科学的に正確でもポリコレ的に正しくない、「不都合」な研究結果をどうするか。
現代西洋社会においてミソジニーは神話である—と唱える女性進化心理学者が、アカデミアの自己検閲、ジェンダー・バイアスと学術界における女性の影響、学問的アプローチに見る男女の違いなどを語った。
↓以下まとめ
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『Modern Wisdom』は、クリス・ウィリアムソン(Chris Williamson)が様々な思想家達を招き、社会・文化・健康などあらゆるテーマについて語る人気ポッドキャスト番組。ジョーダン・ピーターソン博士、サム・ハリス、アンドリュー・ヒューバーマン博士、スティーブン・ピンカー、ダグラス・マーレイなど、豪華なゲスト陣は十人十色で内容も興味深いものばかり。
第665回目のゲストは、ペンシルバニア大学助教授で社会心理学者、そして作家でもあるコーリー・クラーク博士(Dr. Cory Clark)。
クラーク博士は、学術心理学における自己検閲について、特にジェンダー・バイアスと学術界における女性の影響に焦点を当てた研究についての洞察を語った。
以下、クラーク博士とクリスの対談要約と関連する発言を一部抜粋して訳した(発言は繋がっていない場合あり):
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①アカデミアとジェンダー・バイアス
・アカデミアは必ずしも知的純粋さと真実の砦ではない
・蔓延する女性嫌悪という概念は、現代西洋社会においてはほぼ神話である
・もう一方の性に対して、どちらがよりひどい扱いを受けているのかという問いに答えるのは難しい
・我々は女性への加害により敏感な傾向があり、主流のナラティブは反女性バイアスにより重点を置いてきた可能性がある
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クラーク博士(以下、博士):「(一年前に発表した論文について)心理学におけるジェンダー・バイアスに関する最近の研究をレビューしたものなんですが、多くの場合、正反対のことが見られる。つまり、人々は様々な領域で女性に有利な方向へ偏っているんです。
男性よりも女性の方が良く扱われることが多い。男性よりも女性の方が好かれます。同じことをしても、女性は男性より罰せられません。女性は男性より優れているとする根拠が示された時よりも、男性が女性より優れているとする科学的な発見があった場合の方が、人々はより偏見を持ちやすいんです。
つまり、人々は女性が男性よりも優れていることを望んでいる。だから、社会は女性に対して性差別的であり、私たちは女性に対する潜在的な危害に警戒しなければならないという考え方は、実は私たちが男性よりも女性のことをとても大切に思っているという事実そのものから生じている可能性があると思われます。男性に対する偏見が見つかっても、誰も気にしないし、見出しにもならないわけです」
博士:「現代の西洋社会において、それ(女性差別)はほとんど神話だと言っていいでしょう、はい」
博士:「7年間も発表するのに苦労した研究があるんですけど、知能に関するもので。男性も女性も同レベルで知的である、女性は男性よりも知的である、男性は女性よりも知的であるという。
人々は男女が同じように知的、あるいは女性の方が知的というのを好ましく思うんですが、男性の方が女性よりも知的である、というのには苛立ちを覚えるんですね」
クリス:「どうしてでしょうね。というより、まず主流のナラティブでは反女性的バイアスが蔓延しているということになっていて、当の男性達ですら反男性的な感傷に呼応している」
博士:「そうですね。男性も女性も女性有利に傾いたバイアスを持っていますが、女性の方がそれはより強い傾向にあります」
博士:「女性の方が『価値』が高いという考え方は、進化の観点からすると、100人の女性と1人の男性がいれば100人の赤ちゃんを産むことができるが、1人の女性と100人の男性がいれば、1人しか産めないというのがあるかもしれないですね。すなわち女性は『限られた資源』であると。学者達もそう主張してきたし、まあもっともらしいと言えます」
博士:「1920年の時点で男性が女性より賢いとか、女性が男性より賢いというような研究を行ったとしたら、現代と同じ反応があったかと言えば、とても疑問です。
加えて、女性はX年間不利な立場に置かれてきたという文化的なナラティブがある。
これは大きな問題です。そして今、是正措置が進み、完全に逆転してしまった。そして多くの場合、男性は女性のために不利益を被っている。だから、どちらも社会において起こっていることだと思います。女性に対する性差別のようなものがあると、みんなワッと飛びついて炎上する」
