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#花を飾るのは金をかかるとケチる人とは付き合えない
moderndays · 3 months
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一輪の花を、終わりまで。フラワースタイリスト・平井かずみさんの「小さな花しつらい」
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mmrta · 4 years
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ここ最近またずっとリプ応酬してて心の底から腹たったので自分用に書く
こうして読み物に残しておくと、これもまた「あなたこの時こんなこと書いてたじゃないですか」ダブスタダブスター!!!って妖怪口からダブスタババアが現れるかもしれんけど自己矛盾しようが、この時はこう思ってたっていう記録にもできるから書くわ。
基本相手がどういう表現してるかに合わせて書くから好き放題書くよ。
これ誰のこといってるの?みたいには書かないから今まで見てきたものすべてを混ぜて書くわ。自分のことじゃん?とか思うならそれは自分のことでありお前のことじゃないこともあるから。
ババアとか気持ち悪いとかお前とか言われた><!! めっちゃ悲しい!><
悪口よくないと思います!!とかまた本質ズレてくと思うしそういう揚げ足取りされたくないなら綺麗な文章にしたらいいとも思うのはそうなんやけど、めんどくさいし、イライラからそのままかくし、謝罪要求マンが出てくるだろうから先に謝ってやるよ。
ごめんなさい!!!
ほんで、今やってるやりとりだけど、最終的に謝れないなんて可哀想ってあなたたちに謝って一体何の意味があるの?
めんどくせーなとおもって返事した「はい」に大して素直でよろしいとか気持ち悪いんだよ
お前以外のまともに会話できる人間とは愚痴垢、ふつーのアカウント含めて全員ちゃんと対話できてるし、謝罪だってごめんねーと思ったらするわ。
それを謝れない幼稚さ~とか、急に腕つかんできてまともに声かけできない精神年齢何歳児かわかんないくらい人間に謝るわけねーだろ。
でも大体こういうのって謝ったら「よく言えました」とか満足するんだよな。クレーマーってこうなんだけどお前クレーマーの域だよ。
と思ったら「はい」っていったときにお前「素直でよろしい」とか満足してるじゃん。
気持ち悪いんだよ。そんな気持ち悪い人間を満足させるために「ごめんなさい」なんて言うわけないでしょ。
正しいと思ってるんでしょ?正しいよそりゃ。クレーマー様もそう思ってらっしゃる。でもその正しさを相手に理解させるためにとってる手段、全部最悪だよね。自分が正しい、相手が間違ってる、だから?
大嫌いなコンテンツとそのファンを徹底的に貶めるためにアカウント作成して?
マイナス意見をいうために~とか尤もらしい理由つけてたけど違うだろ。
自分の大嫌いなコンテンツのサービス終了と不幸を祈って難癖つけて貶してネット上で袋たたきにするためでしょ。マイナス意見なんてかわいいもんじゃねーだろアレ。これはマイナス意見なのですが・・・のレベルじゃねーわ
前にそういうの指摘したときも「自分が思ってないことを勝手に決め付けられる」とかプンスコしてたけど、あなたが「そう思われちゃってもいいんですか~!?」とか勝手に他者評価をしたように、たとえ自分がそうは思ってなくても他者からはそう見られてるっていう客観性みたいなの持ち合わせてないの?
リプで応酬したときに、いくら正義感にあふれて美しい言葉で取り繕っても普段の言動と目的や態度全部みたら、こいつクズじゃんって思われて当然だし、そんなクズの言い分なんか語るに値しねーわみたいに言われて、そんなこと思ってないのに!心外ですっていうなら、ご自身がどんな風に悪意ばら撒いてンのか態度改めてみたらどうなん?
自分と同じ価値観の愚痴垢アンチには気持ちいい言葉ばら撒いて、たっくさんのRTといいねをつけてもらって、「あ~!!アンチしてて気持ちいい~!!みんなそう思ってるってことだよね~!!!」って勝手に気持ちよくなって、承認欲求満たしまくる一方で、おそらくあなた自身が想像する以上にあなた憎まれてるし、自分が向けた憎悪を同じように向けられてるだけでしょう。 
ダブスタブーメラン大好き人間は愚痴を言っちゃいけないの?、とか、あなたも批判してる、あなたも愚痴垢じゃないですか!!ダブスタ~とか即言い出すけど、愚痴も批判も当たり前にするし、愚痴垢関係なく誰にだってできることだし、それ自体本来咎められるべきものじゃないと思うんですが。
問題はあなたたちみたいな人間が愚痴という言葉を建前に中傷や暴言することを目的にしてアカウントわけてまで、明確な悪意や憎悪を自分が憎むものへと向けて振り撒いてることなんじゃないですか?
愚痴垢と京アニ事件とhagex事件
ところで京都アニメーションでの事件の犯人の根底の考え方と愚痴垢の考え方と何が違うの?
犯人と同じような憎悪を抱えた人間のくせに「京アニにこんなことして!許さない!」って愚痴垢がいってるのみたけど、どの口で言うねん
実際にはガソリンもって社屋に駆けつけて火つけてないからセーフとかでも思ってんのか?
犯罪に及ぶまでのステップがないとでもおもってんの? 動機がどんな風に積み重なるのかしらんの? なんで愚痴垢が京アニ事件をまるで他人事みたいに語れるの?
自分はこんなんやから憎悪に駆り立てられたらあっち側の人間になりそうだなって恐怖したわ ええー犯人の気持ちがわかっちゃうんですかあ? とかまたアホなこと言い出しそうやけど、わからんのか? 愚痴垢してるのに?
ああ・・・、正義側の人間やもんね。そうだよ、きっと犯人も犯罪に至るまでは正義側の方にいたんじゃないの?
Hagex事件も大体同じような動機だよな、京アニよりネットコミュニティで発生したという点においては、愚痴垢界隈に近いかもしれん。
ネットリンチっていうけど、愚痴垢の晒し行為みたいなもんやろ
そういうのをやめろ!!って件の犯人はブチギレたわけですけど、そのやめろ!!!という対話に選んだのが相手への誹謗中傷暴言なわけじゃん
この低脳wwwとかいきなり言い出すの、アンチがお花畑wwwって煽るの何が違うんや?
愚痴垢と一緒では? 公式は間違ってる! パクリはやめろ! 花畑は頭が悪いな!って延々と自分と違うファンを引用RTしたり蔑称で呼んだりして汚い言葉で応酬するわけだ。
一見正義じゃん? 正しいじゃん、間違ってないように聞こえるのに、選んだ方法はひたすらにコンテンツとファンを貶すことでした、と。
