Tumgik
kijutamu · 8 months
Text
“yahooニュースを見ていると、日本って本当に科学研究がダメになっているんだな、と思う。「科学」の分類を選ぶといちおう記事の一覧が表示されるけれど、それぞれの記事の「全文を読む」をクリックすると、「国内」とか「ライフ」の分類に飛ぶ。純粋な「科学」記事はほとんどない。それは新聞の科学の欄にも当てはまる。私は中学3年生の頃から科学の欄を収集している。もはや37年になるが、当時は、朝日新聞なんかだと、科学の欄に所狭しといろんな分野の発表が掲載されていた。高温超電導とか核融合とか太陽電池、半導体、DNA、タンパク質、etc。週に3回、夕刊に掲載されていたのに、今は週2回に減り、1回は「環境・科学」と、環境問題と一緒にされてしまった。しかも、1回につき1テーマを掘り下げる、という記事が多い。イラストもデカデカと載せて。昔ならできるだけたくさんの記事を載せようと、悪戦苦闘している感じだったのに。日本経済新聞もそう。こちらも30年くらい収集しているが、密度がすごく減っている。昔は科学・技術のニュースが紙面にひしめき合って、実に濃密だったけれど、昨今はスカスカ。週に2回の特集記事も、朝日と同じで1テーマのみ。イラストデカデカ。記事の内容も濃い、とまでは言えない。なぜ科学研究がここまでダメになってしまったのか?おそらく最大の原因は、研究費の配り方を激変させてしまったことだろう。昔は交付金と言って、研究者に一人当たりいくら、と決まった金額のお金を配っていた。大きな額ではないが、そのお金でそこそこの実験が実施できた。ところが小泉首相のあたりから、研究予算は競争して分捕りに行かなければならなくなった。申請書を書いて、こういう研究をするから金をくれ、と申請し、採用されたらある程度まとまったお金が配られる。競争的資金というやつだ。この競争的資金を増やすため、交付金は思い切り減らされた。そしてどうなったか。・作文のうまい人間が研究費を採るようになった。・過去に成果を出した人間が研究費を採るようになった。・予算獲得に時間を取られて、研究するヒマがなくなった。・若者が研究者を目指さなくなった。という問題が起きるようになった。昔の研究者というのは、研究さえできていれば楽しくて、作文が下手な人も結構いた。それでも一定の研究予算は配られていたから、そうした人は黙々と研究に集中することができた。しかしそうした作文の下手な研究者は、予算を全然獲得できなくなった。作文がうまいのは必須の能力になってしまった。また、研究費を獲得するのは、過去に成果を出した人にくることが多くなった。しかし、研究というのは、成果を出した時点ですでに過去のもの。研究は未来を開拓するものだから、本来、過去の成果なんかゼロでもその研究者がとんでもない発見をする可能性がある。けれど。競争的資金の審査をする側も、「この研究者、論文を全然書いていないな」と思うと、採用とは言いづらい。お金を配っても成果を出さないんじゃ?と不安になる。この点、過去に論文を書いた人間は、少なくとも作文はできるんだろうから、お金を配れば論文を作文できるだろうと考える。この結果、過去に成果を出した人間が採択されることが増える。過去に成果を出したことがない人間は、研究費を獲得できない。今は「萌芽的研究」という予算も用意されているけれど、作文がうまくないとこれもなかなか採択されない。また、予算を獲得したらしたで、報告書を書くとか会議に出るとかで忙しくなり、研究するヒマを失うという、本末転倒なことが起こりやすい。「研究費を配分するからには、それ相応の義務を果たしてもらわないと」というもっともな理由なのだが、その報告書を書くだけでかなりの労力と時間を奪われる。それに、「この研究費のおかげで論文が書けました」と報告しなきゃいけない。でも競争的資金はせいぜい3年くらいしかもらえない。あまりに挑戦的な実験ばかりしていると、3年目に論文が書けず、ゼロということにもなりかねない。そうなると、「研究費もらったくせに成果がない」とダメ評価が下される。それでは怖いから、論文をさっさと書けそうな、確実に結果の出る小粒な研究をするしかなくなる。大胆で挑戦的な実験をする気持ちになれなくなる。競争的資金は、確実に論文を書けそうな、つまり結果が出ることが事前に明らかな、つまらない研究を増やす効果が強かった。