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#名古屋市のママ振り専門店きものやまなか
deisticpaper · 1 year
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蜃気楼の境界 編(五六七)
蜃気楼の境界 編(一二三四)から
「渦とチェリー新聞」寄稿小説
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蜃気楼の境界 編(五)
界縫
 正嘉元年紅葉舞い、青い炎地割れから立ち昇る。音大きく山崩れ水湧き出し、神社仏閣ことごとく倒壊す。鎌倉は中下馬橋の燃える家屋と黒い煙かき分けて家族の手を引きなんとか生き延びた六角義綱という男、後日殺生も構わぬ暮露と成り果て武士を襲えば刀を得、民を襲えば銭を得て、やがて辿り着いた河川で暮露同士語らうわけでもなく集まり暮らす。或る夜、幾度目のことか絶食にふらつき目を血走らせ六角義綱、血に汚れた刀片手に道行く一人の者を殺めようとするが、嗚咽を漏らし立ち竦みそのまま胸からあの日の紅葉のごとき血を流し膝から崩れ落ちる。道行くその者、男に扮した歩き巫女だが手には妖しげな小刀、その去る様を地べたから見届けんとした六角義綱のすぐ背後、甚目寺南大門に後ろを向けて立つ闇霙(あんえい)と名乗る男あり。みぞれ降りだして、人とも呼び難いなりの六角義綱を一瞥し、闇霙、口開かず問いかける、そなたの闇は斯様な俗識さえ飼えぬのか。六角義綱、正嘉地震から甚目寺までの道中で妻を殺され、涙つたい、儂には女は切れん、と息絶える。その一通りを見ていた青年、六角源内、父を殺した女を浅井千代能と突き止めて敵討ちを企てるが、知られていたか検非違使に捕らえられ夷島に流され、以後誰とも交流を持たずに僻地の小屋で巻物を記したという。それから七五九年の時が経ち、二〇一六年、仟燕色馨を内に潜める二重人格の高校生市川忍とその同級生渡邉咲が、慧探偵事務所を相手に朔密教門前また内部にて些細な一悶着あった、その同日晩、奇妙な殺人事件が起こる。場所は百人町四丁目の平素な住宅区域、被害者女性、五藤珊瑚(三〇)の遺言は、残酷な苦を前に千年二千年なんて。戸塚警察署に直ちに捜査本部が設置され、その捜査とは別に警部補の高橋定蔵、市川忍の前に立つ。何故おれなんかに事情徴収を、と忍。事件当日、校門の監視カメラに映っていたきみが何か普段と違うものを見てなかったかと思ってね、若き警部補が爽やかに答え、それで市川忍、脳裏の人格に声を送る、一顛末あった日だ厄介だね。対し仟燕色馨、おそらくこの警部補、謎多き朔密教を疑っている、ならばこの事件あの探偵にも捜査の手が伸びる、ところで気づいているか探偵事務所の探偵に見張られている。
 小料理屋点々とある裏通りの角に螺旋階段へ繋がるアーチ状の古い門を持つ築古スナックビルの入り口で刈り上げマッシュショートにゆるめパーマの少年のような青年がただ立っていると突然背後から強面の男がどこに突っ立っとんじゃと怒鳴ってきたので青年は冴え冴えとした眼差しで振り返り、幻を見てたんじゃないですか、俺はずっとこの位置でスマホを見てました、俺の輪郭と色、背後の風景と俺のいる光景をもっと目に焼きつけてください。男は動転し不愉快な目の前にいる青年を忘れないようじっと食い入って見る。だが、その光景はすでに幻で、スマホを見ていた青年はもういない。走り去っていたのだ。朝のホームルーム直前にその青年、六角凍夏(むすみとうか)が現れ席につく。振り返り、後ろの席の渡邉咲に聞く、きみ、部活入ってるの。隣席美術部員中河原津久見が聞き耳を立てている。渡邉咲は初めて話しかけてきた六角凍夏が先々で勧誘しているのを知っていて、文芸部でしょ、と冷えた目を送ると、文化琳三部だよ、と。咲が琳三って何という顔で惑うと、清山琳三ね、俺らの界隈で知らぬ者はいないよ、とくるが、咲はどこの界隈の話なのと内心いよいよ戸惑う。