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#串間駅
asagaquru · 3 months
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覚えている。3年前の9月、パルコの屋上で友人と映画を観た帰り道だ。橋の上から見た豊平川が黒々としていて、月光や街明かりを銀色に映す水面さえも覚えている。歩いて友人を送って、自分は菊水駅から地下鉄に乗ろうとした。改札に向かって地下へ階段を降りていると、駅のブルータイルの壁に目が奪われた。好きな青だった。一人暮らしをする予定もなかったのに、朝陽がつるりと滑るこの壁面を横目に出勤できるのは素敵だろうと思った。しばらく経って、一人暮らしをしてみたくなった時にブルーの壁を思い出した。ギャラリー犬養という札幌で1番好きな喫茶店と豊平川が徒歩圏内にある菊水での生活を想像してみて、うっとりした。菊水に住むと決めた部屋探しには半年かかった。やっと見つけたこの部屋の窓からはテレビ塔の頭が遠くに見えた。
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すすきので終電逃しても歩いて帰れるから大丈夫。眠れないまま朝になったら豊平川を渡り、テレビ塔まで歩いて創成川を辿り、散歩する。人の全くいないテレビ塔や狸小路に少しドキドキする。狸二条広場で、おじいさんがベンチに座り手帳に何やら書いていた。西向きのバルコニーは、15時からの陽の入り方が綺麗だった。部屋の中で観葉植物をいくつか育てて、バルコニーで青じそを育てていた。食べては繁って、繁っては食べての夏だった。米里通り沿いの部屋だから、深夜に酔っ払いが唄歌いながら歩いているのが聞こえる。間欠的に聞こえる車通りの音と、天井を走るヘッドライトの光の流線を見ながら眠る。除雪のブルドーザーの音で深夜3時に目が覚める。朝になれば小学生と高校生の通学路、11時ごろにはお散歩中の保育園児が2人1組で手を繋いで眼下を歩いている。家の横の横断歩道をひとつ渡れば、お母さんみたいな人がやっている串屋さんがあるし、家の裏にはかっこいいおじさまと着物を着た奥さんがやられるバーがある。時間があれば、よく豊平川を見に、河川敷に行った。台湾名物、胡椒餅が売っているところがあって、17時ごろから安くなるからその時間を狙って買いに行って、河川敷で食べた。夜勤明けでパンを買って食べたことも、休日は川の水流にビールを冷やして飲んでたこともある。
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心惹かれた街に住んでみて、お気に入りがひとつひとつ、増えていった。住んでみなければ、味わえなかったこと。知り得なかったこと。一人暮らしには贅沢すぎる2年間だったように思う。次の街もきっと好きになる。けれど全部全部手放して、思い出にしてしまうのが少し寂しい。段ボールに入れて持っていけないものばかりだから、こうやって日記にしておく。いつか離れるかもしれない予感を内包させているからこそ、めいいっぱい愛していたこの街との生活だった。豊平川が流れるこの街が、本当に大好きだった。
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longgoodbye1992 · 1 year
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久々の旅 初日
この三連休、旅をした。
母と二人旅だった。
旅人をやめて半年余り。
ここにも久しぶりに旅の記録を書きたくなったので置いていこうと思う。
二泊三日で東北を有料道路を使わずにほぼ一周するというもので、宿泊先は行き当たりばったりで決めるという旅。
気になった場所で観光し、気が済んだら進む。
母と俺の適当な性格がこれでもかというくらい出ているルール。
だけど上手くいくだろうという自信はあった。
初日は6時半に家を出て八戸へ向かった。
八戸は無料で使える三陸道の北のスタート地点。
昼前に乗り、少しして昼ごはんのために下りる。
地元民に愛されてるだろうラーメン店で味噌ラーメンを食べた。
三陸道を使って更に進む。
思いつきでドラマ「あまちゃん」のロケ地に行きたくなり久慈で下りる。
「あまちゃん」は大学時代に最もハマったドラマ。
いつかロケ地にと思っていたが、この日思い切って行くことにした。
久慈市にある小袖海岸という場所がそれ。細い海岸通りを進んで着いた先で真っ先に目に入ったのは、ドラマで象徴的に使われる灯台だった。
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その他にも記念碑や劇中で初めてウニを捕るシーンの撮影場所などを見て後にした。
ちなみにウニはまだ時期でないらしい。
その後はリアス式海岸をひたすら下っていく。
途中道の駅でソフトクリームを食べながら母と運転を交代しつつ進む。
石巻を走っているときに宿を探しだした。
仙台から更に南に行った街で取ろうとなり、あちらこちらのビジネスホテルに電話をして、奇跡的に空いていたシングルルームを二つとった。
その街に向かう途中で夕焼けを見た。高台の県道をを走りながら見たそれはとても美しくて情緒的だった。
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宿に着いたのは19時前。
古き良きビジネスホテルといった所。
繁華街の中にあり、口コミを調べて美味しそうだった居酒屋へ。生ビールがサッポロビールというのが決め手だった。
串焼きをメインにしたお店であれやこれやとオーダーする。
サッポロビールで母と乾杯。
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アジのタタキとレモンサワーである程度酔った。
焼いたニンニクに味噌をつけて食べるのもよかった。
聞けば居酒屋のマスターは二十代でお店を始めて今年で四十五年だという。
愛され続けるには人柄と料理の味のどちらかが欠けてもいけない。
その点このお店はマスターや奥さんの人柄や確かな職人の腕が光る素晴らしいお店だった。
ホテルに戻り母の部屋で缶チューハイを飲んだ。
母には苦労をかけっぱなしだった。
そんな話をしていると母は眠ってしまった。
部屋に戻って窓の外を見る。
ふらりと歩きたくなった。
ホテルを出て気ままに歩いてみる。
繁華街らしくネオンがちらちらとあるが、営業していないと思われるほど音がなかった。その中でカラオケの音が聞こえてきた営業しているスナックを見つけ入ることにした。
中には三人組の常連らしき客や一人で飲んでいる人が二人いた。
カウンターに座る。ママはどうやら外国の方らしく、見た目がエキゾチックだった。
チーママは日本人で優しそうな人だった。
薄めに作ってもらったハイボールを片手に、常連客のカラオケを聞く。
チーママに誘われて常連客の輪に入らせてもらうことになった。
警察官のおじさんと力士のような人。そして酒屋さんだというお兄さんの三人だ。
一緒にカラオケを楽しむ。
一曲目に沢田研二の「サムライ」を歌った。中々ウケが良かった。片手にピストルと歌い出すと警察官のおじさんが「俺も持ってる」といい周りが笑いに包まれた。
ためになる話や難しい話などこんな場でする必要なんてない。ただ楽しく飲んで歌えばそれで仲間になれるのだ。
「銃爪」や「浪花節だよ人生は」を歌い、リクエストで「夏の終わりのハーモニー」を最後に歌った。
チーママは感動したらしく涙ぐんでいた。
満足してホテルへ帰る。
明日は6時起き。
更に南へ下る。
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yanbooton · 6 months
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“上野でガチ中華!『羊不同烤小串』”
⏰営業時間⏰ 11:30~23:30(L.O23:00) 📌定休日:なし 📞03-6284-2898
🚃最寄駅🚃 ・東京メトロ銀座線 上野広小路駅 A4出口:徒歩1分 ・大江戸線 #上野御徒町駅:徒歩1分 ・JR#御徒町駅 南口:徒歩3分 ・JR#上野駅 :徒歩7分 ・京成本線 京成#上野駅 :徒歩4分 ・東京メトロ #仲御徒町駅:徒歩4分
📍東京都台東区上野1丁目20−1 ユニゾ 上野一丁目ビル 2階
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mmmmmmmm0620 · 6 months
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可惜夜E.P.リリースツアー
今年の年明けにレコーディングをして、夏から可惜夜e.p.というCDを引っ提げて「オレンジに染まるツアー」というツアーを回った計16本ようやく諸々落ち着いたので長めに書こうと思う
2023.7.21 新潟CLUB RIVERST
ツアー初日、楽しみで全然寝れなかった、オープン前にバックドロップを頂いて(本当に夢だったからめちゃめちゃ嬉しい)ツアーの幕開け 俺が対バンしてうざ!!!って思うくらい悔しかったバンドをゲストに迎えた��全員2000年で顔合わせの時びっくりした 心から尊敬して大好きなバンドに出てもらえてることが嬉しかったな、打ち上げはたつみくんとハラくんと気狂うくらい新時代の伝串たべた あのスパイスって何にかけてもうまいからこわい みんなに無事に行ってらっしゃいって言ってもらえた!