交付金の時代には、成果が出ようが出まいが確実に配分してもらえたから、結果が出るのに何年もかかるような挑戦的なテーマにも取り組めた。論文がなかなか書けないような、成果がなかなか出ないような、海のものとも山のものともつかないテーマも選べた。しかし競争的資金は、成果が出るかどうかわからない挑戦的な研究に取り組む勇気を研究者から奪った。たくさんの報告書や論文を書く必要から、研究する時間を奪った。いいことなしの状態。アメリカやヨーロッパも競争的資金で研究成果を出しているが、なぜ成果が出ているかというと、大量の移民、留学生を受け入れているから。アメリカに暮らしたい、ヨーロッパに暮らしたいというアジア人などが、斬新なアイディアをもちこんで研究してくれた。だから競争的資金でも成果が出た。しかし日本の場合、最近でこそ外国人が増えたが、大学や研究室は基本、日本人で運営されていた。海外からアイディアをかき集めるというアメリカやヨーロッパ式をしようとすれば、多額の競争的資金と、経済的に豊かな生活を約束しなければならないが、日本はどちらも提供できない。日本のような環境では、外部から大量のアイディアを「輸入する」ことができない。ならば、競争的資金ではむしろアイディアを引き出せないことになる。日本の場合は、交付金のような配り方の方が、大胆不敵な研究を増やす効果があるといえるだろう。しかし交付金を減らし、競争的資金を増やしたことで、もはや交付金では少額すぎて研究できなくなった。とある大学では年間10万円。電話代や蛍光灯の交換で全部消えてなくなってしまう。競争的資金を獲得しないと研究できない。しかしそれをもらうと成果の出やすい小粒な研究しかできなくなる。こうして日本は、研究成果の出ない国になってしまった。このことは多くのノーベル賞受賞者が懸念し、警告を鳴らしてきた。しかも、交付金を減らし過ぎて、大学の先生を雇うお金もなくなってしまった。博士号を取った学生が研究者になりたくても、そもそも助教になる口がない。無職になってしまう。この結果、研究者になろうという若者自体を減らしてしまった。競争的資金は、そもそも研究したいという若者を絶滅に追いやるという副作用も強かった。交付金を減らし、競争的資金を増やしたのは、日本から科学・技術を枯らす素晴らしい政策だったと思う。いま、日本の大学で博士課程に進むのは外国人ばかりになってきた。外国人からしたら、アメリカやヨーロッパと比べるとグレードが低いのだけれど、いちおう博士号はもらえる。本国に戻れば大学の先生にもなれる。しかも日本からも資金援助が出るということで、今や外国人だらけ。日本人の学生見ない。そのうち、日本の大学は外国人だらけになるだろう。博士号を持つ日本人はほぼいない状態になってしまうだろう。それもこれも、交付金を減らして競争的資金を増やしたことが大きな原因のように思う。交付金が減る→大学が貧乏に→先生の給料を減らすかポストを減らすしかなくなる→博士号をとっても研究者になれない→博士課程に進む日本人いなくなるという形で、日本人研究者を絶滅に追いやろうとしている。その主たる原因が、交付金を減らして競争的資金を増やしてきたこと。私は、今からでもいいから競争的資金を減らして、そのぶん交付金を増やしたほうがよいと思う。交付金を増やせば大学でのポストが増え、ならば博士号を取って研究者を目指そうか、という若者も増える。好循環が生まれるだろう。競争的資金ばかりの現状では、悪循環もよいところ。このことは私だけでなく、多くの研究者が言っている。ノーベル賞受賞者も。なんで政府が聞き入れないのか、不思議。せめて国公立大学だけでも、競争的資金から交付金へのシフトをしたほうがよいように思う。※特定の研究者に多額の予算を集中させるより、少額の予算をたくさんの研究者に配分するほうが画期的な研究が生まれやすいという調査結果。https://www.tsukuba.ac.jp/journal/society-culture/20230822143000.html?fbclid=IwAR0xJuR8GmckedCqXQsiU_TKqQpbi5CQnzSv08zIQoKBtnDvRZFWGZpYflc”
— 交付金を減らし競争的資金ばかりにしたことが日本の研究をダメにした|shinshinohara