hagex事件の犯人のその行為自体が間違ってるか否かというと、それはこの人なりの正義だし客観的に見たら1人を晒してよってたかってネットでボコるのを「自己責任」だの「ボコられる理由があるからしゃあない」だの「ネットで炎上はつきもの」だの、肯定できる人間にもたくさん理由あるかもだけど、自分は犯人と同じく行き過ぎたネットリンチってただの暴力だし、したらいかんことやと思う
でもネットサーフィンだらだらしてるとどーしても境界線がわからなくなるというか現実よりももっと簡単に自分の怒りや悲しみを激しく表現できる分、距離感間違っていくって本当あると思うんだよな
あと認識が間違ってる人間にしか反論してないとかいうなら別に愚痴目的のアカウントでやる必要なくない?
bioに愚痴だの私怨だの、自分の好きなコンテンツが地雷でさっさと畳めみたいの書いてある垢から急に引用RTされて、相手が「びえーん怖いワタシ間違ってた」てなる可能性よりも、「は???愚痴垢?なにそれきも」ってなって余計に嫌われるだけやん
本当に暴言吐きたかったってだけなら十分目的達成できてると思うけど、別にわかりあうつもりなんてないしwwとかならやっぱ完全に暴言アカウントやんけ
そーいや愚痴垢じゃなくて呪詛垢って名前つけられてたけどあんま定着しないな自分から名乗らんもんはなかなか伝播せんよ���ー
自分の意見を理解してもらいたい、広めたい、誤解をときたい、できれば相手の意見も聞いて理解しあいたいとかなら、自分の本垢からそれ間違ってますけどって言いにいけばいいんだけど、なんで言わないの? 普通に指摘しあってる人たちいますよね? 自分も普通に指摘しにいくけどさ。
本垢でそれやったらやばいと思って安全地帯からなら平気で相手を傷つける言葉を使っても咎めらんないし、なんなら同じ価値観の愚痴垢がいいねやRTして広めて認めてくれる!!! よっしゃ愚痴垢したろ! みたいなノリなんじゃねえの? そういう小賢しいところも素直に愚痴垢の話を「ご意見」として聞けない要因の一端だよ
それなのに我が物顔でご意見かますから気持ち悪い
本垢で好きだって気持ちたくさん書いてるはずなのに、そういうの見せない人間の怒りとか嘆きとか信用できないんだよね
たとえば、捨て垢ですけどST☆RISHの単独してほしいですってなんで????
なんでスタリの単独なんていう望んでも別にいいはずのものを捨て垢で言うのか心底疑問やし、やっぱ自分と違う価値観の人間攻撃したいからだろうし、愚痴垢や捨て垢でスタリは単独できないの!?とか散々嘆かれて、他攻撃して、スタリ過激派気が狂ってるみたいにいわれるのスタリとスタリが好きな、愚痴垢なんか作ってないほかの人がめっちゃ可哀想と思ったんやけど。
単独してほしいだなんていいながら平気な顔して他人ボコボコにできるの、実際スタリ単独してほしいとか思ってないんじゃないの?
スタリ単独してほしい悲しい気持ちのワタシが勝手に暴れてみんなにヨチヨチしてほしいだけやんけ、お前が一番スタリを信用してないし、スタリ単独してほしいなんて願ってすらいないんだよ
そんな人間が他ファンみて、うたプリを利用するな~!!!とか言い出すのマジでなんなの、うたプリの愚痴垢こそ、うたプリというコンテンツに勝手に依存してうたプリっていうコンテンツを勝手に自分で解釈していいようにして名前使ってぶっ叩いてるじゃん歩く公害かよ
本来愚痴だなんていわなくてもいいはずの意見や考え方もあるとおもうんよね
運営への不満だって普通に言ってもいいと思うけど、フォロワーとの人間関係やSNS上言いづらいとか抑圧されて愚痴垢として愚痴を使い分けるしかないみたいなのは本来の「愚痴」なんやないかなぁと思う、でも、なんかしらんけど、愚痴垢って自分自身を愚痴垢であると名乗ると攻撃性帯びるよね
どうせ愚痴しか言わないし、誰にも見られてないという客観性を見失ってしまうから、ただの愚痴だったものがどんどん攻撃性を帯びて、同じSNS利用してる第三者を見つけてきては愚痴ぶつけて、他人で憂さ晴らしみたいになるんかしら
あと、
日常生活をただつぶやいてる人間がぽろっとこぼす愚痴
愚痴だけを目的に凝縮したアカウントが普段から撒き散らす愚痴
これ、まったく性質が異なると思うんだけど、愚痴垢って基本ごっちゃにして話すよね
アカウントをわざわざわけてまで、愚痴を目的に愚痴垢なんか作ってしまったら、そのアカウントを覗くときに「あ~なんか愚痴らなあかんかなぁ」って思ったりしてない?
なんかすげーしょーもないことに対してまでケチつけてる愚痴垢見てると、こいつ愚痴るために物事わざわざ見てないかって思っちゃうんだよね
愚痴垢っていうアカウントをあえて作ったことで、本来そんな風に見ていなかった物事にまで悪意やマイナスをフィルター通じてみてしまって、歪んだ世界のなかで勝手に不機嫌になって勝手にキレて、自分とは違う価値観で、自分の嫌いなものを受け入れて楽しめる人たちを勝手に憎んで、自分の中で肥大化した正義感で戦ってんじゃないの???って思ってるわ
ほんでなんでそんな愚痴垢をわざわざ見てるかって、愚痴垢が絡んできたからはもちろんきっかけのひとつだけどね 多分性質が似てるんじゃん?
似てる、見てて面白いっておもわなきゃこんなん絡むわけないじゃん。
愚痴垢はこっちが裏のお顔なのかもしれないけどこっちは表のお顔だし、こういう性質の自分を曝け出して、こういう自分を見てくれる人とやりとりしたいんだよ。
つーか、愚痴垢じゃない本垢のおまえらというのはどれだけ美しいの?
愚痴垢のときの方が解放されてるんだからそっちの方と仲良くなれたほうがいいんじゃないか?
愚痴垢オフ会ってのはあながち悪くないと自分はいまさら思ったよ、ぜってーいかねーけど
自分が絡みにいくときに大抵決めてるのは、散々言いたい放題してる奴が自分から同じような物言いやケチつけられたらどう反応するのか気になった相手が主だよね
自分が急に暴言吐かれてどう思うのか
今までどんだけ暴言吐いても相手からスルーされて反論されないことを「やってやったぜ!!!」と思ってたのが急に「は?ぶっとばすぞ?」って返ってきてどんな風に自分の暴言を正当化させるのか
自分が好きなものを徹底的に否定されてどんな気持ちになるのか
絶対的に自分は正しくてもやり方に納得しなければ従わない、思い通りにならないとどんな言葉で自分を飾り立てて正当化するのか
自分に対して「あなたも愚痴垢だ!」とか「ブーメラン!」とかいえる人間はよくわかってるじゃんって思うよ、おんなじことをしにいってあげようと思ってるから
あー、今はマシュマロもあるから普通にうたプリの話もできて楽しいっすね
悪意はお金にはなんか変わらないし自分には信者とかおらんから金にならねーから普通に皆さんと対話するためにこれからも使うわ
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shakuhachi-kataha · 4 years
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ミニ講座 第14回 「ぼろぼろの草子」
暮露と文学 其の三! 
 