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②ガンマ・バイアスの概念
・ガンマ・バイアスとは、女性の成功も男性の失敗も、見出しの中で性的に扱われてしまうという概念である
・人々が日々経験する世界は限られており、ニュースやソーシャルメディアが彼らの世界観を形成している
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クリス:「ガンマ・バイアスというのは、男性心理学センターのジョン・バリー博士が…少なくとも彼が広めた概念です。彼が考案者かどうかは忘れたけど。基本的には、特に一般的なニュース、メディアの記事において、記事が女性寄りのものであれば見出しに性別を表記する、というものです。
あるいは反男性的な記事であれば、見出しに性別を入れる。しかし逆のケースでは、男女の区別をつけない。つまり基本的に、女性の成功も男性の失敗も、結局は両方が取り上げられることになる。だから例えば、白人男性の射殺事件が見出しになったり、女性のCEOが見出しになったりする。
でも、その逆は必ずしも正しいとされないというか、その逆はあまり見ないわけですよね。結果、人々の世界に対する見方に歪みが生じる。今、より多くの人が外よりも家の中で時間を過ごしていて、すなわち彼らが日々経験する世界は限られている。つまり、ほとんどの人は読んだニュースやフォローしているソーシャルメディアを通して、それが世界観を形成してるんですね」
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③高等教育における女性
・2023年第1四半期、女性CEOの数は過去最多となったが、これは必ずしも女性にチャンスが多いことを意味しない
・心理学の学者も、データの解釈に関しては女性寄りのバイアスをもっている
・このようなバイアスは、誰が権力を握っているかということと、実際に何が起こっているかということに対する誤った認識の組み合わせによって引き起こされている
・女性が高等教育を支配するようになったことで、トリガー警告や弱者保護への懸念といった文化的な変化が起きている
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クリス:「科学が女性にとって不利な場合、人々はその情報を検閲したがる傾向にある、という研究もなさってませんでした?心理学者にも(女性重視の)バイアスがあるといういうような」
博士:「まず心理学の教授達にアンケートを取ってインタビューしたんですね。(中略)
動機は、よくわからないですが、いくつか考えられます。ひとつは… 前にも言ったように、私たちは女性により大きな関心を持っている。そして文化的な変化があり、その一部は、女性がより権力のある立場にいるという事実によってもたらされている。
女性がメディアや科学分野といった組織内で権力的地位を占めるようになり、自分達の利益をより気にかけるようになった、というのもあるでしょう」
博士:「この論文はうまくいけば今にも受理されそうなんですが、学者や一般の人々が雇用における男女差別を信じている、というものなんですね。
実際の求人に女性や男性の名前で応募してもらうというものなんですが、2009年ごろから、突然、ステレオタイプな男性向けの仕事でも、女性に有利なバイアスがかかるようになりました。ステレオタイプな女性向けの仕事では常に女性が有利でした。
しかし、一般の人々や学者達は、誰もがその逆��と思い込んでいる。ステレオタイプの男性的な仕事には、女性に対する大きな偏見があると思い込んでいるんです」
クリス:「男がCEOになった、という話には被害者カードを振り回す余地もないので、だからどうした、となるわけでね」
クリス:「ある種のミサンドリー(男性嫌悪)や、男性を非難し続けたいと願望を持つ女性がいるのは、まあ理解できますかね。
Google Scholarでミソジニーを検索すると114,000件ヒットしますが、ミサンドリーを検索すると2,340件しかヒットしません。つまり、人々は反男性的な偏見、特に女性からの偏見について研究していないし、関心もない。
『黒人が人種差別をするなんて、まさかそんなことはない』というヤツですよね。街頭インタビューやアンケートで『女性は性差別主義者ですか?』と質問したら、似たような結果になるに違いない」
