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#植物生育促進への応用
lucyusan · 23 days
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低分子キトサンの多角的利用と効果
骨子 低分子キトサンとは キトサンと低分子キトサンの違い 低分子キトサンの生成プロセス 低分子キトサンの基本特性 医療分野における応用 創傷治癒を促進する働き 抗菌作用としての使用 薬剤のデリバリーシステムとして 美容産業での活用 スキンケア製品への応用 育毛剤としての可能性 アンチエイジングに対する効果 食品業界での利用 食品の保存料としての利用 健康サプリメントとしての摂取 低カロリー甘味料への展望 農業での利用とメリット 植物生育促進への応用 土壌改良剤としての役割 環境にやさしい農業を支援 経済的な側面と市場発展 低分子キトサンの市場潜在性 コストパフォーマンスと産業展開 新製品開発への投資機会 研究最前線と未来展望 最新研究事例の紹介 潜在的な新たな用途の探求 ナノ技術と組み合わせた研究 安全性と規制について 低分子キトサンの安全性評価 国際的な規制状況と基準 製品の安全使用に…
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aboutsleepnomore · 3 months
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スリープノーモアNY終演によせて
2017年1月23日の17時ごろ
土砂降りでした。そして辺りは真っ暗で寒かった。
私は、チェルシーマーケットに行った後、スリープノーモアという演劇に行くかどうか少し迷っていました。
と、いうのもニューヨーク旅行最終日。疲労困憊。大雨、寒気。
終演は21時ごろになる予想。
初めてのニューヨークで英語もまったく出来ない一人旅の最終日。
それでもチケットを1万円で購入していたので、何とか気力をふるって会場近くのマクドナルドへ行くことにしました。
その途中、ぼーっとしていたのが赤の信号を渡ろうとして、自動車に轢かれ掛け、何とかたどり着いたマックでも英語が伝わらなすぎて店員にイライラされ、やっとの思いでホットコーヒーとハンバーガーにありつけました。
英語が出来ないのに、ニューヨークへ一人旅なんて、とんでもない挑戦に見えましたが、旅行の最終日になって私は「案外大したことなかったな」とも思っていました。
映画や海外ドラマが好きならニューヨークの憧れはあります。
そんな夢のような場所へ、しかも一人で、一週間も。途方もない困難に見えましたが、最終日には「こんなものか」と思っていました。
たしかに、キャッツやアラジンのミュージカルは素晴らしかった。美術館も博物館も街並みも。
ただ、もう帰ってしまったら終わりなのだなと思いました。
私はどこかニューヨークへ行けば自分の人生が変わるとか、何か希望があると心の底で思っていた気がします。
でも、ニューヨークで見た事起こった事は私の想像内、想定内の感動ばかりでした。
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そんな思いを抱えながら、私はマックを出て会場へ。
小雨の中すでに何人か並んでいます。私はそれの列の最後尾に並びました。予約した時のバウチャーも印刷していたのでそれも用意しました。
しばらくすると、大柄な男性スタッフが前から順番に何か確認しているようです、私は印刷したバウチャーを出してスタッフに見せました。すると、「ID」と言われバウチャーではないようです。
私が困惑しているとスタッフは私を飛び越して次の客の確認へ…。
バウチャーじゃないのか??と思いつつ、印刷したものをガサガサあさっていると後ろに並んでいた男性に「パスポートだよ」と言われました。
なるほど、IDって身分証明書ってことなのか、私は戻ってきたスタッフにパスポートを見せ、スタンプを押されそのまま大きな扉が開き中へと促されました。
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中に入ると真っ暗だけど、暖かかったのを思い出します。
そのまま、進むとコートを預かるカウンターに男性二人。
私はびしゃびしゃになったコートとポシェットを濡れてて申し訳ないなと思いつつ渡し、引換券「105」をもらい、瓶に4ドルを入れました。
身軽になってそのまま進むと、今度はチェックインのカウンターがあり、名前を名乗りました。
階段を少しのぼると、そこでトランプをもらい、迷路のように狭くて赤い布で仕切られた小道を進みます。小道の曲がり角の隅の床には蝋燭のようなのが置いています。
この時から、ドーンと低い音でBGMが掛かっていてホラーっぽいのでお化け屋敷みたいだなと思いました。
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小道を抜けると応接間の様な空間が広がっていました。
全ての小物が意味深。私はそこでさきほど「パスポートだよ」と教えてくれたお兄さんがいたことに気づきました。
私はお礼を言うべきだと思っていましたが、本当にそれをいう勇気がなく何も言えませんでした。(今でも本当に後悔している)
しばらくその部屋を見て回り、赤い重厚な緞帳に手を差し込んで奥へと進みました。
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ジャズがかかっているバーです。
入ってすぐに小さなカウンターがあり、女優のようなお姉さんがピッチャーからお水を注いでいました。お酒か水が飲めるようです。
私は財布もなくトイレに行きたくなかったので断り、バーの中へ進みます。
脇に大きめのカウンターがありそちらはお酒を売っているようでした。予約席があり、私は奥の長椅子に座ろうと思っていました。
すると、女の子二人連れに「トイレどこ?」って聞かれ「分からない」と答えました。
そのあと、やはり私もトイレ行っておこうと思ってスタッフらしき人にトイレの位置を聞いてトイレへ行きました。
たしかバーカウンターの横を通ったと思います。
バーへ戻り、席がガラガラの中奥の方の長椅子の端に座りました。
時間になると、俳優の男性がマイクを取り何かしゃべり始めました。
おそらく、この演劇についての説明だろうと思います。
そうして、トランプの数字の順番で呼ばれ、呼ばれた人はバーの脇の仕切られた空間へと入っていきます。
私は「3」でしたが、自分が呼ばれているかどうか分からないので、もう並んでおこうと並んでみたら「まだだね(笑)」と言われました。
そのまま待機して呼ばれて、中へと進みました。
白いマスクを渡され、英語の注意事項を聞きます。「ノーモアトーク」この辺りしか聞き取れずぼーっとしていたら、エレベーターをガンっと蹴られ、びくっとする私。
そのまま、順番に乗り込みました。
私はなんとなく気遅れして一番最後にのりました。
マスクをすると、英語喋れなくてももういいんだなーと思って自分が影の存在になった気がして安心していました。(笑)
薄暗いエレベーターに沈黙がおり、エレベーターを動かしていた人が何か喋っていた気がします。
そして、ある階で止まり、結果的に一番最後にのった私からエレベーターを降りる形になりました。
その時「have a good time」と言われ「いぇす」と言いそうになり慌てて頷くだけにしました。
降りたところは薄暗い廊下でした。
部屋をのぞき込むと病院の様でベッドがありました。
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ふ、と後ろをみると誰もいません。
全員この階でおりると思っていた私はあわてました。
本当は降りてはいけなかったんじゃないのか?何か間違ってしまって私だけおろされたんじゃないのか??エレベーターがあったところまで戻りますが、やはり誰もいないしエレベーターも閉まっています。
私は少し慌ててその辺りをうろつきました。
すると、別のアノニマス二人組といきなり鉢合わせし、同時に悲鳴を上げる我々。(笑)
そこで、もう一人で行動するか…と割り切ってその階を探索することに。どこをどう歩いたのか分かりませんが気が付いたら、枯れ木の森に迷い込んでいました。
羊の剥製があり、それを少し触ってみます。
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しばらく、その迷路を探索していましたが、あまりにも誰もいないため別の階へ移ることにしました。
階段から上へ登ろうとすると黒いマスクのスタッフに止められたので、下へ下へと降りることに。
年代物の家具・調度品が誂えられており、数人のアノニマスも部屋をうろついていました。
私は試しに引き出しの一つを開けてみると、中にはお皿と写真。
なかなか俳優に会えないなと思いつつうろついていると、小石や砂利が敷いている中庭の様なところへ出ました。
建物の中に中庭!と思いつつ、進んでいくと不気味なマリア像があったり砂の山があったり…。
そしてふと、見るとガラスの格子の壁の向こうで人だかりができています。
慌ててそちらへ向かうと、バスタブで女性が半裸で踊っていました。
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床には大量の手紙のようなものが巻かれており、水がびちゃびちゃ…そんなこともお構いなしに踊り狂っています。
「すごいな」と思っていると、さらにもう一人男性が走って現れて突然バスタブに入ります。血まみれです。
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え…   もしかして フルチン?
↑当時の私のガチの感想↑
いや、まさか…(凝視) いや…絶対そうやわ(凝視)
すごいなニューヨーク…。
度肝を抜かれながら、二人の狂気のダンスを見守ります。
すると、男優と女優がそれぞれ別の部屋へと移動しました。
これは、どちらかを選択しないといけないのか…私は理解して女性の方を追いました。
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半狂乱でダンスしていた女性は、ドレスを整えてゆっくりと階下へ向かいました。
ほかのアノニマスと共にぞろぞろと階段を下りる私。
ついた場所は広い体育館ぐらいの空間のある地下でした。
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気が付いたらほかのアノニマスたちも俳優も集まっていました。
ここに全員集められるように計算しているのか、と思いました。
そのままスローモーションで晩餐会が始まり、乾杯したら毒で死んだようになり、リセットされました。それが終わるとそれぞれまた別の場所へ走って移動していきます。
私は迷ってその場に残っていました。(たぶん疲れてた)
すると、植木をダンスで運ぶ男性がいたので、何のキャラか全くわからないままそれを見守ることに。
周りのアノニマスたちは殆どほかの俳優を追いかけたようで、地下にはあまり人は残っていませんでした。
その男性は植木を動かし終える(後から考えると森が動くの予言をしていた魔女の一人)と、柱の台に置いているワインボトルを飲み、服のボタンを留めました。
そのまま、ホールの端でダンスを踊ったかと思うと、今度は唐突に走りだし、階段を駆け上りました。
私は直感で(イケメンだった)、そのキャラを追いかけることに決めて、同じように階段を駆け上ります。
男性は、2段飛ばし3段飛ばしで階段を風のように駆け上がります。
置いていかれてはたまらん!と、私も全速力でついていきます。
すると、いきなりぴたっととまり、くるっとこちらを見ました。
私はどきっとして立ち止まり、同じように後ろを振り返りました。
もう一人アノニマスがおり、二人で彼を追いかけています。
「こっちが見えない設定のはずなのにな」と私は思いつつ、そのまま彼を追いかけました。
ある階のある部屋へいくと、彼は柱のフックに掛けてあったタキシードのベストを着ます。
そのあと、タキシードっぽい上着をとると、こちらを見ずに後ろ手で私に差し出しました。
……
私が何も反応しないでいると「早く着せろ!」という風に押し付けてきます。
あ、なにも見えない設定だけど、たまにこういうこともあるのか!と私はやっと気づいてタキシードを受け取り、彼に着せました。
彼はタキシードをきると、壁にかかっている鏡を見ながら髪を撫でつけます。
そのまま彼についていくと、ホテルの待ち受けの空間にでました。
丸いテーブルにウィスキーのグラスが三つ並べられており、他に二人の俳優がいます。三人が座ると、同時に何かを見るような視線の演技をしてお酒を飲みます。
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ホテルカウンターで三人でダンスをしていると、男が現れます。
そんなこんながあり(もう記憶もメモもない)
彼はホテルのチェックインカウンターでいろいろしていましたが、突然。
突然、わたしの目を見て、わたしに手を差し伸べてきたのです。
めちゃめちゃ わたしの 目を見ています。
めちゃ めちゃ わたしの 目を見て 手を差し出しているのです。
私はその瞬間目の前の魔女に呪いをかけられ、差し出された手に手をとりました。
冷たくてちょっと湿ってた⭐
手ぇおっきい⭐(急に合コンに来た女になる私
アノニマスたちをかき分けて、エスコートされた先は丸いテーブル傍の椅子。そこに腰かけると、彼はis that all there isを歌い始めました。
魔女の呪いをかけられてぼーっとしていても、座っている間は最大限お腹をへっこめる女としての正気は保つわたし。
歌い終わると急に苦しみだし、その場に倒れこみます。
その後他の俳優と合流しながらガロウグリーンの通路へ。
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そしてまた晩餐会のあったホールへと向かいました。
そこでは舞踏会が開かれています。
それぞれのキャラが踊っている中…。
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彼が…また…わたしをみつめて…手を差し伸べているではありませんか…
もう、魔法がかかったかのようにその手をとるわたし。
すると、彼はダンスフロアの外れまでわたしを引っ張っていき、舞踏会とすこしはずれたところで、わたしのてをとって…ワルツを一緒におどりはじめたのです…
いや、ダンスとかワルツとか全く踊れません。
ポジションもよくわからないので、手を組まれて体をひっつけられたとき左手の置き場がわからなくてぷらぷらしてたら、ここもって!みたいな感じで相手の背中もつように誘導され…
くるくる… くるくる… 足を踏むわたし 笑うふたり(←ありがち
もう、無理い 助けてえ …
ダンスが終わったら、彼は私の手を取って手の甲にキスしたかと思うと、一礼して舞踏会へと戻っていきました。
……
ほんま なにこれ こんなの
好きになっちゃうやろ(怒髪天)
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私の時のボーイウィッチスティーブン。
そのあと、またホテルへ戻って一人アノニマスを選んで電話ボックスへ。(この時は選ばれず)(というか衝撃でかすぎてちょっと距離おいてた)
その後ポーターの荷物部屋のようなところでダンスしてて遠巻きにみていたら、わたしを見つけて腕引っ張って耳元で「My precious」とささやいてくる始末…。
その後、ふらふらとついていき例の魔女集会も衝撃でしたけど
この時の衝撃と比べたら…
その後、シャワー室でむせび泣くBW(もちろんフルチン)…タオルとって…服着せて…して、また晩餐会へ。
この後、ちょっとこのBW追うのほんと…ちょっと…ほんまにハマりすぎてしまうかもしれない(手遅れ)と思って、別の部屋とかうろつきました。
で、マクベスの処刑を見て、ナイチンゲールの歌が流れて、誘導されるまま、お土産部屋を通りました。
プログラム売ってますよ~というお姉さんに、「ちょ、めっちゃほしいんだけど今財布なくて、これまた財布とってすぐ戻ってくるからそれでも買えますかね?!?!?」(数時間前までサンキューすら言う勇気なかった女)って英語で聞いて「もちろんよ!」と言われ、ダッシュで財布取ってきて、プログラム買って、真っ暗なチェルシーを歩いてホテルまで帰りました…。
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そして、一睡もできず帰りの飛行機が離陸する瞬間大号泣しながら、絶対またニューヨーク戻ってくる…と心に誓いました。
そして、2018年に母と、2019年にちかちゃんと、スリープノーモアに行き。
そして2019年1月11日
ちゃんまきさんと行った上海のスリープノーモアで、この時のBWスティーブンにマスクにサインをしてもらう、という奇跡を経て、現在に至るのであります。
眼の前にスティーブンいたときに、なんて話しかけたと思う??
