Tumgik
#目を逸らさずに鏡を見れば一番可愛い人が立っているいつもそうでしょ?
yunmew · 8 months
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鉄壁 鉄壁 鉄壁
誰にも奪わせないで!!!!
何一つ臆することなどはないと!!!!✊🏽
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kiriusagi-ml · 1 year
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マリオ映画の備忘録
兄弟好きでよかった〜!!!!!!!!!!!!!!!!! ネタバレあり……ネタバレしかない。思い出したところからバラバラに。感想ではないですね、とにかく覚えてるうちにシーンと思ったことをぶちまける。(観たその日に書いてるのでテンションがバグっている)
マリオさんは強気、作中では「諦めが悪い」と何度か言われていた ルイージさんは結構ポンコツな感じを強調されていた。というよりドジかな?ただドジだけどとても心優しい、いやこれ公式の説明では? 公式では優しいけど心配性らしい。あと兄に比べるとしっかり…………(目逸らし)だって。うん、確かに、心配だよお!って言ってたわ。 で、マリオさんはチャーミングで(これはゲーム明るい性格ってところからかな?)しっかりもの(そうか?)、そして「「弟思い」」 アア〜たまりませんわ〜! そんでめっちゃビックリしたんだけど、しっかりしてない(ごめんルイージくん)弟だけでなく、マリオさんも割と落ちこぼれというか……周りに蔑まれていたというか、うーん良い言葉が思い浮かばない、バカにされてたのはびっくりした。ゲームだと何でもできちゃう!って感じだったので。 あと更に驚いたのは普通に家族が居ること。ガチびびった。えっ父さん?(マリオに厳しい。というか現実的だった。せっかく会社(スパイクの会社なんだけど、彼がめちゃくちゃ出てきたのも驚いたわ。てか名前慣れねぇ〜)に勤めてたのに、弟まで巻き込んで何がしたいんだ?的なこと言ってた)母さん(マリオさんの味方してくれる)!????????あと祖父母と双子のさらに下の弟なのか「すでに会社やめちまったギャハハ!」的なこと言ってた奴もいた。誰だお前は。マジで誰?????三世代で住んでんの?コウノトリは???????? ここで既にあの、困惑だよね。世界広がり過ぎなんだけど。父さん母さん呼びなの良。兄さんだもんね、そうなるよな……。
あと以前から公開されていた配管工マリオブラザーズのCM。全財産はたいて作ったのか……。実際のCM、出演してたおねーさんが無理やりカンペ読んでる感じとか、椅子に乗って空飛んでるの演出してる(椅子丸見え)とか手作り感があった……公開前に見たのは理想の方だったのかな そんでですよ!放映されたCM見てて大喜びしてる兄弟がね、アクセント大丈夫かな?とか言い合ってる横でゲームしてたおじさん!!!あれがチャールズさんだよね!?多分そうだと思うんだけど確信が持てねぇ!!!!!!!!!!!!!!!違ったらすみません!!でもあの声チャールズさん………………めっちゃ最初に出てきたね……エンドロールで確認できなかったのが悔やまれる。
どっから書けばいいか……いやさぁ、兄弟ってあくまで人間なんすね?ピーチ姫も人間。「故郷同じかも」ってマリオさんが姫に言ってたけどどうなんだろうね〜!?ピーチ姫も人間の住む世界にやってきたのはビックリした。しかも赤ちゃんの頃に……ゲームの方で一切触れられてないとこにもサラッと触れやがって!!!!!!!!!!!!ありがとうございます!!!!!!!!!気になってたんだよね!!!!!となると他の人も人間なんですかね!!!!!!!!
あっあとパスタのキノコ除けるマリオさんにもビックリしたって、好物はスーパーキノコのマリオさんどこ!?????全般苦手なの!????!?!ヤベェ〜〜今までと違いすぎるってやべぇよ
弟まで巻き込んでってパパに言われて食卓を離れたマリオさんは部屋に戻ってパルテナの鏡やってた。なんでそこでパルテナの鏡!???ちょっと分かんない有識者頼む。宮本さんが作ったんだっけあれ???ヤラレチャッタから?そこにパスタ(キノコよけたやつかな?よく見えなかった)持ってきたルイージくんが、ボクは巻き込まれたなんて思ってないよって声をかけるの良〜!!!!!!!大好きじゃん ボクたち二人いれば大丈夫とか何でもできるってマリオさんがめちゃくちゃ言ってくれるのホント最高でした。マリオさんが言ってくれるのが良かった。ありがとう。 クッパ様も「最愛の弟」って言ってたしホント、ホントホントありがとう。
クッパ様と言えば噂に聞いてたピアノ弾いてるとこ可愛かったわ。ちゃんと悪役でしっかり怖そうな感じ(怖くは無いです。皆可愛いので)出してて良かった!!!!でもピーチピーチピチピチピーチは面白すぎるだろ。 あとね〜、シルクハット被ってくれるのたまらんかった。どどどどえっち。結婚式本番ではタキシードまで!オデッセイのタキシード姿大好きだからまじ感謝でしたねあれは。クッパ様はピーチ姫と結婚したいが一番の思いだったっぽいよね。そこなんすね……キノコ王国の支配はその次って感じだったもんね。世界を二人のものに😌
結婚式繋がりで書くけど、ピーチ姫のウェディングドレス姿も可愛かった〜!ゲームとはデザイン違って、裾に向かって桃色のグラデーション入ってたね。からのアイスフラワーで青色ドレス!綺麗だった〜!!! 今作のピーチ姫はめちゃくちゃ勇敢でしたね。マリオさんより勇敢というか、強い。世界に慣れてるからってのもあるだろうけど……でも苦しむキノピオのために結婚を承諾して一応捕まった……あっ捕まるには捕まるんだあって思った。(?) 選ぶのがバイクってのも良かったし、ドレスの下にタイツ?レギンス履いてたね。対策バッチリ。あれってバイクスーツなのかなとも思ったんだけどそれは違うよな……🤔 さっきちょっと書いたけど、キノピオに育てられたんだね姫は。大きくなったら皆のプリンセスにしてくれたってことは子供の頃から姫様ではなかったってこと🤔 姫様ではなくともキノじいはいて欲しい🥲めっちゃアクティブで勇敢なピーチ姫にハラハラするキノじいはいませんか。
んーと最初に戻るけど、ペンギンさんの王国な。このシーン最初に来るんだね〜。クッパ様がめちゃくちゃ強いというか、炎に氷は属性不利すぎだろって思った。炎で一撃、カメック(おばばって感じするわ)の魔法で作られた階段を昇って出てきたのは…………ハテナブロックゥ!???? なんであそこに攻め込んだんだろうって思ったらそのハテナブロックの中にスーパースターを保管してたからなんだね!クッパ様は長年これを探してたらしい。これがあれば姫も結婚してくれるだろうって思うクッパ様可愛い。 でも肝心のピーチ姫は(というか周りからは)クッパ様のことを超ヤベー奴(頭がパーみたいな仕草してた。ペンギンの王様と同じ)で捕まえたルイージをジャムか何かにして食べるくらいはするし、毎朝ちょっとずつ減らしてくくらいのことはするって……哀れクッパ様( ͡° ͜ʖ ͡° ) あなた達の間に何があったんですかね?それともクッパ様がひたすら残虐なことでもしてたんか?でも攻め入るのはここが初めてだったのでは……??
クッパ様はダークランドに住んでて、ダークランドのお城が可動式なんすかね?地図もう一度見たいな〜〜あの模型ください。 キノコ王国と砂漠(サラサランドか?)とジャングル王国とヨースター島とあとペンギンの国と……何があったかな……その国が(というより島な気がするが)海に浮かんでたな。
ちょっと疲れてきた。
まだブルックリンの衝撃から抜けられない……ブルックリンといえばニューヨーク市長はポリーンさんだったねー!(ブルックリン区長ではないよな?)ドンキーとの因縁ないね!!マリオさんとは縁遠いですね〜〜〜〜。可愛かったな〜。 魔法の世界と繋がる土管がその地下にあったと……そういやぶち壊してたけど行き来出来るん��な?家族みんないるんだもん、顔見せたいよね。 その土管に入った先ね!兄弟たまらんポイントでしたね。あークソ、セリフが思い出せない。でも二人なら大丈夫ってマリオさんが言ったのまずここね。フラグだねマリオさん。離れ離れになっちゃったね。
ん〜〜〜〜、ん〜〜あとはジャングル王国か。道中の感じも良かった。姫とマリオさんが親しくなってく感じ。程よい距離感。あのま��交流続けば結婚すんのかねぇ。最初からめちゃくちゃタメ口だったしなぁ。皆フランク。王族じゃないから結婚してもマリオさんが王様になる訳じゃないだろうしね。 で、話を戻すけどジャングル王国、クランキーコングがめちゃくちゃ出てきたねぇ。クランキーだよな?足で髭撫でてたのが妙に印象に残ってる。 んでドンキーとの闘いな。めちゃくちゃアウェイでブーイングされてるマリオさん……不思議な感じ。全然ヒーローじゃないんだもん。ヒーローになってく過程もたまらんね。ディディーも出てきてクスッとした。めちゃくちゃドンキー大好きじゃん。王国の皆ドンキー大好きだったよね。ネクタイ良いなぁ。それグッズ化しません? バトルが始まってドンキーに思ったよりボコボコにされてて面白かった。ゲームにならって樽は投げてたけど、マリオさんが倒すのにネコになったのはおおって、何?そう来るかって思いましたが良く考えれば事前情報だよなここな。途端、俊敏になってたね〜〜。 ドンキーとマリオさんの距離感も面白かった。ライバルみたいな立ち位置なのね。言い合いながらも助け合って、楽しそうだったわ。
からのマリカタイム来ました。なるほどレインボーロードは秘密のコース、近道って扱いなのね。BGM良かったな〜!ちょっと詳しくないけどマリカの音楽しっかり入ってたよねぇ。嬉しかった〜 ここも一部トレーラーで見てたけど、クッパ軍団は乱入してきたんだね〜。そんであそこからさ〜、倒したと思ったノコノコがトゲゾーになるのうおおおってテンション上がった。しっかりやられてコースはぶっ壊れ、ドンキーと一緒に海に落ちてくし、ジャングル王国の軍隊も皆あっさり捕まって割と絶望的∠( ᐛ 」∠)_ 水中タイム!!ゲッソー可愛かった〜、そんでウツボね!皆のトラウマウツボくん。めっちゃでけぇ。でもゲームのサイズ感考えたらあれくらいある……?いやあそこまでは大きくないっしょ。ドンキーのことちゃんと助けるマリオさん好きだよ。ウツボに食われてちょっと喧嘩したあと、ドンキーカートについてた樽の〜〜何あれジェット?見つけたとき目を合わせる二人も良かった。うん。脱出してそのままキノコ王国へ、アイテム盗んでたのかなぁ、クッパ軍団からアイテム盗って駆け抜けるシーンの爽快感!!いつもの2Dアクションだー!!!!! そんでファイアフラワーの力を手に入れたドンキーな!?これは貴重。全体的に赤っぽくなって毛先が白くなってた……かな?確かそんな感じだった。そういえばフラワーの力はマリオさん使わなかったね。ドンキーとのバトルではドンキーに息吹かれてフラワーの火消されてたし。ここで出てくるたぬき!!!!!!!めっちゃ空飛ぶじゃん。シッポコプターおもしろ。
からの結婚式乱入……の前に!ルイージくんサイドも書いとこ。ルイージマンション始まってたよね最初ね。そんでカロンがしっかり怖かったね。可愛かったけど。カロンだもん。でも倒しても復活して追っかけてくるのやだよね〜。そして逃げ込む先が城……からの歓迎するのがヘイホー!ルイージくん、良い叫びでございました。 ノコノコ!クリボー!その他大勢!のとこのさ〜軍団たちのパーティ?BGMもロックな感じで楽しかったよな〜。でキノコ王国を支配する!というかと思ったらクッパ様が言ったのは結婚なんだもんな……軍団も困惑してて面白かったわ。で、クッパ様と相対するルイージくん、脅されてしっかりお兄さんのこと吐いてね、可愛かったね。知りすぎてますー!って言ってたっけww さて捕まって、トレーラーにもいたあのチコちゃんね、よろずやチコちゃん。英名がルマリーだそうで、そっからルマリーちゃんってわけですか。ああいう皮肉大好きだよ。 そんで捕まった皆、どうすんのかな〜と思ったら結婚式で生贄にするて!!!なんの生贄だよクッパ様!!!吊るされた檻の鎖を下ろして、マグマに溶かして生贄に…いやマジで何のため??普通に始末するでもいいよ…まぁそこをアイスボールで止めるピーチ姫がカッコよかったけど!!クッパ様も固めて!!ピーチ姫がいっちゃんカッコよかったね。 もちろんそのまま止まるはずもなく……アイスが壊れて姫も変身が解け、徐々に下がっていく檻!!もうすぐ死ねるとルマリーちゃんはワクワク!檻が元々下の方にあったルイージくんは溶ける寸前!!!歯車を掴むドンキー!弟の元に颯爽と飛んでくるマリオさ〜!〜〜〜!!!!!!!!!!待ってた!!たまんねぇ〜!!!!!!!!!!!!! そんで地面に降ろしてからの大喜びのハグくっっっそ最高だった。お鼻くっつけて(めっちゃ距離近かったんよほんとにほんとにほんとに)ボクたち二人なら大丈夫だって言っただろみたいな!みたいなことを!マリオさんが!言うんかお前お前お前〜!!!!!!!!!!!!!最高!!!!大興奮! あのシーンもっかい見たい😇😇😇😇😇😇お鼻潰れてたかわいいすぎる何あれ何あれ何あれ
そんでどうするかと思えば怒ったクッパ様がマグナムキラーを発射!誘導するマリオさん!自分がやってきた土管にマグナムキラーを突っ込んだが……?その衝撃でブルックリンに帰ってくる!!え!???良いんですか!?最終決戦はまさかのブルックリンサイド。 怒りのままボッコボコにされたマリオさん。最初の登場シーンだったと思う、あの店に転がり込む。クッパ様になんか情けねぇなぁみたいなこと言われて、ボロボロの体で隠れちゃう。その間に立ち向かうドンキー達だけどクッパ様ちゃんと強いね、ドンキーもやられそうになる。そこであの最初のCM!!あれだね、自分の夢を思い出したね。セリフなんだっけな……とにかくヒーローなろうというか、出来損ないの自分を変えたいってことなんだろうね、立ち上がってクッパ様の前に! カメックが魔法で抑えてたスーパースターを、ピーチ姫が甲羅を蹴ってマリオさんの後方に吹っ飛ばす!(姫達 クッパ様 マリオさん スーパースターの位置関係)手にしようとするけどクッパ様が炎で攻撃してきて……? マリオさんがクッパ様にボコボコにされてた頃にゴミ箱に転がり込んでたルイージくんがいつ出てくるかとソワソワしてたらここできた!!!!!マンホールの蓋で炎を遮る!!!!!!あああああああああ からのその間にマリオさんがスーパースター取るのかなって思ったら違うんだよね!!!弟に手を伸ばすんですね!!!!!一緒にスーパースターを取るんだよね〜!!!!!たまらなかったここ。「二人なら大丈夫」なんだよね。二人だから出来るんだよね〜!!!!!!!!!!!!!!! そこからは無敵の力でクッパ様を!!倒してえええああああああああ!走るフォームとかちゃんとゲームのやつだったな〜!ルイージくんはスパイクを助けてたのも良かった。優しい。んでそんな二人の勇姿を見てる両親!!!!!!!!父にも認められる二人!!!!!!うおおおおお熱い。でも手のひら返し凄すぎね。 倒し方もさ〜ああ〜〜パンチとキックと二人揃って……ああ…… そんで写真撮られる時は片腕上げてジャンプするいつものポーズなんだよな!!!ありがとうありがとう
で、ラスト、二人同じ部屋に寝てんのかよ(ベッドは横並びじゃなかった。うーんと四角形の室内の左辺と上辺に置いてる感じ)と思ったらキノコ王国に家構えてるし!!!二人暮し公認です!!!!!!やったぜ!!!!!!!家はシティ(タウンって言って欲しかったけど)の中だったね。街中。 寝泊まりするだけ(ルイージくんが飲み物用意してたからキッチンとかあるだろうけど…まさに兄弟RPGぐらいだろうなあれ)なのかな?ニューヨークにも帰るのかな〜!
スタッフロールが終わって。最後、二つの世界を繋ぐ土管のあったブルックリンの地下水道の空間、あのたまごが!!!! まってたまごといえばマリオ達がジャングル王国に行く道中通ってたヨースター島のシーン可愛かった!!!果物食べてたマリオさん!!! ゲームのあの声でヨッシー!って言って終わったんだけど!!!なに!!続編あるんですかこれ!!!イルミネーションどうなんだよ!!!宮本さーーーーん!! イルミネーションといえば始まる時のイルミネーションのロゴの映像ね、ミニオンがカート乗ってたわ。可愛かった〜。カウントダウンの音がマリカだったと思うんすけどそこら辺どう? この先ミニオンとのコラボもあったりしちゃう!???どうなの!??
数時間後、落ち着いて書き漏らしたこと書いとくタイム 犬との絆の生まれたルイージくん……そもそもあの最初に舞い込んだ配管仕事のシーンのこと書いてなかったわ。言うても上手く行きませんでしたってことの描写だったしな〜。まぁ兄弟は大変可愛かったし、配管仕事する姿が見られるのが貴重すぎるよね。そのときマリオさんが持ってたのはプライヤーなのかな?ルイージさんにはレンチ(渡してくれ)って言ってたけど……あれってなんかゴテゴテしてないやつのこと指すんだもんね。 犬のことですけど、これはま〜イルミネーション感出てましたわ。イルミネーションのワンちゃんだね。この子のお気に入りの骨をルイージくんが踏みつけてしまったことから怒りを買ってお仕事大失敗。あらら。落ち込むマリオさんが可愛かったのでOKです。 あと書いてないって言えばマリオさんがキノコ王国にやって来た〜お手並み拝見(コース練習)の辺りの話か。キノコ王国の外れの森にテンテンとイバラムシ(百科便利だわぁ。NSMBWiiなんかに出てくる足の長ーい敵。初出はWiiでいいみたい。)が住んでるのが不思議。だけど軍団の敵ではないのもしっくりくるよね。ただそこに住んでる子達ってことなんだろう。確かに、ゲームの中でも攻撃して来るってよりはステージを歩いてるだけだったし。
数日後に書きに来た。ルイージくんが捕まって監獄に移動する時に流れた過去編書いてなかった気がするので。公園でひとり、ブロックを積み上げ遊んでいたら(大人しい子だったという描写ですか)いじめっ子にぶち壊される。そこに来てくれるのはもちろんお兄ちゃん。その頃から助けてくれるヒーローは変わらない……きっと今回も助けに来てねってことでしょあれ。最初から最後まで兄弟愛で殴りに来てるよねこの映画ね。
あとルマリーちゃんの存在はなんなのか?彼(女)のセリフといえば「死による救済さ」である。他の人の話聞いてて納得したが、この子は「やめること、諦めること」の象徴であった、と言われれば納得だ。諦めなければクリア出来るのがマリオのゲーム。そして先述の通りこのマリオさんは「諦めが悪い」。つまり何度ミスしても、ゲームオーバーになっても諦めなかった世界のマリオさんであり、ルマリーちゃんはその逆をいく存在。周りが誰ひとり諦めてない中、ただ一人ずっとこのゲームをやめられることを望んでいたのかもしれない。
それにもっかい姫達のこと書いときたいなーと思って。多分これはちゃんと感想。姫の立ち位置がただ助けられる側でなく、主人公が初めて来た世界の住人として協力する側であること、そして性別関係なくヒーロー(ヒロイン)になれるのだと教えてくれる存在であること。とてもいいなと思いました。でもこの姫だったらゲームのストーリー崩壊しそうだけどな( ͡° ͜ʖ ͡° )そんくらい強い方が私は好みです。だって姫はゲームの中でも強そうだもん。自立してたもん彼女。 クッパ様はまぁやってることが悪い子ですね〜!と。ヤケクソで国を滅ぼすことが出来てしまう程にはポテンシャルをお持ちのようで。もう書いたはずけど「ちゃんと強い」敵である。普段の行いから悪いんだろうな。ピーチ姫に相手にされてなかったから。しっかり悪だったんだろうと思います。私は可愛く見えてしまうけども。まぁパンフの声優さんも言ってたけどクッパみたいにはなりたくないよね…と子どもとしても反面教師にできる?できるかな…愛らしさはあるけど、あんな風にはなりたくない、というような嫌な存在感。敵としてはバッチリなのかも。
それぞれの性格や距離感は結構理想的だった。口調は皆フランクだったね。マリオさん以外はゲームの方で大方分かってるし混ぜていけるでしょう。 そんなこんなで2時間たっぷり、マリオワールドの新情報を脳みそにぶち込まれていっぱいいっぱい。思い出せるシーンを書き出してひとまずの備忘録とするが、消化するにはまだ時間がかかりそう。
ほんとに兄弟の性格、距離感やお互いへの思いが想像以上だった。世界広がりました。兄弟の解釈がとんでもないほど深まりましたね?ハグもお鼻くっつけも公式がやってくれたのでもう何も言うことねぇよ……同居もしてるしよ。うーん、この兄弟、やべーな。
とにもかくにも、最高の映画をありがとう。
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zauri8836long · 1 year
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面形のはなし
俺はどうも、付喪神に姿形を与える力が弱いらしく、うちの本丸の刀剣男士たちはよく顔が変わる いや顔に限った話でもないか。髪の長さや身長等、ともかく姿形が変わる事があるのだ
勿論、というかまぁ経験として手足の数は変わらないし目鼻が増えたりなんてこともない。ただ、そうだな 初めて気がついたのは同田貫の変化で、中傷からの手入れを終えた同田貫の顔の傷跡は普段の位置から大幅にずれ左目を上から下に切り裂いたように縦にまっすぐ残っていた 見目はどうでもいいと主張する本人もさすがに気がついたようで、すわ手入れの失敗か他に異常はないのかと本丸全体を巻き込んで騒ぎになったものだ 結局、手入れには何の問題もなく、同田貫の体にも損傷はなく、ただ傷の位置が多少変わっただけでその他の異常はないが原因もわからないというのが調査担当の職員からの回答だった そうであればもう気にすることはないというのが刀たちの意見のようで 結局、うちの本丸では手入れのたびに髪の長さが変わる乱藤四郎が様々なヘアアレンジを楽しんでいるし、身長が10cmほども縮んだ太郎太刀がなれない目線を楽しんだりという光景が当たり前になっていた 不思議と瞳の色や髪の色、肌の色等が変わる男士というのは現れず、原因不明の変化にも多少のルールが見出されている 面白いのが何度手入れしても目立った変化の現れない男士たちで、燭台切光忠や歌仙、和泉守両兼定をはじめとした連中はどうやら自身の姿形に並々ならぬこだわりを持っているようだった
そんな我が本丸でも目立って顔が変わるのが三日月宗近で、他の男士たちの変化が手入れの前後に起こるものである中、三日月だけは寝て起きるたびに顔が変わると言えるほどにその頻度が高かった 変わるのは顔のパーツのみ。目、眉、唇などそれぞれの風貌が変わっても翳りのない美貌には変わりがなく、見目のいい男士ばかりの中でなお際立つその面差しは、美には優劣や定義などなく、ただそこにあるものなのだと知らしめるかのようで、俺は逸話の力とはこうも強いのかと��心するばかりだった
そんな変化に本丸全体が慣れきった頃、五日程三日月の顔が変わっていないことに気がついた俺の驚きを察してはくれないだろうか 最初は勘違いであろうと思ったのだ。四六時中男士たちを眺めている訳でもなく少しわかりにくい変化に気がつかなかっただけであろうと しかしそれが三日も続けば違和感は増し、近侍の加州清光に尋ねたことで疑惑は確信へと変わった。ちょうど手入れが必要なほどの負傷をする者もない時期で、変化して当たり前という男士たちのあり方が急に形の変わらないものとなってしまったのならばそれは何か良くない兆しではないのかという不安が生まれたのだ 実際原因がわかった今となっては無駄であった不安だが、まぁ自分の本丸でしか起こり得ないことについては、多少慎重なくらいで問題はないと思っている
状況を把握するために三日月宗近に確認すべきことは三つ 最近何かあったのか 顔が変化しなくなっているようだが気づいているか 気づいているのなら心当たりはあるのか
結果として何かはあった、自分の変化には気づいていないが心当たりはあるということで概ね方はつき、この一件から思い至ったそもそもなぜ自分の本丸でのみこの事象が起こるのかの仮説に基づいて本丸中に鏡を置くようにしたところ他の連中の変化も多少マシにはなったんだが… 三日月宗近に何が起こっていたのかを詳しく知りたいって? 構わないが、見られていると自覚することは大事だという話とあとは三日月宗近は顔こそ綺麗としか形容できんが割と可愛いところもあるようだというだけの話だぞ?
