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#大弛小屋
gayxiaoshuo · 11 months
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两个少年在学校里初尝禁果-男男同性gay小说
学校的生活紧张而平淡,幸亏有L的陪伴,生活才过得平淡而温馨。内心里充满了一种平生从未有过的挂念与爱意。  我们的班主任老师,一位师专毕业的大学生,是一位未婚的年青帅哥,大眼睛,很浓密很性感的粗胡子,天天刮,天天长。他是一个忧郁的人,他的忧郁无时无刻不挂在他的脸上,这是他给与我的最深的印象。  他很少打蓝球,他根本就不是块打蓝球的料。我们学校的老师经常组织蓝球赛,可能是人手不够吧,每次都有他的份儿。站在球场边看他们打球,总感觉我们的班主任彭老师好C,好与众不同。  他每次投球或传球不好时,都会自嘲地笑,会不由自主地用兰花指摁着肚子笑,笑得软绵绵的像个女人。而每到这个时候,我内心总会产一种奇怪的念头,这种念头好模糊,一直到很久以后我进入了同志圈,接触了各种形形色色的同性爱朋友,才突然感觉到我们的班主任彭老师,其实是一个不折不扣的同性爱者。后来,他也结了婚,结了以后没多久,又突然的离了。  那时在学校读书时,每次彭老师要回老家时,都会让L晚上睡到他房间里去,说是给他守屋。其实他房间里除了几本书,还能有什么值钱的东西?  我感到奇怪,除了这种奇怪的感觉以外,至于他和L,两个帅哥碰到一起,是不是偷偷摸摸地有过什么,我一点也没有去多想过,也一直到后来我进入同志圈以后,我才在这方面产生过一些疑问或好奇。  这天,彭老师又回老家了,晚自习后L突然叫我跟他一块而上彭老师房间睡觉。我当然应允。想想大半年了,我和L从来就只是在寝室里偷偷摸摸的互相抱抱摸摸,说真的,现在想来,我们从来就没有真真正正地做过一次爱,可能我们跟本就不会做爱。我才15岁,他16岁,可彭老师已有二十三四了呀。如果他们俩人有过什么,他应该也会传授到我身上来呀,感觉一切都是不解之谜。可其实也不见得,那时信息闭塞,思想保守,以为这一切都是肮脏的,变态的,加之年青不懂,可能一切就这样迷迷朦朦吧。  跟着L来到彭老师的寝室,我心里不知是什么感觉,有点亢奋,有点不知所措。该睡觉了,俩人脱了衣服上床,依然跟过去一样,我们都穿着内衣内裤。  依然跟过去一样,我们紧紧地拥抱着,脸贴着脸,相互在对方的身体上抚弄着,慢慢地,心潮开始澎湃起来,L像往常一样,突然爬到我身上压住我,用他下身那坚挺的小弟弟顶住我弟弟,并开始在我身上摩擦起来。 购..Hh文、激.素.飙升.涩.色雯:l m y p 9 8 7 6  。我一兴奋,一激动,不知哪来那么大的勇气,一把将他的内裤脱了下去,然后又蛮横无礼地将他的内衣脱掉,把我自己也脱得一丝不挂,然后俩人紧紧地拥抱着。  哦,天啦!我像要窒息了似的感到一阵晕眩,肌肤的相亲,竞让人如此地美妙和销魂。这是我俩第一次赤身裸体地拥抱,两个小弟弟像两个焚烧的火体,滚烫滚烫地顶着对方。  我也感觉到了L的紧张和激动,他喘着粗气,抱着我似乎有点惊恐得不知所措了,俩人就这样抱着,紧紧地一点松弛的空隙都没有,生怕一松动,对方就会逃跑似的,肉体像火一样滚烫,刺激着我们兴奋的神经。  慢慢地,我们从最初的恐惧中恢复过来,L开始急不可待地在我身上动作起来,口里呼出的气息紧张可闻。他在我身上不断地懦动着,一会儿功夫,他瘫了下来,软软的倒在我身上。  我兴致未减,突然一把掀开盖在我们身上的被褥,抬起头来看见两个一丝不挂的男体紧紧连在一起,这也是我第一次看到另一个男人的身体。  这天晚上,我们睡得很香。
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gaetanchiao · 19 days
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超人 洗腦掰彎淫墮(下)
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「當然,只要你接受你的懲罰,我猜你的話可能還算有點兒重量。」
「我的……懲罰?」超級英雄緊張地問。
「當然了,」雷克斯帶著一抹奸笑回答。 「你說過如果你再次行為不檢,我應該把你拉過我的膝蓋,給你一頓打。」
「你不是認真的吧?」驚愕的英雄不敢置信地吠叫。
雷克斯看著他,挑了挑眉。
「所以你也是個騙子。哎呀,當這個消息傳出去的時候!」
他停下來,讓這句話的全部影響深深打動對方。
超人在心理上完全迷失了。他試圖思考,但被這場瘋狂的邏輯之旅搖晃得不行。他再次深深地吸了一口氣,發現那迷人的古龍水如此不安。他以一種聽起來很可憐的語氣回答:
「我不撒謊,真的。」
「那就證明給我看。」雷克斯回擊道,他坐下來,拍了拍自己的大腿。
「但我不會被人類的東西傷害到,」超人突然說道,鬆了一口氣。
「你腰間那條來自你星球的腰帶,」雷克斯打著哈欠說。 「給我!」
這位困惑的超級英雄畏縮了。他現在真的被逮個正著。如果他拒絕接受這種羞辱,他就會證明他昨天的話是謊言。他的聲譽對他來說意味著一切。
「好吧,」他嘆了口氣,一邊脫下他的腰帶。 「但只能打幾下!」
「只有當你答應做個乖巧的小男孩,我才會停下來,」雷克斯一邊調侃地說,一邊拿起皮帶。
超人搖了搖頭,輕輕地將他高大健壯的身軀屁股朝上趴在雷克斯的腿上。
「繼續吧,」他咕噥道。
令他震驚的是,雷克斯迅速伸手到超人的腰間,迅速地將英雄的萊卡制服拉下,完全暴露了他的臀部。
「這特麼是什麼?」
英雄驚叫著,發現自己的屁股赤裸裸地趴在那人肉感十足的大腿上。他開始試圖起身,但雷克斯利用這個上升的動作,先是緊緊抓住然後從前面猛地拉下萊卡。現在,制服完全滑落到超人的膝下了。
超人停下來,他知道如果現在從雷克斯的腿上站起來,結果將會是完全暴露他的生殖器給雷克斯看。
「你從來沒說過這部分。該死,」他在羞愧中呻吟著,慢慢坐了回去。
他決定將就這種羞辱性的活動默默忍受。超人下定決心,在雷克斯面前不顯露任何情緒。
「他會看到,一個真正的男人不會因為像他這樣的人而感到痛苦!」
此外,他決心不給雷克斯任何滿足感。
「繼續吧,」他怒喝道, 「盡你最壞的招數吧。」
他懷疑雷克斯那更為鬆弛的身體沒有多少力量真的傷害到他。
「還在用髒話,我看到了。嗯,壞孩子必須學會教訓,」
雷克斯笑著說,當他舉起皮帶,狠狠地打在超級英雄雙硬實的屁股肉上!
「嗷嗚!!!!!」
-
雷克斯坐在他的書桌前,抽著雪茄,露出勝利的笑容。他的腦海中重播著就在幾分鐘前發生的所有事情。那位健壯的老年男子在腦海中回想起那些完美圓潤、帶著酒窩的球體從他膝上的位置仰望著他的景象。
看到那位更高大、肌肉更分明的超級英雄陷入那樣的境地,真是令人陶醉。他能看出超人每一秒都在痛恨自己的困境。凝視著那翹起的屁股和英雄那雙修長、形狀完美的腿,雷克斯知道他正在取得進展。 「你會感受到每一擊,」他在打出第一下之前的最後一刻說道。
「啊,他確實感受到了,」
雷克斯回想起超人在自己的皮帶每次擊中時如何嚎叫和啜泣,忍不住笑了。
「哦。哦……啊嗚哦,」
那個壯碩的傢伙哭喊著,當他那誘人的白皮膚變成一片紅色的瘀痕時。
看著掙扎的超級英雄的腿上下翻飛,雷克斯感到無比的幸福。在他打他的「小子」時,雷克斯不斷地聊著天,告訴超人他有多壞,以及雷克斯知道這正在讓他興奮。
「這真的讓你心理扭曲了,」
雷克斯回想起超人的陰莖很快就開始變硬時,忍不住笑了。雷克斯回憶起那個傢伙在意識到這屁股打擊讓他興奮時發出的窒息般的哭喊。雷克斯的粗壯大腿感受到超人的硬挺陰莖壓在上面。
雷克斯殘忍地上下搖晃他的大腿,摩擦那個勃起。雷克斯輕蔑地咆哮著,
��讓你求饒,」當他的腦海中回想起那位現在已經動搖的英雄的話。
「我會乖乖的。請停下來。」
「我說的是乖巧的小男孩!」
雷克斯嘲諷地回答。他用大腿向上壓迫英雄的陰莖下軸,同時更猛烈地抽打超人現在已經紅透的屁股。
「我會是一個乖巧的小男孩,」
超人在射精到雷克斯腿上的幾秒鐘前喘息著說。
雷克斯看著曾經如此自信的超級英雄站在他面前,制服掛在腳踝處。他紅著眼,雙手摩擦著自己的屁股,不敢去看雷克斯的臉。他那相當引人注目的陰莖上閃著精液的痕跡。
雷克斯靜靜地讓那個壯漢站在他面前,一邊擦拭著自己腿上的超人的乳霜。
「真的,你需要一些自制力,小夥子,」
雷克斯帶著一絲不耐煩地聰明地說,而那肌肉男子默默地站在那裡,羞愧地還在摩擦著自己的臀部。
「我……我……對不起,」他像一個剛被父母抓到自慰的害羞男孩低聲說。
「在你的星球上,我聽說你們每個人都有一個只有完全掌權的人才知道的秘密名字。是這樣嗎?」
雷克斯強有力地問,目光鎖定在顫抖的超級英雄身上。
「是……是的,」超人努力忍住哽咽回答。
「告訴我你的名字,小夥子,」雷克斯吼道。
帶著淚眼的超人抬頭看著雷克斯。
「沒有人……曾經……沒有人……從未……告訴過,」
他帶著些許恐懼的聲音哀求。他看到雷克斯憤怒的表情便停止了講話。在雷克斯的凝視下,超人似乎縮小了。他吞了吞口水,然後嘆了口氣。
「我是……那是……肯特……先生,」他絕望地說。
雷克斯臉上露出了燦爛的笑容。那位超級英雄向他交出了他的文化中被視為男性的「屈服之名」。持有那個名字的人對其主人擁有權力。在瞭解使用它對自己意味著什麼之前,超人從未告訴過任何人。
「肯特,去清理一下。我的意思是你的制服一團糟。不要爭辯。去吧,肯特!」
雷克斯看著超人試圖拉上他的緊身褲時笑了。那布料在英雄的膝蓋處卡住了,起初怎麼也拉不上去。當它終於向上移動時,超人不得不將他還半硬的「小弟弟」塞回制服裡。最後他悻悻地走開了。
與此同時:
一個沮喪的超人坐在附近塔樓的屋頂上,重溫剛才發生的一切。他被打了屁股。他經歷了性高潮。更糟的是,他溫順地向雷克斯透露了他的秘密外星名字。他凝視著雷克斯的豪宅。利用他的超級視力和聽力,他找到了雷克斯在辦公室的位置。
令他震驚的是,他還看到了裸體的麥克。這個運動型肌肉男正面對著辦公桌。他健身後的身體向前傾斜,微微彎曲在雷克斯的辦公桌上。麥克的雙手放在桌面上。超人看著站在麥克後面的雷克斯,拿起一個板子打麥克裸露的屁股。
「操,對!」麥克在每次被打時大吼。
超人著迷地看著那些白色的臀部變紅。他也被麥克那沈甸甸、像鐘擺一樣在每次屁股被打時搖晃的大睪丸迷住了。
「操,對!」麥克邊高喊著,他的勃起陰莖在桌面上方幾英吋的地方搖晃。
此時,超人已經無法停止凝視這一幕。他看著麥克被打屁股。顯然,這位強壯的四分衛被這種虐待性地激起了。超人此刻回想起自己被打的情形,以及他也射出了精液。他站在那裡觀察著這兩個男人。
突然,對他來說一切都變得模糊了。他的腦海中將自己的身體和臉替換成了麥克的。他正倚靠在那張桌子上。他的屁股正在被打。是他的睪丸如此猥褻地搖晃。他的陰莖在雷克斯的辦公桌上空勃起著。
麥克發出了一連串低沈而愉悅的呻吟。超人在不自覺中加入了這種吟唱。很快,他們兩個一起呻吟和咒罵,隨著屁股被打,他們的聲音齊鳴。超人的腦海此刻重現了他自己被打的所有感覺。這讓他不勝負荷。
麥克尖叫著,他的陽具射出一股精液。
「操,」
麥克在高潮時哼哼著,或者超人想,他剛剛說了那個字嗎?
他剛剛在那張桌子上射了嗎?
超級英雄雕刻般的身軀顫抖了。黑暗籠罩了他。下一刻,超人知道自己正躺在背上,喘息著空氣。
涼爽的夜晚氣氛讓他感到寒冷。當他試圖起身時,他看到自己胯下區域有新鮮的白色奶油狀污漬。他的手掌上也有黏稠的白色殘留物。。他又一次經歷了強烈的高潮!這位恍惚的英雄搖搖晃晃地站起來,飛走了。
「進來吧,肯特,」雷克斯在辦公室門打開時說。
「其實我在等你!」
-
超人走進了辦公室。這次無法否認,他的來訪與尋找失蹤的人無關。他站在一臉傻笑的雷克斯面前,穿著那些精液結成硬塊的緊身褲,眼神中透露出困擾的神情。他現在將那熟悉的古龍水香味與雷克斯聯繫在一起,充滿了他的肺腑。
一個得意洋洋的雷克斯看著眼前的人,不再是那個曾經道德高尚的超級英雄,而是一個被打敗的男人。「脫下你的制服,肯特!」他吼道。
超人嚥了口口水,順從地脫下衣服。他赤裸地站在雷克斯面前,用手遮掩著突然腫脹起來的陰莖。
雷克斯站起來,從地板上拿起超人的腰帶。
「雙手放在背後緊扣在一起。現在!」他怒喝道。
超人的眼中充滿了淚水,他靜靜地按照指示做了。雷克斯走到他背後,緊緊地捆綁住超人的雙手。想到自己被綁起來,他的陰莖變得更長了。
「走到離桌子前面幾英吋的地方。然後,彎腰,把頭放在桌面上,並且張開你的腿。」
超人照做了。在這個姿勢下,他的睪丸在結實的大腿間下流地晃動。他知道他的陰莖現在已經完全勃起了,但他已經無所謂羞恥了。他正處於發情中!
