Tumgik
#かぐや姫は踊らせたい
oka-akina · 6 months
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1130-1205
1130 うちはトイレと物置が隣にあって同じドアが並んでいて、物置に何か取りに行ったつもりが隣のトイレのドアを開けていて、あれおしっこしたかったっけ…とか思いながら用を足している。物置に何か用事があったのを忘れてしまう。こういうことはスマートフォンの上でもよくあって、メールをチェックするつもりがツイッターを開いている。 なんか電車が空いていた。べつに理由はないんだろうけどなんでだろうと思ってしまう。理由を探してしまう。窓の外の荒川が濃い色をしていて冬だなーと思う。そしてその窓に、明らかにデマというかインチキ医療の本の広告が貼ってあり、こういう本が堂々と出版されているのにどうしてわたしの小説は同人誌なんだろうなーとか思う。やつあたりみたいに思う。
ずいぶん前に買ったエッセイの本を読んでいる。とても自由であたたかい家庭の話だと思うのに読んでいるとどんどん心がささくれだっていく。夫婦でやっているお店の話で、お店の仕事は女の人がメイン。本の語り手の男の人はサポートと広報をやっていて、その流れで本を出したようす。 なんかこうなんかこう、あなたの話はいいからこの女の人の話がききたいよとか思ってしまう。この女の人がどのように考えて店をやっているのか、あなたの口からじゃなくてこの女の人の言葉でききたい。声をききたい。いやそんなのは役割分担だとは思うのに、まったく何も取り繕わない自分の気持ちとしては、こいつなんかいけすかねえな〜!と思ってしまう。仕事の役割が夫婦で逆だったら、サポートしている女の人に本を書きませんかって話はきたかな〜とか訝ってしまう。そうしてあるいは、これが女の人同士のカップルだったら、わたしはこんなふうに思うんだろうか。 じゃあつまり自分にはひどいミサンドリーがあるんだよな…。この本に限らず日常の中のほんとにいろんな瞬間で自分のミサンドリーにぶちあたり、しょんぼりする。ハッとしたときはもう遅くて、本当になにかこう、ごく自然に、嫌悪の感情がある。 自分にべったりしみついた差別心や偏見はもうどうにもならないんじゃないかと怖くなる。わたしは自分の性格をなんて意地悪なんだろうと思っているけど、意地悪どころでは済まないひどいものが自分のすみずみまでがっつりしみついていて、このような土をいくら耕したってここから生えるものはみんなだめなんじゃないか。わたしのやっていることは本当にぜんぜんだめなんじゃないか。ときどき絶望的な気持ちになる。
夕方、通販と書店さんへの荷物を送った。思ったより手間取ったし部屋もとっ散らかった。そんなにたくさん送ったわけではないんだけどたぶん要領が悪い。本の梱包とか荷造りとかがとても苦手で、何年やってんだって感じだけど本当に慣れない。引き続き腹も痛いし尻も痛い。夕飯は豚肉とチンゲンサイとえのきと春雨を炒め煮したやつとかつおのたたきと厚揚げ。
1201 今日も通販の荷物を送る。このところほとんど毎日やってるのにぜんぜん梱包うまくならないのどうなってんだ。ガムテープをまっすぐ貼るのがへたくそすぎるし本を袋詰めするのもなんかきれいにならない。手のしびれ、震えのこともあるとは思うけど、送る荷物が格好悪くてまいどほんとに恥ずかしい。お手に取ってくださった方は薄目で見てほしい…。
書店さん宛に送った荷物が届きはじめているようで、犬と街灯さん(表紙を描いてくださった谷脇栗太さんのお店)がさっそくネットショップに追加してくださっていた。ツイートを見て、ほんとにある!と驚いた。驚くって言い方はなんか変なんだけど、遠くのお店にほんとにあるんだな…と感慨深くなる。本屋lighthouseさんからも本が届いたよと連絡がきていて、ほんとに置いてもらえるんだな〜とドキドキした。書店委託はまったくの初めてではないんだけどなんかこうどうしたんだろう。 「顔たち、犬たち」関連はずっと気持ちが張り詰めている。新しい小説の本を出すときはいつもtumblrにステイトメントみたいな記事を書くんだけどそれも書けていない。言いたいことや話したいことがいっぱいあって、どっからどうしたらいいのか、やりたいことが目詰まりしている…。そうしてそんなに激重感情でやってるのに小説自体はほんとにしょ〜もない話で、よわよわおちんぽの〆切直前もそうだったけど、悲壮感を出すような作品ではないのでなんかチグハグしている。
でもこの「しょうもない話」はちょっといい傾向かなとも思っている。執筆の佳境とか書き終わる直前ってなんかこう気持ちが盛り上がってしまって、作品を「大層な話」にしたくなってしまいがちというか…。なんていうの、谷川俊太郎の「魂のいちばんおいしいところ」みたいに書きたいみたいな、高望みした欲がある。
私たちの上に広がる青空にひそむ あのあてどないものに逆らって そうしてあなたは自分でも気づかずに あなたの魂のいちばんおいしいところを 私にくれた
長めの話に時間をかけて取り組むと自分の中のそういう…純っぽいもの…?を差し出したくなってしまうというか、自分の芯を取り出したものでありたいみたいな、そういう欲がわいてしまう。やけに体重をのせてしまう。 で、最近それを回避したくて、けっこう意識的に「しょうもない話」をやっているふしがある。単純に作品がくどくなるのを避けたいのもあるし、なんかこう自分の差別心や意地悪ってそういうとこからきてるんじゃないかみたいなことも思って。これはまとまってないのでもうちょっと考える。
夕飯はおでん。夜中、ふと思い立って虐殺反対のステッカーを作った。ネットプリントにした。
12/2 ゴルフの練習に行って洗濯をして掃除機をかけた。お昼はきのうのおでんの残りとチャーカラ(チャーハン唐揚げ弁当のこと)。きのうのステッカーをプリントアウトしてみたらいい感じだった。ロボット掃除機が壊れたかもしれない件はやっと言えた。まるでいま壊れたかも?みたいな感じで言った。えもからもらった柿をジャムにした。柿プリンも作ってみたけどあんまり固まらなかった。やけに疲れてしまって2時間くらい昼寝した。寒いので夕飯は鍋。アド街を見ながら食べた。
夜中、通販などの荷造り。本を袋に入れて送るだけのことがどうしてわたしはこんなにへたくそなんだ…と散らかった部屋で途方に暮れた。毎日同じことを思っている。
12/3 プリパラプリチャンプリマジのライブ。毎年恒例の幕張メッセでのライブで、前回の幕張がついこのあいだのように感じる。一年が早すぎる。きのうの残りの鍋を食べて車で出かけた。幕張メッセの駐車場は一日千円なので、二人分の電車代やコーヒー代を考えたらこっちの方が安い。昼公演と夜公演の間の待ち時間を過ごせる場所があるのも気楽だし。スタンレーの水筒にお茶を入れて持って行った。夜になっても湯気が立った。
今年は演出がとてもよかった。とくにプリマジの各キャラクターのソロ曲、ほかのキャラクターがうしろで盛り上げてるの最高最高最高だった。庄司宇芽香さんの演じるあまね様が本当に素晴らしくてたくさん手を振った。声出しOKライブでよかった。今日の公演のためだけに髪の毛真っ赤にしてくれたのかと思うと胸がいっぱいになる。夜公演はアリーナの花道そばだったので、一回だけ目があって本当に泣いちゃうかと思った。 プリマジは9月のリーディングイベントのときも思ったけど、女性が女性にキャーキャーいうのがどまんなかにきているので本当に居心地がいい。なんていうのかな、「本来は女児向けのアニメにいわゆる大きなお友だちのオタク男性が大挙して…」みたいな感じでもないんだよな。男オタが女の子(女の子のキャラクターだったりそれを演じる若い女性の演者だったり)を愛でてやるぜ的な感じがあんまなくて、みんながキャーキャーいいながら女の人たちの格好よさ、かわいさ、楽曲のよさを喜んでいる。本当にすごい。長いシリーズを通して作品が変化しているのもあるし、観客を育ててきた感があるなーと思う。演者も客も年齢を重ねたのもあるかも。 そしてプリティーシリーズ通してだけど、ファンにセクマイが多いのをなんとなく認知してくれているように思う。もちろん演者によって濃淡はあるのでたまーに発言にハラハラすることはあるんだけど、あなたのための席がありますと言い続けてくれているシリーズだと思う。リングマリィの「コトバブーケ」は「おとぎ話の通りじゃなくても私はヒロイン」「おとぎ話の通りじゃない方が自分らしい」と始まる曲で、まっすぐ女性同士のウエディングを描いていてすごくうれしい…。それを冷やかすような反応や百合!みたいな茶化した感じの反応が今回はあんまなかった気がして(あることはあるんだけど前より減った感じで)よかった。
そして大好きな大好きな厚木那奈美さんが本当に本当に…いつも変わらずお姫さまみたいで…本当に素敵だった…。内側から光ってるんだよな…存在が光、祝福なんだと思う。厚木那奈美さんを前にするとわたしはいつも幼稚園の子どもになってしまう。厚木那奈美さんがお姫さまの国でリスとかネズミとかコロボックルとかになって暮らしたいよ…。「ブランニューガール」はミディアムテンポのちょっとセンチメンタルな曲なんだけどけっこうしっかりめの振り付けで、でも厚木那奈美さんはニコニコ笑顔で歌って踊っていて、本当に本当に宇宙に神さまに星々に絶対絶対絶対愛されているほんもののお姫さまなんだな〜!って泣いた。厚木那奈美さんの長い手足がすらーっとすーっとどこまでも伸びていって、ほんとにもう東京湾くらいなら全然余裕でまたげるんじゃないかと思う。厚木那奈美さんが微笑めば木からどんぐりが落ちてきて、リスとかネズミとかコロボックルはそれをぎゅっと抱きしめます。 厚木那奈美さん、友だちや知り合いにわたしはこの人が好きなんだよ〜って教えると「うわ好きそー」って納得されるのすごい面白い。わかりやすくどタイプ。厚木那奈美さんとかムンビョルさんとか美少女さんとか、おかわだくんはこういうスラッとした人が本当に大好きだよね…。
あと泣いたといえば、コスモさんの「君100%人生」やってくれて! 久しぶりにライブで聴けて爆泣した。君100の何がいいって、「次は負けないよ」「取り戻せ」「自信出して 元気になって」「体 心 鍛え直すよ人生」のとこ。わかりやすく励ます歌詞ではあるんだけど、それ以上に「今回は負けたよね、いろんなもの奪われたし失くしちゃったよね、自信も元気もないよね、体も心もおしまいだよね」っていうのをまんま受け止めてくれるのがすごい好き。おまえは今回負けたよねって目をそらさず認めてくれるのとても安心する。 日記やけに長くなってるからここらへんにしとくけど、小林竜之さんのアサヒの仕上がりがやばすぎてすっげーよかった。ほんとに「マジヤッベーチョースッゲー」だった。34歳男性のあの感じ最高ですわ。小林竜之さん40歳のアサヒ役ぜってえぜってえ観たいのでプリティーシリーズを今後とも応援していこうと思った。
ライブがあまりにもよかったので、やっぱプリティーシリーズミリしらアンソロやりたいな〜と思った。わたしは二次創作的なのは書けないので、「プリティーシリーズのことを考えて書いた小説」とかになっちゃうんだけど、それを本にしたい…そしてなんかいろんな人にゲスト原稿を依頼したい…すごく同人誌って感じするやつ…。いったい誰が読むんだって感じなんだけどそういう変なアンソロをやりたいよね…。 そしてウキウキの気持ちで帰ってきたらKADOKAWAがろくでもねえトランスヘイト本を刊行しようとしているのでテンションだだ下がりになった。ふざけるなよとインスタのストーリーズでキレ散らかした。
12/4 えもとなむあひさんと遊んだ。朝パン屋で待ちあわせて多摩川に行った。いい天気で冬って感じの空だった。広々していて気持ちいい。二子玉川の駅を降りてすぐこの景色なのほんといいよな。橋を渡る電車がずっとごとんごとんいっていて、遠くの橋や向こう岸で車が流れている。水や物がずっと��いている。サギがたくさんいた。白くて大きな鳥が冬の濃い青い空にたくさん舞っているのが、なんだかうそみたいにすがすがしい眺めだった。 えもから個展のDMをもらった。先々週会ったときに元の絵を見せてもらっていたけど、すごくきれいに色が出ていてほんと展示楽しみだなーと思った。あと「あいじょうぶ」ブローチももらった。「俺の愛があるから大丈夫!あいじょうぶや!」のブローチ(ナポリのすぎるのやつ)。草の上に置いて写真を撮った。 なむあひさんが「顔たち、犬たち」の感想を伝えてくださってうれしかった。なんかこうがんばって書いていきたいよな…という話をした。本を持ってきてくださったので表紙の優人さんに川を見せてあげた(?) そのあと昼から磯丸水産に行って飲んだ。トマトハイめっちゃ薄かったけど美味しかった。えもとわたしで何杯飲んだんだ…。このあいだなむあひさんと焼き鳥食べたとき、注文したはずのタコウインナーが結局来なくて、わたしはすっかり忘れていたんだけど次の日なむあひさんがそういえばタコウインナー来なかったですねって思い出していて、じゃあ今度リベンジしましょうって言ってたんだけど2週間で早くもそれが叶うの面白いな。川行って、(磯丸だけど)イカとかウインナーとか網で焼いて、実質バーベキューみたいだった。あとプリティーシリーズミリしらアンソロやりたいんですよ〜という話をした。いきなりどうしたって思ったろうな…。 夕方もっかい川に行って、あまりにも楽しくて手つないでワーイとかした。えもの手が小さくて冷たくてびっくりした。
KADOKAWAに問い合わせメール送った。刊行中止してくださいとははっきり書かず(できないだろうと思った)、なんでこういうのを出そうと思ったのか経緯を知りたかった。それで質問を送った感じ。
12/5 ��れぜったい乾かないよなと思いながら朝洗濯物を干して出かけた。曇っていたし寒かった。昼にチバユウスケの訃報を知って驚いた。これがきのうえもと一緒にいるときに知ったらどうだったろう。明るい川べりで知ったら、真昼間の磯丸水産で知ったらどんなふうだったろう。コンビニでコーヒーを買って小袋成彬の「Night Out」を聴いた。今日はとても寒くて、外もずっと暗かった。むかしの友だち、ミッシェルを好きだった人たちの顔がつぎつぎ浮かんだ。なんかツイートではなにも言えなくてリツイートのカウンターがまわるのをじっと見ていた。ものすごい熱心なファンとかではないけどなんかこういっぱい思い出深い…みたいな距離感だからだと思う。いま小説のあれこれでやりとりしている人や現在進行形で作品を生み出している人、みんなひとり残らずいつかいなくなるのだ…とすごく当たり前のことを思った。夜になって、長いこと連絡をとっていなかった人からチバのこと悲しいねってメールがきていた。携帯電話のキャリアメール宛で、迷惑メールかと思った。そういやこの人のLINE知らないや。そうだねみたいなことをちょっと書いて送って、それ以上はべつにやりとりしたくない気がした。これを機に旧交をあたためようなんていうのはなんかこう格好悪いだろと思った。いやこれがめっちゃ好きな人からきた連絡だったらしっぽ振って返事送るんだろうけどさ…。洗濯物は厚手の靴下がやっぱり乾いていなかった。Mリーグを見ながらキムチ鍋を食べた。
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yorukimi-movie · 9 months
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9/2(土)開催 公開記念舞台挨拶オフィシャルレポート
9月2日(土)に『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』公開記念舞台挨拶が都内で実施され、深川青磁役の白岩瑠姫さんと丹羽茜役の久間田琳加さんを筆頭に、茜の友人・沙耶香を演じた箭内夢菜さん、青磁と茜が通う高校の美術教師・岡崎役の上杉柊平さん、そして本作のメガホンを取った酒井麻衣監督が登壇。 作品の注目ポイントやキャラクター、絶賛評が相次ぐ本作への反響を受けてのコメント、撮影時のエピソード、そして【純度100%のエモーショナルで色鮮やかなラブストーリー】である本作にちなみ、各キャストの様々な「●●度100%」エピソードについてお話ししていただきました!
