Tumgik
#側方倒立回転跳び1
kinmiraimiira · 1 month
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役者にまで魅せられて
☆2ステ褒め
・アロー声綺麗〜〜前説でさえ聞いていたくなるね
・前説の曲流すの気づいた白子えらい!僕はすっかり忘れてました(え)
・いやゴミ箱被ったアローマジマジと見ると面白いな。そういう役やってもいいね
・ベガさん声キリッとしててかっこいい。空気締まる感じする!
・だめこふくいい!
・リサイクルマークハンド忘れないの嬉しいよ採用してくれてありがとう
・最初のテンポいいね!!怖い話を彷彿とさせますね
・深山捕まるの上手いよね(語弊)
・コンちゃん跳躍力あるなぁ
・みそかもかっこいい……
・椅子から立ち上がるだけで笑い取れる3人すごいよねマジで
・こりちゃん座りに行くとき検察官とかの方見るのいいね
・スチルさんの控訴事実めちゃくちゃスルッと頭に入ってくる。声綺麗ですね
・なすかさん「異議なし!」百発百中なんか??
・スチルさん本とファイルの使い方上手いですよね
・裁判長がおやすみなさいで手を振るのいいよね
・ゆにかわいい。マスコットすぎる
・夢の世界へ!の後の倒れ方3人とも綺麗よな
・やっぱタイトルコールいいなああああ!!!カッコ良すぎるだろこれマジで
・ゆに、怪しい人ですから、の前のタメいいね!無意識に注目しちゃう効果あるぅ
・ゆにセリフのリカバリーいいね。
・フードの被り方かっこよい
・いやでええええす(圧) 好き
・ゆにハケ際で振り向くのいいね
・地味に後ろにいるこりちゃんの動き方も丁寧で好き。実際に仕掛けがある上手側には触れないギリギリで止まるこだわりっぷり
・2場って本当に3人の会話だけで進んでいくのに、こんなに引き込まれるのなんでなんだろう。やっぱ上手いんだろうな
・コンちゃんだいぶ強くベガさんに当たるな!!恨みとかあんのか!?
・コン「はぁい」だけで笑い取れるのすごいよ。
・いや待てよく考えたら2→3場だけでもこんな複雑な場転してたんだ……。こんなスムーズにできるのえぐいよ。練度が。
・O阪大学でも笑ってもらえたのは、カヌレさんとらっしーさんとひらりの御手柄ですわ。素晴らしいです
・いつも普通に聞いちゃうけど、白子の声もちゃんと嫌な塾講師なんだよな。
・「優おにいちゃん!」可愛い(可愛い)
・いいねぇ提灯
・こりちゃんの「わるぅ〜い」がすごく好き。これのおかげで中弛みしないといっても過言じゃない
・いやでも本当輪投げって何が楽しいんだろ
・「向き合ってみるのも悪くない」と「子供と遊ぶ夢を……」の間を音照無しで一人で適切に取れるの上手いよねぇ
・「村上さん」というワードが出てこないのに、明らかに「コイツが件の女か」と思わせる苔丸の少女さとこりちゃんの動揺がいいですよね!
・あさぎ暗転入り超綺麗なんだよな
・台置いてからめちゃ急いでくれるこり好き
・ポテトの商人マジで好き。本当に。ポテト食うだけで笑いとるの本当すごい。「油売るなよ」が霞むくらい強い
・苔丸のつるーってしゃべる感じもなんかいいよね。実際に喋ったことはあんまりないから、市原が脳内で一番スムーズに会話ができる速度で喋っているということにして、それが夢に出てきてるみたいな。
・カヌレさん子泣き上手いなぁ。多分イデア界からきてるわこの泣き方
・「結構な勢いで食べるな」っていう置くタイプのツッコミでもウケるのすごい。こりちゃんセリフごとの言い方変えるの上手いんよな
・いいねええ狐不気味だよおおおお
・照明チカチカもいいですね!!もしかしてらっしーさん結構遊んでます??
・夢占いで空気変わるのすごいよ。アサギにしては珍しく普段の声で演じきれなくて少し頑張らなきゃいけない役だと思うんだけど、ちゃんと雰囲気変えきれているからすごい
・ポテトヘアピンつける位置最高すぎるんよな。下手側向いた時に初めてちゃんと見えて、気づいたお客さんからクスッとくる感じがいい
・ほいくしぃ〜〜?好きなんよな
・「喧嘩でも売ってやる!!!」いいね……
・深山優しく抱擁してくれてありがとう
・「お前にお父さんと呼ばれる筋合いはない!!」は、脚本上唐突すぎるからウケるか不安だったんですけど、コンちゃんとこりちゃんが上手いおかげで必中です。ありがとう
・僕も好きです!(おい)
・押し倒されたあと、こりちゃんはなんでそんな綺麗な倒れ方ができるんだ???どこで教わったんだ???
・「してみよっかな!」1ステより明るい声でいいね!
・マリオウケましたねえええ!!!最高です
・ちゃっかり深山を飛び越える市原
・やっぱ緑の飾りが深山のところにあるの好きです。付け直してくださってありがとうございます
・市原も東雲も声が全力で裏返ってて命を感じた。
・市原の「何がです?」のタメ方がいい。マジで客の心理と揃ってる
・「さいっこうでさ!!」もいいよねええ楽しそう
・やっぱ場転複雑だな!!よくやるよ本当に。すごいよ
・寝起きの二宮美味いんよな
・クロユリ……?
・引き戸、のツッコミ一番好き
・漫才いいねええええ!!!なんかマジで、ステージによって反応変わってるのがマジもんの漫才すぎる
・司会者の喋り方もいつものアサギと少し違う?気がする?ちゃんと演じてくれてるのが嬉しい
・松本人志ウケるの悔しい。僕が介入したところがなくてマジでこりちゃんの力だから
・二宮、エリアへの入り方も力強いし、一人語りも力強いの、いいですね。今日の二宮は憤りでしたね
・知らない人がステージに座ってるかと思ったら、えりちゃんでした。チクショーー
・えりちゃんのストモなんかおもろい
・ジャガイモのところも言い方が上手いおかげで想定の3倍くらいウケてる。ありがとう
・深山の店員いいよな、こなれてる感じが最高
・「諸説ありますが」で首くいって向けるのいいな
・二宮のグラスが他2人より少し下がってるの本当に!本当に!!!
・あかんなんか泣きそうになってきた。自分が書いた話で泣くわけないのに
・ラビのこの、お客さんにちゃんと聞こえるけど、明らかに言いづらいことを言ってる絶妙な声量すごいよ
・「それが一番嫌!」バァン←「異議なし!」の伏線回収??今度はちゃんと異議があるっていう
・やっぱここの2人の会話にBG入れない判断したの正解だな。白子がない方がいいって言ってくれた気がする。ありがとう
・「ふたりで、やめよ」これえぐいて。マジで。言い方すこすこのすこ
・大集の外はかんかん照りだったはずなのに、なんかこのシーン見てるとすごい雨降ってる感じしたわ
・携帯電話の電源をお切りいただきたい理由が分かりますね。僕は他の公演を見にいく時は今後もちゃんと切ろうと思います
・回転扉大丈夫か?大丈夫か?
・なんだこのシーン(落語を見ながら)でも全力でやってくれている5人が私は大好きです。なんかゆるあさんみたいな文体になってきたな。気のせいかな
・7場の初め、前説と同じなのアツいよな
・ん?キャマメルマキアート?アマガミアローだ!レアですよこれは
・セクシーすぎるので、の後に一礼するの素晴らしいです
・ラジオ聞いてる時に微笑んでる深山と黒川が本当に、本当に好き
・鍵しまうこんちゃんナイス判断!!
・店員も声変えてくれてるんよな
・「嬉しいことだ、嬉しいことだ」の2回目で手が止まるコン好き
・年功序列の制度のせいで、めちゃリズムよく読んでくれて嬉しい
・楽天家を演じなくなって少しおとなしくなった二宮、か……
・キャラメルマキアートがアトラクションみたいにハケるの本当好き
・「楽しいことがないわけじゃないんだけど」のセリフ、複数回あるけど一つ一つ丁寧に言い方変えてくれてるのありがとう
・アローめちゃくちゃ照明の紐わかりやすく引っ張ってくれるのなんかいいよね。まぁ電気の紐がそんな伸びるはずはないんだけどさ
・車の後ろで寝るアロー、服も帽子も黒いこともあって、手が超綺麗に映っててなんかこういいですね(え?)
・「お〜おつかれ〜」明るい声なのがかえって苦しいよ
・苔丸車→ベッドの場転かなりスムーズになったよね
・見返したくなる……?
・ふと思うんだよね。米津リストラしてよかったって。さよーなら、またいつか。
・時計止められた時の驚き黒川かわいいです
・ここ毎回アドリブでセリフ変えてるアロー結構えぐいことしてるんよな。しかも全部辻褄合ってるのがすごい。個人的には家電ばっかり新しいのに買い替えてそれで満足してるってやつが好き
・えりちゃん、読んでる感出すのうまっ
・見つかんねぇよ。2ステの言い方好き
・キャ↑ラメルマキアートを一つ
・エレガのマイムマジで好き。エレベーター乗るたびやってほしい
・「本当ですか?」 いい言い方するよね
・裁判所再来のシーンいいなぁ、見てるこっちの息が荒くなりそう
・あさぎがんばれ!!
・やっぱハマると気持ちいいね、踏切ビート
・漫才やる2人が上手いおかげで、アローのセリフでちゃんと漫才のこと思い出せるんよな
・アロー、エリアに入る出るを上手に使ってくれてるの嬉しい。あえて光が当たらないところから押し出すことで、黒川自身は再びゴミ箱の中に帰っていく感じがするの、すごいよなぁ。でもその時には微笑んでるんだぜ。深山が未来を見てくれるようになったから。かーーー、綾鷹進むわぁぁ
・ユニが喋り始めると途端にしゃがみ出すオペ席ほんまおもろい
・「市原君」いいんだよなぁ。ベガさんやっぱこういう気が効くところがズルいんですよね
・市原の「おおーいいですねー!」で救われる中年がいるんです
・「何食べにいく?」の言い方がもう最適解なんよなぁまりおさん!!超好き
・なんだ最後の可愛い二人組は。
・キャスパだあああああああ
・2と8笑顔いいねええ
・いやキャスパ激しいい!!!練習の賜物だよマジで。本当にありがとう。
〈総評〉
 めちゃくちゃ最高でした。脚本書いてよかったです。ってのは唯端楽生が言ってました。ありがとう。みんな大好きです。
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lostsidech · 4 months
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4-1
 この試合専用のインカムと照準器具を積んだヘルメットは、頭に載せるとずっしりと重く圧し掛かった。だが、この空間を埋める視線の圧が少しでも気にならなくなるのだと思えばそのほうがよほど軽かった。
 独特の緊張感が身を包む。それを感じながら、ちらと横を盗み見る。
 隣でペアが飛び跳ねている。身体を温めているのだ。
 その服装が新しいものに替わっている。……少し寸法のあっていないパーティウェア。
「変だよね、これ」
 瑠真はこちらの視線に気づくと、あっけらかんとそう言って裾を持ち上げた。左右非対称なカットになった青いドレスだ。
「いや……」
 望夢は口ごもった。ひらひらとした裾は多少邪魔そうだったが、中履きのパンツや足さばきのためのスリットは、明らかに動くために作られていて、この世界に開かれた大会という場にあってはおかしいというものではなかった。
 それもそのはず、元は丹治深弦が後半の試合で着るために仕立ててあったものだからだ。
(「どうでもいいけど、試合出るならその超カジュアル服やめなよ」)
 指摘されたのは先輩である宝木に、二人まとめてのことだ。
(「俺と深弦の晴れ着あるよ。昨日はまだ試合数多かったから簡単なスポーツウェアでよかったけどさ。今日って多分うちに観衆集まるから……って、高瀬くんすごい嫌そうな顔しないの」)
(「じゃあ、私一人でいいよ」)
 瑠真はあっさりと承諾した。
(「どうせ女のほうが撮りたいでしょ。そいつは絵にならんし」)
 以前の瑠真なら嫌がって当然だった。協会の広告塔になるという任務は、優等生ペアのものでこそあれ、瑠真の性格にはまずそぐわないものだ。
 彼女はやはり変化している。そのことに感慨深いような悔しいような、複雑な感情が少しだけあった。
「お前のじゃないわりには、まあまあ似合ってる」
「あっそ。ありがと」
 瑠真は細かくはこだわらない。パーティドレスに不釣り合いなiPodを手に持っていて、試合開始を待つ間またそれを聴いていた。
 望夢も備えようと、気を取り直して見渡した。初期状態の会場は観客席に囲まれたのようになっている。、ただしカードの設置されているポイントまで直行できないよう、高さ数メートルの同心円状の壁が視界を塞いでいた。
 ただしこれは初期状態の会場だ。
 ここに地形カードが切られるごとに、景色は変化する。
「どうする」
 調子のいいを切りはしたものの、その後は手続きとパネルディスカッション会場との連絡で精一杯で、こちらの作戦会議どころではなかった。向こうにはホムラグループの他の面々も到着し、莉梨のメッセージの確証は得られたようだ。
「どうもこうも」
 瑠真はシンプルな口調だ。
「勝つんでしょ 点取って相手撃てばいいんじゃない」
 試合の開始ベルが鳴った。
 ペアがスタートダッシュを決めた。
 両者ともがしたままゲームが終了しても引き分けにならないように、フィールドの各所にはランダムにバーチャルエネミーが発生する。影のような人型で同じく頭の部分をレーザーで打ち抜くと得点になる。そんなわけで、エネミー狩りの視点でもスタート地点にじっとしてはいられないというのは望夢も同意するところだし、まして彼女のスタイルからすれば当然のことなのだった。
 ただし相手チーム構成員の撃破ポイントのほうが圧倒的に大きく、エネミーを数十掃討したところで相方が撃破されれば逆転される可能性もある。防御という観念が頭からすっぽ抜けているペアを好き勝手に走らせておくわけにはいかないのだった。協調性のなさに内心呆れながら望夢はペアを追いかけた。
 そして、概ねの指針は向こうも同じだった。
 さすがにこちらより落ち着いている。
 会場高くに掲げられた得点板がバタリバタリと立て続けに更新された。アメリカ側のものだ。手近なエネミーを撃破して煽っているのだろう。早い。また、気分を盛り上げるためのものなのか他の意味もあるのか、アメリカチームのほうから小さく音が聞こえる。ここまで届くのであれば元は大音量だろう。ラウドロックだ。アンドリューの選曲か。
 私物の持ち込みは一回戦のモニカがそうであったようにある程度許されている。あらゆる解釈を許容する建前上、それが直接的な武器でない限り能力のサポートアイテムなどを拒否できないのだ。
 アンドリューは音楽家。新野に言われていたことをふと思う。協会式であれば、使い方は自己バフか、音圧による物理攻撃がいいところか。
 瑠真はすでに最初の壁の手前まで走り、増強をかけた脚に力を溜めていた。──さては壁の上に飛び乗って戦局を把握する気だ。瑠真と違って増強を使わない望夢はすぐに追いつくことはできず、確認手段を持たない。
 いや。
 立ち止まって目を閉じた。バーチャルの壁に手を触れ解析を走らせる。望夢の解析は自然科学を基準点にするから、それがただの映像である限りバーチャル空間そのものの探知はできない。
 しかしこの大会のバーチャル風景には、参加者の無意識レベルのペタルを取り込んだ光術の基本が仕込まれている。望夢のように基本的な能力ではペタルを発散しない者ならともかく、協会式の超常師の位置取りとやっていることは、概ねプロットできる。会場を織りなす糸の乱れを探知すればいいのだ。
「……来てるか」
 やがて目を開けた。
 銃を構えた先に泡がはじけるようにバーチャル人形が姿を現した。ノータイムでその額を撃ちぬいた──得点板に「Ghost 1」のパネルが回る。
 Japan Player: 0 Ghost: 1
 USA Player: 0 Ghost: 2
 こちらは本題ではない。
 同じ人形を狙って壁の向こうから飛び出した青年とばちりと目が合った。
 音楽はまだ遠くで鳴っている。攪乱のためにスタート地点で鳴らし続けるか、シオンに持たせでもしていたのだろう。青年は笑った。
「Good job, boy」
 望夢は構わずにその額に銃口を向ける。
 アンドリューは挑発するように笑顔を作った。そして手元にあったカードを切った。
 景色が切り替わる。一瞬で壁の迷路が崩れた。辺りは高低差のある崖の連なりのようなフィールドに変わる。
 アンドリューの背後にも大きな谷が生まれる。彼は軽やかにその中に飛び込んだ。照準を失った望夢は深追いせずに銃を下げる。不要になった金属製のカードはアンドリューの手を離れ宙を舞う。光を伴う景色の変遷にその縁がきらきらと光るのが見える。
 壁が無くなって開けた視界で、発生しかけていたエネミーがばちんと消えた。おそらくランダム発生の位置調整のため一旦生成がキャンセルされたのだろう。無慈悲なことに、撃たれてもいないそのエネミー背後にも、アンドリューの撃墜マークのランプが点き、全体で二体そういうものがいたらしくアメリカの「Ghost」得点版は「2」になった。。そういえばそういうルールだった。
 そこへ向けて銃を構えた状態で、足元を急に失った瑠真が踏み外してよろめいているのが見えた。高いところに立っていたのだから当然だ。
 そちらに素早く向かう金色の影││シオン。
 彼女もまたスタート地点を離れ、地形変化で視界が開けると同時に一気に距離を詰めていたのだ。
 おそらく瑠真は気づいていない。「るっ……」インカムで声を掛けようにも、鳴り響くラウドロックが邪魔をする。それ反則じゃないのかと望夢はちょっと怒る。
 瞬時に思考した。レーザーガンは光だから遠距離で邪魔するのには向いていない。
 時間稼ぎの大会といえど、足掻きもせずに負けてやる気はさらさらない。
 目の前に金色の縁がきらきらと光りながら落ちていった。
 それだ。
 宙を舞うカードを手に取って思い切り投げた。縦に投げるのには丁度いい重みだった。瑠真のヘルメットの後頭部にそれは当たって地に落ちた。痛て、と言うように瑠真がこちらを振り向く。その瞬間にシオンが飛び出し、瑠真に照準を向けていた。
 ポイントの入る赤い部分はヘルメットの前面だ。急に振り向いた動きのせいで瑠真を狙い損ねたシオンがちっと舌打ちした。望夢はその間に相方の頭越しにシオンに狙いを定めている。こちらを確認したシオンが小さく笑って近くの段差に飛び込む。ひとまずの狙撃は防げた。
 その動作でようやく瑠真も気が付いた。大きく距離を取ってこちらも物陰に飛び込む。
 望夢は走り寄ってペアに合流した。
「勝手に飛び出すな」
「事前に作戦会議なんて悠長なことしてる時間ないでしょ」
 瑠真はふんと笑った。好戦的ではあるがどうやら落ち着いている。この場慣れた落ち着きだけは高瀬式門下生に指導してもらった恩恵かもしれない。
「で、どうしよっか」と呑気に今頃瑠真が訊く。
「連中がどういう超常術を得意にしてるかも分かってない。シオンは多分お前と傾向似てる」
 望夢は早口に言った。崖の縁から眺めながら感知のために神経を研ぎ澄ましている。
「……キングのほうは多分絡め手だ。俺と近い。つまりお前とは相性が悪い。お互い似た属性を担当したほうがいいと思う」
「は、アンタがシオン苦手なんでしょ」ペアは生意気にもそう言った。「お得意の干渉使えないもん、あのやり方じゃ」
 その通りだった。協会式超常術は効果発現までの時間が短いせいでそもそも解析と相性が悪いが、肉体増強を中心とする瑠真やシオンが相手だとなおさら望夢にはどうしようもできない。こちらが相手に干渉できる時には、相手もよほどこちらが射程内だからだ。
 瑠真はふいに銃を構えて撃った。ランダム発生していた人型が遥か背後で弾けた。││落ち着いている。話しながら周囲を観察して得点源を狙っていたようだ。
「選手控室で聞いてたよ。シオンはアイドル的なパフォーマンスが得意なんでしょ。いつも癖で見栄え重視で戦うから隙を突くならそこ」
 その場馴れた動作に加えて、瑠真が分かったように言い出すので望夢は意表を突かれた。今回に限っては出場する気の無かった望夢よりまともに情報収集していたらしい。
「アンドリュー・キングだっけ あいつはカバー��ンドマン」
「知ってるのか」
「ほら」
 ふいにギターの低音が耳に届いた。
 振り向けば、少し離れたところにアンドリューがいた。
 どうやらお互いに狙える位置取りではないが、体勢の視認はできる。レーザーガンを下ろしている代わりに小さなiPodを携えている。最初に鳴っていたのもこれだろう。
 にやりと青年が笑った。選手間通信用インカムに相手の声が入ってくる。
「Do you like Nirvana Are they known in Janan」
「ニルヴァーナって言った あいつ。バンド名」
 瑠真も対してiPodを握った。「お」持ち込んでたのか。控室で勉強していたと言ったのはたぶんこれだ。
「何だっけ、このイントロ。探してる暇ないけど、多分有名」
 歌詞までを聴き取るのは難しい。ただ、アンドリューの外面の印象によく似た陰気な声がiPodから低音質で響いている。
 何が来るか││と思った瞬間、ガクンと体が重くなった。
「││」
 陰気な声が同じフレーズを繰り返している。呼びかけに聞こえる。ハロー、ハロー、ハロー……。
 フレーズがわんわんと頭の中に響き、視界が曇る。まるで音に下に向けて引きずられているようだった。
 それから一気に曲調が変化した。
「わ」
 体の重さも変わった。腹から突き上げられるような感じだった。曇っていた視界が一気に別のものに染め上げられた。小さなiPodから出ているはずの音が、いつしか会場全体を支配しているのだ。
 キング。この小さなステージの王。
 考える余裕もなかった。アンドリューを中心に「それ」は生じていた。アンドリュー自身も心地良さそうに音に合わせて床に足をタップしている。その──心象が投影されているのだ。
 生じる効果は単純。否応なく音楽に引きずり込まれるのだ。ありていに表現しよう。『乗ってしまう』。実際に周囲の景色や条件が変わったわけではない。なのに音楽に気分が乗せられざるを得ない。
 これは協会式にとっては致命的だろう。こちらの超常想像図を描くことができない。
 隣を見る。案の定だった。瑠真は魅せられたように動きを止めている。
「瑠真ごめん、貸して」
 iPodをひったくる。自分のためではない。望夢はこと協会式に関しては解析さえ終わればいつでも打ち消せる。
 瑠真のiPodには瑠真が普段聴くのだろう日本人のアーティストがずらっと並んでいる。
 その中から当て推量で曲を選んだ。タイトルから予測して今流れているのとは違うだろう曲調。ドンピシャ。場違いな女性ボーカルのポップスが、アンドリューのアメリカンロックに重ねて流れた。
「はっ」
 瑠真が隣で意識を取り戻す。それを横目にインカムの集音部にもiPodを近づけた。
 やったことは単純だ。違う音を流してステージを台無しにしただけ。それぞれのファンが会場にいれば今頃大ブーイングだろう。
 アンドリューがこちらへ向かう足を止めた。
 こちらへ向かう足を止めた││これまでこちらに近づいていたのだ。堂々たるもので、障害物に隠れもせず真っ直ぐにこちらへ向かっていた。ひやりと背筋が冷える。もうすぐ射程内だった。認識はしていた。しかし、完全にその世界観に横槍を入れるまでの数十秒、望夢もそれすら音楽の一部のパフォーマンスとして受け入れてしまっていたのだ。
「Dirty」
 青年が顔をしかめて呟いた。そして身をひるがえして近くの壁に引っ込む。
「No way」
 詰られている、ということだけは理解できる。彼の耳元にもインカム越しに瑠真のiPodからの歌は届いただろう。
 このとき、急に会場アナウンスが入って試合が小休憩になった。見るとアンドリューが審判席に向かって手を振っている。何やら選手側からのタイムのようなものを取ったらしい。邪魔されたのがよほど腹立ったか。選手側からのタイムが取れるのを望夢は今知ったがきっとどこかでは説明があったのだろう。初日から出場しているアンドリューたちにはわかっていることだったのだ。
 横から手が伸びてきて瑠真にiPodをひったくられた。
「最悪」
「どうも、なんとでも言ってくれ」
 言われたままに受け入れる覚悟で肩をすくめる。瑠真はレーザーガンを持ち直しつつ、iPodを回収した手を振り回して暴れている。
「他人の音楽の趣味無理やり見るのって覗きみたいなものよ、わかってる」
 まず怒られたのはそこだった。望夢自身はプライベートの観念を捨てているので感覚は違うが、そういう人間がいるのを知ってはいる。わかってやったのだから怒られて当然だろう。瑠真は元々プライベートスペースが広い。ただ、
「うんまあ、一般的には……でも今の状況だとしょうがなかっただろ」
 言った瞬間、試合中だというのに横から物理的に足を踏まれた。
「いって」
「アンタのそういう判断は信用してる」
 踏んだうえで何故か認められた。
「だから不問にしてあげる。この試合世界放送なんだからね。そこでよっちの歌勝手にミックスジュースみたいにしたのも今は不問。ただ後でちゃんと聴きなさいよ」
 謝りなさいよ、ではなく、聴きなさいよ、だった。
「お前結構音楽好きなんだな……」
「そう 普通だと思うけど……あ 思い出した、スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」
 踏んだ足を放すなり、瑠真が話題を変えて元気に言う。
 指を立てている動作からするに、アンドリューが流しているこの曲のことなのだろう。最初にも知っている曲だと言っていた。
「どういう曲なの」
「童貞っぽい曲」
 今度はこっちが勢いで頭を叩く番だった。
「お前もこれ世界に放送されてるつもりで喋れよ」
「いったい。いや、そういう曲なんだってばホントに」
 瑠真はくちびるをとがらせ、
「ニルヴァーナってバンドのボーカルが彼女に振られたときの悪口かなんかだよ、曲の由来」
「有名なのか」
「さあ、洋楽だと普通に有名なんじゃない 私は知らないから深弦ちゃんと隼二くんに聞いた」
 さっきも思ったが、年上の優等生ペアに対して瑠真は完全に名前呼びだ。
「アンドリューの好きな曲傾向って調べればわかる。世界大会で出してきそうなのっていうと、会場ウケ的にももっと絞られてくる。だからヤマ張ってたんだよ。ぶっちゃけ、曲がわかったところで対戦相手的にあんまりやることは変わんないけど」
「そうなのか」
 望夢は目をしばたく。歌で戦う、というと思い浮かぶのはやはり帆村莉梨だったのだ。莉梨は歌の内容と紐づけた異能を使うから、曲を識別できるに越したことはない。アンドリューは変わらないのか。
「うん。アイツがやるのはただ好きな曲を流すだけ。こっちは勝手にるけど、撹乱され方にそんなに違いはない││」
 瑠真が身振り手振りを交えてそう言ったとき、
「││そうだね。アンディはただみんなに好きな曲を聴いてほしいんだ」
 ふいに違う少女の声が割り込んだ。
 反射的にそちらに顔を向ける。そこには金髪カチューシャの少女がいた。シオン。
「おい、今試合止まってるだろ」
 望夢が思わず身構えて声をあげると、シオンは「当たり前じゃん」と目を丸くした。
「だから話せるかなって思って来たんだよ。アンディのこと詳しいみたいだね」
「この子日本語話せるの 知り合い」
 瑠真は怪訝な顔をした。ペアはシオンとはまだ話していなかったらしい。
 望夢は内心、なぜシオンは自分にばかりと思いながら瑠真に向かって頷いて、それからまたシオンに向き直る。
「自分のチームの解説してくれるとは親切だな」
相手はつんと顎をあげた。
「あたりまえのこと言うけど、解説したとこで負けないからね。それにワタシたちは世界で有名だよ。きみたちが知らないのはただ不勉強なだけで、そのまま倒したって試合的につまらないし」
「……」
 それは言えている。何度も繰り返すがこの試合は世界放送だ。
「アンディもそんな態度で聴かれたってつまんないだろうしね」
 話がアンドリューに戻り、望夢は苦い顔をした。
「デバフに使われて、いい気持ちで音楽聴く奴いないと思うけど……」
「あは、デバフだって。それはつまり、きみは音楽に興味がない、ってことだよ」
 シオンは首を傾げて笑った。望夢はむっと眉根を寄せる。瑠真も撹乱と言っていた。音楽に意識を取られて戦えないのは十分にデバフだと思うが。
「ワタシもアンディの曲の趣味には詳しくないけど、好きな人はすっごく好きなんだよ。アンディもそう」
「そりゃ、有名な曲はそうだろ……」
「アンディは、自分の好きな曲をただ、自分の思うように聴かせて、それを周りの人が受け取ってるの。アンディの想像が��き手の感覚になる。だけど得る感情まで強要するのは無粋だから、そこには手を触れない。アメリカチームの子たちの中でも感想は違うよ。モニカはわかんないって言ってたけど、嫌いじゃなさそうだった。ドミニクは趣味が違うって言ってた。シルヴェスタは結構好きみたいだね、初めて模擬戦したときから喜んでた」
 シオンは一人ひとりを示すように虚空に指を立てる。感情は強要しない、という言葉に少し含みを感じた。多分、感情の共有を軸にするヒイラギ会のやり方への当てこすりなのだろう。
「シルヴェスタはもともと自分で戦うほうはそれほど強くないのだけど、その模擬戦のときは積極的に飛び出してたの。わかる 好きな人なら、あれ聴いてすごい高揚するってこと。バフって思う人もいるんじゃない」
「高揚させられて普段通りに戦えないなら、それはやっぱりデバフじゃないか」
「お固いなぁ、まあそれでもいいか」
 シオンは眉尻と一緒に手を下げた。
「こっちから楽しめって言うのもヘンだしね。ちなみにシオンはわかんなかったクチ」
 説教しつつもシオンも同好の士ではないらしい。そこまで話したところでアンドリューが戻ってきて、身振り手振りでシオンに何か言う。
「おっと、そろそろはじまるみたい」