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2023.7.30 郡山PEAK ACTION
実に2年ぶりのピークでのライブ 10代最後のライブをしたのもこのライブハウス なんか途中で悔しくなってライブ中泣き始めたのもこのライブハウス 店長のジョンさんはこの世でいちばんいい人、成人祝いもしてくれてうれしかったー zanpanでスタッフのふっしーさんと朝まで飲んだ
2023.7.31 仙台FLYING SON
今回のツアーでもかなり記憶に強く残ってる日 まじで何から何まで最高だったし鉄風東京がこの街でやってきたことにただただリスペクト さかじりと大黒とおかしくなるまでお酒のみました 
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2023.8.9福岡Queblick
なんと人生初九州 とんねるずのみなさんのおかげでしたの細かすぎて伝わらないモノマネで博多華丸がやってた長浜屋のネタを小学生の時から見てたから堪能しまくりたかったけどまさかの台風直撃 天気悪すぎて15時にお店が全部閉まり、打ち上げで行きたかった屋台も終了 かがっちょさんぎっくり腰により打ち上げもなし、とほほ…となりながらコンビニでビール買って移動
2023.8.10 高松RIZIN’
そしてまた人生初四国 コンビニのノリでうどん屋あるのヤバすぎる リハ終わってからすみいくんとフケセリに連れてってもらってうどん食べに行った 今まで、まあまあ…丸亀製麺の方がうまいでしょ…と思っていた俺を怒りたい 革命だった、もう高松のうどんしか食べません 店長さんもかなりイカれてて(いい意味で)セトリとか取り置き書くリストなんてものはないしそこら辺の紙に書け!と言われて出したしリハもタバコ吸いながらサイコー!とか言ってるし… 超大好きになった ハラくんも遊びに来てくれて打ち上げも一緒にした まさかの当日24時間の居酒屋がグランドオープンしてしまったせいで最後フケセリと喫煙所で喋ってるところで記憶がおしまい 起きたら家でした
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2023.8.18 寝屋川VINTAGE
この日も前日Googleマップのストリートビューでネヤビンに行ってしまうくらい楽しみだった日 なのにたこじろうやってないししまいには優斗とご飯食べようってなったのにファミマのおにぎりだし この日はO.A.のバンドがかなりグッと来た 打ち上げもきっかり最後は寝屋川市駅前の吉野家、朝6時にfin
2023.9.3 群馬SUNBURST
この日もかなり記憶に残ってる 俺が1回だけ本気でバンド辞めようと思った場所 今日はトイレで1人泣くことはなくて良かった ASAHIってバンドが後輩なんだけど曲数足りないからSeek meのカバー2回やってたのウケた 気合いめちゃくちゃ入ってて良かったなあ 打ち上げも箱打ち⇨ラーメン屋⇨やじまとガイくんとスマブラ 朝9時くらいまで遊びました
2023.9.7 千葉Sound Stream Sakura
サンストはツアーやる!ってなった時最初に出てきたライブハウス 俺はシラハタさんの人間性が大好きでここに通いたいと心から思う くさのねフェスの準備で次の日早かったからな無限テキーラワイン編はなんとか回避 サンストで初めて潰れないで帰れた
2023.9.9 下北沢近松
高校2年生の時初めて東京は下北沢でライブをした そのときに対バンのライブを見ないバンド、乾杯だけの打ち上げにカルチャーショックを受けた けど近松は初めてこんな大人も東京にいるんだ!って思わせてくれた場所 途中で新宿に移動して朝まで遊んでネカフェにぶち込まれた
2023.9.10 越谷EASY GOINGS
毎回地元バンドが顔を出してくれる 箱にいる人と集まる人の人間が好きだ レイクタウン行ってみたい
2023.9.25 豊橋club KNOT
地元以外のライブハウスで好きな箱ランキング堂々の1位 スタッフとそこに集まる人と地元バンドがはちゃめちゃに好きだ よそ者のはずなのにここまであったかく感じるのはなんでなんだろう Alstroemeriaは毎回出演じゃない日でもライブを観てくれる 人が好きだからその場所が好きになる ブッカーのしょうじさんがお酒は喉越しだ!とビールのノリでテキーラを並々注ぐので大ゲロ吐きました
2023.9.26 静岡UMBER
やっぱり高校卒業したての時に行ったライブハウスはなんかみんな思い入れがあるような気がしてる たごさんが辞める前にまた会えてよかったー バンド続けてればまた会えるよな、と信じている しきじからさわやかという最高ムーブもした ハンバーグとサウナはさわやかとしきじしか行きません
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2023.10.15 新宿Marble
この日からファイナルシリーズ 個人的におもしろそう!となって組めた日 kaoとUNFAIR RULEに出てもらった とにかく心が満たされた夜でこれが可惜夜ってことか〜となった ともさんとみはねとかなり話せて良かった 嬉しいことを言ってくれてもう泣きそうになった みんなすぐ帰ってしまったのでメンバーで凪食べて帰宅
2023.10.20 心斎橋BRONZE
この日の記憶はずっとhananashi この日を境にメンバーはhananashiしか聴けない体になりました 鼻歌も車内BGMもずっとhananashi 打ち上げできむけんさんに嬉しい言葉もらって曲げずにいて良かったと思ったしこれからも曲げずにいようにもなれた!テオくんと朝6時まで飲んだらファミマで吐いてました 
2023.10.22 栄Party’z
大好きなAlstroemeriaとツーマン とにかく幸せだったな 打ち上げで中華行こうとしてかなり歩いたのにやってなくて結局箱打ち ノンアルで朝まで付き合ってくれたの今考えると狂ってると思う みんなでシゲ��ーガー食べて幸福 
2023.10.27 新潟GOLDENPIGS BLACK STAGE
いよいよツアーファイナル 先週初日やったみたいな感覚なのにもうファイナル 愛すべきTHE KING OF ROOKIEとツーマン 初ライブした時から対バンしてて、辛いところも苦しいところもださいところもカッコいいところも全部見てる先輩だからこそファイナル新潟でツーマンできて良かったしこの街でバンドやれてよかった!と思った 店長の翔さんも次の日アイドルイベントで朝クソ早いのに打ち上げいてくれて嬉しかった これにてツアー完結!