雷克斯抓住超人的頭髮,猛地拉起超級英雄的頭。他拿出一個繫在皮繩上的球。
「張開嘴,」雷克斯簡單地說。
超人照做了,並經歷了他第一次與球型口塞的邂逅。
辦公室裡涼爽的空氣圍繞著他下垂的睪丸。雷克斯突然給超人蒙上眼睛,然後慢慢地摩擦著超級英雄的臀部。
「我的屁股現在,」他低聲嘶嘶地說,一邊拍打著俯臥超級英雄完美成形的後端。
超人明白自己的雙手已經被有效地廢掉了,但他也知道,只要站起來,就能停止這一切。然而,這個簡單的動作現在在他的心理上已經無法達成。雷克斯掌握了他的秘密名字。更重要的是,超人的陰莖希望這一切能與雷克斯繼續下去。
超人感到屁股上有一種油膩的物質,隨後是雷克斯的手在其表面打轉。超人的陰莖跳動著,他發出呻吟。不久,雷克斯的手指開始深入探索超人的臀縫。
「來看看你是否喜歡這個?」
雷克斯沙啞地說,當他的拇指完全向下滑動,在超人的肛門入口的肌肉脊上玩耍。
此時,超人正流出大量的前列腺液。這種刺激如此強烈,他想要更多。漸漸地,他開始向後擺動臀部,迎合那個拇指。
「操,」
他通過嘴裡的堵物低吼,享受著拇指的活動和他那骯髒話語的聲音。
當他擺動時,他的睪丸來回拍打著他兩條肌肉發達的大腿的堅硬側面。這讓他的大腦產生了更多的性刺激。幾秒鐘後,他感覺到雷克斯的拇指正壓著想要進入他的體內。
「肯特讓我的手指進入你的體內,」雷克斯用一種毫不含糊的權威語氣命令道。
超人嘆了口氣,表示投降,他的通道肌肉放鬆了。當雷克斯的手指滑入他體內時,超人渴望地喘息。
「你進來了,」
他含糊地通過堵住的嘴說。不久,雷克斯力道十足地摳著一個扭動的Alpha男人,後者透過堵物發出極度愉悅的叫聲。超人很快就完全失去了尊嚴。
他一次又一次地將自己的屁股猛烈地壓在雷克斯的手指上,沈醉於性刺激之中。然後,伴隨著一聲幾乎語無倫次的吼叫「啊」,他那健壯的肌肉體不停地顫抖。他的雙腿繃緊,頭部壓在書桌的表面上。隨著另一聲響亮但被壓抑的吠叫,他的陰莖射出了精液。現在喘息著,他讓雷克斯幫他站起來。當那位年長的男人解開他的綁縛並取下眼罩時,他站在那裡發抖。
他瞥了一眼書桌邊,觀察到一大團他滴落的精液正沿著桌子的側面往地板方向流去。
「乖孩子,」
雷克斯帶著居高臨下的口吻終於開口說話,這是自從他命令肯特肛門放鬆以來的第一次。
「來,喝下這大杯子的液體補充你的體內水分。」
一個口乾舌燥的超人貪婪地喝下了杯中的內容物。那熟悉的溫暖安慰了他。 雷克斯響了個鈴,同一個僕人進來了。
「帶他去那個房間清洗。」
雷克斯漠不關心地嘟囔著,這種態度反而讓超人更加興奮。赤裸的英雄和僕人離開了。
僕人帶著超級英雄來到一個小房間。
「這裡有淋浴供你使用,」
他一邊鄙視地瞪著肌肉發達的赤裸超人,一邊冷淡地說。
「我會去拿你的衣服,等你洗完後給你穿上。請不要反駁,」
他說著,看到超級英雄正準備對那最後一句話提出異議。
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kinemekoudon · 1 year
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【8話】 弁護士に言われたとおり取調べで黙秘してみたときのレポ・前編 【大麻取り締まられレポ】
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前回のあらすじ 僕とプッシャーと友人の3人で、共謀の上に大麻を所持した容疑で捕まった僕は、接見で当番弁護士に「50パーの確率で不起訴を狙える」と言われていた。
僕は「どういう理屈で50パーなんでしょうか?」と弁護士に尋ねると、弁護士は「共謀の罪での逮捕は、他の方が自白してしまうケースが多いんです」と答える。
僕は「一緒に捕まった2人は自白しないと思うので、大丈夫だと思います」などと言うと、弁護士は「ところが、いざ捕まってみると喋っちゃうんですよ、これが。そういうケースを何件も見てきましたから」と恐ろしいことを言うので、僕は少し勘ぐって黙りこくる。
弁護士は続けて「むしろ、ほとんどの人が喋っちゃいます。黙秘を続けられる人はサイコパスみたいなひとしかいませんね」と笑いながら言う。僕が「まぁ…2人はサイコパスっぽい感じはあります」と応えると、弁護士は「そうですか。いずれにせよ、不起訴を狙うのであれば、現段階では2人を信用するしかないですからね」と身も蓋もないことを言う。
しかし弁護士は、僕が気落ちしているのを見てか「まあ、売人の車で大麻が見つかっていて、持ち主が判明していないという状況ですから、このままいけば、犯行の主体を立証できず、証拠不十分のために不起訴となる可能性は高いでしょう」などと僕に期待を持たせてくれた。
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それから1時間ほど、弁護士に今後の対策について色々と教えて貰った。ただ、僕がやるべきことは、黙秘と署名押印拒否ということであった。不起訴を狙うにあたって、黙秘は自分の利益にはならないが、不利益にもならない。また、調書の署名押印を拒否すれば、調書を証拠資料として使用することを防ぐことができるのである。
また弁護士は、国選弁護人として就いてくれることになり、僕が黙秘を続けるメンタルを保てるよう、頻繁に接見に来てくれると言うので、と��も心強い味方がついてくれたと思った。
※このときに弁護士に貰った「取調べをウケる心がまえ」というプリントがよく出来ていたので、pdfのURLを貼っておきます。
接見を終えると、消灯・就寝時間の21時が過ぎ、22時をまわっていた。場内は暗くなっていたが、監視のため蛍光灯がついており、居室内も天井の蛍光灯3本中1本だけ明かりがついていた。
居室に戻ると、留置官が「今日は5番の布団敷いといたから。あと寝る前の薬あるから、このコップに水入れてきて」などと言うので、僕は洗面で水を入れ、鉄格子の前に行く。留置官は配膳口を開き、僕に手を出すように言って、薬の包装シートのプラスチック部分を押して、中の薬でアルミ部分を破り、僕の手の上に直接薬を落とす。
僕はマイスリーとデパスを飲むのは久しぶりだったので、少しわくわくしていた。僕は薬を水で流し込み、コップを留置官に返すと、布団の中に入り込む。布団は非常に粗末なもので、敷き布団はこれぞ煎餅布団といった具合に入れ綿の少ない薄く固い布団で、掛け布団は薄い割に重く、ちりちりしていて触り心地の悪い毛布であった。
寝具は粗末、天井の蛍光灯は眩しい、加えて隣室からはいびきが聞こえるので、この環境で寝るのは、睡眠に神経質な僕には難しいことであったが、こんなこともあろうかと、あらかじめ睡眠薬をゲットしておいたのである。
薬を飲んでから、1分ほどでデパスが効いてきて、強ばった筋肉が弛緩し、あらゆる不安が和らいでくるので、(今日は本当に長い一日だったけど、未体験のことばかりで結構おもしろかったな…)などと天井を見つめながら前向きな回想をしていた。
さらに10分ほど経つとマイスリーが効いてきて、眠たくなってくると同時に、思考が少し加速し、個人的におもしろい発想が連続して生成されているように感じるので、結構楽しい。そうして自分の思考にニヤけたり感心したりしていると、次第に意識が遠のき、いつの間にか眠っていた。
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――逮捕から2日目。朝、起床時間とされる6時30分の10分前に目が覚めた。6時30分になると、消えていた蛍光灯が点灯するとともに、留置官が「起床―!」と大声を出して、まだ眠っている収容者を起こす。
布団を畳み、右隣の居室のベトナム人と入れ違いで布団置き場に布団を置いてから居室に戻ると、配膳口にブラシと雑巾の入った桶が置かれており、トイレと洗面を掃除するように指示をされた。
トイレと洗面はステンレス製で、水垢や尿石もなく清潔であったが、パフォーマンスとして掃除をし、ブラシと雑巾を桶に入れて配膳口に戻した。留置官がその桶を回収すると、今度は扉を開けて掃除機を渡し、床を掃除するように指示をしてきた。床は誰かの抜け毛が多く落ちていたので、割と丁寧に掃除機をかけておいた。
掃除機をかけている間、留置官が配膳口にタオルと石鹸、コップに歯ブラシと歯磨き粉を置いていたので、僕は掃除機を留置官に返してから、洗面で歯を磨き、顔を洗った。
タオルなどを抱え、鉄格子の前で待機していると、昨日左隣の居室でいびきをかきながら寝ていた、ガタイがよく目がギョロリとした50代くらいのヒゲの男が、ロッカーに向かう際にこちらを見てきた。
ギョロ目の男は僕と目が合うと、30度くらい頭を下げて「こんにちは!」と大声で挨拶してきたので、僕は少し萎縮して「あ、ちわ…」とぼそぼそした声で挨拶を返しておいた。ギョロ目の男は続いて、僕の右隣の居室にいるベトナム人にもかしこまって大声で挨拶をしていた。
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↑ギョロ目の男は清原を老けさせてもう少し色白にさせた感じ
ロッカーにタオル等をしまい、自分の居室に戻ると、すぐに朝食の支度が始まった。今回の朝食は、コンビニ弁当のようなプラスチック製の容器の中に、白米、きゅうりの漬物少々、マカロニサラダ少々、千切りされたたくあん少々に、メインのおかずとして野菜の入った薄く丸い形をした小さい天ぷら1つが入っている質素なものであった。
朝食を終えると、時刻は7時15分だった。本を読めるのは8時かららしく、仕方がないので文字通りゴロゴロしていると、「点呼開始―ッ!」という爆音が留置場内に響き渡った。
点呼の合図からすぐに、遠くの方で「第6号室!27番!」という大きなかけ声の後、「ハイ!」という収容者の声が聞こえ、「以上1名!」という大声の後、4人の留置官が「「「「おはようございます!」」」」と大声で挨拶をし、隣の居室へ移っていく。
それから、留置官らは僕の居室の前に立ち、「第2号室!5番!」と大声を出すので、僕は寝っ転がりながら「あい」と応えると、居室の後ろの小窓の前に立っていた暗い色のレンズの眼鏡をかけたヤクザ風の留置官が「座れぇ!!」と大声で怒鳴ってくる。
僕はまぬけ面で「はい?」と言ってみると、ヤクザ風の留置官は「座れ!座って返事しろ!」と大声で指図してくるので、僕は仕方なしに上体を起こし、「はーい」と間の抜けた返事をする。
しかし留置官からのリアクションはなく、3秒ほど無音の空間になる。僕は少し戸惑った感じで「はい…」と言い直すと、留置官は「以上1名!」「「「「おはようございます!」」」」と大声を出し、次の居室へ移っていく。僕は彼らを人間らしくふるまっているNPCだと思う。
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7時30分になり、“運動”の時間になる。この運動の時間とは、留置場の敷地内にある屋根のない狭い場所に出られるというだけの時間である。また運動場では、貸し出しの爪切りや電動ひげ剃りを借りることもできる。
僕はなんとなく日差しを浴びたかったので、運動場で伸びをしていると、隣の居室にいる若いベトナム人が「何で捕まりましたか?」と急に話しかけてきた。僕は「ああ。大麻持ってたのが見つかったんだよね」と応えると、ベトナム人は「ハハ。日本人はだいたいドラッグです。若い人は大麻ですね」と言う。
僕は「そうなんだ。よく知ってるね。ここに来て結構経つの?」と聞くと、ベトナム人は「6ヶ月います」と言うので、僕は驚いて「何をしたらそんなに拘留されるの?」と聞くと、ベトナム人は「ビザが切れて不法滞在で捕まりましたが、コロナのせいで入管は人がいっぱいですから、入管が空くまでここで待機させられています」と言う。
僕は「へえ。それは不憫だなあ。辛くない?」と聞くと、ベトナム人は「もう辛くないです。ここに来て日本語が少し上手くなりました」と言う。話を聞くと、ベトナム人はこれを機に、留置場内で積極的に日本人と喋り、日本語を上達させようとしていたらしい。立派だ。
また、運動の時間が終わる寸前に、左隣の居室にいるギョロ目のじじいとも少しだけ会話をした。ギョロ目のじじいは、僕とベトナム人の会話を聞いていたようで、「おう、5番は大麻か。おれは覚醒剤だよ。よろしく」と言いながら、僕と握手をして去って行った。
つづく
この物語はフィクションです。また、あらゆる薬物犯罪の防止・軽減を目的としています( ΦωΦ )
#フィクション#エッセイ#大麻#大麻取り締まられレポ
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trailaweek · 2 years
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2022.07.17 大弛峠から金峰山 山頂に戻ってダラダラ写真撮ってたら少しだけガスが取れました。 でも帰りはまた真っ白だったから国師ヶ岳は諦めて今回は退散でした。 #trail #hike #trails #trekking #mountainlife #mountains #naturephotography #landscapephotography #landscape #wildness #xt3 #fujiflm #fujiflm_xseries #xf1655mmf28 #xf35mmf14 #japanmountain #lightroom #金峰山 #朝日岳 #大弛峠 #金峰山小屋 #大弛小屋 (金峰山 五丈岩) https://www.instagram.com/p/CkIbKMXvqbg/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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niyuuhdf · 8 days
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行屋家:遺伝的要素メモ
メモ
◾️遺伝・体質・生まれつき・解決が難しいもの ・頚椎側彎症っぽい猫背の骨格。 ・全感覚過敏。 ・不死身のような頑丈な身体。 ・長命。ほっとくと90年以上は生きる。 ・美形。(視覚情報優位で視覚的に美しい相手を自然に求めてつがうため) ・長身。 ・目が大きい。 ・顎が細く小さい。 ・老人のような手。(かなり幼い年から) ・手と指に不気味な可動性と柔軟性とコントロール能力あり。 ・共感覚、見えないものを見る目(脳)。 ・筋肉が細くても強い。 ・怪力。常に死の淵に立つ精神状態→いつでも火事場の馬鹿力を発揮できる。脳のリミッター解除が容易。 ・脱皮する。 ・細菌感染など起こしにくい。 ・怪我の治癒、回復が早い。 ・高体温、発熱状態。 ・頻脈。 ・尿道が短い。 ・蟻走感。コークバク。 ・蒼白い色白の肌。日焼けするとサンバーン起こす。 ・不眠症。目の下にクマ。 ・発達が生まれてから早い。 ・運動神経抜群。 ・湿性の髪。 ・体毛まっくろ。 ・収縮・膨張の差が激しい。性器など全身、勃起すると巨大になる、普段との差が激しい。 ・腑を弄ばれる奇病の発症。(年齢差あり) ・目への激痛、光に耐えられなくなる。(年齢差あり)
・皮下脂肪が溜まりにくい。骨と筋と血管の浮く身体。(常に弛緩できずフルに使ってるせいもある) ・体幹、腹筋が特に強い。(頸椎を庇って育つ中でそうなる例が多い) ・早熟。(自慰行為を5歳ごろで覚える。身体を少しでも楽にしようと必死に育つため。イキヤは快楽ではなく首吊りになった) ・身体の不調とストレスが常態化して育つため、身体の不調を感じ分けにくく、自覚しにくい。 ・視覚認知に偏りがある。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー ↓それによって起きることと、家に伝わるその対処。
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chengbingdeyudian · 15 days
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古典庄园的秘密(圣斗士同人小说)
三 意料外的受害者
关于晚上10点到凌晨1点这个时间段,家里唯一拥有明确不在场证明的只有普赖尔·阿瑟。昨晚村里有人约他打牌,他们从10点一直打到了早上3点才散,尽管打牌的地点距离古典庄园很近,但几名牌友都证实了期间没有人离开。而普赖尔出门时,也有客厅女佣丽塔亲眼看到他朝大门那边去了。
其他人那时候基本上都在各自的房间里。佣人们虽说是两人共用一个房间,但那个时间很多人都已就寝了,谁也说不清自己睡着后同屋人是否出过门。就连史昂自己,10点后和童虎用小宇宙聊天聊到差点又抬起杠来,自然只有单独在房间的时候最方便。
“对不在场证明的问话是无用功”这一点,史昂、纱织,还有马朗警官,全部都心知肚明,即便这个无用功是非做不可的。
直到晚上6点,律师康斯坦丁·阿诺特先生的车驶进古典庄园,马朗警官才感觉终于可以找到案件的突破口了。——马朗警官曾尝试联系阿诺特先生,但对方的手机不通,办公室里的人说他今天下午要去医院探望病人,办完事后将直接开车到古典庄园,所以只能等他过来了。
听闻安霍尔伯爵出了意外,阿诺特先生非常惊讶,一口答应了警方要求的合作。然而伯爵邀请他来主要是谈新遗嘱的事,一些细节和条文是否符合法律规范仍需讨论,所以他没有带旧遗嘱过来。当然,他对原本遗嘱的内容很熟悉,口头上告诉大家还是可以的。
宣布遗嘱的地点被选在了藏书室。
如果克里斯先生没有出事,家中人可能对律师的到来各有想法。但如今情况不同了,即使是真心感到悲伤的蕾布尔和莉萨也难掩想要知道父亲、外公关于身后安排的渴望。
阿诺特先生省略了一些专门的法律术语,说的简单直接。
“蕾布尔小姐在继承奥尔堡女公爵头衔的同时,已经自动继承了卡伦家族的祖产,包括私人海滩,若干牧场,家族中的储备金和祖传的珠宝等。此外,扣除遗产税后,安霍尔伯爵和已故的前任奥尔堡女公爵的夫妻共同财产的三分之一留给蕾布尔小姐,大约有100万克朗。安霍尔伯爵这些年购入的古董和前任奥尔堡女公爵的私人珠宝全部留给瓦尔普小姐,另外留给瓦尔普小姐的还有50万克朗,余下部分保存入信托基金,收入归杰斯帕·阿瑟先生和莉萨·阿瑟小姐所有,等到他们成年后可以自行选择继续从信托基金领取收入还是划分自己的那部分。”
“另外,安霍尔伯爵还留给表弟斯特凡·伯纳德夫妇5万克朗,学生奥利维耶·莱恩5万克朗用于学术上的研究,并且按服务年限给这栋房子里的仆人留下了500到3000克朗不等数额。”
“这不公平!”阿诺特先生话音一落瓦尔普小姐就立即说,“为什么没有马库斯的份?”纱织相信她开口时想要发“莉萨”的起始音来着,因为她是那种认为女孩得到的东西不应超过男孩的妈妈,所以说话的重点其实在为什么遗嘱里留给了莉萨一大笔份额却完全没考虑到马库斯。只不过普赖尔很快用脚碰了妻子一下,提醒她警察也在场,所以瓦尔普小姐临时改了口。
阿诺特先生用一种公事公办的语气说:“我很遗憾,但这份遗嘱是10年前立的,那时候伯爵还不知道有马库斯。”
事后,阿诺特先生私底下告诉史昂和马朗警官,安霍尔伯爵在订立遗嘱的时候考虑得非常细致。还有一些条款注明了像是假如瓦尔普先于他自己死亡,那么瓦尔普的份额将由杰斯帕和莉萨平分,假如莉萨和杰斯帕中有一人或是两个全部在成年之前夭折,多出来的那一部分会由活着的人继承,但如果发生某些意外导致三人全部离世,遗产将自动转回蕾布尔名下等等。
纱织跟史昂在一起听到了这个消息,心中闪过一个念头:“克里斯先生竭力避免把财产留给普赖尔,应该是怕他会为了钱做出伤害妻儿的事。可没想到竟是克里斯先生自己先遇害了……”
马朗警官很快回警局去了。尽管蕾布尔再三挽留,但阿诺特先生也只是和大家一起吃了晚饭,承诺万圣节之后会再来古典庄园正式公布遗嘱,随后坚持开车回城。
这么一天下来,人人均感到了疲累和悲伤,所以入夜后皆早早回房休息。纱织今天一天几乎都陪在莉萨身边,不清楚警方的调查情况,只能趁着晚上的时间到教皇爷爷的起居室询问查询进度。
“从法律层面上说,目前能作为证据的线索严重不足。”史昂告知了从马朗警官那里获悉的搜证情况,“现在只能等遗体解剖的结果了。”
“那瓦尔普小姐和蕾布尔小姐……”纱织后半句话并未出口,不过史昂懂她的未尽之意:“她们在感情上确实不好接受。不过蕾布尔很明大体,知道这时候不能只凭感情用事,所以最后还是给马朗警官签了同意书。至于瓦尔普——”不知道该气还是该惋惜的心情最终化作了一声叹息,“——幸好她不是古典庄园的新主人。”
“而且……我问了阿诺特,即使在遗嘱最细节的部分抠字眼,克里斯也没给普赖尔留任何东西。当然,瓦尔普继承遗产后想怎么跟他分享是另一回事,我们都看得出来瓦尔普是一定会对他的任何要求言听计从。但是钱财毕竟掌握在自己手里更方便。普赖尔可能不满意,不过就动机来说他却是这座庄园里唯一一个动机不足的。”史昂补充说,有些无奈,“有时候对缺钱的人来说,500克朗也可能成为行凶动机。然而咱们都知道,克里斯原本的计划是修改遗嘱,不管怎样情况对普赖尔都不可能更糟,反而还可能有机会改变这种状况,这时候动手对他没有好处。”
纱织毕竟成长在日本的豪门,又早早承担起掌舵大财团的责任,想到了另外一种可能:“如果普赖尔担心的是克里斯先生修改遗嘱后会把全部财产留给蕾布尔小姐呢?”
