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#黒振袖
kimonoyamanaka · 1 year
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~ 黒の振袖 ~ 「きものやまなか」にて振袖をご購入いただいたお客様のご紹介です。 黒の古典柄は重厚さと豪華さがあり、毎年人気のカラーですね。 当店では皆さまのご希望の色を、お下見当日までにご用意させて頂きます。 今回のお客様つきましては、プロフィールのURLの弊社ブログ記事にて詳しくご紹介しております。⇒⇒⇒ @furisode_yamanaka #振袖 #着物 #成人式 #きものやまなか #きものやまなか振袖 #きものやまなか振袖美人 #創寫舘鶴舞本店 #創寫舘 #黒振袖 #黒色振袖 #古典振袖 #振袖購入 #振袖販売 #伝統工芸 #手描き友禅 #京友禅 #名古屋振袖 #名古屋市振袖 #振袖名古屋 #振袖名古屋市 #名古屋市で振袖選び #名古屋市の振袖販売店きものやまなか #名古屋市で振袖購入きものやまなか #日本 #kimono #nippon #japan #japanesestyle #japaneseculture #lovejapan (名古屋市の振袖販売店【きものやまなか】) https://www.instagram.com/p/Clm8mRqLz5a/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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apartment315 · 1 year
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fivefatweeb · 6 days
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solitude-klang · 3 months
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" 埼玉乱舞 -SAITAMADANCE- Vol.01 "@越谷EASY GOINGS
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開場から開演まで爆寸みたいな感じでV系mixが流れている
覚えてるのだけ書くと
入った時かかってたのは手の鳴る方へ/アルルカン
埋葬/RAZOR
神歌/Phantasmagoria
V.I.P/NOCTURNAL BLOODLAST
迷彩/Sadie
鯖に乗って(RADICAL HYSTERIA)/BORN
朔/DIR EN GREY
君の子宮を触る/DEZERT
0/キズ
ザアザア前のDJ枠は知らない曲1曲もなかったからここ20年くらいバンギャし続けてる人なら1人でも体が勝手に振りをしてしまうくらいテンション上がる開演待ち
ステージはスクリーンで覆うスタイル
ザアザア
ステージに誰もいないままキズの0から暗転 感電のベース音が流れ始めたので手拍子をするフロア なかなか満員のお客さんに混じって亞んちゃんの金髪が
メンバーフロアから入場
(一葵さんだけステージ袖から現れてたと思う)
マイクにあり着くや否や今日一番かっこいいバンドザアザアです
ぬるいぬるい言われながら上下前後走らされ
全員左に寄ってください
ぬるいことしてんじゃねぇよ
誰の声かと思うくらい攻撃的な声色に軽率にときめいたけど一葵さんだったのかな 左に寄らない他バンギャさんをw強引に寄せて蜘蛛の糸
手扇子しながらようやくステージを見たら 黒いスーツに黒シャツなんだけどネクタイの柄がアメリカドル$…?もしかして4人で
お揃いのお土産買ってきたの??????
朗読は 冷熱 ジャケットの袖を肘下で捲ってベースを低くして弾く零夜さん(ゴクリ…
夕焼けは春さんのギター前振りで入るバージョン(良かった)
ただいまー おかえりー!
僕達あの アメリカ帰りなんで
まだ時差ボケしてるんだけど
帰りに お土産屋さんでこれ(ネクタイ)買ってきました
か わ い い(ネクタイがというよりその柄とお揃いにしちゃうこととそれを衣装にするということがかわいい)かわいいじゃねぇよ
アメリカで一体何がと思うほど いつになく強気で攻撃的で全員が見るからに自信に満ちていた
推しが良すぎたから今日はもうこれで帰りたいまであった
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色々な十字架
転換中に下手ギターの人がエフェクターボード高く掲げて見せてくれた(笑)
メンバーのヴィジュアルは思っていたほどピンクハレルヤではなく 普通のV系に見えないこともない 笑
上手ギターの人は技術面含めて見せ方が熟れてたように思うけど前盤普通のV系じゃないのかな
上手側の後ろの方に 白い布でちゃんとV系ぽく装飾されたスクリーンが設置されそこに歌詞(MVある曲はMV)が流れる
最初の曲は「近所の犬に勝手に名前を付けて呼んでそれを浸透させた」とかいう歌詞だった
小学校5年生くらいの男の子が言う下ネタがふんだんに盛り込まれた歌詞を 90年代V系に多い独特の歌い癖に乗せ��w 声量なくはないし結構な高音が地声で出てたので真面目に練習したら普通に上手くなりそう
NoGoDのアトリアをちょっと歌ってたけどそっちのが上手いw
ドラムのdagakiさんとボーカルのtinkさん 埼玉の人らしく 越谷ではなく松伏町?の出身だとか
ベースのmisujiさんはどこの人かわからんけどdagakiさんが埼玉でのバイト経歴を発表し続けているのに突っ込みを入れ2人が張り合う流れに(無理やりw)
リズム隊がバトミントンのラケットを持って前へ出てきて同期に乗って演奏される曲があったけどこれといって決着はついていない模様
tink:終わりですって言って曲が終わった(笑)
テニプリのやつでした
( 'ᵕ' )
どんどんどんどん 応募して
何を?誰に?
( ◜-◝ )
今日のためにいっぱい曲作ってきたから
前からある 前からある 前からある
前からある曲やりますこれはちょっと
何を言ってるのかわからない系ボーカルさんのMCを幾度となく拾ってきた 経験値がまったく活かせないレベルの圧倒的何を言ってるのかわからない系ボーカル(笑) MCというかスタジオセッションの雑談みたいなノリで喋るんだけど先輩や女の子に可愛がられそうなタイプです 上ギとベースいなかったらまとまらんw
弦楽器隊は思ったより全然ちゃんと演奏してて(失礼w)ステージ慣れしている様子なんだけど ボーカルさんだけステージに立たない仕事を生業にしてる感ありました(ベーシストさんらしい ?)
白ミサっていうくらいだしもっとなんか祈りとかさせられるのかと思っていたので想像より普通のV系に近いという第一印象
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NoGoD前の転換はZOMBIEとかギルガメとかlynch.とか流れてた
NoGoD
楽器隊板付き 袖から赤いスーツに身を包んだ赤髪団長(かっこいい♡)
とはいえ1~2曲目知らなかったw これだけ行ってなかったら知らない曲やらなかったら逆に心配なので良かった
さっき ザアザアが… 越谷そんなもんかって言ってたけど…
いつもこんなんじゃないよな?今日いつも以上だよな?(そっちw)ここは埼玉じゃない
タイトル思い出せないけど体が振りを覚えていていやー懐かしいーと思ったのは愚蓮だった 少し前にBLAZEで見た時にもやってたな
タイトル思い出せないけど体が振りを覚えていて(コピペ)これなんだっけなって思ったのは球根だった
ギターソロ見応えやばい 前任も涼し顔して難解な曲を弾く人だったけど今の上手ギターも笑顔でとんでもねぇことやってる凄腕
越谷 俺の地元です 正確にいうと隣町の岩槻市なんだけど 最寄り駅はせんげん台
地名は漢字だけど電車の駅は平仮名のあのせんげん台です!
いつも浦和あたりで地元です!って言うのちょっとなんか 申し訳ない気持ちがあったんだけど 今日はいいよな 自信持って 越谷 地元です!
こんなに地元アピっといて
でも…実を言うと…今の住所は 東京都ですって言ってブーイング浴びてたw
言いたいこと全部短い時間に収めるようになっただけで喋る量は変わってないからMC半分以上端折りますけど若い頃渋谷の居酒屋でバイトしててせんげん台までの終電がないから店の締め作業に参加したことが無いって話も面白かった(笑)
団長ダンスって言うから乱知気でもやるのかと思って焦った 大サァカス 体が覚えてた(笑)(笑)
神風もカクセイも通ってた頃に出た曲で団長大好きすぎた時代の自分に戻ってしまうw凄まじい演奏力だし良い曲だな かっこいい
確実に笑わせるMCを挟みながらも後半に向けて盛り上がっていくムードを創るのはどこよりもプロ
Never fade awayのコーラス (合唱になったのこれだっけ?)感動しちゃったよ
ザアザアは 勢いがあって なんか 凄かった…対バンするのは久しぶりなんだけど ああゆうのいいなって思いましたって言ってた
色々な十字架についてはアトリアの話してたかなぁ 忘れちゃった
NoGoDはアンコールがノーゴッド!なんだよね 懐かしい
さっき ザアザアが 前後左右にすごい動かしてて 俺達もああゆうのやりたいなぁ?って思っちゃったから
NoGoDにもそういう曲があります(^ω^)
両手をくるんてして折り返す時にハートにする振りがあるけど 桃源郷へようこそのその部分は♡を逆さにした桃なんだよねw
曲終わってから 4/20にもここで埼玉乱舞?あるらしくて団長がDJとMCで出るとかって言ってた
バンド演奏終わってすぐDJブースからROCKET DIVE流れて来たの熱かったな
4/20のイベントはザアザアもまた出るのかなと思うようなこと言ってたけど(?)その日チッタのバンギャルフェス行こうと思ってるんだけど?w
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utsuroyihon · 4 months
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(Xユーザーの石黒 友月さん: 「振袖 清水屋さん 髪飾り Umさん 本当に可愛すぎる振袖に、 ぴったりな髪飾りまで準備してくださって 最高に可愛くして頂きありがとうございました!❤︎" 幸せな1日でした🌙 #清水屋 #SKE48 #Um https://t.co/mFQafDgw4o https://t.co/rqO33Wg9ya」 / Xから)
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aronespace · 1 year
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私の話
 最初は5歳の秋か冬、長袖の季節だった。幼稚園生だった私はおたふく風邪だか水疱瘡だかに罹り、しばらく園を休んでいた。その時期園では、同じ組の子たち同士でなんとなくチームを組んで、ロボットやら指輪やらを工作してそれを下級生向けに販売しよう(もちろん紙でできたおもちゃのお金だ)という、ものづくりやチームメイトと協力する力を伸ばし、お金の使い方や年下の子への振る舞いを学ぼうといった趣旨のイベントがあった。準備期間もそれなりにある季節の一大イベントで、みんな楽しみにしていたように記憶している。そして私はチーム決め直前に園を休み、戻ってきたときには先生によってすでに振り分けられたチームで行動することになっていた。どんなチームに割り当てられているのだろうと不安な思いで登園すると、私は牛乳パックでロボットを作る、「男の子」しかいないチームにひとり放り込まれていた。どんな経緯でそうなったのかはわからないが、最初は憂鬱だったのをなんとなく覚えている。自分だけ違うところに混ぜられてしまったのだと感じた。  しかしそこにいるうちに、いつも一緒にいる「女の子」たちといるときとは違う感覚になった。彼女たちといるときとは違った居心地の良さ、安心感。ロボット作りには最後まで楽しさを見出せなかったけれど、その空間は身の置き所としてはこれまで感じたことのない高揚感としっくりくる感じを覚える楽しい場所だった。自分と違うと思っていた属性の中に放り込まれたはずなのに、「自分も『(女の子ではない存在としての)男の子』側なのだ」と感じた。自分に割り当てられている属性は自分のものではないのだと、こんなふうに明瞭に言語化はできなかったけれど、自分に割り当てられてきた属性とその扱われ方に対する違和感を、感覚として初めて理解した初めての経験だった。ひとまずそのときの私は、自分のことを「『女の子っぽい女の子』ではない」のだと理解した。特に仲のいい関係を築いてきたのは「女の子」との方が多かったけれど、チラシで剣を作ったり体育館の大きな積み木で遊んだりするときは「男の子たち」の中にいる方が安心した。人間関係と所属意識の違いが少し明らかになり始めた。その年の七五三、赤い着物を着て髪をセットされた(当時は髪が肩まであった)が、ものすごく居心地が悪くて嫌だったことを覚えているし、親によるとかなりごねて不機嫌だったらしい。
 次は10歳、小学4年生の秋。私の地域では毎年4年生が地域の学校で集まって合唱コンクールに出るという行事があった。最初は何とも思わなかったが、単純な子どもだったので練習するたびに課題曲も歌うことも好きになっていくし、本番が待ち遠しかった。  本番が目前に迫ってきたある日、合唱指導担当だった先生から当日の服装についての説明があった。男の子は白い上に黒のズボン、女の子は黒いスカート。それを聞き、どう表せばいいかわからない不快感が湧き上がってきた。スカートを履きたくない。どうして私はスカートを履く側なのか?どうしたら履かなくて済む?あれだけ楽しみにしていたのに、その日を境に本番が近づくのが嫌でたまらなくなった。親が買ってきたスカートを履いたときの違和感は強烈に残っている。しかし音楽会は例年より少し早めのインフルエンザ流行のため中止になった。その報に泣いている子もいたし、私も残念な気持ちはあったが、それ以上にスカートを履かなくて済んだことに安堵した。まさかそんな理由で中止が嬉しかったなんて言える空気ではなかったので、友達に合わせてがっかりした表情を浮かべていた。またこの頃から身の回りの物へのこだわりが出始めた。最初は親に言われるがままに着ていた「弟へのおさがりでも使えるような服」を自ら選んで着るようになり、「女の子」でひとりだけ青い習字セット、青い裁縫セットを使い、家庭科で作った巾着も白と黒のドラゴンモチーフの布を使っていた。常に短い髪、同年代の平均より常に高い身長、青やグレー、黒のパーカーやトレーナーにジーンズ、手提げ袋に至るまで「女の子」っぽさを排除した見た目の中で、ランドセルだけがずっと浮いていたように思う。入学前親に連れられてランドセルコーナーに行ったとき、漠然と赤は嫌だという思いがあったが、「女の子」用のものは赤やピンク、オレンジしかなく、色ではなく大人っぽい響きの名前が気に入ったという理由と、言葉にならないけれど確かにあった何かを諦めたという思いで、渋めのローズピンクのランドセルを背負っていた。年齢が上がっていくにつれ「女の子らしさ」がなくなっていく見た目の中、ずっとランドセルだけが私の「本当の」所属を周囲に示すもので、これを背負う限り私は何をしようとも「女の子」にカウントされるということを思い知り、「そうじゃないと思うんだけどな」のような微妙な気持ちでいた。どうして自分がそう思うのか、というところまでは考えられなかったけれど、「女の子っぽい」という記号を身に付けることへの拒否感は確固たるものになっていた。
 次は中学生。当然制服のスカートが嫌だった。小学校の卒業式のときもスカートは確かに嫌だったけれど、上にはおるグレーのジャケットがかっこよくて気に入っていたため一日だけなら、となんとなく乗り越えたが、これからずっと着なければならない制服は本当に嫌だった。でも登校したらほとんど毎日午前中にジャージに着替えていたし(時間割の関係でそうだった)、運動系の部活をやっていたため下校は毎日ジャージだったので、憂鬱感は徐々にごまかせるようになっていった。  小学校からほとんど持ちあがりの、狭く密接で固定的な人間関係という土壌がある中でのクラスメイトからのまなざしは、嫌でも表面的なもの以外の情報も伝えてくるもので、この頃になってくると自分が周囲からどう見られているかを何となく察するようになっていった。周りは段々と女/男の境界がはっきりしたものになりそれぞれの文化が別のものになっていく中で、「女の子」への所属意識をどうしても持てず、「そうではない」存在に近づこうと「男の子」たちのコミュニケーションをロールモデルとして振舞い方を学習した結果、「女の子」たちからは自分たちのメインストリームからは外れていて色々と変だけれど、一応同じ場所にいる他者として、「男の子」たちからは他の「女の子」と比べると自分たちの文化にどこか(「理解している」ではなく)近いけれど、でも同じ存在ではない他者として、「女の子っぽくない・男の子っぽい女の子」のような、どちらからも微妙に浮いた存在として認識されていたように思う。加えて恋愛の話題に絡んでくる子/そうじゃない子の新たな境界も生まれるようになり、誰が付き合っている、デートに行った、夏休みどうするのように話題になる内容が具体的になり、その話題を中心に人間関係の構図が作られ、恋愛との距離感によってヒエラルキーが生まれるようになり、それに伴い会話のあらゆるところに理解できない目配せや気配り、謎のルールも絡まってくるようになると、恋愛ごとを面倒に感じ、それらの事象に巻き込まれるのが嫌な 「男の子」 たちは、 相変わらず髪が短くてクラスの中で3,4番目に背が高い、見た目が「女の子」的ではない、自分たちと近い「男の子」的なコミュニケーションをとって接してくる、一切恋愛の話をしない私を他の「女の子」ほどは警戒せず(「恋愛的な文脈での楽しさを見出せず・高揚せず」とも言い換えることができる)、「女の子」たちも、 恋愛の話題を振られても求められていたような回答をできなかったことでそのルールを理解していないことを見抜き、普段の様子から関心があるようにも見えなかったであろう私なら男の子のそばに置いていても面倒なことは起こらないだろう(ライバルになったり、噂話をして余計な広がり方をさせたりしないだろうのような)と、どちらにとっても曖昧で便利な側面を持っている存在だったと思う。それによって、「男女」間で起きるであろう揉め事を減らせると考えた(であろう)班を決める係のクラスメイトによって、校外学習や修学旅行といったイレギュラーでトラブルをなるべく起こしたくないイベントでの班編成では、いつも男子の中にひとり放り込まれる役だった(3年間「女子」が奇数のクラスだったため)。班を決めた子から「女子一人でごめんね」と謝られたが、なんて返せばいいかわからなかった。そう扱われることに慣れていたし、そう扱われることが嬉しかった。「女の子」の中に入れられる方が自分との差異やそこにいることの違和感を強く感じさせられるから、 「男の子」たちとともに「あっちが何考えてるかわからない」と振る舞うことで、自分の「女の子ではない」感覚を正当化できる環境の方がずっと楽だった。だからといって自分を「男の子」だとは思えず、「女の子ではない」存在として「男の子になりたい」と素朴に願っていた。