「主、入るぞ」 声とともに部屋へ立ち入る三日月宗近の顔は演練場などで見慣れたよその三日月宗近と同じもので 障子越しの光を受けて透き通る肌や笑みを浮かべた薄い唇、長い睫毛に縁取られて滲んだ目尻はあいも変わらず美しかったが、やはり自分の本丸の三日月宗近のものとしては一番馴染みのない顔と言うことのできるものだった 用意していた座布団を示して適当に入れた茶と菓子盆を置く 説教するために呼び出したわけでなしこれくらいあったって構わないだろう さて、なんと切り出したものかと向かいに座った三日月の顔に視線を向けるとやはりよく見る見慣れない顔があってそもそもこんなトラブルさえなければ自分は他人の顔の作りになど興味のない類の人間であったことを改めて思い出した
「ここ一週間同じ顔をしているようだが何か心境の変化でもあったのか?」 元々、うちの本丸の男士たちに起こる変化は審神者である自分が他人の顔に興味がないことに加え男士たちも自身の外見にさして関心がないために発生しているのではないかと推測していた。となれば三日月の外見が変わらなくなったことは三日月自身の自分に対する認識の変化が原因ではないかと考えたのだ。
「はて、気づいてはおらなんだがそうだなぁ。主よ、心当たりはないでもないぞ」 いつもの調子でゆったりと話し出す三日月の顔にはわずかだが喜色が滲んでいて心当たりというのもそう悪いものではないだろうということを感じさせた 三日月の変化が良くない兆しなのではという不安が杞憂に終わりそうなことに胸を撫で下ろし茶を飲みながらそのまま促して聞いた内容というのがこうだ
「実はな、気がついたのは最近なのだがこの本丸に俺のことをよく見ているものがいるのだ。そやつが黙って俺を見ている時の瞳が、なんと言えばいいのかこう、そうだなぁ何かを煮詰めたように熱を持って潤んでいるのを見てしまってな。あれはまだ気付かれていないと思っているのかもしれんがあの瞳には、応えてやらねばと思ったのだ」 目線を落としてそう語る三日月の唇は常よりも笑みを深くしておりいつもなら減るはずの盆の中身は三日月が来た時と変わらず、湯のみも彼の手の内でその掌を温めているだけだ 「隠し事のうまいやつでなぁ、俺と話しているときは全くそんなそぶりは見せんのだが…なんだ、俺を盗み見ているときか?一度あまりに熱い視線に気づいてしまってなぁ。あんな風に見られていると知ってしまったら、居住まいを正すというものだ」 つまり他人を意識したことが自分の外見へ意識を向けることにつながったということだろうか、それにしてもだ 「お前を見ているやつなんてそれこそたくさんいるんじゃないのか?」 なんせ天下五剣で最も美しい刀だ。刀剣男士は見目の良いものばかりだが、その中でも特筆される美しさは男士同士でも目を引くものなのではないだろうか そんな俺の言葉を受けた三日月はゆっくりとこちらに顔を向け唇を片手で半ば隠しながらからかうように微笑んだ
「主よ、確かに俺の姿に見惚れるものなど見飽きるくらい見て来たがな、見るというのは何も、姿形の美しさだけに向けられるものではないだろう?」 いや、それはまぁそういう色恋の話なのだろうなという気はしていたが さも呆れたというような口調には何か物申してやりたい気持ちになる つまり見目の美しさに関係なく自分を見ているものの存在に気づいた結果が今だというのなら、見られていることに気がついたからこそ自身の外見を意識するようになったというのなら、それは相手に自分を少しでもよく見せたいという気持ちの表れなのではないだろうか
「まんざらでもなさそうだがそいつと付き合ったりするなら一応教えろよ?なんなら部屋割りなんかも変えてやろうか」 男士同士の惚れた腫れたの話も噂を聞かないではなかったし半ば冗談のつもりで言ったこの言葉は思った以上に三日月に響いたようだ 白い肌にさっと走った朱の真意はわからないが、てっきり惚気られているのだと思っていたが本人にそのつもりはなかったということだろうか いずれにせよ自分の姿を意識させると言うのは他の男士にも導入できそうなやり方だ。悪い影響のある現象ではないがイレギュラーは少ない方が望ましいと言われていることもあるし、試して見る価値はあるだろう
「…今はこの状態を楽しんでおるのだから意地の悪いことを言うな」 そう、らしくもなくぼそぼそと呟きながら菓子の包みへ手を伸ばした三日月はこれ以上この話を続ける気はないようで菓子は器ごと持って行けば良いと伝えればいそいそと部屋を出て行った。その浮かれた様子にもしかするとその誰かの視界に入りやすい場所で茶の続きでもするのだろうかなどという考えがよぎる。先ほどまでの反応を見るにその想像もあながち外れてはいないのではないだろうか 他人の色恋に興味のある質ではないが幸せになれよという気持ちが湧いたのは事実で自分も存外、この本丸の刀たちをかわいいと思っているようだった
審神者と三日月宗近。 ID:8615743
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qpelll · 1 year
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ヘアメイクの友人からアラサー以上の大人へのアドバイス (趣味の範囲なので逸脱はもちろん自由) 
 ・黒髪に青白い系のメイクはダメ、黄みかピンクみを持たせること 
・大人はチーク必須、アイメイクに凝らない(目周り痩せていて汚く見える) 
・年々女性らしい曲線や質感失われる、男顔の方に寄せない
・男顔とは→目と眉近い、左右の眉が中央に寄ってる、頰やエラがシャープで骨っぽい
 ・元から目の位置が高く目と眉が近い男顔は無理に女っぽくすると良さがなくなる、ニュートラルに寄せる
 ・男顔の場合→眉の存在感なくす、目と眉を遠ざける、眉間広く開ける、骨の角が取れて見える光の入れ方
・男顔はガクンとおばあちゃんっぽくならない、若い頃の印象のまま綺麗なミドルを目指すとお姉さんの印象のままいられる、ハツラツ感やキリッとした雰囲気は若さ 
 ・女顔とは→丸顔、目の位置が低い、顔の下半分が小さい、口元が上品、骨を感じにくい ・女顔こそ油断したらダメ
・女顔は何もしないと冴えないしょぼんとした寂しい印象になりがち
 ・丸顔や卵型の人はほうれい線やマリオネットライン深く出やすい、ある日突然おばさんのような印象になる
 ・女顔こそ可愛い系はある程度のところで卒業すると若く見える、爽やかさやナチュラルさがあるとしょんぼり感緩和する
・男か女かどちらかにはっきり分けられるわけではない、例えば目が高く顎が小さくて口が出ているなど日本人に多いがどちらにも入りにくい 
 ・チーク、ハイライト、シェーディングはファンデを塗って初めて生きてくる
 ・大人になったらカラコンやまつエクはあまり勧めない、清潔感出にくい
  ・年齢サインの中でも最低限隠すだけで清潔感出るところ→小鼻のキワの赤み、眉間の毛穴、唇の乾燥、目の充血(ほうれい線なんかよりもかなり目につくポイントとのこと) 
・もみあげ、生え際、うなじが無毛なのは不自然、少し残した方が小顔で首も細く見える(うなじはデザイン大切とのこと)
・美容医療は控えめなヒアルやボトならバレないが、額や眉間や目尻が全く動かない人は異様な印象 
・ピーリングやレチノールのテカテカした質感はごく一部の流行り、リアルでは1割もいない、プロのモデルはキメがなくなることはやらない 
・プロのモデルにメイク前のマッサージは殆どの場合当然やる
・整形の傷痕はもちろんわかる、プロのモデルや女優は基本的に肌をメスで切らない
 ・視聴者が思ってるほど大御所女優は切開リフトとか額挙上とかしない、傷できたら映せない
 ・ヘアメイクは全員毛穴の左官工、完璧に埋められる
 ・ドラマ主演級の女優は肌綺麗、それでもすっぴん風に人工の色ムラ作る
・埋没の糸玉や鼻翼基部のヒアルはよくわかる、プロでなくても見えやすい 
・出っ張った丸い額、下唇より分厚い上唇は今だけの流行り
 ・無加工で不自然に見えるものは実物はもっと不自然
 ・目周りは年齢必ず出る(脂性で皮膚厚く目が小さく、目元が人一倍ふっくらして頬骨が出ていないタイプだけは別) 
 ・いわゆるパーソナルカラー診断はプロでも間違っていることがかなり多い、誰でも簡単に取れて今稼ぎやすい資格
 ・人の顔色は4分割で考えることはできない
 ・服もメイクも、選択肢を絞れば簡単に売れやすい
 ・顔色は年単位で変わるがそれ以上に日によってかなり違う
・自分の顔色や色ムラ、透け感だけはどんな鏡でも正しく見ることはできない 
・反転する鏡やはっきり色が写る鏡もあるけど一度見ておくといいくらいのもの 
・鏡で見える姿には補正が入るが、それを正せばいいわけでもない 
・若い頃の古いメイクでも気にしなくていい、老けて見える要素だけなくせばいい
・インフルエンサーが使っているものを簡単に真似しないこと、あくまで売る目的がある、自分の専属メイクではない 
・他人に一番似合うものは自分のベストではない、例えその人にどんなに似ていても真似した自分は下位互換になる
 ・自分だけのベストは探すのに時間がかかって当たり前、人真似は遠回り 
 ・まつエク(付けまつげ)、カラコン、デザインネイルの3点セットは頑張り過ぎ感出やすい、どれか一つ控えめにすると余裕出る 
・大人のギャル感はお水の印象 
・コンサバ系は髪型だけでも令和に 
・今のナチュラルでカジュアルな流行が似合わない顔タイプは、髪型かメイクのどちらかラフにすると浮かない
・大人の抜け感とだらしなさは違う 
・あからさまに媚びたモテメイクは安っぽく見えナメられる、大人がやることではない 
・抜け感=工程の少なさ、アイメイクは盛らない
 ・引き算メイクはベースメイクが整っていないとだらしなくなる 
・真顔ではなく笑った時に映えるメイクにする
・完全に赤みを消すと不自然で血色が悪く見える、プロはグリーンのベース殆ど使わない 
・赤みを相殺するハイライトやチーク使う 
・髪のボリュームと水分量は20代の前半と後半でもかなり違う 
・美容院ではカラーリストよりケアリストを選ぶのおすすめ
・若く見せたければツヤにこだわるよりトップのボリューム(艶出しに躍起になるとボリュームが出せない、ツヤによって輪郭はっきりするとここまでが髪とはっきりわかってしまう) 
・前から見た時に髪の面積が少ないと老けた印象→トップふんわりさせる 
・艶が出にくい髪質は明るめのカラー 
 ・今の若者メイクは実際には大人は応用しにくい
 ・ツヤメイクは毛穴の目立たない肌向け、皮脂に見える、最近はセミマット主流
 ・シースルーバングは全体の髪薄く見えることもある 
・流行っていても男顔は眉を濃く太くしなくていい
・サロンや美容クリニックは美容関係者は紹介でしか行かない(紹介の新規患者が多いクリニックはプロが通っている)、ヘアメイクは人脈幅広くインフルエンサー以上に重宝される 
・モデルもヘアメイクも個性をなくす(プチ)整形はしない、個性をなくして整うことで売れなくなることも多い
・童顔は可愛らしい雰囲気だが、実物は若く見えるわけではない ・大人世代はいわゆる男顔や大人顔の芸能人の方が圧倒的に多く残ってる、顔が短く目の位置が低い人の方が少ない 
・芸能人は特別童顔ではない、卵型、ベース型、面長多い 
・芸能人は目の絶対的なサイズが大きいわけではない、鼻高くない
・フォギー肌目指すべきか?→肌の健康のためにはもちろんそう、メイクのノリもフォギーでないと叶わない、ツヤツヤにピーリングで剥くのは一度やってみたければでいいのでは 
・美容医療をやるならすっぴん肌でいいわけでもない、メイクしないと出ないオーラもある
・大人のストレートロング自体はイタくはないが保つのが大変、重さでトップ寂しくなるとそこばかりに目が行く 
・髪の絡まりは抜け毛に繋がる(抜けなくていい毛まで持っていかれる) 
・白髪を元に戻す方法も無いわけではないが、まずは増やさない&黒髪を抜けさせない努力
・帽子を被るならハーフアップなど脱いだ時に決まる髪型にする(脱いだ瞬間や帽子で潰れた状態が一番老けて見える)、もしくは脱いだら��ぶ 
・帽子と日傘どちらも���要なら相当バリア機能が弱っている、薄肌のモデルもそこまでしない
・サロンもクリニックも、悩みと解決法を全て言語化して欲しい人ばかりが来るわけではない、可愛くしてあげるね!と優しく励まされたい人も多い、技術は紹介で担保されているのでその先は相性が全て 
・何度も通うと雑になる美容師が多いのは本当、いい人もいる、失礼な態度と感じたら行かなくていい 
 ・イエベとかブルベとか勿体無い、顔の中には黄みも青みも赤みもある、それを自然に引き出すベースメイクすれば良い 
・PCに忠実すぎる人はメイクやファッション大きく上達しない、他人の決めた商業戦略に支配されなくていい
 ・PC一通りやったらそこから外れるのがステップアップ、PC経由しなくてもいい
・顔色=血行、撮影前にモデルに足湯やウォーキング、ストレッチさせることもある
 ・運動の習慣大切、毛細血管を育てると皮膚に栄養行き渡る ・丸まって鏡ばっかり見てると顔垂れる 
・歯列矯正で輪郭整う人実際に多い→やったー 
・モデルは裏側矯正が多い(抜歯したところには仮歯入れてる)
・モデルはまつ毛美容液使わない、せいぜい保湿目的のオイルを顔のついでに塗るくらい(色素沈着)、まつ毛パーマもしない 
・まつ毛が長いことは採用基準にはならない、今の流行 
・整形について思うことは色々ある ・童顔ブームは整形ブーム(自然に逆らうことはビッグビジネス) 
 ・売れてるモデルなら肌荒れしてても受かる、そこまで名前がないと肌荒れひとつで修正のコストがかかり落とされる 
・肌の綺麗なモデルみんなが規則正しくナッツとか食べてるわけない、顔脱毛すら終わってないことも多い 
・普通の人は痩せすぎると背が低く頭大きく見える、モデルに寄せると老ける
・ごくまれに寝なくても目が小さくならずクマもできない人がいる、テレビ向き 
・モデルは痩せそうな生活をSNSで演出するがリアルは違うことも多い、真似しなくていい 
・弛みや毛穴や痩けは痩せたり太ったりすると解決する人も多い 
・若くいたい人がそうすれば良いだけ、見た目若くなると気持ちも上がる 
 ・まつエクは少し古い印象、骨っぽく肌薄い人はさらに目元が暗く見える 
・ハイライト、チーク、シェーディングはファンデで色を均してから使う前提で作られている、カラーレスなベースでは本来の発色せず皮脂と混ざって早い時間にくすむことも
 ・若者は立体感出すメイク、大人はフラットなレフ板メイク
・美容医療やプチ整形は良いと思うがそれだけで顔を完成させると整形顔になりやすい、顔の流行はすぐ変わるからメイクで変えられる余地を残して
 ・流行は常に若者発信、大人がそこに媚びなくていい 
・顔の赤みは気付きにくい、クリニックで診てもらうのが一番 ・肌、髪、ファッションのバランス取る
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copyoffice · 3 years
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ミュージシャンのコーネリアスこと、小山田圭吾ですけど。  雑誌のインタービューによりますと、彼は、和光大学付属の小・中・高校時代に、いじめる側の生徒だったようです。 「ロッキンオン・ジャパン」(1994年1月号。編集長は山崎洋一郎)の小山田圭吾2万字インタビューによると、 「あとやっぱりうちはいじめがほんとすごかったなあ」 ■でも、いじめた方だって言ったじゃん。 「うん。いじめてた。けっこう今考えるとほんとすっごいヒドイことしてたわ。この場を借りてお詫びします(笑)だって、けっこうほんとキツイことしてたよ」 ■やっちゃいけないことを。 「うん。もう人の道に反してること。だってもうほんとに全裸にしてグルグルに紐を巻いてオナニーさしてさ。ウンコを食わしたりさ。ウンコ食わした上にバックドロップしたりさ」  とのこと。  このインタビューを読んだ村上清というライターが、その後、雑誌『クイック・ジャパン』vol. 3号(1995年8月・51-72頁)にて、「村上清のいじめ紀行」という記事を書きます。記事によれば、”いじめってエンターテイメント”ということらしく、 いじめた側の人がその後どんな大人になったか、 いじめられた側の人がその後どうやっていじめを切り抜けて生き残ったのか、  という興味から、いじめた人と、いじめられた人との対談を企画します。しかしこの対談は実現せず、小山田圭吾への個人インタビューとなります。  以下は、すべてこの雑誌に掲載された、小山田圭吾の発言です。(四角で囲ってある部分) ■沢田さん(仮名)のこと 沢田って奴がいて。こいつはかなりエポック・メーキングな男で、転向してきたんですよ、小学校二年生ぐらいの時に。それはもう、学校中に衝撃が走って(笑)。だって、転校してきて自己紹介とかするじゃないですか、もういきなり(言語障害っぽい口調で)「サワダです」とか言ってさ、「うわ、すごい!」ってなるじゃないですか。で、転校してきた初日に、ウンコしたんだ。なんか学校でウンコするとかいうのは小学生にとっては重罪だってのはあるじゃないですか? だから、何かほら、「ロボコン」でいう「ロボパー」が転校してきたようなもんですよ。(笑)。で、みんなとかやっぱ、そういうの慣れてないから、かなりびっくりするじゃないですか。で、名前はもう一瞬にして知れ渡って、凄い奴が来たって(笑)、ある意味、スターですよ。 段ボール箱とかがあって、そん中に沢田を入れて、全部グルグルにガムテープで縛って、空気穴みたいなの開けて(笑)、「おい、沢田、大丈夫か?」とか言うと、「ダイジョブ…」とか言ってんの(笑)そこに黒板消しとかで、「毒ガス攻撃だ!」ってパタパタやって、しばらく放っといたりして、時間経ってくると、何にも反応しなくなったりとかして、「ヤバいね」「どうしようか」とか言って、「じゃ、ここでガムテープだけ外して、部屋の側から見ていよう」って外して見てたら、いきなりバリバリ出てきて、何て言ったのかな…?何かすごく面白いこと言ったんですよ。……超ワケ分かんない、「おかあさ〜ん」とかなんか、そんなこと言ったんですよ(笑)それでみんな大爆笑とかしたりして。 ■高校時代 ジャージになると、みんな脱がしてさ、でも、チンポ出すことなんて、別にこいつにとって何でもないことだからさ、チンポ出したままウロウロしているんだけど。だけど、こいつチンポがデッカくてさ、小学校の時からそうなんだけど、高校ぐらいになるともう、さらにデカさが増しててさ(笑)女の子とか反応するじゃないですか。だから、みんなわざと脱がしてさ、廊下とか歩かせたりして。 こういう障害がある人とかって言うのは、なぜか図書室にたまるんですよ。図書室っていうのが、もう一大テーマパークって感じで(笑)しかもウチの学年だけじゃなくて、全学年のそういう奴のなぜか、拠り所になってて、きっと逃げ場所なんだけど、そん中での社会っていうのがまたあって、さっき言った長谷川君っていう超ハードコアなおかしい人が、一コ上で一番凄いから、イニシアチブを取ってね、みんなそいつのことをちょっと恐れてる。そいつには相棒がいて。耳が聞こえない奴で、すっごい背がちっちゃいのね。何か南米人とハーフみたいな顔をしてて、色が真っ黒で、そいつら二人でコンビなのね。ウチの学年のそういう奴にも威張ってたりとかするの。 何かたまに、そういうのを「みんなで見に行こう」「休み時間は何やってるのか?」とか言ってさ。そういうのを好きなのは、僕とかを含めて三、四人ぐらいだったけど、見に行ったりすると、そいつらの間で相撲が流行っててさ(笑)。図書館の前に、土俵みたいなのがあって、相撲してるのね。 その長谷川君っていうのが、相撲が上手いんですよ。足掛けてバーンとか投げる技をやったりとかすんの。素人じゃないの。小人プロレスなんて比じゃない! って感じなんですよ。もう(笑)。 で、やっぱああいう人たちって……ああいう人たちっていう言い方もあんまりだけど……何が一番凄いかって、スクリーミングするんですよ。叫び声がすごくナチュラルに出てくる。「ギャーッ」とか「ワーッ」とかいう声って、普通の人ってあんまり出さないじゃないですか、それが、もう本当に奇声なんか出てきて、すごいんです。 太鼓クラブとかは、もうそうだったのね。体育倉庫みたいなことろでやってたの、クラブ自体が。だから、いろんなものが置いてあるんですよ、使えるものが。だから、マットレス巻きにして殺しちゃった事件とかあったじゃないですか、そんなことやってたし、跳び箱の中に入れたりとか。小道具には事欠かなくて、マットの上からジャンピング・ニーパットやったりとかさー。あれはヤバイよね、きっとね(笑) ■いじめられていた二人目、村田さん(仮名) 村田は、小学生の頃からいたんですよ。こいつはちょっとおかしいってのも分かってたし。だけど違うクラスだったから接触する機会がなかったんだけど、中学に入ると、同じクラスになったから。で、さまざまな奇行をするわけですよ。村田っていうのは、わりと境界線上にいる男で、やっぱ頭が病気でおかしいんだか、ただバカなんだか、というのが凄い分りにくい奴で、体なんかもちっちゃくて、それでこいつは沢田とは逆に癇癪が内にむかうタイプで、いじめられたりすると、立ち向かってくるんじゃなくて、自分で頭とかを壁とかにガンガンぶつけて、「畜生、畜生!」とか言って(笑)、ホントにマンガみたいなの。それやられるとみんなビビッて、引いちゃうの。「あの人、やばいよ」って。 お風呂に入らないんですよ、こいつは(笑)まず、臭いし、髪の毛がかゆいみたいで、コリコリ頭掻いてるんですよ。何か髪の毛を一本一本抜いていくの。それで、10円ハゲみたくなっちゃって、そこだけボコッとハゲてルックス的に凄くて。勉強とか全然できないし、運動とかもやっぱ、全然できないし。 村田は、別に誰にも相手にされてなかったんだけど、いきなりガムをたくさん持ってきて、何かみんなに配りだして。「何で、あいつ、あんなにガム持ってるんだ? 調べよう」ってことになって、呼び出してさ、「お前、何でそんなにガム持ってるの?」って聞いたら、「買ったんだ」とか言っててさ。三日間ぐらい、そういう凄い羽振りのいい時期があって。そんで付いて行って、いろんなもん買わせたりして。 そんで、三日間くらいしたら、ここに青タン作って学校に来て。「おまえ、どうしたの?」とかきいたら、「親にブン殴られた」とか言ってて(笑)。親の財布から十五万円盗んだんだって。でも何に使っていいか分かんないから、ガム買ったりとかそういうことやって(笑)。だから、そいつにしてみればその三日間っていうのはね、人気があった時代なんですよ。十五万円で人が集まってきて。かなりバカにされて、「買えよ」って言われてるだけなのに。 ■中三の時の修学旅行(小山田は、村田君と、留年した一歳上の先輩と同じ班になる) ウチの班で布団バ〜ッとひいちゃったりするじゃない。するとさ、プロレス技やったりするじゃないですか。たとえばバックドロップだとかって普通できないじゃないですか? だけどそいつ(注・村田君)軽いからさ、楽勝でできんですよ。ブレンバスターとかさ(笑)。それがなんか盛り上がっちゃってて。みんなでそいつにプロレス技なんかかけちゃってて。おもしろいように決まるから「もう一回やらして」とか言って。 それは別にいじめてる感じじゃなかったんだけど。ま、いじめてるんだけど(笑)。いちおう、そいつにお願いする形にして、「バックドロップやらして」なんて言って(笑)、”ガ〜ン!”とかやってたんだけど。 で、そこになんか先輩が現れちゃって。その人はなんか勘違いしちゃってるみたいでさ、限度知らないタイプっていうかさ。なんか洗濯紐でグルグル縛りに入っちゃってさ。「オナニーしろ」とか言っちゃって。「オマエ、誰が好きなんだ」とかさ(笑)。そいつとか正座でさ。なんかその先輩が先頭に立っちゃって。なんかそこまで行っちゃうと僕とか引いちゃうっていうか。だけど、そこでもまだ行けちゃってるような奴なんかもいたりして。そうすると、僕なんか奇妙な立場になっちゃうというか。おもしろがれる線までっていうのは、おもしろがれるんだけど。「ここはヤバイよな」っていうラインとかっていうのが、人それぞれだと思うんだけど、その人の場合だとかなりハードコアまで行ってて。「オマエ、誰が好きなんだ」とか言って。「別に…」なんか言ってると、バーン!とかひっぱたいたりとかして、「おお、怖え〜」とか思ったりして(笑)。「松岡さん(仮名)が好きです」とか言って(笑)。「じゃ、オナニーしろ」とか言って。「松岡さ〜ん」とか言っちゃって。  小山田の発言から、うかがえるように、いじめられているのは、何らかの障害のある生徒ですね。  黒柳徹子の『窓ぎわのトットちゃん』には、障害のある子供とトットちゃんの心温まる交流が描かれていましたが、現実とはこういうものかも知れません。  和光大学付属というのは、障害児教育に熱心な学校のように思いましたが、表に出てくるのは美しき理想ばかりで、実際はクソガキどもの、おろかな偏見を取り除くこともできず、そういう意味ではこの記事は障害児教育を考え直す貴重な資料となるでしょう。  再び、小山田の発言からの引用を続けます。 他だったら特殊学校にいるような子が普通クラスにいたし。私立だから変わってて。僕、小学校の時からダウン症って言葉、知ってたもん。学校の裏に養護学校みたいなのがあるんですよ。町田の方の田舎だから、まだ畑とか残ってて。それで、高校の時とか、休み時間にみんなで外にタバコ吸いにいったりするじゃないですか。で、だいたいみんな行く裏山があって。 タバコ吸ってたり、ボーッとしてたりなんかするとさ、マラソンしてるんですよ、その養護学校の人が。で、ジャージ着てさ、男は紺のジャージで、女はエンジのジャージで、なんか走ってるんですよ。で、ダウン症なんですよ。 「あ、ダウン症の人が走ってんなあ」なんて言ってタバコ吸ってて。するともう一人さ、ダウン症の人が来るんだけど、ダウン症の人ってみんな同じ顔じゃないですか? 「あれ? さっきあの人通ったっけ?」なんて言ってさ(笑)。ちょっとデカかったりするんですよ、さっきの奴より。次、今度はエンジの服着たダウン症の人がトットットとか走っていって、「あれ? これ女?」とか言ったりして(笑)。最後10人とか、みんな同じ顔の奴が、デッカイのやらちっちゃいのやらがダァ〜って走って来て。「すっげー」なんて言っちゃって(笑)  こういうことを悪びれることもなくしゃべる、小山田圭吾という人物の品性とは何か、と思うわけですが、性格破綻者の芸術家というものは、たしかに存在するだろうが、私生活がどうであれ、アーチストにとって作品がすべてだというそういう考えも、一応は了解しますが。  本当にそうなのだろうか。  こういう人物が作る音楽が、本当に、人を感動させることがあるのだろうか。  それでも彼の音楽が、多くの人を感動させているのだとするなら、そもそも、音楽とは何か? 芸術とは何か? ということを、おれは問うてみたいわけです。  記事にはいじめられた人たちの、その後が載っています。村上清というライターは、わざわざ彼らの家族まで取材しています。  村田さんの家に電話する。お母さんが出た。聞けば、村田さんは現在はパチンコ屋の住み込み店員をやっているという。高校は和光を離れて定時制に。 お母さん「中学時代は正直いって自殺も考えましたよ。でも、親子で話し合って解決していって。ウチの子にもいじめられる個性みたいなものはありましたから。小山田君も元気でやっているみたいだし」  住み込みの村田さんは家族とも連絡が取れないらしい。パチンコ屋の電話番号は、何度尋ねても教えて貰えず、最後は途中で電話を切られた。  沢田さんに電話してもお母さんが出た。電話だけだとラチが開かないので、アポなしでの最寄り駅から電話。「今近くまで来てるんですが……」田園調布でも有数の邸宅で、沢田さんと直接会うことができた。  お母さんによれば、”学習障害”だという。家族とも「うん」「そう」程度の会話しかしない。現在は、週に二回近くの保健所で書道や陶器の教室に通う。社会復帰はしていない。  お母さん「卒業してから、ひどくなったんですよ。家の中で知ってる人にばかり囲まれているから。小山田君とは、仲良くやってたと思ってましたけど」  寡黙ながらどっしりと椅子に座る沢田さんは、眼鏡の向こうから、こっちの目を見て離さない。ちょっとホーキング入ってる。 ■(小山田と)対談してもらえませんか? 「(沈黙……お母さんのほうを見る)」 ■小山田さんとは、仲良かったですか? 「ウン」  数日後、お母さんから「対談はお断りする」という電話が来た。  この企画の意図は、 いじめられた側の人が その後どうやっていじめを切り抜けて生き残ったのか  ということらしいけど、誰一人、「いじめを切り抜けて」なんかいません。  村田さんの消息を聞かされた、小山田は、 「でもパチンコ屋の店員って、すっげー合ってるような気がするな」  と、語っております。  ラストでの、小山田圭吾とライター・村上清の対談から引用します。 ■もし対談できてたら、何話してますか? 「別に、話す事ないッスけどねえ(笑)。でも分かんないけど、今とか会っても、ぜったい昔みたいに話しちゃうような気がするなあ。なんか分かんないけど。別にいじめるとかはないと思うけど。『今何やってんの?』みたいな(笑)。『パチンコ屋でバイトやってんの?』なんて(笑)、『玉拾ってんの?』とか(笑)。きっと、そうなっちゃうと思うんだけど」 ■やっぱ、できることなら会わないで済ましたい? 「僕が? 村田とは別に会いたいとは思わないけど。会ったら会ったでおもしろいかなとは思う。沢田に会いたいな、僕」 ■特に顔も会わせたくないっていう人は、いない訳ですね? 「どうなんだろうなあ? これって、僕って、いじめてるほうなのかなあ?」 ■その区別って曖昧です。 「だから自分じゃ分かんないっていうか。『これは果たしていじめなのか?』っていう。確かにヒドイことはしたし」 ■やましいかどうかっていう結論は、自分の中では出てない? 「うーん……。でも、みんなこんな感じなのかもしれないな、なんて思うしね。いじめてる人って。僕なんか、全然、こう悪びれずに話しちゃたりするもんねえ」 ■ええ。僕も聞きながら笑ってるし。 ■ところで、小山田さんはいじめられたことってないんですか。学校に限らず。 「はー。多分、僕が気付かなかったっていうだけじゃなく、なかったと思うんですよ。被害者とか思ったことも、全然ないですね」 【追記】  これは私がやっていた旧ブログの中でもっとも反響のあった記事である。内容は雑誌『クイック・ジャパン』3号(太田出版)掲載の小山田圭吾インタービューを紹介したものである。  べつに知られざる逸話や稀書の発掘というものでもないし、この雑誌はそこそこ売れていて現在も入手可能であるから、なぜこんなに反響があるのか不思議に思っていた。小山田圭吾のファンなら当然このインタビューを知っていて、彼がこういう人格であることを知ったうえで、なおかつ彼の音楽を愛聴しているものだと考えていたからである。であるから、マスコミが「渋谷系」などといい、おしゃれで知的な音楽というイメージを振りまくのを私はずっと冷笑してきた。  世の中には、自分の悪趣味や鬼畜ぶりを誇示したい人間もいるらしく、旧ブログには、小山田を擁護するコメントが寄せられた。私もできる限りそれに応答してきた。しかし書き込みをする敵の数は多いがおしなべて知的レベルが低いのであまり実のある議論とはなっていない。  教養もないくせにプライドだけは高い者ほど、芸術や音楽について訳知り顔に語りたいらしい。しかも「感性」だの「センス」だのと言えば、こちらが恐れ入ると思っているのだから始末が悪い。  私はなにも高尚な芸術談義をするために、この記事を書いたのではない。私はただ当たり前のことを述べているだけである。それさえ理解できないというのは、相手の知的レベルの問題だけではなく、本質的にはおそらく芸術観、人間観のちがいであろう。彼らには、音楽よりも大切なものがある、ということさえ理解できないのだ。  最後に、G・K・チェスタトンの言葉を引用しておく。  平凡なことは非凡なことよりも価値がある。いや、平凡なことのほうが非凡なことよりもよほど非凡なのである。  人間そのもののほうが個々の人間よりはるかにわれわれの畏怖を引き起こす。権力や知力や芸術や、あるいは文明というものの脅威よりも、人間性そのものの奇蹟のほうが常に力強くわれわれの心を打つはずである。  あるがままの、二本脚のただの人間のほうが、どんな音楽よりも感動で心をゆすり、どんなカリカチュアよりも驚きで心を躍らせるはずなのだ。 G・K・チェスタトン『正統とは何か』(春秋社・73ページ)安西徹雄訳
小山田圭吾における人間の研究 - 孤立無援のブログ
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nejiresoukakusuigun · 3 years
Text
『心射方位図の赤道で待ってる』読書会レジュメ
この記事について
この記事は、文芸同人・ねじれ双角錐群が、2019年の第二十九回文学フリマ東京にて発表した第四小説誌『心射方位図の赤道で待ってる』について、文学フリマでの発表を前に同人メンバーにて実施した読書会のレジュメを公開するものである。メンバーは、事前に共有編集状態のレジュメに自由に感想や意見を書き込み合った上で読書会を実施した。読書会当日の熱気は残念ながらお伝えできないものの、レジュメには各作品を楽しむための観点がちりばめられているように思われる。『心射方位図の赤道で待ってる』読者の方に少しでもお楽しみいただけたならば幸いである。
Tumblr media
『心射方位図の赤道で待ってる』についてはこちら
神の裁きと訣別するため
一言感想
実質まちカドまぞく
岸部露伴とジャンケン小僧的な
サウダージを感じる
むらしっと文体はミクロとマクロをシームレスに語るのに向いている、というか何を書いても神話っぽい感じがする。神待ちという地獄に誘う詩人ウェルギリウス的なポジとして冒頭に置かれているのがとてもいい。読者は思わず一切の望みを捨ててしまうだろう
いつもよりむずかしくなくて(?)そのぶんむらしっと文体の魅力に意識を割いて読めた
一読した印象として、古川日出男っぽいなというのがあった
完全なグー まったき真球〜チョキまでのくだり、かっこよさの最大瞬間風速
細部
箇条書きって進むポイントというか切れ目が明確? みたいな感じはあって、ノベルゲー(いや別にノベルゲーでなくても良い。ゲームで)で次のテキストに進むために決定ボタンを押すじゃないですか。なんかそういう感覚がある。箇条書きが一つ一つ切れていることが。
連打していく感じになる
それが後半で長いのがでてきたときに効いてくる
あとなんか連打のだるさみたいなのがあるじゃないですか? 別に箇条書きじゃなくてつながってるのと負荷変わってないはずなのに。ゲームもつながった文章を読むのと変わらんはずだが決定ボタンを押すリズムがこう負荷を作ってるよな。
上記は箇条書きがあげている効果について書いたんだけれども、そもそもどうしてこの作品は箇条書きなんだろうか? その意図というか、狙ったことがあるんだろうか? そこまでないにしてもなぜ箇条書きにしようと思ったんだろうか?
●のシーン。ナツキ(本田圭佑)が導入されてじゃんけんの話をしてこの時点でギミックと言うか、じゃんけん強いというのが、すでに引き込む力がある。じゃんけんからの視点の飛躍、特に蝉が木から落ちる下りで「次の年」っていきなりなるのは良いなと思った。
池袋西口、昔のおとぎ話、宇宙、キムチチャーハン、みたいな、遠近が入り乱れている世界観に特色がある気がする
★の家族のところが印象強くて、いたりいなかったりする兄とか、石を食べて予言をする姉っていうのが、マジックリアリズムな感じもありつつ、グラース家的なイメージも感じたりした。
▲のところで、つまり地の文のまなざしは父性だったということになるんだけど(実質)、それが変質していくというか、悪夢が変形する感じがちょっとあって。おとぎ話はグイグイ来て良い。
じゃんけんに関する要素が入れ子みたいになっている
完全なグー、外界を寄せ付けない孤独の象徴
P16「完全なグーについて」「ナツキの孤独について」で、ナツキがじゃんけんに絶対に勝ってしまい疎まれることが語られる。孤独。
●の部分がグーということなんだろうけど、ここでナンパの男にじゃんけんで勝ち続けて気味悪がられるナツキの孤独が語られている
完全なパー、記録すなわち過去の象徴
P18「完全なパーについて」「ナツキの記憶について」で、ナツキ(というより、「ぼく」)のナツキのはじめてのじゃんけんの記憶が語られる。
★の部分が(この完全なグーチョキパーを語っているところを含めて)ナツキの過去を語っており全体が記録、過去になっている
完全なチョキ、繋がりを切断する、他者との関係の象徴
P21「完全なチョキについて」ここはグーとパーと異なり「ナツキの●●について」という言葉は続かないんだけど、他者との関係、そしてそのつながりの切断についてということになるんだろう。家族のことが語られる
▲の部分が、逆に★の部分で語られなかった相手である「ぼく」、父親との関係とその断絶になっている
P21ではじめてのじゃんけんでナツキに無意識に出された手が、完全なチョキであったことの意味を噛みしめてる感
我が子に関係を「切断」されたということを否定したくて(その完全性を壊したくて)、躍起になったのかな
ところどころナツキが負けたがっていることを知っている描写があり、自分がナツキの完全性を否定することが彼女の救いになることもわかっているはずだ
でもなんか挑発的だし、やっぱり負けたのがすごく悔しかったのかもしれない
官吏(仮)も天体望遠鏡の順番決めでじゃんけんをしていた。むしろじゃんけんのほうをたのしみにしているようにも読める(P14)。
父もナツキに負けたことで、宇宙をいくつかまわって再び勝負をしかけるくらい入れ込んでいた。
父も実はじゃんけん自信ニキだった?
本田圭佑vs本田圭佑
全然関係ないが、じゃんけんする人の国民的ポジションを一瞬で本田圭佑がサザエさんから奪い去ったのすごいな
自信ニキにしてはパー(過去)を出すのにも「失敗したキムチチャーハン」で負けるあたり、舐めていたのか、地力が低かったのか、ナツキが強すぎたのか。
父は抱きしめてやるべきだったんだよこれ。
おとぎ話、これなんなんだ?
最強の手「グーチョキパー」と、官吏が囚人とのじゃんけんで出した手が官吏にしか分からない(グーとチョキとパーいずれかを事後報告できる)ということは、似ている
並行宇宙の話をしてたから、つまり重ね合わせの状態の手を出しているということか(???)
どの宇宙でも勝つように収束する
やけに星がよく見える池袋でナツキたちのちょうど反対側にいた男の故郷(この国でいっとう星がよく見える土地)と、官吏の故郷(星がいっとうよく見える土地というのがこの世界にはある。おれの故郷はそんな場所の一つだ)の類似
わからん。もう少し考えたい
それはちょっと意識してるのかなーとおもったけど、おもったけど、その先がわからなかったな
よく側を通り過ぎている女二人は官吏の妻と、彼女と密会していた女っぽい(P33)?
あの二人はなんか意味はありそうなんだけど、そうなんですかね? なんか手がかりある?
そもそも官吏の妻が密会していた女っていうのがよくわからん。p33「隣の独り身の女と、三日にいっぺんは会っていた」も最初は読み方がわからないというか、男の誤記か、会っていたの主語は官吏の方かとか考えてしまったから、でもここでその目立つ書き方をしているってことは、通り過ぎている女二人なのかもしれないな、必然性があるはずだと考えるならば。
「~しあわせな結末が待っている/そのまえにすこしだけの試練~(P12)」「おれの女房が、じつはおれのことを好いていない~(P33)」
同性愛で、片方には少なくとも家庭があり云々っていう話で素朴に読んでました。おとぎ話と「現実」が地続きなことを示唆する描写っぽいけど、地続きだとしてどういうことになるのかはまだよくわかりません。
反対側に官吏(仮)がいるので、当然彼女たちのことも見かけているはずだけど、そういうところには踏み込んでいない。
「塔のまわりをぐるぐる回るわたしにまとわりついて、しゃべりはじめた(P30, L9)」
ナツキの父の一人称は「わたし」じゃなくて「ぼく」
ここの「わたし」が「ぼく」の誤りだったら、「実は父の回想でした」筋が通る気がするんだけど
だとしたら反対側にいる男がおとぎ話の官吏で、囚人がナツキの父親なら、ふたりともここにいる/そこにいないのはどういうことかってなるし
おとぎ話パートに一人称が出てきてもなんらおかしくないという当たり前の結論に達した
これがただのおとぎ話だとしたらやっぱり、上記の類似はなに?ってなるな
「官吏のいかさま/それを覆す方法」のどちらかが、ナツキに「勝てる方法(P30, L2)」と対応する?
「つまらない方法」でも「教訓がない」と強調されている
P16で完全なグーチョキパーと「昨日見た夢」が並列に扱われている
おとぎ話との関係ありそうか?
最後のじゃんけんのところ
「親指をひろげて」「人差し指をひろげて」「中指をひろげて」「薬指をとじて」「小指をとじて」なんかじゃんけんの最強の裏の手みたいなやつか?
『ラッキーマン』で勝利マンがじゃんけんで出す最強の手「グーチョキパー」の印象が強かったので読みながらウフフとなった
指を家族にたとえる歌「おはなしゆびさん」
「中指をひろげて おにいさんゆび」って言ってるけどこの宇宙には、もうおにいさんは「すでにいない(P22)」はず
ナツキはおにいさんが「すでにいない」ことを知らないのか
「だからおおむね、いるのだといっていいのだろう(P22)」で解決か
小指=あかちゃんゆび=ナツキ自身
「わたしはもういなくなるから」の意味とは?
めっちゃかっこいいんだが、なんで勝つと神の不在を証明できるんだ?
自分を負かす存在を待っている→やってきた男に勝つ、という構図で、テーマが神待ちだから?
(1)完全性の自覚を打ち砕いてくれるくらい完全なもの(神)に出会いたい→満を持して史上最も期待できそうなやつ(父)が現れるが、勝ってしまう→神の不在に感じ入る
(2)「勝てる方法」を使用してくる父に勝つには「最強の手」を使うしかない→勝つために「最強の手」を使った自分は完全ではなくなった→「じゃんけんの神」であるナツキはいなくなった。(※「最強の手」には完全性が宿らないという前提)
後者だと「わたしはもういなくなるから」に若干繋がりそうな気配があるが……。
「気に入らない男だけれど、負けるのはほんとうらしい(P30)」
実は勝ってないけど負けることによって勝利しているとかそういう話の可能性は、ないか。
なにもわからなくなってきた。
最後のビュレットがないことの意図
ここまでの文が全部、ナツキが最後に出した「最強の手」の動線ってことなのか。
山の神さん
一言感想
広瀬の(声 - 小野大輔)感
笹さんは本当にエッチな男だなあ
広瀬の絶妙なすけべ感がすごいいいんだよな
舞台が大正時代なのもあって、なんとなく森見登美彦風味も感じた
実質ヤマノススメ
過去と未来、機械と人が「重なって」ゆき止揚される様がいい。
私は毎回打倒笹さんを目指してカワイイ女の子を描こうと四苦八苦しているのだが、そんな私の苦闘を尻目に���さんは毎回さらりと可憐な少女を書いてしまう。私がシャミ子なら笹さんはさながらちよももといえるのではないか? この観点からね群とまちカドまぞくの類似点について指摘したい。
ね群とまちカドまぞくの類似点について指摘するのはやめろ
おもしろい小説を書くのってむずかしい(今回なぜかとくに思った)んだけど(隙自語)笹さんはすごいよ
時代は姉SF
対比的な文体芸が楽しい
ちゃんとそれぞれの文体の思考法でおのおのの結論に至るという意味での必然性もあり
短文が素打ちされていき、隙間にとぼけた感じが挟まれるこの手の文章が自分は好きなんだよなと思った。というか、思えるくらいに自然でうまいというのがある
p58で一瞬ネタにして明示してくれるの親切というか、やっぱりそうなんだ!っていううれしさがあり、かといってそれ以上しつこくネタにしない慎み深さがある
「機械の身体」にたいする各々の対照的な考えが、登山という身体性をともなう行為によって止揚される云々!テーマの消化のしかたがきれい
おれは登山をしたことはほとんどないが……
とまれ、こういう短いキャッチフレーズにまとめられるくらいの主題があるのは大事だよなあといつも思うんですよね……
会話が四コマ漫画を連想させてまんがタイムきららだろ、これ。
意識して読んだらマジでまんがタイムきららが脳内展開された。
ドキドキビジュアルコミックス
SF的な設定について
ものすごく複雑なことをしてるわけでもないと思うんだけど、人間と機械のきょうだいってのはちょっといろいろ考えがいがありそうなんだよな
血縁がないにもかかわらず姉妹を擬制するというのはひとつの伝統なので……
義姉妹の約を結んだのか……
単純にスペア的な存在のような気が(名前が神籬だし)
医王山登りたいな
プロットで動機や結末などを「重すぎず、軽すぎず」っていう思案してたっぽいけど、それがちゃんと活かされててよいな。
細部
大正15年、大正デモクラシーの流れで前年に男子普通選挙法、昭和が目前、世界恐慌前だしそんな世情はギスギスしてない感じだろうか。張作霖爆殺が昭和3年とかなので徐々に種が撒かれてた感もあるか
舞台は金沢らしい。旧制高校のエリートである
転移時の文章のくずれのかっこよさ、これなにか書くコツとかあるのかな……
実質パプリカ(映画)なんだよな
今敏監督で映画化だ
p52で先を歩かせてるときにスカートがちらちらするのぜったい気にしとるやろがそれを明らかにせず別の理由をつけるあたりのむっつり感
「まったく許しがたいことだ」じゃあないんだよ
p.72「広瀬は次に登る山のことを考え始めた」の爽快感がすごくよかった。
でもじつは神籬のことをめっちゃ考えてたんだけど、私小説的な照れ隠しでこの書きっぷりだった可能性もあるな
エピローグ(p.72の※以降)で広瀬たちと神籬の後日談があることが最高の読後感を提供してくるんだよな
囚獄啓き
一言感想
夜ごと街を走って体力を高めるの草
え、なんで妻は罪を犯したの?
