noir kei ninomiya
COMME des GARÇONSのレディースラインの中で1番好きなブランドが、noir kei ninomiyaです。
デザイナーは、そのロマンティックなデザインからは想像もつかない、二宮啓さんというモヒカンがトレードマークの男性です。
メディアにもほとんど出ない(見た目が強面なのでメディアに出ない方が夢があるという理由らしい)ので、意外とデザイナーについて知る人は少ないかもしれません。
そもそもCOMME des GARÇONSの圧倒的な知名度に比べるとまだまだ一般的には認知度の低いブランドのように思いますが、初期に比べてデザインの幅やアイテム数も格段に増え、今年はモンクレールの新プロジェクト、MONCLER GENIUSのクリエイターに起用されるなど、着実に成長しているブランドです。
デザイナー二宮氏は青山学院大学卒業後にアントワープ王立芸術アカデミーに進学。(私の好きなデザイナーは大体この学校出身でなんだか運命的なものすら感じます)
その後COMME des GARÇONSにパタンナーとして入社。
川久保玲はデザイナーにブランドを任せるとき、決め手になるのは「ことばが通じること」だそうですが、実際にはそこまで社長とコミュニケーションを取る機会はなかったそうで、(川久保玲は必要以上は喋らない人。言葉でのコミュニケーションがなくても、一人一人が考え模索しながら形にできるこの会社は凄いと思います。)基本的に仕事を介してしかコミュニケーションを取っていないと…しかし「目に見えないものを形にする」という、COMME des GARÇONSにおいて重要な作業で、川久保玲と二宮氏に共通の言語があったという事なのだと思います。
COMME des GARÇONSのパタンナーを4年務めた後、社長の「何か新しいことをやりましょう」という言葉でブランドをスタートさせます。
デビューコレクションはCOMME des GARÇONSの展示会の片隅にラックを並べ、ネームタグは付けずにゲリラ的に発表。
その後日本ではトレーディングミュージアムのみ、海外でもトレーディングミュージアムとドーバーストリートマーケットの世界3店舗のみの取り扱いで始まりました。
COMME des GARÇONSの新ブランドとしては、GANRYU以来4年ぶりとなります。
noir kei ninomiyaの特徴はその名の通り、強くて美しい黒。
白や、たまに赤なども使いますが、基本的にはほぼ全てのアイテムが黒です。二宮氏の好きな色だそうです。
フォルムやテクニックを見せるブランドとして位置付けられていて、色を絞ることでダイレクトに技術を伝えることをコンセプトにしています。
技術にこだわる一方で二宮氏本人は、女性の感覚的な部分…実際に見て、かわいい、いいな、と思って長く大事にしてもらう事というのを大事にしているそうで、あくまでも技術は裏方だと。
女心をよく理解されている方だなと思います。
一般的に男性は技術やディテール、スペック、蘊蓄などを好むと思いますが、女性が洋服を買うときの感覚は一瞬の出来事です。
単純に「かわいい」それだけでも決め手になるのです。
そもそも私がnoirを知ったのは、数年前のNHK紅白歌合戦で司会を務めた綾瀬はるかが衣装で着ていたドレスでした。
複雑で立体的なディテールが目に留まり、こんな繊細な服はきっと日本人が作っているのだろうと調べたことがきっかけでした。
まさかそんな強面な男性が作っているなんて思ってもいませんでしたが。
noirはチュール素材をよく使用します。
見かけによらずチュールやフリルのような甘くてロマンティックで儚いものが大好きなので、過去に購入したアイテムも、たっぷりとしたチュール物ばかりです。
COMME des GARÇONSのラインの中では、デザインにおいて一番女性的と言えるかもしれません。
レザーカット、超音波、プリント技術など、最先端の技術を用いたクリエイションが得意なnoir。
他にもPVCや、裏地に使用されるようなポリエステル、紙のような質感の不思議な素材など、こんな素材を洋服に使うのかと、きっとCOMME des GARÇONSを知らない生産工場では理解されないのだろうなという素材を使用することが多いです。
アントワープ時代から「新しいものを生み出す」ということをひたすら考え続けていたそうですが、ミシンや糸を使わずにチェーンやリング、ハトメを繋いで仕上げる、noirの代名詞ともいえる製法もそのひとつです。
来月、職場の同期の結婚式があり、noir kei ninomiyaのドレスを購入しました。
表参道のトレーディングミュージアムで購入したのですが、スタッフの方が「そういった大事なシーンで着るお洋服を考えるとき、noirだったら何かあるだろうと思ってもらえるのは嬉しいです」と仰っていました。
特別な日に着たいと思える、スペシャルなアイテムが揃うブランドです。