史昂神色一凛,蕾布尔仍然未婚,克里斯邀请莱恩来做客恐怕也有“介绍给女儿认识”的心理在内,然而蕾布尔个人的选择仍需她自己做主。假如蕾布尔一直没有心上人,或是结婚后无嗣,奥尔堡公爵的头衔和祖产将传至远亲旁支。但克里斯和佩鲁玛尔夫妻的私产呢?明天一定得问清蕾布尔是否立了遗嘱。不过即便普赖尔打的是这个算盘,他却没有作案时间……
万圣节当天早上的电话进一步洗清了普赖尔的嫌疑。电话是马朗警官直接打给史昂的,因为具体情况他想亲自到古典庄园时再宣布。简单说,就是法医在安霍尔伯爵的遗体内找到了三种药物残留痕迹:止痛剂,麻醉剂,肌肉松弛剂。
这在一定程度上说明了克里斯先生为什么会好端端滑下椅子。
马朗警官本人也很快赶到古典庄园,让人请来汉森医生后当众公布了法医的检验报告。场面立刻有了“滴水进油锅”的风险,瓦尔普小姐指着医生激动地大喊:“是你,是你害死我爸爸的!”因为过于激愤还险些晕倒,幸好丈夫自后面接住了她,低声细语地安抚。蕾布尔小姐一片茫然,在她小时候医生就是家里的老朋友了,从没出过任何差错,这是怎么回事……连伯纳德夫妇也不消停,一个立即感到头晕,因为“昨天医生到这里时给女士们开的镇静药物一定有问题”,一个则絮叨不止,从伯爵每年付给医生多少钱到汉森医生辜负了这种信任提了个遍,还抓着马朗警官要求公道。
莉萨真心为外公感到难过,但她一向被管束得过严,只敢默默流泪。唯有杰斯帕和马库斯那两个男孩,尽管震惊,但是与克里斯外公相处的时间不久,还没有形成很深的感情,所以没有表现得太过激烈。
汉森医生当场抗议:“不可能!伯爵是胃痛无法进食,我只注射了止痛剂!”
马朗警官倒是相信医生的。因为汉森医生本人不可能从安霍尔伯爵的死中得到任何好处,而且医生就是本地人,行医快要30年了,一向口碑很好,很难想象他会接受什么人的贿赂行凶,用的还是这种很快就能暴露他自己的手法。
“我爸爸一直都很健康,连药都极少吃,除了你还有谁给他打针?”瓦尔普小姐仍没有平复下情绪,“是你这个庸医拿错了药,出了诊疗事故!”
纱织站在一旁,看着不同人的各异反应,蓦然间有种奇特的感觉,她仿佛能理解克里斯先生所说的那种“不真实”感了。为什么呢?法医的报告里提到了止痛剂,那就是说医生没有拿错药,可是怎么会多出来麻醉剂和肌肉松弛剂?而且如果是医生用错药,基特太太一小时后送水果羹进书房,应该会发现不对了,为什么她几次回忆都认为当时的情形一切正常呢?
尽管站在警方的角度法医报告只是证据链的一环,现在仍不能下断言,马朗警官也是这样强调的。不过医生的诊室必须被纳入搜查范围,警官和医生都很快离开了。
这个结果让房子里的气氛有所松弛。消息流通范围不仅限于主人和客人,也很快传入佣人们的耳朵。现在很多人都相信伯爵的悲剧是医生失误导致的意外,亦即庄园里并没有危险的谋杀犯,少不得松一口气。
纱织与史昂对视一眼,两人均看到了对方眼底的疑问。
到底是万圣节,尽管仍有未尽的悲伤,厨娘还是支撑着做了一顿像样的午饭,下午茶的时候还准备了可可和热苹果西打,用伯爵珍藏的七彩瓷器茶具盛了,加上维也纳面包与丹麦奶酥及温室培育出来的各类水果,将托盘装饰得很漂亮。
马库斯缠着母亲:“妈妈,我不是小孩了,就算饮料里带了酒精也没问题。”瓦尔普小姐对此很坚决:“不行,亲爱的,等你满18岁后可以喝热苹果西打喝到想吐,但现在不行,现在可可更适合你。”
“凭什么?”马库斯觉得生气,“我在南非的朋友们喝的酒比这个烈多了!”瓦尔普小姐难得表现出了做母亲的威严:“所以我们回丹麦来是正确的。”
杰斯帕到底更年长一点儿,试图打圆场:“别生气了,马库斯,我不是也一样喝可可吗?而且这个味道没你想得那么坏。”说着端起自己的杯子喝了一大口。
马库斯跟哥哥的感情很好,勉为其难地也端起一杯可可喝了一口,立即皱起了脸,可能是为了表示对这种甜腻饮料的厌恶,还夸张地“啧”了一声。
意识到大家均把目光聚集到了小儿子身上,普赖尔涨红了脸,左手拍了一下桌子:“马库斯!”不等马库斯反应过来,瓦尔普小姐先嗔怪地叫了一声:“亲爱的!”普赖尔的动作停下来,带了点无奈,但看向小儿子的目光仍然很严厉。
马库斯做了个鬼脸,硬拉起哥哥:“咱们去看看雪停了没有,杰斯帕。这是丹麦唯一比南非带劲的地方。”两个人一起跑出了大家喝茶的小客厅。
“这么看来普赖尔应该是尊重瓦尔普小姐的,甚至有点‘怕’她。”纱织想,就算起因是这两人一个溺爱孩子而另一个试图管教,但很明显占据主导地位的是瓦尔普小姐,下意识的反应骗不了人。照这么看,之前猜测普赖尔洗脑并精神控制瓦尔普小姐是不是错了呢?
她想得入神,旁边莉萨连叫了好几声:“纱织,纱织小姐。”方才注意到,露出一个歉意的微笑:“对不起,莉萨。”莉萨没有在意:“我是想问,你知道申请雅典的学校需要什么条件吗?”看到纱织微现惊讶,害羞地低下了头解释,“我想试试看申请你就读的学校。”
纱织觉得有些心疼,莉萨提到过,她在南非读的是普通公立学校,而杰斯帕和马库斯全都在名牌私立中学读书。这也就算了,因为瓦尔普小姐各种关于“女孩礼仪”的要求,她很难得和同学们一起去郊游或者打球,所以一直没什么朋友,回丹麦后又一直通过线上课程学习。所以终于交到朋友的她是不想和自己分开吧!
不过提到申请学校可给纱织出了难题,要不要回房间的时候问问魔铃和莎尔拉,她们目前就读的学校怎么样呢?
那一边,虽然史昂骨子里的气场让一般人不敢接近,但奥利维耶·莱恩是个例外。说是年轻人,不过他起码过了35岁,带了点文弱的书生气,可是重情重义,一直在说着卡伦老师对他的帮助,还向史昂问起老师年轻的时候,盼望着能多知道点自己不知道的老师的事情。
便是这份纯粹的师生情谊触动了史昂的情肠,整个人都柔和了不少,与莱恩谈起一些往事。莱恩仍有些紧张,可是史昂回忆的故事让他听得入了迷,脸上渐渐浮起笑容,不自觉点着头,就像老师仍然活着一样。
基特太太突然走进房间:“瓦尔普小姐,蕾布尔小姐想请您过去一下。”因为克里斯“安霍尔伯爵”及两姐妹母系家族的“奥尔堡公爵”头衔,在习俗上,一些正式或带有隆重意味的公事均是先打电话到古典庄园,主人不在才会打行动电话的。刚刚蕾布尔就是去接电话了。
瓦尔普从放弃继承权那一刻起已过了18年普通人的生活,纵使回来成为家里的一分子,毕竟对一些旧式的习俗早就不习惯了。因而听到基特太太的话怔了一下才起身,到外面去问妹妹有什么事。
小客厅里,让娜·伯纳德夫人正酸溜溜地接着莱恩先生的话说:“克里斯表哥是个好老师,连学生的研究经费都考虑到了。”莱恩先生正拿着小茶匙搅拌杯子里的红茶,闻言脸上一红:“老师,老师总是很关心考古项目的。他在那上面,费了很多心血,很多心血。”说不上是紧张还是激动,连茶匙都掉到了地上。
斯特凡·伯纳德只好说:“让娜是想说克里斯表哥对学术的热爱,请不要误会,莱恩先生。”
莱恩费力地捡起茶匙,史昂淡淡说道:“为人师表,为学生考虑本来就是理所当然的事。别说是经费,就算在探测过程中遇见什么危险、难题,做老师的责任也是要走在学生前面的。”莱恩感觉艾锐斯先生说到了心坎里,卡伦老师就是这样一个人,拼命点着头。
普赖尔可能害怕气氛僵了,打着圆场:“我岳父这种取得这么高成就的学者,就是视学术如生命的,不然怎么被称为‘国宝级’嘛!”
几人说着话,外面传来男孩子们边跑边笑的声音。不等普赖尔发问,马库斯已先跑进客厅,高兴地叫着:“爸爸,我比杰斯帕厉害,他连一个雪球也没躲过!”一边说一边径直回到之前坐过的位置上,叫着“我渴死了”端起已经凉了的可可猛灌。杰斯帕随后跟进来,不服气地说:“那是我在让你。”
普赖尔还想提醒小儿子:“你该先去洗手……”瓦尔普刚好谈完事回来,一见到两个儿子,立即发出一声尖叫。
漂亮的彩色茶具掉落在地毯上,没有碎,滚出很远。马库斯狂乱地用手抓着脖子,史昂飞快冲了过来,然而太晚了,男孩喝得太急又太猛,面孔霎时间涨成了酱紫色,很快瘫在沙发上咽下了最后一口气。
马朗警官来得很快,本地最古老和最具权威性的家庭连续两天发生两起命案,这绝不是小事情。
杯底仍残留着一点可可的茶具和马库斯的尸体都被带走,鉴识员在客厅内细致入微地勘察每一点存留的痕迹。但是因为大家在一起喝下午茶,期间还有佣人几次进来送饮料和点心,所以真正可以判定为有实际价值的线索并不多。
可怜的瓦尔普小姐崩溃了,抱着心爱小儿子的尸体不撒手,泪流满面地喃喃自语:“为什么?为什么会是马库斯?”最后还是普赖尔劝妻子让警官带走马库斯,送她回房间休息。 对莉萨来说,发生在眼前的命案,对象还是朝夕相处的弟弟,比外公遇害带来的冲击力更大,一时间整个人都僵住了。然而父母谁也没时间顾得上她,还是纱织向警官说明了,莉萨坐得离马库斯很远,而且她一直没动过,没有嫌疑,才得以让她一样先回去房间等候。
纱织送莉萨到二楼的房间,回小客厅后,几名鉴识员仍在专注工作,而马朗警官正在与史昂交谈。
“所以,瓦尔普小姐坐在正对着客厅门的长沙发一头,另一头是莉萨小姐。城户小姐坐着的单人沙发与莉萨小姐的位置隔着一张矮几。艾锐斯先生你是坐在另一边的单人沙发上,与背对客厅门的长沙发之间也有一张矮几,坐在那张长沙发上的人分别是伯纳德夫妇和普赖尔·阿瑟先生。与你和城户小姐正好位置相对的两个单人沙发分别是杰斯帕和马库斯之前的位置,而莱恩先生而椅子在他们两个人之间,是这样吗?”马朗警官向史昂确认道。
史昂点点头,之前那种不真实感蓦然间再度涌上心头,是什么呢?他是从冥界回来过不止一次的人,总觉得克里斯和佩鲁玛尔似乎并未远离这座庄园。然而,他们一个过世已经太久,很可能早就再入轮回,留在这里的只是一缕模糊的意识,而另一个过世时间又太近,近到远不够魂魄形成真正灵体的时间——他们到底想表达些什么呢?那种朦胧的不真实又意味着什么?