愛だ。小林さんは愛の輪郭線をたどることで愛を浮かびあがらせるのが巧い。直江兼続の兜を想起させる。そして銀河犬が気になる。
いつもよりギュッとしてる
ぼくも同じ印象を持って、最初は漢字のとじひらきがかなり過剰に閉じ寄りになってるからかな��思ったんだけど、むしろいつもより地の文が多く、強めの短文を連打してるからなのかな
どこかに魚が出てくるかなと思ったけど、なかった
ところどころに小林さんの昏い性癖が出てる気がします
冒頭にある「地獄とは心の在り方ではないか」がポイントなんすかね
平等な地獄を作ったはずの主人公が、また別の、その人固有でしかありえない、妻の不在という地獄に……という、やっぱ愛か……
刑罰ってのがそもそも歴史がありその意義などいろいろな話があり現代に照らし返せるものの多い、したがって近未来の世界の「当たり前」がどうなっているかを描くまっとうなSFに向くテーマで、そのへんを上記の愛の話のもう片手として簡潔にまとめてるので、SF!って感じがするのだよな
理屈づけのおもしろさで魅せてく鴻上さんのとか、未来ならではの思索で魅せてく笹さんやばななさんのとあわせて、SFらしさのバリエーションがでてると思う
初読時には時系列というかエピソード間の間隔のことあんま意識して読んでなかったんだけど、妻が事件を起こしてから刑を執行されるまでにけっこう時間が経ってるのがわかって、なかなか大変やなというきもちになった
と言いつつ実はちょっとわかってないんですが、二人称で語られる断章は(多少その前な箇所もあるとして、おおむね)妻が捕まって以降の話ということでいいのかな?p85の妻への言及とかも相まって自信がないんですが
そもそもそのへんの語り全体が妻の見ている地獄という解釈もあるんだろうけど……(でないとなんで語り手がこんな詳らかに知ってるのかが説明できないというのもあり)
「牛乳を含んだ雑巾」みたいな独特の比喩から小林節を感じる。
SFってガジェット自体の新規性や利便性から話の筋を作るというのもあるんだけど、そういう未来を描くことで(かえってその迂回が)現在に通用する倫理とか問題意識を切実にさせる側面もあるんじゃないか、みたいなこと考えることがあり、これはすごくそれよりな感じがします(感の想)。時代によらず共感しうるものだったり、いま揺れている倫理に地続きの問いだったりが中心に据えられている。んじゃなかろうか。
「あなた」の作る地獄(への道)を「無関心」で舗装していたのは、むしろ妻のほうか(P79の後ろからL5、あるいは全体に漂うフラットな語り口から)? 舗装、とは言い得て妙かもしれない。その下に押しつぶされているもののほうをこそ俺はなんとなく想像してしまう。
妻の犯した過ちには子供の死と、ひょっとしたら、球獄とそれを取り巻く感情が関係している。いる?
平等であるというのは、ある意味残酷なことだ。だからこそふさわしいのだろう。意思が介入せず、全くぶれない罰を与える球獄だからこそ、罪の清算(救済)が可能である。それがどんなに償い難い罪だろうと、いやむしろ償い難いものであるほどそう感じられるのかもしれない。「あなた」による偏執的な研究の日々の傍で失われていったものがあるならば、それらの重さは球獄という完全性への期待に加担する。その信仰は、妻の中にも「あなた」の中にも、いつからかあるはずだ。
「神待ち」に関して
これから堕ちる地獄(世界)の創造主(=神)に「そこで待っている」という発言をしたことが、テーマに沿っている気がしたんだけど、どうなんだろう。
こういう発言にも妻の「あなた」への共犯意識が垣間見れるし、なんかやっぱり妻の罪の動機と球獄の製作って関わってるよね。そこをあえてすっぽり省いてる気がして。
脳波の逆位相を……という発想がよく考えたみたらどういうことだってところではあるんだけど、とくに瑕疵にらなないのはいいなというのがある
性的快感の逆位相=性的快感以外のすべてがある
妻がいない世界に生きる「あなた」=妻以外のすべてがある世界に生きる「あなた」
ということで、妻の地獄と、それ以降の「あなた」の生活は相似しており、このことがp.90「僕たちは二人並んで閻魔様に裁かれて、それから長い長い地獄に落ちるんだ」に繋がるところがうまいと思った。
細部
終盤で語り手が妻だとわかるみたいな仕掛けはやっぱりグッときちゃうんだよな
p80 パパ活やってて喫茶店のスティックシュガーパクる?と思って笑ってしまった
p81 京文線、なぜか印象に残る。急に架空の(だよな?)固有名詞が差し込まれるのが異質っぽいのかな?(ワイン、とか、省、とか、固有名詞が割と排除されている空気の中で)
「顔が見えていても私はいいんだけどね」「また来ても良い?」普通は、三倍払うと言われてそれに釣られてやってきた女は、こんな好意的な反応を返さないだろうから、そこに都合の良さというか、あるいは記録者による逆のバイアスがあるのかなとか思ったりする
p82「再び端末のキーを押下」エンジニアしぐさ
p84「君の身勝手な自棄で何人の未来を奪ったんだ」なにやらかしたの?
p.86「銀河犬」「(おばあちゃん)その辺で見ませんでしたか?」の台詞がすごく好き。小林さんは一作目からこの手のシュールさを志向している印象がある
記録の語り手が妻っていうのはなるほどねと思った
p.85「それから数年にわたって女はあなたの研究室に通い続けた」以降は、妻が罪を犯した後?
p.88「語りが過ぎた。ここで記録は結ばれ、以降は記録ではなく〜」記録3の後の最後の断章は、妻が地獄執行される場面であり、妻はその場面の記録を執筆できないということを意味している
p.89「私の心は現在どのレイヤーにあるのだろうか。」レイヤー?わからなかった
杞憂
一言感想
中盤からの加速感
これ絶対あれだろと思って読んでたのにやられた
デジタルタトゥーとかそういう意味じゃないけどわかる単語がずるいよな
インディアンのネーミングについて調べてしまった(おもしろい)
この手の一般名詞(?)をそのまま訳して名前として表すやつがなんか知らんが妙に好きなんだよな
ナツメもライチも中国原産っぽい?
原産というか縁がありそう
両方とも滋養強壮できるらしい
ちゃんと資料にあたり、ネイティブアメリカンの習俗とかJKリフレの店内の様子とかそういう細かいところをしっかりさせてて、小説の足腰ができている、見習いたいんだ……おれは……神は細部に……
SF的な理屈をいかに飽きさせずに読ませるかってところで、JKリフレとの強引な対応関係をつくる手つきがすげえ上手いんだよな
馴染みの��る語彙に変な言葉を紛れさせて地の文で展開する、みたいな
オーバーロードが中年男性に……(さらにはそれがエルクに……)っていう絵面的なおもしろさと設定的な必然性を両立してるのとか、漫才っぽいプレイの流れのなかでちゃんと話進めるところとか
文化盗用とかアーミッシュへの皮肉っぽい視線みたいなのは前回の感動ポルノに通じるところあるよな
バトルシーンの手の込みようとおっぱいで窒息するくだらなさの融合だけで“勝ち”なんだよな……
もしかしてこれをやりたいがためにここまでの全部を作り込んできてないか!?!?!?
古事成語オチをつけてなんかやっぱネイティブアメリカンの伝承の話だった?みたいにするふざけかたも好き
あ、ここから怒涛のあれが来るんだって予感でわくわくしてやはり来て、凄かった。
SF的な設定、未来の世界での娯楽・趣味的的な観点がけっこうよくて
意図されたであろう魅力が初読で存分に伝わるつくりで、かつ細部に注目する部分がたくさん残されているのがめちゃくちゃつよい。
人物やガジェットのネーミング、その他取り扱われている文化へのリスペクトなど。
細部
p97「俺たちの世界の理にして〜」、読み返してみると、焼き脛は序盤からちゃんとわかって言ってんだな……
侍ミーて
「ひょっとするとお忍びで欲望を満たしにきた元老院議員の可能性さえある。」ここクソ笑うんだよな。千と千尋のあれかよ。
「あれこれ無駄な心配をする痴れ者をさして杞憂と呼ぶ習慣」これ文脈的に杞憂じゃなくてマウンティングベアって呼ばれるんじゃないの??
なんか笑った
略されて使用されていくうちに逸れていく、みたいな、なんかそういう言葉いくつかある気がする。いまは思いつかないけど
用語について調べて/考えてみる
赫の終端(レッドコーダ):ハンドラ族の長
赫は赤いこと、勢いが盛んであること。コーダは音楽で終わるあれ。なので日本語とルビは直訳的に対応しているっぽい。レッドコーダーだと、競技プログラミングのあれになる。プログラミング力が高いから長なのか?
ポアソンの分霊獣
ポアソン:名前。有名どころだと数学者? ポアソン分布の。
分霊獣:分霊は分け御霊。獣?
分霊という言葉のもともとの意味は、分け御霊ということで、コピーして増えるという意味の分けるなんだけど、作中でこの獣の動きとしては、流れを分ける、分配するという意味の様子。
っていうかロードバランサだよな? だからポアソン分布なのか! 待ち行列だから神待ちなんだ!(今更気づいたの俺だけか?)
待ち行列SFらしいということは垣間みえていたんですけど、まさかこんなん出てくると思わんやろ
杞憂(キユー)
杞憂は空が落ちてくることを心配した故事成語。カタカナでキユウではなくキユーなのはなにか意味あるのかな。待ち行列のキュー?
あー!なんで杞憂なのかと思ってたら、そうか、queueか!気づかなかった……
キューとかレッドコーダーみたいな二重の意味、他のやつにもそういうのあるんじゃないかと思ったけどわからんな
キノコジュース
一言感想
光――
初手「ふざけるなよ」と感想を書こうとしていたんですが、本人がふざけているつもりないとしたらめちゃくちゃ失礼になってしまうな、と口をつぐんでいました。やはりふざけるなよでよさそうです。
そういう意味では、我々としてはかなり楽しく読めるんですが、どこまで本気でやってるのか測れない距離の読者からすれば、読んでいて不安になる可能性もあるのかもですね
購入者の感想がたのしみです(なんなら自分の作品よりも)
ふざけどころの緩急がすき
ナンセンス漫画ってやっぱ絵があるからこそギリギリ成り立つもんなのかなあと思っていたところ、それを小説で成り立たせてる腕力がすごい
理路のつながらなさをゲーム的な世界観と苦しむ顔がかわいい女を好きな思い込みの激しい男とでギリギリもたせている感じというか、一般のナンセンス文学の退屈さを補う怒涛のクリシェというか
ほかの人のはそれぞれに「自分もこういうのできるようになりたい」という部分があり、その一方で「だけど本当にそれが書けるようになることを自分は求めてるのか?」という立ち止まりもあるなかで、国戸さんのは心情的に共感みがすごいんだよな。「これをやりたいし、これをやればおれのやりたいことができるのか!」みたいな
好き。酒呑みながらブコウスキー読んだときとおんなじ仕合わせな気持ちになる作品。
実際完敗した感じはあるんだよな。旋風こよりを前にした上矢あがりみたいな。
国戸さんの料理好きな部分が出てるのか。登場する食べ物飲み物が気になる。苔とか。
笑えすぎて本当にずるい
細部
すべてが細部なので読みながら挙げていきます(正直一文一文挙げてきたいところはあるんだが……)
そもそも冒頭の大剣のくだりからしていきなりバカにしてて、そこから「エロい体」の「悪魔系の魔物」が出てきて(系ってなんだよ)、ハートがパチン、そして光——の畳み掛けで完全に引き込まれちゃうんだよな
本当に最初の3行ですごいじわじわきたところに「セクシーで人間と同じ形状をしたエロい体の悪魔系の魔物」でトドメ刺されるんだよな。笑えすぎる。
くっそお、俺はこいつが好きだ
「大型魔物」、「の」を入れないのが良い
最強の二人のもう片方、だれだっけて
双剣を捨てる言い訳から店主を攻撃して半殺しってところまで一文一文笑いどころしかない
全体的にそうだという気もするんだけど、とくに「ルシエは用心棒で〜」からのくだり、なんか妙にサガフロ2を思い出したんだよな
キノコジュースのくだり正直まったく不要で、リアリティを増すための習俗の描写を馬鹿にしまくってる感がある
そういう意味ではその前の鴻上さんの緻密さと対比的でおもしろいな
「戦闘で、全力でしゃべってるんだと感じた」突然詩的になるな+ペンダントのくだりの思い込みの激しさ
いきなり世界が壊れだしてから第三世界の長井みがこれまでにも増して、ちゃんとゲームの世界なんですよという無用の目配せに笑ってしまうんだよな
素直に強く反省する主人公
p136の唐突な暴力描写の投げやりっぷり
「まさか点滅して消えるだなんて」ほんと好き
「その勢いは凄まじく、まるで矢のような勢いで飛び込んで来たのだ。」ここも好き
ひかりごけをいきなり食って、しかも飢えた人間へと連想をつなげるのをやめろ
もうこのあたり完全にゾーン入ってるんだよな、一文一文が常に笑える
「強い恐怖は、それまで持っていた弱い恐怖を克服する」の決め台詞感に至るまでの思考回路がくだらなすぎる
玉ねぎの連想から無理やり涙につなげて、象徴にもなってない象徴を引っ張り出したうえで「確かに」と結論づけさせるのすごすぎる
「過去の出来事が現在の状況を暗示している」みたいなありがちなアレをばかにしてる
いきなり寝ている、いきなり寝るな
「すると〜」からの段落の描写の雑さが主人公の現実認識の雑さを象徴しててめちゃくちゃいいんだよな
ダグラスの登場あたりからやにわに話が盛り上がるのだが(そもそもこれで盛り上がってる感がちゃんと出てるのがまずすごい)、インベントリがいっぱいなことを心配したり速い虫の話をしたりさらには親の回想がはじまったりしてこいつ集中力がなさすぎないか?
とても速いなにかしらの虫ってなんなんだよ、ほんとに。何回読んでも笑ってしまう
でもなんかちょっとかっこいいんだよな
p140からのなんかいいこと言ってる感の空虚さがすごいし、そもそもなんでダグラス現出してんだよだし、それらすべてが学校の机でガタンの恥ずかしさとなんかしらんが妙にリンクしてる感じがして凄みがすごい
「あれ、これだいぶ前にもやらなかったか?」で突然我に返って、読んでる方も一瞬我に返り、ページをめくると最終ページの登場である
「苦しそうな顔が〜」で最後までふざけて、ロケットが開くのもなんか勢いで、それから光——ではないんだよ
まさしく腕力
リュシー (Lucie)は、フランス語の女性名。 ラテン語の男性名ルキウス(Lucius)に対応した女性名ルキア(Lucia)に由来し、『光』を意味する。
蟹と待ち合わせ
一言感想
マァンドリン
わりと文章が硬質なんだけど擬音語擬態語とか、こういう音声的な話を印象的に使ってくる印象がばななさんにあったけど今回それが強まっている気がする
いつもより書いてて楽しそうな印象をうけた
どこかでも書いたがばななさんの導入いつもよいと思う(導入以外が、という話ではなく)
今作はわりとエキゾチックなんだよな。キャノンビーチの鳥居を蟹がくぐる光景がエモい。
全体的にアルカイックなのは意識の誕生以前の世界への回帰だからか。
おなじ文献に着想を得てるのに杞憂との落差よ。
御神体フェチ
毎回SFギミックがハードコアではあるのだけど今回もそうで、そのうえ↓の書き手の感想にあるとおり、実際書き方がより挑戦的になってる
んだけど、それなのに!夏の島のバカンスの雰囲気に包まれててめちゃくちゃさわやかなんだよな、なんなんだよ
そう、すごくさわやかなんだよな……本当に
ずっと空と海を描いていて、そのうつくしさは質感としては憧憬に近いんだけど、ラストで急にその突き抜ける青さが手元に戻ってきて調和するのがすきなんだ
人類補完でなにが起こるかのところにこの回答持ってきたのは(↓で書いた情報の出し方のおかげもきっとあるんだけど、個人的な考��としても)個人的にはめちゃくちゃ納得感がある
収録作のなかでもアジテーション的で、わりと全体通してゆっくりアジってくるので「たしかにそうだよな……」みたいな納得感がある。あるよな?
「鯨」で強めの主張をしてからの「石球」での転調、そこからラストの「蟹」で落とす流れがきれい
というか、全体的に情報の出し方のコントロールという基本ががうまいんだよな。我慢できなくて設定語りしちゃわない?おれは我慢汁出ちゃう!
細部
ちょっと入り組んでいるので整理を試みます(みなさん適宜修正してくれ):
人類
全体と言語野を共有している
読む限り電脳である以外、形としては「普通の人間」でよさそう?
現代から100年後が舞台であること(そう遠くなく、まだ最後の電脳化が終わって間もない)、人間の肉体として考えて不自然な描写が出てこないこと
もし「異形」であるなら、相応の描写があっていいはず
自然な人間の形であるからこそ「四本足」や「七つの目」という描写が活きているんじゃないかと思って
しかし、なんでもいいというのも、この話の主題の��とつだ
「アラスカやシベリアの軍事拠点と並び、地球上で全住民の接続を完了した最後の地のうちの一つだった(P152)」
語り手たちはまだ完全に統合しておらず「人間らしい」雑念に溢れている(ように語っている、が)
笠木
御神体「ヘイスタック・ロック」
「キャノンビーチ」
笠木グループ:腕が各2本、脚が各2本の3体か
彼らの姿を想像することにあまり意味はなさそうだがいちおう
肉体(?)の数と一人称複数形のバリエーションの数は一致しない
p146で「三つの肉体」とあるから上記の解釈をしたんだと思うけど、最初読んだときそう読み取っていなかったのでなるほどと思った。何故かはよくわからないが、6本腕(兼ねる、脚)がある物理的には1つの塊を最初イメージした。p145で「七つの瞳」(3では割り切れない)とか、「三つの声、四つの声」とか書いてあるのを読んで、あまり整合的にわかりやすい体の形をしたものが何体かいるみたいな状況じゃないんだろうなと思ってしまったので。
でも油圧ショベルを操縦してるから、人間みたいな形をしているのだろうか(人間向けの油圧ショベルなのかどうかは定かではないが)
瞳のひとつは「対流圏から熱圏にいたる範囲を巡航する種々の飛行撮影機と衛星によって構成された視線(P163)」とのこと
なるほど!!
どうも彼らは記録をしているらしいことがわかる
マンドリングループ(たぶん)とは異なる一人称複数的な主体を維持しており、(一方的であれ)独立性を保てるらしいことがわかる
性交は非対称的な行為であること
「私たちは背中が三つある獣(P147)」すごいな
マンドリン
御神体「鯨→海自体へのイメージ」(仮)
マンドリングループ:腕が計6本、脚は計4本
……とあるけれど、海岸を歩んでいない2本があったりするかもしれないか
人類全体の意識(というべきではないかもしれないが)が共有されており、各々の肉体は物理的な入出力器官として位置付けられている、入れ替わることもあるていど自由っぽいことがわかる
「四本の足(P150)」という表現、ひとりはかならず共用スペースで開発をこなしているという描写(ここすき)
「肉体と精神の求めに応じて」とあるので海岸を散策する肉体も実際に交代してそうな雰囲気がある
「巨大な一つの意思たる海、それを身に纏う美しい惑星(P154)」(『ソラリス』だ)に自分たちの集合知としての存在を重ねる
パレイドリアがそれなり大事そうな概念として導入される
大戦があったこと、舞台が太平洋の群島であることなど、若干の歴史や場所の情報
環礁・核実験・地形などの情報からビキニ環礁だと思われる
鯨グループ:7つの眼
あとの「蟹」を読むかぎりでは笠木グループと同一であると思われるが……
パレイドリアの話の続きとして:自他の境界がない(このへんが神々の沈黙っぽい)→パターンを形作ることができず、生の感覚(?)としてしか受容できないみたいな話になってくる(現代的に見れば統合の失調ではある)
人間の意識(?)が完全に同一化するまでの過渡期らしいことがわかる
石球
御神体「石球」
「2121年9月のアラスカ」と明確に述べられている
時系列的にはちょっと前のように見えるが、正直よくわかってない
夢:イリアスっぽい描写
このへんも神々の沈黙で、ゆうたら「自他の境界がない、昔バージョン」の話
「開いた」球
視覚的な描写ができない、よね?
笠木グループっぽい
7つのうちのひとつの瞳が別の夢を見たらしい
俯瞰することの話ふただび
ここまでときどき出てくる語りのアップロードなどなどの話から徐々に彼らの生態の全体像が見えてくる形になってる
小さなボートのなかに女
「人類すべての言語野がつながったのが、いまからちょうど半年前(P152)」で七つ目の瞳は「一年以上にわたって(P160)」漂流していた女を見ていた(という夢を見ていた?)
P158で大地が揺れたことと関係がありそうなんだけど
鳥居をくぐる。今まで、あえて鳥居をくぐることはしなかった(P161)
純粋な観測者であるはずの7つ目の瞳が女をとらえて震える
「間近で見た御神体の岩肌は、海鳥の糞にまみれて白く汚れていた(P164)」は単純に美醜の描写を行ったり来たりすることで対象の存在感が強まるという効果もあるんだけど、もしかしたら「岩→女」への神性の移行ともとれる
女は一人称単数でしゃべる
濃い日焼け、脇毛ぼうぼう、乳に蟹
その前の段落の「あたしはようやく目を覚ます」の主体がちょっとあいまいで、おそらくこの女なのだけど、どうもここまでの一人称複数であった人間たちのうちの一個体のようにも読める……読めない?
むずかしい……最後の台詞の読解にかかっている気がする
ここで個としての人間が復活しているらしく、たしかにしているっぽいのだが
システムの「手足」に回収されつつある在りかたを、独立した「動物」のほうに引き戻してくれたらということなんだろうけど、この言いかただとそういう流れは止まらないと展望している
しかし七つ目の瞳のほうは、純粋な観測者としてあるまじき挙動をしていて……
もはや個を剥奪された端末になりつつある人間から全体への、人間性の逆流? といえばいいのか?
鳥居(文脈から切り離された木一般の意味が異邦で再構築される)というのが、いや鳥居に限らず漂着物の再構築などが(マンドリンもそうだ)、女の登場と構造的に対応しているように思う
単純な近似ではなく、その異質さを強調するための
イリアスパートの「怒り」は、システムに回収されつつある生の叫び(全体的な語りから読み取れる)に沿っている気がする(捕らわれたクリューセーイスの奪還と、漂着した「女」の物語的な関係やいかに。未読なので詳しくはわかりません)
鯨も同様、またソラリスの話も寓意に富む
女、オフラインなのかな(最後の台詞からははっきりと推測できない)
書こうか迷ったが、もしかしたら「正体」があるんじゃないか
P150の環礁・核実験・軍艦というワード(七つ目の瞳では観測できない海底)
ビキニ環礁のクロスロード作戦
鳥居への祈りから、日本の軍艦を連想
クロスロード作戦で沈没した日本艦は長門・酒匂
軍艦の擬人化と言えば艦これ・アズレン
双方のキャラクターの特性に照らす
「あたし」という一人称と「ささやかな乳房」という情報
「酒匂」ちゃん??
艦これの話か?
なんかこうもっとロジカルに導きたいんだけど、まだひらめきに近い
でもこう読むとすっと入ってくる描写とかある気がするんだよ
海への柔らかい執着とか、肉体の話とか
深海棲艦説としか思えなくなってきた
あー、なんかそっちっぽい!
最後の台詞がわかった気がする
元の肉体(艦)が(七つ目の瞳以外に)憧憬?をもって観測されつづけたことによって顕現できた、みたいなことか?
どうなんや
元あたし(傍点)じゃん?
いくつもあった「すれ違う」描写、しかし最後に「越境」して交わり、岐路に立つ!
つまり女の漂着は人類にとっての“クロスロード”だったんだよ!!!(キバヤシ)
ブロックバスター
一言感想
コインを振る。裏。←かっこいい
まったくわからないんだけど、いつもよりわかるよな
Cの盛り上がりがBとDのクライマックスと呼応していく感じが好き
読後感すごくいいからやっぱりこれ最後配置で正解なんだよな
津浦さんの作品一番難解なんだけど、なんか童話的な柔らかさがあるんだよな
ポリフォニック(ね群メンバーの作品は全体的にそうかもだけど)
こーしーもう一杯
王の祈る姿が比例して増えた←感謝の正拳突きしそう
細かな表現のかっこよさはもはや言うに及ばずなんだよな
Aの語りに出てくるモチーフの並置の伸縮自在さとか
あと「その大きさはもはや比喩の範疇を超えて唯一だった」がめっちゃ好き
挙げてくとキリがないのでやめます
細部
こっちもまずは整理してみる(修正求む)構成:4幕。
(1) p.168「「世界」という言葉がきらいだった」
(2) p.171「「世界」という言葉は、ずっと昔のあいまいな約束だった」
(3) p.174「「世界」という言葉は、その実なにも説明できていない」
(4) p.177「「世界」という言葉が薄い殻から芽吹くとき、その平熱の期待を逃してはならない」
語りの種類:5種類。
A:ほかと同じ明朝体のやつ
各挿話の最初に置かれ、「「世界」という言葉」からはじまる
p.168は病院に行く(お見舞い?)シーン?
p173「恋人の手」と「犬のクソ」は素晴らしいものと価値のないものを表しておりそれらを混同しないとみんな言いはるんだけど実際には紙一重だ、みたいなことを言っているように読み取れる、一方でp174では「生きている私たち」の強調によって、両者はいずれも生命を示しているというふうにも止揚されてくる
p.177「意味のある対象が〜
B:丸ゴシックのやつ
母を知らず、物語を作るハルと、魚から這い出したところを見つかった、八つ目の毛玉のキャット
八つ目!魚から!Cの「ものども」あるいは王だ!
母を知らないっていう宣言的な言い方がDとの関係というか、そういうものを感じる
p171「私は無垢を演じているのではないかと~」からも、直截的にはそういう読み方が誘発されると思った。Dの母との問題を無視した空想の世界。p171の描写は作り物感を補強している。p172「自身のスペアを要請」
世界の果てでコインを投げる
世界の果てが出てきて殻を破るって実質ウテナじゃん
p.180「あるいは誰かのその前駆が私と私の世界を作ったのだとしたら〜」エフェメラルな雰囲気がする
最後に揺れて、そのあと魚、でもって「彼」は(世界の)棘を持つ、(Cの)大亀だわな…
C:教科書体(?)のやつ←例のクレー
彷徨し、「世界の棘」を持つ大亀、王とものども
p.183より、ものども(たぶん王も)八つ目である
最後、魚がめっちゃとんできて世界の殻が壊れる
p.183Bによれば、Bにおける「物語」が世界と同一視できそうではある
D:薄めの丸ゴシックのやつ
現代劇っぽさのあるわたし(空想が好き、大学は文学部、就職に困る)と母。二人は折り合いが悪い
p178「世界に目を向けて」という母親の言葉とそれに従わずに目を閉じる私。「世界」という言葉への反発はAにつながっているように思う。
目を閉じて以降、空に魚が出現し母が消えるので、ここで世界に背を向けたように感じられる。というかp182のBにシーン的には合流しているように読める。丸ゴシック繋がりもあり。
ふと思ったがここの「わたし」が神待ち行為を行なっていた可能性があるぞ!!!!(ないです)
最後、やっぱ空に魚(バラクーダ!)が出現する。母はいなくな
E:薄めの明朝体のやつ
わたしと「彼女」(母性を感じはする)、あやとり
p.174「わたしは彼女の暇潰しの相手に過ぎない」が、その前のp.173B「気晴らし」につながらなくはなくて、そうなると物語自体ってことになるのか?
p.183「名づけたのは他でもない、わたしだ」。「世界」を?「世界の棘」を?
