#鳥見ング | Explore Tumblr Posts and Blogs

endekashi · 2 years

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ゆられたね。

GW最終の週末は蓮華温泉でゆられてきましたぜ〜。

え？どうだったかって？

言わなくてもわかるズラ〜。

一応GWって事で混んでんじゃねえかな〜と思って早めに集合するも、全然並んでね〜。ズコーーー！みんな帰っちゃったのかしら。

ゲレンデが真っ黒！何事！？

それはね、この辺の春の伝統行事、茅場の野火つけの跡ですよ。詳しくはこちらで。　

続編もあるよ。

今回のお客様。前回の鑓温泉ツアーの時に蓮華の話で盛り上がり今回のツアー開催と相成りました。

しかしアチいね〜。日陰がありがてえっす。

スプリット一年生の彼に先に歩いてもらい、ルートファインディングのトレー二ングしてもらいました。前回より大分うまくなってきましたね。

順調に登ってきます。まー、あんま急いでもしょうがねえんすけどね。

山の上にも春が近付いてきた印か、色んな虫が。

特にこの尻尾の生えたカメちゃんがいーっぱいいました。１㎡に一匹はいるんじゃねえかって勢いでしたよ。くわばらくわばら。

むむっ！これは！

どうやら雷鳥ちゃんの羽のようですね。

賢明なる読者の方々はもうお気づきでしょうか？彼は何度かうちのツアーで雷鳥ツアーをしている、無類の雷鳥好きおじさんだという事を。先日、雷鳥保護の活動をしている先生に会いに遠路はるばる松本まで行ってきたそうです。

雷鳥見たいなら、立山行けばいいじゃないすか？と言うと、それじゃ全然興奮しないそうです。なかなかでしょ？

のーんびり、ゆっくり、ゆっくり歩いて上に到着！！

あれ？あれれ？

手袋がねえぞ？前回の立山ツアーの時に失くして、昨日ラッピー行って買ったばっかの手袋が！！

やべえやべえ、よく失くすわねえ〜って嫁に呆れられながら買った手袋、おろしたその日にまた失くしたなんて言ったら今後の家庭でのヒエラルキーが一気にガタ落ちするのは火を見るよりも明らか…！！

すんません！ちょっと待っててください！！

お客さん達には休憩してもらい、今まで上がってきたラインを滑りながらチェックするも見当たらず…。結局、休憩してたとこまで戻ると…。

あったーーーーー！！！！！

おお、わが愛しのグローブちゃん、ごめんね！もう絶対に置いていったっりしないからね！

皆さん、嫁にはショナイな感じでお願いしますよ。

帰ってきたら、いい感じにチルってました。

お待たせしました〜。ま、まあ、実はこれも時間を遅らせるための俺の秘策なんですけどね。わざとですよわざと！ははは〜。

てな訳で行きましょう〜。ちょっと進むと、ちょっと待った！と呼び止められる。ん？どうしたんすか？おしっこですか？

ま、まさか！

出たーーーー！！！！

流石、雷鳥刑事！俺は全然気付かなかったけど、彼は見事に見つけました！

いいよ〜、いいよ〜。かわいいな〜💗くぅわいいな〜💖

なかなかでしょ？

そんなこんなでダラダラきたけどこれ以上は時間潰すのも厳しいすね。待ったとこで雪も走るようにはならなそうだから、行っちゃいますか〜。さっさと温泉で乾杯しましょ！！

ウェ〜〜〜イ！！

前回の降雪は大分ザラメ化してきましたが、やはりまだなりきってない雪はねっ張ります。

それでも面は綺麗だから気持ちがようござんす。

沢芯には滑らない白い雪があるのでそれを避けてクルーズ。

悪くはねえっす。

しかしそのまま沢を詰めノドに出ると何やら怪しいイキフンが…。どわ〜繋がってないやんけ〜。

まあでも滝じゃなくて勾配がある川って感じだったので板外して歩いて降りて難なくクリア。屁のつっぱりはいらんですよ。おお、言葉の意味はよく分からんがとにかくすごい自信だ。