こうやって各箇所書いてみるとずっとライブ⇨打ち上げ⇨嘔吐の繰り返しですがバンドはそういうのの繰り返しと積み重ねだと思ってます もう今年のライブは残り少ないし冬は雪やばすぎて遠征もポンポンできないので制作しまくって冬が明ける前にはまたいいおしらせをします!これからも末長く、よろしくお願いします
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poddyshobbies · 9 months
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日南線に乗りに行く Day 2-2(5)油津→志布志
> YouTube(1時間22分)… 左車窓、時々車内
油津 11:07 発 志布志行き
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油津港 ~ 油津駅を出発してすぐ(進行方向左車窓)
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乗客は少ない…
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串間駅停車中
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あと20分ほどで終着の志布志駅(鹿児島県)
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↑ 時刻は乗車当時のものです。
2023.6.16 ~ つづく
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lllusioninthehead · 1 year
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2023/03/04
夜になり風が強くなった。
学生からの友人と3人で会った帰りだ。コートの襟をてて、マスクで顔を覆う。結婚式のフィッティングのために無理やり痩せたあとなので少し大きく感じる。もう明日だなと思う。
それでも飲みに出たのは、
ひとりの友人がテーラード部門も抱えるアパレルに勤めていて、社割りでスーツを購入させてくれるというのでお願いしたついでだ。どちらがついでかは誰もわからない。
採寸をして最近のトレンドや生地についてアドバイスを貰う。インポートは円安で高いからこっちの張りがある国内生地がいいよと値段を見せてくれた。11万円のものが5万程度で買えるの嬉しい、助言も頼りになる。
焼き鳥屋で飲み、さらに串かつを食べて帰る。
妻との約束通り締めは食べずビールは一杯だけ。
別れしな、友人に結婚式の受付を頼み快く了承を貰う。多摩センターも風が強い。八王子の山から吹き下ろしてくるからだよ。と昔父が言っていたのを思い出す。父が頭によぎるのは珍しい。友人の子供に会ったせいだろうか。
上手く助け合いながら生きていければ。と友人や家族について思う。ゴツゴツした考え方もそのままで良い。これがこの人なんだなと思う。相手をどうのこうのしたい願望はない。自分の道を歩く力はそれぞれついてる。
若い頃はすべて同じが良くてそれが気持ちよくて、心な繋がったという瞬間を求めていた。なんて無鉄砲で怖いもの知らずで、愚かで、尊かったのだろう。もう、できない。誰とも。幻想だと知ってしまった。それだけ多くのものが失われていった。ひとりで逝かない人はいない。個人的なのに、その人に起らないのだ。同時に消える。死という概念がナマナマしくあって、心を変容させる。関わる人々を。
夜の街、遠くの山の暗闇、灯る光、電車の通る音、駅に依る人、終わりかけの今日。なんだか切なくてノスタルジックな宵の口。
ひとりの友人は家庭から抜け出してきたせいか、まだ帰りたくないとキャバクラに行くと言っていた。誘われたがもちろん断った。趣味じゃない。タクシーで帰るのも馬鹿らしい。
どこか息抜きが人には必要なのだ、孤独を少し和らげるための。その口実になっていたとしても構わないし、笑って受容できる。
さて帰ろう。生活へ。
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myonbl · 8 months
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2023年9月17日(日)
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<神戸文化ホール>で開催の<第47回東西落語名人選>、露の新治さん出演とあって早くからチケットを確保しておいた。ただし夜遅くなるのはいやなので昼の部だけ、東京の3人は初ライブなので来たかいがあった。近年は神戸と言っても新開地・喜楽館へ来る程度、周辺を歩いたことはないので<湊川神社>の広大さには驚かされた。次回は、ゆっくりとまちあるきを楽しみたいものだ。
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5時15分起床。
日誌書く。
洗濯。
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朝食。
洗濯物干す。
デスクまわりの片付け。
今日は神戸まで落語会、ツレアイにおにぎりを用意してもらって出発。
阪急桂駅から快速特急乗車、<京とれいん 雅楽>に初めて乗る。桂の次は淡路まで止まらない。
高速神戸で下りて会場へ、隣接する公園のベンチで🍙をいただく。
会場に入ると露の新治さんに遭遇、私は夜の部に来ると思っていたとのこと。芦屋市議の山口さんもみかけたが、グループで来ておられたので挨拶しそびれた。ツレアイは会場内で東京のNさんに会ったとのこと、金曜日から明日まで毎日新治さんを追っかけとはすごい。
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小痴楽・小遊三・小朝の東お三方は初ライブ、小痴楽はまずまず、小遊三は退屈、小朝はさすがの存在感。新治さんの<狼講釈>、五目講釈に少し改良があって、2度の中手が来る熱演。福笑は爆笑、福團治は独自の語り口ではあるが、<井戸の茶碗>としては雑な運びで私には合わない。
終演後、すぐに退出する。
ツレアイは西大路七条で下車して買物へ、私は先に帰って夕飯準備。
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夕飯は鰹のたたき・茹でソーセージ・蒸し南瓜・串カツ・キュウリのぬか漬け・レタスとトマト。
録画番組視聴。
カラーで蘇る古今亭志ん生 「落語の神様」と称される古今亭志ん生の没後50年を記念し全盛期に収録された高座映像「風呂敷」をカラー化、初オンエアする。出演は五街道雲助、池波志乃、古今亭文菊。 2023年は「落語の神様」と称される昭和の大名人、古今亭志ん生の没後50年。命日の9月21日を前に、最新のAIを用いカラー化した志ん生の落語を初オンエアする。演目は、全盛期の1955年に収録された「風呂敷」。番組では、大画面で初公開された9月1日のイベントから、志ん生の孫弟子であり、今年人間国宝に認定される五街道雲助、同じく孫弟子の古今亭文菊、そして実の孫、俳優の池波志乃によるトークもお届けする。
「落語の神様」なんて、誰が言ったの?