纱织指给马朗警官看,盛放点心、饮料的大托盘放在环成一圈的沙发中间的长茶几上,但每个人或者端着杯子,或者把杯子放在伸手可及的矮几上,过程中除了离席和蕾布尔小姐谈事的瓦尔普小姐,再有就是两个出去玩的男孩子,再没有其他人站起过。哦,也许该算上最早离开的蕾布尔小姐,她起身之前是坐在与纱织仅隔了一张矮几的长沙发边上,莉萨在她旁边,在她走后才挪到和纱织更近的位置。可是蕾布尔小姐总共只停留了不到10分钟,离开就没回来过,而且她走后马库斯还喝过可可,完全没事,她不可能和马库斯的案子有关。
一瞬间,史昂、纱织,马朗警官想到的是同一件事,马库斯第一次喝可可的时候没有事,第二次却出了致命问题,说明毒是在他离开之后下的。然而凶手怎么知道马库斯会回来喝掉剩下的可可,又为什么要杀他?马库斯甚至没有继承任何财产!
三人走出小客厅,楼上隐隐传来瓦尔普小姐撕心裂肺的哭声。
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kiriri1011 · 18 days
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血は流れて河となる
 タヴが最後の遺骸にシャベルで土をかけ終えたときには、すでに月が出ていた。
 今は廃墟となった村のすぐ横手にある、荒涼とした墓地にたたずむ仲間たちは、それが最後の作業だったことを知って各々シャベルを下ろし、シャドウハートが土の中に臥せた死者たちに祈りを手向けるのを黙って見た。  影に呪われた地を抜けて、初めて彼らが見た村でのことだった。  ほとんど集落といっても差し支えないようなその小さな村は、おそらく凶賊の手に落ちていた。家畜をほとんど攫われたうえに村民は女子どもの区別なく殺されている。誘拐するよりも殺して無害化したほうが手っ取り早いと判断したのだろう。  見つけた死体はすべて硬くなったばかりで、腐敗はしておらず、事後から数日程度しか経っていないことを教えていた。  まず最初にカーラックが慟哭し、沈痛な面持ちのウィルがその肩を支えた。  彼女は小さな女の子が母親に抱かれて死んでいるのを見つけたのだ。親子は互いに縋るように抱き合ったまま、背中や頭部を矢で射貫かれて絶命している。近くの納屋はすでに木炭と化していたから先にそちらに火をつけられていたに違いない。どこに隠れることもできず、ただ恐怖に竦んでお互いを守るように抱き締め合っていた親子は、さぞ嗜虐を誘う獲物だったことだろう。  カーラックは彼女たちを一緒に埋葬しようと言った。――誰も反対しなかった。  だが、ひとつ付け足すとするならば、アスタリオンだけは内心反対だった。皆一様に悲しみに暮れるムードに水を差しては非難されるだけ損だと思い、軽口を封印していたに過ぎない。  この不安定な時代、人を殺すのは盗賊だけじゃない。ゴブリンもいるし、アブソリュートもいる。犠牲者は増える一方だ。そのたびにいちいち足を止めて、墓を掘って、花を手向けて、祈りをささげてセンチメンタルな情緒に耽っていては旅は進まない。  本当なら、いつもの調子で言ってやってもよかった。  カーラックに殴られるのが怖かったわけではない。  問題はタヴだ。  いつも冷酷なほど理性的で、アスタリオンの皮肉に包まれた真実の提言を多少は理解もしてくれるはずのタヴがこのときばかりは黙っていたからだ。  一見、タヴの表情には怒りも悲しみも浮かんでいない。  あるのはただ沈黙ばかり。  だが、死体を埋葬すると決まったとき、彼女は一番にシャベルを握り、土を掘りだした。  よりによって普段から感傷的とは言えないタヴがそうするので、アスタリオンも文句は言えず、ただ皆に合わせて仕事をするほかなかった。  恋人の知らない一面を見た気がするのは、今夜が初めてというわけではないが、なにかが、たまらなく、変だった。
 シャドウハートの祈祷が終わると、空っぽの村の中で火を囲み、休むことになった。  皆が寝静まる気配がしても、アスタリオンは目を閉じていなかった。ただ寝所から夜空を仰ぎ見、いたずらに起きている。たとえ周りが死体の山でも彼はのびのびとやれるが、今夜は少しわけが違った。  冷たくなった心臓に一本の棘がひっかかっている。  抜こうにも抜けないそれは徐々に深く沈み、心臓の奥に到達して、アスタリオンの一部になってしまいかねない。  昔、好きでもない相手と寝たときはこういう思いをしていた気がするが、それが200年も経つと感覚も麻痺してきてあまり気にならなくなっていた。生きていくためにはそれらはあまりにも不都合すぎたのだ。  だが、拷問部屋の冷たい床で寝ていた生活をようやく忘れつつある頃、アスタリオンは今まで不要だと捨てたはずの感情の多くと対峙しなくてはならなくなった。  たとえばそれは恋人の不穏な心境に気づくことであったりする。  アスタリオンはタヴが何をして生きてきたか、ほとんど知らない。  もとから彼女は多くを語らない性分だったし、アスタリオンも無理強いするつもりはなく、いつか本人が語る気分になったときにそれとなく話してくれればいいと思っていたが、その恋人の明らかではない部分と、今夜の出来事が妙に関係しあってるような気がしてならないのは早計だろうか。  アスタリオンは今までの自分の悠長さを少し後悔する。恋人のことだったら知っておくべきことがいくつかはあったはずじゃないのか。  ふと、気配がする。寝所からするりと音もなく抜け出して、森に向かう人影がある。  その幽霊のような所作にアスタリオンは静かに長い耳を立てて息を殺した。そして、ほかの皆に気づかれないように、いつものように物音を立てず起き上がる。  彼女なら自分が起きていることぐらい気づいていただろう。  それなのにひと言もかけず出ていくなんて、やはりどこかおかしい。  仲間の手前自重したが、今夜ぐらいは抱き締めて眠るんだった、と後悔を重ねながらアスタリオンはタヴの後を追った。
「寝てていいわよ」
 森の中を進んだどころで彼女は振り返った。  少し入っただけなのに、もはや月明かりさえも届かないほど森には草木が鬱蒼と繁り、タヴの表情に影を落としている。  そこからは今のところ何も読み取れない。
「それはお楽しみを独り占めしたいってことか? なんて薄情なやつだ、大事な恋人にはせめて甘美な味を一口ぐらい分けてくれてもいいだろう?」
 アスタリオンはあえて空虚に笑ってそう言った。
「私がどこに行こうとしてるかわかるの?」
「そりゃ、お前が裸になって川でひと泳ぎしたいというならぜひこの目に焼きつけないと……」
「ふざけるなら置いていくわよ」
 タヴは本当にそう言って踵を返すと先に進もうとした。  「待て!」と声を高くしてアスタリオンは呼び止める。  どう考えても、彼女は村を落とした凶賊のもとに向かおうとしている。  あのお人よしの仲間たちのことだから、明日になったら村の仇討ちに行こうという話の流れにもなるはずだ。  なのにタヴは今夜のうちに独りで行こうとする。  それがなぜかアスタリオンには理解できない。
「独りは心配だ。俺も行く」
 いっそ最初から誘ってくれればよかったものを――と内心口惜しく思いながらアスタリオンは懇願するようにタヴを見つめた。  タヴは流麗なまなざしを寄越すと、手にした杖を前方に向ける。
「言っておくけど、仇討ちじゃないわよ」
「じゃあいったい何なんだ?」
 女は無言で歩を進めた。
「虐殺」
 無味乾燥な台詞は却って凄絶に響いた。  それを聞いたアスタリオンはうっすらと唇を三日月のように細める。
「ただ無性に殺しがしたいだけだから、皆を引き連れていくのは気が引けたのよ。……お前はどうだか知らないけど」
「なおのこといいじゃないか。仇討ちよりそっちのほうが俺好みだ。俄然ついていく気になった」
 タヴの後を追って陽気に歩を進めながらアスタリオンは歌うように答えた。
「お前が歩くところに血は流れる。敵の血はみんな美しいお前への捧げもの。だけどお前の血の味を知っているのは俺だけだ――なんてすばらしい夜だろう」
「吟遊詩人でも始める気? それにしては少しフレーズが陳腐ね」
 辛口の評価を下されたが、アスタリオンは気にしない。  恋人とふたりだけの秘密を作るというのは、何百年生きても心が躍る。  腰のナイフの場所をたしかめて、アスタリオンはタヴとともに宵闇の森を進む。  ふたりのエルフの眼は、松明がなくとも夜の闇を見透かせる。  これから殺されゆく運命にある者たちは、それを知らない。
 賊は盗った酒や食料でしばらく宴会続きだろう。奪った家畜を捌けば新鮮な肉もある。  弛みきったところを一気に叩けば少人数でも勝ち筋はある。しかも夜襲に長けたアスタリオンと、集団の殺戮に向いた魔法を得意とするタヴの組み合わせは凶悪と言うほかない。  見張りの男の喉首をナイフで掻っ切って、彼らの住処の洞窟へと堂々と侵入する。その死をほかの連中が知る前に、洞窟の入り口付近に備蓄していたのだろう火酒の樽を蹴り出して、宴会の中心にタヴが炎の魔術を撃った。
 爆発。
 タヴとともに洞窟から逃げるアスタリオンは激しい爆風とそれによって巻き起こる悲鳴を背中に笑い声をあげた。  その不愉快な笑い声を追いかけて、生き残った賊が這う這うの体で洞窟から現れる。  後はもう消化試合でしかない。  アンデッドのように洞窟から這い出てくる連中を、アスタリオンは一方的に弓で射貫き、タヴはなおも炎の光線で彼らを焼く。  そこから後に続く者はいなかった。  洞窟の中は轟々と燃え盛り、死体を焼き続ける。  ちらちらと火の粉が闇を駆け抜け、タヴの静かな横顔を照らした。  その横顔があまりに美しかったので、アスタリオンは思わず彼女の肩を抱いて、口づけた。  タヴは何も言わずに男の首を抱き締め返す。  火の粉が舞って髪の毛や服の端が小さく焦げる匂いがする。だが、その焦げついた匂いの中でふたりは長いキスをした。  息が尽きるまで、キスをした。
「ベハルを信奉するカルト村が私の出身よ」
 熱を冷ますために近くの川に立ち寄ったとき、裸の彼女が白い足を水に浸してそう言った。  焦げた髪の先をナイフで削いでいたアスタリオンは、その台詞にさして手元を狂わせるでもなく、ただ「ほう」とうなずいた。
「……昔、ベハルの落とし子が世間を賑わせたでしょう。何を血迷ったか、村の連中は彼らにあやかった存在を作ろうとしたのよ。選ばれたのは10才になった私」
 その先に続く物語は陰鬱なばかりだった。  疑似的に作り上げた”ベハルの子”を担ぐため、村の連中は彼女に殺人行為を強要した。相手は彼女の両親。  村長を始め村の中枢を担う上位の村民はベハルを熱心に信奉していたが、カースト下位の村人はその信仰を知らされずに生きているものがほとんどだったという。  彼女と家族もそうだった。  村に唯一存在する子どもだったタヴは、ある晩に家族とともに拉致され、儀式の舞台に立たされた。  そして儀式用の仰々しいナイフを握らされ、柱に吊るし上げられた両親を殺せ、と命令されたという。  できるはずもなかった。  だが、従わなければ娘もろとも村の連中に殺されると知った両親は、幼いタヴに自分たちを殺害するように説得した。  お前が生き延びられるならば……。  彼女が聞いた両親の最後の言葉だった。  極限の状況下で、タヴは両親を刺した。  めった刺しにした。  その日の昼間まで彼らは仲睦まじい家族だった――これからもそうなのだろうと幼いタヴは信じていた。  だが、突然わからなくなった。  気づけばタヴは両親の身体のいたるところにナイフを突き立て、彼と彼女が息を止めたことにもしばらく気づかず村長たちを喜ばせていた。  彼女は自分を生かすために命をなげうった両親が憎かった。  そんなことのためにたやすく命を差し出せる優しい人間だった両親が憎かった。  娘を殺人者に仕立ててまで最後まで良い親であろうとする両親が、憎かった。  その夜だけで、タヴは愛と憎悪の違いがわからなくなるまで両親を刺し続け、村にめでたくベハルの子として迎えられたという。
「村で死んでいる親子を見たとき、ああ、私もこうなるべきだった、と思い出したのよ」
 ぱしゃり、と川面を蹴って、タヴはそこで月とともに揺れる自分の顔を見た。
「もう親のことはほとんど覚えていない。ただ優しかったことだけを他人事みたいに覚えてる。子どもの頃の自分と、今の自分は、まるで別物。違う人生を生きているみたい」
 アスタリオンは、覚えているだけ幸運だろうとも思ったが、それは彼女にとってなんの意味も持たない言葉だとも気づいて、口を閉ざした。  今まで、タヴがたとえどんな過酷な過去を持っていたとしても、自分よりはましな人生に違いないと心のどこかで思っていた。  だが、蓋を開けてみたら、そう大差ないように思える。  優しい思い出を人質にとられて、殺人に身を染めた彼女はそれからも村に供物として差し出された贄を手にかけつづけたという。  命令のままに生きてきたが、それがある日、タヴはウィーヴに目覚めた。遠い祖先である竜の血が覚醒した彼女は、荒ぶる魔法の力で村の人間を残らず惨殺し、そのまま旅に出た。  ウィーヴの導きだけを頼りに、流れの魔術師として寄る辺なく生きて、マインド・フレイヤーに侵されて、そして、
「お前と出会ったわ。アスタリオン」
 悪戯っぽいのにどこか儚い微笑だった。  ときどき、アスタリオンはその瞳を覗き込むたび、あまりの奥の深さに呑まれるような感覚に陥ったことを思い出す。  その理由をようやく知った今、恐れるものはない。  壊れものを扱うようにアスタリオンはタヴを抱いた。
「過去に感謝しなくていい。お前が両親を憎んだことも忘れなくていい。お前の両親が望んだことは、たしかにお前にとって世界で一番残酷なことだからだ。一緒に死のうと言ったほうがまだ家族らしいな。お前の親はとんでもない偽善者だったんじゃないか」
「わからない……」
 か細い声でタヴはささやく。アスタリオンはその頭ごと抱え込むように彼女を抱いた。  濡れた素肌を抱き締めると、両手から滑り落としてしまいそうな気さえする。そしてそのまま二度とこの手の中に戻らないことを想像する。  そんなことはさせない。  互いに闇の水底から這い上がってきて、ようやく手を掴んだばかりではないか。
「タヴ」
 彼女を呼んで、アスタリオンは首筋に咬みついた。  さらさらと川の水のように流れる血は吸いだすほどに溢れてくる。  この女の中に流れる命の大河を吸い上げてしまえば、もう彼女の心臓は迷うことはないだろうか。  同じ影を踏むアンデッドとして、この世が終わるまで一緒にいてくれるだろうか?  血を啜れば啜るほどにアスタリオンの夢想は深くなった。  そんな力さえあれば、とっくに彼女を自由にしているというのに。