引き続きの快適な沢クルージング！！

気持ち良かったすね！よーし、こっから登り返して隣の温泉のある沢へ向かいましょう！

えっちらほっちら。大分斜度のあるとこだったけど、スプリット一年生、無事にクリア！！やっぱ口であーだこーだ言うよりやれば自然と上手くなっていきますよね。

待ってろよ！温泉！！

どこだ！？温泉！！

見えた！！

今行くぞ！温泉！！

お待たせーーー！！

ざっぶ〜〜〜ん！！

持参した酒で乾杯して、この世の天国がおっぱじまりました。

山！青空！温泉！ビール！これを最高と言わずとしてなんと言う！？

幸い、他に誰も来なくてゆっくりと楽しめました。

小屋に着くと誰も来ないのは当たり前、他に誰も宿泊客はいないそうです。なにおう！？こんないい天気なのに？今年のGWはそんな感じなすかねえ？

まあでも、ロッジ自体はこの冬忙しかったみたいなのでご安心を。

と言う訳で内風呂入ってうんめえ飯食って、岳読んで、また風呂入って、屁こいて寝ました。極楽極楽〜。

おはようございます！朝風呂してからご飯をモリモリ！今日は歩くからいっぱい食ってくださいね〜！

きんなはパラっと雨降りました。んで今日はこの時期にしては気温低め。こいつはいいザラメが期待できるかも。

オーナーの田原さんはすでに下山したので、スタッフのジロウさんにお見送りいただきました。

ありがとうございました！また来シーズンもお願いします！

朝はまだ硬いのでちと��とっ風呂浴びてから行く作戦。きんな入ってなかった黄金の湯へ来たものの、ここはちとぬるめなのでやめときました。

やっぱこっちだべ〜。

朝から最高〜。最高の中でも最も高い感じです。

そろそろ緩んだかや？いきますか。

ちょいとテクニカルな登り。

ここはなかなかな急斜面。しかもまだ雪は緩みきっていません。

先頭を歩いていたガイドが軽く滑落したので、こりゃ無理だと言うことでツボ足直登する事に。

幸い蹴り込めばまだ登れるくらいの硬さでした。

尾根状の地形は雪が切れてるとこも。

こんにちは天狗さん。お宅のお庭は長くて急ですね〜。

完全に夏道が出てるとこも。

雪倉さんもバッコリ！来シーズンこそはツアーやりたいな〜。

ようやくお池に着きました。

結構疲れてきてるゲスト。しかし、下りのゴンドラの時間もあるのでそんなにゆっくりもしてられない。

その時！！

またしても

出たーーーーー！！！

しかも今回は完璧な立ち位置で！

これには雷鳥刑事も鼻血が出流くらいにテンションあがってました。

さーていよいよ滑ってみますか。雪はいい感じに走りそうですよ！

でかい斜面を思いっきりどうぞ！

ヒュ〜〜〜！！！

緩んだ上によく走るいいザラメでした！！

ごっつぁんです！！なんとかゴンドラは間に合いそうですね。

ゲレンデへ着くとマルコスを始め、ローカルのスノスケ好き達と遭遇。朝から晩までやってたそうです。好きですねえ〜。

山登っていい景色見ながらの温泉！やっぱ蓮華温泉は最高ですね！！まだまだ色んなルートありますよ！また行きましょう！

お疲れ山でした！！&おしょっ様でした！！

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ozawajun · 6 years

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あなたへの手紙

[chapter:　玲から　あきへ　の手紙　（あなたへの手紙）]

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　宛て先も全て書きましたが、明日散歩のついでにあなたの部屋を見つけられると思うので、自分で郵便屋さんをしてみますね。

　さっき、初対面のあなたとやたら凄い話をしたことを、少し考えています。もう少しおとなしい話をすべきだったのかな？なんて思っています。話してしまったあとから色々考えても、しかたありませんね。あなたが私のことを大谷の妻としてでなく、ただの玲として扱ってくれたから、いつもの仮面をかぶるのを忘れてしまったということにして下さい。あき、あなたのことだから、たぶん、誤解はしてないと思いますが…、ここで弁解を…。

　私は、本当に遊ぶのならお互い割り切った上で肉体関係を持っても良いと思います。そこに、お金が行き来するのは個人の自由だとも思います。けれど、『売春』は女がバカを見るだけだし、お金を介在させるなら『パトロン』の方が良いとさえ思います。まあ、どちらにしても私は自分を大切にしたいから、バカみたいな、みじめったらしいことはしないのでご安心を。

　これがさっき話した私の売春および男女の肉体関係に対しての意見です。大分での二年間、しっかり遊んだ私は肉体関係を通じての男女関係はもう卒業しました。だから結婚したのかもしれません。それにほっとくと何をしだすかわからない要注意人物だと自分自身を思っていますので、自分を『結婚』というもので縛りつけているのも事実です。

