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#白鯨との闘い
sun-graph · 6 months
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ジョン・ヒューストン監督、グレゴリー・ペック主演『白鯨(原題:Moby Dick)』BD/DVDのデザイン
白鯨に復讐に取り憑かれ魅了されたエイハブ船長。取り憑かれたがゆえに怨念と云うファンタジーになっていた。時として怨念というのものは人を魅了する。一度、怨念の魅力に引き込まれると抜け出しにくい。他人事だった怨念は己のアイデンティティとなり確立されてゆく。そんな、船長と船長の怨念に引き込まれた船員たち(職が選べない時代の人たち)の航海と白鯨との死闘の物語。 まだまだ人類は惨敗する。惨敗のあとには何時もと変わらぬ何食わぬ顔した大海原に悠々と泳ぎ消える白鯨の姿。そのカラダにはエイハブの亡骸があった。 地球は静かである。自然は様変わる。人類だけが物騒で騒々しい。という様を惑星の爆発よりも高いエネルギーで、星が誕生する引力のように魅せてくれる。 観た後は何かしれない高鳴りと清々しい無力感、もうクタクタである……。
だから私もデザインで応えたい。受けたエネルギーに応えよう!エネルギーだけは雄弁だ!シレッともサラっとしないでエネルギーを人類に還元しよう!それは暑苦しいかもしれない。でも、そうなのだから仕方がない。ということでアートワークに落とし込みました。
ちなみに、この映画を観るのは約40年ぶりになる。子どもの私はアーネスト・ヘミングウェイ著『老人と海』と勘違いして観たので「えっ!」となり、そして、非常にカロリーを消費してクタクタになった記憶がある。それ以来ということになる。
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krkwngm · 11 months
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丘の上の本屋さん
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 まったりした映画が観たかったので観た。まったりした。デカい事件が起こるわけでもなく、シーンは繋がりっぱなしでもなく、顔のクローズアップが多くて、景色はきれいで、本がいっぱい出てきて、悪人はいなくて、本屋さんに来るお客はみんななんかおかしくて、リベロとエシエンの会話は穏やかで本から見つけた得難いものを挙げるときだけ瞳が輝くところが良くて、まったり観ていられる映画だった。
 恥ずかしい話だが『ユリシーズ』は何度も挑んで少しずつ読み進めたけど終われなかったという同い年くらいの客に、恥ずかしくなどありません、自分は長期入院のときにこの本だけ持っていきましたが薬を飲んでは少し読み、スープを飲んでは少し読み、煮りんごを食べては少し読み、結局結末を知らないまま退院しましたと答えたリベロのシーンが好きだな。「でも本が好きな者としてこんな恥ずかしい話は秘密にしておくべきでしょうね」と笑って付け加えたリベロに愉快げな笑い声を返すお客さんの反応まで良かった。メデューサ文庫の初版本のラインナップが気になる。
 『わが闘争』の初版本を探すヒトラーかぶれの男(「あなた」と呼びかけるのはスペイン人くさいからヤダってなに?)、自分の著書をもう一度だけ手に取りたくて探している先生、かつて発禁だった詩人の本が『贈呈本』と聞いて「では読み終わったら返しに来よう」と微笑んだ神父さん、ふれあい行動の研究資料としてハードな本を探してるSっぽいお姉さん、毎朝リベロに本を売りつける男、が拾ってきた1957年頃の日記の著者にして家政婦として働きながら恋人との将来を憂いている20才の「わたし」。みんなそれぞれに人生と思想があって、だからこそ本との距離感や付き合い方もそれぞれ違う。入れ替わり立ち替わりやってくるそうしたお客さんに対し、リベロは本と彼ら彼女らをつなぐ古書店店主としてあくまで穏やかに淡々と接しながらも、ほんとうに本が好きなひとが素晴らしい本を手にして帰っていくときだけは嬉しそうにニコニコしながらその背中を見送っているのが印象的だった。
 隣のカフェで働いてるニコラは作中で本を買うことはなく、キアラの気を惹くためにフォトコミックをネットで買うくらいなんだけど、朝リベロが店を開けるのを手伝うし、店番もするし、お客さんの話を聞きたがるし、でも病院からリベロが帰ったのも気付かないくらい興味津々に本をめくっている場面もあって(恋の本だったのかな?)、リベロとリベロの大事にしている本の世界をひとりの友人として大切にしているところが好きだった。「発禁本を広めるのは本屋の義務だ」と贈呈しているリベロに「またあんたって人は…」て言うところ好き。  エシエンが一冊本を読み終えるたびにリベロと交わす本の話はどれも示唆に富んでてめっっちゃ良かった……『ピノッキオの冒険』の「キツネとネコが好きだ ピノッキオを騙すけど愉快な連中だよ」と言えば「人を騙す連中はみんな愉快だ 騙すために人当たりがいいふりをしているんだよ」、『星の王子さま』は「二度読むんだ 一度目は理解するため 二度目は考えるために」、さくさく読み終えた『白鯨』を一言で表すならという問いに「復讐」と答えれば「きっと正解だ でももっと深く考えると他にも見つかるはずだよ ゆっくり読むことだ そうすると考える時間が生まれる」といったふうに、物語の表層からエシエンが得た感想をもう一層下の深さに導いて思考させようとするリベロの話しぶりが良い。全然押し付けがましくない語り口といい、エシエンのペースや必要な事に合わせて次の本を選んでくれる眼差しといい、エシエンがより良い人生を歩めるようにしてくれていただろうことが沁みた。  選書の理由として「これを書いたアフリカの作者はきっと君と同じ色の肌をしていたはずだ(イソップ物語)」、「この人が働いていたのは抗生物質もワクチンもない、いまと何もかも違う時代だ 君が医者になるのなら読んでほしい(密林の医師シュヴァイツァー)」、「(『星の王子さま』から『白鯨』に移ったときの)ゆっくり読むんだ」と渡すところが特に良かった。「星に帰った王子さまはまたバラに会えたかな?」とたずねるエシエンに「バラだけじゃない また一日に43回も夕日を見たよ」と答えるリベロ、「この本を書いたあとまもなく飛行機が行方不明になった」とリベロに言われてなんともいえない表情の沈黙を落とすエシエンも好きだ。  日記の「わたし」はアメリカに辿り着けたのか、どうしてイタリアに日記があるのか気になるし、エシエンやニコラのその先も気になるけど、鑑賞した人間としては先生が引用していたセネカの言葉を以て祈りとするしかない。「人生には不安の種がいくつもつきまとうが われわれはいつだって そこから希望を選ぶ」。
※エシエンのブックリストめも。 マンガ(ミッキーマウス)→ピノッキオの冒険→イソップ物語→星の王子さま→白鯨→密林の医師シュヴァイツァー→◯◯◯→白い牙→→→国際人権宣言。
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0219dec · 1 year
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YouTubeでアガベなどの動画をアップしています✨動画はプロフィール欄から飛べます! 今日もアガベとパキポディウムは絶好調✨ 今で保有してる株の写真を投稿してなかったので不定期にアップしていきます(^^) @gangu_plants さんからお迎え✨ 今回は アガベ チタノタ 白鯨🐳⬜️ 葉数は下葉がダメージで減りました🥹 代わりにトップスピンが長くなりました✨✨ どの株も好きなのですが 特にこの株が1番のお気に入り! 1枚目 2023年02月06日時点 2枚目 2022年05月22日時点 3枚目 2022年03月28日時点 4枚目 2022年01月30日時点 5枚目 2021年12月15日時点 6枚目2021年09月23日時点 1ヶ月で少しずつ変化♪ 大事に育てていきます✨ #アガベ普及委員会 #アガベライフ #アガベ好き #グラギリス #グラキリスバカ #パキポディウムデンシフローラム #パキポディウムブレビカウレ #パキポディウム恵比寿笑い #パキポディウム #植物生活 #植物男子 #植物男子ベランダー #植物好き #塊根植物初心者 #塊根植物が好き #フォローしてくれた人全員フォローする #フォロー返ます #フォローバック #相互フォローの輪 #youtube #youtuber好きな人と繋がりたい #youtuberlife #アガベ白鯨 #アガベチタノタ白鯨 #白鯨怖すぎ #白鯨との闘い (Nagoya-shi, Aichi, Japan) https://www.instagram.com/p/CoUWNzZLTLj/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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toshimasa-kobayashi · 2 years
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タンスの角に狂気をぶつけて
自分の生活について書く。そうすると映画監督が副音声で自作の解説をしているような気分になる。常々感じるのは、自分はわりといつでもそうした視点を堅持しがちだ。これは悪い意味で言っている。「いまここ」のリアリティでなく、第三者的な観点から読み取ろうとする。前後の文脈を重んじすぎるところもある。それが理由で、人との世間話で行き違うことも多い。相手の気持ちになって聞く、という態度が薄い。薄情なのかもしれない。
そんな自分も「いまここ」の次元に引き戻されることがある。タンスの角に小指をぶつける、という類いの事件がそれ。そんな時だけは薄情な自分も相手に共感を求める。指が痛くてたまらないのだ、と。自分にはそうした「事件」が足りないのかもしれない。「いまここ」という閉所に閉じ込められる「出来事」が。
