Tumgik
#超越瞑想入門
anamon-book · 1 year
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超越瞑想入門-存在の科学と生活の技術 改訂新版 マハリシ・マヘッシ・ヨーギ、マハリシ総合研究所・監訳 読売新聞社
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kkagneta2 · 4 years
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ふくろう便
おっぱいが大きくなる病気にかかった妹の話。ちょっとこれを書いてて個人的な時間が取れなくなったので、取り敢えずここで止めておこうと思います(改行が無いのは本当にそうやって書いてるからなんですが、まぁ、まだ完成してないから許してくれる…よね?)。
膨乳ものではなくて、成長ものです。あと、思い入れが出来たので絶対に完成させます。
俺の妹が珍しい病気にかかった。名前の読みにくいその病気は、とある女性ホルモンを異常に分泌させ、体の一部分を際限無く大きくしてしまうのだと医者は語った。一月前から始まった突然の巨大化、それはまだほんの序章であってこの先どうなるのか、どこまで大きくなるのか、医者にも判断が付かないのであった。俺を含め、家族の誰しもがまだ前兆であることに震えた。妹はまだ11歳の小学生だった。体の一部分とは彼女の胸のことだった。一月前、胸が痛いと訴えだしてから突如として膨らみ始めた彼女の胸元には、この時すでに大人顔負けのおっぱいが、服にシワを作りつつ大きくせり出していた。事の発端は夏休みに入ってすぐのことだった。最初彼女は何らの変化も無かった。ただ胸にチクリとした痛みが走ったかと思えば始終皮が引っ張られるような感覚がし、夜中から朝にかけて最も酷くなった後日中ゆっくりと時間をかけて溶けていく、そんな疼きにも似た心地がするばかりであった。が、日を経るに従って疼きは痛みへと変わり、胸が膨らみだした。初めの幾日かは様子を見ていた妹は、八月も一週間が経つ頃には自分の胸が異様に膨れつつあるのを悟った。四六時中走る痛みに体の変化が加わって、彼女は漠然とした不安を抱いた。誰かに聞いてもらおうと思った。胸の内を打ち明けたのはある日のこと、俺の膝の上に頭を乗せながら黙々と本を読んでいた時のことであった。「おっぱいが大きくなるのってこんなに痛いんだね、お母さんもおっきいけどこうだったのかな」と、妹は本に目を落としながらぽつんと呟いた。「春、」―――俺は妹の名前を呼んだ。「おっぱいがおっきくなってきたのか?」「うん。でもすごく痛くてなかなか眠れないの。」「それはだいぶ酷いな。ちょっと待ってて、どこかに軟膏があったはずだから取ってくる、」と、そうして俺は軟膏を取りに行った。「これを塗れば少しはましになると思う。お風呂上がりとか寝る前にちょっと手につけて練り込むように塗るんだ。ちょうど今日はもう寝る時間だから早速お母さんに塗ってもらいな。話を聞いてもらうついでに」と、軟膏を妹に手渡そうとした。妹は受け取ろうとしなかった。「今日はお兄ちゃんに塗ってもらいたい、」―――そう言って服を捲くり上げる。身に纏うていた寝間着一枚が取り払われ、彼女の胸元が顕になる。俺は息を呑んだ。妹の胸は本当に膨らんでいた。「変じゃない?」心配そうにそう尋ねてくる。「変じゃないよ、綺麗だよ。さあ、もう少し捲くってごらん、塗ってあげるから、」と軟膏を手に練り込んで、俺は妹のおっぱいに触れた。暖かかった。俺は必死に冷静さを保って塗った。静かなものだった。俺も妹も固く口を閉ざしていた。妹はさらにじっと目を瞑っていた。「いいかい? 今日は塗ってあげたけど、今後は自分ひとりで塗るか、お母さんに塗ってもらうんだよ」「うん、ありがとうお兄ちゃん。少し楽になったような気がする。」「よしよし、じゃあ今日はもうおやすみ。友達と遊び回って疲れたろ」と、促したけれども彼女は不服そうに居住まいを崩さずにいる。「今日はお兄ちゃんと一緒に寝てもいい?」―――そう言ったのはちょっとしてからだった。「いいよ、おいで。少し暑いかもしれないけど、それでいいなら、………。」俺はこの時、あまりにも心配そうな顔をしている妹を放ってはおけなかった。そして聞いた。胸の痛みのこと、胸の成長のこと、不安のこと、誰かに聞いてほしかったこと。いつしか寝入ってしまったその背を擦りながら、眠くなるまでそれらのことを考え続けた。「春、―――お兄ちゃんはいつでも春の傍にいるから、甘えたくなったら甘えてもいいんだよ。これくらいだったらいつでもしてあげるから、」と気がつけば呟いていた。そっと顔を覗き込むと、ちょっと微笑まれたような気がした。明くる日、夜になると先日同様妹は俺に軟膏を塗るようにねだってきた。その明くる日も、またその明くる日もねだってきた。けれども、お盆が終わる頃にはその役は母親に取って代わられた。さすがに誰が見ても妹の胸元には小学生離れした膨らみが出来ていた。母親は妹を連れて下着を買いに行った。E カップもあったということを聞いたのは、その夜いつもの様に妹が本を片手に俺の部屋にやってきた時のことだった。「そんなに大きいの?」と彼女は俺のベッドに寝そべりながら聞いてきた。「ああ、俺の友達でも何人かしかいないんじゃないかな。春はお母さんのを見慣れてるからそうは思わないかもしれないけど、もう十分大きい方だよ。」「そっかぁ。でもやっぱり自分だとわかんないなぁ。お兄ちゃんは大きいと思ってる?」「それは、………まぁ、もちろん思ってるよ。」「お兄ちゃんはおっきい方が好き?」「もちろんす、………こら、お兄ちゃんをからかうでない」「えへへ、ごめんなさい。」妹はいたずらっぽく笑いながら言った。それから二週間弱という時が経った。妹の胸は日を経るごとに大きくなって、異常を感じた両親に病院に連れられた頃には、寝間着のボタンが留められないくらいになっていた。L カップだと母親は医者に言った。「胸に痛みは感じますか。」妹は黙って頷いた。「どれくらいありますか。我慢できないくらいですか。」これにも黙って頷いた。普段ならばそつなく受け答えをするのだが、胸が膨らみ始めた頃から彼女は酷く引っ込み思案になっていた。「少し酷いようです。昼間はそうでもないんですが、それでもやっぱり痛みはずっと感じているようで、胸元を押さえてじっとしていることがよくあります。��俺は代わりに口を開いて言った。「昨日も寝ている最中にうなされていましたし、肌着が触れるのも辛そうです。」「まあ、それは、―――」と、医者であるおばあさんは優しい笑みをこぼした。「それは辛かったでしょう。よく今まで我慢したね。」「はい、………。」「お薬を出してあげるからね、きっと楽になるよ。」「あ、ありがとうございます。」かすかな声で言った妹は、ここでようやく安心した顔を見せた。診察はそれから30分ほどで終わった。両親が結果を聞いている間、俺はあの小さな肩を抱いてやりながら静かに待った。結果は言うほど悪くはなかった。医者にも専門外過ぎて分からないことが稍々あるものの、妹の体は健康そのものだった。俺はひとまず胸をなでおろした。巨乳化の影響が今後どのような形で現れるにもせよ、健康であるならそれに越したことはない。俺はただそう思った。その日も妹は俺の部屋にやって来て、ベッドの上に寝転がりながら本を読んだ。「お兄ちゃんは魔法使いだったら、ふくろうと猫とカエルのうちどれを飼う? 私はふくろうがいいなぁ、………白くてふわふわな子にお兄ちゃんからのお手紙を届けてもらいたい。」―――そう云った時の妹の顔は、本当にそういう世界が広がっているかのようにキラキラとしていた。
 実際、妹はその魔法使いの話題、―――はっきりと言ってしまうが、ハリー・ポッターを話題にする時はいつもそんな表情をした。彼女はあの世界に強く憧れていた。きっとこの世のどこかには魔法の世界があって、自分にも手紙が来るかもしれないと思っていた。毎夜持ってくる本は松岡訳のハリー・ポッターだった。どんなに虫の居所が悪くなっても、それさえ話題に出せば立ちどころに機嫌が良くなった。この夜もそうであった。妹は次の日の始業式に言いようのない不安を感じていた。彼女は自分の胸がクラスメイトたちにどう見られるのか、どういう反応をされるのか怖かった。それに彼女は私服で学校へ向かわねばならなかった。胸が制服に入らなかったのである。「どうにかならないの」と言ったが、どうにもならなかった。「行ってきます。」翌日、出来るだけ地味な服に身を包んだ妹は玄関先でぺこっとお辞儀をした。また一段と大きくなってしまった胸は、この時M カップあった。俺は「胸は大丈夫なのか」と聞いた。妹は「うん、お薬塗ったから今は平気」と答えた。寂しそうな顔だった。途中まで見送りに行こうと草履を引っ掛けたけれども、首を横に振られた。「お兄ちゃん、行ってきます、」―――そう言って妹は玄関から出ていった。俺はこの時どうなることかと思った、が、お昼ごろになって帰ってきた彼女は、行きよりはずっといい顔で家に入ってきた。「おかえり、春。学校はどんなだった?」俺はホッとして聞いた。「えっとね、大丈夫だったよ。みんなすっごく驚いてたけど、ちょっと見られただけであんまり。………あ、この制服はね、行ったら先生が貸してくれたから保健室で着替えたの。」言われて彼女が制服を着ていることに気がついた。袖も裾も余っているけれども、胸元だけはきつそうだった。「そうだったのか。貸してくれてよかったな。」「うん、でもちょっとぶかぶかだから変な感じがして気持ち悪い。………」「春は昔から小さい方だからなぁ。まぁとにかくお入り。一緒にお昼ごはん食べよう」「うん!」―――妹は元気よく答えた。それから彼女は今日のことについて楽しそうに喋った。俺は安心した。何となく、これからまたのんびりとした日が始まるように思った。けれども違った。彼女の胸はそんな俺の思いなどお構いなしで大きくなり続けた。薬を塗らなければ痛みでブラジャーすら着けられない日が続き、始業式の日には90センチ台だったバストは、次の週には100センチを超え、次の次の週には110センチを超え、そのさらに次の週には120センチを超えた。V カップ、というのが彼女の下着のサイズだった。「ブ、V カップ?!」母親からそれを聞いた時、俺は思わず聞き返した。「春の胸はそんな大きいのか、………。」「そう、だからあの子に合う下着なんて、どこのお店にも置いてないのよ。」母親は深刻な表情をして言った。妹は、胸が大きすぎて自分が着けるべき下着が無かった。彼女は普通の女性で言うところのO カップのブラジャーを着けて居たにも関わらず、胸が締め付けられて苦しいと訴えていた。俺は時々彼女の無防備な姿を見た。少なくともブラは着けておかなければいけないと思った。あの姿を友達に見られでもしたらと一人心配した。「買うとなると、後は海外のものすごく大きいブラジャーしかなくってね、………。」―――母親はそう言った。果たして妹は、翌々日に初めての海外製のブラをつけることになった。母親が言った通りものすごく大きいブラジャーだった。そればかりでなく、分厚かった。どこもかしこも肉厚で重みがあり、肩の部分にはクッションのようなものが誂えてあった。ホックも四段あって、これを妹が着けると思うと少し可哀想な感じがした。でも、妹は文句も何も言わずにホックを留めて制服を着た。「行ってきます。」と言う声はいつもどおり明るかった。彼女が明るかったのは、そのわずか二日後に行われる運動会を楽しみにしていたからであった。けれども当日、妹は開会式と閉会式に姿を見せただけだけで、後は自分のクラスのテントの下に小さくなって、クラスメイトが走ったり踊ったりするところを見ているだけだった。妹の胸はトラブルの原因になりかねない、として学校は急遽彼女に自粛を要請したのである。のみならず、運動会の直前で不審者情報が寄せられたために、妹はタオルまでかけられていたのであった。俺は耐え切れなかった。2、3の競技が終わるとすぐに妹のところに行った。「先生、久しぶりの母校を見学させてもらえませんか。」「宮沢くんか。昔のように窓を割らなければ別にいいが、くれぐれも物だけは壊さないように。」「ありがとうございます。もちろんです。―――小春、一緒に行こう。」「えっ? う、うん、―――。」先生は何も言わなかった。結局俺たちは校内を散策するのにも飽きると、閉会式まで黒板に落書きをして遊んだ。妹は星やふくろうの絵を描いたりした。テントの下で居た時よりもずっと楽しそうな顔で、………。そしてその夜のことだった。「お兄ちゃん、入ってもいい、………?」彼女にしては少し遅い9時過ぎに、妹は部屋にやって来た。「春か、………おいで。」「お勉強中だった?」「大丈夫、ちょうど今キリが良いところまで終わったから。」「ほんとに?」「まぁ嘘だけど、遠慮せずに入っておいで。」「ごめんね、おじゃまします。」そう言って入ってきた妹を見て、俺は少なからず狼狽えた。彼女がいつもハリー・ポッターの松岡訳を持ってくることは言った。けれどもその日は本ではなく、いつか病院で処方された塗り薬が携えられていたのであった。「お兄ちゃんにお薬を塗ってほしいの。」………そう彼女は言った。「………鍵をかけてこっちにおいで。」俺は読みかけの本を閉じた。カチリという音はすぐに聞こえてきた。大人しく従うということ、妹は理解してこの部屋にやって来たのである。目の前に立った彼女を、俺は見つめた。「服を脱いでごらん。」妹は小さく頷く。裾に手をかけ、ゆっくりと寝間着を脱いでいく。―――「ブラジャー、だいぶきつくなってきたな。」「だって、もうY カップもあるんだもん。ブラなんてもう外国にだって無いかも、………あっ!」「どうした?」「ホックが、………。」「お兄ちゃんが外してあげる。」と、俺は背中に腕を回して外してあげた。ホックが外れると、ブラジャーはすぐに彼女の足元に落ちた。あのY  カップだと言った妹のおっぱいが目の前に現れる。「お兄ちゃん、どう? 私のおっぱい、こんなに大きくなっちゃった。」「すごいな、春の顔が小さく見える。」「お兄ちゃんの顔も小さく見えるよ。倍くらい大きいかも。」「さすがにそんなにはないだろ。触ってもいいか?」「どうぞ。―――」俺がおっぱいに触れた時、妹はビクッと体を震わせた。だが嫌がっている様子はなかった。びっくりしただけのようだった。そして、もっと触って欲しそうにもたれ掛かってきた。「お兄ちゃん、私、―――。」その後、俺は妹の胸に薬を塗ってから今日の出来事を日記にしたためた。もちろん、先程のことについては書いてはいない。俺が日記帳を閉じた時、時刻は既に12時を過ぎていた。妹は静かに眠っていた。嘘のように可愛いかった。こんなに小さな体をしていたとは思わなかった。「ごめんな、春は痛かったろう。明日はゆっくりしてな。」俺は明かりを消して妹の隣に寝た。翌日、学校から帰ってくると机の上に一通の手紙があった。内容は俺への感謝の気持ち、友達のこと先生のこと、自分の胸のこと、そして運動会への悔しさと、―――11月にあるマラソン大会では絶対に走りたいという思い。それらが妹の綺麗な字で綴られていた。「お兄ちゃん、いつも私のおっぱいを心配してくれてありがとう。とってもうれしいです。これからもよろしくお願いします。小春より。」俺はマラソン大会に少しく不安を感じながら、同じように返信を手紙に書いた。そしていつか買っておいたふくろうのぬいぐるみと共に、妹の机の上に置いた。
 妹がマラソン大会で走りたいことは、俺も予想していたことであった。元々妹は体を動かすのが好きな子だ。小さい時は二人で家中を駆け回ってよく怒られたし、毎年夏に祖父母の家に行くと近くにある川で遊んだ。胸が膨らみだした時も、毎日のように友達と一緒にプールに行ったり、公園で遊んだりしていた。だから妹がマラソン大会で走りたいと思うのは当然のことだった。しかし彼女にも分かっていたはずである。もう自分があまり走ったり飛び跳ねたり出来ないということ、―――あの夜俺が本当に驚いたのは彼女の胸の大きさではなかった、彼女の胸の重みだった。妹はその頃から、胸の重みを軽くするような姿勢を知らず識らず取った。例えば机に向かう時には胸をその上に乗せた。階段を上り下りする時には胸を抑えて慎重に進んだ。本を読む時にはクッションを抱くように胸をお腹に抱えた。彼女は、その手の胸が重いという仕草は全部した。10月も下旬になる頃になると、妹のそういった仕草はよりあからさまになった。彼女は立つと必ず柱を背にして、それにもたれた。そして、柱がなければ俺の背にもたれかかってきた。胸の重さは、彼女の体に相当の負担を掛けているに違いなかった。俺は聞いた。「春、体の方は大丈夫なのか? ちょっと本当のことを言って」―――この問いに対する彼女の答えは、俺の予想を少し超えていた。「あのね、実は首と肩がすごく痛いのはずっとなの、………。それに最近は腰も痛くなってて長く立ってられないし、ほんとうは歩くのもつらい、………。」妹はこれを言い終えると俯いて鼻をすすった。俺は少し唖然とした。「歩くのもなのか。」「うん、………あ、でも全然歩けないってことはないからね、胸が揺れちゃうってだけで、………。」「やっぱり大変だよな。階段とかもゆっくり進んでるし。」「あ、あれは揺れるのもあるけど、下が見えないから、………。」と、少しの間沈黙が訪れた。やがて俺は少し真剣に彼女の名を呼んだ。「―――春。」「な、何、お兄ちゃん?」「………少し横になろうか。マッサージしてあげる。」「えっ? う、うん、分かった。」―――俺はあの時、妹の感じている苦痛を甘く見ていたのであった。成長が止まらない胸による身体的な制約、それは妹のかかっている病気の特徴的な障害の一つだった。俺はいつか医者から聞いたことがある。この病気が原因で胸が大きくなりすぎ、好きだった部活を辞めてしまった子が居たと。女の子はごく普通の中学生だった。昔から体を動かすことが好きで、部活はバスケットボール部に所属、来季からはキャプテンを務めることになっていた。しかし女の子は胸が大きかった。来診時、彼女の胸はT カップかU カップ相当の大きさであった。女の子は言う。「胸が大きくて、最近はバスケもあんまり出来ません。揺れると痛いので、………。体育の時間も胸を抑えて走ってます。」彼女は迷っていた。胸が大きいということは、彼女にとっては普通なことであった。小学生の頃には既にH カップあったし、中学を一年経る頃にはP カップのブラがきついくらいになっていた。胸を口実にして部活を辞めていいのだろうか、―――女の子には何でも無い悩みのように思えた。が、初診から約半年後、結局女の子は部活を辞めた。胸が大きくなりすぎて、歩くのも難しくなってしまったのである。再び医者に見えた時、女の子はこの決断を涙ながらに語った。彼女は自身の胸が引き起こした結末を、受け入れて尚悔しいと感じているのであった。俺は、この話を思い出すたびにあの日の妹を思う。あの日、俺に胸の重みを打ち明けた時の彼女の抱えていた苦しみは、この女の子と同じものだった。彼女は自分の胸が大きくなりすぎていることに気が付きながらも、どうしてもマラソン大会が諦めきれなかった。彼女は知っていたのだ。あの日、妹はバストを測って泣いていた。そして泣きながら服に袖を通していた。刻一刻自由に動けなくなっていく自分の体を、彼女はどう思っていたのだろう? わずか11歳の少女には、病気で異常に大きくなってしまった自身の胸が、どれほど重く感じられていたであろう? 俺はマッサージを通して、彼女の肩の荷を下ろしてあげたかった。塞ぎがちになっていた彼女の、傍について居てあげたかった。「―――春?」と、俺は、背中を圧しながら彼女を呼んだ。彼女は眠そうに答えた。「な、なに、お兄ちゃん、………?」妹は眠そうに答えた。「ああ、いや、なんでも。髪、切ったんだなって。」「うん、………今日お母さんが切ってくれたの。もう、理容室なんて行けないから、………。似合ってる?」「似合ってるよ。俺の好きな髪型だ。綺麗だね。」俺がそう褒めると、妹は嬉しそうに身を震わせた。「そっか、お兄ちゃんはこういうのが好きなんだ、」と、静かに目を瞑る。俺は、マッサージの手を止めた。「春。」「………ん、なに?」「やっぱり、マラソン大会は諦めきれないか。」「………うん。」と、妹はかすかに頷く。「そうか、………なら何も言うことはない、頑張るんだよ。たぶん、おっぱい、ものすごく揺れて大変だろうけど、ゆっくり、春は春のペースでね、俺も応援に行くからね、だから、………。」「ちょ、ちょっと、お兄ちゃんがなんで泣いてるの、………。」「ごめん、今だけは、春のおっぱいに顔を埋めさせてくれ、………ありがとう。」俺は、そのまま妹の乳枕で寝てしまったようだった。週末、妹は病院で胸の重さを測ってもらった。妹の胸は看護師の手によって医療用の大きな秤に乗せられ、片方ずつ正確に測定された。結果、妹の胸は右が7.6キロ、左が7.7キロだった。俺と妹は言葉を失った。が、しかし、彼女の胸を取り扱った看護師は淡々と作業をしていた。「まだ乳房は成長の初期段階にあります、」―――医者は淡白に言った。「しかし15キロ以上ありますから、出来る限り揺らさないように気をつけてください。飛んだり走ったりは厳禁です。」「やっぱり、走るのはやめておいた方が良いですか。」「ええ、ダメです。胸を痛めますから。」「………そうですか。」―――やはり言われてしまったかと、俺は思った。「お兄ちゃん、私やっぱり走りたい。少しだけでもいいから走りたい。」その帰り道、玄関前で夕日を背に彼女は言った。「ああ、でもゆっくり走るんだよ。いいね?」と、そう言って俺は彼女と指切りをした。
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hitchcooker · 4 years
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许章润教授:世界文明大洋上的中国孤舟
要把我的歌兒唱完
不吐出最後一個字
絕不停止哭泣
—【蘇聯】瓦爾拉姆·沙拉莫夫(轉引自索爾仁尼琴《古拉格群島》)
冬去春來,舉世皆疫,死傷枕籍,人間停擺。 其所造成的全球社會性隔離,一種「人類的消失」與「世界的隕落」景象,其所撬動的潛藏已久、伺機而動的文明論疏離與種族論敵意,特別是它將政治的原始本質情境性地再度悍然裸呈,以及霸權秩序的頹然衰落所造成的國際無政府狀態之初露端倪,伴隨著全球性普遍政治覺醒與意識形態復蘇,正在進一步逼迫著我們反思人間秩序的政治涵義及其文明指向,不得不直面並重述古老的政體之辯。 由此,新一輪重塑世界秩序的精神進程已然開啟,而必將進境於實際的政治進程。
置此情形,全球厭華效應第次發酵,對於共產極權體制終於重生應有之政治警覺,而中國的國家信譽掃地,中國之為一個政治單元再度空前孤立於世界體系,民生國運乃雙雙危殆矣。 —— 幾年來內政外交的持續倒退,尤其是內政之向毛氏惡政暗黑深淵倒行逆施,卯足勁兒作呀作,早已引致廣泛不滿與普遍危機,而終究將必須建設中華文明憲政秩序方能建成現代中國這一現代立國的普世原典問題,再度進一步鮮明呈現於國人面前。 換言之,這個世界於可見未來,中國則值此當下,究竟將會迎來與應當具有何種政治方式與生活方式,轟然大疫提示再再,而到關頭矣。
當此危急存亡之際,書生天命,有話要說,不得不說。 一己生命雖必殞落,明晨天際照舊一抹熹微,則存在不存,而存在永在。
一、恐慌政治、苦難政治與拯救政治
大疫以來,歷經前期鉗口鎖喉、欺瞞作偽,後期一刀切全權維穩式舉國發動,以萬戶蕭疏、人人禁足為代價,國朝戰疫已見成效,甚為顯然。 但因資訊遮罩,唯上是從,決策過程藏於宮闈,社會監督闕如,下層官員戰戰兢兢束手束腳,則後續效果難料,必有反復,同樣難出意外。在此,監控型國家自上而下層層轄制,公權幾乎不受限制,國民懾於恐懼而慣於聽話服從,一日,列寧式政黨的政制效能凸顯,本不足奇。 如本文後續所論,政治關乎良政,政制則唯善治馬首是瞻,善治此刻主要表現為效能,而效能在於瞬間令萬民禁足。 刻下日常所謂「國家治理」云云,其實通常就是在抽離了良政這一基礎之後,於此層面擘畫。 而這恰恰是某些公共危機時刻員警監控型體制的拿手好戲。看看朝鮮,閉關鎖國,人人站得筆直,更且一目了然。
相對而言,立憲民主政體賦權有限,社會發達而政府公權多所收斂,進入戰時狀態的程式性條件苛刻,決策機制啟動有待於協商政治賦能,短時間內可能反不若威權政體之雷厲風行。倘若遇到川建囯式領導及其極化黨爭,心有旁騖、懈怠疏忽卻又自以為是,則立憲民主體制優勢盡失,卻又無威權體制的戰時效能,則情形勢必一塌糊塗。 實際上,整個歐美此番預警不足,初期懈怠失措,多少反映了此為「黃種人問題」這一隱秘內心的文明論默認。 此於日本財相麻生太郎年初七國財長峰會上的遭遇可證。 相較而言,在現代民族國家建構層面,中國並非失敗型國家,架構於此國家之上的威權政制,憑藉此種國家能力之無度財政汲取,餵養強大安保力量以為後盾,用國安紀檢鞭伐官僚甚至直接取代官僚,因而更加強悍,加上這幾十年人民血汗充實了國庫,則戰時機制一旦發動,短期效應突出。比諸今日之左翼極權,舊日老蔣統治蔚為右翼威權,而「國家治理」捉襟見肘,就在於其時現代民族國家建構基礎初奠,只是個挂一漏萬、搖搖晃晃的大架子,工商經濟甫開其頭,財力人力均不敷利用,這便有以然哉,所以然哉。
也就因此,庚子春節翌日一紙封城,頓時舉國禁足,考績體制下唯恐疏漏,因而甚至層層加碼,過猶不及。 這邊廂,百姓諾諾,源於一個「怕」字。 不僅恐疫,更且懼官,連一瞬間仿佛獲得執法權、權威加身的社區物業保安都怕,生怕行止失措而罹禍也。 禍者,不僅是疫,更且為罰,一種極具任意性的、隨時可能加諸身心的強制。 實際上,也確曾普遍發生了安保村幹過度「執法」實例。 君不見,當此之際,多少行政舉措說來就來,運動式,無所謂法制不法制矣。 至於其之涉及中西生命哲學差異而導致生命政治態度有別,進而波及公共危機的應對方式,亦且甚為顯明,後文還將有所論及。 網議以民眾「怕死」與否解釋中西國民面臨疫症時對於常態社會性生活之趨避,可作侃大山一樂,卻當不得真的。 都怕事,都怕死,只不過外在體制及其釋放的資訊不同,導致心理感受的恐慌程度與指向有別,以至於民情之萬里不同風也。 至於那些已然置身大疫,而懵然不知,卻嬌然「我們相信政府」的大媽們,十足典型的愚民教育的癡兒,連「乳頭樂」們都不如,不足論也。
正是在此情境下,一俟封城,有限公佈疫情,國朝上下乃嫺熟運用恐慌政治,利用苦難政治,營造拯救政治,最終烘雲托月般炮製出領袖政治這一神話。 封城之後全民恐慌,於是全面收緊行止,恐慌因資訊有限而發展成普遍恐懼。 因恐懼而愈發依賴公權,只能服從,更加服從,後者乃於仿佛承擔無限責任之際,予取予奪,萬民俯首貼耳矣。 國家和人民,就這樣活生生慘遭綁架,而黨國獨大哉。 其實,此番大疫,逝者已矣,傷者自舔,舉國百姓克制自奉,萬戶蕭瑟,承受了最大犧牲。 如此這般,官宣對於實際疫情消長及其碾壓之下患者長街求醫的惶然窘迫情形之遮罩,對於醫護仁心智勇的選擇性報導之引向電視螢屏前的開發感動,對於所謂「火線入黨、院士領頭宣誓」的赫然鏡像的正面堂皇渲染,以及後來有關歐美應對失措之沾沾自喜、 喋喋不休大幅報導,凡此資訊披露之選擇及其指向,悉數利用苦難,旨在維護永遠無錯的光輝形象,塑造這艘爛船從來踏波前行、力挽狂瀾的神話,引向「萬眾一心、同赴國難」的公共訴求,以及追隨領袖的政治寓意,而全然不論是誰造成了「國難」,為何一而再、再而三地有如此之多的「國難」 。 雖說一廂情願,可笑荒唐,但經此輾轉,不僅一定程度上似乎於普羅大眾感官層面成功將喪事扮成了喜事,而且活生生將作孽者變成了拯救者,令播散人禍、文過飾非的惡棍,搖身一變而為救苦救難的天使,進而,仿佛一時間消泯了對於天災人禍根源之追根究底的任何可能性,特別是就此斬斷了最高政治責任的因果鏈條。 逮至疫情稍緩,情形似乎是,朝野上下,官民兩頭,悉數希望儘快做一了結,以告別這生命不堪承擔之重。 至於痛定思痛,追根究源,僅限於推導至大疫首發地之中低層級「官僚主義」者也,一旦稍有溢出,便成禁忌。
本來,匆匆交卷,等於忘記了背面還有考題,實有待後續逐步加上補丁,不遑稍懈。 但無法究源追責,等於埋下禍根,一旦因緣際會,舊疾還將發作。 十七年間,中國兩度爆發疫鬁,波及東亞與世界,此番更是殃及全球,而最後實際都不了了之,反而高唱「讚歌」,叫囂「戰勝」,厚顏若此,死護著面子而其實顏面盡失,均屬一種後文還將論及的極權政治路徑依賴,教訓在此,令人浩歎。
這樣,自始至終,伴隨著鉗口鎖喉的是官媒文宣之緊鑼密鼓。 實際上,早在疫情正酣、人血噴流之際,已有紅彤彤《大國大潮》刊行,令國人齒冷心寒。 此後更有頌歌震天,塑造全知全能領袖光輝。 無恥文人推衍「革命者人格」典範而指向「領袖型人物」結論,撒癔症,以此投名,為此張本。 凡此顛倒黑白,雖說不出意料,卻出乎情理,悖逆真理,面目可憎,最為令人噁心。 —— 那些央視播音評論諸輩,年紀輕輕,面容姣好,嗓音優美,卻心智瞑懵,心志錯亂,忸怩作態,為虎作倀,謊話連篇,令人反感,接近生理厭惡! 難怪此前其後爆出那麼多男盜女娼。 坊議所謂央視者,高官富賈之後宮也,概為忿語,而慨為一般輿論矣!
