mini1300 でCW Filterの特性を計測する
mini1300 を使って、HF無線機用のフィルターの特性を測ってみました。
事前作業として、
Configuration - Calibration - [S21] Gain Calibration for VNA
を行います。
S1, S2ポート間を使用するケーブルで短絡します。今回は
・S1 (N ) - (N-BNC) - (BNC-Cable-ミノムシクリップ)
・S2 (SMA) - (SMA-BNC) - (BNC-Cable-ミノムシクリップ)
の二本のケーブルを繋ぎますが、実際に計測するフィルターのアースと、センター側の片側に繋いで Calibration しました。
計測したのは、次の3本です。いずれもCWの狭いフィルターです。
1. YAESU XF-8.9HCN (8988.3kHz)
2. InRad Collins 526-8733-010 (455kHz)
3. YAESU Collins XF-115CN 526-8733-020 (455kHz)
1については、
・キャリブレーション後そのまま
・フィルターの両端につないてSCAN (SPAN +/- 5kHz)
・フィルターの両端につないてSCAN (SPAN +/- 2kHz)・同 AUTO (荒いサンプリングでスキャンし続ける)
2については
・キャリブレーション後そのまま
・フィルターの両端につないてSCAN (SPAN +/- 2kHz)
・同 AUTO (荒いサンプリングでスキャンし続ける)
3については2と同様の3種類の他、
Frequency Sweep のモードで S1ポートから見た SWR, Z, X, R, スミスチャートなどもとってみました。
1. YAESU XF-8.9HCN (8988.3kHz)
キャリブレーション直後。
心線側2本をFilterの片側につないであるが、フィルターから何らかの影響を受けて少し波形が出ている。
1. YAESU XF-8.9HCN (8988.3kHz)
+/- 5kHz
1. YAESU XF-8.9HCN (8988.3kHz)
+/- 2kHz
2. InRad Collins 526-8733-010 (455kHz)
キャリブレーション後
2. InRad Collins 526-8733-010 (455kHz)
+/- 2kHz SCAN
2. InRad Collins 526-8733-010 (455kHz)
+/- 2kHz auto
3. YAESU Collins XF-115CN 526-8733-020 (455kHz)
キャリブレーション後
3. YAESU Collins XF-115CN 526-8733-020 (455kHz)
+/- 2kHz SCAN
3. YAESU Collins XF-115CN 526-8733-020 (455kHz)
+/- 2kHz auto
3. YAESU Collins XF-115CN 526-8733-020 (455kHz)
SWR
3. YAESU Collins XF-115CN 526-8733-020 (455kHz)
SWR
|Z|
3. YAESU Collins XF-115CN 526-8733-020 (455kHz)
SWR, R, X
3. YAESU Collins XF-115CN 526-8733-020 (455kHz)
R, X
3. YAESU Collins XF-115CN 526-8733-020 (455kHz)
S11
3. YAESU Collins XF-115CN 526-8733-020 (455kHz)
スミスチャート
いずれも10dB前後の挿入損失があることを確認しました。CW Filterだとこんなもんでしょうか。
測定幅は(+/-) 1, 2, 5, 10, 20, 50, 100, 200, 500 kHz, 1, 2, 5, 10...MHzというように設定できます。あるいはConfigurationの変更で startとstopの指定も可能です。
IFBWの影響はないようです。
ダイナミックレンジは、グラフで65dB程度まで、マーカーを動かして読み取れる数値は70dBくらいまでです。いろいろ正確に測るには、100dB程度は欲しいところです。
グラフでのY方向に範囲は固定ですので、たとえば -10~-30dBの間の20dBだけを拡大して表示したいといったことはできません。
マーカーは一つしかありません。
Frequency Sweep モードでは3種類使えそうで一つしか使えないようです。
一般的な TG + スペアナだとこのあたりはもっとダイナミックレンジは広く、調整にも自由度がありますし、さらにいろんな��能がありますが、決まりきったBPFの測定といった用途であれば、これで十分かと思われます。
むしろ、難しい調整箇所がない分、シンプルに使うことができるとも言えそうです。
VNAとしての機能については、勉強不足でよく分かりません。
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mini1300 を1280MHzあたりで試す
2019/9/10
アンテナアナライザー mini1300 を1280MHzあたりで使ってみました(V1.01)。
各機能から呼び出される共通の周波数入力画面には、160m~70cmのアマチュアバンドをワンタッチで指定できるボタンが出てくるのですが、1.2GHz帯はありません。
しかし、桁位置を合わせてからテンキーから数値入力すればよいので、特に難しいことはありません。確かに手間は増えますが、それでもNanoVNAの入力しにくさと比較すれば月とスッポンで、まったく問題ありません。
1. DJ-G7 (144/430/1280MHzハンディトランシーバー)付属のホイップアンテナで1280MHzで確認。それなりのSWRになっているようです。
2~7. 1280MHz +-20MHzでスペクトラム表示。それらしきグラフになっています。タップしていくとZ, R,Xなどいろんな表示。
スミスチャートも表示できます。
8. 1300MHz超えると表示してくれません。これはMax Freqチェックをした結果で最大周波数が決められるからです。1300MHzはたぶんMaxです。