博士:「Googleといえばもっと面白いのがあって、これは論文執筆後に見つけたんですけど、『Men are stronger than women(男は女より強い)』でイメージ検索するんです。(男は女より強い、というのは)平均的にというか、ほぼ例外なく事実ですよ。
すると検索結果に表示された41枚の画像のうち、1枚は当てはまるものでした。2枚は中立的なもの。残りは全て、女性の方が男性より強いとする画像だったんです。女性が男性より速く走るとか、女性が男性を頭上に持ち上げるとかね。
だから、『男は女より強いというのは事実だ』と言ったところで、『いや、女の方が強い。グーグルで検索した』となってしまうんですね」
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博士:「ここ数年で、学部レベルでは女性が圧倒的に多くなり、男性よりも女性の方がはるかに多く、大学院でも女性の方が多くなり、今では教員も女性の方が多くなっています。かつて教育機関のほとんどは男性によって運営され、学生も男性であったわけですが、今では女性が過半数になりました。
それが唯一の原因だとは言いたくないし、それだけとは思いませんが、過去10年間に起こった多くの文化的な変化の主な原因であることは間違いないでしょう。
なぜなら、それらの変化はすべて女性の価値観を優先しているからです。
例えば、授業でトピックを教えるときに、トリガー・ウォーニング(センシティブな題材、性暴行や虐殺や人種差別などについて扱う前に、そうした話題が苦手な人達が教室を出たり記事を読むのをやめるなどして心理的な負担を回避できるように配慮する措置)を出したがる。
物議を醸しそうな問題を研究した学者がソーシャルメディアで攻撃されたり、解雇されたり、嫌がらせを受けたりするケースが急増しています。
学術雑誌の編集変更を見てみると、リスナーの皆さんには馴染みがないかもしれませんが、シュプリンガー・ネイチャー誌系列の科学界で最も権威のある学術誌が、ここ数年、一連の論説を発表していて、『人間の社会集団の尊厳を損なう可能性のある科学は掲載せず、撤回する可能性がある』と述べているんです。一体どういう意味かと」
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④男女の心理的な違い
・女性は歴史的に子供を育て守る責任があり、男性は集団を守るために連合を形成する責任があった
・女性は物事に対して平等主義的な傾向があり、男性は階層主義的な傾向がある
・女性は自分の功績を過小評価する傾向があり、男性は自分
の功績を過大評価する傾向がある
・女性は言論の自由よりも包摂的な社会を優先する傾向が強く、男性は包摂的な社会よりも言論の自由を優先する傾向が強い
・女性は他人を助けることを目的として科学を追求する傾向が強く、男性は世界を理解することを目的として科学を追求する傾向が強い
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博士:「アカデミアの男女比率構成が変わったことで、女性の関心、すなわち弱者を危険から守るという目的が優先されるのは避けられない結果でしょうね。また女性の方がはるかに形式的平等主義者でもあります。なので男性の方が階層集団的であるのに対して、女性は皆等しい結果になるのを好む傾向もあるんです」
博士:「(身体的特徴の差や原始社会から現在まで積み重ねられた役割の違いなどを鑑みれば)男女の差はものすごく大きいわけです。そして男女には優先順位の違いも見られます。
心理学の教授陣に関して言えば、男性教授は女性教授よりも科学の目的である真実の追求を支持していますし、女性よりも学問の自由を支持しています。
一方で女性は、それらと道徳的な懸念や危害の懸念とのバランスを取る必要がある、と考えています。
つまり、こういうことです。男女の性差や性格が進化し、教育機関の男女構成が変わると、その教育機関が達成しようとしている目標が根本的に変わってしまうのです。
科学の場合であれば、『真実(但し特定の誰かに対するネガティブなステレオタイプを広めないものに限る)』みたいなことになってしまっている」
クリス:「あなたの調査の中に、私の好きな統計があるんですが…男性の56%が、『大学は攻撃的な考えから学生を保護すべきではない』と答えたのに対し、女性の64%は、『保護すべき』だと答えた。
男性の51%は、『学生が暴力的な抗議運動をすると脅した場合にも、大学は講演者の来校を中止すべきではない』と答えたのに対して、女性の67%が『中止すべき』と答えている。
男性の58%は、『学生が攻撃的な発言を報告するために利用できる、大学の秘密報告制度に反対』しているが、女性の54%は『賛成』。
