Hypnos
その日はそもそもひどく自己嫌悪に陥っており、何度も15階から飛び降りたくなる衝動に駆られながらすんでのところで留まった。1ヶ月に2回も喪主を務めるなんて父が可哀想だから。写真を撮らないせいで遺影に使えそうな写真もないし。残業を少しして、夕飯を手っ取り早く外食で済ませてしまいたいところなんとか自炊をして、えらいえらいと自分を褒め、あとは寝るだけに整えた時、電話が鳴った。
罰が当たったのかと思った。電話相手は酷く酔っ払っていて、ドラマでしか聞いたことないセリフを何度も繰り返す。泣きながら、ああやっぱり私はそこへは行けないんだなと思った。関係に名前など不必要だと思っていたけれど、そもそも望める権利などないのだ。いい夢を見てね、と電話が切れた。涙はもう出なかった。思いっきり泣いてしまいたかったのに。いい夢など見れるわけないし寝れるわけないと思ったけれど、横になったらすんなり眠れた。ポケモンスリープのおかげで規則正しい生活が送れるようになっていたから。ありがとう、ポケモンスリープ。私を救ってくれるのは睡眠しかない。
翌日は翌日で仕事の人間関係で疲れ、やっぱりもう人生やめちゃいたいなと思いながらあづみに電話できるかとLINEを入れた。相変わらず彼女の返事は早く、とんとん拍子で夜に電話できることになった。
やってらんねーと500mlのレモンサワーを勢いよく飲み干して、あづみに電話をかける。私の話を聞いてあづみは泣いていた。ああ友人をまた泣かせてしまった。人に泣かれるぐらい悲惨な状況なんだなと思いながら水をたくさん飲む。悪酔いすると眠れなくなるから。私の今月来月のテーマは睡眠に全振りする、である。こんな喪中で仕事も忙しくなってくる時に眠れなければ1発で肉体も精神もバッドに入ってしまう。もう片足突っ込んでるようなものだけど。あづみは泣きながら悔しい、と零した。やっぱり涙はもう出なかった。
幸せにしたい。私が幸せにできるのであれば。でも現状何も出来ないし、何も望まれていないのだろう。はるか何100km離れた土地で、職場の人間関係に吐きながら、部屋中の窓を拭いたり、白菜をキッチン鋏で切ったり、なんとか自分の生活を整えて小さく生きることしか出来ない。
悲しいとか、つらいとか、そんなのとっくのとうに通り越した。だから泣かないし、泣けない。不安には度々かられる。いつか突然目の前からいなくなってしまったらどうしよう。でもそれを止めることはできないのだろう。せめてもの慰めでただ祈っている。大切な人が毎晩よく眠れるといいなと思う。あわよくば毎日お腹がすいて、ごはんがおいしいと感じて欲しいし、体がどこも痛まず風も引かないでほしい。毎日全部の信号が青だったらいいなと思う。どうか神様。
26 notes
·
View notes
2024.01.01 21:56
しばらく指の震えが止まらなくて、ようやく落ち着いてきたけれど、気持ちの面で落ち着かないので書きます。16時に地震が起きてからあっという間に21時になった、最初は震度4ほどの揺れで結構大きいの来たなぁとおもったら、そのあと震度5強のつよさで揺れました。自分にとって体感いちばんでかい揺れ、食器棚は地震対策済みで幸い割れたりしなかったが、家の中のあらゆるものが転倒、何より家族が自分の身をテーブルの下に隠すよりもテレビを押さえたりしていたので私はそれを見て勝手にパニクっていた(私もテーブルにも身は隠さずすぐさまベランダを開けていたのだけど)ちょうど親戚の家に向かおうとしていて、いつもより早めにワンコロに餌をあげていたところだった、ワンコロの餌はキッチンで食べるようになってるから、母親がワンコロをかばって食器だらけのキッチンから出てこないからいそいで犬を取り上げて外へ呼び出した
それからすぐさまテレビで津波警報、アナウンサーが叫ぶ声はただならぬ声色で、とにかく何かしていないと落ち着かなくて上着着たりマフラー巻いたり風呂に水溜めたりお菓子を手当たり次第カバンに突っ込んだり、その間に何度も地震速報が鳴り、テレビの画面上に赤い警告が表示され、そのたびに隠れて外に出ては戻ってを繰り返し、ライブカメラで海の様子を見たり家の中の危ない導線を整理したり、、、そういったことを繰り返しながら、自分の地域ではようやく地震が落ち着いてきました
同じ県内でもさらに内陸部に住む祖母は電話をすると意外とあっけらかんとした語り口で、この絶妙に海が近いというだけで緊迫感がこんなにも違うものかと実感する、震災の惨さをわかったつもりでいたけれどいざその立場になると何からやればいいのか、どこへ行けばいいのかの判断が難しく、帰省先とはいえ地元なのだからもっとちゃんとこの街の被害予想レベルを知っておくべきだと思ったし、どんな場所であってもちゃんと身を守る行動ができるようにしておかなきゃ本当にやばいと思った
ものすごく怖かった、良からぬことをたくさん考えてしまって、気持ちを落ち着かせたいのだけれどそれができない状況、今もそう、東日本大震災も熊本地震も大きめな地震があったあとに、本震がきたみたいだから、気持ちは落ち着かないけれど油断せずに過ごすしかない
咄嗟に身を守る行動に走ろうとする自分を知って、安全に生きていられれば何もいらないと思った、無意識に生に執着するように身を守るのは私が動物だからなんだなぁと思って、それでも避けられない災害があるというのがとても苦しかった、怖い思いなんかしたくないし、自分で選べる人生の選択ではいかようにも避けることができるのに、こうして避けられない恐怖があることの本当の怖さを知った、危ない状況でもワンコロをなんとか抱き抱えようとする自分とか、動物だけじゃなくて人間味もあるんだなぁと感心したし、両立がむずかしいさまざまな感情と本能、状況が重なるこの自然の厳しさが何よりもしんどいと思った
地震に遭われた皆様も、そうでない皆様も、どうかご無事でありますように。
7 notes
·
View notes
サンタクロースビジネス- Santa Claus Business
アドベント・カレンダーのドアー
二十四回 叩いて
Adobento carendaa no doa
Niijyu yonkai tataite
Knocking on the advent calendar door twenty-four times,
ベッドで寝ぼけまなこのパパ
おはようのキスをして
Beddo de neboke manako no papa
Ohayou no kisu o shite
My sleepyhead daddy in bed gets a good-morning kiss
オーナメントで飾りつけた
ツリーのライトともして
Oonamento de kazari tsuketa
Tsuri no raito tomoshite
I put up the ornaments, and the tree lights too
キッチンでママのお手伝い
そんなあたしに 声かけるの
Kiichin de mama no otetsudai
Sonna atashi ni koe kakeru no
I lend a hand to mommy in the kitchen,
But even then you tell me;
パパの仕事はサンタクロース