アイムフロームジャパン、サインプリーズ アリガト‥
しか言えなかったんよ‥
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そんな私も来月から海外就職します。
スリープノーモア 完
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takahashicleaning · 4 months
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TEDにて
ルシアン・ウォーコウィッチ:火星は予備の地球ではない
(詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ)
恒星天文学者でTEDシニア・フェローのルシアン・ウォーコウィッチは、NASAのケプラー計画に携わっていて、生命を保持できる場所を宇宙に探しています。
だから、火星については注意して考えるようにという彼女の言葉には、耳を傾けるべきでしょう。
この短い講演で彼女が主張しているのは、地球を駄目にしたときに移り住む場所として火星を見るのはやめて、惑星間探査と地球保護を共通の目的の2つの面として捉えるようにということです。
彼女の言うように、地球のような惑星を探せば探すほど、地球の有り難みが分かるようになるのです。
ほんのこの数年だけでも宇宙における地球の位置づけについて私たちの知識は大きく広がりました。
NASAのケプラー計画で、他の恒星系の惑星候補が何千も見つかり、地球は、この銀河系にある何十億という惑星の1つにすぎないことを示唆しています。
ケプラーというのは、宇宙望遠鏡で恒星の前を惑星が横切る際に光が遮られることで起きる星の明るさの微妙な変化を観測しています。
ケプラーのデータは、惑星の大きさやその親星(恒星)までの距離を明らかにし、それによって、その惑星が岩石で出来た小型の 地球型惑星なのかどうか?また、どれほどの光を親星である太陽から受けているのかが分かります。
これは、その惑星が、居住に適しているかのヒントを与えてくれます。残念なことに、居住可能かもしれない世界の宝の山が発見されている一方で我々自身の惑星は、人類の重みによって疲弊しています。
2014年は、観測史上、最も暑い年でした。悠久の時を我々と共にあった氷河や海氷がほんの数十年で消失しています。我々が引き起こしているこの惑星規模の環境変化は、我々には軌道修正できないほど急速に進行しつつあります。
しかし、私は気象学者ではなく天文学者です。私は、惑星の居住適性を研究していて、地球外で生命の存在しうる惑星を見つけようとしています。
宇宙の生命(微生物)の探索に深く関わる者として、私に言えるのは、地球のような惑星を探せば探すほど地球の有り難みを強く感じるということです。新しい惑星が見つかるごとに、その惑星と我々の一番良く知る太陽系の惑星の比較を促されます。
火星の光景は、地球上の砂漠を思わせ開拓者や新世界といったイメージを喚起するにしても、地球と比べたら火星は住むにはひどい場所です。
考えてみてください。地球には、人の住まない砂漠が広がっていますが、それでさえ火星と比べたら豊かなものです。
地球上で最も乾燥し、最も高地にある場所でも何千キロも離れた熱帯雨林のもたらす酸素に満ちた濃くておいしい空気があります。
火星やその他の惑星に植民するというバラ色のアイデアが投げかける長く暗い影を私は懸念しています。
我々の知る唯一、本当に居住可能な惑星に行くことで、自ら招いた破滅から、火星が人類を救ってくれる。
そんな思い込みがどんな結果をもたらすことになるのか
惑星間探査は好きですが、そういう考えにはまったく反対です。
惑星間探査と惑星保護は、対極にあるものではなく、むしろ、1つの目的の表と裏なのです。未来に向けて生命(微生物)を理解し、保護し、改善するということです。
地球上で最も苛酷な環境は、異星の光景のようで、ただ、近くにある。というだけです。その居住に適さない荒涼とした地に居住可能な空間を作り、維持する方法が分かり実現すれば、それは、地球環境の保護にも他の惑星への進出にも役立てられます。
最後に、フェルミのパラドックスという思考実験の話をしましょう。
ずっと、以前に、物理学者のエンリコ・フェルミは問いました。宇宙は長らく存在したくさんの惑星がある。と考えられるので地球外生命の証拠が見つかっていても良さそうなものだが、それはどこにあるのか?
フェルミのパラドックスへの考えられる答えの1つは、他の恒星系に進出しようとするほど、技術的に進歩した文明は、その発展をそもそも育んでくれた故郷を守ることの重要性を見失っていく。というものです(国家システム単位、家族単位でも似ているかもしれません)
他の惑星への植民だけで自ら招いた破滅から人類を救える!!などと考えるのは傲慢です。しかし、惑星保護と惑星間探査をともに進めることは可能なのです。
もし、人類が火星の苛酷な環境を住めるように変えられると本当に思っているなら、まず、自らの地球の可住性を維持するというはるかに容易な課題を克服すべきでしょう。
それからでも遅くはありませんし、同時並行的に克服しても良いかもしれません。
火星は、環境が厳しいため、映画のようなドーム状の建造物というよりも、洞窟に地下施設を構築する方が、地下資源も効率的に資材に加工できるので可能性が広がります。
こういう新産業でイノベーションが起きるとゲーム理論でいうところのプラスサムになるから既存の産業との
戦争に発展しないため共存関係を構築できるメリットがあります。デフレスパイラルも予防できる?人間の限界を超えてることが前提だけど
しかし、独占禁止法を軽視してるわけではありませんので、既存産業の戦争を避けるため新産業だけの限定で限界を超えてください!
(個人的なアイデア)
NASAの打ち上げた無人の火星探査機が、2021年に到達しました。
地表面を探査するための四輪駆動調査ロボットで、名前は火星探査機「Perseverance(パーサヴィアランス)」と呼ばれます。
前世代の「Curiosity(キュリオシティ)」よりもバージョンアップ。CPUも2011年から10年経ち最新を搭載しています。
さまざまなセンサー、Drone 「インジェニュイティ」や掘削ドリルも搭載しているため重量は重いが幅広いデータ収集ができます。
火星の地面に着陸するため、ロケットエンジンで逆噴射したクワッドコプタータイプの接続機体から分離して、四輪駆動調査ロボットを到達させます。
約二年前の2021年に火星にパーサビアランスというローバーを送り込んで
670ソル(ソルは地球の一日に当たる)。つまり、約二年近く稼働しています。
到着したパーサヴィアランスナビカム360カメラからの映像。
キュリオシティは、当初達成目標だった90ソルを超えて5262ソル。約15年近く稼働した奇跡のローバー。
イーロンマスクやNASAがアルテミス計画の有人飛行で火星に到着し
送りこんだパーサビアランスに直接再会できるか?人の手でメンテナンスして改良再稼働できるか?
にも個人的に注目しています。
続いて、実際の撮影映像。
youtube
パーサヴィアランスを中継して映像を送信してる?
火星探査機「Perseverance(パーサヴィアランス)」に載せたDrone 「インジェニュイティ」が離陸成功!
その後、約二年が経ち五回の目標を超えて三十八回目のフライトを2023年1月に成功させています。
ソーラパネルでリチウムイオンへ充電一回の最大高度は12m、最大飛行距離は625mまで飛ばせます。
大気の成分や重力が地球と異なるため、プロペラの揚力がどのくらいの数値に落ち着くのかが長年の謎でしたが、幅広いデータ収集ができました。
プロペラの形状も今後の改善が必要。効率的に火星上の空気に適応された形が開発されるかもしれません。
続いて
電気を作る熱力学のサイクルで熱効率は、ほぼ50%、45%~50%の効率まで高めることは可能ですが・・・
高温の物体から熱を受け取り、電気という「使えるエネルギー」に変換できる機械を一般的に「熱エンジン」と呼んでいる。
高温の物体から受け取った熱エネルギーのうち、どれだけ活用できたかという比率を「効率」と物理学では定義している。
この効率は、原理的に超えられない「カルノー効率」という上限があることが知られている。
カルノー効率が達成されると、効率は上がるが、同時に仕事率がゼロになる現象。
つまり、熱エンジンの効率を最大限に上げると出力がほぼゼロになることを意味しています。そして、効率100%は物理的に不可能ということです。
中世で試行錯誤が行われたことに終止符が示され、機械での永久機関は作れないことが、この現象から理解できます。エネルギー保存の法則からも理解できます。
他には、燃料の持つエネルギーをどれだけ動力として取り出すことができるか?これをエンジンの熱効率と定義しています。
2020年の段階で、ガソリンエンジンの熱効率は最高で40%前後あり、10年くらい前までは30%程度。低燃費の技術競争もあるけどカルノー効率から限界も見え始めています。
だから、ガソリン自動車から電気自動車へ世界中の法人が開発を加速して切り替えている潮流があります。
2020年後半くらいから様々な占いで出てきてた時代の変わり目。
それが、西洋占星術で具体的に「風」の時代という形で出てきました。
私が、感じとってたインスピレーションは、たぶんこれかな?
兆しは、世界的な金融ビックバンの1970年代、IT革命のミレニアムの前から出ていたけど。
これは、これまでの約200年間。物質やリアリティの影響力優位「土」の属性の時代から、量子コンピューター、ビットやインターネットなどといった物質ではないものに影響力が増していく「風」の属性の時代に。
そして、本格的に軌道にのっていく属性は、今後200年程続くことになるのです(2020年12月22日から、2100年当たりをピークに少しずつ衰退していく2220年まで)
直前に!
Appleも何かを感じてたのか?Appleシリコン搭載Macの方は、「Mシリーズ」チップに移行してるし、符号してる。
Googleは、量子超越性を達成してきてるし、Facebookも脳波を読み取る機械の開発を発表してますし、符号してる。
イーロンマスクもブレイン・マシン・インターフェース(Brain-machine Interface : BMI)を具体的に発表。これも、符号してる。
ここから予想できることは、バリーシュワルツが言うように、労働の概念が変わり、地球に居ながら映画アバターのように!その惑星にある資源を使い。
月や火星、土星や衛星などに無人ロボット部品を送り、ゲームのように自宅にいながら共同作業しつつ仕事をすることで高額な賃金が手に入る可能性も高い。
火星や土星や衛星に関しては、有人宇宙船内を無重力工場にして惑星移動期間に3Dプリンター製造、組立を効率的に行うことが実現すれば良いが無人ならベスト。
光速で惑星間通信できるようになったとしても、火星や土星や衛星への通信は、地球からでもリアルタイムで遅延が起きるため、月面のみ、この可能性が開けます!
無重力でもあるため、洞窟に工場を建築して人間の暮らせる環境を作り出すこともできそうです。可能性は無限!この領域に限界はありません!国家や行政府の範囲外なので極端な自由もあります。命の保障はないけど!