 
 
「ぼろぼろの草子」で暮露の実体を探る! 
 
今回もお二方の論文を参考にさせていただきました。ですのでほとんど論文の解説です。恋田知子氏の本には貴重な奈良絵本の写真まで載ってます。論文を公開してくださっている恋田氏、保坂氏の論文を残して下さった山田氏にまずは感謝です。
 
「17世紀における虚無僧の生成」 保坂裕興 
「ぼろぼろの草子」考 宗論文芸としての意義 恋田知子
 
 
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因に近年、主に中世史研究の立場から暮露の実態解明の一助として色々な研究者から言及なされている。
 細川涼一著「ぼろぼろ(暮露)」『中世の身分制と非人』1994年
原田正樹著「放下僧・暮露に見る中世禅宗と民衆」『日本中世の禅宗と社会』1998年
黒田日出男著「ぼろぼろ(暮露)の画像と『一遍聖絵』絵画史料の可能性を求めて」1991年
 
 
 
 
さて本題!
 
 
 
 
 
【ぼろぼろの草子】(1232年頃)とは、
 
明恵高弁(みょうえこうべん)(鎌倉時代前期の華厳宗の僧。京都栂尾 とがのおの高山寺開山)が書いたとされる。1232年没した遺言によって披見(ひけん)が禁止されていて1338年にたまたま発見されたといわれている。
 
 
 
 
ネズミが袋を齧ったためとも言われています。ちょうど「ぼろぼろの草子」が書かれてから100年後に発見されたんですね。今からで言うと、明治時代のものが発見されたような感じですね。
「読むな」と書いたものを死後残すのは一体何の為なのでしょうか??? それとも生きてるうちに誰かに読まれたら困るから、書いておいて忘れて死んじゃったとか???
恋田氏によると、現在のところ古写本はなく、すべて近世以降のものだそうですが、写本、版本は大学の図書館、国会図書館、個人蔵含め、何冊かあり、題名も「暮露暮露艸紙」「古今残葉」「柿袋」「空花論」���観音化現物語」「明恵上人革袋」などまちまちです。
 
尚、蓮華坊は保坂氏、蓮花坊は恋田氏と、漢字が違います。
 
 
 
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(明恵上人)wikipediaより
 
 
物語は、都の油売女が、「見めあしき事たとゆべきなき」虚空坊と、「たまのごときなる」蓮華坊という対照的な二男児を生んだが、母没後に破産し、兄虚空坊は暮露に、弟蓮華坊は念仏者になり諸国を遊行行脚した後、浄土宗と天台・禅系統の教義に関する問答を交わし消え去るという物語で、兄弟は大日、阿弥陀の化身であったと結ぼれるものである。内容の大半は問答形式で暮露が念仏者を論破していく様が描かれ、最後の部分でそれは「玄妙殊勝(優れている)の法門」であり、暮露の本地は「大日如来」であると結ばれている。
 
 
 
 
虚空坊が有様たとふべき事なし。かみはそらに生あがり、色くろく、たけたかく、誠に夜叉鬼王のごとく、悪人をころすこと数をしらず。(中略)彼の虚空坊の長さは七尺八寸。力は六十五人が力、絵かき紙衣に黒袴きて、一尺八寸の打刀をさし、ひるまきの (1) 八角棒を横たへ、一尺五寸のたかあしだはきけり。同様なる暮露々々三十人引具(ひきぐす)して諸国を行脚するに、見聞く人惶(おそ)れて、かりそめにもゆきあはんといふものなし。しかれどもひがごと (2) せず、夜はふすまを引かつぎ座禅するなり。東西南北をのこさず一見し、五逆十悪三宝誹謗のものをみては我敵よと心得て打殺しに捨てにけり。善をなすものをば是非をいはず又けんどん (3)のものには布施の心を示し、瞋恚(しんい・怒り)のものには慈悲の心をふくめ、愚癡(ぐち)のものには智慧をさづけ、驕慢者(きょうまん)には恭敬の心を教へ、放逸(なまけること。 仏道に励まないこと)の者には摂心(散乱する心を一つに摂むる)をしらしめ、懈怠(ケタイ)の者には精進戒を授け、破戒の者には持戒を授く。
 
 
 
(七尺八寸は236センチ!デカい!そして高下駄一尺五寸 45センチの高足駄はいくらなんでも高すぎるだろう!とつっこみたくなります。)
  【ひるまき】柄や鞘の補強・装飾目的で表面に螺旋状の模様が蛭が幹ついたようにみえることから。平安時代から幕末まで。
【ひがごと】道理に合わないこと
【けんどん】ケチ、思いやりが無い
 
五逆十悪三宝誹誘→とにかくものすごい悪いヤツで仏教心のない人のこと。
【五逆】五つの最も重い罪  
【十悪五逆】ありとあらゆる悪行
【三宝】とは、仏教における「仏・法・僧」と呼ばれる3つの宝物を指し、仏陀と法と僧のこと。この三宝に帰依し、その上で授戒することで正式に仏教徒とされる。
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 恋田知子著「仏と女の室町・物語草子論」より
「観音化現物語」1678年刊 柳沢昌紀氏蔵
(こんな貴重な絵が存在したとはこれを見つけた時は驚きました。暮露、そのままの通りの絵じゃん!ひるまきの八角棒振り回して念仏坊主を追いかけてる!) 
 
