TEDにて
テイラー•ウィルソン:僕のラジカルな計画 ― 小型核分裂炉で世界を変える!
(詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ)
テイラー・ウィルソンが、自宅ガレージで核融合炉を作ったのは14歳のとき。そして、19歳となった今、彼は、再びTEDのステージに立ち、既存技術である「核分裂反応」の新たな活用法を提示します。
ウィルソンは、支援を取り付けて起業し、彼のビジョン実現に向けて最新の原子力発電の実現に動いています。なぜ?小型のモジュール式核分裂炉を製作する革新的な計画に燃えているのか?
そして、なぜ?それが世界のエネルギー危機を救う大きな一歩となりうるのか、語ります。
もう一度言います!
これは、現在、最新式である第4世代原子力発電の仕組みです。
核分裂反応は、適切なレベルで制御、維持されています。核分裂反応によって、水が熱され水が蒸気に変わり、蒸気がタービンを回すことで電気を得られるのです。
100年も前から、この方法。蒸気タービン発電で電力を作ってきました。
原子力は、水を熱する方法を大きく進化させはしましたが、水を熱して蒸気に変え、それでタービンを回すところは同じです。
そこで思ったのです。これが一番いいやり方なのか?
核分裂は、枯れた技術になったのか?それとも、まだ何か革新できることが残っているのか?そこで、僕は世界を変える大きな可能性があることを思いつきました。
これです。小型モジュール式原子炉です。
あちらの図に示したような原子炉ほど大きくありません。でも、50~100メガワットという大きな電力を作れます。これは、そう平均的な家庭で2万5千から10万世帯分の電力です。
この原子炉が、魅力的なのは工場で作れることです。これら、モジュール式原子炉は、基本的に組立ラインで作れ、世界中。どこへでも運べ、設置さえすれば発電ができます。
ちょうど、この部分が原子炉でここが重要なのですが、地下に埋められています。
テロ対策に通じている人なら地下に埋めることが、どれだけ核拡散防止や警備の上で素晴らしいことか言うまでもないでしょう。
さて、さきほど電力は全て。まあ、太陽光発電を除けば、蒸気を熱してタ��ビンを回すことで作られると言いました。
実は、これはそれほど効率はよくないんです。図のような原子力発電でも大体30~35%の効率なんです。
この数字は、炉が出力する熱エネルギーと実際に発電できる電力の割合で熱効率が悪いのは、これらの炉が低温で稼働しているからです。炉の温度は、せいぜい摂氏200~300度くらいなんです。
でも、新しい炉は、摂氏600~700度で稼働します。温度を高くすれば、より高い熱効率を得られます。
そして、この炉は水を使わず、超臨界のCO2やヘリウムといった気体を使いそれでタービンを回すのです。
これは、ブレイトンサイクルと言います。
電気を作る熱力学のサイクルで熱効率は、ほぼ50%、45%~50%の効率になります。素晴らしいと思うのは炉心がかなりコンパクトなことです。
融解塩炉は、もともと小さなものですが、さらにすごいのは、核分裂させたウランからより多くの電気を生み出せることです。
おまけに燃焼してなくなるこの燃焼度はかなり高いです。同じ量の燃料でもこの炉ならより多くの割合が使えるのです。
新しい原子炉は、燃料補給なしで30年も稼働できる。これは、僕は本当に素晴らしいことだと思うんです。密封されたシステムということですから。
燃料を補給しなくて良いので密封できます。
核拡散の危険もなく、炉心から核物質や放射性物質が、外に漏れることもないのです。
安全の問題に戻りましょう。東日本大震災原子炉事故のあと、誰もが原子力の安全性見直しを迫られました。
僕が、原子炉を設計するときに考えたことの一つは、そのままでも本質的に安全であることでしたから。
僕が、この原子炉に大いに期待しているのは、主に二つの理由からです。
まず、高圧下で稼働しないこと。加圧水型炉。沸騰水型原子炉といったこれまでの原子炉は、非常に高温の水を高圧下で使います。
すなわち、事故が起こったとき。もし、ステンレス鋼圧力容器が破損したら、冷却剤が炉心から流れ出すのです。
新しい原子炉は、ほぼ大気圧で稼働しますから、事故のときにも核分裂の生成物が炉の外に出ることはありません。
さらに、高温で稼働し、燃料も融解されているのでメルト・ダウンも起こりません。
原子炉が許容範囲を超えたり、東日本大震災原子炉事故のように電力供給が断たれたりしたときは排出タンクがあります。
燃料は液体で冷却剤と一緒になっているので、炉心を流し出して臨界以下の条件に落とせます。基本的には反応炉の下にある中性子吸収剤の入ったタンクに落とすのです。
これは本当に重要なことです。核反応を止められるのですから古いタイプの原子炉ではそれができないのです。
さっき言った通り、燃料はジルコニウム燃料棒内のセラミックでこの原子炉で事故が起こったとき、その前のスリー・マイル島の事故では解明するまでに時間がかかりましたが
燃料棒のジルコニウム被覆は、高圧の水や蒸気に酸化環境でさらされたとき水素を発生します。水素は爆発する可能性があり、核分裂の生成物を放出することになります。
新しい原子炉の炉心には、圧力は加わっていないので化学的な反応は起こらず、中の核分裂の生成物が炉の外に出ることもないのです。事故が起こったとしてもまあ原子炉はダメになるかもしれない。
それは、電力会社には気の毒だけど、でも、多くの土地を汚染することはないんです!