 シオンはぺろりと舌を出した。
「じゃあ、最後までよろしくね」
 元来た地形の隙間にシオンは身を隠す。望夢も壁に張り付いて息を整え、銃を構え直した。瑠真が顔を突き出してくる。「どこで仲良くなったのよ、アメリカ代表と」「さぁ……」話しかけてきたのは最初から向こうだ。
「あ、始まる前にあと、次アンドリューが同じことしてきたら私のiPod使うの禁止ね」
「いいけど、俺は解除できるけどお前どうするの」
「乗る」
 瑠真は断言した。
「ん」
「話聞いてたでしょ こっちも乗ればバフになるんだって。私そのために予習してたんだから。知ってる曲のほうがライブはアガる」
 ペアがよくわからない自信で言い切った瞬間に、再び試合開始のブザーが鳴った。
 シオンが引っ込んだその場所から飛び出してくる。休憩中に自分で自分の位置を堂々と知らせていたことになるが、そのまま全く躊躇がなかった。さっきよりアップテンポなロックが遅れて掛かり始める。瑠真が少し笑って目を閉じ、入れ替わるように音の鳴る方向へ飛び出した。打ち合わせを無視して、明らかにアンドリューがいる方向だった。すでに「乗せられて」いるのだろうか。
 望夢には理解しがたいが、ペアがそう言うなら止めるほどのことではない。望夢はちらりと横に視線を向けてからシオンに向き直った。
 シオンは目が合うと同時に含み笑いする。
 シオンが即座に銃を取り出して撃つ。引っ込んでやり過ごし、レーザーが途切れたすきに返す刀でこちらも銃口を向ける。
「あれ」
 そのときシオンは気がついたら目の前にいた。「おっと」距離の測り方を間違えていたらしい。アンドリューのデバフのせいで、音楽のテンポに狂わされでもしたか いや、そちらの解析はさっき済んでいる。
「よっ」
 シオンがウィンク、間近から狙ってくる。望夢は思わず直接腕をあげてレーザーを防いだ。本物の熱線ならともかく協会式光術ベースの銃だ、怪我はしない。
 協会式光術。
 腕をあげたことでこちらからの狙いは完全に逸れてしまい、シオンが角度を変えて狙ってくる。望夢はよろめきながらシオンを正視した。──微妙な違和感。
 そうか。
 捉えた。即座に解除式を叩き込む。
「あっ」
 シオンが『思っていたのと少し違う場所で』目を輝かせた。やっぱり。シオンは敢えてこちらに錯視を仕掛けていたらしい。
距離感も狂って当然だ。シオンの路地裏や開会式のダンスを思い出す。彼女は光を操る。それは協会式の象徴としての華やかなものももちろん、光の屈折や反射も守備範囲なのだ、おそらく。こちらの目に映る光を捻じ曲げて距離感や角度を狂わせていたのだろう。
「ねえねえ、ノゾムのそれ、どうなってるの」
 一度距離を取り直しながらシオンが無邪気に聞く。無言。答える義理はない。いつの間にか名前を覚えられていたらしい、ついに補欠から本番に出たのだからその際か。なんにせよシオンが見た目に華やかなだけでなく、小手先の小賢しい工夫をしてくるのであれば望夢はそちらのほうが相手として向いている。
「やっぱり黙る。つまんないの。シオンは教えたのに」
 少女はくすくすと笑う。
「きみの話、聞きたくて教えたのになぁ」
「なんでもいいだろ」
「よくないよ」
 シオンは妙に落ち着いた声で答える。望夢はふと違和感を抱いて銃を下ろした。……シオンも完全に銃を下ろしている。
 ──それはなんのためのパフォーマンスなのか。そこはかとなく、嫌な予感がした。
 試合の前に感じた予感とどこか通じていた。そして思い出していた。最初に路地裏でシオンと会ったとき、彼女の足音に感じた陰のことを。
「アンディがなんて言ってタイムを取ったか、教えてあげようか」
 今のシオンの声は空間に響く、きれいな声だ。そう感じた理由を考える。……人に聞かれる前提で話す少女だ。彼女はアメリカの星だから。
 この試合は、全国放送だから。
「不思議だなあ」
 少女の碧眼が、美しく空を映していた。
「君達は、八式にはない技術を使っているみたいだ」
 その碧い瞳が、細められた。
「は」
 完全に、望夢は硬直する。彼女の言うことは事実だ。望夢の異能は協会式ではない。異能の打ち消しは八式で一般的ではないのは確かだろう。でも、協会式を逆算しているだけで、それほど目立つことをしているつもりはない。そういう応用なんだね、で済む範囲のはずだ。
 何故それを、今さら言うのだ 脳が警鐘を鳴らす。シオンの次の言葉には、何かがある。
「いつから協会の所属者を名乗ってるの 『ヒイラギ会さん』」
 バタンバタンバタンと、連続で得点板が落ちる音がした。同時に景色が変わった。視界の外でアンドリューか瑠真かがフィールドカードを使い、発生キャンセルゴースト分の点が入ったのだ。周囲は岩場と水辺に変わっていた。
 望夢はその瞬間に全てを理解した。
 この大会が公平な競い合いだと思ったのがそもそもの間違いだった。
 これは──この蜜を孕んだ巨大なリンゴは、『日本の』協会をつるし上げるための罠だったのだ。
×××
「どういうこと」
 現行ヒイラギ会のリーダーのくせに、力関係や陰謀といった面をほとんど理解していない赤髪の少女がこてんと首を傾げた。
『あーあ、こうなると想ってたから止めたかったのに』
 一方で理解した口調で頬杖をついている、少年の姿もある。ただしその口調はどこか電子音のケロケロした響きだ。また身体も透けている。なぜなら彼は電子媒体で意思疎通できるように再現された幽霊だからだ。
『つまりこういうことだ。アメリカチームは最初から日本を嵌めて、そのつもりでこの大会を持ちかけたんだよ』
次>>
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sayakalaine · 3 years
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朝から元気✨ #側転 #ロンダート #側方倒立回転跳び1/4ひねり後向き #体操 #体操女子 #運動 #sport #sports #gymnastics #gymnastic #gymnasticgirl #gymnasticsvideos #gymnasticstraining #gymnasticslife #morning #daily #training (Futo) https://www.instagram.com/p/CU6J6yuhSrR/?utm_medium=tumblr
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nyantria · 3 years
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明らかとなっている陰謀 (事実)
歴史には、当時目的や内容が隠蔽されており、一時期陰謀論として扱われた後に、背景や事実関係の詳細が明らかとなり陰謀であると認識されるようになった事件がある。
南満州鉄道爆破事件
詳細は「柳条湖事件」を参照
1931年に発生した、南満州鉄道線路爆破事件。
トンキン湾事件
詳細は「トンキン湾事件」を参照
ベトナム戦争において、アメリカの駆逐艦が北ベトナムにより攻撃を受けたとされる事件。
坂本弁護士一家殺害事件
詳細は「坂本弁護士一家殺害事件」を参照
事件当初からオウム真理教犯行説が唱えられていたが、1995年の一連の強制捜査まで未解決であった。
松本サリン事件
詳細は「松本サリン事件」を参照
被害者で第一通報者の河野義行が嫌疑をかけられ、長野県警により連日にわたって聴取、マスコミもこの人物が犯人であるかの様な報道をしていた頃、「松本サリン事件に関する一考察」という怪文書が流通しオウムとの関係を示唆していた。
日本人拉致問題
詳細は「北朝鮮による日本人拉致問題」を参照
1970年代に日本海沿岸などで日本人が行方不明になる事件が多発していた。当初から北朝鮮による犯行との噂があったにもかかわらず、1988年の大韓航空機爆破事件後に日本政府が拉致問題の存在を公式に認めるまでは、荒唐無稽な陰謀論だとしてまともに扱われなかった。最終的に北朝鮮政府が拉致を行ったことを認めたのは、2002年平壌で行われた当時自民党政権下の小泉純一郎首相による日朝首脳会談においてである。
ロッジP2事件
詳細は「ロッジP2」を参照
イタリアでアンブロシアーノ銀行頭取ロベルト・カルヴィの不審死から明らかになった、フリーメイソン・ロッジP2によるイタリア政府転覆計画。フリーメイソンが様々な陰謀を行っているという噂は常に流れているが、事実として明るみに出た稀有な例。このためP2は上位のグランドロッジから解散処分を受けた[114]。
エシュロン
詳細は「エシュロン」および「PRISM (監視プログラム)」を参照
軍事、安全保障を目的に、世界中の電話、ファックス、電子メール等を盗聴するネットワーク。アメリカ国家安全保障局(NSA) が主導となり運営している。冷戦時代に対ソ連戦略の一環として設立。
CIAの麻薬ビジネス関与
アメリカ中央情報局は冷戦期の1950年代、中華民国と結んで、中国共産党を打倒する「秘密の戦争」の一環として「黄金の三角地帯」で麻薬生産に関与。これによって得た資金を反共団体に供給していた。こうした秘密工作はレーガン政権当時まで続けられていたという[115]。
その他のCIAによる陰謀については中央情報局#CIAが主導ないし関与したとされる作戦・事件を参照
アメリカ路面電車スキャンダル
詳細は「アメリカ路面電車スキャンダル」を参照
ゼネラルモーターズ、ファイアストン、シェブロン、フィリップス石油(Phillips Petroleum Company、後のコノコフィリップス)などによって設立されたナショナル・シティ・ラインズ社(NCL: National City Lines)によって20世紀中ごろにアメリカ合衆国中の路面電車網が買収され、廃止されてバスに置き換えられたとする陰謀論。
ロジャー・スクルートン問題
詳細は「ロジャー・スクルートン」を参照
世界保健機関(WHO)の禁煙キャンペーンを批判する見返りとして、日本たばこ産業(JT)がロジャー・スクルートンに月間4500ポンドを支払っていたことが2002年に判明。スクルートンが毎週連載していたコラムは中止となった。
禁煙条例に対する組織投票問題
神奈川県が、2006年12月27日から2007年1月26日にかけてインターネット上で実施した、『条例で公共の場所の喫煙を規制すること』についてのアンケートに対し、日本たばこ産業(JT)が社員などにアンケートで『反対』の投票をするよう依頼していたことが判明した[116][117]。JTは「条例が成立すれば、ほかの自治体に波及する恐れがあった」としている[116][118]。アンケート結果から賛成票が多数を占めたとされるが、締め切り直前になって反対票が上回る事態となった[116]。これについてJTは、社員に周知文書を出し、社員から営業店にも働きかけたことを認めた[118][119]。この件を受け、神奈川県はアンケートを無作為抽出・郵送方式でやり直し、2007年12月12日に結果が発表された。再アンケートの結果は賛成票が88.5%を占めた[120]。
在日米軍に関する密約
詳細は「西山事件」および「在日米軍裁判権放棄密約事件」を参照
在日米軍については、非核三原則の適用除外、将兵の裁判権はアメリカ側が優越し且つ公務中の過失に原因するものであれば外交官同様に免罪される事、沖縄返還などに関して日米政府間の密約があることが囁かれていた。
砂川事件
詳細は「砂川事件」を参照
日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約を「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」に改定する為の協議が進むなか、砂川事件に関連して在日米軍を違憲とする判決が言い渡された(伊達判決)。これに対して、検察は極めて異例な跳躍上告を行い、最高裁は新条約締結の1カ月前に逆転判決を出した。これらのことから、検察と最高裁への政治的圧力が疑われた。
医学部不正入試問題
詳細は「2018年における医学部不正入試問題」を参照
私学は入学基準を国公立大学とは独自に定めることが一定の裁量で可能なため、女子の点数が男子より低く見積もられる、女子を入学させない、など医学部で性差別が行われているという見解。2017年までは、まともに取り上げられることがどこの新聞やマスコミでもなかったが、東京医大がこれを2018年に入り認めた[121]。
陰謀論の一覧 - Wikipedia
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ari0921 · 4 years
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日本に「見えない戦争」を仕掛け始めた中国
日本は「全政府対応型アプローチ」で備えよ
2020.11.16(月)
樋口 譲次
「新しい戦争」の形
 21世紀の戦争は、国家が堂々と紛争の解決を軍事的手段に訴える分かりやすい従来型の戦争から、知らないうちに始まっている外形上「戦争に見えない戦争」へと形を変えている。
 この「新しい戦争」の形を初めて実戦に採り入れたのはロシアである。
 その実戦とは、2014年のロシアのクリミア半島併合と東部ウクライナへの軍事介入であり、西側では「ハイブリッド戦」と呼んでいる。
 ハイブリッド戦は、『防衛白書』(令和2年版)によると下記のように説明されている。
 軍事と非軍事の境界を意図的に曖昧にした現状変更の手法であり、このような手法は、相手方に軍事面にとどまらない複雑な対応を強いることになります。
 例えば、国籍を隠した不明部隊を用いた作戦、サイバー攻撃による通信・重要インフラの妨害、インターネットやメディアを通じた偽情報の流布などによる影響工作を複合的に用いた手法が、「ハイブリッド戦」に該当すると考えています。
 このような手法は、外形上、「武力の行使」と明確には認定しがたい手段をとることにより、軍の初動対応を遅らせるなど相手方の対応を困難なものにするとともに、自国の関与を否定するねらいがあるとの指摘もあります。
 顕在化する国家間の競争の一環として、「ハイブリッド戦」を含む多様な手段により、グレーゾーン事態(純然たる平時でも有事でもない幅広い状況)が長期にわたり継続する傾向にあります。(括弧は筆者)
 東西冷戦が終結して2000年代に入り、複数の旧ソ連邦国家で独裁的政権の交代を求めて民主化と自由を渇望する運動が起こった。
 非暴力の象徴として花や色の名を冠した、グルジア(ジョージア)のバラ革命(2003年)、ウクライナのオレンジ革命(2004年)、キルギスのチューリップ革命(2005年)などがそれである。
 また、アラブ諸国においても「アラブの春」と呼ばれた同様の運動が起こり、2010年から2011年にかけてチュニジアの民衆が蜂起した「ジャスミン革命」を発端として、エジプト、リビア、イエメンなどでも独裁・腐敗の政権が倒された。
 シリアでは激しい内戦が最近まで続いている。
 これらの民主化と自由を求める運動によって、かつての衛星国を失ったロシアでは、本運動は米国や欧州などの西側が介入・扇動し、旧ソ連邦国家やアラブ諸国住民の「抗議ポテンシャル」を活性化させた意図的な体制転覆あるいは陰謀であり、一種の戦争であるとの見方が強まった。
 そして、ロシアもまた、このような脅威に晒されているとの認識が高まり、安全保障・国防政策上の中心的テーマとして急浮上したのである。
 それを背景として、2013年2月に発表されたのが、ロシア連邦軍の制服組トップであるヴァレリー・ゲラシモフ参謀総長による「予測における科学の価値」(『軍需産業クーリエ』、2013年2月27日付)というタイトルの論文である。
 ゲラシモフ論文は、「21世紀には近代的な戦争のモデルが通用しなくなり、戦争は平時とも有事ともつかない状態で進む。戦争の手段としては、軍事的手段だけでなく非軍事的手段の役割が増加しており、政治・経済・情報・人道上の措置によって敵国住民の「抗議ポテンシャル」を活性化することが行われる」と述べている。
 そして、ゲラシモフ論文による21世紀の戦争では、非軍事的手段と軍事的手段との比率を4対1とし、非軍事的手段の役割の大きさが強調されている。
 そのように、ゲラシモフは「戦争のルールが変わった」と指摘しており、いわば「新しい戦争」の到来を告げたのである。
 その後、2014年にウラジーミル・プーチン大統領が承認した「ロシア連邦軍事ドクトリン」は、前年のゲラシモフ論文の考え方を踏まえて作成されたとみられている。
 ロシアの2014軍事ドクトリンでは、政治的、外交的、法的、経済的、情報その他の非攻撃的性格の手段を使用する可能性が尽きた場合のみ、自国およびその同盟国の利益のために軍事的手段を行使するとの原則を固守するとし、最終手段としての軍事とその他の手段との連続性を示唆している。
 そして、同ドクトリンでは「現代の軍事紛争の特徴および特質」と題して10項目を挙げ、ハイブリッドという言葉こそ使っていないが、ハイブリッドな戦い方が現代戦の特色であることを強調している。
「現代の軍事紛争の特徴および特質」を時系列的にまとめると、次のようになろう。
平・戦時の境目のない戦い→ハイブリッド戦/グレーゾーン事態
①軍事力、政治的・経済的・情報その他の非軍事的性格の手段の複合的な使用による国民の抗議ポテンシャル(相手国民への宣伝戦・心理戦による懐柔)と特殊作戦(リトル・グリーンメン)の広範な活用
②政治勢力、社会運動に対して外部から財政支援および指示を与えること
③敵対する国家の領域内において、常に軍事活動が行われる地域を作り出すこと(東シナ海:尖閣諸島~沖縄、南シナ海)
軍事活動への移行
④軍事活動を実施するまでの準備時間の減少
軍事活動
⑤グローバルな情報空間、航空・宇宙空間、地上および海洋において敵領域の全縦深で同時に活動を行うこと(マルチドメイン作戦)
⑥精密誘導型兵器および軍用装備、極超音速兵器、電子戦兵器、核兵器に匹敵する効果を持つ新たな物理的原理に基づく兵器、情報・指揮システム、無人航空機および自動化海洋装置、ロボット化された兵器および軍用装備の大量使用(技術的優越/先進的兵器)
⑦垂直的かつ厳密な指揮システムからグローバルな部隊および指揮システムネットワークへの移行による部隊および兵器の指揮の集中化および自動化
⑧軍事活動に非公式の軍事編成および民間軍事会社が関与すること
(以上、括弧は筆者)
 つまり、「新しい戦争」の特徴・特質は、まず、純然たる戦時と認定しがたい条件の範囲内で、軍事的手段と非軍事的手段を複合的に使用し、相手の知らないうちに外形上「戦争に見えない戦争」を仕掛ける。
 それによる可能性が尽きた場合には一挙に軍事活動へと移行��、最終的に最先端技術・兵器を駆使したマルチドメイン作戦による軍事活動をもって戦争の政治的目的を達成することにあると言えよう。
 ロシアは、旧ソ連邦国家やアラブ諸国の民主化や自由を求める運動を西側による体制転換の脅威として非難しているが、むしろそれを逆手にとり、実際にウクライナやシリアで「新しい戦争」を展開しているのはロシアの方である。
 そして、最近ロシアとの軍事的接近を強めている中国が、「孫子」の伝統と2人の軍人によって提唱された「超限戦」の思想と相まって、従来と形を変えた「新しい戦争」を描く「ロシア連邦軍事ドクトリン」に関心を示さないはずはないのである。
すでに始まった中国の対日“戦争”
 習近平国家主席は、故毛沢東主席のほかに、ロシアのプーチン大統領をロール・モデルとしていると言われている。
 クリミア半島併合などの実戦で採用された「ハイブリッド戦」に代表されるロシアの軍事ドクトリンは格好の教材である。
 習近平主席は、中国のシンクタンクにその研究を命じ、それによって、中国の台湾統一戦略や尖閣諸島・南シナ海などへの海洋侵出戦略に大きな影響を及ぼしていると見られている。
 そこで、中国がわが国に対して仕掛けている「新しい戦争」について、ロシアが挙げる「現代の軍事紛争の特徴および特質」に沿って分析してみることにする。
①「軍事・非軍事手段の複合的使用等」について
 中国は、軍事や戦争に関して、物理的手段のみならず、非物理的手段も重視しているとみられ、「三戦」と呼ばれる「輿論(よろん)戦」、「心理戦」および「法律戦」を軍の政治工作の項目としているほか、軍事闘争を政治、外交、経済、文化、法律などの分野の闘争と密接に呼応させるとの方針も掲げている。(令和2年版『防衛白書』)
 米国防省によると、輿論戦は、中国の軍事行動に対する大衆および国際社会の支持を得るとともに、敵が中国の利益に反するとみられる政策を追求することのないよう、国内および国際世論に影響を及ぼすことを目的としている。
 心理戦は、敵の軍人およびそれを支援する文民に対する抑止・衝撃・士気低下を目的とする心理作戦を通じて、敵が戦闘作戦を遂行する能力を低下させようとする。
 また、法律戦は、国際法および国内法を利用して、国際的な支持を獲得するとともに、中国の軍事行動に対する予想される反発に対処するものである。
 中国は、海洋侵出の野望を実現するため海軍および海警局の先兵として海上民兵(リトル・ブルーメン)を活用している。
 海上民兵は、普段、漁業などに従事しているが、命令があれば、民間漁船などで編成された軍事組織(armed forces)に早変わりし、軍事活動であることを隠すため、漁民などを装って任務を遂行する。
 東シナ海の尖閣諸島や南シナ海で見られるように、海上民兵は、中国の一方的な権利の主張に従い、情報収集や監視・傍受、相手の法執行機関や軍隊の牽制・妨害、諸施設・設備の破壊など様々な特殊作戦・ゲリラ活動を行う。
 同時に、係争海域における中国のプレゼンス維持を目的とし、あるいは領有権を主張する島々に上陸して既成事実を作るなど幅広い活動を行い、中国の外交政策や軍事活動の支援任務に従事している。
 その行動は、「サラミ1本全部を1度に盗るのではなく、気づかれないように少しずつスライスして盗る」という寓意に似ていることから、「サラミスライス戦術���と呼ばれている。
「サラミスライス戦術」を行う海上民兵が乗船する漁船などの周りを海警局の艦船が取り囲み、公船の後方に海軍の艦艇が待機し、島や岩礁を2重3重に囲んで作戦する様子が、中心を1枚ずつ包み込んでいるキャベツの葉に似ているので、これを「キャベツ戦術」と呼んでいる。
 そこには、前述の通り、計算尽の巧妙な仕掛けが潜んでいる。
 まず、中国は、歴史的にも国際法上も日本固有の領土である尖閣諸島を、中国の「領海・接続水域法」で自国領土と規定した「法律戦」に訴えつつ、妥協の余地のない「核心的利益」と主張している。
 その虚構の上に、尖閣諸島周辺海域で漁船(海上民兵)を活動させ、その保護を名目に法執行機関(海警)を常続的に出動させている。
 そして、「釣魚島は中国固有の領土である」という題目の白書を発表するとともに、いかにも尖閣諸島を自国領として実効的に支配しているかのように国際社会に向けた大規模な「輿論戦」を繰り広げている。
 同時に、日本および日本国民に対しては力の誇示や威圧による士気の低下を目的とした「心理戦」を展開している。
 このように、中国の日本に対する「戦争に見えない戦争」は、すでにこの段階まで進んでおり、中国の尖閣諸島奪取工作は危機的状況にまで高まっている。
 そして、中国は、同島周辺地域で不測の事態が起きることを虎視眈々と窺っており、もしそのような事態が発生すれば、力による現状変更の好機と見て軍隊(海軍)を出動させ、軍事的解決に訴える態勢を整えているのである。
②「敵対国家内の政治勢力や社会運動に対する財政支援・指示」について
 米有力シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)は2020年夏、「日本における中国の影響」についての報告書を発表した。中でも、中国の沖縄工作が注目される。
 報告書は、中国が世界中で展開する戦術には、中国経済の武器化(取引の強制や制限)、 物語的優位性の主張(プロパガンダと偽情報)、エリート仲介者の活用、在外華人の道具化、 権威主義的支配の浸透などがあるとした。
 こうした工作を中国は日本に対しても行い、表向きの外交から、特定個人との接触などの隠蔽、強制、賄賂による買収(3C=covert, coercive and corrupt)を用いているとしている。
 特に、尖閣諸島を有する沖縄県は、日本の安全保障上の重要懸念の一つであり、米軍基地を擁するこの島で、外交、ニセ情報、投資などを通じて、日本と米国の中央に対する不満を引き起こしていると指摘する。
 報告書は、中国共産党が海外の中国人コミュニティに影響を与えるために使用する多くの方法の一つが中国語メディアであり、ニュースメディアを通じた中国の影響力の最も重要なターゲットは沖縄だと指摘する。
 この件については、日本の公安調査庁も年次報告書(2015・17年の『内外情勢の回顧と展望』)において、中国官製メディアの環球時報や人民日報が、日本による沖縄の主権に疑問を投げかける論文を複数掲載していることを取り上げ、沖縄で中国に有利な世論を形成し、日本国内の分断を図る戦略的な狙いが潜んでいるものとみられ、今後の沖縄に対する中国の動向には注意を要すると問題提起している。
 そのように、中国が沖縄に「独立宣言」させる工作を進めている可能性があるとして懸念が広がっている。
③「敵対国家の領域内における軍事活動地域の創出」について
 中国は、尖閣諸島周辺の日本の領海や接続水域に法執行機関である海警局の艦船を絶え間なく送り込み、同諸島の領有をかたくなに主張している。
 この動きは、2019年から強まっており、今年、各国が新型コロナウイルスへの対応に迫られる中でもその攻勢はむしろ激化し、これまでとは違った危険な局面に入っていると見られている。
 尖閣諸島周辺での中国公船等による接続水域内入域および領海侵入は、今年4月中旬から110日以上連続した。
 そして、5月8日、日本の領海に侵入した中国海警局の2隻が、そこで漁をしていた日本漁船を追尾し続け、3日間にわたって領海への侵入を繰り返した。
 この件について中国外務省の報道官は、「日本漁船が中国の領海内で違法な操業をしたため海域から出るよう求めた」と主張した。
 すでに尖閣諸島は自国領であるとの前提に立ち、あくまで自国の海で主権を行使しているに過ぎないとうそぶく始末である。
 中国では、2018年1月に人民武装警察(武警)部隊が、また同年3月には武警部隊の傘下に海警局が、それぞれ国務院(政府)の指揮を離れ、最高軍事機関である中国共産党中央軍事委員会(主席・習近平国家主席)に編入された。
 この改編を通じ、海警局の法執行の強化および武警・人民解放軍と融合した軍隊化が図られた。
 その結果、尖閣諸島周辺海域で行動する中国海警局の艦船は、準軍隊としての性格と役割を付与され、東シナ海を管轄する人民解放軍の「東部戦区」とともに一元的に作戦行動をとる体制が整ったことになる。
 さらに、中国の立法機関である全国人民代表大会(全人代)は今年11月初め、海警局(海警)の権限を定めた「海警法」案の全文を発表し、国家主権や管轄権が外国の組織、個人に侵害されたときは「武器の使用を含めたあらゆる必要措置」を取れると規定した。
 また最高軍事機関である中央軍事委員会の命令に基づき「防衛作戦などの任務」にあたることも明記された。海警局の艦船は、大型化し、軍艦並みの兵器を装備しており、法制定後は海軍との連携を一段と強めるとみられている。
 前述の通り、海警局の艦船は、尖閣諸島周辺で領海侵入を繰り返しており、周辺で操業する日本漁船も「海警法」の対象となるのは間違いなかろう。
 このように中国は、日本領域内の尖閣諸島ひいては南西諸島周辺を焦点に軍事活動を行う地域を意図的に作り出していると見ることができ、今後、不測の事態が生起すれば、一挙に軍事活動へとエスカレートさせる危機が迫っていると考えなければならない。
④「軍事活動への短時間の移行」について
 中国は、東シナ海の尖閣諸島、南シナ海そしてインドとの国境で、領土的野心を露わにしている。
 今年6月に中国とインドの国境付近で発生した両国軍の衝突は、中国が自国周辺の領有権主張を巡り、一段と強硬姿勢を取るリスクを浮き彫りにした。
 また、その衝突によって、中国が国境付近の現状を変えるため、現場の比較的小規模な小競り合いを利用しごく短時間に軍事作戦へ移行することも明らかになった。
 同じように、中国の尖閣諸島を焦点とする日本に対する軍事作戦は、「Short, Sharp War」(迅速開始・短期決戦の激烈な戦争)になると見られている。
 そのシナリオの一例はこうだ。
 米国がINF全廃条約の影響で、東アジアに対する中距離(戦域)核戦力による核の傘を提供できない弱点に乗じて、中国軍は日本を核恫喝してその抵抗意思を削ぐ。
 同時に、対艦・対地弾道ミサイルを作戦展開し、それによる損害を回避させるべく米海軍を第2列島線以遠へ後退させるとともに、米空軍を北日本などへ分散退避させる。
 その米軍事力の空白を突いて、中国軍は、海空軍を全力展開して東シナ海の海上・航空優勢を獲得し、その掩護下に海上民兵や日本国内で武装蜂起した特殊部隊などに先導されて尖閣諸島をはじめとする南西諸島地域に奇襲的な上陸作戦を敢行し、一挙に同地域を奪取占領する。