21 notes · View notes
kijutamu · 9 months
Text
“【漸進的筋弛緩法のやり方】 ① 鼻から息を吸って止める。 ② 息を止めている間(3~5秒)に、両腕をガッツポーズにして腕の力を入れる。 ③ 口から息を吐きながら、腕の力を抜いてダラーンと落とす。このときどんな感じがするのか、力が抜けた腕の感覚に意識を向ける。 ④ ①~③を3回繰り返す。 この後、両脚→顔→肩→首の順に、同じように呼吸を合わせながら、力を入れて抜くことを繰り返します(各3回)。 ・両脚……椅子に座った状態で膝を伸ばし、床と平行になるまで両脚を上げる。踵を直角にしてつま先をピンと伸ばしてから→ダラーンと両足を床に落とす。 ・顔………目をつぶって歯を噛み締めてから→力を抜いてポカーンと口を開く。 ・肩………グッと上げてから→ストーンと落とす。 ・首………首の重さを感じながらゆっくり回す。 ここまでやっていただくと、相談者さんたちは「眠くなった」「とても落ち着いた」と口々におっしゃいます。実際にあくびをなさる方もとっても多いです。”
— どんな兵士でも120秒以内に96%が寝落ちする…���まりの効果に米軍も採用したコストゼロのリラックス法 「漸進的筋弛緩法」のすごい効果 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
558 notes · View notes
kijutamu · 10 months
Photo
Tumblr media
考えました日本の人口 - 二次元裏@ふたば
>23/07/20(木)11:30:00 ID:mtg4GJ7E No.1080618757 そうだねx73 >13:44頃消えます >考えました >日本の人口1.25億人 >重度障害者37万人 >0.29%、つまり337人に1人 >才能が正規分布していて選考も偏りなく行われていれば337回に1回は重度障害者が選ばれる >芥川賞は今回で169回なのでまさにほぼ中央値
667 notes · View notes
kijutamu · 11 months
Video
World’s smallest HDD (0.85-inch Toshiba 4GB from Nokia N91)
77 notes · View notes
kijutamu · 11 months
Text
Exceptional sports...
183 notes · View notes
kijutamu · 1 year
Text
“私は15歳の頃から新聞の科学の欄を収集している。読売、毎日、産経も試してみたが、朝日新聞が科学の欄は一番充実していたので、基本、朝日。二十歳頃から日本経済新聞の科学の欄も収集するように。収集歴は三十七年になる。その歴史を通覧してみる。朝日の科学の欄は、昔、ミチミチに新しい発見が掲載されていた。しかし小泉政権が終わる頃からか、内容がどんどん貧弱に。収集するに値しない内容に劣化したことがあり、朝日新聞にメール送って文句言ったことが2回。当時で二十年も収集してる読者の意見は重みもあったのか、まもなくマシになった。しかし、日本経済新聞の科学の欄を見ていても、小泉政権が終わる頃から面白い発見が減少していく様子が看て取れた。大学や企業からの新技術に関するプレスリリースや学会発表が減っていることが推察された。今は朝日も日経も、特定のテーマを掘り下げた記事で科学の欄を大きく埋めるスタイルが増えた。以前のように「新しい発見のためになんとかスペースを確保」という感じがなくなり、紙面が余って仕方ない、ということが紙面の変化からも看て取れた。企業の方に聞くと「開発に求められるスピードが加速している」というのだけど、焦って急ぐ割に成果が出なくなってる気がする。特に2000年代後半からはひどい。めぼしい発見が非常に出にくくなっている。そのことが、科学の欄のスカスカぶりから看て取れる。上から急かされ、慌てさせられ、すぐ実用化しろと言われ続けた結果、かえって成果が出にくくなっているように思う。研究というのは、どっかりと腰を据え、余計な実験も取り組みながら進めた方が思わぬ発見ができるもののように思う。しかし「余計なこと」をせずに脇目も振らず集中しろと言われて。