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kachoushi · 3 years

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各地句会報

花鳥誌　令和3年1月号

坊城俊樹選

栗林圭魚選　岡田順子選

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令和2年10月1日うづら三日の月句会坊城俊樹　選特選句

広々と切株香る刈田道　英子約束の当てにならぬも温め酒　都秋深し手に残りたる化粧水　同草紅葉園児手つなぐ楕円形　同秋の夜や人に秘す物古りし文　同

（順不同特選句のみ掲載） ………………………………………………………………

令和2年10月3日零の会坊城俊樹選　特選句

色鳥来聖観音は石の膚　千種青き龍彫り込む廟の冷まじく　順子秋さぶの解脱門てふ朱の翳り　炳子秋蝶の思ひありしか秀忠に　三郎護符を買ふ小鳥の空を背にし　順子霊廟の魂とし木の実落つる日よ　はるか光背に東京タワー秋の寺　梓渕鵯騒ぐ正室死後も人寄せず　千種セルロイド褪せて水子の秋日向　光子土饅頭裏の湿りに蚊の残る　光子

岡田順子選　特選句

ずつしりと鐘つき堂にある秋思　美智子色鳥来聖観音は石の膚　千種鰯雲石段やはき襞なせり　千種解脱門出で松茸を食ひに行く　俊樹秋蝶のお江の方へすぢ広げ　慶月鋳造の龍より涙雁渡し　千種和宮の矜持の墓やとべらの実　眞理子鱗雲解くやタワーの赤き針　慶月古墳ともただの丘とも草紅葉　梓渕色なき風地蔵千躰かいくぐり　眞理子

（順不同特選句のみ掲載） ………………………………………………………………

令和2年10月7日立待花鳥俳句会坊城俊樹選　特選句

曼珠沙華消えずに咲いてくれし事　清女生あれば何時か行く道彼岸花　同天高く三途の川を遠くして　同背に止まる地蔵菩薩に法師蟬　誠風立ちて思ひの揺るる芒かな　同オパールの如き目をもち恋の猫　秋子

（順不同特選句のみ掲載） ………………………………………………………………

令和2年10月9日芦原花鳥句会坊城俊樹選　特選句

あかあかと燃え立つ畦のまんじゆさげ　孝子落葉掻太白星は山の端に　よみ子白砂ゆく凪の海射す秋日かな　けんじ

（順不同特選句のみ掲載） ………………………………………………………………

令和2年10月9日鳥取花鳥会岡田順子選　特選句

秋霖や孤児ら遊びし鄙の浜　宇太郎鄙の駅降りて秋霖ありしこと　幸子秋彼岸墓で出合ひし友久し　すみ子もう誰の碑とも分からぬ露の石　都鵙去るが合図ものみな暮れにけり　栄子何かの実爆ぜて赤赤秋日和　都街の灯を望む谷間や虫すだく　宇太郎砂丘秋径あるごとく人の散る　悦子海鳴りを扱き混ぜ靡く芒原　悦子一村が棚田百景曼珠沙華　益恵曼珠沙華燃える一叢屋敷跡　和子

（順不同特選句のみ掲載） ………………………………………………………………

令和2年10月10日札幌花鳥会坊城俊樹選　特選句

秋天や峡の水音遠き日に　独舟秋の風二軒長屋は路地の奥　清卒塔婆ただそれだけや草紅葉　同駆け上がる改札口の秋の空　修子飲み込んだ言葉が梨の重さかな　同秋の灯や触れし半紙の裏表　のりこ草叢に残る温みや秋の蝶　岬月読み返す便箋七枚秋灯下　慧子

（順不同特選句のみ掲載） ………………………………………………………………

令和2年10月10日枡形句会栗林圭魚選　特選句

秋黴雨煉瓦の学��呆けをり　亜栄子年尾忌や魂句碑になほ灯る　白陶散り敷きて雨に際立つ金木犀　秋尚記念樹の影広がりて年尾の忌　多美女金木犀雨に濃く散る仏会かな　文英木犀の香を削ぎ落す雨しとど　秋尚金木犀煉瓦の門を焦がしをり　亜栄子年尾忌や錆びることなき黒御影　ゆう子灯を絶やさぬ想ひ年尾忌に　白陶雨の色昏く宿せる竹の春　秋尚

（順不同特選句のみ掲載） ………………………………………………………………

令和2年10月12日武生花鳥俳句会坊城俊樹選　特選句

廃屋の屋根まで覆ふ蔦紅葉　さよ子無月かと誰かが言ひてより寂し　信子秋深し女人ばかりの喫茶店　久子榠樝の実三角四角戯けたる　みす枝秋高し蓮如上人像凜と　信子手枕の犬の鼾をきく夜長　清女名月や故山ゆつくり離れゆく　信子秋彼岸お供へもなき軍馬の碑　清女満月の夜の講座��曙覧聞く　久子彼岸花あれほどの赤着てみたし　錦子芋の露こぼして去りぬ農婦かな　昭子提灯の磴に斑をなす秋祭　時江

（順不同特選句のみ掲載） ………………………………………………………………

令和2年10月12日なかみち句会栗林圭魚選　特選句

いろり端焦げて集へるきりたんぽ　ます江吊橋や大きく揺れる初紅葉　有有八幡平下山の後のきりたんぽ　せつこ古き文やうやく棄てし日の秋思　貴薫水の音離れぬ径の初紅葉　秋尚初紅葉ある処日の射す処　三無雨音の途切れぬ秋思ありにけり　ます江晩歳に集ふ炉端や切たんぽ　怜出汁染みて箸に崩れるきりたんぽ　三無遺されし靴磨く黙秋淋し　美貴

（順不同特選句のみ掲載） ………………………………………………………………

令和2年10月13日萩花鳥句会

美術館カラフルブレザー爽やかに　祐子螇蚸の飛び付くゾウの滑り台　美恵子観光の飛機の空路に鳥渡る　健雄名月やラインで届く宴模様　陽子言の葉も何も浮かばずそぞろ寒　ゆかり鍬担ぎ家路を急ぐ秋の暮　克弘

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令和2年10月13日さくら花鳥会岡田順子選　特選句

軽やかに電車の影絵刈田行く　みえこ秋の蝶命日参り二頭舞ひ　同秋涼し写経の御堂開け放し　令子秋晴や子と作りたる砂の山　裕子仕事終へ重き体に秋の風　あけみ真直ぐに続く並木の月夜かな　紀子紅の深き深きや鶏頭花　同道問へば指差す方に柿の秋　登美子

（順不同特選句のみ掲載） ………………………………………………………………

令和2年10月16日伊藤柏翠俳句記念館坊城俊樹選　特選句

啄木鳥や故郷に帰る兵の墓　ただし箱膳の流れ着きたる秋の川　同自ら燃ゆるべく燃ゆ曼珠沙華　雪蔦紅葉雁字搦めの出作小屋　みす枝浜の路地ひとつ魔境へ秋の暮　一仁コスモスや風と綾取りしてゐたり　世詩明