 「女の子ではない」という思いは自分の肉体にも向くようになっていった。胸が大きくなるにつれブラジャーをしないと揺れて邪魔だし痛いしで毎日つけていたが、ある日その工程がどうしても嫌になり、素肌にジャージの半袖を着て、その上からいつも通りの制服を着て登校した。いつものように1時間目の授業を終えジャージに着替えたときの、何とも言えない嬉しさと居心地の悪さが混ざった感覚。本来こうあるべきだったという感覚と、いつもより肌にまとわりつく気がするせいでより目立ってしまう気がする身体の丸み。念のため学校にブラを持っていこうなんて微塵も思わなかった(これは決意というよりそこまで考えが至らなかった、着替えの肯定をすっ飛ばした瞬間の満足ですっかり忘れていたという不注意によるものだった)ため、一日中居心地の悪さを引きずって猫背で過ごすことになり、それ以降ブラをつけることは諦めて受け入れた。「女の子じゃない」存在として扱われるためにできる方法を探し、少しでも「男の子」的になろうとそちら側に行動を寄せ、しかしどうしても「男の子」にはなれず、「男の子」のアイデンティティを自分の中に見つけることもできず、「女の子」の記号を与えられているのなら結局私は「女の子っぽくない女の子」なのかな、と思っていた。6年間制服のスカートを履いているなかで、自分のアイデンティティをいったんそうやって理解することにした。そうであるだけでも浮いていたけれど、恋愛の話題に関わらない限り目立つことはなかったので、基本的には地味な子どもとしてどうにかやり過ごすことができた。  私が高校まで暮らしていたところは東北の田舎で、そこは非常にシスヘテロ的でバイナリーで、女/男しか存在せず、恋愛、性愛をする人しか存在しないところだった。そんな中で私は「ボーイッシュな女の子」という言葉で済まそうとするにはあまりにも色々な要素が浮いていて、しかしそれはただ私が浮いているパーソナリティである以上の意味を持たなかった。(そして、そこでは障害や家庭環境、それらによっておこる不平等も単に個性でしかなかった。)どんな装いをしようと、どんな振る舞いをしようと、どんな思いで生活していようと、私は「女の子」としてカウントされ、「女の子」というアイデンティティを持ち、その規範に沿って生きていくべき存在でしかなかった。
 高校を卒業し地元に比べると圧倒的に都会だった地域で暮らし始め、新たな生活を過ごすなかでAロマンティック、Aセクシュアルと出会い、これまで感じてきたわけのわからなさにセクシュアリティという名前がつくことを初めて知ることができた。  大学生になり自分で服を買うようになると、スカートを選ぶことができるようになった。家ではジャージかジーンズしか履かなかった娘が、帰省してきたときにスカートを履いている姿を見た親がびっくりした表情を浮かべ、「似合うじゃん」と言われて微妙な気持ちになったのを覚えている。相変わらず髪は短かったし、身体への違和感が爆発し、思いつく解消案としていわゆるナベシャツを着るようになったのもこの時期だった。でも、あれだけ嫌だったスカートを履けるようになったことに自分自身も理解が追い付かず、だからと言って「完全に」女の子になることができたとは到底思えず、「女の子」の記号を自分から選ぶ自分自身に戸惑ったこと。重ね着をし身体のラインを見えにくくする装いをしたことで安心すること。電車に乗っていてふと「こいつは女か?男か?」という視線を感じ(中学生頃から「女ではない」と認識される経験を幾度となくしており、胸部を探る目が顔に移動する不躾な視線の動きがどういうものかを体感として知っている)、隣に座ってきたサラリーマンは今私を何者と判断したのだろうと不快感を覚えたこと。同時にその困惑を引き出せたかもしれないことにうっすら喜びを感じたこと。成人式で振袖を着るのがどうしても嫌で、別の予定を入れ地元に帰らなくて済むようにしたこと。この時期に#Metoo、フラワーデモに出会い、そしてフェミニズムに出会うことで、服装や身に付けるものも社会によってジェンダー化されていること、誰でもその規範から自由になれることを知った。セクシュアリティとフェミニズムは不可分であるし、本の中に書かれている社会構造の不平等や差別は私の身に降りかかるものとも似ている部分があったため、やっぱり私は「女」というジェンダーにカテゴライズされる人間なのかと思うようになった。
 私が参加したフラワーデモでは、何度かトランスジェンダーの方がマイクを取っていた。またそこで出会った人に紹介されたコミュニティにもトランスジェンダーの方が何人もいて、書籍の中だけでなくリアルな存在として、シスジェンダーではない人は決して遠い存在ではなかった。それだけでなく、当時セクシュアリティに関する情報のほとんどはオンラインで手に入れており(地元を出るまでLGBTという単語にすら触れたことのないような人間が、いきなりどの本を図書館で探せばいいのかわかるわけがなかったし、オフラインでAセクシュアリティに関する情報を探すのはさらに至難の業だった)、本で語られることを吸収することも大事だったけれど、YouTubeやツイッターを見れば本当に性的マイノリティの人間が生きていることを感じられることがあまりにも新鮮で、文字通り生きる希望になった。今はもう更新していないが、noteという媒体では今に続く私にとっても本当に大切な出会いをすることもできた。その人の文章を読むことで、Aセクシュアリティ、そして「男でも女でもない」と説明されることの多い、バイナリーな性別二元論では語ることができないアイデンティティの存在を知った。私が生きてきた、そして今も生きているこの社会がどれほど性別二元論に支配されており、それがどれだけの人を差別し、苦しめ、傷つける構造になっているのかを知り、彼らと連帯しなければならない、伴走者にならなければならないと強く思った。
 
 同時に、性別二元論への馴染めなさは、私自身の体内にもずっと昔から近からず遠からずの距離感で確かに存在していた。フェミニズムを学び、「『自分はフェミニストではないけれど』と言いながらフェミニズム的な発言をする人が多い」と、どちらかといえば批判的な文脈で語られているのを見かけ、確かにそうだよなと思う一方で、自分は完全に「女」を引き受けるのはしっくりこないな、という思いもずっとあって、「フェミニスト」と名乗るまでにかなり時間がかかった(し、正直今も名乗ることに抵抗感というか戸惑いがある。それは私のアイデンティティによるだけでなく、私があまりにもフェミニズムのことを知らなすぎることも大いに関係している)。フェミニズムが指摘する構造的な差別において、私は【「女」が受ける差別】を受ける立場にいたと思う。だけど、私がこれまで自分に感じてきた違和感は「女じゃない」という感覚によるもののはずだった。私なりにではあるがセクシュアリティやジェンダーなどに関することを学んできた中で、これを「女」の多様性の枠で語ることはできるのだろうかと改めて自分に対し疑問を持つようになった。でも、「女じゃない」なら何なのだとか、これまで「女」に馴染んで生活しているじゃないかとか、「女」の枠にいるからこその語られ方をしているじゃないかといった考えを拭えず、もやもやした思いは残るけれど、これまでのように、そういう違和感を一生抱えたうえで私は「女」をやっていくしかないのだと、諦めと不本意な受容が混ざった覚悟を決めた。
 その後、感染症流行による人との接触の減少、それに加えて鬱を発症したことで人と会わ(え)ない期間を長く経験して、就職活動が始まった(めちゃくちゃしんどかった)。何もわからなかったので学校のキャリアセンターに1から10まで頼りっぱなしだったのだが、そこで「スーツは黒で、スカートでもパンツでもいいけど今から買うならスカートが無難」というようなことを言われた。そのとき、久しぶりにスカートへの嫌悪感を強く感じた。私服でスカートを着るくらいになっていて嫌悪感はだいぶ薄くなっていたはずなのに。 フェミニズムを学んだことでシンプルに最悪なセクシズムが働いている発言だということを昔より高い解像度で理解し、そのことで怒りを覚えた感覚もあったけれど、 どうしてこんなに、あの頃と同じくらい嫌だと感じるているのか、自分に戸惑った。  スーツを売っている店の前を通ったり配られたチラシを読んだりしてみたけれど、無理だという思いがあまりにも強固で、どうにかしてスカートを履かないでやろうと決めた。就活のためにお金を使いたくなかった(鬱が治りきらないまま就活→実習→試験勉強というルートでバイトに避ける時間が減っていくのがわかっていた)し、なにより黒のスカートに脚を通すたびにおしまいの気持ちになりそうで、規範へのささやかな反骨心と心を守る方法として、 大学の入学式のときに親から譲り受けたグレーのパンツスーツで就活を乗り切った。
 現在フルタイムで働いている。いわゆるケアワークと呼ばれる業種だ。職場は「女性」しかおらず、ほとんどが既婚者で、世間話としてされる会話は異性愛規範に塗れていて、「私は異性愛者じゃない!」と心の中で唱えない日はないような環境にいる。そして、新しい利用者と会うたびに新しい関係を作っていく中で「女」として自己紹介したり、「女」と認識され、「女」だから任された仕事をすることが、徐々に違和感としんどさを生むようになった。職場での自分のありかたがわからなくなって、仕事で疲れて帰ってきても夜眠れない泥の中のような日々がまた戻ってくるようになった。眠れないままとにかく横になってスマホを眺めていたある日、ふと思い出した人のブログを読み返したとき、唐突にすとんとおさまる感覚があった。そうやって私は、女ではないというアイデンティティをようやく受け入れ、自分を表す言葉としてAジェンダーと出会った。
 本当に急に腑に落ちた。あまりにも呆気ないような、それでも20数年に及ぶ私のアイデンティティの居心地の悪さを理解するための、救いのような受容感だった。私が「男の子」にカウントされようと必死で、もしくは無意識的に渇望しやってきたことは、「女の子」と認識されることが���痛でその記号を外すために、非常に強固な性別二元論が敷かれた、男と女しかいない社会の中で、「女の子ではない」をやろうとした結果「『そうではない』存在としての『男』」であろうとするしか抵抗の方法が、そして自分自身のアイデンティティとの向き合い方がわからなかったためだった。  このバイナリーな世界では性別欄は二択しか用意されておらず、「女」ではないなら「男」だし、「男」ではないなら「女」だ。必ずどちらかじゃないと存在を認識されず、そんな世界で生きてきたら「どちらでもないなら何なのだ」と、誰よりも私が私自身に問いかけ、二元論を押し付けてきた。そっち(女)じゃないというアイデンティファイしか方法を知らなかったけれど、そっちじゃないなら何なんだという問いかけにはバイナリーを前提とした答えを持たなくてはならず、その世界では私を語る言葉は存在しなかった。社会からやることを要請されてきたのは「女」で、これまで時になんとなく、時に必死に、時に絶望しながらそれをやってきたけれど、物心ついたときからずっとそこにあったここではないという感覚を、やっと信じることができるようになった。「女ではない」「どの『性別』にも当てはまらない」「女を引き受ける」。どうしてこれが同時に成り立つのか、今までこれらをセクシュアリティの問題ではなく個人の問題として引き受けてきた。共存するしかなかったうちに自分に馴染んできた部分も確かにある。シスジェンダーであることを求められ、受容する時間もあったけれど、それでもこれまでの人生すべてをシスジェンダーと理解することはできないし、そうしなくていい。そう思えることで、ずいぶん救われる思いでいる。
 書いてきたこれらのことは、他者に対する私の性別に関する証明のためのエピソードではなく、私がどう生きてきたかのごく個人的な話でしかない。このような道筋を辿るのが、Aジェンダーパーソンにとって典型的なのか、特異なのかすらわからない。ただ、性別二元論が私のことを語りづらくさせ、アイデンティティを受容するのを遅れさせ、受容しても尚戸惑わせ、未来の見えなさに仄暗い気持ちにさせ、傷つけてくることはどうしたって否定できない。それだけではなく、今もまだ「私はAジェンダーである」ということが、「私は自分自身の性別を意識したことがない」という、Aジェンダーへの差別的発言になるのではないだろうかと恐れる気持ちがある。アイデンティティを獲得しても、それをまっすぐ祝福できるようになるには正直まだ学び、話を聞き、自分を語るための時間が必要だと思っている。私自身の、私のための話なのに、それを語ろうとすることで差別構造に加担してしまうのではないだろうかと、そしてその言葉は私自身にも向いてしまうのだろうと、ためらいと恐怖を覚えてしまう。この社会に強固すぎる性別二元論が敷かれており、あらゆる社会規範や制度、社会保障にまでそれを前提として設計をされているがために。非シスジェンダーなど存在しないと乱暴な口を開く人々がいるために。
 これらは私の話だが、同時に私を取り巻く性別二元論の話でもある。非シスパーソンの尊厳を損ね、存在ごと居場所を奪い、攻撃の対象に仕立て上げ分断させ、そうすることによって大きな顔を保とうとしている、性別二元論の話だ。私にアイデンティティと出会うことを困難にさせ、規範から外れる存在として生きづらくさせ、やっと見つけたと思えても獲得するまでに本来必要だった以上に惑わせ、ようやく手にしてもそれを祝福することを難しくさせ、語ろうとする言葉を口篭らせる、性別二元論の話だ。シスジェンダーをやろうと頑張ってきた長い闘いが終わり、そして今度は非シスジェンダーの存在を許さない社会との闘いが始まる。それも今から始まっているのではなく、ずっとずっと前から傍にあった濁流の中に巻き込まれるような感覚だ。苦しいけれど、私はそこで私と出会った以上逃れることはできないし、したくない。私はこれまでもこれからも、こうのままで生きていく。私自身のことを言葉にするのがまだ難しくても、私が私のアイデンティティを信じられるようになっただけで、それはあの頃の5歳の私を救うことができるし、これからの私自身の希望になる。一度諦めたことがあったけれど、また出会うことができて本当によかった。
 私はAジェンダーだ。
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yachch · 1 year
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アフターヘブン 試読
「おかえりなさい、アンナ。――あなたが生まれ、育まれたグルダに」