余計なことから思わぬ発見、という「セレンディピティ」が出てこなくなった気がする。私は以前は、もっと余計な実験をして楽しみ、そこから様々な発見をしてきたが、余裕をどんどん失ってきている(それでも遊んているが)。同じようなことが全国的に起きている気がする。研究は、研究者が好きでのめり込むのは構わないとして、他人から急き立てられてよい仕事が出来ると思えない。研究は、好きでやらせてもらえるから発想が伸びやかになり、四六時中研究のことばかり考える研究者が生まれる。しかし他人から急き立てられると多くの場合、やっつけ仕事になり、仕事の時間が済んだら考えることも嫌になり、その分、発想が枯渇する。好きこそものの上手なれ。研究は、誰からも強要されないときに最もパフォーマンスを発揮するという、厄介な性質がある。それは創造的な仕事の場合、共通しているように思う。強制されたお勉強がキライになるように、成果を強要された研究者は嫌気が差してしまう。誰からも強制されない学びは楽しくて仕方がないように、成果を強要されない研究者は誰から何も言われなくても研究にのめり込む。本来、研究というのはものごっつう楽しいもの。ほっといてものめり込む。なのに他者から強要され、評価され、で、研究という世界から魅力が失われ、楽しさが損なわれ、日本の開発スピードが急ブレーキ受けた感。新聞の科学の欄と、私の実体験と、周囲の研究環境を見ていると、さもありなん、と思わずにいられない。追伸。研究開発には、公的にも企業もかなりの投資をしている。金額だけ言えば、1990年代よりも投資しているかもしれない。しかし研究成果は確実に90年代より出にくくなっていることが、科学の欄からも窺える。なぜ研究費は増えているのに成果は出にくくなっているのか?3つ原因が考えられる。一つは、「手っ取り早く製品化できる成果を」強く求めるようになったこと。小泉政権から顕著に。いつ成果が出るか分からない研究には研究費がつきにくくなり、すぐ成果が出そうなものに研究費が集まるように。しかしこれほどお金のムダはなかったように思う。成果のすぐ出るのはほっといても出る。だって、あらかたデータは出てるし、商品化が見えてるのだから、儲かると思えば誰でも身銭切って投資する。そこに研究費投じたら単なる金の無駄遣い。けれどこれが小泉政権以来、ずっと続いた。本当は、お金の生まれない基礎研究にお金を投じ、成果が出るのが当たり前な出口はほっときゃよかったのに。2つ目は、競争的資金にしたこと。「競争させれば研究者は必死になって働くだろう」という安直な発想で、研究者を追い立てた。しかし「こんな研究します、こんな成果が出ます」と申請して手に入れる競争的資金は、成果を約束してしまうがために、確実に結果の出る研究をしようとする傾向が強まる。しかし確実に成果が出るということは、すでに分かりきってることをやるということ。研究は、どんな結果になるか読めないのに取り組むのが研究なのに、結果が出そうなことに取り組むのは、研究を放棄しているようなもの。しかし競争的資金を得なければ研究室の電気代さえ払えない環境に追い込まれ。成果の着実に出そうな研究テーマばかり出てくるようになったと感じる。研究が小粒に。しかも結果が目に見えるような、分かりきったものに。新しさが乏しく。しかしそれではさすがに研究費は当たらない。で、文章が巧みで、いかにもスゴくて、目新しいことに取り組むかのような作文力のある人が。私が感じるのは、競争的資金を取るのは作文がうまくないとダメになってきていること。これは逆に言えば、作分のうまさで研究費を取ってる人もいるということ。それを感じる研究もチラホラ。巨額の研究費を取っているけど成果はありきたりで、でも発表がうまいのでスゴイ感を出してる。けれど作文が上手ではなく、成果発表もうまくないが、実に素晴らしい研究をする人のところに研究費が集まらない。これでは真の意味で研究成果は出ない。これも日本から研究成果がでにくくなってる原因のように思う。3つ目は、強要、強制。小泉政権で「強いリーダー、かっこいい」と勘違いしたリーダーたちが、日本全国で横暴になった。リーダーに楯突くのは抵抗勢力とレッテルを貼り、リーダーに従順にならない奴は徹底して攻撃して構わないし、命令どおり人を動かして構わないと考える人間が急増。