　もし、かつて自殺するだけの勇気があったなら、たぶん結婚していなかったと思うし、一浪するだけの勇気があればここで、こういう状態ではなかったと思います。　ただ人一倍プライドと虚栄心と偽善とが強く、その勇気を出せなかった私です。

　今までの人生で様々な岐路に立った時、全て計算し尽くして生きる上で自分に有利な方の道を歩いてきた私です。そしてこれからも計算しながら自分自身で選んでゆくことでしょう。

　では、また次回、玲より

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　散歩にはちょうど良い距離なので、今日も郵便屋さんの私です。

　色々、考えています。　今の私の落ち込みの理由は、私があなたに何を望んでいるのか？何を要求しているのか解らないということなのかもしれません。精神的よりどころなのか、同類としての仲間意識なのか、肉体関係なのか。

　あき、やっぱり女は��ゴイストですね。大分での様なことだけはしたくないと思っています。夫も、こちらで仲良くなれた仲間も失いたくないです。

　まじめに考えすぎなのかもしれないど、これも自分の性格です。

「わ～お、発作が起きそう！」　夫の前で、無理に笑って暮らしている私です。

　玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　３回目の郵便屋さんです。

　あき、私の家はあなたの通勤経路の近くなのですね。朝、貸して下さったあなたのノートや詩集、全部読めません。怖い。あなたを知ることが。そして、落ち込んでゆく私を見るのも。

　時の流れに身を任せて自分なんて見てなかった。こうしている間にも時は流れてゆくけれど、やっぱり自分を見ている自分がいる。「どれがホントの私？」　そう叫んでしまいたいです。

　あなたのノートの最新の頁に書いてありました。「玲の求めるものは何？、僕が自分のために書きつづけてきたノートを玲が読んで、それでも僕に対する何かが消えてしまわないなら、僕はその何かを君にあげられるような、そんな気がします」って。

　正直に言ってルンルン気分になりたい私です。でも、もうこれ以上、他人を傷つけたくないから、肉体関係なしのステキな友達になりたい。

　でも、「エゴイスト！」　そう自分に言っています。

　男と女がいる限り、肉体関係なしに考えられないと世間は言うでしょうね。そして私自身、その考えの全てを否定はしません。ただ、私の場合、今までは甘えや淋しさを癒すためにＳＥＸなるものを体験してきました。

「このままでは、いけない」

　ここ数日、落ち込んでいるのは、このことを考えていたからです。私が過去とおなじように振る舞ったりしては、あき・あなたをはじめ、みんなにも影響を与えてしまうでしょう。そして特にあなたと、夫を裏切り傷つけることになるからです。

　そうなってしまったら、過去の私に逆戻りです。薬漬けの私に…。それをさけるためにも、肉体関係なしのステキな付き合いをしていきたい。できる限り…。

　私の甘え、エゴです。それは承知の上です。

　あき、あなたの気持ちを知りたいです。　玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　今日はノート、返しに来ました。　ちょっと大きいから宅急便ですよ～（笑）。あなたが書きためてるノートだから、ずっと借りてると書けないものね。でも、ごめんなさい、やっぱり全部読めていません。

　あき、あなたは少なくとも、愛なしの肉体関係は持っていない。羨ましいな。私が通り過ぎた愛なしのＳＥＸ。その後には、何もなかった。強いて言えば後ろめたさと、自分のみじめさかな。

　軽率かな？私。でも、あき・あなたと話をしたい。　　玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　あなたのノート、また届けてくれてありがとう。

　朝、扉の郵便受けになにか落ちる音が聞こえて、もしかしたらって思って、急いで扉に駆け寄りました。そうしたらやっぱりあなたのノートがありました。とっても嬉しいです。前に読めなかったところと新しい頁を読んでて、あなたのことが少し分かった様な、わからない様な…。

　ただ、あなたは私の話を聞いてくれそうな気がする。私は、自分で自分がわからなくなってしまったけれど、あなたは一番私らしい私を見つけてくれそうな気がします。

　あき、あなたを好きになってはいけないと、自分に言っていました。けれど、あき、あなたを好きになってしまいました。夫のときと違って、すなおに「あなた」と呼べます。

　私は、あなたを苦しませているだけでは？あなたとステキな関係を続けてゆきたい。でも続けてゆけるかな？あなたを、私を、めちゃくちゃにせずに。

　あなたへ。今日はちょっと雨降りです。　玲

　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　今日は、気持ちの良い天気です。これから、洗濯物を干してからあなたの部屋へ出かけます。合カギありがとう。

