を兼務しようとする悪い女性の見本と判明(全世界に拡散希望)
新規感染者も四月の水準に数の上では迫っている!
しかし、検査数と新規感染者の割合を見ると七月の水準では四月ほどではなく、さらに、退院者数を引いて見る。医療提供キャパシティ数が不明で数値を出して欲しいが、これらを考慮すると•••
再びの緊急事態宣言は、新規感染者が現状4桁到達。人口規模が大きい東京都が1000人以上なら実行する価値はある!現金給付とセットで!(検査数、医療提供キャパシティ数が増えれば2000、3000でも耐えられるかも?これはまだ未知の領域)
7月の重傷者数も4月の水準ではないので、4月の水準に近づき次第。再びの緊急事態宣言で良いのではないか?そんな感じもします。
海外の結果は、アメリカ、ヨーロッパは速めにロックダウンした(日本は緩いロックダウン)
スウェーデンは独自の社会実験でパンデミック中に行政府がほとんど行動制限を加えず、通常の生活を続けるとどんなことになるか?結果は変わらない。
自ら感染を広げただけで、経済的に何の得にもなっていないらしい。人口100万人当たりの死者数が世界的にも高い水準になってしまった。重症者増加悪化する。ロックダウンが経済悪化の原因ではないこと。すべての原因はウイルスそのものの伝播力と判明。
日本は湿気の多い夏の時期でも、この伝播力の怖さが明らかになる。実効再生産数1.5から2くらい。
歴史の経験が実証されデータが得られワクチンや治療薬が重要という昔のパンデミック時の教訓が正しいことが世界中で再認識された。
PCR検査などを抽出から全数に変えても統計上はあまり変わらない。前提として、数値の量や正確さにこだわらず測れるのが統計。量子力学に多用されてる。統計には、全数と抽出がある。
むやみに、感染者を排除しても基本的人権を侵害するだけで感染者差別を産む可能性もある(マスクの有無で既に差別的になってる)
ハンセン病患者の強制隔離政策。第二次大戦の教訓が無視され弱者に対して権力濫用に繋がり、日本では、権力者を縛る憲法により結論を示し、ついに決着した。非常に重い最高裁判所の判例や現実が大きくあり、パンデミックの最中には、混乱するだけで導入は難しい。
現に、検査数が日々変動してるため、新規感染者数が過去の数値と単純比較できずに陽性率で比較するプロセスも必要となるから、この時間差や感染者集計の時間差を権力者に言葉巧みに悪用されてる。
つまり、この元凶の権力者とは現在2020年の再選した政界風見鶏と言われる都知事小池百合子!過去には、行政府、警察に拡大解釈され強欲マスメディアがあおり第二次大戦に至りました。
未知のウイルスは、医療従事者や専門家も素人同然に成り下がるのは、東日本大震災2011の地震学者(こちらは理論破綻)で証明されてる。
にもかかわらず、今回、新型コロナウイルス2020でも、プライド、特権意識が邪魔をして、アマチュアの意見も引用して受け入れないため、未知のウイルスの伝播力で後手に回る。
現場で経験したアマチュアを含めて知見が集まるまでの人の手でデータにするまでの時間は、 CPU、GPU、量子コンピューター、インターネットで情報を光速で共有できるメリットを最大化できなくなると判明もした!
理論も大事だが現場経験が先!まぁ、カントも言ってることだから専門家、教授レベルなら熟知してると思うけど、知らないのかな?
日本の場合、ウイルス感染力低減対策のひとつ。緊急事態宣言後、最速で、高速道路、鉄道の法人であるJR、私鉄が協力体制をとって、都道府県内で折り返し運転をして他県に移動しづらくする方法。
それか、違う効果的なアイデアがあればいい?たしか、東日本大震災の時も実行してたような?
サブスクシェア経済は、具体的に言うとウイルスをベタベタな手で撒き散らすような強欲不潔感なイメージ。
食品扱うなら公衆衛生は最高レベルで!
公衆衛生の義務を厳格徹底し、感染症に欲のスキを突かれるため、強欲不潔な法人を規制して、事業停止を保健所は機動的に強制執行できるように法律を改正。
デフレスパイラルも危険なので、最低賃金以上を義務化、公衆衛生の義務を厳格徹底することで、抑止力をサブスクシェア経済に与えること!
さらに、人間を追跡する人工知能のストーカーアルゴリズムのみを今後禁止にして、ベンチャー企業がサブスクを開発したら高額罰金を与えるのはどうだろうか?
すでにある企業にも、悪用予防で高額罰金をかけていく。個人情報保護法に追加。GAFAは、指摘を受け止めて改善するが、それ以外の中小規模がより危険。
Uberなどは、その一つです。ドン・タプスコットが「ブロックチェーンレボリューション」の中で、UberやAirbnbやTaskRabbitやLyftといった。共有経済について話題にしています。対等な個人がいっしょに富を生み出し、共有するというのは。とても強力なアイデアです。
でも、私に言わせるとそういった企業は本当に共有をしてはいません!!実際、これらの企業が成功しているのは、まさに共有しないことによってなのです。さらに、高インフレの国でないとデフレスパイラルが起きてしまい、次第に賃金が上昇しなくなります。
現在の唯一の解決法は富の再分配でデファクトスタンダードをとっているプラットフォーマー企業に課税して広く配分するということです。ここが重要!!と言っています。
情報技術の発展とインターネットで大企業の何十万、何百万単位から、facebook、Apple、Amazom、Google、Microsoftなどで数億単位で共同作業ができるようになりました。
現在、プラットフォーマー企業と呼ばれる法人は先進国の国家単位レベルに近づき欧米、日本、アジア、インドが協調すれば、中国の人口をも超越するかもしれません。
法人は潰れることを前提にした有限責任! 慈愛や基本的人権を根本とした社会システムの中の保護されなければならない小企業や個人レベルでは、違いますが・・・
ヨーロッパでの一般データ保護規則(GDPR)でも言うように・・・
年収の低い個人(中央値で600万円以下)から集めたデータほど金銭同様に経済的に高い価値を持ち、独占禁止法の適用対象にしていくことで、高価格にし抑止力を持たせるアイデア。
自分自身のデータを渡す個人も各社の取引先に当たりデータに関しては優越的地位の乱用を年収の低い個人(中央値で600万円以下)に行う場合は厳しく適用していく。
キャシーオニールによると・・・
思考実験をしてみましょう。私は、思考実験が好きなので、人種を完全に隔離した社会システムがあるとします。どの街でも、どの地域でも、人種は隔離され、犯罪を見つけるために警察を送り込むのは、マイノリティーが住む地域だけです。すると、逮捕者のデータは、かなり偏ったものになるでしょう。
さらに、データサイエンティストを探してきて、報酬を払い、次の犯罪が起こる場所を予測させたらどうなるでしょう?
あら不思議。マイノリティーの地域になります。あるいは、次に犯罪を犯しそうな人を予測させたら?あらら不思議ですね。マイノリティーでしょう。データサイエンティストは、モデルの素晴らしさと正確さを自慢するでしょうし、確かにその通りでしょう。
さて、現実は、そこまで極端ではありませんが、実際に、多くの市や町で深刻な人種差別があり、警察の活動や司法制度のデータが偏っているという証拠が揃っています。実際に、ホットスポットと呼ばれる犯罪多発地域を予測しています。さらには、個々、人の犯罪傾向を実際に予測しています。
ここでおかしな現象が生じています。どうなっているのでしょう?これは「データ・ロンダリング」です。このプロセスを通して、技術者がブラックボックスのようなアルゴリズムの内部に醜い現実を隠し「客観的」とか「能力主義」と称しているんです。秘密にされている重要で破壊的なアルゴリズムを私はこんな名前で呼んでいます「大量破壊数学」です。
民間企業が、私的なアルゴリズムを私的な目的で作っているんです。そのため、影響力を持つアルゴリズムは私的な権力です。
解決策は、データ完全性チェックです。データ完全性チェックとは、ファクト(事実)を直視するという意味になるでしょう。データのファクトチェックです!
これをアルゴリズム監査と呼んでいます。
人間の概念を数値化できないストーカー人工知能では、不可能!と判明した。
未知のウイルス。新型コロナウイルスでは、様々な概念が重なり合うため、均衡点を決断できるのは、人間の倫理観が最も重要!
複数概念をざっくりと瞬時に数値化できるのは、人間の倫理観だ。
しかし、サンデルやマルクスガブリエルも言うように、哲学の善悪を判別し、格差原理、功利主義も考慮した善性側に相対的にでかい影響力を持たせるため、弱者側の視点で、XAI(説明可能なAI)、インターネット、マスメディアができるだけ透明な議論をしてコンピューターのアルゴリズムをファクトチェックする必要があります。
さらに、2020年5月21日。ついにリリースしました。AppleとGoogleが、協調してプライバシーに配慮し高いセキュリティの、APIを提供してます(中国のアプリは危険なため)
以下は、iOS、Androidアプリの作成に当たってライセンス上、守るべきガイドラインです。
第一に、アプリは公衆衛生当局が自ら作るか、外部機関に依頼して作らせたものでなければならず、しかも「COVID-19対応」以外の目的では利用することができないライセンスになっている。できるだけ多くの人が、同じアプリを使用し分断が起きないようにAPIの利用は1カ国1アプリのみ。
第二に、Exposure Notification API(濃厚接触通知API)の利用の前に、ユーザーの同意を得る必要がある。
第三に、利用者のCOVID-19感染が確認された場合、結果を共有する前に、必ず利用者の同意を得る必要がある。(同意を得ると当局が利用者のデバイスにひも付いた「Diagnosys Key : 診断鍵」に対して「陽性」の情報を登録する。二段階でキー生成がなされます。)
第四に、アプリは、利用者のスマートフォンから可能な限り最小限の情報しか獲得してはならず、 その利用はCOVID-19対策に限られる。ターゲティング広告を含め、それ以外のあらゆる個人情報の利用は禁じる。
第五に、アプリは、スマートフォンの位置情報獲得を求めてはならない。
などの個人を特定しにくくする工夫が加えられている新型コロナウイルス「濃厚接触通知」のプライバシー強化がほどこされています。
具体的に、AirDropやApplePayの仕組みを応用し、通信方法はBluetooth経由で、暗号化された毎日ランダムに15分単位で生成されるお互いのキー情報のみを相互接続します。
ApplePayの仕組みについて(当店サイトからも曲購入にて対応しております)
GPS情報、ユーザーの氏名や性別、年齢も原則取得しない
ユーザー同意のもと感染報告者の「キー(その1)」は、政府か保健機関が提供するアプリを通じてサーバーへ送られる。
続いて、API対応アプリは、定期的に全国から報告される「キー(その1)」をダウンロードする。そして、端末上で、誰かと会ったときの「キー(その2)」とマッチするかどうか判定し濃厚接触の可能性を判定する仕組み。
日本では、行政府の厚生労働省チームが進めるアプリ開発で同APIを利用します。このAPIは、常にAppleとGoogleが改善して全世界同時アップグレードされます。
1、2ヶ月程度で、1000万ダウンロード達成は、他のアプリと比べても平均くらいの普及率です。いや、でも、速い方かな?
メルカリなども1年くらいは必要としていたし、Lineもこのく��いだったかな?1000万ダウンロードでモンスターアプリと言われる世界。
その他のSNS、Twitter、FaceBookなどは、2000万前後のダウンロード数を誇っているアプリはほんの数%。cocoaも数ヶ月で達成しています。
一般的に言うQRコード決済になるd払い、Paypay、auPay、メルペイ、LinePayやクレジットカードの経験から、国内決済は、情報が独占禁止法の優越的地位の乱用に抵触。
QRコード決済は情報漏洩。セキュリティが高くない傾向がある。
さらに、マスメディアに横流しされ、広告に悪用される危険性を考慮ください!
安売りのかこつけ表現はデフレスパイラルになり、貨幣への融資以外は危険です。
Appleはこれらの対策として提案した内容がこれ。
データミニマイゼーション!
取得する情報・できる情報を最小化する。データが取れなければ、守る必要も漏れる可能性もない!
オンデバイスでのインテリジェンス!
スマートフォンなど機器のなかで処理を完結させることでプライバシーにかかわる部分を端末内に留める。
クラウドにアップロードして、照会プロセスを最小化することで、漏洩や不適切な保存の可能性を排除する!
高い透明性とコントロール!
どんなデータを集め、送っているのか、どう使うのかを明示し、ユーザーが理解したうえで自身で選んだり変更できるようにする!
セキュリティプロテクション!
機器上などで、どうしても発生するデータに関しては指紋認証や顔認証などを使ったセキュリティ技術で、漏えいがないようにしっかりと守るセキュリティプロテクション!機器上などで、どうしても発生するデータに関しては指紋認証や顔認証などを使ったセキュリティ技術で、漏えいがないようにしっかりと守る
202012のApp Storeプライバシー情報セクションは、3つ目「透明性とコントロール」の取り組み。
位置情報などは自己申告だが、アップルとユーザーを欺いて不適切な利用をしていることが分かればガイドラインと契約違反になり、App Storeからの削除や開発者登録の抹消もありえます。
このプライバシー情報の開示は12月8日から、iOS、iPadOS、macOS、tvOSなどOSを問わず、新アプリの審査時または更新時に提出が求められるようになっています。
2020年の4月と7月の違いは、新型コロナウイルスの場合、空気感染ではなく、飛沫感染という性質を考慮すると•••原則は、常にマスク着用、ソーシャルディスタンス。
検査数の量と陽性率でも見ると、東京都は、陽性率2、3%、200人前後で重症者数もバランスよく維持すれば、新型コロナウイルスを最小限に抑えつつ経済を持続できそうだ。
最新の研究によると、不織布のサージカルマスクなどは、感染予防にならないが、他人への拡散を抑える効果、ウイルス摂取量を抑える効果があるから、周囲の人たちが7、8割以上が行えば、実効再生産数を低下させ集団免疫に近い低減効果が得られるかもしれない。
ワクチンと同じくらいの防御効果がありそうだ。安全性の高いワクチンができるまでの実行再生産数を、1 より少なくする時間稼ぎに有効ということだけしかない。油断は禁物です!
吐く息の場合。不織布マスクは80%カット。布製マスクは70%カット。フェイスシールドは20%カット。マウスシールドは10%カット。
吸う息の場合。不織布マスクは70%カット。布製マスクは40%カット。フェイスシールドは効果なし。マウスシールドは効果なし。
続いて、日本国憲法尊守を前提で!
新型コロナウイルス2020に対応したFRBの金融政策と財政政策に異次元な変化が生じてる?