『学生新聞の物議を醸すようなニュースに関して、掲載前に管理者の承認を必要とすべきではない』と考える男性は63%、一方で女性は『承認を必要とすべきだ』が51%。
71%の男性が、『言論の自由を守ることは、包括的な社会を促進することよりも重要』と回答しているが、女性の60%は、『言論の自由を守ることよりも、包括的な社会を促進することの方が重要』と答えています。
つまり、男性は経験的に正しいことを進めることに比較的関心があり、女性は道徳的に望ましいことを進めることに比較的関心があるということでしょう」
博士:「学問の自由を当たり前に重要視していて、科学は当然のように真理を追求するべきだと考えている人には、これらの統計は非常に好ましくないものに見えるでしょう。女性が科学や学問の世界で問題を引き起こしているのでは、とね。
しかし女性達はこの統計を見て『やっとこれで(学問が)救われる』と考えているんです。『誰にとっても安全な場所を作り、科学が良いことをするようにするわ』とね。科学は害を成すものではないんですが。
科学者の優先順位について、別の論文があるんですが、男性は世界を理解し、何が真実なのかを知り、物事の仕組みを解明することに基本的な関心を持っている。
一方、女性が科学をするのは世の中に良いことを起こしたいから、です。つまり、彼女たちの動機としては真実を知りたいけれども、それは、それが他の人々を助けることに役立つ場合だけなのです。つまり、他の人々を助けないような真実、特に他の人々を傷つける可能性のある真実には価値がなく、科学や学問の分野でそれを追求すべきではないと考えるんですね」
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⑤進化心理学とジェンダー・バイアス
・男女は進化によって異なる心理的特徴を持っている
・生物学的性別は、大多数の人々にとって二項対立である
・性的に強圧的な行動をとる傾向は、そのような行動をとる男性に進化上の利点を与えるために進化した可能性が高い
・ジェンダーバイアスは、STEM分野で女性の割合が低いことの最も重要な要因ではない
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クリス:「アレクサンダー・デイト・サイクス(Alexander Date Sykes )が発表した、本当にめちゃくちゃ素晴らしい研究があるんですけどね。彼には再来週あたりにゲストで来て話してもらう予定なんですけども。
55%の独身男性は、この1年の間、女性に声をかけたことがないというんです。女性の77%は、よりアプローチされたと答えていますが、それは18歳から30歳の層に限ります。
そして41歳以上になると傾向が反転し、55%の女性が「声をかけられたくない」と答えたんです。
ここで疑問なのは、『男性は女性にアプローチするのをやめよ』みたいな論説を誰が書いているのかということです。その年齢層の女性達なんですよね」
博士:「ああ、なるほどですね。つまり、女性にアプローチするのを止めろと言っているのは年配の女性で、アプローチされない層の女性なんですね。だから競争相手を排除するべく、20歳の女性を口説くのを止めろと言っているという」
クリス:「そうそう、女性の敵は女性じゃないの、なんて」
博士:「心理学の教授に、『教授は生徒とセックスしたら解雇されるべきか』という質問をしたことがあります。男性は『解雇されるべきではない』と答える傾向にありますが、女性は『解雇されるべき』と言いますね。自分の利益を考えているのかもしれない。
ひょっとしたら若い女性に気を配っているのかもしれない。年上の教授からハラスメントを受けては嫌でしょうから。でも年配の女性教授達にしてみたら、自分らとくっつくべき年齢層の男性教授が、24歳の大学院生と性交しているのが嫌というのもあるかもしれない。まあこれらのことを区別するのは難しいですよね。
個人的にはどちらもれっきとした理由だと思うんですけどね。例えば特に年配で子供がいる女性には、母性本能のようなものがあって、若い人を守りたいという願望があります。同時に若い女性は繁殖の競争相手でもあるわけです。あなたは40歳の女性教授で独身なら、45歳の男性教授が28歳の大学院生とデートするのを望まないでしょう」
クリス:「そうそう、ビル・バービット(Bill Burbitt)の話で、平均的な女性がよりボディ・ポジティブを支持する理由として、自分の周りの太っている友人に痩せて欲しくないから、という」
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クリス:「進化心理学、あなたの専門分野のひとつであり、僕が執着する分野のひとつでもありますけど、進化心理学がこれほど嫌われるのはなぜだと思いますか?」