(ここまで、キャリブレーションを取っていなかったので、値は不正確だと思われます)
9. 3バンド同時に表示。あら、144あたり調子悪し。キャリブレーションとったらOK。やはり最初の状態ではダメみたいです。
10. S2端子(送信)にDJ-G7のアンテナ、受信側にテキトーな線をつないで、VNAというかTG + スペアナモードで表示。
(あらかじめ、S1-S2端子を接続してキャリブレーションをとっておく必要があります)
アンテナのSWRが良い当たりだと、となりのS1端子でも強く受信できたようです。
てな感じで、一通り動くようです。
ついでに、S2端子からWSPR, FT8などを送信できることを確認しました。
RTCも動いており、秒単位で合わせてみましたが、5日で5秒程度のズレでした。継続的にビーコン用とするならば、外部からのクロック入力が必要と思われます。
NanoVNAと比較すると、次のような美点があります。
・起動したときから保存した設定やキャリブレーション情報が読み込まれる (NanoVNAは保存したメモリーを呼び出す必要あり)
・画面が広くて見やすい(小さいNanoVNAにはローガンキョーとタッチ用ペンが必要)
・タッチパネルの反応がよく操作しやすい(NanoVNAでは画面更新のタイミングでは操作を受け付けない)
・機能が豊富(マルチSWR、SWR調整時わかりやすい機能、DSP、ボイスレコーダー、WSPR/FT8送信、画面コピー等)
・1.3GHzまで使える(mini1300, NanoVNAは900MHz)
・VNA使用のときに画面表示範囲が広い(NanoVNAでは別メニューから倍率を変化させて信号を探す必要がある)
・バグが少ない(NanoVNAではマーカーをいじると周波数が初期化されるなどの不具合が複数確認済み)
・ファームウェアアップデートを期待できる(PCにソフトのインストールが必要)
・PC接続してPC側アプリからの制御は不明
・価格は高い(AliExpressで20K円くらいから)が、実用性や機能を考えれば断然こちらをお勧め。
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mini1300届きました。
2019/9/5
mini1300届きました。
ちゃんと1.3GHzまで行くようです。
ファームウェアは 1.01です。1.0Aの方が良かった気がするけど、見た目はあまり変わりないような。
リアルタイムクロックは生きているみたいです。
サイドに貼ってあるシールには、サポートフォーラムのURLなどが印刷してあります。
S2端子もちゃんとついています。
ちなみに、trackingはチャイナ国内のままです(笑)。
結局、一週間で届きました。
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Max600 Plus 届く
2019/8/22
mini600ならぬ Max600 Plus が届いていた。
実家用にと追加でオーダーしたnanoVNAも届いていたが、こっちはいらなかったかなあ。
とりあえず大きさ比較。
まだちゃんといじってないけど、max600のレスポンスが桁違いに良い。
こっちだけあれば良いような気がしてきた。
というわけで、Calibrationしようとするが、付いてきているものはダミーロード等を自作しろということのようだ。しかし、300Ωがよく分からない。とりあえずnanoVNAについてきたダミーロードとOpenで調整。なんかガタガタしていて変。ショートが手持ちでやったからかも。
そもそも、ハードウェアのキャリブレーションはやって出荷されているのかコレ? 内部のスイッチを切り替えないといけないみたいだけど、
明日、一からちゃんとやろう。
ということでバラしてみる。
側面の8つのネジを外してリアカバーを引っ張り出す。
シート型のバッテリー(4000mAhくらいはありそう?)が電源系の基板にくっついている。引っ張ると外れる。
その下に、RF基板があり、これも引っ張ると外れる。キャリブレーション用スイッチはここにあるようだ。
このまま寝るのもなんなので、KD8CECのV. 1.0Aのファームウェアを入れてみた。
STM32 ST-LinkユーティリティはすでにPCに入っていたので、mini Bで接続してあっさりと書き換えOK。
なんか、WSPRとかFT8とか書いてあるよー。
時刻合わせをして、キャリブレーションをやり直してみる。
Configuration - Oscillator Test からどこまで上の周波数が使えるかテストしてみたが、1GHzまでのようだ。試しに自分でもっと高い周波数にしてみたけれど、ダメみたいでした。これはハズレかな。
1.2GHz までのAAが欲しいひとは、最初から mini1300となっているものを購入するのが安全かもしれないですね。
附属のキャリブレーションキット。っていうか、コネクターと抵抗じゃないか
開けてみた。
電源まわり制御ユニットとシート型バッテリー
メイン基板の上にRF基板が刺さる。
左上にSP-DIF INもついている。何に使うの?
S2 Portはどこにあるのだろうか?
コネクターを付けるには、ケースに穴を開けないといけないのでは?
KD8CEC Ver 1.0Aにしてみた。
日時はリセットされている。
STM32 ST-LINK Utility でファームウェアを更新しました。簡単です。
Configuration - Oscillator test をしてみたら、1000MHzまでしか動作しない模様。
ダミーロードを付けて1000MHzあたりを計測。
まあ、こんなもんなのかなあ。
もうちょっと上に行けそうだけど。
パラメータを勝手に書き換えて 1350MHz にしてみる。
うーん、1000MHzを超えた瞬間にダメになるみたいですね。
Max周波数を変更したときには、Calibrationもやりなおせとあったので、やり直してみました。急に1GHzから上でへんなグラフにはならなくなりましたが、やはりマトモに使えそうなのは1GHzちょいまでのようでした。
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