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toogood unisex outerwear
職場のメンバーと趣味で始めた「フォトジェニック部」という部活動があります。
私の会社でも、ブログやWEB接客に力を入れようという事で(ようやく)昨年度あたりから本格的にブログに力を入れ始めたのですが、当初はまず「オシャレな写真が載っていないと見てもらえない!」「写真のクオリティが低い!」など色々と課題があり(今思えばどれだけいい写真を載せていても、伝えたいものが浅かったらWEB接客としての意味は薄いと思いますが…)、そこで始まったのがこの部活動でした。
活動内容は、オフの日に集まってロケハンをしながら、最近買った服や、次のブログに載せたいブランドの服を持ち寄ってフォトジェニックな写真を撮る。だけです。撮った写真は職場のブログや個人のInstagramに載せたりしています。
(ちなみに以前ドリスの記事で載せた私の写真は、ほとんどがこの部活で撮った写真です)
最近あまり活動していなかったので部の存続が危ぶまれていましたが、本日久しぶりに撮影をしてきたのでこちらで活動報告をしたいと思います。
本日のテーマはタイトルにもある「toogood」。
2014年春夏からスタートしたイギリスのブランドです。
デザイナーはFaye ToogoodとErica Toogoodの姉妹。
イギリスの自然豊かなカントリーサイドで、祖母はテイラー、母はお花屋さん(グラノーラから着る服まで、殆ど全てのものを手作りしてくれるお母さんだったそう)という環境で育った姉妹です。
姉のFayeはインテリア・空間デザイナー(クライアントにHERMESを持つなど、業界では結構有名人のようです)で、コレクションのインスピレーション、イメージを担当。サヴィル・ロウでの経験もあり、祖母のテイラーの腕を受け継いだ妹のEricaがそれをパターンに落とし込み、toogoodの世界観が生み出されます。
天然素材にこだわり、シルエットも比較的ゆったりしたものが多いので所謂ナチュラル系ブランドのイメージで見られがちですが、建築的でアーティスティックな世界観とシルエット、イギリスメイドへのこだわり、染色・織り・コーティングなどクラフトマンシップの技が光るディテールは、ただのナチュラル系ブランドとは一線を画しています。
私の着ているドレスは「The Cheesemonger dress(チーズ屋ドレス)」という名前が付いているのですが、プロダクト一つ一つにユニークな名前がついているのも特徴です。
ブランドタグには一つ一つ異なる、アイテムの名前や販売店舗の名前などが印されているというこだわり。
(ちなみに最近は日本でも取り扱い店舗が増えたせいなのか、販売店舗の欄は空欄になっていることが多いです)
このドレスは神奈川県の本厚木にあるセレクトショップmathematicsの、ウィメンズ専門店rollotで購入したもの。
このお店、職場のスタッフに連れて行ってもらったのですが、知る人ぞ知る名店なのでまた改めて記事にしたいと思います。
ちなみにリミテッドエディション(生産数の限られたコレクションライン)のプロダクトに関しては、ブランドタグをめくるともう1枚タグが付いていて、���LIMITED EDITION」や「MADE IN HOUSE」という手描きの文字と、シリアルナンバーが付いているものもあります。
大量生産された服では絶対に味わえない、まさに自分のための特別な服です。
Fayeは昔からコレクター気質で、石や卵、木の枝などを収集していたようで、そのイメージが、空間デザインやtoogoodのプロダクトのイメージに繋がっているようです。
そもそも服を作り始めたきっかけは、Fayeが空間デザイナーとしてインスタレーションを行う際にいつもそこで自分が着る制服にこだわっていて、そのプロセスがきっかけになっているそう。
最初は家族や友達の為に服を作ることから始めて、ファーストコレクションは8枚のユニセックスコートだけの展開だったそうですが、それがtoogoodとしてのブランドの始まり。
それ故にブランドの正式名称は「toogood unisex outerwear」なのです。
こちらはtoogoodとARTS&SCIENCEのコラボレーションプロダクト。
このコレクションが発売された当初、青山のARTS&SCIENCEでインスタレーションをやっていたのですが、タイミングが合わず見に行けなかったのを後悔しています…。
こちらはtoogoodのタグとARTS&SCIENCEのタグが付いたスペシャルアイテムです。
ちなみに本日のロケ地は、世田谷区の等々力渓谷。
渋谷から東急東横線で自由が丘まで行き、大井町線に乗り換えて等々力駅から徒歩すぐ。