「……アスタリオン……」
 か細い声でいっそう力なく鳴く彼女に、アスタリオンは血の滲む傷口を舐めると、それでも惜しそうに唇を離した。
「……お前のせいで、これ以上水浴びしてたら凍え死にそう」
 血を失って冷えた身体は小さく身震いした。  アスタリオンは彼女から腕を離すと、今度は手をとり、川辺の草むらまでタヴを誘った。  拾い集めた枝葉に炎の矢を浴びせて小さな焚き火を熾すと、彼女を火の近くに座らせて、ともに火にあたる。  炎の揺らめきに心を落ち着けたのか、タヴは自然に肩にしなだれかかってきた。  彼女の肌が徐々に温もりを取り戻していくのを感じながら、アスタリオンは目を細める。
「責任とって、朝まで一緒にいて」
 夜明けまではまだ時間がある。  やがて首に絡みつく、その腕の頼りなげな軽さを知って、男は黙って唇を差し出す。  ぱちぱちと爆ぜる火の灯りに照らされた、ふたつの影はひとつになる。  その影のシルエットは男とも女ともつかず、ただひとつの存在としてそこにあった。
「死に近づきすぎた者は肉体に縋る。昨夜のお前たちは見事にそれを体現しているといえよう」
 白い朝靄に包まれる野営地に戻ったふたりは、いきなりシナビから忠告を受けた。  まるでふたりが帰ってくるタイミングを見計らったかのように現れた彼は、骨と皮だけでできた貌の中の唇を静かに動かし、厳めしい言葉を投げかける。
「血を流して満足したか?」
 タヴとアスタリオンはゆっくりと視線を合わせ、互いに問いかける。
「まあ、楽しかった……よな?」
「多少のストレス解消にはなったわね」
 ぬけぬけと答えるエルフの男女に、アンデッドの老人は呆れるでもなく、ただ深遠を見透かすような昏いまなざしを浮かべる。
「流れる血の多くに意味はない。お前たちが生み出した血の流れは、お前たちの足元を濡らすだけだ。よって、咎める理由はない」
 思わせぶりな台詞が続くことに若いふたりは露骨に面倒くさそうな表情を浮かべたが、シナビはさらにこう続けた。
「流れた血は、清らかな雨によってすべての罪を濯がれ、やがて河へと至るだろう」
 厳かな言葉は続く。
「お前たちはいずれ知る。その河の深さと広大さを。そして、それを泳ぎ切るには、人生はあまりに短いことを――お前たちは、必ず、知るのだ」
 この老人が言うことをタヴもアスタリオンもあまりあてにしていない。  彼の言葉はいつも確信的だが、常に煙に巻くような曖昧さがあり、意味を咀嚼するのに頭の体力を使う。  夜通し動いて身体に疲労感の溜まった彼らはもちろんシナビの言うことを深くは捉えなかった。
「やがてお前たちは河へと至る。けして、呑み込まれぬようにな」
 動く屍人の口にした最後の言葉に、タヴは答える。
「たまには、川遊びもいいものよ?」
 そう嘯いて、タヴは隣の男の肩を小突く。  アスタリオンはにやりと笑って、恋人に意味深なウインクを送った。  その悪びれない様子にシナビはようやくため息をつく。  一夜の秘密を共有した恋人たちは、その瘦せこけた呆れ顔を見て敵を討ち取ったときのように笑みを交わしたのだった。
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shukiiflog · 4 months
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ある画家の手記IF.?-5 冷泉慧鶴視点 告白
それは俺がまだ学生服着てた頃のこと。
疼痛が起きる前には予兆がある。そういう時は一緒にいるクラスメイトたちの輪の中からなるべく自然に抜ける。 人目のない場所ならどこでもいいってわけにもいかなくて、俺にはほとんどのものが度を越して不清潔に感じられた。 一見清潔そうに整えられた保健室のベッドも嫌だった。なるべく人の気配の薄い場所が欲しかった。 この高校に入学した一年目に見つけて以来、都度逃げこむようにして入る部屋が、保健室の隣、奥の扉の向こうにあった。
その部屋は一見のんびりとした上品な応接間のような、長椅子とソファとローテーブルが置かれてる程度で、何のための部屋なのか、何も知らない。立ち入り禁止じゃないことだけ保険医に聞いて確認した。基本的にいつも誰も使わない空間らしい。「そこが落ち着くなら好きなときにそこにいて良い」という許可をもらった。 構造的に保健室を経由しないと入れない、でも完全に人の目がない閉鎖空間でもない、それじゃむしろ困る、 それでもここに誰か先客がいたことは 今日まで、なかった。 「ーーーー………」 一番奥の一人がけのソファの肘置き部分の両側にそれぞれ後頭部と曲げた脚を乗せて、眠ってるのか、だらんと弛緩してる。 長い黒髪が絹のように反った頭から溢れて遠慮なく肘置きにも床にも広がってる。ここまで大胆に髪の毛を床に直に触れさせられる神経に怖気が走った。 うちの制服着てるし、女子生徒…誰だ、なんでここに…見かけたことも一度もねえ… 髪も長いがとにかく体がちっこい。余計に髪も長く見える。 「ーーーーん………んん…、…?」 その子が目を覚ました。 最初少し眠たげに細く開いてた瞼が、覚醒と同時にぱちっと大きく開かれた …怖ええな、黒々とした長い睫毛にびっしり縁取られてぱっちり開いた目が、なんとなく。目玉があると生き物っぽさが増すしな…。 気怠げにソファの上で寝返りをうって伸びをしてから体を起こす。起きる体に髪が引きずられて地面から少し持ち上がる。からくり人形みたいな。 同時にフレデリック・レイトンの『燃えあがる6月』が浮かんだ。ポーズも違うしこのちっこいのにあんな完成された女体の面影はどこにも塵ほどもねえけど、丸まるようにして眠る姿が。 てか一人がけソファの上で寝返りと伸びが余裕でできんのかよ。ちっこい。 その子は棒立ちになったまま見てた俺を、きちんとソファに座り直して見返してきた。ソファがデカすぎるんでつま先も床についてねえで宙に浮いてる。こういう少女人形をちょこんと座らせてあるみたいだ。 「こんにちは。わたしは佐伯光。一年生。わたしもこの部屋つかっていい?」 落ち着いてるけど高くて少し甘えるような、ーー媚びるような、ため息みたいな声と喋り方。狙ってやってなさそうなだけに、こいつ女子に嫌われるな多分。ついでに厄介な男に粘着食らうかんじのタイプ。 「つってもここ俺の部屋じゃねえしなぁ」 快活に笑ってまぜっ返す、横にある申し訳程度の本棚から何読もうか選ぶフリする。その間に、これからどうするか考える。 誰もいない空間が要った、ここドンピシャだったんだがな、三年間。二年間か。 沈黙も気まずい。横顔から適当に話題を振る。 「一年か。俺は三年だ。その髪の長さって完全に校則違反じゃねえのか?」 「んー。校則と父がけんかしている…」 「は?」 「ながくても結ぶならいいよって先生にいわれたよ」 「結んでねえじゃん」 「いまだけー。だれもいないとこでは解く。結ぶと頭ひっぱられていたいもん」 そう言ってソファの上で仰向けになって明るく笑う。 にしてもなんで制服までオーバーサイズだ。制服の袖からギリギリ指の先が少しのぞいてる。肩の位置もズレて落ちてる。スカートの丈は膝下どころじゃない長さだ。 「制服作るときに採寸しなかったのか?」 「したけど、おじょうさまの年齢ならこれから背が伸びる時期なので大きめに作っておきましょう、ていわれて、こうなったの」 まあ実際そうなりゃいいのかもしれねえけど。 俺も幼い頃は父親の血で相当に背が伸びるだろうっつって謎の期待を受けてたけど、今で170も超えてねえから飛び抜けた長身になる可能性は低いんじゃねえかな。 とかなんとか思ってふと気づいたら疼痛の予兆は予兆だけで済んで通り過ぎてくれていた。 その後も部屋に行ってみれば度々その子ーーー光がいた。 俺は学校自体には普通に通ってて、たまに保健室っつってここに来てるが、光は学校にもほとんど来れていない。その貴重な登校日にこの部屋にいる、ってことらしい。
だからここに来たら必ず毎回いて部屋が光に独占されるーーーってことにもならなかった。 光との遭遇率に思う。 俺はここまで普通に毎日学校に登校して、それが当たり前だった。父親が蒸発したりなんだかんだあった頃なんか周囲のことが見えてねえ時期もあったけど、その頃でも学校ってのは、俺の気分に関係なくただ漫然と毎日通うところ、だった。 そういう日々でできる学内での友人関係は、毎日俺と同じペースで登校してこれる範囲の人間で多くが占められていく。乱暴な言い方をするなら俺にとってクラスとかクラスメイトってのはそこまでの人間のみで形成されていた。病欠の多いやつ、不登校生、サボってばかりの不良とか、遭遇率の低さからコミュニケーションのとれないそいつらは人間としてもろくに数えられない「余剰」と見做されていた、俺の中で。特別そう意識してたわけでもなく。 その「余剰」分の光と、こうして一対一で話をして、確かに人間だと感じる。 そういう機会に恵まれたのは、俺にも微かな、…気を抜いて一足踏み外せば「余剰」側にまわる要素があったからか 「冷泉慧鶴。れいぜん、聞いたことあるような。パーティかな?」 「疎遠だからよく知らねえけど、同じ苗字のうちのじーさんがちょっとした金持ちの目立ちたがりなんだと。」 「ふうん。わたしちっちゃい頃にキャンディとかお花あげたかも。つるちゃんはパーティで会ったことない。きれいな頭身と細身にブロンド、ドレスアップしたらかっこよさそうなのに」 「その呼び方やめろ。慣れなさすぎて呼ばれても反応が遅れる」 なぜか珍妙なあだ名つけられたり。俺のほうが先輩でも、お互いにまるでそんな態度でも口調でもねえし、でも光から蔑まれて見下されてる感じもなかった。 いつも大したことは喋らなかった。時間つぶしのくだらねえ雑談。 それでも俺は教室よりは息がつけてたんだ、クラスでは放っておかれることがないから。ーーーそう、俺自身がそうなるように立ち回っているから。 人気のない場所に一人でいたい、人目のない場所に一人でいるのは怖い。なにも、いつまでも、両立しない。 光はいつも機嫌良さそうににこにこ笑ってて、俺と本当に楽しそうに会話した。無邪気な高い笑い声をしょっちゅうあげて、屈託なく。かと思えばころっと眠ったりしてた。 だぼだぼのデカい制服に体をほとんどすっぽり覆われてて、つくりものの人形めいた光は、キラキラ光る目を除けばあらゆる意味で生々しさから遠かった。
そんなふうに思ってた。ある日。
部屋に行ったら男子生徒が一人いて、覆いかぶさられて見えにくいものの、小さな細い脚がのぞいていた。下に光を組み敷いてた。 思わずその場で吐くと思ったのと、俺の体が勝手に男子生徒を蹴って光の上から退けたのと、同時だった。 こいつが光の彼氏や許嫁かもしれねえとか、んなこたどうでもいい校内での性行為は許可されてねえよ、死ね。 そいつ��俺に蹴られたからじゃなく見つかったからってふうに、慌てて服の乱れを直して部屋から走り去った。 部屋の隅に小さく用意されてる洗面台に吐いた。けどろくに食べてねえから透明な胃液しか出なかった。だめだ、やっぱ だめだ …それより 組み敷かれた床にそのままの姿勢でかたまってる光の傍らに膝をつく。せめて乱れたスカートを綺麗に整えてやれればいいが、無理だ。目立った外傷はない。まずは保険医に知らせて、病院に… 「つるちゃん、へいきだよ、避妊してたし。わたしは傷つかない」 床に仰向けになったまま同じ姿勢で光が言った。反応が…普段どおりみたいな顔して…。…傷つかない? 「…なんで大声出さなかった。保健室までギリ届くの知ってたろ」 探り入れて聞き出さなくても光は直球の質問を好むしなんでも素直に喋る。分かってて直球でそう聞かねえのは、俺が怖いからだ、ほんの少しの予感に、光のことが。 「うーむ。父に知られるほうがやだな」 「父親?お前、家でなんか…あるのか」 俺がこの手の話に口出せる人間かよとも思う、それでも言う、他人の事情になら好きなだけ口出せんのか、下賤な…。 俺のは別に虐待とかってんじゃない。もっと派手に殴る蹴るされて顔にひどい痣作ってるやつとかクラスにもいる。 俺のは…絶対に誰にも露見しないし誰にも助けてもらえない、自分でどうにかしようとすることもできないやつだ、家が警察官僚ってのはそういうことを指す。街中でもどこでも少しでも妙な真似をすればアウトだ。…確かに嫌だな、親に知られるのは。 「………」 俺が微妙な顔してたら、唐突に光が言った。 「つるちゃんもする?」 「ーーーは…?」 「わたしと。さっきの子みたいに」 さっきのやつ…って、 「お前…さっきのやつ、友達とか、知り合いだろ」 最低レベルの許容範囲で知り合いっつった。なにが許容範囲だ。俺がなにをどう許容したらどうなるってんだ。それでも俺は、だめなんだ、許容できねえもんは できねえよ 「ううん。しらないひと」 今日初めて会ったやつにレイプされて、こいつは助けを呼ばなかった、怯えて声が出なかったんじゃない、そして今はもう普段どおり機嫌良さそうに俺に笑ってる。それで、 ……違ったか。レイプされてても、こいつは機嫌良さそうに笑ってた、か… 今こいつに訊いていいことじゃない。そんなのは分かってる。 「ーーーお前、プライドとか ねえの」 「       」
それからしばらく、部屋には行かなかった。 光が変わらず来てるのか、来てないかもしれない、わからない。それでもばったり出会すのが怖くて近寄れなかった。薬を大量に飲んで疼痛はごまかした。 それでも避けてたものにまたばったり出会わす瞬間は大抵拍子抜けするほどあっけないもんだ。 その日、頭痛で保健室に行ったら保険医が一人の女の子のすり傷の手当てをしてた。 相変わらず髪は初対面のときから伸ばし続けてるらしい、さらに後ろ髪の伸びた光だった。 もう分かる。これだけの長さと量の髪を自分一人で、ここまで切れ毛も少なくまっすぐに美しく保つのは、無理だ。毎日髪を洗って梳いて乾かして整える誰かがそばにいる。そいつが父親なのか誰なのか、何も知らねえが。 「つるちゃん」 保健室に入ってきた俺に気付いてにこっと嬉しそうに笑う、…これも光だ、どこにも虚偽のない素直な笑顔。この前の笑顔だって。 壊れたわけでもない、開き直ったり病んだり自虐的になったりして笑ったわけでもない、横にいた俺に向かって素直に笑った、好感を持ってる相手だから。レイプ犯にも笑った、好感を持ってるから?