 真珠を守る貝のように硬くこわばり、かすかに震えるフランギスの細い腕の中で、アンナはその声を聞いたのだった。  左足に重心をずらそうとして靴のかかとが霜を踏み砕き、その下に広がるぬかるみへと沈みこんでいく。夜の間に凍った地面は太陽のひかりにあてられ、生クリームのようにやわらかく溶けはじめていた。後退しようとすればするほど深みにはまっていく気がして、アンナは据わりの悪い椅子に座るようにその腕の中にとどまるしかない。 ――なにもしらないひとがこの場を目撃したなら、祖母と孫が別れを惜しんでいるようにみえるだろう、とアンナは思う。  ふたりの背後にそびえ立つのは寄宿舎学校の門で、アンナは真新しい制服を着ているのだから。そうした断片的な情報から、規律の厳しい学校生活に入る孫と、その孫を心配する心優しい祖母という構図をあてはめてみることはきっと難しくない。  でも、それは真実から遠くかけ離れた想像だ。  アンナが寄宿舎学校に入ることは事実でも、ふたりは血縁関係にはあたらない。おたがいを家族と認識しあう仲でもない。謙遜でも何でもなく、ただの他人だった。三十年とすこし前、この国で多くの批難を浴びながらも施行された法律によって、たまたま結びつけられただけの。 「ここに来るまでに、ずいぶん身体が冷えてしまいましたね」  抱擁を解くと、フランギスはアンナの冷えた首に自分のマフラーをそっと巻きつけた。  抱きしめられていたのはわずかな時間だったのに、ようやく解放された気がしたのはアンナがずっと緊張していたせいだろう。他人と触れ合うと頭が真っ白になって、全身から汗が噴き出して、そして逃げ出したくなる。フランギスが悪いわけではなく――ふたりは法律によって結ばれた関係だが、フランギスは一貫してアンナを尊重してくれている――誰に対してもそうなのだから、そういう性分と言うほかなかった。 「暦の上では春を迎えたけれど、この時期のグルダは寒いとあれほど言っておいたのに。お前でもうっかりすることがあるんですね、アンナ」  ええ、まあ、とアンナはあいまいに笑う。そんな彼女の首もとでしっかりマフラーの結び目をこしらえてから、「さあ、行って」とフランギスがささやいた。 「私はここであなたを見送ります。心配しないで、私はあなたの代理人ですから、またいつでも会えますよ。困ったことがあったら――」  ぬかるみを跳ね飛ばしながら走ってくる乗用車が目に入り、アンナはとっさにフランギスの腕を引く。しかし弾丸のように飛びかかってくる泥を避けるには、その行動はいささか遅すぎたようだ。 「アンナ、何がみえますか? 私に教えてください」  黒いガウンの裾が泥で汚れるのにも動じず、フランギスはじっと周囲の音に耳を澄ましていた。それでは埒があかないと思ったのか今度はアンナに説明を求める。  通り過ぎるかと思われた乗用車は門からすこし離れた場所で停まっていた。 「一台の車が……門の前に停まっています。窓が黒くて、スモークガラスって言うんでしょうか、乗ってるひとはみえないし、降りてくる気配もないし……誰かを待っているんでしょうか?」 「車体の色、タイヤの大きさ、あと、ナンバーは?」  いつになく焦った様子で、フランギスは次々と質問を重ねていく。  そのひとつひとつに丁寧に回答すると、フランギスは「そう」と小さな溜め息を漏らしたきり、今度は押し黙ってしまった。そのまま宙を仰いだ目線の先を追いかければ、木々の枝にわずかに残された枯れ葉が目に入る。 ――あの枯れ葉は、冬の間、風にも雪にも負けずあの場所にとどまり続けていたんだろうか。 「きっと、天国からお迎えが来たんでしょう」  葉が風にちぎりとられるのと、門の脇にある通用口からひとりの少女が飛び出してきたのはほぼ同時の出来事だった。寒空の下、コートもはおらずに出てきた制服姿の少女は、ふたりなど目に入らないとばかりに押しのけて例の車輌まで駆け寄る。 「あたしに時間をちょうだい! まだ帰りたくない!」  大きな声で叫んだ少女に呼応するように運転席の窓がわずかに開いた。そこで何を言われたのか、少女はずるずるとその場に座り込むと力なく握った拳で地面を叩いた。 「そんな……もうすこしで卒業できたのに……あたし……」  ぬかるみに膝まで浸かって、少女はすすり泣いた。がんぜない背中は悲しいくらい痩せて、ブラウス越しにでも浮き出た肋を両手でつかんでしまえそうだった。  呼吸すら忘れてその背をみつめるアンナの片袖を、後ろから誰かが引く。 「行きなさい、アンナ。ただでさえ到着が遅れてしまったんですから、先生がたもお待ちかねですよ」  爪弾かれたように振り返ったアンナをフランギスは穏やかに諭した。 「でも……、フランギス先生、」  アンナの口を冷たい手でそっとふさいで、フランギスは無言で首を振った。背後にいる少女の存在に触れることは禁���だとでも言うように。  通用口をふさぐ赤錆びた扉が、勢いを増した風に揺れてぎいぎいと軋む。その音に混ざって、かすかに嗚咽の声が聞こえてくる。  アンナは自分の胸の中で熱いものと冷たいものがせめぎ合うのを感じた。  「――アンナ」  結局、フランギスの呼びかけを無視してでもアンナはその子に声をかけることにした。ハンカチを差し出すと、その子ははしばみ色の目でじっとアンナをにらみつけた。  宙を舞ったナナカマドの枯れ葉がひらりと泥海に落ちる。油をかぶったように黒く濡れた両手を握り込みながら、少女はきつく下唇を噛みしめた。 「……あんたは何回目なの?」  続けざまに少女が「あたしはもう十回よ、十回もくり返した!」と叫ぶと、ぎゅっと力の入った目尻から涙がぽろりと一粒こぼれ落ちた。 「だから、これで完全におしまい。――あんたは、うまくやれるといいね。あたしが帰るところが天国なら、ここは……、」  少女が後部座席のドアを開くと、車内に焚きしめられた奇妙な香りが周囲に拡散した。その香りを香りと認識する間もなく、アンナの意識は急にぼんやりする。  意識がもうろうとしたのはほんの数秒だったが、気が付けば車は跡形もなくなっていた。  道のむこうをみればすでに車影は遠く、ベールがかかったように垂れこめる深い霧の中に入りこもうとしている。白い霧に吸い込まれると、車は完全にみえなくなった。  『ここは』――続くことばが何だったのか、アンナはしばらく思い出そうとこころみたが、しびれを切らしたフランギスに呼びかけられて考えるのをやめてしまう。ガムのようにへばりついてくる泥を靴の先でかきわけながら元いた場所に戻る。  フランギスはアンナを叱らなかった。  彼女に見送られて、アンナは先ほど少女が飛び出してきた通用口から学校の敷地に足を踏み入れた。どこからともなく現れた守衛が即座に扉に鍵をかける。錆びた格子越しにフランギスと向き合うと、実は自分は投獄されたんじゃないかという突拍子のない妄想にアンナにとり憑かれた。 「ああよかった」  扉の格子に力なく指をからませて、フランギスがふと溜め息を漏らした。 「ここまでお前を送り出せて。最後の力をふりしぼって、私の善性がそのほかのすべてに勝ったように思います」  そう不可解な発言をするとともに、フランギスは目を細めた。眼球という感覚器官を失った暗い視界の中、何とか一条の光をさぐり当てようとするように虚空を凝視する。  ここに来てから、フランギスはふだんよりもすこしだけ感情的になっているようだ。長い冬を耐え忍んだ病人が春のきざしにふと心身の緊張をゆるめて死に至る、そんなあやうさを秘めているようにもアンナには感じられた。 「行ってきます、先生。またお会いできる日を楽しみにしています」  もしかして、これが今生の別れになるんじゃないか―そんな不安に駆られつつも、アンナはあたりさわりのない挨拶を口にすることしかできない。 「いってらっしゃい、アンナ」  フランギスの声を背に、アンナは自分を待ち構える森をみあげた。
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kennak · 1 year
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東証スタンダード上場で着物販売の「YU-WA Creation Holdings」(旧商号:京都きもの友禅)は、2023年3月期通期連結業績予想を下方修正し、当期純損益が3億7000万円の赤字に陥る見通しを明らかにしました。 2023年3月期通期連結業績予想:YU-WA Creation Holdings 売上高営業損益純損益 前回予想 97億2300万円 1億5600万円 1億200万円 今回予想 83億5000万円 △2億2000万円 △3億7000万円 前期実績 84億8400万円 400万円 △1億8500万円 一般呉服や宝飾品の販売が好調だったものの、振袖の販売・レンタルにおける客数減や単価下落に加え、写真スタジオなどその他の事業も計画を下回りました。また、人件費・催事関連費用の増加や、店舗などの減損損失として1億5000万円の特別損失を計上することから、営業損益・純損益ともに従来の黒字予想を一転し赤字見通しとなりました。 業績予想の修正に関するお知らせ:YU-WA Creation Holdings
京都きもの友禅の23年3月期は3億円の赤字へ、振袖不振で 赤字決算 - 不景気.com
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nigebanigenige · 1 year
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今日を終わらせたくなくてぜんぜん眠くない こんなにいちにちでおめでとうって言われる日、あるんだろうか 結婚式くらいか 袴、思った通り最高に可愛かった みんなが寂しそうにしてくれていてよかった 後輩ちゃんからのメッセージですこし泣きそうになる 疲れすぎて友達といっしょに逆の方向の電車に乗ってた 一駅もどってのりおした 乗り換えても準急に乗っているのを忘れて一駅乗り過ごした 大荷物でちょっと歩いた 帰り道、急に寂しさが追いかけてきて涙目になった さよならのなんとかが卒業式っぽい スキップして帰った高校の卒業式とは打って変わって、感傷にひたれて 友達に囲まれているの、かなり嬉しいな きてくれてありがとう
朝七時に着付け行って癖の強いメイクさんとカメラマンに圧倒されて カメラさんはちょい癖強すぎてオプションつけなくてもよかったかも 早めに駅つけてしまい目黒川沿いをうろうろした 袴かなり良い サイコー
車で日吉まで行って式に遅刻する こんなに一気に慶応生みるの最初で最後だ なぜか振り袖でくる非慶応生 出たら久々の友達がいてめっちゃうれしいわ なんだかんだみんな一年遅れ 日吉のお兄さんもきてくれて変な声出た ずっと荷物持ってくれていてあまりにも動きが親戚のお兄さん 毎月会いたい 
コーヒー屋さんでスタイリストさんですか?と聞かれる嫌な気持ちじゃない むしろ嬉しい
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mitsu-maru · 1 year
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Bleu
 記憶というのはポインタとデータで出来ている。いつからか、そのように僕は信じている。忘却とはデータの在り処を指し示すポインタを失った状態であり、データそのものは確かに残っているのだと。何らかの切っ掛けでポインタが復元された時、記憶は鮮やかに蘇る。たった今まで自分が忘れていたことにすら驚くほどに。紅茶に浸したマドレーヌは暮らしに満ちている。長く生きれば生きるほど、過去が未来よりも重くなるから。
 記憶のポインタは厳密な一対一対応ではなく、大なり小なり誤差が生じる。本来想起されるべき思い出の一部が欠落したり、少しずれた思い出が蘇ったりする。あるいは、なかった記憶が新たに生成されたりもする。これは僕が2022年11月20日の午後、「Solarfault, 空は晴れて」という本を読んだ時に生じた反応を元に生まれたテキストである。記憶というのは揮発性であるだけでなく発泡性でもあるから、1週間という時間は記憶を発酵させるに十分な時間だ。読んだ小説の感想文が新たな小説であっていけない理由はない。
 青い、作用の定かでない、おそらくはあまりよろしくない液体。小瓶。『ロスマリン』だと思った。図書館で借りたハードカバーの本だった。少年たちが夏休みに高層ビルディングを抜け出して旅立つ先は暖かい海だった。映像の中で少年と犬が白い浜辺を走っていた。オゾンホールが話題になっていた世紀末。姉はフロンが使われているという理由で旧型のエアブラシをゴミの日に捨てた。その頃、一度塗った色をCtrl+Zすることはできなかった。読み終えた本の感想をTwitterで検索することはできなかった。Amazonは夜中に切らしたPPC用紙を翌日の夕方に届けてはくれなかった。
 大学進学を機に上京し、僕は私鉄の駅から坂道を登って、サンドイッチ屋のT字路を左に曲がってどこかの企業の借り上げ社宅の側を抜けた先にある青いアパートで暮らした。とても青い家だった。九州から上京した人間には東京の日暮れは地球が丸いことを実感させるほどに早く、うどん屋のつゆはありえないほど黒かった。レ���タカーで意味もなく夜の新宿を走り回って、ラーメンを食べた。殺人事件が起きそうな間取りの海辺の一軒家でペペロンチーノを作った。サークルに入って本を書いた。酔い潰れた関西人の介抱をしながら、寝言も関西弁なんだと妙に納得した。
 敷地の外れの外れに、今はないその建物はあった。自治の名の下にビラがばら撒かれ、インクの匂いが漂い、アニメソングが館内放送で流れるような建物だ。そういえばビラを配っていたあの団体も青という字を冠していた。季節を問わず週に一度僕たちは集まって、ただひたすらに話をした。それが僕たちの活動だった。生協の缶ジュースは少しだけ安かった。年齢も専門もバラバラな学生たちが、教養を無駄遣いしていた。時々真面目に小説を書いて本を作り、批評会で真剣に意見を交わしたりした。僕たちの掟はただ一つ、描き始めた物語を必ず完結させること。開いた物語は閉ざされなければならない。それさえ守れば何をやろうと自由だった。その頃茨城県でバケツで流し込まれた液体が青い光を放った。
 学園祭で小遣い稼ぎをするために部員総出で占い師の真似事をした。タロットカードから客が望む物語を紡ぎ出すのは即興小説の訓練だ、というのが建前だった。原価がただ同然の占い屋はなぜだかいつも大繁盛で、僕たちのサークルは本の印刷代には困ることがなかった。
「久しぶり」
 堤が話しかけてきたのは、夫の不倫を見て見ぬふりをしつつ、別れる決心ができないと悩んでいる女性の背中を押してしまった直後だった。
「俺のことも占ってよ」
「顔見知りのことは占わないようにしてるんだ」
 本当に占いがお望みなら、と後輩のテーブルを指差す。堤は肩を竦めて、三百円を支払った。後片付けを終えた後、二人でステーキを食べに行った。安くて硬い牛肉にニンニクと醤油でえげつなく味をつけた代物だが、その頃の僕らにはそれでよかった。紙エプロンに跳ねたステーキソースが抽象画のようだった。
「なんだ、その。元気そうだな」
「どういう意味だよ」
「別に」
「ああ、聞いたのか」
「聞いたとも。なんで教えてくれなかった」
「教えたからといって、何が変わるわけでもないだろう」
「そりゃあ、そうだけどよ」
「じゃあ、いいだろ」
 堤は煙草をくるくると回して言葉を探した。最後まで、出てこなかった。
 小さなゲーム会社でアルバイトをした。携帯電話で話をしながら深夜の住宅街を歩いた。千駄ヶ谷のモスバーガーが秘密基地だった。自分たちが作っていたゲームのことは欠片も好きになれなかったけれども、スタッフ同士で話しているのが好きだった。六本木のライブハウスには月一で通っていた。お目当てのバンドの対バン相手のファンが自分の周りで激しく踊り出して、つられて踊っていた。強い人が集まる、という噂のファミリーレストランに自転車で乗り込んでカードゲームの対���を挑んだりした。初めて中央特快に乗って八王子まで行った。
「で、いつ?」
 帰りの電車は適度に混んでいた。冷蔵庫にマグネットで貼り付けたメモのことを思い出した。換気扇の調子が悪いから業者に連絡すること。そうメモしてから何ヶ月が経っただろう。その頃僕はもう自炊することを止めていて、冷蔵庫には赤ワインとチーズしかなかった。黒い服ばかり選んで着るようになっていた。たまたま見つけた美容院の美容師と気があって、好きなように自分の頭を作品にしてもらうことしていた。この時は確か、虎をイメージした金のメッシュの入った黒髪だったと思う。ギターなんて一度も弾いたことがないのに、スタジオを借りてエアバンドのアー写を撮った。悪ノリしてロゴも作った。
「まだ決まってない。決まっていたとしても、お前には教えない」
「そう」
 エアバンドのベースは、本当のベーシストだった。本当はギターが弾きたかったらしいが、手が小さくてコードがうまく押さえられなかったんだと笑っていた。雷と餃子で有名な街から、時々都内に遊びに来ていた。常軌を逸した方向音痴の彼にとって、乗り換えはいつだって至難の技だった。コンピュータグラフィックスを専攻していた彼を、八王子の某大学の教授のところまで無事に送り届けるのが今日の僕のアルバイトだった。この頃のインターネット回線はZoomで面談するほど力強くもなく、クラウド環境はGitHubで自分のポートフォリオを公開できるほどではなかったから、修士論文の指導をしてもらうために直接会いに行く必要があったのだ。
「お前がいなくなるのは嫌だなあ」
 そんなことを面と向かって言われたのは当たり前だが初めてだった。正直少しだけ心が揺らいだ。努めて僕は平静を装い、東へとひた走る列車の窓から外へと視線を移した。刻一刻と時は迫っていた。冬が始まっていた。セーターの袖を鼻に押し当てた。
「バンドはエアなんだ。ギタリストがいなくたって、やっていけるさ」
「エアじゃなかったら、よかったのにな」
「そうしたら、ツアーには必ず宇都宮を入れてやるよ」
「絶対MCでいじられるやつじゃないか」
 東武線の駅の側、一階が物販になっているライブハウスを幻視する。もちろんバンドはエアなので、歌詞も曲もない。それでもステージの上で僕たちは青いライトに照らされていた。ライブの後半で必ずやる定番のバラード曲を歌えば、正確にハモってくれるという信頼があった。電車が新宿駅について、ベーシストと一緒に湘南新宿ラインのホームまで歩いた。
「それじゃあ、またな」
「ああ。今日はありがとう」
 手を振って僕らは別れる。僕には、これが最後だと分かっていた。携帯電話が鳴る。新宿駅は人が多すぎて、誰も僕のことを気にも止めない。運命が僕を迎えに来る。もうすぐだ。こうして世界は分かたれる。
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softmofuwata · 2 years
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TCU日本語訳 その2
TCU Japanese translation part 2.