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海と森とでは、美しさや恐ろしさの位相が異なる。自分は森に親しみを感じる。山の中で生まれ育ったことにも関係があると思う。海と森とを対比的に考える傾向が自分にはある。
海は波が轟いていて恐ろしい。森はシンとした静寂に満ちて恐ろしい。どちらにも理性のその先にあるものを感じる。草木が生い茂り、その局所局所に閉じられた暗闇や狂気を孕む森の方に、より惹かれる。
海への畏怖はこれまでたくさん描かれてきた。メルヴィルが「白鯨」を書いたし、スピルバーグは「ジョーズ」を撮った。森の畏怖を描くとしたらどうなるだろうか。思い付く映画がふたつある。「プレデター」と「マタギ」。「マタギ」は未見か。モンスターと熊。「プレデター」のあのモンスターは、森の静かな狂気を的確にあらわしている気もする。
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AIが巨匠の誰々風の絵画を生成する。それら見事なイメージをひととおり巡回して思った。絵画の手法なり文脈なりを操作することで目新しいイメージを作る、という意味での現代美術は終わるかもしれない。少なくともそれは誰でも無制限に試作することが可能になった。AIが生成するイメージを眺めながら、これまではこうした試作も作家個人の頭の中でその構想が練られ、スケッチを重ねたりしながら作品になったのだなあ、と素朴な感慨に耽る。やがてAIネイティヴになった人類は、AIがそのプロトタイプを生成した「作品」を「素朴に」楽しむのかもしれない。
ところで最も効率的にAIによる代替が成される文化形態は、たぶん「詩」だろう。
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情報漏洩などのセキュリティの問題には、私有財産をいかに守るかという原則がある。それは結局のところは資本主義の問題。社会主義や共産主義の社会では、セキュリティは問題にならない。なぜならそもそも守るべき「私有財産」がないのだから。ところで資本主義はもはや耐用年数を超えており、その終わりを迎えようとしている、との議論がここしばらく盛んだ。一方でセキュリティの問題(=私有財産の問題)はますます日常化している。セキュリティを叫ぶ声は、機能不全を起こす資本主義による断末魔なのだろうか。
もし仮に一切のセキュリティが担保されなくなったなら、私有財産という概念は意味をなさない。つまり資本主義はその体をなさなくなる。だとするなら情報セキュリティを破るクラッカー達は、結果として資本主義に対する闘争をしているともいえる。
ーー
自分には「推し」がいない。時々考えるのだけど、たとえば「推しを愛す」というのが現代に一般的な愛のファンタジーだとして。一方には連日のように性加害が報道されるという現実がある。この「ファンタジー」と「現実」の間に愛の秩序がある。
愛に秩序は必要だろうか。あるいは愛は秩序を外れた例外事態のことだろうか。
ーー
と、ここまで書いて唐突に思い出した。森へ畏怖を描いた作品といえば「地獄の黙示録」があるじゃないか。
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fukasika · 2 years
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骨と皮
抜き刺すような劣等感に思いを馳せながら走る。 誰もが思い思いの贈り物に導かれ 掴みかかる不良少年と一体になる スモーカーの迷走、未来予想図、怪しげな自尊心の活動写真 舟をひっくり返し、しゃがんで、その意味するところ 義務の体臭、一人であくびをする音色を焼き付けていた
   まばゆいばかりの好色な砂鉄
というように 猫の額を手形で覚える この旅立ち。 気持ちの良い、その 華壇への情熱と 古い一説を狂言にし、燃やし曝される 予測、は牙城に穢れを描き(、山門を数える。) 魂動が詰まる 自律した、悪筆の酒豪たちが の、 胴回り のない意識。 とは 明らかに違う、陳腐な常夏。の真顔である。
   雨の季節(は滞納され、)
あるいは愛で 曇るように。 両輪の聖域を再び しばし(不意を打つ、日の出と待つ) そして基礎部分を(プライバシーとは?) 愛情も(見習いと) (そして災い)、つきることだろう。 狙いを 定めて撃て! (白銀の糸)傷を深くする(足枷と|做《な》す)
   (♪ 別れの無重力を、引き替えに)    (♪ 青い海 色を失い、覆���れる)
めんどくさがり屋の横着者は、血の色と、 垣根に 拍車がかかり、極度の鯨と汐 派手な炎で浄化されるも 勢い余って〈鎖や楔〉 見上げれば星屑の海、空洞の底に 旱魃の弊害は(進行方向と)
勢いは軽んじられ、名ばかりの陽光に抱かれ、逆走する足跡に焚べる
弾みは? ――いないほうがいい。     薄っぺらい意識で
声色での大成は、鈍い轍を踏み抜きながら 群衆は汀(みぎわ)、穏やかな凪(なぎ)へ。 晴天の太陽は近代化を伴い、互いの紗幕の峰に寄り添って生きる
僅かばかりの擁護は、副葬、 松の葉と無邪気な寝顔の印象だけを、繊細な外見として受け止める。
春は変曲期を越えて露点に現れ、生温く 飛来した翅のある虫の名を終ぞ扱うことはない
   ただ魂をいただき生きてしまって、いた。
順番に並んで倒立する、あの手もこの子も、可愛らしい笑顔で 照らしている、過去も未来も、 胸の奥で育った茨の舌は下書きを蒸したようだ、 茹だる日の夏の思い出。記録は海に放たれた ガラスの棺でもあり 玻璃の舟でもいいのだが、短波から等しく玉音が転じて
_____
平行四辺形の再生、雲雀 性定規で引かれた白い生と死 からくりマニュアル、涙を運ぶ電極ケーブル 波音の響き、なだれ打ち寄せる前線にて 、息苦しいジャズはいつでも手元で 終焉の時 臓器は痙攣し 悪酔いする仔猫みたいな 粋狂な羽織り物になる 療養所にいたるまでの往復、機関銃の迂回による不時着のよう ほんとうの意図は、雨の橋を渡し、檻の中枢に、|斜交《はすか》いの黄金色を嗅いだ ピュタゴラス。の、見分けがつく程度で。
*
孤高の薄笑は、その靴の裡を見よ。 悲劇と期待の蜘蛛を生乾きの羞恥心とした
放牧の導火線とは何か。 、その
鍵となること、そして文明とあるもの、激情の引き波が 闘争本能の衝動の白骨化を夜明けにさせる 衰弱し枯渇した心臓の気配に落書きをする 正史と炉心溶射の幻肢痛と夢枕か
砂煙の心電図に水滴を重ねる 数秒の戦に嘲笑うであろうひとふでが
幸福の流れ去るままに
* 彼方から時を紡いでゆく柔肌と植物園 四季の交歓に吹かれる、オーボエの蝶番よ
今にして祝祭、狂宴の未だ
夢想都市、白鳥のまやかし、焼き菓子の若葉たち 工廠《こうしょう》でつくられた処女と溶けはじめた瓶詰たち 隠された螺旋花、絶頂の遠近法で、性慾の棺桶を素肌にまといゆく 利するほど 真っ赤な嘘 律するほど 畏怖に泡立つ、 再起不能の誤算 真実と偽りの三日月ほど よく似合う
* 訳注:青い静脈の射影陰画、滞留している。 と無言の真珠貝 通行手形と警告ブザー 鬼灯と千里眼、灼熱の野は轟き続ける 酒と亡骸と、雷雲の境界線は涙袋へ (かなた、へ) 、憂鬱な恋慕、隔離された爾後 名無しの陽炎に連続した祝日を結ぶだけ
それでは争いは踊りに、依頼は古に咲かれ 水面下では、 蔓延する土踏まずの牙、百花繚乱
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liliyaolenyeva666 · 3 years
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🎼 00554 「Moby Dick」。
1850年2月、アメリカ合衆国のどこかにあるらしい マサチューセッツ州ナンタケット島に訪れた とある作家が、沈没した捕鯨船エセックス (Essex) 号の生き残りと出会うところから始まります 海洋映画 「白鯨との戦い」 を観ています。ロン・ハワード監督作品。大きな大きなマッコウクジラと はげしい死闘を繰り広げることよりも、海の上で 当てもなく漂い彷徨い続けることのほうに恐怖を感じてしまう この映画、鯨油を求めるニンゲンから 銛を投げられる マッコウクジラを見ていて、ふと 漢字でどう書くのだらうなんて思ってしまいました。「抹香鯨」 と書くさうです。
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zaku666 · 3 years
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現代遊戯王2021
最近またOCGをやりだしたので再勉強してるのですが(ペンデュラム以来5~6年ぶり)、めちゃくちゃ複雑になってますね。とにかくリンクモンスターの位置関係がややこしい。配置をミスるとソリティアに影響が出る場合があるので回し慣れていないデッキはとてもじゃないけど動かせないですね。
それと、1枚のカードに効果が①②③と1~3個は効果が付くようになっていて、名称ターン1の効果が「それぞれ」発動できる、「いずれか」発動できる、ってカードが多くてAのカードの②を発動してBを引っ張ってきてBの①を使いCを墓地に落としてCの③の効果を使いAの①を使い、Bの②を使い、ってやっているとパズルゲームかな?って思いますね。(上記だとまだCの①と②を使っていない)
でもだいたいやってることは先手なら並べて制圧、後手なら返してワンショットor制圧、なので安心しました。いろんなデッキに当たりましたが結局ぐるぐる回して出てくるモンスターはアクセスコードかサベージドラゴンのデッキばっかりでそれらに殺されまくったのでアクセスコードに頼らないデッキをメインで使いたいと思います。
現代遊戯王まとめ
1・先手超有利
2・3ターン目、4ターン目はもうデュエル終盤
3・上記により���は先手で握っていないと遅すぎてつらい
4・召喚権どうのよりもサーチとリクルートと墓地発動が潰されまくるのでそこで止まるデッキだとつらい
5・テーマ専用モンスターより結局汎用モンスターのほうがつよい
6・どのデッキにも灰流うららが3枚入っている
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ということで最近気に入っているデッキ「海造賊」