（順不同特選句のみ掲載） ………………………………………………………………

令和2年10月18日風月句会坊城俊樹選　特選句

時々は石仏掠め木の実降る　亜栄子秋の雲掴みきれずに母の塔　亜栄子菩提子を手品のごとくぶら下げて　秋尚秋風や武士の声はるかなる　炳子草の実といへぬ実袖につけてゐる　和子圭魚選白も黃も矜持のありて供華の菊　三無吾亦紅蕊に埋み火残しをり　秋尚木端の香あまく山寺冬仕度　和子ますかたに集ふ碑のあり年尾の忌　文英悠然と墓碑の天辺疣毟り　幸風一本の竜胆正室の墓崩れ　慶月古寺の庵の廂や郁子秘色　亜栄子隠沼の水辺明るく末枯るる　斉

（順不同特選句のみ掲載） ………………………………………………………………

令和2年10月21日福井花鳥句会坊城俊樹選　特選句

名月の一と日限りの夜でありし　世詩明駅の名の謂れ繙く夜の秋　千代子越前の山々なべて秋高し　和子十五夜の月の渡れる屋根いくつ　昭子十五夜やむかし兎も臼も在り　令子大花野小さき流れ真ん中に　美代曼珠沙華刈り横たはる阿鼻叫喚　雪猫じやらし野にあらば野の遊びせん　同鈴虫は鳴いてますかと古き文　同

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令和2年10月22日九州花鳥会坊城俊樹選　特選句

十六夜の月は雲間に甍波　洋子無花果や乳首噛みたる子も遥か　成子無花果ややをら柔肌包む和紙　さえこ山彦の栖の標烏瓜　ひとみ射干玉の夜や石榴の熟れすぎぬ　伸子天を衝く寺の石階鰯雲　成子渡り鳥来て賑はひの鼓舞たける　睦子鎖樋から大甕へ秋の水　愛腕白の風に案山子の揺れてをり　さえこ母の手を振り切り駆けし鰯雲　順子無花果の窪みのほどの愁ひかな　桂空つぽになるまで鳴いて蟬骸　豊子無花果や口約束はすぐ乾く　寿美香望の月あげて地軸に狂ひなし　豊子野の風を束ね小菊の香を母へ　朝子秋の寺絵解き上手の僧のゐて　孝子福音の風を信じて小鳥来る　朝子無花果のお八つ昭和の子沢山　豊子秋刀魚焼く流離の色を裏返し　寿美香床屋出て見上げてをりぬ秋の雲　勝利嚔する手の平うすき少女かな　睦子群集の嘆きか風の蘆の花　勝利まぼろしの麒麟出で来よ秋の雲　美穂

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鯖江花鳥俳句会坊城俊樹選　特選句

舟小屋の朽ちたる舟や秋の風　ただし白を着し悪魔の衣裳菊人形　同銀木犀銀の雫をこぼしけり　信子赤とんぼ噂話の輪の中へ　同パラグライダー花野の空を使ひ切る　昭子自分のこと俺と言ふ子や七五三　同露の世の翁の色紙塚に触れ　昭子菊人形美女も野獣も香り良し　みす枝老僧を追かけ廻る赤蜻蛉　世詩明

（順不同特選句のみ掲載）

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#各地句会報

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takahashicleaning · 4 years

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ＴＥＤにて

ジョアン・ハリファックス：慈悲、そして共感の真の意義について

（詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ）

仏教徒であるジョアン・ハリファックス老師は、ホスピスや死刑囚監房など死を目前とした人々の元で活動を行っている。

このスピーチを通してジョアン老師は、死の瀬戸際における慈悲について彼女自身が学んだこと、ダライラマ、インド、ネパール、観音菩薩、脳科学そして、共感の本質についての深い見識を、私たちに伝えてくれる。

これは、テーラワーダ仏教の慈悲の瞑想です。

仏教は、現代から２５５０年ほど前、お釈迦様（「釈迦牟尼仏陀＝通称：ブッダ」とも言われます）によって艱難辛苦（かんなんしんく）の訓練の末

自ら発見、実践、体得、体系化されたテーラワーダ仏教は時代の流れとともに、さまざまな流派に分かれて全世界へと広がってゆきました。

中国・チベット・朝鮮半島や日本には、お釈迦様の死後数百年経って成立した北経由で拡大したの仏教（いわゆる大乗仏教）が伝えられました。

一方、スリランカ・タイ・ミャンマーなどの出家教団によって継承されている南経由で拡大した仏教をテーラワーダ仏教と呼びます（日本では密教と呼ばれる）

つまり、わかりやすく言うと、ブッダの口から直接説かれた形で、現代まで継承されているのが「テーラワーダ仏教」というものです。

時代の流れとともに、さまざまな流派にわかれているけれども根源根本はひとつ！それが、「テーラワーダ仏教」です

アルボムッレ•スマナサーラ長老の本は為になりますので、一読の価値あり！サンガ出版からもでています。

「慈悲」について、今日はお話したいと思います。慈悲というものは、たくさんの側面を持っています。時に激しく、時に怒りとなり、時に優しく、そして、思慮深くもあります。

ダライ・ラマの一説にこんなものがあります。

彼はこう言いました「愛と慈悲は無くてはならないものである。それらは贅沢品ではなく、それら無しに人間は生きていくことが出来ないものなのだ。」と。

私は、愛と慈悲なしで生きていけないのは、人間だけではなく、地球上に存在する全ての生物にも同じことが言えると思っています。

そして、私は、古代インドの大叙事詩である「マハーバーラタ」のある一説を、思い出しました。「ユディシュティラ、この世で一番不思議なこととは一体何だろうか？」そう聞かれ、ユディシュティラはこう答えました。

「この世で一番不思議なことは、私達の周りで、人々は死んでいくのにそれが私達自身にも起こりうるという事に気が付かないことだ。」と。

サンスクリット語も有名です。ヒンドゥー教の礼拝用言語でもあり、仏教でも使用されています。

古代インドの聖典であるヴェーダの1つでもある古代サンスクリット言語は、ヴェーダ語で書かれています。「リグ・ヴェーダ」は、そのうちの一つ。

「リグ・ヴェーダ」は10のマンダラから構成されていて、「マンダラ」とは、一巻、二巻というように「巻（かん）」という意味です。「ヴェーダ」は、「知識」という意味です。

私たちは、疑問に思うかもしれません。慈悲とは、何によって存在しているのでしょうか？慈悲には、様々な面があります。そして、特定の人へ向ける慈悲、生きとし生けるものすべてへの慈悲があります。

しかし、まず慈悲というのは、苦しみの本質をしっかりととらえる能力を必要としています。力強く、その苦しみに耐える力と、私がその苦しみと無関係ではないのだということに気付く力です。

けれど、それだけでは十分でありません。

慈悲は、脳の運動皮質を活発にするのです。つまり、私たちは実際、苦しみを変換させることを熱望しているのです。もし、私たちが恵まれているのなら

それは、苦しみを変換するための活動に参加しているからでしょう。しかし、慈悲はまた別の側面を持ち合わせています。

それはとても大事なものです。それは、結果にこだわりすぎてはいけないということです。

私は、死に行く人々の元で働いてきました。４０年以上に渡ってです。重警備の中の死刑囚監房で、６年間働くことが出来ました。死に行く人々とともに働き、介護人を育てることによって、私自身もたくさんの経験を得て、はっきりとあることに気が付いたのです。