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全国166スクリーンに向けて中継されたこの日の舞台挨拶。 青磁と茜の恋や関係の魅力について聞かれた白岩さんは「誰かを想ったり、誰かと出会ったりすることで変わっていく。その変化を傍から見ていると青春だなと思う。お互いがお互いを支え合っている関係性を僕は羨ましく微笑ましく見ていました」とキュンキュン。 久間田さんは「弱いところを見せられる仲という素敵な関係。私も強がりなタイプだけれど、お互いの悩みを共有して強くなる絆もあると思う。この二人の関係は素敵です」と憧れていました。 とはいえW主演の白岩さんと久間田さんには“人見知り”という共通点があったようで、酒井監督は「最初の頃は二人とも喋らず目も合わせず。そんな中でよく青磁になれるなと感心した」と今だから言える舞台裏を披露! これに白岩さんが「確かに最初の頃は危なかった。初日は緊張したのを覚えています」と苦笑いすると、久間田さんも「しかもアドリブも多くて…。でもそんな白岩さんの姿を見て『大丈夫だな』と思えました」と当時を振り返り、白岩さんは「あのシーンで青磁になれた」と打ち明けていました。
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また撮影の裏話になると、久間田さんが白岩さんの得意な才能を暴露。 久間田さんが「白岩さんは台本を覚えながら、新曲のダンスを覚えていて器用だなぁと」と明かすと、当の白岩さんは「台本を見て曲『Tiger』のダンス動画を見て…」とその状況を身振り手振りで生再現。 「撮影中は踊りすぎて衣装を汗でビシャビシャにしてしまいました。皆さん的には『廊下で急に青磁が踊っている…』となったはず。覚えることが多かったけれど、充実していました」と当時を回想しました。 この器用さに久間田さんは「ぐちゃぐちゃにやってもパニックにならないんだ、不思議な人だな、と思ったけれどそれも一つの��能ですよね」と尊敬していました。
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さらに、純度100%のエモーショナルで色鮮やかなラブストーリーが魅力の本作にちなみ、「〇〇度 100%」なエピソードをそれぞれが発表! 白岩さんは「夜きみ愛100%」と言い「昨日行ったインスタライブの後に、レイトショーで『夜きみ』を映画館に観に行きました。僕にはほかの人から気づかれない技があるので誰にも気づかれませんでしたが」とお忍び鑑賞を報告! 鑑賞中は「観客の皆さんの反応を聞いたり目にしたりするのが楽しくて。本当は『ここにいるよ!』と言いたかった。エンドロールの時には前に出て挨拶をして帰りたかったくらい」と心境を明かし「これからも行くかもしれないので、ちゃんと隣の座席を見てくださいね!」とファンに呼びかけていました。 久間田さんは「運命度100%」と言い「昨日インスタライブを行ったHMV & BOOKS SHIBUYAで、関係者として配信に立ち会っていた小学校時代の同級生に偶然再会しました。公開初日にそんな偶然があるんだと驚きました!」とビックリ。
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箭内さんは自身も出演した「24時間テレビ」のマラソン企画に触れて「感動度100%」、上杉さんは「30歳を越えると周りにも子供ができたりして、心が穏やかになる」と「ほっこり度100%」と回答。
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一方、酒井監督は青磁の茜に対するエスコートを指して「優しい度100%。私からリクエストせずとも、自然と白岩さんから出る紳士さが青磁の品になっていた」と青磁のジェントルぶりを賞嘆。 これに白岩さんは「いい男ですね~!」と自画自賛しながら、それら紳士的行動は計算外のものだとし「無意識ロマンティックでした!」と照れていました。
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最後に白岩さんは「この日を迎えられて幸せに思っています。特別な時間をありがとうございます」と関係各位に感謝。 久間田さんは「この作品を通して、一人でも多くの方の背中を押すことが出来れば」と祈願。 酒井監督は「この物語に出会えて良かった。皆さんが観てくださって初めて映画は完成します。より多くの方にこの物語が届くように祈っています」と大ヒットを期待していました。 今をときめく最旬のキャストと次世代の日本映画界を担う若い才能が贈る、純度100%のエモーショナルで色鮮やかなラブストーリー、映画『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』絶賛上映中!
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Hi all, here is a translation for the newest HitoshizukuxYama song! The album should be available to buy today, we highly encourage you buy it. It seems there is a companion song to this one featuring Len and Miku, so when the lyrics are released we will look into translating it to help solve the mystery hinted at in this song.
Lyrics:
晴れ渡る空 祝福の鐘 弟と婚約者(ふたり)の幸せを 願いながら この人生(すべて)を終わらせよう 仄暗い≪真実(ひみつ)≫とともに 鮮やかに逝く― The sky is clear and the blessing of the bells echo While wishing all the best for my brother and his fiancée, I will end it all with my life Together with this murky ≪truth (secret)≫ I end my life honorably —
逆さ三日月の夜 黒百合棺を開け 生き血を求めて彷徨える 屍の姫 Under the waning crescent moon, the corpse princess wanders out from her black lily coffin seeking fresh blood
年若き王が笑顔で尋ねる 「貴女を屍(そんな風)にしたのは、誰?」 この手で捕らえたなら あらゆる苦痛を 与え続け…… The young king asks with a smile on his face, “Who turned you into such a… state?” If I were to get my hands on them, I would continuously deliver all sorts of pain to them……
永遠に壊してあげよう and vanquish them eternally
弟(愛する者)を庇って逝った 姉(きみ)の罪深さを 何という罪状で 裁こうか? What charges should I lay upon you, my sister, for this sinful act of ending your life in order to protect the little brother you love?
あり得もしない 罪を禊ぐ夢 自虐(マゾヒズム)の操り人形劇 その執着の鎖糸で 私を締め付け続けて ねえ 愛するほどに傷つけ合う その跡を絆と証すなら 気が済むまで踊ろうよ 語り合えぬ感情(ひみつ)を 永遠に隠して A dream, where I atone for a preposterous sin I’m part of a masochistic puppet show Please continue to strangle me with those threaded chains embodying your attachment If you call these traces of scars that multiply with our love the bond between us Let’s dance until we no longer want to, keeping hidden our unspoken feelings (secrets) For eternity
愛するが故、犯された罪 『来テ……』 月夜の小径 幼き日の秘密基地(わすれもの) 残されていた 「真実(かのじょ)」の日記(てがかり) The sin was committed out of love “C̷͎̣͇̒́̉̄̈́̀̄ǫ̶̛̝̹̯̗̲͙̹̖̋̋̀͛̈̈́̈̃͋͂̈́͝m̵̪̼̫̼͓̬̤͓͂̈́̓e̸̡̡̛̞̾̀͐́̄̿͗̊̄͛͝͝͠͝……” Through the narrow pathway lit by the moonlight to the forgotten secret hideout from our childhood It was left there, the diary of “truth” (a hint from “her”)
『弟と西国の姫(ふたり)の婚約、狙いは呪殺。 西国の姫(かのひと)に謀られていた! 大切な弟(ひと)……私のすべて。 その呪い(さだめ)ごと、全部、私がもらうわ』 ‘The engagement between my brother and the princess of the west, its purpose was to cast a deadly curse. We were tricked by the princess! My dear brother… you are my everything. I will take on everything, in place of you, along with this cursed fate’
聡明なる姫は双生を庇い 卑劣な罠にかかったのか 汚れなき願い(みれん)は 魂を縛り ≪真実(もの)≫言えぬ屍となり 踊る…… Did the wise princess fall into a nasty trap by taking her brother’s place? Her innocent wish (regret) chains her soul, Turning her into an inarticulate corpse unable to tell ≪the truth≫, she dances……
願い(うらみ)、晴れるまで……? until her wish (grudge) comes true……?
復讐の王 高らかに 開戦の御旗を振り上げた 愚かしきは 大義なき業 悪しき西国の姫(かのつみびと)を 討て 殺戮の王 厳かに 西国の姫(つみびと)を捕らえ壊せども 屍姫 その未練(ねがい)は 晴らされぬまま……? 踊り続ける The king of vengeance boldly declares the launch of attack by raising his battle flag A fool is one who acts without justice Slay that horrible sinner (princess of the west) Even after the king of slaughter solemnly captured and vanquished the sinner The corpse princess’ final wish does not come true……? And she continues to dance
語られない≪真実(ひみつ)≫の夢 知られてはいけない未練(ねがい)は罪 気が済むまで 泣いたらいい 「知ってしまった罪」を 永遠に呪って…… An unspoken dream of the ≪truth (secret)≫ Her final wish that shall remain secret is a sin Cry all you want, my brother, while cursing the “sin of discovering the ugly truth” eternally……
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ophelia333k-k-k · 1 year
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2022年12月13日
暗闇 見つめている二重らせん 週刊誌の最後のページ 孵化する 孵化させる 目が覚める からっぽのまま 赤ん坊の手を握る 哲学ニュース 強度 占星術師 と打ったら変換される 性占術師 学生時代 最も力を入れたこと 死は幻想である 愛、あ、あ、あ、名前を教えて なりたいもの わたしが 明るい世界 明るい未来 クビになったドラッグストア 礼拝 お好み焼き チューニングの狂った 歌 聴こえなくなるまで 聴こえなくなるまで featuring あなたのこと 声 死について って誰も知らない経験していない から 駆け込み乗車 禁止 お兄ちゃん お兄ちゃん 扉を開けて 機内モードで延命する アジテーション はやくしたい 遅く 結婚 まん防 イデア的には ずっと一緒がいい よね 今だけ無料 アジテーション テナント募集 の 看板 らすとくりすます とぽろじー 言葉で考えるのをやめる あ、あ、あ、 図式化 ズキズキする 監視されていた 白い部屋 女衒 パッチワーク フランケンシュタイン みたいに 愛と幻想と 愛と幻想と 糸 ほどけていく ことを想像する ジャスミンを銃口に 営業系総合職 死んだ瞬間の聴覚について 死んだ瞬間の聴覚について のように のように さようなら 魔法少女 ハートフィールド 歌う メヌエット ピーチ姫の テトラポット アストラル界 あなたの 吸い込まれる ダム 死体画像 すぐ会いたい女子が急増中 アカツクシガモ 京都市植物園 振り回す キャリアチェンジ された アルバイト する このサイトにアクセスできません と 声が して振り向く 昨日 のことを覚えていない 迷宮 のようだと うわさのベーコン クルトン コーラ・パール ゾラ ほら、と 初音ミクの額から垂れる汗 花園神社で 迷い込む 見世物小屋よ 一生バイト ポケットモンスター 正解を引き当てるまで やる気が出ないな 英単語帳 ランボーを読んでしまったなら ロックンロールはそう ホテル暮らし 空調の音 Jアラート 星座を結ぶ ロックマンエグゼ lain rain ruin  ビスク・ドール 野良犬 奈良へ向かう列車 アーレント 現実感 人生攻略サイト 灰と は 意図 思考 回路の中を むさぼり食う 吸う 空気 止まった ままの 子宮的な エリア 嘘をついたまま死ぬ のね ルビンの壺 12ポイント stray sheep と 動詞動詞動詞動詞 同時的に 田中角栄 魔人ブウ 犯す 壊す 作る 波打つ わたしは 殺す 生かす 咲く 咲かす ライフハック 死 冷蔵庫 咲かす 飛び立つ やわらかく もやもやと ばたばたと 解毒する 夏休み 向日葵 消滅した 蝉が鳴く なく 無く 咲く さ さ さ 教育する アナイス・ニン 逃げ出す 逃走する 闘争? 領域を広げていく 閉じる 閉じこめる 閉じ込められた 布団の中 宇宙のように 宇宙そのもの 高橋まつり 滅びた 100年後のことを考えて 文章を書く 脳みそから溢れ出した 白い水着 黒いタイツ 道化のように 大天使のように 借りる 回帰する アカツクシガモ 成長すること 天秤のことを考える by  this river ラブ&ポップ 脳破壊 快楽 シャドウ・ワーク 子宮口から この世界の果てまで 共同体 忙しい 忙しさ exclusive みんなのレビュー 連帯 証明するために ランキング もっと欲しい あなたらしい 瞬間に 祈る手 summer 上映する ロングヘアー 偏差値 ピアス 18個  生き延びる ラリる 刺さった 反射した 発射した 家畜人 ホワイトノイズ 空間 依存症 白い 微分不可能な やわらかい その曲線 エゴサーチ バーモント・カレー 姦淫する 階段 聖書 夢の中に出てくる 中島らも 他人の日記 読む 話す 歌う ような気がする そんな感覚が 一時間天気予報 ペヨーテ���ぐるぐる回る 永久に 永久的に 結びつけた 途端に壊れる ぱりん、と ふらっと 消えちゃいそうな気がする 意識が高い 高低差 風圧 やさしい言葉 インターネットのグロサイト 巡る 再度 巡る 繰り返していた クリスマス サンタさん 産道 乱視のまま 今日も生きている 息をする あらゆる 虹色の 永久に理解されることのない強度 氷点 貯金やダイエット レポ漫画 面白くなる 国語辞典 解剖する やまい、だれ 芽殖孤虫 ひらひらと 眠る ゴミ出し 擬音一覧 シーシュポス 間違った注文 集める 女性が一生で排卵する卵子の数は400個~500個と推定され 細胞膜 ずきずきと 痛む手 うつらうつらと その指で 欺瞞 マッサージ されたまま死ぬ アイライナー いつかは終わる 旅 続いていく 気持ち悪い、 と少女 折りたたみ傘 出会う 解剖学の教科書 ホーリー・マウンテン もやし 食物繊維 的な ひらく 伸びる 匂いがする 恥丘 裏切る 一本の木 待ち続けている 市民会館 明かしえぬ共同体 ムーミンたち ムーミン谷へ 向かっている ヤツメウナギ もし仮にそれが ハッとする 気がつく 失う 海のそばで グランドメニュー 幽霊 ピアスの穴 カッターナイフで切る 舌を 下へと 血が出る 地が出る前に ここからいなくなる 踊る 大雨の中 浴びる 天高く 土砂降り もっと 濡れてしまいたい 溶ける あらゆる種類の動詞 固着した エディプス・コンプレックス 身体を売る 眠りにつく べたべたした くすぐる 太もものうぶ毛 のように 行こうね ずっと一緒に 逆にする 黒板に描かれた 天使と怪物 流れとよどみと 恋と革命 そのままの 君でいてね イデオロギー それとも 触れる 手に 手のひらに その温度を そっと撫でる ように見える 青ざめた 顔 目で 浮き上がる 物流倉庫会社 キスをする どこにも行けない どこにも行けない 憂鬱な夫婦 中絶用の 願いを書く 七夕 永遠に落ち続ける夢 人生ゲーム 青いピン そのように 性行為のやり方 鍵付き完全個室 運動会 発熱 保健室 はつなつ 人生経験 終わりゆく 肉の厚さ 海馬 言語野の 衰退 ダウンロード数 数えていた 新しい生活様式 リズム 物語ること 豊かな 再生回数 氷 覆われる 世界すべて 素数のように 感じる 解体 怒らない? 起こらない、何も 可能性が失われていく 研ぎ澄まされていく 失われていくことで 何者かになった その平らな牧場 忘れてきた お持ち帰り する 立派な 飛び降りて 刻まれた 胎児のように さえぎられる 海岸には小屋があって 喧嘩をする 白鳥 食べられる 汚い 穢れてしまった 純粋なもの 銃を撃つ 一発 チェーホフ、どこへ行ったの? と母親が階段を上がってくる 切符をなくしてしまったままで 生き続けている気がする 少女には 晴れ 絵日記は かすれてしまった とうに 音楽にはならない 寒天培地の上で 有性生殖する していた した方がいい 人生経験 ペットボトル HPVウイルス 頭のない 風邪総合 目をさます 神経系 ポーチの中で 白い粉になった 睡眠薬 遠くの方へ、遠くの方へ 並べられている 全校集会 鳴らされて 走る 望遠鏡を 覗き込む もうすっかり 子宮頸がん 夢中になって 標本にする どうやって? 悟りについて 五億年ボタン 走馬灯 一週間くらい考えてもいい? 愛妻弁当 ぷっちょ の容器でオナニーする カンブリア紀の 海中生物やわらかく モニターの奥 夏の光 ぴったりと 豊かに 遅延しながら 本間ひまわり いま、を指差す指の先 爪の長さ 変わって 一括見積もり ふざけているのではなく 頭痛 左側 ありがとう こんにちは おはようございます それは愛ではなく の ような 夜行バス 棺 出生外傷 の あなたは ロビンソン トリップした 虹色の女 devenir ひだ 開く 一枚一枚 めくっていく 匂いがする 工場の赤ん坊が コンクリート 嘘だった あてのない 意味のない 海 潜り続ける 潜水艦の中で 夢を見ている 象徴的に もっと速く 飛び立つ 自壊したい 鯛 平らな 館内における密を避けるため 破れた 四つん這いになって するだろう 想像 するだろう 未完のままの もはや戦後ではない 未亡人 ぷろ、ぱかんだ 重量と恩寵 根を 肉体が壊れていくのは かもめ 肉塊 台風が来る前の夜 アオカビ もっとたくさんの地獄 天国は通り 過ぎては消えていく スーツの人が通り過ぎていったあとの 匂い 大人の匂い 食器返却口 この席の使用はお控えください アルコール消毒 セーブポイント 豚 のような女 と 猿の ような 男が出会う 死体ごっこ バラバラに 組み合わせる 英単語帳の例文みたいに 死に近い コンクリート 裂け目 洗浄液 メリークリスマスの Yahoo知恵袋 真理があると言われている そこにある 死んだあと魂はどうなるの? と子どもが尋ねる 何グラムの 前世の記憶 当たり前の事 トンネル 潜り抜ける音 夢の中の休憩所 自動販売機 光 光 夜の闇に飲み込まれないように コンビニエンスストアは灯台として 鳴りやまない 崩れていく 昨日 来ない 来ている すでに いま 冬の ま、ふゆ ま 電気ストーブ あたたかく すりつぶす 通勤・通学 するための列車 眠る 折りたたまれたヒダ 予言する 1999年 産まれ た 朝 ねむる ねむる もっとよくなる 地方都市