日本は本来、部下が思う存分に腕を振るえる自由な空間をリーダーが確保し、外からの攻撃はリーダーが一切を引き受け、問題が起きればリーダーが責任を取って腹を切る、というリーダーが多かった。部下はリーダーに感謝しつつ、必死に成果を出すべく頑張る、という構図だった。しかし。しかし小泉政権以降、リーダーが自分の万能感を味わうために部下をアゴで動かし、命令に従わない人間を排除することが抵抗勢力との戦いであると思い違いし、責任を部下に押し付けるのが強いリーダーシップだと勘違いする人が増えた。現場、大迷惑。しかし研究者というのは、強要されないから好きで研究のことばかり考え、四六時中研究ばかりして成果を出す生物。なのに強要されたことでイヤになってしまう。しかもリーダーが研究のこと分からないクセにあれをやれ、コレをやれとお山の大将として命令する。それをやっても無駄なのに。研究と強制はものすごく相性悪いのに、ミニ小泉が「強いリーダーシップ」のつもりで命令強制ばかりするようになり、研究現場が荒れた。企業の方からも、公的研究機関でもそうした惨事を山ほど聞いた。日本の研究がダメになったのは、狭量なリーダーが増殖したため。この3つを逆転させなければ、日本の研究開発力はいつまで経っても回復しないと思う。もうすっかり壊れているのだけど、せめてこれからの人には、マシな研究環境を残してやれれば、と思う。”
— 科学の欄から窺える日本の研究の衰退|shinshinohara
128 notes · View notes
kijutamu · 1 year
Text
“息子に「楽しかった?」て聞くと「タノシカッタ!!」て返ってくるんだけど、 「どうだった?」て聞くと「ドウダッタ!!」て返ってくる事が判明してしまった”
— https://twitter.com/koge_diary/status/1396770742809755648 (via sukoyaka)
204 notes · View notes
kijutamu · 1 year
Text
空港以外でも、他人の荷物は預かってはダメですよ。
自分は病院にいる時に子連れの他所のお母さんに「子どものオムツ替えに行くから荷物持っててください。貴重品が入ってますから」頼まれたことがあって、「え、無理です」すぐさま断ったけど、預かって何か失くなった騒がれる可能性もあるから注意。
https://twitter.com/minato_i_/status/1566318254951256064?s=46&t=KqRcMdi2whJuEU1KXpG2LQ
60 notes · View notes
kijutamu · 1 year
Text
“もう定年してますが、郵便局の管理職歴うん十年の父親に社会人の大後輩として、 「管理職としてダメなチームをデキるチームにする必勝パターンみたいなのってあるの?」 と聞いたら 「あるよ」 とあっさり。その話が面白かったので紹介します。 背景 父親は郵便局員で公務員だった。 郵政民営化する前の話。 公務員は一般企業と違ってヤル気が無かったりちょっと成績が悪かったりしても首になったりしない。(管理の難易度が高い) 郵便局の仕事は大きく「郵便」「貯金」「保険」の3つに分かれている。 父親は「保険」のセールスマンの管理職を長年やっていた。 郵便局の管理職は3年(?)毎に別の局(調布市郵便局とか)に移動する。 必勝パターン 1. 新しい職場(チーム)に赴任したらそこの中心人物の協力を取り付ける 中心人物:顔役的な人で大抵が年長者や若くてリーダー気質の人。どこの組織にも必ずいて、誰にでもすぐに分かるそうです。役職的には自分より下の人です。 父「誰に聞いても山田(仮)さんがこの局のことに一番詳しいと言っていました。私は赴任したばかりでこの局や地域についてわからないことだ���けです。色々と助けていただけるとありがたい。」 そうすると、リーダー気質の人で頼られて嫌な顔をする人は少ないので、 山田「局長の頼みとあっては仕方無い。いっちょ引き受けましょう。」 という感じになるらしい。 2. 中心人物を司会として成績の改善施策案を出す会議を開催してもらう 父「この局が山梨県で最下位の成績なのを何とかしなければいけないんですが、私は貯金から来たので保険に詳しくなくて困っています。