片付け、入浴、体重は300g減。
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3つのリングは無事完成、水分は1,530ml。
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yuminao · 9 months
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【ゆみなおが行く。】2023紀南・串本編
朝8時頃に和歌山駅を出発し、普通電車でどんどこ紀南へ。
紀伊田辺駅で50分の待ち合わせ。大好きな顔はめパネルで遊んで… 田並駅、田並劇場閉まってた。 奇跡的に見つけた海沿いのいい感じのお店でランチ、大当たり!
食後に40分のハイキングコースで熊野古道体験。 ようやくたどり着いた紀伊有田駅。 即興で感じるままに無人駅で踊り… 友だちのいしやんと奇跡の合流。 強力な助っ人の登場により旅は一転。 さらに南、本州最南端へ。 橋杭岩、橋を渡って紀伊大島。 とろけそうな夕日を眺めて 楽しい時間はあっという間。 家に着く頃には日付がまわる。 紀南・串本旅は最初から最後まで濃密でした。 行き当たりばったりの私たちだからこそ出会えた景色、たくさんの思い出に感謝。
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yfukuoka · 1 year
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【3640日目】2023-01-04 新幹線で東京へ戻ってきました。東京駅直結のバンゲラさんの新店へ。 バンゲラズスパイスビストロ&カフェ@東京駅・八重洲 ‪____________________________________ ミシュランガイドのビブグルマンにも選ばれた南インド・マンガロール料理店バンゲラズキッチンのカジュアルライン。マンガロール地方に限らず、インド全域の料理に現代らしいエッセンスを混ぜ込んだ、フュージョンインド料理がコンセプトかもしれません(確認はしてません)。 バンゲラさんのイラストが本人にめちゃ似てますね。銀座の本店より似てる ^^ *ビリヤニプレート レギュラーメニューのビリヤニは、新解釈ビリヤニ 。辛みなしのスパイス炊き込みご飯の上に、どろっとした見た目にも濃厚で美味しそうなグレイビーをまとった大きなチキンレッグ。 スプーンでもほぐれていく、やわらかく火入された鶏足肉。とろとろの正体はココナッツミルク?スモークしたような香りはビッグカルダモン?芳醇なスパイスの香りとやさしい香り米が一体となった、ビリヤニのニュータイプ。 *フィッシュドーサタコス 木曜の日替わりメニュー。なんと、タコスです。シャキッとしたレタス、パプリカ、チーズにサルサソース、カラフルで見た目にも楽しいタコス。口に入れた瞬間はメキシカンなのに、噛めば噛むほど、インドの風が溢れてくる。 フォークとナイフで食べればいいのか、手食がいいのか迷います。 魚はヨーグルトとマサラでマリネされていて、串穴があったので、フィッシュティッカの状態。アジョワン使いがニクいですね。 ドーサ生地は発酵した風味がしっかり感じられて絶妙な酸味。これはインドのドーサを知らなくても、楽しめますね。 Indian dessert plate 食後ににマンガロールのバナナバンズを食べたくて追加のデザート。グラブジャムーンとココナッツアイスもついてくる嬉しいセットです。 面白いお店ができたんだなぁ〜^^ ※息子はこの日、2カレー、1ビリヤニ食べてます。父を超えるペース。頼もしい。 ‪____________________________________ 🇮🇳 #india #curry #spice ‪#instafood ‬#asianfood #asia #foodpic #foodstagram #tasty‪ #‬インド #バンゲラズキッチン #東京 #東京駅 #八重洲 #スパイス #カレー #フクドローン #ふくすたぐらむ ↓バンゲラズスパイスビストロ&カフェ @bangerasspicebistroandcafe (Bangerasspicebistro&cafe) https://www.instagram.com/p/CnnzhlGyt-C/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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asagaquru · 4 months
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私の住む札幌市にある、すすきの。“すすきの”という駅やビルはあるけれど、“すすきの”という住所はない。なんとなくここからここまでがすすきのかなという感覚。ちなみにススキノとも薄野とも書く。
日本最北の歓楽街であるくせに、縦にも横にも1キロに届かない面積しかないからか、1件目にいた人がその後行くクラブにいたり、2件目から行くタクシー乗り場で鉢合わせたりする。
いつも通り、いなりで串やらもつ煮込みを食べ、今日も名物の豚足は売り切れなのねと恋人を話しながら札幌ラガー1本とそれぞれハイボールを飲んで外に出る。それからふらりと寄ったバーが当たりだった。カウンターがあってテーブルがあるバーなのに、スクリーンに無音で映画が映し出されていて、音声の代わりにジャズが流れている。カウンターに設置されたショーケースにはチーズケーキとタルトが鎮座している。
数年前から締めパフェなるものが、すすきので広まったけれどすでにもう飽和状態で、有名店となった店は2号店、3号店と出店し、価格も3000円、4000円と高騰している。それなのに若者や国内外の観光客が何時間も並ぶから飽き飽きしていた。私だってアイスクリームやらシリアルやら果物とヨーロッパの数秒後には忘れてしまうような横文字の名前のパリパリとした甘いお菓子が美しく盛り付けられたパフェを食べたい。けれど、そんなに待っていたら、酔いは覚め、低体温症で凍え死んでしまう。
けれど、そこのケーキも素晴らしく美味しかった。「ケーキひとつずつください」と頼むと、ピスタチオのチーズケーキが私に、ナッツタルトが彼の前に届けられる。店員が去るとすぐさま彼は、ケーキの皿を私のと取り替える。彼はピスタチオが好きなのだ。どちらのケーキも程よい甘味と楽しい舌触りで、お酒を飲みながらお喋りをするのにうってつけだった。
映画とお酒とジャズとケーキ。燻製も何故だか古着もある。全部好きだ。幾度となく来たこの小さなすすきのという空間にまだこんなお店が隠れていたなんて。開店したのは12.3年前だと言う。私が成人するずっと前からここでこの店を営われていて、私たちがたどり着くまで、私が見合う大人になるまで待っていてくれたかのような不思議な気持ちになる。私が一生かけて好きな映画「マイブルーベリーナイツ」に出てくるブルーベリーパイを焼くこともあると聞いて、胸の内が静かに煌めいている。タクシーで帰宅、甘美な夜ふかし。
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daysonme · 1 year
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2023.03.26
日曜日の夜、無計画にいたら夜ご飯に辿り着けず心折れて泣きそうになった。しかも外は雨だしやたら寒いし、お子は暇を持て余し構ってほしいとニャーニャー言う。お店は日曜休業もしくは満席、満席、満席。あぁ、わたしとしたことが。