博士:「私の目的は、なぜ人々が進化心理学や行動遺伝学を嫌うのかを知ることではなかったんですけどね。心理学で物議を醸す結論のほとんどは、あなたをトラブルに巻き込みます。それらはすべて進化心理学や行動遺伝学から来ているといっていいでしょう。
人々は集団の違いに関する結論を嫌うんですね。男女差や人種差、特に進化論的な説明や行動遺伝学的な説明によって支持される結論を嫌うんです。進化心理学も行動遺伝学は互いに相性が良く、というのも進化は私たちの遺伝子に働きかけるからですね。」
博士:「最初に話したように、その違いが女性よりも男性に有利なものであったり、黒人よりも白人に有利なものであったりするとね。
白人が黒人より、あるいは男性が女性よりも優れているようなことがあれば、それについて進化的あるいは遺伝的な説明をするじゃないですか。そんなことをしたらクビになるわけです。論文も撤回されることになる。誹謗中傷も受けるでしょう。
進化心理学はめちゃくちゃになってしまいました。特に、女性が学問の中心を占めるようになるにつれて、有害になりうる話題には気をつけよう、避けよう、となってしまっている」
博士:「まあでもいちばん行きたくないのは社会心理学ですね」
クリス:「ですね。様々な心理学分野の中で最も信頼性が低いのに、現在最も台頭していて、政治的に、感情的に最も支持されている分野という」
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⑥心理学における政治的バイアス
・保守派は心理学で十分に代表されていないグループである
・政治的バイアスは人種的バイアスよりも一般的である
・イギリスでは階級が決定的な要素であり、アクセントは階級を表すことがある
・人々は人種差別よりも政治的人種差別を容認しがちである
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クリス:「学者に平均的な世論調査をすると、特に今、現代の学界では、かなり左寄りになっていますよね」
博士:「それについては議論がありますね。保守派が科学に向いてないとか、科学が嫌いなだけだと言う人もいるんですが、保守派を差別して採用しなかったり招聘しなかったりすると、学者がはっきり言っている研究もあるんですね。だから、人々が保守派を差別していると考えるには十分な理由があるでしょう」
クリス:「スコット・ギャロウェイ(Scott Galloway)が教えてくれたんですが、民主党の親の3分の1か5割だったかな、自分の子供が共和党員と結婚することを恐れているんだそうです。そう、政治的なものに対する集団内、集団外での憎しみは本当に大きく、人々はそれを認めているんですね。恥とも思っていない」
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⑦アカデミアにおける過敏症
・NYUは黒人専用の寮を検討していた
・シュプリンガー・ネイチャー・ガイドラインは、害を及ぼす可能性があるものは抑制すべきであると示唆している
・心理学の教授の多くは、何かを発表するかどうかを決める際には、道徳的な懸念よりも学問の自由を優先すべきであると考えている
・過敏症のせいで、2つの堅実な研究分野が悪評を立てられている
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博士:「NYUだったかな、黒人専用寮を検討していて、それもあれですけど、さらに白人のみの人種に関する集会で『黒人は参加できません。我々のしでかしたクソの山にあなた方は我慢してきたというのに、顔向けできないからです』みたいな感じで」
クリス:「あなたの研究に戻りますが、アメリカ中の心理学教授共を集めたわけですね。有害な結論に達した時それをどう対処するか、奴らは何と?」
博士:「男女の違いについて話してきましたが、私のデータ全体を見渡すと、ほとんどの人が学問の自由を支持し、何かを発表するかどうかを決める際に道徳的な懸念を考慮に入れることには反対しているんです。
なので私は訊いたんです;その発見が抑圧されてしまう前に、一体どの程度、その有害性が確実であるべきか、と。
最も一般的な回答は、『科学的知見を決して抑圧すべきではない』というものでした。そこから段階的に『害を防ぐ唯一の方法が、その発見を抑制することだという証拠があるべき』という感じで、驚いたことに一番下(抑圧すべき)にはほとんど誰もいませんでした。
驚いたというのは、先ほどお話ししたシュプリンガー・ネイチャー・ガイドラインは、『害を及ぼす可能性があると思われるなら、論文をリジェクトするか撤回すべし』というようなものだからです。