toogoodを撮るなら絶対に新宿や渋谷の雑多な風景は有り得ない、新宿御苑や代々木公園もなんか違う、欲を言えばイギリスまで行って撮りたいとさえ思っていたのですが、ここはまさに理想通りの大自然で、足を運んだ甲斐がありました。
閑静な自然公園で、一帯には遊歩道や竹林、日本庭園、寺院があります。
突如現れる大自然に感動、都会の騒がしさを忘れられる癒しスポットでした。
ちなみにフォトジェニック部、随時 部員募集中です。
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HAPPINESS ONLY REAL WHEN SHARED
今回は最初の投稿でも少し触れた、私のターニングポイントになったショップについてお話したいと思います。
長野県の松本市にあった伝説的ショップ、Roneについては先述の通りです。
そこで働いていた宮下慎司さんという方との出会いは、今の私に繋がる原点とも言えます。
当時私がRoneに通っていた頃に新しくスタッフとして働き始めた宮下さんは、それまでJR松本駅の、駅ビルの中にあるショップで働いていたと記憶しています。
当時東京でTUNEなどのストリートスナップ等にもよく撮られていたように、見るからにお洒落でイケメンなのですが、話してみると本当に気さくで、とても優しい方です。
私にブランドを着る楽しさを教えてくれたのは宮下さんでした。
私が大学進学のため上京した後も、帰省の度に宮下さんに会いに行っていたのですが、その当時私は全身LIMI feuを着ていて(今ほどファッションに情熱的ではなかったと思うのですが、LIMI feuを着ることで単純にカッコよく、強くなれると思っていました)、その時に宮下さんに言われたのは「一つのブランドで身を固めるのは自分の個性じゃなくてデザイナーの個性。このブランドのここが好き、でも全然違うこのブランドのここも好き、そうやっていろんなブランドでコーディネートすることで自分の個性になる。」と教えて頂き、当たり前のことのように聞こえますが、当時LIMI信者に近かった私にその言葉は衝撃でした。
服で、自分がどういう人間か…何が好きで、何を考えていて、どんな人間になりたいか、それを表現することがファッションの醍醐味だと思っているし、私の生き方です。
私の好きなファッションを知る宮下さんは、つまり私を深く理解してくれていることとイコールで、正直両親や友達よりも私のことを理解してくれているとさえ思っています。
そんな宮下さんに「これは貴方にしか似合わない」と言っていただき、買った服があります。
お店でも1点しか入荷していない、スペシャルなアイテムでした。
今でもずっと大切にしていて、着る度にその言葉を思い出します。
FACETASM 2010年春夏コレクションのイーグルポンチョです。
今では定番化しているFACETASMのイーグルモチーフですが、これは1番初期のアイテムで、イーグル部分は刺繍です。
何度も復刻して別アイテムで出したりしていますが、復刻ものはワッペンになっています。
このイーグルは刺青職人に描いてもらったんだとか。
シーズンテーマは「INTO THE WILD」。
アラスカで死体で発見された青年の放浪を描いた映画のタイトルです。
有名な映画だと思いますが、私はこのポンチョを買ったことをきっかけに初めて観ました。
裕福な家庭で育った青年が、全てを捨て一人でアラスカの荒野を目指す物語。
最期に彼が、持っていた本の余白に、衰弱し震える手で記した言葉が「HAPPINESS ONLY REAL WHEN SHARED」(幸福が現実となるのは、それを誰かと分かち合った時だ)。
言葉で綴ろうとすると薄くなってしまう気がするのですが、、
一人になりたい時って誰にでもあるし、一人で生きていけるとか、自分を取り巻く全てのもの、変えられないもの(環境や過去など)から解放されて一人で自由に生きていきたいとか、誰しもが軽い気持ちでそんな事を考えることがあると思うんですが、独りの極限までいくと、やっぱり人は一人では生きていけなくて…生きていけないというよりも、生きる意味を感じられなくなるというか、幸せなことも、誰かがいるから感じられることなんだと…心を打たれたのを覚えています。
…話を元に戻しますと、その後Roneはクローズするのですが、宮下さんは独立して自分のショップを持ち、今では複数店舗を松本市内に構えています。
その一つがSeltie。
宮下さんの好きなものが詰まったお店です。
ファッションで人生は変えられると信じ、地元長野にこだわり続ける姿勢と、人と人との繋がりを大切にしているところが素晴らしい方です。
私が今の会社に就職したタイミングで、Seltieに一通の手紙を送ったことがあります。