夢の中では 現実的な 現実的なもの 親ガチャ 100年後の 2000万年後の 想像していてね 空っぽの脳 おばさんが入ってくる大量に 魚 飛び跳ねる 誰も見ていないところで 老人の声はデカい 無が無限に膨らんで 恒星たちは爆発し きっと届かないまま ゲーム実況見ていた 二年間 だった気がする だった気がする この区域で路上喫煙をすると 一千円の過料が科されます と どこかに書いてあった 教科書に落書きをしている間に 終わっていた もっと濡れたい 雨に 幼形成熟 恋と革命のために 太郎 花子 由香 香織 紗耶 話題のツイート 温泉むすめ 逃れてゆけ 逃れてゆけ 自撮りしているふたりを 見つめる 目 目玉 浜辺で 白く 白く 白く 白く 境界線はほどけた もう一度 あまい 糖衣錠 統一的な 像 増殖する お支払い方法 まとめサイト この世界の秘密 ねじれたソーセージ 青い 白い 脆い イオン・モール 迷子になる 歌を歌う 歌っていた 冗談でした あらゆる 情報商材のために すべて ひとつの 自己啓発 は はいいろの ノイズで 
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iconomiccc · 1 year
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tagged by @katebvsh to list seven of my favorite films.I would like to thank my friends who always take an interest in me and care about me. I would be happy if it was an opportunity to meet good works. それぞれのタイトル下に解説文をつけました。ネタバレしているので嫌な方は読まないでください。I've added a commentary below each title. Please do not read if you do not want to spoil the content of the story. カラスの飼育~Cría Cuervos~ (1976) 高校生の頃にカヒミ(kahimi karie)のアルバムでカバーされていた「Porque te vas」という曲で知って見た映画。カヒミさんは主役のアナ・トレントが自分の幼少期のようでシンパシーを感じると言っていました。私も同じように感じたのかは初見時はよくわからなかったけど、とにかく湿度の高すぎる古めかしい屋敷の中の空気のように重く苦しいストーリーなのに、24時間ずーっと流していても気分が良い不思議な映画だと感じました。やはり自分の感性に似たものを感じて懐かしかったんでしょうね。 汚いことがたくさんある大人の世界に対する子供の鋭い視線、汚い世界で生きていて死んでしまった大好きな母親に対する愛、でも大きくなれば自分もその汚い世界に入っていくのだ、望む望まずに関わらず。それに対するどこまでもピュアな嫌悪感・拒否感が彼女を殺人に駆り立てたのではないだろうかと思っています。 アナの子供特有のスラリとしたお人形のようなスタイル、髪型、顔立ち、衣装、とても愛らしくて全て完璧。スペインの田舎の草原はどこまでも終わりがなく続いているようで、物語と同じく、救いなく連綿と続いていく人生のような寂しい風景だと感じました。 夢 (1990) 黒澤明とスティーブン・スピルバーグの合作。 高校時代の同級生に親が映画マニアで家に死ぬほどテープやDVDがある女の子がいて。その子と私がたまたま天気雨(狐の嫁入り)という気象現象に遭遇した時、私が「天気雨大好き!!」と言うと、「黒澤明の夢って見たことある?狐の嫁入り行列の映像があるんだけど、霧深い杉林の中で子供時代の黒澤明が狐に見つからないように隠れて嫁入り行列を見るの。その時の狐たちがリズムに乗って歩いていて、三歩に一度突然ぐわっと後ろを振り向くのが怖くてねー」って。 それがずっと記憶に残っていて、見てみたら最高でした。まさに私が思い描く通りの狐の嫁入り行列の映像化。見つかったら殺される、と言う緊迫感を忘れさせるほど幻想的なシーンで、何回も繰り返しみてしまう。 同時収録されているお雛さま人形たちが段々畑で実際の人間の大きさになって花吹雪の中舞い踊る話も大好き。黒澤監督が幼い頃にみた夢の映像化作品なので、ストーリーにあまり意味はないけれど、とにかく映像が美しいです。 The Addams Family (1991) 24時間ずーっと流してても苦にならない不思議な映画二作目。これもカヒミさん繋がりで知り好きになったもの。 中学、高校時代の私はカヒミカリィという人の感受性に痺れるようなシンパシーを感じていて、彼女が理想の姿でもあったけれど同時に全く自分と同じ悲しみを含んだ魂の形をしているなとひしひしと感じていました。懐かしい、いつも私が感じているもの、好きな感じ、落ち着く感じ。 カヒミさんはアダムスファミリーのようなお城で暮らしたい、世間と常識が真逆であっても家族の中では愛や信頼が成り立ち、幸せに暮らしていると言う姿が理想的とおっしゃっていました。アルバム「クロコダイルの涙」収録の「superfreak」はまさにその世界を彷彿とさせます。 私も赤い絨毯に蜘蛛の巣のはった不気味な古城に暮らしていた前世があると思う。世の人の不気味に思うものが私の美を感じるもの。 お気に入りキャラはイケてるいとこのモップさんとペットの賢いハンドくんです。可愛すぎ。 Nell(1994) ジョディ・フォスター主演。ノースカロライナ州の深い山奥、美しい、湖のほとりにある木でできた家。そこに住む言葉が不自由な現代版狼少女のネルと医師のジェリー、心理学者ポーラ三人の心の交流・家族愛が不器用に育つ過程を描いた物語。体は大人だけど心は幼児でもない、小さな子猫でもない、不思議な存在であるネルと関わることで、常識の中で生きてきた普通の大人の男女二人が、一人の生き物としてそれぞれネルを守ろうと変わり始める姿に胸を打たれる。 私はなぜか小さい時から泉や水辺で水浴するという行為やシーンがとても好きなのですが、ネルが夏の夕方、森の中の湖で泳ぐシーンがすごく好きです。なんだろう、体が溶けて揺れて大気と水と一体になるような陶酔感。 真っ当に育った人間では���い存在であるネルが社会に復帰するために街に出るシーンは人々の好奇な目線やからかいに胸が苦しくなるのだけど、それをも乗り越えて人生は変化をし続けながら続いていく。目と心を世俗の汚れから洗ってくれるような作品。 Digging to China (1998) 実家にいた時衛星放送で偶然録画してすごく気に入った作品。まず登場人物全員の衣装やメイクや背景が半端なく可愛くて感心する。(一番の推しは主人公のお姉さんが妹捜索時に着ていた透明に白のドットの雨ガッパ) 思春期前の少女と知的障害ゆえに少年のような心を持った大人の男性の不思議な友情を描いた素敵な作品。 リボンのついたキャンディーのように可愛くて、でも油断してたら包み紙で手を切ってしまって血が滲むような、なんとも言えない純粋さと可愛らしさが混ざった妙味ある童話みたいな映画。大好き。 かぐや姫の物語 (2013) あまりにも打ちのめされるので気軽に繰り返し見たいという作品ではないけれど、強大な力を持っているので選ばざるを得ない。 鬱病から社会復帰するときにリワーク施設に通っていて、そこでのプログラムで映画鑑賞というものがあり、月に二、三回スタッフさんの持ってきたDVDを見ていて出会いました。 もう、上映後は泣きに泣いて震えて頭が働かないくらい衝撃的でした。 このDVDを持ってきた支援員さんに、私が泣きながら「○○さん、これ。私、わかった」というと、彼女も目を潤ませながら笑顔でうなづいてくれたことを覚えてる。 これは竹取物語という昔話の単なるリバイバルではなく、「この地球で生きるとはどういうことなのか」「人間は死んだらどうなるのか」を描いた物凄く重い作品です。 これは、「この世に生まれてきて、自分を愛してくれた両親が望む娘の幸せと自らが望む幸せが合致せず、親のためにとひたすら自分を殺し続けた結果、苦しさに耐えきれなくなり自殺に至る娘の生涯」を描いた作品なのです。 姫が帝に抱きしめられて瞬間移動ができているのは、もう半分死の世界に行っているからです。生身の人間にあんなことはできません。最後に月の使者が迎えに来るのは文字通り死の世界からのお迎えです。兵士たちの放つ矢は全て花になってしまう。死の前にはどんな権力も力も通用しません。 羽衣を着てしまえば地球でのこと(生きていた時のこと)を全て忘れる、躊躇した姫に親の愛で動けるようになったおじいさんとおばあさんが駆け寄ったとき、「ととさま、かかさま!!」と泣きながら振り返り、二人に抱きつきながら「離れたくない!!」と叫ぶ姫のセリフは、「死にたくない!!」という生への執着、生への恋慕の叫びなのです。 死んだら無の世界に行きます。生きていた頃の記憶は全て忘れて、喜びも痛みも悲しみも何もない光に満ちた世界に行くのです。 姫が地球を飛び立ち、宇宙を月に向かって進んでいるとき、ふっ、と振り返って青い地球をかえり見たとき。一粒涙を流したのは、喜びも悲しみも苦しみも全てが咲いては枯れ、沸き起こり、繰り返されている、生の世界の営みを愛おしく思う心の表れでしょう。 今生きていることが途方もなく尊いことだってことは普段、忘れてしまいがちなのですが、見た後にそれを思い出して自分を抱きしめたくなるような凄い映画です。 中国の植物学者の娘たち(2006) フランスとカナダ合作映画。監督は中国の方ですが同性愛を描いた作品のため中国では撮影許可が降りず、ベトナムで撮影されたもの。 映像も俳優さんたちも風景も全てが物凄く美しいけれど、物凄く悲しいストーリー。二人の愛が本物であったが故に、その愛の花が咲く大地が中国であったというだけで最後、二人は死刑にされてしまいます。 私は植物が好きなので画面に溢れんばかりに写り続ける緑と水と土の香りにとても癒されます。二人が出会い、互いに恋心を抱くようになり、少女のような淡い確かめ合いの時期を経てむせかえるような花と緑の中で激しく結ばれる。しかしその愛はこの人生では許されないものだった。関係が露見した二人は不幸になり、周囲から孤立し、ラストは死に別れるというとても辛い結末。 人間の幸福とは、国家とはなんなんだろうか?考えざるを得ません。 私は異性愛者ですが、幼い頃から同性愛者の人たちに不思議なシンパシーを感じていました。なんなら、そこらじゅうに在る異性愛よりも日の目を見ない同性愛の方が純粋であるとも思っていた。 どうして、同じ性別の人を愛しただけで罰せられなければいけないのか理解不能でした。愛の感情は人間に等しく与えられているものなのに。 見た後悲しくて胸が潰れそうになるので、これも気軽に何度も見ようとは思えないけれど、しかし心に残る作品です。
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masuodosu · 2 months
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枯れ木の花は根に持つ
朱桜司が刺された。
そんな言葉を聞いた時、平和な国に生まれ血なまぐさい生活とは無縁の人世を送ってきた姫宮は「また身内に背後からやられたわけ」と言葉通りの意味ではなく比喩で受け止めた。その反応が間違っていたと気付くのは、有象無象の言葉でなくチャットで出回ってきた一つの映像だ。
人目を触れる事が許されなくなったカメラアングルの撮影が、決定的な証拠を確保している。
本当に背中を刺された朱桜司が笑っている。笑顔を保ったまま優雅に踊り続けている。心地良い歌声を乱すことなく歌っている。真上のアングルに切り替わる。ステージが真っ赤に染め上げられていく。
目が離せない光景に心臓が嫌な音を立てていく。朱桜司がこちらに微笑みを向けた瞬間、映像が暗くなる。
姫宮桃李はそれからの事をよく覚えていない。確かなのは、鮮明に残っている記憶は世界的名医をヤブ医者だと詰ったことくらいだろう。それからはだって、曖昧だから。
ESビルの屋上でティーセットを用意している男がいる。約束の時間より遅れてきた姫宮は面倒臭そうな態度も隠しもせず、席に着くことなく触れたマカロンを口に放り込み数度の咀嚼を終えるとティーカップを持ち上げて一気に飲み干した。
「おいしいお茶をありがとう英智さまじゃあね」
「こらこらティータイムRTAはやめなさい」
タイム以外もアタックしてやろうか。
姫宮は提案を受け入れたという証明で自分の為に用意された椅子に座る。きっとビルの中にあるオフィス用チェアより安価なんだろうなと座り心地で確信する。
「それで、話って?そろそろ僕に皇帝としての王冠を譲る気になった?」
「おや意外だな。王冠欲しさに僕の首を跳ねる機会を伺ってると思ったのに交渉に入るのか」
「ボクは血の気が多い連中とは違うの。対話で済む問題はなるべくそうした方がいいよ」
「読めなくなっちゃって寂しいね」
「それで本題は?」
「ESの土地。こう言えばわかるだろう」
「……あぁ。契約の期限はもうそろそろだったか」
姫宮は天上院が幼馴染みと交わしたという土地の話を整理した。
流石に契約内容の詳細は部外者の自分ではわかりかねるので第三者でも知れる範囲内での知識と憶測になるが。まず大前提としてこの契約は朱桜司が当主だった事と、存命だった事で成り立っていた契約だ。
しかし悲しいかな、朱桜司は逝去された上に当主も今は朱桜司の父親が代理で行っている。なので契約を更新するにしても理不尽な条件で巻き上げられるか、ここで打ち切りとされる可能性もある。だって自分ならそうする。そんな風に思考を巡らせた脳の中で、得意げに笑う古い記憶の幼馴染みに当たって眉を顰めていく。
「まぁ、頑張りなよ英智さま」
「他人事だね桃李。どうせ僕だけが損する条件が課されるだけで、いつも通りの平穏が続くからって放置する気だろう?」
否定も肯定もせず、ポットから注いだ紅茶に口をつける。これが本当のお茶を濁すってやつか。
「実は桃李をここに呼び出したのは、お願いをするためなんだよ」
「お願い?」
つい聞き返してしまう。
天上院はコートの内側に手を入れてすぐ、皺のついた茶封筒を取り出してテーブルの上に置くと、そのまま姫宮の方まで滑らせるように渡す。
「これは?」
「ラブレター」
「英智さま。ボクの握力どれくらいになったか知りたい?」
「僕のこと大好きで大好きで堪らない子が恋しいな」
お兄様と慕ってくれていた子はもう土の下だろうが。
「それでこれは?」
「言っただろラブレターだ。と言っても、送り主は僕じゃない」
健康と程遠い白い肌を指が、封筒をとんとん叩いている。
「これは司くんが君に宛てたラブレターだよ桃李」
バチャバチャ。
お風呂の温度くらいになったポットを掴み上げて、ティーカップとは似ても似つかない黄金に輝く頭に注ぐ。
さっきから妙に紅茶が温いと思っていたが、どうやらこの男は自分がこのような行動に出ることをあらかじめ予想できていたようだ。
腹を抱えて笑い出した天上院に姫宮は舌打ちを溢し、封筒を引ったくって昼下がりのティータイムを終了させた。
桃李くんへ。
僕に会いたくなったら桜河を訪ねなさい。
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unseasonablechristmas · 2 months
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絶対的センター、無敵のアイドル。
とある番組のちょっとしたコーナーで今話題の地下アイドルが紹介されていた。
絶世の美少女…という訳では無かったが、何故か惹きつけられる。そんな魅力を持っていたセンターの彼女。
特に夢中になれるものもなく、ただつまらない毎日を過ごしていた僕は軽い気持ちで釣られてみたんだ。
ライブ当日。やはり彼女は他の子とは違うオーラを放ち、その場にいた大勢のファンを魅了していた。
しかし、僕の目に止まったのは彼女ではなかった。一番後ろの隅っこでもキラキラしていた女の子。一度視 界に入ってからというもの、僕はずっと彼女だけを見てしまっていた。
地下アイドルというものに詳しくなかった僕がライブ後の握手会というものを知ったのもつい先程。へぇ、直接話せるのか。
そんなものどうでもいい、と思ってはいたが...どうしてもあの子のことが気になってしまい、気付いた時には彼女の名前を確認し、CDを購入して握手券というものを手に持っていた。
「あれ?君、初めて?」
列に並んでいると、前に並んでいた男性が僕に声を掛けてきた。
「え?はい…」
「やっぱりそうかぁ。いや、この子の列っていつも同じ奴らしか並んでないからもしかしたらって思ったんだよね」
話を聞くとこの男性はかなりの古参らしく、彼女が加入した当初から追っているとのこと。
順番を待つ列はお世辞にも長いとは言えなかった。センターの子の半分にも満たない。古参の男性と話しているとあっという間に僕の番が来てしまった。
「こんにちは、えっと…初めまして、ですよね?」
彼女は僕の手を握り、黒めがちの大きな瞳で見つめながら話し掛けてきた。
「はい、今日初めて来ました」
「そうなの?嬉しいっ!ライブ楽しかったですか?」
「はい、気付いたらずっと君のことを目で追っちゃってて…」
「本当?有難う。また見に来てくれたら嬉しいな…」
少し照れながら笑う彼女が可愛くて、僕は思わず頷い てしまった。
あっという間に時間になってしまい手を振ってその場を離れた。
「わかってくれる人が増えて嬉しいよ。あの子、可愛いしファンサも良いのに運営に干されてるんだよなぁ…」
帰り際に先程の古参の男性からそんな話を聞いた。
彼曰く、彼女はあまり歌は得意ではないにしろ、前列でもいい程にダンスのスキルが高い。アイドルとしてのポテンシャルも十分だ。なのに何故か立ち位置はいつも一番後ろの一番端だという。ファンの中には早く卒業して別の場所で活動した方が良いのでは?と言う人も少なくはないと。
僕はそんな彼女がますます気になってしまい、次のライブにも足を運んだ。
「わぁっ!本当にまた会いに来てくれたんだね。嬉しい。有難う!」
ライブ後の握手会。僕のことを覚えていてくれたらしい。古参さんが言っていた通り、彼女はファンを大切にしていてすぐに顔も覚えてくれるというのは確かなようだ。
今回は複数枚握手券を所持していたので、この前より少しだけ長く話すことが出来る。1枚につき5秒…5枚で25秒ではあるが僕には十分過ぎる時間だった。
「ねぇ、君はもっと広い場所で歌ってみたいとか思ったりするの?」
思わずそんな質問をしてしまった。
「うーんでそれもあるかなぁ。でもね、私はファンのみんなが会いに来てくれるこの場所が大好きなの。こうやって沢山のアイドルの中から私を見つけてくれたあなたと話すのが楽しい。だから今のままで十分幸せなんだよ」
彼女は満面の笑みでそう答えた。彼女の目は輝いていて、それが本心なのは明らかだった。
僕もそんな彼女を応援するのが楽しくなり、いつの間 にかライブに足を運び握手会に参加するのが日課になっていた。
そんなある日、発表された…彼女の卒業。
卒業ライブ、人気メンバーともなれば盛大に開催されるのだが、彼女の場合はさほどメインに置かれることもなく、軽く発表があり挨拶をした程度で終わってしまった。
これが最後の握手会になるのか…。
そう思いながら重い足で彼女に会いに行く。
「こんにちは、いつも本当に有難う」
いつも通り笑顔を見せる彼女ではあったが、どことなく表情が寂しそうだった。この場所が誰よりも大好きな彼女のことだ。きっと自らの決断ではなく運営側からの指示なのだろう。
「卒業しちゃうんだよね…もうこうやって話せなくなっちゃうのかぁ」
笑顔で見送りたかったのに、僕は泣いてしまったんだ。
「泣かないで?また会えるから。ううん、絶対にまた 会おうよ」
そう言って小指を差し出してきた。
「指切り!約束だよ」
それが彼女と話した最後の日。
それから数年が経った。
彼女以上に夢中になれるアイドルも現れず、僕は次第 に現場に行かなくなっていた。そして以前のように変化のない毎日を過ごしていた。
今日はオフだけど何もすることがない。適当にゲームでもしようかな…なんて、面白そうなゲームを探していた時だ。
あれ…?