しかし、それが適切な線引きだと考える心理学教授はほとんどいなかった。だから私は、この分野がどこに向かっているのか、人々が何を望んでいるのかという認識は、実際にはどうなのだろうかと思うんですね。一部の過激派が、政策に影響を与えるような権力の座を得ようとしているということなのでしょうか。ネット上での声が実在する数以上に多く感ぜられるだけとか。
人々が何を望んでいるのかが歪められている気がしますね。
私たちの多くは怖くて何も言えない。その結果、声を上げる少数派の人達は、大胆な政策変更を行うことができるのです。闘いを挑む人はそれほど多くない。不満を持っている人は何人かいるが、反対意見を持つ人の多くは何も言わないので」
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⑧学界における女性の影響力
・女性がアカデミアを支配し、男性教授候補のプールはますます小さくなっている
・議論されているすべてのトピックの間に共通して通っている一本の糸筋は、ある種の偏狭さと、社会的に過小評価されているとされるグループに対する懸念であり、それはしばしば人生で苦しんだことのない進歩的な白人女性によって推進されている
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博士:「このような性差に加え、女性がアカデミズムを席巻しているのを目の当たりにすると、その数は当分の間、女性側に推移していくでしょうね。現時点では、男性側に戻るという希望はありません。
男性はもうそれほど大学に進学していないし。なので教授になれる可能性のある男性のプールは、日に日に小さくなっています」
博士:「進歩的な人達は本質的に黒人を見下すような話し方をし、黒人と話しているときに自信のなさを見せるのに対して、保守的な人たちは黒人も白人も同じように扱うという論文もあるんです。
他にも、どんなジョークが面白いか、不快か、みたいなことを調べた論文もあって、保守派は『一様に全員をからかう、みんな面白い、みんなこういうことの対象だ』みたいなのに対して、進歩派は『マイノリティ・グループをからかっちゃいけない、他のみんなはからかうけど、彼らをからかっちゃいけない』みたいな感じなんですよ」
博士:「ポーランドの学会にいたんですが、友人のマヤ・グラッソ(Maya Graso)が非常に興味深い発見をしていて。
どうやって計測したのかは失念したんですが、男性は外的危害あるいは肉体的危機の保護者であるのに対して、女性は内的危害や内面的損傷の保護者なんです。つまり、男性は他人が肉体的なダメージを受けているのを見ると立ち上がるのに対して、女性は特に心理的、感情的なダメージを受けている人を守るために立ち上がるんですね。
これは非常に興味深いもので、実際我々が目の当たりにしているのは、肉体的な被害の可能性を生み出してまで女性達が他者の「気持ち」を守ろうとするもので、彼女達は必ずしも二次的、三次的なことまで考慮していないように見えます」
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⑨映画監督とジェンダーの優先順位
・映画監督をする上で、女性は男性とは異なる優先順位を持つ
・2020年版『ムーラン』の予算は2億円、興行収入は7000万円で、1億3000万円の赤字だった
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クリス:「20年くらい前でしたっけ、ディズニー映画の『ムーラン』が最初に作られたとき、主人公は小柄な女の子で、より賢く、より懸命に働くために、あらゆることをする必要があった。
彼女は自分の体格を補うために一生懸命に働いて、頭を使って体格のなさを上手く利用したりして、より速く、より経験を積み、困難を克服し、やったー、彼女は素晴らしい、となったわけですよね。
ムーランの最新版とは対照的なんです。
最新版の主人公は何もする必要がない。彼女はそこにいる男たち全員に見下されている。彼女は当然、その男共より優れている。彼女は困難を克服する必要がない。彼女は魔法のような女性の気、エストロゲンの気、それこそ何でも持っていて、そのおかげで男達全員よりも才能がある。
そして男達はみんな不器用で、恩着せがましい。そしてそれは…どこかで見た展開だよね」
博士:「1作目は男性監督で、2作目はおそらく女性監督じゃないですかね」
クリス:「そう思う?見てみよう。どうかな。なんてことだ。新しい方の『ムーラン』の監督はニッキー・カロ。ニュージーランドの女性映画監督だ。ファックだよ、古い方のは…男だ。バリー・クックとトニー・バンクロフト監督、1998年だって」