「ふだん浮遊している〜彼の棘はもたらす」らしいぞ!(だいじそう)
ストーリー性は希薄で、間投される語り
p.183、やっぱ魚は大亀の斥候なんだよな
あ、ここに寝室(Dの末尾の舞台)出てくんじゃん
あえて階層構造を仮定するなら、基底から順にD→B(Dのわたしの空想あるいは物語)→C(Bのハルの物語)で、大亀による崩壊がC→B→Dと還流してるように読めなくはない気はするんだけども……(BとDは……つーか、いうたら全部上下がなく並列でもいけるか)。で、それで世界がつながるのはわかる。じゃあ「その外に残された」の外って?(火じたいは王の演説にも出てくる)
レイヤーを想定しちゃうのは悪い癖だな。読み返してたらあんま上下関係ない説の方が強まってきた
自分だったらレイヤーを想定して書くのだろうが、多分作風的にはレイヤーとかじゃないんだと思う。しかし相互の関係性とかが変奏していく感じがあって良いんだよな
テーマについて
神待ち
神の裁きと訣別するため:自分を負かす誰かを待っている→勝って神の不在を証明
山の神さん:神待ちアプリ
囚獄啓き: 「地獄とは神の不在なり」なので、不在なんじゃないかな 
杞憂:中年男性(世界を維持するための計算資源→神?)待ち、待ち行列理論
キノコジュース:ルシエが宮殿で完全性を持つであろう存在を待っていたこと
蟹と待ち合わせ:蟹待ち
ブロックバスター:亀待ち
むりやりまとめると、神待ちの「神」を、原義側に寄せた、圧倒的なものとか完全なものとかでとって書いたのが多数派、という感じだろうか
とどのつまりは祈りだ。
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megane-tatata · 5 years
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マンガにおけるメガネの描き方のいろいろ
今自分が滞在しているロンドンでは、大英博物館にて「マンガ展」が開かれています。 マンガにおいて、メガネは非常に重要なツールだなと思ってたのですが、せっかくなのでちょっとここで振り返ってみたいと思います。
手塚治虫が仰って曰く、漫画とはその描くところの描写において、「省略」「変形」「誇張」の三大要素を持ち合わせているのが特徴だそうです。 そして、メガネは中でもその3つが高い次元で行われているアイテムとして、漫画のキャラデザインの中で非常に大きな役割を担っています。
その一方で、マンガにおけるメガネは、非常にジレンマを抱えた存在です。
マンガ(特に日本のマンガ)では「目」が表情を語るためのツールとしてものすごい大きな位置付けにあるのに、メガネはその辺りに余計な描写を入れる「邪魔な存在」のはず。 でも漫画家たちはその障壁を物ともせず、むしろ逆手にとってメガネを「���情や印象を付与するツール」として活用するため、様々な描写を発明していきます。
さて、ぱっと見て7つほど見つけたものを、一緒に振り返ってみましょう。 トレンドの変遷の一方で、それぞれが今尚手法として生きているのが、非常に興味深いです。
1)目が入るようにでっかく描こう
手塚治虫自身が太い縁の大きなメガネを愛用しているからか、彼は太めの大きなメガネをかけたキャラをよく描いています。 大きなメガネの中であれば、他のキャラと同様な目の描写ができ、また一方で「メガネ」を前面に押し出し誇張した表現によって、強く相手にイメージを与えることに成功しています。下の自画像以外にも、この「誇張された大きなメガネ」は、彼の漫画のキャラクターに個性を与えるツールとして用いられてきました。
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(引用:https://tezukaosamu.net/jp/character/459.html)
そしてこれは、後の世でも同様に漫画家たちに採用されています。 1980年代、鳥山明の作品である「Dr.スランプ アラレちゃん」では、主人公の則巻アラレが、本人と不釣り合いなほど大きなメガネをかけており、「アラレちゃんメガネ」というフレーズの流行の元となりました。 また、彼女の破天荒な性格、異次元の怪力と言ったキャラとギャップを生むメガネの存在が、どことなく「抜け感」のような可愛さをもたらすことに貢献しています。
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(引用:http://lineup.toei-anim.co.jp/ja/tv/arale/)
興味深いのは、90年代末にリメイク版で出てきた「Dr. スランプ」でのメガネは、より太い縁の、いわゆる「黒縁」感のあるフレームになっている点です。時代が進み、より細かい描写が可能になる中で、鳥山チームは「メガネ」の印象をもっと強くするため、あえて太くする方向を採用し、「誇張」の要素を際立たせることとなりました。
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(引用:http://lineup.toei-anim.co.jp/ja/tv/arale_2nd/)
2)小さいメガネにして、目に重ねないようにしよう
一方で、「邪魔なので目立たないところに置こう」というのは最初の「変形」を用いたメガネの表現だったのかな、と思っています。 ここではメガネは「鼻眼鏡」みたいな感じでちょこんと乗っていたのが印象的。長谷川町子がこの手法を取り入れており、「メガネ」の印象と、目による表現を両立させることに成功しました。
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(引用:http://www.sazaesan.jp/charactors.html#content)
ご覧のように、もはやメガネであることを忘れてしまうほど、ひょいっとつけられたメガネ。
しかし、顔の表現とぶつからない位置にメガネを置くという手法は、おそらく老眼鏡等の現実のメガネ像から採用されたもののせいか、世代の面ではなかなか幅広く使うには難しく、同じサザエさんの中でも、カツオの親友中島くんは普通に目を中に入れた形で描写されるなど、手法としては万能感に乏しい手法だった、と言えるかもしれません。
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(引用:http://www.sazaesan.jp/charactors-7.html#content)
3)レンズを目にしちゃおう
さて、そんな中、藤子・F・不二雄はさらに別の方法を取り、「メガネ」を完全に「省略」「変形」「誇張」することで、メガネを一つ高い次元に昇華することに成功しています。 メガネキャラといえば誰もが思い浮かべる「ドラえもん」ののび太くん。彼の代表作とも言えるこの作品においてメガネをよく見ると、実は非常に不自然な描写なのです。
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(引用:https://www.tv-asahi.co.jp/doraemon/news/0292/)
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(引用:https://doraeiga.com/2019/news/)
比較のためにご覧いただくと、スネ夫・ジャイアンの目は黒目の周りに白目があり、ドラえもんもまた同じ構図で描かれています。 一方でのび太を見ると、メガネの中が白く、黒目が中に。そう、実はメガネの中が全部「目」になっているのです。
もはや目じゃねーか、と思う中、藤子先生はテンプルを描くことでメガネであることを維持しています。つまり、ここで初めてメガネはマンガの三大要素である「省略」「変形」「誇張」を極めて高次元に実践することに成功したのです。
4)目を描くのをやめよう
一方、逆転の発想により、「メガネを優先し、むしろ目の方を省略しよう」という発明も行われています。
中でも代表的作品はちびまる子ちゃん。主人公の親友たまちゃん、クラス委員丸尾くん、主人公のおばあちゃんなどが、メガネの奥が見えない子として描かれています。
(引用:https://www.fujitv.co.jp/b_hp/maruko/character/school.html)
さて、この方法は、表情を一番表現できる「目」を省略することによって、本人の感情を表現しづらくしてしまうデメリットとの隣り合わせでした。
しかし、漫画家によってはこれを逆手に取り、「表情の読めない人=マッドな性格」の表現として用いるようになります。 これを高い次元で行ったのは、「テニスの王子様」の乾。乾汁や異次元のデータ解析に基づく理論的テニス等、常軌を逸した取組から「こいつ何考えてるんだ?」と思わせてしまう彼のキャラに、「目の描かれないメガネ」は大きく貢献していると言えるでしょう。
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(引用:https://tenipuri-miya.com/乾貞治/ テニスの王子様2巻, 著者: 許斐剛)
5)フレームレスにしよう(現実のメガネの採用)
一方で、フレームが邪魔なら描かなければいいじゃない、ということで、フレームレスのメガネで、レンズの輪郭だけ描く方法も採用されました。
同じくテニスの王子様では手塚国光がこの手法で描かれています。 「油断せずに行こう」の口癖からもわかるように寡黙で冷静な手塚部長。しかしながら、曲者揃いの部員をまとめ上げるリーダーシップを持った、意志の強い彼を表現する上では、目を描かないわけにはいきません。 一方で、目の周りで邪魔にならない最低限の存在感にするために、このフレームレスのメガネは非常に有用でした。 目をしっかり描く中で、多少目に重なっていても気にならない。線は最悪欠けていてもなんとかなる(後述の「省略メガネ」にも通じる要素)。
また、現実のフレームレスのメガネ(ツーポイントとか)は、非常にクールな印象を与えるもので、これは現実の印象をこちらに持ってきた、とも言えるような気がしています。逆をいえば、このメガネは「クールなイケメン」でのみ成り立つスタイルとも言え、ある意味諸刃の剣でもありました。
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(引用:https://tenipuri-miya.com/手塚国光/#more-957)
6)フレームの一部をなくそう(新たなメガネの創造)
さて、最近そこかしこで考察が行われているので、特段書き足す要素はないのですが、これも重要なメガネの一つの進化形態と言えるスタイルを紹介します。
上で散々書いてきましたが、まあ結局目を描く上では若干邪魔なメガネ。まして90年代以降の少女漫画に代表されるように、日本の漫画は表情を描くために「目を大きく描こう」という全体的な流れがあり、必然的にメガネはどうしても面倒な存在だったのです。
見て、この目(「神風怪盗ジャンヌ」の主人公より採用)。顔の半分ぐらいある、もはやどうなってるのか謎な顔です。 この辺りが目の大きさでは極致とも思えるのですが、ここにメガネ当てたら、顔の中でのごちゃつき��が半端ない中、この中でどうメガネ要素を入れるかが、ある意味課題となっていました。
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(引用:http://www.toei-anim.co.jp/tv/jeanne/)
そこで取り入れられたのが、「アンダーリム」に代表される「縁をあえて描かない」メガネでした。2000年以降、なぜか爆発的にこのメガネが用いられるようになり、「メガネキャラ=アンダーリム」ぐらいのノリでマンガ界ではメジャーになります。
「スラムダンク」以降のバスケ漫画では久々の大ヒットとなった「黒子のバスケ」。その中で「全コートから3ポイントを打つ」というチート技で一躍女子の心を奪った緑間真太郎も、このメガネをしています。小暮くんの丸メガネからおよそ15年の年月を経て、メガネも大きく変わりました。
そして、それまでクソほどマイナーだったこのフレームが、逆輸入のような形で実際にも販売され、結��な注目を集めることとなりました。 コスプレ会場だけではなく、結構おしゃれなメガネとして使われるようになったアンダーリム。マンガの影響の大きさを感じさせます。
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(引用:http://tv.kurobas.com/goods/2017/05/entry_2825/)
ちなみに、この「省略」はさらにエスカレートし、近年では、目を描きたいがためにテンプルを省略した「なぜか大事な部分ががっつりない」メガネ描写まで生まれています。
メガネであることは残しつつ、目を描くためには省略どころか「削除」してしまう。
2010年代を代表するアニメとして名高い、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(あの花)」ですが、作中で連鎖する片思いの一番端っこという悲しすぎるポジションにある「つるこ」のメガネも、この削除スタイルで描かれています。
もはや、「守破離」の「離」の域に達した、「マンガの中だけのメガネ」がここに生まれたのです。
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(引用:http://maemukinegative.blog35.fc2.com/blog-entry-1785.html)
※なお、アンダーリムなどについて深く知りたい方は、近添真琴さんのブログがおすすめです。 (参考:http://blog.livedoor.jp/chikazoemakoto/archives/8255332.html)
7)「横切りメガネ」(京アニの新技)
そして最後は、ukkahさんのブログで紹介されていた、気鋭のアニメクリエイター集団、京都アニメーション(京アニ)による新たなメガネ描写の提案です。 (参考:https://ukkah.hatenadiary.org/entry/20131122/p1)
敢えて目にぶつける。「境界の彼方」における栗山未来のメガネは、太めの縁が目にがっつりかぶさるという、メガネが最も避けてきた構図を敢えて取り入れる異色のスタイルとして、キャラデザに用いられています。 京アニは他の作品でも、このある意味禁断とも言える「横切りメガネ(命名:ukkahさん)」を積極的に用いるようになりました。
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(引用:http://anime-kyokai.com/sp/character/)
この、禁忌に触れる挑戦的なメガネは、しかし一方でどこか受け入れられる雰囲気を持っています。
これはなぜ起きたのか。決して目の表現を諦めたふうではないのに、敢えて目にぶつけるこのデザインは何を意図しているのか。
よくある可愛さの表現の中に「上目遣い」があります。ぶりっ子系の女の子がよくやるやつ。 実はこのメタファーじゃないか、というのが僕が唱えている仮説です。
メガネの枠よりちょっと上を見るような印象を与える、「上枠が目に重なる」描写。それは、顔のパーツパーツはそのままの大きさ・位置バランスの中で、メガネという存在だけで「上目遣い」の印象を与え、可愛さをさらに強調しているのではないだろうか。
ついにメガネを使って目そのものだけでなく、目線まで表現するようになった、この表現技法は非常に注目すべき新技術であると言えるでしょう。 先日の放火事件で、多くの才能あるアニメーターと貴重な原画を失った京アニ。亡くなった方の冥福を祈るだけでなく、これだけの革新的技術をもたらすだけの類い稀なるクリエイティビティが、今後どうか再び我々に新たな感動をもたらす力強さを取り戻してくれることを願うばかりです。
さて、一気に語ってきたこの「マンガとメガネ」談義。最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。 背景にある「メガネの持つ意味」からも大きな影響を受けているマンガにおけるメガネについては、さらに色々掘り下げていけたらいいな、と思っています。
(おまけ) ちなみに個人的に好きなメガネキャラは、BLEACHの石田雨竜。 彼のメガネは、下の表紙のように下側に凸のある五角形が基本なのですが(彼モデルのメガネもそのデザインを採用)、実写版映画ではただの四角いメガネが用いられていて少し残念だったりします。 …と思っていたら、作中でも四角眼鏡になるシーンが散見され、TITE先生のライブ感すげぇ…と思う次第です。。。
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(引用:https://www.shonenjump.com/j/rensai/bleach.html)
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jim0110 · 2 years
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俺は真面目だった。仕方なく片付ける類の仕事ほど精が出るタイプの人間。裏を返せば、一般人がやる気を出してやるような仕事が性にあわない人間だ。
会社に勤めて早5年。大学を出て、大手IT企業に就職出来たのは人生で最高の成功だと思っていた。年収もそこそこ、人脈もそこそこ。ずっとそこそこの人生を送っていくのも悪くなかった。
仕事が終わり、俺はそこそこのアパートに帰る為に黒い革鞄を持って早足で帰った。
特段いつもと変わらない毎日が今日も終わる。
俺は玄関のドアを閉めた。静まり返った俺一人の空間に、溜息が零れた。俺ももう30だ。周りに結婚しただとか彼女が出来たとか、そういう報告をしてくる輩は5年前ぐらいから居た。
おかえり、ただいま。そういうやり取りは家を出たっきりしていない。
その時、ポストに紙の端くれが見えた。手紙の様だ。この季節だ、年賀状でも暑中見舞いでも無いだろうに、それ以外で自分に手紙を書くやつなんて思い浮かばない。
白い封筒をするりと抜き、暗く狭い玄関に靴も脱がずに玄関にしゃがみこんでそれを眺める。
_____ 「 전정국정 님에게 주소 」
( ______様へ [住所 ××× ] )
手紙に記されていた住所は、俺の隣の部屋番号だった。
_____、とは俺の事じゃない、恐らく隣の奴の名前だろう。宅配ミスがあったのだろう、と戻しに行こうとするが、するりと中の紙が落ちてきた。封がされていなかったようだ。俺はそれを拾い、封筒に入れ直そうとする。だが、手が止まった。
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中身を見てやりたい、そう思ったのだ。つまらないルーティーンの中に生まれた唯一のノイズ。「他人の手紙」という事が、やけに鮮やかに見える。
俺は震える手で手紙を開いた。
男の字が羅列されているにも関わらず、その内容は異物だった。
「なんで来なくなったんですか?ずっとあなたを待っているのに。返事が来るまで俺は諦めませんよ、好きですから。合鍵まだ持ってますよ、居留守だってわかってます。また来ます」
ストーカー、元カノ、それとも借金取り?
頭に野蛮なワードが浮かぶ中、文字を何度も読み返して、目で追った。明らかに女の字ではない。`好きだから`その文字がやけに震え、感情を乗せて書いている事が伝わってくる。
隣の ゛______゛と言う男は綺麗な男だった。職業は検討がつかないが、こんな至って平凡なアパートに住むにしては、金を持っている様に見える。整った身形からはこんないざこざは想像出来ない。すれ違う度に柔い香水の香りがしていたのを思い出した。……まさか男と?そんな訳ないか、と冷めやらぬ興奮のせいで浅くなる息を抑えながら、その手紙を黒い革鞄の中にしまった。
数日後
至って普通な日曜日の朝が来た。特に予定も無く、顔を洗って歯を磨く。鏡に映る俺の顔は、気力と覇気に掛けていた。そんなもんだ、日曜日くらいいいだろう。
ピンポーン
と間延びした呼び出し音が鳴る。音すら久々に聞いたかもしれない、何か頼んだ覚えはないが、と歯ブラシを咥えたままインターホンを覗いた。
間違いなく隣人の_____だ。目鼻立ちが恐ろしいほど整って綺麗な肌をしている男。目を見張り、その行動を静かに、聞こえるはずもない息を潜めて眺めた。
ピンポーン
もう一度彼の指が伸びては、インターホンを鳴らす。二度目のチャイムで我に返っては、それと同時にあの記憶が蘇る。他人の手紙を読んだ罪悪感、それは意外に大きいもので、彼の夢を何度も鮮明に見た。
__ ちゃんと素直に言おう。
そう思い、今出ますと低くインターホンに声を掛ければ、サンダルをつっかけ、ドアを小さく開けた。
「ソクジンですが、なんか用ですか。」
「ソクジンさんですよね。_____、です。ちょっと聞きたい事があって」
ぶっきらぼうに告げた言葉に覆いかぶさった声がやけに明るい。怒っているふうには見えなかったが、聞きたい事がと言葉を止められればバツが悪そうに後頭部を掻いた。
「ジンさん、今日って暇ですか?」
    *        *        *
非常に居心地が悪い。財布は要りませんと言われ連れてこられた先は街中の高級レストラン。シャンデリアと広過ぎない空間が、偽りのない高級感を醸し出していた。周りにいる客も全員、非現実的な格好をして食事をしている。音を立てる事が、まるで物を盗む様に後ろめたい事のように思えて、思わず動作が小さくなる俺を、目の前の男は子供のような笑みを浮かべて笑った。
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「初めてですか?こういう場所。」
「……まあ、会社の絡みで来る事はあってもこういうプライベートは初めてですね。」
「へぇ、そうなんですか。俺、人が初めての事をしている時の反応見るの好きなんですよ、皆子供に返ったみたいにワクワクした目をしてて。」
「……はは、変わってますね。」
俺は口にレアステーキを入れながら、苦笑いをした。初めての反応だなんて少しアレな言葉に、俺は手紙の内容を思い出した。
゛ずっとあなたを待っているのに。返事が来るまで俺は諦めませんよ、好きですから。゛
行為を寄せられる理由は何となく分かる。親しみやすさが尋常では無い。その上素性が知れない所が、他人を尚惹きつけるのだろう。所謂嵌ったら危険な男。
「危険ですよね。」
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俺は右手に持っていたナイフをカシャンと音を立てて皿に落とした。ゾクリと背中に氷が滑り込んだような冷たさが走る。適格に俺の考えている事を、簡潔に二文字で図星を着く男に、恐怖が込み上げてくる。一斉に此方を振り返る客達、すみませんと声色を下げながら謝れば、にこにこと人懐こい笑みを浮かべながら首を傾げる彼に、引き攣る笑みを浮かべる。
「…何が危険なんですか?こんな場所で」
そう問えば、ふふふ、と含み笑いをしながら、上品に俺のナイフを拾い上げ、手渡して来る。
「持ち方が危ないなぁ、って。ナイフって人差し指を添えないと、調節が難しいんです。左手首にガツンって言っちゃいそうだなって。」
「あ、嗚呼……すみません。不躾な物で。」
俺は彼に言われた通りにナイフを持ち直せば、内心安堵に駆られていた。タイミングが良過ぎやしないか、ああ驚いた。水をごくごくと喉に通せば、緊張による乾きを潤した。
食事中終始、彼は俺を笑顔で眺めていたので心地が悪かった。
     *       *      *
「さて、次は何処に行きましょうか。」
まだ俺を連れ回す気だろうか。先程のレストランの様な場所に居ずらい理由は、服装にもあった。普段着を部屋着程度しか持たない為、スーツでのプライベート。゛勤務中に油を売っている社員゛と背中に書かれているようで罰が悪い。
「…____さん、俺そろそろ」
「あ、歌って好きですか?歌。」
また彼は被せるように言葉を弾ませた。だが悲しい事に、俺は条件反射で頷いた。歌は好きだった。もっと言えば、音楽が。
中学の頃、音楽科の先生に恋をしていた。三年間ずっと一途に思い続け、確か卒業式の日に告白したんだった。我ながら軽薄な思考だったと思う。
゛……あらあら、だってまだジン君は中学生でしょ?゛
なんて艶っぽい声で困ったように返答されたのを嫌に鮮明に思い出す。そんな呆気ない恋沙汰の中にも、役に立つ事は大いにあった。好かれようと歌う練習をしたり、作曲を学んでみたりピアノを始めてみたり。今じゃパッタリ辞めているが、爪痕は残せた気がしていた。
「それじゃあ決まりですね。余程好きなんですね、さっきはあんなにガチガチに緊張してたのに。」
レストランを背に振り返りながら、ふふと子供のように笑う彼の笑みに、あの先生の面影が見えた気がしてふと目を逸らした。彼の言葉の後に、可愛い、と付け加えられたのは聞かない振りをして。
     *      *      *
カラオケボックスに着くや否や、雰囲気に慣れずソファに背を丸めて座り込んでいる俺に、手馴れた様子で時間制限の紙を発行し、グラスをふたつ持って歩み寄ってきた。
「行きましょう、ジンさん。」
俺は膝の上で組んだ手に額を近付けては、嗚呼、と短く返事をしてゆっくりと立ち上がった。初対面の奴とカラオケ、しかも男同士。緊張と言うより、変な居心地悪さが纏わり着いていた。
個室に入れば、尚更のこと。狭い空間は気まずさの象徴、だが____はそんな事を気にしていない。先に曲入れていいですか?なんて先程注いで来た、意外なチョイスのオレンジジュースを飲みながら俺に聞く。勿論、俺から先なんて有り得ない。そういう様にこく、と短く頷けば、彼は手早く曲を本体に送信した。
知らない曲だ、まあ疎いから仕方ない。そう思いながら前奏を聞き流そうと画面を眺めると、歌手名で目が止まる。
____ (彼の名前)
間違い無かった。同姓同名かも知れない、にしても同じ名前の奴が作った歌なんてよく初っ端から入れれるな、ハードル高いだろうに。そんな風に思いながら足を組みなおす。目の前に置かれたマイクを何となく手に取って眺め、前奏を聞き過ごした。
すう、と浅く吸う呼吸の音で分かる。歌が達者な奴の独特なブレス。俺は少し目を見張り、視線だけを彼に向けた。俺は小さく息を止めた。歌い出しの音に、ビリビリと電流が走った様に衝撃を受ける。上手い。一般人にしては上手すぎる。声量、音程、アクセント、ビブラート、発音、ブレス、ロングトーン、どれを取っても天才的だ。まるでCDを買ってきて、流しているような感覚。俺は唖然とした。
気付けばあっという間に一曲を終え、俺はと言えば終始俺は口を開けて眺めていた。
彼の横顔は、鼻が高くて骨格が男らしい事がよく分かる。それがこちらを見て、目尻をくしゃりとさせて笑うので、俺は思わず視線を逸らした。どうでしたか?なんて無邪気に問う彼に、どうって…と言葉を詰まらせた。
体がじくじくと熱い。まるで一生涯応援していた歌手の生歌を聞いた時のようだ。俺の為だけに奏でられたその音の余韻に、今も尚体が動かない。その声の重みは、明らかに俺には強過ぎた。
「歌手でもやってらっしゃるんですか。すみません、そういうの俺疎くて。」
「ええ、そうなんです。…困ったなあ、巷じゃ結構有名なんですよ。CDも出してます、今月はランキングにも入ったんです。」
俺は巷で話題の歌手とカラオケに来ていたようだ。しかも財布も持たず、ランチまでご馳走になった後に。急に恥ずかしさが込み上げてきて、耳が熱くなるのが分かる。
「……凄いですね、俺全く知らなくて。」
ドギマギしながら上記を告げている最中に、ふと手が持ち上がっては何かが触れた。
見れば、____が頬に俺の手を当てている。熱いですね、と艶のある声で囁かれれば、体の輪郭が歪む様な感覚に少し身を捩る。熱いのかもしれない、俺は此奴の歌で、完璧に魅了された。手紙の事などとうのとっくに忘れて、「有名歌手である男」という肩書きが上書きされた。
      *      *      *
四時間はあっという間だった。俺も結局嫌々歌わされたが、高い音域が出ず、恥をかくという大失態をおかした。だがそれより、久々に刺激のある出来事とスケジュールで、すっかり゛楽しかった゛という感想しか言えなくなっていた。どころか、別れるのすら惜しかった。
「家も隣ですし、また行きましょう。今度ジンさんのオススメのお店も知りたいなあ。」
ふにゃりと柔らかい笑顔を見せる彼に、行きつけのラーメン屋とかになっても文句無しですよ、なんて乾いた笑みを浮かべるまでに成長した俺は、アパートの十三階の廊下で同時に彼と別々の部屋に帰った。
玄関を閉めれば、どっと疲れが増してくる。
明日は月曜で出勤日、それだと言うのに遊び呆けてしまった。一日留守にした家は、蝉の声と湿って熱い空気が充満し、尚更疲れに油を注がれる。
即座にエアコンを付ければ、スーツを脱ぎ、シャツだけになればネクタイを解いてベッドに横になった。本当に楽しかった。鮮明に浮かんでくるのは、____の耳に残る浮遊感のある歌声と、甘い匂いと、それなら頬の温度。ふと目を閉じれば、眠気が押し寄せてくる。
      *      *      *
俺は聞き慣れない音で目が覚めた。まるで錆びたドアが軋む様な高い音。ふう、と息を着きながら音の正体を、寝惚けた夢半分の頭の中で探る。
『あ、あ、っ、ああっ、ん』
俺は飛び起きた。明らかに女の喘ぎ声が、隣の部屋から聞こえてくる。何か悪い事をする時の様に、気持ちに余裕が無くなる。俺の左側に部屋はない。隣は____の部屋だった。間違いない。
俺は息を飲んで、右の部屋と衝立になる壁に耳を着けた。途端、どかんと強い振動が伝わってくる。浅い息をなるべく静めて、壁の向こうの状況を掴もうと。炊飯器の乗った棚と、本棚の間に体を挟み込んだまま、唾を飲み込んだ。
『あっ、_____オッパ…ぁ、っ気持ちいい、』
女性の卑猥な嬌声から汲み取れる言葉を繋ぎ合わせ、言葉の意味を理解する。はっきりとアイツの名前を呼んでいた。その声と重なるように、紛れもなく、綺麗な吐息と低音の混ざる、音が聞こえてくる。間違い無く______の声だった。
こんな時に蘇って来るのは、あの時の_____だ。可愛いと俺に呟いていた彼に、熱いですね、と艶っぽい声で俺の手を頬に宛がっていた彼。それと同時に、俺の手が金具音をカチャカチャと立て、ベルトを外していた。雑に下ろせば、自ら自身を緩く扱き始める。女の大きい喘ぎ声を脳内で排除し、ベッドの軋む音の奥の、彼の低音の甘い喘ぎを、壁に耳を押し当てて必死に拾うように。気付かれては行けない、隣の喘ぎ声を、しかも男の方の喘ぎ声をオカズに、一人でスーツのままこんな風にだらし無く自慰だなんて。は、は、と短い息が漏れ、いつの間にか嫉妬で涙すら滲んでくる。ぼんやりする頭の中で、手紙のことを思い出した。そうか、あの手紙はこの女の書いた物なのだろう。そう勝手に憶測すれば、掌に吐き出した白濁をそのままに、だらんと壁にもたれ掛かった。
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好きになっては行けない奴を好きになってしまった、そう理解するのに時間は掛からなかった。いつの間にか静かになった隣、気分も落ち着いて来た頃に、風呂に入って着替えを済ませた。そのまま、倒れ込むように眠りに着いた。
     *       *       *
月曜日の朝は早い。訳の分からない朝礼をする為に、1時間も早く家を出る必要があるからだ。かといって起きるのが苦である訳でもなく、割と幼い頃から得意だった。トーストを焼く間に、髪型を整えて洗顔を済ませようと洗面台に向かう。いつもと家具の配置が違う、そう思うのは恐らく炊飯棚と本棚の間が微妙に広くなっているからだろう。足で押し退けた事など、昨晩は全く気付かなかった。朝になってしまえば、なんであんな事をしたのだろう、と遅めの賢者タイムに差し掛かっており、段々と馬鹿馬鹿しく思えてきた。
予定よりも10分早いが、テレビも朝早くは政治問題かラジオ体操。興味関心をそそる物は一切なく、俺は家を早く出ることを決意した。髪型よし、スーツよし、鞄よし、ハンカチとちり紙よし。と学生の頃から抜けないチェックする癖を何気なく玄関付近にある鏡を見て発動させながら、俺は家を出る。しっかりと鍵を掛ければ、確認してドアノブを何度も捻る。そして視線を伏せながら、エレベーターに向かう。______の部屋の扉を見ないように、無意識に。
なぜ十三回の最上階に住もうと思ったのか、階段など気が遠くなる故に、隣人と居合わせると気まずいエレベーターを毎朝使っている。エレベーターが開けば、いつものお喋りが凄いおばさんが、
今日はいない。良かった、と安堵をして背を背後の鏡に預けた。車の免許は金を貯めてから��しようと、バスの定期券を毎朝持ち歩いている。金を貯めようと決意した年数は、俺の年齢引く23。一向に取る気がないのは、俺の気力がないのと使い道に夢を感じない所だろう。そんな事を考えながらエレベーターでの静かな時間を過ごしていると、6階でエレベーターが止まる。今日はイレギュラーな事が多いな、とぼんやり考える。エレベーターが開けば、鼻に馴染んだ甘い香りを感じた。俺より5cmくらい背の高い、そう、______。
「「 あ 」」
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思わず当時に感嘆符を漏らしてしまい、昨日の出来事を思い出す。相手は相も変わらずぽかんとしているが、俺の方は大慌て。寧ろ、_____の方が慌てるべきである状況だろう。知り合った隣人の隣の部屋で女と夜、だなんて罰が悪いにも程があるのではないか。だが______は慌てるとは反対に、また逢いましたね。と笑顔を向けてくる。
「昨日はどうも」
なんて頬を掻き、会釈をした。一日経つということは凄い。人をここまで気まずくさせる事が出来るのだから。そして時間が経っただけではない、俺は昨日の夜、こいつの声で。
「仕事ですか?そっか月曜日だもんな…俺の方も今日は呼ばれてるんです。あ、そのスーツ昨日と違いますよね。ネクタイも」
一人でつらつらと言葉を喋っては、エレベーターの閉ボタンを押して個室に入ってくる。俺は言う事を聞かない鼓動を、咳払いで誤魔化すのに労力を費やしていた。ネクタイも、と彼が俺に手を伸ばす。反射的に、ぐ、とその手を掴んでしまった。止まらない。降下していくエレベーターの中で、自分でも困ったような顔をしながら、昨日女に触れていた手であろう彼の長く骨ばった指の間に、自分の白い指を滑り込ませていた。
「…え、どうしました?手。」
俺はば、っと手を離せば、1階に到着し開いたエレベーターを逃げるように降りた。恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかし過ぎる。止まれなかった。綺麗な顔で、俺に手を伸ばす______が鮮明に頭に焼き付いて、離れない。俺は結局、バス停まで早足で行き、10分所か一本早いバスに乗った。息をつきながら、最後席に座る。本当に朝から災難だ。
「おい、お前。ここの資料、本社比較って文字入れろって言っただろう?これじゃ他者の使ったのかってクレーム来ても文句言えないじゃないか。」
「あ、すみません。作り直してきます。」
とんでもない凡ミス、しかもそれはこの間俺が会議で問題定時した場所だった。課長も嫌味たらしくきちんと理由まで丁寧に説明し、くしゃっと握った後のシワが着いた資料を突き返してきた。
朝の出来事が頭から離れない、ずっと。_____は俺に触れられて嫌だったん��ろうか。……いやそりゃそうだろ、一日出かけただけの男に手なんか繋がれたら、誰でも気味悪いか。そう思い肘を着いた先には珈琲があり、課長の机は見事珈琲の香りと色に染まった。
     *       *       *
残業のせいで帰宅時間は夜の十一時。やらかした俺が悪い事は十分理解出来ていたが、何も追加事項を加える事は無いだろうに。課長とギクシャクした日だったな、と疲れた目を解すように眉間を指で揉みながら、自宅の鍵を開けた。相変わらず静かさと暑さを極めている俺の部屋に、音と涼しさを加えようと、エアコンとテレビを付ける。これは飯食べずに風呂に入って寝るパターンか、と月曜の夜から憂鬱な気持ちに苛まれる。
仕方なくシャワーだけ浴びようと、服を脱ぎ捨て洗濯機に詰め込めば、ひんやりとした風呂のタイルの床を避けるように踵を浮かせて、シャワーで床を流す。変に潔癖なのは昔からだった。風呂で髪と体を洗う間も、_____のことがチラついた。昨日の夜の事のおかげでそういう気は起きなかったが、焦がれるような気持ちは収まらない。ふう、と溜息を着けば、日焼けの後など一切無い白い手を眺めた。______と触れた手。頬に当てられた時も、俺から触った時も、確か全部右の手だった。
  
     *       *       *
疲れた日の風呂は気持ちいい。エアコンの涼しい空気が充満した部屋で、まあ悪くない一日だったのかもしれない、だなんて、涼しさに先程の自分の発言から掌を返しながら考えた。風呂が気持ちいい日は、ビールも気持ちいい。その等式が分からない俺世代の男は居ないだろう。1缶くらい構わないだろう、二日酔いするタイプでも、量でもない。ほろ酔いくらいで寝るのがちょうどいい、そう言い訳しながら俺は冷蔵庫からビールを取り出す。テレビをぼんやり眺めながら、喉を通っていく金色のアルコールに幸せを感じた。
ピンポーン
ドキリと心臓が跳ねた。
ピンポーン
少しも間がないあいだに、もう一度チャイムが鳴る。期待している俺が居た、_____が訪ねてきたのでは無いか。もしかしたら、今日の朝話し足りなくて、とかそういうのだろうか、と。
インターホンを覗けば、宅配便だった。ケチって買ったネットショッピングの水筒だろう。一瞬で夢が冷めると同時に、酔いすら冷めてしまった様な気がした。
無愛想に荷物を受け取れば、箱を開けて水筒を眺める。
゛手紙はちゃんと持ち主の所に届けない癖に、水筒はちゃんと届けるのか。どうせならまた間違えて、___が俺に渡しにでもくれば。゛なんて思考すら芽生えている。俺はふと気付く。これって依存じゃないか、と。あの手紙を書いたやつ、恐らくあの女は____に依存しきっていた。それを見た時、まるで汚い物でも見たかのようにあしらったのを覚えている。依存なんて馬鹿馬鹿しい。結局は体だろう、そんなふうに。今、俺はその状態なのかもしれない。唐突に_____が恐ろしく、それでも尚更愛おしく思えてくる。
俺は薄い布団を被り、目を閉じた。早く寝てしまおう。朝_____に会ったのは今日が初めてだ、明日も明後日も、きっと合わないだろう。今日はイレギュラーだったんだ。そう言い聞かせるようにしながらも、隣で彼が何をしているのか気になり、一、二時間眠れなかった。
  
   *        *        *
やらかした日も辛いが、やらかした次の日はもっと辛い。上辺上で許していても、心の中ではどうせ憤慨しているんだ。憤怒に血管を浮かせながらも普通を装って対応する課長を想像しては鳥肌が立った。俺はいつも通りの配置に戻った炊飯棚と本棚を通り過ぎ、昨日と同じく髪型から靴までチェックをした。今日も装いだけは一丁前だな、なんて自分を揶揄うような思考で大雨警報付きの火曜日の朝という憂鬱な事実を見ないようにし、今日も家を出た。だが、足を止める。____の部屋のドアの前に、黒い折りたたみ傘が落ちていた。俺も傘を落としたことがある。カバンの側面ポケットに入れると、何かと落としがちなのはよく知っていた。時間に余裕もあるので、それを開いて名前を探した。__(彼の名) 間違いなかった、____の物だ。家の前に落としているとはいえ、保管はしておくべきだろう。それより、他のやつに拾われて届けられるのが癪だった。俺は其れを黒いカバンに入れ、仕事帰りに家に寄ろうと考えた。だが傘の表面から、はらりも布のような物が落ちた。拾って眺めると、直ぐにそれがハンカチである事が分かる。二日前、_____が持っていた黒いハンカチによく似ていた。名前すら書いてはいないが、恐らく彼のものだろう。彼の使っている香水か柔軟剤かの甘い香りをたっぷりと含んでいるそれも、丁寧に畳んで鞄に入れた。一つ気がかりなのは、ハンカチが傘の中にあったという事だ。彼がそんな雑な扱いをする人もは思えないが、預かり物が増えるのは此方としては嬉しく、さほど気になりはしなかった。
      *      *     *
仕事に集中出来るわけもない。鼻について離れないあの甘い匂いを、今すぐもう一度嗅ぎたかった。匂いを感じれば、傍に彼奴がいるような気分になる。隣で歌っている時の感動を、鼓動を、鮮明に思い出せるような。ちょっと御手洗に、と後輩に断りを入れ、鞄から取り出したハンカチを自然にポケットへと忍ばせ、トイレへと向かう。
一人便器の蓋も開けず底に腰を下ろしては、ハンカチを取り出す。その布の表面に鼻を埋めれば、体がぞくぞくとする。熱くなり、同時に満たされる感覚が俺の体を撫でる。あの時の声の音響も、温度も、表情も、鮮明に蘇ってくる。何を魔が差したのか、そのハンカチを片手で鼻に押し付けたまま、中指を自らの後孔にゆっくりと挿し入れていた。挿れたことなんか勿論ない。ただ、自然とそうしたくなった。彼と最高までの仲に上り詰めたなら、多分こうなる。そう眠れない夜に考えた結果、自分の中でこうなのだ。声を抑えながら、これは彼の指だ、と暗示をかける。_____の胸板に顔を埋めて、身を預けて、快感を与えられる。そう思うだけで下腹部が熱くなった。
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【脳内劇場】 セールスマンの死 (1994) その1
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すっごい有名なお芝居みたいなので、間違ったことを書いちゃうのが怖いです😖
自分の人生は無意味だったのでは、と気づいた時には遅すぎたお父さんのお話。このお父さんが息子にかける誤った希望を生きがいにしているところなどは、同じ作者さんの 「橋からの眺め」 で姪っ子へのさらに歪んだ希望なくしては生きていけないおじさんが出てくるので、テーマなのかも。こういう人がヘタに自己実現の機会を与えられると、ブレキングバッドのホワイト先生みたいになっちゃうかもしれない…とか思ったり(笑)
夢や希望、人生の意味、親や子を喜ばせたい気持ち、または親や子へ��幻滅など、誰でも感じたことがあることが議論されているので、みんなが共感できるはず!
ジュード (21) は劇中では32歳の息子ハッピーを演じています。ハッピーの兄のビフ (34) はHBOのRomeにてマーク・アンソニーを演じたジェームズ・ピュアフォイ(30)、一家の父のウィリー・ローマンはケン・ストットという顔ぶれ。 フィリップ・シーモア・ホフマンがお父さんを演じた舞台もすごかったそうなので、それも見てみたかったですね (T_T) 面白いのは、この作品の監督のマシュー・ワーカス氏 (Matthew Warchus) が後にThe Old Vic劇場の芸術監督におさまり、ジュードの次の舞台作品、イオン (Ion, 1994) の監督のデイヴィッド・ラム氏 (David Lam) がその姉妹劇場であるThe Young Vicの芸術監督に就任、どちらの劇場も、「国立劇場のヘタな芝居を観るよりも、Vicに行ったほうが面白い」 という���金時代を迎えることです(余談ですが、ワーカス氏の後にThe Old Vicの監督に就任するのがケヴィン・スペイシー)。二人の敏腕舞台監督と仕事が出来てよかったネ、ジュード!