子が食べれるもの、座れる席を探しつつ、駅周辺の店の行列に断られまくり、どこでもええわという気持ちと、味噌おでん食べたいという要望に電話しまくり探しまくりで場所移動して2時間歩き回ってようやく辿り着いたのは、赤から。
赤からですよ…。
赤から、東京にもたくさんある。
赤から、鍋がメインの店。
サイドメニューのポテトと唐揚げで誤魔化し、昨日は子がむさぼり食べてた味噌串かつもオーダーするが、今日の味噌カツはぜんっぜん食べない。手羽も食べない。あぁ、そう…君にはわかっちゃうの?グルメね…騙せないね。
鍋をすっとばした赤から、大人にもなかなか厳しい。一通り食べてさっさと店を出る。赤からは悪くない、受け入れてくれてありがとう。でもこれで5000円ちょい。つらw
夫婦の雰囲気も険悪に(主にわたしが限界すぎて機嫌悪くて)、どんより意気消沈。駅まで歩くのも寒くて嫌すぎてタクシーアプリで配車依頼、そしたら意外と来なくて寒くてさらにどんよりぐったり。ホテルに戻り、手元を見たらなんとタクシーにスマホ忘れてる。あああああああああうそぉぉぉ。
なんとなく、本当になんとなく、いらないと思いつつ忘れ物もないのにと思いつつ、なんとなく何かの時のためにと受け取ってポケットにしまった領収書があった。ホテルの方に電話してもらい、おかげで即探してもらえて見つけられた。危機一髪とはこのこと。領収書、受け取ってよかった。危なかった。
レシートはすぐ捨てるか受け取らないので、ヤケクソ気分だった自分らしくない今日の行動(領収書保管)はとても珍しい。背中で誰かがそっとヘルプしてくれてたのかな。ありがとうサムバディ。
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hidekigogo · 1 year
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2月22日、昨晩はかなーりお久しぶりに蒲田駅西口にあるもつ焼き次郎さんへ。まだ明るい時間帯で店内は1名ほど。 黒ホッピーに中4、ハラミ、シロ、かしら、ハツ、浅漬けなどいただきサッと退店。串焼き90円は最高のコスパではないかと、美味しくいただきました。 このお店、開店当初からお伺いしていて5〜6年経つと思うけど、店内座り席から立ち飲みに変わったもののお値段変わらず営業されてますねー。お味も変わらすうれしい限りです。 #もつ焼き次郎 #蒲田 #蒲田西口 #もつ焼き #蒲田もつ焼き #立ち飲み #蒲田立ち飲み (もつ焼き次郎) https://www.instagram.com/p/Co-opRGyPht/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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tashinamuteidoni · 2 years
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焼肉は、正義。⁡ ⁡焼けてる肉からはマイナスイオンが出てるとしか思えない🤣⁡ ⁡⁡ ⁡今回伺いましたのが、津田沼駅と新津田沼駅の間にある焼肉ホルモン酒場とろにく津田沼店さん。⁡ ⁡⁡ ⁡つい最近リニューアルして、ホルモン中心のお店から本格志向の焼肉屋に転向したお店です😁⁡⁡ ⁡ ⁡な・ん・で・す・け・ど!⁡ ⁡⁡ ⁡3枚目の写真に載せてますが、なんと卓上サーバーで飲み放題がついてるんです!⁡ ⁡⁡ ⁡美味しい肉を食べながら卓上サーバーで好き勝手飲みまくれるというとんでもないお店🤣⁡⁡ ⁡かつ、飲み放題が激安😍 ⁡⁡ ⁡焼肉もお酒も好きだけど、飲みすぎると会計とんでもないことになるしな、という私みたいな人にはピッタリのお店🤣 ⁡⁡ ⁡ちなみにリニューアルに当たり、埼玉でブイブイ言わせてた店長をわざわざ津田沼店に呼び出したとのことなので、これは力入ってますよ〜😆⁡ ⁡⁡ ⁡ナムルも本格的で美味しいし、ヤリ過ぎハラミというとんでもないサイズのハラミが食べられたりと、かなりアミューズメント性の高いお店🤣⁡ ⁡⁡ ⁡もうね、ハラミについては動画見てもらった方が早い、7枚目に動画つけてますので😍⁡⁡ ⁡これはちょっとね、抗えない🤣見ちゃったら食べたくなりますよ!! ⁡⁡ ⁡焼肉・ホルモン酒場 とろにく津田沼店で検索してみてくださいね! ↓ @toroniku_tudanuma 私が記事提供もしてます、お酒のブログヒャクヤクにも焼肉・ホルモン酒場 とろにく津田沼店さんの紹介記事載せてます! 良かったらプロフィールから飛んでみて下さいね😁 ↓ @sakezuki.horoyoi #千葉グルメ #津田沼居酒屋 #津田沼グルメ #津田沼居酒屋 #津田沼ディナー #とろにく津田沼店 #酔っ払い #赤ワイン #白ワイン #息抜き #ドリンク #うまい #生ビール #炭焼き #飲み屋 #大衆居酒屋 #サントリー #ビームハイボール #本鮪 #日本食 #串焼き #スナック #酒 #カクテル #キリン #酒蔵 #PR (津田沼駅) https://www.instagram.com/p/Ck-xcPNpWv1/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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taro26 · 1 year
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今回は名古屋市中区の「やきとん酒場ぎんぶた 伏見長者町店」に行ってきました🐟 メインの一品や串料理を大変リーズナブルな価格かつジューシーに頂ける良いお店です🍗 焼きとん中心に1品料理がいろいろあります。 今回は美味しかったものを何品か紹介していきます☺️ ①炙りタン皮 イカ焼きの様な見た目ですが、歯応え抜群のタンとマヨネーズがよく合います。 お酒も進むのでこれはマストですね〜🦑 お好みで一味もどうぞ🌶 ②豚上たん焼き。 数量限定のジューシーで歯応え抜群、脂があって美味しいです🥩 たん焼きにはからしがよく合いました🤤 -------------------------------- 🌟2023.1.5 現在の情報 【住所】愛知県名古屋市中区錦2-6-19 【アクセス】伏見駅から徒歩405m 【予約】 予約可 【駐車場】 無 【営業時間】 月 11:00-14:00 16:00-23:00
火 11:00-14:00 16:00-23:00
水 11:00-14:00 16:00-23:00
木 11:00-14:00 16:00-23:00
金 11:00-14:00 16:00-23:30
土 11:00-14:00    16:00-23:00 【定休日】日曜日 #名古屋グルメ  #ご飯屋さん #東海グルメ #グルメ好きな人と繋がりたい #きんぶた #ぎんぶた伏見長者町店 #焼き鳥 #焼き鳥好きな人と繋がりたい #コロワイド #コロワイド株主優待 #優待生活 #株主優待 (やきとん酒場 ぎんぶた 伏見長者町店) https://www.instagram.com/p/CnCGjm6ypnh/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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gurumehittersuzuro · 8 days
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【もつ焼き おとんば】御徒町