このアイデアは、今後数十年、人間の限界を遥かに超える新産業なのでプラスサムになり、地球環境は汚染されず資源エネルギー問題も起こりません。
<おすすめサイト>
グウィン・ショットウェル: 30分で地球を半周するSpaceXの旅行プラン
アンジャリ・トゥリパーティー: いずれは地球も火星のようになるその理由
スティーブン・ペトラネック:火星に移住する1000年後の子供達が生き抜く方法
ダークマターとダークエネルギーは、アクシオンやブラックホールのことかもしれないというアイデア2022
ジェレミー・カスディン:地球に似た惑星を発見できるかもしれない―開花型スターシェード
アオマワ・シールズ:他の惑星の生命を見つけ出す方法
サラ・シーガー:太陽系外の惑星を求めて
ウェンディ・フリードマン:宇宙の誕生が見える最新型望遠鏡
人類の革新。方向性のインスピレーション
インターステラー(字幕版)
人工知能が人間より高い情報処理能力を持つようになったとき何が起きるか?2019
<提供>
東京都北区神谷の高橋クリーニングプレゼント
独自サービス展開中!服の高橋クリーニング店は職人による手仕上げ。お手頃50ですよ。往復送料、曲Song購入可。詳細は、今すぐ電話。東京都内限定���北部、東部、渋谷区周囲。地元周辺区もOKです
東京都北区神谷のハイブリッドな直送ウェブサービス(Hybrid Synergy Service)高橋クリーニングFacebook版
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kennak · 7 months
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丸山製作所は、瞬時に高濃度のウルトラファインバブルを生成する独自の技術、「丸山ウ��トラファインバブル(以下「MUFB」)」を、農業・洗浄・養殖などあらゆる分野で地球に優しい技術・製品として提供しています。 今後もこの技術を軸に、産学連携の取り組みをより一層強化し、農業をはじめとした産業 の発展へさらなる貢献を目指してまいります。 農業・洗浄・養殖の現場で活躍 MUFBウルトラポンプについて: https://maruyama-ufb.jp/ ■共同研究開始の背景 ウルトラファインバブル技術は、高い洗浄効果などを発揮する日本発の世界をリードする最新テクノロジーとして、環境・農業・工業・水産・医療など幅広い分野で応用・実用化が進んでいます。 丸山製作所は、水耕栽培などの現場におけるMUFBウルトラポンプの導入など、農業分野等への技術・製品の提供を行ってきました。実際の農産業の現場でウルトラファインバブルの活用が大きな成長促進効果をもたらす場合がある一方で、効果があまり見られない事例も存在していました。その要因の一つとして外的なものが考えられるため、同一の栽培環境を構築し、ウルトラファインバブルが植物の成長に与える影響を、ファインバブルの研究を長年続けている高知工業高等専門学校とともに調査するに至りました。 ■本研究の結果 実験では小松菜を用いて、MUFB技術で生成したウルトラファインバブルを含む水(以下「MUFB水」)による「減肥20%(液肥80%)栽培での作物育成への効果」の検証を行いました。 ウレタンスポンジで発芽した小松菜の苗を24時間液肥が循環し、1日12時間LEDが照射される水耕栽培環境において生育させ、ウルトラファインバブルが作物の生育に与える影響を以下の2区によって調査しました。 通常栽培区:100%の液肥と通常の水を使用した通常栽培区 実験区:80%の液肥にMUFB水を使用した実験区 通常栽培区と実験区では生育条件を揃え、2週間にわたり成長状態を比較しました。測定の評価項目は小松菜の葉部分のサイズ(葉の幅・葉の長さ・葉の枚数)、および液体クロマトグラフィーにより測定した葉部分に含まれる植物ホルモン量としました。 その結果、実験区で生育した小松菜は葉部分(可食部)がより大きく成長し、成長に関係するホルモン量もより多い傾向が見られました。 以上により、本実験ではMUFB水を使用することで肥料を20%削減することに加え、成長の促進効果を計測することに成功しました。
ウルトラファインバブルの農業活用における有効性を実証  丸山製作所と高知高専が肥料削減に関する共同研究を発表 / 日本農業新聞
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hpan · 1 year
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【美容業界×SDGs】美容業界の「持続可能性」を高める3つの鍵②
こんにちは。
株式会社ANヘアサロンの広報スタッフです。
前回の記事では、特に美容業界と関わりが深い3つのSDGsゴールのうち、ゴール5「ジェンダー平等を実現しよう」について詳しく紹介しました。
過去の記事はこちら↓ 【美容業界×SDGs】美容業界の「持続可能性」を高める3つの鍵①
今回は、
・ゴール12:つくる責任 つかう責任 ・ゴール14:海の豊かさを守ろう
の2つについて詳しく見ていきましょう。
ゴール12:「つくる責任 つかう責任」
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ゴール12「つくる責任 つかう責任」では、持続可能な消費と生産パターンの確保がテーマに掲げられています。
国際連合広報センターが発表した「持続可能な開発目標(SDGs)報告2021(全文)」では、全世界のマテリアル・フットプリントは、2000年から2017年までに70%も増加していると言及しています。
「マテリアルフットプリント」とは、その国において消費された天然資源量を表す指標で、原料の採掘から加工・利用・廃棄に至るまで世界のどこでどれだけ環境に負荷を与えてきたかを土地面積でとらえるものです。
持続可能な消費と生産への道に必要なのは、
①廃棄物と汚染の削減・排除 ②製品と材料を使用し続けるように設計されたエコノミーアプローチ
である、と上述の報告の中でも言われています。
参照:「持続可能な開発目標(SDGs)報告2021(全文)」
昨今認知度が高まりつつある「エシカル」というキーワード。美しさや清らかさといったブランドイメージを持つ美容業界では特に重要ですが、ゴール12とも関連性が深いキーワードです。
SDGsの目標達成のために美容業界で出来ることとして、プラスチック容器の使用量を減らすことはもちろんのこと、製造段階で再生可能エネルギーを選択して廃棄時のCO2排出量を減らしたり、廃棄ロスを減らしたりという取り組みがあります。いくつか具体例を見てみましょう。
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例1.資生堂
資生堂では、4R=「リデュース」「リユース」「リサイクル」「リプレース」に、人・社会・環境を尊重する考えの「リスペクト」を加えた「資生堂5Rs」という独自のパッケージポリシーを提唱しています。 「リデュース/リユース」が同時にできる詰め替え・付け替え容器や、水や土の中で分解する素材を用いた容器の採用を実施し、環境フットプリントの小さな製品提供を目指しています。
参照:https://corp.shiseido.com/jp/sustainability/env/action3.html
例2.ファンケル
ファンケルでは、2050年までにCO2排出量実質ゼロの目標を掲げ、化学品製造拠点の工場や物流センターで太陽光パネルを設置し、電力切替等により再生可能エネルギーを活用しています。 また、使用済みプラスチック容器を一部直営店舗で回収し、花や緑を育てる植木鉢にリサイクルするなど多角的な取り組みを推進しています。
参照:https://www.fancl.jp/sustainable/environment/index.html
そのほかにも、動物実験を行わない、フェアトレード原料を調達する、農薬・化学肥料を使わず栽培された植物を使う、など美容業界でも様々な取り組みが広がっています。
容器や成分だけでなく、商品開発の過程も含め商品開発全体でエシカルを体現していくことが、環境保護だけでなくブランドイメージの向上にも繋がっています。
ゴール14:「海の豊かさを守ろう」
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環境課題の中でも深刻な局面を迎える一つに、海洋汚染があります。日本でも海面にゴミが浮いていたり、海洋事故等で海に油が漏れ出してしまう映像を見たりしたことがある人もいるのではないでしょうか。
海洋汚染を食い止めるために、まず私たちができることとして、プラスチック製容器・パッケージの見直し、リユース・リサイクルを考慮する製品・容器開発が急務と考えられています。
美容業界に対応が求められる事例としても、パラオやハワイにおける日焼け止め使用規制は記憶に新しいのではないでしょうか。サンゴ礁保護のために、紫外線吸収剤が配合されている日焼け止めの販売を禁止する法律が制定・試行されていますが、特にハワイ州マウイ郡では、全てのケミカルを排除した日焼け止めでないと販売できないという厳しい制約を設けているのです。
日本でも2022年4月に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が施行されるなど、プラスチック製品の削減に向けた取り組みが加速しています。具体的にどのような事例があるのでしょうか。
例1.P&Gジャパン合同会社
P&Gでは、グループ世界共通の長期ビジョンとして「Ambition2030」を掲げ、多岐にわたるサスティナビリティ活動を進めています。
中でもヘアケアカテゴリーでは、2030年までに製品パッケージを100%リサイクル・再利用可能にし、2025年までに再生素材でない新品のプラスチックを50%削減することを宣言しています。実現するために、2021年秋にはリサイクル可能な「詰め替えECOPOUCH」や、繰り返し愛用できるように耐久性のあるアルミボトルが発売されるなど多角的な取り組みをしています。
参照:https://pantene.jp/ja-jp
例2.イオンリテール
大手スーパー「イオン」を運営するイオンリテールでは、化粧品・日用品メーカーと協働し、使用済み容器の回収リサイクル「グラムビューティークリサイクルプログラム」を2021年より開始しています。回収する容器はマテリアルリサイクルされ、店舗の買い物かごやエコバッグとして生まれ変わるなど、化粧品メーカーだけでなく、小売店でもサスティナビリティを実現する工夫を行っています。
参照:https://www.terracycle.com/jaJP/brigades/glambeautique
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現在、様々な企業が上記例のように容器改良や内容物の見直しなどに力を注いでいます。
今後はそのような取り組みを続けるだけでなく、世間により広く認知させ、消費者によるサスティナブルな選択やエシカル消費に訴えかける告知活動をしたり、独自性の高い取り組みを続けることで企業価値を高めるということも必要になってくるのではないでしょうか。
株式会社ANでも「地球×人 未来に続く豊かさを」をミッションに掲げ、身体にも地球環境にも優しい上質なライフスタイルの提供と、未来への貢献を促進していきます。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
また次回もお楽しみに。
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quuyukadaisuki · 2 years
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NieR:Automata
2B9Sの話その4
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放射状に伸びたと葉っぱのその上に小さく愛らしい花がいくつも咲いている。
 2Bと9Sがバンカーへ送ったセントポーリアの花の種は、見事に開花しており、殺風景とも言える基地内に鮮やかな色彩が増えていた。
 割り当てられた個人の部屋に一つないし二つの植木鉢が棚に並べられており、特に地上に降りることが叶わないオペレーターらの間で空前絶後のブームが到来したのだとか。
「噂には聞いていましたけど――、すごいですね2B!」
「……ああ」
 久しぶりにバンカーへと戻ってきた二人を出迎えたのは、何もなかった頃とあまりにもかけ離れたバンカーの様相。
 一瞬戸惑いつつも、事態の把握をさっと済ませてしまう順応力の高い9Sの反応に比べて、困惑の色を隠せない2Bの表情はやや硬い。
「へぇー、いろんな色がありますね!」
 あちらこちら見回しては感嘆の声を上げる9Sと、どういう反応をしていいのか途方に暮れて固まる2B。その様子に気付いた9Sが「何か気になる事でも?」と聞いても2Bは「別に」と頭を振った。
「あっ! 2Bさん」
 通路の向こう側から歩いてきた6Оから声が掛かる。彼女は2Bのサポート役のオペレーターだ。もちろんその手には目新しい植木鉢――株分けして貰ったらしく、小さな花と蕾がいくつかある。
「2Bさんたちが採ってきてくれた種からたくさんの花が咲いたんですよ」
 
 科学の力は偉大である。
 古い文献によれば人類が宇宙に進出してからというもの、宇宙空間で植物を育てようと試みは数多く行われてきたと記述されている。二十一世紀初頭、まず最初に選ばれた宇宙栽培植物はレタスであった。食料となる植物を育てることは長期的な視野から世界的な食糧問題に対しての成りうると期待も寄せられたが、一方で莫大な費用が掛かることに難色であったとか。
 
 しかし、人類はエイリアンとの戦争により月に逃れ、生き長らえているのもこのような技術革新を図っていたからに他ならない。人類は先見の明があったと言えよう。とはいえ、バンカーに居るアンドロイドたちに食糧問題は無縁。とくに見向きもされなかった旧い科学技術が日の目をみることになったのは、セントポーリアという小さな花の到来によるものであると言っても過言ではないだろう。
 
「これでは、士気に関わる」
 
 司令官は一体何を考えているのだろうか。
 話を聞く限りでは、これは人類軍司令部の指示だというのだ。ある程度数がまとまったら月基地へと輸送するのだとか、仔細はそこまでで2Bはどこか釈然としない思いを抱えることになってしまった。
 バンカー内に芽吹いた小さな愛くるしい花は、目下戦時中であること一時忘れさせてしまうような危険を孕んでいるように2Bには感じられた。6Oと別れて自室に戻って開口一番言う事はそれか、と9Sは微苦笑しながら応える。
「いやいやリフレッシュだって必要ですよ。それにモニター越しのデータよりも実物ですよ」
「だけど」
「オペレーターさん達にとってはなかなか触れることのできない地球の自然なんですからきっと良いことなんですよ」
「それは……、そうかもしれない」
 9Sが言わんとすることは理解できて、2Bは押し黙った。
「いつか、僕たちの手で地球を人類の手に取り戻してそしたら――」
 バンカーでのこのような出来事もいつしか思い出になるのかもしれない。
 むしろそうなったらいいとさえ9Sはそう思う。
「今の状態のバンカーが懐かしいと思うのかもしれません」
「ああ、そうだな」
 どこか悪戯っぽく微笑む9Sに2Bも頷く。もしそうなったら花に囲まれての暮らしも悪くはないのかもしれないと思える。9Sは色んな植物を甲斐甲斐しくお世話していそうだと、なんとなくそんな姿を2Bはぼんやりと思い浮かべる。
「キミは色んな植物を集めて育てそうだな」
「え、そう見えます?」
「そう見える」
 何故そう思うのかは2Bにも分からない。
 ただ花を育てるのが似合いそうだなと思ったのだ。
 太陽光が燦々と降り注ぐ空の下、ジョウロ片手に水をやる9Sとその様子をただ見守る2B。9Sから手伝ってくださいよと声が掛かっても、ここまで集めたのはキミの責任だとか何とか言って手伝わないかもしれない。
「そうかもしれませんね。ってほらほら横になってください2B。そろそろメンテナンス始めますから」
「うん、分かった」
 2Bは9Sに促されるままに横になると意識を底の方へと追いやる。
 シャットアウト寸前、脳裏にセントポーリアの鮮やかな花びらが浮かび上がった。
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monqu1y · 3 years
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持続可能な開発目標
 提唱者[国連]の正体を見抜けば、盲従の危険さが分かる。  17項目は、有機的に関連しあってるのに、個別にチェックしても無意味。互いの影響をシステム的に分析・解明しなければ…  また、17項目に拘れば、少子高齢化対策が後回しになる。  民族的道徳観の違いも重要な要素だが、タブー視することで、悲劇が起きる。  市営住宅集会所のコミュニティカフェに行った。 A:2000年9月、国連は、開発目標(MDGs: Millenium Development Goals)を掲げ、15年間で達成すべき旨決めた。
