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1000y-dr · 3 years
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良性乳児睡眠時ミオクローヌス
百聞は一見にしかず。見ると聞くとでは大違い。知っていればわかる、知らなきゃとにかく慌てる。そういう疾患がBenign Neonatal Sleep Myoclonusではないでしょうか?ミオクローヌス自体は診る機会は多くても、こんなにピクピクする、持続する、しかも赤ちゃんに、というミオクローヌスは実際に目の当たりにするとドキドキします。
新生児期に発症、睡眠中のみのミオクローヌスで、覚醒により発作消失、ミオクローヌス出現時の発作時脳波にてんかん性異常がないことで診断。確かに、そうでしょう。でも、生直後からなので、やっぱり早期ミオクロニー脳症など重症疾患もチラつきます。Suppression-Burstがないことを確認しても果たして?と思ったり、他のてんかん性・非てんかん性疾患との鑑別は?と。代謝疾患とか??
1/4は15分以上の症状を呈するようです。30分を超える症例も報告されています。顔面筋罹患がないこと、覚醒ではどうか?といったあたりをしっかり聴取できるか?そのためにはやっぱり一度経験する、ということが大切だな、と思います。
各文献では、抗てんかん薬使用例が含まれている一方で、「不要な治療介入はしないように」と繰り返し訴えられています。
知識だけでなく、経験が重要だな、と再認識です。
良性新生児睡眠時ミオクローヌスの3例 小児科臨床 2012; 66: 1996-
Benign neonatal sleep myoclonusの1例 脳と発達 2006; 38: 283-
Benign neonatal sleep myoclonus: Our experience of 15 Japanese case. Brain and Development 2015; 37: 71-
Benign Neonatal Sleep Myoclonus: Frequently Misdiagnosed as Neonatal Seizures. Indian Pediatrics; 2015: 52: 713-
Benign neonatal sleep myoclonus. Epileptic Disorder 2008; 10: 177-
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1000y-dr · 3 years
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今回は真面目な話。Wolf-Hischhorn(4p-)症候群のてんかんについて、機会がありいくつか読んだのでまとめておく。
発作:
ほとんどの例で3歳までにてんかんを発症。3/4は強直間代性けいれん。多くは片側性であることも特徴。1/3は非定型欠神も出現。眼瞼や上肢のミオクロニー発作を伴うことが特徴。発作の誘因としては発熱が多く、発熱時は重積をきたすことも多く経験する。その他の誘因として、疲労・興奮も挙げられている。発作予後は良好で、いずれは発作消失し、抗てんかん薬も中止できている。漫然と飲ませることがないよう注意。発作消失のピークは4-6歳。
脳波:
大きく分けて2タイプ。非定型欠神と関連するような、slow sharp wave-wave。睡眠中に長時間のburstとなる傾向あり。けいれんと関連するのはlarge (poly)spike-wave。閉眼で誘発され、後頭部優位に出現することが特徴。他にも・・・という記載もあるが、提示されている脳波ではcontinuous sharp waveというのかアルファ帯域のspikyな波形というのか。。。
治療:
古典的にはKBr。4p-とCaチャネルの関係から。最近でもKBrが有効、という報告があるが、LEVやLTGが有効な例があり、最初からKBrを使わなくても、とKBrの使用に「待った」をかける意見も出ているようだ。とはいえ、87例の集積では強直間代性けいれんにはPB、非定型欠神にはVPA and/or ESM。あるいはベンゾ系を足しても。
経験的にはKBrを始めると発熱に関連するけいれんは消失しているように思う。普段のピクツキに対してどうするか?ピクツキながら動作が止まるものを「非定型欠神」と表現していいのか?に悩む。発作波形が広汎性棘徐波複合なら非定型欠神で良いのか?Caチャネルのことを考えるならESMもありかも。4p-に使用したことはないが。。。