至於其間大小漢語施密特們,或搬用「例外論」,或炒作拉丁左派陳詞濫調,鸚鵡學舌,編寫巨獸神話,操弄民族主義,煽忽革命人格,炒作中美對抗,織造中西明暗強弱寓言,開發感動,利用「鐘南山—張伯禮」式巧偽之徒維穩白手套,白臉紅臉,牽引盲眾,種種伎倆,狡黠險惡,而又愚蠢無比,超越戈培爾,羞煞塔斯社,氣死張春橋,卻終究紙包不住火,更是��在話下。 至於粗鄙下作文痞天天喊打喊殺,把核彈掛在嘴上,成事不足敗事有餘,民間稱其「攪屎棍」,更不論矣。 —— 一場本應賦予國族以生聚教訓的苦難,似乎竟然就這樣白白流逝了。
順提一句,坊議輒謂「能爬到這個位置,說明還是有兩把刷子的」。此論看似審時度勢,世事洞明,人情練達,其實不過是一種事後追認式的成王敗寇邏輯,唯權是從,逢王就跪。究其實,多數而言,「這兩把刷子」要麼依恃藍色血液或者諸如「秘書」這類裙帶關係,扶上馬送一程,只要不是太傻都行。上位既易,則行雲流水,少爺作風用於執政,百姓殃矣;要麼憑藉逢迎溜須、人前人後那一套,展現的恰恰是劣勝優汰,令不幸混跡官場掙一份口糧的良心不泯、品格正派之士,只能甘具邊緣;要麼按部就班混年資,或者,天上掉餡餅,整個兒一個糊裡糊塗。 而一旦上位,等因奉此,知識增長停滯於學校畢業之日,心智與心志一邊倒,唯一常習的便是官場文化,卻因權位獲得話語權,遂以發黴的舊貨應對眼前的現實,除開絕對看上邊眼色行事這一條牢記在心,其他早已朦憨,卻又仿佛無所不能、無所不知矣。 —— 對什麽都敢「指示」,而且,都是「英明指示」,這本身就是最大的無知,愚妄可笑之至,卻自上而下,層層上演,級級模仿。 置此情形下,居然還好意思說「黨政機關裡有大量精英」,而非渣滓,其認知錯位,自愛兮兮,令人作嘔。
二、猙獰國家與極權政治的路徑依賴
面對大疫,民族國家疆界及其地緣政治意義兀自凸顯,立馬取代跨國共同體,畫地為牢,各自為政,以利己自保為最高準則。 而且,其地理與法政意義超出文明論,也逸出政治意識形態。 一國之內,亦以行政區劃切割。 人人自保,村村自保,國國自保,斷航禁行,無不沿邊界展開 —— 家門、村口、省市區劃與國境。 更有甚者,大疫初期,竟然上演了地區規模乃至於國家層面搶奪攔截醫護用品之叢林鬧劇。 換言之,國家政治中信誓旦旦的公民政治瞬間為生物政治所取代,國家間政治中的共同體概念面對「古老的」國家之強力地緣實存,即刻不攻自潰。 置此情形,公民身份旦夕抽縮回國民,國民再被迫萎縮為市民,市民蜷縮成屬地的居民,居民蛻化為唯求保命的生民,甚而,具體到街區與門牌,竟至於綠碼中的號碼。 真所謂畫影圖形,無所逃遁,天網在上(under his eyes)。 大國家、大政府陰影下,公民個體不僅無法逃離國家,而且隨居住地浮沉,仰其鼻息,講述了一個政治不僅是和平共處的基本原始準則這一大是大非,而且道出了政治是圍繞著國家這一法政共同體權力而展開、本來意欲鋪排之、卻不意為其所操控之異常尷尬。 就是說,作為治理單元、受託物件的國家,變成了「赤裸國家」,人民回歸「赤裸生命」,而委責於國家及其政府。 國家及其政府呢,不論表面上或者現實中,乃君臨一切矣。
正是在此,身處晚近三、四百年方始形成的這一地緣法政大框架中,仿佛堅不可摧的自由主義一己悲歡,已被大疫之下頓然現身之巨靈收攏於有形巨掌。 威權國家本就無此政治底蘊,藉疫操練,駕輕就熟,無以復加,而人民從來都是「赤裸」的,立憲民主國家亦以「例外狀態」應對,就其外溢效應而言,那歷經滄桑的「民主國家陣營」一經大疫擊打,其實早已落葉紛批,各顧各,碩果僅存的不過是萎縮為軍事情報分享機制的「五眼聯盟」,一個盎格魯—撒克遜之上陣父子兵。 既看不到全球民主國家之同仇敵愾,也難覓民主國家之聲氣相求,而原因不僅在於民族國家這個原始巨靈發力,現代國家的 1.0 版本(民族國家—文明立國)沖決了其 2.0 版本(民主國家—自由立國)的目標設置,而且,在於老美這個頭號民主國家居然淪落為特朗普式的病夫治國,了無頭號大國應有的胸襟與擔當,曾幾何時的「美國時代」也就仿佛要進入後「美國時代」了。 美歐等地民眾不時上街抗議個人自由受限,公民聯邦仿佛依舊發力,而民粹與民主夾雜,反智與反暴混融,此間源流堪為索引。 進而,諸種因素輻輳,導致雖然大疫將一損俱損的現象擺在眼前,而下文將要論及的「人類命運共同體」這一理念,無論是在本意還是引申意義上,均頃刻土崩瓦解。
的確,大疫之下,奠立於地緣政治的民族國家原形畢現,揮起了各掃門前雪的巨帚,高牆沿囯境瞬間聳立,可堪訝異,卻絕非意外也。 不過,必須指出的是,此番應對大疫,北歐的瑞典和東亞的日韓新等囯,中國的臺灣地區,以色列與澳新諸邦,取法乎中,其方式,其理路,堪稱典範,深值探究。 香港這一原本治理優異之地,人財兩豐,卻失誤連連,適為反例。 當然,以色列常年處於戰時或者准戰時狀態,其成功抗疫模式,難為其他常態國家所仿效,因而,可能也就僅具個案意義。 —— 無論科技還是文化,此邦時常一騎絕塵,難以仿效矣。
就國朝情形而言,公權借此進一步強化,呈現出救災政治與治水社會的全副症狀。 但凡自上而下,級級發動,層層加碼,舉國同調,政治當頭,罔視法制,甯左勿右,壓抑民間,取消社會,以及鉗口噤聲、抓捕異議人士等等,悉數上演,仿佛無所不能,卻又捉襟見肘。 當然,無論怎樣,「聖主英明,貪官有罪」這一條總是萬變不離其宗;「上頭政策好,下頭執行歪了」還是永不言敗的制勝法寶。 華生兄的長文滔滔,處心積慮,為君上憂,不過為此精緻理論版本。 其結果,如前所述,��絕了究源追責的因果責任鏈條,是非難得清算,但等下次天災人禍,一切照舊矣。 非典而後新冠,居然接二連三爆發於崛起中的大國,一個確曾誠心希冀世界接納的古老城邦,已然對此做出了最好幫助。 —— 行文至此,媒體報導三鹿事件重演,人間又現大頭娃娃,再度對此慨然作證,豈一個痛字所能道盡。 不過,話說回頭,其間堪值凝視而思考者,乃面對洶湧民意,公權於李文亮大夫事件上急劇轉身,說明人民一旦覺醒而不再恐懼,齊齊勇敢發聲,則威權鐵桶已然並非滴水不漏。 總體而言,凡此極權政治的路徑依賴,表明這個國族基於立憲民主的共和理路的現代治理,無論是菁英理念還是大眾實踐兩端,均尚付缺如。 應急性的准戰時狀態收攏了本就薄弱至極的民權,在初期略見零星異議以後,音消響歇,而權力萬能與領袖全能的群眾心理,蔚為一般國民意識,直將那如弱水泄沙般的公民觀念,掃蕩無餘。
但是,另一方面,正是這場大疫,特別是它所暴露的一人至尊決策模式和以黨為大的價值理念,不僅讓精英階層,也令一般民眾恍然其良政不存的事實,惶然而恍然於公民面對撒謊成性的公權無所措手足、只能「它說啥就是啥」之無可奈何,更加明晰極權政治的威勢及其致命弊害,而催生出對於「立憲民主、人民共和」之良政善治不可遏止之渴求。「黨國」之為惡的實存,已然不容於民情,遂再度昭告於天下。 畢竟,從疫情初露至封城前夕,鉗口欺瞞,展示的是一種地域主權體為所欲為的整全性權力意志,而終亦必對於整個人類常規生態之隨時肆意蹂躪的現實性,預演的是一種末日審判式毀滅政治,已然向全體人類敲響了警鐘,而且,其實也敲響了自己的喪鐘。 否則,如詩人所詠,
被喚作正義的殿堂
一個土生土長的靡菲斯特穿著列寧裝
把奧羅拉的孫輩送往曠野
其間沉渣泛起、接連發生的一種騷操作,一種轉移視線的有效手段,也是帝制王朝政治最為邪惡的禦民之術,同樣是一種極權政治面對危機時的路徑依賴,就是「群眾鬥群眾的全面內戰」。 此刻,它表現為圍繞著作家方方女士作品的爭論進至於批判展開了。 收放之間,或為災情壓頂、封城閉戶時之悲情出口,或為疫情稍緩、開城啟戶後的民粹靶點,用亦用矣,棄亦棄焉,全在背後那個邪惡文宣,而有洶洶盲眾如臂使指,更有落井下石者之推波助瀾。 一俟「方方熱」冷,不足以鼓噪盲眾,可以預言,必有「圓圓熱」或者「團團熱」等文宣沙塵暴取而代之,再度肆虐媒介,愚弄國民心智,荼毒國民心志。 迄至本文殺青之時,背景深厚的盲眾打頭、而有官方文宣唆使的這出鬧劇,正以「大資料極權主義及其微信恐怖主義」方式,掃描鎖定,定點清除般地指向一個個直言教授。 高校黨政動如爪牙,最為卑鄙,「立即啟動調查程式」。 這樣,全面內戰終於從「批作家」發展為「鬥老師」。 —— 朋友,「1966」的情形,已然捲土重來矣! 可以預言,縱便僥倖不至於即刻發展成全面「鬥批改」,然而,值此情境下,人人自危,噤若寒蟬,從今往後,國朝高校必會更加死水一潭,所謂文化創造與中華文明復興,從此不過夢囈,雲乎哉!
本來,正常情形下,生命權和自由權之間的平衡首先表現為一種政治意識,而終究訴諸法權,必需也必有一個唯一標準答案。 恐慌政治的邪惡在於混淆其間區際,將公民政治驅逐,令個體成為赤裸裸的生物存在,讓生物政治學淩駕於一切德性之上,從而,將作為醫學手段的社會性隔離悄悄轉化為政治性禁制。 由此,將頭號生存優先權賦予黨國本身,一切圍繞著黨國之萬世一系打轉。 吾國情形若此,大洋彼岸頭號大國,此刻仿佛同然,第一生存優先權居然是激化黨爭下的連任願景,一切圍繞著選情打轉,以連任為最高考量,其目光短淺,胸無大局,肩無擔當,唯剩氣急敗壞,謊話連連,實在對不住自家人民和這個偉大邦國,可謂政制失敗與民粹主義川普式對美國追蹤政之登峰造極,雖良政而乏善治矣。 究其實,同樣是一種路徑依賴,展現了帝國意志萎靡後的文明腐朽與民主體制運行既久、需除積弊而暫時無解之無效自救也。
在此,饒有意味的是,中文世界有一種敘事,其引歐洲輿議,認可國朝處置「緊急狀態」的「決斷能力」,指認此非全然政治意義上的剝奪自由,毋寧,乃醫療意義上的緊急處置。 在它看來,新冠君臨天下之際,「決斷」是國家權力最為重要的能力。 正是借此能力,國朝迅即擺脫大疫所致「失序」之「例外狀態」,率先回歸常態。 如其所述,法國哲學家巴迪歐就認為「例外狀態」其實是一種正常狀態,對此狀態下的集權模式不應過分解讀,因為不管是中國還是法國,這種「戰爭狀態」中的應急手段其實是正常狀態,而此時國家也必須緊急出場,顯示為「赤裸國家」,亦即兌現霍布斯所謂國家最為基本的保護人民生命安全的功能。 職是之故,此刻的國家權力是「中立的」,面向所有人。 否則,反致更大災難。 國內所謂新儒者同樣儻論權力及其決斷的必要性,赤裸裸表達權力膜拜,一副乞靈於權力之髒兮兮可憐樣兒。 可問題在於,他們似乎均揣著明白裝糊塗,此於歐美,或為例外狀態,因而需要政治決斷,而於國朝,則為常態,一種日常全面專政狀態,不過於此再度放大而已。 一個並無個人自由與立憲民主以為基礎,並借此予以對沖的所謂「決斷」,其實是為所欲為,至多「維穩」而已矣! 再者,此集權非彼極權,政治決斷亦絕非等同於「國家權力」實即政府權力之最為重要的能力,毋寧,後者乃為治理意義上的行政主導者。 再說一句,行政執行力不等於政治決斷力。 諸如「封城」這樣的決定是一種行政決策,而非政治決斷。 決斷是也從來都是政治的權能,只掌握在最高主權者手中。 刻下國朝最高主權者缺位,人民以及作為它的個體行動狀態的選民不見蹤影,則論者誤將黨國之專權當作最高主權者之「最為重要的能力」,可謂昧矣,而巴迪歐們癡矣。 至於說「尊重君子的儒家價值觀」是「中國抗疫的文化密碼」,面對千千萬萬慘遭整肅、葬身溝壑的華夏讀書人,面對李文亮們,真不知漢學家作者如何自圓其說! ?
三、文明小國
大疫來臨,一下子折射出中國依舊是文明小國與精神豎儒的窘迫。 首先,現代政治文明闕如,致令政制難濟政治困厄。人類的最高智慧是維續共同體和平共處的技藝,文明的最高成果在於確保其和平共處之良政,而它們不是別的,就是政治,尤其是現代政治文明之善果也。 筆者屢敘現代國家前後遞升的兩個版本,理述國家理性的三個層面,綜論「文明立國」與「自由立國」於建政立國之雙元拱立的憲制意義,苦口婆心,情見乎辭,不外乎意在幫助,置身現代時段,擁有現代政治文明,以此立國,據此建政, 按此行憲,照此辦事,是建設文明大國的必修課業,而為文明昌盛之必有作業,也是現代公民之必需修業,終亦必造就良善生活之普遍福業。 就國朝刻下情形而言,「立憲民主、人民共和」蔚為現代政治文明之犖犖大端,無法回避,總需登場。 無此政治設置與政制安排,政府行政再有績效,也難免政權危殆,更何況不可能維續永遠的高速增長,而績效從來都是有漲有落,所謂「大年」「小年」也。 再者,增長後分紅嚴重不均,卻無「主權在民,治權在賢;政權為主,政府為客」這一憲制安排善予紓緩,政治正義不存之地亦無法律正義與社會正義救濟,凡此因素疊加,則危殆永存,恐慌成為政治常態,而恐怖遂成社會生態,恐懼乃深深內化為國民心態矣。 相較而言,立憲民主諸國恒有政府危機,間或社會危機與經濟危機,甚至會生髮文化危機,但卻一旦奠立,從無政權危機,邦固而囯安,原因就在於「政權的永久正當性」與「政府的週期合法性」互為表裡,進退兩補,出處相應,上下撐持, 唯一需要擔心、不好好幹活肯定就會滾蛋的是僅具週期合法性之政府也,受託組織政府而依法行政之政黨及其政客也。 吾國所缺,而他山之石,恰在於此矣。
正是此種憲政體系及其政治文明,開啟了政治問責的公民之道,絕不承認無錯政治,也不能容忍一個不會道歉的政府,雖說任何認錯與道歉,同樣需要公民去爭取。 認錯政治與道歉文化,堪為現代政治之政制層面的必有機制,也是此種政治之於政制的道德約束,而恰為全體公民和平共處之政治文明也。 否則,體制上的無錯政治與最高領導人的無謬神話猖獗,認錯與道歉文化闕如,道義蕩然,國民眼睜睜看著他們作惡卻無招架之力,則是非混淆,人間必成匪幫。 國朝今日山呼英明偉大,正陷於此壑,促令吾國所缺者,愈發顯豁矣。 朋友,想一想吧,十七年裡,兩度疫興,此番更是播散全球,造成廣泛而必持久之災害,不論具體原因何在,吾國豈能不三省吾身,而躬自致歉。首先是向全體國民道歉謝罪,特別是向死傷同胞道歉謝罪,並追究法律責任與政治責任。否則,違逆國家政治中的共和道義,有悖全球和平共處之處世之道,亦非力倡「人類命運共同體」之崛起大國所當為也。 在此,切不可與今日美帝這屆領導比爛,一個盛極而衰的晚期帝國治理,教訓多於經驗。特沒譜天天自愛自誇,沒羞沒臊。 就此而言,特沒譜這位老兄禍國不假,而良政早已奠基後如何續於精進,從而保有善治,同様為立憲民主政體必須朝夕怵惕者也。
再者,現代政治以文明與自由立國,意味著國家必須保有道義願景,一切均當皈依公義,以追求公道為政道之正道,追求與捍衛人類永久和平。 就此而言,「為中華民族謀復興,為中國人民謀福利」,雖非高端遠景,卻為眼前目標,拿捏尚佳,有點兒現代政制目標的意思。 倘能配合以堅實的政治德性,堪為響噹噹競選口號呢。 而關鍵所在,也是問題所在,在於心口如一,說到做到,不能掛羊頭賣狗肉。 例如,為此首先需要讓人說話,還我同胞以言論自由,屏拒那個恰相違忤、鉗口噤聲的書報檢查體制,以及作為其源頭的黨國體制。 —— 連話都不讓人說,還幸福個鳥啊,怎麼個復興法子?! 在此,對於道德墮落的修復,不能走一貫「偉光正」的路子,其結果只會進一步混淆是非,戕害心靈。 毋寧,嚴明是非,厘辨對錯,懲惡方可揚善也。 就以李文亮事件之前後反轉而論,其之迫於壓力,操於權力,知錯能改,雖說我羞答答,小修小改,卻也算是善莫大焉。 但於加諸其他同胞的迫害,同事同理,卻依然固陋頑拒,則等於表明前者只是姿態,而非基於是非之服膺,後者才是本質,才是真意,而反差若此,無異於在用鋼鞭抽打著中華文明與全體國人的道德神經矣。
不寧唯是,那邊廂,精心塑造、著力樹立的「鐘南山 — 張伯禮」式聽話馴服的榜樣,一種典型的懂得適時適度月臺的偽君子,一種維辛斯基和李森科式人物,反被塑造成大眾英雄與公民楷模,正說明此間錯亂依舊,而德性墜矣,可堪蹉歎! —— 張伯禮者,蒙昧若此,居然掄起大棒打人,充當棍子,尤為不堪也。 往大裡說,包括錢學森們在內的納粹科學家們,同在此列。 尤有甚者,艱困當口,年輕一代外交官們及其莫洛托夫式表演,看似伶牙俐齒,實則愚陋不堪,捍衛國族利益不足,而敗壞中國形象有餘,令人於驚詫而噁心之際,不禁憂心如焚。 —— 不下狠心整頓這個專事交惡、進退失據、毫無章法、成事不足敗事有餘的外交部,囯無甯日,復興雲乎哉。
也就因此,秉具健全的囯族心智,蔚為文明大國必有之修業,也是所有文明類型理當修習之課業。 大者,恢矣,弘也,而與所謂「島國心態」或者「受傷文明」區別開來。 以此觀照,此番大疫以來,國朝上下依舊為歷史創傷情結所纏繞,著實暴露出吾族心智之羸弱。 一句所謂「病夫(sick man)」常論就引發軒然,可以作證。 早已成長為全球體系中舉足輕重的大國,不料,卻依舊有著一顆極易受傷的玻璃心,要麼正幫助吾國吾族依舊自信不足,有待理性洗禮,亟需文明澡雪。 換言之,此非唯情結作祟,亦表明知識論之庸蔽。 要麼,就是惡用創傷記憶,有意撩撥盲眾也。 正是在此,一方面有意無意遺忘痛史,尤其是眼前的錐心之痛,另一方面卻又深陷「1840情結」而不能自拔,表明惡劣文宣多年洗腦,戕害我華夏國族心智深重。
由此,不難理解,這邊廂,當其國中大疫暫緩,危機依舊,而全面、深刻與致命危機才剛剛開始,卻不期然而有所然間,矯囂之聲紛起,民粹嗤外濤激,伴隨著大小漢語施密特們的「例外」論調,肉麻頌歌震天,其結果,如詩人所歎,「他們日夜編寫關於巨獸的神話,萬千猛獸伺機在春天復活」;那邊廂,環球疫的政治正酣,死傷日增,屍橫山水,則痛定思痛,沉痛轉化為積怨,積怨催化忿怒,忿怒引發政治,必隨時日牽延而逐漸爆發, 甚或勢如火山噴薄,則聲討氣氣部門,政經齊伐,也是預料中事。 反思既深,痛感疼痛,總須劍指。 可以預言,以世衛組織和全球防疫為突破口,其必一浪高過一浪。當此之際,在國家政治層面,國朝民粹主義反智與民族主義仇外,兩股惡緒,交替發作,唯一烘托的是領袖英明萬能的神話與政府救苦救難的佳話。 與此相應,一個類似於猶太人千年陰謀的中國陰謀論在民粹層面若隱若現,已然浮現在美國紅脖子們的街頭口號中,而「集體獵巫」式陣勢雛形初現,不能不引發關於啟蒙的沉重話題。 病夫治國,錯亂荒唐,大洋兩岸,如出一轍。 —— 重申一句,文宣最為無恥,在在敗壞華夏德性,而令舉世嗤笑矣!