相手の場、墓地にいるモンスターの属性を参照してEXからモンスターを引っ張ってきて戦うテーマです。現状、光闇炎水の4属性モンスターが存在しているのでそれ以外の地風神属性デッキが相手だと何もできません。効果の発動に 海造賊カードが必要なので手札が切れてても何もできない、と結構気を使うテーマですね。でもうまいことソリティアできると3T目とかに攻撃力4~5000が3~5体並ぶ楽しい脳筋ゴリラテーマです。
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デッキレシピ
モンスター 17
・ 海造賊-白髭の機関士 3
・海造賊-赤髭の航海士 2
・ 海造賊-青髭の海技士 3
・ 海造賊-金髪の訓練生 3
・海造賊-黒翼の水先人 3
・灰流うらら 3
魔法 20
・ライトニングストーム 1
・ハーピィの羽根箒 1
・強欲で貪欲な壺 2
・おろかな副葬 2
・海造賊-進水式 2
・テラ・フォーミング 1
・死者蘇生 1
・サルベージ 2
・墓穴の指名者 2
・ 海造賊-象徴 3
・ 海造賊-拠点 3
罠 3
・海造賊-大航海 3
エクストラデッキ 15
・ 海造賊-双翼のリュース号 3
・海造賊-豪速のブレンネ号 2
・魔救の奇跡-ドラガイト 1
・白闘気白鯨 1
・海造賊-静寂のメルケ号 2
・バハムート・シャーク 1
・ヴェルズビュート 1
・餅カエル 1
・アクセスコード・トーカー 1
・ 海造賊-キャプテン黒髭 2
以下カードの所感。
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金髪幼女(かわいい)
・チューナー
・見た目がめっちゃかわいくて使いだしたらめっちゃ強かった子
・①は「海造賊モンスター」を墓地に送って発動
・②、とっとと墓地に落として発動したいが墓穴に引っかかる
・墓地から特殊召喚した場合、その後は召喚に誓約がかかる
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白ひげ
・チューナー
・相手ターンに発動可能
・とても強いのだがうらら墓穴に引っかかる
・デッキリクルートをした場合、その後は召喚に誓約が��かる
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赤ひげ
・相手ターンに発動可能
・黒ひげ出せない場合は白ひげか赤ひげ立ててエンドしかない
・融合のリュース号に赤ひげをつけたい。相手ターンで赤ひげ特殊、赤ひげ効果を狙ったり水先人で特殊、赤ひげ効果を狙いたい。上記によりなるべくエクシーズ素材には使いたくない。
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青ひげ
・最初は微妙に思っていたがいぶし銀の存在。特殊召喚効果は手札発動なのでうらら墓穴からでも動ける。
・拠点やEXモンスターの効果発動後はサーチしてから青ひげ効果発動なので、手札に捨てたいものがなくてもサーチ、その後捨てる、海造賊の捨てた効果発動、という動きができる。
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キャプテン黒ひげ
・自分、相手ターンに発動可能
・なんだかんだで先攻は彼を立ててエンド、が良いのではと思う。装備効果の1ドローがめちゃくちゃありがたい。水先の対象にしてもリンクモンスターは守備では特殊召喚できないので不発になる。
・融合のリュース号を出した場合、リュース号の効果でモンスターゾーンに特殊召喚できるので、リュース号で相手の行動制圧後に再び黒ひげからのEXモンスター召喚と1ドローを狙っていきたい。これが何回できるかで勝敗が変わる。
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リュース号
・融合、光属性、モンスター効果無効にして破壊
・海造賊デッキのエース。とにかくこれを出したい。
・リュース号だけが装備していなくても誘発即時効果。すばらしき力。
・自分、相手メインフェイズに1度、手札と魔法罠ゾーンの海造賊モンスターを特殊召喚できる。黒ひげや手札の赤ひげ白ひげを出して相手ターンでの効果発動を狙っていきたい。
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ブレンネ号
・シンクロ、炎属性、魔法罠除外
・打点500アップ。ちょっと物足りない性能。相手が灰流うらら(炎属性)を切ってくれたらすぐ出せる。
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メルケ号
・エクシーズ、闇属性、対象モンスターを除外
・場の海造賊が破壊されるときにエクシーズ素材が身代わり
・とても強い除去と羽箒やライトニングストームに耐性があるのがとてもありがたいのだが打点が低くて召喚しづらい。エクシーズ素材がすぐ墓地にいかないのも難点。
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新規カードの水先人
・書いてあることすべてがつよい、まさに海造賊のために生まれてきた存在
・①効果発動後は召喚に誓約がかかる。金髪とこのカードが誓約。青ひげはセーフ。 白ひげはリクルートしたら誓約。
・②は守備で特殊召喚、なので黒ひげは不可。
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拠点 フィールド魔法
・なにはなくともこれがないと始まらない。墓地から回収できるので間接的にサーチ可能。
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進水式
・無理やり融合を出したい場合に使える。墓地効果があるので複数きても手札コストとして優秀。
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象徴
・めちゃくちゃかわいい。キャプテンから一人前として認められた証らしい。感動した。泣いた。このカード1枚でごはん1杯食べられますね。
・拠点があればこの1枚で打点1000アップ。リュース号につけて対象耐性を与えるか、赤ひげにつけて効果発動、融合やシンクロを出して赤ひげ装備、という動きも。リュース号ならさらに装備赤ひげを特殊召喚してEXモンスターを増やしてアドバンテージを取っていきたい。
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大航海
・先手でにぎれてたらめちゃくちゃ強いカード。罠じゃなかったらなあ…。
・有利な場面をさらに有利にするカードという印象。EX出したいときには無理やりでも使わないといけないんだけど。
海造賊以外のEXモンスター 他
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ドラガイト
・白ひげ+青ひげ or 金髪+青ひげ
・ノーコストのメルケ号(耐性)、3000打点、といった感じ。これが出せる状況ならメルケ号でいいのでは、と思わないでもない。もしくはサベージドラゴンで良いのでは。
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サベージドラゴン
・なんでこのカード汎用なのになんでも無効にできるんだろう。おかしいだろ…。墓地にリンクモンスターが必要とはいえ打点も上だしさ…。
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アストラム
・解答は 白闘気白鯨 かライトニングストーム1枚しかないので出されたらほぼ詰み。対戦ありがとうございました。
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xf-2 · 4 years
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軍隊はその国を象徴する。自衛隊は軍隊ではない、と言う向きもあろうが、日本でたったひとつ軍事力を有する組織であることは間違いない。その唯一の実力組織がいま、静かに迷走している。
組織の進むべき方向を示せない。年功序列と、無意味で形骸化したしがらみに縛られる――。そんな自衛隊の姿は、そのまま日本社会の姿と重なる。全5回のシリーズとなる本稿では、現役の自衛隊幹部や米軍関係者への取材を通して、自衛隊が直面する根深い課題を浮き彫りにする。
「どっちつかずの状態になっている」
「災害支援というのは、自衛隊にとって『麻薬』のようなものなんですよ」
ある陸上自衛隊幹部はこう言ってため息をつく。「麻薬」とはいったい、どういう意味なのか。
内閣府による2017年度の世論調査では、自衛隊に対して「好印象を持っている」と答えた人が約9割にのぼった。また、自衛隊に期待する役割については「災害派遣」を挙げた人が約8割と、「国の安全の確保」の約6割を大きく上回ってトップとなっている。
「戦争放棄」「平和主義」が絶対的スローガンとされた戦後日本において、自衛隊は「鬼っ子」として忌避されてきた。いくら黙々と日々の訓練を積み、有事に備えても、「自衛隊などないに越したことはない」といった言説を声高に唱える識者も少なくなかった。国民はどこか、一歩引いて彼らとこわごわ接する面があった。
そうした空気が変わったのは、2011年の東日本大震災だ。津波で押し流された泥にまみれながら、被災地のがれき処理、そして被災者の救助活動に取り組む姿が国民に広く好印象を与えた。以来、この国で頻発する自然災害に際して「人々を助けるヒーロー」というイメージが確立し、国民にも受け入れられる存在になってきた。
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一見歓迎すべきことのように思える現状の何が、先の陸自幹部は問題だと言うのか。
「自衛隊とはそもそも、何のためのどのような組織なのか――そうした根本的な問題に、誰も向き合わなくなった。災害支援がそのための口実になっているということです。
あくまで軍隊として外敵に立ち向かうための組織である、と自己定義するならそのための訓練をすべきだし、災害支援に特化する道を選ぶのであれば、その専門的な技能を養うべきでしょう。しかし今の自衛隊は、どっちつかずの曖昧な状態に置かれている。��果として、全体の士気も練度も落ちていくことが問題なのです」