結果にこだわることは、すべての悲しみを見渡す自身のキャパシティーをひどく歪ませることになる、ということに。

監獄のシステム下で働いているときに、別のこともはっきりしました。この部屋にいる私たちの多くは、そして、死刑囚監獄で共に働くほとんど全ての男の人たちは、自身の心にある慈悲の種に、一度も水をやっていないことを。

慈悲というのは、人間が生来持ち合わせているものなのです。ひとりひとりの中にあるのです。しかし、ある特定の状況が慈悲を活性化させたり、強めたりするには、必要とされます。

私たちは、恐怖によって麻痺した社会、世界の中で暮らしています。その中で、もちろん、私たちの慈悲に対するキャパシティーは麻痺しています。恐怖（テラー、テロの語源）という言葉は、世界共通です。そして、恐怖（テラー、テロの語源）を感じるのも、世界共通です。

私たちの仕事は、私たちの世界の精神に染み込んでいる恐怖（テラー、テロの語源）という成虫の根源と精神的に正面から対峙する、向き合うことです。

現在、脳科学によって、慈悲にはいくつかの驚くべき特性があることが明らかになっています。例えば、慈悲を養っている人は、悲しみに暮れているときに、他の多くの人よりも大きな苦しみを感じるという事です。

しかしながら、彼らは、元の場所にずっと早く戻って来ます。立ち直る力と言われています。多くの人は、慈悲を感じることは、私たちを消耗させることだと思っています。

しかし、私は確信を持って言います。慈悲は、私たちを活かしてくれるのだと。

また、別の事もわかっています。脳のすべての部分を繋げている、神経統合を慈悲は高めてくれるということを。エモリー大学やディヴィス大学などの研究者たちは、慈悲は私たちの免疫システムを高めてくれるという事を発見しました。

こんなにも慈悲が素晴らしいものであるなら、皆さんにお聞きしたいことがあります。私たちの子供を、慈悲をもって育てませんか？こんなにも慈悲が素晴らしいものであるなら、健康のために慈悲を身につけさせ、苦しみを軽減させるという彼らの本来為すべきことが為されるようにしませんか？

こんなにも慈悲が素晴らしいものであるなら、慈悲に基づいて、投票しませんか？慈悲を持ちあわせた行政府のメンバーに投票をすれば、もっと��いを思いやれる世界になるのではないでしょうか？

仏教には「強さと柔軟性が兼ね備えなさい」という教えがあります。状況の真っただ中に自分を置くのには、確固とした強さを必要とします。それは、心の平静です。

しかし、また、折れない心を持つには、あるがままの世界を受け入れる柔軟性も必要となってきます。仏教におけるこの模範は、観音菩薩様です。女性の模範です。彼女は、世界中の悲しみを感じ取ります。

彼女は、解放を象徴する道具を手にした1000本の腕をもって、立っています。そして、それぞれの手のひらには、目が付いています。知恵の目です。

何千年もの間、女性たちは生き、世界中の悲しみを感じ、受け止める。観音様の教えに向き合い、実証しつづけてきたのです。

古い教訓にこういう話があります。弥勒菩薩に憧れていたアサンカが、１２年間。洞穴にとじこもっていたあとに、彼は突然「ここから出ていく」と言って、外へ出ていきます。

その後、道を歩いていると、ふと何かを見つけました。それは、犬でした。その犬が足にひどい怪我を負っているのに気が付きます。しかし、その傷は、ウジ虫にたかられていました。

彼は、すぐさま膝をつき、ひるまず自分の舌を出します。どうしてか？ウジ虫を傷つけずに、その傷から取り除くためにです。そうすると、その犬が、瞬く間に慈悲に溢れた仏陀へと姿を変えていきました。という話です。

したがって、大事なことは、あなたが、自分の洞穴から出なきゃいけないということ！あなたは、物質的ではなく、精神的な外の世界へと出てこなければいけないのです！！

詳しくは、多神教であるテーラワーダ仏教の「アビダンマ」という書籍に書いてあります。

皆さんにも、「イラっ」とした感覚が生じる瞬間があるはずです。これは、「憎しみ」と誤解して、表現する書物がたくさんある。

しかし、誤りです。ブッタによると、「憎くて憎くて、あんたが憎い！だから、私の最大の敵なんだ〜」として、「イラっという感覚」と「目の前の敵」をリンクさせたがる。

これも、誤りです。ブッタは「私は、おまえの敵ではない！おまえの敵は自分自身なのだ！」と言います。自分自身ほど手強いライバルはいないとも言います。つまり、人間の特質がそうさせる自我がライバルです！

アインシュタインの相対性理論によるとある時点で光が、トポロジー的に反転して、今、自分の見ている対象が、自分自身の姿として写って脳内が認識してしまう！という現象も計算で判明しており、鏡のようになってしまうこともあり得ます。

「イラっという感覚」と「他者を敵という概念」は、リンクせず、関連もない！ただ単に、自分自身の勘違いと言うこと。これが理解できれば、憎しみの連鎖は断ち切れます。他人に教えても減らないプラスサムのブッタの知恵です。

また、ネイティブアメリカンでも、「イラっ」とする感情は、慈愛、慈しみと言うらしいです。

そして、親、兄弟姉妹は、ウザいという感情表現は、最高の慈愛、慈しみを感じてるから！らしいです。最悪、感情を自分自身で消化できないなら、物理的な距離感を大事にすればいい。ということになります。

２０１８年現在では、サピエンスは20万年前からアフリカで進化し、紀元前3万年に集団が形成され、氷河のまだ残るヨーロッパへ進出。紀元前2万年くらいにネアンデルタール人との生存競争に勝ち残ります。

そして、約1万2千年前のギョベクリ・テペの神殿遺跡（トルコ）から古代シュメール人の可能性もあり得るかもしれないので、今後の発掘作業の進展具合で判明するかもしれません。