順提一句,國朝情形,大學裡的「工科師傅」是極權的天然幫兇。 此與個體人品好壞才學高低無關,毋寧,涉及的是一種作為工作狀態的生存狀態。 君不見,所謂的團隊協作運行方式,聽命於一個「老闆」核心的組織方式,絕對遵奉定律而後善自運用的服從式思維邏輯,仰賴官方專案與找米下鍋的生存狀態,層層轄制、分包歸攏的管理體制,以及絕對趨利避害的商業導向,特別是了無價值觀的價值觀與普遍毫無美感的美學狀態,使得他們俯首貼耳於絕對權力。而威權國家最為欣賞的就是這種頭腦可能發達,而心腸近於麻木,卻又慣於服從的「新人」。所謂「聽話出活」者也。 可惜,就建設正派人生、良善社會與愜意生活的現代文明囯族而言,沒有深厚博大的人文底藴與科學理性,徒有工科技術,充其量不過一介二流國家,根基搖晃,難擋風吹雨打。 再者,作為本應最具時代意識而銳利灼人的高校學生群體,整體性心志萎靡,蜷縮於商業壓力與權力宰製的雙重牢籠,所謂「後浪」者,不幸而為「社畜」也。 同樣本應直面人類苦難而抒寫人性的作家們,面對時代,從諾獎得主至著名寫手,連扯淡都談不上,整體性淪落為人格豎儒。 抑有甚者,甘為咿咿呀呀忸怩作態抬轎子吹鼓手也。 那邊廂,西方的左派正在重複上個世紀他們對於蘇俄政權的錯誤認知,��姆斯基老先生堪為昏聵典型,巴迪歐不甘瞠乎其後。 至於那些吃了人家嘴軟的,拿了人家手軟的,更不論矣。 凡此種種,東西連環,少長合璧,造成了吾友所言「整體性文明可毀滅」之頹勢矣。
四、「人類命運共同體」不復存在
大疫起自武漢,迅速廣布全球,至此,國朝所謂「人類命運共同體」,本意不無良善,卻因宣導者德位不侔,宣告破產,特朗普執政後重行大西洋孤立主義而拱手送上的重塑全球治理領導權機會,因此一疫,消耗殆盡,而國運亦可能隨之逆轉。 連伊朗衛生部發言人,都忍不住以 bitter joke 指斥國朝提供的疫情資料,說明國家公信墜底,政體德性破產,真可謂四面楚歌,山窮水盡。 另一方面,美國在將近三十年裡誤判最大敵人,陷入耶回衝突而跋前躓後,同樣耗盡冷戰全勝之紅利,卻無視紅色極權之羽翼漸豐,以至於養癰遺患,一如「二戰」之與狼共舞,在滅掉德意志法西斯之際養大了更大的紅色蘇維埃惡魔,同樣教訓深重。 事實是,不折不扣是,為了打擊綠教恐怖主義,而與紅教邪魔結盟,結果養肥了一個更大的惡魔,可謂二十一世紀開局之初自由政體的最大教訓。 至於太平洋東西兩大國每日低水準口水戰,昏話連篇,仿若童稚無賴小兒廝打,跌破底線,實在不堪,將這個時代文明低陋之本相,暴露無遺矣。
所謂「人類命運共同體」,本意指謂普天之下皆兄弟、環球諸國諸族榮損一體之事實,借用為政治外交口號,亦且響亮,甚至秉具甚為厚重之道義。 但因宣導者內政上惡待國民,此番大疫又造成全球停擺,致使這一作為政治外交口號之招貼,已然不攻自破,好端端一個理念就此同樣停擺。 後來雖然到處送錢送口罩,派遣數支醫療隊,天天元首通話,卻已然於事無補矣。 旨在媚好的慷慨政治可能適得其反,枉費金錢人力。 其間情形,恰如德媒 BILD 署名文章所言,「您是不是以為如果您現在在世界各地慷慨地發送口罩就是一次偉大的『友誼』」? 我不認為這是友誼,這是可笑的帝國主義行為。「事到如今,後冷戰時代就此徹底結束,所謂的大國崛起及其「中美共治」型態告終,新一輪世界秩序重組恰與國朝早先希冀反向,正在緩慢而堅定地醞釀推進之中。 而這既是極權政治邏輯的絕對主義普世理念訴諸實踐後遭遇反彈的必然後果,也是自由國家社會推展的全球化之必然對衝要求。 —— 世界變天,中國頓成孤家寡人,此前四十年辛勞幾乎毀於一旦! 北京奧運以還極權政體隨著錢包鼓脹而不甘寂寞的一系列騷操作,七年來強人政治接續不斷的前現代式愚鈍妄為,其於國際政治層面太過幼稚的仿帝國式張狂,尤其是此次大疫初期之昏招迭出,終於事與願違,借此世紀大疫,令吾國吾族吾民國際聲譽跌至穀底,再度將中國推向危難邊緣,而國族命運重遭生死存亡之抉擇矣!
君不見,所謂「為世界人類指明發展方向」云云,透露的是虛幻譫妄的領袖欲,正為毛式人格膨大之精神疾病陰魂與共產普世絕對主義兩相激蕩、互為底色之畸形發作,而以億萬國民節衣縮食、憑靠公權無度財政汲取搜刮之財富,所推波助瀾之公子哥癔病症候群也! 至此,日本記者所諷之「無謬神話」,早已是自說自話了!
不寧唯是。 海外華人,特別是對祖國懷有純真眷念的留學生群體,其中又尤其是未成年孩子們,因為一紙禁令而回國無門,返家無航,不僅將個單相思擊得粉碎,而且暴露了寧予洋人不予家奴的刻薄寡恩,既悖人倫,亦違國法。 旅俄同胞,數以萬計,大難之際,輾轉跋涉至東北口岸,希望返囯避難,卻被嚴堵於冰天雪地,更有那冷血大使厲聲警告,「放棄入境幻想」。 —— 全世界文明諸國,大疫爆發當口,悉數呼喚國民趕緊返囯,遊子歸家,唯獨國朝將同胞拒於國門之外,刻薄寡恩如此,令人情何以堪,暴露的卻是視國民如草芥之一貫心態也! 他們可能遭遇駐在國民眾的歧視甚或攻擊,實際上已經發生過多起這類事件,印證著筆者前文有關厭華排華的預計。 而對於國民之吝嗇,因有大額外援之比對,更加彰顯,令人齒冷。 湖北人均 47 元之救助,就矜誇慷慨,恰如網友慨言,不如民政部在青海三江源打個雞蛋,然後說全國人民都喝到了雞蛋湯算了。
走筆至此,或曰,瞧瞧美英,防疫不力,不如咱呢,你為何不鳴鼓抨擊? 朋友,人家的事自有人家操心,我更關心自家同胞,不行嗎!?
總之,如此這般,不講價值標準,只關注產業鏈的這波浪漫全球化,至此終結。 新一輪政治與文明的全球性分化組合,伴隨著疫情發展,悄然拉開了序幕。 其間,全球性的去中國化進程已然啟程,正在展開,從金融、產業佈局到資源配置,一場去中國化的新秩序必隨後疫情時代之政治反思而加速推進。 此不幸也,而禍肇於廟堂,苦難卻為全民所承受矣! 作為這一輪全球化的受益者,也是其世界體系的廣泛參與者,遭逢如此逆轉,怨不得別人。 其結果就是,在最好的意義上,正如一位觀察者所言,「(縱便中國)戰略機遇期雖未過去,但己進入危中求機階段,國際上去中國化使形勢極其複雜和不利,連非洲等基本盤都出現鬆動,前期大量投入可能失效。 」
尚需指出的是,俄羅斯一直利用疫情與美帝眉來眼去,火中取栗,漁翁得利,直至俄美發表聯合宣言,大贊「易北河精神 」,旨在「共同應對二十一世紀最嚴重的挑戰」,則挑戰何在、挑戰者何,實在意味深長,用心與理念均不加遮掩。 置此世界體系自助體,俄人所作所為旨在擴大自家利益邊界,無可厚非。 遭到羞辱,啞巴吃黃連的是戰狼式外交的主導者,而將吾國吾民置於險境。 將涉關國運的跨太平洋關係惡化到如此地步,並非西邊一家之責,但卻更為吃虧且危乎殆哉。 正是在此,再說一句,幾年來封建土圍子式外交及其逞口舌之快的小心機,害莫大焉,趕緊休矣!
在此,尤須著重指出,凡我國民,必須阻止狗急跳牆式轉移視線的任何戰爭衝動,無論它來自何方。 疫情檔口,未必開火,而大疫後果,包括經濟危機、社會動盪與文明敵意之第次凸顯,往往後延半年一載,甚至三年五載,則其時危險係數反而升高,有意為之或者擦槍走火的可能性更大。 1929年以還之世界經濟危機,終究催匯出1939年之「二戰 」惡果,殷鑒不遠矣。 在此,國朝無需汲汲於跟美帝爭鋒式的軍備比傢伙,更不能動不動對祖國寶島同胞們示狠,老美也別老在中國邊上耀武揚威炫肌肉。 就吾國情形而言,建設常態國家與文明國家,而首先是讓全體國民豐衣足食免於恐懼,比什麼都重要,也更加急迫矣。
五、意識形態偏見與良政的國家理性
中國的去西方化與世界的去中國化同時並進,正在修正著國際體系的基本架構與雅爾達體系下的世界秩序,將所謂意識形態問題再度凸顯。 —— 實際上,所謂「去中國化」,主要是「去共產中國化」或者「去中國共產化」,而與吾國華夏文明無冤無仇也。 畢竟,十九世紀那種西方列強打上門來的征服式景象,洋大人橫行霸道的時代,一去不返矣。 而且,究其實,對於華夏文明而言,「共產極權」是入侵者的蠻族征服,吾國不幸而成其殖民地矣。 在此,有一種講法叫做「意識形態偏見」,儻論者大言滔滔,指斥外人對於國朝抱持「意識形態偏見」看似振振有辭,實則根本無理,純然混淆是非。 須知,類似於文化多元或者價值多元,警惕「意識形態偏見」不等於抽空基於人類良知的正邪判斷,更不能以所謂意識形態差別取代正邪判斷,而與邪惡為伍,為邪惡張本。 而且,作為意識形態的思想體系和價值體系,一旦與權力互為表裡,就脫離書齋,展現其現實性,載浮載沉,為禍為福,因而,也就不得不接受人類良知的檢視和判別。 當今世界,歷經苦難,飽嘗憂患,早已曉諭天下而天理昭昭者,就是立憲民主與極權專制之異於人禽,不可兩立;良政善治與統治治理分處不同層面,豈容混淆。 時至今日,沒人會說對於作為納粹精神內核的法西斯主義,對於支撐現代殖民勢力征伐其他文明的帝國主義,對於奴役戕害原住民的種族主義,對於貶抑女性的男權至上主義 —— 總之,對於凡此種種意識形態之抵抗與排拒,竟然是一種所謂「意識形態偏見」。 此為底線,不可突破,如同不能容忍以女童做祈福人牲之邪教,否則便是打開地獄之門。
是的,其所謂「意識形態偏見」,是指對於國朝建制立政的那種「主義」之拒斥。 而它不是別的,就是筆者多所陳述之邪惡的「法日斯主義」。 此種意識形態,將法家愚弱人民的殘苛法術、日爾曼馬恩之狂悖歷史社會理念和斯拉夫列寧史達林之暴虐專政學說,雜糅混融,以所謂的歷史規律宰製當下的人世生活,而他們是唯一掌握這一歷史規律者;煽動和利用人性之惡,憑藉霸道壟斷一切權力與財富,將黨國獨大及其萬世一系淩駕於國民福祉之上,公然宣稱國家人民是自己的「家業」,而將邦國及其人民視同予取予奪的殖民地;特別是它摧殘獨立精神與自由思想,要求一統與服從,踐踏美感和人倫,崇奉神棍,迷信暴力,鄙視常識,早已令吾土陷入血海,天下顫慄。 當其狂暴發作之時,多少同胞屍橫溝壑,多少燦爛文明善果慘遭毀滅。 痛定思痛,對於此種「法日斯主義」之厭惡、排拒與痛恨,絕非什麼「意識形態偏見」,毋寧,乃是常態人類社會正邪不兩立之同仇敵愾。 時至今日,正是在此意識形態籠罩下,一個令自己的人民恐懼,也讓世界不安的政權,其言行不一,惡待囯民,政策飄忽而不可預測。 在此設問,於此怵惕,為人世生活佈防,唯恐其少與緩,不憚其繁與速也。 君不見,自由政體世界居安一隅,承平既久,了無鬥志,大哥二哥麻子哥,致使「法日斯主義」坐大,本身懈怠而疏忽,終於招致大禍矣!
當下中國,已然超逾一個半世紀的大轉型進程走到了最後關口,幾經跌宕,就差最後臨門一腳。 將轉未轉之際,「法日斯主義」借助體制暴力,返身回頭,不肯往前走了,致使近代中國超過七代人的長程接續浴血努力可能毀於一旦。 故而,急切呼喚基於人性、呵護人生、尊重常識,而立基於「立憲民主、人民共和」之良政的國家理性,時不我待矣。 在此,尊重常識與人性,容忍獨立多元,鼓勵自由探討,興盛公民政治,尤其是立法保護「國王的忠誠的反對者」,均為其目。 從反面而言,則拒斥黨國體制、權力壟斷與領袖神話,取消書報檢查與思想操控,同為其目。 「綱舉目張,則主權在民,治權在賢;政權為主,政府為客;授受以公,臨治依法」,凡此政道與治道,蔚為其綱矣。
順說一句,值此檔口,放眼世界體系,基辛格這類跳樑小丑式掮客術勢之徒,已無忽悠的可能性了,走到頭了。 保爾森式賺得盆滿缽滿的騙子,肯定也是見好就收,不敢再趟渾水。 瑞幸之厄,自作孽不可饒,但實為金融絞殺之預演,牛刀小拭,兵不血刃,遭殃的是萬千平民,而非國朝權貴與佈局套現的巨騙大鱷。 筆者申說之近代世界歷史進程中的自由主義第五場戰役,在邊緣抗爭燃燒烽火後,居然是以一場人禍大於天災的瘟疫而全面鋪展開來,正所謂不作不死,而人算不如天算,縱便詭詐,千般機心,奈不過天行有常也! 恰如網議所言,從世界大國蛻變為全球公敵,將此凸顯的轉捩點竟然是一場撒播全球的疫病,雖出乎意料,卻在情理之中,其病在腠理,非疥癬之疾,卻為肘腋之患,無它,即此「法日斯主義」也! 要是對此邪惡之教義進行抵抗與批判就是所謂「意識形態偏見」,如同對於劫匪之譴責就是「道德偏見」,豈非滑天下之大稽。
六、以真相與責任奠立政治基礎
如前所述,現代政治是一種可問責性公民之道,人民為大,派生出有謬與糾謬、認錯與道歉的政治文化。 否則,便是惡政,囯將不囯。 秉此以思,為防悲劇重演,則下述八端,允為起點。
第一,還原歷史真相,切實查明新冠流行原因與病毒源頭,特別是查明並公開真實病患資料,向全體國民如實交代。 為此,需以「國務院白皮書」形式,載明其間央地政府所作所為,尤其是今年一月三號與一月七號兩個時間節點的決策過程及其內容,說明為何及時向美國政府通報疫情,卻對全體國民隱瞞撒謊,致令百姓毫無防範,死傷慘重。
第二,徹底追責,直至最高政治責任,責令向國民道歉謝罪,交由國法論處。
第三,釋放公民記者、維權律師、信仰領袖、民間抗暴義士以及一切類此原因而遭受迫害的無辜國民,停止迫害直言教授。
第四,在武漢擇地修建「庚子哭牆」,刻上所有此疫不幸遇難國民姓名、性別與生卒年月,寄託哀思,永銘教訓。
第五,在武漢擇地樹立包括發哨人和吹哨人在內的九君子「義民塑像」,以志永念,伸張公民氣節,褒揚公義精神。
第六,由政府出資,設立新冠遺孤與犧牲醫護遺屬撫恤基金(不包括刪帖累死的網警)。
第七,設立「李文亮日」,也就是中國的「言論自由日」,全民銘記言論自由、表達自由的根本憲政意義。
第八,取消動輒微信微博封號的網警惡政,嚴禁網信辦侵犯公民隱私、言論自由等根本違憲之專斷擅權,取締警力動輒訓誡教師、醫生和作家等專業人士的思想員警權力,即刻實施官員財產陽光法案,撤銷一切學術、教育機構尤其是大中小學的黨團組織,立刻停止全國范內大規模強拆之暴殄天物、喪心病狂,落實憲法對於私權的保護,特別是將地權歸還人民,剝奪政府之為最大的壟斷地主的合法性。
進而言之,細節而論,將毛某獨佔之紀念堂改建為「華夏先賢祠」,列展我華夏文明先賢志士;天安門廣場每逢週末開放為 sunday market,還原廣場的市民功能;中南海回歸文物公園位置,不再為私宅與黨派之用。 循此往前,進境於開放報禁黨禁,乃至於一人一張選票,每隔三五年,手之舞之,足之蹈之,挑挑揀揀,為這個大型國族甄選盡心適格的物業管理公司! 總之,啟動政改進程,明確宣示政改時間表,逐步抵達「立憲民主、人民共和」的良政境界,不能再倒退,而時不我待矣。
順提一句,時至今日,所謂民眾未開,因而憲政難行、民主必亂之論,純為不明所以之論,抑或,恐嚇大眾之論也。 歷史進程從來有賴於占人口百分之五的精英義士之前赴後繼,示範推導。 想一想法美革命、明治維新與辛亥年間識字國民的人口百分比,就不難理解歷史從來都是精英創造推動的。 故而,當下中國,以圍繞著包括上述八點建議在內的具體事件而展開公民運動,點點滴滴,撬動僵化政治秩序,推導社會進步與政治改良,此其時矣,其必弘也。
* * * * *
總括而言,此番大疫暴露出的體制之弊與強人政治惡果,再度將政體之辯提上議事日程,令���華文明憲政秩序建設的迫切性更加顯明。幾年來國家政治之逐漸全面倒返毛氏極權與國際體系中之日益政治孤立,造成了世界文明大洋上的中國孤舟這一危殆景象,有待於即刻撥亂反正,重歸「立憲民主、人民共和」這一近代中國的主流文明意識和政治意志,而後邁步前行,和平大轉型,最終實現「民族國家—文明立國」與「民主國家—自由立國」這一現代中國的理想善境。 否則,昨日的罪惡及其苦難不僅並沒隨著歲月流逝而消逝,那個作惡的體制依舊,而且,但凡稍一鬆懈,便已滑落至「文革」前夕。 凡此種種,苦難深重,眼面前的事兒,豈是輕輕一句「翻篇了」所能打發! 朋友,凡我同胞,不願就是頭念那樣觳簌苟活的日子,為人為己,就當奮然抗爭,再不能容忍極權政制繼續施虐矣!
夠了,這發黴的造神運動、淺薄的領袖崇拜;夠了,這無恥的歌舞昇平、骯髒的鮮廉寡恥;夠了,這驍驍漫天謊言、無邊無盡的苦難;夠了,這嗜血的紅朝政治、貪得無厭的黨國體制;夠了,這七年來的荒唐錯亂、一步步的倒行逆施;夠了,這七十年的屍山血海、亙古罕見的紅色暴政 …
庚子春末夏初,忿然、憂然而愴然矣
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x751206 · 2 years
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穿越者.小川
穿越者.小川
小川是一個穿越者,這是他死後第一次穿越。他的前世是一位聖騎士,效忠於帝國領主。 然而帝國皇帝橫徵暴斂、民不聊生。為拯救百姓於水火,領主遂揭竿而起、討伐暴君。 平民出身的小川忠於其主、浴血奮戰、屢建奇功。多年之後,領主終於推翻帝國、改朝換代。 然而當領主榮登大寶,成為新皇,小川預料中的太平盛世卻並未到來。原來領主欺騙了他。 領主發動革命只為實現自己的野心,而並非如他自稱的那般是為國為民。 於是一心為民的小川慘遭兔死狗烹的結局,結束了他的一生。
當小川由朦朧中醒來,他發覺自己回到了少年時期,還沒有決定未來要走的路。 有了前世的前車之鑑,這次他決定改變作風,不再替領主那個道貌岸然的偽君子效力。 他以第一名考上帝國學院,並在學院中認識了皇帝唯一的掌上明珠.帝國長公主。 畢業後,他參加皇室的比武招親。勇奪冠軍,擊敗所有競爭對手,成為皇室駙馬。 成為駙馬之後,他向皇帝坦言自己是穿越者的事實。告知皇帝若不改變驕奢淫逸的作風,將引發民怨。 並導致領主叛變,最終將兵敗身死。皇帝相信了他,由暴君搖身一變成為明君。 他感覺自己賭對了,自己的坦誠改變了國家的命運。 然而好景不常,當本應發動革命的領主被刺身亡、皇帝故態復萌後,小川才發現這次自己又被騙了。 皇帝只是想利用他身為穿越者的先知先覺,來扭轉自己失敗的命運。 當皇帝的目地達到後,小川也就沒有利用價值了。 在宮廷魔導師施展禁咒後,成為不死巫妖之身的皇帝將不再需要繼承者。 當晚,皇帝便在小川眼前侵犯了自己的親生女兒。小川悲痛欲絕。 然而在強大的魔法面前,儘管是兩世為人的他,亦無法招架。小川死了、死不瞑目。
當他再次睜開雙眼,他發現自己又再次回到了少年時期。這次他不再衝動了。 他花了一晚的時間,仔細思考自己兩世為人的利弊得失,並思考今生的路將何去何從。 隔日清晨,小川想通了。領主是偽君子、皇帝是老狐狸。真正一心為民的人,只有平民出身的自己。 那麼與其投效他人,不如自己單幹吧! 於是這一次,在領主原本該發動革命的時間點前,小川搶先發動了革命。 他要做的不只是改朝換代,而是徹底推翻皇室與貴族,由平民自己來治理國家。 征戰多年,小川終於革命成功。在民眾推舉下,小川建立了採取議會政治的聯邦王國,並擔任國王。 然而權力使人腐化,絕對���權力使人絕對的腐化。 小川成為國王數十年後,早已忘記當時自己發動革命的初衷。 由一位勤政愛民的好國王,搖身一變成為不亞於當初皇帝與領主的暴君。 當小川被自己當年拋棄的糟糠之妻所生的兒子,那個與自己年輕時長相一模一樣的熱血青年, 手持聖劍刺入心臟時,腦中所想的是這句話:〝我究竟他媽的都幹了些什麼好事!?〞 小川死後,勇者手持聖劍斬殺魔王的傳說,被吟遊詩人流傳後世。 然而這已經與小川無關了,因為他又穿越了。
當小川再度睜開雙眼,他懵了。投效領主,被兔死狗烹。投效皇帝,不但被自己的岳父騙,還慘遭NTR。 自己單幹,不料得到權力後的自己,反而成為自己心中最痛恨的人。於是他決定了。 這次他什麼也不做,只是冷眼旁觀。他只要明哲保身就好,就這樣以平民之身,安穩的渡過一生吧! 於是他既沒有從軍,也沒有去帝國學院。他在老家種田,以一介農夫之身,渡過了光陰。 娶妻、生子,平凡的、安穩的守著自己的一畝三分地。然而領主發起的革命,終究還是爆發了。 不料這次由於小川沒有參軍,領主的軍勢並未勢如破竹,而是與帝國軍形成了拉鋸戰。 多年之後,當領主軍與帝國軍兩敗俱傷,不得不暫時停戰時,更恐怖的事情發生了。 野心勃勃的鄰國,趁帝國國力因內戰而消耗殆盡時,出其不意的對帝國發動了慘無人道的侵略戰爭。 在暗黑騎士團的鐵騎輾壓下,帝國毫無反抗之力,宛如殺雞屠狗般被征服了。 被征服後的帝國皇室與貴族全被屠殺殆盡,百姓則淪為奴隸。 小川縱然武勇,但他既無權、亦無錢,只是一介農夫。當他驚覺事態嚴重時,根本無力回天。 小川又死了,為了保護自己的妻兒不受汙辱,力戰而死。 當然,同時死去的還有本該被他拋棄的糟糠妻,與本該成為勇者殺死他的親生兒子。
當小川再次醒來,他仰天長嘯。用響徹雲霄的怒吼,控訴上天的不公。 然而上天只是沉默,並未給予他任何答案。只因答案,是需要自己去尋找的。 這一次,小川棄武從文,加入了法師公會。由於不斷轉世的累積,他的靈魂強度比普通人高出數倍。 學習魔法異常迅速,很快成為魔法界嶄露頭角的明日之星。小川習得禁咒,將自己轉變為不死之身的巫妖。 小川根據前世經驗,多年明查暗訪終,於取得傳說中擁有無限之力的聖劍。 當小川終於晉級聖階時,他識破了宮廷魔法師乃是魔王化身,並且暗中操縱皇帝的事實。 小川以聖劍斬殺魔王,並為避免魔王復活施展封印之術,將魔王封印在自己體內。 數百年後,當被世人稱為大賢者的小川終於破碎虛空而去時,他的存在也由傳說變為神話。
小川來到一個漆黑如宇宙的空間,空間中佈滿無數星星。仔細一看,那些並不是星星,而是一個個的氣泡。 一個氣泡就是一個世界,無數個氣泡就是無數個是世界。小川的世界也在其中。 當他將注意力集中在自己超脫出來的世界,赫然發現少年時那迷惘的自己仍在其中。 但他明白,如今那具肉體中寄宿的靈魂,已不再是自己了。只是天道為了維持平衡,所安排的偽物。 本想干預命運軌跡而提起的手,輕輕放下。彷彿想通了什麼,他搖搖頭,自嘲的笑了笑。 小川輕輕一揚手,一道光之門在黑暗的星空中開啟。門中是什麼,我們看不到,只因我們只是凡人。 小川走入光之門裡,身影消失在其中。隨後門關閉、光消散。星空恢復原狀,彷彿門從未出現過。 小川將去到何處,我們不知道。只因那道門後的事物,已非人類有限的智慧所能觸及。
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okumaseitai · 2 years
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・ 【アルコール依存症】 アルコール依存症は ご自分だけではなかなか 改善は難しいかもしれません。 当院のアルコール依存症から回復された方に お話を聞きました。 その方は 専門外来に行かれ 医師から言われたことを自分に落とし込み その日からやめれたそうです。 アルコール依存症を解決できるヒントが掲載されていたのでまとめておきたいと思います。 その① ・コロナで自宅自粛になり時間が余り不安になる ・人間関係の悩みで将来の不安がありお酒に逃げる ☆対策としては普段から慌てないように対策をメモしておき持ち歩くようにする ☆お酒の場所に近づかない その② 断酒会に入りみんなで断酒し励ましあう その③ 軽症の場合は減酒をして対応できる場合もある その④ 飲む飲まないは本人の問題で家族は勇気を持って放っておく 夫はこのままでは自分の将来がないと本心から思うことで止めることができた 断酒会の先輩に相談する その⑤ アルコール依存症は 自分で飲む量、時間、場所などをコントロールできなくなる病気です。 アルコールを飲まない会などに参加することも有効です。時には病院からのお薬が必要なこともあります。 男性1日 ビール500ml ワインは小さいグラス2杯まで 日本酒は1合弱 女性はその半分 と言われています。 ☆☆☆☆☆☆☆☆ きっかけとしては 精神的ストレスのこともあります。 またインナーチャイルドと言って その方の育った環境 特に親の影響が大きいこともあります。(先日インナーチャイルドの研修に参加しました) ですので 自分としっかりと向き合うことが必要な場合もあります。 例として 機能不全家族に育てられると 依存症になることもあります。 機能不全家族とは ・虐待、夫婦喧嘩、育児放棄 ・超過保護、超過干渉で育つ ・親からの過剰な期待 このような家庭で育つと 愛着がうまく形成されなかったり パーソナリティに問題がでてくる場合もあります。 自分に向き合うことと 過去や未来に目を向けすぎず 1番大切なのは 今ここ!!!!! を意識することが大切です。 過去や未来ばかりに悩んでいると不安になり その不安を紛らわすために お酒をやめれなくなります また強迫性障害で確認をやめれない、手洗いをやめれない場合も何かのストレスに対しての代償行為の場合があるかもしれません。 対策として いろんなワークがあります。 深呼吸で自分の肺の大きさを意識する。 頭のてっぺんの百会を刺激しながら瞑想する 外からの刺激に反応してしまうので自分で見えないバリアを作る などです。 もしも 必要な方がいらっしゃいましたら 一緒にやっていきましょう! #アルコール依存症 #アルコール依存症克服中 #アルコール依存症と繋がりたい #アルコール依存症克服 #アルコール依存症家族 #強迫性障害 #強迫性障害の人と繋がりたい #強迫性障害は治ります #強迫性障害がジャマする #強迫性障害を乗り越えて #機能不全家族 #機能不全家族育ち #機能不全家族出身 #機能不全家族育ちママ自己肯定感アップ #機能不全家族が多い #インナーチャイルド #アダルトチルドレン #インナーチャイルドの癒し #今ここ #今ここを生きる #今ここに意識を集中する練習 https://www.instagram.com/p/CcbcOSCvOiC/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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naokorganic · 3 years