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B:開発目標は、8項目です。 1. 極度の貧困と飢餓の撲滅 2. 普遍的初等教育の達成 3. ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上 4. 幼児死亡率の削減 5. 妊産婦の健康の改善 6. HIV/エイズ、マラリアその他疾病の蔓延防止 7. 環境の持続可能性の確保 8. 開発のためのグローバル・パートナーシップの推進 C:15年経過したとき、国連は、開発目標を持続可能なもの(SDGs: Sustainable Development Goal)に替え、17項目と具体的指標169個を示して、次の15年間で達成すべき旨決めた。
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私:17項目の内容を並べてみますね。 1. 貧困をなくそう 2. 飢餓をゼロに 3. すべての人に健康と福祉を 4. 質の高い教育をみんなに 5. ジェンダー平等を実現しよう 6. 安全な水とトイレを世界中に 7. エネルギーをみんなにそしてクリーンに 8. 働きがいも経済成長も 9. 産業と技術革新の基盤をつくろう 10. 人や国の不平等をなくそう 11. 住み続けられるまちづくりを 12. つくる責任つかう責任 13. 気候変動に具体的な対策を 14. 海の豊かさを守ろう 15. 陸の豊かさを守ろう 16. 平和と公正をすべての人に 17. パートナーシップで目標を達成しよう A:[持続可能な社会]を実現するための17項目は、有機的に関連しあっているので、互いの影響をシステム的に分析・解明しなければ、目標達成できない。各項目を個別チェック・リストとして使うと、見当違いの結論に到達しかねない。   また、17項目を掲げることで、他の重要な課題を見落とし易くなる。   例えば、[少子高齢化]が喫緊な地域は少なくないが、17項目で事足れりとすれば、地域の衰退に拍車をかけることにもなる。   民族的道徳観の違いも重要な要素だが、タブー視することで、民族的道徳観の違いを理解しないことに基づく���劇が起きてしまう。 B:提唱者の[国連]も胡散臭い組織ですね。
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C:[目標]を理解した心算で軽率な[行動計画]を立案し、それを国民に強要して社会を悪くしていることに気付かない指導者らが居る。 D:森林を守る目的を掲げた[割りばし]不使用運動は、間伐コスパを悪くして森林守るのを妨げた。 A:[レジ袋有料化]は、環境保護効果が殆ど無いのに、万引きを増加させ、全国の店主・店長を苦しめている。 B:プラスティック・スプーンの有料化強制も、業者を困惑させてるんですょ。 私:非科学的な思い込みで政治をやられたら堪りませんねぇ。
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〔参考:169ターゲット〕 01.貧困をなくそう:あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ 01.1_2030年までに、現在1日1.25ドル未満で���活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる 01.2_2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、全ての年齢の男性、女性、子供の割合を半減させる 01.3_各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度及び対策を実施し、2030年までに貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成する 01.4_2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、全ての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する 01.5_2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する 01.a_あらゆる次元での貧困を終わらせるための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、さまざまな供給源からの相当量の資源の動員を確保する 01.b_貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援するため、国、地域及び国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを構築する 02.飢餓をゼロ:飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する 02.1_2030年までに、飢餓を撲滅し、全ての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする 02.2_5歳未満の子供の発育阻害や消耗性疾患について国際的に合意されたターゲットを2025年までに達成するなど、2030年までにあらゆる形態の栄養不良を解消し、若年女子、妊婦・授乳婦及び高齢者の栄養ニーズへの対処を行う 02.3_2030年までに、土地、その他の生産資源や、投入財、知識、金融サービス、市場及び高付加価値化や非農業雇用の機会への確実かつ平等なアクセスの確保などを通じて、女性、先住民、家族農家、牧畜民及び漁業者をはじめとする小規模食料生産者の農業生産性及び所得を倍増させる 02.4_2030年までに、生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する 02.5_2020年までに、国、地域及び国際レベルで適正に管理及び多様化された種子・植物バンクなども通じて、種子、栽培植物、飼育・家畜化された動物及びこれらの近縁野生種の遺伝的多様性を維持し、国際的合意に基づき、遺伝資源及びこれに関連する伝統的な知識へのアクセス及びその利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分を促進する 02.a_開発途上国、特に後発開発途上国における農業生産能力向上のために、国際協力の強化などを通じて、農村インフラ、農業研究・普及サービス、技術開発及び植物・家畜のジーン・バンクへの投資の拡大を図る 02.b_ドーハ開発ラウンドのマンデートに従い、全ての農産物輸出補助金及び同等の効果を持つ全ての輸出措置の同時撤廃などを通じて、世界の市場における貿易制限や歪みを是正及び防止する 02.c_食料価格の極端な変動に歯止めをかけるため、食料市場及びデリバティブ市場の適正な機能を確保するための措置を講じ、食料備蓄などの市場情報への適時のアクセスを容易にする 03.すべての人に健康と福祉を:あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する 03.1_2030年までに、世界の妊産婦の死亡率を出生10万人当たり70人未満に削減する 03.2_全ての国が新生児死亡率を少なくとも出生1,000件中12件以下まで減らし、5歳以下死亡率を少なくとも出生1,000件中25件以下まで減らすことを目指し、 2030年までに、新生児及び5歳未満児の予防可能な死亡を根絶する 03.3_2030年までに、エイズ、結核、マラリア及び顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症及びその他の感染症に対処する 03.4_2030年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健及び福祉を促進する 03.5_薬物乱用やアルコールの有害な摂取を含む、物質乱用の防止・治療を強化する 03.6_2020年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる 03.7_2030年までに、家族計画、情報・教育及び性と生殖に関する健康の国家戦略・計画への組み入れを含む、性と生殖に関する保健サービスを全ての人々が利用できるようにする 03.8_全ての人々に対する財政リスクからの保護、質の高い基礎的な保健サービスへのアクセス及び安全で効果的かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンへのアクセスを含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する 03.9_2030年までに、有害化学物質、並びに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる 03.a_全ての国々において、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の実施を適宜強化する 03.b_主に開発途上国に影響を及ぼす感染性及び非感染性疾患のワクチン及び医薬品の研究開発を支援する。また、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)及び公衆の健康に関するドーハ宣言に従い、安価な必須医薬品及びワクチンへのアクセスを提供する。同宣言は公衆衛生保護及び、特に全ての人々への医薬品のアクセス提供にかかわる「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)」の柔軟性に関する規定を最大限に行使する開発途上国の権利を確約したものである 03.c_開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国において保健財政及び保健人材の採用、能力開発・訓練及び定着を大幅に拡大させる 03.d_全ての国々、特に開発途上国の国家・世界規模な健康危険因子の早期警告、危険因子緩和及び危険因子管理のための能力を強化する 04.質の高い教育をみんなに:すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する 04.1_2030年までに、全ての子供が男女の区別なく、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにする 04.2_2030年までに、全ての子供が男女の区別なく、質の高い乳幼児の発達・ケア及び就学前教育にアクセスすることにより、初等教育を受ける準備が整うようにする 04.3_2030年までに、全ての人々が男女の区別なく、手の届く質の高い技術教育・職業教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする 04.4_2030年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる 04.5_2030年までに、教育におけるジェンダー格差を無くし、障害者、先住民及び脆弱な立場にある子供など、脆弱層があらゆるレベルの教育や職業訓練に平等にアクセスできるようにする 04.6_2030年までに、全ての若者及び大多数(男女ともに)の成人が、読み書き能力及び基本的計算能力を身に付けられるようにする 04.7_2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする 04.a_子供、障害及びジェンダーに配慮した教育施設を構築・改良し、全ての人々に安全で非暴力的、包摂的、効果的な学習環境を提供できるようにする 04.b_2020年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、並びにアフリカ諸国を対象とした、職業訓練、情報通信技術(ICT)、技術・工学・科学プログラムなど、先進国及びその他の開発途上国における高等教育の奨学金の件数を全世界で大幅に増加させる 04.c_2030年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国における教員研修のための国際協力などを通じて、質の高い教員の数を大幅に増加させる 05.ジェンダー平等を実現しよう:ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る 05.1_あらゆる場所における全ての女性及び女児に対するあらゆる形態の差別を撤廃する 05.2_人身売買や性的、その他の種類の搾取など、全ての女性及び女児に対する、公共・私的空間におけるあらゆる形態の暴力を排除する 05.3_未成年者の結婚、早期結婚、強制結婚及び女性器切除など、あらゆる有害な慣行を撤廃する 05.4_公共のサービス、インフラ及び社会保障政策の提供、並びに各国の状況に応じた世帯・家族内における責任分担を通じて、無報酬の育児・介護や家事労働を認識・評価する 05.5_政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する 05.6_国際人口・開発会議(ICPD)の行動計画及び北京行動綱領、並びにこれらの検証会議の成果文書に従い、性と生殖に関する健康及び権利への普遍的アクセスを確保する 05.a_女性に対し、経済的資源に対する同等の権利、並びに各国法に従い、オーナーシップ及び土地その他の財産、金融サービス、相続財産、天然資源に対するアクセスを与えるための改革に着手する 05.b_女性の能力強化促進のため、ICTをはじめとする実現技術の活用を強化する 05.c_ジェンダー平等の促進、並びに全ての女性及び女子のあらゆるレベルでの能力強化のための適正な政策及び拘束力のある法規を導入・強化する 06.安全な水とトイレを世界中に:すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する 06.1_2030年までに、全ての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ衡平なアクセスを達成する 06.2_2030年までに、全ての人々��、適切かつ平等な下水施設・衛生施設へのアクセスを達成し、野外での排泄をなくす。女性及び女児、並びに脆弱な立場にある人々のニーズに特に注意を払う 06.3_2030年までに、汚染の減少、投棄の廃絶と有害な化学物・物質の放出の最小化、未処理の排水の割合半減及び再生利用と安全な再利用の世界的規模で大幅に増加させることにより、水質を改善する 06.4_2030年までに、全セクターにおいて水利用の効率を大幅に改善し、淡水の持続可能な採取及び供給を確保し水不足に対処するとともに、水不足に悩む人々の数を大幅に減少させる 06.5_2030年までに、国境を越えた適切な協力を含む、あらゆるレベルでの統合水資源管理を実施する 06.6_2020年までに、山地、森林、湿地、河川、帯水層、湖沼を含む水に関連する生態系の保護・回復を行う 06.a_2030年までに、集水、海水淡水化、水の効率的利用、排水処理、リサイクル・再利用技術を含む開発途上国における水と衛生分野での活動と計画を対象とした国際協力と能力構築支援を拡大する 06.b_水と衛生に関わる分野の管理向上における地域コミュニティの参加を支援・強化する 07.エネルギーをみんなに そしてクリーンに:すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネ ルギーへのアクセスを確保する 07.1_2030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する 07.2_2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる 07.3_2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる 07.a_2030年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率及び先進的かつ環境負荷の低い化石燃料技術などのクリーンエネルギーの研究及び技術へのアクセスを促進するための国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資を促進する 07.b_2030年までに、各々の支援プログラムに沿って開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、内陸開発途上国の全ての人々に現代的で持続可能なエネルギーサービスを供給できるよう、インフラ拡大と技術向上を行う 08.働きがいも経済成長も:すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する 08.1_各国の状況に応じて、一人当たり経済成長率を持続させる。特に後発開発途上国は少なくとも年率7%の成長率を保つ 08.2_高付加価値セクターや労働集約型セクターに重点を置くことなどにより、多様化、技術向上及びイノベーションを通じた高いレベルの経済生産性を達成する 08.3_生産活動や適切な雇用創出、起業、創造性及びイノベーションを支援する開発重視型の政策を促進するとともに、金融サービスへのアクセス改善などを通じて中小零細企業の設立や成長を奨励する 08.4_2030年までに、世界の消費と生産における資源効率を漸進的に改善させ、先進国主導の下、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組みに従い、経済成長と環境悪化の分断を図る 08.5_2030年までに、若者や障害者を含む全ての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、並びに同一労働同一賃金を達成する 08.6_2020年までに、就労、就学及び職業訓練のいずれも行っていない若者の割合を大幅に減らす 08.7_強制労働を根絶し、現代の奴隷制、人身売買を終らせるための緊急かつ効果的な措置の実施、最悪な形態の児童労働の禁止及び撲滅を確保する。