I will post less than the last translation.
Hang in there Jade! He needs to be saved...😭
前回の翻訳と比べると少ないですが、投稿します。頑張れJade君!救われて〜!😭
—————————
その言葉通り、Jadeは長くは留まらなかった。
数日後、彼は再びObsidianの城を抜け出し、Darkのところに戻って、彼の城の正門に到着することができた。
不思議なことに、今日はフランネルのボタンを留め、袖を下ろしている。それとも、顔に黒いアザがあるのが原因だろうか。いずれにせよ、彼は今そこにいる。彼はドアをノックし、誰かが出てくるのを待った。
すると、ドアが開いた。驚いたことに、ドアの向こうにはメイドが立っていた。
Jadeは、この城で実際に人が働いていることを忘れていたのだろう。彼女の様子をうかがえば、どちらかというと臆病でためらいがちな様子だった。
「ここで…何をなさっているのですか?」と彼女は尋ねた。
Jadeはまばたきをして、少し驚いたが、それでもまだ元気だった。
「Darkに会いに来たんだ」Jadeはそう言って、かかとから足の甲まで、前後に揺り動かした。
「Dark様?ええと、私は知らない、です…。彼はこうして会うことを認められています、が…」彼女は下を向き、かなり自信なさげだった。
「Jet様がとても…真剣にお考えになっていますので。」
Darkが突然彼女の背後から現れ、肩に手をかけて驚かせた。
「いや、いいんだ、彼を中に入れて。」と彼は言った。使用人は困惑して彼を見た。
Darkは唇をすぼめた。「Jetが大丈夫だって言っていたよ。」
Jadeは眉をひそめ、すぐにDarkが嘘をついていることを突き止めた。(JetはJadeを嫌っていた、認めるはずがない、と。)
彼は半傷の顔で、使用人にできる限り友好的な笑顔を見せた。_自分の顔が怪我で酷く見えないことを祈りつつも。それは恥ずかしいことだった。
とにかく、彼は使用人の横をすり抜けて中に入り、彼女とすれ違うときに小さく手を振った。
Darkは玄関ホールをちらちらと見やった。彼はJadeの手を取って、もう少し奥まった場所に引っ張った。そして、Jadeの顔をよく見るために立ち止まり、少し息をのんだ。
「何があったの?」
JadeはDarkに指摘されると、本能的に手を伸ばして自身のあざのある目に触れ、わずかに身震いした。
「事故だよ。家に帰ったとき、ちょっと調子に乗っちゃったんだ。もう大丈夫。」彼はそう言って、少し手を振ってごまかした。
「とにかく、ちょっとだけ会いたかったんだ。もう帰らないといけないから、長くはいられないけど、少しなら時間はあるから。」
「手当はしてもらった?医者や病院には行った?」Darkは彼に尋ねた。
「随分酷い怪我だよ。」
「あー、まあね。…Mercury_彼については話したよね?さっき手当てしてくれたんだ。一日前に腕が折れちゃってさ。」
彼はそう言ってから、苦笑いを浮かべた。Darkに話すべきことじゃなかったのかもしれない。
「あ、医療に魔法を使うとかなりいい効果があるんだよ!」
Darkは瞬きをして、この話を理解しようとした。
「待って、それで…腕を折ったのは昨日でも、他の傷は新しく見えたよ。違法な格闘会か何かに入ってるの?」
Jadeは怪訝な顔をした。「違う!…ッ、ええと、その、違うんだ…。骨折とこの怪我は同時に起きて、一晩で傷がついたんだ。」
Jadeはいつものように淡々と話していたが、Darkはそれ以上に何かがおかしいと感じずにはいられなかった。
「あのさ…本当に大丈夫なの?」と彼は尋ねた。
「その怪我はちょっと…誰かがつけたものみたいな気がするんだ、何かから落ちたとかじゃなくて。」
Jadeは下唇を噛み、不安げに足から足へ動かしながら、何を言うべきか考えていた。
「その…事故だったんだけど、違うんだ。つまり…目をやられた、っていうのはわかると思うんだけど…」
彼は顔の大きな痣を指差した。「でも大丈夫。約束するよ」
「分かった、じゃあ誰を殴ればいい?」
「誰でもないんだよ!」Jadeはすぐに叫んだ。
「本当に、誰でもないんだ。言ったように、事故だよ。…昨日、ある人を怒らせてしまって、馬鹿げたことを言って殴られただけだから。」
Darkはしばらく黙っていたが、明らかに心配そうに頭を掻いた。
「僕は…半分冗談で、誰かが誤って君に肘鉄を食らわせたりしたと思っていたんだ。…けど、事故のようには聞こえなかったな。」
Jadeは歯を食いしばった。
「いや、その……僕の方で起きた事故だから。僕のせいなんだ、わかる?僕の、事故だよ」
Darkは数学者のように見えた。「だからといって、さ…?最初に暴力を振るったのは君じゃないでしょ?」と尋ねた。
「腕の骨折は同時に起こったと言ってたのに。ああもう…、大丈夫とはとても思えないよ」
「違う、聞いてよ。僕が相手を挑発したんだよ、Dark。いずれにせよ今は大丈夫だって誓うから」
彼の言葉は緊張して少し虚ろに聞こえ、いつもより少し痙攣しているように見えた。
「君は、それじゃ駄目って事?」Darkは不安げに言い、ゆっくりと首を横に振った。「君はいい人だよ、Jade」
「君が知っている限りはね。」Jadeはそう呟き、視線はDarkを避けるように横を向いていた。その顔には、罪悪感が刻み込まれていた。
「初めてじゃないんだ、こんな馬鹿な事をしたのは。」
「こんな暴力は許せない。許しちゃ駄目だよ、Jade」Darkが続けた。彼はなぜこれを追求するのかよくわからなかったが、胸の中で沸騰するような怒りを感じた。
「誰だって、時には喧嘩をするけど…、これはとてもやりすぎで、心配なんだ。特にこれが初めてじゃないなら、尚更に。」
Jadeは困惑した表情でDarkを見返した。「やりすぎ?どういう事?至って普通でしょ?」
Darkの口は開いたままで、両手をこめかみに持っていった。
「何…」彼は指を立てて、言葉を探した。
「普通?それが?」彼は何度か頭を振った。「んん……」
「え?」Jadeは繰り返した。
「そうだよ、これが普通なんだ。何…どうしたの、Dark?大丈夫だと言ったでしょ?本当だよ?」
「せめて、相手の方が悪いんだって言ってよ。」
「それがどうかした?」Jadeが言った。
「ね、彼は大丈夫だから。言ったとおりだよ。馬鹿なことをしたから叩かれた、それだけの簡単なことだよ?Dark、本当にどうしたの?」
Darkは心配そうに呻いた。
「ああ、どうしちゃったの…?」彼は呟いた。
「これは喧嘩じゃない。それは…それは、君が僕の知らないところで言ったことが原因で、君が殴られたんだ。心配するのは当然でしょ?
君の所の医者はすごく早く治せるって言ってたよね?それを悪用した奴がいるから、こんなことが続くんじゃないの?」Darkは心配になり、つい口走った。
「いいんだ、Dark、大丈夫。心配なのは分かるし、聞いて?感謝してるよ。本当にありがとう。ただ……この件に関しては、心配してもらう必要はないんだ。個人的な問題なんだから。」
「ああ、でももし死んだら?」Darkが思わず口を挟んだ。
Jadeは立ち止まった。「僕は……僕はしないと言うよ……」彼は非常に不快そうに言葉を切った。「でも……そういうことも全くないわけじゃないんだ」彼は呟くように言い終えた。「つまり、もし僕が馬鹿げたことをし続けたら……」
彼は彼の頭の後ろを擦った。「ごめん。無茶はしないようにする。」
Darkは立ち止まり、拳を開いたり閉じたりして、自分のペースを落とそうとした。
「僕は純粋に、これが君ではなく、たまたまルームメイトになったイカれた暴力的な奴のせいだと疑っているんだ」
「普通の人は怒った時、単に…怒鳴るか、何かするものだよ。でも骨を折ったりはしない」
「Obsidianは狂人じゃない!」Jadeはその考え方に非常に腹を立て、怒った。
「彼は僕の友達だよ、Dark。」
「……じゃあ、そのObsidianが。」とDarkは答えた。
「Jade。友達なら自分の意志で何度も骨を折ったりしないと思うんだ。」
「だから、骨を折ったのは彼じゃないとはっきり言ったつもりなんだけど、勘違いしてるみたいだね、Dark?」
Jadeは腕を組んで睨んだ。「そんなことじゃないんだ。僕の話、聞いてた?」
「Jade、君はまだ”そんな事じゃない”という事を明確にする材料を一つも出していないんだよ。」Darkは、緊張が今以上に高まるのを感じながら、彼に言った。
「君が大丈夫と言ったところで、それを信じることはできないよ。君が言った事、明らかに矛盾している。明らかに違うんだよ。
それは、”誰かが自宅に泥棒に入った”と言って、ドアを開けたままにしておいたから大丈夫だって言うようなものなんだ。君が言ったのは何かを言ったということだけで、それが何であったかはまだ言っていないんだから。」
Jadeは再び視線をそらした。「僕は……言いたくないんだ、いいかい?ごめんね。それは本当に個人的なものだし、本当に恥ずかしいし、僕はたくさん失敗したんだ、だから、さ?」
彼は腕を自分の周りに巻きつけ、袖を強く握った。…今にも泣き出しそうな顔をして。
Darkは気を張り、緊張してJadeに向かって手を差し伸べた。
「ごめん」と彼は言った。
「僕はただ…こんなことは二度と起きて欲しくない。そして自分を責めて欲しくないんだよ」と言った。
Jadeはうめきながら両手で顔を押さえた。
「それがね」と彼はくぐもった声で言った。
「また起きるのを止められるかどうかわからないけど、それでもやっぱり、僕のせいなんだ……。コントロールできないし、情けないよ…」
「君は…君にとって、そこから抜け出すのは良いことだと思う?」
Jadeは顔を上げ、手から目をのぞかせた。目は赤く、涙を浮かべていた。
「無理だ」と彼は言い、両手を横に倒した。
「それに、僕は……誰も傷つかないなんて約束できない。僕のせいで……。」
Darkは目をそらし、しばらく時間をおいてから、はっきりと言った。
「Obsidianは、全てが君のせいってと言っているの?」彼は尋ねた。
「僕は__彼のせいじゃないよ。」とJadeは言った。
「それは……複雑なんだ、Dark」彼は立ち止まった。
「僕が言ったこと、誰にも言わないよね?信じても、いい?」
「…そうだね。」とDarkは言ったが、自分の答えに自信がないようだ。
「確かに複雑なのかもしれない。でも、君はObsidianのことを友人だと思っているけど、彼はとても恐ろしい人のように思えるよ。」
「彼は僕を助けてくれたんだ。」Jadeは呟いた。
「彼は昨日、僕の治療を助けてくれたんだ。僕の、病状を……なのに僕は本当に酷いことをしたんだ、Dark。僕は…僕は…僕は、彼を、無理矢理…」
彼は震えながら、その場に立ち尽くし、言葉を切った。
「と、とにかく、これは自業自得なんだよ。」
「あのさ、そんなに君がひどい事をしたんだったら、目の辺りに痣をつけたくらいは説明できるかもしれないけど…、腕が折れたり、しかもそれが何度もあったり、って。」
Darkが聞いた。「文字通り、そして…精神的にも。本当に悪い場所にいるように聞こえるよ。」
「君はまだ理解していないんだ!」Jadeは苛立ちが破裂し、彼を睨みつけた。
「僕は…ああ、だからこの話をしたくなかったんだ。したくなかったのに!