私が高校生の頃から将来の夢を聞いてもらっていた宮下さんに、無事に就職できた(私の就活は本当に壮絶だったのですが、それは長くなるのでまたいつか触れたいと思います、、)という報告と、この仕事をしていく上で、私の目標は常に宮下さんのような人間になることで、ファッションで誰かの人生をポジティブに変えられるように、この会社で自分の使命を忘れずに働いていく、ということを書いて送りました。
それくらい、このお店は私にとっての原点の場所なのです。
私は何がしたかったんだっけ?と迷う時は、必ずあの頃の気持ちを思い出すようにしています。
松本市までは新宿からバスや電車で3時間程度。
国宝松本城を中心に、江戸時代には城下町として栄えたという当時の面影が今でも残る松本駅周辺の街並みと、芸術・文化を育む風土が特徴です。
駅から歩いて行ける場所にある松本市美術館では、2018年7月22日まで草間彌生さんの特別展もやっていて、これは必ず観に行きたいと思っています。
これは私の好きな喫茶店です。
年に1〜2回しか帰らないのですが、そんな事を書いていたら、久しぶりに、地元に帰りたくなってきました。
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I have the power to be free by wearing COMME des GARÇONS
I have only done what I found to be beautiful at the time.
And there was a big backlash against this.
Almost for the first time,I learned that beautiful things for me are not necessarily beautiful to everyone else,but they could well be something very scary.
That,as a result,inflamed me to go on and stimulated my following creations.
I would never be content making garments everyone else finds beautiful.
Instead,I became defiant asking people why they don't understand this.
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DRIES VAN NOTEN
私の好きなファッションについてを語る上で、やはり一番最初に書いておきたいのがDRIES VAN NOTENです。
私の事を知っている人であれば、おそらく一番最初にイメージして下さるブランドではないでしょうか。
私がドリスを初めて手にしたのは、2015A/Wでした。
(このシーズンと、続く2016S/Sは、今見返しても全ルック好き…!という気持ちと、もっと買っておけば良かった…という後悔の気持ちでいっぱいになります。)
結婚式のお呼ばれ用ワンピースを探しに銀座三越へ行った時のこと。
それまではドメスティックブランド(mame、TOGA、sacaiなど)を中心に着ていたのですが、その辺りではなかなかピンとくるワンピースに出会えず、三越を一周した後、吸い寄せられるかのように入ったのがDRIES VAN NOTEN。
そこで一目惚れしたのが、緑のラメ糸のジャガード織りが美しい、総花柄のワンピースでした。
どうしてもこれが欲しいと奮発して購入、それまでの買い物の中ではおそらく一番高価な買い物だったと思うのですが、それが、私とドリスとの出会いでした。
それまでドメスティックブランドが好きだった理由は、日本人の繊細さを感じる服が好きで(見かけによらず、繊細で儚いものは好きです)、細部に魂の込められた、作り手の感性を感じられる服が多いからという事と、日本人として生まれたからには世界的に見ても高く評価されている日本人の作る服を着たいと思い、それを着ることで日本人としての誇りを感じられたからでした。
ドリスのコレクションを初めてそこで見た時、なんだかそういった日本人の魂に近いような繊細さを一番に感じたのが印象的でした。(後に「DRIES VAN NOTEN ファブリックと花を愛する男」というドキュメンタリー映画を観て、それが間違いではなかったと納得しました。)
ドリスの特徴といえば、柄、刺繍、織り。
そのどれもが繊細で美しい。
ドリス自身が花を愛しているだけあって(アントワープにあるドリス邸はまさにお城のようなお家で、ゴルフ場並の広いお庭に、庭師によって丁寧に手入れされた四季折々のお花が咲き乱れていて、ドリス自身がリビングや食卓に飾る花を摘みにいくという美意識の高さです。)花や植物のモチーフが毎シーズン多いのですが、その他にも世界各国の伝統的な民族衣装を感じさせる柄も多く、その異国的な雰囲気がエキゾチックで美しいのです。(私も意外とこう見えて、花言葉辞典を眺めたりするくらい花は好きですし、高校時代は園芸委員会の副委員長という謎のポジションでした)