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【ブルームーンに、モノ想ふ】 生きてこそ。 昨夜、緊急のセッション&カウンセリングのご予約が入りました。 恐らくですが、私も、彼女も。 なぜか、このような時間を持つことを 不思議と知っていた気がします。 私は多分、何十年も前から。 しかしご相談の内容は、もちろん このような事とは、知らず。 その時になって初めて、 自分たちの深い縁に気づくのです。 ☆☆☆☆☆ 18年目になるカウンセリングのお仕事は、 始まりは、アロマトリートメント。 そして、、 自分の闇を癒すため、 小学校から触ってきたタロット。 大きな気づきの集まりだった マヤ暦鑑定師の仕事。 カラダから感じる声につながり、 チャネリングセッションへ。 瞑想・心理学の学び、 植物療法、代替医療の学び、 オーガニックフェイシャルの スクールにつながり。 手作りオーガニックコスメの レシピ本を出すに至り。。 ネイティブアメリカンの死生観、 モンゴリアンシャーマン、 エジプシャン、ホワイトマジック。 今もまだ、10年以上学び続ける タオイストの秘教。 そして、 シンギングボウル、声の学び、 エレメントの学びに繋がります。 時系列はめちゃくちゃだけど。 永遠に学び続ける♾日々。 そして、アウトプットしていく日々。 そのどれが欠けても、 昨日のセッションはなかったと思うのです。 祈ることをライフワークにし、 過ごせば過ごすほど、 本当にできているのか?と いつもいつも、悩みます。 死なないとわからないから。。 それでも、従事しない人生は選ばない。 だから、せめて、 奢らず謙虚でいたいと思います。 社会貢献と、魂の求めるものを いつも一致させて生きることは、 バランスを崩した部分を見つめ、 いつも、調整をかけなければ、難しい。 時には、 過去の癒されない経験からくる エゴにまみれてしまい、 魂の声が聞こえないこともある。 そして、自己の調整は、 大きな変化であればあるほど、 社会的には 一旦停止をしたように見えたり、 その人らしさを欠いたもののように 見えることも。 当たり前です、 変わってゆく時なのだから。 過去の自分の印象に引きずられず、 はっきりと捨てなければなりません。 そこで、怯んではいけない。 自分を信じる、強さを持って。 ここで歪んで生きては、 あなたは宇宙の流れにより、 上下左右がわからない程の渦に、 巻かれ飲まれてしまうから。 本当のことや、あなたの真実は、社会的に見て、損得的にはマイナスかも知れない。 それであってもなお、 あなたの道を堂々と進め。 そのうちに、あなたの真心が、 真実の言霊が、 世界を照らすときがきます。 必ずきます。 私は、 誰よりもそれを信じているし、 私もまた、そのようなときを ともに過ごしています。 ぜひ一緒に。 慈愛の心で、自律した心で、 精一杯の丁寧さで生きましょう。 生きてこそ。 あなたの内なる力を、 勇気をもっと出して。 不安や悲しみを乗り越えて、 超越した魂を感じ、 バランスした、あなたの統合の人生を。 ハーモニーウィズアース 毛利奈緒子 #harmonywithearth #ハーモニーウィズアース #毛利奈緒子 #ホリスティックカウンセラー #スピリチュアルメッセージ #水瓶座満月のメッセージ #ブルームーン #魂に寄り添う #統合の人生 #謙虚に (珈琲専門店 三十間 青山店) https://www.instagram.com/p/CS3MrfiFrzG/?utm_medium=tumblr
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g-takanashi · 3 years
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zenyasai創作講用短編:テーマ「年越し」
「いやぁ、今年は君たちが入部してくれて本当に良かった!SF研部員が僕一人で廃部寸前だったところに、1年生が3人も入るなんて思わなかったぞ……誠に嬉しい!残念ながらコロナの影響で我々はまだ一度も直接会ったことはない。それでも、この輝かしい出会いをもたらした2020年に……乾杯!」
Zoomの画面越しに、部長が今日5度目の乾杯を宣言した。言うやいなや、ごくごくと手元の缶ビールを飲みほしていく。このリモート年越し飲み会が始まってもう2時間。部長の顔は耳まで真っ赤だ。すっかり出来上がっている。
「オンライン新歓コンパで SF 研の紹介してはる先輩があんまり寂しそうやったからね~」
カメラの向こうで手のひらを軽く振ってC子が言う。関西出身らしい彼女は部のムードメーカーである。
「部長、カメラ回ってるのにうなだれてボソボソ話してるんだもんな。最初アブナイやつかと思ったけど……まぁ俺、SFは普通に興味あったし」
Zoomの画面越しにB郎がそう言って笑う。部長相手にも敬語を使わないが、それはこの数か月で得た彼なりの親密さの表現だった。
「あとは君たちが無事に二年生に進級して、二十歳を迎えてくれれば何よりだ。こうやってリモートで集まれるものの、さすがに僕一人だけ酒を飲んでる状況はどうもな」
「……寂しい、ですか?」
首を傾げて A 子が尋ねる。今年SF研に入った部員たちの中では目立たないが、自分は真面目が取り得なのだと公言する少女である。
「ああ、A子君。実を言うと少しな……。うーんいかんな!先輩たちが卒業してから暫く独りだったものだから、どうにも孤独に弱くなってしまった」
いかんいかん、と部長は首を振る。
「でも、もう大丈夫やもんな?来年もうちらがおる、か……な……」
C子の声にノイズが混ざる。
「C子君、ネットワークの調子が悪いようだが大丈夫か?」
「うん……じょうぶ、やで」
「うむ。君たちの顔は知っているとは言え、こ��まで実際に対面したことが一度もないというのも味気ないしな。断じて寂しいわけではないぞ!」
「しかし部長よ、対面するのが怖かったりしないのか?一回も会ったことがない俺たちだぜ?実は悪いやつかもしれねぇ」
「宇宙人とか、幽霊かもしれへんで~」
「今流行りのAIとかな」
「こら、先輩をからかうな!全く……君たちが良いやつだというのは、この数か月で十分理解しているつもりだよ。たとえ宇宙人とか幽霊でも、僕は気にしないさ」
部長の言葉に、B郎とC子があははと笑う。
「さて、君たち。あと10分で今年も終わりだ。除夜の鐘でも聴いて、クヨクヨした気持ちを晴らさねば」
「……あらら、堪忍な部長。ちょっと、オカンから電話が入って、しもたわ。しばらく抜けるで~」
C子がひらひらと手を振ってオフライン状態になった。
「おや、残念だな……。除夜の鐘までに戻ってこれるといいが、親御さんなら仕方ない」
「すまん部長、俺もちょっとコンビニ行ってくるわ。飲み物が無くてさ」
「なにぃ!B郎君まで!酒を買いに行くのか!水道水を飲め!」
「ちげーよ。飲めねぇよ酒なんて。眠気覚ましに缶コーヒーでも買ってくるわ」
じゃあな、楽しかったよ。そう言い残してB郎もオフラインになった。
「なんだなんだ。もうこれっきりみたいな捨て台詞を残しおってからに」
「あの、部長」
「なんだA子くん!ま、まさか君まで抜けてしまうのではないだろうな?!」
すがるような部長の目に A 子は慌てて首を振る。
「あわわ、違います違います!その、除夜の鐘って何ですか?」
「なに、君は除夜の鐘を知らんのか?うーん。今日日珍しい。君は帰国子女だったか?」
「いえ、その……世間知らずですみません」
「いや気にするな。除夜の鐘というのは大晦日から元日を超えるときにつく鐘のことだ。仏教においては、人には108つの煩悩がある。その煩悩を祓うために、鐘を108回つくのだ」
「煩悩を祓うとどうなるんです?」
「うん?うーん。そうだな……気持ちよく生きていけるようになる、かな。背筋を伸ばして、胸を張って、正しく、優しく、美しく過ごせるようになる……といった感じかな」
「……なるほど。インプットしました!」
「ふ、A子くんは時折不思議な言い回しをするな。まるで自分が機械のような……まぁとにかく、僕は除夜の鐘が好きでな。みんなで聞こうと思っていたのだが」
「大丈夫ですよ、部長。私はここに居ますので」
「ありがとう。君はとても優しいのだな。うむ、しかしどうにも酒を飲みすぎたか、少し眠くなってきた」
「5分くらい眠ってみたらどうですか?私、起こしますから」
「そうか?うーむ、じゃあお言葉に甘えて少し目を瞑るだけ……」
言葉とは裏腹に、眼を閉じた部長はたちまちにいびきをかき始めた。A子はクスリ、と笑うと飲み会に回していた計算リソースの一部を解放し、戦術プロセスの並列処理スレッドの本数を増やす。自分一機で処理しなければならない敵の数が多すぎるのだ。両サイドから特攻してくる無数の小型宇宙怪獣を両腕の120mmアームマシンガンで血煙に変えながら、A子はオペレーションルームとの通信路を開く。
『こちらA号、敵の数と位置をリアルタイム送信してください。私の索敵センサーは破損しています。このままでは処理しきれない。防衛ラインに空いた穴から、敵の侵入を許してしまいます』
『A号、こちらオペレーションルーム。今データを送る……が、君はAIながら我々人間と同等の感情がある。故に、その……』
『大丈夫。どんな状況にあったって、私、絶望しません。私たち自律駆動式宇宙戦闘用ヒト型兵器人間 A.S.C. の量子AIは、そのために人間を学んだのですから』
『……わかった。今送る』
A号――A子はデータストレージに随時送られてきた戦況データを、ストリーミングで解析する。負荷が一時的に高まるが、今は時間が惜しい。状況が見えてきた。敵の数は2千と107体。8割が小型宇宙怪獣だが、残りの2割は中型と大型。過去の戦闘記録によれば、大型はB号、C号の3機でようやく五分の戦闘ができる相手だ。B号、C号は……両機大破。通信は途絶。
『(B郎くん、C子ちゃん)』
A子のボディに瞼は無い。それでも彼女は黙祷する。ほんの1ナノ秒だけ。
『(部長に謝らなきゃな……)』
全長25m、層重量80t。3度の大気圏突入に耐えるだけの装甲を持ち、200門の火器兵装を搭載する現人類最強の兵器たるA号は、一方で大学に通いサークル活動にいそしむ大学生A子でもあった。自身のアンバランスさを人間的な客観性で評価すると、それがなんだか面白くて、滑稽で、哀しくもあり、特殊合金の顔ではどんな表情をすればいいか解らない。
『こちらA号。オペレーションルームへ。状況を把握しました。絶望はしませんが……嫌になる数値ですね』
『A号、どうか10分もたせることはできるか。今、地球の反対側の防衛線確保が完了した。対応にあたっていたアメリカ地球防衛軍のA.S.C.部隊の一部がこちらに向かっている。援軍だ』
『了解。10分ですね。丁度いいです。こちらにも用事がありますので』
『用事……?』
『部長が、除夜の鐘を聞きたがっています』
『君のAIマネージャが走らせている並列学習プロセス……たしか、日本の大学に仮想人格として入学し、人間を学ぶという……それのことか』
『はい。大変有意義な学習でした。可能なら、あと1460エポックは学習を繰り返したいところです』
『……君からみて、我々人類は守るに値する存在だったかね?』
『どうでしょう。データセットが少なすぎるような気がします。ですが、私は最初の一回で当たりを引いたようです。私と、B郎と、C子にとって、彼は死力を尽くして守るべき存在です。たとえ自己防衛プロセスを強制停止させてでも』
『……感謝する』
通信の間も、迫りくる中型宇宙怪獣を撃ち落としながらA子は思う。自分が背負う地球。部長は、あの青い星の上で新たな年を迎えようとしている。今年と変わらぬ来年。今日よりもっと良い明日。あるいは、今日変わらない明日。だが彼が望むであろうそれは、実はもう存在しない。地球はこの10年、外宇宙生物群からの侵略の危機に晒されてきた。世界同盟の元で構築された地球防衛軍は、一時は防衛ラインを火星まで伸ばしていた。それが今は月まで後退。まさに背水の陣だ。
『A号。大型が108体、高速接近中だ。26秒後に接敵!』
アームマシンガンの弾薬が尽きた。高熱になった武装モジュールごとパージする。残る火器兵装はヘッドマシンガンとショルダーミサイル、ブレストキャノン。弾薬の節約が最適と判断し、バックパックから高周波ブレード2本を排出。両手に構える。
『こちらA号。オペレーションルーム。敵は108体ですね?』
『そうだ。何か問題が?』
『いえ、丁度いいなと思いまして』
並列学習プロセスのA子が、いびきをかく部長を優しい眼差しで見つめる。10分後の除夜の鐘に、自分は間に合わないかもしれない。
「だから少し早いけど、私が鐘を鳴らしますね」
どうか貴方が、背筋を伸ばして、胸を張って、正しく、優しく、美しく過ごせますように。
 A子は両脚部と背中のブースターを全開にし、大型の群れへ突っ込む。口を開けて眼前に迫る巨大な絶望たちに、彼女はブレードを振りかざした。
「いーち、にーぃ、さー、ん、しーぃ……」
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kkagneta2 · 5 years
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Tカップ幼馴染
完全に自家発電用。
「128.3センチ、………どうして、どうしてなの。………」
するすると、その豊かすぎるほどに膨らんだおっぱいから巻き尺の帯が落ちて、はらりと床に散らばる。
「どうして、昨日から変わっていないの。……何が私に足りないの。………」
と言いつつ、顔よりも大きくなってしまったおっぱいを揉んだが、触り心地は昨日と、一昨日と、一昨々日と何も変わらない。柔らかく、ハリがあって物凄く気持ちが良い、――気分としてはバスケットボール大の水風船を揉んでいるような感じか。
「だったらまだ、……まだTカップ、………」
床に散乱した巻き尺を跨ぎ越して、ベッドの傍まで行って、二つ並んだ白いブラジャーのうち左手にある方を取り、顔の前で広げて、バサバサと振る。片方のカップですら顔をすっぽりと包むブラジャーには、U65という英数字が太文字で刻まれているけれども、アンダーバストが悲しいかな、70センチ弱ある紀咲(きさき)にとっては、かなり無理をしないとサイドベルトが通らない。恨めしくタグを見つめても、カップ数もアンダーバストも負けた事実は変わらず、ため息をついてベッドの上へ投げ捨てると、右手にあったブラジャーを手に取る。そのブラジャーのタグにはV65という字が印刷されているのであるが、全く擦り切れておらず、広げて全体を見てみても、どこもほつれていないし、どこも傷んでなどいない。ただ四段あるホックのみが軽く歪んで、以前の持ち主が居たことを示している。
「あいつ、もしかして寝ている時に着ていたのか」
――もしくはこのブラジャーを着けて激しく運動したか。けれども、Vカップにもなるおっぱいを引っ提げて運動など、どれだけ頼まれてもしたくないことは、Tカップの今ですら階段を駆け下りたくない自分を見ていたらすぐに分かる、況してやあの鈍くさい女がそう簡単に走るものか。昔から急げと言ってもゆっくりと歩いて、なのにすぐ息を切らすのである。羨ましいことに、初(はじめ)が着替えるのを手伝っているらしいのだけれども、彼がこんな高価な物をぞんざいに扱う訳も無いから、この歪んだホックはきっと、寝ている間ににすーっと膨らんでいくおっぱいに耐えきれなかった事実を物語っているのであろうが、未だに信じられぬ。およそこの世のどこに、一晩でVカップのブラジャーをひしゃげさせるほどおっぱいが大きくなる女性が居るのであろうか。しかもそれが、まだあどけない顔をしていた中学二年生の女の子だと、どう言えば信じてくれるのか。可愛い顔をしているのに、その胸元を見てみると、大人の女性を遥かに超えるビーチボールみたいなおっぱいで制服にはブラの跡が浮かび上がっている���、目障りなほどにたぷんたぷんと揺れ動いているし、しかもあいつはその揺れを抑えようと腕で抱え込むものだから、いつだってぐにゃりと艶かしく形が変わっているのである。それだけでもムカッとくるというのに、あいつはあの頃そんな速度でおっぱいを成長させていたのか。紀咲は、どこかバカにされたような気がして、〝あいつ〟が中学生の頃に着けていたVカップの大きな大きなブラジャーをベッドに叩きつけると、クシャクシャになって広がっているUカップのブラジャーを再び手に取って、そのカップを自分のTカップのおっぱいに軽く合わせながら、勉強机の横に置いてある姿見の前に向かう。
鏡に映し出されたのは上半身裸の、付くべきところにほどよく肉のついた、――もちろんおっぱいはTカップなのだから極端ではあるけれども、腰はくびれているし、お尻はふっくらと大きいし、日頃の食生活のおかげで自分でも中々のスタイルなのではないかと思っている、高校3年生の女の子。紀咲はストラップに腕を片方ずつ通し通しして、後髪をかき上げると、今一度カップにきちんとおっぱいを宛てがい少し前傾姿勢へ。Tカップのおっぱいはそれほど垂れてないとは言え、やはりその重さからすとんと、雫のような形で垂れ下がり、ブラジャーを少しだけずり落としたが、あまり気にせずにストラップを、ぐいっと引き上げ肩に乗せる。本来ならばこの時点で、ブラジャーのワイヤーとバージスラインを合わせなければいけないのだけれども、Tカップともなるとどうしても、おっぱいに引っ張られてカップが沈んでしまうので、その工程を飛ばしてサイドベルトを手の平に受ける。するりと背中へ持っていき、キュッと力を入れて左右のホックの部分を合わせ、腕の攣るのに気をつけながら何とかして金具を繋ぎ止める。――このときが一番恨めしい。………女子中学生におっぱいのサイズで負け、アンダーバストで負けたことは先にも言ったとおりだが、その事をはっきりと自覚させられるのはこの時なのである。
ホックが全部繋がるまでには結構な時間がかかるから、彼女がこのUカップのブラジャーを手に入れた経緯を説明することにしよう。元々の持ち主は紀咲の幼馴染である初の、その妹であり、彼女が〝あいつ〟と呼んでいる、今年高校生になったばかりの、いつもおずおずと兄の後ろを一歩下がってついていく、――莉々香(りりか)と言う名の少女。両者についてはこの先登場するから説明はしないが、ある日莉々香とたまたま帰り道が一緒になった紀咲は、隣で揺れ動いている股下まで大きく膨らんだ塊を目の隅に留めつつ、特に話すこともなく歩いていたところ、突然、姉さん、と呼び止められる。なに? と素っ気なく返事をすると、あの、……ブラジャー間に合ってますか、たしか姉さんくらいの大きさから全然売ってなかったような気がして、……昔私が使っていたので良ければ差し上げます。あっ、でも、どれも一回くらいしか着けてないから綺麗ですよ、それに買ったけど結局使わなかったのもありますし、――と莉々香が言う。確かにその頃紀咲のおっぱいは、努力の甲斐もあってPカップに上がろうかというくらいの大きさになっていたのであるが、よく行くランジェリーショップで、PはまだありますがQカップになりますと、アンダーを大きくするか、オーダーメイドになるか、……今私共の方で新たなブランドを探しておりますが、もし運良く見つかっても海外製ですからかなり高く付きます、――などと言われて弱っていたところだったので、二つ返事で承諾すると早速家に招かれ、珍しく初の部屋を素通りして莉々香の部屋へ入る。彼女のことは生まれた時から知っているけれども、そういえばここ5年間くらいは部屋に入ったことがない。昔と同じように綺麗なのかなと思って見渡すと、案の定整理整頓が行き届いている。けれども机の上の鉛筆すら綺麗に並び揃えられている有様には、莉々香の異常さを感じずにはいられず、鞄を置くのさえ躊躇われてしまい、ドアの前で突っ立っていると、どうぞどうぞと、猫やら熊やら犬やらクジラやら、……そういう動物のぬいぐるみが、これまたきっかり背の順に並び揃えられたベッドの上に座るよう促される。莉々香はあの巨大なおっぱいを壁にめり込ませながらクローゼットの中を漁っていたのだが、しばらくかかりそうだったので、すぐ側にあった猫のぬいぐるみを撫でつつ待っていると、やがて両手いっぱいにブラジャーを抱えてやって来る。プラプラと垂れているストラップは、幅が2センチくらいのもあれば5センチくらいあるものもあって、一体どれだけ持って帰らせようとしているのかと思ったものの、気になったのはその色。とにかく白い。初からオーダーメイドのブラジャーを買っているとは聞いていたから、こっそり色んな色のブラジャーがあるのだと決めつけていた紀咲は、がっかりとした目で自分の真横にドサッ、と置かれた白い布を見る。どうでしょう、姉さんのおっぱいがどれだけ大きくなるか分からないから、とりあえず私が1、2年生の頃にしていたブラジャーを持ってきましたが、ちょっと多すぎ、……かな? 下にあるのは結構大きめのなので、ちょっと片付けてきますね。たぶんこの一番上の小さいのが、……あ、ほら、Qカップだからきっとこの塊の中に、姉さんのおっぱいに合うブラジャーがきっとありますよ。と嬉しそうに言って、下の方にあるブランケットのような布地を再びクローゼットに持って行ったのであるが、その何気ない言葉と行動がどれほど心をえぐったか。紀咲は今すぐにでも部屋を飛び出したい気持ちをグッと抑えて、上半分にあった〝小さめ〟のブラジャーを一つ手にとって広げてみたが、それでも明らかに自分のおっぱいには大きい、……大きすぎる。タグを見ると、Y65とある。おかしくなって思わず笑みが溢れる。……一体この世に何人、Yカップのブラジャーをサイズが合うからと言う理由で持ち帰れる女性が居るといういうのか。まだ莉々香がクローゼットに顔を突っ込んでいるのを確認してYカップのブラジャーを放り投げ、もう一つ下のブラジャーを手に取って広げてみる。さっきよりは小さいがそれでも自分のおっぱいには絶対に合わぬから、タグを見てみるとV65とある。今度は笑みさえ浮かべられない。……どんな食生活を送れば中学生でVカップが小さいと言えるのであろう、あゝ、もう嫌だ。これ以上このブラの山を漁りたくない。でも一枚くらいは持って帰らないと彼女に悪い気がする。―――と、そんな感じで心が折りつつ自分の胸に合うブラジャーを探していたのであるが、結局その日持って帰れそうだったのは一番最初に莉々香が手にしたQカップのブラジャーのみ。もうさっさと帰って今日は好きなだけ泣こうと思い、そのQカップのブラジャーを鞄にしまいこんで立ち上がったところ、ひどく申し訳無さそうな顔をした莉々香がトドメと言わんばかりに、あ、あの、……今は奥の方にあるから取れないんですけど、小学生の頃に着けてたもう少し小さめのブラジャーを今度持っていきましょうか? と言ってくるのでその瞬間、――華奢な肩に手をかけてしまっていたが、胸の内に沸き起こる感情をなんとか抑えようと一つ息をつき、ちょっと意地になって、けれども今気がついたように、よく考えればこれから大きくなるかもしれないんだし、もうちょっと大きめのブラジャーももらっていい? と、やっぱり耐えきれずに涙声で言ってもらってきたのが、今彼女がホックを全てつけ終わったこのUカップのブラジャーなのである。
「くっ、ふっ、……」
前傾姿勢から背筋を伸ばした体勢に戻った紀咲は、胸下を締め付けてくるワイヤーに苦しそうな息を漏らしてしまう。ホックを延長するアジャスターがあることは知っているけれども、もうそんな屈辱はこのブラジャーを着けるだけで十分である。ストラップを浮かせて、おっぱいを脇から中央へ寄せている間も、ブラジャーの締め付けで息は苦しいし、肌はツンと痒くなってくるし、けれどもあんまりお金の無い紀咲の家庭では、オーダーメイドのブラジャーなんてそう何回も作れるようなものではないから、屈辱的でもあの女が中学生の頃に着けていたブラジャーで我慢しなくてはならぬ。
紀咲はブラジャーを着け終わると、姿見にもう一歩近づいて、自分の胸元を鏡に写し込む。見たところTカップのおっぱいは、溢れること無くすっぽりとU65のブラジャーに収まって、恐らく男子たちにとってはたまらない谷間が、クレバスのように深い闇を作っている。ちょっと心配になって、ふるふると揺らしてみると、ブラジャーからは悲鳴が上がったが、溢れること無くちゃんとおっぱいの動きに付いてきたので、これなら今日一日どんなに初に振り回されようとも、大丈夫であろう。紀咲はブラジャーの模様である花の刺繍を感じつつ深い息をつくと、下着姿のまま今度は机の前へ向かい、怪しげな英文の書かれたプラスチックの容器を手にとって見つめる。毎日欠かさず一回2錠を朝と夜に飲む習慣は、初と二人きりで遊ぶときも決して欠かさない。パカっと蓋を開いて真っ赤な錠剤を、指でつまみ上げる。別に匂いや味なんてないけれども、その毒々しい色が嫌で何となく息を止めて、口の奥へ放り込み、すぐ水で喉に流し込む。――膨乳薬と自称しているその薬を小学生の頃から愛飲しているために、ほんとうにおっぱいを大きくする効果があるのかどうか分からないが、世の中にTカップにまで育った女性は全く居ないから、たぶん本物の膨乳薬であろう。親に見つからないように買わないといけないし、薬自体結構な値段のするのに加えて、海外からわざわざ空輸してくるから送料もバカにならず、校則で禁止されているバイトをしないといけないから、毎日朝夕合計4錠飲むのも大変ではあるけれども、膨乳の効果が本物である以上頼らざるは得ない。依存と言えば依存である。だがやめられない。彼女には莉々香という全く勝ち目の無い恋敵が居るのだから。……