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◉お昼12時から営業しているもつ焼き大衆酒場。コスパ抜群の串焼きと肉刺しはどれも絶品でした。店員さんの対応も良くて楽しく食事ができました。
♦︎タン、ハツ、シロ、レバー
♦︎アブラ、うなじ、チレ
♦︎どて串
♦︎つくね、牛ミンチ
♦︎おまかせ刺し盛り タン、ハツ、ネック
♦︎レバー三昧 レバ刺身、パテ、ムース
♦︎牛すじ煮込み豆腐
♦︎チレトロユッケ
✔︎住所:東京都台東区上野6-3-2 御徒町ワイズビル
✔︎最寄り駅:JR御徒町駅北口徒歩1分
✔︎予算:2000円〜3000円
✔︎駐車場:無
✔︎定休日:年末年始12月30日〜1月4日
✔︎営業時間:12:00 - 22:00 L.O. 料理21:00 ドリンク21:30
#上野グルメ #もつ焼き #上野 #上野居酒屋 #上野もつ焼き
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higashiazuma · 18 days
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じゃれ本 1卓目の作品
「じゃれ本 オンライン試用版」を使ったセッションで紡がれた物語たちです。前の文の前後関係がわからずに何かを書こうとするとこうなります。参加した本人たちはめちゃくちゃ楽しかったです。
お題:ホラー ページ数:8P
『忘れられた木』
幻視を見た。夕日を背中に浴び、吊るされた死体。枝という枝に麻紐で吊るされていた……これは幻。 私は小さい頃から良くこういったモノを見た。
そして、私がそういう幻視をすると決まって何か似たことが起こる。建設現場の作業員が、足を踏み外して死んでいた。首には命綱が絡まっていたそうだ。幻視が正しかったことを確かめるためにSNSを漁った。
スクロールしながらふと、特定の話題に連なるコメントをまとめて「木」と呼んだなと思う。ああいう掲示板やwikiには、時折得体のしれない信憑性があったものだ。 ふと検索欄に指が向く。ある単語が「浮かんだ」
「菩提樹」 小さな検索窓に、たった三文字の言葉を打ち込んだ。 すると、ひとつのスレッドか過去ログ倉庫から発掘された。 無数の話題「木」の中に埋もれた、1本の「忘れられた木」。
昔々の事であった。その村は絹を生業としていた。土地には良質な桑の木々があり、蚕を育てるにはうってつけだったのだ。そんな桑の原の真ん中にポツンとある「菩提樹」それがその木である。
その「菩提樹」のために、囲いを作ったのが悪かった。人間の余計な世話で水が溜まって流れていかなくなった。根が腐り、どうしようもなくなってしまった。だから先祖は、「菩提樹」を失ってしまった。
菩提を失う。――悟れない。涅槃に至ることはない。そうして行き場を失った亡者どもが、今も私が見続けているものたちなのだろうか? だとしたら私の務めは、囲いを崩すこと。 それで蘇るのは、本当に木だろうか?
ふと、私は背後を見やった。 暗い部屋の中、ディスプレイのみの明かりで照らされた私の影。それに無数の「別の影」が纏わりつき、まるで菩提樹のような影を落としていた。 ああ―― 私も、忘れられた木になるのだ
『仄暗い水死体』
じいさん曰く、死体の色には明るいのと暗いのがある。明るいのは悪くて、暗いのはいいんだと。明るいのはまだ魂が引っ付いてるんだ。明るいのを見っけたらわざとしばらく見ないふりをして”干し”とくんだと。
すると目の前にあるずぶ濡れのこれは"干す"必要がある。人ん家の屋上でなんという仕打ちだ、と舌打ちした。頭にあるのはこれで値打ちがどれほど下がるかということばかり。一番怖いのは人間の欲だと我ながら思う。
だが"干す"となると、ここ以上に適任の場所はあるまい。止むを得ず、僕はそれを屋上に放置することにした。 もちろん、そのまま置いておいては騒ぎになるだろう。 そこで一計を案じた。
「工事中・立ち入り禁止」 安直だが準備無く出来るのはこれが最善だろう。もちろんここの管理者が見れば不信がるのは避けられない。エレベーターの無い屋上の管理を真面目にこなさないことを祈った。
あれは明るい死体だった。現代日本で死体が見つからないわけがない。時間を稼げたらいい……。 僕の頭はあの死体でいっぱいだった。白熱電球のような明るい死体だった。時間だけがほしい。
どうすれば? ――翳を作ればいいんだろう。暗くすればいい。夜を、もっと早く夜を。夜を呼ぼう。太陽も星も沈めてしまえ。ストロボライトもカメラのフラッシュも、みんな空に向いちまえ。死体が干上がるまで。
そうだ。――視界に、あるものが止まった。 浄水槽。百均の網を使えば、あの暗闇の中でこれを干せる。
網を取る。広げる。置く――死体を。ツンとした腐敗臭に目をしかめ、手早く、手早く行う。 そして暗い円筒へ。
水死体は仄暗い闇の中。
『包帯はまだありません』
残念ながら私の右腕には呪いが掛かっている、と言われた。中学生の妄想ではない。浮き出た痣のような模様はどことなく死んだ祖父に似ている。 一応は隠すかと包帯を探していたら、声が聞こえた。「まだだ」と。
ぎょっとして右腕に目をやった。浮き出た痣が心なしか濃くなり、祖父が死んだ時の――棺の小窓から覗いた時のあの顔を思い出させるような模様になっていたが、他に異変は無い。
僕はその腕を用心深く長袖に隠した。消えるわけではないができる限り目には入れたくない。もちろん見られるのも困る。挙動不審にならないよう辺りを見回し皆のところに戻った。
「あのね」 ほとんど話したことのないクラスメイトに話しかけられた。僕が腕を隠しているのは、リストカットの類ではない。僕はそういう苦労を背負っているわけではない……。 「わかるよ」と言われ申し訳な思う。
解られたところで仕方がないのだ。適当に会話から離脱するため、教科書など開いたところで耳に届く。 「お祖父ちゃんだった? それともお祖母ちゃん?」 手から滑り落ちた本は、机上で「雨月物語」の項を開く。
雨と月の物語。 それがこの痣と関係あるとしたら。 脳裏にあるビジョンが浮かぶ。祖父が亡くなる前、裏山のお社に連れて行かれた事があるのだ。天気雨の降る真夜中。辺りをぼんやり照らすおぼろ月。
周りは不思議に明るかった。 僕は空気に飲み込まれそうになって祖父の手を握り込んだ。 ――次の瞬間だ。影が動いた。明るい、恐ろしい月明かりの中影が動いたのだ。
祖父の影は僕の影を林檎の皮をむくようにくるくると剝ぎ取る。そして毛糸玉を丸めるように身にまとっていった。僕はまだ影だ。身体の内側にも影があることを悟った。影と陰が。
『邪神の霊安室』
僕がその存在を知ったのは、古本屋で買ったオカルト誌の記事がきっかけだった。 神というだけでもいかにも胡散臭いのに、それが霊安室に眠っているというのだから。それも、神田駅から徒歩15分圏内に。
時はもうすぐGW。ブラックだった弊社もとうとう有給を使って長期休暇を取らせてくれるようになった――有給を強制という点は目をつぶった――つまり丁度僕には時間があるわけだ。
「病院?」恋人がさりげなく言った。カウンセリング?いやだ。せっかくもぎとったGWを埋めるものは娯楽ではなくてブラック労働でぶっ壊れた心身のマイナスをゼロに戻すことだなんて。それよりディズニーとかさ……
「ほら、一種のアトラクションには違いないでしょ。体験型アクティビティ、ってやつ」 癒やし系ってやつか。私は頭を振り、心を温めたいわけじゃないんだと示す。どうせなら底の底まで行きたいんだ。
息を止めると、思い切って温水プールに飛び込んだ。 底へ。底へ。底へ。 違和感があった。 このプール、こんなに深かっただろうか…?