Spectrum of epilepsy and electroencephalogram patterns in Wolf-Hirschhorn syndrome: experience with 87 patients. Developmental medicine & Child Neurology 2009, 51: 373-80
Seizure and EEG patterns in Wolf-Hirschhorn (4p-) synrrome. Brain & Development 2005. 27: 362-4
Successful treatment of migrating partial seizures in Wolf-Hirschhorn syndrome with bromide. Brain & Development 2016; 38: 658-62
Treatment of intractable seizure in Wolf-Hirschhorn syndrome with bromide. Brain & Development 2017; 39: 633
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1000y-dr · 3 years
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医師のコミュニケーション力
医師にも当然コミュニケーション力は求められる。医師同士、コメディカルとのコミュニケーションも重要だが、患者とのコミュニケーションは最重要課題。最近の学生は講義にも診察手法が入っているためか、若手の医師の方がスマートに自己紹介をして診察を始めている印象がある。さて自分は?患者とのコミュニケーションはうまくできているだろうか? 大好き齋藤孝さんの本を読みながら考える。
本書は、患者対医師の診察室の場面を想定して、質問力・伝達力・雑談力・型を作ることについて書かれている。【型】については最初の章と最終章で書かれている。当然今でも自分なりの【型】があるわけだが、本書から改めてその慣れ親しんだ【型】を修正することにトライしたい。メインは質問力。多くのページを割いている。テクニカルなことももちろん書いてくれているが、どう考え、どう対応するか?ということをしっかり書いてくれているので、すぐに応用したいと思える。後半の伝達力・雑談力は質問力の章で書かれていたことの応用。なので、質問力の【型】を作ることで診察全体に応用がきくことがわかる。
少し前に「説明」をテーマにしたビジネス書が増えた時期があった。それはそれで良書もあったが、どうしても商談に関連した内容になっている。本書のように医療現場、診察室に限定してある本は少ないのではないか?自分もずっと以前に読んだが、今回「ノート術」の本を読んでいて、ふと思い出したので、再読した。コミュニケーション自体に困っている方はもちろんだが、困っていなくてももう少しstep upしたいな、と思っている時に読んでみるのもいいのではないだろうか?
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1000y-dr · 3 years
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頭のよさはノートで決まる: 齋藤孝
さて、久しぶり。またまた大好き、齋藤孝さん。今回はノート術。
いろんなノート術の本がある中、本書が他と違うところ、それは・・・そんなにないです。赤・青・緑の3色に分けて書き込む、というのは齋藤孝さんが他の著書でもずっと言っていることなので、目新しさはないです。文学部の先生らしく『書くこと』の重要性を繰り返し訴えられています。【言葉本来の威力は『書き言葉』にある】というのが著者の信条。と最初に。以降はテクニカルなことではなく、考え方、ノートへの向き合い方について。考え方自体は苫米地英人さんなどいろんな人が言っていることでもあるけど、好きな齋藤孝さんの言葉、文体での内容なので、スッと入ってくる。
ノートは仕事上、必須のアイテム。それはわかっている。改めて導入できるところ、導入する考え方、というのを整理した、という印象。
あっという間に読めます。ノートを使っていていまひとつパッとしない方のモチベーションアップにいいのではないでしょうか?