　夫は毎晩、帰りが遅いです。残業未亡人って言葉があの会社にはあるらしいです。私みたいな人がたくさんいるのかもしれません。淋しくって、甘えたくって、でも夫は残業でおそい。抱いてもらいたい時、夫はいなくて、夫が求める時、私は眠くて…　行き違い。

「あき、私甘えたかった、淋しかった。そしてあなたは、何より、仮面を被る前の昔の私を、目覚めさせてくれた。嬉しかった」

　夫と別れることはできません。あなたもそれを望んでいないことを私は知っています。どういうふうに、あき・あなたとの関係を続けていこう？

　今はこのハガキ大の小さなカードに��した小さな文字で、私の心をどれだけ書けるか　・・・

　でも、よくわかりません。　

　玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　昨日は、あなたの部屋に一人で上り込んで、あなたのベットに横になったら、とっても安心してお昼寝しちゃいました。あなたの残り香に包まれて、それだけで…・。

　いつの日にか、あき・あなたと別れることになる。お互い心の中を傷つけあって…？　できるなら傷つけることなしに別れる時は別れたい。でも、そんなこと出来るわけないよね、きっと。じゃあ、今のうちに、別れてしまおうか？　なんて…　心にもないこと思ったりしてしまいます。

　玲のバカ。あきと、今別れたらそれこそ精神崩壊。ここ数週間の私の不安定さを落着かせてくれたのはあき・あなたです。

　でも、逃げたい。やっぱり私は、エゴイスト。

　あなたの部屋に脱ぎ捨ててあった手編みのセータ、手首のところがほころびていました。明日、毛糸と編み棒を持って来ますね。

　あなたの部屋でこれを書いています。玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　夫と時間をすごしていると、あき・あなたのことを想います。なにかの拍子に「あき」と呼んでしまいそうです。夫に対してうしろめたさを感じているのでしょう。　おかしい？　

　そんなふうに心の中はあなたのことでいっぱいなのに、しかたなく応じている性生活の刺激に女の身体だけは反応しています。「どういうふうな抱かれ方を夫は喜ぶのだっけな？」　…　覚めたことを考えながらも私のカラダは、ヌレテイル。

　あき・あなたに、なにを求めているのか、分かりません。肉体関係もそうだったような気がするけれど、もっと違う！　なんなんだろう。とても不安です。　無理して自分の気持ちを書こうとしていることに気づきました。無理はやめますね。あなたなら、分かってくれるでしょう…。

「あき、私が死にたい　と言ったら、いっしょに死んでくれる？」

　この手編みのセータ、これを編んだあなたの昔の彼女に嫉妬しながら繕っていました。だから、私のコート、置き忘れてゆきます。私の匂いを残しておきたいから。

追伸：　もしかしたら、時間が取れそうです。玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　あき、大胆なお願いです。

　でも、あなたならちゃんと理解してくれるよね。次の週末、夫が社員旅行で居ません。私を、連れ出して下さい。一晩中、あなたと話していたい。あなたを感じていたい。

雨が降り出しそうだから、急いで帰ります。

　　洗濯物、心配。　　あなたとなら飛べそうな・玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　うれしい。夜、そうっと待っていますね（笑）。

　夫が何か感づいたみたい。夜、電話が掛かってきそうですので、出かけるのは１０時過ぎにしてください。

　私のぼろぼろのコートを抱きしめて下さったって、今朝、投げ込んでくれた葉書に書いてありました。私だけが一方的に、あなたにもたれかかってるだけではないって、私に思わせて下さい。

ほんとに、飛んでいいの？　　今から待ち遠しい、玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　ありがとう、あき。

　あなたと過ごした時間を反芻しています。あなたの車で出かけてウイスキーと氷とつまみ買って、ラジカセまではいった大きなバッグを抱えてラブホテルに入るのって、最高に楽しかったね。入口で、ちょっと待たされた時も、他のカップルは恥ずかしそうだったのに、私たち大声で馬鹿話してたもの。ああいうホテルの部屋に入って、いきなり床に座り込んでお酒飲みながら話したのなんて、初めて。秘め事の為の場所でそれをしないんだから、すんごく愉快でした。

　あき・あなたとなら飛べそうです。あなたのまえでなら、なげやりな自分でもすなおにさらけ出せます。夫の前でしっかり被っている大谷玲という仮面を外していられます。あなたの前では、ただの玲でいることが苦痛でないもの。