マネーストックとは「金融部門から経済全体に供給されている通貨の総量」のこと。
具体的には、金融機関・中央政府を除いた法人、個人などが保有する通貨(現金通貨や預金など)の残高を集計したもの。
日本銀行のベースマネーをコントロールするゼロ金利、量的緩和とは別枠で、ベースマネーからマネーストックへの橋渡しをする機関が弱いのでボトルネックになっていた。
ここで新型コロナウイルス2020が起きた!
将来の設備投資である個人デジタル貨幣型ベーシックインカム活用も含めて•••
アメリカのノーベル賞受賞経済学者ミルトン・フリードマン、元FRB議長であったベンバーナンキの書籍「大恐慌論」も言うように、金融危機2008、コロナショック2020などの急落に直面する対策として、ゼロ金利、マイナス金利、金融政策が出尽くした後に、よく登場する最速実行再分配政策が、個人への緊急的な現金給付!!!
各国によってスピードは異なるが、政策閣議決定後、人間の限界を遥かに超えるスピード。1秒以内で現金到着が理想。各国競争してみれば、今後の恒久対策として中央銀行のデジタル通貨なども考慮しつつ、新産業が産まれプラスサムになるかもしれません。
MMT(Modern Monetary Theory)によると、現状の貨幣での現実的なアイデアとして、社会保障に還元される日本の消費税は現状維持しつつ、現金給付額にも消費税がかかるので現金給付額を上げて、毎月給付にすると消費税率と社会保障費下支えとが均衡状態になる?と同時に、実体経済の経済成長率「g」の下支えにも寄与する?
これらの総量が、急激な不況時の資本収益率「r」以上なら、もしかして?回復して正常な経済環境に戻る期間も短縮できるかもしれません。
世界的な流れから各国政府経由で手厚い給付金を全国民に支給することになる。
日本も世界同時で協調し、国民皆給付を行うがスピードが世界に比べて同水準になってないことが判明した!そのうち改善するでしょう。
スペイン風邪から国民皆保険を構築した岸総理(他には、国民皆年金、最低賃金法もあります)安倍政権時代の安倍さんは、母方の祖父を見習いコロナウイルスから、毎月の国民皆給付を構築すれば歴史に残る業績になるし、継承する権利もある!
安倍政権時代の安倍さん、麻生さん。この二人でしかできない天命を見事果たした!アベノミクスの最終地点がコレだ!
この絶妙のタイミングで緊急的に構築した!天命と言わずにはいられない!
国民皆給付は達成したが、世界的な流れである毎月の国民皆給付には到達していない!
次善のアイデアとしては、三ヶ月に一回給付金。つまり、春夏秋冬に一回ずつ給付金も検討する価値はあります。
誰が発展させて引き継ぐのか?本人自身が行うのか?今後の継承を期待します。引き継いだ人間は、確実に人類の転換点に成し遂げた歴史に残る業績として記録されることでしょう。
将来は、官庁から量子暗号運用へ移行するための期間の長いデジタル化を始めてするも良し、庶民が行政手続きする際の申請だけにするなら資するかも?
金融機関への紐付け解除プロセスは現状維持として、まだアナログで十分!
前提条件として、基礎技術にリープフロッグは存在しません。応用分野のみです!
金融機関への紐付け?義務化は憲法違反。許可選択制にしろ!紐付け解除もできるようにしないと基本的人権侵害。
歴史の浅いコンピューターは、人間ではないし基本的人権は適用外だが、人類は違う!何千年もの構築した概念や法体系、歴史があり憎しみの連鎖も生じる。
中央値で一人年収600万円以上は給付金分年末に減税して、それ以下の年収は給付金支給にすればいい。日本国憲法尊守を前提で、こんなアイデアはどうだろうか?幸福がポイント。
ベーシックインカムは、現在の社会保障にプラスしていくことを前提条件として考慮しています!
もう一度。ベーシックインカムは、現在の社会保障にプラスしていくことを前提条件として考慮しています!
そして、テレワークの普及は諸刃の剣!
少ないから価値あるが誰もができると価値がなくなり、逆に一極集中加速する危険!アメリカ2020が、今そうだ!
GAFAなど。特にIT産業などは独占化しやすいから別枠で高税率にしてベーシックインカム用に再分配システム構築できないなら独占禁止法強化する世界的な流れになっている。
アメリカとは国土の大きさが違う!ので、マクロ経済学でいう小国開放経済の日本に、そのまま適用しても、新型コロナウイルスもあるし、現在の日本の普及率くらいが最善。これ以上は逆効果。
基本的人権という歯止めがないと薬が毒になる。
税の公平性はよく言われるが、時代が変わり、一極集中しやすく不公平が生じてるなら、産業別に税率を上昇させてバランスよくすればいい?
自由という概念を悪用するので簡単に言うと、自由権とは、18世紀のヨーロッパ市民革命、マグナカルタによってプロトコルを源にし言葉の定義を決めてから基本的人権の一つとして提唱されました。
憲法として日本にも導入されます!何でも自由に行うことではありません
これもその一つ。
「兵は詭道なり」戦いは、所詮騙し合いで、いろいろな謀りごとを凝らして、敵の目を欺き、状況いかんでは当初の作戦を変えることによって勝利を収めることができるものだ。
ということだが、誤解があって、憲法ある現代では、戦いの後に公開厳守が、法人も含めた権力者の原則です。
日本では、医療関係は、法律で個人情報の秘匿を義務化されてますが•••
国内法人大手NTTドコモは、本人の許可なく無断でスマートフォンの通信データを警察機関に横流しをしてる!
GAFAのように対策しない違法な法人?まさか、他にも?独占禁止法や法律を強化する?デフレスパイラル予防。このような国内大企業、中堅法人も危険。傲慢。
日本国憲法に違反しているので、アメリカのカリフォルニアやヨーロッパのGDPRのようにデータ削除の権利行使。
他に、再分配するデータ配当金を構築してからでないと基本的人権侵害になるため集団訴訟を国民は起こすべきだ。
税の公平性は、よく言われるが、時代が変わり一極集中しやすく不公平が生じてるなら産業別に税率を上昇させてバランスよくすればいい?
特に、IT産業などは、独占化しやすいから別枠で高税率にして、ベーシックインカム用に再分配システム構築できないなら独占禁止法強化。
自動的にディープフェイクをリアルタイムの別レイヤーで、防犯カメラの人物に重ね録画していくことで、写る本人の許諾が無いと外せないようなアルゴリズムを強力に防犯カメラの機能を追加していく。
防犯カメラのデータを所有者の意図しない所で警察機関他に無断悪用されない抑止力にもなります。
防犯カメラのデータを所有者の意図しない所で警察機関他に無断悪用されない抑止力にもなります。
防犯カメラのデータを所有者の意図しない所で警察機関他に無断悪用されない抑止力にもなります。
サミット警備時、死者数が微小なのにテロ対策と称し厳戒態勢!
経済活動を制限した時に、警視庁職権濫用してたが、死者数が甚大な新型コロナに予算増やした?
警察権力悪用!庶民弱者に圧力やめさせないの?オリンピック前にも圧力あったから予算削除しろ傲慢警察!
警察機関に個人データを保存するなら、至急データ配当金を創設して、毎月警察予算から配当金を庶民に給付する仕組みにしろ!
嫌なら、個人情報を削除する権利が庶民には、あるから行政府は行使できるようにしろ!予算削減がいいか!データ削除がいいか!
仕組みを創設しないなら、基本的人権の侵害で日本国憲法違反だ!
みんなで国と集団訴訟だ!誰かが起訴すれば歴史に残る偉業になる。
マイケルサンデルは、メリトクラシー(能力主義)の陳腐さを警告し、諌め(いさめ)ています!
マイケルサンデルは、メリトクラシー(能力主義)の陳腐さを警告し、諌め(いさめ)ています!
マイケルサンデルは、メリトクラシー(能力主義)の陳腐さを警告し、諌め(いさめ)ています!
金融ビックバン日本版と言う社会実験から20年位!規制緩和でどれだけの死者が出たのか?
世界中でも一定数あるが、自殺者の比率が日本に突出してるのは、金融ビックバン日本版の生贄となってる可能性大。民放テレビ局で煽ってたから当時の局関係者も共犯者。
例えば、戦国時代の能力主義は、相手を殺傷することが多ければ能力が最高クラス。現代は?法律で禁止されていて能力は最低クラスになります。陳腐ですね。
第二次世界大戦みたいに命は落とさないが、現代の金融IT世界大戦は、脳や心を人工知能も登場したことで善性の方向にデザインしないと、さらに無限に焼きつくされる!!危険性があります。これが本質です。だから、個人の最低収入保障強化、基本的人権の強化がより重大になっていく。
金融ビックバン日本版の生贄となった自殺者(精神障害、トラウマ、うつなど)に対しての国家の責任として、欧米の無名戦士の墓、日本の靖国神社みたいに自殺者を供養する神社を創設するアイデアはどうだろうか?
この後、デフレスパイラルが同時多発!そして、歴史が証明してる人権侵害も同時多発!憲法違反!
行政府は、既存産業となったIT産業を慎重に、裏付けのあるデータに基づいて公正に規制する方向が善性に沿う!逆は、愚かと判明!
人間の限界を超えた新産業に法のスピードが追いつかないから、極端な自由権や規制緩和と同じ効果なだけ!
過剰なデフレスパイラル競争になり、多様な賃金上昇環境が悪性になる。個人の最低収入保障強化、IT産業に特化した独占禁止法強化が必要と新型コロナウイルスで判明もした!
海外や国内IT企業などストーカーアルゴリズムを規制する現実的な法律案は、ストーカー規制法に付帯事項としてアルゴリズムやプログラムを追加する。
公人、有名人、俳優、著名人は知名度と言う概念での優越的地位の乱用を防止するため徹底追跡可能にしておくこと。
そうすれば、現行法を維持して法の網にかけられるぞ!死者も出てるし、今からやれ!
新型コロナウイルスの死者は、現在2000人超えた!テロの死者数は何人?
国��予算が警察やテロ対策より新型コロナ対策の方が少ないんだけど。警察やテロ対策予算削減して、新型コロナ対策に今すぐ回せ!
自転車専用道路は無駄だから予算廃止して、パンデミック対策、新型コロナ対策に今すぐ回せ!
SDGsや気候変動対策は、再生可能エネルギーのことではありません。パンデミック対策の一環です!それ以外の活動は派生物。権力濫用の口実に注意!
SDGsや気候変動対策は、再生可能エネルギーのことではありません。パンデミック対策の一環です!それ以外の活動は派生物。権力濫用の口実に注意!
SDGsや気候変動対策は、再生可能エネルギーのことではありません。パンデミック対策の一環です!それ以外の活動は派生物。権力濫用の口実に注意!
続いて
2020年後半くらいから様々な占いで出てきてた時代の変わり目。それが、西洋占星術で具体的に「風」の時代という形で出てきました。
私が、感じとってたインスピレーションは、たぶんこれかな?
兆しは、世界的な金融ビックバンの1970年代、IT革命のミレニアムの前から出ていたけど。
これは、これまでの約200年間。物質やリアリティの影響力優位「土」の属性の時代から、量子コンピューター、ビットやインターネットなどといった物質ではないものに影響力が増していく「風」の属性の時代に。
そして、本格的に軌道にのっていく属性は、今後200年程続くことになるのです(2020年12月22日から、2100年当たりをピークに少しずつ衰退していく2220年まで)
直前に!
Appleも何かを感じてたのか?Appleシリコン搭載Macの方は、「Mシリーズ」チップに移行してるし、符号してる。
Googleは、量子超越性を達成してきてるし、Facebookも脳波を読み取る機械の開発を発表してますし、符号してる。
イーロンマスクもブレイン・マシン・インターフェース(Brain-machine Interface : BMI)を具体的に発表。これも、符号してる。
以下から話がそれるが、読み飛ばし、読み進めるかして下さい。
ここから予想できることは、バリーシュワルツが言うように、労働の概念が変わり、地球に居ながら映画アバターのように!その惑星にある資源を使い。
月や火星、土星や衛星などに無人ロボット部品を送り、ゲームのように自宅にいながら共同作業しつつ仕事をすることで高額な賃金が手に入る可能性も高い。
火星や土星や衛星に関しては、有人宇宙船内を無重力工場にして惑星移動期間に3Dプリンター製造、組立を効率的に行うことが実現すれば良いが無人ならベスト。
光速で惑星間通信できるようになったとしても、火星や土星や衛星への通信は、地球からでもリアルタイムで遅延が起きるため、月面のみ、この可能性が開けます!
無重力でもあるため、洞窟に工場を建築して人間の暮らせる環境を作り出すこともできそうです。可能性は無限!この領域に限界はありません!国家や行政府の範囲外なので極端な自由もあります。命の保障はないけど!