今日はプレゼント 届けなくちゃ
Papa no shigoto wa santa kuroosu
Kyo wa purezento todokenakucha
“Daddy’s job is Santa Claus
Today I’ve gotta deliver presents”
秘密だよってパパ 言うけど
みんな信じてくれないよ
Himitsu da yo tte papa iiu kedo
Minna shinjite kurenai yo
Daddy said it’s a secret,
But nobody would believe me anyways
うちでは普通のパパだもん
いつも疲れてるパパだもん
Uchi dewa futsu no papa damon
Itsumo tsukareteru papa damon
‘Cus at home, he’s my plain-old daddy
‘Cus he’s my daddy who’s always tired
だけどほんとはサンタクロース
Dakedo honto wa santa kuroosu
But, he’s really Santa Claus
きよしこの夜こそは
Kyoshi kono yoru koso wa
Even on this Silent Night
ステージに立たなきゃ
Suteeji ni tatanakya
He’s got to stand on stage
今夜は嬉しい人にも
悲しい悲しい人にも
Konya wa ureshii hito ni mo
Kanashii kanashii hito ni mo
Tonight, for all the happy people,
And for all the sad, sad people
おんなじ雪が降るから
Onaji yuki ga furu kara
The same snow will come down, so*
今夜が楽しい人にも
寂しい寂しい人にも
Konya ga tanoshii hito ni mo
Sabishii sabishii hito ni mo
Tonight, to all the people having fun,
And to all the lonely, lonely people
言うよ 君にも
Merry Merry Merry Christmas
Iiu yo kimi ni mo
Merry Merry Merry Christmas
I’ll wish you too a Merry Merry Merry Christmas
おかしいよって君は言うけど
おかしなパパを許して
Okashiiyo tte kimi wa iiu kedo
Okashi na papa o yurushite
You tell me I’m weird, but please forgive your weird daddy
トナカイの楽器隊と
フロアにリボンかけるから
Tonakai no gakkitai to
Furoa ni ribbon kaketeru kara
Because with a backing band of reindeer,
I’ll wrap up the venue floor in ribbons
僕の仕事はサンタクロース
Boku no shigoto wa santa kuroosu
My job is Santa Claus
きよしこの夜なのに
君を一番に できない
Kyoshi kono yoru nanoni
Kimi o ichiban ni dekinai
Even though it’s a Silent Night
I can’t put you first
"ごめんね"
Gomenne
“I’m sorry”
幸せそうな あの人も
見えない孤独かかえてる
Shiawase sou na ano hito mo
Mienai kodoku kakaeteru
Even that person who seems happy
Carries a loneliness you can’t see
だから 歌うよ
Merry Merry Merry Christmas
Dakara utauyo
Merry Merry Merry Christmas
That’s why I’m singing, Merry Merry Merry Christmas
今夜は嬉しい人にも
悲しい悲しい人にも
Konya wa ureshii hito ni mo
Kanashii kanashii hito ni mo
Tonight, for all the happy people,
And for all the sad, sad people
おんなじ歌が降るから
Onaji uta ga furu kara
The same song will come on, so*
今夜は笑顔の人にも
泣いてる泣いてる人にも
Konya wa egao no hito ni mo
Naiteru naiteru hito ni mo
Tonight, to all the smiling people,
And to all the crying, crying people
言うよ 君にも
Merry Merry Merry Christmas
Iiu yo kimi ni mo
Merry Merry Merry Christmas
I’ll wish you too a Merry Merry Merry Christmas
あなたに
Merry Merry Merry Christmas
Anata ni
Merry Merry Merry Christmas
I wish you a Merry Merry Merry Christmas
TRANSLATION NOTES
* the furu/降る in both these parts is usually used to describe precipitation falling, ie snow, so in chorus B it’s more.. poetic? symbolic? idk it’s nice<3 i tried to translate it in a way where the lines still have connection while sounding respectively natural
merry crisis!!!/メリー苦リスマス!!!
i used to be a christmas hater but now, because of this song, i can cope with it. btw the true meaning of christmas is not capitalistic gift giving, or jesus, or any of that, it’s how cute santa papa temma is. amen🙏
6 notes
·
View notes