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1000y-dr · 3 years
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弓道。
一つ一つのチェック。特に弓手。引き起こしの時点からちょっと注意するだけで、大三の時の手の内が変わってしまう。「決まる」時もあれば、きまってない、ダメだ、と言うことだけがわかってしまう時も。違うな、と思いながら射つと・・・左腕に当たった。痛い。先生からアドバイスいただき、後半は修正できたが、これを固定していくのが難しい。どこで崩れているかはわかったけど。あと手の内の射つ時の対応。先生の言うことは頭ではわかるが、できない。
右手はもう少し返したほうが捻りの力が入っていいらしい。以前よりはマシ、と言ってくれたので、こっちは頑張れそう。
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1000y-dr · 3 years
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幸せ・幸福とは何か?個人の幸福や自己成長に焦点を当てた本は多くありますが、本書は周囲の【悪者】に着目した本です。犯罪・テロ・虐待・いじめ。世の中には実にさまざまな【悪者】がいます。本書はその【悪者】が生まれる【仕組み】に着目し、【悪者】が生まれてこない世の中の【仕組み】を【デザイン】することの大切さを訴えます。
はじめは【悪者】がどのくらいいるのか?なぜいなくならないのか?といったことをさまざまなデータを提示しながら解説しています。著者はいいます。遺伝など先天的な素因がある一方で、環境も非常に重要だ、と。【環境】とは周囲の人たちの関わり方のことです。つまり「【悪者】をつくっているのは我々みんな」ということ。
我々は他の価値観を本当に受け入れられるでしょうか?国vs国のような大きな集団から、一人vs一人というような小さな単位まで、社会にはさまざまな価値観があり、複数の人がいれば必ず摩擦が生じます。その時、自分・仲間と価値観が異なるというだけで我々は相手を【悪者】にしてしまう(認知バイアス)。このようにして、法的な犯罪を犯していなくても、社会によって【悪者】が生み出されていく、という仕組みがあるというのです。
この社会的な仕組みについてしっかり理解し、対策を検討しないといつまでたっても【悪者】が生まれ続けてしまう社会であり続けてしまいます。我々はこの【仕組み】に対して【理性】をもって解決策を見出す【デザイン】を構築していく必要がある。というような話です。
本書はデータや考え方に偏りがある、という書評もありました。しかし、著者は「Epilogue」に「何事も100以上の情報を集めよう」と書いています。本書のデータや著者の考え方に偏りを持たせて提示することで読者に違和感を持たせ、本書で繰り返し述べられていた「自分で調べる」という次の行動に誘うことが狙いなのではないでしょうか?好意的に受け取りすぎですかね。でも、データも考え方も面白かったですよ。
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1000y-dr · 3 years
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久しぶりの弓道教室。ちゃんとできるか心配しながら行ったが、何とか形になってたかな?何本かはいいのがあった、と先生に褒めてもらえた。めちゃくちゃ嬉しいです。
いくつか修正ポイントを指導していただき、その修正を意識してみたけど・・・それは上手くいかなかった。上手くいかなかったことがわかるだけに、どうしたもんやら、と難しいですね。でも、楽しいです。コロナの中、なかなか行けなかったけど、久しぶりに行って、指導いただき、とりあえずの課題がわかりました。先生もい���いろ言いたかっただろうけど、僕が気持ちよく引いてたので、多分あれこれ言わずに見守ってくれたのだろう。逆に今日指導いただいたことは目に余ることだったんだろうから、早く修正できるといいな、と。
頑張ります。
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1000y-dr · 3 years
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今日は弓道。
今回のテーマも胴造りと背中。まずは胴造り。だんだん骨盤の角度は気にしなくても一定になってきた。そのおかげで丹田にスッと入るようになったように思う。そのおかげか、今回は右肩は特に気にならなかった。打ち起こしもすんなりできたように思う。うち起こした時にもう少し右が上がった方がいいか、とは思ったが。最後の方で先生から「重心を前に」「これ以上お腹でない、くらいのイメージで出してみては?」と。完全に踵に体重が乗っている、と。おっしゃる通り。で、そこを修正。お腹を出すイメージにすると土踏まずより前に体重がかかる感じになったが、命中率は落ちた・・・。重心を気にすると体の揺れが気になり、上半身が疎かになり・・・という感じかな。ま、仕方ないでしょう、今日のところは。
背中に関しては、引いた時のポジション。従来よりはできたと思う。そのせいか、命中率も高かった。特に「永遠の引き分け」をイメージするとよく当たった。次回もこの調子で。
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1000y-dr · 3 years
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「マンガでわかる」なので正直大して期待していませんでした。でも、なかなかどうして、いい感じの本です。「マンガ」は章の最初にちょこっとあるだけなので、どうでもいいです。それで理解が深まる感じもないです。そうではなくて、本文の方。わかりやすかったです。