このアイデアは、今後数十年、人間の限界を遥かに超える新産業なのでプラスサムになり、地球環境は汚染されず資源エネルギー問題も起こりません。
以上です。
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dukeofcat · 4 years
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早喵午喵晚喵,我是貓爵。 一段時間沒有PO小說了, 來PO一篇短篇恐怖故事~ ----------------- 【異誌詭事】02:絲 人人都說上大學生活會很精彩,University任你玩四年。在我整個高中的想像中,大學生會跟同學到處玩,還有精彩的社團活動、騎車夜遊。而對我來說最期待的,就是交個女朋友,在大學體驗甜蜜青澀的校園戀愛,做些心跳加速害羞愉悅的事情。 然而現實總是會搧一個巨大的巴掌,火辣疼痛的那種。事實總是證明了,死肥宅終究還是死肥宅。 我到了大二下學期,還保持著母胎單身的紀錄。更悲慘的是,我的同系室友李章佑長得又高又帥。這兩年眼瞧著他換了數不清個女友。每天都給我紮紮實實的心靈暴擊。 可惡,人帥真好;可惡,真讓我羨慕。 一天晚上,李章佑換了一身衣服。 原本在看PTT的我,轉頭過去問道:「要出門?」 「對阿。」李章佑邊抹髮蠟邊說道。 「回來順便幫我買飲料。」我問道。 「嘿嘿,今天不回來睡了。」李章佑猥瑣地笑著:「我約了學姐睡她家。」 「禽獸!」 「女人對禽獸就是又恨又愛。我走啦!」 那禽獸離開後,我呆呆地看著螢幕。想著到現在都沒有試過「做愛」是什麼感覺,整個鼻子都是鬱悶的味道,越想越煩躁。 拿了打火機跟香菸,走到宿舍的逃生梯點著了一根。 「呼!」 我曾經想過去找援交,或是到同學經常流傳的「做黑的」小巷子。但我既怕得病,又不懂價錢怕太貴…… 左思右想,我決定去做一件想了好久的事——「寄信約砲」 打開PTT西斯版,搜尋了一遍。只要看到內容裡提到自己有砲友,有約過砲的。我都給他們寄了一封信過去。信裡寫上我的身高體重跟簡介,還附上一張我在浴室裡拍的身材照。 那可是我喬了好久才拍成功,透過光線陰影跟角度還勉強能看出一點六塊肌的身材照。 滿心期待的兩天過去……石沈大海,一封新進信件都沒有。 *** 第三天。 你是處男? 我打開PTT的信件匣,看到這封回信時,心臟劇烈跳動得像是打鼓一般。我花了好幾分鐘才冷靜下來。 我立刻去找這ID所發的文,總共有三篇。每一篇都講述了好幾個約砲經驗,用了ABCDE幾個英文字母來區分。 文章後頭都會附上性感照。其中一張看得出她身材很具有誘惑力,曲線腰身,用手臂擠著事業線,僅用手指遮住胸前雙點。 右胸的側面還紋了一個小紋身,看起來相當美艷。 下方留言的鄉民們還替我鑑定了這是D奶,我的心情越發興奮不已。 雖然她給我的回信只有四個字,但看過她發的文我就能感覺到。有機會,我肯定有機會約到她! 「對阿,我是學生,沒經驗……」我打完字,手指停不住顫抖,按下了送出。 有賴嗎? 兩個小時後收到這簡短的回信,我的心情就像坐了火箭般升上高空,血管中的紅色液體奔騰著,我當下就把lineID發給她。 接連三天,我斷斷續續地跟她聊天,她叫小伊,28歲的上班族。我努力想了些話題,想說要讓彼此更熟悉些。但她完全忽視了我的話題,反而常常問我的資料。 身高、體重、有沒有抽煙?真的沒有經驗嗎?平常有沒有在運動? 她回話的速度非常慢,像是很忙的樣子,感覺十分冷淡,我幾次開口問她可以約嗎,他也沒有回覆我。 就在我覺得她沒有想約我,這次可能沒機會了的時候。 她發了一張穿性感內褲裸上身的露奶照給我。 「偷偷給你,不准外流喔。」她發來訊息。 我看了血賣噴張,看著照片立刻抽出了五張衛生紙,發洩一發後才切換成聖人模式。 「禮拜四晚上一起吃飯?」 剛變聖人的我就看到小伊傳來的訊息,立刻又變得興奮起來! 「好啊!」我秒速回覆。 我們約在一家義式餐廳。雖然約的時間是五點半,但是五點我就穿一身白襯衫在門口等著。 ……一直等到了六點。 就在我心頭著急,想著該不該打通電話過去的時候,一個穿黑T恤牛仔熱褲的女人往店門口緩緩走來。 我嚥了嚥口水,整理了一下衣服的下擺。雖然小伊的所有照片都是看不見臉的,連頭貼都是一張背影,但看到這個女人我便有種直覺,她就是小伊。 「吳何宏嗎?是不是等很久了?」 果然,女人走近之後便微笑地說著。 「沒有沒有,我也剛到。」 「那我們進去吧!」 走進餐廳時,我偷偷觀察小伊的側臉,她是瓜子臉的臉形,雙頰有些微紅,黑色長直髮過肩,是個散發女人味的成熟美人,我的心跳不斷興奮加速著。 邊吃飯我們邊聊了許多話題,小伊本人跟line上面的冷淡完全不同,十分熱絡親切。我也知道了更多關於小伊的事情。 她小時候住在日本,精通日韓中英四國語言。成年之後才搬到台灣來居住。 居然還是個日本妹子! 我的腦海裡頓時浮現許多片日本御姐的謎片內容,害我聊天時褲子總是硬梆梆地。 吃完飯,正當我躊躇著怎麼提下一步「活動」時……小伊微笑著,咬著嘴唇。 「那麼接下來……去我家?」 「呃,好!」 果然是姐姐,直接坦率! 我跟著小伊來到一棟牆面斑駁的老公寓,樓梯的生鏽扶手搖搖欲墜,我走在小伊身後,一步步往上爬。 「很破舊對吧?」小伊忽然說道。 「欸?還好啦。」 小伊繼續說道:「這裡又老舊又偏僻,我是因為房租便宜才住這兒的。」 「原來。」 「而且住進來之後,我才聽說這公寓有詭異的傳聞。」小伊停下腳步,轉頭看著我,那個語氣有點陰森森的味道。 「什麼傳聞?」我有點緊張地問道。 「有些人在這裡失蹤,警察都找不到人。我也覺得這裡的男房東怪怪的,打算租約到期就搬家。」 說完小伊變逕自往上走,來到了五樓她從包包裡拿出一串鑰匙,打開公寓的大門。 一走進去,公寓內的狀況跟我想像的有些落差。客廳裡堆滿了許多長滿灰塵的紙箱,紙箱上還放著幾個空了的手搖杯,一袋袋裝滿東西的黑色塑膠袋放在角落,有些地方甚至結了蜘蛛網。 「你去我房間坐一下,我想先洗個澡。」小伊指了指一扇虛掩的門。 「好。」 我沒多想便往那個房間走去,手在牆上摸索著打開電燈。幸好臥房內沒堆滿雜物,房間中央是一張淡紫色的床,旁邊的桌椅上則放了厚厚一疊衣物,內衣褲直接掛在椅背上。 看來這個小伊姐姐是那種外表光鮮,但是生活習慣很差的美女。 嘩啦嘩啦! 外頭的浴室傳來蓮蓬頭的水聲,看來小伊姐姐開始洗澡了。我越發興奮起來,手掌心都出了點汗。 我該先脫衣服嗎?我等等也要洗澡? 我一邊亂想著,一邊從口袋裡拿出事先買好的保險套,慎重地放在床旁的小櫃子上。 「咚!」 忽然,房間另一邊傳來碰撞聲。我扭頭看去,聲音來源是一扇小門,門前放著一塊踏墊。看起來應該是這間主臥房的浴室。 是裡面有什麼東西掉下來嗎? 閒著也是閒著,一股好奇心湧上,我走到浴室門前伸手將其推開。 叩的一聲,門卡住了。我只能把門打開一條小縫,繼續施力也推不開。門縫後黑漆漆的,什麼也看不見。 「嗚!」一個清晰的人聲從門後響起,我嚇得立刻關上門。 「裡面有人?」一陣陣困惑升上心頭。 等等,這是間浴室,那為什麼小伊不在這間洗澡,要在外面的浴室洗澡呢? 腦袋飛快的運轉,很快我就想到了最符合情理,也是我來之前最害怕的情況。 這是一場仙人跳! 浴室裡肯定躲了人,這個人偷偷躲在裡面,等我跟小伊上了床的時候再突然跳出來,要我簽下本票。 所以小伊才不用這個浴室洗澡。 至於發出聲音,肯定是在裡面的人不小心跌倒了,所以才發出呻吟聲。我打不開門也是因為他的身體擋住了。 肯定是這樣,合情合理合乎邏輯! 「別躲了,我已經發現了!」我再度用力推開浴室門,叩!門依然卡住。 「嗚!」門後傳來微弱的聲音。 「你沒事吧?」我忽然想到,如果他在裡面跌倒又只能呻吟,是不是撞到頭傷得很重? 門後漆黑一片,我推了推門,發現門縫比剛剛大了一些。我把手伸進去,在牆壁摸索開關,很快便摸到了。 「啪!」我按下浴室開關,但是電燈並沒有亮起,我便把手收回來。 收回來後覺得手背有點癢,我低頭一看,是一支小蜘蛛,我甩了甩手把小蜘蛛甩下去。 「真是的。」我拿出口袋裡的手機,把手機當成手電筒。我肩膀靠著門一邊繼續推,一邊用手機往裡面照亮。 門慢慢地推開了,微光中我看到這是一間老舊髒亂的浴室,牆面磁磚都是污垢。正對門縫的是一面鏡子,從鏡子的反射中,我看到了令人難以理解的東西。 那是一個男人,他的身體都被白色的東西所包裹著,僅露出一個頭。身軀四散出數十條白色的線黏在天花板,支撐著他掛在半空中。 男人掙扎著扭動著,臉龐好像因為痛苦而扭曲,流著淚。 「這是什麼?」我的腦袋頓時卡殼當機。 「叩」!一個開門的聲音把我驚醒。 「我洗好囉,等很久了吧?」門外傳來小伊的聲音。 我立刻關上門,飛快地坐到床上。在小伊一步步接近的腳步聲中,我腦袋裡浮現的都是剛才看到的畫面。 「那是什麼?這是怎麼一回事?」我覺得腦袋亂成一團,什麼邏輯都沒法思考。 此時,小伊走進了房間。 我抬頭看,小伊全身只包裹著浴巾,光滑的肩膀上還留有沒擦到的水珠,胸部被浴巾勒緊,乳溝深邃,她的長髮在頭後綁了個馬尾。 如此誘惑的情景,我卻沒有感覺。因為這是我從沒有遇過的未知情況,太詭異了。 「我、我突然想起有點事……」 「你是那種要插入了,才突然硬不起來的人嗎?」小伊笑呵呵朝我走近,手指尖撫摸我的臉。在小伊手伸向我的時候,我突然覺得汗毛直豎,背脊發涼。 臉上一癢。 一隻蜘蛛從我的臉爬上小伊的手指,小伊收回手,把小蜘蛛湊到耳邊,小蜘蛛居然爬進了小伊的耳朵裡。 小伊張嘴笑道:「原來,你發現了?」 「啊?」我轉頭看向浴室,小伊應該是在說浴室裡的男人,我有些害怕又困惑:「他是怎麼回事?」 「昨天約的砲友啊,體力還不錯,只可惜那根有點短。」小伊微笑地說著。 「那他……怎麼會?」 「你是說怎麼會變成這樣嗎?」小伊將身上的浴巾解開,說道:「既然武器不合用,那就只剩下純粹的食物價值啦。現在還在料理階段,過一個禮拜才能讓我跟孩子們飽餐一頓。」 小伊打開浴巾,平滑的腹部忽然裂開四五個口子,十幾隻蜘蛛從裂口鑽出皮膚,在小伊白晰的腹部爬行著。 小伊左手伸向自己光滑無毛的下體,搓揉一下後抬起來,牽起白色的絲線。 那是我看到捆住男人的白色物體! 「哇啊!」我大叫著,嚇得往後退。「你、你到底是什麼東西?」 「怎麼這種反應,姐姐不漂亮嗎?」小伊笑呵呵地說著:「我本來想在把你做成料理前,幫你破處的。剛破處只做幾次的話,吃起來味道還是可以跟處男差不多鮮。不過看你現在散發的恐懼味道,已經硬不起來了吧?那姐姐只好把你做成純粹童男料理囉。」 「啊!」我害怕的大叫,腎上腺素爆發的我猛地起身,往臥室的門口衝去。小伊側著身子閃過,並沒有阻擋我。 但我跑到客廳的時候,突然覺得被什麼東西拉著,我被絆住了。 拉住我的是白色的絲線,四散在整個客廳內。我的左腳勾到了其中一條絲線,被黏黏了上去。我用力拉扯,卻扯不斷。 「嘻嘻。」小伊搖曳著她的身軀,朝我走來。 「怎麼辦?」我慌亂地尋找可以用的工具,但客廳裡都只是一些紙箱,我摸摸了後口袋,掏出我的Zippo打火機。 「啪!」我用打火機在白線下燒了一下,白線很快融化了。接著我把打火機扔進紙箱雜物中,不到幾秒雜物中冒出煙霧與火光。 身後穿來怒吼:「你騙我,你說你不抽煙的!」 我見狀朝門口跑去,甩開大門後,我用連跳好幾階梯的方式逃下樓梯,用盡全身力氣地逃離這棟公寓。 離開之後我沒有報警,畢竟這經歷太難以解釋了。 後來我回到PTT上,發現那個女人帳號所發的文,已經被她自己全部刪除…… 直到兩年之後。 某天閒來無事,我又打開了PTT的西斯版。我看著PTT西斯版的一篇文,手指不由自主的顫抖。 文章內容跟帳號ID雖然都不一樣,但是文末放了一張僅僅用手指遮住乳頭的照,在白晰飽滿的胸部上有一個形狀奇特的刺青。 那是一個蜘蛛形狀的刺青 我看著底下眾多「已寄信」的留言,打了一個冷顫。 END https://ift.tt/3fuZ6rh
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blnxpc · 4 years
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銃撃された人の証言――T氏の例
 筆者の知り合いであるT氏は、若い頃にジャマイカで銃撃されたことがあると言う。先日思いがけず、氏が経営する大阪の飲食店で、かつて身体に食い込んでいた弾丸を見せてもらう機会があった。
 「ほら、記念品みたいやろ?」小物入れからひょいと取り出されたそれは、紡錘形をしたバネ状のケースに入っていた。尖頭型の弾頭であった。カラスの濡れ羽色とでも言うべきか、間近で見ると吸い込まれるように、黒い。表面の一部が錆びて剥げかかっている。つまんでみると、小指の先ほどの大きさにしては意外なほど重たかった。と同時に筆者は、そこにズシリとのしかかる別の重みを感じずにはいられなかった。実際に撃たれて生き延びた人の話を聞ける機会はめったにない。そのため、何かの役に立てばと思い、断片的ではあるが、話した内容を以下に記録として残すこととした。なお質問は筆者、回答はT氏である。
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写真:臀部から摘出された弾丸を持つT氏。
――撃たれたのはいつですか?
二十年前やね。手術して取り出したんは十年前。入ったままずっと生活してたよ。十年かけて、自然治癒というか、身体の作用で、取り出せるような場所にまで弾が勝手に移動してきてん。当時(二十年前)の医学では出せへんかった。
――どのようなシチュエーションで撃たれたのですか?
ブラッド・レーンっていう、ジャマイカの山中にあるゲットー(貧困地域)に住んでて、斜面にある掘っ建て小屋のベッドで夜中寝てた時、パンパンパンって音が三回鳴ってな、その中の一発が太ももから入って、肛門をかすめて尻にまで貫通した。何が起こったかわからんかったな。蛇腹のドアが開いてて、暗闇の中で、そこから銃を持った手だけが入ってくるのが見えた。さらに、パンパンパンパンパンパンって、弾がなくなるまでめちゃくちゃに撃ってから、その手は引っ込んだ。結局当たったのは一発。足を引きずりながら、ドロドロになって近くの店まで逃げてから振り返ると、家の周りにガソリンを撒かれて火付けられてて、大炎上やった。めちゃくちゃ痛かったけど、死ぬよりマシやと思って走ったよ。危なかった。
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写真:ジャマイカのビールとケースに入った弾丸。
――狙われたのでしょうか?