とあるアイドル育成ゲームで彼女の名前を目にした。 キャラクターの声優だ。
ゲームをダウンロードしてサンプルのボイスを聞いてみる。間違いない、彼女の声だった。
地下アイドルとして活動していたがパッとせず、そんな時にこのストーリーの舞台となる事務所にスカウト された、という設定のキャラクター…まさに彼女の為の役だ。しかもメインキャラクターの一人ではない か。
詳細を確認したところ、アイドルのゲームということもあり、本人達がキャラクターとして出演するライブが定期的に開催されているらしい。しかしそのゲームは人気が高くチケットも入手困難だった。僕がチケットを手に入れたのはそれから一年後の公演である。
会場はドーム…信じられない。地下の狭いステージの端っこにいた子が、こんなにも広いドーム会場で見れるだなんて。
PM5:00開演。
出演者が全員ステージに立つ。そこには彼女の姿があった。昔よりも煌びやかな衣装を着て、最前列に立っていたんだ。
それだけでも嬉しかったのに…中盤、彼女のメンバーカラーである青のペンライト一色の中、センターステージに一人で現れた。メインキャラということもあり、ソロステージが設けられていたのだ。
青いペンライトの海の中、気持ち良さそうに踊り歌う彼女はまるで人魚姫のようだった。立ち位置が変わっただけでこんなにも輝きが増すなんて。やはり彼女は天性のアイドルだったんだ。
「私を見つけてくれて有難う。そして…昔から私を応援してくれてる皆さん、今私が見ている景色は昔とは比べ物にならないくらいに広いです。だから前みたいには沢山会えないかもしれない。でも出来る限り私から会いに行きたい!私は今、すごく幸せだよってみんなに伝えたい」
キャラクターの台詞なのだが現実の彼女と重なってしまう。
終盤、彼女が僕の近くの花道を通り掛かった時だった。ふと視線が合うと大きな目をさらに見開いて満面の笑みを向けてくれたんだ。そして小指を立てた手を僕に向けた。
約束、覚えていてくれたんだね。本当に有難う。
僕は君を好きになって良かった。そしてこれからも広い世界で活躍する君を応援していたい。
だからまた、会いに来てね。
地下に潜む人魚姫は広い海を見て世界が広いことを知る。そして誰よりもキラキラと輝いて永遠に歌い踊り続ける。
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3saizi · 3 months
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2月活動記録 ~ライブ編~
そういえば初めてライブハウスに足を運んだのも10年前でした
観るのも演るのも
ミルモでポン!
こちらは20年以上前のようです
20年前何してたかは流石に覚えてないけど、校長先生らしき人がステージの上で踊り狂ってるCMが衝撃的だったな…
ゲームばっかりしていたのは間違いありません
当時だったらポケモンのリーフグリーンですかね
ワイヤレスで通信できるようになったの、すごかったよね~
ピカチュウの通信ケーブルなんてのもありましたね
ゲームは結構攻略本を読みながらやる派でした
あと広技苑とか大好きだったな~
ライブの話どこ行った?
信じ難いかもしれませんが僕の脳内ではこんな風に思考があっち行ったりこっち行ったりして何を考えていたのか分からなくなったり話が着地できなくなったりします
ナーディのメンバーで会議通話してる時もよく話題がズレて皆でひとしきり盛り上がった後に「何の話だったっけ?」となりますね
本題!
2/25(日)、LiveSpotWOODYさんでライブ出演させて頂きました
初めてのWOODY
見るのも演るのも
幣バンドは足元の機材が多いというのはご存じの方もいらっしゃるでしょうが
僕も例に洩れずギターボーカルとは思えないサイズのボードになっているので
ライブ前日のスタジオからマグナカートを導入しました
すごい楽
ギターもハードケースから背負えるケースに替えたらすごい楽
逆になんで今までやってなかったんですかね
これでライブ当日も勝つる!
そう思ってました
WOODY様の階段を見るまでは
上がるにしても下がるにしても階段があればマグナカート持ち上げなきゃいけなくなるのは覚悟してたんです
予想の3倍段あんなぁ
いつも機材をライブハウスやスタジオの内外に運んでいる時に
「搬入業者か?」って自分達の事を笑っているんですけど
引っ越しのバイトってこんな感じなのかなって思いました
それもまた一興
今回の出演バンドさんは全員初めまして!
トッパーのRamblampさん
20代前半の勢いやパワフルさがあり、かつ歌声やサウンドにオリジナリティがあって素敵でした
ドラムが音で殴られてるんかと思うくらい力強くて、ビートも単調にならないように練られていて
チャイナが多用されてるのが好きでした
翌日はしっかり学業があるということで、打ち上げもノンアルかつ日付が変わったくらいの時間に古町から長岡に帰られてました…
若さ 若さってなんだ これさ
メンバー3人ともとてもとても愛想がよくてアラサーのめんどくさい話にも優しく対応して下さいました
ありがとう…ありがとう…(SMAP)
2番手はシステムキッチンさん
バンドアカウントが無かったのであまり情報収集できずにいたのですが
メンバー��サツヲから「このバンドシューゲイザーだった!」と貼られたMVのURLをクリックして沸きました
えっ 今日は全員ファズ踏んでも白い目で見られないのか!!
トリプルギターもいいぞ!
なんとシステムキッチンさんもギター3人編成
ストラトが3つ並んでいるのも壮観でしたね
ストラトキャスター・ストラトキャスター・ストラトキャスターだ
機材トラブルがあって苦労されている場面もありましたが
ドラマー不在にして、音量とサウンドの尖り具合はNo.1でしたね
打込みが凝られていて、いい意味でシューゲのドラムっぽくないビートの曲もあって素敵でした
先述のsundayも2曲目?で聞けて良かったです
他のメンバーの皆さんがカジュアルな装いの中でギターボーカルのユイスズカさんがお人形さんのような可愛らしい格好だったのも印象的でした
大学の軽音で可愛い先輩がバックバンドのオタク達が自腹で用意したお姫様のような衣装を着せられていた田村ゆかりのコピーバンドを思い出した
それこそ、軽音時代の同級生とギターのいかしさんが知り合いということもあり
是非とも仲良くなりたい!と思っていたんですけど
転換やら物販やら搬入出やらであっという間にライブが終わってしまい
打ち上げの時も会場に着いた時点でもう既に酒席が完成してしまっており
声をかけられなかった…
これだから陰キャはよ
退店間際にギターのお二方と少し話せたくらい
心残りです
ただ、テーブルの奥の方から「紋舞らん」って聞こえてきたのが引っくり返るほど面白かったです
スカパー!の100番台(誰も分かんねえよ)
20年振りくらいに耳にしました
伏線回収(?)
そして3番手ことトリがNerdy Pixieでした
セットリストはこちら
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初公開の曲が1個ありました
新曲って体だけど出来たのが3,4年前なのは内緒ね
珍しく俺がパワーコードを弾いている
そしてアウトロで俺がかっこい~いソロを弾いている
はずだったんですが
前日のスタジオ練習までなんともなかったのに
何故かソロを弾いている最中に1弦のチューニングがズレまして
とっさにペグ回してみたものの何とかなってるのかなってないのかも分からず
これじゃ星座になれないじゃんとか考える余裕もなく
とりあえずソロとしての体裁は守ったつもりでしたが、ヘタクソ!と思わせていたらすみません…
あとはボードがデカいせいでマイクスタンドが遠くなっちゃって(いつも悩んでいる)
1,2曲目は前傾姿勢過ぎて歌いながらずーっと脚がプルプルしてました
バレてないよね?
マジで生まれたての小鹿みたいだったんだけど
今回、過去一で自分のギターの音が聞こえてて
録画してもらってた動画を見ると外音でも結構聞こえていたみたいで良かったです
PAさんに大感謝
自分達でスタジオ入ってる時ですら「なんか全然聞こえなくない?」だの「俺の音でかい?」だの毎回やってるくらいなので…
メンバー一同とても喜んでおりました
ありがとうございました
Nerdy Pixie、昨年の3月から約半年おきにライブが継続的に出来ていて大変嬉しいでございます
次回はですね~
意外とすぐかもね
続報を待て!
以下 最近の話
今月に入ってから、人生で初めての無職というものを体験しております
12月半ばからの有給消化が1月末付で終わり、2月からは真の職無しになりました
この2か月半、何か機会を探しては外に出てみたり、初めましての人との出会いも多々あったのですが
何せ今の私は給与もなく失業給付も未だ受給できていない状態
それでも今まで通りに発生する支払い
加えて今までは給料から天引きされていた保険料などの負担
今はまだ「もう口座の残高が5桁しかないナリ…」みたいな状態ではないのですが
例えば
車が突然シャララシャカシャカになったとして
新潟という地で暮らしていく以上はモーストインポータントな移動手段で、買い直さないという選択肢は無いわけで…
みたいな色んな不測の事態に対応できるようにしておかないと、と思うと
今までのように行きたいお店やライブなんかに気の向くままに出掛けることを恐れてしまい
歯がゆい思いをしながら家で酒に溺れる日々です
それをやめれば幾らか浮くだろって?
無理
予定も作れず部屋で腐っていると、この季節感も相まってか精神的に不安定になってしまい嫌だな~と思っていたのですが
2週間ほど前から職業訓練というものが始まりまして
僕がやっているのはeラーニングという家にいながら受けられるものなんですが
次の仕事、それも未経験の業種に就くためのお勉強をしております
なんせ経済学部を卒業してから7年弱の間、建設業にしかいなかったのでね…
言ってることおかしくないですか??
国公立大卒なのに就職先の選択肢が建設業とパチ屋しかなかった話はやめよう
机に向かって勉強するなんてほんと学生振りだし
別に学ぶことが好きで大学に行ったわけでもないから
大丈夫かな~29歳 と思ってたんですけど
思いの外「理解する」ということに喜びを感じられているのと
やらなきゃいけないからやってるにしても何かに打ち込んでいる時間があることで精神が安定しているのを感じています
いや自分で望んで受講してるんだけど
いつ頃からか、仕事が嫌すぎてプライベートの時間も無気力になってしまっていたのですが
そんな仕事を辞めて気付いたのは「労働することで無気力にならない時間を作り出せていた」という悲しい事実でした
無職になったら無限にも似た時間が出来て
また曲を作ったり、歌を歌ったり、ミックスしたりEPを作ったり
今まで出来なかったあれもこれも出来るようになると思ってたんですけど
何もしなくてもいい日ほど何もしたくない
体が動かなくて何も出来なくてこのまま一日終わりたくないと酒を煽って気分を上げようとしたらハイになりすぎて時刻は早朝、眠りから覚めれば既に日が沈んでいたり己を呪うほどの気持ち悪さに苛まれていたり
俺っていま人間ですか?と支離滅裂な疑問を誰にぶつけられるでもなく抱える事しかできませんでした
それが職業訓練という半強制的なタスクをこなすことで和らいでいるのも考えてみれば悲しい話な気がするけど
少しは人間らしい生活を送れていると思います
あとは、興味を失ったというより向き合い方を忘れてしまった、自分の好きな事にどう力を注げるかなんですが
やんなるくらい難しい
自分で自分にちゃんとやれよと何度も言ってるんですけどね
なんか空気悪くない??
何はともあれ
2024年は、30代になる前に訪れた転機の年だと思うので
人生変えられるように何とか頑張りたい所存でございます
次に更新する時には明るい話ができますように!