職場で改善すべきところは何かあるでしょうか?」 山田「AAAは絶対辞めた方が良い。BBBも無駄だからCCCにしたほうが良いと常々思っています。それと・・・」 父「なるほど、山田さんを中心としてみんなで今後の改善施策案を話し合ってみてもらえないでしょうか。」 現場で直接業務にあたっている人が一番改善すべき点をわかっていて、なおかつそれを言いたがっている。言える場を用意すれば必ず改善施策案ができてくるらしい。 父「なるほど、なるほど。それは私もとてもいい案だと思います。是非お願いします。承認します。」 3. 職場(チーム)で一番デキナイとされている人を全力でフォローする 父「毎日の日報に今日どこのお宅へ訪問したとか、どういう提案の仕方をしたらお客様がどういう反応をしたとか、細かいことも書いてくれないだろうか?」 高橋(仮)「わかりました。」 これは単なる業務命令。 父「そのお客様は好感触ということかもしれないね。もう一つの提案はもっと別のこういった言い方をしたらどうだろうか?私も気になるからもしやってみたら結果を教えて欲しい」 などといった感じで相手の日報の内容以上の文章量で全力で成績が上がるようにフォローするらしい。あとは保険セールスの小技としては前回訪問した2週間後の日ちょうどに再訪問すると契約が取れる確率が高いらしい。1週間後ではウザがられ、1ヶ月後では忘れられているので2週間後がちょうどいいらしい。日報から高橋の訪問日をメモしておいて、2週間後に「そろそろあのお宅に訪問してみたらどうかな」などと日報で書くと「局長の言った通りに行ったら本当に契約が取れました!」ってなることが多いらしい。 高橋は流石にマンツーマン状態だとサボれないし、普通は怒られてばかりのところを役職的には遥か上の上司にわざわざ細かくフォローされると、がんばろうという気になるものなのだそうです。また、元々最低の成績なので改善させるのは簡単なのだそうだ。 そもそも、いくら公務員で、お金のためだけに働いてるとしても、本当は仕事が嫌いで人生のプライオリティを趣味に置いている人間でも、長時間接している課題が上手くいかないよりは上手くいったほうが良いと誰もが思っているらしい。上手くいってくると面白くなり、評価されれば誰でも嬉しいので必ず上がってくるらしい。 (しかし元から機転が利いたり、男前だったりする人の保険の成績は高く、ダメだった人が必ずそういう人に勝てるとは言わない。でも確実に平均点ぐらいまでは持っていけるらしい。)父「ここにいるということは必ず公務員試験に合格しているということだ。一定水準以上の能力があるということだ。その君がこの成績というのはおかしい。少なくとも平均ぐらいの成績を上げるのは難しくないはずだ。一緒に頑張ってみよう。」 そうやって最悪の高橋のフォローを続けていると成績がちょっとづつ上がってくる。職場のみんなは、 「俺もイマイチな成績だけど高橋がいる。あいつよりはマシだから安心だ。」 という感じで全員成績が悪くて局全体の成績が悪かったのだが、例え最下位のままだとしても高橋の成績があがってくると、 (あれ?あのヘボい高橋の分際で最近ちょっと成績が上がってきてないか?今月、下手すると高橋と接戦になる可能性も?いやいやそれはヤバいって・・・) という感じになって何故か全員の成績があがるらしい。 5. 全体の成績がちょっと上がったらべた褒めする 父「今月の成績ですが、なんと!3ヶ月連続山梨県最下位だったのが今月は小淵沢郵便局(仮)に勝ちました!皆さんが考えた改善施策案がたった一ヶ月で早くも効果を表しているようです。やはりこの局の潜在能力はすごい!」 って感じでやっていけばあとはどんどん上がっていくそうです。 その後 そういった感じで管理者次第でチーム全体が劇的に改善することは珍しくないそうです。管理者は3年で別の局に移るのでせっかく良い感じになったチームともお別れですが、新しいところにいったら同じ事をやればいいらしいです。 でも気になってちょっと聞いてみた。 俺「じゃあさ、そんなに劇的に良くなったチームはその管理者がいなくなったあとはどうなるの?良い成績を上げ続けるわけ?」 父「大抵、次に赴任した管理者がダメだとすぐに元の成績に戻るよ。」 俺「ええ〜 ダメじゃんwww 何か対策は無いの?」 父「基本的に引力を持った管理者が上に引っ張りあげてるようなものだからそれが無くなると本来の状態に戻っていくんだよ。それでもなるべく戻るのを遅くするとしたら、文章や写真、ビデオといった自分たちの成功体験が形として残るものを成功している時に残しておくと良い。それを見て自分たちが頑張ればできるんだということを思い出すから。」 俺「身も蓋もないなー。でもなるほどねー」”