だが、聞き耳を立てていた中河原津久見はピクシブなどで目にする虚無僧キャラねと気づくが話に加わらない。きみ、机の上の本、和楽器好きでしょ、清山琳三は気鋭の尺八奏者。私、渡邉咲、と口にしながら、尺八ね。放課後、六角凍夏は一人、文芸部部室の小さな教室に入って電気をつけるとドアを閉め、密室と成る。中央辺りの机に、鞄から取り出した古びた筒を置く。目を閉じる。刹那、周囲にぼろぼろの布団が幾枚とどさっと落ちてき動きだす。それは天明四年鳥山石燕刊行妖怪画集「百器徒然袋」に見られる暮露暮露団(ぼろぼろとん)だが現実に現れたわけではなく、六角凍夏の想像力は小さな空間で全能となり百器徒然袋の界隈と接続し、今回ならばそこに記された妖怪があたかも姿を見せたかのような気分になったのだ。密室に、江戸の布団の香りが充満する。ときに、異界からの香りが漂ってくることもある。翌、静かな夜、百人町四丁目にて更なる殺人事件が起こる。被害者は志那成斗美(四〇)遺言は、潔く煮ろうか。魔の香りも、又、此処に。
蜃気楼の境界 編(六)
五鬼
 出入りする者らの残り香も錯綜の果てに幻影さえ浮かべる夜の街。串揚げ並ぶコの字カウンター中程で束感ショートの若い警部補が驚きのあと声を潜め通話を切ると手話で勘定を頼み、さっぱりとした面立ちの探偵仲本慧に目をやり、五鬼事件だがまだ続いていたと輝きの瞳隠せないながらも声を落とし去っていく。百人町四丁目連続殺人事件の犯人佐々木幻弐が第二被害者志那成斗美の最期の正当防衛で刺され意識不明のまま病院で死亡したという話、監視カメラから犯行も明確、第一被害者五藤珊瑚への犯行とも繋がり既に報道もされた直後の第三事件発覚。カウンターに残された探偵仲本慧、ビールを追加し面白い事件だが依頼がきてないから何もできないね、と奥に座る長髪黒はオールバックの男に突然話しかける。その男、串揚げを齧りながらチラと目線を合わせる。慧、ビールを飲み干し、隣に座っていいかなと距離を詰め、そっと名刺を置き、歓楽街案内人の市川敬済だね仕事柄我々は抜け目ない、聞き耳を立ててたね、という。黙す市川敬済に、優秀な探偵の知り合いは二人と必要ないかなと強い声で独り言のように笑みを送る。店内、音楽なく、静かに食す客、座敷からの賑わい。この辺りで、青島ビールが飲める良いバーを探してる客がいたなそういえば、と市川敬済、懐から名刺を取りだし横に並べる。直後、和柄のマフラーをしたギャル僡逢里が現れた為、仲本慧、名刺を拾い、勘定を済まし去っていく。お知り合いさんなの、と尋ねつつ座る僡逢里に、池袋の二青龍で今は探偵の男だ知ってるか、と尋ね返す。誰よ、テリトリー渋谷だったし、今日はいないの。暗に警部補のことを口にする。僡逢里の耳元で、まだ続いてるらしい千代女のママ心配だな。食事の注文をしながら僡逢里、出勤前に縛られたい、と呟く。夜十一時、一人になった市川敬済の前を男女が横切る。片方の男が枯淡の趣ある着物姿でありながら凍風をただ浴びるがごとく静かであったため変に気にかかるが、気にするのをやめて電話をかける。あら敬済さん、と通話先、青藍に杉の木が描かれた着物の女、さっきまで警部補さんがいらしてたのよ、お店は営業してません、今朝三人目の不幸がありまして五鬼も残すところ二人なの。語るは浅井千代女である。
 遥か彼方より朗々と木曽節が諏訪太鼓と絡まり聞こえる、それは五年前の、冬の宵、一人の女、吉祥寺の麻雀ラウンジ千代女の開店準備中、六人の女達を前に、肩に雪積もり震えている。浅井千代女が側に近づき、貴女の血に刻まれし鬼の禍、憎しと思うなら、受け継がれし技術でお金に変えて楽園を造るのよ、弐宮苺(にきゅういちご)の源氏名を授けるわ、そちらの西クロシヤ(五〇)引退で貴女の席があるの。語りかけてきた浅井千代女を取り囲む五人の女達、五鬼を見る。はい、と涙流し、生まれて初めての愉しい月日流れ、今、浅井千代女の周りに残る五鬼はその弐宮苺(三〇)と柵虹那奈(さくにじなな、四〇)だけだ。今朝殺害された紫矢弥衣潞(しややいろ、五〇)の遺言は、一路ゆくは三人迄。殺害現場で弐宮苺は両拳固く握りしめて言う。