Tumgik
minpo-no-tobira · 1 month
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R.D.ローヴァー:為替手形の展開、14世紀から18世紀 (1953)
 あるきっかけで最近知るに至った本。少しずつ読んでいるが、何かしらわくわくする本。読みたかったのは、これだよ、これこれという感じ。歴史研究の醍醐味か。為替手形の生成を、当時のヨーロッパ諸都市に残る取引証書から少しずつ推測を交えつつ、読み解くのだが、歴史だから、いろいろな環境要因が作用して、地域ごとに複雑な軌跡をたどる。
 ブローデルが序文を書いている。彼の大著は壮大すぎて、ついて行けないところがあったが、この本は対象が限定されているので、ついて行きやすい。といっても、十分複雑だが。
 原書はフランス語で、翻訳本が最近出たが、いろいろな点でお勧めできない。
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minpo-no-tobira · 1 month
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本棚の配分
さて、4月からは、再就職先も定年退職したので、自宅での作業が多くなろう。そこで問題になるのが、資料置き場。具体的には本棚だ。現在は、二階の書斎と、一階の玄関脇にある。最初の退職時におおよそのレイアウトは考えたものの、研究ということにより限定された空間を配分しようとすれば、それ以外の文学的なもの、哲学的なものは、ガレージの段ボール箱に収納するのが妥当だ。かといって、これを徹底しすぎると味気ない。少しずつ考え、実行していくつもりだ。
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minpo-no-tobira · 4 months
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クセノフォン・アナバシス
 やっと、第1巻第9節まで読み進んだ。第8節の終わりでキュロスは倒れる。だから、第9節は、彼の生涯をたたえる挿話的部分である。第10節から、現在に戻り、キュロスが倒れたことを知らず、自分の翼では勝利を収めているので、全体としても勝利したと誤解した指揮者たちが、その誤解を知らされ、戦後処理をどうするかの検討に移っていく。
 戦いは紀元前401年の夏であった。今からおよそ2400年前ということになる。それにしても、クセノフォンが再現する内容が醸し出す感銘は変わらない。キュロスが功を急がず、戦いを進めたら、その後の歴史はどう異なったであろうか。
 翻訳で通読はしているが、原文から読むと、写本による伝承の制約から、文法的に苦しい(不自然な)ところが、実感される。
 ちょっと、読解が進歩したなと気を許すと、ドカンとやられる。だが、同じ人間が使った言語と思えば、文法の知識を総動員して、かじりついていけば、少しずつ石でもうがたれていくと信じるしかない。
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minpo-no-tobira · 4 months
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G. Chr. Lichtenberg Aphorismen
 18世紀末にゲッチンゲン大学の物理学教授として活躍。そのかたわら、メモ帳にいろいろな感想文を書き続ける。
 現在、順に少しずつ読んでいるのは、レクラム文庫のもの(選集を別に持っている)。テーマ別に編集されており、最初の部分は、自己分析にあたり、やや内容が暗い。彼の持ち味の社会批判(とりわけ宗教批判)は、次の部分から始まる。編集に改善の要ありか。
 ところで、彼を知ったのは、どんな機会だったか。もう思い出せない。ドイツに親しむと、案外、いろんな場面で、彼の言葉に出会うほど、現在でも親しまれているようだ。
 現在の市庁舎前広場に、猫背で歩くリヒテンベルクの像が建っている。
(追記 2024.1.3)
 本棚から、6巻本の選集を持ってくる。レクラムだと、注は一切ないので、リヒテンベルクのくすぐりや批判がどこにあるのか、わからないことが多い。自然科学者としての観点と、時代の文脈などを合わせ考慮しないと理解には自ずと限界がある。選集の方では、アフォリズムごとに詳細な注記が付せられており、そういうハードルを低くしてくれる。
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minpo-no-tobira · 4 months
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ギリシア語読解のスピード
 まだまだ、他のある程度慣れた外国語と比べると、遅い。少し読んだだけで、疲れてしまう。おそらく、今までの外国語習得でも、同様だったろうと思うのだが、語彙と文法のハードルは相当高いように感じる。それでも、少しずつ、はかどってきたような気もする。
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minpo-no-tobira · 4 months
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Ich und du
言わずと知れた、マルチン・ブーバーの著作だ。
かつて、翻訳で挑戦したが、挫折。X(twitter)の記事に刺激されて、原典で再挑戦しようかなと考えている。こういう思想ものは原語でないと、原作者の息づかいをたどれないのではないか。それは、数多の本を読んできた経験からも体感する。「我と汝」と通常訳出される表現からして、もうずれている。
(2024.1.27追記)
年明けにレクラムを購入して、少しずつ読んでいる。リヒテンベルクのものより、活字が大きい。レクラムも全体として変わってきているのだろうか。高齢者にはありがたい。