この作品のお写真は残念ながら2枚しか残っていないので(イオン以降のお芝居はカラー写真がいっぱいあるよ!)、お写真は1985年のダスティン・ホフマン主演映画で補足。この映画もいいからみんな観てね~。
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主要登場人物紹介
ウィリー・ローマン
いいセリフ: 「死ぬほど疲れた」 一家のお父さんです。昔はそれなりによくやっていたセールスマンで(でも、本人が思う程ではない)、息子たちにも敬愛されていましたが、お芝居の時点では、売り上げが落ち、月給+出来高から出来高のみに格下げされ、友人から借りたお金を 「給料」 と嘘をつき奥さんに手渡す境遇です。さらに、妄想と独り言が多くなり、劇中では過去に自殺を試みたことも明かされ、家族を心配させています。
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リンダ・ローマン いいセリフ: 「凡人だって偉人と同じように疲れるのよ」
子供を愛し、夫を愛し、「今日はビフとハッピーが一緒にひげをそったの!」 などと些細なことに喜ぶ健気な人物です。子供が批判されれば子供をかばい、夫が責められれば夫をかばい、とにかくすごくいい母であり奥さんなんです。最後のシーンはこの人が一番可哀そうかも。ただ、優しさのあまり、現実から目を逸らそうとする夫の傾向を助長してしまうところがあります。例えば、夫が車で事故りそうになったことがわかるシーンでは、「眼鏡のせいかも」 「ハンドルのせいかも」 と率先して言い訳を与えてしまうのです。
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ビフ・ローマン
いいセリフ:「ちっぽけな人生だ。夏の暑い朝、地下鉄に乗って。株を持ったり、電話をかけたり、売ったり買ったりすることに人生のすべてを捧げて。たった2週間の休暇のために、50週間も苦しんで。みんな本当はシャツを脱いで外に出たいのに。その上、いつも人の一歩先を行かなければいけないっていうんだから。でもそれがー一人前になるっていうことなんだろう?」
高校の時には成績も良くスポーツ万能で、明るく人気者だったのですが、卒業間近にお父さんの浮気の現場に居合わせてガッカリ。これまで敬愛していたお父さんと、ひいては、彼の価値観を疑問視するようになります。浮気のショックで高校は落第し、お芝居の時点では、いくつも職を転々とした挙句に実家に帰って来たという状況です。自分は都会で働くよりも、牧場で働くほうが幸せなのではと気づいているのですが、両親を喜ばせたい気持ちも捨てられず、劇中では知り合いに職を斡旋してもらいに行きます。浮気を目撃したせいで、今までの価値観を査定する機会のあったこの子が、将来幸せを見出す可能性が一番高いのではと思います。
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ハッピー・ローマン (ジュードだよ~)
いいセリフ:「何のために働いているのかわからないよ。時々、アパートに一人でいるとー払っている家賃のことを考えて、頭がおかしくなりそうになるんだ。でも、それがおれのいつも望んでいたことだろ? 自分のアパートに、自分の車、それにたくさんの女。でも、ちくしょう、それでも孤独なんだ」
上のセリフを読むと、一家して存在危機かよ、ってツッコミたくなりますがそうです存在危機一家なんです。ハッピーはデパートに勤め、ビフよりかは成功している様子ですが、やはり親を喜ばせたくて、自分の役職について嘘をついたりします。女の子をとっかえひっかえして遊んでいる様子ですが、その生活には空虚さを感じています。しかしながら、出世したいという野心もあり、人に好かれて頑張ればなんとかなる、というお父さんの哲学を信じています。ジュードがインタビューで言っていましたが、この子がウィリー的な人生を歩むことになりそうで一番危なっかしい人物です。
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yunmew · 3 years
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Queen Bee is the best💜
So, so happy I was able to see this amazing, beautiful concert 💜💜💜 😢😭😭😭
「鉄壁」
不意に一人で孤独を感じて 崖の上で花束抱いて 爪先立ってるの 落下しない術を覚えたのがやっと 容赦ない名前と足枷 ヒールで鍵穴をぶち壊す 声を殺し泣き腫らすような 出口も無く痛む毎日に 奪われるのには疲れたの あたしが祈ることは これ以上
あたしが愛した全てのものに どうか不幸が訪れませんように ただひたすら祈っているの 例えばなんて言ってる間に 現実になるような残酷な日々よ 目を閉じ小さく呟いてみるの 「何一つ臆することなどはないと」
喧騒に混じってあたしに残忍な過去が 突然飛び込んで来たとしたら 一番正しい行動はどれ? その場で膝突き泣きじゃくるあたしを認めていいの? 「何一つ臆することなどはないと」
誰かの言葉覚えてるの おまじないのように小さな祈りのように 目を逸らさずに鏡を見れば一番可愛い人が立っている いつもそうでしょ? 「酷い顔じゃない! あなたのせいよ!」 ぶつける先にはあたししかいない
血の味がする程 喚いてみたけれど 何一つ蘇ったりしないし 終わったり始まったりもしない 正しさなんて今は何の役にも立たない 許したい 認めたい 自分を愛したいけれど
誰もがいつか土に還るわ 生き抜いた者を讃える美しい場所だと聞くわ 生きてゆくこと 死が待つことは 何より素晴らしいこと 誰にも奪わせないで
あたしが愛した全てのものに どうか不幸が訪れませんように ただひたすら祈っているの
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kurihara-yumeko · 3 years
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【小説】The day I say good-bye(4/4) 【再録】
 (3/4)はこちらから→(https://kurihara-yumeko.tumblr.com/post/648720756262502400/)
 今思えば、ひーちゃんが僕のついた嘘の数々を、本気で信じていたとは思えない。
 何度も何度も嘘を重ねた僕を、見抜いていたに違いない。
「きゃああああああああああああーっ!」
 絶叫、された。
 耳がぶっ飛ぶかと思った。
 長い髪はくるくると幾重にもカーブしていた。レースと玩具の宝石であしらわれたカチューシャがまるでティアラのように僕の頭の上に鎮座している。桃色の膨らんだスカートの下には白いフリルが四段。半袖から剥き出しの腕が少し寒い。スカートの中もすーすーしてなんだか落ち着かない。初めて穿いた黒いタイツの感触も気持ちが悪い。よく見れば靴にまでリボンが付いている。
 鏡に映った僕は、どう見てもただの女の子だった。
「やっだー、やだやだやだやだ、どうしよー。――くんめっちゃ女装似合うね!」
 クラス委員長の長篠めいこさん(彼女がそういう名前であることはついさっき知った)は、女装させられた僕を明らかに尋常じゃない目で見つめている。彼女が僕にウィッグを被らせ、お手製のメイド服を着せた本人だというのに、僕の女装姿に瞳を爛々と輝かせている。
「準備の時に一度も来てくれないから、衣装合わせができなくてどうなるかと思っていたけど、サイズぴったりだね、良かった。――くんは華奢だし細いし顔小さいしむさくるしくないし、女装したところでノープロブレムだと思っていたけれど、これは予想以上だったよっ」
 準備の際に僕が一度も教室を訪れなかったのは、連日、保健室で帆高の課題を手伝わされていたからだ。だけれどそれは口実で、本当はクラスの準備に参加したくなかったというのが本音。こんなふざけた企画、携わりたくもない。
 僕が何を考えているかを知る由もない長篠さんは、両手を胸の前で合わせ、真ん丸な眼鏡のレンズ越しに僕を見つめている。レーザー光線のような視線だ。見つめられ続けていると焼け焦げてしまいそうになる。助けを求めて周囲をすばやく見渡したが、クラスメイトのほぼ全員がコスチュームに着替え終わっている僕の教室には、むさくるしい男のメイドか、ただのスーツといっても過言ではない燕尾服を着た女の執事しか見当たらない。
「すね毛を剃ってもらう時間はなかったので、急遽、脚を隠すために黒タイツを用意したのも正解だったね。このほっそい脚がさらに際立つというか。うんうん、いい感じだねっ!」
 長篠さん自身、黒いスーツを身に纏っている。彼女こそが、今年の文化祭でのうちのクラスの出し物、「男女逆転メイド・執事喫茶」の発案者であり、責任者だ。こんなふざけた企画をよくも通してくれたな、と怨念を込めてにらみつけてみたけれど、彼女は僕の表情に気付いていないのかにこにこと笑顔だ。
「ねぇねぇ、――くん、せっかくだし、お化粧もしちゃう? ネイルもする? 髪の毛もっと巻いてあげようか? あたし、――くんだったらもっと可愛くなれるんじゃないかなって思うんだけど」
 僕の全身を舐め回すように見つめる長篠さんはもはや正気とは思えない。だんだんこの人が恐ろしくなってきた。
「めいこ、その辺にしておきな」
 僕が何も言わないでいると、思わぬ方向から声がかかった。
 振り向くと僕の後ろには、長身の女子が立っていた。男子に負けないほど背の高い彼女は、教室の中でもよく目立つ。クラスメイトの顔と名前をろくに記憶していない僕でも、彼女の姿は覚えていた。それは背が高いという理由だけではなく、言葉では上手く説明できない、長短がはっきりしている複雑で奇抜な彼女の髪型のせいでもある。
 背が決して高いとは言えない僕よりも十五センチほど長身の彼女は、紫色を基調としたスーツを身に纏っている。すらっとしていて恰好いい。
「――くん、嫌がってるだろう」
「えー、あたしがせっかく可愛くしてあげようとしてるのにー」
「だったら向こうの野球部の連中を可愛くしてやってくれ。あんなの、気味悪がられて客を逃がすだけだよ」
「えー」
「えー、とか言わない。ほらさっさと行きな。クラス委員長」
 彼女に言われたので仕方なく、という表情で長篠さんが僕の側から離れた。と、思い出したかのように振り向いて僕に言う。
「あ、そうだ、――くん、その腕時計、外してねっ。メイド服には合わないからっ」
 この腕時計の下には、傷跡がある。
 誰にも見せたことがない、傷が。
 それを晒す訳にはいかなかった。僕がそれを無視して長篠さんに背を向けようとした時、側にいた長身の彼女が僕に向かって口を開いた。
「これを使うといいよ」
 そう言って彼女が差し出したのは、布製のリストバンドだった。僕のメイド服の素材と同じ、ピンク色の布で作られ、白いレースと赤いリボンがあしらわれている。
「気を悪くしないでくれ。めいこは悪気がある訳じゃないんだけど……」
 僕の頭の中は真っ白になっていた。突然手渡されたリストバンドに反応ができない。どうして彼女は、僕の手首の傷を隠すための物を用意してくれているんだ? 視界の隅では長篠さんがこちらに背を向けて去って行く。周りにいる珍妙な恰好のクラスメイトたちも、誰も��ちらに注意を向けている様子はない。
「一体、どういう……」
 そう言う僕はきっと間抜けな顔をしていたんだろう、彼女はどこか困ったような表情で頭を掻いた。
「なんて言えばいいのかな、その、きみはその傷を負った日のことを、覚えてる?」
 この傷を負った日。
 雨の日の屋上。あーちゃんが死んだ場所。灰色の空。緑色のフェンス。あと一歩踏み出せばあーちゃんと同じところに行ける。その一歩の距離。僕はこの傷を負って、その場所に立ち尽くしていた。
 同じところに傷を負った、ミナモと初めて出会った日だ。
「その日、きみ、保健室に来たでしょ」
 そうだ。僕はその後、保健室へ向かった。ミナモは保健室を抜け出して屋上へ来ていた。そのミナモを探しに来た教師に僕とミナモは発見され、ふたり揃って保健室で傷の手当を受けた。
「その時私は、保健室で熱を測っていたんだ」
 あの時に保健室に他に誰かいたかなんて覚えていない。僕はただ精いっぱいだった。死のうとして死ねなかった。それだけで精いっぱいだったのだ。
 長身の彼女はそう言って、ほんの少しだけ笑った。それは馬鹿にしている訳でもなく、面白がっている訳でもなく、微笑みかけてくれていた。
「だから、きみの手首に傷があることは知ってる。深い傷だったから、痕も残ってるんだろうと思って、用意しておいたんだ」
 私は裁縫があまり得意ではないから、めいこの作ったものに比べるとあまり良い出来ではないけどね。彼女はそう付け足すように言う。
「使うか使わないかは、きみの自由だけど。そのまま腕時計していてもいいと思うしね。めいこは少し、完璧主義すぎるよ。こんな中学生の女装やら男装やらに、完璧さなんて求めてる人なんかいないのにね」
 僕はいつも、自分のことばかりだ。今だって、僕の傷のことを考慮してくれている人間がいるなんて、思わなかった。
 それじゃあ、とこちらに背を向けて去って行こうとする彼女の後ろ姿を、僕は呼び止める。
「うん?」
 彼女は不思議そうな顔をして振り向いた。
「きみの、名前は?」
 僕がそう尋ねると、彼女はまた笑った。
「峠茶屋桜子」
 僕は生まれて初めて、クラスメイトの顔と名前を全員覚えておかなかった自分を恥じた。
    峠茶屋さんが作ってくれたリストバンドは、せっかくなので使わせてもらうことにした。
 それを両手首に装着して保健室へ向かってみると、そこには河野ミナモと河野帆高の姿が既にあった。
「おー、やっと来たか……って、え、ええええええええええええ!?」
 椅子に腰掛け、行儀の悪いことに両足をテーブルに乗せていた帆高は、僕の来訪を視認して片手を挙げかけたところで絶叫しながら椅子から落下した。頭と床がぶつかり合う鈍い音が響く。ベッドのカーテンの隙間から様子を窺うようにこちらを見ていたミナモは、僕の姿を見てから興味なさそうに目線を逸らす。相変わらず無愛想なやつだ。
「な、何、お前のその恰好……」
 床に転がったまま帆高が言う。
「何って……メイド服だけど」
 帆高には、僕のクラスが男女逆転メイド・執事喫茶を文化祭の出し物でやると言っておいたはずだ。僕のメイド服姿が見物だなんだと馬鹿にされたような記憶もある。
「めっちゃ似合ってるじゃん、お前!」
「……」
 不本意だけれど否定できない僕がいる。
「びびる! まじでびびる! お前って実は女の子だった訳!?」
「そんな訳ないだろ」
「ちょっと、スカートの中身、見せ……」
 床に座ったまま僕のメイド服に手を伸ばす帆高の頭に鉄拳をひとつお見舞いした。
 そんな帆高も頭に耳、顔に鼻、尻に尻尾を付けており、どうやら狼男に変装しているようだ。テーブルの上には両手両足に嵌めるのであろう、爪の生えた肉球付きの手袋が置いてある。これぐらいのコスプレだったらどれだけ心穏やかでいられるだろうか。僕は女装するのは人生これで最後にしようと固く誓った。
「そんな恰好で恥ずかしくないの? 親とか友達とか、今日の文化祭に来ない訳?」
「さぁ……来ないと思うけど」
 僕の両親は今日も朝から仕事に行った。そもそも、今日が文化祭だという事実も知っているとは思えない。
 別の中学校に通っている小学校の頃の友人たちとはもう連絡も取り合っていないし、顔も合わせていないので、来るのか来ないのかは知らない。僕以外の誰かと親交があれば来るのかもしれないが、僕には関係のない話だ。
 そう、そのはずだった。だが僕の予想は覆されることになる。
 午前十時に文化祭は開始された。クラス委員長である長篠めいこさんが僕に命じた役割は、クラスの出し物である男女逆転メイド・執事喫茶の宣伝をすることだった。段ボール製のプラカードを掲げて校舎内を循環し、客を呼び込もうという魂胆だ。
 結局、ミナモとは一言も言葉を交わさずに出て来てしまった、と思う。うちの学校の文化祭は一般公開もしている。今日の校内にはいつも以上に人が溢れている。保健室登校のミナモにとっては、つらい一日になるかもしれない。
 お化け屋敷を出し物にしているクラスばかりが並んでいる、我が校の文化祭名物「お化け屋敷ロード」をすれ違う人々に異様な目で見られていることをひしひしと感じながら、プラカードを掲げ、チラシを配りながら歩いていくと、途中で厄介な人物に遭遇した。
「おー、少年じゃん」
 日褄先生だ。
 目の周りを黒く塗った化粧や黒尽くめのその服装はいつも通りだったが、しばらく会わなかった間に、曇り空より白かった頭髪は、あろうことか緑色になっていた。これでスクールカウンセラーの仕事が務まるのだろうか。あまりにも奇抜すぎる。だが咄嗟のことすぎて、驚きのあまり声が出ない。
「ふーん、めいこのやつ、裁縫上手いんじゃん。よくできてる」
 先生は僕の着用しているメイド服のスカートをめくろうとするので、僕はすばやく身をかわして後退した。「変態か!」と叫びたかったが、やはり声にならない。
 助けを求めて周囲に視線を巡らせて、僕は人混みからずば抜けて背の高い男性がこちらに近付いてくるのがわかった。
 前回、図書館の前で出会った時はオールバックであったその髪は、今日はまとめられていない。モスグリーンのワイシャツは第一ボタンが開いていて、おまけにネクタイもしていない。ズボンは腰の位置で派手なベルトで留められている。銀縁眼鏡ではなく、色の薄いサングラスをかけていた。シャツの袖をまくれば恐らく���こには、葵の御紋の刺青があるはずだ。左手の中指に日褄先生とお揃いの指輪をしている彼は、日褄先生の婚約者だ。
「葵さん……」
 僕が名前を呼ぶと、彼は僕のことを睨みつけた。しばらくして、やっと僕のことが誰なのかわかったらしい。少し驚いたように片眉を上げて、口を半分開いたところで、
「…………」
 だが、葵さんは何も言わなかった。
 僕の脇を通り抜けて、日褄先生のところに歩いて行った。すれ違いざまに、葵さんが何か妙なものを小脇に抱えているなぁと思って振り返ってみると、それは大きなピンク色のウサギのぬいぐるみだった。
「お、葵、お帰りー」
 日褄先生がそう声をかけると、葵さんは無言のままぬいぐるみを差し出した。
「なにこのうさちゃん、どうしたの?」
 先生はそれを受け取り、ウサギの頭に顎を置きながらそう訊くと、葵さんは黙って歩いてきた方向を指差した。
「ああ、お化け屋敷の景品?」
 葵さんはそれには答えなかった。そもそも僕は、彼が口を利いたところを見たことがない。それだけ寡黙な人なのだ。彼は再び僕を見ると、それから日褄先生へ目線を送った。ウサギの耳で遊ぶのに夢中になっていた先生はそれに気付いているのかいないのか、
「男女逆転メイド・執事喫茶、やってるんだって」
 と僕の服装の理由を説明した。だが葵さんは眉間の皺を深めただけだった。そしてそのまま、彼は歩き出してしまう。日褄先生はぬいぐるみの耳をぱたぱた手で動かしていて、それを追おうともしない。
「……いいんですか? 葵さん、行っちゃいましたけど……」
「あいつ、文化祭ってものを見たことがないんだよ。ろくに学校行ってなかったから。だから連れて来てみたんだけど、なんだか予想以上にはしゃいじゃってさー」
 葵さんの態度のどこがはしゃいでいるように見えるのか、僕にはわからないが、先生にはわかるのかもしれない。
「あ、そうだ、忘れるところだった、少年のこと、探しててさ」
「何か用ですか?」
「はい、チーズ」
 突然、眩しい光が瞬いた。一体いつ、どこから取り出したのか、先生の手にはインスタントカメラが握られていた。写真を撮られてしまったようだ。メイド服を着て、付け毛を付けている、僕の、女装している写真が……。
「な、ななななななな……」
 何をしているんですか! と声を荒げるつもりが、何も言えなかった。日褄先生は颯爽と踵を返し、「あっはっはっはっはー!」と笑いながら階段を駆け下りて行った。その勢いに、追いかける気も起きない。
 僕はがっくりと肩を落とし、それでもプラカードを掲げながら校内の循環を再開することにした。僕の予想に反して、賑やかな文化祭になりそうな予感がした。
 お化け屋敷ロードの一番端は、河野帆高のクラスだったが、廊下に帆高の姿はなかった。あいつはお化け役だから、教室の中にいるのだろう。
 あれから、帆高はあーちゃんが僕に残したノートについて一言も口にしていない。僕の方から語ることを待っているのだろうか。協力してもらったのだから、いずれきちんと話をするべきなんじゃないかと考えてはいるけれど、今はまだ上手く、僕も言葉にできる自信がない。
 廊下の端の階段を降りると、そこは射的ゲームをやっているクラスの前だった。何やら歓声が上がっているので中の様子を窺うと、葵さんが次々と景品を落としているところだった。大人の本気ってこわい。
 中央階段の前の教室では、自主製作映画の上映が行われているようだった。「戦え!パイナップルマン」というタイトルの、なんとも言えないシュールな映画ポスターが廊下には貼られている。地球侵略にやってきたタコ星人ヲクトパスから地球を救うために、八百屋の片隅で売れ残っていた廃棄寸前のパイナップルが立ち上がる……ポスターに記されていた映画のあらすじをそこまで読んでやめた。
 ちょうど映画の上映が終わったところらしい、教室からはわらわらと人が出てくる。僕は歩き出そうとして、そこに見知った顔を見つけてしまった。
 色素の薄い髪。切れ長の瞳と、ひょろりとした体躯。物静かな印象を与える彼は、
「あっくん……」
「うー兄じゃないですか」
 妙に大人びた声音。口元の端だけを僅かに上げた、作り笑いに限りなく似た笑顔。
 鈴木篤人くんは、僕よりひとつ年下の、あーちゃんの弟だ。
「一瞬、誰だかわかりませんでしたよ。まるで女の子だ」
「……来てたんだ、うちの文化祭」
 私立の中学校に通うあっくんが、うちの中学の文化祭に来たという話は聞いたことがない。それもそのはずだ。この学校で、彼の兄は飛び降り自殺したのだから。
「たまたま今日は部活がなかったので。ちょっと遊びに来ただけですよ」
 柔和な笑みを浮かべてそう言う。だけれどその笑みは、どこか嘘っぽく見えてしまう。
「うー兄は、どうして女装を?」
「えっと、男女逆転メイド・執事喫茶っていうの、クラスでやってて……」
 僕は掲げていたプラカードを指してそう説明すると、ふうん、とあっくんは頷いた。
「それじゃあ、最後にうー兄のクラスを見てから帰ろうかな」
「あ、もう帰るの?」
「本当は、もう少しゆっくり見て行くつもりだったんですが……」
 彼はどこか困ったような表情をして、頭を掻いた。
「どうも、そういう訳にはいかないんです」
「何か、急用?」
「まぁ、そんなもんですかね。会いたくない人が――」
 あっくんはそう言った時、その双眸を僅かに細めたのだった。
「――会いたくない人が、ここに来ているみたいなので」
「そう……なんだ」
「だからすみません、今日はそろそろ失礼します」
「ああ、うん」
「うー兄、頑張って下さい」
「ありがとう」
 浅くもなく深くもない角度で頭を下げてから、あっくんは人混みの中に消えるように歩き出して行った。
 友人も知人も少ない僕は、誰にも会わないだろうと思っていたけれど、やっぱり文化祭となるとそうは言っていられないみたいだ。こうもいろんな人に自分の女装姿を見られると、恥ずかしくて死にたくなる。穴があったら入りたいとはまさにこのことなんじゃないだろうか。
 教室で来客の応対をしたりお菓子やお茶の用意をすることに比べたらずっと楽だが、こうやって校舎を循環しているのもなかなかに飽きてきた。保健室でずる休みでもしようか。あそこには恐らく、ミナモもいるはずだから。
 そうやって僕も歩き出し、保健室へ続く廊下を歩いていると、僕は突然、頭をかち割われたような衝撃に襲われた。そう、それは突然だった。彼女は唐突に、僕の前に現れたのだ。
 嘘だろ。
 目が、耳が、口が、心臓が、身体が、脳が、精神が、凍りつく。
 耳鳴り、頭痛、動悸、震え。
 揺らぐ。視界も、思考も。
 僕はやっと気付いた。あっくんが言う、「会いたくない人」の意味を。
 あっくんは彼女がここに来ていることを知っていた。だから会いたくなかったのだ。
 でもそんなはずはない。世界が僕を置いて行ったように、きみもそこに置いて行かれたはずだ。僕のついた不器用な嘘のせいで、あの春の日に閉じ込められたはずだ。きみの時間は、止まったはずだ。
 言ったじゃないか、待つって。ずっと待つんだって。
 もう二度と帰って来ない人を。
 僕らの最愛の、あーちゃんを。
「あれー、うーくんだー」
 へらへらと、彼女は笑った。
「なにその恰好、女の子みたいだよ」
 楽しそうに、愉快そうに、面白そうに。
 あーちゃんが生きていた頃は、一度だってそんな風に笑わなかったくせに。
 色白の肌。華奢で小柄な体躯。相手を拒絶するかのように吊り上がった猫目。伸びた髪。身に着けている服は、制服ではなかった。
 でもそうだ。
 僕はわかっていたはずだ。日褄先生は僕に告げた。ひーちゃんが、学校に来るようになると。いつかこんな日が来ると。彼女が、世界に追いつく日がやって来ると。
 僕だけが、置いて行かれる日が来ることを。
「久しぶりだね、うーくん」
「……久しぶり、ひーちゃん」
 僕は、ちっとも笑えなかった。あーちゃんが生きていた頃は、ちゃんと笑えていたのに。
 市野谷比比子はそんな僕を見て、満面の笑みをその顔に浮かべた。
   「……だんじょぎゃくてん、めいど……しつじきっさ…………?」
 たどたどしい口調で、ひーちゃんは僕が持っていたプラカードの文字を読み上げる。
「えっとー、男女が逆だから、うーくんが女の子の恰好で、女の子が男の子の恰好をしてるんだね」
 そう言いながら、ひーちゃんはプラスチック製のフォークで福神漬けをぶすぶすと刺すと、はい、と僕に向かって差し出してくる。
「これ嫌い、うーくんにあげる」
「どうも」
 僕はいつから彼女の嫌いな物処理係になったのだろう、と思いながら渡されたフォークを受け取り、素直に福神漬けを咀嚼する。
「でもうーくん、女装似合うね」
「それ、あんまり嬉しくないから」
 僕とひーちゃんは向き合って座っていた。ひーちゃんに会ったのは、僕が彼女の家を訪ねた夏休み以来だ。彼女はあれから特に変わっていないように見える。着ている服は今日も黒一色だ。彼女は、最愛の弟、ろーくんが死んだあの日から、ずっと黒い服を着ている。
 僕らがいるのは新校舎二階の一年二組の教室だ。PTAの皆さまが営んでいるカレー屋である。この文化祭で調理が認められているのは、大人か、調理部の連中だけだ。午後になり、生徒も父兄も体育館で行われている軽音部やら合唱部やらのコンサートを観に行ってしまっているので、校舎に残る人は少ない。店じまいしかけているカレー屋コーナーで、僕たちは遅めの昼食を摂っていた。僕は未だに、メイド服を着たままだ。
 ひーちゃんとカレーライスを食べている。なんだか不思議な感覚だ。ひーちゃんがこの学校にいるということ自体が、不思議なのかもしれない。彼女は入学してからただの一度も、この学校の門をくぐったことがなかったのだ。
 どうしてひーちゃんは、ここにいるんだろう。ひーちゃんにとって、ここは、もう終わってしまった場所のはずなのに。ここだけじゃない。世界じゅうが、彼女の世界ではなくなってしまったはずなのに。あーちゃんのいない世界なんて、無に等しいはずなのに。なのにひーちゃんは、僕の目の前にいて、美味しそうにカレーを食べている。
 ときどき、僕の方を見て、話す。笑う。おかしい。だってひーちゃんの両目は、いつもどこか遠くを見ていたはずなのに。ここじゃないどこかを夢見ていたのに。
 いつかこうなることは、わかっていた。永遠なんて存在しない。不変なんてありえない。世界が僕を置いて行ったように、いずれはひーちゃんも動き出す。僕はずっとそうわかっていたはずだ。僕が今までについた嘘を全部否定して、ひーちゃんが再び、この世界で生きようとする日が来ることを。
 思い知らされる。
 あの日から僕がひーちゃんにつき続けた嘘は、あーちゃんは本当は生きていて、今はどこか遠くにいるだけだと言ったあの嘘は、何ひとつ価値なんてなかったということを。僕という存在がひーちゃんにとって、何ひとつ価値がなかったということを。わかっていたはずだ。ひーちゃんにとっては僕ではなくて、あーちゃんが必要なんだということを。あーちゃんとひーちゃんと僕で、三角形だったなんて大嘘だ。僕は最初から、そんな立ち位置に立てていなかった。全てはそう思いたかった僕のエゴだ。三角形であってほしいと願って��ただけだ。
 そうだ。
 本当はずっと、僕はあーちゃんが妬ましかったのだ。
「カレー食べ終わったら、どうする? 少し、校内を見て行く?」
 僕がそう尋ねると、ひーちゃんは首を左右に振った。
「今日は先生たちには内緒で来ちゃったから、面倒なことになる前に帰るよ」
「あ、そうなんだ……」
「来年は『僕』も、そっち側で参加できるかなぁ」
「そっち側?」
「文化祭、やれるかなぁっていうこと」
 ひーちゃんは、楽しそうな笑顔だ。
 楽しそうな未来を、思い描いている表情。
「……そのうち、学校に来るようになるんだって?」
「なんだー、あいつ、ばらしちゃったの? せっかく驚かせようと思ったのに」
 あいつ、とは日褄先生のことだろう。ひーちゃんは日褄先生のことを語る時、いつも少し不機嫌になる。
「……大丈夫なの?」
「うん? 何が?」
 僕の問いに、ひーちゃんはきょとんとした表情をした。僕はなんでもない、と言って、カレーを食べ続ける。
 ねぇ、ひーちゃん。
 ひーちゃんは、あーちゃんがいなくても、もう大丈夫なの?