その正気の、保ちかたが、狂ってる
「お前 頭おかしいぞ」 今まで誰相手にも発したことのないような心底冷たい声が出た。 それを聞いて光は機嫌良さそうな笑顔から嬉しそうな笑顔になった。 「つるちゃんはそういうの似合ってる」 誰かのことをよく知りもせずに断片的に拾ったもので組み上げた虚像に向かって、お前は狂ってると、そう言い放つ不遜さが、 上から目線でまるでどこにも狂いも穢れもない永遠に優勢を保つ人間を装って、そこから誰も彼もの正気と狂気を二分して断定する暴力的な姿勢が、 俺に似合ってるって? ああ皮肉か こいつもそういう底意地の悪いこと言うのか
まるで決定的な決裂、もうここで終わったようでいて、俺も光もあの部屋に訪れるのをやめなかった。 相手の世界から去るような優しい行動だけはどうしても取りたくない、そんな子供じみた意地だったかもしれない。 それに光との関係は確実に、すでに失いがたい何かでもあった。同時に、初めから俺の世界には存在してほしくなかった。 どっちもどっち。会ったら会ったで別にそこまで険悪なムードになるでもなくいつも普通に会話した。 たった一度だけ友人を連れてったときに光と話してるのを聞いた友人に「なんで二人ともそんなキレてんの」なんて少し青ざめた顔でつっこまれたから、他人から見ると俺と光は朗らかな雰囲気でも会話でもなかったらしいが。 光はいつだか「つるちゃんは眩しいからちょっときらい。ちょっとだけ。」なんて言ってた。 俺も光は嫌いだ、頭はイカれてるしどうしようもなく歪なくせになぜか綺麗なものみたいに光る。 お互いに、他人の手でぐちゃぐちゃにされて終わった死体がまだ息をしてる、その輝きを見てる、そう感じる感性に殺意が湧く。 それでいて、光は誰のことでも好きだと言う。 誰のことにもそこまで関心がねえくせに、誰もが、人間てものが、昔から薄っすらと嫌いな俺は、光に根底から負けているような気がした。 「俺、来月で卒業する」 「おめでとう。卒業したらつるちゃんはなにをするの?」 「とりあえず美大に進む。お前はもう何か考えてんのか」 「………」 ここまでギリギリ同じ場所に居られた、その限界の地点がおそらくここだった。 「余剰」が落とされて社会から切り離されていき、常識人ぶった俺だけ諸手を振って仲間に入れてもらえる。 光の父親は女など中卒でいいと言い張った、それを光が言いくるめてこの高校にもギリギリ通えているらしかった。 それでも高校の先の展望はない。未来までの展望を持てるためには必要なものが多すぎる。もしそれを持たせてもらえたり十分に得られたとしても、本人が抱えきれないならそこまでなんだろう。 「Fiat lux.」 光がつぶやくように言った。 「…”光あれ”?」 「Dominus illuminatio mea.」(我が主は光) 「お前、外国語はおろか英語もろくにできねえんじゃなかったか」 「起源はラテン語がひろくカバーするから、そっちからにしたの」 それにいまも新種が発見されればラテン語で学名がつくよ、伝統を継いで学術論文をラテン語で提出する人もいるし、とか言いながら窓の外を向いてた体をくるっと回してこっちを見る。 「我が主は光。それだけでいい、それだけでわたしには無限の可能性がひらかれてる」 「…。」 言葉面だけならまるで愚者の物言いみたいなそれを、光は誰しもに明らかな真実を口にするような迫力を乗せて泰然と言い切った。こいつたまにこういうとんでもねえ話し方をする。 教祖にでもなりてえのか。 聞いた感じ相当な量の本をジャンル問わず読んでる。学校にいない時間はほぼ本を読んでるらしい。その積み上げた読書量から得たものでこいつが今後何をするのかしないのか。 俺はお前になにもしないまま、ここに置いていく。
せいぜい祈る、光の周りの人間に。いつかこのちっこいバケモノが誰のことも愛せなくなったとき、人を喰らう巨大な怪物になってしまわないように。
***
別れの挨拶もなく、なにかの関係が実ったわけでもない、光と過ごした時間はほかの学友たちと比べればほんの僅かだ。 高校最後の一年、たまに出くわすあの部屋でだけのこと。 あれから卒業して、あの部屋のことはすべて俺の見た夢幻で、誰も居なかったんじゃないかとさえ思った、光なんて現実離れした子は。
それが今では、雪村くんの養母で、雪村光なんだと。 生きてやがった、ってのは幾つもの意味で。 よくわからんが再会した光はパワーアップしてた。というか俺は光の姿を見つけて自然にその場を離れようとしてたっつーに、あいつとんでもないスピードで追っかけてきやがった。再会したというより、再会させられたというか。 挙句「わたしはつるちゃんすきなのに」だと…。 結局俺はこいつに勝てねえ。なぜだか光相手になると、勝ち負けなんて不毛な基準がどこからか迫ってくるのも相変わらず。 なにもかもが、今に始まったことじゃなかったか…。 世には負け犬にしかつとまらねえことってのもあるわけで… 俺は俺なりに今後も夜闇の中のさらに影を一人で踏んで往くとするかね。
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shareyourpear-blog · 5 months
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12.29.2023 "Perfect Days" 観た。 淡々とした日常の繰り返しを構図の切り取り方を変えてお客さんを飽きさせないように、かといって大きな変化は感じさせないように作られているように思った。何度も主人公・平山のデイリールーティンを見せられるから、映画の終盤の頃には自然と彼の生活を「学習」していて、テンポが弛まないように、くどくならないようにカットしたりしても説明がつくようになっている。 途中途中で流れるカセットテープの音楽は小説や本の中でいう新しい章の扉絵のようで、物静かな主人公の単調な日々に微妙な感情や温度の変化、機敏を感じさせるようだった。 クレッシェンドのように少しずつ大きくなっていく変化は漣から始まり、終盤にかけて平山の心の中で大きな波が立つようになる。彼の背景は少しずつ明らかになっていくが、基本的に役所さんの台詞はなく(特に前半)彼の生活に関わるちょっとした周りの人間たちによって語られたり、街の人間と関わる彼の背中や横顔から伝わってくるものが多い。凪のように穏やかな彼から映し出される小さな「いつもと違うこと」は、静かな部屋でコインを落とした時みたいにいやに大きく響く。そして時には「いつもと変わらない挨拶」だったりが、変化の起きた日にはひとしお心に染みたりするのだ。面白い。 「音楽がこの映画の一つ一つの章を表しているようだ」という私の感覚の話をもう少しすると、最後の曲を聞いた時すぐに 「エピローグだ」と思った。そしてあの役所さんのドアップの長回し。咽び泣くわけじゃない、悲しいンじゃないけど哀しくて、怒っているわけじゃないけどどこか腹立たしくて。可笑しくて。寂しくて、清々して。人生っていろんな瞬間のまぜこぜで、それが役所さんの皺の一つ一つに刻み込まれていて、何にも知らないはずの他人の人生に思いを馳せたくなった、あのシーン。あの長回しでお客さんを飽きさせない、味のある演技は実物だったしとても魅力的だった。
主人公の全貌が分かりすぎないままだったのもよかった。全部をわかってしまったら物語(フィクション)のキャラクターになってしまうけれど、私自身が毎日すれ違う人たちのすべてを理解することはあり得ないように、 「平山」 という人物もドキュメンタリーっぽく捉えられていて 「もしかしたらこんな過去があるのかな」 「こんな家族がいるのかな」 なんて 「想像する余地」 を残してくれたからこそ伝わってくるものがある。
人は映画を見る時どこか自分を重ね合わせていることが多いと思うのだけど、共感できる感情や価値観が多いほど見終わった頃にはすっかり主人公気分で、自分をまるごと受け止めてもらえたような、または、自分は選ばない選択肢をした主人公を見て追体験することで、主人公の体にそっくりそのまま入ってしまうような、そういう充実感。
それと比べると 「平山」 はあくまでも 「他人」 として私たち観客と一定の距離感を保っているような表し方をしていて、対面する形で私たちに問いかけていたように思う。これは階級というか貧富の差という観点からも言えることだと思うのだけど、共感できるかというと 「トイレ掃除のおじさんやおばさん(あとそれからホームレス)は、決して自分ではない」 と思っている自分がいる。そんなことを思う自分に対して、迷子で泣いていた子の手を引っ張るあのシーンの、礼もなく立ち去るあの母親の顔を思い出す。映画代2000円を支払った観客の中に果たして何人、いないとは言わないけれど、実際トイレ掃除をしている人がいるのか。必ず人生のどこかではすれ違うけれど、いるようでいない、「ありがとうございます」の一言はかけたことはあっても、ほぼ自分と関係ないと思っていた私にこの映画は私を立ち止まらせて、今改めてこの 「主人公の影と私の影」 を重ね合わせさせる。トイレ掃除の主人公にことごとく無関心なサラリーマン、女子高生、親など登場する街の人々は、「繋がらない世界」 の私だ。お金持ちの妹は私で、ホームレスのおじいさんもトイレ掃除の人は 「繋がらない世界」 の人たち。「私はどっち?」と言った平山の姪っ子の台詞に、彼は何も答えなかった。私は、どっち?
「今、この瞬間」 というのが全体のテーマであると思うのだけど、手から砂がこぼれるようなどんどん忘れていく夢のような儚さがあって、あの映画も過ぎ去っていく記憶のようだ。毎日は一瞬の連続。
平山は物静かで多くを語らないけれど、彼の部屋に置かれた数多くの本や写真や音楽に全てが現われているようで���声の大きな部屋だと思った。小説の中に自分を見つけるように、私はちょっとだけ本のキャラクターで、歌の中に名前のない気持ちの置き場を見つけさせてもらって、ちょっとだけ怒ってて、ちょっとだけ悲しくて、ちょっと思い出し笑いをする。人生はちょっとずつの全部。
追伸:銭湯のシーンで後から入ってきたおじいちゃんコンビ、よかったなあ。お風呂の腰掛けがお尻に引っ付いちゃってコーンッて音させてンの大好きだった(笑)ハッピーアクシデントなのかな、脚本かなあ。
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heyheyatstarfield · 6 months
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脳内宇宙のサムさんあれこれ
基本的にゲーム内で見えるとこに関してゲームと大きくかけ離れた設定はないから、見えてないとことか趣味嗜好的なこととかを勝手に補足しちゃう。
動物好きそう アセレスちゃんに関する反応を見る限りでは動物好きそう。その後文句言われるの納得いかんけど。まあでもフォックスバットちゃん飼育したらめちゃめちゃモフモフなでなでしそう。コーラちゃんがペット飼いたいっていうのも飼いたくないわけではないけど、ライフスタイル的に責任ある飼育ができないから許可しないっぽいし犬猫MODができたら絶対入れてかわいがってもらう。
きれい好きそう リリアンさんの話するのばつが悪いからと言ってトイレの衛生管理の話を振ってくるのでまあまあきれい好きだと思う。お部屋も特に散らかしてないし、アキラの実家のサムさんのお部屋らしき部屋もとっ散らかってないし、小学生男子っぽさはモリモリ残っているけどその辺はちゃんとしてそう。
意外とマメそう コーラちゃんの3Cみたいなカーリーヘア(どこの遺伝かわからんからワンチャンパーマ説あるけど)は毎日とかしてあげないとフェルト状態のえらいことになるから、自分で身の始末ができる年頃になるまではサムさんがやってあげてそう。今もコーラちゃん自分がめんどい時はパパやってー!って頼んだりしてそう。海外の動画でお母さんが赤さんやちっちゃい子の髪の毛梳かしてあげてるやつ見たらわかるけど、あれほんま大変なのよ。そしてコーラちゃんの髪の毛とかしてあげてるサムさんめっちゃいい。
自分のことはわりと適当そう ロッジのお部屋にはダンベルとか置いてあるわりに、お身体はゆるみ気味なのでヒゲのお手入れ以外は大雑把そう。いうてヒゲも生えてる分は全部そのまま生やしてて、3ミリぐらいのアタッチメントつけたバリカンでガーってしてそうだからそんなに手間ひまかかってなさそう。
匂い 確かコーラちゃんがパパの船くさいねんと言っていたと思うが、サムさんは特にめちゃめちゃ体臭が強そうな感じには見えないのでブラバスとかアラミスとか大昔のマンダムとか使ってるタイプのおっさん臭してそう。その場合船長子も船長男もそこはそんなに好きじゃないかもしれない。
続きは夜の生態を考えるのである。
バイはバイでいいんだが ゲーム的に船長が男でも女でも口説けるし、中の人がバイの気持ちでやったよ!って言ってるからバイなんだ。密輸時代の親方とハードにパーティーしてたらしいから、その辺りでおクスリも込みでいかがわしいことはひと通り経験してそうであるし。 でもさ、前妻がいて娘もいて、打ち明け話はほぼ前妻絡みだし、ゲーム内でどっちもOKよ!ってわかる場面はないよね。この辺はバレットさんにしてもサラさんにしてもそうなんだが、開発チーム的にPCの性別無関係にロマンスできるのが当たり前すぎて、ストーリー中でバイであることが明示されないので、船長的に告白する瞬間まで悩んじゃうのは絶対あると思う。かわいそうだろやめてあげろ。アンドレヤさんは恋愛関係の話が出んからまあどっちにしても言うてみるしかねえなって感じだけど。その点Deadfireのてけふくんは親切だったね。
きれい好きなので やっぱ男と(または女でも後ろで)致すとなると、前準備いるやん。ムラムラしましたハイ合体!ってできないやん。その辺無視できないからBLとか見れないんだけどねぼく。かといってその前準備を事細かに描写してくれんでもいいけども。 んであの人コーラちゃんに関してはマメそうだけど、自分のことはあんまり頓着しなさそうやん。めんどくせーやん準備。後始末もめんどくせーやん。ほんで自分がこんにちはする方でも前準備してない相手に突っ込むの嫌やん。だから後ろ使うの嫌���じゃないけどめんどくさいから頻度低そうやなって思ってる。 その辺技術めっちゃ発展しててワンタッチ腸内洗浄5秒で大腸菌ゼロほどよく弛緩超安全かつ衛生的!みたいなガジェットでもないと無理そうだけど、NASAパンクその辺は開発盛んじゃなさそう。トイレはウォシュレットもついてない原始的具合だしまだ紙巻きたばこ吸ってんのか人類!!って感じだし。 ゆえにおせっせ面で言うと結構お盛んであるし、女の方が楽しめそうだとは思うけども、男相手だと精神的なつながりとか安心感とかが勝っているのではないかというのは次の項目で書く。
男相手には理想のお父さんを投影しそう サムさんはいちいちお父さんの悪口を言うので、多分お父さんのことは嫌いになりきれないし本当は和解したいんだけど、やっぱ色々つらすぎてフラッシュバックしたりして無理なんやろなと思う。そういう事情により、特に男と付き合う時は自分のことわかってくれてよしよししてくれる人を好きになりそう。だからどっちかというと突っ込んで出す的なことよりもイチャコラしてる方が好きというか、まあ出すのは出すんだろうけど穴は必ずしも必要ではないみたいな。
女の趣味はよくわからない 基本独占欲強そうだし4回戦よゆーらしいし、男女問わずずっと一緒にいたいもんタイプではありそう。でも相手に求められるほど母性というものを具体的に知らないから、男性に求めるような安心感は求めなさそう。ただ、リリアンさんの母性の薄さというか仕事優先で娘放置みたいなのがすごく嫌なのはわかる。さりとて古風な良妻賢母タイプも求めてなさそう。それだったら船長好きにならんしね。リリアンさんのお顔を見る限り、面食いには違いない。あと勝手なイメージとしておっぱい星人だと思う。大きさというより感触の点で。
リリアンさんについて リリアンさんとはとにかく成り行きでああなったということをめちゃめちゃ説明されるけども、確かに死にかけてる時に颯爽と現れた美女が困ったこと全部後始末してくれて、あんた見どころあるじゃないのあたしと一緒に来ない?とか言われたらフラフラーってなるよね。んでリリアンさんもずぶ���れの子犬ほっとけなくて拾っちゃうのはわかる。でもずぶ濡れの時はポメラニアン(初心者向け)だと思ってたのに、お風呂に入れてごはん食べさせてぬくぬくさせてあげたらワイマラナー(高い飼い主力が求められる)だったわみたいな感じだったんではないか。違うもんを標的にする訓練して別々に育ったジャーマンシェパードと愛情不足のワイマラナーじゃ、そりゃうまくいかないよね。