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minpo-no-tobira · 11 months
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中田裕康『研究者への道』
ご本人からいただいた。定年退職後の心境を描く最後の文章が自分にも切実で、まず目をひいた。もう少し、ゆっくり味わうと、大学の授業から受けた知的感興の記憶、弁護士から研究者への転機の際の迷いと決断、大学に勤めだした際の戸惑い、体系書のプランを仕切り直す苦労、などが、淡々と、しかし内心の動きもユーモアでくるまれつつ、語られている。大阪育ちということがこのような文章スタイルと何らかの関連を持つのだろうか、少し興味がある。
 ああ、こういう風に書いてもいいのだ、と心強く思った。内容は異なるが、直近の二つの記事は、この本に触発されたところがある。
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minpo-no-tobira · 11 months
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ラテン語
手元に『新ラテン文法』という表題の本がある。いつ買ったのだろうか。巻末に昭和49年とあるから、院入試が終わった頃だろうか。学部の授業「ローマ法」を結構熱心に受講しており、定期試験の結果を見てだろうか、それとも全体の成績評価を見てだろうか。担当の先生から、助手採用で残らないか勧め��れたことがある。それと購入が関係するのかもしれない。いずれにせよ、語学好きであったので、民法の院生時代に、これも少しずつ練習問題を解きつつ、読んでしまったように思う。要するに、中途半端に迷っていたようなのだ。結局、ローマ法の助手にはならずに、院生時代は民法専攻として過ごし、民法の助手を経て、就職することになる。 のちの民法研究の中で、ローマ法に素人ながら言及するスタイルも、このあたりにルーツがありそうだ。と書くと、順風満帆のように聞こえるが、決してそうではなかった。指導教授をはじめ、いろいろな方の恩義をこうむった。それは現在まで続いている。思えば、人生の節目ごとに壁にぶつかり、悩み、また歩きだすを繰り返しているような気がする。そのサイクルが同種のものなのか、らせん状に進歩しているのか、はわからない。おそらく両方なのだろう。
 後年、法学ラテン語に親しむ機会がたびたびあったが、これは、一般のラテン語とはかなり毛色が異なり、その凝縮度には驚かされた。それぞれの世界の奥深さを痛感した。
 現在は、これも退職間際に知った、ラテン語によるラテン語学習書(LINGVA LATINA PER SE ILLVSTRATA)の第二巻を練習問題とともに読み進めている。原文に加除はしていないと書きながら、実はしていたり、そのため、学習者からは、文脈を取るのに難渋したりという欠点はあるが、全体としては、ラテン文学を原文で鳥瞰するよい教材だと思う。
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minpo-no-tobira · 11 months
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ギリシア語
教養部2年の春学期だったと思う。法学部の専門講義も始まってはいたけれど、教養部の科目にも惹かれるものがあった。それが、ギリシア語の授業だった。岩波全書の『ギリシア語入門』を使い、ほぼ半分ほど進んで、終わった。自分の中では、最後まで読み終えたい、練習問題を最後まで終えたい、という希望があった。そのとき授業を担当されていた先生の名前までは覚えていないが、その希望が実現するのは、ずっと後の、自分が大学を定年退職する前後の数年間をかけてだった。その後では、引き続き、大学書林の対訳版『ソクラテスの弁明』を読み、現在は、ローブ・ライブラリの対訳で少しずつ『アナバシス』を読んでいる。
 おおよそ、ディレッタント的とはいえ、言葉と、それを通して感受される文化、に対する憧れを持っていた(現在に至るまで、かなりの言語を、西洋、東洋、中東を問わず、「かじった」)。英語の高校教員だった父親の影響かもしれない。大学生のころ、岩波のPR誌『図書』に高名なギリシア哲学研究者のエッセイが度々載ったように記憶する。その影響で、だんだんと岩波文庫に収録されている翻訳や岩波新書にも手を伸ばしたように思う。
 大学院生の頃、その方に実はバス停で会って言葉を交わしていたことが、あとからわかることもあり、さらに、すすんで、ご自宅を訪問したり、お嬢さんと面識を得たりもした。まさに私の人生のエピソードにふさわしい。
  これらは、下手の横好きといってもいいのかもしれないが、現在まで続く哲学や歴史を渉猟する傾向としても続いていて、カントやヘーゲル、ハイデガー、フーコーなどを翻訳なり原語で読んだりしている。現在は、ヘーゲル精神現象学の途中、フーコーは言葉と物の二読目の途中( いずれも原語で )。翻訳が理解の助けとなる場合、原語で初めてわかる場合など、さまざまだ。
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minpo-no-tobira · 1 year
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ハインリッヒ・ブルンナー ドイツ法史概説
作者死後の補訂第7版(1927)。
オンデマンド印刷業者のリプリント版。
よくあるように、4頁分脱落していて、その分が巻頭に脈絡なく挿入され、説明もない。
現在のドイツ法史テキストがどうかは知らないが、ブルンナーに関して言えば、いろいろな動機・背景からなされることが多かった、ゲルマン法の特徴を強調することは極力避けられ、より広い文脈で理解することが試みられている。それと関連するように、ドイツ語文献以外への目配りが丁寧である。
オリヴィエーマルタンを読んでいるので、ドイツでの対応物が読みたくなったのだ。
中世史家のオットーブルンナーとは血縁はないようだ。