エッセンスだけなので、専門家や専門家を目指す人には物足りないとかちょっと違う、という内容なんでしょうが、認知行動療法のなんたるかを知らない自分には、「なるほど」の連発です。
この本では、認知とは?に始まり、それを「一旦立ち止まって見直す」考え方や方法について簡単だけど丁寧に解説してくれています。認知行動療法はあえてそんな言い方しなくても、日常的にやっていることです。表現を変えていろいろなビジネス書にも含まれている内容も多いので目新しさはありません。それだけに、特別なよそ行きの考え方ではなく、普段使いの考え方として取り入れていきたいですね。まずは自分のために。機会があれば他者のために。
認知行動療法に興味はあるけどどこから手をつければ?という人にとってはそのハードルを下げてくれるような本だと思います。
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1000y-dr · 3 years
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未熟児の24mまでのDQ推移に着目。DQをワンポイントではなく、推移でみることでASDリスクが明らかに。
Early Neurodevelopmental Trajectories for Autism Spectrum Disorder in Children Born Very Preterm (Pediatrics 2020)。台湾からの論文。<1500g, <32wの未熟児319例を調査。最初の2年間(6m, 12m, 24m)のBaylay Scale でのDQ推移を調査。
5y時点でのASD有無と比較。ASD 29例、non-ASD 290例。
DQの推移から3群に分類。DQが高水準で推移するhigh stable(HS, 93例31%)、高めだが1歳以降に低下するhigh declining (HD 198例62%)、6ヶ月児から低めで1歳以降再度低下するlow declining(LD, 23例7%)。
6ヶ月時点でのDQはHS 93.8>HD 89.6>LD 72.7とこの時点ですでに少し差がある。
12ヶ月時点ではHS 94.8=HD 90.3>LD 79.6となりHSとHDの差は目立たなくなるが、24mg時点では、HS 96.9>HD 79.7>LD 59.1と再度HSとHDに差が見られ、LDは大分遅れてくる。
結果、5歳時でのASD診断率はHS 3%、HD 9%、LD35%。大きな差が見られ、LD vs HSではLDはオッズ比15倍のASD発症率になっていた。
6mでDQ <85は70例いたが、18例は24mまでに>85に改善、52例は24mまで改善は見られなかった。改善が見られた児でASDなかったが、改善なかった52例では23%にASDを認めた。
まず、何より、発達をワンポイント評価ではなく、【推移】で見ることの重要性が再認識できる論文。①6ヶ月時点でDQが85より上か下か、②1歳時点でDQが「追いついて」いても2歳までの経過が重要、という2点。
LDに相当する、6ヶ月当初から低めの場合は「経過に注意」したままフォローするだろうから、ASD率が高いとはいえ療育との連携はしやすい群だろう。HSではASD率も低いようなので、一般的な診療で対応できそう。
しかし、HDに相当するような児は要注意。6ヶ月当初少し良い/悪くはないために、1歳児に【追いついて】しまうと、6ヶ月時点では「未熟児だからゆっくり」で12ヶ月までに「キャッチアップしたから大丈夫だろう」と納得、自己完結してしまいそうなパターン。そう考えてしまうとその後の【低下】に気づけない、または気づいても【ASDリスク】であることに気づけない、となってしまいそうである。こうなると大きな問題。2歳までの経過を見て【ASDリスク】を察知し、療育につなげられれば児も家族も享受できる利益は大きいと考える。変に「未熟児だから最初は少しくらい遅くても」と考えず、経過を慎重に見ていくことが重要と感じた。
これは未熟児だけだろうか?正期産児でもDQの推移は参考になるのだろうか?
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1000y-dr · 3 years
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今日のテーマはもう一度胴造り。腰の位置・骨盤の位置を意識してみた。やっぱり上手くいった。丹田にスッといくし、右肩も変に上がらない。なので、引き分けも良かったんではなかろうか?わからないけど。
途中、右肩が詰まる感じがして、どうしたもんかと思っていたが、残心を鏡で見ると変な傾きがあるような。弓手をしっかり押すことを意識してみたら、右肩の詰まりも良くなったように感じた。意識が弓手に行っただけ?でも、悪くはないと思う。
的中率は低いけど、割と満足でした。
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1000y-dr · 3 years
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これぞ、アートの敷居を上げているもの、という感じ。
「ビジネス教養としてのアート」の【パート2 歴史】を読んだ。アートの歴史をザーッと解説してくれているが、大まかであってもアートの世界史を知っていないと何のことかわからない。あるいは、いくつかのメジャー(なのであろう)作品について知っているのが前提。ミロのヴィーナスやピカソのゲロニカくらいならわかるけど・・・。美術史でなくても世界に興味がある人はこういう話もすんなり入ってくるのだろうか?