おせっせの細かいとこはまだ考えてないからまた次回。たんぶらではS派を散見するが、どうなのかなーサービス業のSは向いてる気はするけど、本人芝居がかったことできなさそうでさ。途中でプークスクスってなって船長と一緒にあっはっは!ってなってそうやん。なのでどないして打ち身作ってるのかはわからないが、芝居がかったプレイはしてなさそう。あとはなんかくっそらぶらぶなんやろなっていうぐらいしかイメージがわかぬ。
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gayxiaoshuo · 11 months
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两个少年在学校里初尝禁果-男男gay校园小说、青春小说
学校的生活紧张而平淡,幸亏有L的陪伴,生活才过得平淡而温馨。内心里充满了一种平生从未有过的挂念与爱意。  我们的班主任老师,一位师专毕业的大学生,是一位未婚的年青帅哥,大眼睛,很浓密很性感的粗胡子,天天刮,天天长。他是一个忧郁的人,他的忧郁无时无刻不挂在他的脸上,这是他给与我的最深的印象。  他很少打蓝球,他根本就不是块打蓝球的料。我们学校的老师经常组织蓝球赛,可能是人手不够吧,每次都有他的份儿。站在球场边看他们打球,总感觉我们的班主任彭老师好C,好与众不同。  他每次投球或传球不好时,都会自嘲地笑,会不由自主地用兰花指摁着肚子笑,笑得软绵绵的像个女人。而每到这个时候,我内心总会产一种奇怪的念头,这种念头好模糊,一直到很久以后我进入了同志圈,接触了各种形形色色的同性爱朋友,才突然感觉到我们的班主任彭老师,其实是一个不折不扣的同性爱者。后来,他也结了婚,结了以后没多久,又突然的离了。  那时在学校读书时,每次彭老师要回老家时,都会让L晚上睡到他房间里去,说是给他守屋。其实他房间里除了几本书,还能有什么值钱的东西?  我感到奇怪,除了这种奇怪的感觉以外,至于他和L,两个帅哥碰到一起,是不是偷偷摸摸地有过什么,我一点也没有去多想过,也一直到后来我进入同志圈以后,我才在这方面产生过一些疑问或好奇。  这天,彭老师又回老家了,晚自习后L突然叫我跟他一块而上彭老师房间睡觉。我当然应允。想想大半年了,我和L从来就只是在寝室里偷偷摸摸的互相抱抱摸摸,说真的,现在想来,我们从来就没有真真正正地做过一次爱,可能我们跟本就不会做爱。我才15岁,他16岁,可彭老师已有二十三四了呀。如果他们俩人有过什么,他应该也会传授到我身上来呀,感觉一切都是不解之谜。可其实也不见得,那时信息闭塞,思想保守,以为这一切都是肮脏的,变态的,加之年青不懂,可能一切就这样迷迷朦朦吧。  跟着L来到彭老师的寝室,我心里不知是什么感觉,有点亢奋,有点不知所措。该睡觉了,俩人脱了衣服上床,依然跟过去一样,我们都穿着内衣内裤。  依然跟过去一样,我们紧紧地拥抱着,脸贴着脸,相互在对方的身体上抚弄着,慢慢地,心潮开始澎湃起来,L像往常一样,突然爬到我身上压住我,用他下身那坚挺的小弟弟顶住我弟弟,并开始在我身上摩擦起来。  我一兴奋,一激动,不知哪来那么大的勇气,一把将他的内裤脱了下去,然后又蛮横无礼地将他的内衣脱掉,把我自己也脱得一丝不挂,然后俩人紧紧地拥抱着。  哦,天啦!我像要窒息了似的感到一阵晕眩,肌肤的相亲,竞让人如此地美妙和销魂。这是我俩第一次赤身裸体地拥抱,两个小弟弟像两个焚烧的火体,滚烫滚烫地顶着对方。xiao!园!师!生,同-xue,体 y u生,猛+男+男銫汶-章卖 微 醒-labi10010  我也感觉到了L的紧张和激动,他喘着粗气,抱着我似乎有点惊恐得不知所措了,俩人就这样抱着,紧紧地一点松弛的空隙都没有,生怕一松动,对方就会逃跑似的,肉体像火一样滚烫,刺激着我们兴奋的神经。  慢慢地,我们从最初的恐惧中恢复过来,L开始急不可待地在我身上动作起来,口里呼出的气息紧张可闻。他在我身上不断地懦动着,一会儿功夫,他瘫了下来,软软的倒在我身上。  我兴致未减,突然一把掀开盖在我们身上的被褥,抬起头来看见两个一丝不挂的男体紧紧连在一起,这也是我第一次看到另一个男人的身体。  这天晚上,我们睡得很香。
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moment-baby · 7 months
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帅府夜帐独处后续
赵普x公孙策
老夫老妻模式,而且还玩挺大。公孙身体绝对天赋异秉,九王爷混血嘛,就那玩意参考。。。。恩,反正就又。。。又。。。又。。。就对了。
赵普拉着公孙策对着自己徒弟使眼色,让他不要打扰自己和公孙独处,小良子多机灵啊,嘛溜转身找那俩小伙伴睡通铺去了。
公孙被赵普拉拉扯扯的拽屋里,这满院子影卫,忒不好意思。西域谁不知道赵普就是个流氓啊,抬眼瞄了一眼屋顶,咳咳的轻咳两声,房顶的赭影心领神会,扯着紫影嗖一下跑外围警戒去了。
九王爷侧着耳朵听了一小会,然后满意点头,俩大手抓着公孙的腰毛手毛脚。公孙被他摸的又麻又痒,躲又躲不开,他不会武功也不知道院子里还有人没,也不敢大声数落赵普,在赵普怀里扭来扭去。
赵普让他这书呆扭的邪火上头,弯腰把没几斤重的公孙打横抱起来,两步扔床上了。
公孙被扔这一下有点��,还没反应过来,赵普已经三下两下扯了自己上衣,欺身把公孙笼罩在自己身下。他俩也不是一次两次了,被摸摸索索,加上这两天无时无刻不被赵普撩骚,公孙除了有点不好意思以外,就也有点想要了。
公孙策那是神医,了解身体结构,又是大才子,博览群书,理论知识无数,跟赵普这愣头青大处男不一样。他俩第一次公孙信心满满,结果看见赵普那驴大马长的玩意儿,当场就傻了,小脑瓜里就剩下“这玩意儿是怎么长到人身上的。。。平时都搁哪了。。。”
他俩那一晚上折腾的公孙以为自己要死在赵普身上了,他不知道是怎么把那玩意儿慢慢吞入身体的,自己大概天赋异秉?居然没受伤也是奇迹了。赵普跟公孙真正作过一次以后,那叫一个食髓知味,恨不能带着公孙找个深山老林夜夜笙歌、白日宣淫啊,无奈公孙这脸皮还挺薄,身体承受能力也有限,要真让赵普由着性子来,八成真的会被操死在他身上。
九王爷比较喜欢看公孙主动,一来公孙性子急,由着他自己来,掌握好不容易受伤;二来赵普恶趣味,喜欢看他那书呆满脸绯红,拿自己秀白的下身在他身上蹭来蹭去,或是拿软白的腿根和臀缝夹着他的大玩意儿摩擦。大龟头蹭过软滑的大腿和绵软的穴口,看的九王爷各种满足。
今天赵普撩了公孙一天,大帐里就想把他扒干净了,捅进他那湿热的销魂洞里,把他干到腿软射尿,但是还得绷的一幅元帅的气质,内心早就骚浪的原地起飞。这下打扰他俩的人都赶走了,赵普迫不及待爬上床,把怀里的公孙衣服随便两下扯开,埋头在他胸前又舔又吸。
公孙的身体早就熟悉了赵普的气息,赵普两只手在他身上捏捏搓搓,他下身精神的立起来,跟赵普那大玩意儿隔着几层布料,蹭在一起。他自己伸手扒拉开裤带,阴茎挣脱了裤子弹了出来,又去扯赵普的裤子,然后把俩人的下身贴一起,两只手握住开始急吼吼的套弄起来。
赵普就喜欢他这反差,就像他这竹竿一样纤细的身材,但是软白的肚皮和挺翘的屁股充满了肉感,喜欢的不得了,恨不得时时刻刻把自己埋他身体里。赵普从他胸口一路向下舔到他肚皮,在肚脐周围舔了两圈又把他阴茎含到嘴里。公孙自给自足的手被迫停下来,揪着赵普的头发,两条细白的长腿一颤一颤,顶动自己的阴茎在赵普嘴里戳来戳去。
赵普一边给公孙舔,一边摸出膏脂来,修长的满是薄茧的手指,带着滑腻的药膏探入公孙的后穴。穴口蠕动着的张开,褶皱被手指撑开的展平,肠道柔顺的裹着赵普的手指,身体十分顺从,任由赵普摸摸蹭蹭,摸到他肠肉里微硬的敏感点开始揉搓。公孙被他摸的浑身颤抖起来,上下顶送阴茎的小腰,更激动的插弄含住他要害的嘴,迫不及待的射了出来。
赵普吞掉口中的精液,抽出手指给公孙一个带着腥膻骚气的湿热舌吻,把公孙翻过去趴好,拿自己那个骇人的玩意,顶开已经被他扩张成圆圆小洞的后穴,缓慢又坚定的捅了进去。
后穴感受到了那跟炽热粗大的阴茎,没有尽头一般的进入,穴口被摩擦的糜红松软,褶皱完全被撑开,湿热软腻的肠肉熟稔的蠕动着包裹上阴茎。刚刚射过一次的公孙那个还软着的阴茎,夹在双腿间淅淅沥沥被挤出来点透明的性液。
他每次和赵普作差不多都是这样,下身跟坏了一样被插到就流水,滴滴答答流不停,被插到激动,阴茎会颤抖着随着插动一股一股的流出精液,然后射的干干净净的阴茎会被操的一股股挤出尿液来。
赵普就喜欢公孙被他操射操尿时,那一脸难为情又激动绯红的小脸,每次变着花样的操他,逮到他敏感点拼命顶,深插他肠道,顶的他肚皮凸起来,揉搓他的阴茎,玩弄阴囊,舔舐白皙的脖颈,含着耳朵说骚话,看他高潮时激动绞紧的双腿和蠕动收缩的穴口。
公孙趴在床上,双腿向后勾住赵普的大腿,髋骨被赵普两手抓着,把他软滑的身子往自己那大玩意儿上套。也就他这大将军天赋异禀,体力惊人,保持这种姿势也没有失去平衡摔到床上。公孙很快被他操射了,第二次射精已经没有了太多黏白,半透明的精液射在了两腿间的床单上。
赵普当然不会就这样简单的放过他,这好不容易抓到一回,自己不得好好过个瘾。他把射的全身绵软的公孙抱了起来,双腿盘在自己腰间,举着滑腻的屁股,对准那个滴着水的糜红的小洞又操了进去。公孙被他这姿势顶的要呕吐了,感觉那马大的玩意儿大概顶到胃了都,被迫两只手用力环住赵普的脖颈,把自己趴到他肩窝上,减轻身体因为重力的下沉。他穴口已经完全的松弛了,没有任何被撑开的痛感,只有被粗长阴茎摩擦进出时的快感,大龟头每次深顶到尽头,他的肚皮都会被顶到凸起,抽出时诡异的排泄感刺激的他浑身颤抖。半软的阴茎被夹在他俩的肚子之间,跟着上下摩擦,依然在淅淅沥沥的滴答着透明的性液,蹭的他俩肚皮之间湿黏一片。
公孙几度以为自己是生了什么奇怪的病,那玩意儿坏掉了,默默看了很多医书,又不太好意思找其他人讨论。后来他慢慢发现,自己只有和赵普上床才会这样,完全是因为被操的兴奋到失禁;然后又自己释怀,反正只有赵普看得见,他又喜欢看,索性也就不会勉强自己,随便怎么操,反正自己也不吃亏。被操的舒服了还会偶尔说点骚话。
这次他连射两次,有点爽过了头,在赵普第三次换了姿势,让他背对自己跪坐着从后面操进去时,呻吟的沙哑的嗓子黏糊糊的吐出来骚话:“大狗熊。。。嗯。。。我要。。。哈啊。。。操。。。操。。。尿了。。。哈。。。啊。。。插我。。。那里。。。啊啊啊。。。。。哈。。。。啊。。。。。就。。。。这样。。。。啊。。。。继续。。。。嗯。。。。。。操到了啊。。。。。。继续。。。嗯。。。。。不行了。。。。。。要尿了。。。。。。哈。。。啊。。。尿。。。。尿。。。。嗯。。。尿了。。。。。。啊啊啊。。。。”
浅黄的尿液从张合的小孔挤了出来,顺着阴茎流了下去,肠道又一次蠕动着吸吮赵普那巨大的阴茎,赵普听见他这平日里一本正经的书呆嘴巴里吐出的骚话,激动的抱着他的屁股开始疯狂冲刺。已经又射又尿的阴茎软软的,公孙已经没有任何力气了,被赵普拎着腰才没软倒在床上,上半身趴在床单上,被顶的连哼都哼不出一声来。
赵普把他操的快失去意识了,前面又涨又软的阴茎依然在滴滴答答滴水,赵普感觉到了他湿热的肠道深处一股什么涌了出来,滚烫的大龟头被热乎乎浇了个满。本来已经操到极限的阴茎顶到肠道底部开始射精。攒了好多天超出了预期,大量的精液灌注到肠道深处,公孙被射的全身的肌肉都跟着痉挛了起来。张开的小嘴发出“啊。。。。”的一声气音,已经什么都没有了的阴茎又颤巍巍的滴答出来几滴尿液。
赵普埋在他身子里缓了半天,才从射精的黑蒙里缓过来,留恋的抽出自己已经半软的阴茎,公孙被他抽出的动作摩擦的抽搐了两下,又期期艾艾的呻吟了两声。被大阴茎堵住的精液混着性液和融化的膏脂,从糜红的小圆洞里流了出来,顺着大腿流到床单上。
九王爷兴奋异常,抱着他的书呆,捧着那绯红的小脸又亲又舔,伸进被操到合不拢的小洞里半个手掌,抚摸那软腻的肠肉,意犹未尽的舔吻他微张的嘴唇,吸吮他粉嫩的舌头。公孙已经完全失去了意识,沉入了黑甜的睡梦里。
赵普无奈看着已经睡着的公孙,只好拿个被子把他包好暂时放榻上,自己换好床单,又唤人准备好热水,抱着公孙洗澡清理。
第二天赵普照例早起督促小良子练功,回来看见公孙黑着眼圈爬起来,正在教小四子背药典,看见书呆那被腰带裹紧纤细的腰,往下挺翘的屁股,赵普又有点蠢蠢欲动。他痞兮兮的贴近公孙后背,热乎乎的贴着公孙耳朵,骚话还没说出口,肋骨就挨了公孙一手肘,没防备疼的他弯腰捂着肋骨直抽气。公孙瞪了他一眼,绕道石桌另一边继续教小四子。
小四子抬头看看他爹爹,又看看九九,楞了一会儿,忽然小脸腾的一下通红,“哎呀,好讨厌啊,九九你又跟爹爹耍流氓。”
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iseilio-blog · 7 months
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查泰萊夫人的情人
角川文庫 昭和 57 年 54版
作品通过反叛和追求,深刻反映了机器文明 及其战争对人性和人间最
宝贵事物的摧残和破坏,同时也把追求, 从单纯的欲望的满足提升为
现代 人精神追求中必不可少的一部分,以其 严肃的寓意、社会批判
的主题,真切透澈的寫實手法和细腻深刻的心理描写,成為名著,並對
現、當代英国乃至西方文 学产生了重大影响。 --
Connie 進了寢室,試著很久沒照的鏡子。褪去了衣物,在大鏡子前
看著自己的裸體。自己在追尋什麼 ?或者說想看什麼 ?自己並不是
很清楚,她試著去調了一下燈光。
已經思考過幾次,現在也還是思考 … . . 人類的身體到底是什麼 ?
裸身看看,可是何等的脆弱,容易受傷,悲哀的東西啊。似乎有那個
地方還未完成,有著不完全的地方。
以前,人們覺得她的模樣很不錯,而現在是退流行了。稍微過於
女性,不像是那麼的思春期的年輕人。身高不夠,就像一般蘇格蘭人
一般的偏矮。不過還是很好看。
在 Connie 的內裡,有著一點點的叛逆,那到底是什麼 ?是奉獻自己
的一輩子給 Clliford ?那又怎麼樣 ?到後來自己又會得到什麼?沒有
溫暖的連結如同天生的卑劣而腐壞。
午後,Connie 去到了樹林,過了落葉松林,到了騎馬道。這一帶山丘
的斜面寒冷,白天的落葉松之間也是一朵花都沒有,倒是冰冷的細流
帶著清澈的白色小石子,從乾枯的底部靜靜的凸顯著。
她站了起來,走向屋子。這時候聽到了輕微敲打著木頭的聲音,她
停了腳步,傾著耳朵。木鎚的聲音吧,還是啄木鳥,確實是木槌的
聲音。
不遠處不易察覺的空地,有一個木造的小屋。她不經意的來到
這裡,知道這是孵育小雞的寂靜的地方。獵場守衛捲起袖子,彎
著腰,揮舞著木槌。狗吠著,獵場守衛抬起了頭,眼睛現出驚訝
的表情。
他站了起來,點著頭看著腳步疲乏的彼女走了過來。他對外人的侵入
感到不很愉快。對他來說,孤獨,是生活中唯一,而且是如此重要的
最後的自由。
「 想說不知道在捶打什麼,」疲勞的她一面喘著氣。由於對方顯得不
友善,而有點畏懼。
「 在作放雛鳥的屋巢。」他用帶著鄉下口音的腔調說著。
她一時不知道該如何回應。
「 想坐下來休息一下。」
「 那可以到屋子裡面坐。」
他說著,走在她的前面,進入屋子,搬出了木頭作的椅子。
Connie 的身體暖和了,因為火大了些。看著在工作的獵場守衛
Oliver。Oliver 裝做不知道 Connie 在看著他,繼續工作。
精瘦的身體,靜靜的,很快就作好了雛鳥的屋巣,並且把舊的拿到
工作臺修理。
就這樣,Connie ���眼睛一直沒離開 Olive,也看到了那包裹在衣服
裡的寂寞與孤獨 ;如同孤獨工作著的動物,寂寞而專注,而且好像
是要逃避所有與人接觸的魂體,有著思索的姿態。
是獵場守衛。他牽著她的手,走向小徑。
「 怎麼回事 ?」他嚇了一跳。
「 你怎麼在這裡呢 ? 」
「 妳怎麼在這裡呢 ? 沒進去屋子裡嗎 ?」
「 沒有。」
他有點不可思議的望著 Connie,Connie 感到好像做了什麼虧心事。
「 是現在要進去嗎 ?」他有點認真了起來。
「 不去了。我沒有跟誰說要來這裡。太晚了,必需快點回去。」
「 是想逃離這裡 ?」
「 不是,怎麼敢呢。只是 -」
「 那是怎麼樣 ?」他一面說著,靠了過來,手摟住了 Connie 的
身體。他迫近到她的胸前,感到了鮮活的氣息  … . .