 
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(一遍上人聖絵)国立国会図書館より
こちらも暮露。
 
 
虚空坊の風体は、黒田日出男氏が指摘された『一遍聖絵』等に見える暮露の姿と一致し、「五逆十悪三宝誹誘の者をみてはわれ敵よと心得て打殺し捨にけり」とする様は、「徒然草」(1330)第百十五段等にみえる放逸無慚の暮露の様相とも重なる。 
 
 
 
 
<虚空坊と蓮花坊の宗論>
  兄弟は諸国を遊行した後、三条東洞院で再会する。
 鉦を首にかけ、念仏を唱える蓮花坊に対し、虚空坊は「愚療の念仏申がにくさに打殺んと思なり」と述べ、「大小乗は行ずるものの心によれり」、「実の浄土といふは首をふり足を踊り、顛倒するをばいわず。心念無所を浄土といふなり」と蓮花坊の念仏を批判する。これに対して蓮花坊は、虚空坊の主張を認めるものの、「髪は空へ生あがり、紙衣に画かき黒袴に打刀高履ひる巻の棒、是何仏弟子の���かや。殊女つれて簾中(れんちゅう・貴婦人)と名付寵様更に心得ず」と、仏法者としてふさわしからぬ風体や妻を伴うことについてただすのである。
    このような二人の争論には、顕密側からなされる融通念仏者・禅宗系下級宗教者に対する批判との、方法上の類似が認められる。本作品における宗論は、中世前期に旧仏教側から新仏教に対して盛んに行われた批判を前提とした上で、その批判の論点・内容を巧みに取り込み、虚空坊ら新仏教の下級宗教者たちの問答にすりかえるという構造になっているのである。実際的な記録としてではなく、いわば擬似的に仮構された宗論とすることができよう。
このように「ぼろぼろの草子」は、虚空坊と蓮花坊との宗論という形をかりで、中世前期に盛んになされた旧仏教側の批判とそれに対する反論を擬似的になしてみせたものと見なすことができるだろう。(恋田)
 
 
 
 
 
虚空坊・暮露の実体 → <三学>を実践修行する仏教者
 
 
 
三学とは、仏道の修行者が必ず修めなくてはならない最も基本的な修行で、戒学・定学・慧学の三をいう。戒学は、悪を止め、善を修し、戒律を守って規律ある生活を保つこと。定学は、禅定を修して心の散乱を鎮め、心を落ち着かせること。慧学は、その戒学と定学とに基づいて真理を知見し、智慧を獲得することを意味する。
 
 
 
 
<仏教思想>
 
 
 
御邊は何衆の人ぞ。答云、是大圓覺宗のものなり。
 
→『円覚経』の宗門=「圓覺宗」の者、つまり唯心論の華厳宗系仏教者であることを表明。この点はこのテクストが華厳宗の明恵に寄託されたこと、本地(本来の姿)が大日如来(毘盧遮那仏)とされたことにも合致している。
 
 
 
 
因に、
”ぼろ””ぼろぼろ”の語源は彼らが一字金輪呪(いちじきんりんじゅ)「ボロン」を連続して誦(しょう)したことによるという。(「七十一番職人歌合・新日本古典文学大系」より)
【一字金輪】…仏様のトップグループを仏頂尊ぶっちょうそんといいます。そのトップグループの頂点に立つのが一字金輪=大日如来です。
深い瞑想の境地に至った如来が説いた一字の真言ボロン(भ्रूं [bhrūṃ])を神格化したものである。
ご真言 一字金輪呪 (ナマサマンダボダナン ボロン)
 
 
   
 
 
問云、圓覺宗とは何を行するや。答云、行する事あらば何の圓覺宗とかいはん。圓覺といふは邊際もなし、只我心即如此(かくのごとく)といへり
 
→またここでは「行」を否定しているが、明恵らは、戒・定・慧の<三学>を堅持したトータルな<行>を行い、定学だけが念仏や坐禅として自立した「行」を採らなかった。(保坂)
 
 
 
 
「師もなく不思量にして不進不退」と述べている点からも
異類異形の巷間の禅僧として、放下や自然居士らに共通するものと把握できる。(恋田)
 
【不思量】一切の思量分別を停止すること。考えることの徹底した否定。
 
 
 
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(因に私が描いた兄・虚空坊と、弟・蓮華坊のイラスト) 
 
   『ぼろぼろの草子』は虚空坊と蓮花坊との宗論という形をかりて、中世前期に盛んになされた旧仏教側の批判と、それに対する反論を擬似的になしてみせたもの、すなわち宗論文芸とみなすことが出来る。(恋田)
   「一遍聖絵」の、徳江氏、黒田氏の指摘によると、異類異形の巷間の禅僧として放下や自然居士に共通するものとされていますが、明恵上人による「ぼろぼろの草子」ではまた禅宗ではなく華厳宗であり、少々混乱しますが、これは宗論文芸ということで落ち着きたいと思います。
 
 
ともかく、大日如来派と阿弥陀如来派に別れたわけですね。
元は同じなのにね〜。
 
 
 
 
そして暮露は江戸時代にはいると自然に消滅していきます。
ああ、失われた職業というやつです。
 
 
 
今巷で虚無僧なんかやってますと、一体自分はどっちなんだろうと思います。
完全に過去の形態なんだけれど、一度無くなったものだから、新しいと言えば新しい。そして既存の仏教団体に属していない。どうしても虚無僧というより、暮露のような気分になるんです。
 
 
 
 
 
それが私の強い暮露愛につながるのでしょうか。
 
 
 
  
そして、
この現代にも、禅宗を否定する宗派が、尺八を吹いている虚無僧を攻撃して来るわけです。
 
 
 
  
噓みたいですがホントの話。
元をたどれば同じなのにね〜。
 
 
 
 
 
これから虚無僧する皆さん、彼らは暮露みたく、いきなり打刀で切りつけては来ませんが、論争でやってきますから気を付けて!
逃げるが勝ちですよ🎵
 
 
 
 
 