 まさにその軍事作戦は、迅速に開始され短期決戦を追及する激烈な戦争、すなわち「Short, Sharp War」を追求している。
 その際、米陸軍および海兵隊は、中国軍の侵攻に遅れまいと第1列島線への早期展開を追求するため、中国軍の侵攻と米地上部隊の展開が交錯する戦場でいかに主導権を握るかがカギである。
 したがって、日本や第1列島線の国々は、米陸軍・海兵隊の受け入れをスムーズに行う体制を平時から整備することが重要である。
⑤「マルチドメイン作戦による戦争」について
 中国は、日米などが新たな戦いの形として追求しているマルチドメイン作戦(MDO)という言葉を使用していないが、それに相当する概念を「情報化戦争」と呼んでいる。
 中国は、2016年7月に公表された「国家情報化発展戦略綱要」などで表明しているように、経済と社会発展のための道は情報分野に依存しているとし、軍事的側面からは情報化時代の到来が戦争の本質を情報化戦争へと導いていると認識している。
 そして、「情報戦で敗北することは、戦いに負けることになる」として、情報を生命線と考えるのが中国の情報化戦争の概念であり、そのため、従来の陸海空の領域に加え、敵の通信ネットワークの混乱などを可能とするサイバー領域や、敵のレーダーなどを無効化して戦力発揮を妨げることなどを可能とする電磁波領域、そして敵の宇宙利用を制限する宇宙領域を特に重視して情報優越の確立を目指している。
 この際、中国の情報化戦争は、米国のような全般的な能力において優勢にある敵の戦力発揮を効果的に妨害する非対称的な能力を獲得するという意味合いもあり、新たな領域における優勢の確保を重視している。
 前述の通り、「孫子」の忠実な実践者である中国は、情報化戦争の一環として政治戦や影響工作も重視している。
 また、1999年に発表された中国空軍大佐の喬良と王湘穂による戦略研究の共著『超限戦』は、25種類にも及ぶ作戦・戦闘の方法を提案し、通常戦、外交戦、国家テロ戦、諜報戦、金融戦、ネットワーク戦、法律戦、心理戦、メディア戦などを列挙し、これらのあらゆる手段で制限なく戦うものとして今後の戦争を捉えており、中国の情報化戦争に少なからぬ影響を及ぼしていると見られている。
⑥「技術的優越の追求と先進的兵器の使用」について
 中国は、2019年10月1日の建国70周年の軍事パレードで23種の最新兵器を公開し、軍事力を内外に誇示した。
 その中で、超音速ミサイルや無人戦闘システム、電子戦などに力を入れていることが明らかになったが、パレードで公開された最新兵器はすべて実際に配備されていると説明されている。
 その一部を紹介すると下記の通りである。
 新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「DF-41」、極超音速滑空ミサイル「DF-17」、超音速巡航ミサイル「CJ-100/DF-100」、超音速対艦巡航ミサイル「YJ-12B/YJ-18A」、最新鋭ステルス戦略爆撃機「H20」、攻撃型ステルス無人機「GJ-11」、高高度高速無人偵察機「WZ-8」、無人潜水艇(UUV)「HSU001」など
 中国は、全般的な兵力やグローバルな作戦展開能力、実戦経験でなお米国に後れを取っているとはいえ、今や自国からはるか遠くで作戦を遂行する能力を持ち、インド太平洋地域の紛争を巡る米軍および同盟国軍に対する接近阻止・領域拒否(A2/AD)能力を有する自国製兵器を幅広く取りそろえている。
 中国は、米国に対する技術的劣勢を跳ね返すため、特に、海洋、宇宙、サイバー、人工知能(AI)といった「新興領域」分野を重視した「軍民融合」政策を全面的に推進しつつ、軍事利用が可能な先端技術の開発・獲得に積極的に取り組んでいる。
 中国が開発・獲得を目指す先端技術には、将来の戦闘様相を一変させるゲームチェンジャー技術も含まれており、技術的優位性の追求を急速かつ執拗に進めている。
⑦「ネットワーク型指揮システムによる部隊指揮・兵器運用の集中化・自動化」について
 中国は、建国以来最大規模とも評される「軍改革」を急ピッチで進めている。
 軍改革は、2016年末までに、第1段階の「首から上」の改革と呼ばれる軍中央レベルの改革が概成した。
 2017年以降は、第2段階の「首から下」と呼ばれる現場レベルでの改革を着実に推進し、そして「神経の改革」と呼ばれる第3段階の改革に着手している。
 中国は、中央軍事委員会に習近平総書記を「総指揮」とし、最高戦略レベルにおける意思決定を行うための「統合作戦指揮センター」を新設した。
 これをもって、習近平総書記が、統合参謀部や政治工作部などで構成される中央軍事委員会直属機関の補佐を受け、統合作戦指揮センターにおいて中国全軍を集中一元的に指揮する体制が整ったことになる。
 また、中央軍事委員会/統合作戦指揮センターの直下に、従来、総参謀部が持っていた多くの作戦支援部門の機能を統合し、航空宇宙部、ネットワークシステム(サイバー)部、電子電磁システム部および軍事情報部から構成され、情報の戦いを一元的に遂行できる戦略支援部隊が編成された。
 さらに、これまでの「七大軍区」が廃止され、軍全体で統合運用能力を高めるため、統合作戦指揮を主導的に担当する「五大戦区」、すなわち東部、南部、西部、北部および中部戦区が新編され、常設の統合作戦司令部がおかれている。
 これに先立つ2014年7月、環球時報(電子版)は、中国軍が2013年11月、東シナ海に防空識別圏を設定したのに続き、「東海(東シナ海)合同作戦指揮センター」を新設したと伝えた。
 合同指揮センターは、中国各軍区の海、空軍を統合し、東シナ海の防空識別圏を効果的に監視し、日本の軍事的軽挙妄動を防止するのが目的だと報じている。
 このように、中国は、マルチドメイン作戦としての情報化戦争で「戦える、勝てる」(習近平総書記)よう、統合作戦遂行能力の向上と効率的な部隊・兵器運用に向けて、ネットワーク型指揮統制システムによる部隊指揮および兵器運用の集中化・自動化に注力している。
⑧「軍事活動への非公式の軍事編成および民間軍事会社の関与」について
 中国は、2010年7月に国防関連法制の集大成となる「国防動員法」を制定した。
 同法は、有事にあらゆる権限を政府に集中させるもので、民間の組織や国内外に居住する中国公民に対して、政府の統制下に服する義務を課している。
 国防動員の実施が決定されれば、公民と組織は、国防動員任務を完遂する義務を負い、軍の作戦に対する支援や保障、戦争災害の救助や社会秩序維持への協力などが求められる。
 同法は、日本国内で仕事をしている中国国籍保持者や留学生、中国人旅行者にも適用され、突発的に国防動員��かかった場合、中国の膨大な「人口圧」がわが国の安全保障・防衛に重大な影響を及ぼす。
 そのことについて深刻に受け止め、有効な対策を練っておかなければならない。
 また、同法は、国が動員の必要に応じ、組織および個人の設備施設、交通手段そのほか物資を収容しおよび徴収することができると定め、その際の徴用の対象となる組織や個人は、党政府機関、大衆団体、企業や事業体等で、中国国内のすべての組織と中国公民、中国の居住権をもつ外国人をも含むすべての個人としている。
 つまり、本法律は、中国に進出している日本企業や中国在住の日本人をも徴用の対象としている点に注意が必要である。
 コロナ禍によって、マスクをはじめとする薬や医薬品、医療機器など、日本人の生命や国家の生存に関わる生活必需品や戦略物資が不足した。
 その原因は、中国でマスクを生産していた日本企業が中国の国防動員の徴用の対象となったことにあり、医薬品などを極度にまで中国に依存し、脆弱性を露呈した厳しい現実を決して忘れるわけにはいかない。
 他方、中国は、2017年に軍隊と民間を結びつけ、軍需産業を民間産業と融合させる「軍民融合」政策を国家戦略として正式採用した。
 その狙いは、軍の近代化のために民間企業の先進的な技術やノウハウを利用することにある。
 中でも、最先端の軍民両用(デュアル・ユース)の技術を他国に先駆けて取得・利用することを重視していることから、民間セクターと軍事の壁を曖昧にし、あるいは排除して軍事分野に活用する動きを強めている。
 そのため、国有企業と民間企業の相互補完的な関係づくりに取り組みつつ、米国の軍産複合体を目指すとともに、国有企業の規模・シェアの拡大と民間企業の縮小・後退を意味する「国進民退」を積極的に推進し、政府の官僚を「政務事務代表」としてアリババやAI監視カメラメーカーのハイクビジョン(海康威視)などの重点民営企業に駐在させ、政府官僚による民営企業の直接支配を始めている。
 このような共産党一党独裁体制下での軍民融合は、軍事力の近代化・強化がすべてに優先する「軍国主義」化に拍車をかける危険性がある。
 軍民融合政策と同時に警戒しなければならないのが、「国家情報法」である。
 同法は、「国家情報活動を強化および保障し、国の安全および利益を守るため」(同法第1条)、国内外の情報工作活動に法的根拠を与える目的で作られた。
 その第7条では「いかなる組織および国民も、法に基づき国家情報活動に対する支持、援助および協力を行い、知り得た国家情報活動についての秘密を守らなければならない」と定め、国内外において一般の組織や市民にも情報活動を義務付けている。
 つまり、中国は軍民融合政策と国家情報法を一体として運用しており、そのことは、日本の企業や研究者が意図せずして、あるいは気付かないうちに、人民解放軍によるドローンや人工知能(AI)などの民間の最先端技術や専門知識の取得を助け、新たなリスクを生み出す可能性があることを意味している。
 このように、中国は、軍事活動に民間の組織や公民を動員する体制を敷き、また、軍の近代化のために民間企業の先進的な技術やノウハウを利用するため、民間セクターと軍事の境界を曖昧にし、あるいは排除して軍事分野に積極的に活用する動きを強めている。
 以上、ロシアが挙げる「現代の軍事紛争の特徴および特質」に沿いながら、中国がわが国に対し仕掛けている「新しい戦争」の形について概要を説明した。
 それから読み解けることは、中国は、ロシアの軍事ドクトリンとほぼ同じ軌道をたどった行動や工作を行っているということだ。
 ロシアが、当初ウクライナで行ったこと、すなわち純然たる平時でも戦時でもない境目において、軍事的手段と非軍事的手段を複合的に使用し知らないうちに始められた外形上「戦争に見えない戦争」、それと同じあるいは更に厄介な戦争を、中国は日本に対しすでに仕掛けていることは疑う余地のない事実である。
 もし、それによる可能性が尽きた場合には一挙に軍事活動へと移行し、最終的に最先端技術・兵器を駆使した情報化戦争をもって戦争の政治的目的を達成しようとすることも、ロシアのクリミア半島併合や東部ウクライナへの軍事介入と同じと見なければならない。
「全政府対応型アプローチ」で備えよ
 「新しい戦争」の形である外形上「戦争に見えない戦争」の大きな特徴および特質は、軍事力を背景とし、軍事的手段と非軍事的手段を複合的かつ連続的に使用することにある。
 したがって、わが国の防衛も、軍事と非軍事の両部門をもって構成されなければならない。
 その軍事部門を防衛省・自衛隊が所掌することは自明である。
 では、これまで説明してきた中国の非軍事的手段である「輿論(よろん)戦」、「心理戦」および「法律戦」の「三戦」、そして政治、外交、経済、文化などの分野の闘争、さらに常態化しているサイバー攻撃などに対しては、どの行政組織がどのように備えているのであろうか。
 それ以前に、わが国が中国の「戦争に見えない戦争」の挑戦を受け危機的状況にあるとの情勢認識があるのか、ななはだ疑わしい。
 そこでまず、「日中関係は完全に正常な軌道に戻った」や習近平国家主席の国賓来日など、誤った対中情勢認識に基づいた日中関係の推進は、直ちに是正されなければならない。
 そのうえで、中国の複雑多様な非軍事的手段による脅威を考えると、政府内各省庁のそれぞれの任務所掌事務・機能を結集した「全政府対応型アプローチ」(all government approach)を取ることが何よりも重要である。
 しかし、各省庁の縦割り行政では、効果的・実効的な対応は期待できないので、その弊害をなくし、政府が総合一体的な取組みを行えるよう、行政府内に非常事態対処の非軍事部門を統括する機関を新たに創設することが望まれる。
 例えば、内閣府または総務省に「国土保全庁」(仮称)を設置するか、米国の「国土安全保障省」のように、各省庁の関係組織を統合して一体的に運用する「国土保全省」(仮称)を創設する選択肢もある。
 そして、国家安全保障局(NSS)の補佐の下、国家安全保障会議(NSC)を国家非常事態における国家最高司令部とし、内閣総理大臣、内閣官房長官、外務大臣および防衛大臣(4大臣会合)を中核に関係閣僚をもって国家意思を決定し、最高指揮権限者(NCA)である内閣総理大臣が軍事部門の自衛隊および非軍事部門を集約する「国土保全庁」あるいは「国土保全省」に対して一元的に指揮監督権を行使するピラミッド型の有事体制を作ることが必要だ。
 他方、わが国は「自然災害大国」であり、平成7(1995)年1月の阪神淡路大震災や平成23(2011)年3月に発生した東日本大震災をはじめ、ほぼ毎年全国各地で大規模自然災害が発生し、その都度、共助、公助の不足が社会的課題として指摘されてきた。
 近い将来、南海トラフ地震や首都直下地震などによって国家的危機の発生が予測されている。
 併せて、中国による広範なサイバー攻撃や高高度電磁パルス(HEMP)攻撃があれば、一般住民をも直接的・間接的に巻き込まずには措かないのである。
 このように、国民保護や重要インフラ維持の国土政策、産業政策なども含めた総合的な対応を、いわば「国家百年の大計」の国づくりとして、千年の時をも見据えながら行っていくことが求められる。
 つまり、わが国の安全保障・防衛を強化するためには、社会全体でわが国を守る仕組み・取組みが不可欠であり、国民の「自助、共助、公助」への責任ある参画を促し、それを「民間防衛」の組織へと発展させることが更なる喫緊の課題である。
 一方、軍事部門を見れば、わが国は、戦後の「経済重視・軽武装」政策を引きずり、いまだにその充実強化が疎かにされている。
 最大の課題は、列国と比較して防衛費が極端に低く抑え込まれていることだ。
 日本は、中国の「情報化戦争」を念頭に、30防衛大綱で「領域横断(クロスドメイン)作戦(CDO)」を打ち出し、自衛隊の能力構築を始めた。
 CDOでは、従来の陸上、海上、航空の活動領域が宇宙空間へと拡大し、さらにサイバー空間や電磁波空間といった新たな活動領域が加わった。
 そのように、軍事活動の領域・空間が3つから6つへと一挙に倍増し、多領域・多空間に拡大して戦われるのが近未来戦の際立った趨勢である。
 そのため、これまでの自衛隊の組織規模をスクラップ・アンド・ビルト方式で再編成するのには一から無理があり、従来の防衛力を基盤として、中国の新たな脅威に対抗できるCDO能力を付加的に強化するには、自衛隊の組織規模の飛躍的拡大や最先端のハイテク装備の取得が必須である。
 また、CDO(米軍はマルチドメイン作戦:MDOと呼称)を前提とした日米共同作戦には、両軍のC4ISRをネットワーク化することが不可欠であり、そのような防衛力の整備には防衛費の倍増は避けて通れない。
 米国は、中国との本格的かつ全面的な対決に踏み出し、そのため今後、世界の分断が進むと予測されている。
 つまり、米中対立は、米中間に限られたものではなく、自由・民主主義を支持する国々と共産主義中国との対立であり、他ならぬ日本自身の問題である。
 その対立が前提の世界において、日本が二者択一で同盟国の米国をさて置き、中国を選択することがあってはならない。
 同盟が成り立つには、①価値の共有、②利益の共有、③負担の共有、そして④リスクの共有、すなわち戦略的利害の共有が必要である。
 米国が中国との新冷戦を決意している時、日本が安全保障・防衛上の利益のみを享受し、新冷戦において生じる米国の通商や金融、テクノロジー、外交、それに安全保障・軍事などの負担やリスクを、中国との経済関係を重視するあまり、日本が共有する明確な姿勢を示さない場合、同盟は成り立つはずがない。
 そのうえ、米国からは見放され、中国からは経済面で裏切られた上、安全保障上の敵対心を露わにされるのは必定である。
 コロナ禍とともに戦後最大の安全保障の危機に直面している今こそ、日本は米国との同盟関係を一段と深化させ、米国と同じ構えで中国に備えることが強く求められるのである。
 そして、日米同盟を基軸として、インド、オーストラリアの4か国(クワッド)に台湾などの周辺諸国やASEANなどを加えて、「自由で開かれたインド太平洋」構想(戦略)の下、インド太平洋版「NATO」へと発展させることが今後の大きな課題でもある。
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liliyaolenyeva666 · 3 years
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🎼 00806 「薔薇の鎖」。
今週も いつの間にやら金曜日、という訳で "仮面ライダー" のお時間がやって参りました。今回は 「毒花怪人バラランガ 恐怖の家の秘密 (第75話)」 というお話です。東京郊外のある地点でショッカーを見かけたらしい 少年ライダー隊の報告を受け、黄色いヘルメットを被った滝和也隊長は、バイクで現場に ブルルルンっと急行します。そんな和也を見つめる 地獄大使。わざと 少年ライダー隊にショッカーをチラつかせて アクション好きな人間をおびき寄せやうとする作戦のやうです。その作戦の通りに 「ショッカーの改造人間!」 っぽい ふたりの戦闘員とバラ怪人が現れ、和也に襲い掛かります。"おれが仮面ライダーだ!" って感じで キレの良すぎるアクションを魅せる滝和也と、やたらとアクション好きな戦闘員がじゃれあう中、バラ頭怪人が何かを和也に投げつけます。薔薇の棘のやうな物を掴む和也。「この匂いは!」 と台詞を発した途端、気を失いかける滝和也に 攻撃を仕掛けるバラ頭。気絶した和也を運ぶ戦闘員。そんな光景を白いシャツとキャップが眩し過ぎる 3人の少年ライダー隊がまじまじと見つめていました。「ショッカーの怪人だ!コウイチ、ハトだ!」 と、たぶんナオキ。鳩を飛ばすコウイチ。鳩に向けて棘を ビュッと投げつけるバラ頭。鳩の名前は ゴンベエというさうですけれど、えっと、胸につけてるライダーのペンダントは 通信機能も備えているはずだのに、とりあえず鳩を飛ばしたい年頃なやうで ほんとに困ったものです。勉強しろよ、歯磨けよ、また来週!そんなころ、3人の若い娘さんを雇っているやうに見えるけれども、お金のやりくりをどうしているのかよく分からない "少年仮面ライダー本部" では 黄色いランプが音を わんわん鳴らしながら点滅しています。「おい、鳩が帰って来たぞ」 と おやっさん。先ほどの コウイチくんの鳩が無事に帰って来たやうです。けれども 羽に何かを付けています。それを掴んで匂いを嗅ぐおやっさん。「お、いい香りがするな」 という台詞とともに グタっとその場に倒れてしまいます。動かぬ会長。とそこへ 「あ、本郷さん!」 と、パーマネントをアテ過ぎたのか、やや爆発に巻き込まれた感が漂う、子門真人さんふう本郷猛がヌウっと 「どうしたんだ!」 なんて言いながら現れます。「おやっさん、おやっさん!」 と声をかけて無理に起こさうとする猛。気絶したらしいおやっさんの側に落ちていた棘のやうな物を掴む猛は 「バラの棘か」 と 遠くを見つめながら呟きます。そのころ、ベッドの上で目を覚ました和也は 周りをキョロっと見回します。と そこへ 「気がつきましたか?」 と、一輪のバラを持った白いドレスの女性が パッと現れます。ここは何処かと尋ねたアクション隊長に 白い女性は 「薔薇館です」 と答えます。「薔薇館?」 と聞き返す和也。どうやら道で倒れていた和也を どうにかして薔薇館まで運んで ベッドに寝かせたみたいですけれど、一体全体どうやって運んだのですか?なんてことは聞かずに とっとと帰ろうとする和也に、白い女性は 一輪の薔薇を差し出します。「とてもいい香りがします」 と和也。そのままベッドに バタンっと ぶっ倒れます。そんな気絶した和也を見てふふふっと姿を消す白い女性。と、そんな女性がいなくなったところを見計らって、見せかけの気絶で、館の内部を探りだす、アクションだけでは無いところを見せつけたアクション隊長は 2階へ向かう階段の手前で 女性から貰った薔薇を床にポイっと捨て、抜き足差し足で階段を上ります。と、捨てられた薔薇を暗がりで そっと拾いながら じいっとアクション好きを見つめる白い女性は、灯りのまるでない暗闇ばかりな 2階の部屋を探る和也に 「断りもなくわたしの部屋に!」 と 無神経なアクション青年を優しく叱りますけれど 「鏡の中に君の姿がない!」 っとアクションだけではないところを もう少し見せつけた和也に 「気がついたのね!滝和也!」 と 気がつかれてしまって怒りが込み上げた白い女性は 薔薇の花を滝和也に ビュイッと投げつけます。和也の左胸に ブスッと刺さる赤い薔薇。白い女性が おかしなバラの頭を持つ怪人に ゆらゆらと変わっていく様を 薄れゆく意識の中で感じる和也は、瞬時に地獄大使が待つ いつもの赤い部屋 (アジト) に運ばれます。「ガハハハハハ、よくやったぞバラランガ」 と上機嫌な最高幹部。「この男をころすな!」 と普段通りに 甘くてユルい三角頭の幹部は、滝和也を武器に使いたいさうで 「本郷猛にぶつけるのだ!」 と やや意味不明な台詞を発しますけれど、そんなところに 警報が鳴り、侵入者が現れたことを知らせます。警報を鳴らせたのは、どういうわけか 薔薇の館に サッと たどり着いた本郷猛でした。「やはり出て来たな、怪人!」 と、バラ頭と 3人の戦闘員を相手に 「ライダー 変身!とぅっ!」 と ササッと変身を決める猛。薔薇の館の とっても危険な場所にしか見えない屋根の上でポーズを決める第1号に 「ライダー 降りて来い!」 と、その立ち位置をハラハラして見ていられなかったのか バラ頭が仮面ライダーに危険を知らせます。「とうっ!」 と 跳び上がる第1号。今度は それなりの段数がありさうな 階段の上で 3人の戦闘員を相手にアクションを繰り広げ、階段を降りたところで バラ頭と 殴り合って蹴り合う第1号。これはたまらんと、バラランガは奇声を発しながら、赤い煙を撒き散らして一時退散し、お知らせを挟ませます。お知らせが明けると、研究室で 何かをしている本郷猛は、バラ頭の香りを分析しているやうで 「やはり強力な麻薬の一種だ」 と、やはりな分析をします。「これが直接身体に入ると 人間の脳を狂わせてしまう。ショッカーめ!」 と、そんな狂わせてしまうことまで 短時間で分析してしまった猛の狂おしいほどの分析力に痺れた ちょうどそのころ、飛ばす鳩を失った ナオキは 滝和也隊長が 薔薇の館へと連れて行かれた辺りから ずうっと 薔薇の館を張込みしていたのでせうか、とりあえず本部に連絡を入れます。何かあったら連絡しろとかどうとかおやっさんに言われてしまう ナオキら。仕方なく じいっと その場を離れずに 薔薇の館を見張っているのですけれど、とそこに現れたバラ頭に 薔薇を ビュっと投げつけられ 地面に倒れます。彼ら3人は、本郷猛の分析の通りなら "脳を狂わせた状態" で、本部に スタコラサッサと帰って来るなり、それなりの顔色の悪さで 本部のガールズたちにウガーッと襲い掛かります。手が刺々しいナオキたちに 気味悪がるガールズたち。そこへ現れた 本郷猛とおやっさんは キッズらを 「バラランガにやられたに違いない!」 と どうにかこうにか止めます。そんなところに 薔薇が刺さったままの滝和也も現れます。「滝!お前無事だったのか!」 と猛。けれども 無事ではなかった和也は 猛に グワーっと襲い掛かります。咄嗟の判断で 腹に一撃を喰らわせる猛、気絶する和也。薔薇を ギュッと抜いた猛は 「薔薇の毒で頭を狂わされていたんだ!」 と、アクション狂いな和也を宥めます。頭を狂わせるほどの毒も薔薇を抜くと治る "そのふしぎさ" は置いておいて、ショッカーに借りを返しに行く!と言って聞かない和也に 「滝、お前どうしても行くのか!」 と猛。「俺が作った あの薔薇に対する抵抗剤だ」 と、見るからに危険さうな代物の接種を アクション隊長に試やうとします。すると 「僕たちにも打ってください!」 と 先ほど顔色が悪かった 3人のキッズらが飛び込んで来ます。「よし 分かった!」 と何が分かったのか分からない猛。時間の都合で 薔薇館まで ワープした アクション隊長とライダー隊。「30分で帰って来なかったら連絡するんだ」 と 少年隊に命じて館に向かった和也は 早速 白い女性から 「帰って来たのね。本郷たちを始末してくれたのよね?」 と、ライダー隊本部の中までは モニター出来なかったやうな尋ね方をします。とりあえず 「ええ」 と答える和也。「ありがとう」 とバラ女。「地獄大使、滝は わたしたちの仲間になりました」 とバラ女。「ハハハハハ それは大手柄だ」 と最高幹部。こんなふたりを放ってはおけないと 「待て!その男に気を許してはならん!本郷猛は生きている!」 とショッカー首領が ふたりの会話に割って入ります。「裏切り者は帰すわけにはいかない!」 と、バラランガに変身する薔薇女。裏切り者に襲い掛かります。薔薇館からアクションを決めて脱出を図る滝和也。「滝隊長があぶない!本郷さんに連絡だ!」 と ズッコケ三人組。鳩を飛ばさずに連絡を済ませたっぽいズッコケからの連絡の早さと時間の都合で 「滝!とぅっ!」 と変身を済ませた仮面ライダー第1号は 「滝、大丈夫か!」 と バラ頭と揉み合います。公園のやうな場所で それぞれに戦う 和也と第1号。薔薇が刺さっても物ともせず、向かってくる第1号にやや怯えるバラランガは いきなりの "ライダー スクリューブロック" という 何だかよく分からない第1号の回転技を浴び、木に叩きつけられます。この技で倒されて本当によかったのか どうなのか、ドラゴン花火のやうな燃え上がり方で フッと バラランガはいなくなりました。
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tamagotakemodoki · 4 years
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ZEXAL9~12話の感想です 前回の感想から2ヶ月空きましたが、その間でZEXAL見終わりました…! リンクスの実装までにどうしても見たいな~と思っていたらかっとビング生放送があり、更に慌てて見たので全く感想が纏められていないですが、ゆっくり投げていきます 以前にも増して長い割にほぼかわいいしか言っていません
9話 キャットオドロく猫デッキ!? 声に出したくなるタイトル 涎たらしながら寝言でデュエルだ〜って言ってるのかわいい 守りたい、この寝顔 キャットちゃんスタイルいい~!キャッツアイ 不審者って気づかずふーんって見てるアストラルの無垢さ、愛おしいですね やべえ格好だ…ちゃんと制服のネクタイと皇の鍵をしているところが異常さを引き立たせる… 「人の服のセンスをとやかく言っちゃいけないとは思うんだけど」と前置きした上で注意してくれる小鳥ちゃんよいこすぎる…しかも3日前から気になってたのに… 変な服のラインナップ4着中2着が上半身裸に上着(?)なのはキャットちゃんの趣味入ってるのかな 遊馬くん鏡見ないんですか…?なんでも着てくれるじゃん お弁当がおせちになってるのは普通にありがたい テストで100点取ったときの右京先生の困惑顔に笑ってしまう 「そうだ、なんかひでー目に遭ってたんだ…!」ってここで気づくのが遊馬くんだな~…かわいいね でもひどいのは服と跳び箱の上空でワイヤー宙づりぐるんぐるんくらいじゃない? 「気づいてたならなんで教えないんだ!」「教えろとは言われていない」「わたしも君の部屋にいるのだから、他の者がいても不自然ではない」こういうやりとり本当ツボ こういう喧嘩腰のやりとり~~!!幼馴染っていいね… えっ小鳥ちゃんとデートじゃん!!!しかも小鳥ちゃんが遊馬くんの服を選んであげるの!?ヤッタネ!ショッピングモール午後3時! 猫と話しとる…いや猫賢くない!?すごいな 小鳥ちゃんの隠し撮りかわいい プールのやつと体操服のやつ普通にブロマイド 売ってください 服選んで遅れちゃう小鳥ちゃんかわい〜!!!やっぱりデートじゃん!その服も似合うね 遅刻と言っても10分過ぎだし全然大丈夫だよ!! そしてちゃんと時間通りに来てる遊馬くん~~ アストラル、背筋が冷たくなるって感覚あるんだ… 「あれ、さてはお前、猫が苦手?」「観察結果にまだ載っていないだけだ!」「猫って霊感強いって言うから~」のところ目がうるうるでかわいい… こういう、少しでもアストラルをからかえる場面になると全力で構い倒すのラブ なかなかいい洋館に住んでるな…キャシーでキャットちゃんと呼んで!って言うのかわいいね 「誰だお前は…!」クラスメイトは覚えててあげなよ… 仮面と手袋に爪ついてるのとスカートの後ろに尻尾穴があるの、とてもかわいいデザイン 胡坐かいて考え込むのかわいいな… 捨て猫が守備表示になると段ボールに入るの細かい たじたじの遊馬くんかわいいね 「すげーなおい!やるじゃないかよ!」とかかわいい〜 ピンチにわくわくしてるのいい…デュエルばか… 小鳥ちゃんを攫って脅迫文送りつけるのはおかしいけど、デュエルで虜にしようとするのはすごく素敵な恋だ 遊馬くん罪深い………今告白フェイズだったのに…… ベビー・トラゴンとガガガマジシャンのペアかわいい!肩に乗ってる 「行け!ガガガマジック!」って言ってるのにガガガマジシャン完全に拳で殴りかかってて笑う 今回小鳥ちゃんブーストかかってるから完全に一人で勝利しててすごいぞ遊馬くん! こんな風に手を差し伸べられたらますます好きになっちゃうよね… 猫とだるまさんが転んだしてる小鳥ちゃんかわいすぎるし猫賢すぎる 照れながら小声で「…おはよ」って言うキャットちゃんに手を上げて「おう!」って返すの、見てて嬉しいな そんなに影薄いんだねキャットちゃん…鉄男くんに小鳥ちゃんまで名前が分からないの… 「キャシー、キャットちゃんだ!」って言うの遊馬くんかわい〜 拗ねてる小鳥ちゃんらぶ!!!最高にラブリー アストラルの方が女性の気持ち分かるのめちゃくちゃに悶えてしまった