2025年までに児童兵士の募集と使用を含むあらゆる形態の児童労働を撲滅する 08.8_移住労働者、特に女性の移住労働者や不安定な雇用状態にある労働者など、全ての労働者の権利を保護し、安全・安心な労働環境を促進する 08.9_2030年までに、雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する 08.10_国内の金融機関の能力を強化し、全ての人々の銀行取引、保険及び金融サービスへのアクセスを促進・拡大する 08.a_後発開発途上国への貿易関連技術支援のための拡大統合フレームワーク(EIF)などを通じた支援を含む、開発途上国、特に後発開発途上国に対する貿易のための援助を拡大する 08.b_2020年までに、若年雇用のための世界的戦略及び国際労働機関(ILO)の仕事に関する世界協定の実施を展開・運用化する 09.産業と技術革新の基盤をつくろう:強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る 09.1_全ての人々に安価で公平なアクセスに重点を置いた経済発展と人間の福祉を支援するために、地域・越境インフラを含む質の高い、信頼でき、持続可能かつ強靱(レジリエント)なインフラを開発する 09.2_包摂的かつ持続可能な産業化を促進し、2030年までに各国の状況に応じて雇用及びGDPに占める産業セクターの割合を大幅に増加させる。後発開発途上国については同割合を倍増させる 09.3_特に開発途上国における小規模の製造業その他の企業の、安価な資金貸付などの金融サービスやバリューチェーン及び市場への統合へのアクセスを拡大する 09.4_2030年までに、資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。全ての国々は各国の能力に応じた取組を行う 09.5_2030年までにイノベーションを促進させることや100万人当たりの研究開発従事者数を大幅に増加させ、また官民研究開発の支出を拡大させるなど、開発途上国をはじめとする全ての国々の産業セクターにおける科学研究を促進し、技術能力を向上させる 09.a_アフリカ諸国、後発開発途上国、内陸開発途上国及び小島嶼開発途上国への金融・テクノロジー・技術の支援強化を通じて、開発途上国における持続可能かつ強靱(レジリエント)なインフラ開発を促進する 09.b_産業の多様化や商品への付加価値創造などに資する政策環境の確保などを通じて、開発途上国の国内における技術開発、研究及びイノベーションを支援する 09.c_後発開発途上国において情報通信技術へのアクセスを大幅に向上させ、2020年までに普遍的かつ安価なインターネットアクセスを提供できるよう図る 10.人や国の不平等をなくそう:国内および国家間の格差を是正する 10.1_2030年までに、各国の所得下位40%の所得成長率について、国内平均を上回る数値を漸進的に達成し、持続させる 10.2_2030年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、全ての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的な包含を促進する 10.3_差別的な法律、政策及び慣行の撤廃、並びに適切な関連法規、政策、行動の促進などを通じて、機会均等を確保し、成果の不平等を是正する 10.4_税制、賃金、社会保障政策をはじめとする政策を導入し、平等の拡大を漸進的に達成する 10.5_世界金融市場と金融機関に対する規制とモニタリングを改善し、こうした規制の実施を強化する 10.6_地球規模の国際経済・金融制度の意思決定における開発途上国の参加や発言力を拡大させることにより、より効果的で信用力があり、説明責任のある正当な制度を実現する 10.7_計画に基づき良く管理された移民政策の実施などを通じて、秩序のとれた、安全で規則的かつ責任ある移住や流動性を促進する 10.a_世界貿易機関(WTO)協定に従い、開発途上国、特に後発開発途上国に対する特別かつ異なる待遇の原則を実施する 10.b_各国の国家計画やプログラムに従って、後発開発途上国、アフリカ諸国、小島嶼開発途上国及び内陸開発途上国を始めとする、ニーズが最も大きい国々への、政府開発援助(ODA)及び海外直接投資を含む資金の流入を促進する 10.c_2030年までに、移住労働者による送金コストを3%未満に引き下げ、コストが5%を越える送金経路を撤廃する 11.住み続けられるまちづくりを:都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする 11.1_2030年までに、全ての人々の、適切、安全かつ安価な住宅及び基本的サービスへのアクセスを確保し、スラムを改善する 11.2_2030年までに、脆弱な立場にある人々、女性、子供、障害者及び高齢者のニーズに特に配慮し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、全ての人々に、安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する 11.3_2030年までに、包摂的かつ持続可能な都市化を促進し、全ての国々の参加型、包摂的かつ持続可能な人間居住計画・管理の能力を強化する 11.4_世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の努力を強化する 11.5_2030年までに、貧困層及び脆弱な立場にある人々の保護に焦点をあてながら、水関連災害などの災害による死者や被災者数を大幅に削減し、世界の国内総生産比で直接的経済損失を大幅に減らす 11.6_2030年までに、大気の質及び一般並びにその他の廃棄物の管理に特別な注意を払うことによるものを含め、都市の一人当たりの環境上の悪影響を軽減する 11.7_2030年までに、女性、子供、高齢者及び障害者を含め、人々に安全で包摂的かつ利用が容易な緑地や公共スペースへの普遍的アクセスを提供する 11.a_各国・地域規模の開発計画の強化を通じて、経済、社会、環境面における都市部、都市周辺部及び農村部間の良好なつながりを支援する 11.b_2020年までに、包含、資源効率、気候変動の緩和と適応、災害に対する強靱さ(レジリエンス)を目指す総合的政策及び計画を導入・実施した都市及び人間居住地の件数を大幅に増加させ、仙台防災枠組2015-2030に沿って、あらゆるレベルでの総合的な災害リスク管理の策定と実施を行う 11.c_財政的及び技術的な支援などを通じて、後発開発途上国における現地の資材を用いた、持続可能かつ強靱(レジリエント)な建造物の整備を支援する 12.つくる責任 つかう責任:持続可能な消費と生産のパターンを確保する 12.1_開発途上国の開発状況や能力を勘案しつつ、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組み(10YFP)を実施し、先進国主導の下、全ての国々が対策を講じる 12.2_2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する 12.3_2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる 12.4_2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する 12.5_2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する 12.6_特に大企業や多国籍企業などの企業に対し、持続可能な取り組みを導入し、持続可能性に関する情報を定期報告に盛り込むよう奨励する 12.7_国内の政策や優先事項に従って持続可能な公共調達の慣行を促進する 12.8_2030年までに、人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする 12.a_開発途上国に対し、より持続可能な消費・生産形態の促進のための科学的・技術的能力の強化を支援する 12.b_雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業に対して持続可能な開発がもたらす影響を測定する手法を開発・導入する 12.c_開発途上国の特別なニーズや状況を十分考慮し、貧困層やコミュニティを保護する形で開発に関する悪影響を最小限に留めつつ、税制改正や、有害な補助金が存在する場合はその環境への影響を考慮してその段階的廃止などを通じ、各国の状況に応じて、市場のひずみを除去することで、浪費的な消費を奨励する、化石燃料に対する非効率な補助金を合理化する 13.気候変動に具体的な対策を:気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る 13.1_全ての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)及び適応の能力を強化する 13.2_気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む 13.3_気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する 13.a_重要な緩和行動の実施とその実施における透明性確保に関する開発途上国のニーズに対応するため、2020年までにあらゆる供給源から年間1,000億ドルを共同で動員するという、UNFCCCの先進締約国によるコミットメントを実施するとともに、可能な限り速やかに資本を投入して緑の気候基金を本格始動させる 13.b:後発開発途上国及び小島嶼開発途上国において、女性や青年、地方及び社会的に疎外されたコミュニティに焦点を当てることを含め、気候変動関連の効果的な計画策定と管理のための能力を向上するメカニズムを推進する。:※国連気候変動枠組条約(UNFCCC)が、気候変動への世界的対応について交渉を行う一義的な国際的、政府間対話の場であると認識している 14.海の豊かさを守ろう:海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する 14.1_2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する 14.2_2020年までに、海洋及び沿岸の生態系に関する重大な悪影響を回避するため、強靱性��レジリエンス)の強化などによる持続的な管理と保護を行い、健全で生産的な海洋を実現するため、海洋及び沿岸の生態系の回復のための取組を行う 14.3_あらゆるレベルでの科学的協力の促進などを通じて、海洋酸性化の影響を最小限化し、対処する 14.4_水産資源を、実現可能な最短期間で少なくとも各資源の生物学的特性によって定められる最大持続生産量のレベルまで回復させるため、2020年までに、漁獲を効果的に規制し、過剰漁業や違法・無報告・無規制(IUU)漁業及び破壊的な漁業慣行を終了し、科学的な管理計画を実施する 14.5_2020年までに、国内法及び国際法に則り、最大限入手可能な科学情報に基づいて、少なくとも沿岸域及び海域の10パーセントを保全する 14.6_開発途上国及び後発開発途上国に対する適切かつ効果的な、特別かつ異なる待遇が、世界貿易機関(WTO)漁業補助金交渉の不可分の要素であるべきことを認識した上で、2020年までに、過剰漁獲能力や過剰漁獲につながる漁業補助金を禁止し、違法・無報告・無規制(IUU)漁業につながる補助金を撤廃し、同様の新たな補助金の導入を抑制する 14.7_2030年までに、漁業、水産養殖及び観光の持続可能な管理などを通じ、小島嶼開発途上国及び後発開発途上国の海洋資源の持続的な利用による経済的便益を増大させる 14.a_海洋の健全性の改善と、開発途上国、特に小島嶼開発途上国および後発開発途上国の開発における海洋生物多様性の寄与向上のために、海洋技術の移転に関するユネスコ政府間海洋学委員会の基準・ガイドラインを勘案しつつ、科学的知識の増進、研究能力の向上、及び海洋技術の移転を行う 14.b_小規模・沿岸零細漁業者に対し、海洋資源及び市場へのアクセスを提供する 14.c_「我々の求める未来」のパラ158において想起されるとおり、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用のための法的枠組みを規定する海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS)に反映されている国際法を実施することにより、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用を強化する 15.陸の豊かさも守ろう:陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る 15.1_2020年までに、国際協定の下での義務に則って、森林、湿地、山地及び乾燥地をはじめとする陸域生態系と内陸淡水生態系及びそれらのサービスの保全、回復及び持続可能な利用を確保する 15.2_2020年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させる 15.3_2030年までに、砂漠化に対処し、砂漠化、干ばつ及び洪水の影響を受けた土地などの劣化した土地と土壌を回復し、土地劣化に荷担しない世界の達成に尽力する 15.4_2030年までに持続可能な開発に不可欠な便益をもたらす山地生態系の能力を強化するため、生物多様性を含む山地生態系の保全を確実に行う 15.5_自然生息地の劣化を抑制し、生物多様性の損失を阻止し、2020年までに絶滅危惧種を保護し、また絶滅防止するための緊急かつ意味のある対策を講じる 15.6_国際合意に基づき、遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分を推進するとともに、遺伝資源への適切なアクセスを推進する 15.7_保護の対象となっている動植物種の密猟及び違法取引を撲滅するための緊急対策を講じるとともに、違法な野生生物製品の需要と供給の両面に対処する 15.8_2020年までに、外来種の侵入を防止するとともに、これらの種による陸域・海洋生態系への影響を大幅に減少させるための対策を導入し、さらに優先種の駆除または根絶を行う 15.9_2020年までに、生態系と生物多様性の価値を、国や地方の計画策定、開発プロセス及び貧困削減のための戦略及び会計に組み込む 15.a_生物多様性と生態系の保全と持続的な利用のために、あらゆる資金源からの資金の動員及び大幅な増額を行う 15.b_保全や再植林を含む持続可能な森林経営を推進するため、あらゆるレベルのあらゆる供給源から、持続可能な森林経営のための資金の調達と開発途上国への十分なインセンティブ付与のための相当量の資源を動員する 15.c_持続的な生計機会を追求するために地域コミュニティの能力向上を図る等、保護種の密猟及び違法な取引に対処するための努力に対する世界的な支援を強化する 16.平和と公正をすべての人に:持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する 16.1_あらゆる場所において、全ての形態の暴力及び暴力に関連する死亡率を大幅に減少させる 16.2_子供に対する虐待、搾取、取引及びあらゆる形態の暴力及び拷問を撲滅する 16.3_国家及び国際的なレベルでの法の支配を促進し、全ての人々に司法への平等なアクセスを提供する 16.4_2030年までに、違法な資金及び武器の取引を大幅に減少させ、奪われた財産の回復及び返還を強化し、あらゆる形態の組織犯罪を根絶する 16.5_あらゆる形態の汚職や贈賄を大幅に減少させる 16.6_あらゆるレベルにおいて、有効で説明責任のある透明性の高い公共機関を発展させる 16.7_あらゆるレベルにおいて、対応的、包摂的、参加型及び代表的な意思決定を確保する 16.8_グローバル・ガバナンス機関への開発途上国の参加を拡大・強化する 16.9_2030年までに、全ての人々に出生登録を含む法的な身分証明を提供する 16.10_国内法規及び国際協定に従い、情報への公共アクセスを確保し、基本的自由を保障する 16.a_特に開発途上国において、暴力の防止とテロリズム・犯罪の撲滅に関するあらゆるレベルでの能力構築のため、国際協力などを通じて関連国家機関を強化する 16.b_持続可能な開発のための非差別的な法規及び政策を推進し、実施する 17.パートナーシップで目標を達成しよう:持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する 資金 17.1_課税及び徴税能力の向上のため、開発途上国への国際的な支援なども通じて、国内資源の動員を強化する 17.2_先進国は、開発途上国に対するODAをGNI比0.7%に、後発開発途上国に対するODAをGNI比0.15~0.20%にするという目標を達成するとの多くの国によるコミットメントを含むODAに係るコミットメントを完全に実施する。