近年ではメディアも、前述したような国民感情の変化に沿って、被災地に入る自衛隊を好意的に報じることが増えた。しかし、高まる世の中の期待とは裏腹に、自衛隊内部には葛藤があるのだという。
「例えば、陸自で最精鋭の第1空挺団(千葉県船橋市)が昨年、千葉県での豪雨被害を受けて、倒木を伐採するなどの支援活動をして話題になりました。一般社会から見れば『社会貢献活動に取り組んでいて偉い』というだけでしょうが、その間、彼らの訓練活動は中止されます。
いくら精鋭とはいっても、彼らは災害支援のプロフェッショナルではなく、その点では体力のある素人とさほど変わりません。もちろん災害支援も命令ですから、嫌な顔は見せないでしょうが、『最精鋭の部隊に配属になったのに、木を切らされるのか』と違和感を持った隊員も少なくないと聞きます。実は優秀な隊員ほど、自分の存在意義に疑問を抱き、除隊の道を選ぶ者も多いのが現状です」
「好感度」を手放せなくなった
こうした問題があることは、筆者も別件の取材を通して知っていた。以前執筆した「自衛隊員のメンタルもやられた豚コレラ『5万頭殺処分』の壮絶現場」では、自衛隊が豚コレラに感染した家畜豚のと殺処分に動員されていることを報じた。また捕鯨問題の取材では、鯨肉の消費が落ち込む中、ある自民党議員が「クジラの肉が余ったら自衛隊に食べさせればいい」と発言するのを聞いて、自衛隊が国から悪い意味で「便利屋」のように扱われていると感じたものだ。
とはいえ、災害支援による国民からの「好感度上昇」を今さら手放すわけにもいかない。陸自の別の中堅幹部が言う。
「自衛隊には、演習の騒音問題などで周辺住民との軋轢がつきものでしたが、災害派遣が広報されるようになってから、住民の対応も全く変わりました。『物騒な邪魔者』から『いざというときに頼りになる存在』になったというわけです。世論を味方につけ続けるためにも、災害支援はやめられなくなっている。
また、これは陸自特有の問題ですが、人口減の時代にあって、政府は陸自の隊員数を減らす方向で話を進めています。その中で、予算などの利権を維持するためにもなるべく組織の規模を維持したい陸自にとっては、災害支援はいわば渡りに舟だった。警察や消防の活動範囲に食い込めるのはそこしかなかったんです。警察は県境より外にはなかなか展開できない。消防は人員が限られている。その点、自衛隊は全国展開できますから、適任だと主張できた」
米軍にも問題視されている
自衛隊にとって災害支援が大きなウェイトを占めるようになっている現状を、重く見ている組織がある。米軍である。
「軍隊」でも「災害支援隊」でもない、いわば宙ぶらりんの組織となった自衛隊について、ある米軍関係者は日米共同訓練に参加した際の経験を踏まえて「自衛隊は、米軍からレベルが低すぎて見放されかけている」と重い口を開いた。
「調整の中でミスコミュニケーションが起きるのは日常茶飯事です。誰が窓口かも確認せずに適当にやりとりしておきながら、こちらからメールを送っても反応しない。結果、物品が届かなかったり、必要な支援が提供できなかったりします。また、自衛隊側が欲しいというから最新兵器による支援の準備をしたのに、そもそも使う能力がなかったと後々判明したということもありました。我々に本当に協力して欲しいと思っているのか、疑問に思わざるを得ません。
また、軍事組織であるにもかかわらず指揮系統が定まっておらず、米軍では少佐にあたる3佐に判断を仰いでも『私には権限がありません』といちいち持ち帰って上司に相談するため、ものすごく意思決定に時間がかかる。何のために階級があるのかわからない。
英語できちんとしたコミュニュケーションもできませんから、現場レベルではトラブルが頻発しているし、米軍からクレームが来ると逆ギレする。計画の調整をしようとしても『一生懸命頑張ります』としか答えられない。信じられないと思うかもしれませんが、これが米軍から見た自衛隊の実情なのです。
米軍側も日米関係には亀裂を入れたくないですから、現場のいざこざには『大人の対応』で上官には強く報告せず表ざたになっていないだけで、相当不満がたまっています。米軍幹部も当然このことは承知していて、『はっきり言って、面倒をみるのはこりごりだ』『日米共同訓練はできればやりたくない』というムードがある」
ある防衛省幹部は、こうした米軍の本音を筆者が伝えると「返す言葉もない」と恐縮した。
「私も組織の人間ですから申し上げにくいのですが、その通りと言わざるを得ない。
勘違いしないで欲しいのは、個別の部隊は優秀なんです。真面目に訓練もしている。問題は、そういう部隊がどう動くべきかをマネジメントする人材が圧倒的に不足しているということです。計画にない不測の事態に対応できる力、異なる文化の組織とうまく協働する力、これらが圧倒的に足りていない。
これは自衛隊の訓練の仕方にも問題があります。たとえば演習では『攻める側はひたすら攻めて、守る側はひたすら守る』というような訓練をしているのですが、テロリストやゲリラと対峙した際に、相手がそのような折り目正しい攻撃をしてくるでしょうか?だまし討ち、ゲリラ戦法なども序の口でしょう。
しかし、訓練で不意打ちをすると『卑怯だ』とののしられる。これでは臨機応変な戦闘なんてできっこない。まさに『訓練のための訓練』をしているだけだ、と言われても仕方ありません」
進むべき道がわからない
組織をどう構築し、どう活かすかというビジョンがなく、現状維持と前例踏襲に縛られて現場の効率が上がらず、全体のパフォーマンスが停滞する――この悪循環は、日本型組織が陥る典型的な病理だ。陸自もその例に漏れない、いや、日本でも有数の「ダメ組織」であると若手の陸自幹部は明かす。
「企業では『働かないオジさん』が問題になっていますよね。自衛隊もまったく同じですよ。
陸自の組織では、一般企業でいう課長クラスの1佐以上に昇格すると、多くの人は仕事の負担が圧倒的に減ります。そこに昇格するまでは、朝5時起き・残業はエンドレスのブラックな労働環境なのですが、そこから抜け出してしまえば、部下からと忖度される側になり、とことん物を考えなくてもよくなってしまう。
広報対応などの業務はすべて部下が応答要領を書いてくれるし、間違っていた場合は当然部下が責任をとる。時間とエネルギーが余るので、組織内政治に走る人、筋トレばかりして『サムライ化』する人、部下の仕事の重箱の隅をつついて現場を混乱させる人が出てくる。
私の同僚にも、上官に『「てにをは」が気に入らない』と報告書を何回も突き返されてノイローゼになった隊員がいました。幹部の部屋には基本的に産経新聞しか置いていませんから、イデオロギー的に偏っていることも多い。そういう幹部が米軍のエリートに『ブレクジットについてどう思うか?』などと聞かれても、まともな話ができるわけがない。向こうからは『なんでコイツがこんなに偉いんだ?』と思われているでしょう」
世界情勢の激動の中で…
戦後の日本は現場力が支えてきた。優秀な技術者や営業マンのミクロな努力が、時代に合った製品やサービスを生み、国の地位を押し上げてきた。しかし大局を考えずとも、ひたすら目の前の仕事を片付ければ結果が付いてきた時代はもう終わった。
米中が突入した「新たな冷戦」を見るまでもなく、世界のパワーバランスは再び大きく揺れ動いている。いつ米国が「ひとり立ち」を要求してきても、いまやおかしくない。自衛隊にも、己を組織に捧げる「兵隊」だけでなく、大局を見極めリスクとリターンを吟味し、決断を下せる「将」が必要になっているということだ。
しかし、いまの陸自内部には、そうした理想とかけ離れた惨状がある。組織改革の足かせとなっているのが、幹部養成学校である「防衛大学校」が抱える問題である。(以下、第2回につづく)
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buriedbornes · 5 years
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第33話 『旧き世に禍いあれ(1) - "菌の森"』 Catastrophe in the past chapter 1 - “Fungus forest”
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 森、と呼ぶべきだろうか。
 遠くから見れば、その青さは豊かな植生を想像させ、様々な生命をはぐくむ豊かな森に見えるが、その実、その森は『森』以外の命を拒絶している。
 木々の代わりに、複雑に組み合って伸びた菌糸が、樹木のように空に向かう。梢である部分も、まるで寄せ木細工よろしく噛み合い、その様から想像するよりも酷く凍てついている。
 光の射さない森を、人は畏れ、近づく者はない。
 かつて、近づいたふたり組がモンスターに襲われた。からがら逃げた片割れが言うには、馬ほどの���きさのカマキリに襲われて、仲間は頭から食べられたという。その男自身も背中に大きく斬りかかられた痕があり、傷こそ浅かったがその日のうちに死んでしまった。近づけは呪われる、魅入られる、毒にやられる、様々な噂が立った。
 近隣に住む人々に場所を尋ねても、露骨に嫌がられる。森への案内人は見つかることない。
 菌類は、世界で一番初めに繁殖し、世界を覆い尽くした生命であるとされる。その生命力の強さは人間の想像をはるかに上回る。彼らは何らかに寄生し、共存すること、または乗っ取って成長することで繁殖を遂げた。「菌類が森を形成している」と聞いた時、フィリップは当然のように、実際の木に寄生した菌が、木の表面を覆い尽くしているのだろうとだけ考えていた。
 しかし、実際には、木々などを必要とせず、菌だけが独立し、成長しているという異常な環境だった。
 足元も完全に苔むし、通常の森の数倍の高さまで伸びた梢までを見上げる。
 完全に光を遮った空間には、ところどころに白いふわふわとした胞子が舞っていた。
 胞子を防ぐためにつけた顔を覆むマスクを通した、不気味で低く掠れた呼吸音は、そして規則正しく響く。菌糸が絡まり一本の巨木となる、それが真っ直ぐと空へ伸びる柱の間を、ゆっくりとふたつの影が歩いていく。彷徨っているわけではない。その歩みからは向かうべき先へと向かう意思が見受けられるが、広大な森と道を遮るほどの菌の巨木に翻弄され、緩やかに歩く軌道は大きく蛇行していた。