10話 逆襲のシャーク!ってポケモンぽいタイトル 信号待ちで足踏みしてるのキュート ちゃんと左見て右見てから走り出すしえらい シャークさん!?信号無視ですか!!!?でもやっぱりバイク似合うな〜!デルタイーグルっぽくてかっこいい これいつもこんな運転なのか、遊馬くんに一目会いたかった(語弊)からなのかが分からない…どちらにしても危ないのでやめてください… よく間に合ったね!?へにょんってしてる髪の毛とてもかわいい 挨拶もなしに突然デッキ見てくる委員長…ひどい デュエルスフィンクスかわい〜!!!タクティクスと掠りもしない 「鉄男くんは遊馬の人間翻訳機ね!」無邪気にひどいことを言うな小鳥ちゃん… こんな路地裏危ないよ〜!!ひとりで行かないで!何か連絡してから行って… 鉄男くんと小鳥ちゃんが来てくれて心底安心したけど子供だけで来ちゃダメだよ~~~ 鉄男くんを片腕で持ち上げるのすご! 逆さ吊りでへそ出しかわいい つんつん坊主って罵倒絶妙だな 合わせて逆さになるアストラルかわいい シャークさんの鶴の一声でヤンキーが去る… オレともう一度デュエルしてくれ!」にハッ!としたときのシャークさんの顔、目がおっきくてかわいい 遊馬くんの振り向きざまのほっぺのもちもち感すごくいい しょぼん…ってしてる… めちゃくちゃに人のこと考えてくれるな遊馬くん 負けて失うものもあるんだよって件、GX!!!??って心配になる シャークさん忍者!!!???身体能力すごすぎる 金網キック壁キックで5mくらいありそうな金網超えてる… ぶつかる遊馬くんにしれっとすり抜けるアストラル、飛び越えられない遊馬くんに浮いてるアストラル とてもよい… え〜!!!!すき しつこい…最高にかわいい… 仲間だからって言ってくれるの…………この子すぐに色んなものを内側に入れすぎる… 静観してくれるアストラル、優しい Dゲイザー付けたときのシャークさんの悪役顔かっこよくて好き 「落ちぶれたオレをもう一度負かして、嘲笑いにきたんだろう!?」なかなか拗らせている… 遊馬くんがナンバーズを呼べれば…って思っちゃうのも年相応だな~… 「オレのプライドなんて問題じゃない!シャークを救ってやらなきゃならないんだ!」って言うのがア〜…傲慢さもあってよいな〜 「燃えてきたぜ!」ってシャークさんかっこいい…!本当獰猛な顔が最高 冷静にプレミ指摘されるの辛い…すみませんでした…って気持ちになる おお!ブラックレイ・ランサァー!かっこいい この戦い、辛いけど遊馬くんの年相応な面や聖母のような面がどちらも現れているし、めちゃくちゃ必要な回だな… 11話 傷だらけのタッグデュエル 最高のタイトルだ… がむしゃらにデュエルし続けて20連敗か…この空元気っぽいところが辛い 鉄男くんの気持ちわかるなー信じてたんだよね 「馬鹿でお調子者だけど、嘘だけは吐かないやつだったんだ!」って言葉に今までの信頼が込められてるよね… ネオンが似合うな〜!シャークさん ヤンキーたちもデュエル楽しんでる感じよい まさかのシャークさんをマネジメントするつもりなの!?意外すぎる 苛ついてるってわかるんだねアストラル… シャークさんが遊馬くんのデュエル研究しつくしてデッキ組んでたの、めっちゃによい 色々考えて組み直して、デュエルするつもりはないけどでもいつも持ち歩いてたんだろうな…と思うと デッキ美術館に飾られてるのいいな〜! ナンバーズが手に入ってからツキ放題ってすごいけど…どういうパワーなんだろう しかしこの陸王海王、すごくガタイがいいけど大学生くらいなのかな… 遊馬くん人差し指タイピング!!!分かる!かわい〜 代わりに入れてくれる小鳥ちゃんらぶ シャークさんの私服、タートルネック?なのかわいい したっぱヤンキーくんいい子だな〜 よかったよ君がいて ちゃんと振り返って反省して、オレ自身のために行くんだ!って言えるのえらいな…すごく応援したくなる 陸王海王がおっきいからシャークさんの細身と遊馬くんのちっちゃさが際立っててかわいい 前回を踏まえてからの同じ台詞「仲間だから」っていいな… 「タッグデュエルでは全てのプレイヤーが1ターンを終えるまで、攻撃はできない」「そうなの?」かわいい 陸王海王、なかなかちゃんとしたタッグだ ズルにしても結構打ち合わせいるしちゃんと暗記してる… 結構仲いいヤンキー兄弟だな…弟(海王)、兄(陸王)庇うし仲違いしそうなものなのにね 「シャークとオレの未来が懸かってる…!」確かにそうなんだけど! 小鳥ちゃんがすたって侵入するのかわいい〜!身軽! 絶対に仲間を守るんだよな、遊馬くんは…最高だけど心配だよ アストラルが「なんだ、そのイササカというのは?」ってかわいい〜! ズルは不正って分かるんだね ぴかぴかしながら怒るアストラルかわいいな… これ盗み見たことになるんだ…ミラフォあったなくらいじゃない?って思ったけど普通に墓守デッキなの分かるからダメか 「笑うなぁ!負けるのが怖くて何がおかしいんだ!」怒ってくれるの、本当ありがとう… こんな風に言ってくれたらめちゃめちゃになっちゃうよ(シャークさんが) 「遊馬…このデュエル、勝つぜ」しみじみうれしいな… 今回アストラルも助言してないんだよな〜 ちゃんと遊馬くんたちのデュエルだ 遊馬くんにカードをシュッて渡すところかっこいい… 怒涛の反撃に海王も立ち上がっちゃう わかるよ 装備!!!合体した!かっこいい~~!! カードを盗もうとしたって記憶はあるんだ シャークさんのガンやばい それに対してべーってする小鳥ちゃん愛らしすぎる やったぜ遊馬!って喜ぶ鉄男くん…よい子だなあ… しっかり謝る遊馬くんにもう許してるよって態度の鉄男くん…小鳥ちゃんも微笑んで頷くの、最高… いや本当この幼馴染トリオ最高ですね 一生一緒にいてください そしてシャークさんの「ヘボデュエリストが」の声が優しくて… 完璧な回だったな…ありがとうございました…
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heyheyattamriel · 4 years
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エドワード王 六巻
昔日の王の一代記、六巻
訓練
その日は、エドワードがアーチマジスターに召喚され、ミスリルの杖の贈り物とともに別れを告げられて塔を去る日でした。
彼の小部屋に戻って、エドワードは入門者用のローブを脱ぎ、灰色のシャツと黒いズボンに着替え、塔に締めてきた赤いサッシュを巻きました。彼はサッシュをいとおしそうに指でなぞりました。きちんとして見えるし、旅の土埃が目立ちにくいと言って彼の母がこのシャツとズボンを買ってくれたのです。モラーリンは彼に双子の葉っぱと花、小鳥と蝶を、ミスリルとドワーフとエルフの金属糸で刺繍した絹のサッシュを贈ってくれました。でも、彼は運河を超えるまで待っていました。アリエラが、とても大切なものだと言ったのです。彼女はモラーリンの古い服を切り詰めて作ってはどうかと提案しましたが、かのエルフは断固として彼女にそれを渡しませんでした。エドワードはそれを思い出しながら笑い、サッシュを彼の腰に二周巻き、慎重に端を結びました。彼は杖を取り、両親に会うために駆け下りました。
彼は二人に抱きつくつもりでいましたが、モラーリンは一人で、エドワードは立ち尽くしました。「母さまは?来て―」
「彼女は残ってお前のために馬を選びたいんだそうだ。ビーチに任せておけないんだね」
「馬?僕に!ほんと?」
「もちろんだ。モロウィンドまで歩いてはいけないよ」
「僕、後ろに乗るんだと思ってた―誰かの。見て、アーチマジスターが僕の杖をくださったの!きれいでしょう?」
かのエルフはそれを手に取って重さを確かめ、何度か振ったり突いたりしてみました。「お前にはいい重さでバランスもとれていると思うよ。私には軽いがね。どんなふうに使うのか見せてくれ。攻撃するふりをするから」彼は素手を使い、エドワードは防御の姿勢を取り、彼の攻撃を防ぐと、モラーリンの足の方に杖を突き刺しました。彼は軽々と避けましたが、少年を褒め称えました。
「メイジは短剣も持っておくべきだ。お前がトゥースを持ちたいかと思ってね」エドワードの目が飛び出しました。トゥースは、エボニーの刃と、本当のドラゴンの歯でできた柄を備えていました。エルフが鞘から滑り出させてエドワードに渡すと、彼は慎重に受け取りました。刀身は先端が曲がっていて、剃れるほど鋭い刃がついていました。マッツが時々それを借りていました。その柄を削り出したのは彼なのです。
「マッツは本当に気にしないの?」
「気にしないとも」モラーリンは彼のベルトを外して鞘を抜き取りました。蛇革でできたエドワードのための新しいベルトは、柔らかくてしなやかで、モラーリンのものと同じように、モロウィンドの黒い薔薇が留め金に描かれていました。「これは仲間たちからだ」彼は膝をつくと、サッシュの上からベルトを合わせてダガーを差しました。エドワードは彼の首に抱きついて言いました。「すごいや。本当にありがとう。あなたにも、みんなにも!ああ、それに僕、ずっとみんなに会いたかったんだ」
「我々もお前を恋しく思っていたよ。さあ、行こう。潮目を逃してしまう」
「母さまを心配させるのは嫌だな」努めて自分に心配してくれている母がいることが気楽に聞こえるように、エドワードが言いました。
「心配はいらない。明日の夜まで探しに来ないようにと言っておいた…念のためにね。だが、彼女を驚かせてやろう」
「いいね」
彼らはかなりの速さで船を漕ぎ、満潮になる前に入り江に着きました。
「トゥースの使い方を見せてあげようか?それとも、休憩の方がいいかね?」
「トゥースがいい!僕はボートで寝られるもの」
トゥースのひと噛みは冗談ごとではないからと言って、モラーリンは自分と、エドワードにもシールドの魔法をかけました。「僕、自分でシールドの魔法をかけられるのに」エドワードは誇らしげに言いました。「上手なんだよ。だけど、ヒールは全然なの」
「できるようになるさ。時間がいるんだ」
明らかに、トゥースにも時間が必要でした。どんなに頑張っても、彼はエルフに近付くことさえできませんでした。モラーリンが足を地につけたまま、ただ身体を揺らし、身を反らせたり左右に動かしたりしているだけなのに…しかも、笑いながら。鬱憤が溜まって、エドワードはトゥースを鞘に納めて杖を取ると両手で振るい、彼に強く打ち付けました。実害は何もありませんが、シールドをぴしゃりと打つ満足のいく音をたてました。魔法の効果が切れると、モラーリンは彼に打たせましたが、いとも簡単に杖を止めました。エドワードは杖を地面に投げ出して、後ろを向きました。エルフは慰めようと彼に歩み寄りました。エドワードは鞘からトゥースを抜くとエルフの心臓めがけて突き刺しました。刃は彼の手から叩き落され、くるくると回転しました。エドワードは動くトゥースを止めて掴もうとしましたが、シールド越しでも衝撃を感じました。するとモラーリンが彼の前に膝をついて左手を右膝に置きました。彼の顔はショックと信じられないという気持ちで灰色になっていました。血が噴水のように手首から噴き出しています。「お前のサッシュを貸せ!」
「僕―僕そんな―」エドワードは歯の根がかみ合わないほど震えていました。彼は気分が悪くなり、眩暈がしました。胃液が口の中に上がってきました。「つもりじゃ――な、なかったのに」血はどんどん流れています。
「坊や、今気絶しないでくれ。お前の助けが必要だ。サッシュだ。さあ、エドワード!傷口に巻きなさい。まったく、なんてこった!」彼の片方の手が手首から半分取れかけていました。エドワードは放心したように座り、全身を震わせていましたが、彼の手は開いた傷口にサッシュを巻いていました。それから、残りの部分を手と手首に巻き付けました。「私のサッシュを取って吊り帯を作るんだ」モラーリンは怪我をした腕を吊り帯に落ち着けると、片手を離しました。彼はベルトから水筒を取り出して飲み下しました。「もっと水がいる。お前の杖はどこだ?2マイルほど戻れば井戸がある。トゥースは?探しに行きなさい。怪我をするんじゃないぞ」
「もういらない」
「モラーリンの血に浸った剣はそう多くない。幸運を連れてきてくれるだろう。言われた通りにしなさい」
「満潮だ」
「ああ。ファーストホールドにジョーンのお恵みがあるだろう。片手では魯が漕げんな」
「僕が―」
「いや、お前には無理だ。力がない。ここは流れが速い、私は地面の上で死ぬ方がいいよ。エドワード、ここに留まってはいられない。血の匂いが獣を引き寄せるからな。もし私が気絶したら、充分離れて木に登るんだ。そして祈りなさい」彼は荒い息で杖に寄りかかって立ち上がりました。「離れるなよ。だが、何があっても私にしがみつくな」彼は小さく一歩を踏み出し、またもう一歩歩きました。
「ごめんなさい」
「まったくだ。アサシンに変身するにはまずい時と場所を選んだものだ。優れたアサシンは常に離脱の手立てを持っている」
「はい」エドワードは涙を流しながら鼻をすすりました。「僕、ヒールはできないけど、少しは力を回復できるよ」
「本当かい?そりゃ助かる」エドワードが唱えた呪文に、エルフは衝撃を受けました。彼は息を呑みましたが、極力まっすぐに立っていました。衝撃が去ると、いくぶん姿勢を保ちやすくなりました。「僕、もう一度できるよ」エドワードが熱心に申し出ました。
「いや。お前は大変な力を持っているが、調節する技能がいる。だが、良くなったよ」
モラーリンは歩きやすくなり、声にも力が戻りました。エドワードは心の中にある怪我の絵を滲ませようとしました。彼らはゆっくりと歩き、時々モラーリンは木にもたれて休みました。彼らに危害を与えるものはありませんでした。無言の長い旅の果てに、彼らは古い井戸に着きました。モラーリンが水筒の水を飲み干すとエドワードが水をくみ、彼も飲みました。それからもう一度水を詰めました。
「今晩はあそこで過ごそう」 『あそこ』は、大きな荒れた建物で、明らかに人はいませんでした。エルフは鍵のかかったドアを蹴りつけて開けました。中は真っ暗でした。「明かりの魔法はいる?」エドワードが申し出ました。
「いや、私は見える。力を温存して私のそばにいなさい」何かが素早く動く音がします。ネズミです!エドワードは考えるより早く二人にシールドをかけ、トゥースを抜いてエルフの背中に自分の背をつけました。1匹のネズミが跳び上がって、刃に身を投げました。モラーリンは杖を振るい、もう2匹を倒しました。他のネズミたちは逃げて行きました。
「よくやったな、坊主!」彼らは小さな窓のない部屋を見つけ、中に入ってドアを閉めました。そこにはいくばくかの薪があるようでした。おそらく、台所の隣の倉庫か何かでしょう。モラーリンは壁際に座りました。
「で、ナイフが使えるじゃないか。全部芝居だったのかね?私を油断させるための?」
エドワードは不安と恐怖でいっぱいになりました。そうしようとしてモラーリンを傷つけたのではないと抗議しながら、涙をあふれさせました。「僕、ふざけただけだったんだ、笑わせようとしたの…最初は怒ってた、だけど自分にだよ、僕がぶきっちょだから、あなたにじゃないんだ…思いついて…本当に大好きなんだ!」
エルフは怪我をしていない方の手を伸ばし、エドワードを引き寄せました。「それなら、片手なんて安いものだ」
モラーリンが優しくとんとんと彼の肩を叩いて鎮めている間、エドワードは彼の肩にもたれて泣きました。「僕の本当の父さまだ」
「エドワード、私は…」
「いいえ、あなたがそうなんです。僕の幸せを何より大事にして、そんな値打ちがない時すら僕を愛してくださる。あなたはずっと親切で寛大で、僕の利益になること以外、何も要求したことがないんです。あなたの人生を僕に捧げてくださってる。それは本当の父親がすることです。それに僕は、あなたに痛みしか与えていないのに。僕を生ませた人は、僕がその人に似ていないからって僕と母さまを忌み嫌っていました。僕たちはあなたにも似ていないけど、それでもあなたは僕たちをとても愛してくれる。あなたがいれば、僕、もっといい子になれると思うんだ。大好きな父さま」
「私はお前に攻撃する十分な理由を与えたんだよ。私はお前から母を奪ったのだから」
「僕を父親から引き離さないために、母さまを失う危険を冒したんだよ。僕のことなんか知らないのに、それに、僕の父親は憎むべき敵だったのに。それでも僕たちのことを考えてくれてる。彼がどんなにおかしいか、あなたにはわからないよ。父さまの中にはないから」
「わかった。それでも、お前の中に反感と怒りは残っているね」
「愛してるよ!」エドワードは抗議しました。でも彼は、自分の声の中に怒りを聞きました。
「そして憎んでいる」モラーリンの声はとても穏やかで、静かで、まるで天気の話でもしているようでした。
「両方はできないよ…そうでしょ?」
「どうかな?」
「傷つけるつもりなんかなかったんだ」
「信じるよ」
「僕は―僕は邪悪なの?とても後悔しているんだ、あれをなかったことにできるなら何だって差し出すよ、だけど―僕―」
「いくらか満足のいく答えだ」
エドワードの喉が嗚咽で詰まりました。彼は口がきけませんでしたが、モラーリンの肩に向かって頷きました。エルフの手が、優しく彼を撫でていました。
「アイリックはデイドラのことを話したかね?」
「悪魔のこと?いいえ。僕にあんなことさせたのは悪魔なの?じゃあ、僕は邪悪なんだ」
「お前はそうじゃないよ。だが、デイドラはあのような行動に餌をやっている。やつらはそれを―力づけるんだ。そして、お前の怒りは彼らを引き寄せる。しかし、やつらがお前に何かをさせることはできないし、やつらも、それも、お前の中にはない。つながっているがね」
「そんなの嫌だよ。どこかに行ってほしいな。どうやったら追い払えるの?」
「なぜ嫌なのだね?そこから力を引き出すんだ。それが、お前が襲ってきたネズミから身を守るために私たちにシールドをかけさせたんだよ」
「魔力のこと?あれは悪魔からのものじゃないよ」
「そうだ。だが、それを使用する能力がね。いいかい、お前の行いの一部がデイドラの餌になる。だが、それと同時にお前はそこから力を引き出すん��。そうすれば、どのような目的で使うにしろ、その力はお前のものだ」
「デイドラを持ってるの?」
「持っているよ。それも大きなものだ。だが、皆同じものか、それ以上のものを持っていると思っている。他の者より強いのがいる、それだけのことさ。だが、そんなことを聞いて回ってはいけないよ、慎ましい行いじゃないからね」
「僕のにはどこかに行ってほしいよ!」泣きながらエドワードが叫びました。
「お前はそう言うが、それがない振りをしていたら、それが達成されることはないだろう。デイドラを持つことは、馬に乗るようなものだ。制御し続けなければいけない。デイドラはお前のことなど気にかけない。そいつはお前の痛みや、けがや、死のようなものすべてを餌にして命に代え、新しい宿主を探している。やつらは我々がするように考えたり計画を練ったりはしないし、我々と同じように時間を経験しているとは、私は考えていない。だから、デイドラが餌にする行為はその瞬間に起こり、それに捕らわれている間は、過去も未来も存在することをやめてしまう。それは非常に強い快楽に満ちた経験だが、非常に危険にもなりうる。そして、とても中毒性が高い。だから、自分のデイドラに餌付けをすることだけを考え始める。神や愛する者、自分自身のことさえ考えるのをやめてしまう。その道を行き過ぎると、他を選ぶ意思を失ってしまうんだ」
「怖いよ!じゃあ、僕は何をしなきゃいけないの?」
「恐ろしいことだよ、人間が陥る中で最も最悪の事柄だ。今夜のことを覚えておきなさい。どう感じたかを。デイドラの飢餓が何なのかを把握し、自分の行動を考えなさい。お前は若くて、とても大変なことだが、お前はその危険に直面しているからね。ああ!」エルフの体が硬直して息が乱れました。エドワードはあの傷が痛んでいるのだと思いました。
モラーリンは少し眠らなければいけないといい、エドワードに見張りをして、一時間後に起こしてほしいと頼みました。そのあとで、ドアに鍵をかけて一緒に休むことができます。
「うん、父さま…それに、僕、何かもっとできるかもしれない。僕は鍵をかけられないけど…」ドアには掛け金がかからず、���きっぱなしでもありませんでしたが、バタンと音をたてるほど揺れていました。エドワードはその後ろの壁の近くを探って、くさびを見つけました。彼はドアを閉めてくさびを木切れと一緒に差し込みました。「思った通りだ。材木を両腕いっぱいに抱えてこんなドアを通るのはおかしいもん。こういうの、僕の―ゲラルドの宮殿にあったんだ。これで何かが入ってこようとしたら大きな音で知らせてくれる。鍵の魔法の代わりにヒールを使えるよ」
「へえ、実によく考えたね」彼は剣を取り出して、横の床に置きました。「これなら二人とも眠れるかもしれん」
彼らは身を寄せ合って眠りました。ドアと壁を引っ掻く音は頻繁に聞こえましたが、この小さなクローゼットに入ってくるものは何もありませんでした。モラーリンは夜の間何度かヒールを唱えました。朝になる頃には、「片腕の男としては」調子がいいと宣言しました。彼はサッシュの包帯を解いて傷を調べました。出血は止まっていて、片手を触るとまだ温かいままでした。触っても顔色が変わったり体が竦むようなことがない程度には痛んでもいませんでした。でもまだ傷口は開いたままで、片手は使えません。神経と筋肉、小さな骨の数本が傷ついていました。このような怪我の修復は彼の能力を超えていました。エドワードはその光景の中に食事をするデイドラを感じて、急いでそれを追いやりました。
モラーリンがにやりと笑いました。「食べさせておけばいい。害のない類の餌だ。もう済んだことだからね」
「飢えさせるつもりなんだ」エドワードがしっかりとした声で言いました。
「それをやってみてもいいし、代わりに制御することを学んでもいいが、それでも、神々とともに歩きなさい。我々はタワーに戻るのが最善だと思うね」
「うん。そこなら治せるよね?」
「どうかな。少なくとも今よりはしっかりくっつけられるだろう。ああ、そんなにうつむいてはいけない。もし塔に治療の力がなくても、どこかで見つけられる。スサースは戦の負傷は得意だし、塔のメイジたちよりも治療に優れていることで有名な寺院もある。それに、左手だからね」彼は乾いた血のしみがついた丸めたサッシュを持ち上げました。「この色はお前の母上が考えていた以上に実用的だったな。少しは洗い落とせるかやってみよう。こんなに用意の整わない旅はしたことがない。エボンハートの大通りをぶらぶらした時ぐらいのものさ。お前の母上に殺されてしまうな」
「僕を殺してからだよ」エドワードはため息をつきました。「少なくとも塔に戻って帰りが遅れるもの」彼らは明るい中庭に出ました。朝日は西の空に既に高く昇っていました。
「そうでもないぞ、エドワード。仲間たちが近くに来ている。聞こえるぞ。マーラ、どうかうまい嘘を思いつかせたまえ!」
ミスが中庭に馬を速歩で駆ってきました。「ここにいるぞ!」彼が他の者たちに声をかけました。「なんてことだ、怪我をしてるじゃないか!見せてみろ。船を漕いでいる途中で会えると思っていたんだが、岸で血を見つけてここまで追ってきたんだ。何にやられた?」
「デイドラだ」※
「デイドラって!一体どういうことだ!?昼日中のこんな開けた場所で?得物は何だったんだ?黒檀の大太刀か?」ミスが怪我を検めると口笛を吹きました。アリエラと他の者たちが駆け寄ってきて、彼女はエドワードを抱きしめました。「大丈夫?心配してたのよ」そして、夫の手を見た彼女の顔色は真っ青になりました。
「腕が鈍ったに違いないな。一体何をやってデイドラにこんな目に?」ミスが強い口調で訪ねました。
「この子だよ…怖がって私の腕を掴んで、シールドの呪文をしくじったんだ。彼のせいじゃない。事故だ。アリ、見ちゃいけない。エドワード、母上にお前が殺したネズミを見せて差し上げたらどうだね?」
「僕、スサースを見ていたいの」エドワードは異議を唱え、それからそのことがデイドラの養分になることを思い出しました。でも、見ていれば治癒に関する何かを学べるかもしれません。それはいいことでしょう。これは、彼が考えているよりずっと複雑なことでした。
「まあ、エドワード」アリエラが言いました。「戦いでは意識をはっきり保っておかなければなりませんよ」
「この古びた宿屋で彼がネズミを殺したんだよ。実によくやった。頭をしっかりと上げて私と背中合わせになって、両方にシールドの魔法をかけたあとにね。初めての戦闘では誰だってうろたえる。特に予想していない場合には」
最後にスサースが普段通りにやってきて、他の者たちを肘で横に追いやると、怪我の具合を調べ、シッシッという声で言いました。「なおせせせるよ。きれいな傷だっしし」彼は注意深く怪我を見ながら、腕を曲げて傷口を開きました。すると、傷口の組織の両端が触れるように手を前に出しました。彼はそれがきれいに並ぶことにとてもこだわっていました。それから、呪文を唱える間、マッツにそのまま支えさせました。外側から見える怪我の痕跡が、切り傷すら残らずに消えてしまいました。モラーリンは満足げに腕を振り、指を曲げました。「ありがとう、スサース。少し痛むが…」
「あしした、ししし仕上げをすすすするよ」
「かわいそうに」アリエラがエドワードを案じて言いました。「怖かったでしょう。それに、こんなひどい家で一晩過ごすなんて」
「僕は赤ちゃんじゃないよ。怖くなんかなかった。父さまと一緒だったもの」
※原文ではDemonの表記ですが、デイドラの意と解釈しています。
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buriedbornes · 4 years
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第35話 『旧き世に禍いあれ (3) - “猟犬の追尾"』 Catastrophe in the past chapter 3 - “Tracking hounds”
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 その黒い犬は、長い舌を口からだらしなく垂らしていた。太く曲がりくねったそれは、舌というよりも針のように尖っている。
 褐色の闘犬に似た四肢を持っているが、頭の部分は妙にぼやけて見える。形がなく、いくつかの鋭い触手のようなシルエットのひとつが、長い舌のように見えてうねっていた。
 その全体的に鋭利なシルエットは、狩猟犬を連想させた。
「何だこいつは……」
 ゴットフリートの声だったのか、自分の声だったのか、それともふたりの声か。臭気と混乱で、フィリップには判断が出来なかった。
 猟犬、なのだろうか。4つ足の黒い影はその太い四肢で地面にしっかりと立ち、周囲の様子を探っているように見えた。その異様な姿は生理的な嫌悪感が込み上げてくるものだったが、目を逸らすことができずにいた。こいつは一体何者なのか? どこから来た��� 何故ここに? 仮にこいつが猟犬なのだとしたら、一体何を狩るためのものなのか。 何一つわからないにも関わらず、なぜか「こいつの狙いは自分だ」という説明不能な確信が強まっていく。
 猟犬はゴットフリートには見向きもせず、フィリップの位置を見定めると、迷わず飛び掛かって来た。
 やはりこちらに来たか、と心中で考える間もなく猟犬の舌先は首元まで迫っていた。先程受けたゴットフリートの攻撃より速い。
 フィリップは即座に短距離のテレポートを行う。吐き気が込み上げるが、避ける方法は、フィリップの持つ術ではこれしかない。連続して転移を行って、魔力を使い過ぎた。
 空間のブレが収まり視界が明瞭になった瞬間、フィリップは激しい痛みに苦痛の声を上げる。
「なっ!?」
 確かに転移は成功したはずだった。
 痛む左腕を見れば、注射針のような舌が刺さっている。
 猟犬が傍らに突き立った最初とは別の盾から這い出てきている。長い舌は盾から半身だけを乗り出した猟犬の胴体から繋がっている。
 フィリップはそれを引き抜こうと腕を振り回すが、抜けない。
 攻撃をかわすために数歩距離を取って転移したのに、転移先の足元ですでに待ち構えていたかのような……。
 猟犬は両足で地面をしっかりと捉え、頭部を振るってフィリップを引っ張る。
 ゴットフリートは離れたところから、目と口を開けて呆然とその様子を見ている。
(まさか……こいつも短距離転移したのか?)