メソポタミアのシュメール文明よりも古いことは、年代測定で確認されています。古代エジプトは、約5千年前の紀元前３０００年に人類最初の王朝が誕生しています。

＜おすすめサイト＞

ロジェカイヨワ戦争論と日本の神仏習合との偶然の一致について2019

日本テーラワーダ仏教協会

仏教と物理学

ボブ•サーマン：私たちは、だれでも仏陀になれるという話

ギャレット・リージ：万物のE8理論

マチウ・リカール：慈しみと愛他性（アルトルーイズム）に導かれる生き方

マチウ・リカール：幸せの習慣

カイラシュ・サティーアーティ：怒りの昇華で世界に平和をもたらす方法？

デイヴィッド・ブルックス：人間の本質と社会的動物

ルトハー・ブレフマン：貧困は「人格の欠如」ではなく「金銭の欠乏」である！

ベーシックインカムは、労働市場に対する破壊的イノベーションということ？2020（人間の限界を遥かに超えることが前提条件）

世界の通貨供給量は、幸福の最低ライン人間ひとりで年収６万ドルに到達しているのか？2017

＜提供＞

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hiroshi-zzz · 4 years

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お分かりでしょうか！？そうなんです。この耳に輪っかのように、かかっているこの毛束は一体なんなのかってことなんです。「観音菩薩」にとても多い髪型で、おそらく「もみあげ」なのですが、まとめ損ねたようにも見えないんですよね〜。ちょうど耳の半分あたりのところで輪状になっています。耳たぶは垂れていて、相当大きめのピアスをつけていらっしゃいますね。後ろは、単髻などのようにまとめ上げられ、そこにうまく馴染ませている感じですね。実際に後ろから見ても、どうやったらそのようにナチュラルにセットできるのかわかりませんでした。　現代なら、もみあげだけ別にして、後からヘアピンで留めればいいのですが、後ろから仏像を見た感じでは、もちろんですがピンは見当たらないですね… 両方のもみあげ部分をたるませた状態でトップで結ぶというのは、一人ではなかなかできるもじゃないですし、現代の美容師からみても、とても高度な技術が必要なほどです。「架空の髪型だから」と言われればそれまでなのですが、なんだかとても謎なのです。そもそもなんのために！？オシャレ？アクセントをつけたかった？たまたまなんとなく？謎です… ちなみに、この髪型の輪の部分にはには、まだ名前がないので（私の知る限り）決めちゃいましょう！『耳輪垂らし（みみわたらし）』！！っそのまま！いや〜、謎が多いです。きっと何か意味があって最初にデザインした仏師さんも造ったはずなので、いつかその意図を解釈できたらなぁと思っております。実際に仏師の方にもインタビューさせていただいて、この謎をお聞きしたところ、当時の風俗や流行などを反映していることが多いので、オシャレで作ったんじゃないかとのことでした。勉強になります！！最後の絵画の観音様（はまぐり観音図）は、ラインも2本入ってますね！イケてるぅ〜！！LDH系。研究員　宮林 #歴史#歴史好き #日本史 #歴史好きの人と繋がりたい #世界史 #美術館 #博物館#歴史#考古学#髪型#美容考古学研究所#ブログ#仏像 #ガンダーラ #仏教 #マトゥラー #仏 #観音菩薩 #観音菩薩像 (Hair&Make CAMDEN TOWN) https://www.instagram.com/p/B-gN7IFDYhF/?igshid=1wj4wy4au3sq3

#歴史 #歴史好き #日本史 #歴史好きの人と繋がりたい #世界史 #美術館 #博物館 #考古学 #髪型 #美容考古学研究所 #ブログ #仏像 #ガンダーラ #仏教 #マトゥラー #仏 #観音菩薩 #観音菩薩像

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photoconcerto · 4 years

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山梨県勝沼ぶどう郷　2020初秋 “Genuine” Japanese Wine in Koshu-City Japan in early autumn 2020

本来はぶどう狩りの季節で、ヌーボー解禁（11月3日）まではまだ日がありますが、気分転換もかねて日帰りドライブです。

青梅市～奥多摩湖（小河内ダム）～大菩薩ライン～柳沢峠（標高1472m）～塩山市を経て、勝沼（甲州市）到着です。勝沼は日中暑いくらいでしたが、途中の往復は標高のやや高い山岳ドライブですので、渋滞も（”３密”も）なく快適です。柳沢峠では好天に恵まれ富士山が良く見えていました。

勝沼醸造からのお手紙では、今年の梅雨は長期にわたる多量の降雨で葡萄にも病気が蔓延しその対策にたいへんだったそうですが、8月に入り梅雨明け後の盛夏になると好天と乾燥の日々が続き、ぶどうも健全な生育を取り戻し、順調に成熟に向かっているそうです。勝沼の街はまだ静かなようですが、それでもチラホラとワインお目当てのお客さんが散策していました。

シャトーメルシャン　私の知らなかった（気がつかなかった）新しいワイナリーや新しい商品ラインアップがずいぶんと出ていました。

勝沼醸造　ビデオでワイナリーを多方面から紹介しており、私も見入ってしまいました。甲州種の味を最大限に引き出すグラスとして、オーストリアのワイングラスカンパニー「リーデル」の中から選ばれた、リーデル「シャンパーニュ・ワイングラス」が紹介されていました。ちょっと価格が高いですが（笑）。

勝沼ワイナリーマーケット（新田商店）　初めてですが、商品がいろいろとあって面白いです。Kisvin Wineを初めて買ってみました。

原茂ワイン　お気に入りのカフェ（レストラン）Casa da Noma（カーサ・ダ・ノーマ）が10月31日で閉店とのことで、ちょっとショックでした。

ところで、勝沼でもワインとは別にぶどうのジュースを販売しています。

いわゆる果汁100％のジュースには、1)濃縮還元ジュース、2)ストレートジュース、3)生（フレッシュ）ジュースがありますが、以下のような特徴・違いがあります。

1)濃縮還元ジュース　野菜・果物をすり潰して果汁の水分を飛ばし、5～6倍まで濃縮。ペースト状になったものをその状態で冷凍保存。商品としてボトルに詰めるときに濃縮したペーストに再び水分（砂糖も）を加え、果汁として元に戻します。長期保存可能で低コスト。 2)ストレートジュース　新鮮な野菜・果物をしぼって、その果汁を低温で保存、容器に詰めて出荷。熱を加えていないので、味や香り、酵素などがそのまま残っているそうです。 3)生（フレッシュ）ジュース　新鮮な果物をその場でしぼった、生しぼりのジュース。

実際にぶどうジュースとして飲んでみると、ストレートジュースはやや発酵したような独特の酸味・風味があります。濃縮還元ジュースはやや甘味があり、ふつうのジュースとしては飲みやすいです。生（フレッシュ）ジュースは、勝沼のワイナリーではどこも提供していないと思います。価格は一升瓶（1800ml）とワインのようなフルボトル（750ml）でほぼ同じような金額ですので、２倍程度違うようです。　

Koshu-City Japan, September 2020, CONTAX645 PhaseOne P30＋ Planar T* 80 mm F2.0 Distagon T* 35 mm F3.5, iPhone SE We can look at the enlarged images clicking the original ones.