パート一1を読んで、「では、【アート思考】どうすれば入手できるのか、読んでみよう」と結んだのに、一気に萎えた。
パート3を読むことはあるのだろうか?
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1000y-dr · 3 years
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いざり児診療では、筋トーヌスの低さや運動発達自体に目が行きがちだが、言語・社会性の発達に注目すべき。
Shuffling babies and autism spectrum disorder (Brain & Development 2020)
著者らは、48例のいざり児の予後について調査。ASDの有無で分類した。ASD20例、non-ASD 28例だった。初診は10ヶ月−3歳(中央値1歳7ヶ月)、7ヶ月ー1歳8ヶ月(中央値1歳2ヶ月)。最終フォローアップは3-12歳(中央値6歳)、3-12歳(中央値5歳)。
発達については概ね・・・寝返り・独座が7−8ヶ月、いざりが10−12ヶ月、独歩が18-21ヶ月、初語が10-16ヶ月、というところ。
ASD vs 非ASDで有意差を認めたのは、①初診時のアイコンタクトの有無、アイコンタクト不可が60% vs 0%でASDに多い、②初語の出現時期、11-28ヶ月(中央値15ヶ月)vs 9-24ヶ月(中央値12ヶ月)でASDが遅い。逆に運動発達のペース、予後は差がなかった。筋トーヌス低下にも有意差なし。いざりの家族歴ありは10% vs 39%で有意に非ASDに多い。という結果だった。
いざりをする原因は未だ不明だが一定数(3−9%)は存在する。実感としてもASDの合併率は多い印象。フォローしながらその徴候を感じれば療育紹介。ただ、「感じれば」という感じで、自分でも根拠が薄いな、と思っていた。療育へのタイミング、どのような児を?と感じていたが、それを調査、論文にしてくれた。まず、粗大運動の発達について初歩までをまとめてくれているのはありがたい。説明しやすくなる。
一方で、運動発達自体はゆっくりながらも最終的には問題ないことが大半なので、そのことよりも、アイコンタクト・初語など、言語・社会性の発達に注目し、ASDを早期に察知、早期に療育介入していく方に注意すべき、というわりきった主張もすごく納得できた。著者らも言うように1施設・48例・後方視的検討とLimitationがあるのは仕方がないが、個人的にずっと知りたかった内容に論文として一つの答えを出していただいたことに感謝。
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1000y-dr · 3 years
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生きる意味、生きている意味とは?をテーマにした絵本。ターゲットサイトはどこ?と思ったりする内容の本。でも、著者なりに解答を示してくれている。
生きることは、宇宙の散逸構造の一端を担う役割がある、ということ、らしい(解釈が間違っていなければ)。
キーワードは秩序と散逸。秩序とは、その社会、集団などが望ましい状態を保つための順序や決まり(デジタル大辞泉)。散逸とは、ある物質系のもつエネルギーが主に熱となって失われること(デジタル大辞泉)。宇宙の散逸構造という秩序に自分を含めた生命が貢献している、という考え方。
本書のテーマは「生きるって素晴らしい‼️を伝えること」そのためには、そう思うためには自分に価値を見出せることが重要なのだが、価値観はそれぞれだし、正解はない、なんてことを言われると、自分の価値がわからなくなり、余計に不安になってしまう。そんな生きることに・考えることに不安を感じてしまうような話題に、本書では、社会的な存在価値ではなく、その答えをあえて自然法則に見出していこうと試みている。自然法則を考えると、生きることには【最低でも】こういう価値がある、【自分の価値の下限】を示せる。下限があれば、不安も減るだろう、と。【私】は宇宙という散逸構造の老化に役立つ秩序。生命に脳があるのは、自由エネルギーのセンサーとして。そして,この考え方なら繁殖も進化も説明できるという。面白い‼️
絵本の特性を利用して、概念を抽象的なまま伝えてくれている。これをどう具体化するかは読者それぞれによるのだろうが、自分としては『一つの答え』として、腑に落ちた。素晴らしい本だと思った。