　なぜ結婚したのさ？私。夫の顔見ながら小さな声で「あき」とつぶやいてみたりして、私が、あきに対してしていることは、現実逃避？、違う！違う！あなたは、なげやりな私を受け入れてくれる。そして、素直に私のことを叱ってくれる。悪いところは、悪いといってくれる。そして、一緒に考えようと努力してくれる。女なんてバカな生き物なんだから気が動転してる時に夫みたいに「自分で考えろ！」なんていったって、分かるわけないじゃない。だから、黙ってるしかないし、するとますます状況は悪くなる。最後は、自分でわけもわからないまま夫に謝ってる。

　ホントにアホな生き物だよね。妻・大石玲なんて。

あき。　何故、私、結婚したんだろう。　　　　玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　あなたも忙しいのか、朝、心待ちにしてる葉書がポストにないと淋しいです。素直に「淋しい」なんて言葉を吐くのは、私じゃないみたいです。あなたに対しては、なぜこれほど素直になれるのだろう。

　ホテルの次の日、寝不足なまま二人でドライブしましたね。そして、あの西に向かう真っ直ぐな道でちょうど夕陽が沈むのに出逢った時、あなたは車を路肩に寄せて止めてくれた。奇麗な夕陽が沈むのを二人で眺めましたね。

　小さな子供や、猫や、ぬいぐるみや、青空や、富士山や、夕陽、そんなものすべてに感動しなくなっていた私でした。なのに、あの夕陽は、あなたと一緒にながめた夕陽は、とても奇麗でした。

あき・あなたに、愛していると言ってしまったものの、とまどっています。　玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　ハガキありがとう。「ラブホテルの目的外使用」って、うまい！　笑い転げちゃいました。

　でも、私覚えていません。たくさん飲んだからかな？　ホントにそんな事言ったんだ。

「くるしいからブラのホックはずして」　なんて。ちょっと恥ずかしいです。あなたのこと信じていると言っておきながら、エゴイスティックな私が、意地悪にも女の挑発であなたを試してみたのかもしれない。それとも、単にリラックスしてただけかもしれません。もし、おこっているなら許して下さい。

　昨日、夜書いたノートから写します。

　退廃的で　何をする気にもなれず、　しかたないから、炊事場に立ち、洗濯をし… 　しかたないから、　夫婦だとわりきって、だかれている。　なんの感情も感動もない。　　全ての状態をすてて、　旅に出ようか　後は、どうなったって、かまいやしない。

　あなたに抱かれた幸せな女たちに嫉妬しはじめている・玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　今日は、大分にいた頃からの私のノートを置いてゆきます。

　結婚してからは、ほとんど書い��ないけど。もちろん、夫になんか見せたことはありません。そこには、大分と千葉と遠く離れて、五年待ってと言われた結婚の申込みを待っている私が居ます。高校で文芸部に籍を置いていた文芸バカが、そこしか合格できなかった看護学校に入学して、アルコールとタバコと遠距離恋愛のママごとで精神をバランスさせていた私が。

　あの頃の私を読んでも、あき・あなたなら受け止めてもらえると思います。私の事を少しでも知って欲しいです。

　私のお腹には、七針の縫った傷があります。

あなたの部屋でＣＤ聞こうと思って持ってきたのですが、オーディオセットの電源の入れ方が分かりませんでした。

　逢いたいです。玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　意味深な振りで、ごめんなさい。いやらしいね。私って。

　お腹の傷は、卵巣取った時のものなの。結婚して、妊娠でおかしなことになってしまって、緊急手術。子供もダメだったけど、卵巣片方もダメになっちゃいました。　それも、私の不安定さの一つの原因なのかもしれません。

　あきが教えてくれた精神科に申し込みました。夫も知っています。きっと付いて来ると言うと思うけれど、一人で行きたいと言ったら行かせてくれるような気がします。そうしたら、帰りにあなたに逢いたいです。電話すること許して下さいますか？

あなたの部屋で昼間の数時間を過ごすことがいまの私の安定剤。　玲

追伸：ＣＤ聴けました。メモありがと　玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　あなたに出逢って、私は変わることができました。

　家の金庫は、クッキーの缶なのです。それに預金通帳と印鑑や夫の給与明細が入っています。そして、昨日から家計簿を眺めなおしています。ひとりで、部屋を借りて生活するとしたら、いくらくらいかかるだろうって。職を見つけて、部屋を借りて、今の夫から離れて生活したいと、おぼろげな計画を立てています。