それでは
明けましておめでとうございます
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20kitan · 4 months
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CoC「ヤゼル」秀才 追記に詳細設定 ※シナリオのネタバレが含まれます
◆橘星蘭身上調査書
芸名:橘星蘭(たちばな せいらん) 本名:雪庭嵐(ゆきにわ らん) 愛称:ランちゃん 年齢:23歳 性別:女 血液型:B型 誕生日:4月4日 星座:おひつじ座 身長:158cm 体重:46kg 髪色:暗い紫、黄色のインナー 瞳の色:ヘーゼル 視力:左右1.0 きき腕:右 声の質:芯の通った澄んだ声 舞台の端まで声が通る icv.キルラキル皐月のときの柚木涼香 手術経験や虫歯、病気:子供の頃は食が細く病弱で、ガリガリで発育が悪かった 身体の傷、アザ、刺青:なし その他の身体的特徴(鼻や目の形、姿勢、乳房、足、ホクロなど):締まった細身 肉も筋肉もつきにくい セックス体験、恋愛、結婚観:恋愛に本気になったことがなく、基本的に自分の仕事を優先するため続かない  尊敬する人:ヒース・レジャー、トム・ハンクス、オードリー・ヘップバーン、ジョニー・デップ 恨んでる人:特になし 出身:富山県の田舎 職業:舞台女優 将来の夢:自分の劇団を持って脚本・監督も担当すること 恐怖:舞台の公演中止 癖:腕組み 酒癖:酒鬼強い ワク
*交流向け 一人称:私 二人称:あなた、君 呼び方:苗字+さん 仲良くなれば下の名前で呼び捨て
*概要
「劇団フルーツタルト」のトップスター。老若男女問わず人気があり、将来を期待される女優。ファンからの愛称は「ランちゃん」。
*性格
 おおらかで魅力的、情熱と行動力ですぐ人気者になるタイプ。仲���内では気さくだが、時にずけずけ物を言いすぎることも。ストイックな努力の信奉者だが、すべての人がこれほど人生や生活を捧げる必要はないとも考えているため、好きでやっているものを他人に求める気はない。才能を信じず自ら獲得したもののみを信じる女。細身で小柄な体に飢えた獣のようなパワーを秘めている。  幼い頃は小さくガリガリの自分に自信が持てなかったが、思春期からいくつかのコンプレックスを自力で克服してきた。悲しみで涙は滅多に人に見せないが、苦しみの最中にいる人に同情しやすく涙もろい。  好きなもの(特に演劇)に関しては無邪気な愛情を感じており、それゆえに他人には理解しがたいほどの執着で勉学や修練に励む。贅沢が好きで度が過ぎた浪費をしてしまうこともしばしば。
*人間関係
 舞台関係者には礼儀正しく、真正面からぶつかるコミュニケーションをする。劇団員との仲は良好で、組織のなかの政治を嫌うため誰とでも平等に接し、対等な友人のような関係を築いている。監督や脚本と意見がぶつかることはしばしばあるが、不思議と険悪になることはない。ファンには気前よくサービスする。  恋愛に関しては恋人にしたいと思った相手は狙って手に入れるタイプ。芸の肥やしのためにのめり込んで燃えるような恋愛をしたいと思っているが、芸の肥やしだと思っているためあまり長続きしない。そのわりに自分の容姿や肩書きだけを見る人間は嫌う。わがまま。
*家族関係、幼少期体験  父母と兄が健在。学生時代は非常に品行方正な優等生。  中学の頃たまたま観に行った「椿姫」の舞台に憧れて高校は演劇部に所属。短期大学を卒業してすぐ「劇団フルーツタルト」に入り、一気に演技の才能を開花させた。  しかし母方の祖父が演劇の道を目指し一時は売れたがその後落ち目になり失踪した件で家族が振り回された過去があり、母親は演劇と自分の父親を恥ずかしいものだと思っているため、嵐が演劇をやることに忌避感を覚えている。  だが同時に彼女の激しい気性も知っているため自分たちの言うことは聞かないだろうと思いつつ、母親は演劇を応援していないのが現状。多少気にしてはいるが、足枷には思っていない。
*能力
 華やかな演劇の才能の持ち主。舞台上にいるとつい目で追ってしまうほど目立つ。小さな頃やっていた剣道と日本舞踊のおかげでタフで肺活量が高く、舞台上でまったく息を乱さず長時間セリフやダンス、アクションをこなすことができる。スマートな体型と中性的な声を活かした少年役も人気。  歳の割に老成した考えの持ち主であり、あらゆる女性の味方。健康的な美しさのために日々トレーニングなどの努力を続け、理論を学んで実践しては劇団内やSNSで共有している。食べてもあまり太れない体質で風邪を引きやすいため、体調管理が欠かせない。  あらゆる演劇や映像作品については、不朽の名作から最新作まで��る時間を惜しんでもチェックしている演劇オタク。幅広いジャンルを愛する。
*劇団フルーツタルト  東京の小さな劇団でありながら粒揃いの才能の持ち主が集まり、ここ最近急激に成長する劇団。少数精鋭の脚本家、演出家、劇団員が集まり、大手の劇場ともたびたび契約する実力派。  「フルーツタルト野山劇場」とも言われる脚本家野山三郷の古典的な舞台の本筋を壊さず骨太なストーリーと仰々しいセリフ回し、それでいてケレン味たっぷりでポップさのある演者たちの軽妙な会話がエンターテイメント性の高い劇団。近年は美麗な衣装と橘星蘭の人気もあいまって数々の演劇賞を受賞し、演劇界を超えてメディアに露出しつつある。
【出演作品】 バニラ(娘B) 親孝行な娘たち(マルガリータ) アルルカン(王子) 若草物語(ジョー) いばらの冠(マグダラのマリア) オリエント急行の殺人(メアリー・デブナム) 完璧な息子(新庄清人) オズワルト(オズワルト) だれがコマドリを殺したか?(カメリア) 吸血鬼カーミラ(カーミラ)
*好きなもの 食べ物:握り寿司(特にブリとハマチ)、おでん(特にタコ)、釜飯、ホタルイカ、フルーツタルト、ブルボンのお菓子 得意料理:ちらし寿司、いなり寿司、煮付けなどの和食 里芋の唐揚げが絶品 小料理屋の父直伝のため美味しい 飲み物:カフェラテ、芋焼酎、ハイボール 季節:春 色:鮮やかでポップなカラー、シルバー 香り:ロクシタンのエルバヴェール 書籍:小説、あまり分野を問わず本屋を巡る よくお風呂で読む 動物:サモエド ファッション:少し変形のきいたクラシックな服が好き 場所:舞台の上、鑑賞席 愛用:シルバーのイヤリング、キャンディ(低血糖対策) 趣味:映画鑑賞、舞台鑑賞、台本読み
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punk-cat-punk · 7 years
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あこがれの意味
40代もなかばの馬齢を数える私はいま、シゴトとハードコアパンクバンドの活動以外では女性アイドルのヲタクとしての余生を送っています。
1990年代に夜間に大学に通っていたころ、ブント系と目されるとある小党派のフロントサークルに所属したのが強烈な契機となり、「日帝本国人」(しかも「男」)としてうわべだけで自己否定しまくりながら微力すぎてなにもできない口先だけの「共産主義者」としての素養を獲得しつつ、サークルの先輩に「パンクはプチブル」規定されたのを根にもって(パンクを受容したキッズの大多数はプロレタリアートのガキなんだけど!)悩んだあげくしばらくしてサークルをきっぱりとやめて(やめる時にサークルボックスで先輩活動家たちにツメられ物理的に殴られはしなかったもののガクブルで粗相しそうでした)やっぱりDIYパンクだなーとアナキズムを夢見るボンクラに戻りつつそれでも2000年代はいろいろと無党派の「運動」のすみっこでグダグダしたものの自分も含めて自己欺瞞ばかりでいやになり、撤退して社会的には頓死したも同然の賃労働マシーンに純化してみるとこんどは賃労働の酷烈さに追いつめられ息もたえだえにバンド活動だけで生きのびていたところに再び女性アイドルの存在に出会ったのが2012年(映像だけなら2011年)のことでした。長い。
つまり大震災と福島第一原発の爆発で「東日本壊滅」の危機が叫ばれたあとに、都市生活者としての自らの罪深さにおそれおののきながらバンド仲間が反原発デモでパクられてその救援で東奔西走するなかで息苦しさが倍増していき、その過程と事後で苦しさを清算することができずいよいよもうダメかなと思いはじめたタイミングでアイドルと呼ばれるまばゆい存在を目にすることができた、というわけです。
もうお分かりですよね。アイドルが繰り広げるパフォーマンスの魅力に「救い」もしくは希望を勝手に見出して舞い上がるタイプのアレとなったわけです。最初にパフォーマンスを目の当たりにしたのは女性アイドルでしたが、いまとなっては男性アイドルや「ゲイアイドル」のパフォーマンスも現場で楽しく観るようになっています。
私はいま前田彩里さん(以後、愛称のいろりん)の歌とダンスに魅了されて応援しています。いろりんのライブ最優先で現場に通うようなってからおよそ2年ほどがたちましたが、ずっといろりんのライブに通っている人からしたら「やっと流れてきた」立場にすぎません(いやもちろん応援する立場に新旧の別はないとは思いますが、やはり何年も応援し続けることのすごさを忘れたくはないとも考えているのであえてこう書いておきます)。そうなんです。流れてきたんです。別の演者さんから。
そもそも私はガキの時に同世代のアイドルを軽視していました。それまでのアイドルのパブリックイメージを打破することになった「おニャン子クラブ」が同世代として活躍していくのをテレビで見ても、「遊びでしょこれ」としか思わなかったんです。おニャン子以後のいわゆるアイドル冬の時代において歌主体で活動していた姫乃樹リカさんやCoCoは別格でしたが、やはりおニャン子のありようをメディアから刷り込まれるにつけ、しょせんお遊戯にすぎないとどこかでバカにするような意識を持っていたということです。自分の中にそうした差別的な感情がうずまいていたことを認めざるをえなくなったのは、℃-uteを知った時のことでした。℃-uteはハロープロジェクト(ハロプロ)に所属する女性アイドルグループです。
すでにおぼろげとなっている記憶をたどると、2011年の晩冬にシャ乱Qの「シングルベッド」の映像をYouTubeで視ていた時に、リコメンド欄に℃-uteのメンバーである鈴木愛理さんによるカバーバージョンがリストアップされていて、そちらも視たところ歌うま!とびっくりしてそのまま他の動画も視聴し続けたのが℃-uteにはまったきっかけだったように思います。
いずれにせよYouTubeで映像を確認し、愛理さんの歌のうまさだけでなく年若い女性の5人グループ(当時はすでに5人でした)のパフォーマンスはこんなにすごいのかと驚嘆して、この時に自分はおニャン子的なパブリックイメージ縛られすぎて食わず嫌いでいただけなんだなと自覚させられました。
もともと私が好きになった音楽はハードロックやヘビーメタルでした。それはローティーンの時のことでしたが、洋楽一般を入り口としながらすぐにそれらの極端さを好きになるガキとなったわけです。続いてブルースなども並行して聴くようになったとはいえ、ほどなくしてメタルからハードコアパンクに流れたこともあいまって、基本的には攻撃的で激しい騒音を発するバンド群に没入していきました。いまでもハードコアパンクは大好きですが、10代の時にそうしたものを聴くのは思春期にありがちな「他とは違うなにか」に浸かりたいというひねくれた願望にも合っていたのだと思います。いまとなってはハードコアパンクやヘビーメタルについては違った思いから好きでい続けていますが、ガキの時はとにかく「なんとなくアングラな感じ」や「激しい感じ」に惹かれていました。あるいはのちに自らハードコアパンクのバンドをやるなかで、知らず知らずのうちに尊大な態度が身に付いてしまったのでしょう。「自分は人とは違うことをやっている」という思い上がり。だからこそ女性アイドルに表象されるような「かわいい」ものに対する畏怖の感情を無自覚にであれ持っていたのだと捉え返さざるをえないのです。
そうした愚かな忌避感情をもののみごとに粉砕してくれたのが℃-uteでした。動画をぐるぐると視ていくなかでたどりついたのが2011年9月11日に開催された℃-uteの日のライブ映像です。引きの映像の中でヲタがぴょんぴょん跳びまくっているためステージの様子が分からづらいのですが、それでも歌い踊る5人の演者の姿を捉えることができました。統率のとれた巨大な応援のコールを繰り出すヲタの熱量に「このキモい人たち何なんだ…」と思いながらも、何よりステージの5人は何でこんなに踊りながら歌えるのかなとびっくりしたのです。しかも数曲まとめてノンストップでやってるなんて!!