...
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misasmemorandum · 6 years
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『芝桜』有吉佐和子
ええっと、まず、これ、わたくし、ハワイ時代に読んだことがありました。題名も作者の名前も何も覚えておりませんでしたが、今回読み進むに連れて、これは読んだ事があるぞと思い至り、正子が正妻より大きいダイアモンドを求めた下りで、読んだことあると確信し、続いて一体いつ読んだのかと考えながら読み進めていたら、ハワイ時代に違いないと思い至った次第。
今回は正子と蔦代の腐れ縁と言うかと友情と言うかと、蔦代に注目ってまでも行ってませんが蔦代ってBSシルバー的なキャラクターだなと思い付いて、そう考えながら読みました。
それより先に、この作品は花柳界の物語で、そこで生きる女性達の姿を正子の目を通して描かれるもの。
で、花柳界と言う所は
花柳界の商品は、やはり女なのだ。それが化粧と衣装で飾りたてられ、茶屋という大形な箱に入って、芸者屋のラベルを貼りつけて売り出される。買い手は女に飽きるまで、あるいは金の続く限り、その商品を愛翫する事ができるのだった。そして金のある男が女に飽きたとき、花柳界はそれを理由にして手切金をたっぷりと絞りとり、次の女に移るときもまたたっぷりと支度金を払わせる。(下巻p150)
だそうで、そして商品が人間であることから起こる問題として、
女が不動産と同じように心も魂もないものだったら、この取引は立派は商売だろう。しかし女がもし旦那を好きになっていて、しかも捨てられるのだったら、どうだろう。
と続き、また
 男の方にも同じことが言えるだろう。金で自由にした相手を、金で完全に縛れなかった場合、男は怒って手放すか、あるいは江頭のように焦れて、却って女に溺れこんでしまう。降車となると、男は金で悲劇を買ったようなものだった。自尊心も対面も傷つくだろう。しかし男にとって、花柳界は所詮、遊びの世界である。正子が離れたからといって、江藤が事業に失敗することもなく、人々はいつかそんな話も忘れてしまう。
となる世界なのだ。
さて、物語は前半は正子が雛奴(おしゃく)から芸者になり、雛奴の頃から目をつけられ旦那がいたのだが、若手女形役者と恋仲になり、しかしその仲を壊され、行きがかり上にいた人だから見たいな感じで大して金もない男と結婚。これによりこの男は身上を潰し、離婚。正子はカタギな商売がしたいので宿屋を経営するに至り、そこにまた蔦代に関して問題が飛び込み、そのまま蔦代との関係が続く。後半はこの二人の関係と正子の人生。
上に書いたように、途中から蔦代は私の中でシルバーとなったのだが、そう考えるとこの女性がとても愛らしく思えて来た。生き残るのに(そして母親に孝行するのに)必死なのだ。自分に都合のいいように立ち回り嘘をつくが、それが他人に尽くしているように見えなくもなく、被害を被った者も、何が何だかわからなくなる。蔦代が自分の都合のいいように過去を書き換えて語り、それを真実だと言い放つと、正子は自分が記憶違いをしているのかもしれないと思ってしまうくらいなのだ。まさしくシルバー。
不思議なのが、蔦代=シルバーと考えると、どちらのキャラも好きになってしまった。Amazonのレビューでほとんどの女性は正子を応援するだろうと書く人がいたが、私は蔦代派かも知れない。
正子は、三人称だけど語り手である主人公だから批判的な目線で描かれていないだけど、よく言えば真面目なのだが、傲慢で見栄っ張りで頑固だ。それが芸者として旦��に余計に可愛がられる事にもなったのだが、私はあまり好きではない。ま、芸者として上手くやって行くには見栄を張るというか、一番人気の芸者がケチくさいことは出来ないと言う花柳界の常識を行なっていたのだろうけどね。
作品終わりの方。蔦代が出征前の二十歳くらいの青年に特攻隊になるんだから帰って来ないだろうと結婚の約束をしたのが帰って来てしまって一騒動となるのだが、そこで蔦代、思いっきり粧し込んで、四十三歳なのが三十二歳と鯖を読んでいて、そう繕った姿を見て、正子が(日本髪を結い続けた蔦代の頭頂の毛が抜けて禿げが出来てしまっているのだが)、呆れたのかやっかんだのか、あの男に、あの禿を見せてやりたい。(下巻p463)と思った所で、声を出して大笑いしてしまった。
この二人の関係は、こういう関係なのよ。
ところで、題名の芝桜は雑草ばりに根を張るので、木のそばに植えると、木の養分を取ってしまって木を枯らしてしまうと本文中で説明していた。芝桜は、作品冒頭で蔦代が正子から金を借りて(返す気など全くなさそう)自分達が寝泊まりする置屋の庭に植えるのだ。蔦代の蔦も何かに絡みついて成長する。芝桜と名前そのものに蔦代の性質が表されてる。
正子も同様だろう。自分が正しい子だと思っている子。そして芸妓としての名前は梅弥。梅は木で、もし芝桜がそばに植わっていたら養分を取られて死んでしまうのだ。
有吉先生、うまいね!
そうそう、一回目に読んだときも今回も、正子と小森の結婚生活が描かれていない事に不満を感じたが、この作品は正子だけの物語ではなくて、正子と蔦代の関係の妙を描くものなので、蔦代の関係しない小森との結婚生活がはしょられているのだと今回気がつきました。読後にですが。
続編として『木瓜の花』がある。読みます。
さて、蔦代がシルバーなら正子は誰かなと考えてましたが、読み終えて思った。やっぱりビリーだ。
BSの物語自体を忘れて、キャラクター設定だけを考えたら、正子はビリー。
旦那の江藤はブラックビアード。姐さんの阿や八はミスタ・ゲイツ。初恋の女形仙七はベン・ガン(顔が美少女だからなだけの理由)。小森はジェイコブ・ギャレット。そして山田一人をフリントと言うかジェームズ・マグローだな。
木瓜の花も楽しもう!
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robatani · 7 years
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剣と魔法少女(その1)