　あなたのこと、はっきり夫に知られてしまいました。昨夜、あなたとは付き合わないで欲しいと言われました。夫は、自分が知らないあなたに嫉妬していると自分で分かっています。私は、十日間考えさせて欲しいと答えました。私は、監視付きの鳥かごの鳥じゃないって。夫は、私を認めるといいながらも私を縛りつけようとしていることに気付こうとしてくれない！

　そして、話の最後はいつも決まったセリフ「僕のこと、愛してる？」いつもあいまいにしていた私だけれど、昨日は言ってしまった。「愛しているといったら、うそになる。なにを愛しているのか、自分をも愛しているのかさえわからない」って

　あき・あなたに、迷惑がかかるかもしれません。　玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　あなたの子供が欲しい。体の中からそう叫ぶ声が聞こえました。

　昨日、あなたの部屋であなたに初めて抱かれて涙が出るくらい嬉しかった。愛のあるＳＥＸ、本物は素晴らしかった。　全部脱いだとき、お腹の傷、あなたの指が一つ一つなぞってくれた。それだけで私の躰、すごく痺れるくらい感じました。私、夫とＳＥＸする時、傷を見られたくないから、全部脱がない。でも、あなたの前では、それが出来る。

そのまま、朝を迎えることができないのがとっても悲いね。　玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　精神科、一人で行ってきました。

　カウンセリングが１時間半。終った時には、もうぐったり。落ち込んでしまいました。「精神科を救いにするの？」とカウンセラーのお嬢様。「救いにしたい」と、私。それでも安定剤のＨｒー５を飲んだら、少し落着いたみたいです。私も習ったのだけど、生理化学的に人の心を落ち着かせることが出来るんですね。さんざん薬漬けになっていた私だけど、それでも効くので少し安心。

　でも、あなたに逢いたい。どうしたらあなたに逢えるの？このままあなたの部屋であなたの帰りを待とうかしら。と、思いましたが…今日は止めときます。

この部屋に、もう少しだけいさせて下さい。玲

追伸：やっぱりこのままここであなたを待ちたい。　　　夫と顔を合わせるのもイヤ

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　嬉しいです。お昼に電話をくださったことと「玲が一人で生活するなら５０：５０で、共同生活をしないか？」と言ってくれたこと。けれど、職を見つけて部屋を見つけるのは、私一人です。一人で飛ばせて下さい。

　夫と離婚したとしても、結婚なんてバカなことは、少しの間おあずけ。自分で自分の体を酷使して、最後には倒れて、そして、結婚という最も『安易』な妥協の道へと歩いていった私。でも、仕事に関しては、いちど自分の限界に挑戦したい。

　精神科のドクターに今の私は一人で生活してみるのがベターであるということを、夫に説明してもらえれば…　なんて、虫の良いことを考えています。可能でしょうか？　今度、相談してみようかな。

　夫は、不安なのか日に日に態度が変ります。怒ってみたり、私をなだめてみたり、脅してみたり。

　あなたの部屋は、落着きます。今日はパックの牛乳を買ってきて飲みました。残りは冷蔵庫に入れときます。　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　あなたの玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　さっき出かけようとしたところへ、母親から電話がありました。

「元気でやってる？」って。ごまかすのに精一杯。まさか精神科へ通ってるなんて言えないし、「飛行機の切符とれなかったらどうするの？」「ん？そしたら、帰らない」カンの鋭い母親です。何か気づいたかな？

『結婚』という二文字にしばりつけられている私。でも… 男の人を好きになるということが、これ程までにつらく、悲しく、重たく、苦しいことか初めて知りました。もしかしたら私以上にあき・あなたは、そうなのでしょう。

　最高５５ｋｇあった体重が、只今４３ｋｇ。良く生活していますね。全ては、飛ぶため。ただそれだけの精神力。

　あなたが、いとおしい。あなたの大きな心にふれていられるだけで、安心できます。あなたの心の中には、何人もの女性が住んでいますね。でも、今は私が最優先であるということを知っています。それでも…やっぱり、今の私は嫉妬のかたまりです。

　今日は、ジェラシーな玲

　追伸：来る途中、履歴書を郵送しました。通るといいな。

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　昨夜の夫との会話「あいつには会うな、会わないでくれ」だから、全て話しました。　あなたを愛していること。　あなたに抱かれたこと。　別居したいということ。　離婚して、二人（私と夫）とも、最初からやり直そう。お互い、考え見つめあって。でも、夫は答えを出さなかった。あなたのところへ怒鳴り込むことも考えていると言ってもそれができない人。