ライブをこんな風にやれば自分なら倒れるだろうな。身体を動かしながら声を出すことの難しさを多少なりとも知っている身としては、まず運動量のすごさでガツーンとやられました。勝ち負けが問題ではありえないとしても自分はこの子たちに勝てるわけがない。まじこの子ら何なの。アイドルってみんなこんななの……と思ったものの、どうやらそうでもないらしい。すべてのアイドルが生歌でコンサートに臨んでいるわけでもない事情をなんとなく知り、それじゃなおのこと℃-uteが実際どうなのか観に行かないとなあと思いながらも、踏ん切りがつかなくてどうしようか数ヶ月悩みながらついに行ったのが「℃-uteコンサートツアー2012春夏 〜美しくってごめんね〜」の追加公演でした。神奈川・よこすか芸術劇場大ホールの昼公演のみでしたが、いま調べてみたら2012年6月30日に開催されています。記憶がすでにぼやけていてもうちょっと前のことかと思いこんでいたので、これこそ備忘録ですね。
それでは実際の℃-uteのコンサートはどうだったのか。言わずもがなです。ホールコンサートのためステージは遠かったのですが、とにかく視覚・聴覚どちらも圧倒されっぱなし。ごめんなさい。やっぱりあなたたちにはかないません。自分の中にマチズモ(マッチョイズム)が巣食っていた無様さを、あなたたちがその「かわいさ」を武器に切り裂いて明るみに出してくれました。まじめにそう思いながら帰路についたことを覚えています。同時にことここに至れば何度でもライブを体験するしかないと感激した記憶は今でも色褪せることなく脳裏に刻まれています。たとえ女性アイドルのライブ現場で圧倒的多数である男性客がいかに怒号のようなコールを繰り返して「男らしさ」を誇示していたとしても、それを遥かに凌駕するパフォーマンスをもって熱狂の場を制圧していく女性アイドルとはいかに得難い存在なのか……と本気で考えたのです。彼女たちなら自分の薄汚い差別根性を叩き直してくれるのではないか。
その後のアイドル応援の遍歴のことはここでは詳しく書くつもりはありません。ただ大まかに言うと次のようになります。
℃-uteのライブには初の武道館公演2DAYSの2日目(2013年の℃-uteの日、つまり9月10日——当初武道館公演はこの日だけだったはずが急遽前日の9日もセッ���されたため“初武道館公演の日”ではなくりました)に行ったのを打ち止めにしています。2012年以後に℃-uteのコンサートツアーにはちょくちょく入っていましたが、1年と少しで行かなくなってしまったわけです。
そのころ並行して気になっていた、アップフロント系事務所としては傍流のTNXに所属するポッシボー(現チャオ ベッラ チンクエッティ)のライブにも行くようになり(最初に行ったのは2013年8月11日に開催された横浜Blitzでの単独ライブの昼公演)、そして1年も経たないうちにいまも応援しているいろりんのことを知りました。
最初にいろりんのライブに行ったのは2014年6月17日に開催されたソロ活動2週年記念の単独ライブですが、いろりんのライブにぽつぽつと断続的に参加するようになったのは1年後の2015年6月くらいからです。2015年8月にはあっきゃんこと秋山ゆりかさんがチャオベッラチンクエッティ(6月に改名)を「卒業」し、その現実をうまく受け止めきれずにいろりんのライブを最優先にして通うようになって現在に至る……というのが大まかな自分の動き方の記録です。
ともあれ、私は女性アイドルのパフォーマンスに心をわしづかみにされたままです。そしてそれは自分の中に巣食う差別的な根性を自覚するきっかけを与えてくれるかけがえのない経験であり続けるでしょう。つまり私にとっての女性アイドルへの憧憬とは「男性優位社会における男」としての自己否定を繰り返すための大きな力の源泉にほかならないのです。
利用主義的だなあと自分でも分かっています。ごめんなさい。
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habuku-kokoro · 6 months
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(名古屋能楽堂試演会)「ひとり文芸ミュージカル 乙姫様」(2023年9月5日、名古屋能楽堂)を観て ー 林田直樹
音楽ライター・評論家 林田直樹
「むやみやたらに海を荒らす者を懲らしめる」のが「我が一族の役目なのです」。
「水がなければどう暮らす 水がなければ生きられぬ」。
あの言葉がまだ耳にこだましている。
そうだ、浦島伝説が前提としていたこと――海とは神聖なものだったのだ。あらゆる生命をはぐくみ、人間の暮らしを見守り、ときに優しく抱きとめ、ときに厳しく戒めてくれる、大いなる海に対して、私たちはいつしか畏敬の念を失ってしまったのではないか。そんな思いにとらわれた。
100年も生きられないはかない存在である人間が、海と水の恩を忘れ、神の如くふるまう愚かさと罪深さが、このミュージカルでは繰り返し強調される。
総檜づくりの木の匂いのするような名古屋能楽堂。舞台正面鏡板に描かれているのは、通常の老松ではなく目に鮮やかな若松。見事な静寂がここにはあった。
威厳ある艶やかな姿で乙姫様を歌い演じた源川瑠々子さんは、この場が作り出す清新で引き締まった雰囲気をすっかり自分のものとしていた。うたうような語るような独特のセリフまわしと身のこなしは堂々たるもの。歌うことと演じることと踊ることと、そのすべての中間的存在になることで、人間社会を不死の観点から見据える神聖な存在になりきっていた。
橋掛かりを最後にゆっくりと退場していくときの後ろ姿も強く印象に残っている。幾らか長く思われるその距離を歩くときの間(ま)を、観客は見送り続けている。身体が規則的に微かに上下する様式的な歩みからは、神の娘であるはずの乙姫が、人間の若者の優しさとはかなさ、命のかけがえのなさに気づいて、いそいそと心を弾ませて浦島の元に戻っていこうとする足取りの軽さが伝わってきた。原作者・島崎藤村の描いたみずみずしい初恋のときめきを思わせる余韻だった。
雨降り星を演じた敷丸さんも、現実離れした世界へといざなうインパクトが抜群だった。語尾が跳ね上がる不思議な声の調子は、沖縄風のようでもあり、純和風ではない人工美があった。切り戸口からひょいと現れた白塗りの顔だちとエキゾティックな衣装は、男でも女でも大人でも子供でもない、異形の存在を思わせた。ときに語り部となり、ときに後見となって、観客を浦島伝説の幻想へといざなう仲介役として、類まれな役割を果たしていた。
はかない人間に過ぎない浦島太郎は、なぜ海神の一族であり永遠の命を持つ乙姫様の心をとらえることができたのか。それは、「魂に一点の曇りもない優しい輝き」があり、「自然と共鳴し合う御心」があったからだ。争いごとを繰り返す愚かで哀れな、他の人間の男たちとは違うからだ。
このシンプルで誰もが共感できるメッセージを、深みをもって伝えることができていたのは、この物語の進行が、単純に時系列的に流れていくのではなく、時間を行きつ戻りつしながら、主人公の乙姫が不在の浦島を回想する心の動きに添った形で構成されていたからだろう。巧妙な劇作法である。
伝統を踏まえつつ新しい挑戦を積み重ねてきた作曲・演出・プロデュースの神尾憲一さんの仕事が、源川瑠々子さんと敷丸さんの見事な演技と歌とあいまって、名古屋能楽堂という場の力を得て、ひとつの集大成のようになった、素晴らしい舞台だった。
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oka-akina · 8 months
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棕櫚の姫
 そのコンクリートの塀を城壁と呼んでいた。広い広い敷地を囲って、高さもあり、壁の上には有刺鉄線が張り巡らされいかめしい。書道教室の行き帰りにいつも通る道で、城壁の作る影は湿っていた。苔が生え、蟻や蜘蛛が這っていた。蟻を目で追い、歩いていると、足元がぼこんぼこん鳴った。壁とはちがう色のコンクリートで蓋がされており暗渠だった。かつて川だったところにかけられた蓋で、ところどころ揺れる。城壁だなんて巨大に感じていたのはわたしが小さかったためだろう。
 城壁の内側は二階建ての細長い建物で、庭が広いのでぽつんとして見える。クリーム色の壁がくすんでいた。そんなに豪華な建物ではないのでかえって城だった。余計な華美は避け、質素に屹立している。ほんとうの城はこうでなくっちゃと納得し、庭の芝生がかなり禿げていてそういう滅びの気配も城だと思った。どうやらどこか大学か会社の寮であるらしく、何々寮という文字が見えた。といっても、城門はめだたないつくりで奥まったところにありそっちへ行くのはこわかった。どんな寮だか、どんな人が住んでいるのか、ちゃんと見たことはなかった。
 わたしが見ていたのは壁と棕梠シュロだった。お城の庭には一本だけ、背の高い棕梠の木があった。灰色の壁の向こうですっくと伸びている。壁よりも建物よりも高く、ぼさぼさの幹が風にしなっている。棕梠という名を知ったのはもっとあとで、わたしはあれはヤシの木だと思っていた。あの揺れ方は南国だなあと、南国のことを知らないのに感心していた。雪の降りそうな寒い低い雲の日でも、冷たい風に手の甲が痒くても、壁の向こうのヤシの木だけ南の島で、お城の中だから当然だと思った。壁の外から見上げる葉はいつも影になり、動物の毛みたいにぎゅっと密集して見えた。
 この木の下にどんな人が住んでいるのだろう。なんとなく、人魚姫の姉たちを想像した。絵本の話、もっとわたしが小さかったころの話。母が、人魚姫の姉たちが泳ぎ回るページを開いて、「この中だったら誰が好き?」とわたしに選ばせた。深い意味はなかったと思うが——人魚の姉たちは色とりどりで、きっとわたしに色の名前を言わせたかった——、わたしは青い髪のお姉さんを指した。彼女の髪の毛はそんなに長くないがAラインにふわふわ広がっていて、ひたいに垂らしたアクセサリーが大人っぽく、いちばん素敵だと思った。そうして青い髪の人魚はその一ページだけの登場で、人魚姫に短刀を渡すシーンにはいなかった。それもよかった。きっと海の底で静かに悲しんだ。悲しみはするが彼女にはその後の人生があり、死なない。青い髪の姉についてわたしは幾度も想像した。棕梠のお城にいる誰かを想像すると、彼女になった。
 やがて暗渠の町からは引越して、わたしは川に挟まれた町に住むことになった。両親が離婚し、母と二人の家になり、近くに祖母と伯母が住んでいてちょくちょく行き来した。蓋のない、どころか、おおきなおおきな川で河川敷もだだっ広い。二つの川はカーブし、町はレモンの形をしている。アーケードの商店街があり暗渠の町よりだいぶ騒がしい町だったが、学校は小さかった。わたしの学年はそれまで三十九人で、わたしが引っ越してきたことにより四十人に���り、あなたのおかげで一クラスだったのが二クラスになったのだと春休み明けの転校初日に先生に言われ、自分が福音なのか災厄なのかわからなかった。
 新学期早々ずっと休んでいる子がいて、盲腸で入院しているとのことだった。クラスみんなでお見舞いの手紙を書きましょうと先生が言った。色画用紙が配られ、一人一通、工夫してメッセージカードを作るよう言われ、まだ一度も会ったことがないのにわたしも書くんですかと先生に尋ねたら、「みんなクラスの仲間でしょう」とたしなめられた。でも知らないんだよな、となりのクラスの子たちは書かないのかな、わたしが来なければひとつのクラスだったのにな……と思った。
 どうせ知らない人に書くのなら棕梠のお城にいるはずの彼女、青い髪の人魚に宛てて書きたかった。棕梠のお城の人魚たちには足があり、城壁の外では完璧に人間のふりができる。王子に恋をせず生き続け、芝生の上を駆けたり寝そべったり、真夜中、お城の中でだけ人魚に戻る。庭に水をまいて海にするかもしれない。そうか、だから芝が禿げていた。棕梠の葉ずれの音を聞きながら足の使い方を練習し、人魚の下半身がいらなくなったらお城——寮から出て行く。でも彼女たちは人間のふりも人魚でいることも好きだから、のらりくらりお城に住みつづけ、出て行かない。棕梠はどんどん伸びてゆき、葉の重さで腰が曲がる。青い髪の彼女はぼさぼさの幹をやさしく撫でてくれる。それなら手紙を書けるのだ。書けるか? わたしはなにを書くだろう?
 たとえばいつも棕梠を見上げていたこと。黒い葉。風。書道教室は畳の部屋で薄暗かったこと。流しの水がいつも細く、冷たくて、お湯は出ず、わたしは手についた墨汁をきれいに落とせなかった。黒く染まった指先をきつく握って、すれちがう人たちから隠した。なぜ隠さなければと思ったのか、わたしがあらゆる視線をおそれていたためだが、そそりたつ棕梠にはぜんぶばれている気がした。人魚を見守る南の島の木は、わたしのことだって知っていたはずだ。墨汁はいつも風呂で落とした。浴槽で足を伸ばし、そのころにはもう一人で風呂に入るようになっていた。墨の溶けた湯だからほんとうは透明ではない、目に見えない黒色の混じった湯なのだと思った。そういうことを書く。書いた。学校から帰ってきて便箋につづり、糊をなめて封をした。でもこれでは、わたしが思っていることを書いただけで、受け取る相手、青い髪の彼女に向けてなにか発信しているわけではないなとも思った。
 盲腸のクラスメイトには、画用紙を切ったり貼ったりして「飛び出すカード」を作り、おだいじにとか当たり障りのないことを書いた。
 レモンの町では書道教室に通わなかった。伯母はフラダンス教室の先生をやっており、招かれたので何度か見学したが、自分にはできる気がしなかったので(踊るのは恥ずかしい)、見学しただけだった。伯母はフラをやるからこまかいウェーブの髪がすごく長くて、想像の人魚よりも長かった。教室はおばあさんが多く、ハイビスカスの造花がたくさん飾ってあり、でも��シの木はなかった。
 盲腸のクラスメイトとは友だちになれた。退院してすぐ話しかけられ、飛び出すカードすごくかわいかった、どんな子が転校してきたのだろうと楽しみだったと言われ、わたしはちょっと申し訳なく思った。
 だからというわけではないがかなり仲良くなった。すみれちゃんという名前で、しばしば自分の名前をSMILEと書いた。たとえば授業中に回ってくる手紙、ノートの切れ端にぎっしり書かれたいろいろの最後にSMILEとあり、それは署名だけども、受け取ったわたしには「笑って!」というメッセージにも見え、わたしはすみれちゃんの手紙がけっこう好きだった。
 きのうみた夢とか、好きな音楽とか、誰々が雑誌のインタビューでこう言っていた、ラジオでこんな話をしていた、いますごく眠い、親とケンカしてすげえムカついてる、そういう日記みたいな手紙で、いや日記でもないようないろいろで、思っていることを書くだけでもちゃんと手紙になることを知った。わたしが手紙を読むときすみれちゃんはもう眠くないし、すげえムカついた気持ちもいくらかおさまっている。その時差こそが手紙の肝だと思った。
 手紙ではたまにシリアスな悩みも吐露され、そういうときはSMILEの下に「読んだら燃やして」と強い筆跡で書かれていた。わたしはすみれちゃんの手紙を一度も燃やしたことはなかった。うちにはマッチもライターもなく燃やし方がわからなかったためで、ガスコンロで火をつけるのもこわかった。父親がいたらライターがあったろうか。ないな。たばこは吸わなかった。うちに小さな火がないのは父とは関係ない。父にはときどき会った。父も暗渠の町から引っ越したので暗渠の町に行くことはなくなった。
 中学に入り、すみれちゃんの家が建て替えすることになった。古い家をぜんぶ取り壊すからラクガキしていいよということになり、友だち何人かで誘われた。すでに家具はぜんぶ運び出されからっぽになった家の壁や床だ。油性マジックとか書道の墨汁とかカラースプレーとか、みんなでいろいろ持ってきて、こんなことは初めてだったから最初わたしたちはおそるおそるペンを握ったが、だんだんマンガの絵を描いたり好きな歌詞を書いたり、家じゅう思い思いにラクガキした。腕をぜんぶ伸ばし、肩がもげるくらい大きなマルを描いてみた。マルの中に顔も描いた。すみれちゃんの妹が壁いっぱいの巨大な相合傘を描いた。片側に自分の名前、もう片側はいろんな人の名前で、芸能人もマンガのキャラクターもあったがやがて尽きたのか、後半は「優しい人」「うそをつかない人」「趣味が合う人」と理想を並べていた。すみれちゃんは最後、床に大きく「ありがとう」「SMILE」と書き、このラクガキは家への手紙だったのかと思った。
 あとになってGoogleマップで暗渠の町を見たら棕梠のお城はなくなっていた。見つけられなかっただけかもしれないが、区画整理にひっかかったのか、暗渠の道もないように見えた。お城を取り壊すさい誰か壁にラクガキしたろうか。しなかったろう。だからすみれちゃんの家はとても幸運だったろう。そうして道の形が変わっても、地面の下にかつて川だった跡は残っているとも思った。
 あのとき人魚に宛てて書いた手紙が、このあいだ本棚のすきまから出てきて、なにを書いたかだいたいおぼえていた。恥ずかしいなと思いつつ封を開けたら、しかし便箋は白紙だった。文字はどこかに消えてしまったのか、書いたというのはわたしの思い込みだったのか、ぜったい後者なんだけど、後者なんだけど……と思う。すみれちゃんはマスカラを塗るとき、ビューラーをライターの火であたためる。小さな火を持っている。
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ペーパーウェルというネットプリントの企画に参加します。
セブンイレブン【24438044】 10/8 23:59まで
ファミマ・ローソン【DA5W82BGB9】 10/9 16時ごろまで
これは4年くらい前に書いたやつ。読んだことある人もいるかもしれない(覚えていてくださる方がいたらうれしい)。
今回のペーパーウェルのテーマが「時間」だったので、時間のことを考えながら書いた小説にしました。いやどこらへんが?って感じなんだけど、自分の中では…。過去のことを語るときの距離感、時間の長さとか流れを探りたかったというか。