The term for "genuine" Japanese Wine (Nihon-Wine) is defined by Japanese Wine Labelling Rule. Japan Wine (Nihon-Wine) only refers to the wine which is made from ingredients 100% made in Japan. (Visit Japanese Winery)　　

#勝沼ぶどう郷 #Japan Wine #Nihon-Wine #Koshu #CONTAX645

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hanauta-hunhun · 4 years

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疲れて爆睡してた😪💤

昨日のライブは『土屋研究所』って

ライブハウスでやってんけど、

ここの所長さんがバンドマンで

ウチらの大学の後輩らしく、卒業後、

他所のライブハウスでPAをやってた

経験を活かして自分のライブハウスを

立ち上げたらしい。

アコギの弾き語りができるような

ライブハウスが少ないから作りたかった

みたいなことも話してはって、

そしたらさ、本当に、めちゃくちゃ

歌いやすいし弾きやすかってん！！

マイクとか良いの使ってると思う。

バスドラの集音マイクとかも

こだわってる感じの使ってたもん。

メーカーとか名前とかわからんけど。

その人が1人でセッティングしてくれて、

PAもするんやけどさ、ステージ上に

タブレット端末持って来て、その場で

楽器の音を確認しながらミキサー

のつまみをいじってたよ！

あと、鍵盤のラインの音の

イコライザーもタブレットいじって

調節してた∑(ﾟДﾟ)

あ、新しい😳✨

最近は年に一回しかライブしないけど、

最近のライブハウスはこんな感じに

進化してるのか〜∑(ﾟДﾟ)と思った。

しかもさ、本当にめちゃくちゃ

歌いやすかってん✨

声を張り上げなくてもちゃんと響くし、

なんていうか、自分の声がふわっと

広がってくれる感じ。

歌が上手になった気分にさせてくれる😅

エレアコもラインで音を出してくれてんけど、

ボヤボヤした感じがないし

かと言って粒が立ちすぎてミスタッチが

バレバレの緊張するあの嫌な感じもない😅

ちょうど良い感じで久しぶりにというか、

初めてライブで緊張しないでアコギが

弾けたかも😭✨

ライブ自体もね、大成功✨

やったんよ。We will Rock Youも

むっちゃ盛り上がってさ👍✨

今年はこないだゆずちゃんと行って

仕入れた2D仏像の顔ハメを私と先輩で

ハメてさ。先輩が大仏如来で

私が十一面観音菩薩。上の写真は

ゆずちゃんと仕入れた時のヤツ。

ちょっとあごの辺りが引っかかって

ギター弾きにくかったけど😅

絵面的にも面白かったと思うよ。

けどさ！

ライブが始まったのが14時半から

やったんよ。ほんで、私らの出番

1番最初。そしたらさ、ちびっこがさ、

小学生は何人か来てくれてたけど、

本当のちびっこたちがまだお昼寝タイムで

誰も来てなかったんよ😭

私らはその就学前のちびっこをメインに

想定して色々準備してたのに！！😵

小学生とスレた大人たちと

カスタネット大合唱をやるという😅

まぁいいんやけど。

ウチらの出番が終わってから

続々とお昼寝明けのちびっこが来たから

ちょっとガッカリした☹️

もう一つのバンドはなんせ

一回しか練習してないから、

リハの時から誰かが曲の進行

間違ったりとかもうグダグダで😅

。。。最善を尽くしたと思う。

私はやれることはやったよ😁

こないだのスタジオ練習の時、

最後の辺りではむちゃくちゃまとまって

カッコいい感じに仕上がってたんやけど

なぁ🤔

本番て、本当に思った通りに

行かないよね😅

でもすっごい楽しかった♪

ライブの後はそのまま宅配ピザとか

オードブルを持ち込んで、

打ち上げご飯会🍚

ちびっこがステージでパプリカを

踊ったりして盛り上がる✨

年に一回の一大イベントが終わって

ホッとした。

年に一回みんなに会って生存確認と

ちびっこの成長も確認しておかねば😁

打ち上げが終わったら片付けして解散、

私は後輩がツインで予約してくれた

近所のホテルに歩いて行く。

その時ラコスバーガーは開店してたけど、

気づかず素通り。

ほんでホテルで泊まってんけども。

あのね、毎年後輩の子と泊まって

次の日一緒にご飯を食べて帰るっていうのが

恒例になってるねん。

けどな、あのな、事実として淡々と

言わせてもらうけどな、

その後輩の子がな、イビキがすごいねん。

でももう毎年のことやから、私も心得てて、

ちゃんと耳栓持って行って、使うねん。

でもな、今回は耳栓してもダメでさ。

結局一睡もできんかった😵

ほんで、長い長い夜を、

耳栓してふとんと枕を頭からかぶって

色々考えてたらなんか泣けてきて😢

Spotify で音楽聴いたらちょっとマシで

めちゃくちゃ助けられた✨

ラジオも聴いたよ。

King PrincessのAin’t Together を

紹介してたやろ？そこを何回も聞いて。

「声が癒される😭✨」と思いながら。

。。。そっちも若いエネルギーに触発された

良い一日やったんやね。

なんか、ここに一方的に書いてるだけで

ピンポイントな反応がないから、

どう思ってるのかな？

とか、わからんくなるんよね😅

すまんです🙇‍♀️💦

あんまり無茶して

飲み食いしたらいかんぜよ🙅‍♀️

お疲れ様。おやすみなさい😘❤️

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izumi250f · 5 years

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31.4.28

滝沢ダム側から雁坂トンネルを抜けて三富へ

道の駅みとみで人生初ダムカレーを

正直イマイチだった

道の駅まきおかまで行き富士山を眺める

大菩薩ラインを走り道の駅たばやまで休憩して鹿チョリソーブリトーをいただいた

奥多摩から名栗へ抜け有間ダムへ

▲今回のツーリンググルメ

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chibichibita · 7 years

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LONELY BUTTERFLY

もう寝たか？

とラインをすれば直ぐに既読になり

もう寝る、おやすみなさいと返信がきた。

マンションの10階の角部屋を見上げれば確かに灯りは消えている。どうやらもうベッドの中のようだ。

１日早く帰れるなんて初めてのことで脅かしてやりたくてあえて言わなかった。

驚くだろうな

何故言わぬのだと怒るかもしれないそれでもきっと怒りながらも顔を紅潮させて目元を弛ませるかもしくは夢と思ってそのまま抱きついて起きないかもしれない

最近どうも少し大人びてきてたから驚かそうなんてイタズラを考える俺の方が子供みたいだななんて思いながら、家にはいる。電気は消えている。寝室のドアをそっと開ければー

ルキアは、いなかった

◾ ◾ ◾

「どこにいるんだ」「……銀座」「迎えに行くから、どこだよ」「大丈夫だ、まだ銀座線あるし」「いいから！そこにいろ。何処だか教えろ」「だって今帰ってきたのだろう？疲れてるのだから寝ててくれ。私もこれから帰るから」

いつになく早口なルキアに、舌打ちしそうになる。別に夜遊びを怒ったことなどない。元々ルキアはそんなに夜出歩かないし、たまに友達と会うのを咎めたことなど一度もないのに。