君には理解できないと思っていたよ!僕は家に帰らないと、Dark、この話は忘れて。」
「きっと何かが間違ってるから…!」Darkがぼそっと言った。でも、もう取り返しがつかない。
「間違ってる?」とJadeは怒った。
「君は僕以外の誰かを責める口実を探しているんじゃないの、Dark!?君を信じちゃいけなかったんだ…!僕、家に帰る……!」
Darkの目がピクリと動いた。「ああそう、分かったよ。」
「もういいよ!」Jadeは彼に大声で言い返すと、振り返って来た道を戻り、出て行く途中で哀れな使用人を睨みつけた。
大きな玄関のドアがバタンと大きな音を立てると、Jadeは消えてしまった。
—————————
Jadeは奇跡的に、物事を元通りにできると考えていた。Darkと出会う以前の、明確に何も知らなかった状態に。
彼のことを完全に忘れた方がいい__しかし、少しもうまくいかなかった。
Jadeはどんなに頑張ってもDarkと彼の言葉が忘れられず、またObsidianも不機嫌そうだった。
実際、事態は悪化していた。彼はJadeがこっそりDarkと会っていたことが気に食わなかったようで、Jadeにも直接そう告げていた。とても、とても強く。
Jadeはこの1週間で、Obsidianを説得するために、自分の生涯で一番謝ったことになる。
彼は、DarkがObsidianから謝るのが当然だと言った時のことを思い出していた。このままでは、Jadeはすぐにでも謝罪が得られるとは思っていなかった。
彼はその考えを払いのけようとした。彼は物事が普通に戻ることを望んでいた。そして今、彼はただ自分の部屋に座り、そのことに価値があるのかどうか考えていた。
勿論、その価値はあるだろう。
Darkはさておき、もはや彼さえもいないのだ。ただ、自分自身と、Obsidianが持つ慈悲があればそれでよかった。
Jadeは立ち上がり、寝室のドアを開け放った。
Obsidianはここで大人しくしていろと命令していたが、危険性と利点を考慮した結果、彼はちょっと散歩するくらいなら大丈夫だろうと判断した。
正面の中庭が最も穏やかで良いと思い、そこへ向かった。
中庭の小さな生け垣の後ろにDarkだけでなくJetも隠れているのを見つけたときは、さすがに驚いたが、それでもまだ控えめな表現だと言えるだろう。
Jadeが何かを言う前に、Darkは勢いよく自分の口に指を当てて、首を振った。Jetは目を丸くして、なぜ自分がここにいることに同意したのかわからないというような、不信感を持ってDarkを見ていた。
Jadeは目を見開き、金魚のように口を開け閉めして固まってしまった。
周りを見渡し、中庭に誰もいないことを確認すると、DarkとJetと一緒に生け垣の後ろに隠れてしまった。
「ここで何をしているの!?」と彼は叫んだ。
Jadeは最後の言葉をDarkに向け、怒りを込めてDarkの胸を人差し指で突いた。Darkは大きく息を吸い込み、不安げに周囲を見回した。
「君が心配で仕方がなかったんだ、いい?」と答えた。Jetの顔がゆがんだ。
Jadeは瞬きをして、腕を下げた。「でも…なら、なぜ彼までここに?」
Jetはふっと息を吐いた。「俺はDarkを守るために来たんだ」
彼は目の輝きを隠してJadeに言った。
「彼を説得しようとしたが、なぜか此奴はお前のことを本当に大切に思っているようでな。」Darkは感心しないように彼を見返した。Jetはそんな彼を呆れたように振り払った。
「俺が言いたいのは。Jadeは”お前とは関わりたくない”だとかと、はっきり言ったそうだな?」
「そうだよ。」Jadeは歯を食いしばって言い、今度はDarkを睨みつけた。
「助けは要らないって言ったのに来たんだよ。君の言う通りに。」
「ほら、言っただろう?Dark」Jetは嘲笑した。「なぜ急に仲直りだのをしようと思ったんだ?」
Darkは緊張した。「Jet、お願いだからやめて。」彼は拳を握り締め尋ねた。「怒っていて、強く言い過ぎただけなんだよ。」
Jetは彼の腕に手を置いた。「そんなことをしても無駄だ。醜いことになる前に帰ろう」
「今回ばかりはJetの言うとおりだ」とJadeは頷いた。
「ここにいるのをObsidianが見つけたら、二人とも大変なことになるよ」
「俺が何を見つけるって?」
Jadeは固まってしまった。振り向きもしなかったが、その声は今まで聞いたどの声よりもよく知っていたものだったのだ。
「その、Obsidian…!違うんだよ、ちょっと隠れてるように��えるだけで」
「本当か?2人の不法侵入者とともに茂みの後ろにしゃがんで、其奴らを俺から隠そうとしてるように見えるが。またか。」
胸騒ぎを覚えつつも、Darkは血が沸騰するような感覚に襲われた。彼がObsidianだったのだ。
Obsidianの話し方や声の抑揚が、Darkの感情を逆撫でした。
彼は非難と侮蔑の感情を爆発させそうになったが、Jetが立ち上がる直前に彼の腕を掴み、警告のメッセージを送るように彼を睨みつけた。
Jetは深呼吸をして立ち上がり、Darkは戸惑いながら彼を見つめた。
「お会いできて光栄です」Jetは完璧な態度で立ち上がり、見栄張りの気取り屋のような姿勢だった。Darkは目を丸くした。
「あなたがこの荘園の領主ですね?」
彼は確信を持った声で専門的に聞こえたが、その声には軽蔑が込められていることがDarkにはわかった。
Obsidianはまったく動じなかった。
「ああ。こちらこそ、はじめまして。Jadeはあまり友達のことを教えてくれないんでね」JadeはObsidianの鋭い視線に身じろぎした。
「名前を教えてもらっても?」
Obsidianは冷静に尋ね、他の2人に目を戻した。
「勿論」Jetが目を細めながら言った。
Darkはゆっくりと立ち上がり、草の上に座っている事に居心地の悪さを感じていた。彼は、Jetが何をしようとしているのかわからず、その狡猾な眼差しに戸惑っていた。
「俺の名前はJet。こっちはDark、俺の連れだ。」
Darkはまばたきをして、この新しい情報を処理しようとしたが、混乱しかなかった。
彼はそわそわしながら、Jadeを見やり、何か言うべきかどうか迷った。Jadeは唇を噛み締め、立ち上がり、Darkに厳しい視線を送った。
Darkは歯を食いしばり、緊張のあまり視線をそらした。
「光栄だよ、本当にな」Obsidianはそうつぶやいた。
「Jadeが遠方に友人を持っていることは知っていたが、まさか他の精霊と一緒に過ごしているとは。」
彼は一瞬Jadeを見たが、その目には何とも言えない怒りが宿っており、それからJetに話を戻した。
「どうやって知り合った?」
Jetがハッ、と息を吐いた。「ああ…言いたくはないんだが、俺たちは友達とは言えないな。」と、彼は首を振って答えた。
「正直言って、最近知り合ったばかりだ。
Darkがどうやって出会ったかは知らないが…俺が見つけた時には、こいつらは何か荒唐無稽な理由があったのか、ちょうど逮捕されるところだったからな。
俺がいなかったら、Jadeは今頃ここにはいなかっただろう」
ObsidianはJadeの方に顔を向けた。「何をやらかした。」
Jadeは立ち上がり、激しく頭を振った。
「僕は…君には解ってもらえないだろうけど、今回は僕のせいじゃないんだ。約束するよ、翼のある男がいて、彼は…」
「黙れ」
Obsidianはため息をつき、Jadeに手を振った。
「もう十分だ」彼はゆっくりと手を横に降ろし、Darkに視線を絞った。
「それで、お前の…相方とやらはお前達二人を助けたが、最初はどうやってこいつと出会った?」
Darkは指を弄りつつ「そうだね」と言った。Jadeを見やると、彼はまだ失望しているようだった。
「彼は、ええと…少し前に現れたんだ。僕が自分の仕事をしてたら、彼が…僕とJetの家に現れて…テレポートみたいに。
それで僕らはどうやって彼を帰すか、しばらく考えていたんだ」
ObsidianはJadeを睨み、「つまり、お前のせいってわけだ」と言い、Jadeは身を引いた。彼の目は恐怖で大きく見開かれていた。
「そんなつもりじゃ……」
Obsidianはため息をついた。「中に入れ、今すぐ」と彼は怒った。「すぐに始末をつけるが、今は…」
「やめろ!」Darkは拳を握りしめて言った。
「彼のせいじゃない!彼は…彼はどうやってそこに行ったのか分からなかったんだ。きっと偶然の事故なんだ。後でまた同じことが起こったように……!」
「俺がいつお前の意見を聞いた?」Obsidianはそう言って、ゆっくりとDarkに向き直った。
「お前には関係ない。寧ろお前たち2人には去ってもらいたいくらいだ。すぐにでも。」
Jetの笑顔が一段と冷ややかになった。
鋭く息を吸えば、一歩前に出て、DarkとObsidianの間に立ち、Obsidianを見据えた。
「勿論そうするつもりだが、俺の相方にそのような言い方をしないでもらいたい。」
彼はほとんど唸り声だったが、その顔は不気味なほど冷静さを保っていた。
Obsidianは立ち止まり、Jetを一瞥した。そして唇をすぼめて無理やり笑顔を作れば、「当然だ」と彼は言った。
「見苦しい所を見せて申し訳なかった。俺は今から用事があるので失礼する。」
Jadeは、Obsidianが何度目かの睨みを利かせた時にたじろいだ。今回は本当に困っているようだった。
Jetは肩越しにDarkに向き直り、うなずいた。
「彼の話を聞いただろう?もう帰ろう」と言った。
彼は寄り添い、少し声を低くした。「最悪の事態になる前に」
Darkは顔をしかめた。「でも…」と言いかける。
だが、Jetはもう笑ってはいなかった。
Jetが彼の手を取り、中庭の出口に向かって彼を引っ張り始めると、彼は静かに降参したようだった。
彼らが去るのを見て、ObsidianがJadeの方を向き、同じように彼の手首を掴み、より乱暴に屋敷の方へ引きずって行くのが遠くに見えた。
Jadeは何か言っていたが、その言葉は遠く、園内の音に消されていた。ただ、その目には確かな恐怖が浮かんでいた。
Darkは正門をくぐったところで肩越しにJadeと視線を合わせた。Jadeは大丈夫だと言っていたが、Darkには彼が恐怖で傷ついているのがわかった。
「まさか…本当に彼をここに置いていくつもり?」Darkが聞いた。
Jetはため息をつきながら、彼を先導し続けた。
「Dark、どうやらお前はこの状況を分かっていないらしい。」彼はそう言った。
「あの男…Obsidian、あいつは強い。俺から見てもな。奴に手を出すのは危険だ、それに…」
荘園の壁を一周して見えなくなったところで、Jetが足を止めた。
「もしお前がObsidianと戦ったとして、それがJadeの望むことではないと説得しなければならないのなら、そんな価値はないだろうに。」
Darkの視線が落ちた。「…Jet、彼に必要なのは、ただ…そこから出ることだと思うんだ」彼は静かに言った。
「彼がどれくらいそこにいたのか、誰が知っているの?洗脳されているようなものだよ、あんなの」
Darkは眉をひそめ、ゆっくりとJetから手を離し、自分の腕を握った。
「彼を置いてはいけない。Obsidianは彼を殺すかもしれない」
Jetが目をそらした。彼は小さく笑った。「まだまだ、そんなところが残っているんだな。」と呟いた。
Darkは大きく息を吸い込み、一歩彼に近づいた。「Jet、彼をそこから出すのを手伝ってほしいんだ」と彼はやさしく言った。
「君の力が必要なんだ。Jadeには僕らの助けが必要なんだよ。彼が傷つくのを放っておくことはできないし、あのままじゃ誰も彼を助けようとしないのは明らかでしょ…?」
「Dark、」Jetが再びDarkの手を取った。
「俺は極力お前の味方になりたい、本当にそう思っているんだ。だがお前の命を危険にさらすことになるかもしれないのなら、そんなことはさせられない。」
Darkは弱々しく微笑んだ。そして、「じゃあ、僕と一緒に来れば、2倍強くなれるよ」と言うと、また笑顔がこぼれた。
「Jadeが嫌いだって理由で、僕を説得しようとしてるだけだなんて言わないでよ」
Jetはしばらく黙っていた。「…もっと早く彼のことを教えてほしかったんだ。」
Darkの左腕への握力が強まった。「Jet、黙っていてごめんって前に言ったよ」彼はつぶやいた。
「僕はただ…怖かったんだ、すべてが起き始めたときに。君が彼を追い出して、一人にしてしまうんじゃないかと思ったんだ。」Darkはやや気まずそうに笑った。
「なら、どうしてお前が付き合っていることを教えてくれなかったんだ?」Jetが尋ねると、Dark��息を飲み損ねた。
「な…何?」Darkは口ごもった。「何を言って…!?」
Jetは首を振って嘲笑した。「Dark、俺は知ってるぞ。」彼はそう告げた。
「お前ら…」彼は人差し指を立てて、それを使って奇妙な回し方の手振りをしてみせた。
「こんな事をしているだなんて。なかなか難儀なものだな」
Darkは瞬きした。
「その、えっと…」彼は、「多分?」と言い始め、一瞬止まった。
「それで思い出した。さっきのは何だったの?」
「何、とは?」Jetが眉をひそめて聞いた。
「さっき、僕らのことをパートナーって言ったよね」Darkが恥ずかしそうに答えた。
Jetは唇をとがらせた。「まあ、他にどう説明するんだ?」と、彼は当たり前のように答えた。
「僕は…」Darkは言いかけて、言葉を濁し、頭を掻いた。
「いや、今はそれどころじゃないよね。Jadeは困っているんだ、とにかく彼を助けないと。
思うに…彼はすごく傷ついているんだ。それに時々馬鹿な事をやったりもするけど…、でも、この酷い場所にも何かしら彼にとって良い所があるかもしれないんだ。
彼を好きになれとは言わない、ただ…お願い、手伝ってくれないかな…」
Jetは嘆息した。「…わかった。でも、俺のそばから離れないでくれ」
そして彼に言った。「今より事態が悪化したら、すぐにここを離れるぞ。」
—————————
Obsidianは長い間、こんなに激怒したことはなかった。もちろん、彼はいつも苛立ったり怒ったりしていたが、これほどではなかったのだ。
Jadeは普段の怒りには対処できるようになったが、激怒している彼に対しては、どうすればいいか全く分からなかった。
荘園の玄関が閉まると同時に、Jadeは自分が震え始めるのを感じた。
「Obsidian、ごめん、埋め合わせはするから、お願い、僕…」
「静粛に」
Obsidianは言い、Jadeは口を閉ざした。
彼はそのまま腕を組んで振り向く。
「俺がどれだけ怒っているかわかるか?」
Jadeは首を縦に振った。Obsidianは軽蔑のまなざしで彼を見下ろし、2本の触手を取って彼の腰に巻きつけ、空中に高く持ち上げた。
「用が済んだら、この屋敷から二度と出るな。分かったか?」Jadeは強く頷き始めたが、Obsidianは笑った。
「いや、お前はわかっていないだろうよ」
その瞬間、Jadeの息は切れ、右側の壁に激突した。嫌な音がして、その2秒後に痛みが走り、Jadeは悲鳴を上げた。
Obsidianに叩きつけられたとき、彼の腕は体と壁の間にあり、不自然な角度で折れ曲がってしまっていた。
Jadeは泣いている暇もなく、すぐに反対側の壁に顔から叩きつけられた。彼は息を呑み、鼻腔に血液が溢れ、そしてまた床に思いっきりぶつけられる。
Obsidianは冷たい怒りの表情を浮かべながら、彼を宙に浮かせ、傷の状態を確認すると、そのまま床へと落とした。
床に叩きつけられたJadeの足首は腕同様に歪み、彼はただ痛みに喘ぐだけだった。
Obsidianは触手を引いて、前に出た。彼はしゃがみ込み、Jadeの頬を掴んだ。
「こっちを向け」
Jadeがゆっくりと視線を上に移すと、彼はいったん止めた。Obsidianはため息をつきながら頭を振った。
「くそが…。なぜ、どのようにして、お前が自分のしたことを正しいと思えるのかが分からない。」
「ご…ごめん」Jadeは泣きじゃくった。
「謝ったところで何も変わらない。」とObsidianは言った。
「なぜ俺がこれをし続けるのか分かるか?お前が勝手に逃げ出したせいでお前を見つけられなく���るからだよ。
もしお前の"お友達"とやらの話が本当なら、お前は死にかけたそうじゃないか」
彼はため息をついた後言った。