そうやと思う。ギャングの抗争の一部に巻き込まれたんやな。今も続いとるしな。その時、パンをようけ売って儲かっとって、車も乗り換えたところやった。嫉妬されたんやろな。ジャマイカのゲットーに日本人が一人入ってきて成功しとるって。ジャマイカ人は嫉妬深いで。村一番の殺し屋がいるところやったし。なめとったらあかんぞってな。
――その後は?
俺、ジャマイカで撃たれた初めての日本人やってんで。病院かつぎ込まれた後、偉い人ぎょうさん来てな、大使にまで会うたわ。ほんで、それがきっかけで不法滞在バレて帰らされてん。ここで帰れば色々なかったことにします、もみ消しますって言われてやな。帰らないと言った場合、強制送還した上で、二度と来れないようにしますって、そら帰るしかないやろ。でも、せやから、またいつでも行けんねん。ただ、行きたいんやけど、大盤振る舞いできるような金がないわな。おったところの奴らに、帰ったでーって。
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写真:T氏の店で。看板メニューのジャークチキン。
――そうそうできない経験をされていますね。死が身近にある環境というか。
せやで。いつ死ぬかわからへんかったな。入院中、集中治療室で、部外者が入れへんところをA(筆者の友人)のマミーが、子供が会いたい会いたい言うからって無理やり入ってな、毎日来てくれとったな。懐かしい。この弾ももう二十歳や。
 T氏の話は以上である。これは酒の場での、数ある話題のうちの一つに過ぎなかったため、事件のディテールや犯人に関してなどは聞きそびれた。その点はお許しいただくとして、筆者は、撃たれたことをあたかも良い思い出であったかのように飄々と語るその姿に、少なからず衝撃を受けた。現代、こと日本において人々は、死という概念から念入りに遠ざけられている。そもそも他国に比べてわりあい治安が良く、ゆえに激しい恨みを買ったり、凶漢に目を付けられる不運さえなければ、殺される心配などまずない。一方でそれは漫然と生きる人が多い理由でもある。だが、ひとたび場所が変われば、氏が語ったように、生死の境界があいまいな環境で暮らす人々がいる。そこでは明日の命さえ危うく、わずかなものを契機にして生活の全てが非日常的にひりつく。ただ、死に肉薄するほど人はより生に自覚的になり、氏のように透徹した目を持てるようになる。今般のコロナウィルスの蔓延が、人々の生に対する意識を変革したことなどもその好例だろう。良くも悪くも、危機や破局が己を見つめなおすきっかけとなるのである。氏の言葉からは、何事も受け入れる器の大きさに加え、強さと冷静さ、そして人間への愛が垣間見えた。それは撃たれたという事実に加え、自分の命を奪おうとした弾丸と十年を共に過ごした経験からくるもののように思えた。
2020年6月8日
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emilylikestennis · 4 years
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獣―ビースト―
※本テキストはPCでご覧頂いた場合雑誌風の縦書き表示となります。
エミリーライクステニス二万字インタヴュー企画第三回。獣―ビーストー。ステージ上ではダンボールアニマルに身を包み、意味のない言葉を大声で繰り返す。彼の本心とは、果たしてどこにあるのか。そして、この一頭の獣はどのように生まれたのか
ダンボールのヴェールに包まれた素顔にせまる。(聞き手・早瀬雅之)
次男は責任感がないんですよね
●3人目は獣|ビースト|に話を聞きます。まずは生い立ちを聞かせてください。出身はどこなんだっけ?
「北海道です。札幌の隣の隣くらいの街ですね」
●栄えてるの?
「街は全然栄えてませんよ。北海道は札幌以外栄えてませんからね。空港と自衛隊があるくらいです。一番栄えてるスポットが空港で、街に映画館はないけど空港にはあったり、街にアニメイトはないけど空港にはあったりって感じです」
●じゃあ空港を中心とした街って感じなんだ?
「そう言われるとそうでもない。別に空港には行かないですけどね。みんな札幌に行くので」
●家族構成は?
「今実家に住んでるのは両親と祖母です。あと北海道に兄と弟がいます。三人兄弟の次男です」
●飯田くんと話してて、兄弟の真ん中は変わり者になりがちなんじゃないかという話が出たよ
「やっぱり責任感のなさがそうさせるんでしょうね。やっぱり長男はなんとなく『長男』って目でみられるだろうし、末っ子は甘やかされてなんとなく大事にされますからね。真ん中って気楽ではあると思いますね。何しても大丈夫というか、一番良いポジション。次男は責任感がないんですよね」
●どんな子どもだったの?
「小学生の頃のことを思い出そうと思ったんですけど、あまり思い出せないんですよね。田舎の学校の中では勉強はできたから、勉強については特に困った記憶はないです。病弱ではあったかもしれない。まあそれは今でもですけどね。後はサッカー少年団に入っていて、別に強かったわけではないんですけど、練習が月曜から金曜まで週5であって、土日に試合があったから、あまり遊んだ記憶がないですね。雨が降るとサッカーが休みになるけど、雨が降っているから遊べないという」
●サッカーやってたんだ。そのエピソードだけでスクールカースト上位なんじゃないかって感じがするよね
「サッカーはやってたんですけど小学生の頃は太ってたし足が遅かったんですよ。いくらサッカーをやっていようと足が遅いとカースト最上位には食い込まない。小学校はそういう世界ですから。でも賢かったので、運動ができなくても別ルート扱いされるみたいなところはありましたね。うまいポジションをゲットしていた。みんなからはまあまあ好かれるし、先生からは怒られない。当時から『これ以上やると怒られるな』っていうのを見極めて生きていました。今考えると嫌な子供ですね」
●そこはちょっと今のビーストの片鱗を感じるね。中高でもサッカーやったの?
「飽きたからやりませんでした。2年生から6年生まで週に5日以上サッカーやったら飽きますよね。中学生のときは、一緒にサッカーをやっていた友達が男子ソフトテニス部に入るって言ってたんで一緒に入ったんですけど、最終的には幽霊部員でした。中3のときに小学生の時に全国大会に出てた子達が1年生で入ってきたので、彼らに頑張ってもらったほうが良いだろうと。『頑張ってね!』って応援してました。適材適所って大事だと思うんですよ。3年生だから威張っても良いことないですから。なので僕は友達の寺で毎日遊んでました。」
●寺で(笑)
「ちなみにその寺の子は去年ツイッターにヘイトスピーチをツイートして、個人情報を特定されて叩かれてました」
●寺の子何してんだよ(笑)
「絶対葬式上げてもらいたくないですね(笑)」
●(笑)なんだかんだ楽しく過ごしてたんだね
「エンリケ先輩みたいなくらいエピソードは特にないですね」
●砂食わされたりとかしてないんだ(笑)
「しいていうと小学生のときにサハリンでロシア人の家にホームステイしたんですけど、その時松ぼっくりは食わされました。ロシア人たちが日本語の本を見ながら「タベル!タベル!」と言って袋いっぱいの松ぼっくりを渡してきて食わされたんですけど、まあ、おそらくあれはいじめじゃなくて食文化の違いなので」
●いじめとかではなくね(笑)
「おれに何を食わせる気だ?とたじろぎましたが、文化の違いです」
いくら僕が練習しようと、さんまのからくりテレビに出てた子供のほうが上手いんで、彼らと同じ土俵で戦う必要がないなと思って
●次に音楽との接点について聞きたいんだけど、音楽はいつくらいから自発的にきいてたの?
「いくつくらいでしょうね。最初に買ったCDはKinKi Kidsのアルバムです。そして一番最初に買ったMVはブラビデオ」
●世代的にはおかしくないね(笑)
「あとはラジオをカセットテープに録音して聞いてました。AMじゃなくてFMで音楽が流れてる番組です。北海道にAir―GっていうTOKYO FM系列のラジオ局があって、夜に東京の番組をネットしていたのを聞いてました。確か曜日ごとに、アジカンとか山崎まさよしとかケツメイシとか、あとはガラの悪そうな人が出てました。ガラの悪そうなラジオで育ちましたね」
●誰なんだそれは(笑)
「なんかレゲエの人です。でも僕の音楽的ルーツみたいなテーマを掘り下げようと思っても、他のメンバーほど特にエピソードがないんですよね。正直そこまで音楽に対して強烈な思い入れがない」
●ボーカル、っていうかわからないけど、ボーカルだから楽器エピソードもないか。楽器ってやるの?
「中学のときテニス部のテニスをしない先輩が『やっぱテニスより音楽だよな』みたいな感じでギターを弾き始めて、今考えるとめちゃくちゃ大学のテニスサークルの先輩みたいですね。それで真似して「じゃあ僕も買います!」ってギターを買いました。質屋に質流れ品のアコースティックギターが売ってたんで、缶の貯金箱崩して。今思うとめちゃくちゃネック反ってましたよ(笑)」
●バンドやってたの?
「高校のときはやってましたね。文化祭とか。でも忍耐力がないから練習したくない」
●根気がない?
「ないですね。あと楽器が上手くなりたいという気持ちにならない。なんか楽器上手くなると、特にかっこよくないけど難しい曲を弾くじゃないですか。そういうのも全然理解できなかった。楽器が上手いのとかっこいいのはイコールじゃないですね」
●なるほどね。良い話っぽく聞こえるね(笑)
「それにいくら僕が練習しようと、さんまのからくりテレビに出てた子供のほうが上手いんで、彼らと同じ土俵で戦う必要がないなと思って」
●あーギターキッズの子たちいたね(笑)
「あいつらめちゃくちゃ上手いじゃないですか。僕がやってもたかが知れてますから」
●ハマってたものとかないの?
「高校生の時ハマってたのはPerfumeですね。めちゃくちゃ好きでした。2008年にツアーでPerfumeが北海道に来たんですけど、その日が模試で行けなかったのでかなり落ち込みましたね。あとPerfumeがフライデーに出たときも落ち込みました」
●それはどういう対象なの?(笑)
「いやなんか、え?えぇ~…?ってなって。『の、のっちって、ストレイテナーと付き合ってんの…?ストレイテナーと…?』って。なんとも形容し難い感情ですね。そのフライデーはのっちが複数人で飲みに行ってる写真が掲載されてたんですが、ストレイテナーは顔出しされてるのに、目に線いれられて隠されるも髪型のシルエットがわかり易すぎる9mmのボーカルがめちゃくちゃおもしろかったんですよね。いやー、それにしてもフライデーは効きました」
●そういえばその後もアイドル好きだったよね?アイドルは最近どうなの?motion(早瀬が勤めていたライブハウス)の昼間のイベントに来てたじゃん
「あれは早瀬さんにばれないようにと思ってコソコソ行ってました」
●いやビースト来たら分かるでしょ(笑)
「すぐにばれましたね。でも最近は全然行ってません。アイドルはやっぱりライブに行けないと楽しくないんですけど、忙しくて行けないんで。あと何年もアイドルを見てて、やっぱアイドルってハッピーエンドが存在しないという結論に達したんですよね。だいたいメンバーに彼氏ができてやめるか、赤字でグループが消滅するか。一世を風靡して解散するでもないし、ライフワークみたいに長く続けるでもないし。それで嫌になって、よくライブに行っていたアイドルネッサンスというグループが解散したのを機にほぼ行かなくなりましたね」
●じゃあ今はもう完全に離れてるんだ
「今はアイドルではなく赤い公園のファンです。バンドキッズなんで。2018年赤い公園のファンデビューです」
●あれ?赤い公園ってアイドルネッサンスの子が入ったんだっけ?
「いや、僕はバンドキッズとしてのファンなので、そこら辺はちょっとよくわかんないです」
大学生って楽することしか考えてないけど、まあまあ学費払ってるんでちゃんと話聞いたほうがいい
●エミリーは大学のサークルで結成したって聞いてるけど、進学はどうやって決めたの?
「僕が入った学部が飯田さんと一緒なんですけど、センター試験だけで入れたので単純に楽だなと思って。北海道から試験受けに行くのも大変だし、センター試験だけなら1月で終わるから楽勝じゃんと思って。めちゃくちゃ頑張らなくても良いところという選択ですね。ただ未だに腑に落ちないのは、メンバー全員同じ大学なんですけど、僕以外のメンバーはもっと頭良い大学を目指してたらしくて、昔エンリケ先輩に『俺らはもっと上を目指してたからお前が一番頭が悪い』みたいなことを言われたんですけど、いやお前ら結局受かってないからな?と」
●(笑)
「目指しただけだからな?」
●確かにね(笑)
「まあでもそんなにめちゃくちゃ大変ではなかったですね。塾とかも行かなかったし。東京の難しい大学だと、北海道の公立高校の授業だけじゃ対策できないんでしょうけど、センター試験なら学校の勉強の範囲を飛び出ないから教科書で乗り切れるんですよ。それに帰宅部で暇だったから普段からもちょっとは勉強してたんですよ。成績良いとちょっと悪い事しても先生に怒られないじゃないですか。学校の先生ってそんな崇高じゃないですからね。成績が良ければ友達と同じことしても僕は怒られない。打算的に勉強してましたね。いまのところ嫌な子供過ぎて高校生までに良いエピソードがないですね」
●ないね(笑)。大学では何勉強してたの
「ざっくりいうと会社についてって感じです。勉強は好きでしたよ。というか友達がいなかったので勉強するしかなかった。友達がいる人は先輩から試験の過去問が回ってくるらしいんですど、友達がいないから自分で頑張るしかない。結果的に良かったですよ。大学生って楽することしか考えてないけど、まあまあ学費払ってるんでちゃんと話聞いたほうがいいじゃないですか」
●急に真面目になった(笑)
「やっぱり根が真面目なんですよね。勉強は好きだったので、その後大学の先生になりたいと思って大学院を受けたんですけど、大学院受験が夏って知らなくて、学部卒業後一年間NHKのあまちゃんを見て勉強するだけの無職生活を送りました。普通受験って冬じゃないですか?なんで大学院だけ夏なんだよ。トラップですよね」
エンリケ王子は口に花火を加えてdoorsみたいな(笑)それ見て入りました
●サークルはどういう経緯で?
「僕が一年のときに、エンリケ先輩が大学構内の道でエミリーライクステニスのライブをやっていたんです���クロアチア人と組んでた時期ですね。最初ドラムセットの前に留学生が座ったと思って、すげえドラムが外国人なのかよ絶対うまいじゃんと思ったらめちゃくちゃ下手だった。普通白人男性すわったらすごいの始まると思うじゃないですか」
●なんとなく上手そうな気はするよね
「そしたらめちゃくちゃヘタで。エンリケ王子は口に花火を加えてdoorsみたいな(笑)それ見て入りました(笑)」
●エンリケにそんな時代が(笑)エンリケがビーストは一人でスタジオに籠ってたって言ってたのは?