元々大きな胸というものに憧れていたのに加えて、初恋の相手が大の巨乳好きとあらば、怪しい薬を買うほど必死で育乳をし始めたのも納得して頂けるであろう。胸をマッサージし始めたのは小学4年生くらいからだし、食生活を心がけて運動もきっちりとこなすのもずっと昔からだし、意味がないと知っていても牛乳をたくさん飲むし、キャベツもたくさん食べるし、時には母親や叔母の壁のような胸元を見て絶望することもあったけれど、いつも自分を奮い立たせて前を見てきたのである。そんな努力があったからこそ彼女はTカップなどという、普通の女性ではそうそう辿り着けないおっぱいを持っているのだが、それをあざ笑うかのようにあっさりと追い越していったのは、妹の莉々香で。昔は紀咲のおっぱいを見て、やたら羨ましがって、自分のぺったんこなおっぱいを虚しい目で見ていたというのに、小学6年生の秋ごろから急に胸元がふっくらしてきたかと思いきや、二ヶ月やそこらで当時Iカップだった紀咲を追い抜き、小学生を卒業する頃にはQカップだかRカップだかにまで成長をしていたらしい。その後も爆発的な成長を遂げていることは、先のブラジャー談義の際に、Yカップのブラが小さいと言ったことから何となく想像して頂けよう。紀咲はそんな莉々香のおっぱいを見て、さすがに大きすぎて気持ち悪い、私はそこまでは要らないや、……と思ったけれども、初の妹を見つめる目を見ていると、そうも言ってられなかった、――あの男はあろうことか、実の妹のバカでかいおっぱいを見て興奮していたのである。しかも年々ひどくなっていくのである。今では紀咲と莉々香が並んで立っていると、初の目はずっと莉々香のおっぱいに釘付けである。おっぱいで気持ちよくさせてあげている間もギュッと目を瞑って、魅惑的なはずの紀咲の谷間を見てくれないのである。以前は手を広げて「おいで」と言うとがっついてきたのに、今では片手で仕方なしに揉むだけなのである。……
胸の成長期もそろそろ終わろうかと言う今日このごろ、膨乳薬のケースにAttention!! と黄色背景に黒文字で書かれている事を実行するかどうか、いまだ決心の付かない紀咲は薬を机の引き出しの奥の奥にしまい込んでから、コップに残っていた水を雑にコクコクと飲み干して、衣装ケースからいくつか服を取り出し始める。今週末は暇だからどこか行こう、ちょっと距離があるけど大久野島とかどうよ、昔家族で行った時には俺も莉々香もすごい数のうさぎに囲まれてな、ビニール袋いっぱいに人参スティックを詰めてたんだけど、一瞬で無くなって、………と、先日そんな風に初から誘われたので、今日はいわゆるデートというやつなのであるが、何を着ていこうかしらん? Tカップともなれば似合う服などかなり限られてしまうから、そんなに選択肢は無い。それに似合っていても、胸があまり目立つとまた知らないおじさんにねっとりとした目で見られてしまうから、結局は地味な装いになってしまう。彼女の顔立ちはどちらかと言えば各々のパーツがはっきりとしていて、ほんとうは派手に着飾る方が魅力的に映るのであるが、こればかりは仕方のないことである。以前彼に可愛いと言われたベージュ色のブラウスを取って、姿見の前で合わせてみる。丈があまり気味だが��題は無い、一年くらい前であれば体にぴったりな服でもおっぱいが入ったのであるが、Tカップの今ではひょんなことで破れそうで仕方がないし、それに丈がある程度無いと胸に布地を取られてお腹が見えてしまうから、今では一段か二段くらい大きめのサイズを買わなくてはならない。ただ、そういう大きなそういう大きなサイズの服を身につけると必ず、ただでさえ大きなおっぱいで太って見えるシルエットが、着ぶくれしたようにさらにふっくらしてしまう。半袖ならばキュッと引き締まった二の腕を見せつけることで、ある程度は線の細さを主張することはできるけれども、元来下半身に肉が付きやすいらしい彼女の体質では、長袖だと足首くらいしか自信のある箇所が無い。はぁ、……とため息をついて、一応の組み合わせに袖を通して、鏡に映る自分の姿を見ると、……やっぱり着ぶくれしてしまっている。どんなに胸が大きくなろうとも、決してそのほっそりとした体のラインを崩すことのないあいつに比べて、なんてみっともない姿なのだろう、これが薬に頼って胸を大きくした者の末路なのだろうか。
「私の努力って何だったんだろうな。……」
と床に落ちていてそのままだった巻き尺を片付ける紀咲の目元は、涙で濡れていた。
それから15分くらいして初の家の門をくぐった紀咲は、どういう運命だったのか、莉々香の部屋の前で渋い顔をしながら、またもやため息をつく。
「勉強って言っても、私よりあいつの方が頭良いんだから、教える必要なんてないでしょ。……」
ともう一度ため息をついてドアノブに手をかける。約束の時間に部屋に赴いたというのに、初はまだ着替えてすらおらず、ごめんごめん、今から着替えるから、暇だったら莉々香にあれこれ教えてやってくれ。今たぶん勉強しているから、と言われて部屋から追い出されたのであるが、昔から英才教育を受けてきた莉々香に教えられることは何も無い。むしろ今度の定期試験を乗り越えるためにこちらが教えてもらいたいくらいである。紀咲はいまいち初の意図が分からない時が多々あるけれども、さっきの一言はようよう考えても結論が出ないから、ただ単に莉々香と話をしていてくれと、そういう思いで言ったのだろうと解釈して、ガチャリと扉を開ける。相変わらずきっちりと無駄なく家具の置かれた、整理整頓されすぎて虚しささえ感じる部屋である、昔と変わっているのはベッドの上にあるぬいぐるみが増えたことくらいか。莉々香はその部屋の中央部分にちゃぶ台を置いて、自身の体よりも大きくなってしまったおっぱいが邪魔にならないよう体を横向きにして、紀咲が部屋に入ってきたことにも気づかないくらい熱心に、鉛筆を動かしている。覗いてみると、英語で何やら書いているようだが、何なのかは分からない。――とそこで、ノートに影が落ちたのに気がついたのか、ハッとなって、
「姉さん! 入ってきたなら言ってくださいよ」
と鉛筆を机の上にそっと置くと、立ち上がろうとする。
「あっ、いいっていいって。そのままで」
それを制しながら紀咲はちゃぶ台の対面に座って、ニコニコと嬉しそうな表情を浮かべる憎き恋敵と相対する。だがどんなに憎くとも、その巨大なおっぱいを一目見ると同情心が湧いてくるもので、片方だけでも100キロは超えているらしいその塊を持ちながら立たせるなんて、どんな鬼でも出来ないであろう。莉々香のおっぱいには簡単に毛布がかけられているのであるが、それがまた何とも言えない哀愁を誘っていて、紀咲もこの時ばかりは目の前の可愛らしい笑みが、少しばかり儚く見えてしまうのである。
「やっぱり、もう椅子には座れない?」
「そう、……ですね。椅子に座ると床に着くから、楽といえば楽なんですけど、それでも重くて。………」
「今バストは何センチになったの?」
「えっと、……ここ一週間くらい測ってないから正確じゃないけど、先週の木曜日で374センチでした」
「さ、さんびゃく、……」
果たしてその数字が女性のバストサイズだと分かる人は居るのであろうか。
「姉さんは?」
「128センチのTカップ。やっと中学生のころのあんたに追いついたわ」
どこか馬鹿にされた心地がしたので、ちょっとだけぶっきらぼうに言う。
「いいなぁ。……私のおっぱいも、そのくらいで止まってくれると嬉しかったんですけどね。……」
あれ? と思うと先程感じていた同情心がどんどん消えていく。莉々香は恐らく、本音として紀咲のおっぱいを羨ましがっているけれども、やはり馬鹿にされている気がしてならない。
「あ、もしかして今私のブラジャーを着けてますか? 前、アンダーが合わないって言ってましたけど、延長ホック? っていうのがあるらしくて、それ使うといいかもしれません」
と、知っていることをどこか上から目線で言われて、カチンと来る。そういえば、いつからだったか、おっぱいのことに関してはすっかり先輩の立場で、莉々香は紀咲に色々とアドバイスをするのである。
「……知ってる。………」
――だから、余計にイラつかせられるのである。
「姉さん?」
「知ってるって言ってるの。なに? いつの間に私に物を言う立場になったの?」
「ね、姉さ、――」
「そんな化物みたいなおっぱいが、そんなに偉いって言うの? ねえ、答えてよ」
「化物だなんて、……姉さん落ち着いて」
「落ち着いてなんていられるかっての。今もあんたのブラジャーが私を締め付けてるの、分かる? この気持。中学生の女子におっぱいで負けるこの気持。世界で一番大きいおっぱいを持つあんたには分からないでしょうね。………」
この女の前では絶対に泣かないつもりであったが、今まで誰にも打つけられなかった思いを吐き出していると、一度溢れた涙は止めどもなく頬を伝って行く。
「何よ何よ。私がどれだけ努力しているのか知らずに、いつも見せつけるようにおっぱいを強調して、そうやって毎日あの変態を誑かしてるんでしょう? ――どうして、どうしてあんただけそんなに恵まれてるのよ。どうして。………」
とそこで、ぐす……、という鼻をすする音がしたので、そっと涙を拭って前を向くと、莉々香は机の上で握りこぶしを震えさせながら俯いている。ゆっくりと顔が上がって、すーっとした涙の跡が陽の光に照らされる。
「私だって、………私だって紀咲姉さんの事が羨ましい。ほんとうに羨ましい」
「………」
「Tカップって、まだ常識的な大きさだし、着る服はあるし、姉さんは私のお下がりのブラジャーを使ってますけど、ちゃんと売ってますから、ちゃんと市販されてますから。……私のブラジャーが一着いくらするか知ってますか? 8万円ですよ、8万円。ブラジャー一個作るのに10万円近く取られるんですよ。……ほんとうに姉さんくらいの小さなおっぱいが良かった。ほんとうに、ほんとうに、………」
「りり、……」
「いえ、姉さんが羨ましいのはそれだけじゃないです。どれだけ胸が大きくなっても兄さんは振り向いてくれないんですもの。……」
「えっ?」
「もう何回もチャレンジしましたよ。兄さんを押し倒して、姉さんみたいにおっぱいで気持ちよくさせようと。……けど駄目でした。どうしてなんでしょうね。私だったら体ごとおちんちんを挟んであげられるのに、体全体をおっぱいで包んであげられるのに、兄さんは手すらおっぱいに触れずに『紀咲、紀咲』って言って逃げちゃうの。……」
初のことだから、もうすでに欲望に負けてそういう行為をしていると思っていた紀咲は、驚いて彼の部屋の方を向く。
「だから、意味がなかった。意味が無かったんです、――」
と莉々香は体を捻って手を伸ばして、本棚の一番下の段から手にしたのは紀咲もよく知っている、怪しげな英文の書かれたプラスチックの容器。
「小学生の頃からこれを飲み続けてきた意味が無かったんです。……」
「りりもそれ飲んでたの」
そういえば昔、どうしてそんなに大きくなるんですか、と聞かれた時に一回だけ見せびらかしたことがある。
「ええ、……でもね姉さん、私の場合違うの。兄さんが、……えっと、そういう女性を好きなのは分かっていましたから、こう、……手の平にがさっと適当に出して、お水で無理やり飲んでました」
「それ一体一回何錠くらい、……」
「15錠くらいだったような気がします。駄目ですよね、注意書きにも駄目って書いてますし」
容器のAttention と書かれた下には、〝必ず一日4錠を超えてはならない〟と一番上に太文字であるから、莉々香は4日分をたった一回で飲んでいたということになる。そういうことだったのか。………
「でもどんどん大きくなっていくおっぱいが嬉しくって、最終的に一週間も経たずに一瓶開けるようになって、……最後は兄さんが救ってくれたんですけど、飲んでないのに、おっぱい大きくなるの止まらなくて、………もう着る服なんて無いのに、おっぱいは重くて動けないのに、でも全然止まる気配がなくて、………紀咲姉さん、私どうしたらいいんだろう」
と、さめざめと泣き出したのであるが、どうしたらいいのかなんて紀咲には全然分からず、ただ気休めな言葉を投げかけていると、しばらくして初がやって来たので、せめてこの哀れな少女の気を少しでも晴らそうと、その日は3人で日が暮れるまで淫らな行為をし続けたのである。
 (おわり)
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groyanderson · 4 years
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ひとみに映る影シーズン2 第一話「呪われた小心者」
☆プロトタイプ版☆ こちらは無料公開のプロトタイプ版となります。 最低限の確認作業しかしていないため、 誤字脱字誤植誤用等々あしからずご了承下さい。 尚、正式書籍版はシーズン2終了時にリリース予定です。
(シーズン2あらすじ) 私はファッションモデルの紅一美。 旅番組ロケで訪れた島は怪物だらけ!? 霊能者達の除霊コンペとバッティングしちゃった! 実は私も霊感あるけど、知られたくないなあ…… なんて言っている場合じゃない。 諸悪の根源は恩師の仇、金剛有明団だったんだ! 憤怒の化身ワヤン不動が、今度はリゾートで炸裂する!!
pixiv版 (※内容は一緒です。) ☆キャラソン企画第一弾 志多田佳奈「童貞を殺す服を着た女を殺す服」はこちら!☆
དང་པོ་
 『ジャパン・ファッショニスタ・コレクション二〇一三』。年に一度開かれる、日本最大級のファッションの祭典だ。ゴールデンウィーク初日、五月三日。今年も女の子達が全国から日比谷(ひびや)ヴォヤージュアリーナに集った。  セレモニーが始まると、アリーナは堰を切ったように歓声に包まれる! EDMミュージックが地面を揺るがすほど重低音を響かせ、レーザーライトはそれに合わせて明滅。やがて中央モニターに有名ブランドロゴが表示され、今最も旬のモデル達がランウェイへ繰り出していく……去年まで私は、この光景を観客席から見ていた。だけど、今年は違う。  二〇一三年。ついに私の、モデル兼女優・紅一美(くれないひとみ)の時代が来たんだ! 昨年公開された歴史映画『邪馬台国伝説』がアジア映画賞にノミネートされ、女王卑弥呼役を演じた私は一躍国際女優に。更に私が主人公のサイドキックを演じている連続ドラマ『非常勤刑事(ひじょうきんデカ)』も既にシーズン三に突入し今年映画化が決定、そしてお昼の情報番組『まちかどランチ』で夏から始まる新コーナーのメインパーソナリティにも抜擢されている。こうして枚挙してみると、本業であるモデルらしい仕事は殆どしていないように見えるけど、それでもよし。現にこうして、JFC二〇一三でオーガニックファッション&コスメブランド『リトルマインド』の看板を背負わせて頂ける事になったんだ。もう、うらぶれたローカル局の旅番組でドッキリに騙されるだけが取り柄の三流リアクション芸人とは、誰にも言わせない。  前ブランドのファッションモデルがランウェイから踵を返すと、ダブステップBGMが爽やかなペールギュント組曲『朝』にクロスフェードした。中央モニターに『リトルマインド』の華奢なブランドロゴが表示され、いよいよ私の出番が来る。緊張で心臓が飛び出そうになりつつも、私は直前まで舞台袖で観音菩薩印相を組みながら軽く瞑想し、意を決して晴れ舞台へ飛びこんだ!  ワアァァー! 歓声が上がる! ニヤつきそうになるのを必死に堪えながら光の道を歩き、先端でポーズを取る。ワアァァーーッ! 更に歓声! 長かった。芸能界デビューから四年、紅一美、二十二歳。お母さん、お父さん、それに人生最大の恩師、石筵観音寺(いしむしろかんのんじ)の和尚様。私もついに一人前のファッショニスタになれました! 聞こえていますか、この歓声! 「「「ワアァァー! ヒトミチャーン! ウシロー!」」」……ん? ウシロ? 「「「一美ちゃん、後ろーーっ!!」」」  歓声に混じった謎の警告。振り向くと……さっきまで頭上のモニターに掲げられていたリトマイのロゴは消滅し、代わりにこう書かれていた。 『予告状 JFC二〇一三にて、最近女優ぶって調子に乗っている小心者モデル、紅一美を頂戴致します。 したたび怪盗・カナちゃん三世』 『ヌーンヌーン、デデデデデン♪ ヌーンヌーン、デデデデデン!』  テレビ湘南(しょうなん)制作『ドッキリ旅バラエティしたたび』主題歌、『童貞を殺す服を着た女を殺す服』の低俗なイントロがペールギュントを蹂躙した途端、私はランウェイを飛び出して一般客の海に潜りこんだ。したたびとは、極悪ロリータアイドルこと志多田佳奈(しただかな)さんの冠番組だ。私はこれまで幾度となく、事務所とグルのこの番組にドッキリと称して乱暴に拉致され、割に合わない過酷なロケを強要されてきた。冗談じゃない。私はもう国際女優で、JFCのランウェイを歩く国際モデルなんだ! 今日という今日は空気を読まずに逃げ切ってやる! たとえドローンで無数のアラザンを集中砲火されたり、スクランブル交差点のど真ん中で逆バンジージャンプさせられても逃げ切ってやるんだ!! しかし、その時だった。 『うわあぁーーーん! 助けてぇ、一美ちゃーん!』  ステージ方向から金切り声で呼び止められ振り向くと、モニターに縄でがんじがらめに拘束された着ぐるみマスコットが! あ、あれは、昨年の全日本ご当地ゆるキャラコンテストで金賞に輝いた、ゆめみ台代表のゆめ美ちゃん!? すると首にIDカードを提げたスタッフの方が人混みをかき分けて現れ、私にワイヤレスマイクを押しつけた。ほどなくして、あの極悪アイドルが……佳奈さんが、ステージ上に白いゴシックタキシード姿で登場する。 「JFC二〇一三にお越しの皆様あああぁぁ!!!」  ワアァァーーー!! ウオォォーー!! 私の時よりも一際大きな歓声。悪夢だ。 「ドッキリ大成功ーーー! 志多田佳奈のドッキリ旅バラエティィーーーッ……」  佳奈さんはあざとくマイクを客席に向ける。お客さん達が『したたびでーーーす!!』と返した。こうなれば私も売られた喧嘩を買わざるを得まい。 「なにが怪盗ですか、私のペールギュント『朝』を返せ! この泥棒ロリ!!」  ワアァァー! 私が言い返すと、また観客席から歓声が上がる。プロレスのマイクパフォーマンスじゃないんだから。 「朝ぁ? もう昼前なのに何を言ってるのかなー、リトルマインドの小心者さん」 「あっなるほど、リトルマインドだから小心者……って、そんな事より! 私の晴れ舞台を邪魔して、あまつさえゆめ美ちゃんを人質に取るなんて今回は酷すぎます! 卑怯者!」 「ゆめ美ちゃん?」  佳奈さんはキョトンとしている。 「とぼけないで下さい。ほら、モニターに……」  私がモニターを指さした瞬間。ヴァボォォオオ!!! 突然画面内のゆめみちゃんが青白い炎に包まれた! 「きゃーっゆめ美ちゃーん!?」「うわああああ!」  客席から悲鳴が上がる。ゆめ美ちゃんが大好きな、小さなお子さん達の悲鳴が。一方炎上し続けている当のゆめ美ちゃんは平然とした仕草で、焼け落ちた縄を払い除け、画面いっぱいに顔を近付けた。 『……ゥゥウ、紅ひト美イィィ……呪っテヤるゥ……小心もノノ貴様ヲのロってやルウぅゥ……! もウろくナ仕事が来ナクなるよウに祟っテやるゥゥウ……!』  何らかのホラーじみたボイスエフェクターを通した声で、ゆめ美ちゃんが私に恐ろしい呪詛を吐く。佳奈さんはあからさまにリハーサル済だとわかる計算ずくのタイミングで身じろぎし、客席を仰いだ。 「大変! 小心者の誰かさんが最近調子こいてるせいで、ゆめ美ちゃんが悪霊に乗っ取られちゃった! これは千里が島(ちりがしま)に住む怨念達が怒ってるからに違いない! 千里が島は昔散減島(ちるべりじま)って地名で、絶家の祟りがあったって言い伝えが残ってるからね!」 「は?」  地名? 祟り?? まさか……。 「こうなったら千里が島で噂の徳川埋蔵金を掘り当てなきゃ。観光地アピールをすれば、怨霊達も喜んで鎮まってくれるよね。ゆめ美ちゃんと出会ったゆめみ台の時みたいに!」  ダァーン! パッパラペー! 安っぽい効果音が鳴り、画面いっぱいにデカデカと『綺麗な地名の闇シリーズ第六弾 千里が島宝探し編』という文言が現れた。私はその場にヘナヘナと崩れ落ちた。 「……うそでしょおおおぉぉぉーーーーっ!!!??」
གཉིས་པ་
 したたび・綺麗な地名の闇シリーズとは、一見綺麗な地名だけど実は災害に弱い、昔は恐ろしい地名だったなど、ちょっと曰くつきな地域を紹介していく企画だ。デメリットだけでなく、地理的な危険性に対する自治体の取り組みやお出かけスポットなども紹介して地域を振興する。例えば、今回の演出で犠牲になったゆめ美ちゃんの出身地、ゆめみ台。あそこは土砂崩れが起きやすく、旧地名は蛇流台(じゃりゅうだい)と呼ばれていた。そこで番組では現在のゆめみ台が安全に暮らせる場所だと証明するために、ゆめみ台国立公園の断崖絶壁でロッククライミングを行った。地盤の安全とロッククライミングに何の関係があるのかと思われるだろう。私も未だに訳が分からない。またある時は『元氾濫常習地で河川の安全を証明するためにキャニオニング』だったり、『元流刑地で治安の良さを証明するために現役警察官と剣道対決』だったりと、何故か毎回異常に過酷なアクティビティが用意されている。今回もそうに違いない。  あの後あれよあれよと運び出された私は、人混みで揉まれてシワクチャになったリトマイをテレ湘の衣装さんに剥がされ、佳奈さんがコーデしたロケ衣装に着替えた。爽やかなストライプTに水着生地のハーフパンツ、歩きやすそうなサンダル、つばが広いストローハット。よく見たらその服一式も、今日から発売されるリトマイの夏の新作だった。SNSを確認すると既にリトマイ公式アカウントが広告を出していて、その文末に『一美ちゃんごめんなさい(ウインクして舌を出す絵文字)したたびさんのドッキリ(驚く顔の絵文字)とコラボさせていただきました(お辞儀をする人の絵文字)』と書かれていた。もう二度とリトマイの仕事は受けまいと心に誓った。  アリーナ業者搬入口には見慣れた水色のロケ車が待ち構えていた。普通ロケ車って白が多いけど、テレ湘は湘南の海色モチーフだからすぐわかる。後部座席に乗りこみワイヤレスマイクを装着していると、運転席に座るディレクター兼カメラマンのタナカDが私に紙袋を差し出す。 「忘れ物ですよ」  中身は黄色いパーカー。私の地元、会津地方で販売している物で、胸元に『I♡AIZU(アイラブ会津)』と書かれている。飾り気はないけど着心地がいいから、よく冷房が寒いバックヤードなどで着ているやつだ。そういえば、この騒動のせいでアリーナ控え室に置きっぱなしだったっけ。まだショートTでは肌寒い季節だから、私はそのままアイラブ会津パーカーを羽織っていく事にした。 「しかし紅さんも災難ですなあ。地名闇シリーズでいつか千里が島に行くとは決まっていたけど、まさかJFCの直後とはね!」 「一美ちゃん、その服にチビらないでね。それもリトマイさんの宣伝なんだから」  タナカDと佳奈さんに釘を刺された。恐らく理由は、ひょんな事から彼らが私を『お化けが苦手な子』と思いこんでいるせいだ。本当は怖いどころか、昔お寺に住んだ事があるから幽霊なんてしょっちゅう見慣れてる、なんなら除霊だってできるんだけど……それはそれでカミングアウトしたら面倒な事になりそうだから内緒にしている。  千里が島は徳川埋蔵金が隠されていると噂の候補地でありながら、日本一の縁切りパワースポットであり、有名な心霊スポット。この番組の事だ。きっとわざわざ夜中に祟られた場所に行くとか、私をビビらせるために余計なロケを用意しているんだろう。 「そうだ。お母様から紅さんの荷物と差し入れの福島銘菓『うまどおる』預りましたよ。ちゃんと後でお礼言いなさいよ」 「やったー! ごほうびんぐターイム!」  タナカDが後方を指さすと、佳奈さんが後部座席裏からうまどおるの箱と『予後の紅茶』ペットボトルミルクティーを取り出した。私も個包装を雑に剥がし、半ば現実から逃避するようにヤケ食いする。食べながらふと思い立って、舞台に立つ前財布にしまっていたペンダントを取り出し首にかけた。 「そのペンダント、ここ数年いつも着けてるよね。韓国の友達から貰ったんだっけ?」  佳奈さんが興味深そうにペンダントに触れる。 「ハングルが書いてある。なんて読むの?」 「『キョンジャク』って読むそうです。悪いお化けを捕まえてお清めするお守りなんですって」 「やっぱ一美ちゃん、卑弥呼のクセにだぶかお化け怖いんだぁ!」 「うるさいなあ、邪馬台国民の霊ならだぶか大歓迎ですよ。女王権限で佳奈さん達を呪ってもらえますからね!」  だぶか、とは、したたび出演者やファンがよく使うスラングだ。確か本来は『逆に』とか『寧ろ』みたいな意味のヘブライ語で、元々誰が言い出したのかは忘れたけど、今じゃネットや街中でもちらちら使われ始めている。  お菓子をだらだら食べながら下らないやり取りをしていると、ロケ車はいつの間にか調布(ちょうふ)飛行場に到着していた。離島などに行く小型便専門の、小さな空港みたいな所だ。本当に行くのか、千里が島……全くもう、今から気が滅入る。