千代女さまを死なせはいたしません、次はこの私が千代女さまの匂いを身につけ犯人を誘いだし返り討ちにしてやります、これまで通り千代女さまは、五鬼にはできない私達鬼の禍の力を強める祈祷にどうか専念してください。浅井千代女の頬に涙が伝う。紫矢弥衣潞の形見の側に六歳の娘が一人。この災い突如訪れ、犯人の心当たりなく、志那成斗美が相打ちにし病院で死亡したという佐々木幻弐が何者なのかも分からない。不気味であったが浅井千代女は思う、そもそも私達がこの現世において得体知られていない存在なの、それに。相手は私達より強い、と震える。市川敬済に連絡を入れる。丑三つ時に市川敬済が女と帰宅、玄関騒がしく、津軽塗の黒地に白い桜が控えめに描かれた高さ一尺程のテーブルに女が横たわる音がする。自室でスマホを触っていた高校一年生の市川忍、悠里と帰ってきたのかあの女嫌いだな、と不機嫌になる。脳裏から仟燕色馨の声、きみの父だが今着信があり通話している。女といるのに別の女と喋ってるのそりゃあ母も出ていくよ。連続殺人の件だ探偵仲本慧の名前も出ている。いつも大人達は都合で何か企んでいて不快だよ。翌日、暑し。ホームルームの前に近寄ってきた同級生渡邉咲が、低血圧以外の何物でもないローテンションでいつもより元気な声で市川忍に話しかける。事件は解決してなかったのよ、貴方のお知り合いの探偵、仟燕色馨の出番じゃない?
蜃気楼の境界 編(七)
境迷
 昼か、はた、ゆめの夜半にか、北原白秋「邪宗門」の一節に紛れ込んでいた六角凍夏は国語教師茨城潔に当てられて、地獄変の屏風の由来を申し上げましたから、芥川龍之介「邪宗門」冒頭付近をちらと見、朗読し始めるが、正義なく勝つ者の、勝利を無意味にする方法は、いまはただ一つ、直ちに教師が、むすみその「邪宗門」は高橋和巳だ���遮ってクラス騒然となる。六角、先生、界をまたぐは文学の真髄ですと逸らす。教室の窓から体育館でのバスケの授業を眺めていた市川忍に、脳裏から仟燕色馨の声、百人町四丁目連続殺人事件、慧探偵事務所の手にかかれば一日で解決する探偵はあの少女が呟く数字で結論を読みとるからだ朔密教での一件はそういう話だっただろう。それじゃあカジョウシキカ勝ち目が。否あの少女がいかなる原理で数字を読むか今わかった。その時、教室の背後から長い竹がぐんと伸び先端に括られた裂け目が口のごとき大きな提灯、生徒らの頭上でゆらゆら揺れる。「百器徒然袋」にある不落不落(ぶらぶら)を空想した六角凍夏の机の中に古びた筒。不落不落を唯一感じとった仟燕色馨、市川忍の瞳を借り生徒らを見回す。何者だ。その脳裏の声へ、何故だろう急に寒気がする。界か少女は先の「邪宗門」のごとく数多の界から特定している市川忍クンきみはこの連続殺人事件どう思う。昨夜の父の通話を聞くに麻雀ラウンジ千代女のスタッフが四度狙われるから張り込めばだけど犯人佐々木幻弐死んでも事件は続いたし組織か警察もそう考えるだろうから現場に近づけるかどうか。吊り下がる口のごとく裂けた提灯に教師も生徒も誰も気づかず授業続く。休み時間スマホで調べた麻雀ラウンジに通話。まだ朝だ、出ないよ、休業中だった筈だし。仟燕色馨は通話先を黙し耳に入れ続ける。浅井千代女らは、魔かそれに接する例えば鬼か、ならば逞しき彼女らが手を焼く犯人も、人ではないと推理できよう恐らく一人の犯行による。驚き市川忍、犯人が死んだというのに犯行は一人だって。きみは我が師仟燕白霞のサロンで幼少時千代女と会っていたことを忘れたか父と古く親しい女性は皆その筋だろう。側に、一人の同級生が近づいていたことに突然気づき、晴れてゆく霞、市川忍は動揺する。渡邉咲が、不思議そうに見ている。