刺繍に関しては、インドの職人がすべて手作業で行なっているものと、アイテムによっては機械で縫っているものとがあるのですが、やはり職人の手によって縫い上げられる刺繍はため息が出るほど繊細です。
デザインチームのスタッフが実際に現地に赴き、職人に細かくイメージやバランスを指導して高いクオリティを保ち続けています。
新作の予約会に行くと必ずと言っていいほど刺繍ものに目が行ってしまうのですが、豪華な刺繍アイテム(ジャガード生地+刺繍や、総刺繍アイテムなどはやはりドリスの真骨頂です)は、やはりお値段も…、で未だに手が出ないのですが、そのうちに絶対手に入れたいアイテムです。
ジャガード織りは、生地によって生産国が違いますが、イタリアのアトリエにある織り機で通常よりも速度を落として織り上げることで、独特の立体感が出るジャガード生地が最高に美しいです。これは速い速度で織ると絶対に出せないものらしく、時間をかけて丁寧に織り上げることで生まれるその風合いには、ドリスのこだわりを感じます。
話が少し逸れますが、私のコンプレックスのひとつに一重まぶたというのがあり、学生時代はそのパッとしない顔立ちが大嫌いだったのですが、メイクを覚えた頃に私の至った結論として「二重の人が一重にすることは出来ないけど、一重まぶたは一重でいることも二重になることもできるんだし、もっと自分のチャームポイントとして愛さなければいけない」と、強引に自分を納得させたものでした。
その一重まぶたをどうせなら活かそうと、それからは黒のリキッドアイライナーで強めに猫目を引くようになり、そのアイメイクが今日まで続いています。
何故そんな話をしたかと言うと、そのアジア人特有の顔立ちを活かせるファッションというものを考えた時に、どこかエキゾチックでミステリアスな雰囲気のデザインが似合うだろうと思い、ドリスの世界観がバッチリはまったという事なのです。
ドリスを着る時のイメージとしては、以前横浜中華街に遊びに行った時に撮ったこの写真がかなり近い感じなのですが、趣味でよく行く水タバコ屋の雰囲気も近いものがあります。
薄暗い中に色とりどりのランタンの光が輝いていて、甘くてミステリアスな香りが漂っていそうな感じ。
台湾の九份や、蜷川実花の世界観も近いイメージでしょうか。
シノワズリ、エスニック、オリエンタル、和洋折衷…そのどこにも属さない不思議な異国感がドリスの魅力だと私は思っています。
ドリスを着るときは、必ずそういった、私が妄想の中で住んでいる場所をイメージしてスタイリングやアクセサリーを決めます。
日本文化を取り入れたデザインをするのもドリスの魅力のひとつで、この2017S/Sの着物柄コートや、2017A/Wの盆栽柄コートも和を感じるデザインです。
これが例えば日本人がデザインしたものだったらまぁ普通なのですが、ベルギーのデザイナーが作っているというのが面白いところ。
それを日本人が逆輸入して着るというところにも面白さを感じます。
ドリスのアイテムで一番好きなのは、やはりロングコートやガウン。
ドリスのコートは、風をはらんでなびく後ろ姿が最高にかっこいいのです。
この感覚は山本耀司の描く女性像に近いかもしれません。
来月に控えた2018A/W予約会では、またコートを予約してしまいそうな予感…。
次のコレクションについても、予約会後にまた改めて綴りたいと思います。
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Introduction
初投稿になります。
ここに何を書いていこうか考えていましたが、私の愛するファッション、ブランド、人、ショップの事、私がそれを着る理由、心を動かしたもの、今の私がリアルに感じるものをアウトプットする場所にしていきたいと思います。
その話を始める前にまずは私の生い立ちからお話しさせて頂きたいのですが、東京都生まれ長野県育ち、現在世田谷区で一人暮らしをしながらお洋服の仕事をしている27歳です。
東京都の江戸川区に生まれ、小学校5年生になるタイミングで長野県の安曇野にある松川村というところに引っ越し、高校3年生まで住んでいました。
西と東を高い山々で囲まれ、田んぼが広がるのどかな村です。村のキャッチコピーでは「すずむしの里」と呼ばれています。
日本の芸術家やファッションデザイナーには長野県出身の方が比較的多いのですが、やはり自然に囲まれた場所なので、春夏秋冬の移り変わりを感じざるを得ない環境が、繊細な感性を形成しているのではないかと思います。(有名どころだと、草間彌生さんやmameの黒河内真衣子さんなどがいます。)