 猟犬の下肢は傍の盾の影から伸びているように見えた。斜めに地面に突き刺さった盾の影から、隠れていた下肢の先が這い出してくる。
 テレポートしたため、ゴットフリートとフィリップの間にはかなりの距離がある。
 この距離をただ跳躍してきたとは思えない。この一瞬でそんな動きをしていたら、正確に左腕を狙う事もできそうにないし、その勢いでそのままフィリップに体当たりした方が早いだろう。人型ではない魔物で、転移術を使えるものはほとんどいないはずだ。覇王の軍勢の中でも、そんなやつは見たことがなかった。
 転移でなければ説明がつかない。
(追尾するように転移して、土の地面と盾の間の空間から這い出てきた……? そんな、まさか……)
 フィリップが振りほどけず、まごついている間に、舌を突き刺された左腕の変化がはじまった。
 舌が刺さった周囲から、どんどんと左腕がしなびはじめたのだ。
「く、クソ……ッ!」
 信じられないことの連続でパニックになりかけたが、フィリップはぐっと奥歯を噛みしめて正気を保つ。
 ベルトのホルダーからナイフを取り出し、その舌を思い切り切り払った。舌は容易に切れ落ち、断面から暗い青灰色の液体がぼたぼたと垂れ落ちた。
 すかさず後ずさって距離を取る。舌を切り落とされて喘いでいるように見えた猟犬は、今度は距離を保ったまま、すぐにこちらに飛んでくる様子はない。刺された左腕は、もう原型をとどめていなかった。
(腕が……なくなった……!?)
 舌が抜けた後も左腕は、ミイラのように乾燥しながらどんどん細くなっていく。
 ミイラというには、元の骨を無視した縮み方だった。水気を失いカラカラに乾いた野菜カスのようになっているが、内側の骨まで同様に萎縮したとしか説明がつかない。
 痛みはない。すでに左腕の感覚は全くなくなっていた。かえってそれが異様に恐ろしく、フィリップは額に噴き出した冷や汗を袖で拭った。
 あの舌はなんだ? 一体、何が起きた? 何かを吸われたのか? あの猟犬はどうやって足元に移動してきた? 左腕は諦めるしかないか? ぐるぐると脳をたくさんの言葉が駆け巡る。
(逃げろ……)
 本能が叫ぶ。その通りだ。
 逃げるしかない。ゴットフリートでさえ手に負えないのに、突然現れた襲撃者は、それ以上に危険な存在だった。この場に留まって状況を解決する術など、自分は何も持ってはいない。
 じり、とフィリップがさらに後じさると、猟犬がそれを見て体を低くした。
 再び、先ほど感じた刺激臭が強くなる。
 ぼうっと青黒い煙が、あちこちに落ちている遺品の盾や剣、鎧といった角のあるものから幾筋も立ち上る。それぞれが凝って、どれもが同じように猟犬と同じ形状を取り始めた。左腕を奪ったはじめの一頭よりはいずれも小さいものの、やはり姿はそっくりで、姿を成すや、すべてがフィリップに敵意を向けて周囲を取り囲み始める。
(何だこれは……)
 フィリップは頭の中で今まで読んだすべての文献や図録の記憶をひっくり返す。こんな怪物は、見たことも聞いたこともない。神話の類にもこのような存在が示唆された試しもなかった。
 とにかく、とにかく逃げなければ。だが、どうやって?
 すっかりと左腕は、押さえた右手で隠せるほど小さくなってしまった。
 フィリップが駆け出す。同時に猟犬たちが地を蹴る軽い足音が響く。
「――……どうやら、てめえの飼い猟犬じゃなさそうだな」
 低く太い声。
 絶体絶命か。これほどの生物を前にして、さらにゴットフリートまで相手にする事など、不可能だ。
 だが、ゴットフリートは、フィリップを追撃しようとする猟犬たちのいる方に剣の切っ先を突きつけて、がははと無遠慮に笑った。非常に愉快そうにその瞳の奥に紅蓮の炎が立ち上る。
「魔術師なんかよりも、数段面白そうじゃねえか! 猟犬!」
 咆哮に近い怒号を上げ、剣を振りかざした。
 その剣圧は風を切り裂く音を伴い、猟犬に襲い掛かる。離れたところにいたフィリップまで風圧が迫るほどの力強さ。
 ゴットフリートの剣先は猟犬の一頭を切り裂く。それをはじまりにいくつもの猟犬を切り飛ばして、はじめに現れた個体に向かって行く。
 猟犬たちはフィリップを追う邪魔をされて、すぐさま別方向に跳ねた。
 ゴットフリートはその動きを読んでいたように、振り下ろした剣を真横に一閃する。
 切っ先がかかりそうになるも、猟犬が避ける方が紙一重で早い。
 大股に踏み込み、ゴットフリートが今度は大きく剣を突き出す。
 小型の猟犬が何体も切り裂かれ、霧のように消える。逃げ惑う猟犬たちは、最大の個体を守るようにゴットフリートを取り巻く。群れの鼻先は、すでにその全てがフィリップから逸れてゴットフリートに向けられていた。
 一閃、二閃、迫る取り巻きの小型を次々なぎ倒し、首を落とされた小型の胴を蹴り飛ばして、大型の猟犬の腹部に強かに打ち込む。大型はその衝撃によろめき、間髪入れずゴットフリートは蹴り抜いた足を踏み込み、大剣の先が轟音を立てて唸る。
「おらぁ!!」
 怒号。
 最後に残った猟犬は、すんでのところで体勢を整え、身を翻してゴットフリートに飛び掛かる。ゴットフリートは構わず迫る猟犬の頭部目掛けて大剣を振り抜いた。
 一瞬の、そして突然の静寂。猟犬がいない。すっかり気配までなくなった。息遣いすらも。
 歴戦の猛者であるゴットフリートでさえ、大剣が命中する直前に突然姿を消した猟犬を目で追うことはできなかった。
「ああ? 犬っころめ! どこに行きやがったぁ!」
 夜の雪山に、野太い声が響く。
 ゴットフリートは消えた猟犬たちを探すために、見開いた眼で周囲を見渡す。そこには、膝をついたフィリップとゴットフリートの姿しかない。
 けれど、ゴットフリートは警戒を解かない。手応えがなかった。これで退く相手ではないと彼は理解していたし、フィリップも同様に理解していた。
「ふんっ」
 気合を入れなおし、ゴットフリートは柄を握る手に力を込めた。どこから飛び出してきても、一振りで仕留める。その巨��と同じほどの丈の剣を、それだけの速さで振るえる者は、トラエに彼を置いて他にはいない。
 辺りを窺っているゴットフリートの背後から、突然現れた大型が飛びかかる。ゴットフリートは殺気のみからその出現を察知し、反転して剣を振り抜く。
 反応されることを予期してか、猟犬は剣先の手前で空を蹴って退き、振り抜かれた剣先をやり過ごしてから再び地を蹴ってゴットフリートに向かって飛ぶ。
 それに応じ、振り抜いた剣の勢いに任せて回転、跳躍し、飛来する猟犬に自ら飛び込んで二撃目を狙う。
 満月の空に、飛び掛かる猟犬と剣を構えた英雄の影が浮かび上がる。
「これで決まりだ!」
 猟犬の尖った舌と、ゴットフリートの剣先が交差する。
 猟犬は何も貫くことなく着地した。
 さきほどまでゴットフリートが立っていた場所に、そっくりと足の跡があるだけだった。
 突然、目の前から獲物がいなくなり、墓石の影から小型の仲間たちもそろそろと出てきた。全頭が戸惑ったかのように辺りを見渡し歩き回る。
 本来の獲物であった筈のフィリップも、邪魔をしてきたゴットフリートの姿もなかった。
 今度は雪の上に、奇妙な猟犬たちだけが取り残されていた。
 周囲をしばらくうろついたあと、鼻をクンクンを動かす。
 静かに、一頭が墓石の影に消えていく。
 また一頭、また一頭とその後に続き、やがて全ての猟犬が、戦場から姿を消した。
 残されたのは、戦死者たちを覆う雪だけだった。
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 猟犬の頭をたたき割るために剣を振るったその刹那、世界が光に包まれた。
 直後に、体の重心がブレた感覚に襲われ、ゴットフリートは反射的に目をつぶった。
 1秒と経たずに体の重心が元の位置に戻り、目を開ける。
 猟犬はいなかった。
 まるで夢だったかのように、自分ひとり、小汚い部屋の中心に立っていた。
 肩当てには、剣圧で舞い上げて浴びた雪が、まだ薄く積もっていた。剣先にも、あの薄気味悪い生き物の返り血がこびりついたままだ。
「……ったく、興が冷めるぜ」
 満月の照らす雪の斜面ではなく、見慣れた兵舎の中だ。誰かが置き忘れたであろうシャツで剣の血を軽く拭い、鞘に戻す。兵舎は狭すぎる。抜身の剣を手に歩けるほどの幅もない。
 久々に、心の底の方から沸き立つような敵と相対した興奮は、まだ体の底にくすぶっていた。
「やってらんねえな!」
 ゴットフリートは、転がっていた誰かの飲み残しの木製ジョッキを蹴り飛ばした。ジョッキは棚に当たり、耳障りな音を立てる。何もかもが苛立たしく、やり場のないフラストレーションがゴットフリートの内に燻っていた。
「助けたつもりかよ、あの野郎め……俺は勝ってたッ」
 兜を小脇に抱えてバリバリと頭を掻いて、フンと大きな鼻息を吐いた。
 また酒保にでも行くか、今日の分はもう飲んだけど若ぇ奴の分をふんだくるか、などと考えながら歩きはじめたゴットフリートは、異変に気が付いた。
「んだぁ? うるせえなぁ」
 遠くから音がする。建物の外か。すぐにそれが何か、感づき、目を見開く。
 この音を、ゴットフリートは知っている。身近でずっと聞き続け、その中を走り抜けてきた。
 戦の気配。命を奪い合う者たちが放つ、独特の気配。ゴットフリートが生きる場所だ。魔術師、猟犬。次々降って湧いた獲物を前におあずけを食らって行き場をなくした”飢え”が、再び首をもたげた。
 にやりと口角を上げて、ゴットフリートは胸を張った。
「仕事の時間か」
 扉を蹴破り開けて飛び出す足取りは、子供のように無邪気だった。
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(自分がしたことは、本当に許されることなのだろうか……)
 スヴェンは何度も何度も繰り返した疑問に、自ら押しつぶされそうになっていた。
 とんでもない過ちを犯したのではないだろうか。
 真実は追い求めてきた。時空を遡行するという研究の真相に魅せられた心はまだ輝きを失っていない。
 だが、それはあくまで自分の手で引き寄せたかった奇跡のはずだ。自らが完成してこそ意味を持った奇跡だったのではないか。
 それでも、自分の人生で成し遂げられないというのなら、せめて知りたいと願ってしまった。
 スヴェンは泣きたいような叫びたいような、複雑な心を噛みしめた。
 ぶんぶんと首を振る。
「これでいいのだ……吾輩が自分で決めたことだ……」
 そう思いながらも、机の上の本を開くことは出来なかった。
 フィリップから、警備の情報と引き換えに得た本。
 真実を目にしてしまえば、知る前には戻れない。
(未来からもたらされた知識……)
 本来は今、ここには存在しないはずの知識を、自分が詳らかにしてしまってもよいのか。自分のためだけに使うのであれば、問題はないと言えるのか。意図せず自身のものとして世界に放り出されてしまわないか。自問する言葉はいくらでも心の底から浮かび上がってくる。
「……しばらく何か違う本でも読もう……」
 再び窓の外を見ると、兵士たちが駆け出し、叫び合う声がした。敵襲……? 今、敵襲と言っていなかったか? 背中を汗が伝う。
 窓の外に身を乗り出して、メガネを押し上げる。目を細め必死で夜闇を見た。
 斜面を敵がやってくる。しかし、何か妙だ。あの集団はどうしたことか、どいつもこいつも大きく頭を左右に振り、各々が方方によろめき歩いて、統率が取れていないように見える。雪に足を取られ倒れる、しかしその横から、また別の兵士が立ち上がる。そうして、起き上がった者が列に加わり、数が見る間に増えていっている。ラウニやソルデの進軍にしては、不自然過ぎる集団だ。
「あれは……?」
 深いため息を漏らし、背後の物音にスヴェンは振り向いた。
 室内に、フィリップが立ち尽くしていた。昼間に姿を消した時とは打って変わってげっそりと痩せこけた印象で、左肩を押さえている。
「おお……」
「ここはもう危険だ」
 フィリップは微かに震えた声でスヴェンに告げた。
「何が起きてるんだ?」
「襲われた。ゴットフリートに出くわして、その後どこからか猟犬のようなものが現れた」
「ゴットフリートと?!」
 スヴェンは思い出した。ゴットフリートは酒を飲んでは城外を機嫌よく散歩することがある。そんなに頻繁ではないので失念していが、まさか、今日に当たるとは……。伝えなかった事に対する罪悪感がほんの一瞬だけ芽生えたが、すぐにそれは顔を隠した。
 スヴェンを見つめて、フィリップは右手を離した。その下には、あるべきものがない。
「腕、が……」
 切断されているわけでもない。ただ、不自然なほど委縮し、形を変えていた。
 恐ろしくて息を飲む。
「分からない。猟犬に刺されたあとで、こうなった」
 スヴェンは目を白黒させて、カチャカチャとメガネを直した。
「刺されたんだ。あの長い舌で……肘の上の辺りをやられたと思ったら、腕がこうなった」
「し、知らない!そんなおかしな犬がこの雪山に出るなんて聞いた事がない!私は知らなかった事だぞ!? ご、ゴットフリートの事だって…!」
 スヴェンは必死に、大げさな身振り手振りで弁明した。
 フィリップは探るようにスヴェンを見ていたが、やがて息を吐いて項垂れた。
「……ゴットフリートの方に猟犬の注意が向いて、その隙に長距離転移の準備が出来た。今頃、ゴットフリートも城塞のどこかに移せたと思う」
「なんてことだ……今、外が大変なことになっているようだ。君が何かしたわけではないのか?」
 スヴェンのどこか切羽詰まった様子に、フィリップは首を傾げた。それを見て、スヴェンは腕を突き出して、研究室の窓の外を指差した。
 フィリップは、山の斜面から兵士たちの屍体が起き上がる光景を目にした。
 そして、慄いた。
 遠くから音がする。うめき声が重なり合い、波のように城塞に押し寄せている。
「これ、は……」
「信じられないだろうが、ここから見る限りでは、斜面の戦死者が起き上がっているように見える。そうとしか思えん。雪の下から出てきて、城塞に向かってくる……お前がやったんじゃなかろうな?」
「……屍体が、起き上がった……? それは…」
 スヴェンは不服そうにメガネを押し上げた。
「死体が起き上がって、この城を攻めてきている」
 スヴェンの言葉を聞きながら、フィリップも窓の外に身を乗り出した。
 信じられない。
 さきほどまでフィリップは、ゴットフリートとあの猟犬と共に斜面にいた。猟犬に襲われ、命からがら城塞まで転移してきた。
 しかし……、斜面からやってきているものは、猟犬ではない。先程雪の下から掘り出した兵士の屍体と同じ防具を着込んでいることが、月明かりに照らされて垣間見える。
「外で何があった? 一体何が起きている!? 未来から来たのなら、この城塞の歴史は知っているのだろう? 何があったのだ、あれはなんなんだ、このあと何が起きる!?」
「そんな…… 知らない、こんな事、僕は…」
 城内では悲鳴まで上がり始めている。
 フィリップは真っ直ぐと城塞に向かう屍者の群れを見る。ひとつひとつ小さな点に見えるが、それが幾千も動き始める。
 ありえない。
 だが、フィリップは屍者がひとりでに動くことがある前例を知っている。
 世界の秩序が崩壊した日から、覇王の呪いを受けた屍者たちが立ち上がり、人々を襲い始めた。フィリップとグレーテルは、その屍体たちとこれまで戦ってきたのだ。
 全てが始まったあの日の情景によく似ている。
 ただ、ありえない。フィリップが知っている歴史では、この時期は人間同士の小競り合いこそあったが、まだ覇王は目覚めていなかったはずだ。屍者たちも、まだ起き上がってきてはいなかったはずだ。
 だから、今こうして屍者がひとりでに動くなんてことは起こりえない。
「どうして……」
 フィリップは言葉を飲み込んだ。
 間違いない――あれは覇王の呪いを受けた者達だ。始めこそふらつきながら斜面を這い上がってきてた屍者たちの動きは見る間に活性化されていき、兵士たちの数倍も速く、そして生身の人間では考えられない力強さで兵士たちを易易となぎ倒す。兵士たちは木の葉のように簡単に弾き飛ばされていく。ただの屍者操作、ゾンビの類でできる芸当ではない。Buriedbornesの術を受けた者だけに見られる、人間を超えた動き。
 屍者には感情がない、痛覚もない。限界を超えて動き、破壊され動けなくなるまで何度でも立ち上がる。
 人間は疲弊する。今までの戦場とはかけ離れている事態に混乱している。倒れても何度でも起き上がる怪物に対して抱かれる感情は、恐怖でしかない。訳も分からず、城の者達は圧倒的な力を持った屍者たちに蹂躙されていく。悲鳴がブラストフォート城塞を支配している。
 これは、あの日と同じではないか。
 忘れることのできないあの日に。
「フィリップ、何が起きているんだ!」
「僕には分からない、何も知らない」
 狼狽し、迫るスヴェンを突き放した。よろめき驚いて目を見開いたスヴェンに、フィリップは胸が痛んだ。まだ何も確信はないが、他に理由が考えられない。これは覇王の呪いだ。フィリップたちが立ち向かっている困難とあまりにも酷似している。
 まさか、自分がここに来たことで、自分が受けている呪いをこの時代に広めてしまったのではないか?
 それをどう伝えれば良い?また伝えたところで、何ができる?
「……ん? 何か臭わないか?」
 スヴェンが怪訝そうに声を上げた。
 フィリップは、心臓の鼓動が跳ねるのを感じた。
 この臭いを、フィリップは一度嗅いでいる。
 咄嗟に周囲を見渡して、机の角から青黒い煙が細く漏れ始めたのを見つける。
(いけない……! あの猟犬がくる!)