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1000y-dr · 3 years
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『教養』としてのアートって?「ビジネス教養としてのアート」の「パート1 ビジネスと経済」を読んで(まだ、パート1しか読んでません)。
アートを【ビジネススキル】として考える傾向というのは、①AI時代に対するビジネスパーソンの焦り(AIにできない仕事とは?を模索)、②アートがわかる、理解できるという【ステータス】、③そういう日本のビジネスパーソンの引け目に新たなビジネス書マーケットを見出した人々の思惑、が絡んでいると思った。
パート1では何故高値がつくのか?というようなことからアートの経済面について書かれている。最近,ビジネス書に「アート思考」という言葉が増えたな、と書店で感じていたので、アートから何を得ようというのか?興味を持って読み始めた。何故、ウン億円なのかも理解できないし。
アート思考に求めるのは左脳と右脳とをバランスよく使うスキル、ということらしい。もともと、日本人はアートに『癒し』を求めるのに対し、欧米では知的・言語ゲーム・自分に近似した価値観という『コンセプト』を求めるというギャップが存在するという。確かにな,と思う。さらにパトロンの存在。著者はパトロンはアーティストに経済面だけでなく、高い教養を持ち、アーティストにアイデア・インスピレーションを与える役割があったとしている。アートに癒しではなく、コンセプトを求めるような高尚な人、高尚な考えを持つ人と思われたい、という憧れがありそうだ。自分にはそういう面があるな。
なんかいい絵だな,で済ますのではなく、そこから様々なことを読み取らないといけない、とか、スティーブ・ジョブスなど優れたイノベーターに共通した素養としてアートがあった、とか、アート鑑賞により緻密な観察力・理解力・共感力・問いを作る力がつく、とか書かれてしまうと、いよいよ【アート思考】なるものを身につけないとビジネスパーソンとしてこれからやっていけないのでは?と焦らされてしまいそう。
本当だろうか?少なくとも自分のようにアートをボーッと眺めるだけの人にこんな力は湧いてこない。パート1を読んで感じたのは、【アート思考】というもの自体が最初に書いたような「【アート思考】に新たなマーケットを見出した新規ビジネス」なんだなということ。たとえビジネスだとしても、では【アート思考】はどうすれば入手できるのだろうか?著者の話を読んでみよう。。。
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1000y-dr · 3 years
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子どもの日常チェックリスト(QCD)って?
① 小児の生活機能評価のためのツール「子どもの日常生活チェックリストQCD」の臨床応用の可能性 (小児科臨床 2011)  ②日常診療下でのADHD治療における「子どもの日常生活チェックリストQCD」の妥当性の検討 (小児科臨床 2013)  ③ 子どもの日常チェックリストにより継続して評価した発達障害の1例(臨床小児医学 2015)
①はストラテラ販売元のイーライリリーからの論文。QCDの紹介論文。QCDは全20項目、4段階で子どもの日常生活の「生活機能やその障害」を評価する質問紙ツール。1日を通して、あるいは、各時間帯ごとの評価ができることが「売り」。一般的に用いられるADHD-RSでは学校現場でないと評価できない項目が含まれるが、本ツールは家族・Drでも評価可能。
②は①から二年。QCDの認知度を広げ、20のクリニックで使用。その評価と他のツールとの相関を検討している。対象はADHD82例。平均年齢9.1歳。非薬物and/orアトモキセチン(ストラテラ)で介入。介入開始時、4・8・12週の4回QCDで評価。ADHD-RSとCHQ-PF28(親評価)も同時評価。【結果】QCDの総スコアなど「夜」の項目以外は有意差をもって「改善」がみられた。QCDは親が評価したものと、医師が評価したものは高い相関があった。ADHD-RS・CHD-PF28(心理社会)のスコアとも中程度の相関を示した。QCD総スコアの変化率25%はADHD-RSの40%減少と高い相関を示した。【考察】QCDは有用。「夜」に有意な改善が得られなかったのは、治療開始前から高かったことが影響していた可能性。親と医師との評価に一致率が高いので、医師が児の日常生活を知る上で有用。コメント欄もあるので、さらに有用。日中の項目については、夏休みなど長期休暇の影響を受けた。