私の住む松川村の西には、連なる山脈の中でも飛び抜けて高く聳える標高2,268mの有明山という山があるのですが、四季折々に、そして日々表情を変えるその山の景色は、子供心に感動するものがありました。
そんな村で育った田舎者なのですが、学生時代は特筆するものが無いくらい普通の学生生活を送っておりました。
特別勉強が出来るわけでもなく、運動神経は人一倍悪い(ながらも中学・高校はテニス部でした)、打ち込める趣味も無ければ顔も体型もコンプレックスばかりで、将来やりたい事も明確に無い。(確か中学生頃の夢は、学校の先生になる事でした。)
テニス部に入ったのは、母が昔やっていたからという、動機にもならないような動機だったと思います。
それくらいの軽い気持ちでソフトテニスから始め、高校時代は硬式テニスをやっていました。
特に強いチームでもなかったので、部活を通して何かが残ったという事もないのですが、人一倍体力も無ければ運動神経が悪かったので、走る事や筋トレは苦痛でしかなく、そういった辛い事に耐え抜く気持ちと、先輩・後輩との関係、礼儀などはそこで覚えた気がします。
今の自分に繋がるターニングポイントは、高校時代にありました。
豊科高校という、当時県内のレベルでいったら中の下くらいでしょうか、長野県内の公立高校ではポピュラーな私服登校の高校でした。
私には2歳上の兄がいるのですが、兄も同じ高校に通っており、私が入学した時に兄は3年。兄の同級生の先輩達はみんなお洒落に見えました。当時古着が席巻していた時代で、先輩達がしていた古着の個性的なレイヤードや、ランジェリーのような古着を合わせたスタイルが素敵だったのを今でも覚えています。
その頃私は将来やりたい事も明確にないままぼんやり過ごしていたのですが、田舎者ながらに東京への憧れが強かったので、ファッション雑誌(今はなきZipperや、FRUiTSをよく愛読していました)を買っては欲しいブランドや行きたいお店のリストを作って、夏休みなど長期休暇になると東京へ行きドキドキしながらショップを回っていました。
(その頃は確かVivienne Westwoodにマーチンの8ホールのような格好をしていたと思います。)
そのとき雑誌で見て、いつか絶対にやってもらいたいと憧れていた美容師さんに、上京してから現在まで約10年ずっと髪を切ってもらっていたりします。
高校2年の終わり頃、当時松本市にあったRoneというセレクトショップに出会ったのが私の転機となります。
高校のお洒落で有名な先輩が通っていて、存在は知っていたけれど、私なんかが絶対に入れないお店と思っていた場所でした。
現在はもう閉店してしまったのですが、地元では伝説的なショップで、当時取り扱っていたブランドはNOZOMI ISHIGUROやmintdesigns、THEATRE PRODUCTS、FACETASM、ANREALAGEなどの東コレ常連ドメスティックを始め、インポートはBLESS、Jeremy Scottなど。
緊張しながらも初めてそこで買ったのはYEAH RIGHT!!というブランドのTシャツでした。(10年以上前の話ですが、今でも持っています。)
そこに通うようになってからはスタッフの方と新しいブランドの話や、東京で流行ってるもの、将来の夢などを語るようになり、コンプレックスの塊だった私は、いつの間にかそこで買った服を着ている自分に少し自信を持ち始め、将来の夢はそこで働くスタッフのように「ファッションを通じて誰かの人生をポジティブに変えること」になっていました。
このお店と、後にオープンするSeltieというセレクトショップに出会った事は、私の人生におけるターニングポイントであり原点なので、また後日改めて書きたいと思います。
高校卒業後は文化女子大学(在学中に共学になり文化学園大学となりました)に入学し、主にファッションビジネスの勉強をしていました。(大学時代が一番真面目に勉強していたと思うのですが、実際何を学んだかと言われるとあまり思い出せません…。)
私の事を知る人であればご存知だと思いますが、この頃から某エンターテインメントグループにハマり始め、大学時代の思い出と言えば何よりも人生で初めて体感したLIVE。その感動を覚えた私はイベントがある毎に足を運んでいました。
彼らのファッションや音楽からも多大な影響を受けたのですが、その事についてもまた改めて触れたいと思います。
そんな学生時代を経て今の職場で働くようになり、夢であったファッション業界で働いている今、自分の使命はやはり「ファッションを通じて誰かの人生をポジティブに変えること」。
コンプレックスで自分の事が好きになれなかった私が、ファッションに出会って人生が変わったように。
私の言葉が、私の姿が誰かの希望になれるように。
その一つとして、ここに想いを綴っていきたいと思います。
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