「それは一人でテニサー音楽を作ったりしてました」
●テニサー音楽ってジャンルなんなの?(笑)
「バイトしてた居酒屋がすごい店で、普通の居酒屋を出禁になったテニサーばっかりくる店なんですけど、彼らのコールを録音してトラックに乗せるみたいな感じです。すごいんですよ。『な~んで持ってんの?(笑)「』とかそんな生ぬるいもんじゃない。あいつらのコールは腹の底から声出すんですよ。そのコールを録音してビートを載せて、大学の外で流してました」
●ちょっとよくわからないけど結構アバンギャルドな活動をしてたんだね。それは何をしたかったの?
「『お前らは気に留めてないけど、歩いてるお前らの声なんだぞこれは』というのを一人で感じて、誰も気づかないのを楽しんでました。でも本当にあのテニサーの声はみんなに聞いてほしかったんですよね。本当にすごい声。乾杯に際して腹のそこからヴォーって叫び出すんですよ(笑)うちの大学は教育学部があったんで、こいつら居酒屋でこんな声出しているのに学校の先生になるんだなと思うと、その大学時代の一瞬のかがやきを記録しておきたかった。俺はちゃんと覚えておくからな、みたいな」
●結果的にちょっとよくわからないよね(笑)他のメンバーとの関係性はどうだったの?T―DRAGONは同期なんだっけ?
「そうです。僕らは毎日部室にいたから毎日顔を会わせていました。昔ベースをやってた泉さんっていう人とドラゴンが部室でずっと誰かの悪口を言ってるのを見てる」
●エンリケは先輩なんだよね?ビーストが加入する前の3人のエミリーを見ていたときの印象は?
「昔いたベースの女の人に頭につばを吐きかけられてすごい嫌だった。その人がいなくなったあとは、エンリケ先輩が大きい声を出して頑張ってるという印象」
●すごいざっくりしてるな(笑)大きい声出して頑張ってるのはどのバンドにも当てはまるだろ(笑)
「音楽的にどうとかいう感想がぜんぜんわからないんですよ(笑)あとその時はエンリケ先輩がまだ若かったんで、ドラムセットに突っ込んでたんですけど、あれは危ないからやめたほうが良いと思ってました」
●まっとうな意見だな(笑)
「痛そうだし怒られそうですからね」
●その印象でなんで入ったの?きっかけは?
「最初はAt The Drive-Inみたいなバンドをやると言われて、ATDIは高校生のときから好きだったからいいかなと思って。それにその時は今より15kgは痩せてて髪も長くて、僕天然パーマなんで髪が長いともじゃもじゃになるから見た目はATDI感があったんですよ。完全にビジュアル採用ですね。でもATDIだと思って入ったら変なことをやらされるバンドだった」
●入ったら全然違った(笑)
「おかしいなと思いましたね。口車に乗せられた。その時は泉さんっていう先輩がベースで、その人に変なことをやらされ続けた。その人は関西人なんですけど、まあ関西人といっても神戸のあたりなんで、今考えると笑いの本場みたいな空気を出してきたのも意味分かんないんですけど、なんかやると『それおもんないで?』って言ってくるんですよ。関西人って『おもんないで』って本当に言ってくるんだなって思って怖かったです」
●絵に書いたような関西人ね(笑)
「そうです。それでその人にああせいこうせいって言われてやってるうちに恥ずかしいという感情が死んで、今のスタイルに落ち着きました。慣れるというより、恥ずかしいという感情が死んだ」
●最初やめたいなとかはなかったの?嫌ではなかった?
「単体のライブでは嫌なときもあったけどトータルだとそこまで嫌じゃなかったです」
●今は長くやって確率されてきたけど、ビーストのスタイルって最初の頃はお手本もないし、大変そうだよね
「そうなんですよ。『ここは何もしなくて良いから』とか言われて2分間インストが続くみたいなのがありましたしね。何もしなくて良いって言われてもね。どうして良いかわからなくて手持ち無沙汰でした。ステージの真ん中に立たされて何もしなくて良いって言われる人の気持ちが、楽器持ってるお前にわかるのか?と思いました(笑)」
●それはきついよね(笑)難しいパートだよね
「このスタイルも、僕が他のメンバーと違って音楽大好き!みたいなタイプじゃないから成り立つんでしょうね。僕は音楽をやっているという感覚でバンドやってないですから」
●そんな人がいるんだ(笑)
「いや、バンドは確かにやってるんですけど、ダンボールのゾウをかぶって変な動きをする人が『自分、音楽やってるんで』とはなりませんよ(笑)」
バンドのグループラインに「ニューソングのアイデア思いついたんですけど、ガーナに秘宝館を建てる曲にしましょう」って送って、みんなに頑張って考えてもらう(笑)
●ダンボールとかを使うのはどこから出てきた発想なの?
「ゾウの曲ができたとき、当初は身体でゾウを表現してたんですね。例の関西人のベース人に手ぇ振ったらぞうにみえるやろって言われて、わかりましたってこう、片腕をゾウの鼻に見立てて、もう片方の手を丸く曲げて耳みたいにしてゾウっぽい動きをしてたんです。でもそうすると、ゾウっぽい動きをするためには体勢を前かがみにしなきゃいけなくて。イメージつきますか?前かがみになって右腕を鼻みたいに振って、左手が耳。そうするとどうなるかっていうと、まあフロアからみえないですよね(笑)。低いステージで前かがみになってノシノシ歩いてるんで(笑)。それで特に相談するともなく、ある日急にダンボールでゾウを作ってライブに持っていった。あ、今日これ被るんでって言って」
●なんでダンボールだったの?
「ちょうど引っ越したばかりで、家に立派な硬いダンボールがあったっていう、それだけです。金かかんないから」
●それ急に持っていってメンバーの反応はどうだったの?
「いやー、どうだったかな。でもエンリケ先輩は僕がいろいろ作って持っていきまくるのについては、最初ちょっと嫌そうだった気がしますね。俺たちバンドだからね?って。そこまでオモシロに振り切りたくない感じがまだ彼の中にあった」
●それでもまだちょっとかっこいいバンドでありたいみたいな?
「そうですね。まだ全員二十代前半でしたから。ただ僕はもう最初から音楽としてかっこいいのが良いとか、演奏が上手いのが良いとか、そういう発想が全くなかったんですよね。わざわざ金払って見に来てくれる人がいるんだから、面白い気持ちで帰ってもらったほうが絶対良いじゃんと思ってそのまま使い続けました。その後も特に相談するでもなく、作りますんでって感じで勝手に作って増やしていきました(笑)。そのうち次第にダンボールでこれを作るからこういう生物が登場する曲にしましょうみたいな感じになりましたね」
●ダンボール発信の曲があるんだ(笑)
「サメがそうですね。その時ちょうどサメが流行ってたんですよ。深海ザメとか。なんかココリコの田中さんの番組とかでよく深海ザメ取り上げられてて、サメ流行ってるしダンボールで作ります!サメの曲で行きましょう!ってなって。ダンボール以外でも最近曲作る時はそういうテーマの決め方が多いですね。こうこうこういう曲が面白いと思うので、とにかくあとはお願いしますみたいな(笑)」
●曲作るときのアイデアはビーストがだすの?
「みんなで話し合って考えるんですけど、最初のテーマだけ勝手に考えて、じゃお願いしますみたいなのもありますね。音楽自体にはなんのイメージも湧いていないんですけど、とにかくテーマだけ勝手に決める(笑)バンドのグループラインに「ニューソングのアイデア思いついたんですけど、ガーナに秘宝館を建てる曲にしましょう」って送って、みんなに頑張って考えてもらう(笑)」
●変わった作り方だよね。俺がメンバーだったら嫌だわ(笑)
「歌詞とか歌うパートとか寸劇パートみたいなのは僕が考えてるので、そもそも面白いと思うテーマじゃないとすべるんですよね。ギターリフとかから作られても面白い気持ちが浮かばない。いや~かっこいいギターリフかもしれないけど、それどう面白くなるの?って。かっこいい曲を作ることが目的なら、当然かっこいいギターリフから作ってかっこいい歌と歌詞を考えていっても良いんでしょうけど、かっこいいギターリフを面白くしようとしても『いや全然面白くならないぞこの譜割りは』みたいになる。かっこいいフレーズを考えてもボツになるってみんな嘆いてますけど、もうこういうバンドになった以上仕方ないんですよ!」
●譜割り(笑)なるほどね。言葉がはまらないと難しいだろうからね
「もちろん話し合ってテーマ設定という曲も多いですけどね。なので、さあ曲を作ろうという時期になると、スタジオに入っているのに楽器が鳴っている時間より何が面白いのか話し合っている時間の方が圧倒的に長い。3時間中2時間近く大喜利してますね。僕はスタジオに行っても、そういうコーナーだけ参加して、タイトルとかテーマが決まったらあとはやることないからじっとしてる」
●なるほどね。テーマとかネタ先行で曲を作ってるバンドなんだね。ちなみにライブ中は何を考えてるの?
「もう完全にうけてるかうけてないかしか考えてないですね。暴れたり変なことを言いながら客席を観察している。僕は微妙に言っちゃいけないことをいうスタイルなので、今日のお客さんはどのくらい許してくれるかなと言うのを観察してます。あとちょっと難しいっぽいこととか、ニッチな話題をまくしたててもちゃんと笑ってるかなとか。その他は特に何も考えていません。ライブ中に話す小芝居とかも、前は事前に考えてからやったりもしていたんですけど、最近はほぼその場の口からでまかせですね。その場の思いつきでまくし立てているんで、感想で「○○って言ってたところが面白かった」と言われても正直全然覚えてないんですよね(笑)『はい!ありがとうございます!』しか言えない(笑)」
●メンバーの演奏は耳に入ってる?
「それは大まかには聞いてます。音にあわせて話したり音の合間で話したりするので、全体の流れとか、タイミングとか、音量とかは聞いてます。でも演奏を間違ったとかそういうのには全く興味がない。練習よりペースが速くなったとか遅くなったとかも関心がない。ちゃんと始まってちゃんと終われば」
●他のメンバーの意識とかなり分離してるね
「そうなんですよね。なのでバンドっぽい音楽のこだわりみたいなのを聞かれても特に言うことがないんですよね。聞こえやすければいいんですよ」
疲れるのであまり練習に行きたくないです。どうせ練習行ってもやることないんですよね
●平日は何してるの?
「普通に働いてますよ。でも今はコロナでリモートワークになっているのでほぼ家にいます。今日1ヶ月以上ぶりに仕事で電車乗る用があって、電車に乗っただけでちょっと楽しかったです(笑)。僕は神奈川県に住んでるんですけど、いま神奈川県で一番コロナリスクから遠いと感じるくらい本当に外に出てないです」
●そんなに家にいるのか(笑)。仕事とバンドの両立は大変?
「大変ってほど大変には感じてないですけど、平日は活動が無理なのと、メンバーの中で僕だけ住んでいるのが東京じゃないので、都内までの移動がちょっと面倒ですね。あと疲れるのであまり練習に行きたくないです。どうせ練習行ってもやることないんですよね(笑)」
●行きたくないんだ(笑)。でも他の3人が演奏の部分を作ってるときは一応スタジオにいるんだよね?
「まあそれはいたりいなかったりですね」
●いないときもあるんだ(笑)
「ちょこちょこ土日も仕事があるんですよね。それに行っても、ライブの前であればみんなで通して練習しようってなりますけど、そうじゃなかったら3時間スタジオ入ってて出番は25分とかそういうときが多いんですよ。曲作り初め段階とかだと、本当にぽつんと座ってるだけなんですよ(笑)。なのでそういう段階で仕事が入って来ると仕事優先で練習は休みますね。で、ある程度曲���できてきたら行ってダメ出しするみたいな。「いや~、それちょっと面白くないですよね」みたいな。めちゃくちゃ嫌な奴ですよね(笑)」
●何もしてなかったやつが急にダメ出し(笑)
「作ってる途中に聞いて都度言えばいいのに、聞いてないですからね。まあまあ出来上がってから、『いやちょっとその構成は…』みたいな」
●一緒にやってたら腹立つね
「そうですよね。みんな心が広いんですよ」
まあでも、やっぱり延々とポスト・パンクとかやってても全然面白くないですからね
●普段音楽ってきくの?
「最近は家で仕事してるんで、BGMとして辻井伸行さんが弾いてるドビュッシーのやつを聞いてます」
●それはどういう感情で聞いてるの
「僕は岩井俊二チルドレンなので、大学のとき部室でリリィ・シュシュのすべてを3回位みたんですよね。リリィ・シュシュってドビュッシーがBGMなんですよ。そこからドビュッシーのフォロワーになっていったんで」
●ドビュッシーのフォロワー(笑)ボーカルなのに(笑)
「あとはやっぱり赤い公園を聞いてますね。バンドキッズとして」
●聞いている音楽から影響を受けたりするの?
「普通に音楽を聞いても影響を受けようがない芸風ではあるんですけどね(笑)。しいていうと何年か前に友達の家が引っ越したときに、その友達のお母さんが仕事の関係でもらって放置されていたというEARTH WIND & FIREとかのLP盤をたくさんもらってきたんですよ。やっぱ僕は顔が濃いのでこういうところから影響を受けようと思ってもらってきました。影響を受けたというか受けようという能動的なやつです。全然詳しくないんですけど歌い方が楽しそうなんで良いと思います」
●それは最近のエミリーにつながる部分があるね
「そうですね。あれは飯田さんがそういうベースを弾けるというのもあるんですけど、ああいいう歌い方でみんなで歌ったら楽しいじゃないですか。なので曲作りながら、ここでファンクを歌いましょうということにして。それでファンクとかヒップホップとかそういうのが導入されて行きました。やっぱみんなで歌うのは楽しいですよね。バンドを初めた当初からは、もともとエンリケ先輩が曲作ってたんですけど、エンリケ先輩はファンクとかヒップホップとかはもともとそんなに聞いてないからそういう要素が入った曲はなかったんですね。飯田さんが入って幅が広がったのは良かったと思います。まあでも、やっぱり延々とポスト・パンクとかやってても全然面白くないですからね」
●厳しい(笑)
「面白くあることを重視するとってことですよ(笑)そういう視点だとずっと聞いてても面白いプログレとかないじゃないですか」
●まあね
「なので組み合わせて飽きないようにしている。全然そういう流れじゃないのにヒップホップとかファンクを急にやり始めると面白い。それでやってます」
昔ライブのあとにメンバーと話してたら、『あ、ボーカルの人も喋れるんですか!』って言われて(笑)喋れるんですかってなんだよって(笑)
●このバンドの印象はビーストの目線から見ると変わってきている?