喉に手を当てる。不思議に肺も苦しくなかった。……死んだ? 背筋に汗が、いや、今はプールの水の中なのだから水圧か? とにかく深く進んだ。
肺に水が溜まりきってからというもの、不思議と苦しくはなくなった。大理石に埋もれた魚の化石が欠けた目玉でこちらを見つめている。
帰れない。 僕は悟った。 生きてはいられる。 でも僕は水の生き物だ。
水を得た魚とはいうけれど、この水はきっと良い交わりなど運んではこない。鱗のような空から降る雨のように、やがて僕の血を烏賊のそれと同じ色に変えるだろう。
お題:特になし ページ数:4P
『大げさな本』
この本を読んでいるあなたはとっても幸運だ。この本を読めば人生が変わること間違いなし。成功まったなしだ。何々をするとかそういう面倒なことは一切���し。『読むだけ』だ! つまりこの文が読めていさえすれば、
あなたはすぐさまハッピー!人生の勝ち組というわけなのです!ああ、本はまだ閉じないで。始まったばかりですからね。ここまで見ている賢明なあなたならこの本を読破するのにそう時間がかからないであろうことが、
全知全能の神が地を見そなわすごとく一目瞭然です。 改めて書きましょう。今後読み進めるにあたって、たった一つの手順を守るだけで、あなたはまさに時代の寵児、人類の救世主。守らなければ? あなたは死ぬ。
私は恐ろしくなって本を落とした。だが何ともない。 このような書き方はビジネス書や自己啓発書にはよくあることじゃないか。ただの大げさな本だ。 それを廃品回収に出しに行こうとした私に、トラックが迫っていた
『口紅と串刺し』
それを買ったのはデパートのとある化粧品売り場だった。 買うつもりなんて微塵もなかったはずなのに、鋭利なそれにひと目で心を奪われてしまったのだ。 「これはどうやって使うんですか?」 アドバイザーに尋ねる
「つまり」アドバイザーは答えを溜めた。「なすがままにです」 気が付けば包装紙に包まれた口紅を持っていた。 形状からいって、これを唇に塗りつけるとは思えない。鋭利にとがりすぎている……。
「……これはペンですか?」 拙い中学生の英文のような質問をしてしまう。 鋭利に尖った口紅。身を飾るものではなく筆記用具なのではないか?そうであってくれ。
「いいえ、口紅です。…教科書どおりじゃなくてごめんなさいね」 薔薇色の先端に鋼のハイライト。次の瞬間、僕の口から同じ色の液体が溢れ出す。いま唇は真っ赤に濡れている。
『最高のドーナツについて論じよ』
最高のドーナッツを語るにはまず「ドーナッツ」の定義を定める必要がある。もちろん料理の歴史の本を確認すればある程度先行研究の結果が分かるのだが、ここはあえて改めて定義し直したい。
さもないとX(旧twitter)でどこからともなく、「ドーナッツではなくドーナツです」、なんてbotに絡まれ…ることはなくなったが、同様の事態を引き起こしかねない。 一つ譲れないのは、そう、穴だ。
なんとしても、ダース買いしてしまったこのカスタード&エンゼルクリームの山に穴を開けなくては。全てはそれからだ。 私は手始めに、オールドファッションを最高にインスタ映えしそうな角度で撮った。
ここのドーナツはやたらと写真写りが良い。普通のドーナツの写真なのに、またたくまに恐ろしいほどのリアクションが付いた。 やれやれ。『絵に描いた餅』……こと映えるドーナツである。さて、あと11。
『髪の間から覗くピアス』
それまで誰かの耳を特別だと思ったことはなかった。パーマを当てすぎた髪の間に、赤くぷっくりとした粒が見えたときまで。 思わず「耳んとこ、血が」なんて言いかけて、それが彼女の意志表示だと気付く。
それは、赤い石だった。 如何せん、宝石には詳しくないもので、何という石かはわからない。彼女の耳元で艶やかに存在感を放つ、ささやかな意思表示。 思わず声をかけずにはいられなかった。
「どなたの石ですか?」 え? ――え? どうしてそういう言葉が出たのだろう? 女性の様子も変だ。さっと顔を青くして、ピアスをもぎ取ると逃げるように去っていった。残されたそれをなぜか手に取っている。
――ま、そういうこともあるか。 なんとか自分をなだめ、残ったそれをポケットの奥に突っ込んでおく……あのピアスが女性の耳を輝かす姿でも想像しながら。
お題:特になし ページ数:8P
『背びれアラビックヤマト』
子供の頃から魚になりたいと思っていた。最初は「人魚になりたい」だったのが、自分はそんなメルヘンに相応しい存在ではないという自覚だけはあったせいだ。私には鰭がないから、厚紙で作って背中に貼る。
だから、なるべきは「魚」だ。人魚はずうずうしいかもしれないが、鮮魚売り場に並んでいる魚には別に文句もあるまい。あら珍しい魚だわ、なんて思われるくらいだろう。どうやって煮つけにするか調べられるだけで。
来てくれないだろうか。麗しきマダム。あるいは朗らかな料理番。もしくは小さなお使いさん。「魚」扱いしてくれる魅力的な来客よ。
だけどそれは叶わない。なぜならこの身には背びれがあると同時に――「液状のり」の刻印が刻まれているからだ。 案の定、その来客は私など眼中に無いようだ。 私は心の底で叫んだ。
くそったれ。お前のそのふざけた帽子の下にはでんぷん糊でも詰まってるのか。今日び人の肌色を論うのは道義的問題が生じるから、その目に痛い黄色のことは勘弁してやるが、帽子のセンスは許しがたいぞ。
編集長の後ろ向きな承認の言葉で締めくくられた手紙を、私は勝利宣言とらえた。やった! これで、私の人魚を修正しなくてすむ。私の理想を資本主義に売り渡さずにすんだ! 人間性だ。これぞヒューマニティだ。
今晩は最高のパーティを開こう! 使用人も全員参加だ! 隣のケチババアもこの際呼びつけよう。なにせ資本主義に勝ったのだから! 私の持つ資産をなげうって盛大な祝いをするのだ!