つい最近読んだ川上弘美のインタビュー記事ですが、「年をとって記憶がいっぱい自分の中に貯まっているせいか、ある時期から、一瞬にフォーカスして書くよりも時間の流れを書くことが多くなってきた」とあって、なるほどなあと思いました。そして「でもコロナのもとで生活しながら小説を書いていると、なぜだか自然に、今この瞬間にフォーカスした書き方に回帰していくことになりました」と続き、とても興味深かった。
『群像』のweb記事で、「物語るために遠ざかり、小説全体であらわしていく」という題の鴻巣友希子との対談です。
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am0818 · 7 months
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2023.10.15
最近のまいにちは、たまごっちでブリーダーみたいなことをして日々違うかたちのたまごっちの育成をしている。
最新の機種は育て方によって異なるキャラクターに進化するだけでなく、ランダムに振り分けられた性格の違いにより、同じキャラクターでも好きなものや画面上での振る舞いが全くもって異なるのだ。
わたしが手に入れたいのはあまえんぼうのみるくっちなのだけれど、性格の不一致、あとは育て方を間違えたり他のことに夢中になってネグレクトをしてしまったりして未だかつて邂逅したことはなく、思い通りに成長しなかった個体はたまっちんぐパーティーで無理やり結婚させて追い出してはあらたなたまごを迎え入れることを繰り返している。
24にもなってこんなくだらないゲームをしているなんて、と思われるかもしれない。
だが、いつかの将来もしわたしが結婚して子供を育てるという状況になったとき、彼/彼女を自分とは切り離された一個人だと認識した上で、一人前になるまで気を抜かずに育て上げられるのか、望んでいた容姿や人となりではなくても愛し続けることができるか、独り立ちしたいと言い出した時に素直に背中をおしてやれるのか、と不確かな未来に対して辟易しながら生活するたまごっちのいる日々は、とてもではないが若年層には負担がかかりすぎると思う。
しかも状況はシングルマザー、シリアル以外の食事を摂らせたまの旅行に連れていけるほどの生活水準にもっていくにはハンバーガー屋で鬼バイトをするかクラブで踊ってお金をつくるしかない。
わたしにも平日は本職があり自分自身の時間を削ってたまごっちを養っているため、仕事中ほとんどの時間をたまシッターにお世話になっているが、少なくとも放置して死なせてはだめだという責任感がわたしにはある。
それがたとえあまえんぼうのみるくっちに進化する個体でないにしても。
そもそもたまごっちを購入したのは、仲のいい会社同期が退社したことにある。
彼女は頭がきれ仕事がかなりできる(タイピングも鬼速い)一方でプライドも低けりゃ驕りもしないし、人と比べてなにかをしたり感じ取ることもない。
わたしはいつも人と比べてしまうし妬み嫉みが原動力となってものごとに取り組むけれど、彼女は院卒で歳が2つ上なので、彼女が自分より優れていることに対して素直に尊敬できることも居心地の良さを感じる理由のひとつだったのだと思う。
それに加えて彼女も中高女子校育ち、大学以降はブラジルについて研究していて環境が似通っているためか価値観の根底が近い部分に張っている気がする。
彼女の好きなところを挙げるときりがないが、どうしてもまだ書き足りないのであと3つだけ知ってほしい。
①   見つめあっても素直におしゃべりができるところ
わたしは嘘をつかない、隠し事をしない性格だけれど素直か、と言われればおそらくそうではなくて、話すことは言わんとしていることの毛をそぎ落として皮も厚めに剥いたあとに残ったおいしい部分だけ提供するか、あとは既出の話題だったら今の感情や意見ではなく、他人からどう見られるか、またそれによって築かれた自分像と矛盾しないように、過去に話したことと辻褄をあわせて答えているのでいつまでも幼い問答を繰り返していて、結局のところ嘘ばかりをついて本心を隠していることになる。
(だからおしゃべりは苦手で、文章を書いたりメッセージで伝えることが好き。直接相手側の反応を見ずに済むし、いくらでも推敲できるから。)
だけれど、彼女といるときは自分自身が本来の姿よりも高尚な人間であるように見せたいという邪な考えを持たずに、たとえわたしの考えや価値観が認められなかったとしてもきっと受け入れてもらえるという気持ちで思いついたことを何でも話すことができるの。
そうしてすらすら言葉が出てくるし、もともと口数が多いほうなのにもっ とたくさん話すようになって、彼女は引き出しが多くて大容量だからわたしだけがたくさん話すわけでもなくほぼ同じ分量で言葉を並べてくれるのもとても嬉しかった。
それと、彼女は交友関係が広くわたしよりよっぽど友達が多くて、多種多様なお話全部が興味深かった。
②   友達が多いところ
わたしは多分ひと、もの、ことにおいて依存しやすく、日々のルーティーンはやめられないし、一か月毎日お弁当にカオマンガイを持っていっているし、彼女を頻繁にご飯/遊びに誘っていた。
だけれど彼女はドライな性格且つ友達が多くて予定が詰まっており、気分が乗らなかったり予定が入っていたりで3~5回の誘いにつき1回しか会ってくれなくて、
それで逆に気を負わずに誘えたし、当たって砕けるのが定番になっていたので彼女に依存しすぎることなく適度な距離感と100%の気持ちで接することが出来ていたのだと思う。
③   一緒に一番くじをしてくれるところ
お酒を飲みに行った帰りに近くのコンビニで、たとえ知らないアニメやキャラクターだったとしても無駄にたくさん引いて運を確かめ合うのが楽しかった。
おそろいのドラゴンボールZのハンカチはまだ大切にとっておいてあるし、いらないからと引越の時に譲り受けたどうぶつの森のタイマーは本棚の裏に飾っているよ。
内容が薄っぺらくなってきたところでいったんやめて、これ以降は推敲を重ねてまたいつか直接言えたらいいな。
絶対言えないけど。
彼女が会社を辞めると8月に聞いたとき、当たり前ではあるけれどほんとうに悲しくてやめないでほしいと思っていた。
なのに人前で感情をうまく表現できないがゆえに結局辞めないでほしい気持ちを十分に伝えられずたわいのない話ばかりしてにこにこ解散してしまったけれど、その後何時間もつらつら泣きながらヒトカラして、それでも気持ちが収まらなくてもはや吐きそうになりながら夜通しジムで猛ダッシュしていたりとか、わたしが人前で泣きたくないのはダサいから、というのと普段泣かないほうがいざというときに切り札になるかも、という卑しさからなのに、何の効果も発揮しないまま終わりを迎えてしまって悲しい。
しかも彼女の前で泣いたのは一緒に彼女の部屋で劇団四季の子役オーディションの密着番組を見ていた時だけで、ただダサいだけだったのが悔しい。
そして何よりも、彼女のいない日常も、前と何も変わらずたのしく過ごせそうだと簡単に予測できてしまうことが嫌だ。
実際に9月と10月、それなりに楽しさを追い求めて生きてきたし、楽しかったし、このあともコンスタントに楽しみなイベントを控えて前のめりになって生きているけれど、彼女がいない毎日なんて真っ暗であってほしいのに、簡単に他の予定に取って代わられてほしくないのに、いつか近いうちに彼女と過ごした楽しい時間もフルサイズでは思い出せなくなるんだろうね。
彼女は自己開示して余計なことを知らせたくない、とかたしかそういう理由でライン以外のSNSをやっていないのだけれど、彼女からメッセージを送ってくれることはないし、9月に送ったメッセージにも未だ返信はない。
でもわたしは近くにいなくてもたくさんくだらない話をしたいな、と思っている。
ずっとA型だと思って生きてきたけど、実際に検査をしたらO型だったよ、とか、髪が伸びてくくりたいけど姫カットにしているせいでポニーテールにすると古のおたくになっちゃうんだ、とか、ちょっと命が重すぎるからたまごっち引き取ってくれないかな、とか、
ワーホリ先だったら日本のこういったゲーム機ってうけると思うんだよね。
はるかちゃんの代わりに依存できると思って買ったたまごっち、わたしはもう満足したから代わりにどうかな。
じゃあまた、気長に返信待ってるね。
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krkwngm · 7 months
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アステロイド・シティ
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 面白かった。以下台詞はうろ覚えのネタバレがある。
 1955年、「温かくも冷たくもない、しかし容赦のない」照明を当てるよう指示書きされた舞台で上演される架空のドラマ『アステロイド・シティ』とその制作裏を交互に描く構成。冒頭で読み上げられる舞台装置の指示書きと制作中の背景や効果音が、いざ本編が始まるとなるほどこうなるのか!と腑に落ちるコンパクトでカラフルで戯画的な街並みが印象的でそこからずっと楽しい映画だった。カーブの角度間違えたから途中で終わってる空中道路とかなに?って感じだし(わざわざ看板に小難しい言葉で説明書いてるのも笑う)隕石の落下跡の隣でぐるんぐるん回ってるアンテナは無駄にデカくてふざけてるし街の標識にちっさく書かれた「人口87名」の表記がエンドクレジットで制作チームの名前になってるのに気付いて笑った。ダイナーの看板が「朝食」「昼食」「温かい夕食」になってたけど温かい夕食がふるまわれるシーンはなかったので実際どうなのか気になる。あとレモンの皮をその場で削いでくれるお酒の自動販売機めっちゃよくない?あんな美味しそうなお酒から歯磨き用品と土地の権利証書まで売ってる自動販売機とか近所に欲しすぎる。
 ドラマ『アステロイド・シティ』のパートは全編がカラーで全3幕とエピローグと2回のインターバル(うち1回は任意の休憩)があり、制作裏のパートは基本モノクロで『シティ』の人物が滲み出るときだけカラーが入る演出になってた(気がする)。それぞれアスペクト比も違っていて、『シティ』本編はスクリーンの幅いっぱいに映し出された横長のスコープサイズだけど、モノクロの制作裏はテレビとおなじスタンダードサイズになってた。ちなみに場面ごとに挿入されるクレジットは色こそドラマと同じカラーだけどアスペクト比はスタンダードで、それが架空と現実をシームレスに繋いでる感じがした。  『グランド・ブタペスト・ホテル』も時代の違う3つの物語に合わせてアスペクト比を使い分けてたし、なんなら『ブタペスト』も『フレンチ・ディスパッチ』も書かれた物語と書いた人間の物語をひとつの映画で描く構成になってたから既視感を覚えて当然なのに、どれを観ても新鮮な刺激と面白さと寂しさでいっぱいになるから不思議だ。登場人物やたら多くて最後まで名前を覚えられない人もいるくらいなのに、劇中で幾重にも重なっていく小さなエピソードを観るうちに登場人物それぞれに二つとない『人生』が在ると分かるから誰ひとり忘れることができない。ウェス・アンダーソン作品を観るたび映画を観ることの喜びで満たされてしまうのはそのせいだと思う。もちろん映像も素晴らしかった。色彩だけじゃなくて画角もいちいち良いからずーっと楽しくて好きだ。
 冒頭に登場する司会者が、『アステロイド・シティ』は架空のドラマです、しかし現実を反映しているのですと語っているとおり、脚本を書き演出をつけ役柄を演じた人たちの現実が架空の町の七日間にたしかに反映されていると気付かされるのが楽しかった。  たとえば自分も子供たちもあなたを愛しているけど離婚するという演出家の妻ポリーが、「第三幕の最後。ミッジの台詞はドアを閉めてからにして」と言うシーン。「破滅だな」とつぶやく脚本家の前でドアを閉めたポリーはドアの向こうから夫に「さよなら」を告げる。でも実際の第三幕にはミッジがさよならを告げるシーンはない。第二幕で窓越しに「私たちは進展しないわ」と言うミッジにオーギーは「そうかな」と返す。「進展する?」「いや」、ミッジは頷きながら「破滅ね」と答える。でも窓は開いてるしドアは閉めないしやっぱり「さよなら」は言わない。演出家がそういう演出をしたんだと想像できて滋味深い。  エピローグでオーギーが目覚めるとすでにチェックアウトした11棟のなかにミッジたちもいて、だからミッジとはこれきり、と思いきやダイナーのおばあちゃんが「ミッジから住所を預かってるわ 家じゃなくて私書箱よ」とメモを渡してくるあたりは脚本家の脚本どおりな気がする。この作品の眠りは目覚めるためにあるので。ただそのメモを大事にポケットにしまいこむのは演出家の選択な気もする。  演出家は脚本家と役者の関係をどこまで知っていたんだろう。ドラマの終盤、オーギーを演じている役者が「芝居が分からない」と舞台を抜け出して演出家に会いに行ったのに「よくできている 君という人物がオーギーに映りつつある 分からなくていい そのままでいい (新鮮な空気を吸っても)分からないままだよ」と言われてしまうのは、役者と恋仲だった『アステロイド・シティ』の脚本家が交通事故で亡くなってしまっていることが原因なのではと思った。演出家が二人の関係を知っていたとしたら、妻を亡くしたオーギーと脚本家を失った役者は状況と心情が重なっているはずで、だから「そのままでいい」と言う。  でも役者にはオーギーがなぜこんな言動をするのか分からない。そして廊下を突っ切って外壁の階段の踊り場に出てパイプを吸おうとしたら、向かい側のビルの踊り場にいたオーギーの妻役の女優さんと鉢合わせる。  オーギーとその妻が隣り合ったビルから言葉を交わすこのシーンは、ドラマのオーギーとミッジがモーテルの窓越しに会話していたシーンと同じ構図、同じ距離感。でもここまでアステロイド・シティの色鮮やかな世界に浸り続けてきてから唐突に白黒で映し出される『現実』の光景は、違う時代の遠い出来事のように見えた。妻役だった役者(マーゴット・ロビー)が新しい作品の撮影中で中世の侍女のドレスをまとっているのも、過ぎ去った過去、終わった人生を彷彿とさせる。実は当初の『アステロイド・シティ』にはオーギーと妻の会話シーンがあったのにここでの会話でそれが全部カットされたと分かるからなおさらだ。しかも人が萎れそうなほど暑い設定のシティに対してここの『現実』では雪が降ってる。全部が対比だ。  うろ覚えなんだけど、ここで女優に「覚えてる?」て問われるままに再演したオーギーと妻の生前のやりとり、映画の冒頭で脚本家を訪ねた役者がその場で演じてみせた一人芝居とほとんど同じ内容だった気がする。この再演は役者にとってオーギーという役柄の背景を確かめるだけでなく、いまは亡き恋人と初めて出会った運命の日を振り返る行為でもあったのではなかろうか。宇宙人との交流について夫と話していた妻は、「(いまあなたが撮って泣いてくれた私の写真、)現像できるかしら?」と最後に問う。夫は「ぼくの写真だからね」と答える。きみを永遠に失うのはつらい。悲しい。耐えられない。それでもこれはぼくが愛したきみの写真だから、フィルムのまま眠らせておきはしない。
 オーギーの撮影した写真はすべてモノクロだ。亡くなる前の妻の写真も『現実』とおなじで色がない。だから彼の愛も喪失の痛みもたぶん、まぎれもない『現実』として色褪せることなく彼に留まり続ける。  娘たちがママの遺灰を埋めてお葬式してるところを見守る終盤のオーギー、息子のウッドロウと左手を繋いでるけど、火傷してるからたぶんカメラが持てないんだよね。火傷するまでは虚構の傷を負った自分を被写体にして『負傷した自画像』なんて写真を撮ってたのに、「ほんとうにやけどした」あとは自画像を撮らない、葬式の光景にカメラを向けない、レンズ越しではなく自分の目で見なければならない。火傷の痛みは心の痛みそのものでもある状況に置かれて、ようやくオーギー/役者は愛するひとの喪失を正面から受け止める機会を得た。  オーギ―は「時間が傷を癒すなんてのは嘘だ」と中盤に言っているし、痛みは残り続けるかもしれないけど、ミッジの残したメモを大事そうにたずさえて、妻の葬式を終えた家族みんなで旅立つことができたオーギーの(役者の)行く先には希望があると思った。
 以上感想。以下は印象的だったエピソードのメモ。とりとめがなく長いので注意。
🎡 オーギーのちっさい娘三人がかわいすぎる。壊れた車からみんなで荷物を運び出すとき一人だけドアの外でうろうろしてるとこ良かったね……父にドアの隙間を見てって言われたから他の二人が終わるまで待ってたのかな。ダイナーのおばあちゃんに「お姫様たち何が飲みたい?」て聞かれて「私たちお姫様じゃないわ、呪われたミイラよ」「私は妖精」て答えるのもおばあちゃんが「…………苺ミルクはどう?」て聞き直すのも良かったし、エピローグで同じこと聞かれたときは「ください(Yes,please.)」て口々に答えるところお利口さんでキュートだ。  ママが三週間前に亡くなったとオーギーに知らされたとき「いつ帰ってくる?」「私たち孤児なの?」て聞くあたりは切ないけど、モーテル街の道の真ん中にタッパーごと埋めたママの遺灰を掘り起こそうとしたおじいちゃんにくそまじめな声で「私たちを生贄にしたら呪う」て告げるとこで爆笑した。結局おじいちゃんが根負けしてママを回収できずに終わるのも笑ってしまう。でも娘たちは娘たちなりに、知らないうちにいなくなっちゃったママとちゃんとお別れしたかったんだろうな。「半分魔女 半分宇宙人」の自称はママの娘としての矜持でしょきっと。「お祈りしましょ ママは土の中で眠ってるの」て一生懸命祈る孫娘たちをおじいちゃんは泣きそうな顔で見てるし、隣に義理の息子も孫も参列してるしで良さしかなかったな…