なのに

ルキアは嘘をついた

ルキアが夜遊びしているから怒ってるのではない。寝てるなんておやすみなさいなんて言って家にいなかったことがどうにも腹立たしく

そしてとてつもなく不安になる自分がいた。

「誰といるんだ？」「え、あ、鈴音。中学の時の友達」「じゃあ鈴音ちゃんも送ってやるから二人で待ってろ」「……わかった」

嘘がバレたのが気まずいのか、俺の声が既に怖いのかルキアはどんどん声が小さくなる。電話を切るとそのまま地下駐車場へと急いだ。

苛々が治まらず、殴るようにエレベーターのボタンを押しながらどうしてこんなにもルキアに腹が立つのか考える。

多分初めて嘘をつかれたように思うでもそれは本当に「初めて」なのだろうか？自分が知らないだけなのかもしれないーそう思うと知らずまた舌打ちをしてしまう。

せっかくー明日明後日と丸々休みだというのにルキアと１日は部屋でゴロゴロとして１日は行きたがっていた映画を観に行こうと思っていたのに

いや

そうしたいのは俺もなんだから

信号に全然突っかからないからか、車を走らせているうちにすこしだけ気持ちが落ち着いてくる。

遊んだって怒らないんだから嘘はやめろとコツンと殴る程度で終わらせよう心配させるなと小さな耳にキスして許そう。

最近のルキアは聞き分けが良すぎだった俺に迷惑をかけたくないから無理していたのかもしれない嘘をついたのだって俺に余計な心配をさせたくないのかもしれない

アクセルを踏みスピードを上げた

早くルキアに会いたかった。

初めてルキアに会った時、若手としてアイドル並みに持て囃されていたころだった。でも歌を歌ったりCMやバラエティに出て「イイ人」「オールマイティな人」と思われたいとは全然思わず、芝居一本でやっていきたいと葛藤していた。

兄貴的な役や明るい男の役ばかりまわってくるせいか俺の世間的イメージが爽やかなのが気に入らなくてあの頃はとにかくイライラして尖っていた。

ルキアと会ったのは雑誌のインタヴューだった。彼女は新米でその日は付き添いのような形で来ていた。誰にも評価されることなく、どちらかと言えば「この役は志波海燕にはキツイのでは？」と言われていたとある映画のキャラをルキアはとても好きなのだと言ってくれた。

「とても悪い役なのに、殴りたくなるくらいずるくて最後惨めになるのに、それなのに志波さんが最後に笑う顔があの映画のあのダメな男を救ったんですよ。あ、笑ったって。ここで、笑うんだって」

その言葉は当時自分が一番欲しかった言葉そのものだった。笑ったのはアドリブで、本来はしかめ面で終わるシーンだったのだがあえて笑ったのだ。監督もそれでいい、と言ってくれたがその意味を理解してくれる人はいなかったから

俺はその場でルキアに落ちたのだ

ルキアを自分のものにするのはとにかく大変だった。何を言っても「からかわないでください！」とルキアは逃げた。どこまでも逃げるルキアをどこまでも追いかけてやっと彼女を手に入れたのだ。

つきあってから、ルキアが俺のファンだったのだと知った。だからどうしても緊張してしまうといつまでたっても本当に可愛いままでそれは結婚してからも同じだった。年が離れているし、ルキアはあまり我儘も言わないから喧嘩なんてしたことがない。唯一ルキアが俺を詰るのは

「誰にでも優しすぎる」

ということで。それでも「でもそれが海燕殿のいいところだから……」と自己解決してしまっていた。

別に自分は優しいわけではないと思う。確かに困ってる奴をほっておけない性分ではあるし頼られると何とかしてやりたくなってしまう。でもそれは女に限られたことはなく、男でも年上でも年下でも誰に対してもなのだが、ルキアは何となく「女の子にすぐいい顔をする」と拗ねる事が多かった。

一度どうにも疲れていた時に拗ねられて

「おまえみたいになぁ、俺が誰にでも優しいのがムカつくなんてな、そんなアホみたいな事で悩む毎日幸せな奴ばっかじゃねーんだぞ？」

と言ってしまった事がある。

思えばあの頃からルキアは拗ねることをしなくなった。我慢させてしまってるのかもしれない。

そう思うと早くルキアに会いたくなった。

◾ ◾ ◾

もう着くぞと信号待ちの間にラインを送れば和光の前にいると返信がきた。

和光の前だぁ？店にいろと言ったのに

もう12時を過ぎているのに女二人で外に立つなんて危ねぇなと大通りまで、あの時計の見えるところまで出ればルキアは一人で立っていた。

何してんだあのばか！

こんな時間に一人でいて変な男に声かけられたらどうするんだ、そもそも小さいし幼く見えるのに、と慌てて窓から顔を出して「ルキア！」と叫んだ。俯いていたルキアは俺の声にはっと顔をあげて怯えたような顔をみせた。信号を走って渡るのを反対側に車を止めて見ていると視線を感じた。

ルキアから2メートルくらい離れた場所に派手な頭の男が立っていた。なんだあいつ……？ルキアを狙ってたのだろうか？声を掛けようとしてたのか？それとも俺に気がついたのか？それは構わない。元より結婚をしているのは隠していないし妻を迎えにきたのだから疚しくもなんともない。でもなんとなく挑発的な目付きの男だなと自分も目を反らさないで睨み付けてやった。

「すまぬ……」

助手席のドアが開き、ルキアが乗り込んできた。

「おい、友達はどうした？」「悪いから、帰ると帰ってしまった」「そんなの気にしなくていーのにな。おまえの友達なんだろ？」「うん……あの、」「ん？」「嘘ついて、ごめんなさい……」「あーそれな。……おしおきもんだよな」「すまぬ……」「……いいよ、でも心配させんなよ。寝るって言って家にいなきゃコッチは驚いたし浮気でもしてんのかと疑っちまうだろ？」

軽い冗談のつもりでそう言ったのにルキアは「え！？」と過剰反応をした。

「なんだよ、まじ浮気してんの？」「違う！ただ、海燕殿でもそんなこと思うのかと……」「当たり前だ、ここ半年撮影で家あけてばっかだからな。間男にでも入られてねえか心配なんだよ」「…………そんなこと……」

声が小さくなって俯いてしまったルキアの頭を撫でた。

「ごめんな、怒鳴って」

ルキアは泣きそうな顔で俺を見上げながらフルフルと首を振った。今日のルキアは珍しく丁寧な化粧をしていて泣きそうなその顔はいつもよりさらに艶があり何故かどきりとした。素早くキスをすれば、ぴくりと肩を揺らした。

「家帰ったら、心配させられたお詫びにサービスしてもらうからな」「……ばかもの」

照れるルキアに満足して見たことない服を着ていたことも化粧が濃いことにも何も思わなかった

出会った頃から変わらなかった香水がかわっていたことも気がつかなかった

◾ ◾ ◾

菅田彩夏は同じ事務所のタレントだった。本人は歌を歌いたかったのだが、物怖じしない性格とスタイルがよい為、事務所は彼女をバラエティタレントとして売り出した。元々高校からバンドをやっていた菅田はライブハウスでスカウトされたらしい。

歌を歌わせてくれると言われたから……

事務所と契約したのに、事務所はもう路線変更は考えていないようだった。菅田は見た目よりは真面目な性格で仕事と言われれば何でもやった。それでも時には辛いらしく、ぽろぽろと愚痴を溢すことがあった。自分は既婚者で、菅田はまだ22歳という若さだから店で飯食いながら話すぐらいは大丈夫だろうと思っていたが