གསུམ་པ་
 ポーン。  『皆様、本日は美盾(みたて)航空をご利用頂き、誠にありがとうございます。当機はMAL五八便、千里が島(ちりがしま)行きでございます。飛行時間は約……』  こじんまりとした小型旅客機に、こじんまりとした低音質機内アナウンスが流れる。佳奈さんとタナカDは機内で大した撮れ高が期待できないと見るや、さっさと��ってしまった。それはともかく……  私��ら見て右後方部。男も女も、フランシスコ・ザビエルを彷彿とさせる奇妙な髪型の一団。その中心で悠然とワイングラスを揺らしている男性は、宗教法人『河童の家』教祖、牛久舎登大師(うしくしゃとうだいし)。  左後方部。卓上に小さな信楽焼の狸や風水コンパスを並べて忙しなく地図に何かを書きこんでいる、狸耳フード付きブランケットを被った男性。地相鑑定家タレントの狸おじさんこと、後女津斉一(ごめづせいいち)だ。隣にはブレザー制服の女子中学生風化け狸と、二匹の狸妖怪。彼とはどういう関係だろうか。  私達の背後、中央三列シート後部。PTA的な気迫を醸し出す、上品かつ気骨稜稜なおばさま軍団。その殿では、年始によく芸能人をタロット占いしている占い師、加賀繍へし子(かがぬいへしこ)がニタニタと薄ら笑いを浮かべる。更に私の斜め右前方にいる若い女性は、現代沖縄に残る由緒正しき祝女(ノロ)、すなわちシャーマン。金城玲蘭(きんじょうれいら)。  ……どうして!? 何故にこの便、旬の霊能者だらけ!!? 偶然か? それとも、ひょっとしてこれも新手のドッキリか? でも、中堅人気番組になったとはいえローカル局制作のしたたびに、こんなに霊能者を呼ぶ予算はないはずだ。ただでさえ私へのドッキリに、予算を殆ど割いているというのに……こちとら大迷惑だけど。ただ同じ中学出身の幼馴染、祝女の玲蘭ちゃんがいたのは不幸中の幸いだ!  私はしたたびの二人が熟睡している事を確認した後、自分も寝た振りをしつつ、足元に念力を集中させた。実は私の家系は代々、『影法師』という霊能力を持っている。お寺に住んだ事があるのも、霊感があるのもこのためだ。そうは言ってもこれは地味な力で、エロプティックエネルギーと呼ばれる念力で自分や周りの影を操ったりできるだけ。だから正確には霊能力じゃなくて、サイコキネシスやテレパシーみたいに脳が発達して覚醒する『特殊脳力(とくしゅのうりょく)』というカテゴリに該当するらしい。  爪先から影を糸状に伸ばし、右前方のシートへ這わせていく。玲蘭ちゃんはそれに気がつき背後を振り返った。私は船を漕いだまま、佳奈さん達に悟られないようそっとサムズアップする。影が玲蘭ちゃんの前席から突出する簡易テーブルに乗り上げると、彼女は影の先端にそっと触れた。 <一美!? どうしてここにいるの!?>  影を通して、テレパシーが私に伝わる。これなら離れていても話ができるし、幽体離脱と違ってリスクが少なく、霊感がある人にも会話が漏れない。影法師の技法、『影電話』が役に立った。 <どうしてここに……はこっちの台詞だよ! 何なの、この霊能者軍団!?> <は? あんた何も知らないで千里が島に行くワケ!?> <行きたくて行くんじゃないもん! 見てよ、私の隣でグースカ寝てる人達!>  玲蘭ちゃんが再び振り返る。 <……アー……したたび。そう……じゃあ、また騙されたんだ>  玲蘭ちゃんいわく、千里が島の縁切りパワースポットには実際凄まじい怨霊がいるらしい。そこで島を改革中の再開発事業者、『アトムツアー』が日本全国から名のある霊能者達を集めて、この度除霊コンペティションを行うという。それがどれほど強い怨霊だか知らないけど、除霊成功者には報酬三億円、更に全国のアトム系列スーパーで使える永年ポイント十倍VIPカードが進呈されるとかなんとか。 <三億円って……ドリームがでっかい話だね……> <それだけとんでもない魔境なんじゃないの? 私はこんなヤバそうな依頼受けたくなかった。でも、引き受けないと地元の伊江村(いえそん)に下品なメガアトムモールを建てるっていうから……> <うっわ、最悪じゃんそれ! もうアトムで買い物するのやめようかな……> 「あの、すいません!」  突然、私達は声をかけられて振り返った(私は影体にファティマの眼という霊的レンズを作ってその人を見た)。そこにいたのは、さっき狸おじさん……後女津斉一氏の隣にいた女子中学生狸ちゃん。うっすら体毛が生えていて、耳や尻尾は狸のもの。だけど顔はどことなく狸おじさんに似ている。 「そ……それ、影法師だよね? じゃあ少なくともモノホンって事だよね!? 私の事、見えてる? お願い、見えるって言って!」 「……普通に見えてますけど。あ、『できればあなたも影電話で話して下さい』だって……影の主が」  玲蘭ちゃんが私の言葉を伝達してくれた。狸ちゃんも影糸に触れる。 <あぁ~良かった! 孤独だったんだよ、まともな霊能者はカッパ頭の大師さんしかいないんだもん。でもあの人に関わると、変な宗教に入れられちゃいそうで……はぁ……>  狸ちゃんは心底安心したように、その場でへたり込んだ。 <ええと、失礼ですけど……あなたは?>  私は少し警戒して尋ねる。 <私、後女津万狸(まり)。後女津斉一の娘だよ。あっちにいる狸妖怪は、斉二(せいじ)さんと斉三(せいぞう)さん……パパのドッペルゲンガー狸なんだ> <娘!? ドッペルゲンガー!? あの、ドッペルゲンガーって、世界には自分と同じ顔の魂がいて、出会っちゃうと殺されて乗っ取られるってやつ?> <それそれ! パパの場合はちょっと特殊だけど。昔事故に遭った衝撃で魂が三つに割れちゃって、里の大狸様に助けてもらって……そういうわけだから、別に乗っ取りとかなくてみんな仲良しなんだよ!>  交通事故に遭って、魂を狸に助けてもらった……いまいち的を得ない話だけど、もしかして万狸ちゃんが化け狸なのもそれが原因だろうか。そっと首を上げて狸おじさん達を見ると、彼らは驚きながらも小さく手を振り返してくれた。 <えっこの影、紅一美ちゃんだったの!? どーしよ、私したたび毎週見てんですけど! だぶか後でサイン下さい!> <は、はぁ……もちろんいいですけど……。ええと、あなた方もコンペですか?> <そうなの、行きたくないよー! でも行かなきゃ、木更津(きさらづ)の證誠寺(しょうじょうじ)を壊してアトムモール建てるって言うんだよ。そんな事になったら大狸様カンカンに怒っちゃう!>  うわあ、この子達もそういう事情か。アトムグループ最悪だ! こうなったら、少なくとも玲蘭ちゃんや後女津さん達とは助け合って、せめて全員無事に帰らなきゃいけない。私達はひとまず協力関係を結び、今後の作戦をざっと話し合う事にした。 <他の乗客の霊感は?>  玲蘭ちゃんが私達に問う。 <したたびチームは私以外カラキシ。万狸ちゃん、他の人達の事はわかる?> <うん! 河童の家の信者さんはほぼみんなヒヤシ、良くてチョットだと思う。でも大師さんは確実にモノホン。加賀繍さんの取り巻き軍団もヒヤシかチョットっぽいけど……けどヤバいの! 加賀繍さんご本人ね、業界では超有名なアサッテおばさんなの!> <ゲ、最っ悪!>  カラキシ、ヒヤシ、チョット、モノホン、アサッテ。霊能者が使う業界用語だ。カラキシは文字通り、全く霊感がない人を指す。ヒヤシも同じく霊は見えないけど、コールドリーディングみたいな心理学技術でスピリチュアルカウンセリングができる人。チョットは気配やオーラをなんとなく感じられる程度。モノホンは完全なる霊能者。そして一番厄介な人種が、アサッテ。霊がいない明後日の方向を見る方々……すなわち霊が見えるフリをしている詐欺師か、精神的なご病気による見えてはいけない幻覚を霊だと思いこんでいるタイプだ……。 <私は祝女だから自分の身ぐらいは守れるけど、万狸ちゃんと一美はどう?> <私は妖怪だからへーき! パパ達も一緒だもんね、ぽんぽこぽーん!> <私もお守りぐらいは持ち歩いてるし、観音寺で色々教わってたから大丈夫。ただ、ごめん……私、テレビ関係に霊感ある事を言いたくなくて……> <ああ……だ、だよね……特に一美は……>  申し訳ないが、本当にそれだけは秘密にしたいんだ。ただでさえ騙され芸人みたいな扱いを受けているのになまじ霊感があるなんてバレたら、何もいない心霊スポットでリアクション芸を強要されたり、それこそアサッテな霊能者と対談させられて超気まずい思いをするに違いないもん! <そうなんだ……オッケー! じゃあどうしても一美ちゃんが除霊する事になったら、パパとか金城さんが近くで何かしたって事にしよう!> <最善だね。私もできるだけしたたびロケを見張ってるから。場合によってはあんたの手柄を横取りしちゃう事になるけど、それでいい?> <も、勿論です! お二人共ありがとうございますっ!>  ああ、渡りに船だ! 仏様和尚様にも大感謝!  私はその後トイレに立ち、行き際にこっそり玲蘭ちゃんと握手を交わした。そして用を足し、反対側の通路で後女津さん達の席に向かう。 「あの、ありがとうございます。宜しくお願いしますね」  小声で挨拶し、会釈した。 「すみません、先程は娘が失礼を。ともかく、皆無事にこの旅を終えましょう」  いつもテレビで見る斉一さんは『狸おじさん』の名の通りお調子者なキャラクターだけど、実際に会うと礼儀正しい方だった。すると万狸ちゃんや『ドッペルゲンガー狸』のお二人も挨拶を返してくれる。 「頑張ろーね、一美ちゃん! ぽんぽこぽーん!」 「オイオイ、したたびさんも『持ってる』なぁ。こーんな怪しい連中とバッティングしちまうなんてさ! ハハハ」 「僕の事はあまり撮らないで下さい……うう、木更津に帰りたいな……」  彼らは顔つきや仕草から家族だと納得できるけど、性格は三者三様のようだ。万狸ちゃんは元気いっぱいな女の子。ドレッドヘアで髭が垂れ下がった化け狸の斉二さんは、笑顔が朗らかで、テレビで見る狸おじさんに一番近い印象だ。一方前髪をサイドにきっちりと撫でつけ、シンプルな白シャツを着た化け狸、斉三さんは人見知りそうに見える。 「あっ、見て見て!」  万狸ちゃんに促されて窓を覗きこむと、眼下の海には既に目的地、千里が島が浮かんでいた。
བཞི་པ་
 ポーン。  『皆様、当機は間もなく着陸体制に入ります。お立ちのお客様は席にお戻りになり、シートベルトをご着用下さい……』  示し合わせたようなタイミングでアナウンスが流れ、私は自席に戻る。ところが、シートベルトに手をかけた次の瞬間。  ズガガガガガ!!! 突如機体が激しく揺れ、左手側にめいっぱい傾いた! 「うわあああ! え、何!?」 「うおぉ、揺れてますなあ!」  突然の衝撃に佳奈さんとタナカDも起きだす。危なかった、咄嗟にシートベルトを影で繋ぎとめたから転倒せずに済んだ。しかし二人が起きてしまったから、ベルト金具を締めて影は引っ込める。  ポーン。 『皆様、機長です。当機は現在乱気流に突入したため、機体が大きく揺れております。シートベルトをご着用の上、焦らず乗務員の指示に従って下さい。ご迷惑をおかけ致しますが、千里が島着陸までもう少々お待ち下さい』  ズガガガガガガ! 悠長な機長さんのアナウンスとは裏腹に、機体は明らかに異常な揺れを起こしている! 何度も海外ロケに行っている私達したたびチームでさえ、全員表情に恐怖を禁じ得ない。 「一美ちゃん玲蘭ちゃん、あれ見て!」  万狸ちゃんが叫び指さした方向には…… 「ああ! 窓に! 窓に!」  しまった、思わず声に出しちゃった。玲蘭ちゃんから牛久大師の席あたりまで連なる窓の外に、巨大な毛虫じみた不気味な怪物がへばりついている! 「えっ何!? 一美ちゃんなんか言ったー!?」  佳奈さんが聞き返す。良かった、幸い機体揺れが大きすぎて私の声が掻き消えたみたいだ。 「別に! 死にたくなーい! って言っただけですよ!」  慌てて取り繕うが、 「ぎゃあああああ!!!」「何だこいつうわああ!?」  河童信者さんのうち一部、恐らくモノホンやチョットの方々がパニックに陥った! 玲蘭ちゃんは既に数珠を握りしめ、神人(かみんちゅ)の力を機外に放出しようと四苦八苦。一方後女津さんの狸妖怪達は機内に風水結界を張ろうと忙しなく走り回り、加賀繍さん方はアサッテの方向に念仏を唱えだした。ここで佳奈さんやタナカDも、ようやくこの便の異常な雰囲気を察する。 「な、なにこの声、お経!? ひょっとしてもう祟り始まってるの!?」 「あれ河童の家か!? 無断で写したら絶対ヤバいカルトじゃないか……ゲッ、あっちは狸おじさん!? これどこも撮れないぞ! くそ、ヘルメットカメラは預け荷物だし……」  タナカDはカメラマイクだけ生かした状態で、ファインダーを下に向ける。 「音声オンリーだ! 二人とも、実況して!」 「今それどころじゃないでしょ!? 墜落したら化けて出て、あなた方を祟ってやる!」 「そしたら私達全員死ぬから無理じゃん!」 「確かに!」 「「いやああぁ~~~っ!」」  おお��そプロ根性に物を言わせてトークを繋ぐが、こんな危険すぎる状況を実況したところでオンエアできるんだろうか。毛虫は拳を叩きつけるように身をガラスに打ちつけ、飛行機を破壊しようと試みる。いくら今最旬の霊能者集団が搭乗しているとは言えど、空中を高速移動中のこの状況では手も足も出ない! このまま千里が島に到着する事なく、MAL五八便は私達の棺桶になってしまうのか!? この場にいる大部分の人間が絶望しかけた、その時だった。 「かっぱさんチャント詠唱!」  突然牛久大師がシートベルトを外し、スクッと立ち上がった! 「かっぱさんチャント……」「そうだ! チャントを唱えよう!」 「「チャントをちゃんと唱えるぞ!!」」  教祖の鶴の一声で、狼狽していた他の河童信者達が次々に統率を取り戻していく。ていうか今、ダジャレ言ったような……? 「せーのッ! かっぱっぱーの、かっぱっぱーの、かっぱっぱーの、パァー! ホオォイ!!」 「「かっぱっぱーの、かっぱっぱーの、かっぱっぱーの、パァー!」」  河童の家一同は全員一糸乱れぬ動きで、ピカピカに剃りあげた頭頂部を両手で撫でながらチャントを詠唱する。ヤバい。カルトヤバい。この状況でふざけているとしか思えない事を大真面目にやってしまうカルトってヤバい! 私が今まで見てきたどんな悪霊や怪物よりも怖すぎる!! しかもこの恐れは直後、更なる絶望へと変わった。 「……ぱっぱーの、かっぱっぱーの、かっぱっぱーの、ぱー」  玲蘭ちゃんがチャントに参加した! 何で!? 「かっぱっぱーの……一美もやって!」 「はぁ!?」 「そうとも!」  激震する機内で、転倒することなく仁王立ちの牛久大師が叫ぶ。 「君達だけじゃあないぞ。加賀繍さん、後女津さん! 死にたくなければ皆ちゃんとチャントするんだァ!」 「あぁ?」 「はい!?」  突然話に加えられた加賀繍さんと斉一さんが牛久大師を見る。ていうかやっぱりダジャレ言ってるよね!? 「じょっじょ、冗談じゃないわよーッ!」 「どーしてこんな時にそんなオゲヒンな事しなきゃいけないの!?」  肘掛けや前席のハンドルにしがみついたまま、加賀繍さんを囲うおばさま軍団が吠えた。 「そ、そうだそうだ! てーか俺河童じゃなくて狸だし……」 斉二さんも風水結界を押さえながら反論! 「うっちゃあしい、しみじみやらんか! 狸もだ!!」  うるさい、真剣にやれ! といったような方言だろうか。地元の会津弁に似ているからなんとなく意味はわかる。そして大師は斉二さんにも返事したからやはりモノホンのようだ……ええい、こうなったらままよ! 「かっぱっぱーの! かっぱっぱーの! かっぱっぱーのーパァー!」  国際女優紅一美、花の二十二歳。チャント参加! 生き残るためなら何だってやってやる! 「一美ちゃん!? マジなの!?」 「嫌々に決まってるじゃないですか、こんな狼藉あっていいわけない! でもやらなきゃみんな死んじゃうんでしょ!?」 「じゃ……じゃあ河童教が怨霊やっつけてくれるの!?」 「そんなの知りませんよ、私霊能者じゃないもん!」 「も……もぉーっ、わかったよ! 私達もやろう! タナカD! ほらかっぱっぱーの、かっぱっぱーの!」 「ええぇ!? か、かっぱっぱーの、パァー!」 「「かっぱっぱーの、かっぱっぱーの、かっぱっぱーの、パァー! かっぱっぱーの、かっぱっぱーの、かっぱっぱーの、パァー!!」」  もはや藁にもすがる思いで、客室にいる全員がかっぱさんチャントを唱える。揺れ続ける機内、加賀繍さんも万狸ちゃんも客室乗務員さんも、喉が痛くなるほど叫ぶ! すると増幅チャントが段々クヮンクヮンとハウリングを起こし、機内に奇妙な一体感が充満し始めた。 「「かっぱっぱーの、かっぱっぱーの……」」  ここで河童信者の一人が立ち上がる! 「総員、耳を塞げーーーーッ!」 「「かっぱっぱーの、【【【ハウヮアーーーーッ!!!!】】】  クワアアアーーーーァァン!!! 一斉に耳に手を当てた河童信者達に倣い私達も耳を塞ぐと、直後牛久大師の口から人間とは思えないほどの爆音が発せられた! 両手で側頭部を押し潰すほど耳を塞いでいるにも関わらず、頭が割れる程の大声だ。判断が遅れていたら失聴は免れなかっただろう! ただそれでも、分厚いガラスが二重にはまっている飛行機の窓から機外へチャントが届くのか……? と疑ったその時。怪物芋虫に覆われて薄暗くなっていた機体右側が、フッと急に明るくなった! あまりに一瞬の出来事で何��起きたかわからなかったけど、不思議な事に……芋虫がいなくなっている!? 「河童の家の勝利だ!」 「うおおぉー!」「かっぱっぱーの、勝ったったー!!」「大師! 大師!」  勝利を讃え合う河童の家とは裏腹に一同呆然としていると、いつの間にか機体の揺れも嘘のように治まっていた。  ポーン。 『皆様、当機は只今乱気流を抜けたため、これより着陸態勢に入ります。現在着陸予定時刻より三十分遅れとなっております、お忙しい中ご迷惑を……』  何事もなかったかのように、また悠長でこじんまりとしたアナウンスが流れ始めた。どの霊能者もしたたびチームもそれぞれ、安堵と疲労で背もたれにしなだれ掛かる。  それにしても冷静になって思い返せば、あの芋虫のような怪物には心当たりがある。あれは以前戦った物と似ていた。千里が島にどのような怨霊が棲んでいるのか、私はなんとなく目星がついた。寧ろ気になるのは河童の家だ。あのふざけたチャントと牛久大師の力は、一体どういう仕組みだったのか…… 【共鳴透過という言葉をご存知かな? ワヤン不動(ふどう)君】  ……え? 【狭い中空層を隔てて並ぶ二枚のガラスは、音が共鳴して反対側に届くのだ。飛行機の窓ガラスも然もあらん】  離れた席から大師の声が鮮明に聞こえる。頭に直接響くテレパシーとはまた違った感覚で、まるでイヤホンをしているように耳に音が入ってくる。振り返ると、大師は口をぽかんと開けたまま私を見つめていた。 【不思議に思っているかね? なに、簡単なことさ。この力の源はエロプティックエネルギー。すなわち君の影法師と同じ、霊力ではなく念力由来の物だ。俺は念力であらゆる周波数の音波を生み出し、口から発する事が出来る。霊が嫌がる周波数もだ。それを増幅するのがかっぱさんチャントだったという訳さ】  エロプティックエネルギー!? まさか、じゃあこの人も、霊能者じゃなくて特殊脳力者なの!? それに、『ワヤン不動』って……。私は牛久大師の言葉の真偽を確かめるべく、脳力について研究している極秘医師団、『国際超脳力研究機関(NIC)』のシンボルマーク影絵を見せてみた。すると彼はニタリと口元を綻ばせ、たった一言、確信的な返答を私の耳に届けた。 【なぁに、俺はただの『関係者』だよ】
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kkagtate2 · 4 years
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ふくろう便
俺の妹が珍しい病気にかかった。名前の読みにくいその病気は、とある女性ホルモンを異常に分泌させ、体の一部分を際限無く大きくしてしまうのだと医者は語った。一月前から始まった突然の巨大化、それはまだほんの序章であってこの先どうなるのか、どこまで大きくなるのか、医者にも判断が付かないのであった。俺を含め、家族の誰しもがまだ前兆であることに震えた。妹はまだ11歳の小学生だった。体の一部分とは彼女の胸のことだった。一月前、胸が痛いと訴えだしてから突如として膨らみ始めた彼女の胸元には、この時すでに大人顔負けのおっぱいが、服にシワを作りつつ大きくせり出していた。事の発端は夏休みに入ってすぐのことだった。最初彼女は何らの変化も無かった。ただ胸にチクリとした痛みが走ったかと思えば始終皮が引っ張られるような感覚がし、夜中から朝にかけて最も酷くなった後日中ゆっくりと時間をかけて溶けていく、そんな疼きにも似た心地がするばかりであった。が、日を経るに従って疼きは痛みへと変わり、胸が膨らみだした。初めの幾日かは様子を見ていた妹は、八月も一週間が経つ頃には自分の胸が異様に膨れつつあるのを悟った。四六時中走る痛みに体の変化が加わって、彼女は漠然とした不安を抱いた。誰かに聞いてもらおうと思った。胸の内を打ち明けたのはある日のこと、俺の膝の上に頭を乗せながら黙々と本を読んでいた時のことであった。「おっぱいが大きくなるのってこんなに痛いんだね、お母さんもおっきいけどこうだったのかな」と、妹は本に目を落としながらぽつんと呟いた。「春、」―――俺は妹の名前を呼んだ。「おっぱいがおっきくなってきたのか?」「うん。でもすごく痛くてなかなか眠れないの。」「それはだいぶ酷いな。ちょっと待ってて、どこかに軟膏があったはずだから取ってくる、」と、そうして俺は軟膏を取りに行った。「これを塗れば少しはましになると思う。お風呂上がりとか寝る前にちょっと手につけて練り込むように塗るんだ。ちょうど今日はもう寝る時間だから早速お母さんに塗ってもらいな。話を聞いてもらうついでに」と、軟膏を妹に手渡そうとした。妹は受け取ろうとしなかった。「今日はお兄ちゃんに塗ってもらいたい、」―――そう言って服を捲くり上げる。身に纏うていた寝間着一枚が取り払われ、彼女の胸元が顕になる。俺は息を呑んだ。妹の胸は本当に膨らんでいた。「変じゃない?」心配そうにそう尋ねてくる。「変じゃないよ、綺麗だよ。さあ、もう少し捲くってごらん、塗ってあげるから、」と軟膏を手に練り込んで、俺は妹のおっぱいに触れた。暖かかった。俺は必死に冷静さを保って塗った。静かなものだった。俺も妹も固く口を閉ざしていた。妹はさらにじっと目を瞑っていた。「いいかい? 今日は塗ってあげたけど、今後は自分ひとりで塗るか、お母さんに塗ってもらうんだよ」「うん、ありがとうお兄ちゃん。少し楽になったような気がする。」「よしよし、じゃあ今日はもうおやすみ。友達と遊び回って疲れたろ」と、促したけれども彼女は不服そうに居住まいを崩さずにいる。「今日はお兄ちゃんと一緒に寝てもいい?」―――そう言ったのはちょっとしてからだった。「いいよ、おいで。少し暑いかもしれないけど、それでいいなら、………。」俺はこの時、あまりにも心配そうな顔をしている妹を放ってはおけなかった。そして聞いた。胸の痛みのこと、胸の成長のこと、不安のこと、誰かに聞いてほしかったこと。いつしか寝入ってしまったその背を擦りながら、眠くなるまでそれらのことを考え続けた。「春、―――お兄ちゃんはいつでも春の傍にいるから、甘えたくなったら甘えてもいいんだよ。これくらいだったらいつでもしてあげるから、」と気がつけば呟いていた。そっと顔を覗き込むと、ちょっと微笑まれたような気がした。明くる日、夜になると先日同様妹は俺に軟膏を塗るようにねだってきた。その明くる日も、またその明くる日もねだってきた。けれども、お盆が終わる頃にはその役は母親に取って代わられた。さすがに誰が見ても妹の胸元には小学生離れした膨らみが出来ていた。母親は妹を連れて下着を買いに行った。E カップもあ���たということを聞いたのは、その夜いつもの様に妹が本を片手に俺の部屋にやってきた時のことだった。「そんなに大きいの?」と彼女は俺のベッドに寝そべりながら聞いてきた。「ああ、俺の友達でも何人かしかいないんじゃないかな。春はお母さんのを見慣れてるからそうは思わないかもしれないけど、もう十分大きい方だよ。」「そっかぁ。でもやっぱり自分だとわかんないなぁ。お兄ちゃんは大きいと思ってる?」「それは、………まぁ、もちろん思ってるよ。」「お兄ちゃんはおっきい方が好き?」「もちろんす、………こら、お兄ちゃんをからかうでない」「えへへ、ごめんなさい。」妹はいたずらっぽく笑いながら言った。それから二週間弱という時が経った。妹の胸は日を経るごとに大きくなって、異常を感じた両親に病院に連れられた頃には、寝間着のボタンが留められないくらいになっていた。L カップだと母親は医者に言った。「胸に痛みは感じますか。」妹は黙って頷いた。「どれくらいありますか。我慢できないくらいですか。」これにも黙って頷いた。普段ならばそつなく受け答えをするのだが、胸が膨らみ始めた頃から彼女は酷く引っ込み思案になっていた。「少し酷いようです。昼間はそうでもないんですが、それでもやっぱり痛みはずっと感じているようで、胸元を押さえてじっとしていることがよくあります。」俺は代わりに口を開いて言った。「昨日も寝ている最中にうなされていましたし、肌着が触れるのも辛そうです。」「まあ、それは、―――」と、医者であるおばあさんは優しい笑みをこぼした。「それは辛かったでしょう。よく今まで我慢したね。」「はい、………。」「お薬を出してあげるからね、きっと楽になるよ。」「あ、ありがとうございます。」かすかな声で言った妹は、ここでようやく安心した顔を見せた。診察はそれから30分ほどで終わった。両親が結果を聞いている間、俺はあの小さな肩を抱いてやりながら静かに待った。結果は言うほど悪くはなかった。医者にも専門外過ぎて分からないことが稍々あるものの、妹の体は健康そのものだった。俺はひとまず胸をなでおろした。巨乳化の影響が今後どのような形で現れるにもせよ、健康であるならそれに越したことはない。俺はただそう思った。その日も妹は俺の部屋にやって来て、ベッドの上に寝転がりながら本を読んだ。「お兄ちゃんは魔法使いだったら、ふくろうと猫とカエルのうちどれを飼う? 私はふくろうがいいなぁ、………白くてふわふわな子にお兄ちゃんからのお手紙を届けてもらいたい。」―――そう云った時の妹の顔は、本当にそういう世界が広がっているかのようにキラキラとしていた。