ODA供与国が、少なくともGNI比0.20%のODAを後発開発途上国に供与するという目標の設定を検討することを奨励する 17.3_複数の財源から、開発途上国のための追加的資金源を動員する 17.4_必要に応じた負債による資金調達、債務救済及び債務再編の促進を目的とした協調的な政策により、開発途上国の長期的な債務の持続可能性の実現を支援し、重債務貧困国(HIPC)の対外債務への対応により債務リスクを軽減する 17.5_後発開発途上国のための投資促進枠組みを導入及び実施する 技術 17.6_科学技術イノベーション(STI)及びこれらへのアクセスに関する南北協力、南南協力及び地域的・国際的な三角協力を向上させる。また、国連レベルをはじめとする既存のメカニズム間の調整改善や、全世界的な技術促進メカニズムなどを通じて、相互に合意した条件において知識共有を進める 17.7_開発途上国に対し、譲許的・特恵的条件などの相互に合意した有利な条件の下で、環境に配慮した技術の開発、移転、普及及び拡散を促進する 17.8_2017年までに、後発開発途上国のための技術バンク及び科学技術イノベーション能力構築メカニズムを完全運用させ、情報通信技術(ICT)をはじめとする実現技術の利用を強化する。:キャパシティ・ビルディング 17.9_全ての持続可能な開発目標を実施するための国家計画を支援するべく、南北協力、南南協力及び三角協力などを通じて、開発途上国における効果的かつ的をしぼった能力構築の実施に対する国際的な支援を強化する 貿易 17.10_ドーハ・ラウンド(DDA)交渉の受諾を含むWTOの下での普遍的でルールに基づいた、差別的でない、公平な多角的貿易体制を促進する 17.11_開発途上国による輸出を大幅に増加させ、特に2020年までに世界の輸出に占める後発開発途上国のシェアを倍増させる 17.12_後発開発途上国からの輸入に対する特恵的な原産地規則が透明で簡略的かつ市場アクセスの円滑化に寄与するものとなるようにすることを含む世界貿易機関(WTO)の決定に矛盾しない形で、全ての後発開発途上国に対し、永続的な無税・無枠の市場アクセスを適時実施する。:体制面:政策・制度的整合性 17.13_政策協調や政策の首尾一貫性などを通じて、世界的なマクロ経済の安定を促進する 17.14_持続可能な開発のための政策の一貫性を強化する 17.15_貧困撲滅と持続可能な開発のための政策の確立・実施にあたっては、各国の政策空間及びリーダーシップを尊重する。:マルチステークホルダー・パートナーシップ 17.16_全ての国々、特に開発途上国での持続可能な開発目標の達成を支援すべく、知識、専門的知見、技術及び資金源を動員、共有するマルチステークホルダー・パートナーシップによって補完しつつ、持続可能な開発のためのグローバル・パートナーシップを強化する 17.17_さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略を基にした、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励・推進する。:データ、モニタリング、説明責任 17.18_2020年までに、後発開発途上国及び小島嶼開発途上国を含む開発途上国に対する能力構築支援を強化し、所得、性別、年齢、人種、民族、居住資格、障害、地理的位置及びその他各国事情に関連する特性別の質が高く、タイムリーかつ信頼性のある非集計型データの入手可能性を向上させる 17.19_2030年までに、持続可能な開発の進捗状況を測るGDP以外の尺度を開発する既存の取組を更に前進させ、開発途上国における統計に関する能力構築を支援する
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tomoya-jinguuji · 5 years
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一 はじめに  平成最後の施政方針演説を、ここに申し述べます。  本年四月三十日、天皇陛下が御退位され、皇太子殿下が翌五月一日に御即位されます。国民こぞって寿(ことほ)ぐことができるよう、万全の準備を進めてまいります。  「内平らかに外成る、地平らかに天成る」  大きな自然災害が相次いだ平成の時代。被災地の現場には必ず、天皇、皇后両陛下のお姿がありました。  阪神・淡路大震災で全焼した神戸市長田の商店街では、皇后陛下が焼け跡に献花された水仙が、復興のシンボルとして、今なお、地域の人々の記憶に刻まれています。  商店街の皆さんは、復興への強い決意と共に、震災後すぐに仮設店舗で営業を再開。全国から集まった延べ二百万人を超えるボランティアも復興の大きな力となりました。かつて水仙が置かれた場所は今、公園に生まれ変わり、子どもたちの笑顔であふれています。  東日本大震災の直後、仙台市の避難所を訪れた皇后陛下に、一人の女性が花束を手渡しました。津波によって大きな被害を受けた自宅の庭で、たくましく咲いていた水仙を手に、その女性はこう語ったそうです。  「この水仙のように、私たちも頑張ります。」  東北の被災地でも、地元の皆さんの情熱によって、復興は一歩一歩着実に進んでいます。平成は、日本人の底力と、人々の絆(きずな)がどれほどまでにパワーを持つか、そのことを示した時代でもありました。  「しきしまの 大和心のをゝしさは ことある時ぞ あらはれにける」  明治、大正、昭和、平成。日本人は幾度となく大きな困難に直面した。しかし、そのたびに、大きな底力を発揮し、人々が助け合い、力を合わせることで乗り越えてきました。  急速に進む少子高齢化、激動する国際情勢。今を生きる私たちもまた、立ち向かわなければならない。私たちの子や孫の世代に、輝かしい日本を引き渡すため、共に力を合わせなければなりません。  平成の、その先の時代に向かって、日本の明日を、皆さん、共に、切り拓いていこうではありませんか。 二 全世代型社会保障への転換 (成長と分配の好循環)  この六年間、三本の矢を放ち、経済は十%以上成長しました。国・地方合わせた税収は二十八兆円増加し、来年度予算における国の税収は過去最高、六十二兆円を超えています。  そして、この成長の果実を、新三本の矢によって、子育て支援をはじめ現役世代へと大胆に振り向けてきました。  児童扶養手当の増額、給付型奨学金の創設を進める中で、ひとり親家庭の大学進学率は二十四%から四十二%に上昇し、悪化を続けてきた子どもの相対的貧困率も、初めて減少に転じ、大幅に改善しました。平成五年以来、一貫して増加していた現役世代の生活保護世帯も、政権交代後、八万世帯、減少いたしました。  五年間で五十三万人分の保育の受け皿を整備した結果、昨年、待機児童は六千人減少し、十年ぶりに二万人を下回りました。子育て世代の女性就業率は七ポイント上昇し、新たに二百万人の女性が就業しました。  成長の果実をしっかりと分配に回すことで、次なる成長につながっていく。「成長と分配の好循環」によって、アベノミクスは今なお、進化を続けています。 (教育無償化)  我が国の持続的な成長にとって最大の課題は、少子高齢化です。平成の三十年間で、出生率は一・五七から一・二六まで落ち込み、逆に、高齢化率は十%から三十%へと上昇しました。  世界で最も速いスピードで少子高齢化が進む我が国にあって、もはや、これまでの政策の延長線上では対応できない。次元の異なる政策が必要です。  子どもを産みたい、育てたい。そう願う皆さんの希望を叶(かな)えることができれば、出生率は一・八まで押し上がります。しかし��子どもたちの教育にかかる負担が、その大きな制約となってきました。  これを社会全体で分かち合うことで、子どもたちを産み、育てやすい日本へと、大きく転換していく。そのことによって、「希望出生率一・八」の実現を目指します。  十月から三歳から五歳まで全ての子どもたちの幼児教育を無償化いたします。小学校・中学校九年間の普通教育無償化以来、実に七十年ぶりの大改革であります。  待機児童ゼロの目標は、必ず実現いたします。今年度も十七万人分の保育の受け皿を整備します。保育士の皆さんの更なる処遇改善を行います。自治体の裁量を拡大するなどにより、学童保育の充実を進めます。  来年四月から、公立高校だけでなく、私立高校も実質無償化を実現します。真に必要な子どもたちの高等教育も無償化し、生活費をカバーするために十分な給付型奨学金を支給します。  家庭の経済事情にかかわらず、子どもたちの誰もが、自らの意欲と努力によって明るい未来をつかみ取ることができる。そうした社会を創り上げてこそ、アベノミクスは完成いたします。  子どもたちこそ、この国の未来そのものであります。  多くの幼い命が、今も、虐待によって奪われている現実があります。僅か五歳の女の子が、死の間際に綴(つづ)ったノートには、日本全体が大きなショックを受けました。  子どもたちの命を守るのは、私たち大人全員の責任です。  あのような悲劇を二度と繰り返してはなりません。何よりも子どもたちの命を守ることを最優先に、児童相談所の体制を抜本的に拡充し、自治体の取組を警察が全面的にバックアップすることで、児童虐待の根絶に向けて総力を挙げてまいります。 (一億総活躍)  女性比率僅か三%の建設業界に、女性たちと共に飛び込んだ中小企業があります。時短勤務の導入、託児所の設置などに積極的に取り組み、職人の三割は女性です。  彼女たちが企画した健康に優しい塗料は、家庭用の人気商品となりました。女性でも使いやすい軽量の工具は、高齢の職人たちにも好んで使われるようになりました。この企業の売上げは、三年で二倍、急成長を遂げています。  女性の視点が加わることにより、女性たちが活躍することにより、日本の景色は一変する。人口が減少する日本にあって、次なる成長の大きなエンジンです。  女性活躍推進法を改正し、このうねりを全国津々浦々の中小企業にも広げます。十分な準備期間を設け、経営者の皆さんの負担の軽減を図りながら、女性の働きやすい環境づくりに取り組む中小企業を支援してまいります。  パワハラ、セクハラの根絶に向け、社会が一丸となって取り組んでいかなければなりません。全ての事業者にパワハラ防止を義務付けます。セクハラの相談を理由とした不利益取扱いを禁止するほか、公益通報者保護に向けた取組を強化し、誰もが働きやすい職場づくりを進めてまいります。  働き方改革。いよいよ待ったなしであります。  この四月から、大企業では、三六協定でも超えてはならない、罰則付きの時間外労働規制が施行となります。企業経営者の皆さん。改革の時は来ました。準備はよろしいでしょうか。  長年続いてきた長時間労働の慣行を断ち切ることで、育児や介護など様々な事情を抱える皆さんが、その事情に応じて働くことができる。誰もがその能力を思う存分発揮できる社会に向かって、これからも、働き方改革を全力で推し進めてまいります。  障害者の皆さんにも、やりがいを感じながら、社会でその能力を発揮していただきたい。障害者雇用促進法を改正し、就労の拡大を更に進めます。  人生百年時代の到来は、大きなチャンスです。  元気で意欲ある高齢者の方々に、その経験や知恵を社会で発揮していただくことができれば、日本はまだまだ成長できる。生涯現役の社会に向かって、六十五歳まで継続雇用することとしている現行制度を見直し、七十歳まで就労機会を確保できるよう、この夏までに計画を策定し、実行に移します。  この五年間、生産年齢人口が四百五十万人減少する中にあっても、多くの女性や高齢者の皆さんが活躍することで、就業者は、逆に二百五十万人増加いたしました。女性も男性も、お年寄りも若者も、障害や難病のある方も、全ての人に活躍の機会を作ることができれば、少子高齢化も必ずや克服できる。  平成の、その先の時代に向かって、「一億総活躍社会」を、皆さん、共に、創り上げていこうではありませんか。 (全世代型社会保障)  少子高齢化、そして人生百年の時代にあって、我が国が誇る社会保障の在り方もまた大きく変わらなければならない。お年寄りだけではなく、子どもたち、子育て世代、更には、現役世代まで、広く安心を支えていく。全世代型社会保障への転換を成し遂げなければなりません。  高齢化が急速に進む中で、家族の介護に、現役世代は大きな不安を抱いています。介護のために仕事を辞めなければならない、やりがいを諦めなければならないような社会はあってはなりません。  現役世代の安心を確保するため、「介護離職ゼロ」を目指し、引き続き全力を尽くします。  二〇二〇年代初頭までに五十万人分の介護の受け皿を整備します。ロボットを活用するなど現場の負担軽減を進めるとともに、十月からリーダー級職員の方々に月額最大八万円の処遇改善を行います。  認知症対策の強化に向けて、夏までに新オレンジプランを改定します。認知症カフェを全市町村で展開するなど、認知症の御家族を持つ皆さんを、地域ぐるみで支え、その負担を軽減します。  勤労統計について、長年にわたり、不適切な調査が行われてきたことは、セーフティネットへの信頼を損なうものであり、国民の皆様にお詫び申し上げます。雇用保険、労災保険などの過少給付について、できる限り速やかに、簡便な手続で、不足分をお支払いいたします。基幹統計について緊急に点検を行いましたが、引き続き、再発防止に全力を尽くすとともに、統計の信頼回復に向け、徹底した検証を行ってまいります。  全世代型社会保障への転換とは、高齢者の皆さんへの福祉サービスを削減する、との意味では、全くありません。むしろ、高齢者の皆さんに引き続き安心してもらえることが大前提であります。  六十五歳以上の皆さんにも御負担いただいている介護保険料について、年金収入が少ない方々を対象に、十月から負担額を三分の二に軽減します。年金生活者の方々に、新たに福祉給付金を年間最大六万円支給し、所得をしっかりと確保してまいります。  こうした社会保障改革と同時に、その負担を次の世代へと先送りすることのないよう、二〇二五年度のプライマリーバランス黒字化目標の実現に向け、財政健全化を進めます。  少子高齢化を克服し、全世代型社会保障制度を築き上げるために、消費税率の引上げによる安定的な財源がどうしても必要です。十月からの十%への引上げについて、国民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。  八%への引上げ時の反省の上に、経済運営に万全を期してまいります。  増税分の五分の四を借金返しに充てていた、消費税の使い道を見直し、二兆円規模を教育無償化などに振り向け、子育て世代に還元いたします。軽減税率を導入するほか、プレミアム商品券の発行を通じて、所得の低い皆さんなどの負担を軽減します。  同時に、来たるべき外国人観光客四千万人時代を見据え、全国各地の中小・小規模事業者の皆さんにキャッシュレス決済を普及させるため、思い切ったポイント還元を実施します。自動車や住宅への大幅減税を行い、しっかりと消費を下支えします。  来年度予算では、頂いた消費税を全て還元する規模の十二分な対策を講じ、景気の回復軌道を確かなものとすることで、「戦後最大のGDP六百兆円」に向けて着実に歩みを進めてまいります。 三 成長戦略 (デフレマインドの払拭)  平成の日本経済はバブル崩壊から始まりました。  出口の見えないデフレに苦しむ中で、企業は人材への投資に消極的になり、若者の就職難が社会問題となりました。設備投資もピーク時から三割落ち込み、未来に向けた投資は先細っていきました。  失われた二十年。その最大の敵は、日本中に蔓延したデフレマインドでありました。  この状況に、私たちは三本の矢で立ち向かいました。  早期にデフレではないという状況を作り、企業の設備投資は十四兆円増加しました。二十年間で最高となっています。人手不足が深刻となって、人材への投資も息を吹き返し、五年連続で今世紀最高水準の賃上げが行われました。経団連の調査では、この冬のボーナスは過去最高です。  日本企業に、再び、未来へ投資する機運が生まれてきた。デフレマインドが払拭されようとしている今、未来へのイノベーションを、大胆に後押ししていきます。 (第四次産業革命)  世界は、今、第四次産業革命の真っただ中にあります。人工知能、ビッグデータ、IoT、ロボットといったイノベーションが、経済社会の有り様を一変させようとしています。  自動運転は、高齢者の皆さんに安全・安心な移動手段をもたらします。体温や血圧といった日々の情報を医療ビッグデータで分析すれば、病気の早期発見も可能となります。  新しいイノベーションは、様々な社会課題を解決し、私たちの暮らしを、より安心で、より豊かなものとする、大きな可能性に満ちている。こうしたSociety 5.0を、世界に先駆けて実現することこそ、我が国の未来を拓く成長戦略であります。  時代遅れの規制や制度を大胆に改革いたします。  交通に関わる規制を全面的に見直し、安全性の向上に応じ、段階的に自動運転を解禁します。寝たきりの高齢者などが、自宅にいながら、オンラインで診療から服薬指導まで一貫して受けられるよう、関係制度を見直します。外国語やプログラミングの専門家による遠隔教育を、五年以内に全ての小中学校で受けられるようにします。  電波は国民共有の財産です。経済的価値を踏まえた割当制度への移行、周波数返上の仕組みの導入など、有効活用に向けた改革を行います。携帯電話の料金引下げに向け、公正な競争環境を整えます。  電子申請の際の紙の添付書類を全廃します。行政手続の縦割りを打破し、ワンストップ化を行うことで、引っ越しなどの際に同じ書類の提出を何度も求められる現状を改革します。  急速な技術進歩により、経済社会が加速度的に変化する時代にあって最も重要な政府の役割は、人々が信頼し、全員が安心して新しいシステムに移行できる環境を整えることだと考えます。  膨大な個人データが世界を駆け巡る中では、プライバシーやセキュリティを保護するため、透明性が高く、公正かつ互恵的なルールが必要です。その上で、国境を越えたデータの自由な流通を確保する。