私は自らの手で招待状を送ることにした。何せこんなに目出度いことは無いのだから! そしてその招待状の糊付けに使うのはもちろん、消えいろPITなのだった。
『サラサラシンギュラリティ』
私は自慢じゃないがこのキューティクルが自慢だ。 陽光の元燦然と輝く天使の輪。 歩けば誰もが振り返る、そんな美しいキューティクル。 だけどある日私は、出会ってしまった。いつもの薬王堂で、それに…
「シンギュラリティ」。 普通AIとかで用いられるやつだろう? 知ってる知ってる。でも、目の前にある玩具みたいな瓶には、さも当然とばかりそのバズワードが踊っているのだ。ここはシャンプー売り場だぞ?
たかだかシャンプーで人間を超えようというのだから大きく出たものである(消費者庁案件か?)。 つくりもののラベルにAmazonの詐欺レビュー画面みたいな大げさな演出。なるではなくなりますと書いてある。
(特許庁案件かもしれない)良く見たら自分の会社が持っているハズの技術名が書かれている。いやなんでだ。こんなシャンプーに? もしかしてGoogle検索でなんとなく技術名をググったのか。
恐る恐る、私はその場でスマホを取り出し我が社のその技術名をぐぐってみた。すると、なんということだ!検索結果はゆうに5万件を超えたのだ。技術漏洩?まさか、そんなはすはない。
我が社のシステムは最新鋭の技術で保守されている。「excelがある程度使える方」とか「タッチタイピングができる方」とか、そんな感じの募集要項で採った平成初期の人材ではない。だが、今や令和。 …よもや。
今やアシスタントAIはなんでも、「できない層」を優しくあやし、母親のようになんでもかんでもやってやるようになった。だから時代が一周してそういう層が出てくるのもおかしくはない。若社長でなければな。
問題は私がその若社長だって事なんだ。甘やかされたい。母親のように……いや、姉のようならどうだろう。マザコンの時代は終わりシスコンの時代がやってくるのだ。 私は姉AIの開発へと歩を進めた……
『紅い茶の密室』
しくじった。 停電により電子錠が動かなくなってしまったせいで、ここから出られない。出ることができない。 ……。 誰かが来てくれれば……。
「パンパカパーーーン★ 王子様登場だゾ★ ゾ★」  そんな声の後ドカンと一発破壊音が響く。何らかの力でとじられていた木の扉が粉々になった。  ……ウソだろ?  鼻先スレスレを破片が飛んだ。
(VFX:Car on Fire) なんてことだ!粉々になって吹き飛んだ木の扉が、表に止めてあったプリウスのエンジンを貫いた! 王子様と名乗るその男は、炎を背に歯を光らせている。
遍くこの世の乗り物はナマの力で動くべきだと信じているんだろう。勝手に犯行動機を想像でもしないとやっていられない。確かにそれは高貴でもクールでもない乗り物かもしれない。だが、私にとっては「愛馬」なんだ。
私は呼んだ。口笛で彼女を呼んだ。密室から外に向かって馬を呼んだ。駆けてきてくれるように祈りながら。絶対に成功しないように見える? 『ばかげていて、全く実用性がない』。それがトリックだ。
ピーー! ヒヒーーン! ピーーーーーー! ヒヒヒヒヒーーーーーン! リズミカルに繰り返される呼びかけ合い。私と彼女の華麗なるハーモニー。 トリックなんてクソ喰らえ。
ここはリオだ!リオのカーニバルだ!! ピーピーピピー!ドンシャカドンシャカ!! 私の彼女のハーモニーがクライマックスを迎えたその時、不思議な事が起こった! 木の扉が元通り塞がってしまったのだ!
どうしたってこれは密室だ。せっかく今の今まで、開放そのものの空気に満ち溢れていたのに。風通しが良いなんてもんじゃなかったのに。私は諦め、床に散らばった紙吹雪を片付ける。冷めた紅茶のような気分だった。
『正方形は溶けてなくなる』
「はい、どうぞ」  男は私に未完成のそれを渡した。  白と青の幾何学図形が……って高尚なこと言おうとしたけれど要は折りかけのオリガミ。 「キミなら分かってくれるよね」
「ううん、わからない。」 私は折りかけのそれの続きを折り始めた。 山折りで膨らみを作り、そっと隙間に差し込む。 「でも、貴方が求めてる答えは、きっとこれじゃないわよね」 私はそれを、手裏剣に折り直した
ただの紙切れごときが人の手にかかれば真心の証にもニンジャの武器にもなる。それは折り紙に限ったことじゃあない。人の手にかかれば… 「《彼》の手に掛かった者の行方を。谷折りの線みたいに辿れれば」
「アイヤアアーーー!」 その時。書架の隙間から、雄たけびを上げてニンジャが飛び出してきた。これが《彼》の追っ手か。私はページをちぎり取ると指示に従ってスリケンをつくった。キーは谷折りだ。つまり……。
私はすごい速度で谷折りを行った!爪の先を使い背中に隠し持っていた30cmの定規を使い折り曲げる。1mmのズレもない。完璧な仕事だ!これはオリガミ界のシンギュラリティだ!
すると、私の肩を叩く人がいた。 何気なく振り向くと、そこには驚愕の人物が立っていた。 「あなたは……SEIKOの社長さん!!」 「君、素晴らしい技術を持っているね」
どうしよう。気まずい。私は悟られないように、何気ない素振りで袖に手首を引っ込める。つい先日スマートウォッチに変えたばかりだ。まさに正方形の液晶画面を持つ… いや、待てよ。正方形じゃない。盲点だった。
このスマートウォッチには緊急通報をする機能がある。外部と通信しているのだ。私は通気口になんとかねじ込ませると、棒の先につけたスマートウォッチをさらに奥に突っ込んだ。思い切り投げる。鍵が開く音がした。
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