①、②ともストラテラ販売元のイーライリリーからの論文。特に②については、メチルフェニデート(コンサータ)使用例は除外している。その理由として「1日を通じて効果が持続しない可能性があるから」としている。一方で、研究対象となった児たちは「『夜』については介入前から高得点(支障がなかった)」としている。「自宅」で過ごす「夜」が高得点ってそもそもADHDなのか?介入前によほど家族への指導が行き届いていて、児にとって家庭は何ら支障のない空間なのか?(でも、非薬物療法も開始前のはずなんだけど?)対象症例が大分意図的に抽出されていないか?・・・なんてことを勘繰ってしまう。「夜」が高得点だったならコンサータの有無は関係ないのでは?むしろ、コンサータ群を入れれば、自社の優位性も示せたのでは?1日を通じて、あるいは時間帯に分けて評価できる、ADHD-RSとの相関を示してくれたのは素晴らしいとは思うが。
③は1症例について2週間ごと、59回のQCD評価を行なった。経過中、抑肝散、メチルフェニデート、リスペリドン、アトモキセチン、アリピプラゾールを順次・適宜使用している。【考察】QCD繰り返し評価のメリット①児・親・医師が状態を把握しやすい、②問題点を発見しやすく、方針を立てやすい、③着目すべき時間帯がわかる、④自由記載欄も役立つ、⑤点数のグラフ化で視覚的に状況把握可能、⑥振り返りが容易。デメリットは①2週ごとの評価の手間、②Drも負担なので全例は無理、③登下校についての質問があるため長期休暇は別に考慮する必要。著者としては19番目・20番目の質問の改善が重要と考えている(治療・介入のゴールでもあるので)。
②よりさらに2年経って。これはイーライリリー無関係の施設からの報告。有用性はよくわかる。QCDについては、ザッと検索する範囲では、あまり論文化されていない?学会では普通に一評価法としてスライド提示されているようだが。すでに周知されて、論文にはならなくなったのか?題材がstudyとしては立ち上げにくいせいか?繰り返し評価するかどうかはケースバイケースとしか言いようがないが、最初の段階で「一連のチェック」の中に入れる分には問題ないように思うが?どうでしょう?
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1000y-dr · 3 years
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千年医師とは?
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千年医師物語をご存知ですか?
ノア・ゴードンさんの小説(3部作)です。第一部は千年医師物語として映画にもなっています。第一部はまだ外科医と床屋がごっちゃ、お祈りで治していた時代。自分の特殊能力を通じて、主人公は医師を目指すことに。そして、そのためにイギリスから遠くペルシアを目指します。ペルシアでも医学を学ばせてもらうのも至難、学び始めてからも至難、そして・・・至難と困難の連続です。最初の特殊能力はどこいった?というくらいどうでも良いことになってます。でも、私はこの小説に感銘を受けました。自分が目指すものを決めたら、覚悟を決めたらどうするのか?主人公の生き様に憧れ、学生時代から何度読み返したことでしょう。これからも、自分が躓いたり、行き詰まったり、覚悟が固まらないようなときに読み返したい本です。
第二部は西部の時代。第三部は産婦人科医として。特殊能力は受け継がれています。その点で千年医師です。でも、特殊能力を持った先祖がどうした、という話は一切出てきません。どの主人公もみな自力で一歩一歩歩んでいきます。いろんな困難・試練にぶつかりながら。ということは覚えているのですが、第二部、第三部はそう何度も読み返していないので記憶は薄いです。
このブログも主人公の生き様に少しでも近づきたい、一歩一歩すすんで行けたら、という思いで始めました。
もちろん、特殊能力はありません。。。
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