 訊けなかった言葉は、ジャガイモと一緒に飲み込んだ。
「ねぇ、うーくん、」
 ひーちゃんは僕のことを呼んだ。
 うーくん。
 それは、あーちゃんとひーちゃんだけが呼ぶ、僕のあだ名。
 黒い瞳が僕を見上げている。
 彼女の唇から、いとも簡単に嘘のような言葉が零れ落ちた。
「あーちゃんは、もういないんだよ」
「…………え?」
 僕は耳を疑って、訊き返した。
「今、ひーちゃん、なんて……」
「だから早く、帰ってきてくれるといいね、あーちゃん」
 そう言ってひーちゃんは、にっこり笑った。まるで何事もなかったみたいに。
 あーちゃんの死なんて、あーちゃんの存在なんて、最初から何もなかったみたいに。
 僕はそんなひーちゃんが怖くて、何も言わずにカレーを食べた。
「あーちゃん」こと鈴木直正が死んだ後、「ひーちゃん」こと市野谷比比子は生きる気力を失くしていた。だから「うーくん」こと僕、――――は、ひーちゃんにひとつ嘘をついた。
 あーちゃんは生きている。今はどこか遠くにいるけれど、必ず彼は帰ってくる、と。
 カレーを食べ終えたひーちゃんは、帰ると言うので僕は彼女を昇降口まで見送ることにした。
 二人で廊下を歩いていると、ふと、ひーちゃんの目線は窓の外へと向けられる。目線の先を追えば、そこには旧校舎の屋上が見える。そう、あーちゃんが飛び降りた、屋上が見える。
「ねぇ、どうしてあーちゃんは、空を飛んだの?」
 ひーちゃんは虚ろな瞳で窓から空を見上げてそう言った。
「なんであーちゃんはいなくなったの? ずっと待ってたのに、どうして帰って来ないの? ずっと待ってるって約束したのに、どうして? 違うね、約束したんじゃない、『僕』が勝手に決めたんだ。あーちゃんがいなくなってから、そう決めた。あーちゃんが帰って来るのを、ずっと待つって。待っていたら、必ず帰って来てくれるって。あーちゃんは昔からそうだったもんね。『僕』がひとりで泣いていたら、必ずどこからかやって来て、『僕』のこと慰めてくれた。だから今度も待つって決めた。だってあーちゃんが、帰って来ない訳ないもん。『僕』のことひとりぼっちにするはずないもん。そんなの、許せないよ」
 僕には答える術がない。
 幼稚な嘘はもう使えない。手持ちのカードは全て使い切られた。
 ひーちゃんは、もうずっと前から気付いていたはずだ。あーちゃんはもう、この世界にいないなんだって。僕のついた嘘が、とても稚拙で下らないものだったんだって。
「嘘つきだよ、皆、嘘つきだよ。ろーくんも、あーちゃんも、嘘つき。嘘つき嘘つき嘘つき。うーくんだって、嘘つき」
 ひーちゃんの言葉が、僕の心を突き刺していく。
 でも僕は逃げられない。だってこれは、僕が招いた結果なのだから。
「皆大嫌い」
 ひーちゃんが正面から僕に向かい合った。それがまるで決別の印であるとでも言うかのように。
 ちきちきちきちきちきちきちきちき。
 耳慣れた音が聞こえる。
 僕の左手首の内側、その傷を作った原因の音がする。
 ひーちゃんの右手はポケットの中。物騒なものを持ち歩いているんだな、ひーちゃん。
「嘘つき」
 ひーちゃんの瞳。ひーちゃんの唇。ひーちゃんの眉間に刻まれた皺。
 僕は思い出す。小学校の裏にあった畑。夏休みの水やり当番。あの時話しかけてきた担任にひーちゃんが向けた、殺意に満ちたあの顔。今目の前にいる彼女の表情は、その時によく似ている。
「うーくんの嘘つき」
 殺意。
「帰って来るって言ったくせに」
 殺意。
「あーちゃんは、帰って来るって言ったくせに!」
 嘘つきなのは、どっちだよ。
「ひーちゃんだって、気付いていたくせに」
 僕の嘘に気付いていたくせに。
 あーちゃんは死んだってわかっていたくせに。
 僕の嘘を信じたようなふりをして、部屋に引きこもって、それなのにこうやって、学校へ来ようとしているくせに。世界に馴染もうとしているくせに。あーちゃんが死んだ世界がもう終わってしまった代物だとわかっているのに、それでも生きようとしているくせに。
 ひーちゃんは、もう僕の言葉にたじろいだりしなかった。
「あんたなんか、死んじゃえ」
 彼女はポケットからカッターナイフを取り出すと、それを、
      鈍い衝撃が身体じゅうに走った。
 右肩と頭に痛みが走って、無意識に呻いた。僕は昇降口の床に叩きつけられていた。思い切り横から突き飛ばされたのだ。揺れる視界のまま僕は上半身を起こし、そして事態はもう間に合わないのだと知る。
 僕はよかった。
 怪我を負ってもよかった。刺されてもよかった。切りつけられてもよかった。殺されたって構わない。
 だってそれが、僕がひーちゃんにできる最後の救いだと、本気で思っていたからだ。
 僕はひーちゃんに嘘をついた。あーちゃんは生きていると嘘をついた。ついてはいけない嘘だった。その嘘を、彼女がどれくらい本気で信じていたのか、もしくはどれくらい本気で信じたふりを演じていてくれていたのかはわからない。でも僕は、彼女を傷つけた。だからその報いを受けたってよかった。どうなってもよかったんだ。だってもう、どうなったところで、あーちゃんは生き返ったりしないのだから。
 だけど、きみはだめだ。
 どうして僕を救おうとする。どうして、僕に構おうとする。放っておいてくれとあれだけ示したのに、どうして。僕はきみをあんなに傷つけたのに。どうしてきみはここにいるんだ。どうして僕を、かばったんだ。
 ひーちゃんの握るカッターナイフの切っ先が、ためらうことなく彼女を切り裂いた。
 ピンク色の髪留めが、宙に放られるその軌跡を僕の目は追っていた。
「佐渡さん!」
 僕の叫びが、まるで僕のものじゃないみたいに響く。周りには不気味なくらい誰もいない。
 市野谷比比子に切りつけられた佐渡梓は、床に倒れ込んでいく。それがスローモーションのように僕の目にはまざまざと映る。飛び散る赤い飛沫が床に舞う。
 僕は起き上がり走った。ひーちゃんの虚ろな目。再度振り上げられた右手。それが再び佐渡梓を傷つける前に、僕は両手を広げ彼女をかばった。
「    」
 一瞬の空白。ひーちゃんの唇が僅かに動いたのを僕は見た。その小さな声が僕の耳に届くよりも速く、刃は僕の右肩に突き刺さる。
 痛み。
 背後で佐渡梓の悲鳴。けれどひーちゃんは止まらない。僕の肩に突き刺さったカッターを抜くと彼女はそれをまた振り上げて、
  そうだよな。
 痛かったよな。
 あーちゃんは、ひーちゃんの全部だったのに。
 あーちゃんが生きているなんて嘘ついて、ごめん。
 そして振り下ろされた。
  だん、と。
 地面が割れるような音がした。
  一瞬、地震が起こったのかと思った。
 不意に目の前が真っ暗になり、何かが宙を舞った。少し離れたところで、からんと金属のものが床に落ちたような高い音が聞こえる。
 僕とひーちゃんの間に割り込んできたのは、黒衣の人物だった。ひーちゃんと同じ、全身真っ黒で整えられた服装。ただしその頭髪だけが、毒々しいまでの緑色に揺れている。
「…………日褄先生」
 僕がやっとの思いで絞り出すようにそれだけ言うと、彼女は僕に背中を向けてひーちゃんと向き合ったまま、
「せんせーって呼ぶなっつってんだろ」
 といつも通りの返事をした。
「ひとりで学校に来れたなんて、たいしたもんじゃねぇか」
 日褄先生はひーちゃんに向けてそう言ったが、彼女は相変わらず無表情だった。
 がらんどうの瞳。がらんどうの表情。がらんどうの心。がらんどうのひーちゃんは、いつもは嫌がる大嫌いな日褄先生を目の前にしても微動だにしない。
「なんで人を傷つけるようなことをしたんだよ」
 先生の声は、いつになく静かだった。僕は先生が今どんな表情をしているのかはわからないけれど、それは淡々とした声音だ。
「もう誰かを失いたくないはずだろ」
 廊下の向こうから誰かがやって来る。背の高いその男性は、葵さんだった。彼はひーちゃんの少し後ろに落ちているカッターナイフを無言で拾い上げている。それはさっきまで、ひーちゃんの手の中にあったはずのものだ。どうしてそんなところに落ちているのだろう。
 少し前の記憶を巻き戻してみて、僕はようやく、日褄先生が僕とひーちゃんの間に割り込んだ時、それを鮮やかに蹴り上げてひーちゃんの手から吹っ飛ばしたことに気が付いた。日褄先生、一体何者なんだ。
 葵さんはカッターナイフの刃を仕舞うと、それをズボンのポケットの中へと仕舞い、それからひーちゃんに後ろから歩み寄ると、その両肩を掴んで、もう彼女が暴れることができないようにした。そうされてもひーちゃんは、もう何も言葉を発さず、表情も変えなかった。先程見せたあの強い殺意も、今は嘘みたいに消えている。
 それから日褄先生は僕を振り返り、その表情が僕の思っていた以上に怒りに満ちたものであることを僕の目が視認したその瞬間、頬に鉄拳が飛んできた。
 ごっ、という音が自分の顔から聞こえた。骨でも折れたんじゃないかと思った。今まで受けたどんな痛みより、それが一番痛かった。
「てめーは何ぼんやり突っ立ってんだよ」
 日褄先生は僕のメイド服の胸倉を乱暴に掴むと怒鳴るように言った。
「お前は何をしてんだよ、市野谷に殺されたがってんじゃねーよ。やべぇと思ったらさっさと逃げろ、なんでそれぐらいのこともできねーんだよ」
 先生は僕をまっすぐに見ていた。それは恐ろしいくらい、まっすぐな瞳だった。
「なんでどいつもこいつも、自分の命が大事にできねーんだよ。お前わかってんのかよ、お前が死んだら市野谷はどうなる? 自分の弟を目の前で亡くして、大事な直正が自殺して、それでお前が市野谷に殺されたら、こいつはどうなるんだよ」
「……ひーちゃんには、僕じゃ駄目なんですよ。あーちゃんじゃないと、駄目なんです」
 僕がやっとの思いでそれだけ言うと、今���は平手が反対の頬に飛んできた。
 熱い。痛いというよりも、熱い。
「直正が死んでも世界は変わらなかった。世界にとっちゃ人ひとりの死なんてたいしたことねぇ、だから自分なんて世界にとってちっぽけで取るに足らない、お前はそう思ってるのかもしれないが、でもな、それでもお前が世界の一部であることには変わりないんだよ」
 怒鳴る、怒鳴る、怒鳴る。
 先生は僕のことを怒鳴った。
 こんな風に叱られるのは初めてだ。
 こんな風に、叱ってくれる人は初めてだった。
「なんでお前は市野谷に、直正は生きてるって嘘をついた? 市野谷がわかりきっているはずの嘘をどうしてつき続けた? それはなんのためだよ? どうして最後まで、市野谷がちゃんと笑えるようになるまで、側で支えてやろうって思わないんだよ」
 そうだ。
 そうだった。日褄先生は最初からそうだった。
 優しくて、恐ろしいくらい乱暴なのだ。
「市野谷に殺されてもいい、自分なんて死んでもいいなんて思ってるんじゃねぇよ。『お前だから駄目』なんじゃねぇよ、『直正の代わりをしようとしているお前だから』駄目なんだろ?」
 日褄先生は最後に怒鳴った。
「もういい加減、鈴木直正の代わりになろうとするのはやめろよ。お前は―――だろ」
  お前は、潤崎颯だろ。
  やっと。
 やっと僕は、自分の名前が、聞き取れた。
 あーちゃんが死んで、ひーちゃんに嘘をついた。
 それ以来僕はずっと、自分の名前を認めることができなかった。
 自分の名前を口にするのも、耳にするのも嫌だった。
 僕は代わりになりたかったから。あーちゃんの代わりになりたかったから。
 あーちゃんが死んだら、ひーちゃんは僕を見てくれると、そう思っていたから。
 でも駄目だった。僕じゃ駄目だった。ひーちゃんはあーちゃんが死んでも、あーちゃんのことばかり見ていた。僕はあーちゃんになれなかった。だから僕なんかいらなかった。死んだってよかった。どうだってよかったんだ。
 嘘まみれでずたずたで、もうどうしようもないけれど、それでもそれが、「僕」だった。
 あーちゃんになれなくても、ひーちゃんを上手に救えなくても、それでも僕は、それでもそれが、潤崎颯、僕だった。
 日褄先生の手が、僕の服から離れていく。床に倒れている佐渡梓は、どこか呆然と僕たちを見つめている。ひーちゃんの表情はうつろなままで、彼女の肩を後ろから掴んでいる葵さんは、まるでひーちゃんのことを支えているように見えた。
 先生はひーちゃんの元へ行き、葵さんはひーちゃんからゆっくりと手を離す。そうして、先生はひーちゃんのことを抱き締めた。先生は何も言わなかった。ひーちゃんも、何も言わなかった。葵さんは無言で昇降口から出て行って、しばらくしてから帰ってきた。その時も、先生はひーちゃんを抱き締めたままで、僕はそこに突っ立っていたままだった。
 やがて日褄先生はひーちゃんの肩を抱くようにして、昇降口の方へと歩き出す。葵さんは昇降口前まで車を回していたようだ。いつか見た、黒い車が停まっていた。
 待って下さい、と僕は言った。
 日褄先生は立ち止まった。ひーちゃんも、立ち止まる。
 僕はひーちゃんに駆け寄った。
 ひーちゃんは無表情だった。
 僕は、ひーちゃんに謝るつもりだった。だけど言葉は出て来なかった。喉元まで込み上げた言葉は声にならず、口から嗚咽となって溢れた。僕の目からは涙がいくつも零れて、そしてその時、ひーちゃんが小さく、ごめんね、とつぶやくように言った。僕は声にならない声をいくつもあげながら、ただただ、泣いた。
 ひーちゃんの空っぽな瞳からも、一粒の滴が転がり落ちて、あーちゃんの死から一年以上経ってやっと、僕とひーちゃんは一緒に泣くことができたのだった。
    ひーちゃんに刺された傷は、軽傷で済んだ。
 けれど僕は、二週間ほど学校を休んだ。
「災難でしたね」
 あっくん、あーちゃんの弟である鈴木篤人くんは、僕の部屋を見舞いに訪れて、そう言った。
「聞きましたよ、文化祭で、ひー姉に切りつけられたんでしょう?」
 あーちゃんそっくりの表情で、あっくんはそう言った。
「とうとうばれたんですか、うー兄のついていた嘘は」
「……最初から、ばれていたようなものだよ」
 あーちゃんとよく似ている彼は、その日、制服姿だった。部活の帰りなのだろう、大きなエナメルバッグを肩から提げていて、手にはコンビニの袋を握っている。
「それで良かったんですよ。うー兄にとっても、ひー姉にとっても」
 あっくんは僕の部屋、椅子に腰かけている。その両足をぷらぷらと揺らしていた。
「兄貴のことなんか、もう忘れていいんです。あんなやつのことなんて」
 あっくんの両目が、すっと細められる。端正な顔立ちが、僅かに歪む。
 思い出すのは、あーちゃんの葬式の時のこと。
 式の最中、あっくんは外へ斎場の外へ出て行った。外のベンチにひとりで座っていた。どこかいらいらした様子で、追いかけて行った僕のことを見た。
「あいつ、不器用なんだ」
 あっくんは不満そうな声音でそう言った。あいつとは誰だろうかと一瞬思ったけれど、すぐにそれが死んだあーちゃんのことだと思い至った。
「自殺の原因も、昔のいじめなんだって。ココロノキズがいけないんだって。せーしんかのセンセー、そう言ってた。あいつもイショに、そう書いてた」
 あーちゃんが死んだ時、あっくんは小学五年生だった。今のような話し方ではなかった。彼はごく普通の男の子だった。あっくんが変わったのは、あっくんがあーちゃんのように振る舞い始めたのは、あーちゃんが死んでからだ。
「あいつ、全然悪くないのに、傷つくから駄目なんだ。だから弱くて、いじめられるんだ。おれはあいつより強くなるよ。あいつの分まで生きる。人のこといじめたりとか、絶対にしない」
 あっくんは、一度も僕と目を合わさずにそう言った。僕はあーちゃんの弱さと、あっくんの強さを思った。不機嫌そうに、「あーちゃんの分まで生きる」と言った、彼の強さを思った。あっくんのような強さがあればいいのに、と思った。ひーちゃんにも、強く生きてほしかった。僕も、そう生きるべきだった。
 あーちゃんが死んだ後、あーちゃんの家族はいつも騒がしそうだった。たくさんの人が入れ替わり立ち替わりやって来ては帰って行った。ときどき見かけるあっくんは、いつも機嫌が悪そうだった。あっくんはいつも怒っていた。あっくんただひとりが、あーちゃんの死を、怒っていた。
「――あんなやつのことを覚えているのは、僕だけで十分です」
 あっくんはそう言って、どうしようもなさそうに、笑った。
 あっくんも、僕と同じだった。
 あーちゃんの代わりになろうとしていた。
 ただそれは、ひーちゃんのためではなく、彼の両親のためだった。
 あーちゃんが死んだ中学校には通わせられないという両親の期待に応えるために、あっくんは猛勉強をして私立の中学に合格した。
 けれど悲しいことに両親は、それを心から喜びはしなかった。今のあっくんを見ていると、死んだあーちゃんを思い出すからだ。
 あっくんはあーちゃんの分まで生きようとして、そしてそれが、不可能であると知った。自分は自分としてしか、生きていけないのだ。
「僕は忘れないよ、あーちゃんのこと」
 僕がそうぽつりと言うと、あっくんの顔はこちらへと向いた。あっくんのかけている眼鏡のレンズが蛍光灯の光を反射して、彼の表情を隠している。そうしていると、本当に、そこにあーちゃんがいるみたいだった。
「……僕は忘れない。あーちゃんのことを、ずっと」
 自分に言い聞かせるように、僕はそう続けて言った。
「僕も、あーちゃんの分まで生きるよ」
 あーちゃんが欠けた、この世界で。
「…………」
 あっくんは黙ったまま、少し顔の向きを変えた。レンズは光を反射しなくなり、眼鏡の下の彼の顔が見えた。それは、あーちゃんに似ているようで、だけど確かに、あっくんの表情だった。
「そうですか」
 それだけつぶやくように言うと、彼は少しだけ笑った。
「兄貴もきっと、その方が喜ぶでしょう」
 あっくんはそう言って、持っていたコンビニの袋に入っていたプリンを「見舞いの品です」と言って僕の机の上に置くと、帰って行った。
 その後ろ姿はもう、あーちゃんのようには見えなかった。
 その二日後、僕は部屋でひとり寝ていると玄関のチャイムが鳴ったので出てみると、そこには河野帆高が立っていた。
「よー、潤崎くん。元気?」
「……なんで、僕の家を知ってるの?」
「とりあえずお邪魔しまーす」
「…………なんで?」
 呆然としている僕の横を、帆高はすり抜けるようにして靴を脱いで上がって行く。こいつが僕の家の住所を知っているはずがない。訊かれたところで担任が教えるとも思えない。となると、住所を教えたのは、やはり、日褄先生だろうか。僕は溜め息をついた。どうしてあのカウンセラーは、生徒の個人情報を守る気がないのだろう。困ったものだ。
 勝手に僕の部屋のベッドに寝転んでくつろいでいる帆高に缶ジュースを持って行くと、やつは笑いながら、
「なんか、美少女に切りつけられたり、美女に殴られたりしたんだって?」
 と言った。
「間違っているような、いないような…………」
「すげー修羅場だなー」
 けらけらと軽薄に、帆高が笑う。あっくんが見舞いに訪れた時と同様に、帆高も制服姿だった。学校帰りに寄ってくれたのだろう。ごくごくと喉を鳴らしてジュースを飲んでいる。
「はい、これ」
 帆高は鞄の中から、紙の束を取り出して僕に差し出した。受け取って確認するまでもなかった。それは、僕が休んでいる間に学級で配布されたのであろう、プリントや手紙だった。ただ、それを他クラスに所属している帆高から受け取るというのが、いささか奇妙な気はしたけれど。
「どうも……」
「授業のノートは、学校へ行くようになってから本人にもらって。俺のノートをコピーしてもいいんだけど、やっぱクラス違うと微妙に授業の進度とか感じも違うだろうし」
「…………本人?」
 僕が首をかしげると、帆高は、ああ、と思い出したように言った。
「これ、ミナモからの預かり物なんだよ。自分で届けに行けばって言ったんだけど、やっぱりそれは恥ずかしかったのかねー」
 ミナモが、僕のプリントを届けることを帆高に依頼した……?
 一体、どういうことだろう。だってミナモは、一日じゅう保健室にいて、教室内のことには関与していないはずだ。なんだか、嫌な予感がした。
「帆高、まさか、なんだけど…………」
「そのまさかだよ、潤崎くん」
 帆高は飄々とした顔で言った。
「ミナモは、文化祭の振り替え休日が明けてからのこの二週間、ちゃんと教室に登校して、休んでるあんたの代わりに授業のノートを取ってる」
「…………は?」
「でもさー、ミナモ、ノート取る・取らない以前に、黒板に書いてある文字の内容を理解できてるのかねー? まぁノート取らないよりはマシだと思うけどさー」
「ちょ、ちょっと待って……」
 ミナモが、教室で授業を受けている?
 僕の代わりに、ノートを取っている?
 一体、何があったんだ……?
 僕は呆然とした。
「ほんと、潤崎くんはミナモに愛されてるよねー」
「…………」
 ミナモが聞いたらそうしそうな気がしたから、代わりに僕が帆高の頭に鉄拳を制裁した。それでも帆高はにやにやと笑いながら、言った。
「だからさ、怪我してんのも知ってるし、学校休みたくなる気持ちもわからなくはないけど、なるべく早く、学校出て来てくれねーかな」
 表情と不釣り合いに、その声音は真剣だったので、僕は面食らう。ミナモのことを気遣っていることが窺える声だった。入学して以来、一度も足を向けたことのない教室で、授業に出てノートを取っているのだから、無理をしていないはずがない。いきなりそんなことをするなんて、ミナモも無茶をするものだ。いや、無茶をさせているのは、僕なのだろうか。
 あ、そうだ、と帆高は何かを思い出したかのようにつぶやき、鞄の中から丸められた画用紙を取り出した。
「……それは?」
「ミナモから、預かってきた。お見舞いの品」
 ミナモから、お見舞いの品?
 首を傾げかけた僕は、画用紙を広げ、そこに描かれたものを見て、納得した。
 河野ミナモと、僕。
 死にたがり屋と死に損ない。
 自らの死を願って雨の降る屋上へ向かい、そこで出会った僕と彼女は、ずるずると、死んでいくように生き延びたのだ。
「……これから、授業に出るつもり、なのかな」
「ん? ああ、ミナモのことか? どうだろうなぁ」
 僕は思い出していた。文化祭の朝、リストバンドをくれた、峠茶屋桜子さんのこと。僕とミナモが出会った日に、保健室で僕たちに��然出会ったことを彼女は覚えていてくれていた。彼女のような人もクラスにはいる。僕だってミナモだって、クラスの人たちと全く関わり合いがない訳ではないのだ。僕たちもまだ、世界と繋がっている。
「河野も、変わろうとしてるのかな……」
 死んだ方がいい人間だっている。
 初めて出会ったあの日、河野ミナモはそう言った。
 僕もそう思っていた。死んだ方がいい人間だっている。僕だって、きっとそうだと。
 だけど僕たちは生きている。
 ミナモが贈ってくれた絵は、やっぱり、あの屋上から見た景色だった。夏休みの宿題を頼んだ時に描いてもらった絵の構図とほとんど同じだった。屋上は無人で、僕の姿もミナモの姿もそこには描かれていない。だけど空は、澄んだ青色で塗られていた。
 僕は帆高に、なるべく早く学校へ行くよ、と約束して、それから、どうかミナモの変化が明るい未来へ繋がるように祈った。
 河野帆高が言っていた通り、僕が学校を休んでいた約二週間の間、ミナモは朝教室に登校してきて、授業を受け、ノートを取ってくれていた。けれど、僕が学校へ行くようになると、保健室登校に逆戻りだった。
 昼休みの保健室で、僕はミナモからルーズリーフの束を受け取った。筆圧の薄い字がびっしりと書いてある。
 僕は彼女が贈ってくれた絵のことを思い出した。かつてあーちゃんが飛び降りて、死のうとしていた僕と、死にたがりのミナモが出会ったあの屋上。そこから見た景色を、ミナモはのびのびとした筆使いで描いていた。綺麗な青い色の絵具を使って。
 授業ノートの字は、その絵とは正反対な、神経質そうに尖っているものだった。中学入学以来、一度も登校していなかった教室に足を運び、授業を受けたのだ。ルーズリーフのところどころは皺寄っている。緊張したのだろう。
「せっかく来るようになったのに、もう教室に行かなくていいの?」
「……潤崎くんが来るなら、もう行かない」
 ミナモは長い前髪の下から睨みつけるように僕を一瞥して、そう言った。
 それもそうだ。ミナモは人間がこわいのだ。彼女にとっては、教室の中で他人の視線に晒されるだけでも恐ろしかったに違いないのに。
 ルーズリーフを何枚かめくり、ノートの文字をよく見れば、ときどき震えていた。恐怖を抑えようとしていたのか、ルーズリーフの余白には小さな絵が描いてあることもあった。
「ありがとう、河野」
「別に」
 ミナモは保健室のベッドの上、膝に乗せたスケッチブックを開き、目線をそこへと向けていた。
「行くところがあるんじゃないの?」
 もう僕に興味がなくなってしまったかのような声で彼女はそう言って、ただ鉛筆を動かすだけの音が保健室には響き始めた。
 僕はもう一度ミナモに礼を言ってから、保健室を後にした。
    ずっと謝らなくてはいけないと思っている人がいた。
 彼女はなんだか気まずそうに僕の前でうつむいている。
 昼休みの廊下の片隅。僕と彼女の他には誰もいない。呼び出したのは僕の方だった。文化祭でのあの事件から、初めて登校した僕は、その日のうちに彼女の教室へ行き、彼女のクラスメイトに呼び出してもらった。
「あの…………」
「なに?」
「その、怪我の、具合は……?」
「僕はたいしたことないよ。もう治ったし。きみは?」
「私も、その、大丈夫です」
「そう……」
 よかった、と言おうとした言葉を、僕は言わずに飲み込んだ。これでよいはずがない。彼女は無関係だったのだ。彼女は、僕やひーちゃん、あーちゃんたちとは、なんの関係もなかったはずなのに。
「ごめん、巻き込んでしまって」
「いえ、そんな……勝手に先輩のことをかばったのは、私ですから……」
 文化祭の日。僕がひーちゃんに襲われた時、たまたま廊下を通りかかった彼女、佐渡梓は僕のことをかばい、そして傷を負った。
 怪我は幸いにも、僕と同様に軽傷で済んだようだが、でもそれだけで済む話ではない。彼女は今、カウンセリングに通い、「心の傷」を癒している。それもそうだ。同じ中学校に在籍している先輩女子生徒に、カッターナイフで切りつけられたのだから。
「きみが傷を負う、必要はなかったのに……」
 どうして僕のことを、かばったりしたのだろう。
 僕は佐渡梓の好意を、いつも踏みつけてきた。ひどい言葉もたくさんぶつけた。渡された手紙は読まずに捨てたし、彼女にとって、僕の態度は冷徹そのものだったはずだ。なのにどうして、彼女は僕を助けようとしたのだろう。
「……潤崎先輩に、一体何があって、あんなことになったのか、私にはわかりません」
 佐渡梓はそう言った。
「思えば、私、先輩のこと何も知らないんだなって、思ったんです。何が好きなのか、とか、どんな経験をしてきたのか、とか……。先輩のクラスに、不登校の人が二人いるってことは知っていました。ひとりは河野先輩で、潤崎先輩と親しいみたいだってことも。でも、もうひとりの、市野谷先輩のことは知らなくて……潤崎先輩と、幼馴染みだってことも……」
 僕とひーちゃんのことを知っているのは、同じ小学校からこの中学に進学してきた連中くらいだ。と言っても、僕もひーちゃんも小学校時代の同級生とそこまで交流がある訳じゃなかったから、そこまでは知られていないのではないだろうか。僕とひーちゃん、そして、あーちゃんのことも知っているという人間は、この学校にどれくらいいるのだろう。
 さらに言えば、僕とひーちゃんとあーちゃん、そして、ひーちゃんの最愛の弟ろーくんの事故のことまで知っている人間は、果たしているのだろうか。日褄先生くらいじゃないだろうか。
 僕たちは、あの事故から始まった。
 ひーちゃんはろーくんを目の前で失い、そして僕とあーちゃんに出会った。ひーちゃんは心にぽっかり空いた穴を、まるであーちゃんで埋めるようにして、あーちゃんを世界の全てだとでも言うようにして、生きるようになった。そんなあーちゃんは、ある日屋上から飛んで、この世界からいなくなってしまった。そうして役立たずの僕と、再び空っぽになったひーちゃんだけが残された。
 そうして僕は嘘をつき、ひーちゃんは僕を裏切った。
 僕を切りつけた刃の痛みは、きっとひーちゃんが今まで苦しんできた痛みだ。
 あーちゃんがもういないという事実を、きっとひーちゃんは知っていた。ひーちゃんは僕の嘘に騙されたふりをした。そうすればあーちゃんの死から逃れられるとでも思っていたのかもしれない。壊れたふりをしているうちに、ひーちゃんは本当に壊れていった。僕はどうしても、彼女を正しく導くことができなかった。嘘をつき続けることもできなかった。だからひーちゃんは、騙されることをやめたのだ。自分を騙すことを、やめた。
 僕はそのことを、佐渡梓に話そうとは思わなかった。彼女が理解してくれる訳がないと決めつけていた訳ではないが、わかってもらわなくてもいいと思っていた。でも僕が彼女を巻き込んでしまったことは、もはや変えようのない事実だった。
「今回のことの原因は、僕にあるんだ。詳しくは言えないけれど。だから、ひーちゃん……市野谷さんのことを責めないであげてほしい。本当は、いちばん苦しいのは市野谷さんなんだ」
 僕の言葉に、佐渡梓は決して納得したような表情をしなかった。それでも僕は、黙っていた。しばらくして、彼女は口を開いた。
「私は、市野谷先輩のことを責めようとか、訴えようとか、そんな風には思いません。どうしてこんなことになったのか、理由を知りたいとは思うけれど、潤崎先輩に無理に語ってもらおうとも思いません……でも、」
 彼女はそこまで言うと、うつむいていた顔を上げ、僕のことを見た。
 ただ真正面から、僕を見据えていた。
「私は、潤崎先輩も、苦しかったんじゃないかって思うんです。もしかしたら、今だって、先輩は苦しいんじゃないか、って……」
 僕は。
 佐渡梓にそう言われて、笑って誤魔化そうとして、泣いた。
 僕は苦しかったんだろうか。
 僕は今も、苦しんでいるのだろうか。
 ひーちゃんは、あの文化祭での事件の後、日褄先生に連れられて精神科へ行ったまま、学校には来ていない。家にも帰っていない。面会謝絶の状態で、会いに行くこともできないのだという。
 僕はどうかひーちゃんが、苦しんでいないことを願った。
 もう彼女は、十分はくらい苦しんできたと思ったから。
    ひーちゃんから電話がかかってきたのは、三月十三日のことだった。
 僕の中学校生活は何事もなかったかのように再開された。
 二週間の欠席を経て登校を始めた当初は、変なうわさと奇妙な視線が僕に向けられていたけれど、もともとクラスメイトと関わり合いのなかった僕からしてみれば、どうってことはなかった。
 文化祭で僕が着用したメイド服を作ってくれたクラス委員の長篠めいこさんと、リストバンドをくれた峠茶屋桜子さんとは、教室の中でときどき言葉を交わすようになった。それが一番大きな変化かもしれない。
 ミナモの席もひーちゃんの席も空席のままで、それもいつも通りだ。
 ミナモのはとこである帆高の方はというと、やつの方も相変わらずで、宿題の提出率は最悪みたいだ。しょっちゅう廊下で先生たちと鬼ごっこをしている。昼休みの保健室で僕とミナモがくつろいでいると、ときどき顔を出しにくる。いつもへらへら笑っていて、楽しそうだ。なんだかんだ、僕はこいつに心を開いているんだろうと思う。
 佐渡梓とは、あれからあまり会わなくなってしまった。彼女は一年後輩で、校舎の中ではもともと出会わない。委員会や部活動での共通点もない。彼女が僕のことを好きになったこと自体が、ある意味奇跡のようなものだ。僕をかばって怪我をした彼女には、感謝しなくてはいけないし謝罪しなくてはいけないと思ってはいるけれど、どうしたらいいのかわからない。最近になって少しだけ、彼女に言ったたくさんの言葉を後悔するようになった。
 日褄先生は、そう、日褄先生は、あれからスクールカウンセラーの仕事を辞めてしまった。婚約者の葵さんと結婚することになったらしい。僕の頬を殴��てまで叱咤してくれた彼女は、あっさりと僕の前からいなくなってしまった。そんなこと、許されるのだろうか。僕はまだ先生に、なんのお礼もしていないのに。
 僕のところには携帯電話の電話番号が記されたはがきが一枚届いて、僕は一度だけそこに電話をかけた。彼女はいつもと変わらない明るい声で、とんでもないことを平気でしゃべっていた。ひーちゃんのことも、僕のことも、彼女はたった一言、「もう大丈夫だよ」とだけ言った。
 そうこうしているうちに年が明け、冬休みが終わり、そうして三学期も終わった。
 三月十三日、電話が鳴った。
 あーちゃんが死んだ日だった。
 二年前のこの日、あーちゃんは死んだのだ。
「あーちゃんに会いたい」
 電話越しだけれども、久しぶりに聞くひーちゃんの声は、やけに乾いて聞こえた。
 あーちゃんにはもう会えないんだよ、そう言おうとした僕の声を遮って、彼女は言う。
「知ってる」
 乾燥しきったような、淡々とした声。鼓膜の奥にこびりついて取れない、そんな声。
「あーちゃん、死んだんでしょ。二年前の今日に」
 思えば。
 それが僕がひーちゃんの口から初めて聞いた、あーちゃんの死だった。
「『僕』ね、ごめんね、ずっとずっと知ってた、ずっとわかってた。あーちゃんは、もういないって。だけど、ずっと認めたくなくて。そんなのずるいじゃん。そんなの、卑怯で、許せなくて、許したくなくて、ずっと信じたくなくて、ごめん、でも……」
 うん、とだけ僕は答えた。
 きっとそれは、僕のせいだ。
 ひーちゃんを許した、僕のせいだ。
 あーちゃんの死から、ずっと目を背け続けたひーちゃんを許した、僕のせいだ。
 ひーちゃんにそうさせた、僕のせい。
 僕の罪。
 一度でもいい、僕が、あーちゃんの死を見ないようにするひーちゃんに、無理矢理にでも現実を打ち明けていたら、ひーちゃんはきっと、こんなに苦しまなくてよかったのだろう。ひーちゃんの強さを信じてあげられなかった、僕のせい。
 あーちゃんが死んで、自分も死のうとしていたひーちゃんを、支えてあげられるだけの力が僕にはなかった。ひーちゃんと一緒に生きるだけの強さが僕にはなかった。だから僕は黙っていた。ひーちゃんがこれ以上壊れてしまわぬように。ひーちゃんがもっと、壊れてしまうように。
 僕とひーちゃんは、二年前の今日に置き去りになった。
 僕の弱さがひーちゃんの心を殺した。壊した。狂わせた。痛めつけた。苦しめた。
「でも……もう、『僕』、あーちゃんの声、何度も何度も何度も、何度考えても、もう、思い出せないんだよ……」
 電話越しの声に、初めて感情というものを感じた。ひーちゃんの今にも泣き出しそうな声に、僕は心が潰れていくのを感じた。
「お願い、うーくん。『僕』を、あーちゃんのお墓に、連れてって」
 本当は、二年前にこうするべきだった。
「……わかった」
 僕はただ、そう言った。
 僕は弱いままだったから。
 彼女の言葉に、ただ頷いた。
『僕が死んだことで、きっとひーちゃんは傷ついただろうね』
 そう書いてあったのは、あーちゃんが僕に残したもうひとつの遺書だ。
『僕は裏切ってしまったから。あの子との約束を、破ってしまったから』
 あーちゃんとひーちゃんの間に交わされていたその約束がなんなのか、僕にはわからないけれど、ひーちゃんにはきっと、それがわかっているのだろう。
  ひーちゃんがあーちゃんのことを語る度、僕はひーちゃんがどこかへ行ってしまうような気がした。
 だってあんまりにも嬉しそうに、「あーちゃん、あーちゃん」って言うから。ひーちゃんの大好きなあーちゃんは、もういないのに。
 ひーちゃんの両目はいつも誰かを探していて、隣にいる僕なんか見てくれないから。
  ひーちゃんはバス停で待っていた。交わす言葉はなかった。すぐにバスは来て、僕たちは一番後ろの席に並んで座った。バスに乗客の姿は少なく、窓の外は雨が降っている。ひーちゃんは無表情のまま、僕の隣でただ黙って、濡れた靴の先を見つめていた。
  ひーちゃんにとって、世界とはなんだろう。
 ひーちゃんには昨日も今日も明日もない。
 楽しいことがあっても、悲しいことがあっても、彼女は笑っていた。
 あーちゃんが死んだ時、あーちゃんはひーちゃんの心を道連れにした。僕はずっと心の奥底であーちゃんのことを恨んでいた。どうして死んだんだって。ひーちゃんに心を返してくれって。僕らに世界を、返してって。
  二十分もバスに揺られていると、「船頭町三丁目」のバス停に着いた。
 ひーちゃんを促してバスを降りる。
 雨は霧雨になっていた。持っていた傘を差すかどうか、一瞬悩んでから、やめた。
 こっちだよ、とひーちゃんに声をかけて歩き始める。ひーちゃんは黙ってついてくる。
 樫岸川の大きな橋の上を歩き始める。柳の並木道、古本屋のある四つ角、細い足場の悪い道、長い坂、苔の生えた石段、郵便ポストの角を左。
 僕はもう何度、この道を通ったのだろう。でもきっと、ひーちゃんは初めてだ。
 生け垣のある家の前を左。寺の大きな屋根が、突然目の前に現れる。