「レェロの旦那からの言伝だ。あんたら悪戯が過ぎたようだな」  入り組んだ道をさらに曲がって奥の奥、廃屋の連なる寂れた路地の行き止まり。おれことケイウェンはやっと追いつめたごろつき達の前で見せびらかすように剣の柄を叩いて見せた。安い仕事だった。依頼主はケチで名高い護符売り――効能は眉唾物だが――の男であったし、内容も最近商売敵に雇われたらしいごろつき連中が邪魔してくるので逆に脅し返してこい、というだけの物。なに、剣の腕の立つあんたならちょっと脅すだけですぐに奴らもびびる――というのが口入屋の話。定職についていない剣士には仕事を選ぶ余裕などない。嬉しいことに今回は安い仕事だがただの商人同士のいざこざの始末、掴まる心配もなさそうだ。  もっともこのライヤボードにまともな警吏はいない。ほとんどは傭兵や騎士くずれ、悪党と紙一重の輩。奴らの天秤は罪ではなく金をはかるためにあるともっぱらの話。大体統治者自体お飾りで実際は盗賊達が行う「議会」が動かしているような都市だ。快楽を買いたければライヤボードへ、珍奇を求めるならライヤボードへ、ただし偽物多し、盗賊更に多し。お財布にはくれぐれご注意を。  さておき。ごろつきは三人。それぞれ剣を腰に下げてはいるが下げ方はずさんで、おそらく脅しの為に身に着けている品だろう――幸運だ。剣の腕の立つ奴がいたら値段に合わない仕事になるところだった。一発二発殴り倒して口入屋兼宿の店主のロウナからさっさと金を受け取り酒場で一杯やろう……。  着ている鎖帷子をわざと鳴らしながらごろつき達に近寄って行く。この鎖帷子も実は脅しの為に着ている品で、軽いが柔らかい鼠鋼製なので実戦では殆ど役に立たない。一撃受けたら終わりだが、嘘のまかり通る都市の中では偽物位でちょうどいい。というか馬鹿正直に輝く鎧を着こむ奴なんかライヤボードに殆どはいない。昔は憧れていたが、今はただの見せ掛けだけの品だとわかっている。あんなのを着込んで身軽に戦える奴はいない……。おれは腐った水の流れる石畳をかつんかつんちゃりんちゃりんとブーツと鎧を鳴らしながら近付いていく。 「さあ、二度とレェロの店には手を出さないと、盗賊の守り神にでも四千ゲドンの地下にいる妖魔どもにでも誓いやがれ。あと雇い主の名前も吐け。そうすりゃ剣は抜かないでおいてやる」 「てめえ、ケイウェンとか言ったか。この黒虎の三兄弟に指図するとはいい度胸だな」  陳腐な脅し文句と来た。目の前のごろつき三人には虎らしいところはなく黒といえば髪の毛の色くらい。 「三対一だ。負けるはずがねえ。野郎ども、やっちまえ」 「剣で訴えるつもりか? 三対一でも訓練を積んでいない奴に――」  遅れをとると思ったか、と言おうとした瞬間。頭上から悲鳴のようなものが聞こえてきた。 「わー!? ちょっと待ってこれどういう事ー!?」  見上げれば幼さを残す声とともに色鮮やかな塊が降ってくる。反射的に剣を抜くのをやめ上から来た塊を抱きとめるがそれが愚行であったと気付くのは一拍後。二拍目で来るはずの斬撃を覚悟して飛びのいたが、幸運なことにいきなりのことに目の前のごろつき達も剣を抜きかけたまま止まっていた。抱きとめた塊の正体は空色の奇妙な髪をした愛くるしい少女で、鳥の羽根を様々にあしらった奇妙な服装をしていた。目の前のごろつき達を見て少女ははっと息を呑み。 「お兄さん、危ない! 凍える願いに寄り添う青い鳥、魔法少女ウィッシュ・サファイア煌めいて登場!」  よく響く声で口上を高らかに述べた。あたりの空気が固まって止まる。  危ないのはそっちだ。というより魔法少女とは何だ。どこかから逃げ出してきた頭のおかしな娘だろうか……。それとも魔術師なのだろうか。いや、そもそも彼女は人なのか? 何かのたぶらかしではなかろうか。上から降ってくる少女がマトモなわけない。妖精か特殊な趣味をした魔術師の使い魔かもしれない……。  案の定ごろつきどもも少女の姿を見て、おれのことなど忘れて少女を売ったらいくらになるかなど皮算用を始めていた。 「なあ、ケイウェン」  しばらくの沈黙の後、ごろつきどもの頭が言う。 「どうせはした金で雇われてるんだろう。いざこざのことは忘れてこの娘っ子をちょっとこっちへ渡しちゃあくれないか。まさか独り占めするわけじゃないだろう。娘っ子を渡してくれればこっちはしばらく大人しくしているし分け前の六分の一は渡す」  とっさに思考を巡らす。頭の中で腕の中の少女と安い報酬を秤にかけた。 「このガキはおれのものだ。なにせ最初に捕まえたのはこっちであることだし」 「まさか、お兄さんたち、悪い人ね――!」  何か言おうとする少女の声を無視して商談は続く。 「ケイウェン、それは酷い話だろ――四分の一でどうだ」 「最低でも三分の二だ。いや、五分の四か、いややっぱり――」  さらば、報酬。 「こいつはおれのものだ。あんたらに渡したらどこに売られるか分かったもんじゃない」
 今や少女を幾らで売るかの相談に夢中になっていたごろつき達に背を向け、おれは走り出す。軽いといっても少女は人並みの重さがあり、どこまで駆けて行けるか不安だった。人数ではおれの方が負けているし、この道に慣れているとは言い難い。案の定数拍遅れて状況に気付いたごろつき達が追いかけてくる。 「黙れ、舌をかむぞ」  何か言おうとする少女を無視して駆ける。何度路地を曲がったか、数えもせずにただ直感のみで進む。やがて追いかけるごろつきの声が聞こえなくなった辺りでようやく撒いたと確信し、側の廃屋に転がり込む。数匹のネズミが驚いたように逃げていった。壊れた窓からは夕日が射し、少女とおれを照らしていた。 「お兄さん、助けてくれたの」  どうやらこの少女、楽観的な性質らしい。いくらで売られるか分け前はどうするかという話がされていた直後にその発想とは。自分でも独り占めしたかったのか助けたかったのか分からなかったので、答えずにおれは少女を床に降ろしまじまじと見た。  少女の姿をよく見れば、年のころは十二、三といったところ。全身が踊り子のようにレースと羽根と宝石――恐らく模造品だろう――で飾られていた。ひだの多いスカートの丈は短くふわふわと膨らんでいた。しかし一番目を引くのが胸元の宝石で、子供の拳くらいの大きさがあり、一切の濁りがない澄んだ蒼い石だった。もし本物だとすれば長いこと遊んで暮らせる金額になるだろう。硝子細工だとしてもかなりの値が付く。少女自体も器量が良く、奇妙な空色の髪の毛こそ気になるが、意志のしっかりしていそうな澄んだ大きな青い瞳と愛らしい口元が目を引く。幼さを残す体つきもあいまって一部の男が好む「純真な少女」をそのまま絵から呼び出したかのよう。