「後でMercuryを呼んでやる。その間に、何でこんなことが続くのか考えておけ。」
Jadeは床から頭を持ち上げてObsidianを見上げようとしながら呟いた。
「O...Obsidian、お願、い」
「もういい。もう沢山だ。俺が治療が必要だと判断するまで、ここで苦痛に悶えていろ。」
Obsidianはそう言い放ち、踵を返して歩き出した。
—————————
Darkが、こっそりというよりは図々しく、近くの窓から顔をのぞかせた。
彼は一瞬ひっくり返りそうになり、滑稽にもJetの肩の上に座り、バランスをとろうと必死だった。
「何が見える?」
Jetがうめき、わずかによろめいた。Darkはガラスに手をついて、叫んだ。
Darkは部屋を見渡していて、それから息を呑んだ。そしてその瞬間、彼らは地面に倒れてしまった。
「Jade!Jadeがいたよ……!」Darkが静かに叫んだ。
「彼は…彼は地面に横たわっていた、血が溢れてて…、ああ、なんてこった…もし手遅れだったらどうしよう……!!」
彼は自分の足で立ち上がり、飛び上がり、また窓から中を見ようとした。
Jetは目を丸くした。
「後始末のできない城主は好きだが。」彼は不平を言いながら、草の上にあぐらをかいて座った。Darkは彼の足を蹴った。
「冗談だよ」
「冗談にしては病的すぎるよ、Jet」とDarkは拳を握りしめて告げた。
「中に入って彼を助け出さないと。もし彼がまだ生きているなら、ヤブでも医師が必要だよ。もしくは何人か。…本気で。」
「はいはい、分かった分かった」とJetは答えて、体を起こした。
「少なくとも、すぐに彼奴を見つけられただろう?侵入はかなり簡単なはずだ」
彼は指を組んで手を伸ばし、その指の先は大きく割れた。彼はDarkの手を取り、床の影に後退し、閉じた窓を右にすり抜けた。
二人は再び床から出てきた。Jetは用心深く周囲を見回し、DarkはそのままJadeの方へ走っていき、膝をついた。彼はJadeの肩を抱き、少し揺さぶった。
「Jade!Jade、大丈夫?」
「脈を測ってみろ。」
Jetが当たり前のように言った。DarkはJadeの手首に手を伸ばすと、わずかに体を震わせた。
案の定、Jadeの脈はまだ続いていた。出血はひどいが、生きている。
手首に触れられたJadeは何か言おうとしたが、小さくゴクンと音を立てるだけだった。唇から血がしたたり落ちている。
Darkは言葉を詰まらせた。
「し…心配しないで、ここから出してあげるから、大丈夫だよ」そう言ってJadeを立たせる。
「Jet、彼をここから出すのを手伝って。今すぐ彼を連れて帰らないと…!」
JetはJadeの様子に少し苦笑いを浮かべながら、Jadeを見た。
彼はふ、と息を吐きつつ、自分の方に向かっていき、膝をついてJadeの折れてなさそうな腕と服の前を持っていった。
「Dark、手を。…離すなよ」と宣言した。
「出て行けと言ったはずだが?」
Obsidianは左側の廊下の入り口に立ち、触手を激しく動かして他の二人の注意を引きつける。
「手を離せ。殺す前に出て行け!」
「Dark、戻るぞ!」
Jetが囁き、その口調は激しさを増した。
しかし、DarkがJetの言うとおりにする前に、Obsidianの触手が部屋を横切って彼らを遮り、Jetのシャツの前をつかんで空中に引き上げ、部屋の向こう側へ引っ張った。
「自分のした事を分かっていないようだな。」Obsidianはそう呟いた。
「あー…やあ。」
Jetが咳払いをした。彼のシャツを掴んでいる触手が、彼の声をわずかに遮った。
「…予想外の展開だな。」
「Jet…!」
Darkが恐る恐る叫んだ。彼はJetとJadeの間を上下に見渡し、何をすべきか決めかねていた。突然のことで脳が混乱している。
「Jetを下ろしてよッ!!誰を相手にしていると思ってるの!?」
「いやいや、Dark…俺がやる」
Jetはそう言って、片手でシャツを掴んでいる触手を握り、もう片方の手をDarkの方に振ろうとした。
「俺がやるから、大丈夫だ。」彼の声はまだかすれ気味だった。
「そんな早まるなよ。」
「早まる?俺のものを好き勝手に使えると思ってるのが早とちりなんだろうが。」
Obsidianは怒鳴り、その瞬間、Jetを壁に叩きつけた。
「Jetッ!!」
Darkは衝突の瞬間、悲鳴を上げた。Jetはうめき声をあげ、壁を背にしたまま勢いよく頭を振った。
「このゲーム、あまりやりたくないんだが。」とJetは言い、瞳孔を小さくして、視線をObsidianに集中させた。
「一緒にやらせないでくれ」
額に血がにじんでいるにもかかわらず、くすくすと笑い始める。
「そうか、残念だ。」
Obsidianは簡単にそう言うと、Jetをもう一度反対側の壁に叩きつけた。Darkは恐怖のあまり声をあげた。
「…今のは意地悪だったな。」
Jetが呻き、彼は舌打ちをした。
「…成程、もういい。Dark、俺の側から離れるなと言ったが、これは例外だ。」
彼は少しの間下を向いていたが、髪が顔にかからないように頭をもたげ直した。
「逃げろ」
彼は触手ごと床へと後退して行った。Darkは反論する暇もなく、よろめきながらJadeを抱き起こす。
JadeはできるだけDarkを楽にしようとしたが、ぐったりした体では、情けなくもガクガクと痙攣する以外にできることはなかった。
Obsidianは眉をひそめ、Jetを物陰から引き戻そうと触手を引っ張った。
Jetは床から飛び降り、目を輝かせ、背中の輪から触手を出す。
彼の顔には笑みが広がり、その触手はObsidianの触手に絡みつき、力いっぱい引っ張った。ObsidianはJetの方に引っ張られ、Jetとぶつかり、二人とも床に倒れこんだ。
Obsidianは体を起こしたが、さほどでもなかった。Jetを腰と腕で床に固定するのに最適な位置に着地したのだ。Obsidianは”してやったり”といった顔で、にやにや笑っていた。
Jetがうなりながら、わずかに体を動かした。
「外れると思っていたんだが。」と彼は不平を言った。
Darkがすでに去っていて、今起こったことを見ていないことを望んでいたことを反映していない。
彼は知っている。Darkがいたなら、おそらくこれに直接身を投げるだろうし、それはこれがすでにあったよりも苦境のはるかに多くを作り出すことになるだろうと。
「賢い判断とは言えねぇな?」
Obsidianは、Jetの上で少し移動しながらコメントした。彼は自分の手を使う代わりに、触手を操ってJetの腕を押さえ、その代わりに前方に伸ばし、Jetの顎を掴んで左右に動かした。
「お前、ちょっと可愛いな。殺すのは惜しい。」
「ああどうも、分かっているさ。」とJetは答えた。
「俺がまだここにいるのは、少しだけ楽しいからだ。…本当に残念だよ。」
Jetが両手を拘束している触手を掴み、Obsidianを一緒に影の中に引きずり込む。
再び現れたとき、Jetは彼の後ろに立ち、Obsidianの肩に手をかけ、おどけたように手を振った。その瞬間、Obsidianは自分の腰に触手があることに気づき、近くの壁に投げ飛ばされた。
Obsidianは床に倒れ、軽い痛みに呻きながら、再び立ち上がった。
「楽しいだと?お前がどこから来たのか、俺にはわかるぞ」
彼はそう言って、文の最後に愉快そうに笑った。
彼は再びJetに近づき、自分が直面していることを知った今、その足取りはより慎重になっていた。触手の動きは止まり、鋭く突き刺すように構えている。
「おやおや、機転が利くな。」
片足に体重を預けながら、Jetが冷ややかに評した。
「いつ現れるかと思っていたよ」
彼の触手は瞬時に旋回し、突然停止し、円状の刃物へと形を変えた。
「今度は俺の名前を聞いてもらえるように、自己紹介をし直すべきかもな。」
「時間を無駄にするな。結局のところ、お前は俺が覚えておく程の重要な存在でもない。」
Obsidianはそう言って、自分の触手の先を槍のように鋭く尖らせるようにした。
「断言しよう、終わりはない。」とJetが言った。
「Darkをここに置いていくわけにはいかないからな。」
Obsidianは目を丸くした。
「彼奴を此処に置き去りにしても俺は構わない。Jadeは彼に執着しているし、彼奴も俺のコレクションに加えるのも面白いかもしれないな?
まあ、そのためにはまずお前を始末しなければいけないが。」
と言いながら、Jetに突っかかった。
「これで終わりだ。」とJetは言い放ち、Obsidianが手を伸ばした瞬間に、物陰に消えた。
ObsidianはJetが消えた地点の後ろで足を止め、視線を動かして彼が再び現れる場所を探した。Jetは触手を何本か近くに出し、残りの2本を直接Obsidianに飛ばす。
Obsidianは辛うじてそれを避け、空中でJetの放った触手に自分の触手をぶつけた。Jetはその触手で自分を押し上げ、空いた片方の触手でシャンデリアにつかまり、部屋の向こう側へ振り落とされた。
Obsidianは軽い不快感で息を呑んだ。「それは俺のシャンデリアだ、この野郎。設置したばかりなんだぞ!」と言いながら、Jetを追撃するように触手を飛ばした。
Jetは舌を出し、床に着地してObsidianの触手を自分の触手で止めた。Jetは後方へと移動し、Obsidianは思い切りJetを押し倒し、Jetを転倒させようとした。
Jetは笑いながら、突然身をひるがえして彼を放した。Obsidianはほんの少し前によろめき、再びバランスを取ると、もう一度Jetに向かって突撃し、地面に倒そうとした。
Jetは避けようとしたが、Obsidianの突然の攻撃にたじろぎ、再び押し倒された。
「本気か?お前には独創性がないんだな。」Jetが首を横に振って聞いた。
「初めてでうまくいっただけだ」とObsidianは言い、触手を引き上げ、下向きに突き刺そうとした。
Jetは目を丸くして再び影に隠れようとしたが、予期せぬ光が屋敷の巨大な正面扉を破って飛び込んできた。
Obsidianも凍りつき、触手の動きを止め、代わりに触手を反動で動かし、何が起こっているのか見ようと振り返った。
Jetは、もはやObsidianに押さえつけられていることにすら集中できず、思わず彼の肩を掴み、侵入してくる光から身を守る盾にしようとした。
「ふむ、どうしたものか」という声がドアから聞こえた。
ObsidianはJetから離れ、壁に反り返った。Jetは自分を遮るものがなくなると、ヒュッと息を飲んだ。彼はその場から離れたい衝動にかられたが、そうはいかなかった。
「ああ、まだ他に仲間がいたのか。」
Obsidianは痛みに声を上げ、新たに現れた人物から放たれる光から逃れようと、さらに体を丸めた。光は彼の皮膚に食い込み、内側から焼かれるような感じがした。
「”仲間”ってどういう意味だ!?」と言った、その自分の声の弱さに驚いた。
「誰であろうと関係ない!俺の屋敷から出て行け!」
乱入者であるDreamの背後から、軍隊の分隊のような大集団が現れた。皆、同じ制服を着て、武器を持った者もいた。
「残念だが、お前らはこの後投獄される。」とDreamは言った。
「お前らは負の寄生体の宿主だからだ。」
「寄生虫だと?」Obsidianは吐き捨てるように言った。何人かの制服組が近づいてきて、彼を捕まえようとしたとき、身じろぎした。
「放せ!お前らにそんな権限があるとでも!?」
さらに兵士たちがJetに近づいたが、彼はにらみつけた。
「悪いが、そうはいかない」と彼はいい、物陰に消えようとした。だが、翼の男が一歩近づき、Jetが再び苦痛の声を上げた。
「クソ、何なんだこれは…お前、一体何なんだ…?」
「純然たるポジティブだ。」Dreamは彼に冷たく言い放った。
「私の経験上では、お前達はこれに良い反応を示さない筈だからな。」Jetは歯を食いしばりながら、奇妙な高技術の電気手錠で拘束された。
「こんな事をしたら、俺の…」Jetは言いかけたが、口をつぐんだ。
Darkがここにいることを彼らに伝えるわけにはいかないのだ。
「お前の、何だ?」Dreamは彼に尋ねた。
Jetはフッと息を吐き出した。
「…何も?気にしなくていいぞ。」兵士たちが彼を無理やり立たせると、彼は不平を言った。
一方Obsidianはもがき続けていたが、彼の力はかなり弱まっていた。
そして彼もまた電気手錠をかけられ、自分より冷静なJetと一緒に引きずられるように立ち上がらされた。
ドアの方へ促されながら、JetがObsidianに身を寄せ、囁いた。
「ほら見ろ。俺とDarkを解放してくれれば、こんな事にはならなかったのにな。」
「今はそんな事を言ってる場合じゃないだろ。」Obsidianは息を切らしながら彼に言い返した。
「早く逃げるべきだ。」
「おやおや、俺が賢いと思っているのか?」とJetが聞いた。
「前言撤回、あいつはお前を逮捕して殺すことが出来るんだ、俺はお前の脱出を手伝う気はない。」
Jetはさも感激したような表情で偽った。
「その言い方、もしかして俺を助けるつもりだったのか?」
「絶対に助けない。連行される先の独房で勝手に朽ち果ててろ。」
Jetはくすくす笑いながら、彼に目配せした。
「静かにする事を知れ。」Dreamが睨みを利かせながら言った。
3 notes · View notes
apartment315 · 1 year
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horobita · 1 month
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20240410
真ん中の妹とふたりぐらし
というか妹が間借りしてる
2人で話すことはほとんどない
古いアパートの2階、よく見るところ
鉄筋の階段
夜に疲れてしまって、ワンピースを着たまま階段ゆゆらゆら登ったり降ったり
下の会のカップルが帰ってきて彼女が鉄板の隙間から見えるわたしに気づいて怯えてた
わましはその彼女があまり好きではなかった
2階の廊下をゆっくり2往復くらい歩いて部屋に戻った
部屋は汚い
床に散らばった服がゆらゆら動いていて、鬱になるってこうなることなんだろうなと考えてた
妹が散らばった服の中からストーブにかかった黒いダウンを着はじめた
わたしは半袖のワンピースなのに
寒い?と聞いたけどうまく声が出なかった
首を横に振ったような、反応がなかったような
横になる妹
日中はどこか行ってるの?と聞くと目を見開いて過呼吸を起こし始めた
足をポンポンして、いいよ、少し気になっただけだからとなだめた
こんな生活がずっと続くんだろうか
0 notes
solitude-klang · 21 days
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ONE MAN TOUR 2024 春時雨@Yogibo HOLY MOUNTAIN
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yogibo キャパ240だそうで心中バリに混んでた
真四角じゃないから上手側後ろの扉付近だと見えないんじゃないかな
今日の亞んちゃんは後光の光な後ろ髪と前髪にクロスピン
春さんは今日も帽子やら衿やらの装飾無しで男っぽいスタイル
零夜さんの衣装って下何か着てるのかわからないけど着るべきインナーを着ていない 若しくはライブ後半でファスナーをめちゃ下ろしたと思う(つまりエ)
いつものセットに装飾なし 強めに困った眉の一葵さん
2曲目のうざいでいつものスイッチが入る始まり方楽しい
どす黒い 最初の回転ヘドバンに入る前の少しの間に春さんが口に含んだ水をプシューーーーー←ꫛꫀꪝ
結構後ろにいたのに少し浴びたんだけどw
朗読は夢遊病 ライブで聴けば聴くほどハマるな どうしよ (笑)4人の音と旋律のバランスが揃ってて4人共ボーカルみたい サブリミナル効果でも隠されてるのでは サイバードラッグ
春さんが亞んちゃんの方向いてあのMVみたいなイントロ イライラする雨 かっこよくて拡がりがあって涙腺を刺激する
春さんがキダーソロの前半弾いてなくて何かにイライラしていた様子だったけどw何にブチ切れてたのかは不明(笑)でもすぐ天使の笑顔取り戻してた
死んでもらっていいですか?