米国、欧州と連携しながら、信頼される、自由で開かれた国際データ流通網を構築してまいります。  人工知能も、あくまで人間のために利用され、その結果には人間が責任を負わなければならない。我が国がリードして、人間中心のAI倫理原則を打ち立ててまいります。  イノベーションがもたらす社会の変化から、誰一人取り残されてはならない。この夏策定するAI戦略の柱は、教育システムの改革です。  来年から全ての小学校でプログラミングを必修とします。中学校、高校でも、順次、情報処理の授業を充実し、必修化することで、子どもたちの誰もが、人工知能などのイノベーションを使いこなすリテラシーを身に付けられるようにします。  我が国から、新たなイノベーションを次々と生み出すためには、知の拠点である大学の力が必要です。若手研究者に大いに活躍の場を与え、民間企業との連携に積極的な大学を後押しするため、運営費交付金の在り方を大きく改革してまいります。  経済活動の国境がなくなる中、日本企業の競争力、信頼性を一層グレードアップさせるために、企業ガバナンスの更なる強化が求められています。社外取締役の選任、役員報酬の開示など、グローバルスタンダードに沿って、これからもコーポレートガバナンス改革を進めてまいります。 (中小・小規模事業者)  中小・小規模事業者の海外輸出は、バブル崩壊後、二倍に拡大しました。  下請から脱し、自ら販路を開拓する。オンリーワンのワザを磨く。全国三百六十万者の中小・小規模事業者の皆さんは、様々な困難にあっても、歯を食いしばって頑張ってきました。バブル崩壊後の日本経済を支え、我が国の雇用の七割を守ってきたのは、こうした中小・小規模事業者の皆さんです。  新しいチャレンジをものづくり補助金で応援します。全国的に人手不足が深刻となる中で、IT補助金、持続化補助金により、生産性向上への取組も後押しします。  四月から、即戦力となる外国人材を受け入れます。多くの優秀な方々に日本に来ていただき、経済を担う一員となっていただくことで、新たな成長につなげます。働き方改革のスタートを見据え、納期負担のしわ寄せを禁止するなど、取引慣行の更なる改善を進めます。  後継者の確保も大きな課題です。四十七都道府県の事業引継ぎ支援センターでマッチングを行うとともに、相続税を全額猶予する事業承継税制を個人事業主に拡大します。  TPPやEUとの経済連携協定は、高い技術力を持つ中小���小規模事業者の皆さんにとって、海外展開の大きなチャンスです。「総合的なTPP等関連政策大綱」に基づき、海外でのマーケティング、販路開拓を支援してまいります。 四 地方創生 (農林水産新時代)  安全でおいしい日本の農産物にも、海外展開の大きなチャンスが広がります。農林水産品の輸出目標一兆円も、もう手の届くところまで来ました。  同時に、農家の皆さんの不安にもしっかり向き合います。二次補正予算も活用し、体質改善、経営安定化に万全を尽くします。  素晴らしい田園風景、緑あふれる山並み、豊かな海、伝統ある故郷(ふるさと)。我が国の国柄を守ってきたのは、全国各地の農林水産業です。美しい棚田を次の世代に引き渡していくため、中山間地域への直接支払などを活用し、更に、総合的な支援策を講じます。  農こそ、国の基です。  守るためにこそ、新たな挑戦を進めなければならない。若者が夢や希望を持って飛び込んでいける「強い農業」を創ります。この六年間、新しい農林水産業を切り拓くために充実させてきた政策を更に力強く展開してまいります。  農地バンクの手続を簡素化します。政権交代前の三倍、六千億円を上回る土地改良予算で、意欲と能力ある担い手への農地集積を加速し、生産性を高めます。  国有林野法を改正します。長期間、担い手に国有林の伐採・植林を委ねることで、安定した事業を可能とします。美しい森を守るため、水源の涵養、災害防止を目的とした森林環境税を創設します。  水産業の収益性をしっかりと向上させながら、資源の持続的な利用を確保する。三千億円を超える予算で、新しい漁船や漁具の導入など、浜の皆さんの生産性向上への取組を力強く支援します。  平成の、その先の時代に向かって、若者が自らの未来を託すことができる「農林水産新時代」を、皆さん、共に、築いていこうではありませんか。 (観光立国)  田植え、稲刈り。石川県能登町にある五十軒ほどの農家民宿には、直近で一万三千人を超える観光客が訪れました。アジアの国々に加え、米国、フランス、イタリア、イスラエルなど、二十か国以上から外国人観光客も集まります。  昨年、日本を訪れる外国人観光客は、六年連続で過去最高を更新し、三千万人の大台に乗りました。北海道、東北、北陸、九州で三倍以上、四国で四倍以上、沖縄では五倍以上に増えています。消費額にして、四兆五千億円の巨大市場。  観光立国によって、全国津々浦々、地方創生の核となる、たくましい一大産業が生まれました。  来年の四千万人目標に向かって、海外と地方をつなぐ空の玄関口、羽田、成田空港の発着枠を八万回増やします。世界一安全・安心な国を実現するため、テロ対策などの一層の強化に取り組みます。国際観光旅客税を活用し、主要な鉄道や観光地で表示の多言語化を一気に加速します。  来年三月の供用開始に向け、那覇空港第二滑走路の建設を進めます。発着枠を大幅に拡大することで、アジアと日本とをつなぐハブ機能を強化してまいります。  北海道では、昨年、フィリピンからの新たな直行便など、新千歳空港の国際線が二十五便増加しました。雄大な自然を活かした体験型ツーリズムの拡大を後押しします。広くアイヌ文化を発信する拠点を白老町に整備し、アイヌの皆さんが先住民族として誇りを持って生活できるよう取り組みます。 (地方創生)  観光資源などそれぞれの特色を活かし、地方が、自らのアイデアで、自らの未来を切り拓く。これが安倍内閣の地方創生です。  地方の皆さんの熱意を、引き続き一千億円の地方創生交付金で支援します。地方の財政力を強化し、税源の偏在を是正するため、特別法人事業税を創設します。  十年前、東京から地方への移住相談は、その半分近くが六十歳代以上でした。しかし、足元では、相談自体十倍以上に増加するとともに、その九割が五十歳代以下の現役世代で占められています。特に、三十歳未満の若者の相談件数は、五十倍以上になりました。  若者たちの意識が変わってきた今こそ、大きなチャンスです。地方に魅力を感じ、地方に飛び込む若者たちの背中を力強く後押ししてまいります。  地域おこし協力隊を、順次八千人規模へと拡大します。東京から地方へ移住し、起業・就職する際には、最大三百万円を支給し、地方への人の流れを加速します。  若者たちの力で、地方の輝ける未来を切り拓いてまいります。 (国土強靱(じん)化)  集中豪雨、地震、激しい暴風、異常な猛暑。昨年、異次元の災害が相次ぎました。もはや、これまでの経験や備えだけでは通用しない。命に関わる事態を「想定外」と片付けるわけにはいきません。  七兆円を投じ、異次元の対策を講じます。  全国で二千を超える河川、一千か所のため池の改修、整備、一千キロメートルに及ぶブロック塀の安全対策を行い、命を守る防災・減災に取り組みます。  四千キロメートルを超える水道管の耐震化、八千か所のガソリンスタンドへの自家発電の設置を進め、災害時にも維持できる、強靱(じん)なライフラインを整備します。  風水害専門の広域応援部隊を全ての都道府県に立ち上げ、人命救助体制を強化します。  ハードからソフトまであらゆる手を尽くし、三年間集中で、災害に強い国創り、国土強靱(じん)化を進めてまいります。 (東日本大震災からの復興)  九月二十日からいよいよラグビーワールドカップが始まります。五日後には、強豪フィジーが岩手県釜石のスタジアムに登場します。  津波で大きな被害を受けた場所に、地元の皆さんの復興への熱意と共に建設されました。世界の一流プレーヤーたちの熱戦に目を輝かせる子どもたちは、必ずや、次の時代の東北を担う大きな力となるに違いありません。  東北の被災地では、この春までに、四万七千戸を超える住まいの復興が概ね完了し、津波で浸水した農地の九割以上が復旧する見込みです。  原発事故で大きな被害を受けた大熊町では、この春、町役場が八年ぶりに、町に戻ります。  家々の見回り、草刈り、ため池の管理。将来の避難指示解除を願う地元の皆さんの地道な活動が実を結びました。政府も、インフラ整備など住民の皆さんの帰還に向けた環境づくりを進めます。  福島の復興なくして東北の復興なし。東北の復興なくして日本の再生なし。復興が成し遂げられるその日まで、国が前面に立って、全力を尽くして取り組んでまいります。  来年、日本にやってくる復興五輪。その聖火リレーは福島からスタートします。最初の競技も福島で行われます。東日本大震災から見事に復興した東北の姿を、皆さん、共に、世界に発信しようではありませんか。 五 戦後日本外交の総決算 (公正な経済ルールづくり)  昨年末、TPPが発効しました。来月には、欧州との経済連携協定も発効します。  いずれも単に関税の引下げにとどまらない。知的財産、国有企業など幅広い分野で、透明性の高い、公正なルールを整備しています。次なる時代の、自由で、公正な経済圏のモデルです。  自由貿易が、今、大きな岐路に立っています。  WTOが誕生して四半世紀、世界経済は、ますます国境がなくなり、相互依存を高めています。新興国は目覚ましい経済発展を遂げ、経済のデジタル化が一気に進展しました。  そして、こうした急速な変化に対する不安や不満が、時に保護主義への誘惑を生み出し、国と国の間に鋭い対立をも生み出しています。  今こそ、私たちは、自由貿易の旗を高く掲げなければならない。こうした時代だからこそ、自由で、公正な経済圏を世界へと広げていくことが、我が国の使命であります。  昨年九月の共同声明に則って、米国との交渉を進めます。広大な経済圏を生み出すRCEPが、野心的な協定となるよう、大詰めの交渉をリードしてまいります。  国際貿易システムの信頼を取り戻すためには、WTOの改革も必要です。米国や欧州と共に、補助金やデータ流通、電子商取引といった分野で、新しい時代の公正なルールづくりを我が国がリードする。その決意であります。 (安全保障政策の再構築)  平成の、その先の時代に向かって、日本外交の新たな地平を切り拓く。今こそ、戦後日本外交の総決算を行ってまいります。  我が国の外交・安全保障の基軸は、日米同盟です。  平和安全法制の成立によって、互いに助け合える同盟は、その絆(きずな)を強くした。日米同盟は今、かつてなく強固なものとなっています。  そうした深い信頼関係の下に、抑止力を維持しながら、沖縄の基地負担の軽減に取り組んでまいります。これまでの二十年以上に及ぶ沖縄県や市町村との対話の積み重ねの上に、辺野古移設を進め、世界で最も危険と言われる普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現してまいります。  自らの手で自らを守る気概なき国を、誰も守ってくれるはずがない。安全保障政策の根幹は、我が国自身の努力に他なりません。  冷戦の終結と共に始まった平成の三十年間で、我が国を取り巻く安全保障環境は激変しました。そして今、この瞬間も、これまでとは桁違いのスピードで、厳しさと不確実性を増している現実があります。  テクノロジーの進化は、安全保障の在り方を根本的に変えようとしています。サイバー空間、宇宙空間における活動に、各国がしのぎを削る時代となりました。  もはや、これまでの延長線上の安全保障政策では対応できない。陸、海、空といった従来の枠組みだけでは、新たな脅威に立ち向かうことは不可能であります。  国民の命と平和な暮らしを、我が国自身の主体的・自主的な努力によって、守り抜いていく。新しい防衛大綱の下、そのための体制を抜本的に強化し、自らが果たし得る役割を拡大します。サイバーや宇宙といった領域で我が国が優位性を保つことができるよう、新たな防衛力の構築に向け、従来とは抜本的に異なる速度で変革を推し進めてまいります。 (地球儀俯瞰(ふかん)外交の総仕上げ)  我が国の平和と繁栄を確固たるものとしていく。そのためには、安全保障の基盤を強化すると同時に、平和外交を一層力強く展開することが必要です。  この六年間、積極的平和主義の旗の下、国際社会と手を携えて、世界の平和と繁栄にこれまで以上の貢献を行ってきた。地球儀を俯瞰(ふかん)する視点で、積極的な外交を展開してまいりました。  平成の、その先の時代に向かって、いよいよ総仕上げの時です。  昨年秋の訪中によって、日中関係は完全に正常な軌道へと戻りました。「国際スタンダードの下で競争から協調へ」、「互いに脅威とはならない」、そして「自由で公正な貿易体制を共に発展させていく」。習近平主席と確認した、今後の両国の道しるべとなる三つの原則の上に、首脳間の往来を重ね、政治、経済、文化、スポーツ、青少年交流をはじめ、あらゆる分野、国民レベルでの交流を深めながら、日中関係を新たな段階へと押し上げてまいります。  ロシアとは、国民同士、互いの信頼と友情を深め、領土問題を解決して、平和条約を締結する。戦後七十年以上残されてきた、この課題について、次の世代に先送りすることなく、必ずや終止符を打つ、との強い意志を、プーチン大統領と共有しました。首脳間の深い信頼関係の上に、一九五六年宣言を基礎として、交渉を加速してまいります。  北朝鮮の核、ミサイル、そして最も重要な拉致問題の解決に向けて、相互不信の殻を破り、次は私自身が金正恩委員長と直接向き合い、あらゆるチャンスを逃すことなく、果断に行動いたします。北朝鮮との不幸な過去を清算し、国交正常化を目指します。そのために、米国や韓国をはじめ国際社会と緊密に連携してまいります。  北東アジアを真に安定した平和と繁栄の地にするため、これまでの発想にとらわれない、新しい時代の近隣外交を力強く展開いたします。  そして、インド洋から太平洋へと至る広大な海と空を、これからも、国の大小にかかわらず、全ての国に恩恵をもたらす平和と繁栄の基盤とする。このビジョンを共有する全ての国々と力を合わせ、日本は、「自由で開かれたインド太平洋」を築き上げてまいります。 (世界の中の日本外交)  中東地域の国々とは、長年、良好な関係を築いてきました。その歴史の上に、中東の平和と安定のため、日本独自の視点で積極的な外交を展開してまいります。  TICADがスタートして三十年近くが経ち、躍動するアフリカはもはや援助の対象ではありません。共に成長するパートナーです。八月にTICADを開催し、アフリカが描く夢を力強く支援していきます。  世界の平和と繁栄のために、日本外交が果たすべき役割は大きなものがある。地球規模課題の解決についても、日本のリーダーシップに強い期待が寄せられています。  我が国は四年連続で温室効果ガスの排出量を削減しました。他方で、長期目標である二〇五〇年八十%削減のためには非連続的な大幅削減が必要です。環境投資に積極的な企業の情報開示を進め、更なる民間投資を呼び込むという、環境と成長の好循環を回すことで、水素社会の実現など革新的なイノベーションを、我が国がリードしてまいります。  プラスチックによる海洋汚染が、生態系への大きな脅威となっています。美しい海を次の世代に引き渡していくため、新たな汚染を生み出さない世界の実���を目指し、ごみの適切な回収・処分、海で分解される新素材の開発など、世界の国々と共に、海洋プラスチックごみ対策に取り組んでまいります。  本年六月、主要国のリーダーたちが一堂に会するG20サミットを、我が国が議長国となり、大阪で開催します。  世界経済の持続的成長、自由で公正な貿易システムの発展、持続可能な開発目標、地球規模課題への新たな挑戦など、世界が直面する様々な課題について、率直な議論を行い、これから世界が向かうべき未来像をしっかりと見定めていく。そうしたサミットにしたいと考えています。  これまでの地球儀俯瞰(ふかん)外交の積み重ねの上に、各国首脳と築き上げた信頼関係の下、世界の中で日本が果たすべき責任を、しっかりと果たしていく決意です。  平成の、その先の時代に向かって、新しい日本外交の地平を拓き、世界から信頼される日本を、皆さん、勇気と誇りを持って、共に、創り上げていこうではありませんか。 六 おわりに  二〇二五年、日本で国際博覧会が開催されます。  一九七〇年の大阪万博。リニアモーターカー、電気自動車、携帯電話。夢のような未来社会に、子どもたちは胸を躍らせました。  「驚異の世界への扉を、いつか開いてくれる鍵。それは、科学に違いない。」  会場で心震わせた八歳の少年は、その後、科学の道に進み、努力を重ね、世界で初めてiPS細胞の作製に成功しました。ノーベル生理学・医学賞を受賞し、今、難病で苦しむ世界の人々に希望の光をもたらしています。  二〇二〇年、二〇二五年を大きなきっかけとしながら、次の世代の子どもたちが輝かしい未来に向かって大きな「力」を感じることができる、躍動感あふれる時代を、皆さん、共に、切り拓いていこうではありませんか。  憲法は、国の理想を語るもの、次の時代への道しるべであります。私たちの子や孫の世代のために、日本をどのような国にしていくのか。大きな歴史の転換点にあって、この国の未来をしっかりと示していく。国会の憲法審査会の場において、各党の議論が深められることを期待いたします。  平成の、その先の時代に向かって、日本の明日を切り拓く。皆さん、共に、その責任を果たしていこうではありませんか。  御清聴ありがとうございました。
第百九十八回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説