実際、妹はその魔法使いの話題、―――はっきりと言ってしまうが、ハリー・ポッターを話題にする時はいつもそんな表情をした。彼女はあの世界に強く憧れていた。きっとこの世のどこかには魔法の世界があって、自分にも手紙が来るかもしれないと思っていた。毎夜持ってくる本は松岡訳のハリー・ポッターだった。どんなに虫の居所が悪くなっても、それさえ話題に出せば立ちどころに機嫌が良くなった。この夜もそうであった。妹は次の日の始業式に言いようのない不安を感じていた。彼女は自分の胸がクラスメイトたちにどう見られるのか、どういう反応をされるのか怖かった。それに彼女は私服で学校へ向かわねばならなかった。胸が制服に入らなかったのである。「どうにかならないの」と言ったが、どうにもならなかった。「行ってきます。」翌日、出来るだけ地味な服に身を包んだ妹は玄関先でぺこっとお辞儀をした。また一段と大きくなってしまった胸は、この時M カップあった。俺は「胸は大丈夫なのか」と聞いた。妹は「うん、お薬塗ったから今は平気」と答えた。寂しそうな顔だった。途中まで見送りに行こうと草履を引っ掛けたけれども、首を横に振られた。「お兄ちゃん、行ってきます、」―――そう言って妹は玄関から出ていった。俺はこの時どうなることかと思った、が、お昼ごろになって帰ってきた彼女は、行きよりはずっといい顔で家に入ってきた。「おかえり、春。学校はどんなだった?」俺はホッとして聞いた。「えっとね、大丈夫だったよ。みんなすっごく驚いてたけど、ちょっと見られただけであんまり。………あ、この制服はね、行ったら先生が貸してくれたから保健室で着替えたの。」言われて彼女が制服を着ていることに気がついた。袖も裾も余っているけれども、胸元だけはきつそうだった。「そうだったのか。貸してくれてよかったな。」「うん、でもちょっとぶかぶかだから変な感じがして気持ち悪い。………」「春は昔から小さい方だからなぁ。まぁとにかくお入り。一緒にお昼ごはん食べよう」「うん!」―――妹は元気よく答えた。それから彼女は今日のことについて楽しそうに喋った。俺は安心した。何となく、これからまたのんびりとした日が始まるように思った。けれども違った。彼女の胸はそんな俺の思いなどお構いなしで大きくなり続けた。薬を塗らなければ痛みでブラジャーすら着けられない日が続き、始業式の日には90センチ台だったバストは、次の週には100センチを超え、次の次の週には110センチを超え、そのさらに次の週には120センチを超えた。V カップ、というのが彼女の下着のサイズだった。「ブ、V カップ?!」母親からそれを聞いた時、俺は思わず聞き返した。「春の胸はそんな大きいのか、………。」「そう、だからあの子に合う下着なんて、どこのお店にも置いてないのよ。」母親は深刻な表情をして言った。妹は、胸が大きすぎて自分が着けるべき下着が無かった。彼女は普通の女性で言うところのO カップのブラジャーを着けて居たにも関わらず、胸が締め付けられて苦しいと訴えていた。俺は時々彼女の無防備な姿を見た。少なくともブラは着けておかなければいけないと思った。あの姿を友達に見られでもしたらと一人心配した。「買うとなると、後は海外のものすごく大きいブラジャーしかなくってね、………。」―――母親はそう言った。果たして妹は、翌々日に初めての海外製のブラをつけることになった。母親が言った通りものすごく大きいブラジャーだった。そればかりでなく、分厚かった。どこもかしこも肉厚で重みがあり、肩の部分にはクッションのようなものが誂えてあった。ホックも四段あって、これを妹が着けると思うと少し可哀想な感じがした。でも、妹は文句も何も言わずにホックを留めて制服を着た。「行ってきます。」と言う声はいつもどおり明るかった。彼女が明るかったのは、そのわずか二日後に行われた運動会を楽しみにしていたからであった。けれども当日、妹は開会式と閉会式に姿を見せただけだけで、後は自分のクラスのテントの下に小さくなって、クラスメイトが走ったり踊ったりするところを見ているだけだった。妹の胸はトラブルの原因になりかねない、として学校は急遽彼女に自粛を要請したのである。のみならず、運動会の直前で不審者情報が寄せられたために、妹はタオルまでかけられていたのであった。俺は耐え切れなかった。2、3の競技が終わるとすぐに妹のところに行った。「先生、久しぶりの母校を見学させてもらえませんか。」「宮沢くんか。昔のように窓を割らなければ別にいいが、くれぐれも物だけは壊さないように。」「ありがとうございます。もちろんです。―――小春、一緒に行こう。」「えっ? う、うん、―――。」先生は何も言わなかった。結局俺たちは校内を散策するのにも飽きると、閉会式まで黒板に落書きをして遊んだ。妹は星やふくろうの絵を描いたりした。テントの下で居た時よりもずっと楽しそうな顔で、………。そしてその夜のことだった。「お兄ちゃん、入ってもいい、………?」彼女にしては少し遅い9時過ぎに、妹は部屋にやって来た。「春か、………おいで。」「お勉強中だった?」「大丈夫、ちょうど今キリが良いところまで終わったから。」「ほんとに?」「まぁ嘘だけど、遠慮せずに入っておいで。」「ごめんね、おじゃまします。」そう言って入ってきた妹を見て、俺は少なからず狼狽えた。彼女がいつもハリー・ポッターの松岡訳を持ってくることは言った。けれどもその日は本ではなく、いつか病院で処方された塗り薬が携えられていたのであった。「お兄ちゃんにお薬を塗ってほしいの。」………そう彼女は言った。「………鍵をかけてこっちにおいで。」俺は読みかけの本を閉じた。カチリという音はすぐに聞こえてきた。大人しく従うということ、妹は理解してこの部屋にやって来たのである。目の前に立った彼女を、俺は見つめた。「服を脱いでごらん。」妹は小さく頷く。裾に手をかけ、ゆっくりと寝間着を脱いでいく。―――「ブラジャー、だいぶきつくなってきたな。」「だって、もうY カップもあるんだもん。ブラなんてもう外国にだって無いかも、………あっ!」「どうした?」「ホックが、………。」「お兄ちゃんが外してあげる。」と、俺は背中に腕を回して外してあげた。ホックが外れると、ブラジャーはすぐに彼女の足元に落ちた。あのY  カップだと言った妹のおっぱいが目の前に現れる。「お兄ちゃん、どう? 私のおっぱい、こんなに大きくなっちゃった。」「すごいな、春の顔が小さく見える。」「お兄ちゃんの顔も小さく見えるよ。倍くらい大きいかも。」「さすがにそんなにはないだろ。触ってもいいか?」「どうぞ。―――」俺がおっぱいに触れた時、妹はビクッと体を震わせた。だが嫌がっている様子はなかった。びっくりしただけのようだった。そして、もっと触って欲しそうにもたれ掛かってきた。「お兄ちゃん、私、―――。」その後、俺は妹の胸に薬を塗ってから今日の出来事を日記にしたためた。主に運動会のことについて書いて、妹が部屋にやって来てからのことは書かなかった。俺が日記帳を閉じた時、時刻は既に12時を過ぎていた。妹は静かに眠っていた。嘘のように可愛いかった。こんなに小さな体をしていたとは思わなかった。「ごめんな、春は痛かったろう。明日はゆっくりしてな。」俺は明かりを消して妹の傍に臥した。翌日、学校から帰ってくると机の上に一通の手紙があった。内容は俺への感謝の気持ち、友達のこと先生のこと、自分の胸のこと、そして運動会への悔しさと、―――11月にあるマラソン大会では絶対に走りたいという思い。それらが妹の綺麗な字で綴られていた。「お兄ちゃん、いつも私のおっぱいを心配してくれてありがとう。とってもうれしいです。これからもよろしくお願いします。小春より。」俺はマラソン大会に少しく不安を感じながら、同じように返信を手紙に書いた。そしていつか買っておいたふくろうのぬいぐるみと共に、妹の机の上に置いた。
(―――だいぶ長く続く―――)
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honyade · 4 years
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瞑想ティーチャー渡邊愛子さんによる最強の瞑想体験付きセミナー&サイン会 新刊『願望実現3.0』(大和出版)刊行記念
「世界のエリートはなぜ瞑想をするのか」著者であり、米国チョプラセンター認定 瞑想ティーチャー渡邊愛子さん5冊目の『最強の人生がやってくる願望実現3.0』。 バレンタインの夜に「恋愛成就」や「良好なパートナーシップ」も含めて「最強の瞑想法」と共に願いを叶えて行くコツをレクチャーします。
セミナー内容は「最強の瞑想法の背景と理論」「意図と願望リストの書き方」「瞑想の指導~瞑想体験」「恋愛成就と良好なパートナーシップへの近道」で、約30頁のテキストをお持ち帰り頂ける予定です。
セミナー参加者で、新刊『最強の人生がやってくる願望実現3.0』をお買い上げ(またはご持参)頂いた方にはセミナーの前後(18:30~18:50 / 20:30~21:00) にサイン会も実施いたします。
【プロフィール】 渡邊愛子 IT企業のシステム構築部門ディレクターとして海外26拠点に導入中に、米国で瞑想に出会う。 2006年にウェルビーイングのための株式会社ボディ・マインド・スピリットを設立して世界トップリーダーのメンター、ディーパック・チョプラ氏の日本窓口となる。 瞑想ワークショップに累計1万人超を動員、自身が提供する「原初音瞑想講座」の受講者は4,000名を超え、Amazonから「日本の瞑想の第一人者」と称される。 主な著書に『世界のエリートはなぜ瞑想をするのか』(フォレスト出版)、『運のよさは瞑想でつくる』(PHP 研究所)、『マンガで実践!世界のハイパフォーマーがやっている「最強の瞑想法」』(大和出版)などがある。
渡邊愛子オフィシャルウェブサイト LINE@「アイコ先生と瞑想」@aikomeisou
【参加費】 セミナーテキスト付チケット:3,000円(税込)
【申し込み方法】 梅田 蔦屋書店オンラインショッピングにてお申し込みください。※オンラインショッピングでは決済のみとなり、チケットの発送はございません。イベント当日にお渡しします。
【注意事項】 ・本イベントはECのみでの販売です。店頭販売はございません。 ・お座席は自由席です。会場にお越しの順にお入りいただきます。 ・会場でのお飲み物は9Fでお買上げの商品のみとさせていただいております。 (お食事はご遠慮下さい) ・録音・録画はご遠慮頂いております。 ・お客様ご都合によるキャンセルは承っておりません。予め御了承ください。 ・本イベントはECのご購入でTポイント対象となります。 ・お子様の価格設定はございません。大人と同じように席を有する場合は大人と同額を頂戴いたします。(お子様は小学校3年生以上とさせて頂きます)
会期 / 2020年02月14日(金) 時間 / 19:00~21:00(開場18:30) 場所 / 梅田 蔦屋書店 店内 4thラウンジ 定員 / 80名 講師/ゲスト / 渡邊愛子 主催 / 梅田 蔦屋書店 共催・協力 / 株式会社ボディ・マインド・スピリット 問い合わせ先 / [email protected]
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0056etf · 5 years
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劉裕第一次見到陳燁的時候就給他留下了深刻的印象。 那還是一年前,商都各大報紙都刊登了一篇以《女出納身手不凡,勇擒持刀殫歹徒》的文章,說的是時任明星集團東關分公司出納員的陳燁,在同另一名出納去銀行提工資款的時候被搶劫,身懷絕技的陳燁赤手空拳,獨鬥兩名持刀歹徒,最終將兩人全部擒獲。 公司出了這麼一位人物,作為公司董事長的劉裕當然要親自出面表彰,於是,陳燁便被請到了他的辦公室。 陳燁那天穿著一身剪裁合體的西裝套裙,腳上是黑色的高跟皮鞋。雖然衣服的質地很一般,款式也很傳統,但天生麗質的她,卻仍然讓人感到耳目一新。 她的皮膚很白嫩,鴨蛋形的臉,直直的鼻樑,彎彎的眼睛。她的個子大概有一米六五左右,算不上高,但十分苗條。也許是因為經常鍛練的緣故,她的身體不像一般功條女孩子那樣瘦弱,活身上下充滿了活力。劉裕沒好意思盯著她看,但兩隻眼睛卻不由自主地從她那兩條圓潤修的小腿和一雙玉足上溜,好在那裡也不是什麼要緊的部位,否則,搞不好要讓人家感到很不自在呢。 代表總公司給陳燁發了獎金,又說了一些冠冕堂皇的鼓勵的話,然後請她坐下,慢慢地拉一拉家常。董事長嘛,要關心職工生活的每一個細節。 「你能赤手空拳獨鬥兩個歹徒,武功一定不凡,是從哪兒學的?空手道?殆拳道?」 「都不是,我家是祖傳的功夫,從小跟爸爸學的,一直沒丟下過。」 「難怪。怎麼不參加過比賽?」 「小學參加過一次我們市的比賽,得了女子長拳和劍術冠軍,後來我爸爸說,練武練得再好,最多也就是當當教練、拍拍武打片兒,沒什麼出息,不如上大學,所以就沒叫我再參加比賽。」 「我說你的檔案上怎麼沒提你會武這件事呢。練武辛苦吧?」 「那當然,一天都不能停,一放下手就生。」 「哦。我看過你的檔案,你是從女子學院畢業的,學的是高級文秘專業,怎麼沒有當秘書呢?」 「我也不知道,我在從前那幾個公司都是當總經理秘書。」 「掙得多嗎?」 「一開始幾家都是小公司,沒什麼實力,收入一般般,但我覺得沒什麼發展前途,於是就辭了。最後那家收入高得多,公司也大。」 「那為什麼不幹了。」 「那個總經理需要的不是秘書。」 「我明白了。」那個傢伙要的一定是情婦:「所以你就到我們分公司來當出納?」 「本來我也是被劉經理聘來當經理秘書的,可幹了一個月,分公司人事部的楊部長就來找我,說財務部���要一個出納,收入要比秘書高一倍。她叫我自己選擇,要麼去財務部,要麼就走人,我一想,當什麼還不都一樣,只要掙得多就行了,再說,我們文秘專業的財會也是必修課,所以就去了。」 「原來是這樣。」劉裕明白了。分公司那個劉勘是個出了名的老豬哥,而他們人事部的那個楊潔是劉勘老婆的同學,自然不放心這樣一個美人兒守在朋友丈夫的身邊嘍。 「不過,你當出納實在是太委屈了。如果調你到總公司來,你願不願意幹?」 「到總公司?要我幹什麼?」 「總公司辦公室正需要一個副主任。」 「副主任?」 「其實主要的工作都是與文秘有關的,下面帶五、六個秘書,你是文秘專業的,又有實踐經驗,我看你能行,收入當然會比現在高。但我不能作更多的保證,幹與不幹,幹得了幹不了還在你自己,你好好考慮考慮。」 「既然董事長信任我,我相信我一定能幹好!」 「好!我給你寫個條兒,等下你就去總公司人力資源部報到。」 「是!董事長,我一定不辜負您的信任!」 「嗯。不過,以後別您啊您的,我比您大不了多少。」 陳燁就這樣來到了總公司。 她是個能幹的女孩兒,雖然女秘書們對她因為一次突發事件而獲得如此快速的升職感到嫉妒,但經過兩個來月的共事,她們也不得不在心裡佩服她的能力。 不久,陳燁便又改任公關部經理。 陳燁在總公司當副主任的時候,她的辦公桌就在去董事長辦公室的必經之路上,所以每天劉裕都要從她的身邊經過。 陳燁發現董事長劉裕是個不太愛說話的人,總是匆匆來匆匆去,除了在辦公室裡和靄地回應員工們的問候外,幾乎很少停下來同誰說話,經過自己身邊的時候,也總是眼觀鼻,鼻觀口,目不斜視,但她的第六感觀告訴她,董事長其實一直都在注意著自己的一舉一動。 劉裕是個年近四旬的人,白淨的面皮,文質彬彬,除了沒有眼鏡,從哪兒看都像是個作學問的人,而根本不像是本市最有實力的大老闆。 陳燁對自己的容貌、身材、氣質和修養都是很有信心的,如果參加選美比賽,不敢說一定是冠軍,但入圍全國十佳恐怕不難。以這樣的條件,被男人或明或暗地注意自己是毫不奇怪的,就算有什麼非份之想,那也很正常。 其實,不僅僅是董事長,就是同在一個辦公室裡的同事們,甚至在公司裡遇到的每一個人,只要他下面那個地方比女人多出一截兒,就都會有意無意地在背後多看上自己一眼,而自己辦事也向來容易,這大概就是美麗的價值。她暗想,如果這些男人當中讓自己選一個,那應該選誰呢? 劉裕毫無疑問是應該列入目標之一的,他的地位和經濟實力毋庸質疑,而從各方面的瞭解也可看出,他是個用情很專的人。他的亡妻原本是他大學的同學,五年前因病去世了,那個時候他的公司還在困境中掙扎,在後來的這五年多時間裡,他從沒有象多數有錢人那樣到處留情。她甚至聽說他一直在家裡保留著妻子生前的樣子。這樣一個男人,當然應該是女人最鍾情的對象。 陳燁升任公關經理以後,不再需要坐在大辦公室裡經受男人們的目光,她有了自己的辦公室,但從此與董事長的關係更近了,因為她現在已經進入了公司的核心,重大業務總是少不了公關的。為了業務的需要,陳燁開始頻頻被董事長招去,也許是因為混熟了的原因,她發現劉裕其實還是十分健談的。 陳燁是到本市來打工的,在本地沒有家,租了一處民房居住。當上經理以後,因為工作的需要,經常要晚上加班。有一次陪劉裕去見客戶,回去得很晚,劉裕便開車送她回住所。兩個人在路上聊了許多,談得十分投機,陳燁這才發現,劉裕的內心深處其實是個十分需要關懷的人。 以後,這樣的機會便越來越多,陳燁明顯感到劉裕對她是有想法的。 時間過得很快,轉眼之間,陳燁已經在公關部幹了半年多,這一天,她又同劉裕去見一位客戶。在地下車庫裡,兩個人��剛下車,便有四、五個手持尖刀的男人撲上來,把他們兩個團團圍住。 「你們想幹什麼?」劉裕問。 「沒什麼,兄弟們缺錢花了,想請兩位走一趟,幫我們弄個十萬八萬的花花。」 「十萬八萬的?不多。不過,你們找錯了人了。知道我是誰嗎?」 「不知道,我們只知道錢是誰。快點兒拿錢,不然我們手裡的傢伙可是喝血的。」 陳燁感到現在該自己出來了:「瞎了你們的狗眼。也不看看我們是誰。知道嗎,這位就是明星集團的劉董事長,想在這兒討便宜,也不想想自己拿了錢能不能出得了這座城,也不想想你們幾個廢物有沒有這個福氣花。」 「嘿!小妞兒,口氣夠大的呀!老子們走南闖北這麼多年,連全國人大副委員長的家我們都平趟,還不知道誰的錢我們不能花。你們不就是個小小的商業集團嗎?有什麼大不了的。快點兒,老子們等不及了,乖乖跟我們走,不然的話,我們可是連錢帶人都要。」 「混蛋!你們敢對我身邊的女士不尊重,有你們好看的。」 「肏!這兩個傻屄鐵公雞,要錢不要命,那就怪不得咱們了,哥兒幾個,上!」 四個人剛要往上衝,陳燁突然說:「等等!」 「怎麼?想通啦?」 「想跟我們老闆動手?你們不是對手,不過,我們老闆可不想弄髒了手,我來打發你們。」 「小妞兒,真狂啊。既然你自己作死,可別怪我們不客氣,等會兒把你逮住了,讓你好好嘗一頓肉槓子!」 說著,四個人讓過退向牆邊的劉裕,「忽啦」一下子向陳燁撲了過來。 劉裕還是第一次看見陳燁的身手,真不是蓋的。 幾乎沒見她擺什麼架勢,人斜著一上步,讓過捅來的一刀,一抬腿,膝蓋已經頂在那傢伙的襠下,「嗷」的一聲,人已經扔了刀,倒在地上打起滾來;陳燁向後一退,同時躲開左右兩個人的攻擊,略一蹲身,將背後的一把刀從肩頭讓過,胳膊肘兒已經猛撞在那小子的肋杈子上,頓時折了兩根肋骨,窩在地上也動不了了;此時,被讓過的另兩個傢伙一同轉身攻向幾乎不可能再躲閃的陳燁,但她卻平地躍起,生生從他們的頭頂上踩過去落在他們的背後,不容他們轉身,她已經一手一個切在他們的後頸部,兩人一聲沒吭,「撲哧」一下子趴在地上不動了。 陳燁把四個人的刀都踢到一邊,然後回到劉裕身邊,站在那裡,等著四個人慢慢恢復神智。 「怎麼樣董事長?報警吧。」 「別別別!這位老闆,這位姑奶奶,我們服了。我們混這碗飯吃也不容易,千萬別報警,我們今生今世也不忘你們兩位的大恩。」 「我看算了,饒了他們吧。」劉裕徵求陳燁的意見。 「現在饒過他們,以後他們再找機會沖您下手怎麼辦?」 「不是還有你嗎?再說,我那兩下子也不見得就比你含糊,諒他們也不敢。」 「那倒也是。不過,我還是對他們不放心。」 「哎,姑奶奶,您就是我奶奶!我們哥們兒是道上人,一向知道規矩,說話算話。我們今兒個從這裡出去,再不敢沾商都的地面。」 「董事長,您看……」 「多一個朋友多一條路,多一個仇人多一堵牆。我看,就這樣把。」 「嘿,我們老闆說饒了你們,還不趕緊滾?!」 「哎,謝謝老闆,謝謝姑奶奶。」 「等等。」劉裕叫住他們:「我看你們也不容易,喏,這是十萬現金支票,拿去花吧。」劉裕伸手掏出支票本兒,嘩啦嘩啦填好,遞給他們。 「哎哎哎,劉老闆,這就不對了。您今天放過我們,那就是天大的恩惠了,我們再混蛋,也不能再要您一分錢哪。」 「不必客氣,交個朋友嗎。其實十萬八萬的對我來說本來也不算什麼,可是你們不應該用這種辦法要錢。下次再缺錢花言語一聲。拿著!」 「那我們就不客氣了。您記著,我們號稱沈興四虎,你們要是有機會到沈興,無論有什麼需要,只要一提我們哥們兒的名字,一定給您擺平。哥兒幾個,走!」 「董事長,放了他們不是給您自己留禍根嗎?」離開車庫的時候,陳燁不解地問道。 「嗨,你不知道,對這些人,你不能把事情做得太絕。把他們送到公安局,綁架未遂,也判不了幾年,以後出來了,乾脆弄把槍來,那時候把咱們兩個綁一塊兒也沒有辦法對付。再說,明槍易躲,暗箭難防,你知道他們會用什麼法子整你。所以,得饒人處且饒人,別給自己添仇人。」 「還是您有經驗。」 「那是,我比你大著這麼多歲呢,在社會上也比你混的長,經驗當然要多一些嘍。不過,你那幾下子還真是不含糊,我還沒看明白呢,他們四個就都給撂倒了,看來我真沒白叫你當公關經理,以後出門兒還真得帶著你保駕,不然再碰上這種事兒,剩我一個人可就拉稀了。」 「您剛才不是說您那兩下子不比我含糊嗎?」 「那是說給他們聽的。其實,我最多也就是進進健身房,多舉幾次啞鈴而已,打架的事兒,從小就沒沾過,更不用說人家還拿著刀子了。」 「敢情您用的是空城計呀?」 「空城計還有兩個老軍呢,我連個諸葛亮準備自殺的寶劍都沒有。哈哈哈哈!」劉裕大笑起來,陳燁被他感染,也跟著笑起來。 「不過,說正格的,我自己還真保不了自己,你要是願意,不如乾脆給我當保鏢吧,要不然哪天我一個人出來碰上什麼事兒,還真不行。」 「行。只要董事長有需要,我一定滿足。」 陳燁當上了董事長助理,辦公室就在董事長劉裕的隔壁。表面上看這是個管理崗位,而且獨自享用一間辦公室,其實是私人秘書兼保鏢。 雖然劉裕雇了個年輕漂亮的姑娘當秘書兼保鏢,但卻極少有人往那個方面去想,因為公司裡的人都知道劉裕是個生活很嚴謹的人,不會拈花惹草。再說,就算真的拈花惹草,人家兩個現在都是孤身一人,那還不是人家的自由?!至少那些嫉妒陳燁的女人們放了心,因為公關部經理的位置上又空了,如果不是因為她的陞遷,又有哪一個女人自信有本事同她競爭呢。 既然是保鏢,陳燁便自然而然地住到了劉裕的家裡。 劉裕的住宅很大,是座落在西山風景區裡的一個獨立院落,院子裡的主體建築是一座兩層小樓。劉裕的家托一位管家照管,那是他的遠房叔叔,還有四個女傭負責打掃衛生,廚房則有一位專業廚師照管。除了這些傭人外,就是四個保安了,他們也都是劉裕從老家帶來的親戚,對他忠心耿耿。 當然,還有一位司機老王,專門負責關照劉裕的兩台車,一輛是白色的加長卡迪拉克,另一輛是黑色的大奔。劉裕平時坐那輛大奔,大卡陳燁以前從未見過,大概只有大場面才用。 小樓兩側各有幾間平房,建築風格上與小樓一樣,看得出是一開始就有的,女僕們都住在平房裡。 小樓的一層是大廳、餐廳、會客室和小會議室等設施,二層有八間臥室。劉裕自己住最東邊那間大的,另一個男保鏢湯和平同司機老王住在他隔壁的小間裡,管家住最西邊一間小的,四個保安住在守著樓梯口的兩間小的,其餘四間是客房。陳燁是保鏢,就住在管家隔壁的客房裡。 每個家都有每個家的規矩,劉裕是位大董事長,自然規矩更多些。老管家領著她熟悉環境,除了董事長的臥室都讓她看了。老管家告訴他,董事長不喜歡別人打擾他,在家裡,他的安全由保安負責,只有離開家的時候,她才可以跟著。