🎡 にしてもおじいちゃんがさ、お前のことは嫌いだが娘と四人の孫たちを愛しているからお前も受け入れる、て言った次の瞬間オーギーの胸ぐら掴むふりでイーーーッ!!てやるから不意打ちで噴いてしまった。そこに来て父に「僕たちを捨てるの?」て聞いたウッドロウが、父の「(おじいちゃんの「私は家政婦か?」て台詞を受けて)ハウスキーパーを雇おうと思った ほんのちょっと考えたがすぐ止めた」て答えを聞いて「考えたのを許すよ」て返すとこ、超優秀な長男だから子どもになりきれない寂しさがあって好きだな。  ところで惑星に映像を投射する技術を発明したウッドロウが博士に「可能性を働かせて」て励まされてさ、最終的に投射した絵がダイナと自分のハートマークなの最高じゃなかった!? エピローグで奨学金の使い道を聞かれて「彼女のために使うと思う」と答えるのも可能性に満ちててかわいいよ~!  この直前におじいちゃんから「きっと″超優秀″ってやつだ」と言われてウッドロウがニコ…て嬉しそうに笑うとこすごいよかった…ほんのちょっとの微笑みなんだけどお母さんがシャツに刺繍してくれた「超優秀」と同じ言葉だったから嬉しくてついこぼれてしまった感じがしてしみじみとよかった…
🎡 超優秀の子どもたちもみんなクセ強くてよかったな。実在の人物の名前を一人ずつ増やしてたくさん覚えていくゲームでみんな学者の名前ばっかり出すし、「これ終わらないよ 僕ら超優秀だから」て言う子に他の子が「でも楽しい いつもだと出てくる名前が平凡だもの」て返すところ良かったし、第三幕では全部俳優女優の名前になってるところに時の流れを感じた。楽しいって言った女の子が後半ウッドロウとダイナの仲に言及して、友達だよって反応に「超優秀なのにバカね」て返すくらい仲良くなってる。  ところでなんでモーテルの7番棟は火事で焼けてしまったんだろ。焼けてテントになったおかげで博士から盗んできた機材を運び込んで隠れながら宇宙人と交信できたけども。このあたり、モーテルの管理人がテントになった代わりに電気周りは充実させたと説明するくだりが地味に効いてる。  登場時から唐辛子まるまる食べたり押しちゃいけないボタン押したり屋根から飛び降りたりする超優秀な子どもが「もう止めたりしない 好きに挑戦しろ なぜ挑戦する?」て父に聞かれて「わからない きっと怖いんだ 挑戦しないと誰も見ないから 僕みたいな存在を」て答えるシーンがしんどい。その後の第三幕で息子の発明品(すでに終わった挑戦)を使ってみたり没収しようとする兵士と喧嘩したりする���の姿が映ってて安心した。  表彰式の将軍の「平穏に生きたかったなら生まれる時代を間違えた」てスピーチが軍事利用する気満々で怖すぎたので子どもたちには幸せに生きていってほしい。
🎡 そしてかわいさと不気味さのあわいを攻める宇宙人の絶妙なデザインよ……!  オーギーの車の故障を点検するために謎の部品を挿入するシーンと、宇宙人が宇宙船から下ろしてきた柱から小さな脚が生えて接地するシーン、構図が似てた気がするけどわざとなのかな。二度目の宇宙人の訪問後に隔離解除の延期が告げられてみんなが大暴れしてるとき壊れた車から転がり出た未知の部品も地面でのたうち回ってたから、車が壊れたのは宇宙人のパワー的な作用でウッドロウが宇宙からの信号を解読できるのも妻が宇宙人と云々て話もその伏線だったのでは!?(たぶん考えすぎ)
🎡 第三幕の眠りの意味を考えるべくゼミのみんなに実際に演じてもらうシーン、教授を演じるウィレム・デフォーがまじで良い。みんな一斉に眠るところすごかったな(一人夢遊病がいて笑った)。眠りと死は違う。眠りから覚めれば脚本家は良い話を思いつくし俳優は新しい演技を生み出す。眠りにつく間どんな時間が流れているかをふまえて眠れって示唆に応える学生たちの眠りもそこからひらめきを得る脚本家もよかった。目覚めたいのなら眠るがいい。目覚めるために眠りがある。
🎡 映画全体の冒頭、真っ暗な画面の下あたりに均一に並んだ白い光の円が映る。なんか両端だけ変に欠けてるなと思ってるとその円は舞台の音を拾う音響室の機器の光で、欠けてるのは手前に座ってるスタッフ二人の頭で隠れてるからと分かる。この時点で映し方が変でもう好き。音響室の窓から見下ろす舞台上に立つひとりの男にカメラが寄り、男がアステロイド・シティは架空のドラマです、しかし現実を反映しているのですと説明を始める。上手下手背景大道具小道具照明の指示書きが読み上げられ、全三幕は7日間の出来事との解説がなされ、本編が始まる。貨物列車に山盛りに積まれたグレープフルーツとアボカドとピーカンに意味はあるのか?分からんけど青い空にオレンジの砂漠を突っ切っていく列車を軽快な音楽に合わせて映していくオープニング良すぎた。  エンディングも鳥がノリノリで踊ってて良かったけどあの鳥なんなんだろね?オーギーが街に着いたシーンであの鳥の標識が映るんだけどそれ以外特に説明ないのよね。アイス食べてる三人娘ちゃんの隣できょときょとしてる鳥の動きがなんか良かった。
 良かったところばかりでどこまでも書いてしまうので終わる。人生を感じさせるシーンがいっぱいで楽しい映画だった。
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groyanderson · 9 months
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【文豪バトル】じゃれ本バトル後編~パチンコじゃないよ!世界の海物語編~
♡経緯とかルールはこれとこれをよんでね♡ ♡前編はこちら♡
第二回戦のテーマは「海にまつわる話」。 文豪バトル第一回の時に話していた通り、それぞれの所有童話は以下の通りです。
🧿 🧚‍♂️ピーターパン🧚‍♂️ 🐕 🐢浦島太郎🐢 🍡 🧜‍♀人魚姫🧜‍♀
-------------------------------------------------- 🥊後半戦 Round1 🧜‍♀人魚姫🧜‍♀ -------------------------------------------------- 🐕🐢 とある国の近く、深い海の底に、人魚たちが住む城がありました。人魚の王さまと、その娘たちの城です。 6人の娘の末っ子、人魚姫は今日。15歳の誕生日を迎えたのでした。 人間の世界を見る事ができるのです。
🧿🧚‍♂️ 地上に出ると、虫のように小さく翼の生えた女の子と出会いました。 地上人はなんて小さいのかしら、と驚いていると、今度は自分と同じくらいの体格の少年にも出会いました。 その子は翼がないのに浮いています。
🍡🧜‍♀ 「すごい!まるで海の中を泳いでるみたい!」 人魚姫は楽しそうな声をあげる。その様子に少年は人魚姫を見てにこりと微笑む。 「ここは初めてかい?」 「ええ。私ずっと海の底に居たから」 少年は姫の手を取る。
🐕🐢 「海の底……?」 「そう、連れていってあげる」 人魚姫は少年の手をぎゅっと掴むと、海の中に引きずり込んだ! 「な!うわ、息が」 「できるでしょう?私と一緒にいる間は。さあ、私のおうちにいきましょう」
🧿🧚‍♂️ 海の中は冒険でいっぱいだった。妖精のように可愛いクリオネ人魚と遊んだり、恐ろしいワニと戦ったり。 そして何十年もの時が経ったが、人魚姫も男の子もずっと子供のままだった。
🍡🧜‍♀ ある日男の子はその事実に気付く。 その瞬間、楽しい時間は終わりを迎えた。 「あーあ、気付いちゃったんですね」 背後を見るとそこにはナイフを手にした人魚姫が。 「今回のループは上手く行くと思ったのにな」
🐕🐢 「くそっ!」 人魚姫のナイフを間一髪躱した少年は、あたりの棚や箱、とにかく距離を取ろうと手当たり次第に投げつける。 「意味ないってそんなの……え!?」 偶然投げた箱が開き、中から出た煙が人魚姫を包んだ
🧿🧚‍♂️ 「キャー!」 次の瞬間、人魚姫は老婆になってしまった。その箱は妖精の魔法で老いを封じ込めていたネバーランドの秘宝だった。 少年はナイフを奪い、足場のロープを切って彼女をワニの群れに突き落とした。
🍡🧜‍♀ かつて人魚姫だった老婆は手を伸ばす。 だがその手は虚空を掴むだけだった (これでいい) 老婆の体は光り輝き、少女に変わる 愛する人が幸せならそれでいい 綺麗な心を取り戻した少女は泡となり消えたのだった --------------------------------------------------
🧿「突然のループものどうしたwwwww」 🍡「え、良くない?めっちゃ良くない!?www」 🐕「急にループが始まってんの俺めっちゃ焦ったわ」 🧿「もう対立関係がわけわかんないから人魚ワニに食わせちゃったwwwww」
-------------------------------------------------- 🥊後半戦 Round2 🧚‍♂️ピーターパン🧚‍♂️ -------------------------------------------------- 🍡🧜‍♀ ピーターパンは空を舞う。 「今日も街は平和だ」 時計塔の真ん中で、街を眺め、緑色の服を着た少年は目を細める。 「だけど…」 そう言って少年はポケットを漁った。するとその中には小さなフックが入っていた。
🐕🐢 フックは、昔助けたカメとの思い出の品だった。 ピーターパンはフックにかかっていたカメを助け、命を救ったことがあったのだ。 カメは言った。 「そのフックを目印に御礼に行きます。持っていてください」
🧿🧚‍♂️ それからピーターはずっと、フックを大切に持っていた。 ところで最近、海賊の船長がワニに手を噛まれ、義手代わりにフックを手に付け始めたらしい。 ピーターはカメが勘違いしないか少し心配になった。
🍡🧜‍♀ 「待って!」 心配になったピーターはカメを追いかけた。 だがカメはその名にそぐわない脱兎の如く速さで空を駆け抜けていく。 「…っはあ」 ピーターは息を切らしてその場に止まる。刹那、手のフックが光る。
🐕🐢 フックが眩い光を撒き散らすと、あたりの風景が一瞬にして変わった。 タイやヒラメの舞い踊り、絵にも描けない美しさ! ピーターは思った。これは楽園(ネバーランド)?いや…… そして目の前に現れたのは、
🧿🧚‍♂️ きれいな小箱だった。 「これは開けた人が大人になれる魔法の箱だ!」 小箱に前足をかけようとしたカメを、ピーターが遮った。 「いやだ!大人になんかならないで!」 だけどカメは愛する人のため、一皮剥けた。
🍡🧜‍♀ 「ぁっあああ!」 「カメ!」 ピーターはカメへと手を伸ばす。するとカメはそんなピーターの手を取り、彼をベッドへと押し倒した。 「…僕を大人にした責任、取ってよね」 カメはそう言ってピーターに跨る。
🐕🐢 「でもごめんね、僕は永遠の『オコサマ』なのさ」 ピーターはカメとぐるりと体勢を逆転し、カメを甲羅を下に返した状態になった。 「ピーター……っ!」 ベッドの上でカメはヒレをじたばたさせる事しかできない。
🧿🧚‍♂️ ピーターはカメに覆いかぶさった。そして… 「そして、君達が生まれたのさ」 あれから数十年後。二人の愛の結晶達に、幼い頃の大冒険を語るカメ。 今度は彼らがネバーランドに行く番、なのかもしれませんね。 --------------------------------------------------
🐕「オメガバースBLかよwwwwなのかもしれませんね、じゃねえよwwwww」 🧿「すいません。BL文豪の本領が見たくてぶっこんだのはおいらです」 🍡「ていうか途中で攻守逆転してて笑ったwww相当マニアックだよこれwwwww」
-------------------------------------------------- 🥊後半戦 Round3 🐢浦島太郎🐢 -------------------------------------------------- 🧿🧚‍♂️ 昔むかし、浦島太郎という青年が海岸を歩いていました。 すると子供達がウミガメをいじめているではありませんか。 浦島は子供達を叱りつけ、亀を助けてあげました。 すると亀が急に人の言葉で喋りだしたのです。
🍡🧜‍♀ 「助けてくれてありがとうございます」 可憐で涼やかな、耳心地の良い声。その声音にドキリと浦島の胸が高鳴る。 それと同時に、ウミガメが煙に包まれ、その中から愛らしい女の子が現れた。 浦島は一目惚れした。
🐕🐢 「君がアカウミガメでもアオウミガメでも、オサガメだって構わない!僕と、共に生きてくれないか……!」 「まぁ!」 まんざらでもないウミガメは、まず実家にご挨拶へと、浦島太郎を竜宮城へ連れていったのだ。
🧿🧚‍♂️ 竜宮城は文字通り、竜と妖精が住む幻想的な異世界「ネバーランド」にあった。 カメは浦島を背中に乗せて空を飛ぶ。 浦島はこの幸せがずっと続けばいいのにと願うと、不思議な事に彼は歳を取らなくなった。
🍡🧜‍♀ これでずっとずっと、カメと一緒に居られる。 浦島は亀の背でそう思う。温度を感じないはずの甲羅がとても温かく感じた。 「浦島さん」 「僕、歳を取らなくなったんだ。これでずっと君と居られるね」 浦島は笑う
🐕🐢 「違うよ」 亀は言った。 「浦島さんは歳を取らなくなったんじゃない。千年の寿命を手に入れただけだ。人間にとっては永遠にも思える時間かもしれないけど……僕たち亀の寿命は知ってる?」 「万年……」
🧿🧚‍♂️ 友達としてずっと一緒にいられると思っていたカメよりも、自分は早く逝ってしまう。そう悟った浦島はちょっと大人になった。 「ありがとうカメ、とっても楽しかった。僕は人間界に戻って子供達を教育するよ」
🍡🧜‍♀ 「うん。そうして欲しい」 その瞬間、カメの足が泡に変わっている事に気付く。 「カメ、どうして!?」 「気付いちゃったんだ。叶わぬものに」 泡へと変わる中、笑顔でカメは話を続ける。 「君の幸せが僕の…」
🐕🐢 カメは最後まで言葉を続けることはできなかった。 最後は頭まで泡となり消え、最後に残ったのは、何ともつかない水の跡だけだった。 カメは蓬莱へ飛び立ったのだろう。きっと幸せに暮らしたのだ。永遠に…… --------------------------------------------------
🍡「僕たち亀の寿命は知ってる?」 🐕「万年……(デデドン)」 🍡「wwwwww」 🧿「ちょっと上手い雑学入れんなwwwwwww」 🍡「これもこれで亀とのカプになってるねww」 🧿「今回はBLじゃないけどねwww」
~後半戦戦終了~
🧿🐕🍡「お疲れ様でしたー!」パチパチパチ
🧿「じゃれ本自分達でやるとめっちゃ面白いな!」 🐕「リアル文豪もやってて一時期togetterで話題になってたよね」 🍡「ネット版ならリモートでもできるからまたやろうか」 🧿「ありがとう…これでやっと拠文大さんの紹介が書けるよ…」 🍡「twitter上げるからまとめたら連絡くれ」
🐕「それじゃ今回はこのへんで、」 🧿🐕🍡「めでたしめでたし~バイバーイ!」
つづく? (拠文大さんつぎ参加しませんか)
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fukurabi9 · 9 months
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 1094 防風林
太平洋に浮かぶサンゴ礁の島は、リーフに打ち寄せる白いさざ波と、砂浜で、二重に縁どられ、家々は、四角い石垣と、鮮やかな緑の防風林にかこまれ、サンサンと降り注ぐ光と、鮮やかな原色の中、大地を踏み鳴らし、指笛を吹き、拳を握りしめ、力強く、激しい陽気な歌と踊りの世界に、汗あり、人々は、嬉々として、活気づいております。 そして汗ばんだ体を、夕凪が心地よく洗い流していく頃、待ちかねたように現れる一番星。 静寂の夜も深まり、ひときわ心を揺する、潮騒の音。 見上げると、満天に光り輝く星空。 しかし、この夜景は、昼間と様相を一変させてくれます。 星々の光は反射光で、影や色を再現する程強くなく、明るくない。闇でもない。淡い幻想的な、ふわっと浮く明るさのモノクロトーン。 青白い、冷たく透き通る光が、温暖な気候には、見事に溶け合います。 真っ赤なハイビスカスや、エメラルドの海など、原色の世界から色が消え、影のない、おぼろげな星明かり。 潮風は、体を通り抜け、草花��、夜風になびき、砂浜にたむろする恋人達は、影絵��のもの。 白いうなじにそよぐ黒髪は、一段と強調され、目元や鼻��の陰影、微妙な濃淡の唇からこぼれる、白い歯。 かすかに現れる、モナリザの微笑など、今まで感じた事のない、エキゾチックな墨の世界が発見出来るかと思います。 この星明かりの世界、不思議と身も心も、和ませてくれ、繊細な部分や微妙な変化を見逃す事なく、再現してくれますが、なぜだろうか。 おそらく、視界に眩しく光る物がなく、猫の瞳孔が全開する如く、人間の目や心が、共に見開かれるのためではないだろうか。 壮大な夜空を南北に割り、宝石をちりばめた、橋のない川、天の川。 年に一度、川を渡る、男女の逢瀬があると言う。 川幅は、何光年にも及ぶ事でしょう。 数え切れない星の数、砂粒一つが地球に値すると言うのですから、昔の人は、とてつもない、夢を描いたものだと感心させられます。 そして、昼間の原色の世界から、星座を眺め、エキゾチックな潮騒の淡い幻想に浸る時、心が穏やかに澄んで行くのが感じられますが、この大きな心の振幅の中から、人間としての情操が芽生え、育まれて行くのではないだろうか。 子供の頃、清らかな心の、まん丸い満月のような、欠ける所のない、立派な人間になりなさい、という意味の子守歌を聞き、満月を眺め育ちました。 星空を眺め、星の数は数えようと思えば、読めるけど、親の愛は、数えられない、という意味の歌など、今でもこの地方では、唄い続けられています。 誰もが思い出す、七夕祭りの彦星、織姫物語。 かぐや姫物語、月の砂漠の歌、幼い頃、歌い踊った、モーツァルト作曲のキラキラ星等、月や星を眺め、幻想的で、おぼろげな世界。 その昔、日本全国、電気や車はなく、空は澄み、おぼろげな星あかりの世界は、各地で感じられ、人々の心に、大きな影響を与え、情感豊かな人間味が育まれたのではないだろうか。 あなたは、愛する人の瞳に映える星を、見た事がありますか? 人生、昼間と夜は半分っこ、太陽の下で、星は輝きません。 また、我々の人生、陽のあたる時ばっかりとは限りません。 悩みや悲しみに光を求め、迷う時、星は一条の光を与えてくれる事でしょう。 人間として生まれ、月や星と無関係に生きるのは、大きな不幸ではないでしょうか。 星空に縁遠い都会の子供達、星の巡り合わせ、赤い糸で結ばれた親子の絆のあり方、子守歌代わりに、教えてやる必要があるのではないか。 人は、豊かな自然に触れる時、豊かな心が培われて行くのではないだろうか。
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