「そんなの写真に撮られたら大変ですよ！私はともかく志波さんはイメージダウン間違いないです」

と菅田に言われ、それから菅田が話を聞いてほしいというときは菅田の部屋で話をしていた。ルキアもそれは知っているし、菅田がうちに来たこともあった。

だからか、多分、菅田には油断していた

週刊誌に写真を撮られた明け方に、菅田の住むマンションから帽子を目深にかぶって出てくるのは確かに俺だ

だがその日は

俺はルキアには菅田の家にいると言っていなかった。

かなり精神的にやられていたのか菅田はベロベロに酔って俺に絡んだ。もちろん突き放したが、突き放せば泣いた。帰ることが出来ず、ルキアには仕事で帰れないとラインをしていたのだ。

つまり、嘘をついての朝帰りをしたのが公になったのだ。

その週刊誌が出た日は撮影で青森にいたからルキアには「ワイドショーにも出るだろうし、おまえも記事を読むだろうが、きちんと話すまでは変なことを考えないでくれ。やましいことは何もないから、本当に」と手短に電話を入れた。

ルキアは「大丈夫だよ、信じているから私のことは気にしないでくれ」と俺より落ち着いた声でそう言ってくれた。

だがそれが、俺を何故かとても不安にした

ルキアは俺に愛されてるのをちゃんとわかっている。ルキアにも俺は愛されている。それでも最近のルキアは本当に何に対しても感情を見せない。あんなに拗ねて俺を困らせていたのに

最近のルキアは俺に対してまるで菩薩のように思えた

ルキアには我慢をする癖がある

「そんなの言ってやればいいだろ？」と言うことを俺は出会った頃からルキアに言っている。身内にも、会社にも、友達にもルキアはいつでも自分の意見は言わない。

だから俺は俺だけはルキアを甘やかせてやろうと思った。この先もコイツが俺にだけは我儘言える相手になりたいと思って結婚した。

なのに現実はどうなんだ

我慢する女の子から菩薩にしちまったのか俺は

いてもたってもいられなくなり、その日家に帰ると決めた。次の日の撮影は昼過ぎだったから一時間でも二時間でもいいからルキアに会ってあの日のことをきちんと説明してそれから我慢をするなとどうしても顔をみて言いたかった。

「ええぇ？これから東京に帰るなんて、明日もコッチで撮影ですよ！？」

マネージャーは思い切り呆れて困った声を出した。

「大丈夫。必ず時間には戻るから」「だって、今帰っても夜中でしょ？朝にはまた新幹線乗らなきゃいけないんすよ？体が休まりませんよ！」「いいんだよ！それより俺はカミさんが心配なの！こ��なくだらねー写真が出回ってんだぞ？違うって言いたいんだよ」「……ほんと、志波さん愛妻家っすよね……こんな写真出ても知ってる奴等は誰も疑わないっすよ。多分、奥さんも」「その奥さんに俺が会いたいの、会わないと芝居も集中できねーぞ」「……わかりましたよ、じゃあもう最終の新幹線まで時間ないっすから早く行ってください」「ありがとな！」

そう言って俺は東京に帰った。自分の家にルキアの元に

今回はルキアは家にいた。

見知らぬ男と部屋にいた。

◾ ◾ ◾

「黒崎さんだ」

とルキアが俺に言うと、男は黒崎は「こんばんわ」と頭を下げた。派手な髪色だが、下品なガラの悪いイメージはなく、どちらかというと品があるようにすら感じた。

「最近、仲良くしてもらってるんだ。私の話を聞いてくれるし、私も黒崎さんの話をきいてあげているんだ」「…………へぇ」

としか言えなかったのは自分が人の相談事にのってあげることが多く、今回の菅田の件も同じだったからだ。

だからルキアが他の人間と仲良くしてもたとえそれが男でもそこを責めるのはお門違いだというのは頭で理解をしていた。だが理解をしても、この男を嫌だと思った。

ルキアと何を話している？何で俺の家にいる？

「すまないな、黒崎さん。ルキアと話をしたいから帰ってもらえないかな」

なんとか努めて明るくそう言えば黒崎はルキアの顔を覗き込んだ。

大丈夫？

と唇が動いた事にカッと頭に血が上る。

「出てってくれねーかな」「海燕殿！」

思わず怒鳴るように言えばルキアが俺を止めた。

「黒崎さんは、心配してくれたんだ。だからそんな言い方しないでくれ」

ルキアがむきになって俺に反論するのも許せない。だが

いいんだ、こんな時間に男がいたら旦那が怒るのは当然だから今日は帰るよ

じゃぁな

と黒崎がルキアの頭をするりと撫でたのは我慢できなかった。

「触るんじゃねぇよ」

思わず黒崎の手を掴んでルキアから離した。

「仲良いのはかまわねぇけど、ルキアに触るな」「すみませんでした、つい癖で」「ルキアに触る癖でもあんのかよ？」「海燕殿！やめてくれ！」「………………あんたもなんでしょ？」「は？」

黒崎は褪めた琥珀の瞳で俺を捉えた

「奥さん以外の女の頭を撫でるのは、あんたもだって聞いてたけど」

何？

一瞬のその隙に黒崎は俺の手を払いのけた。

「おじゃましました」

そう言うと振り返ることなく黒崎は出て行った。

「海燕殿、」「家に男呼んだのか」

怒りがおさまらず怒鳴るようにルキアを問い詰めた。

「俺がいないときに、おまえ、男を家にあげてんのかよ」「違う、黒崎さんがうちに来たのは今日が初めてだ」「何？あいつ？いつから会ってんの？」「……ここ、最近できた、友達だ」「何話してんの？何であいつ、最後にあんなこと言ったわけ？おまえの頭も撫でやがって」

あの手をへし折ってやりたいと思った。逃げるそぶりのないルキアにも怒りを感じた。

「……海燕殿と、おなじであろ？」「は？」「海燕殿も、この間菅田さんの頭を撫でていたよ」

え？

と思わず声をつまらせたのはルキアの顔が冷静そのものだったからだ。

「……俺のは何でもねえからいいんだよ。でもあいつはだめだ、おまえはダメなんだ触らせるのは許せない」「海燕殿が他の女の子を撫でるのと、黒崎さんが私を撫でるのは何も変わらない」「ルキア？」「海燕殿、おかしい。海燕殿が黒崎さんに怒るのはおかしいと思う」「俺はだめだ、いやだ。おまえが他の男に触られるのは絶対駄目だ」「どうして？」「いやなもんはいやなんだよ！」

更に大きな声で怒鳴るとルキアは一瞬びくりと体を揺らした。

「ずっと、私もいやだった」「何が」「海燕殿が、他の女の子に触ることが」「俺は、」「同じであろ？さっきの黒崎さんも私を心配してくれて撫でてくれたんだ。海燕殿も同じなのであろう？でも、私はずっと、ずっとそれが嫌いだった」「ルキア、何でそれなら、言わねぇんだよ……」「言えなかった。遠回しには言ってたと思うが、きっと私がぐちぐちねちねちと言ったせいで、怒られた」「ごめん、ごめんルキア」「いいんだ、もう、いいんだ」