 柵虹那奈、と雀牌散らばりし休業続く麻雀ラウンジで浅井千代女が呼びかける。はい千代女さま。志那成斗美あの人の槍槓はいつだって可憐で美しかったわ、五藤珊瑚あの子の国士ができそうな配牌から清一色に染める気概にはいつも胸を打たれていたわ、紫矢弥衣潞あの方の徹底して振り込まない鬼の打ち筋には幾度も助けられたわ、三人とも亡くしてしまった、弐宮苺は私達を守ると意気込んでいるけどあの子を死なせたくないの。ラウンジを出て一人、浅井千代女は市川敬済から聞いた池袋北口の慧探偵事務所へ出向く。雑居ビル、銀行かと見紛うばかりの清潔な窓口が四つあり小柄の女性職員田中真凪にチェックシート渡され番号札を機械から取り座る。呼ばれると先の職員の姉、同じく小柄な三番窓口女性職員田中凪月が青森訛りで対応するがシート見てすぐ内線で通話し真凪を呼び千代女を奥へ案内させる。無人の応接間は中国人趣味濃厚で六堡茶を口にしながら十分程待つと仲本慧現れ、異様な話は耳にしている我が慧探偵事務所に未解決なしさ安心して、笑顔に厭らしさはない、依頼費は高くつくけどね。千代女は私達に似てるわと思う、職員は皆日本人名だが大陸の血を感じる、理由あってここに集い共同体と成っている、市川敬済とは昔SMサロン燕(えん)で業深き運営者は仟燕白霞に紹介された、世俗の裏側で通信し合うルートで辿り着いた此処は信用できる。受け応えを記録する仲本慧に着信が入り中国語で喋りだす。六堡茶を喉へ。探偵職員二名曰く、監視対象の市川忍が早退し校門前で謎の探偵仟燕色馨と通話していたという。仟燕色馨が仲本慧に仕掛けた誤情報だが、千代女を上海汽車メーカーの黒い車に乗せ吉祥寺の麻雀ラウンジへ。市川敬済はその謎の探偵にも件の連続殺人事件を探らせているのかなぜ子の市川忍が連絡を、空は雲一つない、SMサロン燕は五年前の二〇一一年に閉鎖し今は仟燕家のみその調査は容易ではないが必要かすぐ崔凪邸へ行くべきか。麻雀ラウンジのドア、鍵開き、僅かな灯火の雀卓で盲牌していた柵虹那奈、差し込む外光より、冷気識る。現れるは、病室で死に顔さえも確認した、佐々木幻弐である。上海汽車メーカーの黒い車は崔凪邸に着く。少女崔凪は、使用人二人と土笛づくりをして遊んでいる。
by _underline
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「渦とチェリー」チャンネル
【音版 渦とチェリー新聞】第27号 へ続く
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仟燕色馨シリーズ 全人物名リスト
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eccjrtamuracho · 14 years
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福岡旅散文。
前回の記事でも書いたのですが、先日福岡を訪ねてきました。 ま、散々ツイッターでもつぶやいていたので、ご覧になって頂いた方もいらっしゃるかも。 ほんっとうに、良かったです、行って。 久々に学生時代に戻った気分になったり、あるいは複雑な思いになったり。 いや~、なんか、期待以上でした。 というわけで、今回はその話を少し書き連ねてみます。 ****************** 窓から下を覗くと、眼下に海の中道が見えた。 その瞬間、10年前の記憶の扉が開かれる。 扉の奥からあふれ出る光は、私を追憶の更に向こうに連れて行くことになる��� 空港に降り立って感じた空気感、10年前もこうだったのかな。 そう思いながら空港の外に出ると、いかにも博多を思わせる看板が目に入る。 西鉄バスが何台も走る。そう、これこれ! 私はこみ上げる笑いをこらえる事ができなかった。 夜は学生時代の友人と会う約束があった。 昼過ぎに博多に到着した私は、それまでにホテルのチェックインを済ませ、かつての思い出の場所を訪ねてみることにした。 長い時間を過ごした大学構内にも、何食わぬ顔で入ってみる。 専門課程を学んだ校舎は何も変わっていなかった。 学生たちがたむろする食堂前や図書館前の風景も、あの頃と同じだ。 しかし、敷地から一歩外へ出れば、街は全く違う様相をしていた。 新たにできた道路が、人や車の動線をすっかり変えてしまったらしい。 それでもかつての細い道を通るバス路線が、かろうじて残っていた。 