また、安全性を確立した後、この小型原子炉をロケットに積めば、50~100メガワットの電力を供給できるわけですから。
これは、ロケット設計者の夢。他の異星への移住も夢じゃない。
50~100メガワットの電力で行きたいところに行けるだけでなく、着いてからも 電力があるのです。ロケット、人工衛星の設計にソーラーパネルや燃料電池を使えば、数ワット、数キロワットが出せます。
それは、たくさんの電力です。でも、ここで話しているのは100メガワット。すごい電力ですよ。火星の街に電力供給できるし、高いレベルの安全性が必要ですが、そこのロケット、人工衛星にも供給できます。
原子力を使って、他の星に飛んでいくのは、これは、とても詩的なところがあると思うんです。銀河の星々は、巨大な融合炉として燃焼している結果、地球に光が届くのですから。つまり、空に浮かぶ巨大な原子炉です。
今日、お話ししている僕のエネルギー源も元々は核反応から由来して、食物の化学エネルギーに変換されたもの。ですから、核分裂の技術を極め、将来の革新的エネルギー源とすることはやっぱり詩的なんだと思います。
参考までに、平和利用のために考案された原子力発電は以下の種類に分けられます。
他にもあるけど省略します。
1)沸騰水型軽水炉 (Boiling Water Reactorで略してBWRとも呼ばれる)
核燃料の液体が入った圧力容器内で水を沸騰させ、核燃料の液体とともに直接!外部の!タービンに送って発電機を回す原子炉。
なお、福島第一原発もこのタイプです。そして、第1世代 ( GEN-I ) -1950年代から1960年代前半に運転を開始した初期の原型炉。危険性が確率的に高いタイプ。第2世代 (GEN-II)もここらへん。
2)加圧水型軽水炉 (Pressurized Water Reactorで略してPWRとも呼ばれる)
圧力容器内で加熱される核燃料の液体が内部で循環して、タービンに送られる水と完全分離している原子炉。
こちらは、第3世代 ( GEN-III ) - 1990年代後半から2010年代頃に運転開始した原子炉で、第2世代の改良型として開発された原子炉。西日本で主に使用されているタイプ。
これを小型化したタイプが第4世代 (GEN-IV)といわれるもので過去の障害を克服している天然ガス火力発電とも競合できる高い熱効率、高度な安全性、放射性廃棄物の負担の最小化及び高度な核拡散抵抗性などの特徴をもつ革新的原子炉です。
東日本の原子力発電は、ほとんどが第1世代 ( GEN-I )、第2世代 (GEN-II)というタイプです。(北海道以外)
(個人的なアイデア)
本当は、震災が起きる前に設備を小型化した第4世代へ大胆に更新すればよかったけど、もう、後始末、廃炉の時間の関係上、手遅れかもしれません。
実は、高度経済成長後のバブル経済への成長の達成は、当時は、最先端のイノベーションである原子力発電の建造も重要なターニングポイントの一つでした。
電気を作る熱力学のサイクルで熱効率は、ほぼ50%、45%~50%の効率まで高めることは可能ですが・・・
高温の物体から熱を受け取り、電気という「使えるエネルギー」に変換できる機械を一般的に「熱エンジン」と呼んでいる。
高温の物体から受け取った熱エネルギーのうち、どれだけ活用できたかという比率を「効率」と物理学では定義している。
この効率は、原理的に超えられない「カルノー効率」という上限があることが知られている。
カルノー効率が達成されると、効率は上がるが、同時に仕事率がゼロになる現象。
つまり、熱エンジンの効率を最大限に上げると出力がほぼゼロになることを意味しています。そして、効率100%は物理的に不可能ということです。
中世で試行錯誤が行われたことに終止符が示され、機械での永久機関は作れないことが、この現象から理解できます。エネルギー保存の法則からも理解できます。
他には、燃料の持つエネルギーをどれだけ動力として取り出すことができるか?これをエンジンの熱効率と定義しています。
2020年の段階で、ガソリンエンジンの熱効率は最高で40%前後あり、10年くらい前までは30%程度。低燃費の技術競争もあるけどカルノー効率から限界も見え始めています。
だから、ガソリン自動車から電気自動車へ世界中の法人が開発を加速して切り替えている潮流があります。
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