今朝も１０時くらいまで、夫と話をしていました。過去のこと。・私を放り出しすぎていたこと・私と会話をしようとしなかったこと・私を理解しようとしなかったこと・自分の事を話そうとしなかったこと　ｅｔｃ．さまざまなことを話しても、夫は結局私が戻ってくること疑っていなくて、戻ってくるのが当たり前のように話をしています。

　夫は、あき・あなたと話したいと言っています。本音が知りたいと。だから、水曜日　夜７時頃、家へ来ていただけますか？　二人きりだとあなたを殺しかねないからと、三人でね。と念を押しました。私には、薬は飲むなと。

　ということで、あき・私を助けて下さい。思いのほか、事は急いでやってきました。今からあなたの会社に電話をします。昨夜の事をあなたに話しておかなければ…

「助けて」って言葉、この場合、似つかわしくないのかもしれないけれど。あき、私が飛び立つのを手助けして下さい。

　まるで…、生まれて初めてすべり台の上に立った気分の・玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　あき、水曜日はほんとうにありがとう。

　私が夫でなく、あなたの隣に座ったこと、あなたは、しっかり気づいていましたね。私の心をいつも的確に読んでくれるあなた。夫が、話をはじめる前に、あなたを殴りたいと言い出した時、どうなることかと思ったけれど、あなたは冷静でした。

「それで気がすむならばどうぞ」

　色白でやせっぽちのあなたからそんな逞しいセリフが出るなんて、私！、嬉しかったです。でも、痛かったでしょう？ごめんなさい。私のために。ううん、ありがとう。

　最初から最後まで動転していたのは夫で、私のことをより理解しているのが自分でなくて、あき・あなただってことが納得できたようです。離婚を受け入れてくれそうです。少なくとも部屋探しは、ＯＫが出たと思っています。これで、一歩前進できたかな？

　二時間も夫の質問に答え続けたあなたが帰った後、私は睡眠薬を飲んで寝ちゃいました。家はダブルベットなのだけれど、夫はリビングのソファーで寝たみたい。明け方目が覚めた時は、そこに寝てるのが見えた。次に目が覚めた時、夫が私にＳＥＸを求めてきた。私は、眠ってるふりして夫にされるがままにしていた。夫は、自分だけ終ると無言のまま出かけていった。

　今、バスタブにお湯を張っています。シャワーしてすっきりしてから、少し部屋探しに出かけます。今日は、あなたの部屋に上がってる時間がないかもしれないです。

　私、さっき夫に寝言のふりしてあなたの名前をつぶやきました。

　ちょっと残酷な・玲

　思ったより早くすんだので、あなたのハガキに書いてあった体力復活メニュー・マクドナルドバージョンを買ってきました。あなたの部屋で遅いお昼です。最近、ろくに食べてないからあなたの言うように少し食べて体力付けないとね。

　今日行った不動産屋さん、三件ほど車で案内してくれたのだけど、じれったくなるくらいの安全運転。マンションなんていってもワンルームだから、押し入れくらいあるのかな？　なんて思ってたら…　押し入れさえない。びっくりしてしまいました。　世間にうとい私。

　ポテト食べ残し、生ゴミ増やしちゃった。　　玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　あき、大変です。母親が急に上京してくることになりました。

　それも、明日です。このあいだの電話でなにか感じたのか、夫がなにか連絡したのか分かりませんが…　こちらにいる間は、家に泊まるのであなたの部屋へはしばらく来れないと思います。

カンが良い上に、強力な人なので心配です。　　玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　たいせつな、あなたへ。

　ご無沙汰になってしまいました。ごめんなさい。初めての本当の郵便屋さん経由の手紙ですね。

　母親に福岡に連れ戻されてから、あなたのことばかり考えていました。今、親の目を盗んで抜け出てきて、あわててペンを走らせています。母親が「今までのノートを全部焼きなさい。焼いて戻りなさい」と言ったので、そちらに帰るまで同封のノートを預かって下さい。前の三冊のノートといっしょに、この次に会える時まで。

　結局、社会常識という壁の前に負けました。

　あの晩、あなたにとってつらい事でしかないはずなのに、私の母親にまで会って下さって本当にありがとう。喫茶店で三人で話した後、歩いて帰りましたね。二人並んで、母親の十メートル位後を歩いて。暗い夜道に入った時、私が「キスして」と小さな声であなたに言ったとき、あなたは、すぐ前を歩く母親に目をやった。