「どうでしょうね。自分でやってることだから、だんだん変わってきたという感じなのでわかりにくいですね。初期から比べると間違いなく変わってはいますけど。ここが明らかに変わったとか、いつから変わったとかについてはあまり実感がないですね。個人的に変わったことと言えば、昔のほうがライブで疲れてました(笑)。手持ち無沙汰さや無策を暴れてごまかしてた。これについては腰がヘルニアになったのできつくなりました(笑)。あとあまり暴れすぎると本当に危ない人だと思われるので。
●そういうふうに思われたくないって気持ちはあるんだ(笑)
「昔ライブのあとにメンバーと話してたら、『あ、ボーカルの人も喋れるんですか!』って言われて(笑)喋れるんですかってなんだよって(笑)」
●素でああいう人だと思われてたんだ(笑)
「そう思われたらそれはそれで面白いんですけどね(笑)でも素でやばい人だと思われると期待に答えないとみたいな気持ちになっちゃって。根がエンターテイナーなので。そうすると生活が崩壊する」
●でも音楽性は別として、今まで他のメンバーの話も聞いてきたけど共通していることは、全員サークルの先輩が醸し出すような「ロックな感じ」みたいなのに触れたときに「ださい」と感じることだよね(笑)
「まあそれはそうでしょうね。(笑)そうじゃないとこんなバンド我慢ならない(笑)やらないとかじゃなくて我慢ならないですよ(笑)そういう意味ではよくこのバンドをやろうと思う人が集まりましたよね。募集したって集まらないですよ」
面白いのほうが『狙い通り』って感じがする。でしょ?って。
●じゃあバンドをやってなかったら何してたと思う?
「たぶんYou Tubeに一人で変な動画を上げたりしてたかもしれないですね。俺の音楽で世の中を変えてやるんだ!みたいな気持ちはゼロなんですけど、自分発で何かをやって「おもしろいね」って言われるのは好きなんですよ。とにかく色んな人におもしろいねって言われたい(笑)」
●おもしろが重要なんだ
「かっこいいより面白いがいいんですよね。面白いのほうが『狙い通り』って感じがする。でしょ?って。なのでYou Tubeに変な動画を上げて面白がられて喜び、リアルの知人には陰口を叩かれる生活をしていたかもしれないですね」
●かつてテニサー音楽を作っていた経歴を考えるとありえるね
「そうですね。それでテニサー音楽をYou Tubeにアップして炎上して怒られる。テニサー音楽って今考えると本当にすげえ陰湿ですね(笑)陰湿なやつだな。根が陰湿なんですよね」
今後は完全に『みんなのうた』に舵をきるしかないかもしれない
●今後挑戦したいことって何かある?
「これが難しいんですよ。いままでは、不謹慎だけどギリギリ許してもらえるかなというレベルのところを狙っていたんですけど、コロナもあって世の中が停滞してくると不謹慎なこと言えなくなるんで」
●超えちゃいけないライン変わってきてるよね
「ラインは完全に変わってきてるんですよ。僕が今一番悩んでるところです。世の中の暗いムードの中でブラックジョークっぽいことをやるのってかなり難しい。今までも狙いすまして、ここまでならギリギリ怒られないラインを探ってたんですけど。今もうそのラインが見えないんで。今後は完全に『みんなのうた』に舵をきるしかないかもしれない」
●なるほどね(笑)
「マハラジャの歌うたうしかない。知ってます?ラジャ、ラジャ、マハラジャーみたいな。(笑)。あの歌すごい好きなんですよ(笑)。あれはみんなのうたなんで、差別的な歌なんかでは決してないじゃないじゃないですか。でも『インドの子供がなりたいものは、ラジャ、ラジャ、マハラジャー』って大人が全力で歌ってたらおもしろくないですか?(笑)そういう怒られないし不謹慎でもないおもしろコンテンツを模索する日々です」
●難しいね
「今ビーストは岐路にたたされてます。はやくブラックジョークで笑っても良い日々に戻って欲しい。今僕の平和を希求する気持ちが、平和への祈りがすごいです。ビーストかダライ・ラマかって感じです。」
●ダライ・ラマ級(笑)ちなみに今後ダンボールで作りたいものはある?
「それも最近考えてて、これはメンバーには言ったんですけど、名古屋の方でオードリーが変な一般人を呼んで話すだけの番組があるんですけど、それにゾウを持っていって、次ダンボールで何を作ったらいいかわからないという相談をしようと思ってます」
●なにそれ(笑)
「バンドの話は一切せずに、ダンボールで次つくるものが思いつかないという相談をする」
●やばい趣味の人だ(笑)
「ちなみに早瀬さんは何がいいと思いますか」
●動物じゃないものとか
「なるほど。新幹線とか…飛行機とかいいかもしれないですね。武漢チャーター便とか」
●だめでしょそれ(笑)
「そうですよ!こういうのやっちゃいけない世の中なんですよ今は。まあでも無機物を作るのを課題として考えておきます」
●でも今まで話を聞いてきたけど、その奇抜な発想はどこから生まれたのかが全然わからなかったね
「僕も不思議なんですよ。すごい普通の家庭で育ったし。めちゃくちゃ真面目に暮らしてるし」
●根が真面目ではあるよね。発想だけが急に突飛なのは何なんだろう
「何なんでしょうね。やっぱり小1から遊戯王の漫画読んでたからですかね。あれカードゲーム漫画って印象の人が多いでしょうけど初期の遊戯王はすごかったんですよ。手の甲に札束乗っけてナイフで刺して、ギリギリまで刺して金を多くゲットした方の勝ちみたいな」
●なんだよそれ(笑)
「それで負けると木の葉が札束に見える呪いをかけられる。そういう漫画なんです遊戯王は���あれで人格が形成されたのかもしれない」
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moja-co · 5 years
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エロ単語集
海外アダルトサイトを楽しむときに、良く遭遇する英語(単語)をまとめました。参考にして下さい。 ■A■ anal・・・肛門。アナル。 anal sex・・・アナルセックス(肛門にペニスを挿入すること) ass・・・ケツの穴。肛門のこと ■B■ babe・・・ベイブ。ギャルとかか?若い女 ball・・・ボール、金玉、キンタマ BDSM・・・ボンテージSM bestiality・・・獣姦 big tits・・・巨乳 bitch・・・尻軽女 boobs・・・おっぱい blonde・・・金髪の意味 blowjob・・・フェラチオ breasts・・・胸、乳 ■C■ cameltoe・・・ラクダの爪に似ている所から、女性の食込みおまんこの形をあらわす時に使う chubby・・・太め・肥満。ぽっちゃり系 cock・・・ペニス crapping・・・うんこをする様(クソをする事) cum・・・男性、女性がイク瞬間に使う cumshot・・・射精 cunnilingus・・・クンニリングス。主に、男性が女性のおまん●を舐めたり愛撫すること ■D■ deepthroat・・・ディープスロート。喉元まで深くフェラすること dick・・・ペニス dildo・・・女性がオナニーの時に使う道具(張り型)。電動では無い場合を指すことが殆ど ■E■ ebony・・・エボニー。黒人女 ejaculation・・・男の場合は、射精。女の場合は、潮吹き(潮吹きに使う場合が多い) erection・・・勃起すること。 explicit・・・性器等がモロで見えるなどの意。 ■F■ fat・・・太め、肥満の意味。 facials・・・顔射。 fetish・・・フェチのこと。 fistfuck・・・フィストファック。拳をおまん●やアナルに入れるプレー。 fuck・・・本番行為。 ■G■ gangbang・・・乱交、輪姦のこと。 ■H■ hairy・・・毛深いの意。 hardcore・・・男女の絡み、一連の性行為。 hentai・・・海外で、エロアニメのこと。 hooters・・・これも乳のことだ。 housewife・・・専業主婦。 hustler・・・売春婦の意。 ■I■ incest・・・近親相姦のこと。 interrasial・・・異人種間の性行為。 ■J■ jack off・・・ちん●しごいて、射精すること。 jerking・・・ちん●しごくこと。 ■K■ ■L■ lactating・・・ラクティティング。母乳プレイの意。 ladyboy・・・主に、タイ・フィリピン等のアジア系のシーメールのこと。 lovejuice・・・愛液。先走り液。最近、あまり見かけない。 ■M■ mature・・・円熟した女。プロ。 melons・・・巨乳。 messy・・・体に色んな物を塗りたくって、遊ぶフェチの一種。 MILF・・・マザコン、熟女好き。 ■N■ nasty・・・いやらしい、エロいの意味。 necrophilia・・・屍姦。死体とセックスすること。 nipple・・・乳頭、乳首のことだ。 ■O■ old women・・・老婆 orgasm・・・オルガスム。性的絶頂。 ■P■ pedophilia・・・ショタ・小児性愛のこと。 pee・・・小便のことだ。 plump・・・ぽっちゃり系の女。 pregnant・・・妊婦のことだ。 pubes・・・チン毛。陰毛。 pussy・・・女性器のことだ。 ■Q■ ■R■ riding・・・騎乗位。 ■S■ saggy tits・・・垂れ乳のこと。 scatlogy・・・糞を体に塗ったり、食べたりするスカトロプレー shaved・・・パイパン。毛が無い女。 shemales・・・シーメール。チンポの付いた女。レイディーボーイ、ニューハーフ shit・・・脱糞、糞をすることだ。 smooth・・・体毛が薄い、スベスベの意。 slut・・・売春婦・あばずれ・軽い女の意。 softcore・・・hardcoreの逆で絡み無しの意。 sperm・・・精液 spycom・・・盗撮のこと。 suck・・・しゃぶる。吸う ■T■ teen・・・10代 threesome・・・3P。 tgirl・・・シーメールのこと。 tranny・・・シーメールのこと。 transexual・・・シーメールのこと。 Transvestites・・・女装者。 ■U■ ■V■ vagina・・・ヴァギナ。膣。 voyeur・・・のぞきのことだ。 ■W■ watersports・・・小便プレイ。 ■X■ xxx・・・セックスと同意で使う場合が多い。 ■Y■ yummy・・・美味い(手コキサイトで紹介しているYummyMAMAは、「美味そうな人妻」って感じ) ■Z■
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maru-ko-m · 5 years
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愛の入れ替え
思ったよりあっけなかった。 あの人と作り上げた小さなワンルームを離れる。 名残惜しむように引越しの前日までほとんどそのまま生きていた私の部屋は ものの2時間くらいで、がらんと、耳障りに音の響くからっぽの部屋になった。
飾ってくれた絵や、時計を、丁寧にはずす。 壁についた日焼けのような染みは、 私の心の染みに良く似ていた。
2年もそばにいると、 昔はやってくれてたのに進んで洗い物してくれなくなったり 洗濯も手伝ってくれなかったし。 でも、別れが近づいてきて、どんどん あなたの使った食器も、Tシャツも、なくなっていって 私の心の染みも、薄れていった。
生きていた。
ふたりは、ここで。
誰にも見つかることなく 誰にも認められることなく。 隠れるように、ここで、 泣いたり、怒ったり、笑ったり、傷つけあったりして あなたはついに、まっとうな旦那であり、父親に、戻っていった。
ふわふわの髪、不恰好な歯並び、つるつるの肌。
20歳の私を抱いた、35歳のあなたと 23歳の私が別れを告げた、38歳のあなたは 別人なんかじゃなかったはずで。
本当はあの日のままだったのに 不器用に、罪深く、愛し合って、壊れた。
あなたとの日々がなければ、私はまた、人を愛せなかった。 あなたがいるから、誰も愛せないと思っていたけれど あなたが教えてくれたのは愛だったんだと。
床の傷を想った。
あなたが教えてくれたこと、 野球のルールとか生活の基本とか 保険のこととか、 お花屋さんはだいたい一階にあることとか 銀座が美しい街だってこととか 枯れてゆく花の美しさとか 愛だけでは抗えない運命があること。
51 notes · View notes
ak144metal · 4 years
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さいたまスーパーアリーナ参戦記②
ムスメタル参戦
 2日目は,TOMOさんにシートのチケットを2枚譲ってもらえたので,ムスメタルと二人で参戦。
 高校までの送り迎えの時に車中で流してたので,彼女もBABYMETALを知ってた,というか興味津々だった。
 武道館のライブを流したときは,これ生で歌ってるの? こんだけダンスしながら?ってびっくりしてた。
 それから数年経って,やっと二人での参戦。なかなか一人で参戦する決断できなかったとのこと。
 スペシャルゲストのBMTHのことを話したら調べたらしくて,「かっこいい!なんでこんな人たちが呼べるの?」と聞くもんだから,父は語った,語った。「UKチャート1位取るグループで,金積んだからって来てくれるバンドじゃないよ。フェスで競演して認めてもらえたんだ。軒並み大御所からかわいがってもらってるからね,ベビメタは。」などなど。
 BMTHが終わって,「盛り上がったねぇ」って言うから「ふふん!」って顔してたら怪訝な表情。ベビメタが始まったときの会場テンションアップを見て「こういうこと」とのたまった。
 大興奮のライブを終えて,晩飯食べながら…
「このTシャツとタオルもらっていいんだよね!?」 (まあ,そのつもりだったけど) 「またライブ来ようね」 (よっしゃ!,はい親ばかですw)
実際には,いつ「結婚します」って言われても おかしくない年になっちゃったからなぁ 「あのライブは楽しかったねぇ」って よぼよぼになっても言っちゃうよw
半分感傷的になる父に向かって彼女は語った
(娘)もあちゃんプロ!    あの表情,あのダンス
   ももこちゃん?あのこカワイイ    ダンスのシンクロすごい    手・顔の角度揃ってるのは当然として    拍と泊の間の動きもぴったり揃ってて…
(父)あの子は,さくら学院にいる頃から    ダンスで目立ってた    振り付けから任されたこともあるんだ    もあさんが雑誌の��ンタビューで言ってたんだけど    アベンジャーズ三者三様で拍の取り方が違うから    自分が合わせているんだって…
(娘)できるの?そんなこと?    普通,サポート側が合わせるものだよね?    初日と2日目で違うメンバーが多かったんでしょ    そんな切り替えられる?!