 フィリップは確信した。これ以上、この時代にいることはできない。
 全ての謎に、この場で答えを出す時間はもうない。閉鎖時空間を開く呪文の詠唱を始める。
「フィリップ!」
 発生させた時空の”扉”に、自ら飛び込んだ。
「これから何が起こるかだけでも…!」
 スヴェンの悲痛な叫び声がこだましたが、最後まで耳にする事はできなかった。
 ――何かを考えている暇もなかった。
 フィリップには、スヴェンを置き去りにし、現在へ逃げ帰る以外の選択肢はなかった。
Tumblr media
~つづく~
原作: ohNussy
著作: 森きいこ
※今回のショートストーリーはohNussyが作成したプロットを元に代筆していただく形を取っております。ご了承ください。
旧き世に禍いあれ(4) - “悔恨”
「ショートストーリー」は、Buriedbornesの本編で語られる事のない物語を補完するためのゲーム外コンテンツです。「ショートストーリー」で、よりBuriedbornesの世界を楽しんでいただけましたら幸いです。
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hinagikutsushin · 5 years
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賽は投げられた
 ヒュー、ヒュイー。
 口笛を吹くような音を立てながら入ってくる隙間風。寒くて布団の中に入り包まる。もう一眠りしようかと思ったが、なかなか寝付けず目の前にある温もりに顔をくっつける。するとそれに気づいた彼が、そっと腕で私の体を寄せた。
 トモエの家に泊まったあの日から何日が経っただろうか。随分と冷え込むようになり、色付いた葉は地面を赤色や黄色に飾った。
 ―—時は既に、秋が終わる頃だ。
 いつも通りの朝だった。起きた後、私たちは普通に朝食を摂り、今日は寒いからとサクの所の近侍さんから頂いた茶葉で茶を淹れ、二人で他愛のないことをぼそぼそと話していた。そろそろ薩摩芋が美味しくなるだろうな、いつ食べようか、とか、そういう取り留めのない話だ。
 暫く話していると、ヒナギは朝食の片づけをする、と土間の方へ行った。因みに私は以前土間で手伝いをしようとしたが、危なっかしくて見ていられないという理由で部屋に返されたことがある。遺憾の意。
 暫く土間の方で洗い物をするヒナギを見ながら、足をパタパタと揺らした。この足も随分と良くなった。最近は杖なしでも歩けるほどだ。
 つまり決断の時期はもうすぐそこまで来ているという事で。
 随分と悩んだが、私は出来うることならヒナギの側にいたい。隣で、今までの恩を返していきたい。そして記憶も戻れば万々歳だ。
 ……正直、記憶に関しては諦めかけている。でも、こうして彼と、そして里の友人たちと他愛もない話をしたりしてのんびり過ごせるのなら、記憶なんぞ戻らなくてもいいのではないかと考えてしまう自分がいる。
 実際私は今、幸せを感じているのだから。
 かさかさと枯葉を踏みこちらへとやってくる人の音が聞こえた。軽いがしっかりとした歩み。それがツグモネのものであると分かった私は、部屋を出て玄関の戸を開ける。すると彼女は戸を叩こうとしたのか腕を若干あげ、こちらを少し驚いた様子で見ていた。
 ヒナギも丁度洗い物が終わったらしく、私の方へ近寄り、誰が来たんだと、戸の方を向く。
「ツグモネじゃないか。突っ立ったままで何をしているんだ」
「……いえ、戸も叩いてないというのにヤスヒコくんが戸を開けたものですから」
 では、お邪魔しますよ、と再びにこりとした笑みを浮かべて家に足を踏み入れた。
「ヤスヒコくん、元気でしたか?あの日以来ですねぇ」
 そろりと頷けば、足の方をちらと見て、またその笑みを深くする。久しぶりのツグモネの笑みは中々なんというか、やはり胡散臭い。
「随分と久しぶりじゃないか、何をしていたんだ」
「なに、少し野暮用でここを離れていたのですよ。それに、ヤスヒコくんの傷はすでにあの時にはふさがっていましたしねぇ、残すは歩く訓練だけでしたので」
「それにしちゃあ挨拶もなしに」
「おやまぁ、私が挨拶もなしに消えることなんぞ一度や二度じゃないでしょうに」
 それもそうか、とヒナギは軽くため息を吐き、ツグモネと私を部屋に上がらせた。
 慣れたように座布団を引き寄せそこに座り、重たげな大きな薬箱をいそいそと降ろした彼女は、部屋の入り口で突っ立っている私を手招きし、自分の前に座るように言った。
 もしかしたらこれが最後の診察になるかもしれない。緊張してヒナギの着物の裾を握ったが、ヒナギはその裾をゆるりと解いて私の背を押した。
 不安になって顔を見上げたが、ヒナギはいたっていつも通り、凪いだ表情をしていた。
「ヤスヒコくん、おいでなさいな」
 痺れを切らしたように私を呼んだツグモネに、私は渋々と歩み寄り、目の前に座った。
 ツグモネは以前のように私の足を触ったり、少し押してみたりして診察をしている。ひとしきり触って、私に部屋の中を歩いてみてください、だとか、その場で跳ねてみてください、だとか言い、その通りに私が難なく動くのを確認すると、大きく一つ頷き、弓なりに瞳を細めて笑った。
「もう問題なさそうですねぇ、言う事なしの完治ですよぉ」
「そうか。よかったな、ヤスヒコ」
 ふっと安心したように笑うヒナギに、私はそのまま勢いよく抱き着いた。そんな私をぎゅっと抱きしめた彼。しかし、その体はいつもより堅く、ぎこちないような気がした。
「それでは、約束通りですよ、ヒナギさん」
「……あぁ」
 そういうと、ヒナギは私をそっと自分の体から引きはがして、ツグモネの方へ背を押した。
 なぜ、と思い彼の方を振り向く。やはりいつも通りの凪いだ表情だ。でも、いつもより表情が読めない。
「どういう、こと」
「ヒナギさんとお話してですねぇ、怪我が治り次第私がヤスヒコくんを安全に過ごせる場所へと案内するという事にしたのですよ」
「そ、んな、知らない」
「すまないな、ヤスヒコ。でも決まったことなんだ」
「大丈夫ですよヤスヒコくん、私がちゃぁんと手配しましたし、実際に行ってみて安全性は確かめてますので」
「そういうことじゃない!」
 私はいつもよりも大きな声でそう反論すれば、驚いたようにその見開いた眼で二人は私を見た。
「わたしは、わたしはヒナギといっしょにいたい! どうして、どうしてわたしには何も言わずにそんなこと……!」
 私が堪え切れずそう口に出すと、ヒナギはさらに大きく目を見開き、そして俯き、私に背を向けた。
「ヤスヒコ、ここは危険だ。サクの所でこの山の事は少し調べたろう。神、あるいは主という管理者がいない霊峰とその周りは何が起こるか分からない。里を見てきたお前さんならわかるだろう。ここに未来はない」
「だけど、ここにはトモエやロクだっている!それにあたらしい友達だって……!」
「遠い地で生きたほうがいい。ここにいた事は忘れなさい。あの子たちには私が上手く言っておく」
「でも!」
「ヤスヒコ!!」
 彼の怒声で、部屋がビリビリと唸った。初めて聞くヒナギの怒鳴り声に私は体をこわばらせ、未だ背を向ける彼を見た。
「怪我が治るまで、だったはずだ、お前さんを見るのは。その傷が治った以上、私がお前さんの面倒を見てやる義理はない」
 言葉を失い、私はその場に立ち尽くした。完全なる拒絶だった。ヒナギはこちらに目も向けず、ずっと背を向けたままだ。
 何も考えられない。心に穴が開いた気分だった。ただただ、彼を呆然と眺めることしかできなかった。
 気づいたら、ツグモネが私の手を引いて、外に出ていた。
 ヒナギの背中が目にこびりついて、離れなかった。
 ツグモネに手を引かれ、山道を歩く。足元を見ながら俯いて歩いていると、彼女がふと、休憩を挟もうと提案してきた。力なく頷き、くたりと地面に座った。ふと空を見上げたが、どんよりとした曇り空で何とも気が滅入る。そんな中でも精霊たちはふわふわと光りながら空中を漂っていて、私はぼうっとその光を眺めた。
 ――面倒を見てやる義理はない、か。確かに彼の言う通りかもしれない。取り合えず怪我が治るまで、という話だったのだ。知らない間にもしかしたら私が彼に迷惑をかけてしまったのかもしれない。
 でもそれにしては急じゃないか。今日の朝までは普通だったのだ。今まで通りの、変わらない日常だったのだ。
 何かが、引っかかる気がしてならない。
「ヤスヒコくん、そろそろ行きましょうか。山を越えたらすぐですよ」
 そう言ってツグモネは私の手をひっぱる。拍子に歩みを進める。どこか有無を言わせないような、そんな態度だ。
 暫く彼女に手を牽かれ歩きながら思考を巡らせる。あの日、彼に拾われた日から何が変わったか、気になることはなかったか。
 まず、身体的な事。怪我はほぼ既に完治している。傷は残ってしまったが、問題なく歩けるし、なんなら走ることもできるようになった。そして、怪我が治るにつれて、目も、耳も、鼻もよくなった気がする。見えなかった精霊やお隣さんが見えるようになった上、足音で誰か分かるようになったし、微かな匂いも嗅ぎ分けられるようになった。元々鋭くて、怪我をした拍子に鈍くなり、それが治ったのか、それとも怪我やツグモネの言った通り、山神の影響でそうなったのかは定かではないが。
 そして、肝心な記憶と、そして自分と山神の関係について。これにしてはもうさっぱりだ。そもそもの話私はこの短期間で文字を読み書けるようにはなったが所詮習いたてでサクが読むような書物は読めるはずもない。分かったのはここの山神のほんの少しの情報と、そしてヤスヨリから聞かされた悲惨な日の話だけ。情報だよりに思い出そうとしても、私がヒナギに拾われたその前の記憶は延々と走っていることしか思い出せず、他はやはり分からない。
 ……そう、読めるはずがない。皆知っていたはずだ。私は文字が読めない。読めたとしてもとても遅い。ではなぜあの日を経験したヒナギもトモエもサクもロクも私に口頭で何も言わなかったのだろうか。ヒナギに聞けばはぐらかされ、トモエに聞けばそのころの書物を持ってくるだけ、ロクはすさまじい日だったとしか言わないし、サクはにやにやと笑うだけだ。ツグモネだってそうだ。私と初めて会ったあの日、私と山神の関係性を示唆した以降は何一つ教えてくれやしない。彼女は何かを知っているはずなのに。今まで口であの日の事を詳しく教えてくれたのはヤスヨリたった一人だ。
 そして今日の突然の拒絶。ヒナギの性格ならあんな強い拒絶はしないはずだ。あの人は、酷く優しい人だから。
 よもや、皆は何かを私に隠しているのではないか。それも、私の記憶に関する何か良くないことを。
 そこまで考えた私は歩みを止め、掴まれた手首を思い切り下に振り下げた。
 あまり強い力で握られていなかったそれは簡単に外れ、そして前を歩く彼女がこちらに振り替える。
「ヤスヒコくん?どうしたのです。手をつながないと迷子になりますよ」
「ツグモネ、話をしよう」
「なんの話です?話すことなどないでしょう」
「ツグモネは、いや、あなたたちはわたしに何をかくしているの」
 瞬間、彼女から漂う空気が変わった。
 大きく目を見開きこちらを見る彼女。灰色に濁った空色の瞳を再び弓なりに細めれば私の手を掴もうと寄ってくる。
 後ろに一歩進めば、彼女も前へ一歩近づく。繰り返せばついには木に道を塞がれ、逃げられなくなった。
 彼女はいつのまにか笑みを浮かべることを止めていた。こちらをじっと見つめている。
「何故逃げるのです。ヤスヒコくんは今から安全な地へ向かうというのに、なぜそんなにも躊躇いがあるのです」
「質問に答えてない」
「その質問に答える意味などありません。あなたはこの地を去るのだから」
「わたしがこの土地にいることで何か良くないことでもあるの。ヒナギもツグモネもヒスイのとこもロクも、ツグモネだってそうだ。わたしのきおくをさがすふりはするけど、明白なじょうほうは絶対にわたしてくれない。まるで、わたしがきおくを思い出すことは、この土地にずっといすわることはきんきなんだと言わんばかりに。  わたしに、なにを、かくしてるの」
 彼女はついに、目に見えてわかるように顔をゆがめた。そして吐き捨てるようにして言い放った。
「そうよ、私たちはあなたに隠し事をしている。私たちは、特にヒナギはあなたがどうして記憶を失ったのか、どうしてこんな現状に陥ったのか全てを知っている」
「じゃあどうしてそれをッ」
「言わなかったかって? 言ったでしょ、知る必要がないからよ!」
 彼女の顔が次第に険しくなる。いつものあの優しい声色はいずこへ、厳しく、そして今までの鬱憤を吐き出すかのように声を荒げ、鋭い犬歯をむき出しにし、こちらを睨みつける瞳は次第に人外のような、縦に割れた瞳孔へと変わっていく。
「そもそもの話私は彼が貴方を自分の元に暫く置くという事自体賛成しなかったわ。 あの時あなたをあちらへ送ってしまえばよかったのに、怪我が治るまでは面倒を見たいだなんて我儘を言って事態をややこしくしたのよあの愚か者は!」
「ヒナギのことをわるく言うな!」
「悪く? 悪くですって?! 私は事実を言ったまでよ。 そうすれば貴方は記憶に悩まされなくて済むし、ここまで人外化することもなかった! ヒナギはあなたの代理として山に還る筈だったのに、これじゃあ元の子もないわ!」
「どう、いうこと」
 私の代理? ヒナギが?
 私がしどろもどろとしていると、彼女は私に大きく詰め寄り、獣化した手で私を大木に押し付けた。胸を押され軽くせき込む。目の前を見ると、恐ろしい形相をしたツグモネが私を射抜いていた。
「そんなに知りたければ教えてあげるわよ。あなたは山主様に育てられた人間、そして奇しくも主の適正があり、山に生を捧げなばならない者。それを哀れんだあなたの本当の父であるヒナギが身代わりとして、主の力を請け負ったのよ」
「彼はこの山を立て直したら命をもって力を返上して新しい主様を迎えるはずだったのに、久しぶりに見る自分の子に目が眩んで匿うだなんて! 元々神域で暮らしていたせいで妖に近いあなたがあの均衡が崩れた霊峰にいては、いくらあの方の力をもってして記憶を封じて人間にいくら近づけさせたとしてもあちらに引っ張られて人外化するだけなのに! 人間として生きて欲しいあの方の願いはあの愚か者によって壊されたんだ!」
 あまりの情報量の多さにだんだんとツグモネの声が遠くなる。
 私が山主に育てられた人間で、でも妖に近い存在になってて、ヒナギは私の本当の父親で、そして私がしなければいけないことをヒナギがしていて、そしてヒナギは、ヒナギは、
 ヒナギは死ななければならない?
「――はなせ!!」
 私は思い切り彼女の腕をひっかいた。すると、反抗するとは思っていなかったのか力が少し緩んだ。その隙にすり抜けようとしたが、今度は頭と背中を地面に押し付けられた。肺の空気がすべて出されて苦しいし、地面に強打した頬が擦れて痛い。
「こうなったら無理矢理にでも……!!」
 唸るように言ったツグモネの手がだんだんと重く、大きくなるのを感じた。恐らく変化が始まったのだろう。彼女は本気だ。変化が終わったら私を咥えるなりなんなりして連れ去るだろう。そうなってはもう遅い。
 圧迫されて膨らみ切れない肺に精一杯空気を入れ、思い切り叫んだ。
「おとなりさん!!」
 そして、暗転。
 目を開けると、霧がかったあの場所にいた。以前より精霊が増えただろうか、地面には天の川が流れているような光が溢れ、まるで星空の中にいるような気分になる。
「危ない危ない、もう少し離れてたら連れてこれなかったよ」
 耳元で突然幼い子供の声が聞こえた。振り向くと、にこにこと人のよさそうな笑みを浮かべてこちらを見るお隣さんの姿があった。
 思わず彼女に抱き着く。彼女はそんな私をぎゅっと抱き留めると、優しく髪を撫でた。そしてゆっくりと体を離して私の頬をその小さい手で包んだ。
「可哀そうに、私たちの山の子がこんなにも傷ついて……」
「おとなりさん、ヒナギが、ヒナギが死んじゃう!」
「あの人の元に行きたいんだね、そうだねぇ、どうしようかなぁ……」
 彼女はそう言うと私の顔をじっと覗き込んだ。真っ赤な夕焼けの様な瞳が私を射抜く。その妖しさに目を奪われるも、ぐっと目を瞑り、そしてまた見つめ返すと、彼女は本当に嬉しそうに笑った。
「やっぱり私たちの山の子は本当に可愛い! このまま連れて行ってしまいたいくらい! でも今そんなことしたらあなたは怒っちゃうものね、そうだよねそうだよね!」
 私から離れてくるくると空中を踊るように回ると、再び近づいて私の手を取った。
「本当ならすぐ対価を貰うんだけど、今回は特別! 近道を教えてあげる!」
「ほんとうに……?!」
「うんうん勿論! ほら、こっちだよ!」
 そうして私の手を牽く彼女を追いかけた。
 星降る夜を駆けて行く。光の中を掻き分けていく。無我夢中だった。少しでも早くヒナギの元に辿り着きたい一心だった。
 やがて辿り着いたのは樹齢何百年とありそうな大きな杉の木の元。太い根を張り、何千もの枝と葉を天へ伸ばしているそれは、雄々しく強かで、生命感溢れる姿のように見えた。
 圧倒される私の隣に立ち、彼女は木の幹をそっと撫でた。
「この木はね、私たちの木。私たちを生んだ木。この山の源。あの人は今ここの近くにいるよ」
「どうやってそこに行けば」
「こっちにおいで、幹に触れればいい。その時にあなたの会いたい人の事を思い浮かべるの」
 そう言われ、恐る恐���近づき、大木の幹に触れる。固い幹の奥から、トクトクと、まるで心臓が脈打つかのような感覚がして目を見開いた。
 そのままもたれ掛かるように全身を幹に寄せ、耳をぐっと押し付けて、そっと目を閉じる。その静かな鼓動を耳で、肌で、全身で感じる。大きく息を吐き、そしてヒナギの事を頭に思い浮かべた。
 ――お願いします、あの人の元へ私を届けてください。
 酷い立ちくらみがして、ズルズルとそのまま地面に座り込んだ。感覚が遠くなり、寸秒で徐々に戻ってきたかと思えば、あの低い静かな鼓動の音色は既に無く、変わりに小鳥の囀りが、枯葉の掠れる音が、澄んだ水の匂いが、そしてかぎ慣れない――血の臭いした。
 はっと目を開ける。そこは随分前ツグモネと一緒にヒナギを見つけたあの泉に浮かぶ孤島だった。後ろには杉の大木。ここに繋がっていたのか。
 ふらっとする体を木を支えにして無理矢理立たせた。血の臭いが濃い。彼の匂いもする。
 ドクドクと自分の心の臓が耳に残るほど大きく脈打っていて苦しい。臭いを辿り、孤島の裏側へまわる。
 でもそれを見た瞬間、何も聞こえなくなった。
 風で揺れる緋い髪。静かに閉じられた瞳。乾いた唇。土色になった肌。そして大きく裂かれた腹から溢れ出る、泉の水さえも染め上げんばかりの大量の赤と、彼を飲み込まんとする程に群がる蔓植物。
 殆ど飛び込むかのようにしてヒナギの元へ勢いよく駆け出した。血で汚れるのもお構い無しに彼に抱きつき、頬を触った。酷く冷たい。朝はあんなに暖かかったのに!
 顔を近づけると微かに息をする音が聞こえた。
「ヒナギ……!! ヒナギ、ヒナギヒナギ!!」
 何度も呼びかける。肩を揺らし、必死に彼の名を呼ぶ。もしかしたらまだ助かるんじゃないか。淡い期待と共に続ければ、ふるりと彼の睫毛が揺れ、瞼がそっと開いた。
 しかしその奥にあるのは琥珀色の瞳。
 思わず息を飲んだ。あの時の瞳だ。光を孕んだ目だ。
 虚ろな彼の瞳と私の瞳がゆっくりと交わり、乾いた唇が微かに開いた。殆ど囁くような弱々しい声が私の鼓膜を震わせる。
「迎えに来て、くれたのか……キョウカ」
「……ひな、ぎ?」
「あの子は随分と大きくなっていた……お前にそっくりだよ」
「ヒナギ、わたしキョウカじゃないよ」
「あぁ、でも目の色は私そっくりだったな……緋い、紅玉のような……」
「ヒナギ、ヒナギ、わたしだよ、ヤスヒコだよ、ねぇ」
「あの時、あの子のすがたを見て、よくが出たんだ……そばでみていたかった……ずっと、ずっと……いつまでも……」
 瞳が濁る。光が消える。鼓動が弱くなる。呼吸が小さくなる。瞼が閉じていく。あぁ、だめだ、まだ、まだ、もう少しだけ!
「あのこを、ただ、みていたかった」
 蝋燭の炎が消えるようだった。
 彼はもう私を呼んでくれない。その大きな体で抱きしめてくないし、大きな手で撫でてくれない。
 もう、私を見てくれない。
 酷い人だ。聞きたいことが沢山あるのに、勝手に1人で逝ってしまった。なんて身勝手で、不器用で、酷い親だ。
 目の前が涙で霞む。、込み上げる感情、酷く痛む目の奥と軋む心。もう、止まれない。
 彼の亡骸を抱いて号哭する。荒い獣のような泣き声は、私の声じゃないようで。でもどうすることも出来ない。
 全てが遅かったのだ。 ← →
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wata-8 · 5 years
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世界選手権2019 男子FS
2019.3.23.Sat
3/23、おれがさいたまスーパーアリーナで目にした羽生さんのあの魂の演技は、絶対に忘れたくない演技のひとつだった。瞼を閉じればまだ、あの会場の熱狂を、鳴り止まない拍手喝采を、心を揺さぶる彼の一挙一動を鮮明に思い出せる。けれど、どんなに忘れたくなくても、感情には鮮度があり記憶というものはすぐに劣化が始まる。その時どれほど衝撃を受けようと感動しようと、それらを同じ熱量のまま保持することは不可能である。だから、大事なことが抜け落ちてしまう前に、自分の記憶を辿れなくなってしまう前に、書き残しておこうと思う。
その日は男子の公式練習を見るべくここ数日よりも早くさいたまスーパーアリーナへ向かった。会場に到着するとおそらく同じ目的であろう人達で既に入場待ちの列が伸びており、自分の席に着くまで少し時間がかかってしまったもののなんとか最終Gに間に合った。リンクサイドに現れた羽生さんは、メラメラと静かに闘志の炎を燃やしているような、怖いくらいに集中した目をしているように感じた。この朝の公式練習中、羽生さんは曲かけ以外のほぼ全ての時間を、Originのスタートポーズから4Lo、そして4Sまでの流れの確認に費やしていた。しかしその4Loがなかなか良い形で決まらない。何度も、本当に何度も、同じ動きを繰り返す。練習時間が終わり氷を下りるようアナウンスされるそのギリギリまで、繰り返し繰り返し確認をしていた。そして氷上練習だけでは良いイメージを作り切れなかったのであろうか、iPadで動画を確認しイヤホンを耳に着けると、そのままリンクサイドでイメージトレーニングを始めた。約8分もの長い間、何か呟きながらリンクを指をさしてひとつひとつ確認し、ひたすらに身体を動かし続ける。会場中がその姿をじっと見つめていた。平昌オリンピック前に流れていたANAさんのCMを思い出す。
undefined
youtube
何度も何度も 何度も何度も
繰り返す 同じ動き。
それはまるで、
不純物を少しずつ捨てて
世界で最も純粋なものを
作り上げていく作業に見えた。
そうか。奇跡はこうやって作られていたのか。
目の前で何度も何度も同じ動きを繰り返す羽生さんは、今必死に奇跡のイメージを手繰り寄せているのだ。完治していない右足、彼が望む程積むことの出来なかったであろう練習量、SPでのミス、トップとの大きな点差、思うように行かない当日練習…挙げればキリがない程不安要素が沢山ある中で、たった一筋の光を探すように。それはまるで細い糸を小さな針の穴に通し、ひとつひとつの生地を丁寧に大切に縫い合わせていくような、途轍もなく緻密で繊細な作業だった。少しでもズレてしまったら、理想の織物には仕上がらない。その執念とも呼べる、勝利への渇望。彼は勝ちたいのだ、どうしても。そんな姿を目にしてしまったらもう、涙を止めることが出来なかった。こんなにもスケートを愛して、こんなにも血が滲むような努力をして、こんなにも勝つことに拘る羽生さんが、どうか思い描くままに滑ることが出来ますように、望むままの結果を手に入れられますように。どうか、どうか。おれは祈ることしか出来ないけれど。それでも、少しでも羽生さんの背中を押す力になれるように、羽生さんの勝利を心から願って、理想の演技が出来ると信じて、会場で精一杯応援しようと心に決めた。
最終Gの6分間練習。リンクサイドに選手達が現れただけで、会場の期待値が、熱量が、桁違いに高まっていくのを肌で感じる。最後にその姿を現した羽生さんは、恐ろしいほどに集中していて、静かに、しかし高温で燃える蒼い炎を全身に纏っているかのようだった。選手達がリンクインすると既に割れんばかりの歓声が会場を満たす。名前をコールされ会場をぐるりと一周見渡した羽生さんの目は、怖いくらいに鋭く研ぎ澄まされて、じっと勝利を見据えていた。一切の迷いがない、絶対に自分が勝つと信じてやまない、今までに何度も見たことのある目だ。勿論不安も心配もある。緊張で手が震える。今にも泣き出しそうになる。けれど羽生さん自身が絶対に諦めないのだから、貪欲に勝利を求めているのだから、応援する側が弱気ではいられない。羽生さんなら出来る、羽生さんなら絶対に大丈夫、おまじないのように何度も何度もそう心の中で呟く。4Loと4Sを何度も確認するその姿を、祈るような気持ちでじっと見つめる。成功率は決して高くはなかったが、決まったジャンプから良いイメージを掴めていることを信じる。あっと言う間に6分間が過ぎ、選手達がリンクから上がっていく。足早にリンクサイドを後にする羽生さんの背中が見えなくなるまで、頑張れ…!!!と心からの応援の念を送った。
1人、また1人と演技を終えて羽生さんの滑走順が近付く度に、鼓動が早くなり、指先が冷たくなり、掌に汗が滲む。自分の応援している選手が出場している試合というのは、何度経験してもまるで初めてかのように緊張してしまう。オーサーコーチと言葉を交わし握手をして、ブリアンコーチの手を握り、プーさんの頭をムギュッと撫でて、自分の名前をコールされた羽生さんがリンクの中央へと向かう。会場中から羽生さんを応援する声が降り注ぐ。バナーと日本国旗で客席が天井まで覆い尽くされる様は圧巻だ。おれも少しでも羽生さんの背中を押す力になりたくて、バナーを振りながら精一杯の大きな声で「がんばれー!!!」と叫ぶ。羽生さんがスタート位置に着くと、声援で満たされていた会場は水を打ったように静まり返って、その時を待つ。羽生さんがリンク中央にしゃがみ、手を伸ばす。
どうか、羽生さんの思うままに。
羽生さんがスッと立ち上が���手を広げる。ドン、ドン、と脈打つように身体を鼓動させる。始まった。まずは、練習で何度も何度も確認していた4Loが冒頭に来る。息をするのも憚られる程に緊張の糸が張り詰めている。羽生さんがその軌道に入り、加速していく。跳べる、跳べる、跳べる…!痛い程に両手を握り締めて祈る。…4Lo!!!降りた!!!大歓声が上がる。あれだけ苦戦していたジャンプを、何度も何度も跳んでは失敗していたジャンプを、本番でキッチリと決めてくる羽生さんのその精神力に、勝負強さに、執念に、早くもグッと熱いものが込み上げてくる。ここは続く4Sも決めて良い流れに乗りたい。羽生さんが再び加速していくと、会場中が息を潜めてその姿を見つめる。4S…!回転不足になってしまったが、何とか転倒せずに堪える。転倒せず回転も抜けずに4Loと4Sを冒頭で決められたのは大きい。悪くないスタートだ。間髪入れずにFCCoSp、そしてStSqへ。エモーショナルなステップ、そして殆ど助走なくそのままの流れの中で3Lo。複雑な入り方の為か着氷がやや伸びなかったが難なく決める。あっと言う間に勝負の演技後半だ。クワドを跳ぶために再度加速して軌道に入る。羽生さんなら絶対大丈夫…!!!握り締めた両手にも更に力が入る。完璧な踏み切り、跳んだ瞬間に成功だと分かる。鮮やかな4T。ここからはジャンプの基礎点が1.1倍になる。得点源である高難度のジャンプコンビネーション・シークエンスが畳み掛けるように続く。まずは拘り続けた4T+3A+SEQ。跳べ、跳べ、跳べ…っ!!綺麗に決めた瞬間、込み上げていた涙が目から溢れて止まらなくなる。続く3F+3Tもしっかりと決める。会場から湧き起こる手拍子にも期待が籠る。残るジャンプは1つ、3連続のコンビネーションだ。行けー!!!と心の中で叫ぶ。3A+1Eu+3S!!!意地で堪えてイーグルに繋げる。その姿に、何としても転倒するものか、意地でも全部決めてやる、絶対に自分が勝つ、という執念を感じて涙が止まらない。もう嗚咽が漏れてしまう程に号泣している。さあ、クライマックスのChSqだ。今日の席は400レベルのロングサイド。桜の花びらが舞うさいたまのリンクの上をイナバウアーで横切っていくオリジンさまが余りに美しくて。ハイドロブレーディングから流れるようにFCSSpへと繋げ、最後の要素であるCCoSpはプル様リスペクトの高速アップライトで締め括り、天高く左手を突き上げた。そして直ぐさま右手を力強く握り締め、拳で氷に触れた。
瞬間、超満員のさいたまスーパーアリーナの観客が爆発したように総立ちになり、会場が揺れる程の拍手喝采が羽生さんを讃える。平昌オリンピックさえも上回るのではないかと思える程の、熱狂。おれはこの光景が、見たかったんだ。
羽生さんの命の炎が燃える音が聴こえた気がした。魂の演技だった。羽生さん、本当に貴方という人は。ああ、この演技をこの目で見ることが出来て、この熱狂の渦の中にいられて、自分はなんて幸せなんだ���うと、また号泣したのでした。羽生さんが優しく笑って「ただいま」と呟いたのを見て、おかえりなさい、待っていたよ、戻ってきてくれてありがとう、素晴らしい演技をありがとう、と色んな気持ちが次々と溢れて涙が止まりませんでした。
FSの得点は206.10、総合得点は300.97。その時点での世界最高得点をマークして首位に立つも、直後に滑ったネイサンくんがSPに続きFSも完璧に滑り切り、世界最高得点を更に上回って2連覇を飾った。本音を言えば、羽生さんに勝ってほしかった。羽生さんの首に3つめの世界選手権の金メダルが掛かるところが見たかった。けれど、ネイサンくんが素晴らしい演技で羽生さんを上回ったことは事実で、あんなに熱い闘いを見せてくれたことを1スケートファンとしてとても嬉しく思ったのも事実。そして怪我明けの復帰初戦で、しかもシーズン大一番の試合である世界選手権で銀メダルを獲得した羽生さんは本当に素晴らしかったということも揺るぎない事実で、おれはそんな羽生さんを心から誇りに思います。