她每天早晨練武可以去院後的小樹林,董事長早鍛練另有人跟著,不用她陪。另外,董事長的臥室是他自己的地方,不經招呼,任何人都不能進入。 陳燁明白,作為董事長,總有許多事情要作,而且,會有許多事情不希望別人知道,自己雖然已經是他的保鏢,但還沒有到登堂入室的地步,所以最好的作法就是要遵守規矩。 每天,當劉裕出門的時候,都是湯和平同劉裕坐在後排,陳燁坐在助手席上。到了公司,湯和平同老王就在汽車庫休息,而陳燁陪劉裕上樓,送劉裕進他自己的辦公室,看到沒有什麼異常後,陳燁才回到自己的辦公室。出門的時候,陳燁和湯和平也都跟著,但到不同的地方,兩個保鏢則只有一個跟著,另一個坐在車裡守候著。一般情況下,去公開的和比較正式的場合,當然要花朵兒一般的陳燁陪著,而需要陪客戶去什麼歌舞廳、夜總會之流的地方,就是湯和平跟著,因為姑娘家在那種地方總是不太方便。 劉裕是市人大代表,跟著他,陳燁認識了許多人,而且都是商都知名人士,有政界要人,商界名家,還有公、檢、法的頭頭腦腦們,結識他們,就等於掌握了整個兒商都城。 客人們當中雖然也有不少是老豬哥一流的人物,不過似乎都知道陳燁並不簡簡單單的是劉裕的女秘書,所以雖然忍不住多看上她兩眼,卻沒有人敢當著劉裕的面說葷話。 等著劉裕應酬客戶的時候,陳燁就同老王閒聊。老王三十二歲,一看就是個老實人,他原先是一家國營工廠的汽車班長,技術過硬,開車很穩,當上劉裕的司機已經七年了。當年公司最背的時候,劉裕為了把瀕臨倒閉的公司維持下去,把自己的房子抵押出去,同妻子一起啃方便麵。可就是那個時候,老王的老婆得了肺癌,開刀花了五萬多,放療化療一折騰,治療費也是萬字級的,一個開車的,能有幾個萬吶?劉裕沒等老王開口,悄悄一張支票把醫藥費都交了。雖然後來老王的老婆還是死了,但臨死前一再叮囑老王,決不能忘記董事長的恩情,就是再苦再難,哪怕赴湯蹈火,也要跟定了他。 老王還告訴陳燁,凡是董事長身邊的人,沒有幾個沒受過他的恩惠的。連打掃衛生的那幾個女僕也都是他從死亡的邊緣給救下來的。 還有,老王告訴她,別看董事長經常出入這些聲色犬馬的場所,那都是為了客人,他自己最多就是唱唱歌兒,一個小姐也沒要過。 老王感覺得出董事長對陳燁有點兒意思,他很希望董事長能從夫人去世的陰影出走出來,過上正常人的生活,他很鄭重地告誡陳燁說:「董事長是個大好人,你一定要好好待他,需要錢的話只管向他要,他這個人從不摳摳索索,但決不要欺騙他的感情。」 「老王,看你說的。同董事長的夫人比,我就像鳳凰跟前的一隻土雞,董事長怎麼會看上我一個小保鏢呢?再說,他對我這麼關照,把我從一個小出納提拔到現在的位置上,我感激他還來不及呢,怎麼還會欺騙他?」 「董事長如果選夫人,以你的相貌和才幹,一定不會再有第二個能被他看上的。如果他沒有這個意思也就罷了。如果有,你不願意就直說,可別拿他開涮。」 「怎麼會?」 「不會最好。你知道,我們都是受過董事長大恩的人,決不允許任何人傷害他,如果有人這麼做了,我們隨便哪一個人都不會饒過他的。」 「老王,看你,說什麼呢?好像我就是那個大罪人似的。」 「對不起,你是新來的,所以我才多兩句嘴。你就當我沒說。」 「不,我明白,你是好意。」 於是,陳燁對劉裕有了更深一層的瞭解。 該來的總是要來的。 那天晚上,劉裕陪客人吃飯喝多了些酒,被湯和平和陳燁兩個攙回了臥室。 劉裕躺在床上,叫湯和平和陳燁回去休息,陳燁剛到門口,他又讓她去給弄點兒茶來。 自打進了劉宅,陳燁這還是第一次進入劉裕的臥室,只見裡面佈置得十分雅致,卻也非常簡樸,看得出女主人去了之後,再沒有改變過。牆上掛著一幅很大的結婚照,窗邊的桌子上擺著劉裕前妻的藝術照。 他的前妻很美,也讓人感到十分親切。 劉裕半仰著,欠著身子,伸手來接陳燁手裡的茶,陳燁急忙過去把他扶著坐起來,坐在床邊,在後面戕著他。劉裕說了句:「謝謝。」卻沒有拒絕。 他就著陳燁的手裡慢慢喝著茶,打了幾個充滿酒氣的飽嗝,臉紅紅的,與平時的形象完全不同。 「謝謝你小陳。」他說:「以前我喝多了,徐茗也是這樣餵我喝茶的。」 陳燁的心裡撲通通直跳。 「你是第一次來這屋吧?」 「是。」 「這屋子已經七年沒變過了,這是她親自佈置的,我一直保留著原來的樣子。」 「她很美。」 「是啊。但更賢惠。我的父母都說她賢惠。真的。」 「我看得出來。你很愛她。」 「對,愛得抓狂。我同她從上大學開始就在一起,一直到她離開,我們從來沒有發生過任何不愉快的事情。那個時候,公司遇上了嚴重的財務危機,負債纍纍,都快經營不下去了,可偏偏在那個時候,她得了腎炎,為了怕我……,她拖了好長時間都沒有去醫院治病,後來轉了尿毒症,一直到昏倒了我才知道。那時正是公司最困難的時候,她不願意讓我把錢都花在醫療費上,經常背著我停藥,還不按時去透析,最後……最後那一次暈倒後,她在醫院醒來,握著我的手說:我知道我的病,是沒有希望的,你不應該把錢花在這上面。公司是咱們兩個共同的事業,我寧願死,也不願意它垮掉。別再為我白花錢了,我要你向我保證,無論如何,你也要把公司搞下去,而且要搞成全商都最好的企業,那時,我死也瞑目了。後來,她趁沒人的時候,把所有的管子和針都拔了……我接到醫院的通知去看她的時候,她就那麼看著我,臉上還帶著笑,她還給我留了個條子,讓我別總想著她,要好好過日子,要找一個愛我的女人,幫著我……,幫著我……」 劉裕突然緊緊抓住了陳燁的手,眼淚嘩啦啦地流著,泣不成聲了。 陳燁輕輕把他的頭攬在自己的懷裡,撫摸著他的頭髮,她自己也悄悄地掉下了眼淚。 第二天早晨,劉裕看見陳燁時臉有些紅,陳燁在心裡感到好笑,同時也升起了一種異樣的情感。 中午劉裕請陳燁去飯店吃飯,這是他第一次單獨同她在一起進餐,沒有老王,也沒有湯和平。他們天南地北地聊,誰也沒有去碰那敏感的話題,但都很高興。 以後的午餐,也大多是劉裕同陳燁單獨在一起吃,他們越聊越近了。 那一天,劉裕又喝醉了,同樣要陳燁給他倒茶,喝完之後,劉裕趁著酒勁兒一把把陳燁拉倒在他的床上。 「阿燁,我愛你,是你在阿茗之後,重新喚醒了我的感情。我要你。」說著,他便倒在她的身邊,一邊沒頭沒腦地去親吻她的嘴唇,一邊把上邊的手去撫她的胸。 「別,董事長,別這樣。」陳燁用力陰擋著他的手「阿燁,別拒絕我,我想要。」他仍然半壓住她的身體,伸出的手被她的胳膊攔住,於是便順勢下滑,去解她牛仔褲的扣子。 「不!」陳燁使出吃奶的勁兒把他推開,一下子從床的另一邊跳下來,站在地上,一手握住已經被解開的褲扣,一邊非常嚴肅地看著他: 「董事長,你冷靜點兒!如果你想要我,就正爾八經地追。我是個很傳統的人,不到結婚那天,我是決不會讓人動我的��」 「啊,啊,啊阿。」劉裕吃了一驚,酒一下子醒了一半:「對不起,我剛才對你做了什麼?做了什麼?」 「你什麼也沒做。」 「不對,我好像是說過要追你。」 「說過嗎?」 「我不知道,但我心裡是這麼想的。」 「這是真的?」 「真的。」 「那我也說真的,你什麼都沒做。」 劉裕不再隱瞞自己的願望了,他正式向陳燁提出了交友的要求,陳燁想了想,答應了。 好日子過得飛快,只一眨眼便是好幾個月。 這期間,劉裕開始讓陳燁替他去經手一些具體的生意,她漸漸瞭解了明星集團下的所有分公司和經理們,也完全融入了劉裕的生活中。 這些天劉裕有些忙,不去公司了,因為家裡頻頻有人造訪。有市委正副書記、正副市長、市中檢和市中法的院長、市公安局的正、副局長,都是重量級的人物,明星集團的一些分公司經理也紛紛到別墅來,與劉裕商量事情,他們在會客室裡密談,所有人都退到外面。 他們談了些什麼,陳燁無從得知,不過,每個人的臉上都很緊張,看得出是發生了什麼大事。 終於有一天,劉裕正在臥室裡坐著,湯和平同陳燁站在臥室門外,老王急匆匆走上樓來,說有重要的事情找董事長。 這一次陳燁聽見了,老王說:「董事長,公安局的黃隊長剛剛給我的手機發了四個九的短信,讓您趕快走。」 「好吧,那就走。」 劉裕從屋裡出來,對湯和平說:「咱們走吧。」 陳燁在後面跟著下了樓,劉裕回頭對她說:「你就別去了,我不想把你給攪在裡面,你並沒有直接參與什麼,只要一切推說不知道,就不會把你怎麼樣。」 「不,我要去,我要一直跟著你,保護你。」 「你是個女人,我不願意你跟著我受連累。」 「不,我願意,我不怕受連累。」 劉裕看了他好長時間,然後點了一下頭:「那走吧。」 「好,我去收拾東西。」 「哎呀,姑奶奶,這種時候,收拾什麼東西呀?帶上錢,需要什麼買就是了。抓緊時間,趕快走!」老王急忙攔住要返身上樓的她。 四個人魚貫而出,正要上車,湯和平的手機又響了。 「什麼!警車已經到城根西口了?好,繼續監視!董事長,怎麼辦,要是出去,正好同警車迎面碰上。」 「那也得走!」 老王說:「沒關係,和平,你們同董事長坐大卡,那輛車知道的人不多。我開大奔先出去,你們遠遠跟著,看見我把警車引開了,你們趕快過。」 「好!快走!」 陳燁跟著劉裕坐在大卡的後面,湯和平坐在駕駛席上。看著老王把大奔開出去,這才慢慢開出,同老王保持著四、五百米的距離。 這條路出去大約一公里多一點兒就是丁字路口,遠遠的,已經看到警車的頂燈從右邊向路口開過來。 老王的車比警車先一步到了路口,向左一拐,飛快地開走了。四、五輛已經打著左轉燈的警車則馬上改變了計劃,逕直從路口開了過去。 湯和平看見,腳下一給沒,大卡象離弦的箭一樣向前衝去。 「停車!快!」 湯和平從後視鏡裡看到了陳燁的手槍。 「你!你要幹什麼?你哪來的槍?」劉裕驚愕地看著陳燁。 「停車!」 「停車。」大卡在路口右轉,開了不到一公里,不得不停下車。 「劉裕,你去自首吧!爭取寬大處理。」 「你說什麼?」 「你去自首吧,按你的案情,是有機會寬大處理的。」 「你到底是幹什麼的?」 「我是省廳的刑警,到商都來是奉命調查明星集團走私案的。劉裕,你的情況我們都已經掌握了,你是逃不掉的。」 「原來是這樣!」劉裕沒有想到,自己在妻子死後第一次對女人動心,就栽到了女人的手裡:「陳燁。你騙了我。」他痛苦地搖著頭。 「對不起,我是警察,這是我的職責。」陳燁的眼睛紅了,淚水從眼眶裡湧出來:「我知道你不是沒有人性的惡魔,我不希望看到你走上死路。你快自首吧,你還沒有到不可救藥的程度。自首是你唯一的出路哇。」 「陳燁。你背叛了我,我不怨你,你也是盡自己的責任。但我不能坐牢,就是死,我也不能讓人家象耍猴兒一樣拉到法庭上去。我求你,放過我吧,我遠走高飛,不再回來了。」 「不!」 「那你就開槍吧!打死我吧!」他伸手抓住她拿槍的手,抵在自己的心窩上。 「不!」陳燁搖著頭,淚水把眼睛都糊住了。 「那就把槍給我。」劉裕掰開她的手,把槍拿過來。 她突然明白過來,伸手去搶槍:「不,你們不能走,跟我去自首。」 「董事長,別根她磨蹭了,快走吧,要不來不及了。」湯和平說道,遠處已經傳來警笛聲。湯和平一腳轉在油門上,車突然向前衝去。 陳燁一下子倒在後座上,她又馬上爬起來,伸走去鎖湯和平的脖子。 「賤女人!我已經夠寬容的了,還不老實。」劉裕大怒,一把把她拖回來。 陳燁現在顧不了那麼多了,她一回手去扭劉裕的手腕子,然而這一次她卻吃驚地發現,原來劉裕對她藏了拙,因為他不僅僅只是舉舉亞鈴那麼簡單,他竟然是個武林行家,輕鬆地化解了陳燁的擒拿手,一翻腕,反而把她給扭住了。 兩個人在車後座上開始了一場奇特的拚鬥。一個是警校的女子散打冠軍,一個是深不露的武術高手,在兩平米不到的皮車座上扭在一起。 湯和平顧不上看他們打鬥。他往前走了不足兩公里,便向右拐上一條鄉間公路,飛也似地開了進去。 警車的聲音漸漸遠去,陳燁更急了,她拚命地扭動著,企圖把劉裕抓住,但在這狹小的空間裡,女人實在是太弱了。 一直到再也聽不到警車的聲音,又開了七、八公里,湯和平把車停下來,然後下車打開後門,這一次陳燁吃不住勁了,很快便被劉裕面朝下壓在車座上,雙手被扭到了背後。湯和平從車的工具箱裡拿出一把手銬來,把陳燁給反銬起來。 「把她放在這兒吧,咱們走。」 「董事長,留著她,事情急了是個擋箭牌。」 「那好吧,快走!」 「劉裕,你不要越走越遠啊!別這麼傻,快去自首吧,你會得到寬大的。」 「你閉嘴!再說我就勒死你!」 「勒死我我也要說。跟你一年多,看到你對身邊的人,對周圍的市民,還有那些失學的孩子們都是那麼好,我看得出你不是個惡魔,是個心地善良的人。可你為什麼要犯法?為什麼要行賄?為什麼要走私啊?」 「哈哈哈哈!好人?心地善良?」劉裕眼淚都流出來了:「我願意犯法嗎?我願意走私嗎?可我不幹行嗎?我答應過我太太,要把公司維持下去。公司裡有幾千名員工,在我最終困難的時候,一分錢的工資都不要,死心塌地地跟著我幹,我能讓他們全家老小去喝西北風嗎?!犯法?行賄?走私?我過去不犯法,可我的公司差一點就垮了。我過去不行賄,可是個帶箍兒的帶帽兒的就來下罰單,三輛汽車每天至少有兩輛在趴人家交通隊。我過去不走私,可不走私怎麼養得起這上萬的員工?你說呀!這能怨我嗎?!」 「君子愛財,取之有道。別的人不幹這些違法的事,難道就都不活了嗎?」 「別人用得著養活上萬人嗎?沒有我在這裡支撐著,誰來為商都的失業大軍解決就業?如果我不違法,那些不違法而活著的人吃什麼喝什麼?」 「你這是歪理!這就是你犯法的理由嗎?」 「那我為什麼?我一個人住得了上百棟高樓嗎?我一個人吃得下幾萬噸糧食嗎?我要那些幹什麼用?」 「董事長,別跟她廢話了,這些她都不懂。」湯和平在前面說:「咱們得想想現在怎麼辦,我剛才往山下邊看,見那幾輛警車又跟上來了。」 「哦!是誰告訴他們咱們的去向?」劉裕從車窗向外看了一眼:「是老王?不會,老王這個人我是知道的,就算把他的屎打出來都不會出賣我。」 「那就只有她了!」 「誰?」 「你身邊的這位。」 「她怎麼會知道咱們去哪兒?」 「她不知道,可她身上既然能藏槍,難道不能藏跟蹤器嗎?」 「我怎麼沒想到這一層。跟蹤器在哪兒?快交出來!」 「劉裕,別再妄想了,你趕快自首吧,你是跑不掉的。」 「媽的,跟蹤器在哪兒?快告訴我!」劉裕顧不了那麼多了,雙手抓住陳燁胸前的衣服用力搖晃著。 陳燁咬著牙,用力搖了搖頭。 「董事長,把她扔下去就完了。」 「不,我要帶她走,我要讓她同我一起去過富貴的日子。」 「她這麼倔,怎麼會聽你的?」 「我不管,她是我太太死後,唯一讓我動心的女人,我不要扔下她。」 「那咱們也走不了。」 「不怕,我把跟蹤器給她扔下去。」 「她不會告訴你在哪兒的。」 「我把她的衣服全都扔下去!」 「你敢!」陳燁吃了一驚,拚命躲向車的另一側。 劉裕伸手去抓她的肩膀沒抓到,她已經側倒在後座上,頭靠著遠端的車門,企圖用反銬著的手去開車門。劉裕哪能讓她如願,一隻手摟住她的兩隻膝蓋,另一隻手過去抓住她西服上衣的領子,硬是把她拖了回來。 「不要,不要碰我!」陳燁掙扎著,企圖擺脫他,但他牢牢地摟住她的脖子,把她固定在自己身邊,另一隻手則從她的膝蓋中間伸進去,將近處的一條玉跟拖到自己的腿上。他三兩把把她的高跟鞋和絲襪脫下去,露出一條光潔的裸腿和柔軟的纖足,然後又脫另一隻腳上的鞋襪。他把那雙鞋襪從車窗扔出去,然後把手從她的膝頭間再度伸進去,並從西服裙的下面向裡伸去。過去他也經常這樣把手伸進妻子的裙下,妻子總是幸福地靠著他的肩,吁吁地嬌喘著。現在他用同樣的辦法對付身邊的臥底女警,她被迫靠著他,全力的掙扎也使她吁吁地嬌喘。懷中美女的掙扎和喘息,使那股男人特有的願望襲上心頭。劉裕感到身體產生了變化,他迫不及待地把手在她的大腿內側來回撫摸了兩遍,然後直伸進去,觸到了一團軟軟的肉。 「求求你,不要這樣。」見反抗沒有結果,被摸到了敏感部位的陳燁哀求著。 「阿燁!從此往後,你就是我的,我要讓你享盡榮華富貴。」 「我不要。」 劉裕沒有理她的哀求,他用手在裙子下面輕輕感受著這女警的肉體,然後抽出手來,解開她裙子上的扣子,連同她的內褲一齊扒了下來。 陳燁開始低聲啜泣,仍然在用全力反抗著,不住地央求他。但這個時候,獸性戰勝了人性,劉裕兩三把解開她的西服扣子,當胸一把扯開襯衫,又拉掉了她的乳罩。 劉裕抓著她手銬的鏈子把她面朝下按在後座上,從口袋裡掏出一把小瑞士刀,「哧哧」幾刀就把她的西服和襯衫的袖子割開了。 他不知道,她的跟蹤器其實就在她的高跟鞋上,所以為了保險起見,把她的所有衣服都從車窗扔了出去。 車在前方東拐西拐地拐了好幾個岔路,等開上另一個山頭,回頭看見幾輛警車正停在對面山上的岔道口踟躇不前的時候,劉裕和湯和平這才放心。暫時逃脫了追蹤,劉裕這才重新把注意力放回到陳燁的身上。 女警一絲不掛地趴在後座上,窈窕的裸體象和田玉雕一樣光潔滋潤,錚亮的手銬把她的兩手束縛在背後,被他按在她自己那結實的玉臀上。劉裕輕輕捏了捏姑娘的屁股,看著她的菊花門隱約露出,胯下不由挺得直直的。他把後座放倒下來,變成一張睡床,那是加長車的一大優勢。 陳燁見後座被放倒,感到他不僅僅是把自己脫光那麼簡單了,她的臉脹得通紅,哀求的聲音更顯可憐,但連也自己也說不清為什麼,她反而不再掙扎。 劉裕現在已經不知道自己是誰了,他只知道眼前這個女人的身體真美,真誘惑,除了死去的妻子,哪一個女人也沒有讓他如此興奮過。他把她抱起來放上扔一扔,好讓她的身體盡可能多地趴在床上。他慢慢撫摸著她的後腰和臀胯,撫摸著她的玉腿,把玩著她細細的腳腕和兩隻窄窄的腳丫兒。 他把她翻過來,看著她那兩隻頂著鮮紅葡萄珠兒的半球形的乳房隨著車的顛頗而顫動,看著她那細細的腰肢下圓滑的腿胯,看著她那扁平小腹下一個圓圓的生著黑毛的小丘,感到自己已經無法自持,於是脫了衣服,同樣赤裸裸地伏在她的肉體上。 「劉裕,我求你,不要。」她哭出了聲兒。 「阿燁,你是我唯一愛的女人,我一定要得到你。」劉裕說著,低頭銜住她的一顆乳頭,慢慢搖動著頭去刺激她,同時把一條又粗又硬的肉柱從下面伸進她緊夾的兩腿中間,慢慢向上頂去。 她盡量夾緊著自己的腿,直到最終被他的兩腿切入並被迫分開,女人的一切毫無保留地向他敞開。 劉裕用自己的陰莖插在陳燁的兩片陰唇中間,巨大的龜頭前後划動著,連續擠壓和磨擦著女人的陰蒂。她的內心在掙扎,但身體卻沒有反抗,一股熱呼呼的東西從身體的深處悄悄產生,向下湧去。 劉裕感受著了那一股濕漉漉的東西,妻子曾經就是這樣流的。他把龜頭向後劃到底,然後慢慢用力向裡頂去。 她是一個女刑警,凡是有性犯罪案件,向被害人瞭解情況或者是瞭解被害屍體解剖情況大都要由女警來做,所以儘管她還是個處女,對性知識卻比一般的已經婚女子瞭解得還多。她感覺到了那股頂住自己羞恥之門的巨大的壓力,知道女人最寶貴的東西已經被人家抓在了手裡。她想要在最後關頭把自己的貞操奪回來,於是突然拚命地掙扎起來,但男人的身體象山一樣壓住她,使她動彈不了。幾經搔擾之後,終於從下面傳來一陣撕裂的疼痛,一根那麼粗,那麼長,那麼硬的東西深深地插進了自己的下腹,而且男人生著濃濃黑毛的恥骨頂住了自己的陰蒂。 她張開嘴,輕輕地「噢」了一聲,緊接著,男人便動了起來。起初是慢慢的,深深的擠壓,然後速度開始變快,卻退到了洞口附近,最後是象機槍一樣的連續衝擊,而且每一次都深深地頂入她的花芯兒。她就像一隻小船,被狂風惡浪高高地掀起來,又深深地扔下去,自己卻完全沒有抵抗的餘地。 劉裕開始射了,陳燁感到陰道深處那條肉棒有節奏地跳了起來,一股熱呼呼的東西真衝向自己的子宮,她知道,他在自己的土壤中強行種下了他自己種子。 劉裕起身的時候,陳燁依然分著兩腿,靜靜地躺在後座上,一動不動,彷彿死了一樣。她現在已經不在乎把自己的生殖器展示在這個男人面前。她眼睛望著車頂,眼淚順著臉頰流到車座上,輕聲抽泣著。 劉裕把自己的一切焦慮都釋放在陳燁的身上,然後坐起來穿好衣服。當性慾的暴發所導致的瘋狂平靜下來,他感到身邊的女警顯得那麼可憐。 「對不起,阿燁。我實在是太愛你了,我不能讓別人在我之前得到你。你恨我嗎?」 「我恨你!」陳燁哭著吼道,但她的心裡,實在對他恨不起來。 陳燁沒有想到,劉裕竟然早已為自己準備好了逃跑的工具,那是一架袖珍的直升機,也不知道他是從哪裡搞進來的。 湯和平兼直升機的駕駛員,這也是令陳燁非常吃驚的。同時,她也感到了一絲絕望。按照現在國內的飛行管理規定,一次飛行需要層層申報,因此,幾乎沒有可能派直升機來追趕,這也就意味著自己可能會被他們綁架到國外,難道自己真的要成為他性的工具嗎?! 陳燁光著身子坐在直升機後排的座位上,劉裕在旁邊摟著她。他沒有再去動她的性器官,只是摟著她。他們現在都累了,誰也不說話,只有發動機和旋翼隆隆的響聲和著陳燁低聲的啜泣。 「貝爾,貝爾,我們是警察,我命令你馬上降落,馬上降落!」揚聲器裡發出嚴厲的命令聲。 三個人向窗外看去,果然見周圍多了幾架「海豚」直升機,都漆著中國空軍的標誌,機上坐著荷槍實彈的特警。 「臭警察,滾開,放我們出境,我們飛機上有人質,你們不滾開,我們就和她同歸於盡。」湯和平用甚高頻電台向周圍的「海豚」發出危脅。 「劉裕,我警告你,你是跑不掉的,綁架人質只能加重你的罪行。好好想想,希望你趕快降落,放掉人質,向警方投降,爭取寬大處理。」 陳燁的心裡一塊大石頭終於落了地。 「怎麼辦?董事長?」湯和平顯然感到絕望。 「能怎麼辦?降落。」 直升機緩緩降落在一片草地上,「海豚」們也降落在周圍。不久,陣陣警車的聲音傳來,警察和武警把貝爾團團圍在中間。 「和平,你下去自首吧,你只是我的保鏢,對他們說你什麼都沒幹過,他們不會把你怎麼樣的。」 「董事長,那你呢?」 「我能讓他們抓去嗎?」劉裕從上衣口袋裡拿出一隻小遙控器來:「這飛機上不是放了炸藥嗎?足夠我用的了。」 「董事長,你不要……」 「我是個董事長,我怎麼能去坐監獄呢?」 「那我陪你一起死。」 「傻話,和平,一切都是我做的,一切都是我擔著。我死了,一了百了。去吧。」 「不,我生是董事長的人,死是董事長的鬼,我決不會苟且偷生的。」 「你還有老婆孩子呢?」 「劉裕,你為什麼這麼傻?你不需要死,只要你自己爭取,是可以從寬處理的。」陳燁說道。 「我必須死。」 「為什麼?」 「你知道現在有多少人盼著我死嗎?我死了,他們可以繼續過他們的安穩日子,我活著,就會有很多人要掉腦袋。我不想見更多的人死掉,懂嗎?和平,你快走!」 「不!」 「你要還拿我當你的董事長,就給我滾出去!」 「董事長!」 「滾!」 「董事長,你保重!」 湯和平哭著退出機艙。 「記著給我們收屍,把我們埋在一起,那怕只有一塊骨頭。」劉裕補充了一句。 湯和平走了,不一會兒,傳來使用擴音器的聲音:「劉裕,不要犯傻,快把人質放出來,爭取寬大處理!」 劉裕摟著陳燁。陳燁沒有害怕,她靜靜看著劉裕,當警察的,生死本來就懸於一線之間。 劉裕脫了褲子,再一次把陳燁按倒,然後插進去:「死之前,我要最後一次享用你。你永遠是我的,等一會兒我一按電鈕,轟--,可咱們兩個還摟在一起,插在一起,你想躲也躲不開我。」他一手拿著那遙控器,一手扶著座位的靠背,然後用力衝刺。 陳燁感到他激烈地射著精,看到他撐起上身,把那遙控器舉到眼前,她平靜地閉上了秀目……她等了很久,直到陰道裡的那條肉棒已經軟得像一條死蛇,不得不退了出去。 她睜開眼睛,看到劉裕愣愣地舉著那遙控器,遲遲下不了決心。 「劉裕,別傻了,生命是多麼寶富?把遙控器放下吧,你有很多機會的。」 「不。」劉裕從她身上起來:「你走吧。」 「什麼?」 「你走吧,出去讓他們離遠一點兒,我不希望有更多的人死。」 「可你……」 「我說過,我必須死。我剛才只是猶豫,要不要帶著你一起死。現在,一切都該結束了,你走吧。」 「劉裕……」 「快走,趁著我還沒改變主意。」 「我……」 「快走!」 劉裕放陳燁起來,把自己的褲子給她穿上,又把自己的西裝披在她的身上:「對不起,臨死還對你幹了那樣的事,我用生命來賠償你。」他又流淚了。 「不!」陳燁只能說這些了。 劉裕一腳把陳燁從直升機上踹了下去:「快走,叫他們都離開,我不願意看到再多死一個。」 陳燁無奈地跑向警戒線,邊跑邊喊:「都退後,危險!」 ……陳燁騎車走在鄉間公路上。劉裕一死,的確像他所說,許多線索都斷了,很多人因此而逃脫了法律的懲罰。 陳燁因為此案而立了功,受到了表彰,但她卻一點兒也高興不起來。 她發現自己懷孕了,毫無疑問是他的種。 光著身子,穿著一條男人的褲子從飛機裡跑出來,誰都知道發生過什麼事。大家愛護她,都不願意提起那可能讓一個女人背負一輩子的重負,但其實她並沒有感到特別恥辱。不過,停經是無法掩蓋的事實,所以,知情的領導和同事們都勸她趕快把孩子作掉。 但陳燁決定把孩子生下來,她還要叫孩子姓劉。她請了長假,到自己近郊區的姨媽家去住。 現在,她肚子裡的孩子已經三個月了,她剛剛去過醫院,妊娠檢查一切正常。 她自己也說不清楚,對於劉裕,她到底應該愛還是應該恨。也許應該恨,但她就是恨不起來,只是替他感到惋惜。 一輛黑色的帕薩特從對面駛來,在離她不遠的路邊停下。她起初沒有在意,但當老王從駕駛座上走出來的時候,陳燁感到了危險。 她想從車上下來,但已經來不及了,老王在離她只有七、八米的地方開了槍。她感到左乳部象被猛撞了一下,渾身一震,人便從車上摔了下來。 路上的人有的嚇得「媽呀」一聲趴在地上,有的四散奔逃。 陳燁想爬起來,但感到胸口炸裂了一樣疼,腦袋發暈,只是堅難地抬了抬頭。她看見老王站在自己的身邊,蹲下來當胸撕開了她的連衣裙。 陳燁的左乳中了一槍,子彈把奶頭打得稀爛,血「咕嘟咕嘟」地冒出來。 老王一把把她的內褲扒掉,然後抓住一隻穿著高跟涼鞋和腳,把她倒提起來。 「狐狸精!騷貨!……」 老王憤怒地叫罵著,把手槍塞進陳燁的陰戶裡,然後打光了槍裡餘下的全部子彈,每一聲槍響,陳燁那赤裸的身子便震一下。 老王把已經死去的陳燁丟在地上,用腳踢開她的兩腿,充分暴露出那流著血的生殖器。 「騙子!騷屄!賤貨!狐狸精!忘恩負義的臭娘兒們!……」 老王用他能想到的各種最惡毒的話罵著,一邊用穿著皮鞋的腳不停地踢在陳燁的陰部。 陳燁靜靜地躺著,眼睛睜得大大的望著天,充滿驚愕與疑惑。 老王從口袋裡掏出一個只有一粒子彈的彈夾換上,看著飛馳而來的警車,狂笑著對準自己的太陽穴扣動了扳機…… 
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