クリス:「参考までに『ムーラン』の予算は2億ドルで、興行収入は7700万ドルだった。1億3千万ドルという重い重い代償を払って、女性の脆さを支えたわけなんだね」
(まとめ&訳終わり)
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今回の動画は密かに大先生として尊敬している吉澤洋治さん(@yojireal
)にお薦めいただきました。いつもためになる書籍のご紹介やコメントをありがとうございます。
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BoB(BugOutBag=非常持出袋)の制作
今年は正月から大地震が頻発し国際情勢も非常にまずい方向に突き進んでいるようなので、3日間(72h)生存するためのBoBを作ることにした。
★続編(バッグの交換)はこちら★
完成後の外見。重量は実に16.4kgもあるが、これでも最低限の装備。水を4Lも携行すると20kgになるので、できるだけ浄水剤や浄水器を活用したい。
■参考文献
Creek Stewart著『Build the Perfect Bug Out Bag: Your 72-Hour Disaster Survival Kit』
■IFAK(個人用医療キット)
これは既に車載しているものの亜種で、調達の都合上少し中身に相違がある。マルチビタミンサプリは栄養の偏りによる体調不良を予防するために必須である。
<内容物>
[道具]
・ピンセット
・毛抜き・爪切り・鼻毛ハサミなどのセット
・包帯鋏
・ポイズンリムーバー
・ペンライト
・ペン鋏
・Bic J25 氷点下対応ライター(-11℃可のイソブタン仕様)
・耳栓
[外用資材]
・大判ガーゼ
・非防水ワンタッチパッド
・防水ワンタッチパッド
・ハイドロコロイド絆創膏シート
・絆創膏
・綿棒
・添木ロール
・ゴムチューブ1m
・伸縮包帯
・サージカルテープ
・紙石鹸
・ハイドロコロイド絆創膏(後日追加)
・透明フィルム絆創膏(後日追加)
・ヘモスタパッド(止血パッド・後日追加)
[外用薬]
・消毒剤(マキロン/アルコールジェル/イソジン)
・リバガーゼ(殺菌剤含浸ガーゼ)
・アルコール綿
・ステロイド軟膏(ベトネベートN)
・抗生物質軟膏(ドルマイシン)
・傷薬(パイロール)
・アレルギー用目薬
・リップスティック
・虫刺され薬
[内用薬]
・消火器疾患剤(正露丸)
・抗ヒスタミン剤(レスタミン)
・即効性下痢止め
・解熱鎮痛剤(バファリン)
・マルチビタミンサプリ(後日追加)
■シュラフ
本州と異なり北海道では冬季の凍死対策が非常に重要になるので、重たいが-15度対応のものを調達した。
数万円出せばもっと小さいものが手に入るのかもしれないが、非常用にそこまでコストをかけられないので4桁円のものを選択。BoBの容量の大半をこいつが占めている…
5/10追記: シュラフ購入時についていた写真の袋を締めすぎてバックルが砕けたので、別用途のために買ってた30L容量のコンプレッションバッグに移し替え、さらに円周方向のベルトも追加してギッチギチに締め上げたらもうちょっと小さくなった。
■衣類パック(オールシーズン用)
冬季の防寒服や夏季の半袖衣類・蚊取り線香などは別のシーズンパックにするものとして、BoBにはどの季節でも使うものを入れておく。
<圧縮袋A>
・下着上下一式(速乾性で拓也さんめいたメッシュのもの)
・野外用靴下一式
<圧縮袋B>
・速乾性長袖シャツ
・速乾性長ズボン(リップストップ生地のもの)
・中量フリースのアッパー(後日追加)
<追加ポーチ>
・ブーニーハット
・シュマグ(アフガンストール)
・タオル
・皮手袋
■サニタリーパック
トイレ・洗面などのいわゆる衛生用品を入れる。
<内容物>
・トイレットペーパー1巻
・緊急簡易トイレ2つ
・シャンプーシート
・歯磨きセット
・タオル錠3つ
・小型石鹸(未撮影、ホテルにある15gぐらいのもの)
■ツールキット
できるだけ防水缶に入れるが、濡れてもよいものやすぐ取り出すものは外ポーチに入れる。防水缶はプラスチック製ケースよりアルミ製弁当箱の方が軽くてコンパクトで安価なのでおすすめ。
最後に念には念を入れて防水缶の蓋と本体の継ぎ目を自己融着テープで巻いて封印しよう。(防水とホールドアップ対策)
<缶の内容物>
・ナイフ(オピネルNo.6、刃渡73mm)
※通常のナイフは刃渡り60mm、折り畳みナイフは刃渡り80mmを超過しなければ合法(参考)
非常時には検問だけでなく人間との接触を避けるのが大前提!