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これまで有効な治療法がなかった脊髄損傷。不慮の事故などで重い後遺症を抱えた患者は、そのまま車いすや寝たきりの生活が続くのが常だった。そんな脊髄損傷患者をめぐる状況が、大きく変わるかもしれない。昨年末、患者自身の細胞を使った画期的な再生医療製品の製造販売が、厚生労働省に承認されたからだ。脊髄損傷の再生医療製品が承認されるのは初めてで、公的医療保険の適用対象となる。開発を主導した札幌医科大学の研究チームによる成果とは。(ジャーナリスト・秋山千佳、森健/Yahoo!ニュース 特集編集部)
点滴翌日、まひしていた肘や膝が動きだした
その動画は、スポーツで脊髄損傷を負った40代の男性がベッドに横たわっている様子から始まる。男性は首から下の四肢がほとんど動かなくなり、寝たきりのまま札幌医科大学附属病院に搬送された。けがから約1カ月半後、ある「細胞」の入った薬剤を点滴で投与された。
すると翌日。男性は、まひしていた肘や膝を屈伸できるようになり、その日のうちに車いすで移動できるほどに回復した。前日までぐったりしていた男性は、笑顔でこう話す。
「まさか自分で(車いすを)こげるとは思いませんでしたね」
さらに回復は続く。車いすどころか、1週目で自分の足で歩きはじめ、6週目には階段の昇降がスムーズにできるようになり、12週目では普通の歩き方に。退院する24週目には、けがで一度はほぼ動かなくなっていた手指を使って、特技のピアノ演奏を披露した。
札幌医科大学附属病院(撮影:工藤了)
「これまでならずっと寝たきりの可能性が高かった人です」
ピアノを弾く画面の男性を指し示して、札幌医科大学の本望修教授は語る。動画は脊髄損傷患者に対する治験の様子を収めたものだ。治験は、本望教授をはじめとする同大学の研究チームが2013年12月から実施した。
脊髄損傷は日本国内で1年間に約5000人が新たに患者になるとされ、後遺症などを抱える慢性期患者は約10万人に上る。これまで傷付いた神経の機能を回復させるのは難しいとされ、手術やリハビリ以外に有効な治療法がなかった。
本望教授は、男性に投与した「間葉系幹細胞」(MSC: Mesenchymal Stem Cell)を使った治療を導き出した研究者であり、脳神経外科医だ。
MSCとは、神経や血管、内臓など体のさまざまな組織に分化する能力を持った幹細胞で、骨髄液中の細胞1万〜10万個に1個の割合で存在する。本望教授が解説する。
「この細胞は、普段から骨髄から血液中に出て体内をぐるぐると回り、全身の新陳代謝に関わっています。そして傷付いたところがあれば、そこに集まって治す性質がある。つまり、われわれの自己治癒力に関わる存在です。ただ、通常は数が少ないから、途中で治りが止まってしまう。そんな細胞を人為的に採取して大量に培養し、体内に戻すことで『自己治癒力を高める』というのがこの治療のコンセプトです」
札幌医科大学医学部附属フロンティア医学研究所の本望修教授(撮影:工藤了)
骨髄液を採取、幹細胞を培養して、点滴するだけ
治療のポイントは患者ごとに細胞製剤を作ることにある。その製剤に公的医療保険が適用されるには、効果と安全性を証明する治験を行い、医薬品として厚生労働省から承認される必要があった。
培養中のMSC(間葉系幹細胞)。2週間ほどで1万倍に培養し、約40ccの細胞製剤にする(撮影:工藤了)
治験の対象者は、損傷後2週間以内に札幌医科大学附属病院へ入院・転院できる急性期の患者だ。
脊髄損傷を負ったばかりの患者のいる病院や家族から同大学に連絡が入ると、チームの医師がすぐに現地へ赴く。北海道外が多く、遠方だと四国というケースもあったという。検査や意思確認などで問題がなければ、医師同行で同大学附属病院へ搬送する。
そこから3〜4週間で、患者の全身の検査と並行して、投与する細胞製剤の準備を行う。
細胞製剤で治療するには「MSCの採取、培養、投与」という三つのステップがある。まずは、患者の腸骨(お尻の骨)から骨髄液約数十ミリリットルを採取する。本望教授は「細胞は培養して増やせるので骨髄液は少量で済む」と言い、局所麻酔で10分ほどで終了する。その後、骨髄液からMSCを取り出して2週間ほどで1万倍(5000万〜2億個)まで培養し、1週間ほどかけて安全性のチェックをしたのち、約40ccの細胞製剤にする。
(図版:ラチカ)
患者の体調と細胞製剤の両方の準備が整うと、パックされた製剤を通常の点滴と同じように、30分〜1時間かけて患者の静脈に投与する。投与は1回のみ。患者の身体的負担が軽いのも、この治療の特徴だ。
治験では、参加した20〜60代の重症患者13人のうち12人が5段階ある機能障害の尺度(完全まひから正常までの5段階)で1段階以上改善する結果になった。冒頭の男性もその一人だが、彼の回復が特別なわけではない。
投与翌日、肘を曲げ、24週目にはスキップも
転落事故によって四肢がまひした別の50代男性も、投与翌日に肘を曲げられるようになった。
4週目には車いすに乗り、歩行訓練も開始。手指が動くようになったことで自ら食事を取れるようにもなった。人に食べさせてもらわずに済むようになるのは、どの患者も特に喜ぶ瞬間だという。16週目には床から自力で立ち上がり、早歩きをし、退院する24週目にはスキップまでできるようになった。
本望教授は言う。
「寝たきりだった人が、仕事に戻れて社会復帰です。今回の治験が13例だけで早期承認されたのは、このように効果が見込めて副作用もないからなのです」
(撮影:工藤了)
厚労省は2015年、「先駆け審査指定制度」を開始した。これは、脊髄損傷のような根治療法がない患者らのため、治験の症例が少なくても安全性が確認でき、「有効性の大幅な改善が見込まれる」(厚労省「先駆け審査指定制度について」)場合、早期に実用化する新制度だ。今回の細胞製剤は、2016年に再生医療等製品の第1回対象品目に選ばれ、その中で最も早く承認された。
MSCを使った今回の細胞製剤は、効果はもちろんのこと、「自家(患者自身の)細胞であり、拒絶反応や副作用の心配がない」(本望教授)というのが大きな強みだ。
今回の承認は7年間の「条件付き」。この期間で作用のメカニズムなどをさらに検証し、効果が確認できれば販売を継続できる。
培養され、製剤化されたMSC。30分から1時間の点滴(静脈内投与)で処置は完了する(撮影:工藤了)
自動的に体を治す性質をもつMSC
本望教授は、地道な研究を30年近く続けてきた。
1989年に札幌医科大学医学部を卒業し、脳神経外科医に。1991年に米ニューヨーク大学、翌年からは米イエール大学で神経再生の研究に従事し、1995年に札幌医大に戻ってからも同様の研究を続けた。もっとも当時は、「神経再生なんて寝言じゃないのと言われるような時代だった」という。神経細胞は再生しない、というのが医学の常識だったからだ。
研究は神経そのものから採取した細胞の移植から始まり、ES細胞(胚性幹細胞)を試した時期もあった。その後、倫理面や実用面のハードルの高さを感じ、別の細胞で代用できないか模索するようになった。
共同研究を進める米イエール大・ジェフリー・コーシス教授が札幌医大を訪問した際に研究チームと(撮影:工藤了)
そんな折、動物実験で骨髄液を移植してみると、微弱ながら神経機能が回復す���ことに気づいた。そこで骨髄液中のあらゆる細胞を採取し、どんな治療効果があるか一つずつ検証していくうち、90年代末に行き着いたのがMSCだった。
MSCについては、その時点では知見が乏しかった。だが、研究していく過程で、MSCは普段から血流に乗って体内を巡っており、損傷部位があるとそこへ自動的に集まって治す性質があることがわかってきた。その性質を生かして、損傷した局所に注入しなくとも、静脈注射で効果があることが判明し、実用化がぐんと現実的になったという。
動物実験では、脳梗塞や脊髄損傷、パーキンソン病などさまざまな病気で成果を上げた。研究チームの一員で同大学の脳神経外科医、岡真一・特任講師は、2000年に大学院生として関わるようになった。「ラットにMSCを静脈注射する試験をたくさん行う中で、これは人にもいけるかなという手応えはありました」と回想する。
札幌医大医学部附属フロンティア医学研究所・神経再生医療学部門で特任講師を務める岡真一氏。脊髄損傷だけでなく、脳梗塞の再生医療の治験にも関わっている(撮影:工藤了)
脳梗塞で半身まひの人も職場復帰を果たす
本望教授がその手応えを確かなものにしたのは、2007年、脳梗塞の患者に対する臨床研究だったという。
脳梗塞の後遺症で1カ月半ほど半身まひだった男性患者に投与したところ、翌日には、固まっていた手指が動き出した。最終的にはリハビリが不要なほどに回復し、職場復帰を果たした。
ただ、臨床研究はあくまで学術的な位置付けであり、そのままでは新たな治療法として医療現場で普及させることはできない。
折しも同年、文部科学省は、基礎研究の成果を研究者・医師が主導して実用化につなげる「橋渡し研究(トランスレーショナルリサーチ)」を支援する仕組みを立ち上げた。本望教授の研究も、2009年から医師主導治験として推進された。本望教授は「こうした仕組みがなかったら、今もまだ治験を開始できていない状況だったかもしれない」と振り返る。
(撮影:工藤了)
脊髄損傷は、日本では主に整形外科が担当する。そこで2013年に始まった脊髄損傷の治験から���究に携わるようになったのが、同大学の整形外科医で、この治験の責任者の山下敏彦教授だ。
山下教授は本望教授たちの研究について、2007年に脳梗塞の臨床試験を取り上げたテレビ番組を見て知ったという。「脊髄損傷にも応用できるな」と思った一方、「半信半疑の面があった」と振り返る。
「テレビには良くなった患者さんが出ていましたが、すべての患者さんに適用できるか、脊髄損傷でどの程度効果があるかは、正直なところ期待半分、疑問半分でした」
札幌医科大学医学部整形外科学講座の山下敏彦教授(撮影:工藤了)
脊髄損傷は、交通事故や転落事故、転倒やスポーツなどによって、背骨にダメージを負うことで発生する。骨の中を通る中枢神経(脊髄)が押しつぶされたり断裂したりして、正常に機能しなくなる状態だ。脊髄が損傷すると、全身と脳を接続する神経の信号伝達ができなくなり、主に首から下の運動機能や知覚がまひしてしまう。重症の場合は、呼吸障害や排尿排便ができなくなる障害が残ることも多い。さらに自律神経系も機能しなくなって心臓や血管の働きが不安定になり、血栓症や肺炎など様々な合併症を引き起こすこともある。
(図版:ラチカ)
山下教授が効果に半信半疑だったのは、整形外科医としての経験によるものだった。
「脊髄損傷の患者さんが運ばれてくると、『回復することもあるから頑張りましょう』と最初は励まします。ただ、完全まひだとほとんど治らないというのが常識です。まして1カ月経っても動かない場合は、患者さんやご家族に心苦しい残酷な告知をしなければならなかったのです」
治験の過程で目の当たりにしたMSCの細胞製剤の効果は、そうした常識を覆すものだった。
MSCが神経を「賦活化」
投与から1カ月ほどの早期には、損傷部位の残った神経の周辺にMSCが集まり、神経を保護したり、炎症を抑えたりして「賦活化(ふかつか)」させる効果が発揮される、と山下教授は解説する。
「脊髄には何万本もの神経線維が通っています。事故などによる脊髄損傷の場合、すべての神経が完全に切れるというより、神経を包む鞘が押しつぶされているケースが多い。それらの神経は仮死のような状態で、脳からの電気信号が通らなくなっている。そうした神経の鞘をMSCが保護して、伝導を戻すのが賦活化です」
(撮影:工藤了)
神経を電源コードに例えるなら、損傷して中の銅線がむき出しになり、そのままでは使えなくなったものを、再び被膜で覆うことで電気を通せるようにするイメージだという。
回復の後期には、電源コードの銅線にあたる「軸索」という中心部が切れた神経でも、MSCが神経のスプラウティング(発芽)を促して、切れた箇所をバイパスのようにまたいでつなげたり、MSC自体が神経に分化して再生させたりする効果が表れるという。
(撮影:工藤了)
山下教授は2014年からさまざまな学会で治験の成果を発表してきたが、度々「自然回復ではないのか」と言われてきた。一部の機能が残っている不全まひの患者の場合、程度は別として回復の「可能性」はあるからだ。それに対し、山下教授は「通常不全まひの患者さんで回復するのは50%程度ですが、治験で不全まひの人は全員回復していて、しかも全員が投与翌日から良くなった。自然回復では明らかにあり得ないことだ」と反論する。
さらに、完全まひで「今までなら100%回復していない」と断言できるような患者が回復してきたことも、効果が本物だという自信につながったという。
人工呼吸だった男性が電動車いすで自分で移動
交通事故で背骨がずれた60代の男性は、気管挿管して人工呼吸という状態だった。尿路感染症などの合併症もあって、搬送直後は一時命が危ぶまれる状態に至ったという。
それでもMSCを投与後、29日目から回復が始まった。まず左腕を屈曲できるようになった。その2週ほど後には、人工呼吸器を離脱できた。気管切開した人が発声するための器具、スピーチカニューレを着けて話せるようになり、最終的にはスピーチカニューレも不要になった。「話せた時には本人も奥さんも感動して、涙、涙でした」と山下教授は振り返る。24週の退院までに、電動車いすで移動できるほどに回復した。
「治験では13例中12例で1段階以上改善した」と報告する山下教授(撮影:工藤了)
また、治験の13例中最も重症で、ただ一人、機能障害の尺度で1段階の改善が見られなかった20代の男性も、呼吸状態はある程度良くなったという。
冒頭のピアノを弾いて退院していった男性は、今や車で一人旅をし、治験から2年ほど後に突然病院を再訪して、研究チームの人たちを驚かせたという。岡講師は「症状がぶり返すことなく、回復したまま続いているという証明ですよね」と話す。
治験の状況を見ると、「階段状」に回復するのがわかるという(撮影:工藤了)
治験は2017年2月に終了し、翌年6月、同大学と共同開発を進めてきた医薬・医療機器大手のニプロが、細胞製剤「ステミラック注」として厚労省に製造販売の承認を申請した。
自然治癒力を生かした医療へ
そして、ステミラック注は2019年2月20日、厚労相の諮問機関である中央社会保険医療協議会で正式に保険適用が確定した。薬価は1回あたり約1500万円(社会保険の適用で患者の負担は異なる)。当面はニプロの製品供給拠点が札幌に限られることなどから、同大学での年間数十例ほどの治療に限定されるという。治療は損傷から31日以内を目安に実施。急性期の重症患者のみが対象になる。
2018年12月28日、札幌医大で行われた記者会見。札幌医大の塚本泰司学長やニプロの佐野嘉彦社長のほか、高橋はるみ北海道知事も同席した(撮影:工藤了)
ただ、脊髄損傷の患者のほとんどは損傷から時間が経過した慢性期の患者だ。同大学では、慢性期への適応拡大の検討も継続中だという。脳梗塞についても2013年3月から治験が始まっている。
京都大学名誉教授で、医療イノベーション推進センター(TRI)センター長の福島雅典氏は、札幌医大の再生医療に期待を寄せる。
「今回の札幌医大の治験は、厚労省が公開している審査結果報告書を見ると、13人中12人ではっきりとした効果が出ている。しかも、全身まひといった、これまでであれば希望の乏しい人も実質的な機能回復をしている。かつては考えられなかったことです。厚労省が半年も承認を早めたのも、それだけ明確な効果があったのを確認したからです」
神戸市にある公益財団法人神戸医療産業都市推進機構・医療イノベーション推進センター(TRI)の福島雅典センター長(撮影:編集部)
その上で、今後の広がりにも期待する。
「自己骨髄由来製品が販売承認されたのは世界初です。静脈注射で幹細胞を投与する、いわば自己幹細胞静注療法で、人間が本来持っている自然治癒力を生かした医療。脊髄損傷だけでなく、脳梗塞、脳損傷はもちろん、ALS(筋萎縮性側索硬化症)等の神経難病、さらにアルツハイマー病などにも適応拡大できる可能性がある。原理からいくと他の病気にも広く適応拡大していけるでしょう」
今回のMSCによる治療は、「臨床研究」や「臨床試験」、あるいは「治験」とは異なる。それらの実績を重ねたうえで、社会保険が実際の医療に適用されるという実用段階に至ったものだ。現時点では、急性期の脊髄損傷患者に限ったものではあるが、今後は慢性期への応用が期待されている。
本望教授は、開始直後は治療数が限られることなどから、慎重な姿勢を崩さずにこう述べた。
「あまり語ってこなかったのは、苦しんでいる患者さんの期待を高めるように無駄に煽りたくなかったから。僕たちにできるのは、一日も早く患者さんの望む治療をすることだけ。待っている慢性期の人たちを視野に、研究を続けていきます」
(撮影:工藤了)
秋山千佳(あきやま・ちか) ジャーナリスト、九州女子短期大学非常勤講師。1980年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、朝日新聞社に入社。記者として大津、広島の両総局を経て、大阪社会部、東京社会部で事件や教育などを担当。2013年に退社し、フリーのジャーナリストに。著書に『ルポ 保健室 子どもの貧困・虐待・性のリアル』『戸籍のない日本人』。現在、TBSテレビ「ビビット」のレギュラーコメンテーター。公式サイト
森健(もり・けん) ジャーナリスト、専修大学非常勤講師。1968年、東京都生まれ。2012年に『「つなみ」の子どもたち』で第43回大宅壮一ノンフィクション賞、2015年『小倉昌男 祈りと経営』で第22回小学館ノンフィクション大賞を受賞。2017年、同書で第1回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞、ビジネス書大賞2017審査員特別賞受賞。公式サイト
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