何が？何がもういいんだ？

「海燕殿」「なんだよ……」「離婚してください」「……何いってんの、おまえ」「……お願いします」

そう言うとルキアはフローリングにぺたりと正座をして頭を下げた。

吐き気がする、目眩がする、頭が痛い

「何を、何で？何でそんな話になるんだよ、しねーよおまえと離婚？アホか絶対しねえぞ？」「……」「ルキア？！怒ってるのか？悲しんでるのか？あの日仕事って言ってたのが菅田の家から俺が出てきたから、怒ってるんだよな？なぁ、怒っていいんだ、あの日本当に何もなかったけど俺の嘘が嫌なら怒ってくれ、頼むよ溜め込まないで言ってくれよ、そんな、離婚なんて、離婚なんていう前に俺に怒れよ、なぁルキア、ルキア！」

情けないことに涙が出てきてしまう。怖くてたまらない。無言の正座をするルキアが俺を既に体で拒んでいるとしか感じられない。受け入れようとしてくれないのがたまらなく怖い。

「…………前は、怒ってたし悔しかったし寂しかった。でももう、怒らない。今度は私が怒られる番だから……」「ルキア？」「私は、浮気した」

黒崎か

聞かなくても間違いないと思った。あの時のルキアと黒崎の空気は友達なんかじゃなかったのだ

「……許すよ、でも、もう会わせないけど」「違う……許さないで欲しい。いや、許せなくていいんだ。私は浮気して海燕殿の気を引こうなんて思っててそれでそのはずが

本気になってしまったんだ」

息ができなくなるかと思った

言葉もでてこなかった

怒ることもできなくて

ルキアの顔をただただみつめた

ルキアが俺じゃない男を好きになっただから離婚してくれと言っている嘘だそんなの、嘘だなぁ、嘘だと言ってくれよ

「海燕殿の、その明るさが大好きで誰に対しても優しいところも、人を選ぶことなく誰にでも同じに接するところも本当に好きだったのにいつのまにか私は海燕殿のその一番好きなところが一番嫌いになっていた

私は

私だけをみてくれる人がいい自己中心な女だったんだ」「おまえが、好きだよ。おまえしかいないしおまえがいなきゃ俺は無理だ、おまえがいてくれるから俺は人にも優しくできたんだ。おまえがいなきゃ俺は誰にも優しくなんてできない」「そんなことない。海燕殿は優しい人だよ。そこを無理矢理変えるなんてだめだ。でもわたしももう、ダメなんだ」「ルキア、なぁ、浮気は許すからだから離婚なんて言わないでくれ、頼むから俺から離れないでくれ」

どうしようもなく情けない言葉でもそれが本音で泣きながらルキアを抱き締めて

頼むから離婚はしない他の奴を見るな傍にいてくれ

そういい続けた。涙も鼻水も止まらない。醜い姿でルキアを揺さぶって訴え続けても

ルキアはごめんなさいしか言わなかった

最後はルキアの名前しか呼��ことが出来ずルキアにしがみついて泣いているうちに意識が遠退いた

眠りに落ちる頃

動かなかったルキアの腕が俺を抱えた

あぁ、やっぱりルキアは菩薩のようだ

ルキアに抱かれるだけで泣き疲れた俺は目蓋を閉じれるのだから

目が覚めた時、ルキアがソファに寄りかかり、俺を胸に抱えて毛布を掛けて眠っていた。 150センチもない小さなルキアが大きな俺を抱えて眠るのは、ソファに寄りかかっているとはいえ辛かった筈だ。そっと腕から離れてソファに横たわらせた。おでこと唇にそっとキスをした。

いけないことだと思ったが初めてルキアのスマホを手にして着信履歴を開いた。

そこには同じ名前が連なっていて、その隙間に時々俺の名前が割り込んでいた

そっとベランダに出てその夥しい名前をリダイヤルした相手は直ぐに電話に出た

◾ ◾ ◾

大学教授だという黒崎に吐き気がした

そんな大層な仕事をしながら自分にも妻子がいて他の女に手を出すなんてと殴り殺してもいいのではないかと本気で思った。

話がしたいといえば迷うそぶりもなくかしこまりましたと言ってきた。

「僕も、あなたと話さなければいけないと思ってましたから」

そう、言われた。

黒崎の指定してきた場所は都内の神社だった。

「嘘をついたら、ばちがあたりますからここにしてみました」

現れた黒崎は飄々とそう言い放った。

「いつから？」「3ヶ月前に、既婚者パーティーで会いました」「既婚者、なんだって？」「既婚者パーティーという、お互い結婚して家庭持ちの男女が出会いを求める場所ですよ。そこで彼女と知り合いました」

初っぱなから出鼻を挫かれた。なんだ、それは何でルキアがそんなところに行く？

「彼女は、貴方の目を引きたい一心でそこで相手を探そうとしてたんです。浅はかですし幼稚だなと思いました」

すらすら喋る黒崎が憎たらしく、歯軋りをしてしまう。

「でも、彼女は一度も誰ともその場所以外で誰かと会うことはしませんでした。俺以外は」「自慢か？」「いえ、俺は必死で口説きましたから」

ガッと黒崎の襟を掴んでも黒崎は怯えることなく俺を見ていた。なんでなんでこんなに強気なんだ？

「…………彼女は、どの男をみても、口説かれても結局誰にも落ちることはなかった。貴方を思い出して、浮気なんか出来なかったそうです」

ルキア

そうだおまえはそういう女だそういうところが愛しいんだ

うっかりさの言葉に胸が熱くなってしまう。でも黒崎の言葉に今度は米神が熱を持った。

「そんな健気な彼女の気持ちを気付かないぼんくらの元から彼女を奪いたいと思ったんです。だから、俺は、彼女を落としました」「……何言ってんの、おまえ？」「彼女がどうしてそんなことをしてたかわからなかったんでしょ？わからなかったら彼女が悩んでも泣いても知らなかったですまされるんですかね？」「うるさい……！」「最初はただ可愛いだけでした。でも今は違う」「黙れよ」「俺は彼女をあんな場所に行かせませんから。彼女が胸に何かを溜め込まないでいられるようにしてあげますから」「黙れって言ってんの聞こえねぇのかよ」「ルキアは俺がもらう」

気がつけば黒崎を殴っていた。よろけて尻餅をついて口を拭いながらそれでも黒崎は全然怯む事欠く俺を見上げていた。

「ルキアは昨日何て？」「…………」「不幸にはしねぇ」「…………」「ルキアをいつでも本当に笑わせてあげたいから。幸せにする約束ならできる」

この男の怖いくらいのこの自信は何なんだルキアを幸せにする？ふざけんな

ふざけるな

「おまえにもルキアにも、幸せになれなんて、俺は言わない。この先も一生言わない」「…………そうですか」

ルキアが幸せならいいとは思うけれどそれは誰かの手で幸せになって欲しいんじゃない

俺がルキアを幸せにしてやりたかったんだ

尻餅をついたままの黒崎に声をかけることも振り返ることもなく神社の境内の階段を降りた。

黒崎も追っては来なかった。

環七まで出てタクシーを拾おうと思っているのに腕が巧く上がらない

流れる車をみながら

ルキアを失う事を認めるぐらいならこの流れに身を任せたいと馬鹿な思いに泣きたくなった

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