どうしても不安ならNo.5(刃渡60mm)を持っていけばよい
・マルチツール(重たいのでダイソーの300円品でいい)
・小型ラチェットレンチ(SK11 SRD-210)
・火起こし棒
・エスビット(もどき)
・小型ケミカルライトx3
・ワイヤーソー
・結束タイ10本
・マッチ(12本ぐらい)+バーズアイマッチ(6本)
・瞬間接着剤x2
・汎用接着剤G17
・廃カードに巻いたダクトテープ3m(未撮影)
<外ポーチ>
・パラコード15m
・アルコールウェットティッシュ
・コンパス
・加圧式ボールペン
・油性ペン
・鉛筆
・裁縫セット
・ビニール袋ディスペンサー
・大型ケミカルライト(12h)
・大型ケミカルライト(24h)
■飲食・電気関係
飲食関係はメスティンに格納し、電気関係は外ポーチに入れる。
<飲食関係>
・1.5合メスティン
・ソウヤー製簡易浄水器セット
・ヨウ素浄水錠剤
・カトラリー(スプーン&フォーク)
・シェラカップ(後日追加)
・スティックタイプのコーヒー(後日追加)
<電気関係>
・モバイルバッテリー(10000mAh)
・複合ラジオ(充電・乾電池・ソーラー・手回し動力でライト付き)
・ヘッドライト
・予備電池(単3・単4)
<その他: 外装>
・ハチミツ(行動食を兼ねる。メスティンに入らなかった)
・氷砂糖(行動食を兼ねる。すぐつまめるように。未撮影)
■野営装備
単独で野営できるような設備とする。参考文献によるとテントの重量は人数x2ポンド(908g)をリミットにすべきだというが、900g以下のテントなんてないのでここでは1kgのものを選定した。
<外装>
・ビビーサック(サナギ型テント。このタイプ)
・スリーピングマット(汎用性を考えロール式)
・1クォート(約946ml)ボトル(冒頭写真。この商品)
・オリンパス8x21RC II WP 小型防水双眼鏡(後日追加)
<外ポーチ>
・小型タープ(3x3m以下)
・ガスコンロ(CB缶タイプ)
・ガスボンベ(一般的なコンロ用のCB缶)
・小型スコップ
・N95防塵マスク
・防塵サングラス
・防刃手袋
・防水雨具上下(未撮影、放水を浴びても大丈夫な強力防水品)
■食料
Amazonベーシックのアルファ米パック10色セット。こいつは車にも搭載している。72時間(3日間)逃げ回ることを考えたら1日3食は食わないとやっていけないので、しっかり9食以上は携行するように。
なお撮影を忘れてしまったので写真なし。
水は1日2Lとして3日分を携行すると6kg超となり非現実的なので、1L以内を携行し他は浄水器で調達するものとしたい。
★軽量化について
冬山登山では20kg前後になるというから、16kgでもかなり軽量化したほうだとは思うがやはりちょっと重たい。そこでより高級なギアに換装してどれだけ軽量化できるか検証はしてたものの、内容物を2.94kg軽量化させるために9万円も払いたくないしバックパックの容量を保ったまま1-2kg軽量化するために5万円出すのも容認できないというわけで、リーズナブルな価格で揃えたらやっぱりこれぐらいが限界という結果に。
それにあんまし高級品にしてしまうんならソロキャン用具にしたいじゃん?
5/10追記: 後でフリースなどを詰めたらファスナーが内圧で外れたので、改めて内部フレーム式70Lのバッグを買いなおすことにした。届いたら詰めなおして続報記事にする予定。こちらの45Lバッグはキャンプ用にしようかな?
ほかにいろいろ思いついたら加筆予定。
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