私はバスに乗って、教養課程を学んだ校舎へと向かう事にした。 その夜の約束は教養時代にお世話になった飲み屋さんで、だったからだ。 二本あったバス路線のうち、一本は途中からのルートが変わっていた。 残った方の路線バスに乗り込む。 当時、私がこのバスに乗る直前に急な雨に降られ、びしょぬれになってしまったとき、バスの運転手さんが、なんと持っていた傘をくれたことがある。 懐かしい思い出だ。 バスで走ると、街の表情が良く分かる。 10年の間に変わってしまったこと、変わっていないこと、そんな風景を楽しむ。 福岡は九州の基幹都市だ。 バスから人の往来を覗いていると、家路につく人、まだまだ働く人、遊びに向かう人、様々な顔を見る事ができた。 やがて、昔よく使っていたバス停を降りる。 教養時代を過ごした校舎は、門が閉じられ、ひっそりとたたずんでいた。 大学自体が移転を進めており、こちらは既に使われなくなってしまっているのだ。 日が落ち、ぼんやりと外灯に照らされた校舎は物悲しく、多くの人たちの記憶の中だけに残るものとなっていくのだろう。 学生時代によく行っていたもつ鍋の名店の一つも消えていた。 街から学生が消えると、そこに刻まれた歴史もまた消えていく。 約束の時間、約束の場所に向かうと、そこには見慣れた顔が並んでいた。 10年の月日は皆に様々な変化を与えている。 それでも、話をすればそこに時の流れは殆ど感じない。 あたかも、あの頃と全く同じかのように、楽しい時が流れていくのだ。 それは、とても不思議な感覚だった。 初めて親元を離れて暮らした場所、一緒に過ごした人たち。 社会人でもない、かといって子どもとも言えない、未熟だけれども柔軟で、激しく突っ走っていた頃に共に過ごした人たちは、ある種特別な仲間かもしれない。 しかし、10年という時間は各々の人生に全く別の経験を与え、人はそれを糧に成長する。 あの頃と変わらない自分が、変わらない仲間との時間を楽しんでいるのと同時に、そこから少し立ち位置の違う別の自分が別の眼鏡をかけて当時をしのんでいた。 学生時代、私は大きな人生の分岐点をいくつも通過していた。 当時はその事の重大さは分かっていなかったし、分岐点とすら気付かず意思の赴くままに進んだ道。 しかし、10年の経験を積んだ自分がそこを振り返ったとき、今更ながら、あの選択が違っていれば、ひょっとすると今は…と考えてしまうのだ。 それは、後悔に似た感情だが、少し違う。 あの後、私は多くの人と出会い、多くの事を学んだから。 そして今の自分のスタイルが嫌いではないし、仕事にもやりがいを感じているから。 でも、、、 10年経って振り返って初めて分かる、あの時、自分で手を離してしまったものの大きさ。 戻る事もできず、新たに掴みに行く事もできないものが確実にある。 全く違う方向に向いて歩いて行くしかない事を、頭では嫌と言うほど理解できるけれど、それでもなお、この傍観席から立ち上がる事が出来ずに涙する自分がいる。 …これは、やはり後悔なのかな。 だとしたら、私はこの後悔をいつか笑って「いい経験だった」と言えるように成長するしかないのだろうな。 少し、時間がかかりそうだ。 二日目の晩も、三日目の晩も、また別の懐かしい面々と会う事が出来た。 随分長い間音沙汰もなかったのに、こうしてまた再会出来るというのは、とても幸せな事だと思う。 忙しい中、わざわざ時間を取ってくれたり、遠方からも足を運んでくれた友人たち。 私にはこんなに素敵な仲間がいた事すら、扉の向こうの記憶にしてしまっていたかもしれない。 みんな、本当にありがとう。 殆ど思いつきというか、勢いのような感じで決まった今回の福岡訪問。 しかし、実はここ数カ月、当時の仲間からの連絡がちょくちょくあったのだ。 何か、あの場所に呼ばれているのかもしれないという予感があった。 そして今、学生時代を過ごした街は、私を常にTurning pointへ導く場所かもしれないと感じる。 本当に来て良かった。 必ずまた来る。 