 この森の来歴は、古い神代にまで遡るとされていた。
「……仮説通り、本当に神が眠っていると考えてよさそうですね」
「ああ、そうだろうな」
 自死を選びこの森に入る者もいるという。それほどに深く、広大だった。
 屍術師のフィリップとグレーテルは、無表情で淡々と歩き続けていた。
 グレーテルが時折、歩みを止めては自身の側頭部に手をやり、目を細めて集中した後、遠くを指差す。精霊の濃い方角を探って向かうべき先を先導し、フィリップがそれに続く。
「何百年、いいや、何千年の時がここの中では流れたんだろう」
 数十メートルもの高さまで伸びた菌で出来た木をグローブ越しに触れてみたが、しっかりと堅い。強く押してもしなることもなく、力強く根付いた感触が返ってくる。
 フィリップは傍らのグレーテルを見た。彼女も顔を覆うゴーグルと、分厚い防護服や手袋、安全靴など、肌を一切露出せず、まるで奇妙な人形のように立っている。ゴーグルの奥にある瞳だけは、以前と何ら変わらず、知的な光を宿してこちらを見つめ返してくる。
 着ぶくれして奇妙な人形のような姿をしているのは、フィリップ自身も同じだ。
 何も身に着けずにここで呼吸をすれば、1分と待たずに肺から蝕まれて死ぬだろう。装備を揃えるために訪れた集落の古道具屋で出会った古老は、皺がれた声でそう告げた。そして、全ての装備を見繕い直す2人を尻目に、白く濁り始めた目で「あの森は捨てておくしかない」とはき捨てるように言って、店を去った。
 どれだけ歩いただろう。古老がいた集落から二日歩いて、菌の森の入り口にたどり着いた。森の入り口には当然、柵も、看板も、遊歩道のようなものさえない。獣道と思しき菌木と菌木の間隙を縫うように進み、ようやく分け入った。
 不意に、菌糸の枝と枝が擦れるような不自然な音が聞こえた。
 フィリップが斜め後ろを振り向くと、グレーテルの背後に、蔓が垂れ落ちている。粘膜で奇妙にてらてらと光る蔓が、ゆっくりと猫の尻尾のように先を揺らす。
 フィリップの背中が一瞬で粟立つ。
「グレーテル!」
 フィリップの叫びに、グレーテルも弾かれたように振り向き、その手を翳した。一瞬の間の後に青い炎が見え、フィリップは舌打ちをした。
「駄目だ!」
 叫びながら、フィリップは手を横に一閃した。
 蔓を焼き尽くさんとグレーテルの手から放たれた炎と、その先でグレーテルを襲おうと先端を食虫花の花弁のように広げた蔓が、澄んだ音を立てて凍り付く。
 ――これが、噂に聞いていた菌の森の怪物か……。
 見上げて注視すれば、そこここに蔓が伸びている。全ての蔓が同個体なのか、異なる個体同士が無力化された仲間の様を感じ取ったのか、するすると蜘蛛の子を散らし、逃げていくように去って行った。
 あれらは強酸性の粘液を持ち、骨をも溶かすと言われている。
「ここでは炎は使うな。分かるだろう」
 フィリップの声に、グレーテルは少しの間立ち尽くしていたが、ふいと顔を背けると、露骨に不機嫌そうな足取りで、フィリップを置いて歩き始めた。
 その背中を追いながら、フィリップは深い溜め息をついた。
 ここは『森』だ。ましてや梢に当たる部分は組み合わさっている。一旦火が付けば、どこまで延焼するかも分からない。
 この先に待ち受けるものが、その炎に焼かれてしまうようなことがあっては、元も子もない。
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 しばらく進むと、菌糸の種類が増えてきた。相変わらず空を覆う巨木たちは変わらないものの、下から葦のように生えた背の高い草状のものも増え始めた。
 はじめは魔物かと警戒していたが、ただの草に似た形状に進化した菌の一種のようだった。
 フィリップが大人になってすぐ、世界は一日にして全てを失い、崩壊した。屍者が溢れ、瓦礫に満ちた街を必死で逃げ回るしかなかった。グレーテルと再会したのはそのさなかだった。混乱の中、ふたりでどうにか郊外へと落ち延びた。
 覇王の侵攻によって、人々は絶望に追いやられ、細々と終焉に向かって隠れるように生きていた。社会や国など、あってないようなものだ。今までは動いていた陸路や海路も断たれ、物資の運搬もままならなず、世界的であらゆる資源の流通が絶えた。手元にあるもの、そこで作れるものだけが全てとなり、手近に残されたものを奪い合った。人の行き来が絶えた街道で誰かと会うことがあれば、例外なく襲い掛かってきた。
 そうして、社会が荒廃していくさまを、指をくわえて見ていることがふたりには出来なかった。
 屍術に手を染めたのも、仕様のないことだ。生き延びるため、何よりすべてを取り戻すため、戦うにはそれしか術がなかった。
 元々、フィリップとグレーテルは同じような境遇で育っていた。家庭の経済環境も近く、受けた教育もほぼ同じだ。ふたりは幼年から時間を共にし、大学で同期だった。専攻こそ、フィリップは時空間魔術、グレーテルは精霊術と異なったものの、在学中はお互い知己の仲であった。
 それでもただお互いに見知っていたというだけで、卒業後は疎遠だった。たまたま、覇王侵攻を契機に2人は再び引き合わせられた。それ以降、ふたりで屍者を用い、戦い抜いてきた。
 けれども、それももはや限界を迎えようとしていた。
 使役するための屍体が明らかに不足し始めた。これまで騙し騙し活動を続けてきてはいたが、そう長くは保たないだろう。
 フィリップの専攻は時間遡行――過去へ戻る術だった。彼の前の代にはその基礎理論はすでに出来上がっていた。ただ、そのために必要な魔力は想像を絶するものだった。そして、その消費量は遡行する時間が遠ければ遠いほど、つまり過去を目指すほどに指数関数的に増えると知られていた。
 覇王侵攻後、フィリップはずっと考えていた。今まで研究してきた延長線上で過去に干渉して現在の問題が解決する方法があるのではないか、と。数秒程度の過去遡行は実例が既にあった。ただそれも、必要魔力が少ないから出来た最小規模の実験だった。
 グレーテルと落ち合ってすぐに、彼女はフィリップの専攻を覚えていたため、「過去に戻って世界を変えることは可能だろうか」と真剣な表情で尋ねたことがあった。
 ――どうしてそんなことを?
 ――過去を変えるためです。現状を打破するには、今の努力でカバーできる領域を超えている。
 ――そうか。……現実的には無理だろうな。魔力が圧倒的に足りない。
 フィリップの返答に、グレーテルは怯まず詰める。
 ――魔石を集めたら? 大量の魔石があれば可能ではありませんか?
 ――街作りになるぞ。単に魔石を集めるだけでは意味がない、石から魔力を引き出し、一点に集中する構造にすることを考えたら、ふたりじゃ一生かかりでも無理だ。とても現実味がない。
 グレーテルは少しだけ、考え込む様子を見せた。
 ――神の力を借りるのは? それならば可能では?
 ――そんな量を借りた前例はない、全部寄越せなんて聞き入れられるものか。
 ――なら、死んだ神から奪うのは?
 ――死んだ神の力は死んだその場で霧散する。受肉して顕現した個体なら可能かもしれんが、そんな都合のいいものどこにも残っていないぞ。
 ――でも、仮に受肉して死んだ神の遺骸が現存すれば、できるという事ですか?
 ――まぁ、そうなるが……
 グレーテルと親しい関係であったわけではない。顔見知り程度だ。そんな彼女がはっきりとものを言い、貪欲に食らいついてくる姿は新鮮だったが、同時に恐ろしくもあった。
 ――あなたの言う受肉した神の遺骸は、歴史上、様々な伝承が残っていますよね。
 ――それでも、伝承だろう?
 ――ええ……。ですが、英雄が屠った神を食べ、国を築いた神話もありますし……時間がある時に調べてみます。
 この会話で終わったのだとフィリップは思い込んでいたが、グレーテルはそうではなかった。
 ある日、彼女はいつもは首から下げている眼鏡をかけ、古びて朽ちかけた郊外の図書館で、一冊の本を読んでいた。よもや殺されたのではないかと探し回っていたフィリップは、安心したと同時に隠しようもない苛立ちに襲われた。
 それでも、大きな張り出し窓に腰かけて本を読む姿は、痩せこけた頬さえ見なければ、まるで平和な時代の学生時代のように穏やかだった。
 ――屍者になっていたらと思ったら、読書か。
 ――なんのことですか?
 よっぽど夢中になって読んでいたのか、彼女は驚いたように顔を上げた。
 ――いや、僕が屍者を操っている間に、まさかいなくなっているとは思わなかった。僕の体に戻ってみたら、君がいなかった。どこか行くなら、一言くれないと困る。
 ――ああ、そうですね……すみません。突然思いついて……、あなたの様子も安定していたので、つい抜け出してしまいました。
 ――何を思い出したのかな?
 グレーテルは力強く頷いた。
 ――菌の森を。
 ――菌の森……? って、あの谷間にあるって言う?
 フィリップの問いに、彼女は大きく頷いた。
 ――あの森は古代の神の眠る場所。まさかこんなところに、こんな貴書が紛れていたなんて……結末知れずの闘争記録が数多く残されていました。記されているものも古語です。
 フィリップも書架をあるけば、複数の関連した図書が見つかった。
 ――古語で書かれている歴史書でした。ここにあるものは恐らく本当でしょう。
 ――古き神が眠る……か。
 ――魔力が残されている前提となる、肉の体に宿した後倒された神が幾つか……けれど、あくまで少数でした。
 ――ああ、そうだろうな。古い記録の中でも、特に古いものにしか出てこないヤツだ。
 ――神の顕現には本来肉体は不要で、なにか特別な理由がなければそうされる事もなかった。肉体を持たずに討たれた神は、その内に秘めた魔力ごと消散し何も残らない。仮説ですが、最も古い時代には、神々も顕現する姿を試行錯誤した時期があったのかもしれません。肉体を持って顕現し、そして討たれた後捨て置かれた神など、そのものの記録はなかったのですが……
 これを見て下さい、とグレーテルは古地図を示した。
 ――神を鎮めに旅立った英雄の行方を知る者はいない……、こういう地に、恐らく討たれて倒れた神の遺骸が現存する可能性があります……その場所さえ分かれば……
 ――ん、これは……
 フィリップはすぐさま、いつも持ち歩いている汚れた地図を広げた。古地図を交互に指さす。
 ――ここが、同じく城塞……高地……少し違いがあるが、同じところじゃないか……?
 ――そうです。そして、ここに菌の森。神の遺骸が、ここに……?