　「大丈夫、あの人は、決して振り向かないから」

　と私は答えて、あき・あなたの体に腕をまわ��て、あなたとのキスを貪りました。幸せでした。あなたには不思議でしかないかも知れませんが、私には母親が振り返らないという事が、分かっていました。それが娘と母というものなのかもしれません。

　けれどあの時、私がおねだりしたキスが、やはりあなたとの最後のキスになってしまったようです。少なくとも、あと数年は。

「ＳＥＸしたと夫に言ってしまわなければ良かったのに…」と、「言わなければどうにでもできたのに…」と、私の母親が言ったのを覚えていますか？大人の社会では、言ってはいけないことがあると学びました。

　そして今日、母親がこぼした言葉です。「あなたを連れて家を出て行こうかとも考えた。でも、できない」と。

　自分が育てた娘だから今回のことに責任を感じているようです。

　でも！、誰も理解してはいない。わかってくれているのは、あき・あなただけです。いい娘・大谷玲の仮面をかぶって、できるだけ早くそちらに戻ります。

　あなたの心の中の永住者になれるとしたら、うれしいです。でも、あなたの心の中に住��登録をして、私が消えて登録だけが残ったら、　あなたを悲しませる。だから、住民登録はしません。　…ごめんなさい。

　あなたが最終的に愛し結婚する女性。　それがだれなのかわからないけれど　きっと　彼女は最高にハッピーでしょうね。　　　あなたには　　大きな心と　　相手の気持を的確に読み取る心があるんですもの… 　　そのわからない誰かに、ジェラシー　全てジェラシー　「嫉妬」なんてしないつもりだったのに。

　　　　　　　　　　　　　　　さいごかもしれないあなたの・玲

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　

　『玲のノート』から

新「飛び出し」プラン

・おりこうさんピエロを演じてみんなを安心させる。・私名義の口座を新しく作る。・時期をみて部屋をでる。　１、部屋を見つける　２、荷物を少しずつ運び出す（宅急便）　３、スーツケースを下げて出る　４、仕事をさがす。この際、贅沢は言わない。

あき。　小さな小石一つが作った波紋の大きいこと。徐々に徐々に広がって徐々に徐々に消えてゆく…。しかし、小石一つが水面に落ちたということは事実なのであって、昨夜、夫の両親に頭を下げに行ってきました。その時に出た涙は、…　飛べなかったことへのくやし涙。涙を流しながら心の中で「あき！」と叫んでいた私。きっと、あと数年は抜け殻だけのピエロでいなければならないことになるでしょう。　今度のことで、どんなことがあっても口外してはならないことがある、と言うことを学びました。たぶん、二週間くらいでそちらに帰ります。しっかり大石玲の仮面をつけて。

　あき・あなたの香りのついたＧパンとセータを持ってきています。寂しいと、こっそり抱きしめています。

　親に連れていかれたのは内科。さすがに食欲のなさから体力が落ちていたから、なかば強引に連れていかれました。あき、医者なんていいかげんなものですね。専門外のことについては、ノータッチ。おかげで、神経性胃炎という病名をしっかりと付けられてしまったのです。けれど、おそれていた入院宣告はされずに無事帰宅。ハハハ…　って、笑いが止まらない。

　親の心の動揺が手に取るように分かるここ数日です。そして、電話のむこうの夫の様子も…。

　何をいわれても、「ハイ、ハイ」とおりこうさんフェイスで、神妙に頭を下げていても、その頭の中のもう一人の私がバクハツしたり、反発したり、笑ったり。偽善家は、偽善家としてしか生きる道がないのだと知りました。ピエロはピエロしか演じられないのと同じように。『そのもの』を放棄してしまえば『死』しか残らないということも。こんな大切なことに気づくのが遅すぎたようです。

　あき、あき。抜け殻だけのピエロの私を見たらあなたは、びっくりすると思う。今の私は、旧姓の岩永玲。大谷玲より岩永玲の仮面のほうが厚い。これは、あなたは知らないことです。

親は、私にいいます。「一切を断ち切りなさい」だから私も答えます。「はい」「本当に信じていい？」親は、もう一度。「ハイ、信じて…　」と私。 …　あなたなら、この会話で分かるでしょ？　大谷玲なる人物が。

　　　　　　　　　　　　　　---　　　　　　　　　　　　　　完

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