— 父親に聞いた管理職として「ダメなチームをデキるチームにする必勝パターン」 - komagata (via c610)
これは、何度でもrblgだ
(via bochinohito)
6K notes · View notes
kijutamu · 1 year
Text
“ 疫病が流行しているのでよぶんな外出を控えるようにという通達が出された。弊社ではリモートワークが定着し、勤務先の人々の顔を見る機会が減った。社内に物理的に存在する人間が少ないために、数少ない対面が密室化しやすくなった。そうして、その中で重大なハラスメントが発生したために、上司と部下等の個別面談に関するガイドラインを作成するはめになったりした(わたしが)。 わたしはハラスメントや労働問題の専門家ではない。まったくないのだが、「あの人にやってもらおうよ、人権とかめちゃくちゃうるさそう、もとい、詳しそうだから」という偉い人の一声で担当するはめになった。それ全部言うの、正直すぎやしませんか。最後のだけでいいでしょうよ。 わたしがそう言うと、偉い人は「僕だって心の声を全部出したりしないもーん」と言った。 本音を言うと、小うるさいガイドラインを作って誰かに嫌みを言われたりしても、あなた、ぜんぜん気にしなさそうだからだよ。若い女性部下と二人きりになりたがるおじさんたちに憎まれても、どうってことないでしょう。なんかひどいこと言われたら録音して僕のところに来るでしょう。  そのとおりである。わたしは自分が若いころ、当時の上司に面談と称して長時間密室で社外での「つきあい」を強制されたとき、「録音します」と言い、そのあと別部署に飛ばされた履歴を持つ。そこでわたしを拾ったのが、このたびわたしにガイドライン作成というイレギュラー業務をぶん投げた偉い人である。 わたしには社会性がまるきりないのではない。少なくとも自分ではそう思っている。ハラスメントを容認する・しない、どちらが自分にとって不利益が少ないかを天秤にかけ、より少ないほうを取っているだけである。別部署に飛ばされるより、何なら辞めさせられるより、容認するほうが心理的に負担で、自分にとってより損だった。それだけである。その後もずっとその方針でやってきた。 わたしは同業他社の前例を調べてちゃちゃっとガイドラインを作り、偉い人は意気揚々とそれを全社に申し渡し、わたしはいくつかの嫌みを言われた。録音はしなかった。たいした内容ではなかったからである。わたしが新人だったころから二十年、世界は変わった。「人権振りかざすババア」にたいしたこと言えないんだよな、もう、みんな、少なくとも、うちの会社では。 そういう潮目を見ている段階で、わたしの社会性はゼロではない。ゼロではないが、やはりわ��しは鈍い。強いのではない。鈍いのである。他人が気にすることが気にならない、その確率がやたら高い。  そんなだから敏感な部下の気持ちがわからない。わたし、敏感なんです、と本人が言わなければ、その人が敏感だと自分を認識していることにも気づかなかっただろう。 そうですねとわたしはこたえた。わたしが鈍すぎるので、すみません、と言った。その部下は少し黙って、いえ、わたしが特別に敏感すぎるんです、と言った。 しかしわたしの目には、その部下の敏感さは特別ではなく、典型的なもののように見えた。自分の周囲の人の目、人の言うこと、人の評価、そういうものをとても気に病む。そして気に病んでいる時間が長く、気に病んでいる対象との問題解決に使用する時間は短い。採用する問題解決は当人同士の話し合いではなく、密室で第三者(たとえばわたし)に訴えかけるというものである。 わたしが知るいくつかの例にかぎるのだが、その種の「敏感な人たち」は密室と権力者が好きである。部署内で権力を持つわたし��二人きりで、部内の別の人との関係について語りたがる。気にしている相手本人とではなく、オープンな場ででもなく。