 グレーテルの声は興奮して上ずっていた。まだ確定していないものの、どうしても期待が膨らむ。フィリップは大きく頷いた。
 ――行こう。試す価値はある。
 決意は固まった。装備を整えて、ふたりは早速菌の森を目指した。
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 ふたつのガスマスクを通した呼吸音。梢から垂れた菌糸は、まるですだれのように行く手を次々と塞いでいた。それを押しのけた途端、突然視界が開ける。
 フィリップは、はっと息を飲んで足を止めた。
「――……ここだ」
 ふたりで作った地図とほとんど同じ場所に、それはあった。
 死した神の寝床。
 何千年も前に英雄と戦い没したとされる神が横たわっている。
 鯨に似ている。がらんとした空間の中に大きな赤黒い鯨の遺骸が打ち捨てられているように見えた。
 遺骸の周囲にはまるで丁寧に森をえぐったかのように円形の湿った地面が都市の広場ほどの範囲で広がっており、草一本、菌木一本も生えていない。まるでその遺骸が、あらゆるものが近づくことを拒んでいるかのように。
「……うっ……」
 グレーテルは口を抑えてうずくまった。
「大丈夫か?」
「……精霊の気配が……こ、濃すぎる……すみません、少し時間をください……」
 弱々しい声で告げたグレーテルが、額につけていたサークレットを外して、座り込んでしまう。
 やむをえず、フィリップは少し時間を置くことにした。すぐそばに腰かけて、フィリップも死骸を見つめた。生身で、感覚を増強する道具も身につけていないフィリップは、その遺骸から放たれる魔力の迸りを直に感じずに済んだ。
「あれが神の遺骸か? 鯨のように見えるんだが……」
 フィリップは神の遺骸を見ながら首を捻った。
 グレーテルはまだ肩で生きをしていたが、答える余裕は出てきていた。
「あなたは鯨を見たことが?」
「祖父は漁師で、幼い頃に鯨を見たことがある」
 グレーテルは雑談には反応せず、死した神の遺骸に歩み寄っていった。
 肉の大部分が朽ち落ち、元の形は分からない。骨の先から先までの距離から、巨鯨ほどの大きさの存在だったと察することが出来るだけだ。
 フィリップも近づいて見れば、それは明らかに鯨とは異なる特徴を有していた。抱え込まれた両の腕と太ももと思しき4本の節が見て取れる。
「……人か?」
「当然人ではありません。ただ、極めて人に近い形をした、大型の何か……でしょうね。人を象って顕現したのでしょうか」
 グレーテルは微かに首を傾げていた。
 よくよく見ると、手足や頭部の形は残っている。ひとつひとつの大きさが人間と比べ物にならないくらい巨大だ。横向きに膝を抱えるような形で倒れていたため、残った部分がひとかたまりにまとまって丸々とした肉塊に見え、遠目から横たわった鯨に見えたのだ。
 グレーテルは躊躇いなく、その肉片に触れた。
「お、おい! 触れて大丈夫なのか?」
「触れないと確認できないでしょう。いまさら躊躇しても仕方ないじゃないですか。」
「それは、そうだが……」
 彼女は表情を変えることなく、手袋をしたまま肉片をつまみ上げ、背負った鞄から留め金を外して手にとったモノクルを通してまじまじと観察した。流石にフィリップはまねる気にはなれず、顔を背け代わりに周囲の森を見渡していた。
 屍術師として屍体を扱うことには慣れたが、それを当然望んでいるわけもない。ましてや、死した神の肉片なぞ、触れて何が起きるとも知れぬものを、掴む気も起きなかった。
「……やはり。山羊と、おそらくは牛の混合……生贄を触媒に受肉されたものですね」
「数千年も前のものが?それだけ経っててわかるものなのか?」
「受肉した神の記録は数は少ないですが、それを食したものが不滅を得たという伝説は幾つか聞きます。残された肉そのものが不滅だとしても、不思議はないでしょうね」
「まぁ、山羊と牛のミンチなら、味は良さそうだな」
「その冗談は面白くありません」
「はは、誰が食べるものか。触るのもお断りだ」
 フィリップは肩を竦める。
 ガスマスクをしているから、臭いは分からない。
 蠅もたかりもせず、数千年を経ても微生物に分解されている様子もなかった。
「ここで朽ちていっていたということは、この神はひとりで死んだのか?」
「いえ、この辺りの骨が折れています。きっと英雄と戦い、敗れたのでしょう」
 グレーテルが示すあたりをしかめ面しながら片目で見やる。左脛と思しき位置の骨が、粉々に粉砕していた。これほどの打撃を神に与える英雄とは…。想像が出来ない。あるいは、Buriedbornesの術を介するならば、可能だろうか。ふと、古の時代からBuriedbornesの術は扱われていたのではないか、という妄想にも似た想像が浮かんだ。
「英雄や魔物は神から力を奪う……けれど、この肉体だけが残ったということは、この谷間には元々、遺骸を喰らえるような肉食の魔物や獣がいなかったのでしょう。当の英雄は、恐らく相討ちに」
「その英雄はどこだ?」
 グレーテルが指をさす。その先を見れば、遺骸を中心とした空間の縁に、ボロボロに朽ちた剣の柄らしきものだけが落ちていた。刃は完全に失われて、金の装飾部分だけが、堆積物をかぶりながらも劣化せず残っているようだ。
 受肉した神の肉体が持つ不滅性が証明されたと言える。あまりにも長い時間を経て、相対した英雄の遺体がほとんど朽ちて消え去った後も、まだこうして肉体を残していたことになる。
 木々や草花は育たず、陽の当たらない崖の下で、菌糸類だけがその溢れ出す力の恩恵を受けて菌だけの森を成した。もとより人が住めるような場所ではなかったのだから、手を付けられることもなく歳月が過ぎた事に、疑問の余地はない。
「ここに人間が来たのは、どれくらいぶりなのか」
「……はじめてかもしれませんね。このふたりの他では、はじめての訪問者なのでは? 英雄自身も、はたして人間だったかどうか……」
「好都合だな。予定通りいけそうだ」
「ええ、準備は大丈夫ですか?」
「ああ」
「魔力の計測もそろそろ終わりそうです。正式な数値はまだですが、現時点で必要な魔力を越えています」
 グレーテルは研究者らしく、目を輝かせて頷いた。フィリップも頷き返す。
「ここまで近づけば、肌で分かるレベルだな。この魔力量なら、想定通り飛べそうだ」
「ええ、そうですね」
 人生でも目にしたことがないほどの、内包された計り知れないほどの魔力量。これほどの力を使うことができれば、確実に過去へ戻ることが可能だろう。
「あーあ。どうせなら、覇王が生まれた頃まで戻って子供のうちに縊り殺せたら、もっと楽なんじゃないかな?」
「…この遺骸と同じものを数万体ご用意する気力がおありなら、どうぞ。一緒に試算したでしょうに…」
 時間は巻き戻せる。
 有限でも確実でもないが、方法論は確立している。フィリップはそれを扱える。ただ、この世には魔力が絶対的に足りない。
「この遺骸があってこそ、可能になった、それでも、たったの50年か……。だが、その時期であれば屍体も多く集まるだろう。今ではもうお目にかかれないような、名だたる英雄の屍体も手に入るかもしれない。その力で覇王を討ち、人間が人間として生きる時間が取り戻せるはずだ」
「ええ。失敗は許されません」
「もし失敗したら、どうする?」
「……そうですね、残された戦力で、覇王相手にはもう勝ち目はないでしょう。手詰まりです。未来に可能性を残すために、あなたと子でも為しましょうか」
「その冗談は面白いよ」
 フィリップが笑うと、グレーテルは不満そうに眉を寄せた。
「人間らしい生活を、社会を……取り戻さねば。国や都市が機能し、人々は安全に暮らす、学府にも人がいて、積み重ねられたものが未来に残されていくような……そういったものが、この世界には必要です」
「ああ、その通りだ」
「もし私達に覇王を打破できなければ、より可能性の乏しい後世にすべてを託すしかない。可能性は狭まるばかり。それだけは避けなければ」
「そうならないように、今、やれるだけの事はやろう」
 フィリップは杖を荷物から引き抜いた。
「さ、そろそろ行こうか」
 戻る場所はたった50年。それでも十分だ。
 人類の未来のため、有意義に使わなければ。
 フィリップは杖を握る手に力を込めた。思い切り、遺骸に杖の先を突き立てた。肉を貫く感触は、遺骸というのに生々しくぶにぶにと柔らかかった。
 杖を差した部分から、光がふわりと零れたと思えば、光の筋が一気に杖を通過し、瞬く間に杖全体が発光する。両手で握っているのに、杖のもたらす衝撃に体が吹き飛ばされそうになる。
 杖を中心に、魔力の奔流が竜巻のように徐々に渦を巻き、菌の梢も揺れ、森を包んでいたすべての音が遠ざかって行く。凄まじい轟音が響き、杖自身が悲鳴を上げる。悪路の馬車に乗せたように大きく揺れ振動し、弾け飛ぼうとする。必死でフィリップは縋りついた。
 グレーテルは風の中、近くの木にしがみついてフィリップを見守っていた。その表情は落ち着いている。彼女ならば、過去から送り込まれた屍体もきちんと回収し管理してくれるだろう。彼女のような人間に背中を任せられる自分は、こんな時代において、幸せ者ではなかろうかと時々思うが、今はその気持ちが特に強い。
「世界を、救わなくては……!」
 遂に杖は、内側からの力に負けるようにたわんだ。咄嗟に手で押さえたが、その瞬間、ガラスのように砕けて、真っ二つに折れた。
 そして、世界が揺らいだ。
「フィリップ、お気をつけて」
 何も見えない光の中で、グレーテルの最後の言葉は、しっかりと聞こえていた。
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~つづく~
原作: ohNussy
著作: 森きいこ
※今回のショートストーリーはohNussyが作成したプロットを元に代筆していただく形を取っております。ご了承ください。
旧き世に禍いあれ(2) - "ブラストフォート城塞" 
「ショートストーリー」は、Buriedbornesの本編で語られる事のない物語を補完するためのゲーム外コンテンツです。「ショートストーリー」で、よりBuriedbornesの世界を楽しんでいただけましたら幸いです。
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winniethepoohposts · 7 years
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映画:2016/2017年末年始に観た映画
ヒトラー暗殺
[amazonjs asin=”B01AUL2X1M” locale=”JP” title=”ヒトラー暗殺、13分の誤算 Blu-ray”] 2015年のドイツ作品.原題は”Elser”.ヒトラー暗殺の映画. WoWoWのW座で放送されていたのを録画して観る. ドイツの話はやはりドイツ語のセリフの方が良いなと思う. 尋問・拷問のシーンが辛い.拷問したナーメという人はピアノ線で処刑しろとヒトラーから指示があったらしく,この映画のなかでも妙に長い時間を掛けて描写されていた.主人公は5年かけて銃殺だからどっちが良いという話でもないけど. 主人公のヒトラーを暗殺しようとしたElserという人は,共産主義者達と付き合いながらもどこかノンポリな感じがする.どちらかと言うとボヘミアンという感じがする. ドイツの政治状況がナチスに偏るなか,ひとりヒトラーを殺害させなければいけな…