彼女は,バレエをやってたせいかダンスにはうるさい 曰く,主役に合わせるのはサポートの仕事 しかし,普通は1か月とかあるリハーサル期間の中で じっくり合わせていくもので,日替わりで拍の取り方を 変えるなって正気の沙汰ではないということ
(娘)すうちゃんの歌すごい    上手いではすまない。すごい!    楽器みたい    声がすごすぎて,歌詞が頭に入ってこない
そして不意に,さみしげな口調で言い放った一言に父の言葉は詰まった
(娘)ゆいちゃん見たかった    ゆいちゃんのダンスはすごかった    あの可愛さは何?    特に目が大きいとかじゃないけど    お人形をそのまま大きくしたような感じ
とめどなく流れ出す賛辞 さすが我が子
私もゆいちゃん推しでさぁ…と言いかけると
(娘)え?! ぜったい最愛ちゃん推しだと思ってた
そ,そうなの?w 今日のオチがそこに行くとはw
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nemosynth · 5 years
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<デジタルシンセ戦国記 III ; KORG DW-8000>
●メーカー名
KORG
●機種名
DW-8000 Programmable Digital Waveform Synthesizer
61 鍵、ベロシティ・アフタータッチ対応 '85年発表、定価 198,000円
ご覧のとおり、サブタイトル的に「音色メモリー可能なデジタル波形シンセ」という意味の英語で銘打たれているが、ちょっとでもデジタルと言いたかった、つまりデジタルであると言えることが時代の最先端であった当事の世相というか、時代の流れに必死で追いつこうとしていたメーカーの意地のような気持ちが感じられる。
コルグ DW シリーズは ・2基のデジタルオシレーター ・1基のアナログフィルター(VCF) ・1基のアナログアンプ(VCA) による減算方式シンセであり、当時このようにオシレーターのみデジタルな機種は「デジアナシンセ」とか「ハイブリッドシンセ」と呼ばれた。
しかし当時のコルグは、あくまでデジタルであることを前面に押し出すことで、これを最先端の技術をもちいた一種のデジタルシンセ的存在として言いたかったらしい。そんなわけで、この時、倒産しかかっていたコルグの悲壮感を汲み取って、この「デジタルシンセ戦国記」に、ご登場いただく。
ちなみに時代は変わるもので、26 年が経過した 2011 年1月に発表された KRONOS の HD-1 では、デジタルシンセ用アイコンとして DW が、アナログシンセ用アイコンとして 800DV が、おのおのカラー表示されるようになっている。
●音源方式
D.W.G.S 音源 Digital Wave Generator System の略。
これだけでは、ただ「デジタル音源ですよ」と言っているだけで、あまり分からない。ai音源(advanced integrated:M1、Tシリーズ)、HI音源(Hyper Integrated:TRITON「トライトン」シリーズ)も、単に「はげしく集積しました」って言っているだけですよね。
現実の音をフーリエ解析し、その倍音構成を整数次倍音でのみ再合成。ここから1波のみ取り出し、音源波形としてプリセットし、あとはユーザーが通常の減算方式しかもアナログ回路で処理する。コルグが初めてつくったデジタルオシレーターであり「現実から得たデジタル音をアナログによる減算方式で処理する」という発想は、いうなれば現在のハイブリッドシンセの先がけでもある。
なお、DW-8000 における音源波形は、オクターヴごとにマルチサンプリングされたものがベースであったといわれる。
80年代終わりごろになると、DWGS 音源や PCM 音源は、まとめてウェーヴ・メモリー方式、あるいはウェーヴ・テーブル方式などと呼ばれた。ただしウェーヴ・テーブル方式とは、狭義では PPG-Waldorf が始めた「波形アニメ」的な方式を指すので注意。初代 DW-6000 では8種類あった音源波形も、DW-8000 では 16 種類に増えた。
●同時発音数
8音。
このころは、まだヤマハ DX を除けば最高でも6音ポリのシンセが多かったので、8音というのは微妙にアドバンテージがあった。コルグ Poly-800 なんか実は VCF が1基しかないパラフォニックで「ウソはっぴゃく」とまで言われたのに、それでも8音パラフォで「きゅっきゅっぱ」というコスパに、全世界の少年少女が乱舞したのである。
●内蔵エフェクトの性能と傾向
デジタルによる、ステレオ・モジュレーションディレイ1系統。
最大 512msec。独自の LFO を搭載しているので、モジュレーションかけてコーラスにもフランジャーにもなる原始的なマルチエフェクトとして、コルグは見ていた。デジタルであるということが、ここでも時代の先端を示すものであった。 とはいえ同社の名機 Polysix の、演歌ばりに泣きの入ったコーラス回路などとは、くらべものにならないくらい地味な効き味。ま、京都の薄味みたいなもんで、素材の味を大切にしはるわけどすな、はい京都生まれです私w
●内蔵波形、プリセットの傾向
16種。
普通のサイン波や鋸歯状波なども搭載。それ以外の波形は、現実の音を元にしてはいるので、ややリアルではある。しかし整数次倍音でのみ再現しているため、どこか音が甘い。しかも単に1波ループであるため、VCF / VCAエンベロープをかけないかぎり無表情なまでに一定の波形。つまり、PCM シンセのような、音源波形を出力しただけで完パケの音になるような便利さ安直さは、ない。
波形の元ネタは、生ピ、ベース、サックス、ディストーションギターなどあり、ただし前述のように生き生きとした PCM 波形ではないため、あくまで無表情な1波ループである。
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時代なのは、DX エレピを元にしたと思われる波形があることで、たしかによく特徴が出ているが、やはり正弦波合成による1波ループのため、これをそのまま使ってもせいぜい DX エレピの劣化コピーみたいにしかならず、うまく独自の味付けを考えて音創りするほうが良い。
金属ベルを元にした波形などは、非常におもしろく、DX エレピとはまた違った実に情感ゆたかなエレピ、それも DW-8000 でしか出ないエレピにしたり、金属的なパッドにして輝く雲のように演出させたりと、いろいろと使いみちがある。
鋸歯状波などはベーシックな波形のはずだが、やはり DW-8000 ならではの個性があり、はやりの JUNO-106 のような涼しげなストリングスにはならず、どことなく中域に倍音が密っぽいというか、なんとなく暑苦しい音になるのも、プログレにファンが多いコルグならでは、か。
波形メモリーには、256k bit ×4個のチップを使っているそうで、すなわち1メガビット、ということになる。仮にサンプリング周波数が8bit とすると、128 キロバイトの波形容量ということになるが、1波サイクルしか保存していないはずなので、これでも充分であろう。オクターヴごとにさりげなくマルチサンプルされているという噂があるが、聴いているぶんにはスプリットポイントが分からない。
8バンク×8音色= 64 音色メモリー。すべて上書き可能。 プリローデッド音色がどんなであったかは、すべて私の音色となってしまった今となっては知るすべがないが、Polysix のすごいやつを期待すると 「なんやしらんけどヤマハみたいな整った音やな。コルグにしては、ちょっと細いんちゃう?」 とい��感触をもつかも。
しかも最後はアナログのフィルターとアンプを通るので、どっかダイナミックレンジも狭く、S / N も色あせた、それでいて渋い音になる。
液晶表示による文字表示機能が無く、7セグ LED 数字表示しかないので、音色名も当然ない。しかし意外に簡単につかいこなせる。むしろ「下手にバイオリンなどという名前をつけますと、そのイメージにひきずられて、自由な発想ができません」とまで開き直っていた当時のコルグの恐るべき哲学(いや、ごもっとも!)と、なぜかオプションの MEX-8000(後述)取説に付属してついていた紙1枚だけのプリセット音色一覧表しかも音色に名前つきおまけにネーミングセンスがハズしているという謎の存在とが、過渡期の混沌ぶりをしのばせる。
●エディットの自由度と可能性
パラメーターの解像度は粗い。これはその後しばらくのコルグ製シンセすべてに言える事で、限界値が低いことや、解像度が粗い事もあって、実は緻密なエディットができない。しかしカタログを見ると「デジタルを越えた美しい音」とある。シンセはスペックではなく、実際に出てくる音でこそ勝負が決まる。これがコルグらしいこだわりであるとともに、私のような音色フェチには、ちょーっと寂しいというか「もーちょっと口あけてほしいなぁ」と言いたくなるところでもあり、その一方でカタログ通り美しい音にシビれ、その頑固一徹さに敬服するところでもある。
2 Osc. → 1VCF → 1VCA と、いたってシンプルな構造だが、残念ながら PWM やリング変調、クロス変調、ハードシンクなどのオシレーター変調は一切無い。そのぶん、倍音が豊富な音源波形の組合せとツインオシレーターでのピッチインターバルなどに、命をかけることになる。これが結構おもしろい。双子のメインオシレーターとは別個に、ホワイトノイズジェネレータを搭載しているのも良い。
スプリットやレイヤーは不可能、むろんマルチティンバー駆動も不可。ただし私が毎回はずさないユニゾンモードは、ちゃんとついていて、倍音の多い音源波形で本領発揮。コルグに独特の、異様にキツいフォルマントをもったディストーション系リード・サウンドは、このあたりから頭角を現してきたように思う。 さらに、ポリフォニック・ポルタメントを実現すべく、普通のローテーション・アサインの他に各ボイスを積み重ねる発音方式も用意されているのは、時代。
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VCF は、VCA とともにコルグ独自設計のチップ NJM2049 により実現されている。Polysix まではラダー型の SSM2044 だったが、Poly-800 からは、この独自設計の Quad OTA VCF チップに交代。マイナーな DW にあって、アナログ回路部分はさらにスルーされるきらいがあるが、どうして��かなかまろやかに効く。しかも DWGS 音源によるデジタルオシレーターの音も、この VCF を通すことでアナログらしく色あせてくぐもった感じになり、ダイナミックレンジも狭くなってかえってレトロで良い、味わいぶかい。
このチップは、この次の DSS-1 / DSM-1 でも採用され、サンプリングした音がおもしろいほど変化するところを聴いてもわかるとおり、隠れた名器である。そしてヴィンテ・コルグ時代最後のアナログフィルターであり、アナログ世代最後の音へのこだわりの結晶となった。
ちなみに DW-8000 は8ボイスなので、このチップが8個搭載されているが、Poly-800 では1個しか搭載されないパラフォニック・シンセだったため、前述のとおり当時から「ウソはっぴゃく」と言われるも、誰もそんなこと気にせず、もうあこがれのシンセが手に入るただそれだけですでに嬉しかった。
EG が、フィルターとアンプとに個別にあるのも、当時としてはすばらしい。しかも、ADSR より1点多い ADSSR 方式(Attack、Decay、Slope、Sustain、Release)を初めて採用。上下反転させれば、ちょっとした複雑なアタック・トランジェントも演出できた。当時コルグが、これを誇らし気に DEG すなわち、でぃぢたるえんべろーぷじぇねれぃたぁ、と呼んでいたのが、これまた時代。どこまでも「デジタルシンセ」と言いたかったコルグの悲哀。しかも、極端に遅いエンベロープを組むと、階段状の音色変化が露呈してしまうのがご愛嬌。
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またピッチ EG の原型として、アタック時に自動的にベンドアップ / ダウンさせる機能だけがあった。極端に高い音程から、極端に短い一瞬で落下するようにかけると、例えばスラップベースのアタックにて「キュッ!!」と弦っぽい感触が得られてリアル。
画期的なのが、コルグとしては初めてキーベロシティとアフタータッチとの両方に対応していることで、豊かな倍音の音源波形、多ポイントの EG、オシレーターのピッチインターバルなど合わせて、じつは表現力は多彩である。先述の情感豊かなベル波形エレピの音などは、ほんとうに良い音なので、持っている人はぜひぜひ試行錯誤してみて下さい! ネモ秘伝の作りかたを、以下の通り大公開!
『15番の金属波形と13番の波形とを使用。 VCF-EG は、アタックに鋭いピークをつくってから、ゆっくり減衰するように設定。つまりディケイまでをほとんど一瞬で終わらせ、そこからスロープを使ってゆっくりとしたセカンド・ディケイを演出する。ベロシティによる VCF の開閉具合と、この「コツ」っていう VCF のアタックでのピークとの調整が、ほんとうに微妙だが、デジタルなので安心の再現性 笑。エンヤの光輝くピチカートにセカンド・ディケイをくっつけた、くらいに聞こえるほうが良い。強いキータッチで DX ベルを彷佛とさせつつも、上品に倍音を抑えれれば完璧。弦をつまびいているようなデリケートさを兼ね備えた、素朴だが極上のエレピを耳にしたとき、「えー、これ当時はアナログシンセに分類されてたのー?w」と貴方が思うこと請けあい。 ついでに蛇足ながらアタックがカカっと2回聴こえるように内蔵ディレイをひかえめなレベルで設定してみると、さらにアタックが特徴的に思えて効果的。』
あとコーラスギターの音をつくると、バンジョーの明るい風味ありつつも古いギターのように甘いといおうか、デヴィッド・シルヴィアンの曲で使えそうな感じに飴色な夕暮れな感じがでて、なんとも不可思議なギターになって最高。これも手の内をちょろっと明かすと:
『音源波形には6番と10番を使い、VCF カットオフはこもらせ、レゾナンスは少し上げ気味に、フィルター EG デプスは軽く減衰がわかる程度にする。ベロシティでカットオフが大きく反応するように。』
未だにこの2音色を超える音色は、手にしていない。
フロントパネルは、Poly-61 以来の悪しき伝統で、たった1本のデータエントリー・スライダーを除いてツマミを一切排除した設計。この為、昨今のリアルタイムぐりんぐりんには、とうてい向かない。はっきり言って操作性は悪い。 しかし、のちの DS-8 や M1 に始まるワークステーションに受継がれたパフォーマンス・パラメーターと言う機能があり、DW-8000 では任意の1パラメーターのみを、スライダーにアサインしておける。任意の、というところがポイントで、応用すれば MIDI チャンネルすら演奏中にスライダー1本で変えれるため、マルチ音源をスレイヴにするときいい。ここまで出来るのは、DW-8000 くらいなものであろう。
また音色切替のために十の位だけを止めておくバンクホールド機能が、はやくもついていたが、DW-8000 ではこれをエディット中にパラメーター・ナンバー選択時にも使えるのが、気が効いている。フィルター関連は 30 番台、VCF EG は 40 番台、VCA EG は 50 番台、ディレイは 70 番台というふうに、パラメーターがわかりやすく配置されているので、バンクホールドも役立つのだ。
その場かぎりのアルペジエイターも搭載していて、打鍵した順番を忠実にリピート再生してくれるモードには拍手! 最大 64 ステップの簡易シーケンサーとして使えるので、内蔵ディレイと組合わせれば、工夫次第でいくらでも複雑なパターンを演出できた。しかも MIDI 同期可能! このおかげで、「音源波形も面白いし、実質的にはコルグ初のワークステーションなんちゃうのん?」と言いたくなるくらいの実力があった。Poly-800 には、ほんとにシーケンサーがありましたね。
音はどうか? どちらかと言えばカマボコ型には違いない。しかし、自作した音色を聞きかえしても、DWGS ならではの、つまりフォルマントが半端にはっきりした正体不明な音が多い。とはいえ Polysix のような、VCO の出力が過大で VCF 内部でクリップしているような、中域の太い乱暴さはない。無理なく音がでている感じがする。そしてアナログにしては、はんぱに明瞭な音がする。
しかも最後はアナログのフィルタ���とアンプを通るので、不思議に S/N もダイナミックレンジもちょっとくぐもったアナログシンセの音になる。CZ が VA っぽいなら、DW はアナログっぽいというか半端にデジタル半端にアナログな音色になる。あたりまえながら、デジタルシンセをアナログのフィルターバンクに通した雰囲気。
元の音源波形の由来を、とことん無視して音を作ると面白いが、それでも半端に軽く、半端に明瞭で、半端に太く、結局なにで作ったのか分からない音になるところが、実は一番の特徴。正体不明ながらに個性的で、じつは私がなによりも好きなところでもあった。
●拡張性
あるはずがない。
しかし偉いもんで、あったのである。MEX-8000 という弁当箱のようなサイズと形の周辺機器があり、これがなんとシステム・エクスクルーシヴをためこんで吐き出すだけの、RAM ボックス(!)であった。256 音色までストックできたが、データサイズが小さいので転送時間は一瞬で済む。64 音色バンク単位で送受するので、1音色だけロードとかは不可。おまけに、なんの表示もしない味もそっけもない弁当箱である。私も愛用していたが、どこになにをセーヴしたか、とんと思い出せないまま愛用。しかもバックアップ電池が必要で、これがまた乾電池であった。これを外すとえらいことになるので、AC アダプターが必須。
なお、この MEX-8000 は、DW-8000、DW-6000、Poly-800、Poly-800II、DVP-1 で使うことができ、相手となる機種を切り替えるには、本体にあるディップスイッチを使う。
DVP-1 って、変なヴォコーダー兼ピッチシフター兼ヒューマンボイス5音ポリ音源モジュールで、じつはおもろかった。
DW-8000 はコルグ最初期の MIDI シンセのひとつなので、Sys-Ex で音色をバルクダンプするにも、1音色ずつしかセーヴ / ロードできない。一括で送受信するには、いちいちプログラムチェンジを送信し、その上で1音色ずつデータセーヴリクエストなどを送信しないとデータを吐かないので、普通のバルクライブラリアンでは対応できないことがほとんど。
よって、むしろカセットテープ・インターフェイス内蔵であることを生かし、そこから出る音声データを DAW などで wav ファイルにでもするほうが、実は手軽だったりする!