おれ自身はどちらかといえば熟した果実のような妙齢の女が好みではあったが、少女の場違いな真っ直ぐな瞳は欲望と背徳の街とも揶揄されるライヤボードには似つかわしくなく、それゆえに興味を引かれた。 「ウィッシュ・サファイア――だったか」  格好も変なら名前も変だ。やはりこの娘、魔術師の類なのだろう。魔術師はよく本名を隠すものであるし、色々と奇妙な癖もあるもの。魔法少女というのが何だかは知らないが、魔術を使う女も魔女と呼ばれるのだから、そういうものなのだろう。魔術師にしては早咲きも早咲きで、この外見も何か幻で変えているのだろう……と思ったが、ふるまいは演技の様に見えず見た目相応の少女のように思えた。 「はい! 凍える願いに寄り添う青い鳥――」 「口上はもういい。聞きたいことがある」 「何かしら、お兄さん」  じっと、少女の目を見る。 「お前は、本当に、魔術師なのか」  少女は少し悩んでからこちらを見つめた。 「魔術師じゃないけど、不思議なこと……奇跡を起こすのが魔法少女だから」 「じゃあ、何か今やってみろ」 「え……」 「今目の前で、不思議をおれに見せてくれ」  ライヤボード、いやこの世界には魔術師達は様々いるが、だいたいがいかさま師すれすれの胡散臭い輩だ。二つ名持ちの高名な魔術師になると未来を知ったり、何もない所に壁を生やしたり、人を蛙に変えたり、自由に空を飛んだり、火の雨を降らせたりすることが出来るといわれている。しかし、そのような魔術師はだいたいが自分の庵に引き籠って研究に専念すること忙しいか、高い相談料を吹っ掛けて貴族やなにやの依頼を受けているかのどちらかだ。目の前の少女が頭のおか��い娘なのか、それとも本物の神秘なのか、おれは知りたかった。  少女は分ったというように頷き、祈るような姿を取った。呪文らしい呪文もなく、身振りもなく。  ――やはり、頭のおかしい娘なのか。  呪文の詠唱もなく、身振りもなく発動できるような魔術師は殆どいない。 「お兄さんの心の底の願いが、少しの間本当になりますように」  瞬間。おれの鎧が輝きを発し始めた。よく見れば装飾の施された板金鎧へと変化している。まるで物語の中の騎士が身に着けているかのような鎧だった。それでいて重さは全く感じない。おれは起ったことがわからない、という風にただただ戸惑うしかなかった。ライヤボードの廃屋の中で、おれの現実が砂のように崩れ去っていく。 「望みがこんなもんだとはな」  震える声で現実に対処しようとする。金塊やら宝石の山だったら分かりやすかったのに。輝く鎧……それがおれの中で意味するものに気付き、苦い思いが心をよぎる。ライヤボードでは消して叶うことのない夢。捨て去ったはずの幼い夢。悪をくじき善を助ける聖なる騎士達の煌めく鎧。決して呼ばれることのなかった声……。  少女はおれの内心に気付くことなく、鎧をじっと見ている。長い沈黙の後、光は薄れ鎧は元の鼠鋼製のインチキ鎖帷子に戻った。感想を求めるようにこちらを見てくる少女をおれも見返した。目の前の少女は文字通りの魔術師、いや彼女の言を借りれば「魔法少女」なのだろう。心の底を暴かれたのは業腹だが、不思議を見せろといったのはおれ自身なので何も言い返せない。 「つまり、本物、か」 「もちろんよ。夢と希望を叶えるのがあたしの使命だもの」  どこか誇らしげに胸を張って少女は答える。 「ところでお兄さん、ここは一体どこかしら」 「ライヤボード。あんたの好きそうな夢は腐ってるし希望は死んでいる、そんな都市さ」  ぱちくり、と少女は瞬いた。それから、口を開く。 「聞いたことないわ――「王国」でも「美羽根町」でもないことは分ったけど……」  答える声には戸惑いの色が感じられた。よほどの田舎者でも知っているであろう悪名高き大都市ライヤボードを知らないとはいったい何者なのか。少女は青ざめて慌てたように自分の衣を探っては様々なものを並べていく。それはきらきらとした色とりどりの宝石に飾られた二つ折りの鏡であったり、拳大もある蒼玉に象徴的な鳥の彫刻が施されたロッドであったり、もしライヤボードの人通りの多い場所で見られたら一瞬のうちに盗賊たちの餌食になるし、裏通りだったら持ち主が死体になって次の日港か河に浮き上がること間違いなしの品ばかりであった。 「コンパクトもロッドも生きてる……よかった!」  少女は大事そうに装飾過多な鏡とロッドを抱き締め小さく息を吐いた。反応から魔法の品なのだろう、とおれは察する。それも彼女にとって大事な品らしい。確かに古馴染みの三流魔術師曰く「杖は魔術師にとって第三の腕」という話だったが。 「で、嬢ちゃん。これからどうするんだ」 「どうするって……帰り道分らないけれど、ありがとうございました。きっと上手くやっていけると思います」 「上手くって馬鹿か! そんな恰好していたらさらわれるのがオチだ!」 「でも知り合いもいないし……昔の世界に飛ばされたときもどうにかなったから今回も大丈夫なはず」  能天気を訂正した。こいつは阿呆だ。泣きたくなるほどの阿呆娘だ。脳味噌の代わりに花が詰まっているに違いない。昔に飛ばされた、という言葉は聞かなかったことにした。魔術師の言うことにいちいち問いを投げかけていたら一日が終わる。奴らは基本的に生きている現実が違う生物なのだ。 「因みに前はどうしたんだ」 「どうするって、困っていた所を助けられて……で、そこの家に居候になって」  おれはため息をつく。 「お前なあ、助けてくれたっていうがそいつらに下心がないとどうやって信じられるんだ」 「だってみんな親切だったもの。そりゃあ意地悪な人もいたにはいたけれど」  この少女とおれの世界は一生交わることがないだろう。どれだけ強運なんだか、彼女のいた場所はライヤボードの真逆のような場所だったのか。 「あの、お兄さん……」  いつのまにか考え込んでいたおれを少女が心配そうに覗き込んでいた。 「ケイウェンでいい」 「じゃあ、ケイウェン。どうしてそんなに苦い顔になっているの」 「だからあんたが心配で」  そこまで言っておれは頭を抱えた。そうだ、こんな小娘一人騙すだけ騙して持ち物巻き上げうっぱらうのがこの都市の流儀のはずだし、そこまで行かなくても赤の他人の面倒なんぞタダで見る必要なんてないはずなのだ。その上この少女は魔術師もとい魔法少女で、騙されたところで呪文一つで困難から脱出できるだろう。おれのような剣以外に脳のない野郎とは違う。  ――じゃあ、何故心配になった――  心配になった理由が分からない。少女に惚れたわけでも、同情したわけでもない。