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judachigeiju · 5 years
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白鯨219
政治に期待する者だけが政治に失望する。
あらゆる政府に反対する立場では、災害時には行政ではなく市民の助け合いにこそ期待する。
自衛隊は来るな、とまで言えて反政府。
政府に依存しすぎる市民は弱体化する一方。
「太上下知有之」ではないけれど。
現状のフェミニズムは「被害」の救済をできず、「被害」を増幅かつ定着させるに留まっている。
フェミニストが「加害者」と目した人物への私刑の先にあるのは「被害者」の救済ではなく党勢の拡大。
怒りの増幅と「被害者」意識の重症化と仲間意識の強化のための闘争。
フェミニズムは救済のための宗教ではなく闘争のための宗教。
文芸が「被害者」救済に当たるのが役割だろうけれど、フェミニズムの潮流に飲まれてしまい「言葉は人の心を傷つけられる」言説に抗えなくっている。
テクスト論はリベラルの後ろ盾だったはずなのに、フェミニズムは「被害」「加害」関係を維持するためにテクスト論を捨て、作品論とその結果としての「被害」にすがる。
フェミニズムという自傷の文法。
書き手が「言葉は人の心を傷つけられる」と信じるのは「俺の魔眼が疼くぜ」のような中二病、自分の仕事への過信。
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momijiyama1649 · 5 years
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ざこば・鶴瓶らくごのご お題一覧 1992年    1 過労死・つくし・小錦の脂肪    2 一年生・時短・ニューハーフ    3 レントゲン・混浴・アニマル    4 ゴールデンウイーク・JFK・セクハラ    5 暴走族・かさぶた・バーコード    6 タイガース・母の日・入れ墨    7 目借り時・風呂桶・よだれ    8 しびれ・歯抜け・未婚の娘    9 ヘルニア・目ばちこ・フォークボール    10 造幣局・社員割引・オリンピック    11 父の日・猥褻・丁髷    12 ピエロ・ナメクジ・深爪    13 ミスユニバース・特許・虫さされ    14 魔法使いサリー・祇園祭・円形脱毛症    15 サザエさん・ジャンケン・バーゲンセール    16 ト音記号・北方領土・干瓢    17 妊婦体操・蚊帳・ビヤガーデン    18 身代わり・車だん吉・プラネタリウム    19 床づれ・追っかけ・男の涙    20 海月・肩パット・鶏冠    21 放送禁止用語・お年寄り・ピンポンパン    22 おかま・芋掘り・大人げない    23 復活・憧れ・食い逃げ    24 蒲鉾・風は旅人・半尻    25 泉ピン子・ヘルメット・クリーニング    26 美人姉妹・河童・合格    27 スカート捲り・ケツカッチン・秋の虫    28 チンパンジー・フォークダンス・いなりずし    29 稲刈り・小麦粉・フランス人    30 日本シリーズ・鶴瓶・落葉    31 クロスカウンター・学園祭・タクシー    32 付け睫毛・褌ペアー誕生・ツアーコンダクター    33 泣きみそ・ボーナス一括払い・ぎゅうぎゅう詰め    34 静電気・孝行娘・ホノルルマラソン    35 暴れん坊将軍・モスラ・久留米餅 1993年    36 栗きんとん・鶴・朝丸    37 成人式・ヤクルトミルミル・まんまんちゃんあん    38 夫婦善哉・歯磨き粉・夜更かし    39 金の鯱・オーディション・チャリティーオークション    40 ひ孫・いかりや長介・掃除機    41 北京原人・お味噌汁・雪祭り    42 視力検査・フレアースカート・美術館めぐり    43 矢鴨・植毛・うまいもんはうまい    44 卒業式・美人・転た寝    45 らくごのご・浅蜊の酒蒸し・ハットリ君    46 コレラ・さぶいぼ・お花見    47 パンツ泥棒・オキシドール・上岡龍太郎    48 番台・ボランティア・健忘症    49 長嶋監督・割引債・厄年    50 指パッチン・葉桜・ポールマッカートニー    51 同級生・竹輪・ホモ    52 破れた靴下・海上コンテナ・日本庭園    53 シルバーシート・十二単衣・筍    54 ぶんぷく茶釜・結納・横山ノック    55 睡眠不足・紫陽花・厄介者    56 平成教育委員会・有給休暇・馬耳東風    57 生欠伸・枕・短気は損気    58 雨蛙・脱税・右肩脱臼    59 鮪・教育実習・嘘つき    60 天の川・女子短期大学・冷やし中華    61 東京特許許可局・落雷・蚊とり線香    62 真夜中の屁・プロポーズ・水戸黄門諸国漫遊    63 五条坂陶器祭・空中庭園・雷    64 目玉親父・恐竜・熱帯夜    65 深夜徘徊・パンツ・宮参り    66 美少女戦士セーラームーン・盆踊り・素麺つゆ    67 水浴び・丸坊主・早口言葉    68 桃栗三年柿八年・中耳炎・網タイツ    69 釣瓶落とし・サゲ・一卵性双生児    70 台風の目・幸・ラグビー    71 年下の男の子・宝くじ・松茸狩り    72 関西弁・肉まんあんまん・盗塁王    73 新婚初夜・サボテン・高みの見物    74 パナコランで肩こらん・秋鯖・知恵    75 禁煙・お茶どすがな・銀幕    76 ラクロス・姥捨山・就職浪人    77 掛軸・瀬戸大橋・二回目    78 海外留学・逆児・マスターズトーナメント    79 バットマン・戴帽式・フライングスポーツシューター    80 法螺貝・コロッケ・ウルグアイラウンド    81 明治大正昭和平成・武士道・チゲ鍋 1994年    82 アイルトンセナ・正月特番・蟹鋤    83 豚キムチ・過疎対策・安物買いの銭失い    84 合格祈願・パーソナルコンピューター・年女    85 一途・血便・太鼓橋    86 告白・ラーメン定食・鬼は外、福は内    87 カラー軍手・放火・卸売市場    88 パピヨン・所得税減税・幕間    89 二十四・Jリーグ・大雪    90 動物苛め・下市温泉秋津荘・ボンタンアメ    91 雪見酒・アメダス・六十歳    92 座蒲団・蛸焼・引越し    93 米寿の祝・外人さん・コチョコチョ    94 談合・太極拳・花便り    95 猫の盛り・二日酔・タイ米    96 赤切符・キューピー・入社式    97 リストラ・龍神伝説・空巣    98 人間喞筒・版画・単身赴任    99 コッペン・定年退職・ハンドボール    100 百回記念・扇子・唐辛子    101 ビクターの手拭い・カーネーション・鉄腕アトム    102 自転車泥棒・見猿言わ猿聞か猿・トマト    103 紫陽花寺・豚骨スープ・阪神優勝    104 三角定規・黒帯・泥棒根性    105 横浜銀蝿・他人のふり・安産祈願    106 月下美人・フィラデルフィア・大山椒魚    107 鯨・親知らず・ピンクの蝿叩き    108 蛍狩・玉子丼・ウィンブルドン    109 西部劇・トップレス・レバー    110 流し素麺・目高の交尾・向日葵    111 河童の皿・コロンビア・内定通知    112 防災頭巾・電気按摩・双子    113 河内音頭・跡取り息子・蛸焼パーティ    114 骨髄バンク・銀杏並木・芋名月    115 秋桜・ぁ結婚式・電動の車椅子    116 運動会・松茸御飯・石焼芋    117 サンデーズサンのカキフライ・休日出勤・ウーパールーパー    118 浮石・カクテル・彼氏募集中    119 涙の解剖実習・就職難・釣瓶落し    120 ノーベル賞・めちゃ旨・台風1号    121 大草原・食い込みパンツ・歯科技工士    122 助けてドラえもん・米沢牛・寿貧乏    123 祭・借金・パンチ佐藤引退    124 山乃芋・泥鰌掬い・吊し柿    125 不合格通知・九州場所・ピラミッドパワー    126 紅葉渋滞・再チャレンジ・日本の伝統    127 臨時収入・邪魔者・大掃除    128 アラファト議長・正月映画封切り・ピンクのモーツァルト 1995年    129 御節・達磨ストーブ・再就職    130 晴着・新春シャンソンショー・瞼の母    131 家政婦・卒業論文・酔っ払い    132 姦し娘・如月・使い捨て懐炉    133 立春・インドネシア・大正琴全国大会    134 卒業旅行・招待状・引っ手繰り    135 モンブラン・和製英語・和風吸血鬼    136 確定申告・侘助・青春時代    137 点字ブロック・新入社員・玉筋魚の新子    138 祭と女で三十年・櫻咲く・御神酒徳利    139 茶髪・緊張と緩和・来なかったお父さん    140 痔・恋女房・月の法善寺横丁    141 ひばり館・阿亀鸚哥・染み    142 初めてのチュー・豆御飯・鶴瓶の女たらし    143 アデランス・いてまえだへん(いてまえ打線)・クラス替え    144 長男の嫁・足痺れ・銅鑼焼    145 新知事・つるや食堂・南無阿弥陀仏    146 もぐりん・五月病・石楠花の花    147 音痴・赤いちゃんちゃんこ・野崎詣り    148 酒は百薬の長・お地蔵さん・可愛いベイビー    149 山菜取り・絶好調・ポラロイドカメラ    150 お父さんありがとう・舟歌・一日一善    151 出発進行・夢をかたちに・ピンセット    152 ホタテマン・深夜放送・FMラジオ    153 アトピッ子・結婚披露宴の二次会・おさげ    154 初産・紫陽花の花・川藤出さんかい    155 ビーチバレー・轆轤首・上方芸能    156 ワイキキデート・鹿煎餅・一家団欒    157 但空・高所恐怖症・合唱コンクール    158 中村監督・水着の跡・進め落語少年    159 通信教育・遠距離恋愛・ダイエット    160 華麗なる変身・遠赤ブレスレット・夏の火遊び    161 親子二代・垢擦り・筏下り    162 鮪漁船・新築祝・入れ歯    163 泣き虫、笑い虫・甚兵衛鮫・新妻参上    164 オペラ座の怪人・トルネード・ハイオクガソリン    165 小手面胴・裏のお婆ちゃん・ガングリオン    166 栗拾い・天国と地獄・芋雑炊    167 夜汽車・鳩饅頭・スシ食いねぇ!    