「負けは死も同然」
羽生さんが直後のインタビューで語った言葉ですが、とても羽生さんらしいなあと思いました。シーズン序盤には「結果は気にせず自分の為に滑る」と言っていた羽生さんが、原点回帰を掲げたプログラムと共にシーズンを戦い抜いて、そしてこの世界選手権を終えて、本当の意味で"羽生結弦"の原点に戻ってきたのだなあと個人的には感じています。自分のやりたいことを貫き通す、そしてその上で勝ってこそ、"羽生結弦"だなあ、と。誰よりも強くなりたい、巧くなりたい、他の選手が完璧な演技をした上で自分も完璧な演技をして勝ちたい、そんな圧倒的な勝利を望み更に進化し成長していく羽生さんを、これからも全力で応援していきたいなあと、羽生さんファンとしても原点回帰したような気持ちです。
「もっと練習したい」と泣きそうな声で呟いた羽生さんに、胸がキュッとなった。ただの1ファンには、直接助けになることは何も出来ない。だからせめて、どうか右足の痛みが少しでも良くなって、1日でも早く羽生さんの思うまま滑れる日が来ますようにと心から祈ります。
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pinoconoco · 5 years
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しあわせの在処
その男が訪ねてきたのは、事故を起こしてから半年ほど過ぎた頃だった。事故の関係者の方だと言われてしまえば、いくらメンタルをやられて鬱気味だろうと、面会を拒むことはできなかった。あの場所で1人生き残った自分に怨み辛みを言いたいのかもしれないし、けれどそれを跳ね返す事はできなかった。とはいえやはり気分は重く、治まりかけていた頭痛がまた始まった。
あの日の、物のように跳ねて転がった小さな女の子と片足を失って血塗れになりながらも女の子の方に這いつくばって傍に行こうとする女性の姿は未だに脳裏から離れない。自分は生きている限りあの日の悪夢から一生逃れられない。当然のことだった。
「今から荷物をまとめてくれ。明日から兄は我が家に入ってもらう」
会って直ぐ長髪の男は無表情にそう言った。
どういうことだと院長に顔を向ければ、院長は少しだけ困ったような、けれど薄く微笑んで頷いている。
「あの、どういう、ことですか?この方は‥」
「あの事故の身内の方だ。一護を使用人として雇うと仰ってくださったんだ」
「‥身内、の?」
「正確には身内になる予定、だった。だが彼女の妹を私が引き取った事で既に身内だろう」
「妹‥妹ってまさかあの時の、」
「妹は3日意識不明だったが、4日目の朝目を覚ました。かすり傷以外にどこも異常はなかった」
よかった、そうか、生きてたんだ!と思わず両手を目の前で組んで祈るようなポーズをとってしまった。まだ、赤ちゃんと言ってもおかしくなかった女の子。こんな小さな命まで奪ってしまったとあの時、自分も死んでしまいたくなった。
「でも、俺は‥ていうかなんで俺を‥」
自分が運転していたわけでなくとも、あの車の中に自分はいた。目の前で突然喧嘩をしだした先輩達に「危ないからやめてくれ」と注意はした。けれど結果はあの事故だった。
あの日は大雨だった。
夜だった、アスファルトに跳ね返される水飛沫で視界が悪かった、言い争いだけでなく運転席と助手席で掴みあう喧嘩をを始めた先輩達、紺色の傘を差してあの道を歩いていた女性と抱かれた娘、
ハンドルをとられスリップした車は女性を跳ねて回転して壁に激突した、というのは後から知った。覚えていたのは身体中の痛みと口に入ってくる血の味。そしておもちゃように転がってる小さな女の子とその子に手を伸ばす、足のない女性。あの降りしきる雨の中にありながら、べたりと朱色が残る事で彼女の足が今なくなったものだと理解すれば痛む身体は動いた。それでもいつものようには動かない。なんとか女性に追い付き「大丈夫ですか」とか何か声をかけた。彼女の身体は恐ろしいくらいに冷たく雨のせいだけではないのは明確だった。
「ルキ‥」
名前だろうか、女の子に手を伸ばす彼女の必死さに、ぴくりとも動かない女の子を連れてこようとするも激しい痛みに目が眩んだ。
「‥‥ルキ‥ァ」
「待ってて、今、」
なんとか彼女に希望を持たせなければ、そうでなければ、と這いつくばって女の子に手を伸ばした。とても小さく柔らかいが、冷たい身体はもう生きてはいないと思った 。
女の子を抱えて、女性に抱かせようとしたところまでしか記憶はない。
目を覚まして自分が生きている事に、自然と涙が溢れた。自分以外の生存者はいないとわかった時は涙でなく胃液が溢れた。
着いた家は個人宅でありながら、自分が住んでいた施設よりも広く、更に漫画の世界だけかと思っていた「お手伝いさん」という類いの人間が数名いた。
「今日からここで働いてもらう、黒崎一護だ。担当は「ルキア」だ」
「白哉様!? 正気ですか?」
「彼はベビーシッターか何かですか?」
一斉にざわつくも、男は動じることなく頷いた。 俺を雇った男は朽木白哉といって、全国展開している大手物流「朽木ロジスティックス」会長の孫だった。
あの時の女性は朽木白哉の婚約者だったという。そしてあの小さな女の子は婚約者の年の離れた妹だった。姉妹には身寄りがなく、本来結婚したら妹は朽木家に戸籍を移すことになっていたらしい。
「ルキアお嬢様は大変な人見知りですから、このようななんというか‥あの」
真面目そうな眼鏡の女がそこまで言って口を閉じた。言いたいことはわかっている、こんなガラの悪い男に任せていいのか聞きたかったのだろう。
「皆、他に仕事がある。皆の手透きな時に面倒をみてもらおうと思っていたが、そのせいかルキアは誰を見ても泣くしなつかない。だからルキアを担当させる者を雇った。勝手がわからないだろうから皆教えてやるように」
白哉がそう言うと全員がかしこまりましたと頷いた。ではルキアの所に、と白哉が1人の男を呼び「連れていけ」と俺の背中を押した。
長い廊下を、男の後ろについて歩いていれば
「黒崎さんは」
と、男が振り返った。
「はい、」
「おいくつですか?」
「今年18になります」
「あ、じゃあ僕と年が近いですね、嬉しいなぁ」
へらっ、とその男は先程のおどおどとした表情を崩して笑った。確かに何人かいたお手伝いさんと言われる人達は皆、30から40は越えているベテランのように見えた。
「僕は花太郎っていいます、えっと専門はお掃除とあと、朽木会長の薬の調合とかです」
「へぇ、すごいんですね」
「すごくなんかないですよ!会長は怖いですしね、だから飲みやすいお薬調合するのとか結構大変なんです‥この屋敷内で怒鳴り声が聞こえたら、僕が怒られているんだと思ってください」
若干自虐的な言い方だが本人も笑っているし、自分も少し笑ってしまった。
「あ、笑う方がいいですね、黒崎さん」
そう言われて、笑うことが久しぶりかもしれないと思ったが、それは言わないでおいた。
「ルキアお嬢様入りますよ」
コンコン、とノックをしてから扉を開ければ、そこはまるで御伽の国のような部屋だった。全体的にパステルカラーで天井からは何か飾りが吊るされている。壁には淡い色彩で虹が描かれている。天涯ベッドが中央にあり、部屋はいろんなおもちゃで溢れていた。
「は~な~ちゃぁぁん、やっと交代してくれんのぉ?」
「いえ、僕でなく、今日から専門の方が来てくれることになりましたよ!黒崎さんです」
「へ?ヤンキー?」
またか、と顔に出さずに心でため息をつく。そう言われる事は多々あるから慣れている。天然のこのオレンジの髪の毛と目付きの悪さからいつだって素行悪のレッテルを貼られてきたから。とはいえ目の前の女性も似たようにしか見えないが。
「じゃぁ黒崎、早速だけどお嬢様よろしく~今ベッドの下で絶賛引きこもりお絵かき中だけどね~」
そう言うと女性は長い髪の毛を掻き分けて部屋から出ていった。
ほっといて欲しいのかこの女性が嫌いなのかどちらだろうと考えながらベッドの下を覗けば、真っ黒な髪の毛が見えた。
「‥ルキア?」
あの時の少女の名前はルキアというのは既に聞いていた。会��のは2度めになるが、あの日は「小さな女の子」としか記憶にない。それも既に死んでいるとまで思っていたから、その女の子にこうして会えるというだけでも泣きそうになるのを堪えて、名前を呼んだ。
「‥‥」
「出てこいよ、そこ、狭いだろ」
「‥‥」
少しの間をおいて、ゴソゴソと動く音が聞こえた。ん、しょ、と小さな掛け声と一緒にもみじまんじゅうのような小さな、とても小さな手が現れ、そしてルキアが目の前に姿を現した。
「よう、」
「‥‥」
不思議そうに俺を見上げる大きな瞳は不思議な色をしている。鼻水が垂れているからティッシュか何かないですか、と花太郎に聞けば、なんとこの部屋には温めたおしぼりのケースが常備されている。豪華だ。
「鼻、ふこうか」
自分の掌で熱さの確認をしてから鼻におしぼりをあてたが、嫌なのか(多分嫌なのだ)ルキアは「ぁち!」と大袈裟なまでに反応して首を振った。
「うそつけ」
「ゃぁぁん」
もう一回拭こうとすればルキアはグズって唇をへのじにした。なかなか頑固だ。
「あぁ、黒崎さん、ルキア様お鼻拭かれるのいやがるんで、しつこくすると泣きますよ」
後ろから花太郎のオロオロした声が聞こえる。だからといってほっとけば鼻水を舐めるし肌も荒れる。
「ルキアは大袈裟だなぁ~こんなの熱くないっておわぁぁ!?あちぃ!!」
自分の鼻におしぼりを当てて大袈裟に飛び上がる演技をすれば、ルキアと花太郎がぽかんと口を開けて固まった。
「あ、熱い!熱いなこれなんじゃこりゃぁ!」
腕や首におしぼりを当ててばかみたく大袈裟に熱がるふりをして転げまわれば、フフ、フフフとルキアが笑いだした。お、笑うと可愛いじゃねぇかと嬉しくなって、おしぼりが熱くて大変という演技をし続けていればルキアはケタケタと笑いだし、更に立ち上がると俺の傍にきてタオルを奪った。
「ダメだぁルキア!それ熱いぞ!」
もちろんもう熱いどころか冷めてしまったおしぼり相手にまだ演技を続けていれば
「あーじょぶ」
大丈夫、と言ったんだと思うルキアは笑いながら、自分の鼻におしぼりをあてた。
「お、すげーなルキアは。熱くねぇのか?自分で拭けるのか?」
「ん」
見てる分には若干物足りない拭きかたではあるが、今はそんなことはどうでもいい。なによりルキアが笑ったこと、動いたこと、喋れること会話できることに感動していた。
「すごいです、黒崎さん‥!ルキア様は絶対最初に泣くのに‥笑ってる‥さすがベビーシッターさんですね!」
「いや俺ベビーシッターじゃねぇけど‥‥」
孤児院育ちだから赤ん坊なんていつもそばにいた、慣れてるだけなんだけどと言おうとした時
「兄を雇ったのは、孤児院で下のものをよく見て世話をしているというのを聞いたからだ」
いつからいたのか、扉の所に朽木白哉が立っていた。
「事情聴衆した警察からも、孤児院の院長からも兄の話は聞いている。加害者側にいるもある意味兄も被害者になりうるのに、あの事故を背負って1人生きるのは辛くはないか」
「‥‥」
「兄の心の傷は誰にも消せないが、兄はこの先も生きねばならない。ならば同じくあの日を共に生き延びたルキアを育ててくれ。あの日生き残った兄はルキアを育てることが生きる理由にはならないか」
え?え?と花太郎が俺と朽木白哉の顔を交互に見上げる中、ルキアが俺の膝にちょこんと座った。その暖かさに、恨んでいるだろう、何か企んでいるのかもしれないとさえ思っていた白哉の言葉に
自分は生きていいのだ、生きる理由があるのだと、小さなルキアを抱き締めて、泣いた。
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kkagneta2 · 5 years
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生えてた妹
養子に来た妹にアレが生えてましたのんですけど、まあどうしませう?
従妹の絵梨奈が「妹」として家にやってきてからちょうど半年が経とうとしていた時分、両親を亡くした悲しみも薄れてきたのか、時たま顔に浮かべる笑みもずいぶん自然になっていたのであるが、「兄」の悠一は嬉しさよりも、溢れ出てくる気持ちにほとほと参っていた。元々ほんとうの妹のように可愛がるつもりで絵梨奈を家族に迎えたけれども、最近妙にその笑顔が可愛く見えて仕方がないのである。とは言っても、血の関係的には従妹なのだから、別にそういう感情が芽生えたとしても問題はないはず。……が、相手はまだ中学二年生になったばかりの少女なのである、況してや今では妹なのである。……いくら彼女が十センチ以上高いところから見下ろしてきても、いくら彼女が歳不相応の大人びた顔を見せても、いくら彼女がズバ抜けた知力で自分の立場さえ脅かしてきても、まだ高校生にもなっていない「妹」なのである。けれども惹かれてならない。悠一にとって絵梨奈はもはやただの妹では無くなりつつあった。いや、むしろ彼女が従妹であった時に戻りつつあると、そう言った方が正しいか。何にせよ同じ屋根のもとで生活を共にし続けることは、むやみに手出しを出来ない関係になってしまった以上、彼にとってこの家は単なる地獄でしかなかった。
事の始まりは半年前、日帰り旅行の帰り道に交通事故が起こり、絵梨奈の両親が死去したことに遡る。その時彼女はまだ中学一年生であって、不幸なことに祖父も祖母も旅立っていたことから、施設に行くしか道は無かったのであるが、そのとき絵梨奈の叔父・叔母として親族里親を名乗り出たのが悠一らの両親であった。彼らもまた、不幸なことに長女である子鈴を交通事故で亡くしていたし、それに絵梨奈の一家とは懇意であったから、この一人の可憐な少女を引き取るのは自然な成り行きと言えよう。
斯くして絵梨奈は新しい家族に暖かく迎えられることになったのであるが、初めは独り身となった悲しさと、こんな自分を拾ってくれた新しい両親に対する申し訳無さでおどおどとしており、むしろ彼ら両親の方が喜んでいたように周りの者には見えていた。だが誰よりも喜んでいたのは悠一であるのは間違いあるまい。子鈴の事を目に入れても痛くないほどに可愛がっていた彼は、新たな妹が出来たことに歓声をあげるほど喜んだ。七年間溜まりに溜まった思いで、たっぷりと可愛がってあげたい。兄馬鹿だとかシスコンだとか言われるけれども、求められれば何だってしてあげるし、邪険にされても別に気にはしない。子鈴にしてあげられなかった分、絵梨奈ちゃんには色々な事をしてあげよう。――そういう心づもりでいた。だが、久しぶりに目にした絵梨奈の姿を一目見るや、そんな純粋な喜びは消え失せていった。絵梨奈の体つきと顔つきは、中学一年生ながら彼の欲望を扇情するのに十分すぎた。
その時彼女の身長はすでに179センチあったらしく、思わず見上げたことに、まず悠一は打ちのめされた。また胸も大きく、若干13歳ながら自身の顔とほぼ同等の塊が、胸元でふるふると揺れ動くことも彼にはたまらなかった。そしてそんな成熟した体には不釣り合いなほど可愛らしく愛嬌のある顔の作りに、悠一は惹かれに惹かれて、儚い笑顔を向けられる度に顔が赤くなるのを感じた。絵梨奈は自分が思い浮かべる女性の理想像と言っても良かった。今ではもはや、妹の姿を目にするだけで己の雁首が膨らんでくるようになって、毎晩高ぶった気持ちを沈めなければ夜も眠れなくなってしまった。……
  ………そんな訳で、悠一は今日も自分を慰めた後、余韻に浸りながらベッドの上で寝転がっていたのであるが、ふと耳を澄ましてみると隣の部屋から何やら声が聞こえてきた、……ような気がした。隣と言えば元々は子鈴、今では絵梨奈の部屋である。悠一はふいに良からぬ考えが浮かんでベッドから立ち上がると、音を立てないようにそっと部屋を出た。電気もつけず真暗な中を、そろりそろりと手探りで声のする方に向かって歩いて行き、ちろちろと光の漏れ出ている部屋の真ん前に着く。声はそれでも良く聞き取れなかったけれども、いや、そこまで来て分かったのだがこれは言葉を発しているのではない。普段の彼女の声からするとかなり甲高く、何よりそこはかとない色気がある。悠一は思わず耳をぴたりと生暖かい扉に当てた。部屋を出た時には盗み聞きするなんて考えは無かったが、もしかしてと思うと好奇心が沸き起こって止まらなかった。すると聞こえてきたのは一人の少女が自分を慰める儚い声、相当に興奮しているのか苦しそうな息遣いも聞こえてくる。ニチャニチャと蜜がいやらしく騒ぐ音までもが扉を通ってくる。……彼はたまらずムクムクと自分のモノをおっ立たせてその声と息と音とに聞き惚れた。やがて声ならぬ声は、その湿っぽい色気を無くさず色々に移り変わって行き、とうとう何かを必死で訴えかけているような、そんな声になっていた。その時、
「あっ、………んっ、……ふぁ、……にい、さん。………」
と聞こえてくる。いや、そんな馬鹿な、と思ってギュッと耳を扉にひっつけると、
「ゆういち、……ゆういち、にいさん、………」
と今度ははっきりと聞こえた。途端に心臓が跳ね上がって、飛び上がるように扉から耳を離して、その声の主が居るであろう方向を向く。自分を呼ぶ声はまだ聞こえてくる。
「ま、まじで、……?」
そっと囁くと、バクバクと鼓動を鳴り響かせて、胸元を抑えて、俯いて黙り込んだ。にいさん、と言っても彼女は一人っ子だったし、それに、ゆういち、というのは自分の名前である、ならば、ゆういちにいさん、というのは不幸なことに出来てしまった兄のことであろう。何度聞いてもそう聞こえるから、聞き間違いではあるまい。いつしか座っていた悠一はすっと立ち上がって、ついドアノブに手をかけようとしていたけれども、ひとつ屋根の下で暮らす少女の淫らな姿を見る、ということの重大さに気がつくと、またそろりそろりと自室へと戻っていった。
やがて隣室から漏れ聞こえてくる声は、一層強い喘ぎ声がすると共に止んだ、悠一が気がついてから10分ほどであったが、ずいぶん長く感じられた。ガチャ……、と音がしたので息を呑むと、ペタペタと言う足音がして、一瞬間自室の前で立ち止まったような気がしたけれども、すぐに階段を下りていく音がする。
「ふぅ、……」
と息をつく頃にはすっかり静まり返って蚊の鳴く音すら聞こえない、ふと思い立ってカーテンを開けて、網戸も開けて、空を仰いでみると中々に綺麗な月が浮いている。――と、その時家の前にある道端に、キョロキョロと周りを見渡している人影が居た。
「んん? もしかして絵梨奈か?」
あの胸の膨らみは見落とすはずがない、それに着ているものだって、つい一時間ほど前に見た時のままである。どういうわけか、絵梨奈は両手に大きなビニール袋のようなものを引っ提げて、辺りを伺いながら西側、川のある方へ歩いている。
「なんだあれ、……」
街灯に照らされたその袋は真っ白い。だが目を凝らしても良くは見えず、そのうちに絵梨奈は隣家の影に紛れて見えなくなってしまった。先ほど感じていた胸の高まりはどこへやら、悠一はすっかり頭が混乱してベッドの上にバタンと倒れ込んで、絵梨奈の行動を考え始めた。――が、分からない。そもそもあの袋は何なのか、それを持ってどうして外へ行くのか、しかもタイミング的に自慰の後である、ますます分からない。悠一はあまり詮索するのも趣味が悪いと思って、その日はそれっきり何も考えず、ただ絵梨奈の艶めかしい声を思い出しながら目を閉じて眠った。
  以来、悠一は喘ぎ声が聞きこえるや、毎回耳を扉の前へ着けて、自分がするときのネタにしていたのであるが、やっぱり絵梨奈は自分の名前を呼ぶし、自慰をした後は必ずと言っていいほど玄関から出て、両手にビニール袋を引っ提げて、川の方へ向かうのである。自分を思いながら自慰をしてくることには、別に何ら不満は無い、むしろあんな綺麗な女の子に思われて嬉しくもある。が、やっぱりあのビニール袋の中身については非常に気になってしまう。見ていると、どうやらあの中には液体が入っているらしく、たぷたぷと揺れており、また、彼女は帰ってくる頃にはすっかり手ぶらで、そろそろと玄関をくぐり、音もなく静かに部屋に戻るのである、……ということはあのビニール袋に何か白い液体を入れて、川に捨てに行っているのだが、ますます分からない。
悠一はベッドから体を起こした。時刻は深夜の1時を回った所で、外を見ると絵梨奈が例の白い袋を手に提げて川へ向かうのが見える。彼女が帰ってくるまでには10分程度の暇があるので、一つ決心をしたした彼は、緊張で冷たくなった手をこすり合わせつつ、絵梨奈の部屋へ向かう。初めて彼女の自慰を垣間見た時にもドキドキしていたが、今日の方がある意味心臓は大きく脈打っているかもしれない。就寝中と札がかけられた扉の前で、大きく口から息を吸って、鼻で吐いた。以前は手をかけることすら出来無かったドアノブに手をかけ、ゆっくりと「妹」の部屋の扉を開ける。
――途端、悠一の鼻孔に生々しい嫌な匂いがこびりついた。それは余りにも艶かしくて、余りにも猛々しい、栗の花のような匂い。……どこか嗅ぎ覚えのあるその匂いに悠一は思考を奪われると、扉を閉めるのも忘れて膝を床に打ち付け、体を震わせた。知っている、俺はこの匂いを知っている、確か一度興味本位で使った後のティッシュを嗅いだときに、……あゝ、そうだ、精液だ。人間の精液の香りだ。だが、どうしてこんなに強く、しかも「妹」の部屋に充満しているのか。たまらずドサッとその場に倒れ込んで、震える手を股間にやると、これまでの人生で感じたことがなかったほどに、自分のモノがいきり立っている。もう訳がわからない。「妹」の部屋に忍び込んだと思ったら、雄の匂いで立っていられないし、そんな雄の匂いでこれ以上無いほどに興奮してしまっている。自分にはそっちの気は無かったはずだが、悠一は「妹」の部屋に充満している精液の匂いをおかずに、己のモノを激しく擦った。
射精まではものの10秒にも満たなかったが、開け放たれた扉から匂いが去っていったこともあって、一度出してしまうと次第に落ち着いてきたようである。ベッドの脇にあったティッシュを数枚取って、床に飛び散った自分の精液をさっと拭いて、いつもしているようにゴミ箱の方を見る、――途端に固まってしまった。ゴミ箱の中には、男子中学生もここまではしないであろうかと思われる量の使用済みティッシュが、まだぬるぬると濡れながら山盛りになっている。
「へっ? ……」
思わず覗き込んでみると、またもや雄の匂いで崩れ落ちそうになった。咄嗟に顔をゴミ箱から離して立ち上がる。と、その時絵梨奈が持っていた白いビニール袋が脳裏をよぎった。……「妹」の部屋から夜な夜な聞こえてくる喘ぎ声、絵梨奈の持つ白い液体の入ったビニール袋、部屋に立ち込める雄の匂い、そしてこの未だに濡れている大量のティッシュ。――もしかして、……いや、そんなことはあり得ない。絵梨奈は女の子である。いくら背が高くたって線は細いし、以前うっかり触れたおっぱいの柔らかさ暖かさは本物であったし、声だって男とは思えないほど麗しい。それにあんなビニール袋いっぱいに、それも二袋や三袋をいっぱいにするほど出せる人などこの世には居ない、一生かかっても出せない。その時、ギッ、ギッ、と何者かが階段を上がってくる音が部屋にまで聞こえていたが、悠一はついつい考え込んでしまって、全く気が付かなかった。
「ゆ、悠一兄さん。……」
かさりと音を立てて、川の水で濡れたビニール袋を落としたその顔はこの世の終わりかのように青ざめている。
「絵梨奈、……あっ、ご、ごめ、――」
「にいさ、――も、もしかして、あっ、ふぁ、………」
と大きな体を小さく縮こませて、わなわなと肩震わせて、泣き崩れたけれども、悠一はどうすることも出来ずにただ突っ立っているだけであった。
「ごめんなさい、ごめんなさい。私、……私、………」
「絵梨奈、……えっと、謝らなきゃ俺の方だから、――ごめん。」
「いいえ、ごめんなさい、ごめんなさい。……」
と次第にわっと泣き始めたのであるが、悠一にはなぜ彼女が謝ろうとしているのか分からなかった。それでも何とかしなくてはとは思ったのであろう、背中をすりすりと優しく擦ってあげて、分からないなりにも彼女をなだめようとした。
「えっとね、兄さん」
ちょっとして落ち着いた絵梨奈が、背中を擦られながら口を開く。
「うん?」
「私、兄さんたちに絶対に言わなきゃいけないことがあったんです。でも、でも、……」
あゝ、ビニール袋とかゴミ箱のこととか、それのことなんだな、と思ったが、静かに隣に座して待つ。
「私、ふたなりなんです」
「ふ、ふたなり?……」
耳慣れない言葉に悠一はつい聞き返した。
「そうです。聞いたことありませんか?」
「…いや、無い。今初めて聞いた」
「あっ、えっと、……一言で言うと、――」
と悠一の股間を指差す。
「それが生えてるんです」
「へっ?」
「だから、その、……女の子なのに、おちんちんが生えちゃってるんです。……」
と言う顔は今にも走り去って行きそうなほど赤い。彼女は生い立ちから今に至るまで、その男性器について所々ぼかしながら様々なことを語った。悠一はぽかんと口を開けてその話を聞いていたが、自身の男性器が理由でいじめられた時のエピソードには、さすがに耐えきれず遮った。
「でもさ、それでも、そのビニール袋は一体何なの……?」
「出したせ、…精液をこれで受けるんですよ。でないと、――」
「へっ? 普通ティッシュで受けるんじゃ、……?」
「えっ、ティッシュなんかで間に合うんですか?」
「ん?? どういう?」
と絵梨奈は何かに気がついたようである。
「えっと、……兄さんってどうやって、出したのを処理してるんですか?」
「どうやって、って言われても、……普通にティッシュを二三枚取ってこう、……」
「あの、……兄さんのってそんなに少ないんですか?」
おずおずと聞いてくる。
「少ないって、……たぶん男としては普通の方だと思うけど」
ここでようやく悠一も何かに気がついたようである。
「あれ? もしかして、あのビニール袋の中身の正体って、え? そうなの?」
「そうですけど?」
と目を黒くして言う。悠一は開いた口が塞がらなかった。彼女が夜な夜な持っていたビニール袋の中身の正体は、出したての精液だったというのである。今日も一体何リットル射精をしたのか、……いや、未だに信じられない。
「いやいやいや、そんな馬鹿なこと、――だってあ���量を出すのに相当時間かかるだろ? もしこんなでっかい大きさだとしたら別だけどさぁ、――」
と悠一は両手で直径10センチ程度の輪っかを作ったのであるが、絵梨奈はきょとんとして首をかしげた。
「普通そのくらいありませんか?」
「へっ?」
「えっ?」
「………」
「――兄さん、提案があるんですけど、………」
「……聞こうじゃないか」
「よく考えたら私、お父さんのも見てませんし、男の人のおちんちんを見たことがありません。……だから悠一兄さん、――」
と言って、悠一の手を。
「悠一兄さんのおちんちんを、……見せてくれませんか? そういえば、私の恥ずかしいところを覗いて、兄さんだけ勝ち逃げするのはずるいです。よっと、――」
絵梨奈は握った手を、その豊かに育った胸に押し付ける。
「もう逃げられません。私のおっぱいを触って、言うことを聞かなかった人は居ませんから、……ふ、ふ、ほら、もう目がとろけてきた。……」
その通りであった。悠一はおっぱいに手を包まれた瞬間から、体中に力が入らず、口からは荒い浅い息を吐き、ただこの少女の言いなりになりたい欲求に頭の中を支配されていた。
「私のも見せるから、ねっ?」
と悠一の手をそっと離すと、立ち上がって本当に下半身を露出し始めたのであるが、悠一もしばらくぼんやりしてから、いそいそとパンツに手を引っ掛けて、一気に自分のモノを晒した。
「ん、えらいぞ。さすが私のお兄さん」
と兄である彼の頭を撫でる。
「けど、あれ? 兄さんの小さくない? 私のおっぱいに触ったんだから、ちゃんと大きくなってる、……よね?」
そんな言葉も聞こえないほどに悠一はその身を凍りつかせていた。彼らは今、下半身の衣をすっかり外して向かい合っているのであるが、ピクピクと可愛くはねている悠一のソレは、ビクンビクンと大きく跳ねて先端からとろけた液体を流す、――およそ太さも長さも腕のような、――ビキビキと幾つもの太い血管が脈打っている、絵梨奈の男のモノの影にすっぽりと入っていた。そして段違いな股下のために、ちょうど首元で、パックリと開いた尿道の先っぽが、彼の口を狙おうとヒクヒクと蠢いているのである。いや、それよりも彼にとってたまらないのは、そのズルリと向けた亀頭から漂ってくる、淫猥な匂いであろう。今は必死で息を止めて我慢しているが、胸いっぱいにその匂いを充満させるのは時間の問題である。
「えっと、……言いにくいんだけど、兄さんのって、小さい方ですよ、ね?」
「………」
「えっ、いやだって、えっ? 嘘でしょ?」
「ふ、ふつう、……普通だから、これが普通だから、………」
ようやく絞りでた声は、掠れ掠れになっていた。
「ほんと?」
「ほ、ほんとだよ。……」
「ち、ちっちゃい、……かわいい。………これが男の人のおちんちん、………」
と、ちょんちょんと指で突っついて来るのであるが、絵梨奈のおっぱいを触って、絵梨奈の部屋の匂いを嗅いで、絵梨奈の巨大な男性器を見たせいか、悠一はとうとう我慢できなくなって、ピュッ、と出してしまった。向かい合っている絵梨奈の体にすら到達出来ずに、床に可愛らしい点々を作る。……
「えっ、兄さん、今の出たんですか? ほ、ほんとうに、これだけしか出ないんですか?」
とさらにもにもにと触ってくるのであるが、二回も出した後ではすぐには復活しそうに無い。絵梨奈は嬉しさ半分、がっかり半分という表情なのであるが、次第に悔しそうに顔を歪める悠一のことが可愛く見えてきて、いつも自慰をするときに思い浮かべている光景を実際に見てみたくなっていた。下の方でぶらぶらとしている彼の手を再び取って、おっぱいに触れさせる。
「悠一兄さん、かわいいかわいい妹からのお願い、もう一度聞いてくれませんか?」
「あ、あぁ、ああぁ、うん。……」
「その、…手でしてくれませんか?」
実のことを言うと、悠一のお尻の穴に突っ込んで、ひぃひぃ言わせたかったのであるが、さすがにそんなことをしてしまっては止まらなくなるだろうし、もし止まらなくなれば、自分の多いらしい射精量である、彼のお腹が破れてしまいかねない。