5/17追記
現在のドイツ法史テキストを調達した。ショックだったのは、分量の関係などから、ゲルマン時代、フランク時代は扱わないとされていたことだった。著者の前書きでは、いろいろの批判にもかかわらず、この立場を維持すると書かれていた。確かに、大学の講義のテキストとしては、学生の関心を維持するなどの点からやむを得ない側面もあるだろう。二科目に分けることも困難だろう。日本の基礎法の置かれた事情と同様であることは推測できる。にもかかわらず、残念。
もう一つ。巻末の人名索引で、Heinrich Brunnerが出てきて、生没年などの記載は正しいものの、言及されている本文箇所を見ると、Otto Brunnerに関する叙述だった。これも悲しい。
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minpo-no-tobira · 1 year
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オリヴィエーマルタン「起源から革命までのフランス法史」
翻訳で読書中。本文だけで千頁ほど。活字が小さいのが難。原書は普通の活字で、分厚さもそれほどではなかったように思う。
内容は淡々と、だがおもしろい。
ドイツ法ではミッタイスくらいしか知らない。
翻訳で覗いた記憶では、やや図式的でおもしろくなかった。
今読んだら違う印象を受けるかもしれない。いや、もっとおもしろいものが出ているかもしれない。
ドイツだと、継受史とゲルマン法に分かれるのが、フランスだと、成文法地域と慣習法地域(その成文化)と、それらの統合になるのか。
機能的には大差ない気がするが、枠組みにとらわれてしまう。
(追記)2023.8.30 読了。
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minpo-no-tobira · 1 year
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契約清算における契約対価もしくは期待利益の意味
ー役務提供型契約に関するアメリカ法の議論の示唆ー
  阪大法学第72巻第3・4号884-849頁(2022年11月)
DOI
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minpo-no-tobira · 2 years
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アメリカ法における契約清算法理
ー契約法リステイトメントと回復法リステイトメントの交錯ー
大阪経済法科大学法学論集85号(2021年9月)97-137頁
(大学のデジタルリポジトリ)
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minpo-no-tobira · 3 years
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Stintzing-Landsberg, Geschichte der deutschen Rechtswissenschaft. 1880-
やっと、長かった、継受期からの第一分冊(再販元Scientiaの4分冊構成による)読了。
18世紀の自然法時代を扱う第二分冊に移ることができる。
三〇年戦争時代の法学者の生き延び方が随所に出てきて、興味深かった。
一貫して、興味深いのは、もちろん、ローマ法源との距離、ドイツ固有法との関連についての多様な見解。
法の歴史の生活感のなさ、味気なさを払拭するには、このような大部の、細部に分け入ったものが必要だったのだ。ただ、Stintzingを途中で引き継いだLandsbergは、叙述が長くならないように、登場人物の履歴は、大物を除いて、後注に回す方針を立てた。
これが、読者にとってどんな印象の違いをもたらすのかは、これからわかる。
(追記) 大分、違う。 Stintzingは全体として淡々と詳細に記述していくスタイルだったのに対して、Landsbergは詳細に記述していくというよりは、思想史的に、流れを巨視的につかんだ上で、個々の論者、作品を評価する。
(追記 その2 2024.1.2)
第三分冊その1を読了。最終冊の、第三分冊その2に入る。
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minpo-no-tobira · 3 years
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Koschaker, EUROPA UND DAS RÖMISCHE RECHT 1947
数年前から、少しずつ読んでいたものを読了。
大分前に購入したものを定年を機に読み始めた。
最初は一般的な概説を予想していたが、全く裏切られた。
内容の深さと広がりは圧倒されるようだ。
読み進むのが、息詰まる感じになり、半ば重苦しいと同時に、快感でもあった。重苦しいと書いたのは、最後のあたりで、筆者が同時代人として体験した、ナチスの法曹養成制度改革が絡んできたからである。
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minpo-no-tobira · 4 years
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『消費者法』12号
昨年の大会での発言(質問)を収録(77頁)。
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minpo-no-tobira · 4 years
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退官記念号発刊
略歴と著作目録:阪大法学69巻3・4号801-815頁。
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