今日はみんなの命日です
死んでください 僕生きるんで
のろいうただと思ったらぐちゃぐちゃの前振りだった
お立ち台でチャイムが鳴ったので授業を始めまーす…って言ってから一旦袖へ
ガラガラ…(教室のドア開けるところからやり直し…コントかな…)
チャイムが鳴ったので授業を始めます 教えて先生
先生が、1 2 3
飛べ(突然のデスボ)(こわい)
って言ったら 思いっきりジャンプしてもらっていいですか?
そこら辺 あんまり盛り上がってない!注意!(笛ピッピッ
~アンコール~
ツアT姿の亞んちゃん 零夜さん 春さん yogibo
何か 大道具運んで来たなと思えば一葵さんがyogibo運んで来てお立ち台に乗せて形整えてる
その上にもたれかかって聴いてください普通に演奏始まって"肩が濡れてるからって…♪"
(やり直し)
感電WoD始まりVer. 空いたフロアセンターに降りてきて誘導
今日の感電楽しかったなぁ
この後Wアンコールに応えて出てきてくれた その様子はブログにできた時に書こうかな
1回東京帰ったの失敗だったかもな疲労感なのでもう寝るよ!w
https://x.com/xaaxaa_official/status/1786345563312754774?s=46&t=uhUsDFLEfL0OfgvCYi4Eog
1 note · View note
rynnote · 2 months
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ボクたちの村の音楽祭vol.2 の日記 ryn
2024年3月10日に開催した演奏会の感想になります。
みんな日記を書いてるので私も書いてみました。
〜第一部〜
やすらぎ〜今日が来て明日になって
FFCCをプレイしたことがある人にはお馴染みのフレーズですね。この音が聞こえてくるとなんとなく安心します。
今回の語りは前回のキャラバンの3年後という設定のシナリオでした。
前回は旅立ちについていろいろと語っていた「ボク」も3年経てばあっさりと旅立っていくのでした。
夢路の夕暮れ〜きのこのロンド
あんです村は南米楽器にピアノや電子楽器など異郷の楽器を加えた編成なのですが、この曲だけはピアノも電子楽器もなしの完全アコースティックでした。
私はタンバリンとトライアングルを担当しました。
はいりちゃんがカホンとシンバルとシェイカーを担当しているのですが、序盤からパーカッション2人がリズムキープを放り出して全力でSEをやるという挙動に出るため、練習が始まった当初は主旋律担当のロシータちゃんが困惑していたのを覚えています。
楽譜なしでフィーリングで魔物の足音や葉ずれ(葉…?きのこずれ…?)やきのこのボヨンボヨンする音を立てていたため演奏するたびに少し違います。
本日のキノコの盛り合わせはいかがだったでしょうか。
後半は怪物のロンド風アレンジのきのこのロンド。誰からともなく呼びはじめた「きのこのロンド」という名前が可愛くて好きです。
憂いの闇の中で(槌音響く峠にて)
こちらも2曲を合わせたアレンジです。がいく氏は原曲を大改造しながらエモな曲をを生み出すのが上手です。
私は昔から、鉱山とか炭鉱とか、地中を掘って進むという行為に理由のない恐怖を感じるのですが、そんな恐怖を表すような不協和音の笛の二重奏がとても良いですね。怖いので嫌なんですけどちゃんと怖くて良いです。
私はトライアングルを担当しました。こんなにトライアングルが活躍する曲はなかなかないと思います。
ちなみにこの曲、村内では「鉱山峠」と呼ばれているのですが、アンケートで「マール鉱山」と書いていただいた方がいました。だいたい合ってる。
怪物の輪舞曲
演奏会の前にセトリ通りの順番でFFCCをプレイしたのですが、久しぶりに訪れた鉱山で見事に迷いました。ボス戦に辿り着いた時は「やっとか…」という思いだったので、「迷いに迷ってやっと辿り着いた鉱山の深い闇の底」というのは本当にその通りなのだと思います。
この曲は再演で、私はパカイ(pacay)を担当しました。パカイというのはペルーなどで栽培されている大きな豆で、乾燥させた豆のさやをシャカシャカと振って音を出す楽器です。楽器っていうか100%オーガニックに豆ですね。村のパカイはメンバーの豆さんの持ち物で、お借りして使っています。
そういえばパカイって食べられるのか?と気になったので調べてみたのですが、乾燥する前は緑色で、さやの中のワタ(そらまめのさやの中のふわふわのようなもの)があって、それが甘くて美味しいんだとか。食べたことある方いたら教えてください。
時がくるまで
リマスターで追加された楽曲のひとつです。ピアノの旋律がほんとうに美しく、被せて喋っているのが申し訳ないくらいです。
ピアノアレンジは後半の盛り上がりが好きなのですが、練習だとソロだからとよくカットされていて、フルで聴けたのはリハーサルと本番だけでした。
約束のうるおい
こちらは再演曲。根強い人気を誇る曲です。
私はタンバリンを担当しました。
今回、自分としては初めてタンバリンにもPAを入れたのですが、程よいリバーブが足されて良い音になっていて感動しました。
大ホールで鳴ってるみたいな音がする!CD音源に入ってるプロ演奏プロ録音のタンバリンに近い音がする!
タンバリンは意外に叩き方や抑え方で鳴りの変わる楽器で、どうやったら良い音が鳴るのかと色々試していたのですが、私に足りないのは反響だったようです。いや多分腕もですが。これからも精進します。
戮力協心(りくりょくきょうしん)
「何て読むんだ?」と思った皆さん、私もそうでした。「りく」の字が殺戮以外で使われている単語はこれしか知りません。
この曲はダーダッダダッダー!!という始まり方が好きです。牧歌的でありながら疾��感と焦燥感を併せ持つというすごいバランスを実現している曲でもあります。
私はシェイカーとタンバリンを担当しました。
右手で16ビートを振りながら左手と左脚でタンバリンを挟んで叩くという脳トレが開催されていました。
年に一度のお祭り
リマスター発売時に動画をアップそしているのですが、ゲームのムービーのカメラワークを再現しようとしてたのしいホームビデオが出来上がってるので酔いやすい人以外は良かったら見てみてください。
本番の1週間前にロシータちゃんから「タンバリン叩きながら踊ってください」というオーダーがあったので踊ってる風を装いました。お客さんが手拍子をしてくれて嬉しかったです。
毎年歌い継いでいきたい曲です。
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今回第一部で演奏した楽曲は、あんです村のキャラバンが旅の途中で出会ったキャラバンである「水彩キャラバン」の冒険を描いた絵本風ボイスドラマ風動画でも聞けます。
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〜第二部〜
時の傷跡
初回の練習で「時の傷跡は教養」「義務教育でやったでしょ」と言われてとりあえずぶっつけで演奏したら見事に事故ったので真面目に練習しました。中学校で習っても忘れてることってあるしね。しょうがないね。
まめさんのケーナが輝く曲です。原曲の尺八もそうですが、ケーナって吐息そのままの息遣いが聞こえて、そこが情緒に溢れていていいですよね。吹く人によってかなり違った雰囲気になる楽器です。
私はタンバリンを担当しました。
mini Moon
これはもうロシータちゃんの愛の結晶。
原曲知らない方はぜひ聴いてみてほしいのですが、めちゃめちゃオシャレでジャジーなエレクトロサウンドです。これをサンポーニャでやるとか控えめに言って正気じゃないです。
演奏会は主催が狂っているほど良いものになる、というのが私の持論なのですが、このmini Moonはアンケート人気が非常に高く、やはり狂気はいい音をしているのだと思いました。(?)
リバーランド地方〜崖下の村オアウェル
こちらもロシータちゃんの偏愛による選曲。こちらは打って変わって、草原と河原を感じる、サンポーニャによく似合う曲ですね。
次が自分の出番だったため舞台袖で聴いていたのですが、白いライトに照らされた舞台が揺れる川面のようで綺麗でした。
the Story Unfolds
もうご存じかと思いますがRayark社のゲームが好きです。元々音ゲーが好きで(下手なんですけど)、DeemoもCytusⅡも好きです。
R社のゲームが好きなのは、ちゃんと世界が残酷でどうしようもなく解決できない対立があって、その中で登場人物たちがそれぞれの信念や正しさに従って行動するさまが描かれる話が好きだからです。そしてとにかく音楽が良い。兎にも角にも音楽が良いんです。(大事なことなので2回。)
Sdoricaには今のところsunset、mirage、eclipse、auroraと第1〜4シーズンあるのですが、MCでお話ししたのは第1シーズンであるsunsetの話です。主人公アンジェリアは当初は純真で可愛い王女さまなのですが、ストーリーの中盤でどんな手段を使っても理想とする平和な世界を作ると決意した彼女が策略で人を騙して戦争に勝利したところで可愛い子が見たかっただけのプレイヤーが離れていきました。そういうところが好きだぞRayark。
歌詞は英語原詞の和訳をベースに、BメロにSdorica世界の伝説要素を入れて、サビはアンジェリアの視点を意識しつつ、作品に一貫したキーワードである「太陽」に関連する単語を入れています。原詞にない要素を入れるため、原曲のABメロの内容を日本語Aメロに詰め込んで、溢れた原曲Aメロの要素が日本語サビに入ったりしています。
大好きな曲が歌えたので悔いはありません。ありませんが機会があったら録音とか再演とかしたいですね。(チラッ
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Journey in the FFCC world
帰ってきたがいく氏のピアノソロ。
様々なフィールドのあるFFCCですが、私にとって印象に残っているのはモキート邸でしょうか。大きなお屋敷の中をウロウロできるのが楽しいです。あそこのコックトンペリはけっこうな金額をドロップしますよね。雇い主は人格者…とは言えないような気がしますが、いいお給金は貰ってるみたいなので悪い職場じゃないのかもしれません。
歩き回った末にゲームオーバーBGMで終わるセンスが好きです。リハーサルで初めて聴いたらしいロシータちゃんが驚いてずっこけてました。がいく氏のアレンジは意外性が特徴だと思います。
Vamo’alla flamenco
剣舞はロマン、ひらみは正義ですね。
赤と黒のヒラヒラドレスのお姉さんが剣を持って舞うという全人類の憧れを実現できました。私はチャンバラ部分の振付とお姉さんの相手役をさせてもらいました。
使用した剣は太極剣のものだそうです。ファンタジー感のある直剣にしたいという思いがあり、程良い長さで程良い価格のものを探したらこれに辿り着きました。なんと1000円でお釣りが来るのでケーナより気軽に始められます。
ピアノ版は浜口史郎さんのアレンジです。私はアニメの楽曲などを合唱で歌ういわゆるサブカル合唱をやっているのですが、合唱を始めたきっかけが浜口史郎さんが作曲した、アニメ「TARITARI」の「心の旋律」という曲なので、点と点が繋がったような感慨があります。多様な曲が書ける方ですよね。
〜第三部〜
カゼノネ〜rewind〜
リマスター発売当時行われた谷岡さんとyaeさんの配信ライブをメンバー数人で集まって観ました。
yaeさんのお声は唯一無二の世界観を内包した包容力がありますね。歌だけでなく間奏部分で民族楽器の太鼓を叩いていたのが印象に残っています。
あんです村バージョンは私のメインボーカルとどらなおのハモりでお送りしています。彼は男性にしては高い声が出る人で、低音女声と高音男声のデュエットの少し不安な感じが旅立ちを誘う曲に合っているのではないかと思っています。
Fin del Mundo(世界の果てに)〜Seis de la Torde(午後6時)
「ゲーム曲っぽいフォルクローレ」というコンセプトで選曲しました。1ヶ月前になってもセトリが決まらず、覚悟を決めてこの2曲に決めたという経緯があります。
最終的に選ばれたのは、荒地に吹く風のようなケーナが特徴的なFin del Mundoとズンズンと踏み鳴らすような盛り上がりを魅せるSeis de la Tordeというテイストの違う2曲でした。
個人的には「南米の午後6時のイメージ格好良すぎんか??」と思っています。
メンバーの中では私だけがフォルクローレ畑の出身ではなく、キャラバンに拾われて一緒に旅をしています。なので今回は演奏に参加していないのですが、いつか彼らの育った音楽であるフォルクローレの演奏にも参加してみたいです。
アクロス・ザ・ディバイド
これまたがいく氏の大改造アレンジです。前回に引き続き再演となりました。
この曲は私にとっては1つの挑戦でした。
前回カホンを担当していたメンバーが不参加となり、私がカホンを担当することになったのですが、私は他のメンバーに比べて演奏経験が浅く、これまでも一番簡単なパートで演奏に混ぜてもらっている状態でした。そんな私にリズムキープの要となるパートを任せるのは不安が大きかったんじゃないかと思います。
結末はお聞きいただいたとおりです。まあ、大幅に足を引っ張りはしなかったんじゃないかな…と信じたいところです。
挑戦させてくれた仲間に、ありがとう。
ところでカホン、叩いているうちにどんどん後ろに移動してしまうのですが世のカホン奏者の方々はどう対処してるんでしょうか。
カホン自体は他の楽曲でも使っているのに私だけがめちゃめちゃ移動するので、力が強いとか叩く回数が多いんだとか、カホンの下の方を叩くことによって後ろ方向にかかる力が大きいんだとかの諸説が提案されましたが真相は謎です。カホン力学(かほんりきがく)は奥が深いようです。
笑顔いっぱいの時間
激しい戦いの後はのんびりと。
あんです村の春祭りにふさわしい、のほほんとして春らしい曲を演奏しました。
私はシェイカーとタンバリンを担当しました。
この曲はテンポが110なのですが、人間はどうもテンポ120を刻みたくなってしまう生き物のようで、とにかく走らないようにすることを練習しました。
ちょっと遅くてダサいところが魅力の曲です。中盤のケーナはちゃんと格好いいです。
星月夜
ラストはやっぱり星月夜で締めたいですよね。
前半しっとり後半ワイワイのあんです村バージョンでお届けしました。この曲は何度も演奏してこなれてきた感があります。
やりたい曲が多すぎて3部もある長いライブになってしまったので、アンコールは無しで終わるつもりだったのですが、ありがたいことにアンコールを頂いたので年に一度のお祭りを再度演奏しました。
お客さんに一緒に歌ってもらうというアーティストのライブみたいなことができて楽しかったです。
〜おわりに〜
そういえばフライヤーの画像は私が作成しました。ロシータちゃんの家でりんごやお花を並べて写真を撮って、春らしく明るい感じを意識して仕上げてみました。
文字なし版を貼っておきますね。
Tumblr media
3年もあると色々な出来事が起こるもので、私は住む場所が変わったり、30周年を迎えたまんまるピンクのあいつにどハマりしたりしました。
きっと今後も色々なことが起こっていくのでしょう。
これからもあんです村のキャラバンの旅と冒険は続いていくので、またどこかでお会いしましょう。
ご来場いただいた皆様、SNSで反応くださった皆様、スタッフとメンバーのみんな、本当にありがとうございました!
またね!