「……手で?」
「そう、手で」
と悠一の手をそっと離して自分の大きいらしい男性器を手でひたひたと弄ぶ。
「手で、……」
悠一はうやうやしく膝立ちになって、ビクンビクンとその時を待っている妹の男性器と対峙した。これまでは上から見ていたから亀頭だけ見えていたが、真正面から見ると、果たしてこれが人間の体の一部なのか分からないほどに、グロテスクであり艶めかしい。本来ならば男性だけに付いているモノ、……それがここまで魅力的に見えるのは、女性についているからなのか、それとも妹に付いているからなのか。恐る恐る中腹辺りに触れて、その感触を確かめてみる。巨大な男性器を包む皮は、彼女の他の部分と同じで瑞々しく心地がいいけれども、血がこれでもかと言うほど集まっているのか、とてつもなく熱い。ちょっとやそっと力を入れてみても全くびくともせず、まるで木を相手しているような感じである。と、その時またもや、ビクンと。腕が持っていかれそうになる。
「はぁ、はぁ、兄さん、早く。……」
その苦しそうな声を聞いているうちに、今手で触っている辺りまでとろとろと、透明な液体が流れてきて、手に付いた。だが手で気持ちよくさせるにしてもどうすればいいのであろう。自分の粗末なモノとは違って、相手は大木である。片手では到底指が回らないから、両手で相手しないといけないのだろうか、それに長さも相当、――目算で40センチか50センチくらいあるので、出来るだけ大きく動かさなければいけないのであろうか。悠一は色々と思案した結果、とろとろとカウパー液を垂れ流している亀頭を両手で包んで、ゆっくりと上から下へ、下から上へ、肉棒の上部からちょうど中間辺りまで動かした。
「これでいい?」
「い、いいけど、…んっ、もっと強く」
と言われたのでギュッと握ってやる。
「だめ、兄さん、もっともっと強く」
目一杯力を込めて握った。
「あっ、……そのくらい、それともっと速く!」
絵梨奈の希望通りゴシゴシとカウパーでぬらぬらと輝き始めた肉棒を必死の力で刺激し始める。すぐに腕が疲れてきたけれども、そんなことは言ってられない、続けて懸命に手を上へ、下へ。どうしても疲れた、と言う時は一旦手を亀頭のあたりで止めてやり、親指でぐりぐりと裏筋を刺激してやる。男のモノでは気持ちの良いポイントが小さくて、指の先でクリクリと弄るだけだが、彼女の巨根ではそういうことはない、大体の位置さえ分かればもうそこをこれでもかと言うほど指を押し付ける。それだけで彼女は気持ちよさそうな切ない声を出す。――たまらない。実の妹となった者にご奉仕、それも男性器を扱くという思わぬ形になったけれども、ずっとこういう時を待っていた。絵梨奈ちゃんに求められれば何だってするつもりだったが、ついぞ今までよそよそしく接せられて、甘えられたことは無かった。今日は思い切ってこの部屋に忍び込んで良かった。悠一は裏筋を攻めた後、やはりまだ腕が疲れているので、亀頭をぐりぐりと両手を使っていじってやる。一般に男性器は、亀頭がキノコのようにふっくらと傘を差している方が優秀であると言われるが、絵梨奈の男性器はただ大きいだけでなく、指一本分ほど亀頭で傘が出来ている。もう何もかも負けである。男であるのに、男のモノで女の子に完敗である。勝負にすらなっていない。手をドロドロにしてくるこのカウパー液ですら、すでに男の射精量の数倍の量が出ているに違いない。悠一はもうただひたすらに、無心で、両手を使って、そんな圧倒的な妹の男性器を扱いていた。
「兄さん、そろそろ出そうです!……」
絵梨奈の頬はすっかり上気して、赤くなっていた。
「あっ、駄目! 兄さんそこのビニール袋を私のおちんちんに!!」
と言われ床に落ちて萎んだ袋を取って、広げて、入り口をぴったりと彼女の肉棒に宛てがう。悠一の手が離れたソレは、今度は持ち主の手によって慰められていた。
「しっかり、しっかり握っていてくださ、――んんっ、んっ、………」
彼女が腰を引かせたと思ったら、おぞましい音を立てながら精液が細い、――それでもホースほどの太さはある尿道を無理やり通って、肉棒の先から激しく出てくる。とてもではないが、しっかり握る程度では腕ごと吹き飛ばされそうだったので、彼女のモノに必死でしがみついて射精をやり過ごそうとした。……が、そのうちに袋の中にあった空気が、精液に押し出されて出てくる、あの強烈な雄の匂いを携えて。……
アッ、と思った時にはもう遅かった、悠一はその匂いを嗅ぐや、手なんかに力が入らなくなるのを感じた。そして、自分のものとは比べ物にならない巨根の先から真白い縄が出てくるのを見てから、先程までしっかり握っていたビニール袋が、頭上からゆっくりと落ちてくるのに気がついた。
 (おわり)
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ari0921 · 3 years
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#織田邦男 先生よりシェア
#櫻井よしこ さんの論考をシェアさせていただきます。
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ポンペオ氏、米中関係転換の決定打
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任期が残り11日に迫った1月9日、ポンペオ米国務長官が鮮やかにケジメを つけた。米国はこれまで、「中国はひとつ」と中国政府が主張しているこ とを承知し、米国と台湾の政治家、外交官や軍関係者の接触を「自主的に 制限」してきたが、それらすべてを撤廃したのだ。
氏はこう述べている。
「台湾は活力に溢れた民主主義国で信頼すべき米国のパートナーだ。しか しこれまで数十年間にわたって米国は北京の共産主義政権を宥(なだ)める ために台湾との交流を自主規制してきた。だが、もうしない」
「ノーモア」と言い切ったのである。米上院は3年前の2018年2月28日、共 和、民主両党が全会一致で台湾旅行法案を可決した。閣僚級も含め米政府 の全職員が台湾を訪れ各自の相手と会談するのを許可する内容だ。
その後、台湾を巡る情勢は大きく変わった。中国が香港を弾圧し、国際社 会の同情と支持は香港や台湾に集まった。中国の弾圧が続く中、昨年1月 の台湾総統選挙で民進党の蔡英文総統が圧倒的強さで再選された。中国寄 りの国民党は潰滅的打撃を受け、現在米国との国交樹立を唱えて、民進党 よりも過激である。
総統選直後に武漢ウイルスが広がり、台湾は見事に防いだ。そして米国は 昨年8月にアザー厚生長官を台湾に派遣、9月にはクラック国務次官が、そ して本稿が活字になっている頃にはクラフト国連大使が台湾を訪問してい るはずだ。つまり1979年の米中国交樹立以来39年間続いた自己規制は事実 上すでに撤廃されていたのだ。今回、ポンペオ氏はそれを明確に言葉で表 現し、米国政府の政策として発表し、ケジメをつけたのだ。
中国は烈しく反応した。中国共産党の対外向け機関紙「環球時報」は10 日、バイデン次期政権は現政権の行動を無効化するのか、それに対してポ ンペオは─とポンペオ氏を呼び捨てにし─自身の台湾訪問など、さらなる挑 発的行動に出るのかと問うている。
米国は台湾の側に立つ
バイデン政権が現政権に迫られる形で「ひとつの中国」政策の根底をつき 崩す行動に出ないように、中国側は断固たる意思を示すべきだと環球時報 は警告する。クラフト国連大使の訪台はポンペオ氏が中国を試している ケースだと見て、中国政府は決定的に強い意思表示で反対しなければなら ないとする。
その上で、万が一、ポンペオ氏が任期切れ前に台湾を訪問する事態になれ ば、人民解放軍(PLA)空軍の戦闘機は直ちに台湾上空に飛び、かつて ない形で中国の主権を宣言すると警告してみせた。「米国と台湾が過剰に 反応すれば、即ち戦争だ」、とまで書いた。
日程が発表されたクラフト大使訪台を中止させるのは厳しいと観念してい るものの、ポンペオ氏の訪台だけは何としてでも阻止したいとの思いが透 けて見える。恫喝はまだ続く。
「アメリカ国民に見捨てられた政権の気が狂ったような最後の足掻きを頼 りに、台湾が分離独立を果たせると考えてはならない。そんなことをすれ ば全滅の運命が待っている」
彼らの反応こそまさに「気が狂ったよう」ではないか。憤懣やる方ないの か、彼らはポンペオ氏及びトランプ大統領を以下のように貶める。
「バイデン陣営と多くの米国民は、余りにも愚かな現政権が核兵器を使っ てでも目的を達成しようとするのではないかと懸念している」
台湾を狙う、核弾頭を含むミサイル約2000基を実戦配備しているのは他な らぬ中国だ。いざとなったら核があるぞと脅し続けている自国の「狂気」 を、彼らは忘れているのか。共和党政権への常軌を逸した攻撃が、彼らの 衝撃の強さを示している。中国共産党が死ぬほど懸念しているのは、バイ デン政権がポンペオ氏の決定を継承することだろう。果たしてバイデン氏 はポンペオ氏の決定とどう向き合うだろうか。
バイデン氏は米国が中国と国交を樹立した79年、上院議員として台湾関係 法に賛同している。中国による台湾併合に断固反対し、米国は台湾の側に 立ち台湾の独立を守ると宣言したのが台湾関係法である。その延長線上に あるのがトランプ政権による台湾旅行法で、ポンペオ氏の決定は台湾旅行 法を別の表現で語ったにすぎない。
筋立てて考えれば、そしてバイデン氏が信念の政治家であるのなら、ポン ペオ氏の決定を否定することはあり得ないはずだ。
日本にもポンペオ氏の重大決定は必ず跳ね返ってくる。日本は台湾問題に 関して迷う余地はないだろう。罷り間違って北京側についたりすれば、89 年の天安門事件のときと同じ間違いを繰り返すだろう。
悪霊のような勢力
あのとき日本外務省は二つの大きな柱を立てた。1絶対に中国を刺激して はならない。天安門での弾圧を批判するなら決して中国の面子を損なわな い形にする、2中国は?小平の改革開放政策を推進中で日本はこれを助け るべきだ。さもなければ中国の混乱はアジアにおける撹乱要因になる、で ある。
日本政府即ち宇野宗佑、海部俊樹の両首脳は当時の欧米諸国とは反対に対 中制裁に抑制的姿勢を取り続けた。しかし日本政府の対応は結果として間 違っていた。中国共産党は人間の自由も民族の独自性も受け入れず、ひた すら自らの支配を強めようとする悪霊のような勢力だ。そのような勢力を 信じたツケがいま、回ってきている。
バイデン政権の対中政策についてはまだ不透明な部分が多い。しかし、ひ とつ明確なのは力強いリーダーシップは発揮できないだろうということ だ。力で統率する中国共産党のぶれない外交の前で、バイデン氏が劣勢に なることも十分にあると覚悟しておいた方がよい。しかし、そうであれば ある程、日本が発奮しなければならないだろう。米国との協力体制を強め 日本なりの知恵を出すことが日本の国益である。
中・長期的に見れば、人間の自由を抹殺する中国に未来はない。自由主義 陣営の私たちは必ず、勝つ。彼らよりずっと好ましい未来を築ける。そう 信じて揺るがず、いまは目の前の台湾の独立維持を力強く支え、守ること が大事だ。
たとえば、日本はすでに中国と対峙する日米台の産業構造の構築に参加し ているのだ。米国抜きのサプライチェーン構築に躍起の中国に対して、日 本は中国抜きのサプライチェーン構築の重要メンバーだ。世界最大手の台 湾の半導体メーカー、台湾積体電路製造(TSMC)はすでに米国での工 場建設を決定したが、今年、彼らは茨城県つくば市で日本企業との共同開 発にも入る。北九州に工場もできる。ポンペオ氏の政策こそ、正しいと思 う。そのような台湾擁護の政策づくりに日本政府は知恵を絞り、勇気を もって実行すべきだ。
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yuragawa · 5 years
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LEC weekly review / week4
はじめに
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 いよいよSpring Splitも折り返しが見えてきたWeek4。華々しく勝ち星を重ねるチーム、いまだ勝利を得られぬチーム、調子を上げたチームもあれば弱点を突かれたチームと様々に明暗が分かれた週となった。折り返し、そして後半戦を考えるとそれぞれに勝つ形を見出したい時期でもある。そんなWeek4の各試合についてチェックしていく。
公式によるLECプレイリストはこちら(毎週更新)
以下試合の結果を含む
Day1
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S04  vs MSF
 S04はMSFのHans Sama選手が得意とするマークスマンをバンし自らはトップ/ミッドに強力なスプリットプッシュを可能とするチャンピオンを選択。さらに最終ピックにIgnar選手がかつてMSFで辣腕を振るったブリッツクランクを選択。対するMSFはLv6以降のガンクから即キルが見えるリサンドラ+リーシンにボットレーンはヴァルスとタム=ケンチ。そしてトップレーンにLEC初のサイラスをピックして会場を沸かせる。
 射程差もあってトップはS04のジェイスが有利、ミッドがMSF有利でボットはサポートの腕前次第(グラブでつかむvs飲み込んで守る)という試合展開。MSFがまずはミッドレーンでガンクのカウンターからキルを獲得し序盤にゴールドの有利を作る。一方のS04はジェイスに押し込まれているsOAZ選手のサイラスを狙って差を広げさせない。MSFがコントロールするかに見えた試合が動いたのは火ドレイクを巡る攻防で、S04はブリッツによる引き寄せとドレイクのスティールを同時に仕掛け、反応の遅れたMSFから4-0の一方的なキル獲得に成功してゴールドで逆転する。その後もIgNar選手のブリッツはここぞという所でロケットグラブを成功させてMSFに反撃の余地を与えない。十分な資金差によりサイドレーンでのソロキルからバロン確保と綺麗な勝ち筋でS04が2位を確保した。
SK vs SPY
 集団戦に強いタンクと範囲ダメージ持ちを並べたSKに対し、まずレーンから勝ちに行く強力なチャンピオンをSPYが揃えての試合となった。序盤はレーンでの強さでSPYがリードを取るものの、集団戦ではSKが押し返す場面もありSPYは突き放すことができないまま試合時間が長引いていく。最後は4コア揃ってキャリーの火力が十分に高まったSPYがボットレーン側を押し切り、スーパーミニオンの圧に晒されたSKがバロンを急いだところに襲い掛かって壊滅させることに成功。そのままネクサスを破壊してSPYが勝利した。SKは集団戦に強いとは言え、ダメージの大半を移動力に問題のあるメイジチャンピオンに頼っていたことから有利なエンゲージをする事が難しかった。
OG vs RGE
 RGEが1stピックにサイラスを選択。さらにアリスターを続けたところでOGはモルガナと強力なカウンターピックを返す。全体の構成としてはLv6以降のキルプレッシャーが高く各レーンで勝ちに行くOGとポーク主体のRGEという構図となった。どのレーンも基本的にはOGが有利を作りKold選手のヌヌがリバーの視界を確保するためRGEのKikis選手はカジックスによるガンクを仕掛ける機会が見つからない。ゆっくりとした展開に動きがみられたのはトップレーン側、アーゴットがサイラスを捕えてソロキルを獲得。その流れでヘラルドの獲得を狙うもRGEはスティールに成功。2デスと引き換えではあるもののヘラルドの獲得に成功する。ヘラルドを用いるなどしてオブジェクト交換に負けないようOGを追うものの、ドレイヴンをはじめとしてゴールド獲得量でで有利なOG側の方が先にタワーを破壊していく。マウンテンドレイクを2個獲得し、視界も確保して万全の体制でバロン獲得に向かうOGを止める手段はRGEには残されていなかった。そのままリードを保ってOGが勝利。
FNC vs XL
 ザヤ&ラカンを揃え、リサンドラ、リーシンとマークスマンを守ることも可能な面子を揃えるFNCに対し、XLはサイラス、エイトロクスといったブルーザーにルブラン・カイサと当たりに行くチャンピオンを揃えた構成で挑む。XLはサイラスがCSでリードしていたもののボットレーン側はFNCが大きくリード。ボットの視界を確保してインファーナルドレイクの獲得に動く。XLはサイラスがテレポートで妨害しにかかるも失敗、トップレーンで僅かに築いていたリードを失ってしまう。その後もFNC側が常にローテーションで先手を取り続けてリードを拡大。最終的に1デスもせずに勝利を収めた。
G2 vs VIT
 B/Pはまず前半に互いに強力なレーナーをバンした上でそれでも漏れる強力なラインナップを確保。しかし後半のピックでのG2はカーサスとジャーヴァンⅣを選択。一方のVITはオラフ・ランブルと大きなダメージを出せる構成となった。試合は互いに最序盤こそキルの発生しない静かな競り合いとなったものの、Jankos選手のカーサスがLv6になった時点からG2が仕掛けてキルを獲得。VITもボットレーンへのガンクでキルを返していく。ギリギリの攻防となった場合に有利なのは鎮魂歌のダメ押しがあるG2ということで、本来は生還できたはずの少数戦でもG2のキル(と魂の収穫スタック)になっていく。インファーナルドレイク前での戦闘で鎮魂歌からの仕掛けでVITを粉砕したG2はそのままバロンも獲得、そのままネクサスまで押し込んで勝利した。なおジャングルカーサスのスコアは4/0/13での勝利である。
Day2
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S04 vs OG
 B/Pからボットデュオを優先したOGに対し、S04もミッドのAbbedagge選手とボットのUpset選手にそれぞれ得意とするチャンピオンを与えることに成功。しかし後半のBANでOGはアリスターに対して強力なカウンターになりえるサポートチャンピオンを丁寧にバンした上で、赤側の4番目のチャンピオン選択でOddamne選手に先んじてケネンをピックし、S04の得意な構成を阻むことに成功する。S04は集団戦よりは隊列を崩したり少数戦を行う構成に寄せる形でピックを終え、OGの最終ピックはNukeduck選手がこれまで結果を出せているヤスオ。ジャングルセジュアニのガンクセットアップがしやすい近接攻撃のミッドレーンとした。試合は静かな立ち上がりとなったが、S04がミッドレーンに人数を割いて仕掛けたガンクをOGのNukeduck選手が回避、逆にボットレーン側でUpset選手を倒してOGがFBを獲得する。以降仕掛けるOGに対して、攻撃的ではあっても交戦拒否能力に乏しいS04側がジリジリと差をつけられる展開となった。最後はスノーボールしたヤスオが止まらずOGが2勝でWeek 4を終えた。
SK vs RGE
 前半のバン結果からオープンになったルシアンをはじめ、各レーンとも非常に強力なラインナップを揃えたSKに対し、RGEはボットレーンにアッシュを置く。ボットレーンはユーティリティに寄せ、トップとミッドからキャリーしたい構成となったRGE。
 実際の試合ではRGEはSK側のジャングルの位置を把握したうえでボットレーンが強気に押し込む動きを見せSKの序盤から強いルシアンという部分を抑える。一方ミッドはPirean選手のリサンドラを擁するSKが、テレポート差で有利を取ってSencux選手のアカリに思うような動きを許さない。大きなキル交換もなく進む試合で先に動いたのはSK。ミッド~トップ側で互角以上という状況を活かしてトップに人数を増やし、ヘラルドの獲得からタワーのFB獲得に成功。さらに押し込んで内側のタワーまで破壊してみせた。RGE側はカウンターでボットレーンのタワー1本を獲得するにとどまった。状況が流動的になると、レーナーが持つテレポートの数で劣るRGEはどうしても対応に時間がかかってしまう。RGEももちろんSK側の甘い位置取りに居るチャンピオンをキャッチするなどして大きなゴールド差は作らせないよう努力してはいたのだが、ノクターンによるキャッチやアカリによるバックラインの無力化といった狙った形で形勢をひっくり返すことはできなかった。
SPY vs MSF
 SPYがまさかの初手カーサスというピックから始まったB/P、SPYはピック後半もジンをADCに選び、いわゆるストレートな強チャンプからは少しずらした選択。対するMSFは各レーンとも強力に押し込めるチャンピオンを揃え、ジャングルは中盤以降のガンクが強力なザックを選択した。まず試合を動かしたのはSPY側。カーサスがLv4でのボットレーンガンクに成功してFBを獲得。とはいえトップレーン側はsOAZ選手のケネンがエイトロクス相手に有利なレーンを展開する。ザックの成長に伴いMSFは少数戦を仕掛けていくが、カーサスによる鎮魂歌やジンの超長射程スキルでより多くの成果を得たのはなんとSPY。しかしMSFもトップで有利に育ったケネンが中盤の戦闘でエンゲージに成功するとそのままバロン獲得まで持っていく。しかし、MSFは2度目のバロン獲得直後に集団戦を挑んで失敗し、勝利を確たるものにできない。そのまま40分を越えた試合はミッドレーンで隊列の乱れたMSFを集団戦で破り、最後の攻防でバーストダメージの揃ったMSFからジンを守り切ったSPYが勝利を収めた。
VIT vs XL
 VITはトップアーゴット、ミッドライズで中盤以降は1-3-1を取りやすい構成(ただしサポートはフィドルスティックス)。対するXLはエズリアルとシンドラが最後は大火力を出し、分厚いタンクで後衛を守る集団戦。果敢に仕掛けてXLがリードを作ろうとするも、Jiizuke選手のライズがミッドを抑えてXLの仕掛けを跳ね返すため突き放すことができない。それでも集団で当たれば勝つXL側がゆっくりとレーンを押し込んでいく。ところがこのXLの辛抱強い展開をご破算にする大仕掛けが打たれる。ライズがボットレーンを押し上げながら残りの4人でスニークバロンを成功させたのだ。早すぎるバロンが以前ほど効果的ではないという意識の逆を突いたプレイでバロンバフを獲得すると、VITはサイドレーンの押し上げを強化。フィドルスティックスがキャッチされようとお構いなしでさらにスプリットを続行、タワーを次々に獲得していく。5対5で当たればXLが有利であろう構成だが、VITの戦い方はサイドレーンを押し上げて相手の判断を揺さぶり、位置関係のスキを作って数的有利を見つけたらぶつかるという動きを徹底した。XLは序盤から有利を作るべく積極的にアクションを起こし、ドレイクの確保も続けていたがVITの揺さぶりに的確な対処ができなかった。
G2 vs FNC
 ジェイス・ゾーイ・ルシアンとレーンから圧倒するラインナップのG2に対し、得意チャンピオンを封じられつつもRekkles選手にジンクスを渡して、他のラインナップはADCをフォローする能力に長ける、バランスの良いFNCらしい構成での激突となった昨年の2強対決。トップはジェイスを取ったWunder選手が大きくリード、ミッドは五分でスタートした。注目されたボットレーンはG2側が早い時間から2v2で勝ってFBを獲得。対するFNCもBroxah選手がリーシンでガンクを仕掛けてはキルを回収して応戦する。しかしトップの不利、マークスマンがパワースパイクを迎えるタイミングの差はいかんともしがたい。さらにFNC側はボットレーンのタワーを守るためにテレポートを使用して倒されるてしまい、天秤は一気にG2側へと傾くこととなった。その後は圧倒的なゴールド差でG2がFNCを粉砕。LECでの最短試合記録を更新して勝利を収めた。
チーム評
RGE(0-8)
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 未だ勝利なしの苦境。アリスターを先出ししてモルガナのハードカウンターを受けるなどB/Pから苦しい試合になっている。一試合の中で同じ流れのキャッチ死を繰り返してしまったりという点でもまだまだ問題は山積しているようだ。
FNC(2-6)
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 対XL戦は申し分ないFNC好みの構成で勝利できたものの、G2戦は完封といった体の試合で一蹴されてしまった。ボットレーンが苦しいながらもBwipo選手やNemesis選手が要所で良い動きをするという試合もここまではあったが、G2戦ではさすがに無理だったようだ。
XL(2-6)
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 FNC戦、VIT戦といずれも敗戦。序盤の形や集団戦いずれも悪くは無い形で戦えているのだが、どうにも終盤までにミッド・ボットのどちらかでビハインドが取り返せない大きさになっている試合が続いている。G2相手にも悪くないゲームをできているだけに、「悪くない」の次へと進む一手が欲しい。
SK(3-5)
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 B/Pでバランスの良いチーム構成を意図して試合に臨んではいるものの、コミュニケーションエラーなのか甘えた位置取りからのキャッチなど、細かなミスが散見される。下位チームには3勝、それ以外に全て負けているという分かりやすい結果である。プレイオフ出場ラインを考えるとどうもSKが門番になるのではという状況、ポカミスが減ればもう少し戦えるのではと思ってしまう。
 OG(4-4)
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 先週から三連勝と勢いがついてきているOG。Nukeduck選手が幅広いチャンピオンプール……というかヤスオで暴れる環境を作り、またPatrick選手(TCL上がり、昨年はH2kで苦しい1年を過ごしている)が本来のポテンシャルを発揮できてきているというのもありそうだ。このまま勝ちを重ねて2015年の再現と行きたいところである。
MSF(4-4)
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 Week4はまさかの0-2で終了となった。今週の試合は上位を争うチーム同士での対戦だっただけに勝利が欲しかった。B/Pはかなり難しい構成になってしまった試合が続いているのも少々気になるところ。確かにベテランの腕利きが集まっているチームではあるものの、相手の勝ち筋にハマってしまっての2敗は痛い。
SPY(5-3)
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 今季は強敵になると目されていたMSF戦を含め、2勝でWeek 4を終えることができた。プレイオフのシード配置に影響するため、上位争いを演じるチーム同士の直接対決の結果は重く、重要な一戦を制したと言えるだろう。ジャングルのXerxe選手が好調で、ミッドのHumanoid選手も期待通りの活躍を見せているのは好材料と言えるだろう。ただ、上位の3チームに対しては前半戦全て敗北ということで、後半戦に向けて反撃の糸口を見つけておきたいところである。 
VIT(6-2)
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 ミッドのJiizuke選手が昨年に引き続き試合を動かし、チームの柱であるCabochard選手と共にサイドレーンで強力な押し引きを行うチームカラーを貫いての3位。一種のVITらしさではあるものの、若干ラフな判断を研ぎ澄まし、Mowgli選手を含めた全体での判断(バロン等)がどこまで仕上げられるかでS04、G2に抗し得るかが決まってくることになりそうだ。
S04(6-2)
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 範囲ダメージ重視のメイジやスプリットプッシュ向けのチャンピオンをトップに、縦横に働くミッド、集団戦での爆発力があるボットデュオと強力な武器が揃っており状況はかなり良い。とはいえIgNar選手とMemento選手がエンゲージの点でかなりの部分を負担していることから、ターゲットバンとカウンタープレイで動きを抑えられてしまうと、OG戦のように苦しいという点も見えてしまっている。
G2(8-0)
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 今週も圧巻の勝利で全勝街道を突き進んでいる。どこかのレーンが多少不利になっても別のレーンを壊し、そこからゴールドを供給すればよいと言わんばかりのスタイルで勝ち数を重ねている状態だ。パッチ9.3でアカリが大きな弱体化を受けるため、Caps選手のアカリがどうにもならないという試合は無くなるとは思われるが、手を変え品を変えなおも勝利するこのチームを止めることは可能なのだろうか?
LEC Week 4でのサイラス
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 世界各地で猛威を振るったり振るわなかったりして話題のサイラスだが、LEC Week4はB/P率90%で0勝3敗の勝率0%という結果に終わっている。対面はアーゴット2回にジェイス1回である。実際の試合では全敗とはいえバン率が高く、チームとしては要警戒の対象となっているのは間違いないだろう。実際LECの試合においても序盤から負けることはほとんどなく、テレポートによるアドバンテージの喪失や装備のミスマッチによる中盤以降の失速で活躍できていなかったように見える。アイテム選択や敵・味方双方のチーム構成に大きく依存するという点で扱いが難しいチャンピオンなのは間違いないが、一方でハマった時の結果も華々しいというのが現在のサイラスと言えそうだ。
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