そうして彼らが訴える内容は、「人権にうるさい」わたしにとってもハラスメントとは言えないものである。 せっかくガイドラインを作ったのに、そこに「特段の事由がなければ、面談は複数でおこなう」「特段の事由があると判断した場合も、別途記載の担当者に面談を実施する時間と場所を予め知らせてからおこなう」と書いたのに、読んでくれていないのだろうか。 そう尋ねると部下は「読みました」とこたえた。読んだけれど自分は該当しないと、そう思っているのだそうだ。  どうしてだろう。 どうして「敏感な人たち」は自分をデフォルトで特別な存在として扱うのだろう。特別扱いを当たり前のように要請するのだろう。  その部下は特別ではない。だからわたしは、その問題は会社やわたし個人が解決する性質のものではないですと言う。  わたしは密室を出る。わたしは息をつく。わたしは、プライベートの特別のときを除いて、密室を好きではない。 ”
— 敏感な世界に生きる鈍感なわたし - 傘をひらいて、空を
3 notes · View notes
kijutamu · 1 year
Photo
Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media
疲れるような動きはないのに上半身がポカポカ、肩まわりが楽に!わきほぐしで「YEAH!」
寒くなって猫背と肩こりがひどくなりがち。割とこの手のポストするのは、見かけた時だけでもやってみて、楽になる人がいればいいなーと思ってるから♪
96 notes · View notes
kijutamu · 2 years
Photo
Tumblr media Tumblr media
(道具は何も要らないから今夜からでも試せそう!安眠するためのコツ! | 話題の画像プラスから)
183 notes · View notes
kijutamu · 2 years
Photo
Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media
(via 青髪のテツ|野菜のプロさんはTwitterを使っています: 「【八百屋からのお願い】 何度も言います。 農家さんが作った野菜を… 捨てないで下さい!! 捨てないで下さい!! 捨てないで下さい!! 多くの野菜は冷凍保存が可能。 よく捨ててしまう方は冷凍という選択肢があることを知ってほしい。 ※野菜によっては食感が変わります。 方法は画像にまとめました。 https://t.co/02J9YgqgiF」 / Twitter)
320 notes · View notes
kijutamu · 2 years
Photo
Tumblr media Tumblr media Tumblr media
(1つでも該当すると、「会議の成功率」は5分の1以下 AIが導き出した、会議の成功を阻む5要素とは - ログミーBizから)
多くの企業でアウトプットが出ないのは、画面に表示している②番の「意思決定」と③番の「アイデア出し」が同時に行われているからなんです。アイデア出してダメ出し、アイデア出してダメ出し。これでは絶対にアウトプット出ませんから。 だまされたと思って、今日の午後から「アイデアを出す会議」と「意思決定をする会議」、アジェンダを分けてください。アイデアを出す会議では、何でもいいからアイデアを出す。そして、意思決定者は評価軸を定めた上で、出たアイデアの中から決める。 「アイデア出し会議」と「意思決定会議」を分けるだけで、なんとみなさんの社内会議は11パーセント減ります。そういうことなんですよ。事前の整理が必要なんです。
204 notes · View notes
kijutamu · 2 years
Text
Art
13K notes · View notes
kijutamu · 2 years
Photo
Tumblr media
桃色レタス@新刊委託中さんのツイート: 元ネタ知らんけどこの五穀豊穣を司る猫神定期的に見たくなるんだよな https://t.co/CeW704XWSQ
3K notes · View notes
kijutamu · 2 years
Photo
Tumblr media
2K notes · View notes