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shukiiflog · 4 months
Text
ある画家の手記IF.?-5 冷泉慧鶴視点 告白
それは俺がまだ学生服着てた頃のこと。
疼痛が起きる前には予兆がある。そういう時は一緒にいるクラスメイトたちの輪の中からなるべく自然に抜ける。 人目のない場所ならどこでもいいってわけにもいかなくて、俺にはほとんどのものが度を越して不清潔に感じられた。 一見清潔そうに整えられた保健室のベッドも嫌だった。なるべく人の気配の薄い場所が欲しかった。 この高校に入学した一年目に見つけて以来、都度逃げこむようにして入る部屋が、保健室の隣、奥の扉の向こうにあった。
その部屋は一見のんびりとした上品な応接間のような、長椅子とソファとローテーブルが置かれてる程度で、何のための部屋なのか、何も知らない。立ち入り禁止じゃないことだけ保険医に聞いて確認した。基本的にいつも誰も使わない空間らしい。「そこが落ち着くなら好きなときにそこにいて良い」という許可をもらった。 構造的に保健室を経由しないと入れない、でも完全に人の目がない閉鎖空間でもない、それじゃむしろ困る、 それでもここに誰か先客がいたことは 今日まで、なかった。 「ーーーー………」 一番奥の一人がけのソファの肘置き部分の両側にそれぞれ後頭部と曲げた脚を乗せて、眠ってるのか、だらんと弛緩してる。 長い黒髪が絹のように反った頭から溢れて遠慮なく肘置きにも床にも広がってる。ここまで大胆に髪の毛を床に直に触れさせられる神経に怖気が走った。 うちの制服着てるし、女子生徒…誰だ、なんでここに…見かけたことも一度もねえ… 髪も長いがとにかく体がちっこい。余計に髪も長く見える。 「ーーーーん………んん…、…?」 その子が目を覚ました。 最初少し眠たげに細く開いてた瞼が、覚醒と同時にぱちっと大きく開かれた …怖ええな、黒々とした長い睫毛にびっしり縁取られてぱっちり開いた目が、なんとなく。目玉があると生き物っぽさが増すしな…。 気怠げにソファの上で寝返りをうって伸びをしてから体を起こす。起きる体に髪が引きずられて地面から少し持ち上がる。からくり人形みたいな。 同時にフレデリック・レイトンの『燃えあがる6月』が浮かんだ。ポーズも���うしこのちっこいのにあんな完成された女体の面影はどこにも塵ほどもねえけど、丸まるようにして眠る姿が。 てか一人がけソファの上で寝返りと伸びが余裕でできんのかよ。ちっこい。 その子は棒立ちになったまま見てた俺を、きちんとソファに座り直して見返してきた。ソファがデカすぎるんでつま先も床についてねえで宙に浮いてる。こういう少女人形をちょこんと座らせてあるみたいだ。 「こんにちは。わたしは佐伯光。一年生。わたしもこの部屋つかっていい?」 落ち着いてるけど高くて少し甘えるような、ーー媚びるような、ため息みたいな声と喋り方。狙ってやってなさそうなだけに、こいつ女子に嫌われるな多分。ついでに厄介な男に粘着食らうかんじのタイプ。 「つってもここ俺の部屋じゃねえしなぁ」 快活に笑ってまぜっ返す、横にある申し訳程度の本棚から何読もうか選ぶフリする。その間に、これからどうするか考える。 誰もいない空間が要った、ここドンピシャだったんだがな、三年間。二年間か。 沈黙も気まずい。横顔から適当に話題を振る。 「一年か。俺は三年だ。その髪の長さって完全に校則違反じゃねえのか?」 「んー。校則と父がけんかしている…」 「は?」 「ながくても結ぶならいいよって先生にいわれたよ」 「結んでねえじゃん」 「いまだけー。だれもいないとこでは解く。結ぶと頭ひっぱられていたいもん」 そう言ってソファの上で仰向けになって明るく笑う。 にしてもなんで制服までオーバーサイズだ。制服の袖からギリギリ指の先が少しのぞいてる。肩の位置もズレて落ちてる。スカートの丈は膝下どころじゃない長さだ。 「制服作るときに採寸しなかったのか?」 「したけど、おじょうさまの年齢ならこれから背が伸びる時期なので大きめに作っておきましょう、ていわれて、こうなったの」 まあ実際そうなりゃいいのかもしれねえけど。 俺も幼い頃は父親の血で相当に背が伸びるだろうっつって謎の期待を受けてたけど、今で170も超えてねえから飛び抜けた長身になる可能性は低いんじゃねえかな。 とかなんとか思ってふと気づいたら疼痛の予兆は予兆だけで済んで通り過ぎてくれていた。 その後も部屋に行ってみれば度々その子ーーー光がいた。 俺は学校自体には普通に通ってて、たまに保健室っつってここに来てるが、光は学校にもほとんど来れていない。その貴重な登校日にこの部屋にいる、ってことらしい。
だからここに来たら必ず毎回いて部屋が光に独占されるーーーってことにもならなかった。 光との遭遇率に思う。 俺はここまで普通に毎日学校に登校して、それが当たり前だった。父親が蒸発したりなんだかんだあった頃なんか周囲のことが見えてねえ時期もあったけど、その頃でも学校ってのは、俺の気分に関係なくただ漫然と毎日通うところ、だった。 そういう日々でできる学内での友人関係は、毎日俺と同じペースで登校してこれる範囲の人間で多くが占められていく。乱暴な言い方をするなら俺にとってクラスとかクラスメイトってのはそこまでの人間のみで形成されていた。病欠の多いやつ、不登校生、サボってばかりの不良とか、遭遇率の低さからコミュニケーションのとれないそいつらは人間としてもろくに数えられない「余剰」と見做されていた、俺の中で。特別そう意識してたわけでもなく。 その「余剰」分の光と、こうして一対一で話をして、確かに人間だと感じる。 そういう機会に恵まれたのは、俺にも微かな、…気を抜いて一足踏み外せば「余剰」側にまわる要素があったからか 「冷泉慧鶴。れいぜん、聞いたことあるような。パーティかな?」 「疎遠だからよく知らねえけど、同じ苗字のうちのじーさんがちょっとした金持ちの目立ちたがりなんだと。」 「ふうん。わたしちっちゃい頃にキャンディとかお花あげたかも。つるちゃんはパーティで会ったことない。きれいな頭身と細身にブロンド、ドレスアップしたらかっこよさそうなのに」 「その呼び方やめろ。慣れなさすぎて呼ばれても反応が遅れる」 なぜか珍妙なあだ名つけられたり。俺のほうが先輩でも、お互いにまるでそんな態度でも口調でもねえし、でも光から蔑まれて見下されてる感じもなかった。 いつも大したことは喋らなかった。時間つぶしのくだらねえ雑談。 それでも俺は教室よりは息がつけてたんだ、クラスでは放っておかれることがないから。ーーーそう、俺自身がそうなるように立ち回っているから。 人気のない場所に一人でいたい、人目のない場所に���人でいるのは怖い。なにも、いつまでも、両立しない。 光はいつも機嫌良さそうににこにこ笑ってて、俺と本当に楽しそうに会話した。無邪気な高い笑い声をしょっちゅうあげて、屈託なく。かと思えばころっと眠ったりしてた。 だぼだぼのデカい制服に体をほとんどすっぽり覆われてて、つくりものの人形めいた光は、キラキラ光る目を除けばあらゆる意味で生々しさから遠かった。
そんなふうに思ってた。ある日。
部屋に行ったら男子生徒が一人いて、覆いかぶさられて見えにくいものの、小さな細い脚がのぞいていた。下に光を組み敷いてた。 思わずその場で吐くと思ったのと、俺の体が勝手に男子生徒を蹴って光の上から退けたのと、同時だった。 こいつが光の彼氏や許嫁かもしれねえとか、んなこたどうでもいい校内での性行為は許可されてねえよ、死ね。 そいつは俺に蹴られたからじゃなく見つかったからってふうに、慌てて服の乱れを直して部屋から走り去った。 部屋の隅に小さく用意されてる洗面台に吐いた。けどろくに食べてねえから透明な胃液しか出なかった。だめだ、やっぱ だめだ …それより 組み敷かれた床にそのままの姿勢でかたまってる光の傍らに膝をつく。せめて乱れたスカートを綺麗に整えてやれればいいが、無理だ。目立った外傷はない。まずは保険医に知らせて、病院に… 「つるちゃん、へいきだよ、避妊してたし。わたしは傷つかない」 床に仰向けになったまま同じ姿勢で光が言った。反応が…普段どおりみたいな顔して…。…傷つかない? 「…なんで大声出さなかった。保健室までギリ届くの知ってたろ」 探り入れて聞き出さなくても光は直球の質問を好むしなんでも素直に喋る。分かってて直球でそう聞かねえのは、俺が怖いからだ、ほんの少しの予感に、光のことが。 「うーむ。父に知られるほうがやだな」 「父親?お前、家でなんか…あるのか」 俺がこの手の話に口出せる人間かよとも思う、それでも言う、他人の事情になら好きなだけ口出せんのか、下賤な…。 俺のは別に虐待とかってんじゃない。もっと派手に殴る蹴るされて顔にひどい痣作ってるやつとかクラスにもいる。 俺のは…絶対に誰にも露見しないし誰にも助けてもらえない、自分でどうにかしようとすることもできないやつだ、家が警察官僚ってのはそういうことを指す。街中でもどこでも少しでも妙な真似をすればアウトだ。…確かに嫌だな、親に知られるのは。 「………」 俺が微妙な顔してたら、唐突に光が言った。 「つるちゃんもする?」 「ーーーは…?」 「わたしと。さっきの子みたいに」 さっきのやつ…って、 「お前…さっきのやつ、友達とか、知り合いだろ」 最低レベルの許容範囲で知り合いっつった。なにが許容範囲だ。俺がなにをどう許容したらどうなるってんだ。それでも俺は、だめなんだ、許容できねえもんは できねえよ 「ううん。しらないひと」 今日初めて会ったやつにレイプされて、こいつは助けを呼ばなかった、怯えて声が出なかったんじゃない、そして今はもう普段どおり機嫌良さそうに俺に笑ってる。それで、 ……違ったか。レイプされてても、こいつは機嫌良さそうに笑ってた、か… 今こいつに訊いていいことじゃない。そんなのは分かってる。 「ーーーお前、プライドとか ねえの」 「       」
それからしばらく、部屋には行かなかった。 光が変わらず来てるのか、来てないかもしれない、わからない。それでもばったり出会すのが怖くて近寄れなかった。薬を大量に飲んで疼痛はごまかした。 それでも避けてたものにまたばったり出会わす瞬間は大抵拍子抜けするほどあっけないもんだ。 その日、頭痛で保健室に行ったら保険医が一人の女の子のすり傷の手当てをしてた。 相変わらず髪は初対面のときから伸ばし続けてるらしい、さらに後ろ髪の伸びた光だった。 もう分かる。これだけの長さと量の髪を自分一人で、ここまで切れ毛も少なくまっすぐに美しく保つのは、無理だ。毎日髪を洗って梳いて乾かして整える誰かがそばにいる。そいつが父親なのか誰なのか、何も知らねえが。 「つるちゃん」 保健室に入ってきた俺に気付いてにこっと嬉しそうに笑う、…これも光だ、どこにも虚偽のない素直な笑顔。この前の笑顔だって。 壊れたわけでもない、開き直ったり病んだり自虐的になったりして笑ったわけでもない、横にいた俺に向かって素直に笑った、好感を持ってる相手だから。レイプ犯にも笑った、好感を持ってるから?
その正気の、保ちかたが、狂ってる
「お前 頭おかしいぞ」 今まで誰相手にも発したことのないような心底冷たい声が出た。 それを聞いて光は機嫌良さそうな笑顔から嬉しそうな笑顔になった。 「つるちゃんはそういうの似合ってる」 誰かのことをよく知りもせずに断片的に拾ったもので組み上げた虚像に向かって、お前は狂ってると、そう言い放つ不遜さが、 上から目線でまるでどこにも狂いも穢れもない永遠に優勢を保つ人間を装って、そこから誰も彼もの正気と狂気を二分して断定する暴力的な姿勢が、 俺に似合ってるって? ああ皮肉か こいつもそういう底意地の悪いこと言うのか
まるで決定的な決裂、もうここで終わったようでいて、俺も光もあの部屋に訪れるのをやめなかった。 相手の世界から去るような優しい行動だけはどうしても取りたくない、そんな子供じみた意地だったかもしれない。 それに光との関係は確実に、すでに失いがたい何かでもあった。同時に、初めから俺の世界には存在してほしくなかった。 どっちもどっち。会ったら会ったで別にそこまで険悪なムードになるでもなくいつも普通に会話した。 たった一度だけ友人を連れてったときに光と話してるのを聞いた友人に「なんで二人ともそんなキレてんの」なんて少し青ざめた顔でつっこまれたから、他人から見ると俺と光は朗らかな雰囲気でも会話でもなかったらしいが。 光はいつだか「つるちゃんは眩しいからちょっときらい。ちょっとだけ。」なんて言ってた。 俺も光は嫌いだ、頭はイカれてるしどうしようもなく歪なくせになぜか綺麗なものみたいに光る。 お互いに、他人の手でぐちゃぐちゃにされて終わった死体がまだ息をしてる、その輝きを見てる、そう感じる感性に殺意が湧く。 それでいて、光は誰のことでも好きだと言う。 誰のことにもそこまで関心がねえくせに、誰もが、人間てものが、昔から薄っすらと嫌いな俺は、光に根底から負けているような気がした。 「俺、来月で卒業する」 「おめでとう。卒業したらつるちゃんはなにをするの?」 「とりあえず美大に進む。お前はもう何か考えてんのか」 「………」 ここまでギリギリ同じ場所に居られた、その限界の地点がおそらくここだった。 「余剰」が落とされて社会から切り離されていき、常識人ぶった俺だけ諸手を振って仲間に入れてもらえる。 光の父親は女など中卒でいいと言い張った、それを光が言いくるめてこの高校にもギリギリ通えているらしかった。 それでも高校の先の展望はない。未来までの展望を持てるためには必要なものが多すぎる。もしそれを持たせてもらえたり���分に得られたとしても、本人が抱えきれないならそこまでなんだろう。 「Fiat lux.」 光がつぶやくように言った。 「…”光あれ”?」 「Dominus illuminatio mea.」(我が主は光) 「お前、外国語はおろか英語もろくにできねえんじゃなかったか」 「起源はラテン語がひろくカバーするから、そっちからにしたの」 それにいまも新種が発見されればラテン語で学名がつくよ、伝統を継いで学術論文をラテン語で提出する人もいるし、とか言いながら窓の外を向いてた体をくるっと回してこっちを見る。 「我が主は光。それだけでいい、それだけでわたしには無限の可能性がひらかれてる」 「…。」 言葉面だけならまるで愚者の物言いみたいなそれを、光は誰しもに明らかな真実を口にするような迫力を乗せて泰然と言い切った。こいつたまにこういうとんでもねえ話し方をする。 教祖にでもなりてえのか。 聞いた感じ相当な量の本をジャンル問わず読んでる。学校にいない時間はほぼ本を読んでるらしい。その積み上げた読書量から得たものでこいつが今後何をするのかしないのか。 俺はお前になにもしないまま、ここに置いていく。
せいぜい祈る、光の周りの人間に。いつかこのちっこいバケモノが誰のことも愛せなくなったとき、人を喰らう巨大な怪物になってしまわないように。
***
別れの挨拶もなく、なにかの関係が実ったわけでもない、光と過ごした時間はほかの学友たちと比べればほんの僅かだ。 高校最後の一年、たまに出くわすあの部屋でだけのこと。 あれから卒業して、あの部屋のことはすべて俺の見た夢幻で、誰も居なかったんじゃないかとさえ思った、光なんて現実離れした子は。
それが今では、雪村くんの養母で、雪村光なんだと。 生きてやがった、ってのは幾つもの意味で。 よくわからんが再会した光はパワーアップしてた。というか俺は光の姿を見つけて自然にその場を離れようとしてたっつーに、あいつとんでもないスピードで追っかけてきやがった。再会したというより、再会させられたというか。 挙句「わたしはつるちゃんすきなのに」だと…。 結局俺はこいつに勝てねえ。なぜだか光相手になると、勝ち負けなんて不毛な基準がどこからか迫ってくるのも相変わらず。 なにもかもが、今に始まったことじゃなかったか…。 世には負け犬にしかつとまらねえことってのもあるわけで… 俺は俺なりに今後も夜闇の中のさらに影を一人で踏んで往くとするかね。
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