●あなたにとっての長所
アナログでもデジタルでもない「これ何で作った?」というような正体不明の音色が、なによりもおもしろい。そして比較的簡単におもしろい音がたくさんつくれて、しかもタッチセンスにより表情がつくところが、また良い。VCF と VCA を通るためか、アナログっぽく S/N も悪いダイナミックレンジも狭いが、それがかえって渋い渋い渋ーい音色になるんですけどね。
私が手にした機材では、もっともつきあいが長かった。さんざん使いたおしたので、120 パーセント使いこなしました、と胸はって言える。
●あなたにとっての短所
今となっては、PCM シンセの方が多芸で音も多彩。さらに DW は、パラメーターの解像度は粗い、鍵盤のタッチも悪い、MIDI 受信したときのレスポンスの遅さは逸品。
せめて片方のオシレーターの直後にアンプ・エンベロープが独自に装備されていたら、もっと使い勝手が良かっただろう。これを克服するには第二オシレーターのピッチを極端に上げて倍音群として扱い、VCF-EG でその倍音群が一瞬だけ目立って聴こえるよう時間軸上のピークを作り、なおかつピーク部以外を削り取ってしまう事で、あたかも VCF-EG で第二オシレーターの音量まで制御しているかに見せる方法があった。見ろ。文句言うだけじゃなくて、ちゃん使いこなしているだろう!
●その他特記事項
中古でもあまり人気がないらしい。PCM ほどは明解な音がせず、かといってアナログにしては整った音がする上に、なんせのっぺりフェイスのせいで、リアルタイムで操作しにくいとなると、中途半端な印象をもたれるのだろう。確かに出音は、軽めのアナログっぽくもある。
発売当時も人気が無かった。なんといっても正真正銘フルデジタルの DX が、人気絶頂だったのだから、無理もない。
そもそも DW-8000 は、ヤマハ DX7によってどうしようもなく劣勢に立たされたコルグが、それでもなんとかして生き残りをかけて開発した機種である。
81年:Polysix 発売、24 万8千円、VCO ×1基、6音ポリ 82年:Poly-61 発売、17 万9千円、DCO ×2基、6音ポリ 83年:ヤマハ DX7 発売、24 万8千円、フルデジタル、16 音ポリ 84年:DW-6000 発売、18 万4千円、ハイブリッドシンセ、6音ポリ 85年:DW-8000 発売、19 万8千円、ハイブリッドシンセ、8音ポリ
Polysix といい Poly-61 といい、発売したての新製品が、たった1年か2年で、それこそもう回復不能なまでに時代遅れになってしまうなど、いったい誰が予想しえたであろう。
だが、それがために DX7対策として開発された DW-8000 は、なかなか完成せず、焦ったコルグは「ぜがひでも早急にデジタルシンセを!」ということで、急きょ、DW-6000 を開発し、先にデビューさせた。
両者をくらべると、こうなる:
DW-6000 ・’84 年 12 月発売 ・18 万4千円 ・6音ポリ ・6種類の音源波形 ・アフタータッチのみ対応 ・コーラスのみ内蔵 ・CPU×2基
DW-8000 ・’85 年9月発売 ・19 万8千円 ・8音ポリ ・16 種類の音源波形 ・ベロシティとアフタータッチとに対応 ・モジュレーションディレイ内蔵 ・CPU×1基
すなわち、定石通り CPU を1基だけで DW-8000 の開発を進めていたが、どうにも開発が遅すぎるというので、後から DW-6000 の開発が始まり、CPU を贅沢に2つも投入することで、重たいままの未熟なソフトウェアでも走るように、とにかくなんとしてでもマッハでデジタルシンセを発売し、世のトレンドに乗り遅れまいとしたのであった。
そんな悲壮な機種 DW-6000 は、当然ながら中つぎもいいところで、デビューして1年たたずに DW-8000 にバトンタッチすることになってしまう。だいたいユーザーはそんな事情を知る由もないから、せっかくお金貯めて買った DW-6000 が、一年たたずして後継機種に引き継がれるというアゴがはずれそうな事態に。
今から見れば、DW-6000 も Poly-61 も、なかなかいい音がする。 しかし、ヤマハ DX シリーズが破竹の勢いで新機種を投入し、鉄壁のラインナップを広げ、DX9という失敗作が出てもぜんぜんへっちゃらなくらい売れまくっていた当時。そうこうしているうちに、カシオという思わぬ新規参入メーカーがあらわれ、お得意のデジタル技術でもって賢い安い CZ シリーズを、これまたラインナップ展開させて売れまくる。時代はすっかりデジタル。フルデジタルでなければ遅れている、とみなされた世の中。その双頭をなすXとZに食い込まんとしたWは、フルデジタルになりきれず、MIDI 対応も中途半端で、それでもなお「デジタル」と言いたかった DW シリーズなのであった。
だが、そんな必死のぱっちの努力もむなしく、頼みの綱 DW-8000 が売れなかったせいもあってコルグは倒産しかかり、遂にヤマハの子会社となった。チップの設計をヤマハに委託したことで、しっぽを掴まれてしまったのだという説もある。
無念。
しかし繰返しになるが、DW シリーズの音色は個性的であるだけでなく、正体不明ですらある。まじめな楽器シミュレーションをめざして作られている以上、気品のある音もつくれて、しかも「これ何?」と言わせる謎めいた感じがする。元来シンセは、正体不明な音がするから面白いのであって、既存の楽器と同じ音がしては、いかんのでは無かったか? 他人と同じアナログではしっくりこない諸兄には、実は DW、うってつけかもしれん。中途半端な太さと輪郭をかねそなえたユニゾンモードでのスラップベースの音とか、そのうちにブレイクせんやろか? TX81Z と重ねると、またおもろかったりすんねんけどなぁ。
事実、海外では DW-8000 や音源モジュール版 EX-8000 を、Sys-Ex でもって外部制御することで、DW の固定観念をくつがえすぐりんぐりんのアナログな操作と音色変化とを実現している人がいたりする。
ジョー・サヴィヌルは prophet-5 を売って DW-8000 を購入したという、いま思えば奇特な方である。一時期のキース・エマーソンは、DW-8000 のラック版 EX-8000 を数台(ちなみに、まぎらわしい EX-800 という機種もあり Poly-800 の据置型モジュールである。これも使ったらしい)、Kurzweil K250、Oberheim Matrix-12、YAMAHA TX816 など、そうそうたる面々と重ねて図太いブラスの音を出していた。Emerson Lake & Powell のアルバムを聴けば、その咆哮に出会える。
そう、DX7よりも DW-8000 のほうがブラスやストリングスなどの音色は分厚いことは、すでにこの当時、誰もが知っていたのである。
その後も DWGS 音源の開発は進み、同社初のサンプラー DSS-1 は、DW-8000 の構造をそのままに音源波形をサンプリングに解放した、まさに DW-9000 とも言うべき構造になっていた。そしてコルグから DSS-1 用に発売されたサンプルライブラリーの中に、しっかりと DWGS で合成した半シンセ波形の数々も、おさめられていた。なんせ1波ループなので、メモリーもディスクスペースも消費しないのが良い。
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やがて DW シリーズの設計思想は、今度こそ何度めかの正直として社運をかけて開発された M1 にて、遂にフルデジタルの減算方式しかも二系統駆動可能となって具現化した。その音源波形には、DW-8000  に搭載されていた DWGS 波形の大半である 14 種類が移植され、さらに9種類が新規追加、DW を越える合計 23 種類もの DWGS 波形が、あまたの PCM 波などとともに収録され、結果、M1 の音源波形は 144 種類に達した。かくもぎゅうぎゅうに音色資産を充填された M1 は、待望のフルデジタルシンセというだけでなく、ワークステーションシンセという名の開祖となり、コルグ決死の起死回生満塁ホームランを放ち、たった一機種で十万台以上も売れるという前代未聞の快挙を成し遂げ、コルグがヤマハから株を大量に買い戻すための救世主となった。
XとZという双璧の時代からコルグを救うはずだったWは、ひっくりかえってMとなり、もう一度ひっくりかえって、まさにワークステーションのWとなって、コルグどころか楽器業界まるごとトレンドを変えることになる。 そして今、もはやXもZも現存しない。
その後も数々のコルグ機種に伝統芸能のごとく搭載されつづけた DWGS 波形、最新機種にまで搭載されているのも興味深い。
最後に、DW-8000 そのものは、なにかと不運なシンセだが、ここで初めて搭載された機能は、DWGS 音源のほかにも数多い。 例えば多ポイント EG や、MIDI 同期アルペジエイター、内蔵デジタルエフェクト、タッチセンス、パフォーマンス��パラメーター、原始的なコンペア表示などなど。いずれも未熟とはいえ、その後のコルグ・シンセを形成するに必要不可欠なものばかり。中にはポリフォニック・ポルタメントのように、その後、ひさしくコルグから聴けなくなったものすらある。パラメーターの解像度は粗いが、かたくなに出音の個性にこだわった頑固さにはただただリスペクトし合掌するばかり。人によっては、これが最後のコルグらしい音のするシンセだと言う人すらいる。そして何よりも、全体に貫かれた分かりやすさと親しみやすさへの配慮。まさしく現代コルグ・ワークステーションの原点となった機種であり、永遠にコルグ中興の祖の、そのまた礎となった名機と言えよう。
聴け! 未来のコルグへの胎動は、ここにあり!
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ari0921 · 3 years
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)5月28日(金曜日)
通巻第6926号
 ネット錬金術でのし上がった坊主頭、ぎょろ目男のぺゾスが引退
   アマゾン、今度はMGMを84・5億ドルで買収する目的は?
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 メトロ・ゴールドウィン・メイヤーズ(MGM)はハリウッド映画の象徴だった。大ヒットは「007シリーズ」、ロッキー、そしてピンク・パンサー。映画は斜陽産業と言われたのに、過去のライブラリーのヴィデオ化、キャラクターの知財のロイヤリティ収入などで延命してきた。
 昨今はハリウッドにチャイナマネーが流れ込み、反中映画が作られなくなったうえ、映画製作のスタジオ、映画館チェーンも中国企業が買収してきた。ダライラマ支援の映画に出たリチャード・ギアらは干されてきた。
 このMGMをアマゾンが84・5億ドルで買収するという。系列のケーブルtvやtvショーも含まれるが、いったい目的は何か?
ネットフリックスへの対抗だけが目的だろうか。
 アマゾンは驚異の急成長で、第一四半期だけでも70億ドルの純利益を上げていると言われ、さきにも高級食材チェーンの「ホールブーズ」社を137億ドルで買収、またピルパック(オンライン薬局)とリング(セキュリティ器具)をそれぞれ10億ドルで買収し、アマゾンの販売ルートに載せ、靴販売のザッポスを12億ドルで、自動運転技術のズークスを13億ドルで買収した。
 通販の主力となるような商品メーカーを資本力で傘下にしれ、ビジネスを短時日裡に拡大した背景は、こうした強引とも言えるM&A(企業買収、合併)戦略があった。
しかもCEOのペゾスが名門ワシントンポストを買収したため、トランプ前大統領が目の敵に批判し続けた。ワシントンポスト紙は民主党支持できわめてリベラル色が強い。
 筆者が最初にペゾスを認識したのは1990年代後半、米週刊誌『ビジネスウィーク』にでた写真で、大きなぬいぐるみを抱えて街を歩く、ぎょろめ、丸坊主の異様な風体の男がアメリカの産業界に旋風を起こしているという記事だった。
筆者には『ビジネスウィークの読み方』(ダイヤモンド社、絶版)を書いていたので、この週刊誌は愛読誌である。
昨今のヴィジュアルメディア業界は、ディズニーがFOXを買収、バイアコムがCBSを合併、AT&Tがタイムワーナーを買収という戦国時代を迎えており、三年前まではチャイナマネーが巨額買収物件を探しているとするニュースにあふれたものだった。
アマゾンは1994年に書籍の三割引き販売で注目され、のし上がってきた新興企業だが、すでにペゾスはイーロン・マスクに次ぐ世界富豪第二位。
アマゾンのプライム会員は世界19ケ国に1億5000万人がいる。
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