「腕のいい魔術師に恩を売っておけば後々便利だ」という下心はあったが、それは心配ではない。おれの胸の中にあったのは理由のない心配だった。見捨てたらこの後延々後悔するであろうといった類の感情で、まだまだおれの中にそういった類のセンチメンタリズムが残っているのにため息をついた。  ――ここの流儀になれたつもりでいたのにな―― 「とりあえずだ、その派手な格好はやめろ。目立ちすぎる。魔術師なら格好を変える位は出来るだろう。ここで宝石なんて持ち歩いていたら盗まれるか警吏に難癖つけられて巻き上げられるかがオチだ」  こくりと少女は頷く。そして、瞬きする間に彼女の姿は変わっていった。見たことのない仕立てであったがあえて説明するならばレースで飾られた白いシャツに鮮やかな青いスカート。よく磨かれた青い靴。小さな青い石の付いたチョーカーが首元で揺れている。彼女にしてみれば地味にしたつもりだろうし、実際先ほどの姿と比べれば地味になった方だがそれでもどこかの名家の娘といった風合いで目立つことこの上ない。 「もうすこしどうにかならないか」 「そう言われても、これが元の格好だから」 「分かった分ったお嬢様」  ――こりゃあ、ずぶずぶ相手のペースに嵌って結局面倒を見る羽目になりそうだ――  苦笑いを心の中で浮べるが、ふとその時心の底で妙案が閃いた。どうして思いつかなかったのだという程の簡単な解決策だった。 「どうせ食っていくアテも泊まる場所もないんだろう。腕のいい魔術師だとしても――」 「あの、さっきから魔術師魔術師言われてるけど魔法少女、」 「似たようなものだろう。魔術の才能がどれくらいあろうと、ここであんたは一日無事に過ごすことは出来ない。無事に生き延びられたらおれは自分の剣を飲みこんでやる」  少女はおれの剣と口を交互に見比べた。 「で、おれだ。おれはライヤボード生まれでこの街の流儀にも詳しい。名前もそこそこ知られている。あんたがこの街になれるまで面倒を見ることが出来る……もちろん、タダで助けはしないぞ。タダほど面倒なことはないからな……だから、あんたに話がある」  状況が理解できないといった風の少女を無視して話を続ける。 「おれは街の面倒事をどうにかすることで日銭を稼いでいる。その手伝いをしてもらいたい」  曰く、どこかの街には魔術師を捕まえて何らかの手段で使役することに成功し、一攫千金を得た奴がいるらしい。だったら目の前の少女の力を借りて仕事を手伝ってもらうことなどささやかな行為じゃないか。少々プライドは削れるがギブアンドテイク、おれは懐が温かくなり、少女はここのやり方を覚える。誰も損をしない。 「さっきのごろつきみたいな奴を改心させたり、夫婦喧嘩の仲裁に入ったり、鼠やなにやの駆除をしたり、そういった物ばかりだが――出来るか」  少女はこくんと頷いて満面の笑みを浮かべた。 「もちろん! 街の平和を守るのが魔法少女の務めだもの。出来るわ!」  根本的な所で会話がすれ違っている気もしないでもないが、とりあえずは大丈夫らしい。 「そうか、じゃあ――契約成立だ、サファイアの嬢ちゃん。呼びにくいからサフィでいいか」 「本当の名前は別にあるんだけど、ケイウェンの好きなように呼んで」  おれの出した手を少女改めサフィが握る。その手は小さくて、暖かかった。 「で、早速仕事なんだが」 「なあに」 「さっき取り逃がしたごろつき三人、どこにいるかわかるか? あいつらをどうにかしない限り、今日の夕食は芋一個、最悪悪友にたかりに行かなきゃいけない羽目になる」 「任せて!」  瞬間、ポン、という音とともにサフィの姿がまた最初に出会った時のひらひらきらきらしたものに変わる。 「おい、その恰好に意味はあるのか――」 「魔法は変身しないと使えないの。ごめんね!」 「どういう仕組みだ!」 「そういうお約束!」  物事がすべてうまくいくわけがない。この派手な少女を抱えてライヤボードの日々を乗り切る羽目になったという現実に、ため息をつく。やっぱり気が変わったと見捨ててもサフィはどうにかしておれのことを見つけ出すだろう。怒りと共に、ではなくはぐれちゃってごめんねとかなんとか言いながら。澄んだ大きな青い瞳は諦めることを知らないだろう。  サフィは宝石の付いた二つ折りの鏡を取り出して何事か呟く。肩越しに覗き込めば一寸の狂いもなく曇りもない鏡の中におれの顔が映る。癖のある赤毛。日に焼けた肌。世間に慣れた振りをしている疲れた男。こんな顔だったかと自分の顔を見つめていたが、ふいに鏡面が水面のように波打ち、先ほどのごろつき三兄弟の姿を映しだした。薄暗い酒場の中。目を凝らすと所々にぶら下がった旗がある。その旗に描かれた紋章は宝玉を握りしめる手――。 「どこか、分る?」  おれは舌打ちした。これはまずい。だいぶまずい。ロウナには苦情を言っておこう。何が簡単な仕事だ。レェロにはしばらく身を隠せとでも伝えておこう。お前何をしたんだ。 「サフィ、すまん、今日の夕食は芋一個……あんたもいるから芋半分だ」  どういうことか分からぬとこちらを見るサフィにおれは続ける。 「あいつらがいるのは、盗賊ギルドの中だ」 「ギルド?」  サフィはそんな単語聞いたことがないという風に目をぱちくりさせる。この娘、相当の世間知らずらしい。 「あー、なんだ。盗賊たち……泥棒に詐欺師に物乞いに、ライヤボードの胡散臭い奴らが集まっている所だ」 「じゃあ、悪い人達ね!」 「ああ。ライヤボード一有名な悪の秘密結社だと思えばいい。とても悪い奴らだし、危険だ。下手に首を突っ込むとそのままおしまい、四千ゲドンの地下に落ちた方がマシな目に合う……というか命が助かる見込みはない。……ライヤボードの実際の支配者が奴らだからな」 「誰も今まで戦わなかったの……」 「輝く鎧の騎士も、大胆不敵な無頼漢も、戦っては全員負けてきたさ」  サフィとおれの間に沈黙が流れる。 「もし、もし倒せたらこの街は平和になる……?」 「ならない。また別の奴らがのし上がるだけだ。こういう世界なんだよサフィ」  サフィはこちらの声に混じった諦めに何か言い返そうとしていたが、おれはその様子を遮った。 「とにもかくにも今は夕飯だ。もしかしたらあんたの姿を見て芋におまけがつくかもしれない」 「何処に行くの」 「ロウナの宿だ。まずはあんたの服とおれの胃ををどうにかしないといかんからな」
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