168 長便所・大ファン・腓返り    169 美人勢揃い・雨戸・大江健三郎    170 親守・巻き舌・結婚おめでとう    171 乳首・ポン酢・ファッションショー    172 仮装パーティー・ぎっくり腰・夜更し    173 ギブス・当選発表・ちゃった祭    174 超氷河期・平等院・猪鹿蝶    175 コーラス・靴泥棒・胃拡張    176 誕生日・闘病生活・心機一転    177 毒蜘蛛・国際結婚・世間体 1996年    178 シナ婆ちゃん・有給休暇・免停    179 三姉妹・バリ・総辞職    180 家庭菜園・ピンクレディーメドレー・国家試験    181 ほっけ・欠陥商品・黒タイツ    182 内股・シャッターチャンス・金剛登山    183 嘘つき娘・再出発・神学部    184 金柑・恋の奴隷・ミッキーマウス    185 露天風呂・部員募集・ぞろ目    186 でんでん太鼓・ちゃんこ鍋・脳腫瘍    187 夢心地・旅の母・ペアウオッチ    188 (不明につき空欄)    189 福寿草・和気藹々・社交ダンス    190 奢り・貧乏・男便所    191 八十四歳・奥さんパワー・初心忘るべからず    192 お花見・無駄毛・プラチナ    193 粒揃い・高野山・十分の一    194 おぃ鬼太郎・シュークリーム・小室哲哉    195 くさい足・オリーブ・いやいや    196 ダイエットテープ・北京故宮展・細雪    197 若い季節・自動両替機・糞ころがし    198 おやじのパソコン・なみはや国体・紙婚式    199 降灰袋・ハンブルグ・乳首マッサージ    200 雪見酒・臭い足・貧乏・タイ米・コチョコチョ・雷・明治大正昭和平成・上岡龍太郎・お茶どすがな・トップレス(総集編、10題リレー落語)    201 夫婦喧嘩・川下り・取越し苦労    202 横綱・占い研究部・日本のへそ    203 マオカラー・海の日・息継ぎ    204 カモメール・モアイ・子供の事情    205 ありがとさん・文武両道・梅雨明け    206 団扇・ボーナス定期・芸の道    207 宅配・入道雲・草叢    208 回転木馬・大文字・献血    209 寝茣蓙・メロンパン・初孫    210 方向音痴・家鴨・非売品    211 年金生活・女子高生・ロングブーツ    212 エキストラ・デカンショ祭・トイレトレーニング    213 行けず後家・オーロラ・瓜二つ    214 金婚式・月光仮面・ロックンローラー    215 孫・有頂天・狸    216 雪女・携帯電話・交代制勤務    217 赤いバスローブ・スイミング・おでこ    218 参勤交代・ケーブルカー・七人兄弟    219 秋雨前線・腹八分・シルバーシート    220 関東煮・年賀葉書・学童保育    221 バンコク・七五三・鼻血    222 ホルモン焼き・男襦袢・学園祭
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%96%E3%81%93%E3%81%B0%E3%83%BB%E9%B6%B4%E7%93%B6%E3%82%89%E3%81%8F%E3%81%94%E3%81%AE%E3%81%94
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0219dec · 2 years
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YouTubeでアガベなどの動画をアップしています✨動画はプロフィール欄から飛べます! 今日もアガベとパキポディウムは絶好調✨ 今で保有してる株の写真を投稿してなかったので不定期にアップしていきます(^^) @gangu_plants さんからお迎え✨ @momohinashige さんの鉢を使用 @port_eden_jp さんで鉢はお迎え✨ 今回は アガベ チタノタ 白鯨🐳⬜️ 葉数が増えてきてきました✨ どの株も好きなのですが 特にこの株が1番のお気に入り! 1枚目 2022年05月22日時点 2枚目 2022年03月28日時点 3枚目 2022年01月30日時点 4枚目 2021年12月15日時点 5枚目2021年09月23日時点 1ヶ月で少しずつ変化♪ 大事に育てていきます✨ #アガベ普及委員会 #アガベライフ #アガベ好き #グラギリス #グラキリスバカ #パキポディウムデンシフローラム #パキポディウムブレビカウレ #パキポディウム恵比寿笑い #パキポディウム #植物生活 #植物男子 #植物男子ベランダー #植物好き #塊根植物初心者 #塊根植物が好き #フォローしてくれた人全員フォローする #フォロー返ます #フォローバック #相互フォローの輪 #youtube #youtuber好きな人と繋がりたい #youtuberlife #アガベ白鯨 #アガベチタノタ白鯨 #白鯨怖すぎ #白鯨との闘い — view on Instagram https://ift.tt/jEsGVy4
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abraxas174 · 4 years
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『死んだレモン』フィン・ベル
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原題は<Dead Lemons>だから、邦題はほぼ直訳。辞書で引くと<lemon>には「できそこない、欠陥品」の意味がある。色と香りは抜群なのに、かじると酸っぱいからだろうか。レモンにしてみれば、とんだ言いがかりだ。<dead>には「まるっきり、すっかり」の意味がある。くせの強いセラピストが、主人公の現状を指していう言葉なので「まるっきりダメ人間」くらいの意味なのだろう。邦訳は格調高く「人生の落伍者」となっている。
主人公の名は、作家と同じ、フィン・ベル。ウェリントンに住む三十六歳の白人で、仕事も家庭生活もうまく行っていたのに「中年の危機」に陥り、自分の人生を疑い始める。人に頼らず解決しようとした挙句、アルコール依存症となり、妻も友人も失い、飲酒運転でトラックに追突し、腰から下が麻痺状態に。今は車椅子を使っている。退院後、事業を整理して自宅を売り払い、ニュージーランド南島の最南端、リヴァトンという町に流れ着く。
第一章に「現在」とあるように、二つの時間軸が交互に入れ替わる。主人公の現在置かれてる状態というのが「八メートル下に波が逆巻く崖の上、頭を下にして宙ぶらりんでいる」というのだから異様だ。「片脚が車椅子ごと巨石の間にはさまったおかげ」らしい。追いかけていた事件の証拠を発見したところを犯人の一人に見つかり、崖から落とされそうになるが、相手の腕をつかみ、逆に相手を崖下に落としたばかりだ。
第二章は「五か月前」。主人公がこの町に来て、丘の上に建つ「最果ての密漁小屋」と呼ばれるコテージに居を定めるところから始まる。リヴァトンは一時期、捕鯨とゴールドラッシュで賑わったが、資源が尽きると、多くの者は土地を去り、残った者は密漁や海賊行為に走った。海沿いの小屋はその名残りだ。住民は原住民のマオリと各国から流れついたよそ者に分かれる。その中には、町ができる以前から住み着いているゾイル家のような得体の知れない一族もいた。ベルを突き落とそうとしたのはそのゾイル家三兄弟の長男だ。
はじまりは、猫だった。どこからか入り込んできた猫のことで、コテージのまえの住人エミリーを高齢者向けコミュニティーに訊ね、彼女が二十数年前に娘と夫を失ったことを知る。図書館で昔の新聞記事にあたると、当時十二、三歳と思われるアリスの失踪にはゾイル家の関与が疑われていた。ただ、警察が調べても確たる証拠が揃わず、現在も行方不明のままだ。父のジェイムズが消えたのはその一年後。警察はすぐにゾイル家を捜索したが、やはり何も発見できなかった。
ベルがこの事件を調べ始めたのは、隣に暮らすゾイル家に強い違和感を感じたせいだ。町の人との間に距離を置き、独自の暮らしを続けるゾイル家は、それまでも住民との間に様々なトラブルを抱えていた。ベル自身、夜間によく停電するので、電気を時間によって使い分ける話し合いに訪れたとき、豚の解体の途中だった、と腕を血まみれにした兄弟に間合いを詰められ「この三兄弟はどこかおかしい。心がざわざわするような、妙な空気を感じる」と強く感じたのだ。
崖の上で逆さ吊りにされたベルが、この苦境をどう乗り越えるかが、文字どおり、サスペンス(宙吊り)となって、ページを繰る手が止まらない。一方で、リヴァトンの町に落ち着いたベルは、マーダーボールという車椅子ラグビーに夢中になる。それを通じてタイというマオリの友人もでき、その従妹のパトリシアという長身の美女ともつきあい始める。ベティという老セラピストの独特のカウンセリングを通じて、自分の抱える問題点に少しずつ近づいてゆく。表題通り、これは「人生の落伍者」が再び人生に復帰する物語でもある。
その一方で、ベルは過去の事件の資料を求めて、地元紙の記者ベイリーを訪ねる。ベイリーはエミリーの弟だった。初めは、姉をそっとしておいてほしい、と渋っていた彼も、ベルの本気を知り、かつての担当刑事を紹介してくれたり、自分の集めた資料を提供してくれたり、と協力的になる。ところが、ベルが話を聞いた、タイの伯父にあたる郷土史家が首を吊ったり、コテージが家探しにあったり、不審なことが立て続けに起こる。
現在のパートはハラハラドキドキのサスペンス。過去のパートはミステリ。過去が現在に追いついたとき、周到に張り巡らせてあった伏線を最後に鮮やかに回収してみせる本格ミステリになる。捕鯨や、金の採掘といったニュージーランドの歴史に関する興味、それに変わり者のゾイル一族の出自にまつわる謎とあいまって興趣は尽きない。南アフリカ共和国生まれ、というベルの出自が謎を解く手がかりとなるなど、プロットもよく練られている。
自殺用に、頭を吹っ飛ばすことのできる、ホローポイント弾が装填できる銃を買うほど追い詰められていた男が、マーダーボールという格闘技のようなスポーツによって、生きることを実感し、パトリシアとの出会いによって愛について本気に考えはじめ、いつの間にか再び人生を前向きに捉えはじめたところ、崖に宙吊りされ、絶体絶命、まさに崖っぷちだ。何という皮肉。しかし、死を前にすることで、かえって激しく生を求める、のも事実だろう。
「死んだレモン」状態だった主人公を生き返らせるためには、それほど強烈なカンフル剤が必要だったのかもしれない。ベルは何度も危機に見舞われ、そして、そのたびに不死鳥のように(文字通り、火の中から)よみがえる。話がうますぎると思うところもあるが、南ア出身の双子の刑事を上手に使うことで、その不自然さを回避している。お定まりのどんでん返しまで用意され、読者をあっと言わせること請け合い。圧巻のページ・ターナーである。
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liliyaolenyeva666 · 3 years
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🎼 00376 「Whale Song」。
"鯨神" と呼ばれるクジラと 漁師の戦いの日々を描いた 白鯨ふう大映映画 「鯨神」 を観ています。田中徳三監督作品。脚本を 新藤兼人さんが手掛けました この映画の音楽を手掛けたのは 伊福部昭さんです。真っ黒な怪物は 紀州、土佐、丹後、ニッポン中のクジラ漁りが恐れ慄くモンスターなんださうですけれど、そんなクジラよりも、乱闘の中で 相手に ぶん投げられたり、酒瓶で殴られて額から血を流しながらも びくともしなかったり、若い娘さんを引っ叩いて襲ったりする 流れ者の漁師な 勝新太郎さん (いつでもどこでも上半身裸) のほうが ずっとずっと おそろしいモンスターに見思えました。
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