 僕は、あそこだよ、と言う。ひーちゃんは少し目線を上の方に動かして、うん、と小さな声で言う。その瞳も、口元も、吐息も、横顔も、手も、足も。ひーちゃんは小さく震えていた。僕はそれに気付かないふりをして、歩き続ける。ひーちゃんもちゃんとついてくる。
  ひーちゃんはきっと、ずっとずっと気付いていたのだろう。本当のことを。あーちゃんがこの世にいないことを。あーちゃんが自ら命を絶ったことも。誰もあーちゃんの苦しみに、寂しさに、気付いてあげられなかったことを。ひーちゃんでさえも。
 ひーちゃんは、あーちゃんが死んでからよく笑うようになった。今までは、能面のように無表情な少女だったのに。ひーちゃんは笑っていたのだ。あーちゃんがもういない世界を。そんな世界でのうのうと生きていく自分を。ばればれの嘘をつく、僕を。
  あーちゃんの墓前に立ったひーちゃんの横顔は、どこにも焦点があっていないかのように、瞳が虚ろで、だが泣いてはいなかった。そっと手を伸ばし、あーちゃんの墓石に恐る恐る触れると、霧雨に濡れて冷たくなっているその石を何度も何度も指先で撫でていた。
 墓前には真っ白な百合と、やきそばパンが供えてあった。あーちゃんの両親が毎年お供えしているものだ。
 線香のにおいに混じって、妙に甘ったるい、ココナッツに似たにおいがするのを僕は感じた。それが一体なんのにおいなのか、僕にはわかった。日褄先生がここに来て、煙草を吸ったのだ。彼女がいつも吸っていた、あの黒い煙草。そのにおいだった。ついさっきまで、ここに彼女も来ていたのだろうか。
「つめたい……」
 ひーちゃんがぽつりと、指先の感触の感想を述べる。そりゃ石だもんな、と僕は思ったが、言葉にはしなかった。
「あーちゃんは、本当に死んでいるんだね」
 墓石に触れたことで、あーちゃんの死を実感したかのように、ひーちゃんは手を引っ込めて、恐れているように一歩後ろへと下がった。
「あーちゃんは、どうして死んだの?」
「……ひとりぼっちみたいな、感覚になるんだって」
 あーちゃんが僕に宛てて書いた、彼のもうひとつの遺書の内容を思い出す。
「ひとりぼっち? どうして? ……私がいたのに」
 ひーちゃんはもう、自分のことを「僕」とは呼ばなかった。
「私じゃだめだった?」
「……そんなことはないと思う」
「じゃあ、どうして……」
 ひーちゃんはそう言いかけて、口をつぐんだ。ゆっくりと首を横に振って、ひーちゃんは、そうか、とだけつぶやいた。
「もう考えてもしょうがないことなんだ……。あーちゃんは、もういない。私が今さら何かを思ったって、あーちゃんは帰ってこないんだ……」
 ひーちゃんはまっすぐに僕を見上げて、続けるように言った。
「これが、死ぬってことなんだね」
 彼女の表情は凍りついているように見えた。
「そうか……ずっと忘れていた、ろーくんも死んだんだ……」
 ひーちゃんの最愛の弟、ろーくんこと市野谷品太くんは、僕たちが小学二年生の時に交通事故で亡くなった。ひーちゃんの目の前で、ろーくんの細くて小さい身体は、巨大なダンプに軽々と轢き飛ばされた。
 ひーちゃんは当時、過剰なくらいろーくんを溺愛していて、そうして彼を失って以来、他人との間に頑丈な壁を築くようになった。そんな彼女の前に現れたのが、僕であり、そして、あーちゃんだった。
「すっかり忘れてた。ろーくん……そうか、ずっと、あーちゃんが……」
 まるで独り言のように、ひーちゃんは言葉をぽつぽつと口にする。瞳が落ち着きなく動いている。
「そうか、そうなんだ、あーちゃんが……あーちゃんが…………」
 ひーちゃんの両手が、ひーちゃんの両耳を覆う。
 息を殺したような声で、彼女は言った。
「あーちゃんは、ずっと、ろーくんの代わりを……」
 それからひーちゃんは、僕を見上げた。
「うーくんも、そうだったの?」
「え?」
「うーくんも、代わりになろうとしてくれていたの?」
 ひーちゃんにとって、ろーくんの代わりがあーちゃんであったように。
 あーちゃんが、ろーくんの代用品になろうとしていたように。
 あっくんが、あーちゃんの分まで生きようとしていたように。
 僕は。
 僕は、あーちゃんの代わりに、なろうとしていた。
 あーちゃんの代わりに、なりたかった。
 けれどそれは叶わなかった。
 ひーちゃんが求めていたものは、僕ではなく、代用品ではなく、正真正銘、ほんものの、あーちゃんただひとりだったから。
 僕は稚拙な嘘を重ねて、ひーちゃんを現実から背けさせることしかできなかった。
 ひーちゃんの手を引いて歩くことも、ひーちゃんが泣いている間待つことも、あーちゃんにはできても、僕にはできなかった。
 あーちゃんという存在がいなくなって、ひーちゃんの隣に空いた空白に僕が座ることは許されなかった。代用品であることすら、認められなかった。ひーちゃんは、代用品を必要としなかった。
 ひーちゃんの世界には、僕は存在していなかった。
 初めから、ずっと。
 ずっとずっとずっと。
 ずーーーーーーーーーーーーーーーーーーっと、僕はここにいたのに。
 僕はずっと寂しかった。
 ひーちゃんの世界に僕がいないということが。
 だからあーちゃんを、心の奥底では恨んでいた。妬ましく思っていた。
 全部、あーちゃんが死んだせいにした。僕が嘘をついたのも、ひーちゃんが壊れたのも、あーちゃんが悪いと思うことにした。いっそのこと、死んだのが僕の方であれば、誰もこんな思いをしなかったのにと、自分が生きていることを呪った。
 自分の命を呪った。
 自分の存在を呪った。
 あーちゃんのいない世界を、あーちゃんが死んだ世界を、あーちゃんが欠けたまま、それでもぐるぐると廻り続けるこの不条理で不可思議で不甲斐ない世界を、全部、ひーちゃんもあーちゃんもあっくんもろーくんも全部全部全部全部、まるっときちっとぐるっと全部、呪った。
「ごめんね、うーくん」
 ひーちゃんの細い腕が、僕の服の袖を掴んでいた。握りしめているその小さな手を、僕は見下ろす。
「うーくんは、ずっと私の側にいてくれていたのにね。気付かなくて、ごめんね。うーくんは、ずっとあーちゃんの代わりをしてくれていたんだね……」
 ひーちゃんはそう言って、ぽろぽろと涙を零した。綺麗な涙だった。綺麗だと、僕は思った。
 僕は、ひーちゃんの手を握った。
 ひーちゃんは何も言わなかった。僕も、何も言わなかった。
 結局、僕らは。
 誰も、誰かの代わりになんてなれなかった。あーちゃんもろーくんになることはできず、あっくんもあーちゃんになることはできず、僕も、あーちゃんにはなれなかった。あーちゃんがいなくなった後も、世界は変わらず、人々は生き続け、笑い続けたというのに。僕の身長も、ひーちゃんの髪の毛も伸びていったというのに。日褄先生やミナモや帆高や佐渡梓に、出会うことができたというのに。それでも僕らは、誰の代わりにもなれなかった。
 ただ、それだけ。
 それだけの、当たり前の事実が僕らには常にまとわりついてきて、その事実を否定し続けることだけが、僕らの唯一の絆だった。
 僕はひーちゃんに、謝罪の言葉を口にした。いくつもいくつも、「ごめん」と謝った。今までついてきた嘘の数を同じだけ、そう言葉にした。
 ひーちゃんは僕を抱き締めて、「もういいよ」と言った。もう苦しむのはいいよ、と言った。
 帰り道のバスの中で、四月からちゃんと中学校に通うと、ひーちゃんが口にした。
「受験、あるし……。今から学校へ行って、間に合うかはわからないけれど……」
 四月から、僕たちは中学三年生で高校受験が控えている。教室の中は、迫りくる受験という現実に少しずつ息苦しくなってきているような気がし��いた。
 僕は、「大丈夫」なんて言わなかった。口にすることはいくらでもできる。その方が、もしかしたらひーちゃんの心を慰めることができるかもしれない。でももう僕は、ひーちゃんに嘘をつきたくなかった。だから代わりに、「一緒に頑張ろう」と言った。
「頭のいいやつが僕の友達にいるから、一緒に勉強を教えてもらおう」
 僕がそう言うと、ひーちゃんは小さく頷いた。
 きっと帆高なら、ひーちゃんとも仲良くしてくれるだろう。ミナモはどうかな。時間はかかるかもしれないけれど、打ち解けてくれるような気がする。ひーちゃんはクラスに馴染めるだろうか。でも、峠茶屋さんが僕のことを気にかけてくれたように、きっと誰かが気にかけてくれるはずだ。他人なんてくそくらえだって、ずっと思っていたけれど、案外そうでもないみたいだ。僕はそのことを、あーちゃんを失ってから気付いた。
 僕は必要とされたかっただけなのかもしれない。
 ひーちゃんに必要とされたかったのかもしれないし、もしかしたら誰か他人だってよかったのかもしれない。誰か他人に、求めてほしかったのかもしれない。そうしたら僕が生きる理由も、見つけられるような気がして。ただそれだけだ。それは、あーちゃんも、ひーちゃんも同じだった。だから僕らは不器用に、お互いを傷つけ合う方法しか知らなかった。自分を必要としてほしかったから。
 いつだったか、日褄先生に尋ねたことがあったっけ。
「嘘って、何回つけばホントになるんですか」って。先生は、「嘘は何回ついたって、嘘だろ」と答えたんだった。僕のついた嘘はいくら重ねても嘘でしかなかった。あーちゃんは、帰って来なかった。やっぱり今日は雨で、墓石は冷たく濡れていた。
 けれど僕たちは、やっと、現実を生きていくことができる。
「もう大丈夫だよ」
 日褄先生が僕に言ったその声が、耳元で蘇った。
 もう大丈夫だ。
 僕は生きていく。
 あーちゃんがいないこの世界で、今度こそ、ひーちゃんの手を引いて。
 
 ふたりで初めて手を繋いで帰った日。
 僕らはやっと、あーちゃんにサヨナラができた。
  あーちゃん。
 世界は透明なんかじゃない。
 君も透明なんかじゃない。
 僕は覚えている。あーちゃんのことも、一緒に見た景色も、過ごした日々のことも。
 今でも鮮明に、その色を思い出すことができる。
 たとえ記憶が薄れる日がきたって、また何度でも思い出せばいい。
 だからサヨナラは、言わないんだ。
 了
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神様のすみか
RADWIMPS「オーダーメイド」パロディ

黒子のバスケ 緑赤
いつものように、挑戦者の気概で教室に足を踏み入れた。そこには既に足ぐせの悪い神様が待っていて、窓からさす茜を一身に背負っていた。
緑間は無論大層に戸惑った。そこにいるのは紛れも無く中学時代の赤司だった。
「おいで」
赤司が机の上に座ったままこちらに声をかける。前髪は長く、互い違いの色をした目が猫のように爛々と輝いていた。その指は退屈そうに将棋の駒を弄んでいる。赤司は当然のように帝光中の制服を着ていて、自身を見下ろすと緑間も同様だった。そういえば少し視界が低い気がするし、喉元に声変わりの時期特有の倦怠感がまとわりついていた。ああ、これは夢なのだなと思う。中学のときのことなんてとうの昔に忘れていると思っていたのに、空き教室も赤司もひどく鮮明であった。 入口で立ち止まったままの緑間に、赤司が不思議そうな顔で視線をやった。夢ならそれらしく振る舞うべきか。そんなことを考えた。 「わかったのだよ」 言って近づき、彼の対面に座る。駒ののっていない将棋盤を睨む。 そして、顔をあげると神様がいた。おかしいなと思う。しかしいくら見つめてもそれは赤司の形をした神様であり、同時に神様の形をした赤司なのだった。理屈ではなかった。夢特有の不可解な直感がそう告げていた。 教室の中はひどく暖かくて、窓の向こうや廊下ごしに聞こえてくる喧騒が耳に心地よい。母の胎内にいる赤ん坊のような、そんな気持ちになった。 ふわりと赤司が手を動かした。一瞬ののち、ぱちん、軽快であり威圧的である、そんな相反したような音がたちどころに生まれて消える。緑間は眉根を寄せた。そこは。全くこいつは、なんて手を打ってくるのだろう。考えてみれば緑間は、こちらの赤司と将棋を打ったことは一度もなかった。こいつはあちらの赤司とは打ち方の傾向が少し異なるように思う。攻撃的というか、威嚇的というか。自己保存の本能がないようだ。怖がりなゆえに襲いかかるのか。そして緑間はそういう打ち方に対する策を全く持ち合わせていなかった。気づくと泥濘に足をとられて悪戦苦闘している。対面の相手は全く涼しい顔だ。そして赤司は、退屈しのぎにかこんなことを言い出した。 「真太郎。お前は未来と過去を見れるとしたら、どちらを選ぶ」 その声にはなんの色も含まれない。緑間は赤司の能力を思い返して、何だそれは、嫌味か、と混ぜ返した。どちらも視れる、そんな目を持つやつがなにを。赤司はくちびるだけで笑うと、いいか���、と答えをせっついてきた。 「…俺は、過去だけでいいのだよ」  膠着しきった盤上から意識を外して眼鏡を押し上げる。へえ、なんで? 赤司はそう尋ねてきた。言葉を選ぶ。どう言えばこの男に伝わるのかわからず、元々軽くはない口がさらに重くなる。 「未来を見れるというのは、過去や現在を軽んじることになる気がするのだよ」 「軽んじる? お前らしくもないな。そんなものは単なる印象論に過ぎない」 「印象論になるのは仕方ない、俺はいまだかつて未来が見えるという体験をしたことはないのだから。だが――」 実際、お前はお前の目を持ってしても、今と過去しか見えぬ黒子に勝てなかったではないか。口にでかかった言葉を飲み込んだ。この赤司はきっと中学時代の赤司であって、自分が敗北することなど論外であり、その存在を許容することなど到底不可能に違いない。籔蛇だ。何とか言葉の継ぎ穂を探して続ける。 「人間にとって現在と過去は絶対的なものだ。その息詰まる窮屈な時間軸の中で未来だけが変数だ。拓けている。そうではないか?」 赤司は肩をすくめる、続けろというようだった。 「上手くは言えないが…人はその未来という未知数があるからこそ、その変化に希望を託し、そこに依拠して生きられると思うのだよ。未来が既に見えるのなら、生きるのなどひどく退屈なことだろう。 あれをやれば失敗する、あれをやると紆余曲折はあるが最終的には成功し良い思い出ができる。そのような結果論ですべてを考えるというのは…人を随分貧しくさせると思うのだよ」 眼鏡を押し上げる。らしくもないことを言ったかと思う。まるで前向きで健全だ。緑間は自身のことをそういうふうには思わない。絶対的なものをこそ求めているように思う。たとえば目の前のこいつのような。 戸惑いながら言葉を続けた。 「それに…お前のいいざまだと、もし未来を選んだ場合過去は見えなくなってしまうというように聞こえる。過去が見えなくなるなど…俄に想像しがたいが、それはアルツハイマー病のように記憶がなくなるということなのか? あるいは、今の自分から、過去を延々と切り離されていくということなのか?」 赤司は目を伏せる。その裏にあるものは読み取れない。俺は脳内でそういう状態をシュミレートする。過去をなくす。ひどいことだ。 辺りを見回す。赤司との将棋によく使った空き教室だ。机が夕日を反射し橙の海原のように見える。乱雑に消された黒板と、日直の欄に書き付けられた見知らぬ名前。中途半端に閉められたうす黄色いカーテンがやわらかくなびく。俺がこんな夢を見られるのも、すべては記憶あっての物種だ。無論自分とてその記憶や思い出とでもいうべきものを、忌まわしいと思ったことはある、かつて輝石(キセキ)と呼ばれた原石は無残にも砕けて飛び散った。あのとき全能ですらあったはずの5人は、けれどあまりにも無思慮で不器用だった、赤司はどうだか知らないが。生き血を流すような経験として敗北を知った。それでやっと緑間は、全力で相対した敗者に対して自分たちの行為がどんなに残酷なものだったかを理解した。 「…俺の想像した通りならば、未来が見えるというのは、盲目的な状態に思えるのだよ。自分にも、他者にもな。こんなことを言うのは柄でもないが……過去から学ぶこともあるだろう。今まで自分がしてきた経験を��外視するのは賢明な選択とは言えんのだよ」 「なるほどね。いい答えだよ、真太郎」 赤司は凛とした声で言い放った。なら、お前には過去が見えるようにしてやろう。 過去が見えるようにしてやる? 怪訝(おかし)な言い方だ。どう言う意味だと尋ねながらやっと練った手を打った。赤司は色のない目で俺の勧めた駒を眺め、無造作に歩兵をつまんでぽいと銀の前に投げる。歩兵だと? ばかな。金色の目が俺を見上げてくる。足を組み替えて笑う。 「いやだな、わかってるだろ、真太郎。僕は神様なんだ」 嘘も本気も判断がつかない。赤司であれば、なおさらこちらのあかしであれば、仮定の話だとしてもこんなふうに自信満々で己を神だと言い切りそうでもある。たかが夢なのに俺はそんなことを考えている。俺の訝る顔を童顔の自称神は愉しそうに見つめ返す。 「僕はね、キセキの中でもお前のことを気に入っている。一番僕に近いと思っていると言っていい」 「褒められている気がせんな」 今のところ自分は赤司の足許にも及んでいる気がしない。近い? 何がだ。性格か(ぞっとする)、IQか(ならばこの盤上ではもっと接戦が繰り広げられていてもいいはずだ)、テストの順位か(一位と二位の間にある数点を緑間はひどく遠いものに思う。こいつは100点満点のテストだから100点を取っているものの、200点満点であれば200点をとるし、500点であれば500点をとるだろう。たかだか100点のテストで99点をとる俺など、彼にしてみたらきっと道化にすぎぬのだろう)――いずれにしたって全く正当性がない。それとも家柄か、いえがらなのか。しかしそれは、俺が自力で掴んだものではない。そんなもので認められたところで嬉しくもなんともない。 「冷たいなあ。…まあそんなわけで、真太郎には特別大サービスだ。おまえにはね、いろんなものをあげるよ」 きっとね。 ――眸を。 ゆうひに輝かせて赤司は言う。ついと駒を弄ぶ指先が上がり、提案だというように人差し指を突きつけられる。 「腕も脚も、口も、耳も目もね。心臓も乳房も、鼻の穴も、二つつずつやろうじゃないか?」 荒唐無稽にも程がある申し出だった。 「…下らん。たかが中学生のお前にそんなことが出来るのか? 」 「ああ、赤司家の全精力を上げると約束しするよ」 馬鹿に仕切った声を出したつもりだったが、赤司はあっさりとそう言った。全くこれが中学生の貫祿だろうか。自分も中学生なのを棚に上げて緑間は思うのだ。 どうかな真太郎? 僕は悪くない提案だと思うけれども。 静かに目を伏せて赤司は言う。今こいつが見ているのは何手先の未来なのか。跳ねた赤い髪が夕日に煌めく。それに目がいってしまう。俺は赤司が言ったことを脳内で反芻した。腕も脚も口も耳も目も。心臓も乳房も鼻の穴もだと? 「…乳房はいらんのだよ」 「おや」 赤司はくすりと笑った。瞳の中で赤い海が跳ね返る。 「残念だな、真太郎は女の子になりたくないのか?」 「こんな背の高い女がいてたまるか」 そんなことをほざく張本人の方がよほど少女のような顔をしていると緑間は思う。乳房はお前にやるのだよ。そう貶せば、赤司は、それは困るな、家が継げなくなってしまう、といって笑った。 「まあでも、俺が女の子だったらもっと自由だったかもね。もしそうなったら、お前と付き合ってやってもいいよ」 随分とふざけたことを言ってくれる。びしりとたつ青筋を自分で意識しながら、緑間は眼鏡を押し上げた。 「そもそもお前が女なら俺達は出会ってなかっただろう」 「さあ、どうかな、運命論に則ったら、俺の性別がどうであれ、俺とお前はこうやって将棋をやってたんじゃないかな」 運命論? 赤司征十郎らしくもない言葉だ。厭味ったらしく返して俺は桂馬を進めて歩兵を取る。どうも誘導されている気がしてならないが。赤司は俺の置いた駒を見やる。悠然とした笑みは崩れない。 「分かったよ。他に注文はないかい?」 「……ふん、まあ、腕と足と耳と目と鼻の穴 は、貰ってやってもいいのだよ。だが、口は二つはいらん」 「一つでいいと?」 「ああ…もし俺に口が二つあったとして、それぞれが違うことを言い出したら面倒だし、振り回される周囲もたまったものではなかろう。それに、独りで喧嘩するなど愚の骨頂だからな、赤司」 それは皮肉のはずだったけれど赤司は表情も変えなかった。おれは彼の中に居るはずのもう一人の赤司征十郎を探そうとして失敗におわる。 ―――ウィンターカップが終わって、黒子の誕生日を機に、赤司に会った。それは夢ではない、現実のなかの記憶だ。 赤司はまるでウインターカップまでの自分なんかなかったみたいな顔で、驚くぐらい平然と俺達の前に現れた。油断ならない雰囲気ではあるがどこかのほほんとした彼を、緑間は戸惑って眺めることしかできなかった。彼と彼の奥にあるものが気になって、脇にいた青峰とは違って挨拶の声もかけられなかった。あの赤司は確かに中学時代、一年生の時まで、緑間の隣に並んでいた赤司だった。 あの驚くような冷たさを見せる前の、少年の名残を残した赤司征十郎。 一体そんなことがあるのだろうかと、黒子のパーティからの帰宅後父の医学書にまで手をつけた。それで分かったことといえば人の精神が生み出すあまりにも膨大で複雑怪奇な症例の数々で、最終的に緑間に残されたのはどんなことも有りえないということはないという結論にもならない結論だった。 緑間は赤司が二人いるという事実を現象としては納得していて、でも原理として納得はしていない。 眼鏡を押し上げる。 あの時の気持ちをなんと呼べばいいんだろう。今自分の胸に溢れかえる感情だって、なんという名がつけられるものなのか緑間には解らない。 忘れたいとも思う、忘れてしまえばいいと思う、赤司のことなど。こんな複雑怪奇な男のことなど。しかしどうやったって忘れられないものばかりだった。はね返る髪、やさしげな笑みにすべてを支配する掌。高尾のパスをさえぎった傲然とした表情、くっと見開かれた瞳孔に、バスケのユニフォームから覗く手足。ふくらはぎと、脇からしなやかな二の腕に続く線。どれもまったく、出来すぎていた。緑間はどちらかというと男というより女のそれを見る感覚で赤司を見ていた。それはたしかに恥であった。忘れてしまいたい記憶で、けれど何に変えても忘れられずにいる。今だってきっとそうなのだ。盤上を見るためにうつむき露になるつむじと、臥せる瞼に生える赤い睫毛。不意と顔をあげられれば整いすぎた顔の強すぎる目の光に、目を逸らすことも赦されない。視線が交錯し、次いで、 「――――っ!?」 ゆめだ、 これはゆめだ、ゆめなのだ。でなければ説明がつかなかった。一瞬だけ身を乗りだして緑間とくちびるを重ねた赤司は、また何事もなかったように穏やかな微笑みを貼り付けた、 「そうだね。そうでなくては、恋人とこういうことも出来ないからね」 「おま…っ何を考えているのだよ!」 「何を考えてるって…お前の将来のことだけれど。いつかお前に恋人ができて、今は見も知らぬ誰かさんと愛し合う日のことさ。そうなったときに、口がふたつあったら不便だろう? 真太郎が浮気ものだと糾弾されないように、一人とだけキスができるようにしておかないとね」  ゆるりという、冗談なのかそうでないのか。緑間はぐいと口を拭う。しっとりとしたくちびるだった、そんなことが脳裏に焼き付いてしまうようで恐ろしい。 「…そ、そんなふうに気遣われなくともおれは…ひとりとだけキスをするのだよ」 「おや、本当かい?」 赤司は桂馬を進める。また一考の必要がありそうな手だった。 「寧ろお前が危ぶむべきはお前自身だと思うがな」 くちびるを、記憶から追い払うために緑間はわざとねじけたことを口にした。 「僕かい? …お前にそんなに不誠実な人間とみられていたなんてしらなかったな」 「お前は…人によって言うこともやることも変えるだろうが」 「ああ、それはね。それが効率的だと判断すればそうするよ。というか、誰にでも同じ態度で同じことを言う人間なんてなかなかいないさ。お前くらいのものだろう」 「それは暗に俺が変人だと言っているのか?」 「まあ、僕は真太郎のそういうところが好きだよ」 論点がずれている、そう思って、しかし是正することばを吐くのも面倒だった。こうやってゆるやかにそらされる会話をいったい何度こいつと交わしたことだろう。幾度も忘れたいと思い、けっきょく忘れることはできない。こいつといるとそんなことが千千にまで増えていく。胸の中に膨れ上がる色鮮やかな感情を数え切れない。嫉妬、羨望、憧憬、勝利の悦び、敗北の苦さ、屈辱感、絶望、寂寞。俺にそういう感情を教えたのはすべて赤司だった。俺の肩にも満たない幼い顔の男だった。赤毛を見るのがなんとなく苦しくて眼鏡を外して拭う。忘れたくて忘れようとして、けれど忘れられなかった。こういう想いをどう、てなづければいい。赤司なら知っているんだろうか。これはこれこれこういう名前なのだと、相手チームの作戦を詳らかにするときのように、俺に教えてくれるだろうか。 埓もなかった。 「…つれないなあ」 微動だにもせぬ緑間の顔に、自分の好意を拒否されているとでも思ったのだろうか。赤司は珍しく少し不機嫌そうな顔をした。ふと違和感が兆す。こいつがこんな顔をしただろうか。 「…まあ、お前といるのももう残り少ないしね。これは俺からの餞(はなむけ)だ」 兆す。眼鏡をかけ直した。左目の黄金が赤く塗変わっていく様を見た。 「一番大事な心臓はさ、お前の両胸につけてやろうね」 「あかし、」 あの一件で変質する前の赤司がいた。オッドアイは、やはり見るものに不穏な印象を与える。顔の作りも何も変わっていないのに、柔和で落ち着いた雰囲気が彼の周りに漂っていた。二重人格、だという。二重人格。二人の人間。ふたつの心臓。 「まだそんなことをほざくのか」 「ほざくとはなんだ?ひとつよりは、二つあったほうがいいじゃないか。それ が道理というものだろう。一つが潰れても、もう一つが残れば生きられるんだからなんとも心強い」 「──それは、どうにも一人で生きることを前提とした話に聞こえるな」 痛かった。緑間の言葉に赤司が問うように目を見開く。 「赤司、答えてくれ。おまえはあのときもそう考えていたのか? お前にとってあのときまわりにいた五人は、ただのでくの棒に過ぎなかったのか?」 この姿の赤司からそんな言葉を聞くのは耐えられなかった。あの赤司ならばまだ耐えられる、あれは結果だ、もう動かせない結果の赤司だ。しかし目の前のちいさな彼は未だ過程であった。赤司の腕をつかむ。薄い制服に囲まれて、消えてしまった赤司はここにいた。勢い任せに抱き締める。夢だろうと神様だろうと構わなかった。むしろそうなら逆に好き勝手ができるというものだ。赤司がもがくように身じろぐから逃すものかと力を入れる。もみあうと椅子も将棋もあっけなく音を立てて倒れていった。がらんどうの教室に響き渡るそれはひどく耳障りだ。手酷い音を立てて安物の将棋が床に跳ね返り飛び散っていく。 「あまり馬鹿にするなよ、赤司」 わがままな腕を床に無理やり抑えつけて声を落とす。こうして組み伏せれば体格差が酷く顕著であった。 「心臓ぐらい、俺にだってあるのだよ」 「みどり、ま」 薄くさぐるような声は変声期を過ぎたばかりで震えている。次いで彼の指が伸び緑間の眼鏡を外していった。驚いて高鳴る緑間の心臓のことなど知らぬ気に、その指先は頬を拭っていった。 「…余計なことを」 「すまない、だって」 「黙れ」 くすりと笑われれば苛立ちが先に立つ。諫めれば赤司は存外素直に口をつぐんだ。まったく精巧な夢だった。なめらかな肌、形の良い輪郭、耳、通った鼻筋、色づくくちびる、額にかかる前髪。赤司と抱き合っていた。彼が口を閉じると制服の内から浸透してくるような鼓動が聞こえてくる。ああこいつとふたり生きてここにいると思う。教室は暖かく遠くから喧騒が聞こえまるで母の胎内のようなのだ。 「こうしていると、お前の心臓がどちらにあるかまでわかってしまうよ」 少しして赤司はまた口を開いた。ああ、と返す。 「――俺もなのだよ」 とくとくという心音は際限がない。赤司の鼓動は右の胸から聞こえる。いくら二重人格だといえ、心臓までも二つあるわけがないのだ。馬鹿なことを考えたと思う。赤司は人間だ、人間で、人間には心臓は一つしかついていないのだ。 ひととはそういう生き物なのだ。 「こうしていれば右側の心臓など必要ないだろう」 ぴちゃりと緑間の目から涙が滴り赤司の頬に落ちる。そういえばこいつが泣いたところを見たことがないかもしれない。 「お前は涙も欲しいらしいね…」 消え入りそうな声で赤司は言った。手のひらが後頭部にあてがわれて、彼のなだらかな胸に己の鼻が押し付けられる。赤司に抱き寄せられていた。 「何を泣くことがある?真太郎。お前の望み通りにね、全てが叶えられているじゃないか」 慰めのつもりだろうか。 胸も手も足も耳も目も、心臓も口も鼻の穴も心も涙も体だって、みんなお前が選んだことじゃないか。緑間の耳元で囁く。 「泣くことなんてないだろう……」 涙が伝って赤司の唇までたどり着く。彼はそれを舐めてしょっぱいなと顔を顰める。 「ああ、それと、ちなみに涙の味だけれどもね、」 赤司はそう口���切る。まだ続ける気なのか。彼らしくもない。 「それも緑間の好きな味を選べるようにしてやるとしよう。もっと甘くしたらどうかな? そうしたらさ、お前が泣いたとき女の子が喜ぶかもしれない。だってさ、女の子って甘いものが好きだろう?……」 とち狂ったのかと思う。まったくふざけた讒言だ。 「馬鹿か、お前は」 女の前で泣くなど矜持が許さなかった。いや、女でなくとも、人前で泣くなど考えるだけで不愉快だ。涙の味などこのままでいいと思う。そうなら、俺のそれを舐めるなんて馬鹿なことを仕出かすのはこの男くらいなものだろう。俺にはそれくらいが似合いなのだ。 胸が騒がしい。 ちかちかと眼前で粒子が瞬く。夕日が傾きかけ、暁に濁っていく。無邪気にこちらの顔を覗き込んでくる赤司の瞳が美しかった。 「なんだ、」 「なあ、ちゃんと見せてよみどりま。お前はむしろ誇るべきだろう」 胸が騒がしかった。 眼前に迫る赤司を、その目に入りそうな前髪が、彼の眼を疵付けるのがいやで指で払う。赤司は俺のことじゃないよと眉を寄せて少し笑う。 (これはなんだ) 俺がお前に教えたい感情と、お前が俺に教える感情と、いったいどちらが多いのだろう。 ことばにできないもつれる感情をぶつけるようにその細い体を抱きしめる。中学生の赤司と、空き教室と夕景とその温度。すべてがひどく懐かしかった。赤司の体は抱きすくめるのに丁度よくひどく胸に馴染んだ。まるで生まれた時からこうしているようだった。 胸が騒がしい、でもなつかしい こんな思いをなんと呼ぶのかい さらり、と。 風に髪が揺れた。さやかな水音が耳元でたつ。薄目を開ける。視界に初夏の光が飛び込んできた。古びた天井が見える。縁側の障子を開け放った日本家屋の、古式ゆかしい一室に寝かせられていた。 首を回す。和服の赤司が枕元で盥に水を絞っていた。名を呼ぼうとして、うまく声が出せない。のどがひどく乾いていた。しかし気配に気づいたのか赤司はふと視線を上げてこちらを向いた。顔は大人びていて、両目は綺麗な赤だった。飽きるほど触れた唇が動き緑間の名前を呼んだ。「彼」の方がそう呼ぶようになってから随分経っていた。 「真太郎、起きたか」 具合はどう? 気遣わしげな声色だった。ああ、と思い出す。高校はおろか、大学を卒業し、赤司家が所有するこの空き家で彼と同居を始めてから三年が経っていた。 「びっくりしたよ、急に熱を出して寝込むものだから。医者の不養生とはよくいったものだね」 低い落ち着いた声のトーンが耳になじむ。和服を襷がけに身にまとった二十六の赤司は麗人というほかなかった。冷たい手拭いを差し出してくるその手を、思わず握る。 「、?」 驚いて目を見開いた顔は存外に幼い。 「赤司」 「どうした?」 「お前と俺はどこかで会ったか?」 「……は?」 思わず口から零れたことばはあまりにも奇矯なものだった。赤司が困ったように眉を寄せる。熱でおかしくなったのか、言ってひやりとした手が額に載せられる。 「ち、がうのだよ、」 「じゃあ何だ」 「だからどこかであった事があるかと聞いている」 「だから何を……お前と俺は中学からの付き合いだろう」 「いや、それより前だ」 「中学より前?」 赤司の声がワントーン上がる。更に困ったように眉を潜める赤司は、なかなか見れるものではなかった。 「なんだ?たとえば、小学校とか幼稚園とか、そういうことか? …まあ一度くらいすれ違ったことがあるかもしれないが、俺は覚えがないな」 赤司の唇が紡ぐ言葉は常識の範疇内にある。いつものことなのだが、その理路整然とした態度が今の緑間には歯痒い。 「いや、もっと前なのだよ、たとえば、生まれる前、とか……」 「ふ、なんだそれは、前世とか、そういうやつか?」 真面目に言い募る緑間に赤司はぷっと吹きだした。語調はひどく柔らかく、ふわりと額の上から手が外れて、手ぬぐいが緑間の額の汗を拭き取っていく。 「一体どんな夢を見たんだか」 半ば呆れたようにつぶやく赤司は、夏の日差しに逆光になる。こいつが覚えていなくて俺が覚えていることなどそうあるものでもない。珍しく恋人に対する優越感を覚えつつ緑間は瞼を閉じた。赤司が溜息をついて立ち上がる。熱で浮かされたものとでも思っているんだろう。おやすみとちいさく落とされた声は、ひどく優しく緑間の耳に染みこみ消える。気だるさと混ざったあまい眠気が手を振っている。
眠りにおちる緑間の意識の中で、足ぐせの悪い神様は、将棋盤の向かいで夕日を浴びて、退屈そうに座っていた。
2016.1.17 別サイトにて公開
2018.5.14 転載
9620字

2 notes · View notes
spiwish · 3 years
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幸せそうな笑顔。
でも下がり眉。
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お出かけをしてきました。
いやぁ楽しかった…!
いうて大して買い物をしていないのですが、
私は人と買い物に出かけると買い物ができなくなる性質なので、
どうかお許しくださいませ…。
楽しい時間は過ごせたよ!ありがとうね!!!
今日は元バイト先のお友達とお出かけでした!わーい!!ヾ(๑╹◡╹)ノ"
二人で自転車乗ったり、バスで移動したり、
ショッピングモール闊歩したり。
色々お話しできて、しかもそれが大体方向が合っていて、
すごく楽しかったなぁ…!
無意識に合わせちゃうことが昔は多かったけど、
今日一緒に行った子はそんなこともなく、全部本音だったからスッキリ!
ゲームセンターで大散財。楽しい。(笑)
善逸くんがなかなか落ちてくれなかったのです。
でもお写真の通り、お迎え致しました…(笑)
頭に雀が乗っていて可愛いね。
友達のために何かをとってあげたかったけど、
そんな力量私には無かった…。
めんご…。
最終的には色々奢ってもらっちゃって、
大変申し訳ない…!
でもお菓子は美味しくいただきます!
退職祝いは可愛すぎて昇天しました…!
本当にありがとうございますーーー!
久しぶりのイオンモール、楽しかったな!
結局私はやっぱりお散歩だった(笑)
でも、隣に一人いるだけで全然違いますね。
また一緒に出かけてやってください。
無事帰宅して、
大きな荷物にびっくり。
先日注文したマスク2箱でした。
こんなにでかいのか!(笑)
ダンボールではなく、梱包用袋に入れられて送られてくるとこうなるのねー…。
グレーと黒のマスクを買いました。
これからはロックに行くぜぇ!なんてね。
白だけだとつまらないので…なんとなく…。
ピンクとかパステルカラーは似合わないと思ってしまったので、
黒とグレーにしました。
恥ずかしくはない!
今日、お手洗いで全身鏡をみて、
足太い…ってなってしまいました。
私の部屋には全身鏡が存在せず、父母の部屋にはあるんですけどなかなか立ち入れないので、全身をマジマジと見ることはないのですが、
改めて見ると、こんなに太いのか…さすが9○kg。
もうちょっと痩せたいよねぇ。
言うだけタダ。
今日は久しぶりにイヤリングをつけました。
というのも、普段はヘッドフォンをしたりすることもあり、
イヤリングをできないのです。
イヤホンのみ、もしくは友達と出かける日しかイヤリングできないンゴ…
でも!可愛いイヤリングいっぱい持ってるから!!つけたい!!!
明日は23日。かな?
クリスマスイブイブですね。
私は何も予定はございませんー。
もちろんイブも予定はありません。
しかし!クリスマス当日は…Ivyに行くのです…!
えへへー。姫ちゃんのサンタさん話を聞くんだー。
あ!
年賀状投函してきました!
間違いがなければ元旦に届きます!
何か間違いがあったらごめんなさい!!!
住所知らない人には手渡ししてますー。※オフ友さん
今日もちょっと先に渡してきました。
年賀状、とても緊張する…。
今日は体力が余っています!
いつも疲れた…しか言っていない私が!
今日は!元気ですよー!