「 啊,現在不行,現在不可以。」她一面把他推開,一面叫著。
「 為什麼 ? 現在才六點,還有半小時。不行,我要你。」
他緊緊的抱著她,她感到他壓迫了過來。以她以往的本能,應該會
為了自己而反抗,可是現在,在她的裡面好像有著其它不同的什麼,
感到奇妙、弛緩、沉重。他的肉體向她押了過來,她漸漸失去了抵抗
的氣力。
「 過來這邊 -,不要在這裡」樹林清脆,正在生長的草木。
他回頭望向她這邊,緊張而輝耀著,與愛情不一樣。他激越的眼,
看著她。意志已經離她而去,奇妙的沉重,漫延上四肢。她輸了,
放棄了。
她躺著,望著頭上樹的枝椏。身體還沒有辦法動。他站了起來,看著
寂靜的四周,他再坐了下去,握著 Connie 的手,Connie 也看著他。
「 就是這樣。實在太美好了。大部分的人,一面過著一生,卻全然
不懂這些。」他說著,如同在夢中。
她看著男人說話。
「 是這樣嗎 ?你滿足了嗎 ?」
「 嗯,」他不想讓她說話,抱著她吻著。她覺得他好像就要永久
的吻著她一般。
一個黃昏時分,她喝完茶之後,從莊園逃了出來。時間有點晚了,
因為怕被呼叫回去,拼命跑離莊園,太陽已經是昏黃的餘暉,漸漸
沉落。臉上泛著紅潮,在無意識中,到了樹林的空地。正在雞舍旁
的獵場守衛,一面笑著一面從雞舍中抓出一隻雛鳥,伸出手要給
Connie ,
「 真是好可愛 !」這麼小的生命,幾乎沒有的重量,傳到了手中,
不過形態完整,美麗小巧的頭,不害生的看著四周,「 pi-」的
叫了一聲。
他站了起來,離開了她,無意中,希望已經消失的溫熱,在腰部又
慢慢的回來。背向著彼女,想試著去熄滅從下而上的燃燒。
他又回頭望著 Connie ,Connie 膝蓋著地,正在放回小鳥。似乎,
在她的無言中,隱藏著孤獨一般的模樣,油然而生出的對她的同情,
如火焰一般的炎上。
他把手放在她的肩上,溫柔的,默默的沿著她背部的曲線撫觸,就在
他的手,隨著盲目的本能的愛撫之中,輕柔的到了她的腹部。
「 到屋子裡面吧。」他靜靜的說著,抓住她的手臂,讓她站了起
來。取出了毛毯鋪開,「 躺下吧,」關了門,屋內整個為昏暗圍住。
她順從著話語躺在毛毯上,無依靠的,感受著觸感。那手,輕柔的,
含帶著無限的愛與自信,從臉頰終於感到了熱烈的接吻。
「 好像小孩子,」她心中想著。「 我裡面好像有個小孩。」的確
是這麼感覺。打開了一直關閉著的子宮,為新的生命充滿著。可以說
是沉重,可那是可愛的生命。
「 如果我有了孩子」她一個人想著,四肢似乎都要溶化了。她醒悟
到,是自己想要孩子,還是因為是與自己喜愛的人一起有的孩子,
這之間有著很大的隔閡。之前不特別覺得怎樣,不過一想到是與
自己喜愛的人一起有的孩子,這與之前的自己是相當不一樣的,宛如
在很深很深的自己的裡面沉潛著。
這ㄧ晚 Clliford 在看一本科學的宗教書籍。
「 現代世界的秩序的 型,起源於人們想像不到的久遠的過去 ;人們
即使進了墳墓,也還是始料未及遙遠的未來。在抽象形式的無盡藏
寶藏裡面,每種生物性格所帶來決定性變化的創造力,是所有種類
的秩序所依存的睿智的 神。妳聽,作者在書的結尾作出了這樣的
結論。」
Connie 顯得藐視的聽著。
「 那樣的人精神亢奮。排比一番的話,什麼墓園秩序的 型、易變
性格的創造力、各種種類混雜一起的大神什麼的,太傻瓜了。」
「 喜歡妳自己的身體 ?」
「 當然喜歡 -,」這時一句話閃過了她的腦際 :妳的 hip 好美。
「 是最高的快樂,」她望進了他的眼,
「 怎麼說,極樂嗎 ?怎麼都可以。給我肉體吧。肉體的生活,比起
精神的生活,遠遠有著最大的真實 ;肉體一旦被喚醒的話。」
Clliford 嚇了一跳。
「 什麼肉體生活 ?那不超過動物 … . ,」
「 ��了吧 ! 你只是裝成��家學者的行屍走肉而已。希臘時代 放閃
著肉體的美,之後被 柏拉圖、亞里斯多德 破壞,現在肉體是回來了,
真的起死回生了。人類的肉體生活,就是美麗的宇宙,帶來美好,
滿足的人生。」
這時的 Connie,面容、神采散放著一種美好的溫柔,從心底發出了
光彩,以及無法形容的冶艷。
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查泰莱夫人的情人 备受争议禁书改编!网飞太敢拍了 - YouTube
Lady Chatterley - Part 02─影片 Dailymotion
lady chatterley’s lover (1955) | full movie | - YouTube
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九月 22nd, 2023
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raccoon-pizza · 8 months
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521 底名無し沼さん 2023/08/01(火) 14:11:26.30 ID:qhO63icZ
大弛峠から甲武信小屋をテント持ってピストンしたけど今までで一番の地味なテント山行になったわ
笠取山~雁坂峠~甲武信ヶ岳当までの稜線は笹原や木々の間から展望が効いて快適な縦走路だけど、甲武信ヶ岳~国師ヶ岳間は数メートルの長さの崖場と岩場の2か所の展望しかないのね
苔むした樹林帯は綺麗で、日差しが遮られ尾根道だから少しは風があって夏でもそれほど暑くなかったのは良かったけど 

522 底名無し沼さん 2023/08/01(火) 23:07:40.01 ID:zfqju9hv
展望が無いと地味でつまらないと思うのは青二才 

523 底名無し沼さん 2023/08/02(水) 04:20:03.38 ID:o3ohrNP7
活火山の山なんかだと展望すごい良いけど荒涼としててつまんないしね 

524 底名無し沼さん 2023/08/02(水) 19:25:47.05 ID:wtnfn7Cw
>>521
てか、それこそがさんざん語られてる奥秩父そのものじゃん
田部重治の山と渓谷で森こそが奥秩父の魅力と大昔から言われてきた
一番の魅力がつまらないと感じるなら、それがその人の感性だから仕方ない 

525 底名無し沼さん 2023/08/03(木) 08:32:41.51 ID:DWRDLPBZ
まあつまらないとは言ってないからな
地味とは言ってるが 

526 底名無し沼さん 2023/08/05(土) 21:42:05.34 ID:QDD0uWtN
山が好きというよりも、
北アみたいな観光名所の延長的に考えてる人には奥秩父はつまらないと思うよ
山自体が好きな人なら奥秩父は素敵な山域だけどね 

527 底名無し沼さん 2023/08/06(日) 16:14:32.17 ID:69NOSYhZ
まぁミーハーにはつまらんだろうね
この山深さは山好きにはたまらんのだけどね 

528 底名無し沼さん 2023/08/07(月) 19:20:48.33 ID:rNzwuisU
とはいえ唐松尾山のあたりは森が好きな俺でも長く感じた。
唐松尾はまだかーとか独り言いブツブツ言いながら縦走した。
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trailaweek · 2 years
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2022.07.17 大弛峠から金峰山 お手軽に大弛峠から金峰山往復に行った。 梅雨明けで晴れ予報だったのにガスガスで時々雨が降る真っ白の世界でした😅 #trail #hike #trails #trekking #mountainlife #mountains #naturephotography #landscapephotography #landscape #wildness #xt3 #fujiflm #fujiflm_xseries #xf1655mmf28 #xf35mmf14 #japanmountain #lightroom #金峰山 #朝日岳 #大弛峠 #金峰山小屋 (金峰山 五丈岩) https://www.instagram.com/p/Cj6WqajvY7-/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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niyuuhdf · 1 month
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行屋虚彦 プロフィール
行屋虚彦 キャラ設定メモ
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画家。 中学にはほとんど通わず、師である山雪のアトリエでいつも油絵を描いている。(油に限らずなんでも描く。カガリのドローイングの真似をしたりも) すでに画家として売れており、軌道に乗りつつある。 直人を超える早筆で多作。 自身の色覚障害を忌々しく思っており、それを才能だとは認めない。 母似の近寄りがたい面立ちをしているが、中身は普通の多感な15歳。
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作者から割り振った疾患・病名:感覚過敏、軽度の識字障害(他にも発達障害傾向がちらほら)、視覚認知に拠りすぎた脳、市販薬依存症(幼少期から偏頭痛の鎮痛剤を濫用・多量摂取していた)、900℃(アイロンの熱は200℃までらしいが)の火で焦がされた激痛を痛みのマックスと捉えている、オトガイ未発達、体質全般(行屋家の遺伝的要素でもある)。
本名:行屋虚彦(Ikiya Utsuhiko) PN:hollow あだ名:イキヤ
?小学校→?中学校→? 高校中退、もしくは高校進学せず中卒、絵の仕事で稼いで生きてる
手記本公式年齢:13,14,15歳 直人パート手記本登場時で15歳 ?年(平成?年)11月22日生まれ 蠍座 身長164〜168㎝ 体重49kg B型
家族構成: 実父:行屋疾彦 実母:耀屋七 (実娘:行屋瞳)
人間関係: 師:山雪穣、名廊直人 画家仲間:カガリ、ユーコ、花 アトリエ仲間:景一、ユーコ、繭、花 主治医:近所のにーちゃん:新屋敷佐
髪の色:黒 目の色:黒(虹彩の模様:?) 趣味:? イメージ:? モチーフ:シーラカンス、カラス、死神、妖精に拐われた人間の子(チェンジリング)、オオミズアオ、背骨・脊髄(ムカデ?)、行灯(幽霊の出ずるところ)(アンドンクラゲ→海の中で遭遇したときの死の予兆)、 誰にも傷つけられないから孤独な心
体質: ・常に過緊張・過覚醒状態。 ・弛緩できない。(薬で弛緩する) ・薄く細いが筋肉が尋常でなく強く怪力。 ・いつでもごく自然に「火事場の馬鹿力」を発揮する死の淵に立つ精神状態。怪力。 ・非常に痩せやすい。が、痩せ衰えて骨のようになっても「火事場の馬鹿力」に足る筋肉は落ちない。 ・体幹・腹筋が鋼鉄のように強い。 ・皮膚は柔らかくかつしなやか。健康状態にもよるが基本的には強い。状態がよければトキさんと同じくらいの強さになる。 ・日焼けでサンバーンを起こし、火脹れまみれになりやすい。が、放置しても火脹れを無理やり潰しても痛むだけですぐに皮が剥けて回復する。細菌感染などを起こさない。強い。 ・喉が弱く、退化している。 ・全感覚過敏。極寒でごまかしている。 ・肌を虫が這う感覚。蟻走感、コークバク、あるいはシャンビリ。 ・腑を他人からくすぐられて弄ばれ刺激される幻触覚の病。
外見: ・洗濯されすぎて色褪せた、古着の黒い細身のパーカーをよく着ている。(フードの膨らみの部分で猫背隠し&視覚が苦しいときに気休めにフードを深く被って視界を真っ暗にするため) ・両耳に黒曜石(天然ガラス)のピアス。(小学校低学年のとき、冷泉さんがくれた。「二度と他人に同じ真似を強いることのないように 情動に飲まれそうになったらこのピアスに触れて思い出せ」) ・右胸から肩にかけてアイロンでひどく焦がされた火傷の痕がくっきりとある。(本人は、人体の上にあまりにも無機質なアイロンの型取りがあるさまを、他者から見ると不気味で気持ち悪いだろうと冷静に思っており、迂闊に見せない) ・目の下にはいつもクマがある。(母親をずっと緊張して気にかけて生活していて、不眠症。) (ベッドでしっかり横になって寝るのが苦手で、よく床に座って壁に背をつけた姿勢で少しだけ仮眠をとれている) (身体から力を抜いてリラックスしたりくつろいだり弛緩することを恐れている) ・独特の上斜視のような三白眼の目つきは、生来は母親と同じ大きく見開かれた四白眼。幼少期の顔立ちは四白眼である。幼い頃からの、面前DVや頭痛や市販薬の乱用やトラウマやPTSDなど複合的な身体的・精神的ダメージによって眼瞼下垂が進んだ姿。加齢とともにさらに瞼を持ち上げていられなくなっていき、常に眩しそうな・苦痛に耐えるような・疲れ果てたような、かなりの伏目の目つきになっていく。 (イキヤ(とトキさんも)の目元の表情、「満ち足りることを知らない常に餓えきった」ようなものを宿してる 初期コンセプト) ・病的に痩せきった骨と筋の目立つ薄い身体。体幹は強い。 ・肌は蒼白い。 ・顎が小さく細く弱い。口が開きやすくて、喉が乾燥したり炎症したりしやすい ・が、常に緊張状態で口を開けるのを恐れてもおり、口の中の肉をいつも噛んでしっかり閉じている。 ・喉がとても弱い。使えば痛み、熱く熱をもつ。少し話し込んだだけで声が掠れて裏返りだす。あまりにも他人との会話や発声を必要としなかった+話して言葉にすると自分の視覚がバレるため黙っていたため、喉が退化した。 ・人目のある場所では全身に緊張が駆け巡っていておそろしく姿勢がいい。一人きりの時間だけ、身体の苦しみを庇うように自然と猫背になりがち。 ・腹筋(体幹)がとにかく強い。腹とか腰とか薄くて細いけど、げっそり肋から下が削れて抉れてたりはしなくて、木刀で横薙ぎに腹にフルスイングして打ち込んでもびくともしないみたいな。 ・手は引っ掻いて怪我しないように深爪ぎみに爪を切る。痩せきった老人かあるいは生命力みなぎる飢えて痩せきった猛獣のよう。指がまっすぐでなく歪んでいるのは筆を持ったりして酷使しすぎたせい。痩せかたと筋や骨や血管は幼い頃からどこか老人のような手をしている。 ・感覚過敏。極寒でごまかしている。 ・肌を虫が這う感覚。コークバク、あるいはシャンビリ。 ・思春期を過ぎてイライラが落ち着いてからは、感覚過敏について開き直り受容し、感触フェチになる。不必要なものでも感触が好きなものは買う。布ものや紙などなんでも。 ・酒を飲めない? 幼い頃に大人から飲まされた酒で急性アルコール中毒で倒れて死にかけて以来、酒を飲んだことがない。
内面:?
エピソード:オオミズアオ標本、オオミズアオ もう死ぬ、って時に殺して標本にした
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