多分、必要な時にまた街が呼んでくれる気がする。 その時は、懲りずにまたみんなと馬鹿な話が出来ればいいな。 皆さま、今後ともよろしくお願いしまーす。 福岡で新たな思い出ができた。 左手に掴む傘は、古い思い出も新しい思い出もよみがえらせてくれるものとなった。 雨の日は、ますます楽しく、多少ほろ苦い日になりそうだ。 ****************** いや~、書くという作業は良いです。 すごく考える。 ちょっと苦しいけど、思考や想いも整頓される。 まぁでも、整頓されたとはいえ、読み返せばぐちゃぐちゃですなー。 最後まで読んで頂いた方、ほんま、勝手に付き合わせた感じですみません。 ま、たまには、こう、いろんな事を書き散らしたかったりするんです。 さ、週末には一大イベントのハロウィンパーティーも控えてます。 へへへ、次の記事は間違いなくこれだな。 楽しいものにしますので、こうご期待。 …あー、自分でハードルあげてる!!
私は今の仕事を始めて13年目ですが、ついこの間まで揺れていました。 自分の居場所は、ホントにここでいいのか?違うところにあるのではないか? で、いろんなところにくびを突っ込みました(笑)。 で、その結果、やっぱり私にはこれしかない、と確信。この歳になってやっとここが自分の居場所なのだ、と落ち着いた感じです。 いいんです、じたばたしたって。 自分の思うがままに行けばいいんす♪ Posted by くもこ at 2010年10月28日 09:32
この地球上に、私という人間は一人しかいない。人の一生なんてアツというまに終わってしまいます。10年なんてほんとに短いですよ。また年を重ねるごとに、年月の早さを感じます。長いと思うのは、借金を返しているときぐらいですよね。特にこの日本では女性と男性はぜんぜん違う生き物ですから、自分と同じ息を吸って生きていける人なんて、なかなか・・・でも年とともに、人生は面白いと感じていますよ。後ろを振り返ると、やっぱり自分が選んだ最高の道なんだろうなあ~~と、反省したり、自分が自分を褒めてあげたり、発破をかけたり、今では生きているだけですごいと思っていますが・・・ Posted by kumiko at 2010年10月28日 16:00
先生のブログを読んで、私も北海道での学生時代を思い出しました。学生の頃はまさか自分が香川に住む事になるとはこれっぽっちも思っていなかったです。人生、何が起こるかわからないですね~。 ”ああ 負けないで 泣かないで 消えてしまいそうな時は 自分の声を信じ歩けばいいの いつの時代も悲しみを避けては通れないけれど 笑顔を見せて 今を生きていこう 今を生きていこう” ↑アンジェラアキの「手紙」です 先生応援してますよ!
Posted by あやママ at 2010年10月29日 21:26
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kimonoyamanaka · 3 years
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kimonoyamanaka · 3 years
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kimonoyamanaka · 4 years
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kimonoyamanaka · 5 years
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kimonoyamanaka · 5 years
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kimonoyamanaka · 5 years
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