可愛い子に会って元気たくさんもらってきたもんね!へへへ。
今日一緒に出かけた子に、
妹ちゃんの写真を見せたら、目元が似ていると言われました。
え、そうかな…逆にいうと目元以外はそんなに似てないよね苦笑
体格も何もかも正反対。
でもそっくりってよく言われます。
って言ったら妹ちゃんは微妙な気持ちになるのかしら。
私はとても誇らしいよ。
あんな美人ちゃんに似てるって言われて。
明日からクリスマスシーズン本番突入。
うっかり外出してリア中にぶつかって爆発する地雷にならないように頑張ります…。
リア充になりたいのではない。
リア充がうざいだけ。
周囲が見えなくなっちゃダメです。
社会的マナーは守りましょう。
路チューぐらいは許してやるから近寄ってくるんじゃねえぞ…(見えてしまった分には自己処理するけどぶつかられたりしたら爆発する自信あり)
なんだかお向かいの家のお部屋の掃除をしていて、
お向かいさんと目が合ってしまいそうでひたすら画面を見つめています。
そんなところで今日はお開き。
ではではー!
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forbethcooper · 3 years
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2020.11.07
 この記事は約3分で読めます。
 ある程度(という「お塩少々」並に判然としない���昧模糊で主観的な判断基準ではあるけれど、蓋し国際規格の一般論——莫迦捨て山こと治外法権市区町村のひとつである、ファベーラ・オカザキでは浸透し得ない、論旨になり得ない論理から大きく逸れはしないであろう度合い)の品性すら持ち合わせない人間(666の刻印持ちの正しく獣が如き)に対し、途方もない倦み疲れを覚えると、憫殺を決め込むことが最良の選択だったのだと気づく機会になります。節操のない、説法の甲斐もない母国語すら危うい輩は、一体全体どうして「ファック」という言葉を呆気なくあけらかんと、片仮名の発音で吐くのでしょうか。  僕自身がこのゲットーに住まう、ぽんこつ且つちゃんがらな存在であることが何よりの証明となることでしょう。  嗚呼、岡崎市。市長が謳った市民への給付金、一律五万円。財源も碌に足らんままに豪語したマニフェスト。低脳地区代表の僕にはそれの是非については杳としてわかりませんが、誰用か知れない駅前の繁華化開発と、該当地までの公共交通機関は不整備のままに、滅多矢鱈な護岸工事や歩道に重点を置いたインフラ整備ばかりが目立ちます。岡崎市という街のどこがOKなのか分からないので、NGAZAKI市と呼びたくなる愛すべき郷里です。状況的にはザキというよりもザラキですか? クリフト的にはオールOKですか?  演繹的に考えれば、この街が魅力の詰まった汲み取り式の厠であると誰もが気づくことでしょう。  一度はお越しになって、サイボーグ城を眺めてから、銘菓『手風琴』を手土産にそそくさとお帰りいただければ僥倖です。
 どうも、皆さんこんばんみ。御器齧宜しくに中々しぶとく無駄生きし、厭世家風を吹かすキッチュの顕現体こと僕です。世捨て人って何だかデカダンで格好よさげだけど、結局二の足踏み抜いて俗世人のまま死んでいくんだろうなぁ。僕です。  先日、夢を見ました。ディテールやイメージに関しての記憶はごっそりと抜け落ちておりますが、なんだかやけに馬の合う女性とそれはもういい雰囲気でした。ただそれだけです。
 やって参りました、自己陶酔の頃合いです。  どうせ世の中、四面楚歌てなもんでして。僕にとっての仇敵がわんさかと、えっさほいさと、娑婆中で跳梁跋扈だか横行闊歩だかしているのだから、僕くらいは僕という豆もやしを褒めそやし、肥え腐らせていかないでどうするのでしょう? そうでしょう、そうでしょう。どうでしょう。  自己陶酔というより、自己憐憫? はたまた自己愛恤? そんなこたぁどうだっていいですね。恥部の露呈に忙しなかったジャン=ジャックと何ら差異がないんですから。  変態の所業ですよ、こりゃあ。  兎角、どんな些細なものでありましても、感想をいただければ快哉を叫びながら、ご近所に平身低頭謝罪行脚を回覧板とともにお配りします用意はできております。奮ってご参加ください。
 古錆びた要らぬ敷衍ばかりの冗長なアバンを持ち味にして、殊更に冗長で支離滅裂な本編へ参ります。  前回の更新で、『色覚異常』、『現代日本縮図』の楽曲について諸々の所感をさらりと書かせていただきました。今回は僕自身への感想なので、一瀉千里に書き殴り、超絶怒涛の仔細があります。まずは『SUCKER PUNCH 2 : FATALITY』を聴いてみてください。以下は読まなくても大丈夫です。  フォロー・ミー!
01. Vice Is Beautiful
SUCKER PUNCH 2:FATALITY by ベス・クーパーに
 “Vice Is Beautiful”などと、大仰も大仰に「悪徳こそ素晴らしい!」と闇属性に憧憬をする中学生並みの痛々しい題名を読み上げると、今になって顔から火が出る思いで、同時に一斗缶満ち満ち請け合いの汗顔が迅速な消火活動に当たる思いでもあります。当たり前ですが、ピカレスクはピカレスクであるから素晴らしく、すべからく遏悪揚善すべきであろう、そう考えております。悪人正機でいうところの「悪人」の範疇がどうとかはこの際度外視で、僕という歩く超偏見型色眼鏡刑法書野郎の視点に於ける「悪人」は普く極刑であり、地獄に落ちることさえ生温いと思う訳です。願わくばファラリスの雄牛の中でモウモウと喚き続けていただければ有り難いとか云々カンヌン……。ただ僕は不可知論が信条ですので、地獄というのは表現の一環です。しかしながら途方もない腹痛に苦しめられている時だけは、神仏に縋ろうとするオポチュニストである自身の軽薄さに忸怩ってしまうところですが、正直なところどうでもいいなぁとも考えてしまいます。こういった僕のような人間を英語でなんて呼ぶかご存知でしょうか? “Japanese”です。横道に逸れ過ぎました。  閑話休題。  この曲、通称「VIB」。今からそう呼びます。ジャン=クロード・ヴァン・ダムを「JCVD」と呼んだり、マイケル・ジェイ・ホワイトを「MJW」と呼んだりのアノ感じが粋だと思うからです。  ジャンルはJ-POPです。僕は常にポップでありたいのです。アンディ・ウォーホルとか好きですし。付け焼き刃な例示なので、何が好きとかはないです。MJが“King of Pop”なら、YGは“Pawn of Pop”です。ほら、POPじゃないですか? じゃ、ないですか。  キーは知りません。BPMは196。曲展開は「イントロ1→イントロ2→A1→A2→B→C→間奏1→D→E→間奏2(ギター・ソロ)→C2→C3→F」となっております。  イントロ1でEなんたらのコード・バッキングからぬるり始まります。音作りに難航、してはおりませんが迷走しており、僕の三文鼓膜ではヨシアシが今でもわかっておりません。困るとドラムをズンドコと氷川きよしさせておけば何とかなると思っている節が聴き取れます。  A1、2共にコード・チェンジが忙しないです。Gなんとかとかいうコードとか、F#うんちゃらとかいうコードとか、後は6,5弦を弾いていないのでルート音とかもわからないのとか。「3x443x xx222x xx233x 2x233x 5x56xx 6x56xx」とかの流れで弾きましたが、どうかコード名教えてください。リフ・プレイも忙しないです。作曲に重要なのは引き算だと、偉い人が仰っておりました。全くもってその通りだと思います。その後のBがなんか転調してませんか? あんまりそういうのわからないんですけれど、元々のコード進行に引き戻せなくて懊悩した記憶があります。  C1は僕の悪い癖が出に出まくっています。4小節毎に変化するんですけれど、如何に多種多様なリフを生み出せるか(パイオニアだか傾奇者だか気取りたいという気持ちを汲み取っていただきたいです)に妄執しています。三回し目のリフが弦飛び���てて難しかったです。二度と弾きたくない。  奇天烈風を装いたくて3/4のDをぶち込み、曲中最ポップなEです。こちらのベース・ラインが気に入っております。もっと目立てる演奏力や音作り、ミックス技量があればと自身の矮小さに辟易としながら、開き直っております。  ギター・ソロでは似非速弾きが聴きどころです。  再び再帰するC2。前述の通り悪い癖が出ております。ネタ切れか、はたまた単に引き出しが少ないだけか、同一のフレーズを弾いております。C3ではてんやわんやの大盛り上がりです。頭打ちのドラムになり、ベース・ラインは「デデ↑デデ↓デデ↑デデ↓」と動きます。強迫観念なのかそういうフレーズを弾かざるを得ない体に、ゾル大佐によって生物改造人間にされています。  最終Fでは5/4があったりと僕なりの冒険心で取り組んだ努力が見て取れました。8分の〜とかになると対応できません。ギター・リフが格好よくないですか? 僕的には満足なんですけれど……。  全体的に楽器は何を弾いていたかわかりません。大抵が朦朧とした意識の中で録音していたので、記憶からずるり抜け落ちています。俯瞰から幽体離脱した状態で、白眼ひん剥いて必死に爪弾いていた僕を見ていたような気がします。  ここから僕のモニャモニャとした歌詞です。  全編通して日影者としての卑屈さがドバドバと分泌されておりましょう。本領発揮です。僕のようなペシミスト崩れがこうやって憂さを晴らすことでしか、自身の瓦解を防げないのです。本当に嫌な奴ですね。友達いなさそう。  可能な限り似た語感や韻、掛詞を意識しております。とどの詰まり、これは和歌です。と言いたいところですが、秀句と比べるにはあまりにも稚拙でございます。何せあの頃の修辞技術といったらオーパーツですし、即興性すら兼ね備えていると来ました。そして、何より読み人は貴族貴族貴族、もうひとつ貴族。僕なんて教養のない賎民でございますから、足りない頭を捏ねくり回して、やっとこと拵えた艱難辛苦の産物です。しかしながら、乾坤一擲の気概で綴った言詞たちではございますから、どうか冷ややかに、僕の一世一代ギャグを解説する様をお楽しみください。  冒頭のAのブロックでは押韻の意識を強くしております。各ブロックで頭韻を揃えながら、「掃射か/お釈迦」「淫靡で性〜/インヴィテイション」と中核を作ったつもりです。開口一番から延々と悪態塗れの陰気なアンチクショーです。鷸蚌を狙う気概、そんなものがあればよかったのに、という感傷的なシーンでございます。  Bでは掛詞が光ります。「擒奸」とはアルカホルの別称だそうで、「酩酊した奸物が容易く擒えられた」的なお話が漢文だかなんだかであるそうでございます。詳しくは知りませんが。「さ丹、体を蝕めば〜」では、アセトアルデヒドの影響で皮膚が変色する様と同時に、「“sanity”を蝕めば〜」と読めば身体、精神ともに変貌していくことを示唆していることに気づきます。  所謂サビの様相のCですが、可能な限り同じことを綴らないようにしております。繰り返し縷述する程に伝えたい内容がないのですが、言いたいことは四方山積みにあります。お喋りに飢えております。そんなC1は愛する岡崎市の縮図と現状、原風景とも呼べる花鳥風月が流れ去るドブ川のような薄汚い景観美の言及に心血を注いでおります。諸兄諸姉がご存知かはわかりませんが、徳川家康という征夷大将軍が400年ちょっと前におられたそうでして。その家康公(a.k.a 竹千代)が生まれた岡崎の一等デカいバラックから西に下ったところ、以前は『やんちゃ貴族』なる逆さ海月の助平御用達ホテルがありました。そして城下の北には『アミューズメント茶屋 徳川』なる股座用の射的場があるそうです。「城下、公卿の遊技場」というフレーズに秘められた情感ぷりたつの景観が想起されるのではないでしょうか。因む訳ではありませんが、『アミューズメント茶屋 徳川』の隣には『亀屋』という喫茶店があります。粋で鯔背ですよね。  Dでは、何処となくサンチマンタリスムが滲んでおります。何もなせないままに過ぎ去る今日という日の重圧と、それから逃げようとする怯懦心の肥大があります。  Eに入ると気が触れたのか、資本主義の礼賛です。情緒不安定です。そして麻雀用語でお茶を濁しております。  再びのC2です。自身の滑稽さが爆笑の旋風を吹き荒らします。非常にシンプルな隠喩表現があります。続くC3では、家康公の馬印からの引用をしております。C1では自身の有用性のなさ、無力さを嗟嘆。C2では開き直るも、C3で再び打ち拉がれるという情緒がひっちゃかめっちゃかです。  最終、Fでは曲の終わりと共に事切れる姿が描かれております。衒学者でも意味がわかるようにとても平易な内容だと、締め括られます。  始め、僕の全身全霊の圧縮保存の「Vice Is Beautiful.zip」を紐解く予定でしたが、既にご存知の通り冗長どころか蛇足々々々くらいのヒュドラ状態です。僕の意識下で綴られた拙筆なる修辞技法のアレソレコレドレは毎行に置き捨てたので、よろしければお探しください。全て見つけられる御仁がおられましたら、最早僕ではなく、そちらが八木です。
 続けて次へと進みたいのですが、長過ぎませんか? 擱筆した方がいいですか? 次回にしましょうか。いや、このまま行きましょう。友達がいないので語り足りません。  最早、末筆なのではと自分自身に問いかけたいくらいにダバダバとした作文をしております。僕は頑張ったんだよって、僕が僕を認めるために。これくらいの自己愛やらナルシシズムがなきゃ曲なんか拵えないですよ。「誰かに届け!」とかそんな思いは毛頭ないです。申し訳ないです。  はてさて、世に蔓延るウェブログの弥終で管を巻き続けること数千文字ですが、続きます。
06. Catch You If I Can
SUCKER PUNCH 2:FATALITY by ベス・クーパーに
 Manoさんが「90秒の覚醒剤」と評していただきました。嬉しかったです。  こちらの捩りは何ンク・某グネイル氏の半生を描いたアレです。美しき相貌のドデカ・プリオの演技が光ります。“Catch You If I Can”と題名の通りですが、実のところ僕はヴィジランテです。私刑を執行すべく、尻を蹴り上げるか、ガイ・フォークスの面を着けるか、視界を遮り棍棒を装備したりと、日中日夜イマジナリー・エネミーとの戦いに明け暮れております。クロエ・グレース・モレッツやナタリー・ポートマンやエロディ・ユンが側にいないところ以外は一緒です。僕自身が阿羅漢ぶった言い分ではございますが、僕もタブラ・ラサでイノセントな存在であると、大口で宣える程の聖人君子ではないです。「罪のない者だけが石を投げよ」なんて言葉もありますので、僕は持ち前の当て勘で截拳道由来の全力ストレート・リードを打ち込みます。己やれ!  こちら『SUCKER PUNCH 2 : FATALITY』のラスト・ナンバーを飾らせていただきました。締め切りを延ばしていただき、さらにその締め切りの後に提出しました。その件につきましては謝罪のしようもございません。  駆け抜ける清涼感、爽やかでポップでラブ&ピースな楽曲に仕上がったと思いますが、いかがでしょう?  ジャンルは勿論、J-POPです。理由は前述の通りでございます。キーは勿論、知りません。ドレミファソラシドってどれがどれなんですかね。『おジャ魔女どれみ』世代なんで、ファ以降を知らないです。BPMは232です。曲展開は「イントロ→A1→A2→B→C1→C2→D→アウトロ」となっております。僕は映画でいうCパートが好物でして、そう言った部分を作ろうとしています。嘘です、たまたまです。勢い任せの一方通行な展開ですね。まるで乙川のようです。  イントロからハイ・テンションですね。押っ取り刀にサッカー・パンチ。今回カポタストを装着し、1音半上げでやっていきました。バッキング・パートは「x3x400 x3x200 x2x000 x2x200 | (1~3)x01000 x1x200(4)x222xx」と16分刻みで弾いてみてください。容易く弾けます。リフは知らないです。  A1はカッティングが効いてます。効いてます? 右手のフレーズが活き活きしています。悪態に拍車を掛けておりますし、ベースがブリブリと弾けたのも満足です。A2で困った時のお助けアイテム、三連符でコータローばりに罷り通っていこうとします。  Bがお気に入りでして。メロディと共にふんわりモコモコなドリーム・ポップ風です。サンバ・チックなリズムがよいアクセントではないでしょうか。ドラム・ソロを挟み加速度は自重で二乗といった気分です。BPMは変わりませんけれど。  C1は「C→B→E」ルートですが、ちょこちょこと変な音足してるので詳しくはわかりません。TAB譜作ったら貰ってくれる人いるのかしら? 要ら��いかしら? 自分用に作ろうかしら? ふた回し目にあるパワー・コードの「E→G→A#→B」みたいものを使いがちです。ギター・リフは半ばこんがりウンチ<©︎ダ・サイダー(CV.矢尾一樹)>——自棄くそ——気味で愉快ですね。0:47辺りに左前方で鳴る「ピョロロロー!」というお間抜けハッピー・サウンドですが、ワーミー踏みました。C2ではハーフ・テンポで落ちサビを作り、J-POPの体裁を取り繕うことに挑戦しております。リフはプリング・アンド・プリングです。プリプリですね。『Diamonds』のB面が『M』って知ってました? 度肝抜かれました。世界でいちばん寒い部屋で、心拍止まりそうです。頭抜けのブレイクが大好きです。演奏する時に思わずギターを振り上げてしまいたくなりますよね。  最終Dでは、バッキングのコードがなんか違った気がします。ここで浮遊感というか、シンガロングな雰囲気が作りたかったんですけれど、どうでしょう。ここを沢山の人々と合唱したいです。  続いて歌詞について掘り下げるようなそうでもないようなことをしていきます。筆がノリノリでして、一日で書けました。普段は、数日くらいあーでもないこーでもないと懊悩煩悶七転八倒五体投地に考えるんですけれど、勢いってありますよね。  青っ白い顔をした雀子宜しくの矮小存在が、邪魔者扱いされ、どうにも魔が差して刺傷でも企てそうな、風雲急を告げるといった面持ちのAです。三連符の誹謗で締めます。  掛詞の中傷で抽象な街を少しでも掘り下げるBですが、綴りたい文句が有り過ぎて並列表記してしまいました。お好きな方でご理解ください。「治水」は深読みしてください。  C1ではギリギリガールズに愛を込めたアレゴリーに着目していただければ嬉しいです。それ以外は珍しくストレートな歌詞ですね。読み返して恥ずかしくなっちゃいました。赤顔の余り、赤シートで消えそうです。「イエス・グッド」とはNGの対義語です。「やる気ゼロゼロコブラ」と共に流行らせたい言葉です。C2、「陰嚢の〜」の下りは語呂がお気に入っております。僕にとってのマリリン・モンローは現れるのでしょうか。  締め括りにDで僕のヴィジランテ精神を書き綴っております。「足りない」のはきっと音域です。  他にも修辞表現がございますので、お探しください。ウォーリーよりは簡単に見つかると思います。  全体的にムッツリ助平をひた隠すために労力を注ぎましたが、通しで読み返すとそれなりに一本の流れがあるように感じます。芥川龍之介すらもまともに読んだことありませんが、努力をせずに文豪になりたい、そう思っております。一人ぼっち善がりなエチュード・ソング、そう解釈してください。
 カモン緞帳!
 くぅ疲。
 もしも、僕のウェブログを眺め、「こいつは何を言っているんだ、気持ち悪い」と論旨について一考する間もなく、脳味噌無回転に匙の投擲大会に興じたとすれば、それは人としての思考力の欠如に他ならず、僕としてはしたり顔をするより他がない訳です。  僕も読み返してみたところ、何を言っているのかさっぱりわかりませんでした。思考力など何の役にも立たないのです。重要なのは大事な時に熱り勃てるかどうかなのです。  フィグ・サインを掲げていきましょう。  ファック!
 追啓 この度、空飛ぶスパゲッティ・モンスター教に入信することと相成りました。
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mitsuki037 · 4 years
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改めまして素敵な作品ありがとうございます!
まずゲーム作り上げるって凄すぎる…。メッセ届いた時一瞬混乱しましたよ。
分岐の数もど偉いじゃないですか…その中にある似たようで違う文章含め私は楽しみましたよ…得られた情報によって台詞や行動の違いがあるの細かくて泣きましたシュゴイ!!!!
楽しむポイント盛り沢山ですね!?
そう!あの!ライブ感あるクトゥルフとは異なる筈なんですけどね!?
妙に緊張感や迫力があって、それがまた凄かったんですよね,,,!!!
凄いな!?!?って深夜に一人でしか興奮できないあの夜を忘れない(?)
***
最初のエンディングで真相は得られなかったのですが
「灯籠」が出てきて脳内のフロアが湧きました、(これもしかして静~!?)と。
全エンディング制覇しました!そして拙宅のお話も混ぜて頂き感激です…
木菟さんの作品よその子のいても綺麗にご自身とお相手の世界観混ぜて違和感無く構築されるから凄いんですよね…。文章が読みやすい+αで混ぜ込みをやってのける技量がかっこいいです…
拙宅に関しては人外静と閻魔と狐をありがとうございます!!
●静は行動や影ない理由など、木菟さんの汲み取り方がいつも細かいのと「成程!?」と理由に納得させられたり、発想力にも感動です。炎の力強さも好き!
●閻魔は何でしょう、それこそガチガチの神話で存在する神なので、語り継がれたままの想像図を鏡のように反転させた恐ろしさあるといいですよね!容赦の無さ分かりすぎて赤べこのように頷いています!
●狐も有難うございます!ごった煮キメラ感覚えて下さってるのキャイキャイしました!そして物語の癒し成分だ…。あとお供の発想は無かったです!!それこそイレギュラー枠もあり人外静の神使に召し上げる形もあるのかと今更気がつきました()凄くありですね…。
●従者さんはあの方と知って愛着湧きまくってます。反応が可愛いおのこじゃ…。良い意味で振り回されているのが可愛いです不便だ…😂皆んなのトラウマを一人で背負って…(?)「青菜の筋が歯に詰まって取れなくなれ」が好きです愛せる愛した。
楼閣山水図屏風も調べましたよ!筆のタッチが好きなのとこれまた目移りする場所が詰まっており東博行った際はしかと目に焼き付けねばと思いました🙌作品と照らし合わせて眺めたい!また思い出の風景を閉じ込めた結納品いいですね…いつでもそこに戻っていける箱庭のようで好き…。皇神でもての余る逸品に…!これ未来で本当に博物館に展示されたらもう夢いっぱいで最高ですね(二次創作)三果浪町には縁のないものなので無理があるかもしれませんが資料館にこう(((( p25に言葉が増えてるのもにっこりです!
以下好きな所抜粋です長くて申し訳ない~😂適当に目を通して頂ければ!
●1p
・最初は情景が美しいのに反して三果浪様の「狂死」「死体は適当に捨ててる」が物騒すぎて好き。何ちゅーもんを…好き…(
・従者さんがいるからこの場が和む。上役の頼みとはいえ不運な従者さん。
●2p:三果浪を呼ぶ
ここはTwitterの画像で拝見致しました!
・三果浪様の出現の仕方に悪意を感じますがご本人は全くその気が無いのが可愛さで許せる。従者さんは怒りで震えましたが私は可愛さに震えました(?)
・あとここにきて静の行方不明に全私が「「「!?」」」」と停止しましたよ。普通に何の疑いなくおめえ何処ほっつき歩いてやがる!?みたいな気持ちになったり一人変顔です。百面相です。こんな気持ちで次の選択肢を選べと?いやちょっと!?と一人で続きワクワクしてました。
●3p・5p:楼閣に行く
成る程ここが桃源郷ね?並の美しい世界で、もうこれが結納品と知った今だから言えますが此処で共に一生を過ごすか、別荘感覚でバカンスしろ…とさえ思いました((((((
初見はナニコノ異界!私が閉じこもりたい!、です。天上絵の曼陀羅の密度体感したすぎる。でも急に襲いかかる孤独の不安、目に見えない恐怖に従者さんを通してワッとSANチェックですね。あのはしゃぎっぷり何処行ったんだろう。狂って死んだ人が何人もいるんですものね。永遠怖い。いや、温度差…。
●4p・p6:三果浪を呼ぶ
手毬さんほど可愛いと狂気が似合う子はいますかね?いません。ファミリの恨みは死んでもまとわりつくのかなぁと呪いみたいなもんを脱線して妄想したりしました(?)従者さんの焼き払う選択肢の容赦の無さもすごく好きで笑います、そりゃ怖いもんね!?人が狂死しても残したいと思うのは神故もあるよなぁと、人じゃそうはいかんだろうなぁというメンタルの強さにはしゃぎます。そういうズレへの愛が止まらないページ
●7p:倉庫で役立つものを探す
マッチを手に取るも恐怖と葛藤する従者さんにこっちまでハラハラしましたやだ・・・頑張って泣かないで(泣いて無い)。ここにきてマッチを一本手に取ったのを見ると8割いや9割は焼いておさらばしたい気持ちが勝っているんだね従者クンッ!(?)私としては焼いて欲しく無いも、又初見で選ばなくとも結末が凄く気になるページです…。
●8p:河に行く
私が楼閣寄ったあと選んだ最初のルートです。河にお魚さんいるかなという幼女の気持ちでランランと向かいました幼女の私が。そしたら船があるじゃ無いですか。
私は賢い幼女なのでここで『あれ彼岸行けちゃう?』と好奇心抱きつつもまだ探索しきってない楼閣付近を思い出し乗らずに戻りましたよ。死を回避です。話が変わりますが月の美しさの表現がページで違うの凄い好きです。月光の照り返しは特に好きで…木菟さんの文章好きだなと改めて思いました!
●9p:壺を開く
私ここまさかの狐で驚き、と同時に癒しに包まれましたよ。そしてキメラ感を覚えてて下さっている…うぉ…。(泣)孤独な従者さんにパーティーが加わって息子を持つ親の気持ちも芽生えましたよ。何より狐の登場に私が一番はしゃぎましたがね(?)
そしてこの従者さん賢い~~~~~~~~~~~~!唯の苦労人じゃないちゃんと頭脳もある!この子YDK!上役もお仕事任せる訳だわ…と引き続き親目線です。
●10p:マッチをとる/報告書:三果浪の異界
興味本位で何ルート目かに選んだ選択肢です。
壺のカタカタ、恐怖に駆られた従者さんの心境がこの一文で語られてるの、私ここ好きです。真相を知っていると急かすカタカタじゃなくて君の救世主が居るんだヨォ~~ってなりますね😂
焼けたものは紙が剥がれたりと屏風の本来の素材に戻っていくのも好きです。火の速度も素材に対して紐付けされてるの作り込みが凄い。真相が分かると尚のこと楽しめるページ。初見ならば従者さんと全く同じ反応してるところですね!残念そうな三果浪様と煤の残骸が何とも切ない…。従者さんが無事に戻れたのは救いですがね…こんなエンドになるのね!の気持ちです!
●11p:乗る
何回目かに選択したルートです。
月が固定されてるの、これも描かれたものだからなんだなぁと思ったりして異界の世界観の作りこみが好きで、こういう文章に仕組まれたものも好きなところの一つです。景色も一気に暗転して暗く重い質量を感じるの読んでいて本当に楽しいです。場面の移り変わりが違和感なく体感できるってやっぱり凄いなぁと好きに浸ります。って思ってたら鬼じゃないですか~~~~~‼︎目指してるところがあるってこれは絶対閻魔じゃないですか~~~!ニューゲームした私は会いに行きましたよ木菟さんの閻魔見たーーーーーーーい!!!!!!!!(((
●12p:乗らない
最初のルート選択です。
帰路は確保した気でいました。(?)いたんですけど他に船が吸い込まれて行ったの読んで下唇噛み締めましたよね行きたいと(((((
でも私は賢い幼女なので(ry
●13p:倉庫で役に立つものを探す
何回めのルートです。
このページの従者さんは落ち着いてらっしゃる。正気度がまだある。良かった。
ここの倉庫の道具が静の倉庫の道具もある?芸が細かいよ木菟さん…!!!(感涙)
従者さんが強気な姿勢なの良いですね😂皇神を一泡吹かせるその心意気、嫌いじゃない!(好き)そしてツボに狐いる!狐の行動可愛いですね…癒し…束の間の安息…。
●14p:彼岸
何回めのルートです。
これは閻魔に会いたくてワクワクしながら進むを押した私です。彼岸だ!地獄だ!剣山だ!!閻魔~~~~~~!!(団扇)場面転換がまたかっこいいですね!?木菟さんの描く地獄だ~~~~~~~~~!!!!(団扇)私このエンドもすごく好きなんですよね…。火炎の中に楼閣があるの、違う空間に移った表現が好きで好きで。い~~~(((
他の人間と違って罪を血で洗うこともなく解けて消えてくの寛大な御心遣いで団扇が止まりません。かっこいいんですが!!!!(涙)おかしいなこの中ではバッドエンドの筈ですよねアレれ…。素敵なエンドをありがとうございます
●15p:倉庫へ行く
これも最初のルートです。
倉庫探索好き!ごちゃごちゃしてるところに人が挟まってるの好きで。
呪具と聞いて静がよぎった私は迷うことなく開けました。失踪の手がかりが欲しくて堪らない私でした(異界探索をしろ)。今思えばこの禁制の文字と術は三果浪様が施したのかな?とにっこり。可愛い。可愛い!(二度言う)
そしてここで初めての従者さん賢いムーブの感動です。祈って帰るやる価値あるな!?と。普通にむっちゃ関心��た私です。
●16p:無視する
何回目かのルートです。
これは無視するとどうなるの��気になった私です。従者さん賢いムーブだ。私のおつむじゃ絶対探索して見つけてもポッケに入れてそのまんまです。今回の探索が従者さんで良かった本当に。
●17p:狐の方に行く
行きますよ。n回目の私は迷わずこれを選びますよ。
そしてこのルートを選んでやっと、狐が鍵だー!!!!と気がつきました。それと封の解き方で正規ルートに進める?等思ったり。しかもこれ19pの灯籠のデザインと違う!!!!!!????だと!?細かいよ木菟さん!!!!芸が!!!細かいよ!!!!(2回目)好き!!!!!
狐ナイスキャッチ。ちゃんと宙に釣ってあるから上手に出て来れる(妄言)やった静だ~~~~~~~~~~!!!!!居る!!!!私はてっきり本当にどっかほっつき歩いてんのかと(((((((((
登場の仕方、エフェクトが私には見えましたよ。正規ルートに歓喜。
●18p:渡賃
この異界から此岸に帰ってきた時のあっけらかんとした場面移動凄い好きです!なのにごめんなさい語彙がない。この、これ!木菟さんこういうの本当匠っていう。巧みで匠よ(?)現実に戻ってきたことに思考が追いついてないの!私は視覚を使ってるだけなのに五感を体感させる文章力よ。雑踏と掛け声にやっとリアルに引き戻されるこの瞬間。カメラでいうピントが合う瞬間、凄い好きです。
ここの従者と三果浪様のやりとりも好きです。焼ける異界なのは元の物質が屏風だからですね。好き。焼き捨てることなく終わったのご機嫌なのね三果浪様…可愛い。(
●19p:包みを開く
最初のルートです
灯籠の文字を見て指パッチンして喜んだ私です。しかも紅葉の飾りが施されてるの~~!?私ここに赤線引きましたからね。私は引きましたよ。しずみか小テストに出るやつと勝手に信じました。妄言です。
でも従者さんが悲鳴あげて投げちゃったからその扱いに静おこなの!?上手く灯籠から出て来れなかったの!?焼やすの!?いやそもそも静なの!?誰でもいいがテメェ~!!!燃やすのは許さん~~の気持ちでした(※木菟さんに怒ってないです※)あと炎の中で菩薩が見下ろしているのいいですね…化身と云われる閻魔にも思えて☺️
●20p:逃げる
何回目かのルートです。
逃げるの選択肢に笑ってしまいました。そら怖いよなと。
あとここで三果浪様いらっしゃるの凄く笑顔になりました驚いてるの可愛いなんだこれは。静ご乱心なのもたじろぐ三果浪様にもむちゃ笑いました可愛い。炎が怒りを物語っている。して怒りに任せて焼いてる!!!焼けちゃってる!!最終的に屏風の心配をした私でした。
●21p:事故報告:焼失
最初のルートです、感想も初回に感じたものを置いておきます。
静って言ったぞ静て。私見逃してませんよこれがDVDなら5回は巻き戻して確認してる。居る(確信)。寝起きのサイダーは体に染みわたりますね間違いない。
そしてこれは怒った?驚いた?静が本当に焼いてしまったのか。でも三果浪様のあっさりした言い草は燃やしてない気もして真相は何処だ!?!?しかも解決せずに終わってしまった!!!ならもう一回遊ぶどん!!!!!!!!って全ルートした私です(完)
●22p:話しかける
この従者さんの勇気を称えたい。冷静な態度の従者さんに静も怒りを沈め対話を試みている。
狐の静への懐き度が微笑ましいですね…可愛い。人外静の表情が読み取れぬも動きで言葉を伝えてる様な表現が好きです。どことなく掴めぬ雰囲気が…。これはついて行きたくなる。
●23p:ついていく/異界探索
言葉がなくとも行動がすげぇ静で感動してます。相手の速度を気にしながら歩いてる…。
歩くと火花が散るの可愛いですね…そうしよう(((
影の描写は私がすごくお勉強になったと言うか納得してしまい…!発光してる説…成る程…。
ここで船の上に三果浪様が番台の高さから落ちてくるの可愛くて…従者から見る鬼の圧がいい。
って言うか三果浪様のでもでもが…可愛い、可愛い!!!!!!!(大声)従者さんに対しては皇神の威厳とか強気な姿勢持ち合わせているのにこの!ギャップ!差が!!
従者さんの本文を思い出すのと同時に私もそういえばそうだったね!?の気持ちに((
ぽこぽこ怒っている静と三果浪様のやりとりの可愛さに忘れかけてましたよ((
「連れ合い」の言葉には言わずもがなヤムチャになりました。ありがとうございあmした。
儀式場というのは静も今知ったのかな…え!?って顔して驚きと同時に怒りは鎮火したのでは…。
従者の忠告は少し耳が痛い様な静ですね…。今度は静が知らん顔の様な、言葉に後ろめたい気持ちですね。あっけらかんと笑う三果浪様だけが静にとっては肯定してくれてる様で好きです。良い様にとっているだけかもしれませんがそういう部分に支えられてるな~と思いました。
山中異界~従者さんが帰れるのなんだかこっちまでほっとします!手から三果浪様の温度伝わるのも安心感ある…。
観光地巡る感覚で彼岸の景色案内しようとするの面白くて、閻魔ルート行かずとも要素が散りばめられてるの嬉しく!作りこみにも感激ですね。締めが良すぎました・・・。
●24p:銅貨を握って祈る/鬼の渡賃
冒頭は18pの感想と同じく、異界から帰ってきた時の空気がとても好きです!
でも眉間にシワを寄せているんですね三果浪様…お説教を食らったばかりに…可愛い(
そして従者への労いも手厚い。静が関わったからエンドも変化してるの凄い見比べて楽しい。
そしてこの屏風焼けてない!焼けてないよママー~ー!!!!(((
このエンドも好き。
というわけで拙い読書感想文でした😂
屏風の深刻なエラーで爆誕した異界探索、思念?神が与える影響力。皇神にも扱えきれぬ品物になるのも夢があります!、訳あり屏風の管理と、これからもこの屏風に巻き込まれる人間たち…みんなで此岸に返す日々だ…
すごく楽しかったです!面白いだけじゃなくて多方面で感謝の意が!ありがとうございます!
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